JP4618697B2

JP4618697B2 - Ballpoint pen refill

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Publication number: JP4618697B2
Application number: JP2001002319A
Authority: JP
Inventors: 貴之牧
Original assignee: Mitsubishi Pencil Co Ltd
Current assignee: Mitsubishi Pencil Co Ltd
Priority date: 2001-01-10
Filing date: 2001-01-10
Publication date: 2011-01-26
Anticipated expiration: 2021-01-10
Also published as: JP2002205483A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボールペンリフィール、更に詳しくは、インク貯蔵管の内部に加圧ガスを充填し、この加圧ガスの圧力によりインクをチップ方向へ押し出すようにした、いわゆる加圧式のボールペンリフィールに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来から、ボールペンリフィールには、種々のものが提供されている。
例えば、インク貯蔵管と、このインク貯蔵管の一方側に固定したチップと、インク貯蔵管の反チップ側に設けた尾栓とを備え、インク貯蔵管のチップ側にインクを充填するとともに、インク貯蔵管の反チップ側には加圧ガスを充填し、この加圧ガスの圧力によりインクをチップ方向へ押し出すようにした、いわゆる加圧式のボールペンリフィールが提供されている。
【０００３】
このような加圧式のボールペンリフィールは、加圧ガスがインクを常にチップ方向へ押圧するので、チップを上向きにした状態でも筆記可能となっている。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上述したような加圧式のボールペンリフィールでは、加圧ガスの圧力により、チップの先端からインクが漏れ出してしまうことがあった。また、加圧ガスの圧力により、ボールがボールハウスから飛び出してしまうこともあった。
このような不具合を防止するために、加圧式のボールペンリフィールでは、ボールハウスの内径をボールの直径に対して比較的小さく形成することが行われる。
【０００５】
ただ、ボールハウスの内径をボールの直径に対して比較的小さく形成すると、チップの先端近辺におけるインクの通路が狭くなってしまうことから、今度は「かすれ」の発生や「初筆性」の低下といった不具合が生じてしまうおそれがあるのである。
また、ボールの直径に対するボールハウスの内径を比較的小さく形成しつつも、「かすれ」の発生や「初筆性」の低下といった不具合を防止するために、ボールの表面粗さを比較的粗くするということも行われる。
【０００６】
ただ、ボールの表面粗さを粗くしすぎると、ボール受け座が磨耗しやすくなってしまうことから、チップの耐久性が低下して、今度は「筆記距離」が短くなってしまうおそれがあるのである。すなわち、加圧式のボールペンリフィールでは、「インクの漏れ出し」や「ボールの飛び出し」を防止しつつも、「かすれ」の発生や「初筆性」の低下を防止し、加えて、「筆記距離」までも長くすることは、きわめて困難なのである。
（第１の発明）
そこで、本発明のうち第１の発明は、ボールハウスの内径をボールの直径に対して所定範囲内に形成するとともに、ボールの表面粗さを所定範囲内に形成することにより、「インクの漏れ出し」や「ボールの飛び出し」を防止しつつ、「かすれ」の発生や「初筆性」の低下も防止し、しかも、「筆記距離」も十分に長くなるようにしたボールペンリフィールを提供することを目的とする。
（第２の発明）
また、本発明のうち第２の発明は、第１の発明の目的に加え、インクの粘度を所定範囲内に調製することにより、「インクの漏れ出し」をより確実に防止しつつ、「かすれ」の発生や「初筆性」の低下もより確実に防止し、しかも、「書き味」が重くならないようにしたボールペンリフィールを提供することを目的とする。
（第３の発明）
また、本発明のうち第３の発明は、第１又は第２の目的に加え、インクに構造粘性付与剤を添加することにより、「インクの漏れ出し」をより確実に防止しつつも、「書き味」が重くならないようにしたボールペンリフィールを提供することを目的とする。
（第４の発明）
また、本発明のうち第４の発明は、第１ないし第３の発明の目的に加え、加圧ガスの圧力を所定範囲内に設定することにより、「インクの漏れ出し」や「ボールの飛び出し」をより確実に防止しつつ、「かすれ」の発生や「初筆性」の低下もより確実に防止し、しかも、インクを最後まで使い切れるようにしたボールペンリフィールを提供することを目的とする。
（第５の発明）
更に、本発明のうち第５の発明は、第１ないし第４の発明の目的に加え、インクと加圧ガスとのインク貯蔵管収納時の収納体積比を所定範囲内に設定することにより、「インクの漏れ出し」や「ボールの飛び出し」をより確実に防止しつつ、「かすれ」の発生や「初筆性」の低下もより確実に防止し、しかも、インクを最後まで使い切れるようにしたボールペンリフィールを提供することを目的とする。
【０００７】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、ボールハウスの内径をボールの直径に対して所定範囲内に形成するとともに、ボールの表面粗さを所定範囲内に形成することにより、「インクの漏れ出し」や「ボールの飛び出し」を防止しつつ、「かすれ」の発生や「初筆性」の低下も防止でき、しかも、「筆記距離」も十分に長くできることを見い出し、以下の発明を完成するに至った。
（第１の発明）
すなわち、本発明のうち第１の発明は、インク貯蔵管（30）と、このインク貯蔵管（30）の一方側に固定したチップ（20）と、インク貯蔵管（30）の反チップ（20）側に設けた尾栓（40）とを備え、前記インク貯蔵管（30）のチップ（20）側には、インク（80）が充填され、前記インク貯蔵管（30）の反チップ（20）側には、加圧ガス（90）が充填され、前記加圧ガス（90）の圧力により、インク（80）をチップ（20）方向へ押し出すようにしたボールペンリフィール（10）であって、前記チップ（20）は、ボール（50）と、このボール（50）を保持するためのホルダー（60）とを備え、前記ボール（50）は、その表面粗さＲａを、０．０１０μｍ以上０．０８０μｍ以下に形成され、前記ホルダー（60）は、その反インク貯蔵管（30）側の端部近辺に設けた、ボール（50）を収納するためのボールハウス（61）と、その反ボールハウス（61）側の端部からボールハウス（61）まで貫通する、ボール（50）にインク（80）を供給するためのインク誘導孔（62）とを有し、前記ボールハウス（61）は、円筒状の側面部（70）と、インク誘導孔（62）側へ向けて内径を次第に小さくする円錐状の底面部（71）とを有し、ボール（50）の直径をφＡ、側面部（70）の内径をφＢ、としたときに、１．０１≦φＢ／φＡ≦１．１１を満たすように形成したことを特徴とする。
【０００８】
ここで、「インク貯蔵管（30）と、このインク貯蔵管（30）の一方側に固定したチップ（20）と、インク貯蔵管（30）の反チップ（20）側に設けた尾栓（40）とを備え、前記インク貯蔵管（30）のチップ（20）側には、インク（80）が充填され、前記インク貯蔵管（30）の反チップ（20）側には、加圧ガス（90）が充填され、前記加圧ガス（90）の圧力により、インク（80）をチップ（20）方向へ押し出すようにしたボールペンリフィール（10）」とは、いわゆる加圧式のボールペンリフィール（10）をいう。
【０００９】
また、「インク貯蔵管（30）」は、例えば、円筒状に形成することができる。
また、インク貯蔵管（30）は、筒状に形成されればよく、したがって、例えば、一方側から他方側へ向けて径を段階的に小さくするように形成してもよい。
具体的には、例えば、円筒状の大径部（31）と、この大径部（31）の一方側に連設した、大径部（31）よりも径が小さい円筒状の中径部（32）と、この中径部（32）の反大径部（31）側に連設した、中径部（32）よりも径が小さい円筒状の小径部（33）とを有するように、インク貯蔵管（30）を形成してもよい。
【００１０】
また、インク貯蔵管（30）は、例えば、ステンレス又は真鍮などの金属材料を用いて、プレス加工によって一体的に形成することができる。
また、インク貯蔵管（30）は、金属材料を用いて形成される場合に限られず、例えば、プラスチック材料を用いて、押し出し成形や射出成形などによって形成してもよい。
【００１１】
また、インク貯蔵管（30）は、一体的に形成される場合に限られず、例えば、インク（80）を貯蔵するためのインク貯蔵部と、このインク貯蔵部とチップ（20）とを連結するための継手部とを別々に形成し、これらを繋ぎ合わせることによって形成してもよい。
また、「尾栓（40）」は、インク貯蔵管（30）の内部に充填した加圧ガス（90）が外部に漏れ出さないようにするためのものである。
【００１２】
また、尾栓（40）は、例えば、インク貯蔵管（30）の反チップ（20）側の端部近辺に圧入することにより、インク貯蔵管（30）の反チップ（20）側に設けることができる。
また、尾栓（40）は、例えば、インク貯蔵管（30）の反チップ（20）側の端部近辺に螺合させることにより、インク貯蔵管（30）の反チップ（20）側に設けてもよい。
【００１３】
また、尾栓（40）は、例えば、金属製の留め具（41）と、この留め具（41）のチップ（20）側に設けたゴム製のシール部材（42）とによって構成することができる。そして、金属製の留め具（41）により、耐圧性の向上を図るとともに、ゴム製のシール部材（42）により、気密性の向上を図ることができる。
また、尾栓（40）は、例えば、金属材料を用いて円柱状に形成してもよい。そして、インク貯蔵管（30）の反チップ（20）側の端部近辺に圧入した際には、例えば、尾栓（40）の外周面とインク貯蔵管（30）の内周面との間の間隙に充填剤を注入することにより、気密性の向上を図ることができる。
【００１４】
また、「チップ（20）」は、ボール（50）と、このボール（50）を保持するためのホルダー（60）とを備える。
また、チップ（20）は、例えば、その反ボール（50）側をインク貯蔵管（30）の一方側の端部近辺に圧入することにより、インク貯蔵管（30）の一方側に固定することができる。
【００１５】
また、チップ（20）は、例えば、その反ボール（50）側をインク貯蔵管（30）の一方側の端部近辺に螺合させることにより、インク貯蔵管（30）の一方側に固定してもよい。
また、「ボール（50）」は、筆記面にインクを塗布するためのものである。
また、ボール（50）は、例えば、超硬合金、ステンレス、焼入鋼、又はセラミックなどを用いて形成することができる。
【００１６】
また、「ホルダー（60）」は、ボール（50）を保持するためのものである。
また、ホルダー（60）は、ボール（50）を収納するためのボールハウス（61）と、ボール（50）にインクを供給するためのインク誘導孔（62）とを有する。
また、ホルダー（60）は、例えば、ステンレス、洋白、真鍮、又は黄銅などの線材を用いて形成することができる。
【００１７】
また、「ボールハウス（61）」は、ホルダー（60）の反インク貯蔵管（30）側の端部近辺に設けられる。
また、ボールハウス（61）は、円筒状の側面部（70）と、インク誘導孔（62）側へ向けて内径を次第に小さくする円錐状の底面部（71）とを有する。
また、ボールハウス（61）は、例えば、ドリルで切削することによって形成することができる。
【００１８】
また、「インク誘導孔（62）」は、ホルダー（60）の反ボールハウス（61）側の端部からボールハウス（61）まで貫通するように設けられる。
また、インク誘導孔（62）は、例えば、ドリルで切削することによって形成することができる。
更に、本発明に係るボールペンリフィール（10）は、ボール（50）の表面粗さＲａを、０．０１０μｍ以上０．０８０μｍ以下に形成されているとともに、ボール（50）の直径をφＡ、側面部（70）の内径をφＢ、としたときに、
１．０１≦φＢ／φＡ≦１．１１
を満たすように形成されている。
【００１９】
すなわち、ボール（50）は、その表面粗さＲａを、０．０１０μｍ以上０．０８０μｍ以下に形成され、側面部（70）は、その内径を、ボール（50）の直径に対して１０１％以上１１１％以下に形成されているのである。
そして、本発明に係るボールペンリフィール（10）は、ボール（50）の表面粗さＲａを、０．０１０μｍ以上０．０８０μｍ以下に形成するとともに、側面部（70）の内径を、ボール（50）の直径に対して１０１％以上１１１％以下に形成することにより、「インク（80）の漏れ出し」や「ボール（50）の飛び出し」を防止しつつ、「かすれ」の発生や「初筆性」の低下も防止し、しかも、「筆記距離」も十分に長くなるようにしているのである。
【００２０】
すなわち、ボール（50）の表面粗さＲａを０．０１０μｍ以上に形成することにより、ボール（50）と筆記面との間の摩擦抵抗を大きくし、これにより、筆記面上でのボール（50）の滑りを低減させて、「かすれ」の発生を防止するとともに、「初筆性」の低下を防止しているのである。
また、ボール（50）の表面粗さＲａを０．０８０μｍ以下に形成することにより、ボール受け座（72）の磨耗を防止し、これにより、チップ（20）の耐久性を向上させて、「筆記距離」が十分に長くなるようにしているのである。
【００２１】
また、側面部（70）の内径をボール（50）の直径に対して１０１％以上に形成することにより、チップ（20）の先端近辺におけるインク（80）の通路を十分に確保し、これにより、「かすれ」の発生を防止するとともに、「初筆性」の低下を防止しているのである。
また、側面部（70）の内径をボール（50）の直径に対して１１１％以下に形成することにより、「インク（80）の漏れ出し」を防止するとともに、「ボール（50）の飛び出し」を防止しているのである。
【００２２】
なお、ボール（50）の表面粗さＲａを０．０１０μｍ未満に形成すると、ボール（50）と筆記面との間の摩擦抵抗を十分に大きくすることができず、これにより、筆記面上でボール（50）が滑りやすくなってしまうので、「かすれ」の発生を十分に抑えることができなくなってしまったり、あるいは「初筆性」が低下してしまったりするのである。
【００２３】
また、ボール（50）の表面粗さＲａを０．０８０μｍ超に形成すると、ボール受け座（72）が磨耗しやすくなり、これにより、使用開始から比較的早い時期に「書き味」が低下してしまったり、あるいは「筆記距離」が短くなってしまったりするのである。
また、側面部（70）の内径をボール（50）の直径に対して１０１％未満に形成すると、ボール（50）と側面部（70）との間に十分なインク通路を確保することができず、これにより、「かすれ」を起こしやすくなってしまったり、あるいは「初筆性」が低下してしまったりするのである。
【００２４】
また、側面部（70）の内径をボール（50）の直径に対して１１１％超に形成すると、チップ（20）の先端からインク（80）が漏れ出しやすくなってしまったり、あるいはボール（50）がボールハウス（61）から飛び出しやすくなってしまったりするのである。
（第２の発明）
また、本発明のうち第２の発明は、第１の発明の構成に加えて、インク（80）は、２５℃における粘度が、１０，０００ｍＰａ・ｓ以上５０，０００ｍＰａ・ｓ以下となるように調製されていることを特徴とする。
【００２５】
このように、本発明に係るボールペンリフィール（10）は、２５℃におけるインク（80）の粘度を１０，０００ｍＰａ・ｓ以上５０，０００ｍＰａ・ｓ以下に調製することにより、「インク（80）の漏れ出し」をより確実に防止しつつ、「かすれ」の発生や「初筆性」の低下もより確実に防止し、しかも、「書き味」がなめらかになるようにしているのである。
【００２６】
なお、２５℃におけるインク（80）の粘度が１０，０００ｍＰａ・ｓ未満では、チップ（20）の先端からのインク（80）の漏れ出しを確実に防止できなくなってしまうおそれがあるのである。
一方、２５℃におけるインク（80）の粘度が５０，０００ｍＰａ・ｓ超では、「かすれ」の発生や「初筆性」の低下を確実に防止できなくなってしまうおそれがあり、また、「書き味」が重くなってしまうおそれがあるのである。
【００２７】
勿論、インク（80）の粘度が上記範囲外であっても、使用することは可能である。
（第３の発明）
また、本発明のうち第３の発明は、第１又は第２の発明の構成に加えて、インク（80）は、構造粘性付与剤を含有することを特徴とする。
【００２８】
ここで、「構造粘性付与剤」は、インク（80）の粘度を上昇させるとともに、インク（80）に構造粘性を付与するためのものである。
この構造粘性付与剤を含有するインク（80）は、低剪断速度下では比較的高い粘度を示すものの、高剪断速度下では比較的低い粘度を示す。
また、構造粘性付与剤としては、例えば、カーボンブラック（具体的には、例えば、三菱化学株式会社製のカーボンブラックＭＡ−１００（商品名））や微粒子シリカ（具体的には、例えば、日本アエロジル株式会社製のアエロジル３８０（商品名））などを用いることができる。
【００２９】
そして、本発明に係るボールペンリフィール（10）は、インク（80）に構造粘性付与剤を添加することにより、「インク（80）の漏れ出し」をより確実に防止しつつ、しかも、「書き味」がなめらかになるようにしているのである。
すなわち、非筆記時におけるチップ（20）の先端近辺では、インク（80）は、低剪断速度下におかれることとなる。このため、構造粘性付与剤を添加されたインク（80）は、非筆記時におけるチップ（20）の先端近辺では、比較的高粘度を示す。そして、これにより、チップ（20）の先端からのインク（80）の漏れ出しをより確実に防止することができるのである。
【００３０】
一方、筆記時におけるチップ（20）の先端近辺では、インク（80）は、高剪断速度下におかれることとなる。このため、構造粘性付与剤を添加されたインク（80）は、筆記時におけるチップ（20）の先端近辺では、比較的低粘度を示す。そして、これにより、「書き味」をなめらかにすることができるのである。勿論、インク（80）に構造粘性付与剤を添加しなくても、使用することは可能である。
（第４の発明）
また、本発明のうち第４の発明は、第１ないし第３の発明の構成に加えて、加圧ガス（90）は、ボールペンリフィール（10）組立て時における圧力が、絶対気圧で、０．１５ＭＰａ以上０．４ＭＰａ以下となるように設定されていることを特徴とする。
【００３１】
このように、本発明に係るボールペンリフィール（10）は、ボールペンリフィール（10）組立て時における加圧ガス（90）の圧力を、絶対気圧で０．１５ＭＰａ以上０．４ＭＰａ以下に設定することにより、「インク（80）の漏れ出し」や「ボール（50）の飛び出し」をより確実に防止しつつ、「かすれ」の発生や「初筆性」の低下もより確実に防止し、しかも、インク（80）を最後まで使い切れるようにしているのである。
【００３２】
なお、ボールペンリフィール（10）組立て時における加圧ガス（90）の圧力が、絶対気圧で０．１５ＭＰａ未満では、「かすれ」の発生や「初筆性」の低下を確実に防止できなくなってしまうおそれがあり、また、インク（80）を最後まで使い切れなくなってしまうおそれがあるのである。
一方、ボールペンリフィール（10）組立て時における加圧ガス（90）の圧力が、絶対気圧で０．４ＭＰａ超では、「インク（80）の漏れ出し」や「ボール（50）の飛び出し」を確実に防止できなくなってしまうおそれがあるのである。
【００３３】
勿論、ボールペンリフィール（10）組立て時における加圧ガス（90）の圧力が上記範囲外であっても、使用することは可能である。
（第５の発明）
更に、本発明のうち第５の発明は、第１ないし第４の発明の構成に加えて、ボールペンリフィール（10）組立て時におけるインク（80）の収納体積をＶＡ、ボールペンリフィール（10）組立て時における加圧ガス（90）の収納体積をＶＢ、としたときに、ＶＡ×２≦ＶＢ≦ＶＡ×５を満たすように形成したことを特徴とする。
【００３４】
すなわち、本発明に係るボールペンリフィール（10）は、ボールペンリフィール（10）組立て時における加圧ガス（90）の収納体積を、ボールペンリフィール（10）組立て時におけるインク（80）の収納体積の２倍以上５倍以下に形成されているのである。
ここで、「収納体積」とは、インク貯蔵管（30）収納時の体積をいう。
【００３５】
すなわち、「インク（80）の収納体積」とは、インク貯蔵管（30）収納時のインク（80）の体積をいい、また、「加圧ガス（90）の収納体積」とは、インク貯蔵管（30）収納時の加圧ガス（90）の体積をいう。
そして、本発明に係るボールペンリフィール（10）は、ボールペンリフィール（10）組立て時における加圧ガス（90）の収納体積を、ボールペンリフィール（10）組立て時におけるインク（80）の収納体積の２倍以上５倍以下に形成することにより、「インク（80）の漏れ出し」や「ボール（50）の飛び出し」をより確実に防止しつつ、「かすれ」の発生や「初筆性」の低下もより確実に防止し、しかも、インク（80）を最後まで使い切れるようにして「筆記距離」が十分に長くなるようにしているのである。
【００３６】
なお、ＶＡ×２＞ＶＢでは、すなわち、ボールペンリフィール（10）組立て時における加圧ガス（90）の収納体積が、ボールペンリフィール（10）組立て時におけるインク（80）の収納体積の２倍未満では、「インク（80）の漏れ出し」や「ボール（50）の飛び出し」を確実に防止できなくなってしまうおそれがあり、また、「かすれ」の発生や「初筆性」の低下を確実に防止できなくなってしまうおそれがあり、また、インク（80）を最後まで使い切れなくなって「筆記距離」が短くなってしまうおそれがあるのである。
【００３７】
一方、ＶＢ＞ＶＡ×５では、すなわち、ボールペンリフィール（10）組立て時における加圧ガス（90）の収納体積が、ボールペンリフィール（10）組立て時におけるインク（80）の収納体積の５倍超では、インク（80）の充填量が比較的少なくなって「筆記距離」が短くなってしまうおそれがあるのである。
勿論、ボールペンリフィール（10）組立て時におけるインク（80）と加圧ガス（90）との収納体積比が上記範囲外であっても、使用することは可能である。
【００３８】
【発明の実施の形態】
本発明に係るボールペンリフィールの実施の形態を、図示例と共に説明する。
図１は、本実施の形態に係るボールペンリフィール10の側面断面図、図２は、図１のＡ部拡大図、図３は、図１のＢ部拡大図、図４は、チップ20の要部断面図、図５は、フロート100の斜視図である。
【００３９】
本実施の形態に係るボールペンリフィール10は、チップ20と、このチップ20に固定したインク貯蔵管30と、このインク貯蔵管30の反チップ20側に設けた尾栓40とを備えている。
前記チップ20は、ボール50と、このボール50を保持するためのホルダー60とを備え、また、前記ホルダー60は、ボール50を収納するためのボールハウス61と、ボール50にインク80を供給するためのインク誘導孔62と、ボール50にインク80が十分に供給されるようにするための複数のインク溝63と、ボールハウス61に収納したボール50が外部に飛び出さないようにするためのカシメ部64とを有している。
【００４０】
また、前記インク貯蔵管30は、ほぼ円筒状に形成され、そのチップ20側にはインク80が充填され、その反チップ20側には加圧ガス90が充填されている。また、インク貯蔵管30の内部であって、インク80と加圧ガス90との間には、インク80の減少に伴って一定範囲を移動するフロート100が設けられている。
また、前記尾栓40は、インク貯蔵管30の反チップ20側の端部近辺に圧入され、インク貯蔵管30の反チップ20側に充填した加圧ガス90が外部に漏れないようにしている。
【００４１】
以下、更に、本実施の形態に係るボールペンリフィール10について詳述する。
（チップ20）
前記チップ20は、ボール50と、このボール50を保持するためのホルダー60とを備えている。
（ボール50）
前記ボール50は、筆記面にインク80を塗布するためのものである。
【００４２】
このボール50は、超硬合金、ステンレス、焼入鋼、又はセラミックなどを用いて形成されている。
また、このボール50は、球状に形成され、その表面粗さＲａを、０．０１０μｍ以上０．０８０μｍ以下に形成されている。
そして、ボール50の表面粗さＲａを０．０１０μｍ以上０．０８０μｍ以下にすることにより、ボール50と筆記面との間の摩擦抵抗を大きくし、これにより、筆記面上でのボール50の滑りを低減させて、「かすれ」を起こしにくくするとともに、筆記開始時におけるかすれにくさである「初筆性」を向上させているのである。
【００４３】
なお、ボール50の表面粗さＲａを０．０１０μｍ未満にすると、ボール50と筆記面との間の摩擦抵抗を十分に大きくすることができず、これにより、筆記面上でボール50が滑りやすくなってしまうので、「かすれ」を十分に抑えることができなくなってしまったり、あるいは「初筆性」が低下してしまったりするのである。
【００４４】
また、ボール50の表面粗さＲａを０．０８０μｍ超にすると、ボール受け座72が磨耗しやすくなり、これにより、使用開始から比較的早い時期に「書き味」が低下してしまったり、あるいは「筆記距離」が短くなってしまったりするのである。
（ホルダー60）
前記ホルダー60は、ボール50を保持するためのものである。
【００４５】
このホルダー60は、ステンレス、洋白、真鍮、又は黄銅などの金属製の線材を用いて形成されている。
また、このホルダー60は、ボール50を収納するためのボールハウス61と、ボールハウス61に収納したボール50にインク80を供給するためのインク誘導孔62と、ボールハウス61に収納したボール50にインク80が十分に供給されるようにするための複数のインク溝63と、ボールハウス61に収納したボール50が外部に飛び出さないようにするためのカシメ部64とを有している。
【００４６】
更に、このホルダー60は、カシメ部64側から反カシメ部64側へ向けて外径を次第に大きくする円錐状のテーパー部66と、このテーパー部66の反カシメ部64側に連続して設けた円筒状の胴体部67と、この胴体部67の反テーパー部66側に連続して設けた、胴体部67よりも径が小さい円筒状の固定部68と、胴体部67と固定部68との間に設けた、階段状の外向き段部69とを有している。
【００４７】
以下、更に、このホルダー60の各部について詳述する。
（ボールハウス61）
前記ボールハウス61は、ボール50を収納するためのものである。
このボールハウス61は、ホルダー60の一方側の端部近辺に設けられている。
また、このボールハウス61は、円筒状の側面部70と、インク誘導孔62側へ向けて内径を次第に小さくする円錐状の底面部71とを有している。
【００４８】
また、このボールハウス61は、線材の一方側から他方側へ向けて、線材の軸心に回転軸を一致させたドリルで切削することによって形成されている。
また、前記底面部71は、インク誘導孔62の開口部の周囲に、ボール50の曲率とほぼ同一の曲率を有する凹球面状のボール受け座72を有している。
また、このボール受け座72は、ボールハウス61にボール50を収納した後に、ハンマーでボール50をインク誘導孔62側へ向けて押圧することによって形成されている。
【００４９】
また、前記側面部70は、その内径を、ボール50の直径の１０１％以上１１１％以下に形成されている。
すなわち、ボール50の直径をφＡ、側面部70の内径をφＢとしたときに、
１．０１≦φＢ／φＡ≦１．１１（式１）
を満たすように形成されているのである。
【００５０】
そして、側面部70の内径をボール50の直径の１０１％以上１１１％以下に形成することにより、ボール50と側面部70との間に十分なインク80通路を確保し、これにより、「かすれ」を起こしにくくするとともに、「初筆性」を向上させているのである。
なお、側面部70の内径をボール50の直径の１０１％未満に形成すると、ボール50と側面部70との間に十分なインク80通路を確保することができず、これにより、「かすれ」を起こしやすくなってしまったり、あるいは「初筆性」が低下してしまったりするのである。
【００５１】
また、側面部70の内径をボール50の直径の１１１％超に形成すると、チップ20の先端からインク80が漏れ出してしまったり、あるいはボール50がボールハウス61から飛び出してしまうおそれがあるのである。
（インク誘導孔62）
前記インク誘導孔62は、ボールハウス61に収納したボール50にインク80を供給するためのものである。
【００５２】
このインク誘導孔62は、ホルダー60の反ボールハウス61側の端部からボールハウス61まで貫通している。
また、このインク誘導孔62は、線材の反ボールハウス61側の端部からボールハウス61側へ向けて、線材の軸心に回転軸を一致させたドリルで切削することによって形成されている。
（インク溝63）
前記インク溝63は、ボールハウス61に収納したボール50にインク80が十分に供給されるようにするためのものである。
【００５３】
このインク溝63は、インク誘導孔62のボールハウス61側の内周面に、インク誘導孔62の中心からみて放射状に設けられている。
また、このインク溝63は、線材のボールハウス61側から反ボールハウス61側へ向けて、ブローチ加工を施すことによって形成されている。
（カシメ部64）
前記カシメ部64は、ボールハウス61に収納したボール50が外部に飛び出さないようにするためのものである。
【００５４】
このカシメ部64は、ホルダー60のボールハウス61側の端部に設けられている。
また、このカシメ部64は、円錐状に形成され、その最小径部33分の内径を、ボール50の直径よりも小さく形成されている。
また、このカシメ部64は、ボールハウス61にボール50を収納した後に、線材のボールハウス61側の端部に圧延加工を施すことによって形成されている。
【００５５】
そして、このカシメ部64により、ボール50は、その一部をボールハウス61から突出させつつ、ホルダー60の先端に回転自在に保持されることとなっている。
更に、ボール50とカシメ部64との間には、クリアランス65と呼ばれる微小な間隙が設けられ、このクリアランス65が、筆記時におけるインク80の通路となっている。
【００５６】
そして、ボール50の回転に伴って、ボール50の表面に付着したインク80が筆記面に転写されることにより、筆記面に描線が描かれるのである。
（インク貯蔵管30）
前記インク貯蔵管30は、ほぼ円筒状に形成され、そのチップ20側にはインク80が充填され、その反チップ20側には加圧ガス90が充填されている。また、インク貯蔵管30の内部であって、インク80と加圧ガス90との間には、インク80の減少に伴って一定範囲を移動するフロート100が設けられている。
【００５７】
具体的には、このインク貯蔵管30は、ステンレス又は真鍮などの金属材料を用いて、プレス加工によって一体的に形成されている。
また、このインク貯蔵管30は、円筒状の大径部31と、この大径部31の一方側に連設した、大径部31よりも径が小さい円筒状の中径部32と、この中径部32の反大径部31側に連設した、中径部32よりも径が小さい円筒状の小径部33とを有している。
【００５８】
更に、このインク貯蔵管30は、大径部31と中径部32との間に設けた、階段状の内向き段部34と、中径部32と小径部33との間に設けた、円錐状の絞り部35とを有している。
前記大径部31は、加圧ガス90及びインク80を充填するための部分である。
すなわち、大径部31の反中径部32側には、加圧ガス90が充填され、大径部31の中径部32側には、中径部32を経て小径部33に至るまで、インク80が充填されている。
【００５９】
また、大径部31の反中径部32側の端部近辺には、大径部31に充填した加圧ガス90が外部に漏れないようにするための尾栓40が圧入されている。
また、大径部31の反中径部32側の端部には、尾栓40を圧入した後に縮径部が形成され、この縮径部により、大径部31に圧入した尾栓40が加圧ガス90の圧力によって外部に飛び出さないようにしている。
【００６０】
また、大径部31の内部であって、インク80と加圧ガス90との間には、インク80の減少に伴って移動するフロート100が設けられている。そして、このフロート100により、大径部31の中径部32側に充填したインク80が反チップ20方向へ流れ出さないようにしている。
すなわち、大径部31の内径は比較的大きく形成されているため、大径部31の内部では毛細管力が働きにくい。このため、大径部31に充填されたインク80は、反チップ20方向へ流れ出しやすいのである。そこで、大径部31の内部であって、インク80と加圧ガス90との間に、ほぼ円柱状に形成したフロート100を設けることにより、大径部31に充填されたインク80が反チップ20方向へ流れ出さないようにしているのである。
【００６１】
更に、大径部31の内部に設けたフロート100は、インク80の減少に伴って中径部32方向へ移動し、大径部31と中径部32との間に設けた内向き段部34に当接すると、その中径部32方向への移動を停止する。
また、前記内向き段部34は、大径部31と中径部32とを繋ぐための部分であって、階段状に形成されている。
【００６２】
また、前記中径部32は、インク80を充填するための部分であって、大径部31よりも径が小さい円筒状に形成されている。
なお、中径部32の内径は比較的小さく形成されているため、中径部32の内部では毛細管力が働きやすい。このため、中径部32の内部においては、加圧ガス90とインク80との間にフロート100を設けなくても、インク80が大径部31方向へ流れ出しにくいのである。
【００６３】
また、前記絞り部35は、中径部32と小径部33とを繋ぐための部分であって、円錐状に形成されている。
また、前記小径部33は、チップ20を固定するための部分であって、中径部32よりも径が小さい円筒状に形成されている。
また、この小径部33は、その内径を、チップ20の固定部68の外径よりもわずかに小さく形成されている。
【００６４】
そして、この小径部33にホルダー60の固定部68を圧入することにより、チップ20をインク貯蔵管30の一方側に固定しているのである。
更に、この小径部33にホルダー60の固定部68を圧入する際には、小径部33の反中径部32側の端部とホルダー60の外向き段部69とが当接しないようにし、これにより、小径部33の変形を防止して、気密性の向上を図っている。
【００６５】
また、この小径部33は、ホルダー60の固定部68を圧入される前に焼鈍され、これにより、ホルダー60の固定部68が圧入されることによる応力腐食割れを防止している。
また、この小径部33は、焼鈍により、その硬度をビッカース硬度でＨｖ５０以上Ｈｖ４００以下にすることが好ましく、特に、ビッカース硬度でＨｖ１００以上Ｈｖ２００以下にすることが好ましい。
【００６６】
そして、小径部33の硬度を上記範囲内に設定することにより、ホルダー60の固定部68を小径部33に圧入しやすくすることができるとともに、高荷重で筆記しても小径部33が破損しにくくすることができ、更には、加圧ガス90の圧力でチップ20がインク貯蔵管30から抜けにくくすることができるのである。
なお、小径部33の硬度をビッカース硬度でＨｖ５０未満にすると、高荷重で筆記した際に小径部33が破損してしまったり、あるいは加圧ガス90の圧力でチップ20がインク貯蔵管30から抜けてしまうおそれがあるのである。
【００６７】
一方、小径部33の硬度をビッカース硬度でＨｖ４００超にすると、ホルダー60の固定部68を小径部33に圧入しにくくなってしまうのである。
勿論、小径部33の硬度が上記範囲外であっても、使用することは可能である。
なお、インク貯蔵管30は、インク80と反応して変形したり、クラック（破損）したり、あるいは膨潤したりすることなく、かつ、気密性や耐圧性などに優れた材料を用いて形成されればよく、したがって、ステンレスや真鍮などの金属材料を用いて、プレス加工によって一体的に形成される場合に限られるものではない。
【００６８】
具体的には、例えば、プラスチック材料を用いて、押し出し成形や射出成形などによってインク貯蔵管30を形成してもよい。
また、インク貯蔵管30は、一体的に形成される場合に限られるものではない。
具体的には、例えば、インク80を貯蔵するためのインク貯蔵部と、このインク貯蔵部とチップ20とを連結するための継手部とを別々に形成し、これらを繋ぎ合わせることによってインク貯蔵管30を形成してもよい。
（インク80）
前記インク80は、着色剤、溶剤、構造粘性付与剤、樹脂、添加剤などを適宜配合することによって調製されている。
（着色剤）
着色剤としては、従来から油性ボールペン用インクに用いられてきた染料又は顔料の多くを用いることができる。
【００６９】
具体的には、例えば、バリファーストカラー（商品名、オリエント化学工業株式会社製）、ニグロシンＥＸ（商品名、オリエント化学工業株式会社製）、アイゼンスピロン染料、アイゼンＳＯＴ染料（商品名、保土谷化学工業株式会社製）、スピロンバイオレットＣ−ＲＨ（商品名、保土谷化学工業株式会社製）、スピロンイエローＣ−２ＧＨ（商品名、保土谷化学工業株式会社製）などの染料を着色剤として用いることができる。
【００７０】
また、例えば、酸化チタン、カーボンブラック、カーボンブラックＭＡ−１００（商品名、三菱化学株式会社製）、金属粉などの無機系顔料を着色剤として用いることもできる。
また、例えば、アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、染料レーキ、ニトロ顔料、ニトロソ顔料などの有機系顔料を着色剤として用いることもできる。
【００７１】
なお、上述した染料又は顔料は、それぞれ単独で用いてもよく、また、２種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
また、着色剤の含有量は、インク80の全量に対して１０重量％以上６０重量％以下が好ましい。着色剤の含有量がインク80の全量に対して１０重量％未満では、描線の色が薄く見えてしまい、一方、着色剤の含有量がインク80の全量に対して６０重量％超では、インク80が経時的に不安定になってしまうからである。
（溶剤）
溶剤としては、従来から油性ボールペン用インクに用いられてきた有機溶剤の多くを用いることができる。
【００７２】
具体的には、例えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル、ベンジルアルコール、フェノキシエタノール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、１，３−ブチレングリコール、ヘキシレングリコール、テトラリン、プロピレングリコールモノフェニルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、Ｎ−メチル−２−ピロリドンなどの有機溶剤を溶剤として用いることができる。
【００７３】
なお、これらの有機溶剤は、それぞれ単独で用いてもよく、また、２種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
また、溶剤の含有量は、インク80の全量に対して２０重量％以上８０重量％以下が好ましい。溶剤の含有量がインク80の全量に対して２０重量％未満では、溶解力が不足して高粘度となってしまい、一方、溶剤の含有量がインク80の全量に対して８０重量％超では、粘度が十分に高くならないからである。
（構造粘性付与剤）
構造粘性付与剤は、インク80の粘度を上昇させるとともに、インク80に構造粘性を付与するためのものである。
【００７４】
この構造粘性付与剤を添加されたインク80は、低剪断速度下では比較的高い粘度を示すものの、高剪断速度下では比較的低い粘度を示す。
ここで、非筆記時におけるチップ20の先端近辺では、インク80は、低剪断速度下におかれることとなる。このため、この構造粘性付与剤を添加されたインク80は、非筆記時におけるチップ20の先端近辺では、比較的高い粘度を示し、これにより、チップ20の先端からのインク80の漏れ出しを防止している。
【００７５】
一方、筆記時におけるチップ20の先端近辺では、インク80は、高剪断速度下におかれることとなる。このため、この構造粘性付与剤を添加されたインク80は、筆記時におけるチップ20の先端近辺では、比較的低い粘度を示し、これにより、なめらかに筆記できるのである。
具体的には、例えば、カーボンブラック（具体的には、例えば、三菱化学株式会社製のカーボンブラックＭＡ−１００（商品名））や微粒子シリカ（具体的には、例えば、日本アエロジル株式会社製のアエロジル３８０（商品名））などの無機微粒子を構造粘性付与剤として用いることができる。
【００７６】
なお、これらの無機微粒子は、それぞれ単独で用いてもよく、また、２種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
また、構造粘性付与剤の含有量は、インク80の全量に対して１重量％以上２０重量％以下が好ましく、特にインク80の全量に対して５重量％以上１５重量％以下が好ましい。
【００７７】
そして、構造粘性付与剤の含有量を上記範囲内に設定することにより、チップ20の先端からのインク80の漏れ出しを防止しつつ、しかも、なめらかに筆記できるようにすることができるのである。
なお、構造粘性付与剤の含有量がインク80の全量に対して１重量％未満では、インク80の構造粘性を十分に高めることができず、これにより、チップ20の先端からインク80が漏れ出してしまうおそれがあるのである。
【００７８】
一方、構造粘性付与剤の含有量がインク80の全量に対して２０重量％超では、インク80の構造粘性が高すぎてしまい、これにより、書き味が重くなってしまうのである。
勿論、インク80に構造粘性付与剤を添加しなくても、使用することは可能である。
（樹脂）
樹脂は、インク80の粘度を上昇させたり、あるいは構造粘性付与剤をインク80中に分散させたりするためのものである。
【００７９】
具体的には、例えば、ケトン樹脂（具体的には、例えば、日立化成株式会社製のハイラック＃１１１（商品名））、フェノール樹脂、マレイン樹脂、キシレン樹脂、ポリエチレンオキサイド、ロジン樹脂、ロジン誘導体、テルペン系樹脂、クロマン−インデン樹脂、ポリビニルブチラール、ポリビニルピロリドン（具体的には、例えば、ＩＳＰ社製のポリビニルピロリドンＫ−９０（商品名））、ビニルピロリドン−酢酸ビニル共重合物、ポリメタクリル酸エステル、ポリアクリル酸ポリメタクリル酸共重合物などの樹脂を、インク80の粘度を上昇させたり、あるいは構造粘性付与剤をインク80中に分散させるための樹脂として用いることができる。
【００８０】
なお、これらの樹脂は、それぞれ単独で用いてもよく、また、２種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
また、樹脂の含有量は、インク80の全量に対して５重量％以上８０重量％以下が好ましく、特にインク80の全量に対して２５重量％以上７０重量％以下が好ましい。
【００８１】
そして、樹脂の含有量を上記範囲内に設定することにより、チップ20の先端からのインク80の漏れ出しを防止しつつ、しかも、なめらかに筆記できるようにすることができるのである。
なお、樹脂の含有量がインク80の全量に対して５重量％未満では、インク80の粘度を十分に上昇させることができず、これにより、チップ20の先端からインク80が漏れ出してしまうおそれがあるのである。
【００８２】
また、樹脂の含有量がインク80の全量に対して５重量％未満では、インク80の粘度を十分に上昇させることができないために、構造粘性付与剤としての無機微粒子がインク80中に分散せずに沈降してしまう。そうすると、インク80に構造粘性を付与することができなくなってしまい、これによっても、チップ20の先端からインク80が漏れ出してしまうおそれがあるのであるのである。
【００８３】
一方、樹脂の含有量がインク80の全量に対して８０％超では、インク80の粘度が高すぎてしまい、これにより、書き味が重くなってしまうのである。
（添加剤）
添加剤としては、従来から油性ボールペン用インクに用いられてきた増粘剤、曳糸性付与剤、界面活性剤、分散剤、潤滑剤、発色剤、防菌剤などを用いることができる。
【００８４】
具体的には、例えば、潤滑剤及び発色剤としてのオレイン酸、増粘剤及び分散剤としてのハイラック＃１１１（商品名、日立化成株式会社製）、増粘剤、分散剤及び曳糸性付与剤としてのポリビニルピロリドンＫ−９０（商品名、ＩＳＰ社製）などを添加剤として用いることができる。
（インク80の製造方法）
このインク80は、上述した各成分を混合撹拌等することによって製造されている。
【００８５】
具体的には、このインク80は、顔料分散段階、アエロジル分散段階、染料溶解段階、混合段階、ろ過段階などを経て製造されている。
顔料分散段階は、顔料を溶剤などに分散させる段階である。
この顔料分散段階では、まず、ハイラック＃１１１（樹脂）、オレイン酸（添加剤）、ベンジルアルコール（溶剤）、フェノキシエタノール（溶剤）などを６０℃程度に加熱しながら混合し、ここにカーボンブラックＭＡ−１００（顔料）を加えて、ニーダー、プラネタリーミキサー、ロールなどを用いて撹拌する。
【００８６】
アエロジル分散段階は、アエロジルを溶剤などに分散させる段階である。
このアエロジル分散段階では、まず、ハイラック＃１１１（樹脂）、ポリビニルピロリドンＫ−９０（樹脂）、ベンジルアルコール（溶剤）、フェノキシエタノール（溶剤）などを６０℃程度に加熱しながら混合し、ここにアエロジル３８０（構造粘性付与剤）を加えて、ニーダー、プラネタリーミキサー、ロールなどを用いて撹拌する。
【００８７】
染料溶解段階は、染料を溶剤などに溶解させる段階である。
この染料溶解段階では、ニグロシンＥＸ（染料）、スピロンバイオレットＣ−ＲＨ（染料）、スピロンイエローＣ−２ＧＨ（染料）、ベンジルアルコール（溶剤）、フェノキシエタノール（溶剤）、オレイン酸（添加剤）などを６０℃程度に加熱しながら撹拌して、これらを溶解させている。
【００８８】
混合段階は、上記各段階で得られたものを混合させる段階である。
この混合段階では、顔料分散段階によって得られたものと、アエロジル分散段階によって得られたものと、染料溶解段階によって得られたものとを６０℃程度に加熱しながら約１時間撹拌して、これらを溶解及び混合させている。
ろ過段階は、混合段階で得られたものをろ過する段階である。
【００８９】
このろ過段階により、インク80の夾雑物を除去する。
（インク80の粘度）
このインク80は、２５℃における粘度が、１０，０００ｍＰａ・ｓ以上５０，０００ｍＰａ・ｓ以下となるように調製されている。
そして、２５℃におけるインク80の粘度を１０，０００ｍＰａ・ｓ以上５０，０００ｍＰａ・ｓ以下に調製することにより、チップ20の先端からインク80が漏れ出さないようにしつつも、書き味がなめらかになるようにしているのである。
【００９０】
なお、２５℃におけるインク80の粘度が１０，０００ｍＰａ・ｓ未満では、チップ20の先端からインク80が漏れ出してしまうおそれがあるのである。
一方、２５℃におけるインク80の粘度が５０，０００ｍＰａ・ｓ超では、書き味が重くなってしまうのである。
勿論、インク80の粘度が上記範囲外であっても、使用することは可能である。
（加圧ガス90）
前記加圧ガス90は、インク貯蔵管30の内部に充填されているインク80をチップ20方向へ押し出すためのものであって、インク貯蔵管30の大径部31内部の反中径部32側に充填されている。
（加圧ガス90の圧力）
この加圧ガス90は、ボールペンリフィール10組立て時における圧力が、絶対気圧で０．１５ＭＰａ以上０．４ＭＰａ以下となるように設定されている。
【００９１】
そして、ボールペンリフィール10組立て時における加圧ガス90の圧力を、絶対気圧で０．１５ＭＰａ以上０．４ＭＰａ以下に設定することにより、チップ20の先端からインク80が漏れ出さないようにしつつも、インク80を最後まで使い切ることができるようにしているのである。
なお、ボールペンリフィール10組立て時における加圧ガス90の圧力が、絶対気圧で０．１５ＭＰａ未満では、インク80を最後まで使い切れなくなってしまうおそれがあるのである。
【００９２】
一方、ボールペンリフィール10組立て時における加圧ガス90の圧力が、絶対気圧で０．４ＭＰａ超では、チップ20の先端からインク80が漏れ出してしまうおそれがあるのである。
勿論、ボールペンリフィール10組立て時における加圧ガス90の圧力が上記範囲外であっても、使用することは可能である。
（加圧ガス90の収納体積）
また、ボールペンリフィール10組立て時における加圧ガス90の収納体積は、ボールペンリフィール10組立て時におけるインク80の収納体積の２倍以上５倍以下に設定されている。
【００９３】
すなわち、ボールペンリフィール10組立て時におけるインク80の収納体積をＶＡ、ボールペンリフィール10組立て時における加圧ガス90の収納体積をＶＢとしたときに、
ＶＡ×２≦ＶＢ≦ＶＡ×５（式２）
を満たすように形成されているのである。
【００９４】
そして、ボールペンリフィール10組立て時における加圧ガス90の収納体積を、ボールペンリフィール10組立て時におけるインク80の収納体積の２倍以上５倍以下に形成することにより、インク80の充填量をできるだけ多くしつつも、加圧ガス90の圧力をできるだけ低く抑えるようにしているのである。
すなわち、インク貯蔵管30の容積は一定であるので、インク80の充填量を多くすれば、その分加圧ガス90の充填スペースが小さくなる。逆に、インク80の充填量を少なくすれば、その分加圧ガス90の充填スペースが大きくなる。
【００９５】
ここで、インク80の充填量を多くしても、インク80を最後まで使い切れるようにするためには、その分加圧ガス90の圧力を高くしなければならないことになる。そうすると、チップ20の先端からインク80が漏れ出してしまうおそれがあるのである。
一方、加圧ガス90の圧力を低く抑えつつも、インク80を最後まで使い切れるようにするためには、その分インク80の充填量を少なくしなければならないことになる。
【００９６】
そこで、インク80の充填量をできるだけ多くしつつも、加圧ガス90の圧力をできるだけ低く抑えるためには、ボールペンリフィール10組立て時における加圧ガス90の収納体積を、ボールペンリフィール10組立て時におけるインク80の収納体積の２倍以上５倍以下に形成することが好ましいのである。
なお、ボールペンリフィール10組立て時における加圧ガス90の収納体積が、ボールペンリフィール10組立て時におけるインク80の収納体積の２倍未満では、インク80を最後まで使い切れるようにしようとすると、加圧ガス90の圧力を比較的高くしなければならないことから、チップ20の先端からインク80が漏れ出してしまうおそれがあるのである。
【００９７】
一方、ボールペンリフィール10組立て時における加圧ガス90の収納体積が、ボールペンリフィール10組立て時におけるインク80の収納体積の５倍超では、加圧ガス90の圧力を比較的低く抑えても、インク80を最後まで使い切れるようにすることはできるが、その分インク80の充填量が少なくなってしまうのである。
勿論、ボールペンリフィール10組立て時におけるインク80と加圧ガス90との収納体積比が上記範囲外であっても、使用することは可能である。
（加圧ガス90の組成）
また、この加圧ガス90は、反応しにくいガスの割合が、加圧ガス90全体の８５％以上となるように調製されている。
【００９８】
ここで、反応しにくいガスとしては、例えば、窒素（Ｎ₂）、ヘリウム（Ｈｅ）、ネオン（Ｎｅ）、アルゴン（Ａｒ）、クリプトン（Ｋｒ）、キセノン（Ｘｅ）などのガスを用いることができる。
また、上述したガスは、それぞれ単独で用いてもよく、また、２種以上を適宜組み合わせて用いてもよい。
【００９９】
ただ、窒素（Ｎ₂）は、取り扱いが容易で安全性が高く、しかもコストが安いので、反応しにくいガスとしては、特に窒素（Ｎ₂）を用いることが好ましい。
すなわち、反応しにくいガスの主体を窒素（Ｎ₂）によって構成することにより、ボールペンリフィール10の組立てや取り扱いをより一層容易にすることができるのである。
【０１００】
そして、反応しにくいガスの割合を加圧ガス90全体の８５％以上にすることにより、インク80が変質しにくくなるようにすることができ、更には、加圧ガス90の圧力が低下しにくくなるようにすることができるのである。
すなわち、酸素（Ｏ₂）などのガスは、インク80の各成分と反応しやすい。そして、酸素（Ｏ₂）などのガスがインク80の各成分と反応すると、インク80が変質してしまうのである。また、酸素（Ｏ₂）などのガスがインク80の各成分と反応すると、インク80が変質してしまうだけでなく、加圧ガス90中から酸素（Ｏ₂）などのガスが減ってしまう。このため、酸素（Ｏ₂）などの反応しやすいガスが減った分だけ、加圧ガス90の圧力が低下してしまうのである。
【０１０１】
そこで、インク80が変質しにくくなるようにするとともに、加圧ガス90の圧力が低下しにくくなるようにするためには、反応しにくいガスの割合を加圧ガス90全体の８５％以上にすることが好ましく、特に反応しにくいガスの割合を加圧ガス90全体の９０％以上にすることが好ましいのである。
なお、反応しにくいガスの割合が加圧ガス90全体の８５％未満では、酸素（Ｏ₂）などのガスがインク80の各成分と反応しやすくなってしまうことから、インク80が変質しやすくなってしまい、更には、加圧ガス90の圧力が低下しやすくなってしまうのである。更に、加圧ガス90の圧力の低下が大きいと、場合によっては、インク80を最後まで使い切ることができなくなってしまうのである。
【０１０２】
勿論、加圧ガス90中の反応しにくいガスの割合が上記範囲外であっても、使用することは可能である。
（フロート100）
前記フロート100は、前述したように、インク貯蔵管30の大径部31に充填したインク80が反チップ20方向へ流れ出さないようにするためのものである。
【０１０３】
具体的には、このフロート100は、ほぼ円柱状に形成され、その一方側の底面には、側面まで貫通する空気溝101が設けられ、他方側の底面には、刳り貫き部102が設けられている。
また、このフロート100は、ポリプロピレン（ＰＰ）などの合成樹脂を用いて、射出成形によって一体的に形成されている。
【０１０４】
そして、このフロート100は、空気溝101が設けられている底面をインク80側へ向けるとともに、刳り貫き部102が設けられている底面を加圧ガス90側へ向けるようにして、インク貯蔵管30の大径部31の内部に設けられている。
また、前記空気溝101は、フロート100が内向き段部34に当接した際に、中径部32の大径部31側の開口部を塞がないようにするためのものである。
【０１０５】
すなわち、このフロート100は、インク80の減少に伴って、大径部31の内部を中径部32方向へ移動し、内向き段部34に当接すると、その中径部32方向への移動を停止する。このとき、フロート100のインク80側の底面が、中径部32の大径部31側の開口部を塞いでしまうおそれがある。そこで、中径部32の大径部31側の開口部を塞がないようにするために、フロート100のインク80側の底面に、フロート100の側面まで貫通する空気溝101を設けているのである。
【０１０６】
また、前記刳り貫き部102は、フロート100がインク80中に沈まないようにするためのものである。
すなわち、このフロート100は、ポリプロピレン（ＰＰ）などの合成樹脂を用いて形成されているため、インク80中に沈んでしまうおそれがある。そこで、フロート100の加圧ガス90側の底面に刳り貫き部102を設けることにより、見かけの比重を小さくして、フロート100がインク80中に沈まないようにしているのである。
【０１０７】
更に、このフロート100は、フロート100の外径をφＣ、インク貯蔵管30の大径部31の内径をφＤとしたときに、
０．０００５≦（φＤ−φＣ）／φＣ≦０．０４３（式３）
を満たすように形成されている。
そして、上記式３を満たすようにフロート100を形成することにより、フロート100とインク貯蔵管30との間に所定の間隙を設け、これにより、インク80の減少に伴うフロート100の移動が円滑に行われるようにするとともに、フロート100とインク貯蔵管30との間の間隙からインク80が加圧ガス90側へ流れ出さないようにしているのである。
【０１０８】
なお、０．０００５＞（φＤ−φＣ）／φＣとなるようにフロート100を形成すると、フロート100とインク貯蔵管30との間の間隙が狭すぎて、インク80の減少に伴うフロート100の移動が円滑に行われなくなってしまうおそれがあるのである。
一方、（φＤ−φＣ）／φＣ＞０．０４３となるようにフロート100を形成すると、フロート100とインク貯蔵管30との間の間隙が広すぎて、フロート100とインク貯蔵管30との間の間隙からインク80が加圧ガス90側へ流れ出してしまうおそれがあるのである。
【０１０９】
勿論、フロート100の外径φＣと、インク貯蔵管30の大径部31の内径φＤとの関係が上記範囲外であっても、使用することは可能である。
また、フロート100は、インク80と反応して変形したり、クラック（破損）したり、あるいは膨潤したりしない材料を用いて形成されればよく、したがって、ポリプロピレン（ＰＰ）などの合成樹脂を用いて形成される場合に限られるものではない。
【０１１０】
また、フロート100は、インク80中に沈まないように形成されればよく、したがって、加圧ガス90側の底面に刳り貫き部102を有するように形成される場合に限られるものではない。
具体的には、例えば、インク80よりも比重が小さい材料を用いてフロート100を形成することにより、フロート100がインク80中に沈まないようにしてもよい。
【０１１１】
また、例えば、インク80よりも比重が大きい材料を用いてフロート100を形成しても、内部に気泡などを設けることにより、見かけの比重を小さくして、フロート100がインク80中に沈まないようにすることができる。
（尾栓40）
前記尾栓40は、インク貯蔵管30の内部に充填された加圧ガス90が外部に漏れ出さないようにするためのものである。
【０１１２】
この尾栓40は、金属製の留め具41と、この留め具41の一方側に設けたゴム製のシール部材42とを備え、このシール部材42をチップ20側へ向けるようにして、インク貯蔵管30の反チップ20側の端部近辺に圧入されている。
そして、この尾栓40は、ゴム製のシール部材42により、気密性の向上を図るとともに、金属製の留め具41により、耐圧性の向上を図っているのである。
【０１１３】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により、本発明を更に詳しく説明する。
（ボールペンリフィール10の評価１）
下記の表１に、実施例１−１から実施例１−２４まで及び比較例１−１から比較例１−３１までの各ボールペンリフィール10の構成と、これらのボールペンリフィール10の「初筆性」、「筆記距離」及び「ボール50の飛び出し」についての評価をそれぞれ示す。
【０１１４】
ここで、実施例１−１から実施例１−２４まで及び比較例１−１から比較例１−３１までに示す各ボールペンリフィール10は、「ボール50の表面粗さ（Ｒａ）」及び「ボール50の直径に対するボールハウス61の側面部70の内径の割合（φＢ／φＡ）」が、それぞれ異なるように形成したものである。
また、実施例１−１から実施例１−２４まで及び比較例１−１から比較例１−３１までに示す各ボールペンリフィール10は、ボール50の材質を超硬合金とし、ホルダー60の材質をステンレスとし、ボール50の直径を０．７ｍｍとし、下記の組成のインク80を用い、２５℃におけるインク80の粘度を３０，０００ｍＰａ・ｓとし、ボールペンリフィール10組立て時における加圧ガス90の圧力を絶対気圧で０．３ＭＰａとした。
【０１１５】
また、インク80の組成は、
ベンジルアルコール（溶剤）：３７．４重量％
フェノキシエタノール（溶剤）：１．５重量％
オレイン酸（添加剤）：８．０重量％
ニグロシンＥＸ（着色剤）：２２．５重量％
スピロンバイオレットＣ−ＲＨ（着色剤）：９．０重量％
スピロンイエローＣ−２ＧＨ（着色剤）：６．０重量％
カーボンブラックＭＡ−１００（着色剤・構造粘性付与剤）：８．０重量％
ハイラック＃１１１（樹脂）：５．４重量％
ポリビニルピロリドンＫ−９０（樹脂）：０．８重量％
アエロジル３８０（構造粘性付与剤）：１．４重量％
とした。
【０１１６】
また、「初筆性」の試験は、
まず、手書きにて筆記可能であることを確認し、
手書きが終了してから１時間経過後又は１日経過後に、
ＩＳＯ規格１４１４５−１に準拠した自動筆記試験機を用い、
筆記速度：４．５ｍ／ｍｉｎ
筆記角度：９０°
筆記負荷：１．９６Ｎ
の条件で行った。
【０１１７】
また、「初筆性」の評価は、
５本のボールペンリフィール10について行った上記試験の結果の平均値を採り、
（イ）筆記試験開始から描線の記録が円滑に行われるまでの距離が２ｍｍ以内であった → 評価「Ａ」
（ロ）筆記試験開始から描線の記録が円滑に行われるまでの距離が５ｍｍ以内であった → 評価「Ｂ」
（ハ）筆記試験開始から描線の記録が円滑に行われるまでの距離が１０ｍｍ以内であった → 評価「Ｃ」
（ニ）筆記試験開始から描線の記録が円滑に行われるまでの距離が１０ｍｍ以上であった → 評価「Ｄ」
とした。
【０１１８】
また、「筆記距離」の試験は、
まず、手書きにて筆記可能であることを確認し、その後に、
ＩＳＯ規格１４１４５−１に準拠した自動筆記試験機を用い、
筆記速度：４．５ｍ／ｍｉｎ
筆記角度：６０°
筆記負荷：１．９６Ｎ
の条件で筆記不能になるまで行った。
【０１１９】
また、「筆記距離」の評価は、
１０本のボールペンリフィール10について行った上記試験の結果の平均値を採り、
（イ）インク80が完全になくなるまで筆記可能であった → 評価「Ａ」
（ロ）充填量の１／４未満のインク80を残して筆記不能となった → 評価「Ｂ」
（ハ）充填量の１／４以上のインク80を残して筆記不能となった → 評価「Ｃ」
とした。
【０１２０】
また、「ボール50の飛び出し」の試験は、
ボールペンリフィール10を、
気温：１５０℃
湿度：３０％
に設定した恒温槽内に１００時間投入することによって行った。
【０１２１】
また、「ボール50の飛び出し」の評価は、
１００本のボールペンリフィール10について上記試験を行い、
（イ）ボールハウス61からボール50が飛び出してしまったものが１本もなかった→ 評価「○」
（ロ）ボールハウス61からボール50が飛び出してしまったものが１本以上あった→ 評価「×」
とした。
【０１２２】
なお、表１中、「Ｒａ」は「ボール50の表面粗さＲａ（単位：μｍ）」を、「φＢ／φＡ」は「ボール50の直径に対するボールハウス61の側面部70の内径の割合」を、「初筆性（１ｈ）」は「手書きが終了してから１時間経過後の初筆性の評価」を、「初筆性（１ｄ）」は「手書きが終了してから１日経過後の初筆性の評価」を、「筆記距離」は「筆記距離の評価」を、「飛び出し」は「ボール50の飛び出しの評価」を、それぞれ示す。
【０１２３】
【表１】

