JP4611586B2 - エネルギー変換システムおよび関連する方法 - Google Patents

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    • Y02E10/70Wind energy
    • Y02E10/72Wind turbines with rotation axis in wind direction

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、移動流体内のエネルギー(例えば風力や水力といったような運動流体エネルギー)を電力へと変換するためのまたはその逆に電力を移動流体内のエネルギーへと変換するためのシステムに関するいくつかの態様に関するものである。
【0002】
本発明の格別の特徴点および本発明の利点の主要な使用分野は、風力エネルギーの電力への変換を行う分野である。したがって、本発明を好適に使用できる分野がいくつも存在することを認識しつつも、以下においては、本発明を、風力−電力変換の分野に関して、主に説明する。また、『流体』エネルギーから電力への変換といういささか広い概念についても、以下において要約して説明する。そして、本発明によるシステムおよび方法を実施するに対しての好ましい実施態様(およびその変形例)について、本発明の様々な独自の特徴点が協働して機能する風力タービンによる発電を参照して、詳細に説明する。風力タービンによる発電は、『代替エネルギー』として期待されている。
【0003】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
典型的には、空気力学的な風力駆動のロータ動作型の発電システムは、様々な速度の風力エネルギーを収集して電力へと変換する。その際、発電システムは、選択された風経路内に配置された空気力学的ロータを介して流体移動エネルギーを収集し、ロータ(およびその回転)によって抽出され収集された流体移動エネルギーを、発電機内の回転子に対して結合し、これにより、電力への変換を行う。通常は、空気力学的ロータが通常はプロペラタイプ(ファンブレードタイプとも称される)のロータとされているそのようなシステムによって生成された電力出力(典型的には、AC)は、最終的には、従来型の商業的電力ユーティリティグリッドに対して接続される。このことは、ある種の周知の制約を処理するとともに、そのようなシステムによって生成され供給された電力が、『電力品質』をある種かなり厳しく維持していなければならないことを、要求する。より詳細には、そのようなグリッドは、通常、『受領する』電力が、所定AC電圧であることまたはそれに非常に近いこと、また、所定の動作周波数(通常は60Hz)に極めて堅固に固定されていること、という『品質的』制約を要求する。
【0004】
したがって、そのような要求された『グリッド制約』をうまく達成するために、従来のシステムは、典型的には、ある種の必要とされるレベルの構造的複雑さを有していた。このような複雑さは、空気力学的ロータとグリッドとの間に『制御可能に配置される』。このタイプのシステムにおいて解決すべき優先的課題は、風の通常流から得られる風力エネルギーが、風速変化のために、予測不能に激しく不安定であるとともに幅広く変化してしまうということである。解決されないままであると、そのような風力エネルギーは、グリッドに対しての供給が許容されないものとなってしまう。
【0005】
よって、そのようなシステムの実施に際して多くの従来技術においては、風力駆動ロータと発電機内の回転子との間における直接駆動型の連結は、行われていない。そうではなく、通常のファン状の空気力学的ロータとグリッドとの間には、増速用ギヤボックス等が(連結『チェイン』として)介在される。増速用ギヤボックスは、入力部分が空気力学的ロータに対して連結され、出力部分が従来型発電機(任意のタイプ)の回転子に対して連結される。このギヤボックスは、発電機の出力動作周波数を、グリッドの動作周波数に対して近づけるよう機能する。加えて、多くの場合、適切な種類の電力制御インターフェース回路が使用されることが普通である。このインターフェース回路は、発電機の出力部分とグリッドの入力構造との間に介在されてこれらを接続する。このインターフェース回路は、グリッドに適切な電力品質を付与することを補助する。
【0006】
他のタイプの従来システムにおいては、ある種の例において、通常のファン状空気力学的ロータと発電機内の回転子との間を直接駆動型連結とすることによって利点や効率が得られることが認識されている。この場合においても、発電機の出力部分が、上記のタイプの電力制御インターフェース回路を介してグリッドに対して接続されることが普通である。
【0007】
これら2種類の従来型のシステムにおいては、プロペラタイプの空気力学的ロータによる風力エネルギーの通常の変化、および、そのようなロータに連結された比較的小径のシャフトを介しての風力エネルギーの供給が、非効率さとその結果としての風力損失とをもたらす。これら非効率さと風力損失とを解決する必要がある。そのような非効率さと風力損失との原因は、様々であるが、主要な要因は、シャフトベアリング損失とギヤボックス損失とである。
【0008】
このような従来技術の構成において、本発明は、新規なかつかなり改良された直接駆動タイプの電力変換(変換)システムおよびそれに関連する方法を提供する。本発明は、従来システムに対して多数の改良点をもたらす。これら重要な改良点としては、特に、(1)動作効率、(2)製造の単純さ、(3)流体速度(風速)の通常の(場合によっては極端な)擾乱に基づくシステムの脆弱さの軽減、が挙げられる。
【0009】
流体エネルギーから電力への変換という範疇において、本発明は、(a)ファン状空気力学的ロータおよび(b)フープ形状のまたはかご型(回転スプール状)の空気力学的ロータ(およびロータ部分)および(c)かご型特性とファン状特性との双方を有した、(a)と(b)との様々な組合せに対して、特に重要な応用を有している。これら概略3種のロータは、本発明の技術的範囲の理解をより明瞭とするために、ここでは流体流によって駆動される流体フォイル構造とも称される。『かご型』という用語は、当該技術分野においては周知である。『ロータ』という用語は、流体応答アセンブリや、流体フォイル構造や、空力フォイルアセンブリ(およびスプール)や、流体によって駆動されるローラとフォイルとのアセンブリや、回転構造のうちの風力応答部分や、風力応答ユニットや、風力応答設備、といったような様々なものを意味している。そのようなロータについては、詳細に後述する。以下の説明から明瞭なように、様々な従来型ロータであっても使用することができる。