【０１２４】
このように、実施例１−１から実施例１−２４までの各ボールペンリフィール10は、「初筆性」に優れ、また、「筆記距離」も十分長く、しかも、ボールハウス61からボール50が飛び出してしまうこともなかった。
すなわち、実施例１−１から実施例１−２４までに示すようにボールペンリフィール10を形成すれば、「初筆性」に優れ、また、「筆記距離」も十分長く、しかも、ボールハウス61からボール50が飛び出しにくいボールペンリフィール10とすることができるのである。
【０１２５】
一方、比較例１−１から比較例１−３１までの各ボールペンリフィール10は、「初筆性」に劣るか、「筆記距離」が短いか、又はボールハウス61からボール50が飛び出しやすいかのいずれか１以上の欠点を有していた。
すなわち、比較例１−１から比較例１−３１までに示すようにボールペンリフィール10を形成すると、「初筆性」に劣るか、「筆記距離」が短いか、又はボールハウス61からボール50が飛び出しやすいかのいずれか１以上の欠点を有するボールペンリフィール10となってしまうのである。
【０１２６】
更に、「ボール50の表面粗さＲａ」の限界数値についての実験を行ったところ、少なくとも、ボール50の表面粗さＲａを０．０１０μｍ以上０．０８０μｍ以下にすれば、筆記面上でボール50が滑りにくく、かつ、ボール受け座72が磨耗しにくくなり、これにより、「かすれ」を起こしにくくなり、また、「初筆性」に優れ、しかも、「筆記距離」も十分に長くなることが確認された。
【０１２７】
また、「ボール50の表面粗さＲａ」を０．０１０μｍ未満にすると、筆記面上でボール50が滑りやすくなってしまうことから、「かすれ」を起こしやすくなり、また、「初筆性」に劣ってしまうことが確認された。
また、「ボール50の表面粗さＲａ」を０．０８０μｍ超にすると、ボール受け座72が磨耗しやすくなってしまうことから、「筆記距離」が短くなってしまうことが確認された。
【０１２８】
また、「ボール50の直径に対するボールハウス61の側面部70の内径の割合（φＢ／φＡ）」の限界数値についての実験を行ったところ、少なくとも、ボールハウス61の側面部70の内径をボール50の直径の１０１％以上１１１％以下に形成すれば、すなわち、１．０１≦φＢ／φＡ≦１．１１（式１）を満たすように形成すれば、ボール50と側面部70との間に十分なインク80通路を確保することができ、これにより、「かすれ」を起こしにくくなり、また、「初筆性」に優れ、しかも、ボールハウス61からボール50が飛び出しにくくなることが確認された。
【０１２９】
また、ボールハウス61の側面部70の内径をボール50の直径の１０１％未満に形成すると、すなわち、１．０１＞φＢ／φＡに形成すると、ボール50と側面部70との間に十分なインク80通路を確保することができなくなってしまうことから、「かすれ」を起こしやすくなり、また、「初筆性」に劣ってしまうことが確認された。
【０１３０】
また、ボールハウス61の側面部70の内径を、ボール50の直径の１１１％超に形成すると、すなわち、φＢ／φＡ＞１．１１に形成すると、ボール50がボールハウス61から飛び出しやすくなってしまうことが確認された。
なお、この試験は、インク80の組成、インク80の粘度、及び加圧ガス90の圧力などを変えて行ったが、前述した結果と同様の傾向が見られた。
（ボールペンリフィール10の評価２）
下記の表２に、実施例２−１から実施例２−３まで及び比較例２−１から比較例２−３までの各ボールペンリフィール10の構成と、これらのボールペンリフィール10の「インク80の漏れ出し」及び「書き味」についての評価をそれぞれ示す。
【０１３１】
ここで、実施例２−１から実施例２−３まで及び比較例２−１から比較例２−３までに示す各ボールペンリフィール10は、「インク80の組成」及び「インク80の粘度」が、それぞれ異なるように形成したものである。
また、実施例２−１から実施例２−３まで及び比較例２−１から比較例２−３までに示す各ボールペンリフィール10は、ボール50の材質を超硬合金とし、ホルダー60の材質をステンレスとし、ボール50の直径を０．７ｍｍとし、ボール50の表面粗さＲａを０．０３６μｍとし、ボール50の直径に対するボールハウス61の側面部70の内径の割合（φＢ／φＡ）を１．０１４とし、ボールペンリフィール10組立て時における加圧ガス90の圧力を絶対気圧で０．３ＭＰａとした。
【０１３２】
また、インク80の粘度測定は、
Ｅ型粘度計にてレギュラーコーンを用い、
回転数：１．０〜２．５回転／分
温度：２５℃
の条件で行った。
【０１３３】
また、「インク80の漏れ出し」の試験は、
インク貯蔵管30に充填する加圧ガス90の圧力を０．３ＭＰａまで上げたときに、チップ20の先端からインク80が漏れ出すか否かを観察することにより行った。
また、「インク80の漏れ出し」の評価は、
（イ）チップ20の先端からのインク80の漏れ出しがなかった → 評価「○」
（ロ）チップ20の先端から漏れ出して、チップ20の先端にインク80の滴ができ、そのインク80の滴の直径が１ｍｍ未満であった → 評価「△」
（ハ）チップ20の先端から漏れ出して、チップ20の先端にインク80の滴ができ、そのインク80の滴の直径が１ｍｍ以上であった → 評価「×」
とした。
【０１３４】
また、「書き味」の試験は、
手書きにて筆記することにより行った。
また、「書き味」の評価は、
（イ）書き味がなめらかであった → 評価「○」
（ロ）書き味がやや重かった → 評価「△」
（ハ）書き味が重かった → 評価「×」
とした。
【０１３５】
なお、表２中、「ＢＡ」は「ベンジルアルコール（溶剤）」を、「ＰＧ」は「フェノキシエタノール（溶剤）」を、「オレイン酸」は「オレイン酸（添加剤）」を、「ＥＸ」は「ニグロシンＥＸ（着色剤）」を、「Ｃ−ＲＨ」は「スピロンバイオレットＣ−ＲＨ（着色剤）」を、「Ｃ−２ＧＨ」は「スピロンイエローＣ−２ＧＨ（着色剤）」を、「ＭＡ−１００」は「カーボンブラックＭＡ−１００（着色剤・構造粘性付与剤）」を、「＃１１１」は「ハイラック＃１１１（樹脂）」を、「ＰＶＰ」は「ポリビニルピロリドンＫ−９０（樹脂）」を、「アエロジル」は「アエロジル３８０（構造粘性付与剤）」を、「粘度」は「２５℃における粘度（単位：ｍＰａ・ｓ）」を、「漏れ出し」は「インク80の漏れ出しの評価」を、「書き味」は「書き味の評価」を、それぞれ示す。
【０１３６】
【表２】

【０１３７】
このように、実施例２−１から実施例２−３までの各ボールペンリフィール10は、「インク80の漏れ出し」がなく、しかも、「書き味」がなめらかであった。
すなわち、実施例２−１から実施例２−３までに示すようにボールペンリフィール10を形成すれば、「インク80の漏れ出し」がなく、しかも、「書き味」がなめらかなボールペンリフィール10とすることができるのである。
【０１３８】
一方、比較例２−１から比較例２−３までの各ボールペンリフィール10は、「インク80の漏れ出し」があるか、又は「書き味」がなめらかではないかのいずれか１以上の欠点を有していた。
すなわち、比較例２−１から比較例２−３までに示すようにボールペンリフィール10を形成すると、「インク80の漏れ出し」があるか、又は「書き味」がなめらかではないかのいずれか１以上の欠点を有するボールペンリフィール10となってしまうのである。
【０１３９】
更に、インク80の粘度の限界数値についての実験を行ったところ、少なくとも、２５℃におけるインク80の粘度を１０，０００ｍＰａ・ｓ以上５０，０００ｍＰａ・ｓ以下にすれば、「インク80の漏れ出し」がなく、しかも、「書き味」がなめらかになることが確認された。
また、２５℃におけるインク80の粘度を１０，０００ｍＰａ・ｓ未満にすると、チップ20の先端からインク80が漏れ出してしまうことが確認された。
【０１４０】
また、２５℃におけるインク80の粘度を５０，０００ｍＰａ・ｓ超にすると、「書き味」が重くなってしまうことが確認された。
また、２５℃におけるインク80の粘度を１０，０００ｍＰａ・ｓ以上５０，０００以下にしても、インク80に構造粘性付与剤を添加しないと、チップ20の先端からインク80が漏れ出してしまうことが確認された。
（ボールペンリフィール10の評価３）
下記の表３に、実施例３−１、実施例３−２、比較例３−１、及び比較例３−２の各ボールペンリフィール10の構成と、これらのボールペンリフィール10の「インク80の漏れ出し」及び「筆記距離」についての評価をそれぞれ示す。
【０１４１】
ここで、実施例３−１、実施例３−２、比較例３−１、及び比較例３−２に示す各ボールペンリフィール10は、「加圧ガス90の圧力」が、それぞれ異なるように形成したものである。
また、実施例３−１、実施例３−２、比較例３−１、及び比較例３−２に示す各ボールペンリフィール10は、ボール50の材質を超硬合金とし、ホルダー60の材質をステンレスとし、ボール50の直径を０．７ｍｍとし、ボール50の表面粗さＲａを０．０３６μｍとし、ボール50の直径に対するボールハウス61の側面部70の内径の割合（φＢ／φＡ）を１．０１４とし、ボールペンリフィール10の評価１で示したインク80を用い、２５℃におけるインク80の粘度を３０，０００ｍＰａ・ｓとした。
【０１４２】
また、「インク80の漏れ出し」の試験は、
直径５〜６ｃｍの円を５周筆記した後に、２５℃の環境下に１分間放置し、
チップ20の先端からインク80が漏れ出すか否かを観察することにより行った。
また、「インク80の漏れ出し」の評価は、
（イ）チップ20の先端からのインク80の漏れ出しがなかった → 評価「○」
（ロ）チップ20の先端から漏れ出して、チップ20の先端にインク80の滴ができ、そのインク80の滴の直径が１ｍｍ未満であった → 評価「△」
（ハ）チップ20の先端から漏れ出して、チップ20の先端にインク80の滴ができ、そのインク80の滴の直径が１ｍｍ以上であった → 評価「×」
とした。
【０１４３】
また、「筆記距離」の試験は、
まず、手書きにて筆記可能であることを確認し、その後に、
ＩＳＯ規格１４１４５−１に準拠した自動筆記試験機を用い、
筆記速度：４．５ｍ／ｍｉｎ
筆記角度：６０°
筆記負荷：１．９６Ｎ
の条件で筆記不能になるまで行った。
【０１４４】
また、「筆記距離」の評価は、
１０本のボールペンリフィール10について行った上記試験の結果の平均値を採り、
（イ）筆記不能になるまでの距離が６００ｍ以上であった → 評価「○」
（ロ）筆記不能になるまでの距離が４００ｍ以上６００ｍ未満であった → 評価「△」
（ハ）筆記不能になるまでの距離が４００ｍ未満であった → 評価「×」
【０１４５】
【表３】

【０１４６】
このように、実施例３−１及び実施例３−２の各ボールペンリフィール10は、「インク80の漏れ出し」がなく、しかも、「筆記距離」が十分に長かった。
すなわち、実施例３−１及び実施例３−２に示すようにボールペンリフィール10を形成すれば、「インク80の漏れ出し」がなく、しかも、「筆記距離」が十分に長いボールペンリフィール10とすることができるのである。
【０１４７】
一方、比較例３−１及び比較例３−２の各ボールペンリフィール10は、「インク80の漏れ出し」があるか、又は「筆記距離」が短くなってしまうかのいずれか１以上の欠点を有していた。
すなわち、比較例３−１及び比較例３−２に示すようにボールペンリフィール10を形成すると、「インク80の漏れ出し」があるか、又は「筆記距離」が短くなってしまうかのいずれか１以上の欠点を有するボールペンリフィール10となってしまうのである。
【０１４８】
更に、「加圧ガス90の圧力」の限界数値についての実験を行ったところ、少なくとも、加圧ガス90の圧力を絶対圧力で０．１５ＭＰａ以上０．４０ＭＰａ以下にすれば、「インク80の漏れ出し」がなく、しかも、「筆記距離」が十分に長くなることが確認された。
また、加圧ガス90の圧力を絶対圧力で０．１５ＭＰａ未満にすると、インク80を最後まで使い切れなくなってしまい、「筆記距離」が短くなってしまうことが確認された。
【０１４９】
また、加圧ガス90の圧力を絶対圧力で０．４０ＭＰａ超にすると、チップ20の先端からインク80が漏れ出してしまうことが確認された。
（ボールペンリフィール10の評価４）
下記の表４に、実施例４−１、実施例４−２、比較例４−１、及び比較例４−２の各ボールペンリフィール10の構成と、これらのボールペンリフィール10の「筆記距離」についての評価をそれぞれ示す。
【０１５０】
ここで、実施例４−１、実施例４−２、比較例４−１、及び比較例４−２に示す各ボールペンリフィール10は、「加圧ガス90中の反応しにくいガスの割合」が、それぞれ異なるように形成したものである。
また、実施例４−１、実施例４−２、比較例４−１、及び比較例４−２に示す各ボールペンリフィール10は、反応しにくいガスとして窒素（Ｎ₂）を用いた。
【０１５１】
また、実施例４−１、実施例４−２、比較例４−１、及び比較例４−２に示す各ボールペンリフィール10は、ボール50の材質を超硬合金とし、ホルダー60の材質をステンレスとし、ボール50の直径を０．７ｍｍとし、ボール50の表面粗さＲａを０．０３６μｍとし、ボール50の直径に対するボールハウス61の側面部70の内径の割合（φＢ／φＡ）を１．０１４とし、ボールペンリフィール10の評価１で示したインク80を用い、２５℃におけるインク80の粘度を３０，０００ｍＰａ・ｓとし、ボールペンリフィール10組立て時における加圧ガス90の圧力を絶対気圧で０．３ＭＰａとした。
【０１５２】
また、「筆記距離」の試験は、
組立て後１年間、５０℃の環境下に保管し、その後に、
ＩＳＯ規格１４１４５−１に準拠した自動筆記試験機を用い、
筆記速度：４．５ｍ／ｍｉｎ
筆記角度：６０°
筆記負荷：１．９６Ｎ
の条件で筆記不能になるまで行った。
【０１５３】
また、「筆記距離」の評価は、
１０本のボールペンリフィール10について行った上記試験の結果の平均値を採り、
（イ）筆記不能になるまでの距離が６００ｍ以上であった → 評価「○」
（ロ）筆記不能になるまでの距離が４００ｍ以上６００ｍ未満であった → 評価「△」
（ハ）筆記不能になるまでの距離が４００ｍ未満であった → 評価「×」
【０１５４】
【表４】

【０１５５】
このように、実施例４−１及び実施例４−２の各ボールペンリフィール10は、「筆記距離」が十分に長かった。
すなわち、実施例４−１及び実施例４−２に示すようにボールペンリフィール10を形成すれば、加圧ガス90中の酸素（Ｏ₂）などのガスがインク80の各成分と反応することによる加圧ガス90の圧力低下を抑えることができ、これにより、「筆記距離」が十分に長いボールペンリフィール10とすることができるのである。
【０１５６】
一方、比較例４−１及び比較例４−２の各ボールペンリフィール10は、「筆記距離」が短くなってしまった。
すなわち、比較例４−１及び比較例４−２に示すようにボールペンリフィール10を形成すると、加圧ガス90中の酸素（Ｏ₂）などのガスがインク80の各成分と反応することにより、加圧ガス90の圧力が低下してしまい、これにより、「筆記距離」が短いボールペンリフィール10となってしまうのである。
【０１５７】
また、窒素（Ｎ₂）以外の反応しにくいガスについても、上述した実験と同様の実験を行ったところ、上述した評価と同様の評価が得られた。
更に、「加圧ガス90中の反応しにくいガスの割合」の限界数値についての実験を行ったところ、少なくとも、加圧ガス90中の反応しにくいガスの割合を８５％以上にすれば、加圧ガス90中の酸素（Ｏ₂）などのガスがインク80の各成分と反応することによる加圧ガス90の圧力低下を十分に抑えることができ、これにより、「筆記距離」が十分に長くなることが確認された。
【０１５８】
また、加圧ガス90中の反応しにくいガスの割合を８５％未満にすると、加圧ガス90中の酸素（Ｏ₂）などのガスがインク80の各成分と反応することにより、加圧ガス90の圧力が低下してしまい、これにより、「筆記距離」が短くなってしまうことが確認された。
（ボールペンリフィール10の評価５）
下記の表５に、実施例５−１、実施例５−２、比較例５−１、及び比較例５−２の各ボールペンリフィール10の構成と、これらのボールペンリフィール10の「インク80の流れ出し」についての評価をそれぞれ示す。
【０１５９】
ここで、実施例５−１、実施例５−２、比較例５−１、及び比較例５−２に示す各ボールペンリフィール10は、「フロート100の外径をφＣ、インク貯蔵管30の大径部31の内径をφＤとしたときにおける、（φＤ−φＣ）／φＣの値」が、それぞれ異なるように形成したものである。
また、実施例５−１、実施例５−２、比較例５−１、及び比較例５−２に示す各ボールペンリフィール10は、ボール50の材質を超硬合金とし、ホルダー60の材質をステンレスとし、ボール50の直径を０．７ｍｍとし、ボール50の表面粗さＲａを０．０３６μｍとし、ボール50の直径に対するボールハウス61の側面部70の内径の割合（φＢ／φＡ）を１．０１４とし、フロート100の材質をポリプロピレン（ＰＰ）とし、ボールペンリフィール10の評価１で示したインク80を用い、２５℃におけるインク80の粘度を３０，０００ｍＰａ・ｓとし、ボールペンリフィール10組立て時における加圧ガス90の圧力を絶対気圧で０．３ＭＰａとした。
【０１６０】
また、「インク80の流れ出し」の試験は、
ＩＳＯ規格１４１４５−１に準拠した自動筆記試験機を用い、
筆記速度：４．５ｍ／ｍｉｎ
筆記角度：６０°
筆記負荷：１．９６Ｎ
の条件で２００ｍ筆記した後、
チップ20を上向きにした状態で、２５℃の環境下に３日間保管し、その後、フロート100とインク貯蔵管30との間の間隙からインク80が加圧ガス90側へ流れ出しているか否かを観察した。
【０１６１】
また、「インク80の流れ出し」の評価は、
１０本のボールペンリフィール10について上記試験を行い、
（イ）フロート100とインク貯蔵管30との間の間隙からインク80が加圧ガス90側へ流れ出しているものが１本もなかった → 評価「○」
（ロ）フロート100とインク貯蔵管30との間の間隙からインク80が加圧ガス90側へ流れ出しているものが１本以上あった → 評価「×」
とした。
【０１６２】
【表５】