【0010】
重要なことに、本発明においては、逆変換における応用も想定している。つまり、電力を、例えばファンやポンプや空気推力エンジン等といったものに関して使用される流体エネルギーへと変換するためのシステムおよび方法の応用も想定している。
【0011】
したがって、従来技術の説明に戻れば、従来技術においては、例えば流体内に存在するエネルギー(そのようなシステムの運動エネルギー側)を電力(そのようなシステムの電力側)へと変換する(逆変換を想定したときには逆向き)といったような様々なエネルギー変換システムが公知である。そのようなシステムの例について、特に風力をベースとしたシステムの例については、上述した通りである。当然のことながら、例えば水力といったような他のタイプの流体を使用した類似のシステムが公知である。
【0012】
いささか上述したように、究極の目標、すなわち、改良された流体電力変換システムにおける目標としては、特に、(1)電力効率という観点において、効率の向上、および、(2)構成の最大限の単純さの達成、および、(3)システム構成材料のコストや建造コストや設備維持コストを最小限に維持すること、が挙げられる。例えば風力の場合には通常的に存在するような変動する流速からの電力の偏差に関して努力を要するエネルギー変換システムにおいては、他の重要な目的は、確かに、流速の劇的な変動および常に存在する小さな変動を(『平坦化』することによって)許容する機構を、開発して(商業的要求を満たすようにして)獲得することである。このような問題点を本発明がいかにして克服しているかについては、すぐに理解されるであろう。
【0013】
何年にもわたって使用されてきた風力タービンシステムについてさらに詳細に説明すれば、それらシステムの構成や性能上の制限が、より広範な使用を妨げていたことがわかるであろう。図1は、典型的な風力タービンタイプのエネルギー変換システム(20)を概略的に示している。このシステムにおいては、典型的なファンタイプのロータ(22)(図1においては単純な矩形によって示されている)が、ベアリングによって支持された回転シャフト(24)を介して、増速用ギヤボックス(26)の入力部分に対して、接続されている。ロータ(22)は、典型的には、約20〜約300rpmという範囲の回転速度でもって動作する。ギヤボックス(26)は、シャフト(24)の回転速度を、『出力』シャフト(28)における比較的高速の回転速度へと、変換する。『出力』シャフト(28)は、従来型発電機(30)内の回転子に対して連結されている。(破線によって図示していることによって示唆されているように)時として、パワーエレクトロニクス制御インターフェース回路(32)が使用されて、発電機が制御され(例えば、ロータ速度およびシャフトトルク)、また、発電機による変動電圧かつ変動周波数の電力が、標準的に使用される電圧および周波数(グリッドに関する制約に関して上述した)へと変換される。従来のユーティリティグリッド(34)が、発電機や制御インターフェース回路からの出力電圧を受領する。
【0014】
上述したように、ロータ(22)は、通常は、例えば図2および図3に示すロータ(40)といったようなプロペラタイプのロータである。このロータにおいては、複数のブレード(42)が、中央ハブ(44)から径方向外側に延出されているとともに、中央ハブ(44)を駆動可能に中央ハブに対して連結されている。ハブ(44)は、比較的小径のシャフト(46)の一端に対して連結されている。シャフト(46)は、例えばベアリング(48)といったようなベアリングによって支持されていて、ブレードに入射する自然的な入射風(W)に応答して、ハブ(44)およびブレード(42)と共に回転する。図3は、ロータ(4)の正面図を示しており、このロータは、紙面に対する直交方向から紙面に向けて吹き付ける風を最適に受領する。
【0015】
やや過去においては、他のタイプの空気力学的ロータが使用されていた。例えば、他のタイプのロータは、全体的に円筒形の『かご型』または『フープタイプ』のロータであり、例えば、米国特許明細書第4,781,523号、米国特許明細書第5,425,619号、米国特許明細書第5,632,599号、および、米国特許明細書第5,743,712号に開示されている。これら特許文献は、参考のためここに組み込まれる。かご型ロータは、今までに直接駆動型発電機に対して直接的に連結されたことがないものであって、典型的には、フープ形状のリング構造(フープ部材)を使用している。このフープ形状リング構造は、風の移動方向(通常は、下に位置する『地面』に対して全体的に平行である)に対して全体的に平行とされた水平方向中心軸回りに回転する。このようなリング構造は、典型的には、周縁において周方向に全体的に円筒形に配置された長尺空力フォイルを有している。これらフォイルは、リング構造全体の内部から径方向外方に向けて空気流を導く。これにより、中心軸回りにおける構造全体の回転が引き起こされることとなる。上記空力フォイルは、典型的には、長軸を回転中心軸に対して実質的に平行とした状態で、配置される。かご型ロータは、バックパネル構造と称される構造を、多くの場合、必要とする。バックパネル構造とは、接近しつつある風を、周縁空力フォイルどうしの間に形成された通常は必要とされる空気流通スペースを通過させるように導くように機能する構造のことである。このような『バックパネル』付きかご型ロータに関する潜在的な問題点は、バックパネル構造および/またはその下の接地支持構造に対して『過度の力』をもたらす(すなわち、側方において過負荷となる)レベルにまで風速が跳ね上がった状況において露呈されることとなる。そのような場合には、かご型システム(ロータ構造、支持構造、等)の破壊を招きかねない。
【0016】
このタイプの様々な従来型エネルギー変換システムにおいて『早急に改良しなければならない』他の問題点は、実際、風によって決定される空気力学的ロータの動作回転速度を、発電機内の回転子の最適回転速度に対して、適切に『適合』させることである。通常、そのような適合のためには、空気力学的ロータと発電機回転子との間において機械的『増速機』を使用する必要がある。
【0017】
風力タービンにおいて典型的に使用される増速機には、ギヤボックス伝達タイプとベルト−プーリタイプとの2つのタイプがある。上記速度適合を少し補強するためには、空気力学的ロータの最適効率動作速度と発電機回転子の最適効率動作速度との間の不適合のために、増速機が必要とされる。大部分の空気力学的ロータの最大効率変換速度(すなわち、風から回転への変換)は、例えばかご型誘導発電機または同期発電機(4極型または6極型)といったような標準的な産業用電気機械の最適効率回転速度よりも、ずっと遅い。これら電気機械は、比較的高速の低トルク動作であるように構成されている。例えば、標準的な4極型の誘導式または同期式発電機においては、1800rpmという公称回転子回転速度でもって60Hzの電力を生成する。これに対し、空気内において動作する空気力学的ロータの性能エネルギーレベルおよびサイズに依存して、空気力学的ロータは、約20〜約300rpmという範囲の典型的な動作回転速度を有することができる。風速状況に応じて、20rpmという速度を、約600kW〜約1500kWという機械的回転シャフトエネルギーを供給し得るよう構成された空気力学的ロータに対して適用することができる。同様に、300rpmという速度を、約2kW〜約10kWという機械的回転シャフトエネルギーを供給し得るよう構成されたずっと小さな空気力学的ロータに対して適用することができる。増速機の使用は、(a)システム内において必要とされる部材の数、(b)製造コスト、(c)構成の複雑さ、(d)定期的メンテナンスの頻繁さおよびそれに関連するコスト、(e)機械的トラブルの潜在的可能性、をかなり増大させてしまう。増速機の使用は、また、エネルギー変換効率の低下にもつながる。
【0018】
プロペラタイプのロータを使用する風力タービンは、空気力学的ロータと発電機との間においてシャフト回転速度を伝達するに際して増速機を使用しないように、構成されてきた。そのようなシステムは、『直接駆動型』風力タービンと称される。例えば、図4に示すように、他の従来型エネルギー変換システム(70)においては、プロペラタイプの空気力学的ロータ(72)を使用する。このロータ(72)は、回転シャフト(74)を介して、直接駆動型発電機(76)の回転子に対して、連結されている。シャフト(74)は、ロータ(72)と共に回転する。シャフト(74)は、適切に配置されたベアリング(図示せず)によって支持されている。エネルギー変換システム(70)は、大まかには、可変速度構成として分類することができる。この構成においては、適切な従来型のパワーエレクトロニクス制御インターフェース回路(78)を使用して、発電機の『発電動作』(上述したような速度やトルク)を制御するとともに、その制御の一部として、発電機の変動電圧および変動周波数を、標準的なユーティリティグリッドにおける電圧および周波数へと変換する。
【0019】
例えば図4に示されたシステム(70)といったような従来の風力タービンシステムに関する1つの重要な問題点は、通常のファン状空気力学的ロータからのすべての回転エネルギーが、例えばシャフト(74)といったようなシャフトを介して、関連する発電機回転子にまで伝達されることである。よって、この種の『エネルギー伝達』構成の当然の帰結として、そのようなシャフトは、変動する曲げモーメントを受ける。このような曲げモーメントは、疲労を増大させ、機械的トラブルの可能性を増大させる。また、周期的な負荷変動が出力エネルギーを減少させ、その結果、伝達不可能な出力エネルギーを生成する。
【0020】
【課題を解決するための手段】
よって、本発明の重要な目的は、流体エネルギーと電力との可逆変換可能な(潜在的に双方向性の)、独自のかつ単純なかつ容易に製造可能なかつ有効に動作可能なエネルギー変換システム(および関連する方法)を提供することである。本発明によるシステムは、また、風力エネルギーによって駆動される発電システムとも称され、加えて、流体運動エネルギーを電力へと変換するためのシステムとも称される。
【0021】
以下においてより明瞭に説明されるように、風力エネルギー−電力変換に関する本発明によるいくつかの実施形態が、提案され例示され説明される。これら実施形態の各々は、直接駆動システムおよび関連する方法を特徴とするものであり、流体エネルギー獲得用空気力学的ロータと発電機の電磁気的回転子との間の直接連結の存在をベースとしている。このような発電機回転子は、機械的回転応答部材とも称される。発電機において関連して必要とされる固定子は、回転磁気エネルギー応答部材とも称される。総合して、これら2つの部材(回転子および固定子)は、電力生成アセンブリと称され、また、電磁気的(あるいは電気的)生成アセンブリと称され、また、直接駆動型発電機(あるいは、その発電部分)と称される。本発明のある種の特定の実施形態においては、使用される発電機は、全体的に円筒形状とされ、回転子と固定子との一方が、他方に対して機能的に入れ子式に配置される。他の実施形態においては、発電機は、全体的にパンケーキ形状とされ、回転子と固定子とは、それぞれが薄い環状ディスクとされ軸方向に並置されるようにして機能的に対向配置される。
【0022】
本発明によるシステムの各実施形態は、また、電子インターフェース回路(あるいは、パワーエレクトロニクス制御構造)を特徴としている。このインターフェース回路(『本質的』にACともDCともすることができる)は、発電機に対して接続される入力側と、従来の商業的電力グリッドに対して接続することができる最終的電気出力に対して接続される出力側と、を備えている。
【0023】
最も好ましい実施形態においては、フープ状の空気力学的ロータが、回転シャフトを介在させることなく、発電機回転子に対して直結される。空気力学的ロータと発電機回転子とは、一体的回転構造を形成し、バレル形状のエネルギー変換デバイスを形成する。
【0024】
他の実施形態においては、ファンタイプの空気力学的ロータが、回転シャフトを介在させることなく、発電機回転子に対して直結される。
【0025】
第3実施形態においては、エネルギー伝達用回転シャフトを使用することなく、フープ状の空気力学的ロータが発電機回転子に対して直結される。
【0026】
さらに他の実施形態においては、ファン状の特性とフープ状の特性との双方を有したハイブリッドタイプの空気力学的ロータが使用される。
【0027】
本発明によるそのような各実施形態においては、従来技術による公知システムに関して上述したのと同様の利点がもたらされる。最大の利点をもたらすものと考えられる実施形態であって好ましい実施形態と称される実施形態は、『フープ状ロータ』を使用しかつ『回転シャフトを使用していない』実施形態である。