【０１６３】
このように、実施例５−１及び実施例５−２の各ボールペンリフィール10は、フロート100とインク貯蔵管30との間の間隙からインク80が加圧ガス90側へ流れ出すことがなかった。
すなわち、実施例５−１及び実施例５−２に示すようにボールペンリフィール10を形成すれば、フロート100とインク貯蔵管30との間の間隙からインク80が加圧ガス90側へ流れ出さないボールペンリフィール10とすることができるのである。
【０１６４】
一方、比較例５−１及び比較例５−２の各ボールペンリフィール10は、フロート100とインク貯蔵管30との間の間隙からインク80が加圧ガス90側へ流れ出しやすいという欠点を有していた。
すなわち、比較例５−１及び比較例５−２に示すようにボールペンリフィール10を形成すると、フロート100とインク貯蔵管30との間の間隙からインク80が加圧ガス90側へ流れ出しやすいボールペンリフィール10となってしまうのである。
【０１６５】
更に、「（φＤ−φＣ）／φＣの値」の限界数値についての実験を行ったところ、少なくとも、０．０００５≦（φＤ−φＣ）／φＣ≦０．０４３（式３）となるように形成すれば、フロート100とインク貯蔵管30との間の間隙からインク80が加圧ガス90側へ流れ出しにくくなることが確認された。
また、０．０００５＞（φＤ−φＣ）／φＣとなるように形成すると、フロート100とインク貯蔵管30との間の間隙が狭すぎて、インク80の減少に伴うフロート100の移動が円滑に行われなくなってしまうことが確認された。
【０１６６】
一方、（φＤ−φＣ）／φＣ＞０．０４３となるように形成すると、フロート100とインク貯蔵管30との間の間隙からインク80が加圧ガス90側へ流れ出しやすくなってしまうことが確認された。
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではない。
【０１６７】
【発明の効果】
以上説明したように、第１の発明によれば、チップの先端からインクが漏れ出しにくく、また、ボールがボールハウスから飛び出しにくく、また、「かすれ」を起こしにくく、更に、「初筆性」に優れ、しかも、「筆記距離」も十分に長いボールペンリフィールを提供することができるのである。
【０１６８】
また、第２の発明によれば、チップの先端からインクがより一層漏れ出しにくく、また、「かすれ」もより一層起こしにくく、更に、「初筆性」により一層優れ、しかも、「書き味」がなめらかなボールペンリフィールを提供することができるのである。
また、第３の発明によれば、チップの先端からインクがより一層漏れ出しにくく、しかも、「書き味」がなめらかなボールペンリフィールを提供することができるのである。
【０１６９】
また、第４の発明によれば、チップの先端からインクがより一層漏れ出しにくく、また、ボールがボールハウスからより一層飛び出しにくく、また、「かすれ」もより一層起こしにくく、更に、「初筆性」により一層優れ、しかも、インクを最後まで使い切れるボールペンリフィールを提供することができるのである。
【０１７０】
更に、第５の発明によれば、チップの先端からインクがより一層漏れ出しにくく、また、ボールがボールハウスからより一層飛び出しにくく、また、「かすれ」もより一層起こしにくく、更に、「初筆性」により一層優れ、しかも、インクを最後まで使い切れるボールペンリフィールを提供することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本実施の形態に係るボールペンリフィールの側面断面図。
【図２】図１のＡ部拡大図。
【図３】図１のＢ部拡大図。
【図４】チップの要部断面図。
【図５】フロートの斜視図。
【符号の説明】
１０ボールペンリフィール２０チップ
３０インク貯蔵管３１大径部
３２中径部３３小径部
３４内向き段部３５絞り部
４０尾栓４１留め具
４２シール部材５０ボール
６０ホルダー６１ボールハウス
６２インク誘導孔６３インク溝
６４カシメ部６５クリアランス
６６テーパー部６７胴体部
６８固定部６９外向き段部
７０側面部７１底面部
７２ボール受け座８０インク
９０加圧ガス１００フロート
１０１空気溝１０２刳り貫き部
φＡボールの直径 φＢ側面部の内径
φＣフロートの外径 φＤ大径部の内径[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a ball-point pen refill, and more particularly, to a so-called press-type ball-point pen refill in which an inside of an ink storage tube is filled with a pressurized gas and the pressure of the pressurized gas pushes the ink toward the tip. is there.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, various ballpoint pen refills have been provided.
For example, an ink storage tube, a tip fixed to one side of the ink storage tube, and a tail plug provided on the side opposite to the ink storage tube are provided. A so-called pressurized ball-point pen refill is provided in which pressurized gas is filled on the side opposite to the tip of the storage tube, and ink is pushed out in the direction of the chip by the pressure of the pressurized gas.
[0003]
In such a pressurized ballpoint pen refill, the pressurized gas always presses the ink in the tip direction, so that writing can be performed even with the tip facing upward.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the pressurized ballpoint pen refill as described above, the ink may leak from the tip of the chip due to the pressure of the pressurized gas. Further, the ball may jump out of the ball house due to the pressure of the pressurized gas.
In order to prevent such inconvenience, in the pressurization type ball pen refill, the inner diameter of the ball house is formed to be relatively small with respect to the diameter of the ball.
[0005]
However, if the inner diameter of the ball house is made relatively small compared to the diameter of the ball, the ink passage near the tip of the chip will be narrowed, so this time the occurrence of “smear” and “initial writing performance” decreases. Such a problem may occur.
Also, while making the inner diameter of the ball house relatively small with respect to the diameter of the ball, the surface roughness of the ball is made relatively rough in order to prevent problems such as the occurrence of “blurring” and a decrease in “initial writing performance”. That is also done.
[0006]
However, if the surface roughness of the ball is too rough, the ball seat is likely to be worn away, so the durability of the tip is reduced and this time the “writing distance” may be shortened. is there. In other words, the pressure-type ballpoint pen refill prevents “ink leakage” and “ball jump-out”, while preventing “blur” and a decrease in “first writing”, and in addition, “writing distance” It is extremely difficult to make it long.
( 1st invention )
Therefore, of the present invention First The invention forms the inner diameter of the ball house within a predetermined range with respect to the ball diameter, and forms the surface roughness of the ball within a predetermined range, thereby preventing “ink leakage” and “ball jumping”. An object of the present invention is to provide a ballpoint pen refill that prevents the occurrence of “blur” and a decrease in “first writing performance” while preventing the occurrence of “blur” and sufficiently increasing the “writing distance”.
( Second invention )
Also, of the present invention Second The invention First In addition to the object of the invention, by adjusting the viscosity of the ink within a predetermined range, it is possible to more reliably prevent occurrence of “blur” and lower “initial writing property” while more reliably preventing “ink leakage”. An object of the present invention is to provide a ballpoint pen refill that prevents the “writing taste” from becoming heavy.
( Third invention )
Also, of the present invention Third The invention First 1 or Second In addition to the purpose of the above, by adding a structural viscosity imparting agent to the ink, it is intended to provide a ballpoint pen refill that prevents “leakage of ink” more reliably while preventing the “writing quality” from becoming heavy. And
( 4th invention )
Also, of the present invention 4th The invention First 1 to Third In addition to the purpose of the invention, by setting the pressure of the pressurized gas within a predetermined range, it is possible to more reliably prevent “ink leakage” and “ball jumping”, It is an object of the present invention to provide a ballpoint pen refill that more reliably prevents a decrease in property and that allows ink to be used up to the end.
( 5th invention )
Further, of the present invention 5th The invention First 1 to 4th In addition to the object of the invention, by setting the storage volume ratio of ink and pressurized gas when storing the ink storage tube within a predetermined range, it is possible to more reliably prevent “ink leakage” and “ball jump”. On the other hand, it is an object of the present invention to provide a ballpoint pen refill that more reliably prevents the occurrence of “smear” and a decrease in “initial writing performance” and that allows ink to be used up to the end.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to achieve the above object, the inventor forms the inner diameter of the ball house within a predetermined range with respect to the diameter of the ball, and forms the surface roughness of the ball within the predetermined range. As a result, while preventing "ink leakage" and "ball jumping out", it is possible to prevent the occurrence of "blurs" and the deterioration of "first writing performance", and to find that the "writing distance" can be made sufficiently long. The following inventions have been completed.
( 1st invention )
That is, of the present invention First The invention includes an ink storage tube (30), a tip (20) fixed to one side of the ink storage tube (30), and a tail plug (40) provided on the side opposite to the tip (20) of the ink storage tube (30). ), The tip (20) side of the ink storage tube (30) is filled with ink (80), and the anti-tip (20) side of the ink storage tube (30) is pressurized gas ( 90) filled with a ballpoint pen refill (10) in which the ink (80) is pushed out toward the tip (20) by the pressure of the pressurized gas (90), and the tip (20) 50) and a holder (60) for holding the ball (50), and the ball (50) has a surface roughness Ra of 0.010 μm or more and 0.080 μm or less. (60) is for storing the ball (50) provided near the end of the anti-ink storage tube (30) A ball house (61) and an ink guide hole (62) for supplying ink (80) to the ball (50) penetrating from the end on the opposite ball house (61) side to the ball house (61) The ball house (61) has a cylindrical side surface portion (70) and a conical bottom surface portion (71) whose inner diameter gradually decreases toward the ink guide hole (62), When the diameter of (50) is φA and the inner diameter of the side surface portion (70) is φB, it is formed so as to satisfy 1.01 ≦ φB / φA ≦ 1.11.
[0008]
Here, “an ink storage tube (30), a tip (20) fixed to one side of the ink storage tube (30), and a tail plug (20) on the side opposite to the tip (20) of the ink storage tube (30) ( 40), the tip (20) side of the ink storage tube (30) is filled with ink (80), and the anti-tip (20) side of the ink storage tube (30) is pressurized gas. (90) is filled with the pressure (90) and the ink (80) is pushed out in the direction of the tip (20) by the pressure of the pressurized gas (90) ”means a so-called pressurized ball-point pen refill (10 ).
[0009]
The “ink storage tube (30)” can be formed in a cylindrical shape, for example.
Further, the ink storage tube (30) only needs to be formed in a cylindrical shape, and therefore, for example, the ink storage tube (30) may be formed so that the diameter is gradually reduced from one side to the other side.
Specifically, for example, a cylindrical large-diameter portion (31) and a cylindrical medium-diameter portion having a diameter smaller than that of the large-diameter portion (31) connected to one side of the large-diameter portion (31). (32) and a cylindrical small-diameter portion (33) having a diameter smaller than that of the medium-diameter portion (32) connected to the side opposite to the large-diameter portion (31) of the medium-diameter portion (32) An ink storage tube (30) may be formed.
[0010]
Further, the ink storage tube (30) can be integrally formed by press working using a metal material such as stainless steel or brass.
Further, the ink storage tube (30) is not limited to being formed using a metal material, and may be formed by, for example, extrusion molding or injection molding using a plastic material.
[0011]
In addition, the ink storage tube (30) is not limited to being integrally formed. For example, the ink storage unit for storing the ink (80), and the ink storage unit and the chip (20) are connected to each other. For example, the joint portion may be formed separately and joined together.
The “tail plug (40)” is for preventing the pressurized gas (90) filled in the ink storage tube (30) from leaking to the outside.
[0012]
Further, the tail plug (40) is provided on the side opposite to the tip (20) of the ink storage tube (30) by, for example, press-fitting in the vicinity of the end on the side opposite to the tip (20) of the ink storage tube (30). Can do.
Further, the tail plug (40) is provided on the side opposite to the tip (20) of the ink storage tube (30) by, for example, being screwed into the vicinity of the end portion on the side opposite to the tip (20) of the ink storage tube (30). May be.
[0013]
The tail plug (40) can be constituted by, for example, a metal fastener (41) and a rubber seal member (42) provided on the tip (20) side of the fastener (41). it can. The metal fastener (41) can improve pressure resistance, and the rubber seal member (42) can improve airtightness.
Further, the tail plug (40) may be formed in a cylindrical shape using a metal material, for example. When the ink storage tube (30) is press-fitted near the end on the side opposite to the tip (20), for example, between the outer peripheral surface of the tail plug (40) and the inner peripheral surface of the ink storage tube (30). The airtightness can be improved by injecting the filler into the gap.
[0014]
The “chip (20)” includes a ball (50) and a holder (60) for holding the ball (50).
The tip (20) is fixed to one side of the ink storage tube (30) by, for example, press-fitting the opposite ball (50) side into the vicinity of one end of the ink storage tube (30). Can do.
[0015]
The tip (20) is fixed to one side of the ink storage tube (30) by, for example, screwing the opposite ball (50) side to the vicinity of one end of the ink storage tube (30). May be.
The “ball (50)” is for applying ink to the writing surface.
The ball (50) can be formed using, for example, cemented carbide, stainless steel, hardened steel, or ceramic.
[0016]
The “holder (60)” is for holding the ball (50).
The holder (60) includes a ball house (61) for storing the ball (50) and an ink guide hole (62) for supplying ink to the ball (50).
Moreover, the holder (60) can be formed using wire materials, such as stainless steel, white, brass, or brass, for example.
[0017]
The “ball house (61)” is provided near the end of the holder (60) on the side opposite to the ink storage tube (30).
The ball house (61) has a cylindrical side surface portion (70) and a conical bottom surface portion (71) whose inner diameter gradually decreases toward the ink guide hole (62).
The ball house (61) can be formed by cutting with a drill, for example.
[0018]
The “ink guide hole (62)” is provided so as to penetrate from the end of the holder (60) on the side opposite to the ball house (61) to the ball house (61).
The ink guide hole (62) can be formed by cutting with a drill, for example.
Furthermore, the ball-point pen refill (10) according to the present invention is formed such that the surface roughness Ra of the ball (50) is 0.010 μm or more and 0.080 μm or less, and the diameter of the ball (50) is φA. When the inner diameter of (70) is φB,
1.01 ≦ φB / φA ≦ 1.11
It is formed to satisfy.
[0019]
That is, the ball (50) has a surface roughness Ra of 0.010 μm or more and 0.080 μm or less, and the side surface (70) has an inner diameter of 101% or more with respect to the diameter of the ball (50). It is formed to 111% or less.
In the ballpoint pen refill (10) according to the present invention, the surface roughness Ra of the ball (50) is 0.010 μm or more and 0.080 μm or less, and the inner diameter of the side surface (70) is set to the ball (50). By forming it to be 101% or more and 111% or less with respect to the diameter of the ink, while preventing “ink (80) leakage” and “ball (50) jumping out”, the occurrence of “blur” and “first writing performance” "Is also prevented, and the" writing distance "is made sufficiently long.
[0020]
That is, by forming the surface roughness Ra of the ball (50) to be 0.010 μm or more, the frictional resistance between the ball (50) and the writing surface is increased, whereby the ball (50) on the writing surface (50 ) Is reduced to prevent the occurrence of “faint” and also to prevent the “first writing performance” from being deteriorated.
Further, by forming the surface roughness Ra of the ball (50) to 0.080 μm or less, the wear of the ball seat (72) is prevented, thereby improving the durability of the chip (20), The “writing distance” is made sufficiently long.
[0021]
Further, by forming the inner diameter of the side surface portion (70) to be 101% or more with respect to the diameter of the ball (50), a sufficient passage for the ink (80) in the vicinity of the tip of the tip (20) is secured, thereby In addition to preventing the occurrence of “blur”, the deterioration of “first writing” is also prevented.
Further, by forming the inner diameter of the side surface portion (70) to be 111% or less with respect to the diameter of the ball (50), “leakage of the ink (80)” is prevented and “ball (50) jumps out”. It is preventing.
[0022]
In addition, if the surface roughness Ra of the ball (50) is less than 0.010 μm, the frictional resistance between the ball (50) and the writing surface cannot be sufficiently increased. Since the ball (50) becomes slippery, the occurrence of “blur” cannot be sufficiently suppressed, or the “first writing performance” is deteriorated.
[0023]
In addition, if the surface roughness Ra of the ball (50) is more than 0.080 μm, the ball seat (72) is likely to be worn, and this reduces the “writing quality” relatively early from the start of use. Or the “writing distance” is shortened.
If the inner diameter of the side surface (70) is less than 101% of the diameter of the ball (50), a sufficient ink passage can be secured between the ball (50) and the side surface (70). Therefore, this may make it easier to cause “blur” or reduce “first writing”.
[0024]
Also, if the inner diameter of the side surface (70) is more than 111% with respect to the diameter of the ball (50), the ink (80) is likely to leak from the tip of the tip (20), or the ball (50 ) Can easily jump out of the ball house (61).
( Second invention )
Also, of the present invention Second The invention First In addition to the constitution of the invention, the ink (80) is characterized in that the viscosity at 25 ° C. is prepared to be 10,000 mPa · s or more and 50,000 mPa · s or less.
[0025]
As described above, the ballpoint pen refill (10) according to the present invention is prepared by adjusting the viscosity of the ink (80) at 25 ° C. to 10,000 mPa · s to 50,000 mPa · s. While preventing “out” more reliably, the occurrence of “blur” and “first writing” are more reliably prevented, and the “writing quality” is made smoother.
[0026]
If the viscosity of the ink (80) at 25 ° C. is less than 10,000 mPa · s, the leakage of the ink (80) from the tip of the tip (20) may not be reliably prevented.
On the other hand, if the viscosity of the ink (80) at 25 ° C. exceeds 50,000 mPa · s, there is a possibility that “blur” or “initial writing property” cannot be reliably prevented. May become heavy.
[0027]
Of course, even if the viscosity of the ink (80) is outside the above range, it can be used.
( Third invention )
Also, of the present invention Third The invention First 1 or Second In addition to the constitution of the invention, the ink (80) is characterized by containing a structural viscosity imparting agent.
[0028]
Here, the “structural viscosity imparting agent” is for increasing the viscosity of the ink (80) and imparting the structural viscosity to the ink (80).
The ink (80) containing this structural viscosity-imparting agent exhibits a relatively high viscosity at low shear rates, but exhibits a relatively low viscosity at high shear rates.
Examples of the structural viscosity imparting agent include carbon black (specifically, for example, carbon black MA-100 (trade name) manufactured by Mitsubishi Chemical Corporation) and fine particle silica (specifically, for example, Nippon Aerosil). Aerosil 380 (trade name) manufactured by KK and the like can be used.
[0029]
The ballpoint pen refill (10) according to the present invention can prevent “leakage of the ink (80)” more reliably by adding a structural viscosity imparting agent to the ink (80). "Is smooth.
That is, the ink (80) is placed at a low shear rate near the tip of the tip (20) when not writing. For this reason, the ink (80) to which the structural viscosity-imparting agent is added exhibits a relatively high viscosity in the vicinity of the tip of the tip (20) when not writing. As a result, the leakage of the ink (80) from the tip of the chip (20) can be prevented more reliably.
[0030]
On the other hand, in the vicinity of the tip of the tip (20) at the time of writing, the ink (80) is placed under a high shear rate. For this reason, the ink (80) to which the structural viscosity imparting agent is added exhibits a relatively low viscosity near the tip of the tip (20) at the time of writing. As a result, the “writing quality” can be smoothed. Of course, the ink (80) can be used without adding a structural viscosity-imparting agent.
( 4th invention )
Also, of the present invention 4th The invention First 1 to Third In addition to the configuration of the invention, the pressurized gas (90) is characterized in that the pressure at the time of assembling the ballpoint pen refill (10) is set to be 0.15 MPa to 0.4 MPa in absolute pressure. To do.
[0031]
Thus, the ball-point pen refill (10) according to the present invention is configured such that the pressure of the pressurized gas (90) at the time of assembling the ball-point pen refill (10) is set to 0.15 MPa to 0.4 MPa in absolute pressure, While preventing “leakage of ink (80)” and “jumping out of ball (50)” with more certainty, it also more reliably prevents the occurrence of “blur” and lowering of “initial writing properties”. 80) is used up to the end.
[0032]
In addition, if the pressure of the pressurized gas (90) at the time of assembling the ballpoint pen refill (10) is less than 0.15 MPa in absolute pressure, it will not be possible to reliably prevent the occurrence of “blur” or a decrease in “initial writing performance”. There is a possibility that the ink (80) may not be used up to the end.
On the other hand, when the pressure of the pressurized gas (90) during assembly of the ballpoint pen refill (10) is more than 0.4 MPa in absolute pressure, “leakage of ink (80)” and “jump of ball (50)” are ensured. There is a risk that it cannot be prevented.
[0033]
Of course, even if the pressure of the pressurized gas (90) at the time of assembling the ball-point pen refill (10) is outside the above range, it can be used.
( 5th invention )
Further, of the present invention 5th The invention First 1 to 4th In addition to the configuration of the invention, when the storage volume of the ink (80) at the time of assembly of the ballpoint pen refill (10) is VA, and the storage volume of the pressurized gas (90) at the time of assembly of the ballpoint pen refill (10) is VB, It is formed to satisfy VA × 2 ≦ VB ≦ VA × 5.
[0034]
That is, in the ballpoint pen refill (10) according to the present invention, the storage volume of the pressurized gas (90) when the ballpoint pen refill (10) is assembled is twice the storage volume of the ink (80) when the ballpoint pen refill (10) is assembled. It is formed 5 times or less.
Here, “storage volume” refers to the volume when the ink storage tube (30) is stored.
[0035]
That is, the “storage volume of the ink (80)” means the volume of the ink (80) when the ink storage tube (30) is stored, and the “storage volume of the pressurized gas (90)” means the ink storage. The volume of pressurized gas (90) when the pipe (30) is stored.
In the ballpoint pen refill (10) according to the present invention, the storage volume of the pressurized gas (90) when the ballpoint pen refill (10) is assembled is twice the storage volume of the ink (80) when the ballpoint pen refill (10) is assembled. By forming it to 5 times or less, it is possible to more reliably prevent “ink (80) leaking” and “ball (50) jumping out”, while also causing “blur” and a decrease in “initial writing”. It is prevented more reliably, and the ink writing (80) is used up to the end so that the “writing distance” is sufficiently long.
[0036]
In addition, when VA × 2> VB, that is, the storage volume of the pressurized gas (90) when the ballpoint pen refill (10) is assembled is less than twice the storage volume of the ink (80) when the ballpoint pen refill (10) is assembled. , "Leakage of ink (80)" and "jump out of ball (50)" may not be reliably prevented, and "blur" and "first writing" are reliably prevented. The ink (80) may not be used up to the end and the “writing distance” may be shortened.
[0037]
On the other hand, when VB> VA × 5, that is, when the storage volume of the pressurized gas (90) when the ballpoint pen refill (10) is assembled is more than five times the storage volume of the ink (80) when the ballpoint pen refill (10) is assembled. In other words, the filling amount of the ink (80) is relatively small, and the “writing distance” may be shortened.
Of course, it can be used even when the storage volume ratio of the ink (80) and the pressurized gas (90) at the time of assembling the ballpoint pen refill (10) is outside the above range.
[0038]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
An embodiment of a ballpoint pen refill according to the present invention will be described with reference to the drawings.
1 is a side sectional view of a ballpoint pen refill 10 according to the present embodiment, FIG. 2 is an enlarged view of a portion A in FIG. 1, FIG. 3 is an enlarged view of a portion B in FIG. FIG. 5 is a perspective view of the float 100. FIG.
[0039]
The ballpoint pen refill 10 according to the present embodiment includes a tip 20, an ink storage tube 30 fixed to the tip 20, and a tail plug 40 provided on the side opposite to the tip 20 of the ink storage tube 30.
The chip 20 includes a ball 50 and a holder 60 for holding the ball 50. The holder 60 supplies a ball house 61 for storing the ball 50 and ink 80 to the ball 50. An ink guide hole 62, a plurality of ink grooves 63 for sufficiently supplying the ink 80 to the ball 50, and a ball 50 stored in the ball house 61 for preventing the ball 50 from jumping out. And a caulking portion 64.
[0040]
The ink storage tube 30 is formed in a substantially cylindrical shape, and the tip 20 side is filled with ink 80, and the anti-tip 20 side is filled with pressurized gas 90. A float 100 that moves within a certain range as the ink 80 decreases is provided inside the ink storage tube 30 and between the ink 80 and the pressurized gas 90.
The tail plug 40 is press-fitted in the vicinity of the end of the ink storage tube 30 on the side opposite to the tip 20 so that the pressurized gas 90 filled on the side opposite to the tip 20 of the ink storage tube 30 does not leak outside. .
[0041]
Hereinafter, the ballpoint pen feel 10 according to the present embodiment will be described in detail.
(Chip 20)
The chip 20 includes a ball 50 and a holder 60 for holding the ball 50.
(Ball 50)
The ball 50 is for applying the ink 80 to the writing surface.
[0042]
The ball 50 is formed using cemented carbide, stainless steel, hardened steel, ceramic, or the like.
Further, the ball 50 is formed in a spherical shape and has a surface roughness Ra of 0.010 μm or more and 0.080 μm or less.
Then, by setting the surface roughness Ra of the ball 50 to 0.010 μm or more and 0.080 μm or less, the frictional resistance between the ball 50 and the writing surface is increased, so that the ball 50 slips on the writing surface. This makes it less likely to cause “fading” and improves “initial writing”, which is the difficulty of fading at the start of writing.
[0043]
If the surface roughness Ra of the ball 50 is less than 0.010 μm, the frictional resistance between the ball 50 and the writing surface cannot be increased sufficiently, and the ball 50 is slippery on the writing surface. As a result, “blur” cannot be sufficiently suppressed, or “first writing” may be deteriorated.
[0044]
Further, if the surface roughness Ra of the ball 50 is more than 0.080 μm, the ball seat 72 is likely to be worn, and this may cause a decrease in “writing quality” at a relatively early time from the start of use. "Writing distance" may become shorter.
(Holder 60)
The holder 60 is for holding the ball 50.
[0045]
This holder 60 is formed using a metal wire such as stainless steel, white, brass, or brass.
The holder 60 is provided with a ball house 61 for storing the ball 50, an ink guide hole 62 for supplying ink 80 to the ball 50 stored in the ball house 61, and a ball 50 stored in the ball house 61. A plurality of ink grooves 63 for sufficiently supplying the ink 80 and a caulking portion 64 for preventing the ball 50 stored in the ball house 61 from jumping out are provided.
[0046]
Further, the holder 60 is continuously provided on the conical taper portion 66 whose outer diameter gradually increases from the caulking portion 64 side to the anti-caulking portion 64 side, and on the anti-caulking portion 64 side of the taper portion 66. A cylindrical body portion 67, a cylindrical fixing portion 68 having a diameter smaller than that of the body portion 67, which is continuously provided on the anti-tapered portion 66 side of the body portion 67, and the body portion 67 and the fixing portion 68. It has a step-like outward stepped portion 69 provided therebetween.
[0047]
Hereinafter, each part of the holder 60 will be described in detail.
(Ballhouse 61)
The ball house 61 is for storing the balls 50.
The ball house 61 is provided in the vicinity of one end of the holder 60.
The ball house 61 has a cylindrical side surface portion 70 and a conical bottom surface portion 71 that gradually decreases in inner diameter toward the ink guide hole 62 side.
[0048]
The ball house 61 is formed by cutting from one side of the wire to the other side with a drill whose rotational axis is aligned with the axis of the wire.
Further, the bottom surface 71 has a concave spherical ball receiving seat 72 having a curvature substantially the same as the curvature of the ball 50 around the opening of the ink guide hole 62.
The ball receiving seat 72 is formed by pressing the ball 50 toward the ink guide hole 62 with a hammer after the ball 50 is stored in the ball house 61.
[0049]
The side surface portion 70 has an inner diameter that is 101% or more and 111% or less of the diameter of the ball 50.
That is, when the diameter of the ball 50 is φA and the inner diameter of the side surface portion 70 is φB,
1.01 ≦ φB / φA ≦ 1.11 (Formula 1)
It is formed to satisfy.
[0050]
Further, by forming the inner diameter of the side surface portion 70 to be not less than 101% and not more than 111% of the diameter of the ball 50, a sufficient ink 80 passage is ensured between the ball 50 and the side surface portion 70, thereby “blurring”. In addition to making it difficult to wake up, it improves the “first writing ability”.
If the inner diameter of the side surface portion 70 is formed to be less than 101% of the diameter of the ball 50, a sufficient ink 80 path cannot be secured between the ball 50 and the side surface portion 70. It may be easy to wake up, or "first writing" may be reduced.
[0051]
Further, if the inner diameter of the side surface portion 70 is formed to exceed 111% of the diameter of the ball 50, the ink 80 may leak from the tip of the chip 20, or the ball 50 may jump out of the ball house 61. .
(Ink guide hole 62)
The ink guide hole 62 is for supplying the ink 80 to the ball 50 housed in the ball house 61.
[0052]
The ink guide hole 62 penetrates from the end of the holder 60 on the side opposite to the ball house 61 to the ball house 61.
The ink guide hole 62 is formed by cutting from the end of the wire rod on the side opposite to the ball house 61 toward the ball house 61 with a drill whose rotational axis coincides with the axis of the wire rod.
(Ink groove 63)
The ink groove 63 is provided so that the ink 80 is sufficiently supplied to the ball 50 accommodated in the ball house 61.
[0053]
The ink grooves 63 are provided radially on the inner peripheral surface of the ink guide hole 62 on the ball house 61 side as viewed from the center of the ink guide hole 62.
The ink groove 63 is formed by performing broaching from the ball house 61 side of the wire toward the anti-ball house 61 side.
(Caulking section 64)
The caulking portion 64 is for preventing the ball 50 stored in the ball house 61 from jumping out.
[0054]
The caulking portion 64 is provided at the end of the holder 60 on the ball house 61 side.
Further, the caulking portion 64 is formed in a conical shape, and the inner diameter of the minimum diameter portion 33 is smaller than the diameter of the ball 50.
The crimping portion 64 is formed by rolling the end of the wire rod on the ball house 61 side after the ball 50 is stored in the ball house 61.
[0055]
The caulking portion 64 holds the ball 50 rotatably at the tip of the holder 60 while causing a part of the ball 50 to protrude from the ball house 61.
Further, a minute gap called a clearance 65 is provided between the ball 50 and the caulking portion 64, and this clearance 65 is a passage for the ink 80 at the time of writing.
[0056]
As the ball 50 rotates, the ink 80 attached to the surface of the ball 50 is transferred to the writing surface, whereby a drawn line is drawn on the writing surface.
(Ink storage tube 30)
The ink storage tube 30 is formed in a substantially cylindrical shape, the tip 20 side is filled with ink 80, and the anti-chip 20 side is filled with pressurized gas 90. A float 100 that moves within a certain range as the ink 80 decreases is provided inside the ink storage tube 30 and between the ink 80 and the pressurized gas 90.
[0057]
Specifically, the ink storage tube 30 is integrally formed by pressing using a metal material such as stainless steel or brass.
The ink storage tube 30 includes a cylindrical large-diameter portion 31, a cylindrical medium-diameter portion 32 having a diameter smaller than that of the large-diameter portion 31 connected to one side of the large-diameter portion 31, A cylindrical small-diameter portion 33 having a diameter smaller than that of the medium-diameter portion 32 is provided on the side opposite to the large-diameter portion 31 of the medium-diameter portion 32.
[0058]
Further, the ink storage tube 30 is provided between the large diameter portion 31 and the medium diameter portion 32, and is provided between the stepped inward step portion 34 and the medium diameter portion 32 and the small diameter portion 33. And a conical throttle portion 35.