【0028】
したがって、一方向性のエネルギー変換という観点からは、本発明の1つの特定の目的は、変動する風力エネルギーを効果的に電力へと特にグリッド品質の電力(すなわち、規格化され制御された電力)へと変換するよう機能する新規なシステムを提供することである。
【0029】
本発明の他の目的は、空気力学的ロータから発電機へとトルクおよびエネルギーを伝達させるための増速機を必要としない風力タービンシステムを提供することである。すなわち、直接駆動タイプ(直結タイプ)のシステムを提供することである。
【0030】
それに関連した他の目的は、上記タイプのシステムであって、空間の軸方向に長尺の環状中空円筒形領域として実現される好ましい実施形態によるシステムによって流体エネルギーを抽出して獲得し、回転磁気エネルギーの中空環状円筒形領域と称されるものによって環状中空円筒形空間内の機械的回転を、発電機の回転子に対して直接的に伝達するようなシステムを提供することである。より詳細には、(a)(風力エネルギーを収集する)回転構造の空力部分内の周縁リム構造と(b)(発電機の固定子と協働して動作する)回転構造の一部における周縁リム構造とを周縁においてリムとリムとを直結することにより、従来技術における構造において実質的に周期的な疲労やエネルギー消費トルクをもたらす原因となっていた小径の回転シャフトを一切介在させることなく、2つのリム構造間においてすべての回転エネルギーを有効に伝達することができる。上述したように、この『リムとリムとの直結』を使用した好ましいシステム構成においては、フープ状またはかご型タイプの空気力学的ロータを使用し、この空気力学的ロータを発電機回転子に対して直結する。このような空気力学的ロータは、複数の空力ベーンすなわち複数の空力フォイル(表面構造)を有した周縁空力フォイル構造を備えている。空力フォイルどうしは、風を径方向に通過させ得るよう周方向に互いに離間されている。空気力学的ロータと発電機回転子との好ましい一体構成は、長尺のものとされ、また、共通の長尺回転軸(一致した軸)を有している。
【0031】
この点に関する重要な補助的コメントを述べるならば、この特定の『好ましい実施形態』の詳細を記憶に留めつつも(円筒形が参照されていることと比較して)、本発明が様々な特徴点に関するより広い意味での独自の観点を提供することを認識することは重要である。より詳細には、エネルギー獲得やエネルギー搬送やエネルギー伝達という作用に関して、『円筒形』という用語(本明細書のあちこちで使用されている)の代わりに、『回転表面』という用語を単に使用した(思考の観点において)場合、この『足跡』を一般的意味において理解するであろう。好ましい構成をなす円筒形は、例えば円錐形や凸状湾曲や凹状湾曲等といったような他の構成よりも、快適さをもたらし、望ましく適切である。
【0032】
空気力学的ロータと発電機回転子との間における、回転シャフトのない駆動連結によってもたらされる(本発明にある種の変形例における)利点に加えて、また、このような利点とは別に、本発明によるシステムおよび方法のある種の他の実施におけるさらなる重要な貢献は、回転駆動シャフトが使用されているかどうかに関係なく、フープタイプの空気力学的ロータと発電機回転子との直結である。そのようなフープタイプのロータと発電機回転子との直接駆動型組合せは、回転シャフトが介在したにしても、従来技術よりも有利であって望ましいものであることがわかっている。
【0033】
本発明が提案する複数の構成の中のある種の構成における本発明のさらに他の重要な目的は、固定された静止シャフトを使用することであり、この固定シャフト上に、支持ベアリング構造(軸受機構)を介して空気力学的ロータを支持することである。この構成は、回転シャフトを使用する場合には常に不可避的に発生する変動曲げモーメントを、実質的に除去できる程度にまで最小化する。
【0034】
さらなる目的は、変動する風速に適合し得るとともに、過度に大きな風に対しての損傷リスクを最小化し得るような、風力タービン構成を提供することである。
【0035】
本発明の最も好ましい実施形態における様々な特徴点および目的を指摘するならば、従来の関連エネルギー変換システムおよび方法に対する実質的な改良点をもたらす本発明の基礎およびキーをなす特徴点を要約すれば、本発明の最も好ましい実施形態においては、本発明によるシステムおよび関連する方法は、フープタイプの回転空力フォイルと発電機回転子との間における、回転シャフトを介在させることのない、直接的連結を優先的に行う。このシステムの動作時には、空気力学的ロータと回転子とは、回転シャフトのない一体連結構成として、全体的に円筒形の軌跡と称される経路または領域内において、互いに一緒に回転する。
【0036】
より一般的に、本発明におけるエネルギー取扱い特性について概観するならば、そして、現在の主要な応用分野における構成において概観するならば、すなわち、風力エネルギーから電力への変換という応用分野における構成において概観するならば、本発明においては、(a)システムの運動エネルギーサイドにおいて、流入する風の所定横断面積内に存在する流体伝達エネルギーを『収集』することと(b)回転構造の周縁において流体からそのようなエネルギーを抽出することとを実質的に行う空気力学的ロータを使用する。この空気力学的ロータは、獲得し抽出したエネルギーを、機械的回転(あるいは、機械的回転エネルギー)という形態で、中空周縁においてリムとリムとの回転環状直結が行われている発電機回転子の周縁へと、直接的に伝達する。システムの電力サイドにおいては、発電機が、そのような回転エネルギーを電力へと変換する。
【0037】
このようなエネルギー取扱いプロトコルおよび変換プロトコルは、本発明における、例示する3つの基本的一般的具現化のうちの2つを正確に反映している。
【0038】
本発明の第3の一般的具現化においては、エネルギー伝達用回転シャフトが、『伝達』機構として使用され、この場合においても、エネルギー獲得およびエネルギー抽出は、本発明に基づき、実質的に全く同じ『回転環状領域』において行われる。
【0039】
本発明による、発電機に対してのエネルギー伝達機構として回転シャフトを使用することを不要とした実施形態においては、回転シャフトを不要としたことにより、(a)従来システムに関する複雑さや製造コストと比較して、本発明によるシステムでは構造が単純であって製造コストが抑えられるだけでなく、(b)従来技術においてはエネルギー伝達環境において中間構造を使用していたことによりこれに付随してエネルギー伝達プロセス時にエネルギー損失や疲労や周期的な曲げモーメントやトルクが発生していたことと比較して、本発明によるシステムでは『エネルギー伝達環境』からそのような中間構造を除去することができてこれに付随する問題点を回避することができる。そのような従来的な周期的負荷は、本来ならば伝達することができた全利用可能エネルギーのうちにいくらかの量を消費するとともに、さらに、システムの回転機械要素の有効動作寿命を短縮してしまう。したがって、従来技術におけるそのようなエネルギー伝達構造を不要としたことにより、流体エネルギー環境と電力環境との間のエネルギー伝達効率が、格段に改良される。このことは、また、システムの動作寿命を延ばすことにつながる。
【0040】
上述したように、重要な利点および効率は、回転シャフトを介して空気力学的ロータと回転子との連結が行われているかどうかにかかわらず、フープタイプの空気力学的ロータと発電機回転子との直接的エネルギー伝達が行われている本発明の他の形態においても得られることに注意されたい。
【0041】
発電機電気出力側をなすものと適切なパワーエレクトロニクス制御構造の入力側とを接続することにより、そのような制御構造(本発明の構成要素の一部として寄与する)は、この制御構造がなければ(例えば風力といったような流体エネルギーが時間的に激しく変動してしまうことにより)発生してしまうグリッド側でのシステム変動を防止し得るよう、容易にかつ効果的に(制御構造の出力側において)動作することができる。回転シャフトを備えたエネルギー伝達環境を排除すること(本発明において行われる一般的特徴点)の追加的な重要な利点は、システムの回転要素を支持するための構造(長尺シャフト状のものとして、固定シャフトとすることができる)が、回転に起因する変動や疲労や変動曲げモーメントを一切受けないことである。
【0042】
本発明による、カップ形状の装置と称される最も好ましいシステムにおいては、内部で回転する構造(例えば、風力を受けて回転する)は、(システムの空気力学的サイドにおいて)長尺の回転カップ状壁構造を有するものとすることができる。このカップ状壁構造は、(a)システムの風受け前方端部において、全体的に開放端面をなす空力フォイルロータ壁部分と、(b)システム内において使用されている発電機の一部をなす発電機回転子壁部分と、を備えている。発電機の固定子は、発電機回転子壁部分に隣接して動作可能に配置され(発電機回転子壁部分の内方にまたは隣接してまたは外側を囲むように配置され)、端部壁からなる固定子構造と称すこともできる。システムの回転要素は、共通の長さ方向回転軸上においてこの軸回りに回転する。この軸は、通常、本発明による構造物が設置される地面に対して実質的に平行なものとされる。
【0043】
そのようなシステムにおいては、システムの回転部分の、風受け端面とは反対側の端面は、風を通過させないよう通常は実質的に閉塞されている。この『閉塞』構造は、好ましくは、可変構成の連続的に調節可能なバックドア構造とか、風障壁構造とか、バックドアアセンブリとか、と称される機構を備えている。システムのこの機構は、選択的に開閉可能な開口を有するとともに開閉可能なドアまたはドア拡張体の形態とされた位置可変ドア構造を備えている。開口の開閉は、典型的には、風圧の作用によって直接的に調節される。このような機構を使用することにより、利用可能な風力を最大限にシステムが獲得することを可能とするとともに風圧が強すぎる状況で起こり得る損傷をうまく防止できるような動作特性をもたらすことができる。特に、このバックドア構造は、風速が過度に大きい状況下においては適切に開放され、これにより、流入風のいくらかの量を、システムからうまく逃がすことができ、システムの損傷を防止することができる。様々な特定のバックドア構成については、後述する。
【0044】
本発明における1つの大いに興味深い変形は、ロータの回転軸に対して傾斜した角度でもって配置され風受け角度『平面』を効果的に位置させるような位置調節可能な流体フォイルを有した流体ロータを備える構成である。このようなフォイルは、ロータの回転をもたらすよう流体エネルギーを獲得するためと、これと同時に、一種のバックパネル構成やバックドア構成として機能するためと、の双方の意味合いで使用することができる。このようなフォイルによってなされる選択的な(好ましくは、連続的に調節可能な)姿勢調節は、同時に、ロータによる流入風力エネルギーの抽出割合を制御することができる(逆に言えば、バイパス割合を制御することができる)。このような姿勢制御は、流入風圧の変動に応答して自動的に行うことも、また、操作者の意志に応じて『手動で』行うことも、できる。
【0045】
この種の実施形態における『閉塞』は、フォイル位置調節性が省略されたときのものである。
【0046】
本発明におけるこれら2つの変形例は、円錐形や凸状湾曲や凹状湾曲等といったような上記構成上『見地』を有した流体ロータの使用に特に適合したものである。
【0047】
特に強調すべき他の非常に重要な概念は、本発明が、流体エネルギーから電力への変換するための構造に対して衝撃的な新鮮さを付与したことである。それは、単一の外観的印象と技術的等価性をもって、(本発明のいくつかの重要な変形において)すべての必要な回転要素を、回転シャフトの影響を受けることなく、これら回転要素がなす全体的組合せアセンブリよりも完全に軸方向に『離れた』ところにおいて直接的に支持連結することにより、支持する能力を導入することによって行われる。後述するように、軸方向に比較的非常に薄い発電機をなす全体的アセンブリの使用と(重要な構成上の前進と共に)付加的に組み合わせることにより、このような組合せは、当業者であれば容易に認識されるように、工業的単純さをもたらすとともに、(すべての場合ではないものの、多くの場合)回転連結シャフトを不要とし、地面上におけるシステムの回転『流体応答』部分の支持に必要な構成要素を、構造を最小化できるレベルにまで、低減することができる。ある種の例においては、上述の制御インターフェース回路と全体的に同様の制御インターフェース回路を形成する様々な電気回路要素を、発電機の構造内に直接的に組み込むことができる。この構造的可能性は、システムのコンパクトさをさらに増強する。