The large diameter portion 31 is a portion for filling the pressurized gas 90 and the ink 80.
That is, the pressurized gas 90 is filled on the side opposite to the medium diameter part 32 of the large diameter part 31, and the medium diameter part 32 side of the large diameter part 31 is passed through the medium diameter part 32 until reaching the small diameter part 33. Ink 80 is filled.
[0059]
In addition, a tail plug 40 is press-fitted in the vicinity of the end of the large diameter portion 31 on the side opposite to the medium diameter portion 32 so that the pressurized gas 90 filled in the large diameter portion 31 does not leak to the outside.
Further, at the end of the large diameter part 31 on the side opposite to the medium diameter part 32, a reduced diameter part is formed after the tail plug 40 is press-fitted, and the tail plug 40 press-fitted into the large diameter part 31 is formed by this reduced diameter part. The pressure of the pressurized gas 90 prevents it from jumping out.
[0060]
A float 100 that moves as the ink 80 decreases is provided inside the large-diameter portion 31 and between the ink 80 and the pressurized gas 90. The float 100 prevents the ink 80 filled on the medium diameter portion 32 side of the large diameter portion 31 from flowing out toward the anti-chip 20.
That is, since the inner diameter of the large-diameter portion 31 is formed to be relatively large, the capillary force is difficult to work inside the large-diameter portion 31. For this reason, the ink 80 filled in the large-diameter portion 31 tends to flow out in the direction toward the anti-chip 20. Therefore, by providing a float 100 formed in a substantially cylindrical shape inside the large-diameter portion 31 and between the ink 80 and the pressurized gas 90, the ink 80 filled in the large-diameter portion 31 is anti-chip. It prevents it from flowing in 20 directions.
[0061]
Further, the float 100 provided inside the large diameter portion 31 moves in the direction of the medium diameter portion 32 as the ink 80 decreases, and an inward stepped portion provided between the large diameter portion 31 and the medium diameter portion 32. When it comes into contact with 34, the movement in the direction of the medium diameter portion 32 is stopped.
The inward stepped portion 34 is a portion for connecting the large diameter portion 31 and the medium diameter portion 32, and is formed in a stepped shape.
[0062]
The medium diameter portion 32 is a portion for filling the ink 80 and is formed in a cylindrical shape having a smaller diameter than the large diameter portion 31.
In addition, since the inner diameter portion 32 is formed to have a relatively small inner diameter, the capillary force tends to work inside the middle diameter portion 32. For this reason, the ink 80 is unlikely to flow out toward the large-diameter portion 31 without providing the float 100 between the pressurized gas 90 and the ink 80 inside the medium-diameter portion 32.
[0063]
The throttle portion 35 is a portion for connecting the medium diameter portion 32 and the small diameter portion 33, and is formed in a conical shape.
The small diameter portion 33 is a portion for fixing the chip 20, and is formed in a cylindrical shape having a diameter smaller than that of the medium diameter portion 32.
The small diameter portion 33 is formed so that its inner diameter is slightly smaller than the outer diameter of the fixing portion 68 of the chip 20.
[0064]
The chip 20 is fixed to one side of the ink storage tube 30 by press-fitting the fixing portion 68 of the holder 60 into the small diameter portion 33.
Further, when the fixing portion 68 of the holder 60 is press-fitted into the small diameter portion 33, the end portion on the side opposite to the medium diameter portion 32 of the small diameter portion 33 and the outward stepped portion 69 of the holder 60 are not in contact with each other, Thereby, deformation of the small-diameter portion 33 is prevented, and airtightness is improved.
[0065]
Further, the small diameter portion 33 is annealed before the fixing portion 68 of the holder 60 is press-fitted, thereby preventing stress corrosion cracking due to the press-fitting of the fixing portion 68 of the holder 60.
Further, the small diameter portion 33 is preferably annealed to have a hardness of Hv50 or higher and Hv400 or lower in terms of Vickers hardness, and particularly preferably Hv100 or higher and Hv200 or lower in terms of Vickers hardness.
[0066]
By setting the hardness of the small-diameter portion 33 within the above range, the fixing portion 68 of the holder 60 can be easily pressed into the small-diameter portion 33, and the small-diameter portion 33 is damaged even when writing with a high load. In addition, it is possible to make it difficult for the chip 20 to come out of the ink storage tube 30 by the pressure of the pressurized gas 90.
If the hardness of the small-diameter portion 33 is less than Hv50 in terms of Vickers hardness, the small-diameter portion 33 may be damaged when writing with a high load, or the tip 20 is detached from the ink storage tube 30 by the pressure of the pressurized gas 90. There is a risk of it.
[0067]
On the other hand, if the hardness of the small diameter portion 33 is more than Hv400 in terms of Vickers hardness, it becomes difficult to press-fit the fixing portion 68 of the holder 60 into the small diameter portion 33.
Of course, even if the hardness of the small diameter portion 33 is out of the above range, it can be used.
The ink storage tube 30 is formed of a material that does not deform, crack (break), swell or react with the ink 80, and is excellent in airtightness or pressure resistance. Therefore, the present invention is not limited to the case where it is integrally formed by pressing using a metal material such as stainless steel or brass.
[0068]
Specifically, for example, the ink storage tube 30 may be formed by extrusion molding or injection molding using a plastic material.
The ink storage tube 30 is not limited to being formed integrally.
Specifically, for example, an ink storage tube for storing the ink 80 and a joint portion for connecting the ink storage unit and the chip 20 are separately formed, and the ink storage tube is formed by connecting them together. 30 may be formed.
(Ink 80)
The ink 80 is prepared by appropriately blending a colorant, a solvent, a structural viscosity imparting agent, a resin, an additive, and the like.
(Coloring agent)
Conventionally, as a colorant For oil-based ballpoint pen ink Many of the dyes or pigments that have been used can be used.
[0069]
Specifically, for example, Bali First Color (trade name, manufactured by Orient Chemical Industry Co., Ltd.), Nigrosine EX (trade name, manufactured by Orient Chemical Industry Co., Ltd.), Eisenspiron dye, Eisen SOT dye (trade name, Hodogaya) Chemical Industry Co., Ltd.), Spiron Violet C-RH (trade name, manufactured by Hodogaya Chemical Co., Ltd.), Spiron Yellow C-2GH (trade name, manufactured by Hodogaya Chemical Co., Ltd.) Can be used as
[0070]
Further, for example, inorganic pigments such as titanium oxide, carbon black, carbon black MA-100 (trade name, manufactured by Mitsubishi Chemical Corporation), metal powder, and the like can be used as the colorant.
Further, for example, organic pigments such as azo lakes, insoluble azo pigments, chelate azo pigments, phthalocyanine pigments, perylene pigments, anthraquinone pigments, quinacridone pigments, dye lakes, nitro pigments, nitroso pigments can also be used as colorants.
[0071]
In addition, the dye or pigment described above may be used alone or in combination of two or more.
Further, the content of the colorant is preferably 10 wt% or more and 60 wt% or less with respect to the total amount of the ink 80. If the content of the colorant is less than 10% by weight with respect to the total amount of the ink 80, the color of the drawn line looks thin. On the other hand, if the content of the colorant exceeds 60% by weight with respect to the total amount of the ink 80, the ink This is because 80 becomes unstable over time.
(solvent)
Conventionally, as a solvent For oil-based ballpoint pen ink Many of the organic solvents that have been used can be used.
[0072]
Specifically, for example, ethylene glycol monophenyl ether, benzyl alcohol, phenoxyethanol, propylene glycol, dipropylene glycol, 1,3-butylene glycol, hexylene glycol, tetralin, propylene glycol monophenyl ether, dipropylene glycol monomethyl ether, An organic solvent such as dipropylene glycol monobutyl ether, dipropylene glycol monomethyl ether acetate, tripropylene glycol monomethyl ether, or N-methyl-2-pyrrolidone can be used as a solvent.
[0073]
These organic solvents may be used alone or in combination of two or more.
Further, the content of the solvent is preferably 20 wt% or more and 80 wt% or less with respect to the total amount of the ink 80. If the solvent content is less than 20% by weight with respect to the total amount of ink 80, the dissolving power becomes insufficient and the viscosity becomes high. On the other hand, if the solvent content exceeds 80% by weight with respect to the total amount of ink 80, This is because the viscosity does not increase sufficiently.
(Structural viscosity imparting agent)
The structural viscosity imparting agent is for increasing the viscosity of the ink 80 and imparting a structural viscosity to the ink 80.
[0074]
The ink 80 to which the structural viscosity-imparting agent is added exhibits a relatively high viscosity under a low shear rate, but exhibits a relatively low viscosity under a high shear rate.
Here, the ink 80 is placed at a low shear rate in the vicinity of the tip of the chip 20 during non-writing. For this reason, the ink 80 to which the structural viscosity imparting agent is added exhibits a relatively high viscosity in the vicinity of the tip of the chip 20 when not writing, thereby preventing leakage of the ink 80 from the tip of the chip 20 is doing.
[0075]
On the other hand, in the vicinity of the tip of the chip 20 at the time of writing, the ink 80 is placed under a high shear rate. For this reason, the ink 80 to which this structural viscosity imparting agent has been added exhibits a relatively low viscosity near the tip of the tip 20 at the time of writing, and thus can be written smoothly.
Specifically, for example, carbon black (specifically, for example, carbon black MA-100 (trade name) manufactured by Mitsubishi Chemical Corporation) or fine particle silica (specifically, for example, manufactured by Nippon Aerosil Co., Ltd.) Inorganic fine particles such as Aerosil 380 (trade name)) can be used as a structural viscosity imparting agent.
[0076]
These inorganic fine particles may be used alone or in combination of two or more.
The content of the structural viscosity imparting agent is preferably 1% by weight or more and 20% by weight or less with respect to the total amount of the ink 80, and particularly preferably 5% by weight or more and 15% by weight or less with respect to the total amount of the ink 80.
[0077]
By setting the content of the structural viscosity imparting agent within the above range, the ink 80 can be prevented from leaking from the tip of the chip 20 and can be written smoothly.
If the content of the structural viscosity-imparting agent is less than 1% by weight with respect to the total amount of the ink 80, the structural viscosity of the ink 80 cannot be sufficiently increased, so that the ink 80 leaks from the tip of the chip 20. There is a risk of it.
[0078]
On the other hand, if the content of the structural viscosity-imparting agent exceeds 20% by weight with respect to the total amount of the ink 80, the structural viscosity of the ink 80 is too high, thereby increasing the writing quality.
Of course, the ink 80 can be used without adding a structural viscosity-imparting agent.
(resin)
The resin is used to increase the viscosity of the ink 80 or to disperse the structural viscosity imparting agent in the ink 80.
[0079]
Specifically, for example, ketone resin (specifically, for example, Hilac # 111 (trade name) manufactured by Hitachi Chemical Co., Ltd.), phenol resin, maleic resin, xylene resin, polyethylene oxide, rosin resin, rosin derivative Terpene resin, chroman-indene resin, polyvinyl butyral, polyvinylpyrrolidone (specifically, for example, polyvinylpyrrolidone K-90 (trade name) manufactured by ISP), vinylpyrrolidone-vinyl acetate copolymer, polymethacrylic acid Resins such as esters and polyacrylic acid-polymethacrylic acid copolymers can be used as resins for increasing the viscosity of the ink 80 or for dispersing the structural viscosity imparting agent in the ink 80.
[0080]
These resins may be used alone or in appropriate combination of two or more.
The resin content is preferably 5 wt% or more and 80 wt% or less with respect to the total amount of the ink 80, and particularly preferably 25 wt% or more and 70 wt% or less with respect to the total amount of the ink 80.
[0081]
By setting the resin content within the above range, the ink 80 can be prevented from leaking from the tip of the chip 20 and can be written smoothly.
If the resin content is less than 5% by weight with respect to the total amount of the ink 80, the viscosity of the ink 80 cannot be sufficiently increased, and thus the ink 80 may leak from the tip of the chip 20. There is.
[0082]
In addition, if the resin content is less than 5% by weight with respect to the total amount of the ink 80, the viscosity of the ink 80 cannot be sufficiently increased. Therefore, the inorganic fine particles as the structural viscosity imparting agent are dispersed in the ink 80. It settles without being. If this is done, structural viscosity cannot be imparted to the ink 80, which may cause the ink 80 to leak out from the tip of the chip 20.
[0083]
On the other hand, if the resin content exceeds 80% with respect to the total amount of the ink 80, the viscosity of the ink 80 is too high, thereby increasing the writing quality.
(Additive)
As an additive, traditionally For oil-based ballpoint pen ink Thickeners, spinnability imparting agents, surfactants, dispersants, lubricants, color formers, antibacterial agents and the like that have been used can be used.
[0084]
Specifically, for example, oleic acid as a lubricant and color former, Hilac # 111 (trade name, manufactured by Hitachi Chemical Co., Ltd.) as a thickener and a dispersant, thickener, dispersant and spinnability As an imparting agent, polyvinylpyrrolidone K-90 (trade name, manufactured by ISP Co., Ltd.) or the like can be used as an additive.
(Method for producing ink 80)
The ink 80 is manufactured by mixing and stirring the above-described components.
[0085]
Specifically, the ink 80 is manufactured through a pigment dispersion stage, an aerosil dispersion stage, a dye dissolution stage, a mixing stage, a filtration stage, and the like.
The pigment dispersion stage is a stage in which the pigment is dispersed in a solvent or the like.
In this pigment dispersion stage, first, Hilac # 111 (resin), oleic acid (additive), benzyl alcohol (solvent), phenoxyethanol (solvent) and the like are mixed while heating to about 60 ° C., and carbon black MA is added thereto. Add -100 (pigment) and stir using a kneader, planetary mixer, roll, or the like.
[0086]
The Aerosil dispersion stage is a stage in which Aerosil is dispersed in a solvent or the like.
In this aerosil dispersion step, first, Hilac # 111 (resin), polyvinylpyrrolidone K-90 (resin), benzyl alcohol (solvent), phenoxyethanol (solvent) and the like are mixed while being heated to about 60 ° C. Add 380 (structural viscosity-imparting agent) and stir using a kneader, planetary mixer, roll, or the like.
[0087]
The dye dissolving step is a step in which the dye is dissolved in a solvent or the like.
In this dye dissolution stage, nigrosine EX (dye), spirone violet C-RH (dye), spirone yellow C-2GH (dye), benzyl alcohol (solvent), phenoxyethanol (solvent), oleic acid (additive), etc. Are dissolved while heating to about 60 ° C. to dissolve them.
[0088]
The mixing step is a step of mixing the products obtained in the above steps.
In this mixing stage, the one obtained in the pigment dispersion stage, the one obtained in the aerosil dispersion stage, and the one obtained in the dye dissolution stage are stirred for about 1 hour while heating at about 60 ° C. Are dissolved and mixed.
The filtration step is a step of filtering the product obtained in the mixing step.
[0089]
This filtration step removes impurities in the ink 80.
(Viscosity of ink 80)
The ink 80 is prepared so that the viscosity at 25 ° C. is 10,000 mPa · s or more and 50,000 mPa · s or less.
Then, by adjusting the viscosity of the ink 80 at 25 ° C. to 10,000 mPa · s or more and 50,000 mPa · s or less, the writing quality becomes smooth while preventing the ink 80 from leaking from the tip of the chip 20. It is doing so.
[0090]
If the viscosity of the ink 80 at 25 ° C. is less than 10,000 mPa · s, the ink 80 may leak from the tip of the chip 20.
On the other hand, when the viscosity of the ink 80 at 25 ° C. exceeds 50,000 mPa · s, the writing quality becomes heavy.
Of course, even if the viscosity of the ink 80 is out of the above range, it can be used.
(Pressurized gas 90)
The pressurized gas 90 is for extruding the ink 80 filled in the ink storage tube 30 in the direction of the chip 20, and is on the side opposite to the medium diameter portion 32 inside the large diameter portion 31 of the ink storage tube 30. Is filled.
(Pressurized gas 90 pressure)
The pressurized gas 90 is set so that the pressure at the time of assembling the ballpoint pen refill 10 is 0.15 MPa or more and 0.4 MPa or less in absolute atmospheric pressure.
[0091]
The pressure of the pressurized gas 90 at the time of assembling the ballpoint pen refill 10 is set to 0.15 MPa or more and 0.4 MPa or less in absolute atmospheric pressure, so that the ink 80 does not leak out from the tip of the chip 20. 80 is used up to the end.
If the pressure of the pressurized gas 90 at the time of assembling the ballpoint pen refill 10 is less than 0.15 MPa in absolute pressure, the ink 80 may not be used up to the end.
[0092]
On the other hand, if the pressure of the pressurized gas 90 at the time of assembling the ballpoint pen refill 10 exceeds 0.4 MPa in absolute pressure, the ink 80 may leak from the tip of the tip 20.
Of course, even when the pressure of the pressurized gas 90 at the time of assembling the ballpoint pen refill 10 is out of the above range, it can be used.
(Stored volume of pressurized gas 90)
Further, the storage volume of the pressurized gas 90 at the time of assembling the ball-point pen refill 10 is set to be 2 to 5 times the storage volume of the ink 80 at the time of the assembly of the ball-point pen refill 10.
[0093]
That is, when the storage volume of the ink 80 when the ballpoint pen refill 10 is assembled is VA, and the storage volume of the pressurized gas 90 when the ballpoint pen refill 10 is assembled is VB,
VA × 2 ≦ VB ≦ VA × 5 (Formula 2)
It is formed to satisfy.
[0094]
Then, the filling volume of the ink 80 is increased as much as possible by forming the storage volume of the pressurized gas 90 at the time of assembling the ballpoint pen refill 10 to be two to five times the storage volume of the ink 80 at the time of assembling the ballpoint pen refill 10. However, the pressure of the pressurized gas 90 is kept as low as possible.
That is, since the volume of the ink storage tube 30 is constant, if the filling amount of the ink 80 is increased, the filling space of the pressurized gas 90 is reduced accordingly. Conversely, if the filling amount of the ink 80 is reduced, the filling space of the pressurized gas 90 is increased accordingly.
[0095]
Here, even if the filling amount of the ink 80 is increased, in order to use up the ink 80 to the end, the pressure of the pressurized gas 90 must be increased accordingly. As a result, the ink 80 may leak from the tip of the chip 20.
On the other hand, in order to use up the ink 80 to the end while keeping the pressure of the pressurized gas 90 low, the filling amount of the ink 80 must be reduced accordingly.
[0096]
Therefore, in order to keep the pressure of the pressurized gas 90 as low as possible while increasing the filling amount of the ink 80 as much as possible, the storage volume of the pressurized gas 90 at the time of assembling the ballpoint pen refill 10 It is preferable that the storage volume of 80 is 2 times or more and 5 times or less.
If the storage volume of the pressurized gas 90 at the time of assembling the ballpoint pen refill 10 is less than twice the storage volume of the ink 80 at the time of the assembly of the ballpoint pen refill 10, if the ink 80 is used up to the end, the pressurized gas Since the pressure of 90 must be relatively high, the ink 80 may leak from the tip of the chip 20.
[0097]
On the other hand, when the storage volume of the pressurized gas 90 at the time of assembling the ballpoint pen refill 10 is more than five times the storage volume of the ink 80 at the time of the assembly of the ballpoint pen refill 10, even if the pressure of the pressurized gas 90 is kept relatively low, the ink 80 Can be used up to the end, but the filling amount of the ink 80 is reduced accordingly.
Of course, even when the storage volume ratio of the ink 80 and the pressurized gas 90 when the ballpoint pen refill 10 is assembled is out of the above range, it can be used.
(Composition of pressurized gas 90)
The pressurized gas 90 is prepared so that the ratio of the gas that is difficult to react is 85% or more of the entire pressurized gas 90.
[0098]
Here, as a gas which does not easily react, for example, nitrogen (N ₂ ), Helium (He), neon (Ne), argon (Ar), krypton (Kr), xenon (Xe), and the like can be used.
Moreover, the gas mentioned above may each be used independently, and may be used in combination of 2 or more types as appropriate.
[0099]
However, nitrogen (N ₂ ) Is easy to handle, high in safety, and low in cost. ₂ ) Is preferably used.
That is, nitrogen (N ₂ The ballpoint pen refill 10 can be more easily assembled and handled.
[0100]
Further, by setting the ratio of the gas that does not easily react to 85% or more of the entire pressurized gas 90, it is possible to make the ink 80 difficult to change in quality, and further, the pressure of the pressurized gas 90 is unlikely to decrease. It can be made to be.
That is, oxygen (O ₂ ) And the like easily react with each component of the ink 80. And oxygen (O ₂ When the gas such as) reacts with each component of the ink 80, the ink 80 is deteriorated. In addition, oxygen (O ₂ ) And the like react with each component of the ink 80, the ink 80 is not only altered, but oxygen (O ₂ ) And other gases are reduced. For this reason, oxygen (O ₂ ) Etc., the pressure of the pressurized gas 90 is lowered by the amount of the gas that is likely to react.
[0101]
Therefore, in order to make the ink 80 difficult to change and to make it difficult for the pressure of the pressurized gas 90 to decrease, the ratio of the gas that does not easily react is 85% or more of the whole pressurized gas 90. In particular, it is preferable that the ratio of the gas that does not easily react is 90% or more of the entire pressurized gas 90.
When the ratio of the gas that is difficult to react is less than 85% of the entire pressurized gas 90, oxygen (O ₂ ) And the like easily react with each component of the ink 80, so that the ink 80 is easily deteriorated, and further, the pressure of the pressurized gas 90 is likely to decrease. Furthermore, if the pressure of the pressurized gas 90 is greatly reduced, the ink 80 cannot be used up to the end in some cases.
[0102]
Of course, it is possible to use the pressurized gas 90 even if the ratio of the gas which does not easily react is out of the above range.
(Float 100)
As described above, the float 100 is for preventing the ink 80 filled in the large diameter portion 31 of the ink storage tube 30 from flowing out toward the anti-chip 20.
[0103]
Specifically, the float 100 is formed in a substantially columnar shape, and an air groove 101 that penetrates to the side surface is provided on the bottom surface on one side, and a hollow portion 102 is provided on the bottom surface on the other side. ing.
The float 100 is integrally formed by injection molding using a synthetic resin such as polypropylene (PP).
[0104]
The float 100 has the ink storage tube 30 such that the bottom surface on which the air groove 101 is provided faces the ink 80 side and the bottom surface on which the punching portion 102 is provided faces the pressurized gas 90 side. The large-diameter portion 31 is provided inside.
The air groove 101 is provided so that the opening on the large diameter portion 31 side of the medium diameter portion 32 is not blocked when the float 100 abuts on the inward stepped portion 34.
[0105]
That is, as the ink 80 decreases, the float 100 moves inside the large-diameter portion 31 toward the medium-diameter portion 32. When the float 100 contacts the inwardly-facing step portion 34, the float 100 moves toward the medium-diameter portion 32. To stop. At this time, the bottom surface of the float 100 on the ink 80 side may block the opening of the medium diameter portion 32 on the large diameter portion 31 side. Therefore, in order not to block the opening on the large diameter portion 31 side of the medium diameter portion 32, the air groove 101 penetrating to the side surface of the float 100 is provided on the bottom surface of the float 100 on the ink 80 side. is there.
[0106]
Further, the piercing portion 102 is for preventing the float 100 from sinking into the ink 80.
That is, since the float 100 is formed using a synthetic resin such as polypropylene (PP), it may sink in the ink 80. Therefore, by providing the penetrating portion 102 on the bottom surface of the float 100 on the pressurized gas 90 side, the apparent specific gravity is reduced so that the float 100 does not sink into the ink 80.
[0107]
Furthermore, when the float 100 has an outer diameter of φC and the inner diameter of the large diameter portion 31 of the ink storage tube 30 is φD,
0.0005 ≦ (φD−φC) /φC≦0.043 (Formula 3)
It is formed to satisfy.
Then, by forming the float 100 so as to satisfy the above formula 3, a predetermined gap is provided between the float 100 and the ink storage tube 30, thereby smoothly moving the float 100 as the ink 80 decreases. In addition, the ink 80 is prevented from flowing out from the gap between the float 100 and the ink storage tube 30 to the pressurized gas 90 side.
[0108]
If the float 100 is formed so that 0.0005> (φD−φC) / φC, the gap between the float 100 and the ink storage tube 30 is too narrow, and the movement of the float 100 as the ink 80 is reduced. May not be performed smoothly.
On the other hand, when the float 100 is formed so as to satisfy (φD−φC) / φC> 0.043, the gap between the float 100 and the ink storage tube 30 is too wide so that the space between the float 100 and the ink storage tube 30 is large. The ink 80 may flow out from the gap to the pressurized gas 90 side.
[0109]
Of course, even if the relationship between the outer diameter φC of the float 100 and the inner diameter φD of the large diameter portion 31 of the ink storage tube 30 is outside the above range, it can be used.
Further, the float 100 may be formed using a material that does not deform, crack (break), or swell by reacting with the ink 80. Therefore, a synthetic resin such as polypropylene (PP) is used. It is not limited to the case where it is formed.
[0110]
Further, the float 100 only needs to be formed so as not to sink into the ink 80. Therefore, the float 100 is not limited to the case where it is formed so as to have the penetrating portion 102 on the bottom surface on the pressurized gas 90 side.
Specifically, for example, the float 100 may be formed using a material having a specific gravity smaller than that of the ink 80 so that the float 100 does not sink into the ink 80.
[0111]
In addition, for example, even if the float 100 is formed using a material having a specific gravity greater than that of the ink 80, the apparent specific gravity is reduced by providing bubbles and the like so that the float 100 does not sink into the ink 80. Can be.
(Tail plug 40)
The tail plug 40 is for preventing the pressurized gas 90 filled in the ink storage tube 30 from leaking outside.
[0112]
The tail plug 40 includes a metal fastener 41 and a rubber seal member 42 provided on one side of the fastener 41. The seal member 42 is directed toward the chip 20 so as to store ink. The tube 30 is press-fitted in the vicinity of the end on the side opposite to the tip 20.
The tail plug 40 is improved in airtightness by a rubber seal member 42 and improved in pressure resistance by a metal fastener 41.
[0113]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to Examples and Comparative Examples.
(Evaluation 1 of ballpoint refill 10)
Table 1 below shows the configurations of the ballpoint pen refills 10 from Example 1-1 to Example 1-24 and Comparative Example 1-1 to Comparative Example 1-31, and the “initial writing properties” of these ballpoint pen refills 10. , “Writing distance” and “ejecting ball 50” are shown.
[0114]
Here, each ball-point pen refill 10 shown in Example 1-1 to Example 1-24 and Comparative Example 1-1 to Comparative Example 1-31 has “surface roughness (Ra) of ball 50” and “ball The ratio of the inner diameter of the side surface portion 70 of the ball house 61 to the diameter of 50 (φB / φA) ”is different.
Further, in each of the ballpoint pen refills 10 shown in Example 1-1 to Example 1-24 and Comparative Example 1-1 to Comparative Example 1-31, the ball 50 is made of cemented carbide and the holder 60 is made of a material. The diameter of the ball 50 is 0.7 mm, the ink 80 having the following composition is used, the viscosity of the ink 80 at 25 ° C. is 30,000 mPa · s, and the pressure of the pressurized gas 90 when the ballpoint pen refill 10 is assembled is The absolute pressure was 0.3 MPa.
[0115]
The composition of ink 80 is
Benzyl alcohol (solvent): 37.4% by weight
Phenoxyethanol (solvent): 1.5% by weight
Oleic acid (additive): 8.0% by weight
Nigrosine EX (colorant): 22.5% by weight
Spiro violet C-RH (colorant): 9.0% by weight
Spiron Yellow C-2GH (colorant): 6.0% by weight
Carbon black MA-100 (colorant / structural viscosity imparting agent): 8.0% by weight
Hilac # 111 (resin): 5.4% by weight
Polyvinylpyrrolidone K-90 (resin): 0.8% by weight
Aerosil 380 (structural viscosity imparting agent): 1.4% by weight
It was.
[0116]
In addition, the test of “first stroke”
First, make sure you can write by hand,
After 1 hour or 1 day has passed since the end of handwriting,
Using an automatic writing tester compliant with ISO standard 14145-1
Writing speed: 4.5m / min
Writing angle: 90 °
Writing load: 1.96N
It went on condition of.
[0117]
In addition, the evaluation of “first stroke” is
Take the average of the results of the above test for five ballpoint pen refills 10,
(B) The distance from the start of the written test to the smooth recording of the drawn lines was within 2 mm → Evaluation “A”
(B) The distance from the beginning of the written test to the smooth recording of drawn lines was within 5 mm → Evaluation “B”
(C) The distance from the start of the written test to the smooth recording of drawn lines was within 10 mm → Evaluation “C”
(D) The distance from the start of the written test to the smooth recording of the drawn line was 10 mm or more → Evaluation “D”
It was.
[0118]
The "writing distance" test is
First, make sure that you can write by hand,
Using an automatic writing tester compliant with ISO standard 14145-1
Writing speed: 4.5m / min
Writing angle: 60 °
Writing load: 1.96N
It went until it became impossible to write on the condition of.
[0119]
In addition, evaluation of "writing distance" is
Take the average of the results of the above test conducted on 10 ballpoint pen refills 10,
(B) Writing was possible until ink 80 was completely exhausted → Evaluation “A”
(B) Writing becomes impossible with ink 80 less than ¼ of the filling amount → Evaluation “B”
(C) Writing becomes impossible with ink 80 more than 1/4 of the filling amount → Evaluation “C”
It was.
[0120]
In addition, the test of “Jump out of ball 50”
Ballpoint refill 10
Temperature: 150 ° C
Humidity: 30%
It was performed by putting in a thermostat set to 100 hours for 100 hours.
[0121]
In addition, evaluation of "ball 50 jump out"
The above test was conducted on 100 ballpoint pen refills 10,
(I) There was no ball 50 that jumped out of the ball house 61 → Evaluation “○”
(B) There was one or more balls 50 that jumped out of the ball house 61 → Evaluation “×”
It was.
[0122]
In Table 1, “Ra” is “surface roughness Ra of ball 50 (unit: μm)”, and “φB / φA” is “ratio of inner diameter of side surface portion 70 of ball house 61 to diameter of ball 50”. “Initial stroke (1h)” is “Evaluation of initial stroke after 1 hour after handwriting”, “Initial stroke (1d)” is “1 day after handwriting is completed” "Evaluation of first writing performance", "Writing distance" indicates "Evaluation of writing distance", and "Jump out" indicates "Evaluation of jump out of ball 50".
[0123]
[Table 1]