【0048】
【発明の実施の形態】
本発明による他の重要な特徴点および利点は、添付図面を参照しつつ以下の説明を読むことにより、明瞭となるであろう。
【0049】
予備的な開示として、当業者が本発明の製造と使用とを理解可能とするためには、本発明のシステムの構成およびいくつかの構成要素をさほど詳細に説明する必要はない。それよりも、本発明によるシステムの構成は、単純な適切なアセンブリを備えることができ、また、個々には従来的な複数の部材を協働的に一体化することができる。その場合、各部材は、周知の方法により様々な態様とすることができる。したがって、本発明の独自特徴点を形成しない部材の詳細については、説明を省略する。
【0050】
添付図面を参照すれば、まず最初に、図5Aには、本発明により提案される構造の互いに異なる3つの態様(実施形態)が、縦に並んで示されている。
【0051】
図5Aにおける上段には、そのような実施形態が、符号(50)によって示されている。この実施形態は、ロータ−発電機の一体型システムを備えている。一体型システムは、フープタイプの空気力学的ロータ(52)の周縁部に対して発電機(55)の回転子(54)が連結されて形成されている。ロータ(52)と回転子(54)とは、機械的には互いに一体物として作用し、固定シャフト(56)上ににおいて適切に共通して軸受けされている(図示しないベアリングによって)。これにより、これらロータ(52)と回転子(54)とは、共有している長さ方向対称軸回りに回転可能とされている。共有している長さ方向対称軸は、システムの回転軸(57)と共通しているすなわち一致している。ロータ(52)と回転子(54)とは、軸(57)に沿って図5Aにおける左側から見たときには、全体的に円形/環状の外観を有している。
【0052】
シャフト(56)上には、発電機(55)のフープ形状固定子(58)が、適切に固定されている。固定子(58)は、(軸(57)に沿って見たときには)ほぼ円筒形状であり、回転子(54)の右側へと軸方向内方に延在している。シャフト(56)は、ロータ(52)のこの図における左側面が、この図においては左側から右側へと吹くものとされている風(W)に直面し得るようにして、近くの地面上に適切に支持されている。
【0053】
図5Aの上段には、本発明の最も好ましい形態をなす実施形態が示されている。この実施形態においては、フープタイプの空気力学的ロータが、回転子(54)に対して、全体的に環状の周縁部においてリムとリムとを結合(直結)させるようにして、連結されている。この場合、ロータ(52)と回転子(54)との間においては、連結用回転シャフトを一切使用することなく、エネルギー伝達が行われる。ロータ(52)と回転子(54)とは、ここでは、一体的にスプールを形成し、ロータ(52)と回転子(54)との各々が、そのスプールの周縁部を効果的に形成する。このスプールの、図において左側に位置する風受け端面は、以降においては、開放端面と称される。
【0054】
図5Aの中段には、本発明の他の実施形態に基づいて構成されたロータ−発電機一体型システム(60)の一部が示されている。この実施形態においては、プロペラタイプまたはファンタイプの空気力学的ロータ(61)が、使用されている。この空気力学的ロータ(61)は、径方向に延在する複数のブレード(61a)を有している。これらブレード(61a)は、外側端近傍において任意の適切な態様でもって、回転子(62)の左側周縁部に対して固定されている。回転子(62)は、発電機(63)の一部を構成している。ロータ(61)と回転子(62)とは、軸(64)回りに回転可能であるようにして、図示しないベアリングを介して、固定シャフト(65)上に適切に軸受けされている。シャフト(65)は、シャフト(65)が回転しないものであるという点においてまた上段の図示の場合と同様にこの図における左側から右側へと吹くものとされている風(W)に対してブレードおよびロータ(61)が直面し得るようにして(上述と同じ)近くの地面上に適切に支持されているという点において、上記シャフト(56)と非常に類似したものである。固定子(66)も、また、発電機(63)の一部を構成している。固定子(66)は、ほぼフープ状の構成のものであり、図に示すように、回転子(62)の右側から回転子(62)内へと軸方向に延在している。
【0055】
図5Aの下段には、本発明によるシステムの第3実施形態の一部が示されている。この実施形態においては、フープ形状の空気力学的ロータ(67)が使用されており、この空気力学的ロータ(67)は、回転シャフト(68)に対して固定されている。シャフト(68)は、適切な地上支持構造(上述)上において、適切なベアリング(図示せず)を介して、回転可能に支持されている。この地上支持構造は、上記ロータ(52,61)に関して上述したのと全く同様に、接近しつつある風(W)に対してロータ(67)を直面させるようにして、図示されている構成要素を支持している。
【0056】
シャフト(68)に対しては、このシャフトと共に回転可能に、フープ形状の回転子(69a)が固定されている。回転子(69a)は、発電機(69)の一部を構成している。発電機(69)は、また、固定子(69b)を有している。固定子(69b)は、回転不可能であるようにして、地面に対して適切に固定されている。固定子(69b)は、(図5Aの下段の図に示すように)回転子(69a)の右側から軸方向内方へと延在している。
【0057】
本発明の実施形態をなす図5Aの上段および中段の場合には、回転シャフトが使用されておらず、回転機械的エネルギーとして捉えることができる機械的エネルギーは、それぞれの空気力学的ロータとそれぞれの発電機回転子との間において、環状周縁部におけるリムとリムとの結合と称される態様でもって、結合される(受け渡しされる、伝達される)。このような一体的に組み合わされたロータと回転子とは、全体的に環状の互いに接触した円筒壁を形成する。このような円筒壁は、本発明においては、回転構造と称される。これら2つの図に示されているように、ロータと回転子との組合せ構成は、開放前端(左端)と、全体的に閉塞した後端(右端)と、を有している。図5Aの下段において図示したシステムは、図5Aの他の2つの実施形態の場合と同様に、ロータと発電機とからなる一体型構造を備えている。ただし、この実施形態においては、空気力学的ロータと発電機回転子との間において作用する機械的連結部材として、回転シャフトが使用されている。
【0058】