[0124]
Thus, each ball-point pen refill 10 from Example 1-1 to Example 1-24 is excellent in “first writing performance”, and has a sufficiently long “writing distance”. I never jumped out.
That is, if the ballpoint pen refill 10 is formed as shown in Example 1-1 to Example 1-24, the “first writing performance” is excellent, the “writing distance” is sufficiently long, and the ball house 61 The ball pen refill 10 can prevent the ball 50 from popping out.
[0125]
On the other hand, each of the ballpoint pen refills 10 from Comparative Example 1-1 to Comparative Example 1-31 is inferior in “first writing performance”, “writing distance” is short, or whether the ball 50 is likely to jump out of the ball house 61 Any one or more of the disadvantages.
That is, when the ball-point pen refill 10 is formed as shown in Comparative Example 1-1 to Comparative Example 1-31, it is inferior to “initial writing property”, “writing distance” is short, or the ball 50 from the ball house 61 is The ballpoint pen refill 10 has one or more of the disadvantages of being easily popped out.
[0126]
Further, when an experiment was conducted on the limit value of the “surface roughness Ra of the ball 50”, at least if the surface roughness Ra of the ball 50 is 0.010 μm or more and 0.080 μm or less, the ball 50 on the writing surface. Is less slippery and the ball seat 72 is less likely to wear, which makes it less likely to cause “smudge”, excellent “first writing”, and sufficiently long “writing distance”. confirmed.
[0127]
Also, if the “surface roughness Ra of the ball 50” is less than 0.010 μm, the ball 50 will be slippery on the writing surface, so that “blur” is likely to occur, and “first writing performance” is improved. It was confirmed that it would be inferior.
Further, it was confirmed that when the “surface roughness Ra of the ball 50” exceeds 0.080 μm, the ball receiving seat 72 is easily worn, and therefore the “writing distance” is shortened.
[0128]
Further, when an experiment was conducted on the limit value of “the ratio of the inner diameter of the side surface portion 70 of the ball house 61 to the diameter of the ball 50 (φB / φA)”, at least the inner diameter of the side surface portion 70 of the ball house 61 If it is formed to be 101% or more and 111% or less of the diameter, that is, if it is formed so as to satisfy 1.01 ≦ φB / φA ≦ 1.11 (Formula 1), it is sufficient between the ball 50 and the side surface portion 70. As a result, it was confirmed that it was difficult to cause “blurring”, excellent “first writing performance”, and that the ball 50 did not easily jump out of the ball house 61.
[0129]
Further, when the inner diameter of the side surface portion 70 of the ball house 61 is formed to be less than 101% of the diameter of the ball 50, that is, when 1.01> φB / φA is formed, sufficient ink is provided between the ball 50 and the side surface portion 70. Since it becomes impossible to secure the 80 passages, it was confirmed that “blurring” was likely to occur, and that “first writing” was inferior.
[0130]
Further, when the inner diameter of the side surface portion 70 of the ball house 61 is formed to exceed 111% of the diameter of the ball 50, that is, when φB / φA> 1.11, the ball 50 is likely to jump out of the ball house 61. It was confirmed.
This test was performed by changing the composition of the ink 80, the viscosity of the ink 80, the pressure of the pressurized gas 90, and the like, but the same tendency as the above-mentioned result was observed.
(Evaluation 2 of ballpoint pen feel 10)
Table 2 below shows the configurations of the ballpoint pen refills 10 from Example 2-1 to Example 2-3 and Comparative Example 2-1 to Comparative Example 2-3. The evaluation for “leakage” and “writing taste” is shown respectively.
[0131]
Here, each ball-point pen refill 10 shown in Example 2-1 to Example 2-3 and Comparative Example 2-1 to Comparative Example 2-3 has “composition of ink 80” and “viscosity of ink 80”. Are formed differently.
Further, in each ballpoint pen refill 10 shown in Example 2-1 to Example 2-3 and Comparative Example 2-1 to Comparative Example 2-3, the ball 50 is made of cemented carbide and the holder 60 is made of material. The diameter of the ball 50 is 0.7 mm, the surface roughness Ra of the ball 50 is 0.036 μm, and the ratio of the inner diameter of the side surface portion 70 of the ball house 61 to the diameter of the ball 50 (φB / φA) is 1. The pressure of the pressurized gas 90 at the time of assembling the ballpoint pen refill 10 was 0.3 MPa in absolute pressure.
[0132]
The viscosity measurement of ink 80 is
Use regular cone with E type viscometer,
Rotation speed: 1.0-2.5 rpm
Temperature: 25 ° C
It went on condition of.
[0133]
In addition, the test of “leakage of ink 80”
This was done by observing whether or not the ink 80 leaked from the tip of the chip 20 when the pressure of the pressurized gas 90 filling the ink storage tube 30 was increased to 0.3 MPa.
In addition, evaluation of "leakage of ink 80"
(B) Ink 80 did not leak from the tip of chip 20 → Evaluation “○”
(B) The ink 80 leaked from the tip of the tip 20, and a drop of ink 80 was formed at the tip of the tip 20, and the diameter of the drop of ink 80 was less than 1 mm. → Evaluation “△”
(C) The ink 80 leaked from the tip of the tip 20 and a drop of ink 80 was formed at the tip of the tip 20, and the diameter of the drop of ink 80 was 1 mm or more. → Evaluation “×”
It was.
[0134]
In addition, the "writing taste" test
It was done by writing by hand.
In addition, evaluation of "writing taste"
(I) The writing taste was smooth → Evaluation “○”
(B) Slightly heavy writing → Evaluation “△”
(C) The writing taste was heavy → Evaluation “×”
It was.
[0135]
In Table 2, “BA” is “benzyl alcohol (solvent)”, “PG” is “phenoxyethanol (solvent)”, “oleic acid” is “oleic acid (additive)”, and “EX” is “Nigrosine EX (colorant)”, “C-RH” for “spiron violet C-RH (colorant)”, “C-2GH” for “spiron yellow C-2GH (colorant)”, “MA-100” is “carbon black MA-100 (colorant / structural viscosity imparting agent)”, “# 111” is “Hilac # 111 (resin)”, “PVP” is “polyvinylpyrrolidone K-90”. (Resin) ”,“ Aerosil ”is“ Aerosil 380 (structural viscosity imparting agent) ”,“ Viscosity ”is“ viscosity at 25 ° C. (unit: mPa · s) ”,“ Leakage ”is“ of ink 80 ” "Evaluation of leakage", "writing taste" The writing evaluation of taste ", respectively.
[0136]
[Table 2]