これら3つの実施形態の各々において、風の流入および流出によって伝達されるエネルギーは、(1)全体的に円形の横断面積内において獲得され、(2)機械的回転へと変換され、(3)空気力学的構造から発電機回転子へと機械的に伝達され、(4)発電機から電気出力として図5Aに示すような構成部材を介して出力される。電気出力は、後述のようにして取り扱われる。『過度に強い』風が吹いている場合の、各部材の作用については、後述する。図5Aにおける上段と中段の両実施形態においては、獲得された流体(風力)エネルギーは、環状の回転周縁領域に集められ、それぞれの場合の発電機回転子の周縁リムへと伝達される。図5Aの下段に示す実施形態においては、フープタイプの空気力学的ロータ(67)が、風力エネルギーを集め、シャフト(68)を介して、発電機回転子へと直接的に伝達する。
【0059】
ここで図5Bを参照すれば、新たな一連の参照符号を使用して、非常に簡単化された概略的な図示でもって、本発明による好ましい風力タービンの実施形態(79)が示されている(図5Aの上段に示されたものと同じ実施形態)。図5Bは、さらにより詳細に、本発明および本発明における動作を特徴づけるようないくつかの具体的な方向や軸や回転や角度を例示している。
【0060】
上述の風(W)は、『一体型』空気力学的ロータ(80)(システム(79)の回転部を形成する)の前面側開口面(図5Bにおける左側面)に向けて導入される。これにより、空気力学的ロータ(80)は、ロータ軸(A1 )回りに矢印(R1 )で示すようにして回転する。『一体型』という用語の意味については、後述する。ロータ軸(A1 )は、典型的には、地面(82)と実質的に平行であり、風(W)の方向と実質的に平行であるべきである。鉛直方向支持軸と称される他の重要な回転軸(A2 )は、重力(G)とほぼ平行であるとともに、地面(82)に対してもまたロータ軸(A1 )に対しても垂直である。軸(A2 )は、また、『風探し軸』や『主要支持軸』と称すこともできる。軸(A2 )は、例えば支持構造(83)といったような特定の支持構造によって形成される。支持構造は、ロータ(80)と、風力タービンシステムのうちの、軸(A1 )に関して回転可能とされている他の構成要素と、を支持するために使用されている。風(W)の向きに応じて、軸(A1 )は、軸(A2 )回りに矢印(R2 )で示すように回転自由とされている。これにより、ロータ(80)の前面は、風(W)の受領に関して最適であるような向きで配置される。第3軸(A3 )(軸(A1,A2)の各々に関して実質的に垂直)は、軸(A1 )が地面に対して実質的に平行であることを確保し得るよう、角度(α1,α2)で示すようにロータ(80)の『鉛直方向』角度を選択できるようにするために設けられている。好ましくは、例えば角度(α1 )といったような前方下向きの傾斜角度、あるいは、例えば角度(α2 )といったような前方上向きの傾斜角度は、例えばシステム(79)といったようなシステムの実質的な据付時に、調節され決定された後に『ロック』される。
【0061】
次に、図5Bに加えて、図6A,6B,6C,6D,6E1,6E2,6E3, 6E4,8,8A,8B を参照して、システム(79)(このシステムのいくつかの変形例も含む)の構成および構成部材について、より詳細に説明する。システム(79)(上述と同じシステム)は、フープ形状またはかご型タイプの空気力学的ロータが発電機回転子に対して周縁においてリムとリムとを直接結合させるようにして連結されてなる、本発明の一実施形態である。本発明においては、この連結に際し、回転駆動シャフトが介在することがない。したがって、ロータ(80)は、事実上、空気力学的ロータと発電機の一部をなす回転子とからなるロータアセンブリをなすものと見なすことができる。本明細書中においては、これ以降、このようなツインタイプのロータを様々な面から説明する。かくして、ロータアセンブリ(80)は、フープ形状またはかご型タイプの全体的に円筒形の空気力学的ロータ(90)を備えている。空気力学的ロータ(90)は、風(W)を受領するための開放前面(92)と、軸方向反対側に位置する通常は全体的に閉塞された後面(94)と、を有している。空気力学的ロータ(90)の長さ方向軸は、回転軸(A1 )に一致している。
【0062】
ロータ(90)は、様々な特定の方法で形成することができる。いくつかの方法について、ここでやや詳細に例示し説明する。このロータは、全体的に円形のディスク形状のバックドア構造(91)と称されるものを、平面(P1 )(この平面は、軸(A1 )に対して全体的に垂直である)のところに備えている。後述するように、このバックドア構造は、好ましくは吹き付ける風の風速に応じて、風を軸方向に通過させ得るよう(径方向に分散配置された調節用開口によって)選択的に開放可能かつ閉塞可能とされている。これにより、実質的にすべての動作状況下に関して、ロータ(90)の周縁部において最適量の風を径方向外向きに(後述)通過させることができる。
【0063】
ロータ(90)の後方側周縁リム部は、ここでは周縁におけるリムとリムとの結合として表現するようにして、正に直接的に、図5B,7,8Aにおいては全体的に符号(95)によって示す発電機の回転構成部材をなす回転子(93)の周縁に対して、連結されている。発電機(95)の固定子は、全体的に符号(97)によって示されており、回転子(93)の内部に受領され、発電機(95)の全体およびロータアセンブリ(80)のすべての構成部材を支持しているシャフト(99)に対して、適切に固定されている。シャフト(99)は、固定された非回転シャフトであり、上記支持構造(83)の上部に対して適切に固定されている。
【0064】
図6Aには詳細に図示していないものの、図6Bには、風によって偏向するための空気力学的『ノーズコーン』(100)が示されている。好ましくは、このコーンの『端部キャップ』(図6Aにおける場所(100A))は、ロータ(90)内の中央軸方向風対向構造において使用される。
【0065】
ロータ(90)は、フープ状構造の周縁に沿って分散配置された、例えばフォイル(96)といったような、複数の空力フォイルを有している。ここでは、ロータ(90)は、16枚の空力フォイルを有して構成されている(図6Aではすべてのフォイルが図示されていないけれども、図6Cにおいて概略的にすべてのフォイルが示されている)。ここで、16枚というのは、優秀な性能を示すことがわかっているいくつかの特定のフォイル数のうちの一例である。他の好ましいフォイル数は、例えば、18枚である(図6D参照)。他の特定のフォイル数を選択することもできる。風(W)は、ロータ(90)の開放端面(92)を通して受領され、その後、フォイル(96)どうしの間を通過して、ロータ(90)の周縁から外向きに導かれる。これにより、回転軸(A1 )回りのロータ(90)の回転移動が引き起こされる。