[0137]
Thus, each of the ballpoint pen refills 10 from Example 2-1 to Example 2-3 had no “leakage of ink 80”, and “writing taste” was smooth.
That is, when the ballpoint pen refill 10 is formed as shown in the embodiments 2-1 to 2-3, the ballpoint pen refill 10 has no “leakage of ink 80” and smooth “writing quality”. It can be done.
[0138]
On the other hand, each of the ballpoint pen refills 10 from Comparative Example 2-1 to Comparative Example 2-3 has one or more defects, either “leakage of ink 80” or “smoothness” is not smooth. Had.
That is, when the ballpoint pen refill 10 is formed as shown in Comparative Example 2-1 to Comparative Example 2-3, there is either “leakage of ink 80” or “writing quality” is not smooth. This results in the ballpoint pen refill 10 having the above disadvantages.
[0139]
Furthermore, an experiment was conducted on the limit value of the viscosity of the ink 80. As a result, if the viscosity of the ink 80 at 25 ° C. is set to 10,000 mPa · s or more and 50,000 mPa · s or less, “leakage of ink 80”. In addition, it was confirmed that the “writing taste” was smooth.
Further, it was confirmed that when the viscosity of the ink 80 at 25 ° C. is less than 10,000 mPa · s, the ink 80 leaks from the tip of the chip 20.
[0140]
Further, it was confirmed that “writing quality” becomes heavy when the viscosity of the ink 80 at 25 ° C. exceeds 50,000 mPa · s.
Even if the viscosity of the ink 80 at 25 ° C. is 10,000 mPa · s or more and 50,000 or less, the ink 80 may leak from the tip of the chip 20 unless a structural viscosity imparting agent is added to the ink 80. confirmed.
(Evaluation 3 of ballpoint refill 10)
Table 3 below shows the configurations of the ballpoint pen refills 10 of Example 3-1, Example 3-2, Comparative Example 3-1, and Comparative Example 3-2, and “leakage of ink 80” of these ballpoint pen refills 10. The evaluation for “out” and “writing distance” is shown respectively.
[0141]
Here, each ball-point pen refill 10 shown in Example 3-1, Example 3-2, Comparative Example 3-1, and Comparative Example 3-2 is formed so that “pressure of pressurized gas 90” is different. It is a thing.
In each of the ballpoint pen refills 10 shown in Example 3-1, Example 3-2, Comparative Example 3-1, and Comparative Example 3-2, the ball 50 is made of cemented carbide and the holder 60 is made of stainless steel. The diameter of the ball 50 is 0.7 mm, the surface roughness Ra of the ball 50 is 0.036 μm, and the ratio of the inner diameter of the side surface portion 70 of the ball house 61 to the diameter of the ball 50 (φB / φA) is 1.014. The ink 80 shown in Evaluation 1 of the ballpoint pen refill 10 was used, and the viscosity of the ink 80 at 25 ° C. was set to 30,000 mPa · s.
[0142]
In addition, the test of “leakage of ink 80”
After writing a circle with a diameter of 5-6 cm for 5 laps, leave it in an environment of 25 ° C for 1 minute,
This was done by observing whether the ink 80 leaked from the tip of the chip 20 or not.
In addition, evaluation of "leakage of ink 80"
(B) Ink 80 did not leak from the tip of chip 20 → Evaluation “○”
(B) The ink 80 leaked from the tip of the tip 20, and a drop of ink 80 was formed at the tip of the tip 20, and the diameter of the drop of ink 80 was less than 1 mm. → Evaluation “△”
(C) The ink 80 leaked from the tip of the tip 20 and a drop of ink 80 was formed at the tip of the tip 20, and the diameter of the drop of ink 80 was 1 mm or more. → Evaluation “×”
It was.
[0143]
The "writing distance" test is
First, make sure that you can write by hand,
Using an automatic writing tester compliant with ISO standard 14145-1
Writing speed: 4.5m / min
Writing angle: 60 °
Writing load: 1.96N
It went until it became impossible to write on the condition of.
[0144]
In addition, evaluation of "writing distance" is
Take the average of the results of the above test conducted on 10 ballpoint pen refills 10,
(I) The distance until it became impossible to write was over 600m → Evaluation “○”
(B) The distance until writing was impossible was 400m or more and less than 600m → Evaluation "△"
(C) The distance until writing was impossible was less than 400 m → Evaluation “×”
[0145]
[Table 3]

[0146]
Thus, each of the ballpoint pen refills 10 of Example 3-1 and Example 3-2 had no “leakage of ink 80”, and the “writing distance” was sufficiently long.
That is, when the ballpoint pen refill 10 is formed as shown in Example 3-1 and Example 3-2, there is no “leakage of ink 80”, and the “pencil distance” is sufficiently long. It can be done.
[0147]
On the other hand, each of the ballpoint pen refills 10 of Comparative Example 3-1 and Comparative Example 3-2 has one or more drawbacks of “leakage of ink 80” or “writing distance” is shortened. Had.
That is, when the ballpoint pen refill 10 is formed as shown in Comparative Example 3-1 and Comparative Example 3-2, either “Ink 80 leaks” or “Writing distance” is shortened. This results in the ballpoint pen refill 10 having the above disadvantages.
[0148]
Furthermore, when an experiment was conducted on the limit value of “pressure of pressurized gas 90”, at least if the pressure of pressurized gas 90 was 0.15 MPa or more and 0.40 MPa or less in absolute pressure, “leakage of ink 80” It was confirmed that there was no “out” and the “writing distance” was sufficiently long.
It was also confirmed that when the pressure of the pressurized gas 90 was less than 0.15 MPa in absolute pressure, the ink 80 could not be used up to the end, and the “writing distance” was shortened.
[0149]
Further, it was confirmed that the ink 80 leaks from the tip of the chip 20 when the pressure of the pressurized gas 90 exceeds 0.40 MPa in absolute pressure.
(Evaluation 4 of ballpoint pen feel 10)
In Table 4 below, the configuration of each ballpoint pen refill 10 of Example 4-1, Example 4-2, Comparative Example 4-1, and Comparative Example 4-2, and the “writing distance” of these ballpoint pen refills 10 The evaluation of each is shown.
[0150]
Here, each ball-point pen refill 10 shown in Example 4-1, Example 4-2, Comparative Example 4-1, and Comparative Example 4-2 has a “ratio of a gas that is difficult to react in the pressurized gas 90”. Are formed differently.
In addition, each ballpoint pen refill 10 shown in Example 4-1, Example 4-2, Comparative Example 4-1, and Comparative Example 4-2 has nitrogen (N ₂ ) Was used.
[0151]
In each of the ballpoint pen refills 10 shown in Example 4-1, Example 4-2, Comparative Example 4-1, and Comparative Example 4-2, the ball 50 is made of cemented carbide and the holder 60 is made of stainless steel. The diameter of the ball 50 is 0.7 mm, the surface roughness Ra of the ball 50 is 0.036 μm, and the ratio of the inner diameter of the side surface portion 70 of the ball house 61 to the diameter of the ball 50 (φB / φA) is 1.014. The viscosity of the ink 80 at 25 ° C. is set to 30,000 mPa · s, and the pressure of the pressurized gas 90 at the time of assembling the ballpoint pen refill 10 is 0.3 MPa in absolute pressure. It was.
[0152]
The "writing distance" test is
Store in an environment of 50 ℃ for 1 year after assembly.
Using an automatic writing tester compliant with ISO standard 14145-1
Writing speed: 4.5m / min
Writing angle: 60 °
Writing load: 1.96N
It went until it became impossible to write on the condition of.
[0153]
In addition, evaluation of "writing distance" is
Take the average of the results of the above test conducted on 10 ballpoint pen refills 10,
(I) The distance until it became impossible to write was over 600m → Evaluation “○”
(B) The distance until writing was impossible was 400m or more and less than 600m → Evaluation "△"
(C) The distance until writing was impossible was less than 400 m → Evaluation “×”
[0154]
[Table 4]

[0155]
Thus, each ball-point pen refill 10 of Example 4-1 and Example 4-2 had a sufficiently long “writing distance”.
That is, if the ball-point pen refill 10 is formed as shown in Example 4-1 and Example 4-2, oxygen (O ₂ ) Or the like reacts with each component of the ink 80, so that the pressure drop of the pressurized gas 90 can be suppressed, whereby the ballpoint pen refill 10 having a sufficiently long “writing distance” can be obtained.
[0156]
On the other hand, in each ball-point pen refill 10 of Comparative Example 4-1 and Comparative Example 4-2, the “writing distance” has been shortened.
That is, when the ballpoint pen refill 10 is formed as shown in Comparative Example 4-1 and Comparative Example 4-2, oxygen (O ₂ ) And the like react with each component of the ink 80, the pressure of the pressurized gas 90 is reduced, and the ballpoint pen refill 10 having a short “writing distance” is thereby formed.
[0157]
Nitrogen (N ₂ The same evaluation as the above-mentioned evaluation was obtained for the gas which is difficult to react other than).
Furthermore, an experiment was conducted on the limit value of “the ratio of the gas that is difficult to react in the pressurized gas 90”. At least, if the ratio of the gas that is difficult to react in the pressurized gas 90 is set to 85% or more, an increase is made. Oxygen in pressurized gas 90 (O ₂ ) And the like can sufficiently suppress the pressure drop of the pressurized gas 90 due to the reaction with each component of the ink 80, and this confirms that the “writing distance” is sufficiently long.
[0158]
Further, when the ratio of the gas which is difficult to react in the pressurized gas 90 is less than 85%, oxygen (O ₂ ) Or the like reacts with each component of the ink 80, whereby the pressure of the pressurized gas 90 is reduced, and it is confirmed that the “writing distance” is shortened.
(Evaluation 5 of ballpoint pen feel 10)
Table 5 below shows the configurations of the ballpoint pen refills 10 of Example 5-1, Example 5-2, Comparative Example 5-1, and Comparative Example 5-2, and the “flow of ink 80” of these ballpoint pen refills 10. "Is shown respectively.
[0159]
Here, each of the ballpoint pen refills 10 shown in Example 5-1, Example 5-2, Comparative Example 5-1, and Comparative Example 5-2 indicates that “the outer diameter of the float 100 is φC and the ink storage tube 30 is The values of (φD−φC) / φC ”when the inner diameter of the diameter portion 31 is φD are different from each other.
In each of the ballpoint pen refills 10 shown in Example 5-1, Example 5-2, Comparative Example 5-1, and Comparative Example 5-2, the ball 50 is made of cemented carbide and the holder 60 is made of stainless steel. The diameter of the ball 50 is 0.7 mm, the surface roughness Ra of the ball 50 is 0.036 μm, and the ratio of the inner diameter of the side surface portion 70 of the ball house 61 to the diameter of the ball 50 (φB / φA) is 1.014. The material of the float 100 is polypropylene (PP), the ink 80 shown in the evaluation 1 of the ballpoint pen refill 10 is used, the viscosity of the ink 80 at 25 ° C. is 30,000 mPa · s, and the pressure when the ballpoint pen refill 10 is assembled. The pressure of the gas 90 was 0.3 MPa in absolute atmospheric pressure.
[0160]
In addition, the test of “flow of ink 80”
Using an automatic writing tester compliant with ISO standard 14145-1
Writing speed: 4.5m / min
Writing angle: 60 °
Writing load: 1.96N
After writing 200m under the conditions of
With the tip 20 facing upward, store in an environment of 25 ° C. for 3 days, and then check whether the ink 80 is flowing out from the gap between the float 100 and the ink storage tube 30 to the pressurized gas 90 side. Observed.
[0161]
In addition, evaluation of "flow of ink 80"
The above test was conducted on 10 ballpoint pen refills 10,
(A) None of the ink 80 was flowing out from the gap between the float 100 and the ink storage tube 30 to the pressurized gas 90 side.
(B) There was one or more ink 80 flowing out from the gap between the float 100 and the ink storage tube 30 to the pressurized gas 90 side. → Evaluation “×”
It was.
[0162]
[Table 5]

[0163]
Thus, in each of the ballpoint pen refills 10 of Example 5-1 and Example 5-2, the ink 80 did not flow out from the gap between the float 100 and the ink storage tube 30 to the pressurized gas 90 side.
That is, if the ballpoint pen refill 10 is formed as shown in Example 5-1 and Example 5-2, the ink 80 does not flow out to the pressurized gas 90 side from the gap between the float 100 and the ink storage tube 30. It can be a ballpoint pen refill 10.
[0164]
On the other hand, each of the ballpoint pen refills 10 of Comparative Example 5-1 and Comparative Example 5-2 has a defect that the ink 80 tends to flow out from the gap between the float 100 and the ink storage tube 30 to the pressurized gas 90 side. It was.
That is, when the ballpoint pen refill 10 is formed as shown in Comparative Example 5-1 and Comparative Example 5-2, the ballpoint pen refill is such that the ink 80 easily flows out from the gap between the float 100 and the ink storage tube 30 to the pressurized gas 90 side. It will be 10.
[0165]
Furthermore, when an experiment was conducted on the limit value of “(φD−φC) / φC value”, it was formed so that at least 0.0005 ≦ (φD−φC) /φC≦0.043 (formula 3). In this case, it was confirmed that the ink 80 hardly flows out from the gap between the float 100 and the ink storage tube 30 to the pressurized gas 90 side.
In addition, if formed so as to satisfy 0.0005> (φD−φC) / φC, the gap between the float 100 and the ink storage tube 30 is too narrow, and the movement of the float 100 accompanying the decrease in the ink 80 is smooth. It was confirmed that it was not done.
[0166]
On the other hand, when it is formed so that (φD−φC) / φC> 0.043, it is confirmed that the ink 80 easily flows out from the gap between the float 100 and the ink storage tube 30 to the pressurized gas 90 side. It was done.
In addition, this invention is not limited to the said Example.
[0167]
【The invention's effect】
As explained above, First According to the invention, it is difficult for ink to leak out from the tip of the chip, and it is difficult for the ball to jump out of the ball house, it is difficult to cause “blur”, and further, “first writing performance” is excellent, and “writing distance” Even a sufficiently long ballpoint pen refill can be provided.
[0168]
Also, Second According to the invention, the ink is more difficult to leak out from the tip of the chip, more difficult to cause “smudge”, more excellent in “first writing”, and smooth in “writing”. Can be provided.
Also, Third According to the present invention, it is possible to provide a ballpoint pen refill that makes it more difficult for ink to leak out from the tip of the chip and has a smooth “writing quality”.
[0169]
Also, 4th According to the invention, the ink is more difficult to leak from the tip of the chip, the ball is more difficult to jump out of the ball house, the “blur” is further less likely to occur, and the “first writing performance” is further excellent. Moreover, it is possible to provide a ballpoint pen refill that can use up ink to the end.
[0170]
Furthermore, 5th According to the invention, the ink is more difficult to leak from the tip of the chip, the ball is more difficult to jump out of the ball house, the “blur” is further less likely to occur, and the “first writing performance” is further excellent. Moreover, it is possible to provide a ballpoint pen refill that can use up ink to the end.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a side sectional view of a ballpoint pen refill according to an embodiment.
FIG. 2 is an enlarged view of a portion A in FIG.
FIG. 3 is an enlarged view of a portion B in FIG.
FIG. 4 is a cross-sectional view of a main part of a chip.
FIG. 5 is a perspective view of a float.
[Explanation of symbols]
10 ballpoint pen feel 20 tip
30 Ink storage tube 31 Large diameter part
32 Medium diameter part 33 Small diameter part
34 Inwardly stepped portion 35 Restricted portion
40 Tail plug 41 Fastener
42 Seal member 50 balls
60 holder 61 ball house
62 Ink guide hole 63 Ink groove
64 Caulking section 65 Clearance
66 Taper part 67 Body part
68 fixed part 69 outward stepped part
70 Side part 71 Bottom part
72 Ball seat 80 Ink
90 Pressurized gas 100 Float
101 air groove 102 punching part
φA Ball diameter φB Side diameter
φC Float outer diameter φD Large diameter inner diameter

Claims

An ink storage tube, a tip fixed to one side of the ink storage tube, and a tail plug provided on the side opposite to the tip of the ink storage tube,
The tip of the ink storage tube is filled with ink prepared so that the viscosity at 25 ° C. is 10,000 mPa · s or more and 50,000 mPa · s or less ,
On the side opposite to the tip of the ink storage tube is filled with a pressurized gas that is set so that the pressure at the time of assembling the ballpoint pen refill is 0.15 MPa or more and 0.4 MPa or less in absolute pressure ,
It is a ballpoint pen refill that pushes ink toward the chip by the pressure of the pressurized gas,
The chip includes a ball and a holder for holding the ball,
The ball has a surface roughness Ra of 0.010 μm or more and 0.080 μm or less,
The holder is provided in the vicinity of the end portion on the side opposite to the ink storage tube to store the ball, and passes from the end portion on the side opposite to the ball house to the ball house, for supplying ink to the ball. The ball house has a cylindrical side surface portion and a conical bottom surface portion that gradually decreases the inner diameter toward the ink guide hole side,
The diameter of the ball is φA,
The inner diameter of the side part is φB,
And when
1.01 ≦ φB / φA ≦ 1.11
A ballpoint pen refill that is formed to satisfy the above requirements.

The ballpoint pen refill according to claim 1, wherein the ink contains a structural viscosity imparting agent.

The ink storage volume when assembling the ballpoint pen refill is VA,
The storage volume of pressurized gas when the ballpoint pen refill is assembled is VB,
And when
VA × 2 ≦ VB ≦ VA × 5
The ballpoint pen refill according to claim 1, wherein the ballpoint pen refill is formed so as to satisfy the above.