【0066】
図6Aに示されているように、フォイル(96)を有効に機能させるために、長尺の全体的に平板状のフォイルの各々は、長軸を、回転軸(A1 )が含まれている平面内に位置させている。特に、そのような長軸の各々は、実質的に、軸(A1 )と平行である。
【0067】
さて、図6Aにおける参照符号が『そのまま使用されている』図6E1,6E2に注目すれば、この場合の空気力学的ロータ(90)は、全体的に円錐台形状とされているとともに、適切な数(例えば16枚)の長尺空力フォイル(96)を有しており、これら空力フォイル(96)は、それぞれの長軸を、『風の吹付』角度が回転軸(A1 )に対して斜めとなるような平面内に位置させて、配置されている。図6E1,6E2に図示されたロータは、一般的な意味での上述の一体型構成に属するものであり、ファン状ロータの特性とかご型ロータの特性との双方の特性を有している。
【0068】
本発明を説明するために図6E1,6E2をいかにして使用するかに関し、これら2つの図は、2つの異なる範疇に属する3つの異なる変形例を示すために様々に使用される。第1の範疇においては、すべてのフォイルが空気力学的ロータ内において互いに規定された所定位置に実質的に常に固定されている構成を備えている。この構成は、記憶に留めておいて頂きたい。第2の範疇においては、各フォイルが移動可能に関節結合された構成を備えている。図6E2 は、特に、これら2つの異なるフォイル取付構成を図示している。
【0069】
ロータ(90)の開放端面は、符号(92)によって示されている。ロータの反対側の端面は、発電機(95)(この発電機、および、発電機をなす2つの主要構成要素は、図6E1 にだけ示されている)の回転子(93)に対して、周縁において回転子を駆動可能に連結されている。回転子(93)は、パンケーキ状構成でもって、固定子(97)に対して接近状態で対向配置されている。ロータ(90)と回転子(93)とは、回転シャフトを一切介在させることなく、連結されている。
【0070】
図6E1 に示す構成要素からなる回転アセンブリの全体は、固定支持シャフト(99)上において軸受けされている。固定子(97)は、このシャフト(99)に対して移動不可能に適切に固定されている。下に位置する地面(図示せず)に至るまでの『連結経路』に関しては、シャフト(99)は、直立支持構造(83)の上部に固定されており、直立支持構造(83)は、地面に対して適切に取り付けられている。空気力学的ロータおよび発電機に関してこのようにして構成された『地上』直接支持連結点(P)は、構造(83)とシャフト(99)との連結場所に配置されている。特に注意して頂きたい構成について説明すれば、連結点(P)は、空気力学的ロータと発電機との組合せアセンブリに対して、回転軸方向において外側に配置されている。この構成に注目することは、重要である。これは、回転シャフトを介在させることなく空気力学的ロータと発電機回転子とを連結しているシステムの設置に関して本発明が提供する多数の特徴点の中の1つである。
【0071】
図6E1 に示すシステムの重心は、記号(CG)によって示すラインに沿って(重力方向に)作用する。このラインは、支持構造(83)がなす直立支持軸から距離(D)だけ離間している。シャフト(99)によって支持されている構成要素の全体的軸方向長さは、記号(LA )によって示されており、このシステムにおけるパンケーキ状発電機の全体的軸方向長さは、記号(La )によって示されている。容易にわかるように、La は、LA よりも小さく数分の1であり、この状況は、支持構造(83)に対しての最終(地上)支持連結点よりも一方側に全体が配置されている図6E1 の各構成部材を全体的に有しているという有用性に寄与する。
【0072】
本発明による図6E1 に示す特定の実施形態においては、ここに図示されているすべての構成部材は、実際に、支持構造(83)がなす直立支持軸の一方側にのみ全体が配置されている。他の実施形態においては、地上に支持されている各構成部材は、直立支持軸の両側に位置することができる。このような『両側』に配置された本発明によるある特定の変形例は、図26,27,28に示されている。この変形例については、後述する。
【0073】
図6E1 に示す構成に話を戻すと、複数のフォイル(96)が互いに関する所定位置にロックされている構成は、多数の応用を有している。この『所定位置にロックした』構成は、第1の範疇として上述した範疇を形成するものであることは理解されるであろう。この場合、各フォイルは、空気力学的ロータ内において『固定』されている。興味があり潜在的に非常に重要な『他の種類』の構成は、各フォイルが空気力学的ロータ内において互いに移動可能に取り付けられているという構成である。
【0074】
図6E2 を参照すれば、そのような『他の種類』の構成の具現に際しての2つの代表的な態様が示されている。まず最初に、図6E2 の左半分に概略的に示されたものを特に参照すれば、複数のフォイル(96)は、軸(A1 )に関して選択的な好ましくは連続的に制御可能な可逆的な周縁に沿っての『スライド式』の移動が可能であるようにして、適切に取り付けられている。
【0075】
この移動は、符号(94)で示す湾曲した両端矢印によって示唆されている。このような移動は、意図した空気力学的構成となるように、隣接フォイルどうしの間に存在する分散スペースのサイズを効果的に拡縮させる。これにより、(a)回転を引き起こすために使用されるその瞬間の風力の比率、および、(b)関連する『残留』風力の比率を、変化させることができる、しかも同時に、変化させることができる。ここで、残留風力とは、空気力学的ロータをバイパス(素通り)することによって、過度の風圧下における潜在的損傷を防止し得るものである。
【0076】
図6E2 の右半分には、軸(A1 )に対して接近離間する向きに選択的に好ましくは連続的に(無段階で)制御可能にフラップ状にヒンジ動作できるよう、各フォイル(必ずしもすべてのフォイルでなくても良い)が、空気力学的ロータにおいて軸方向に延在する一辺に沿ってヒンジ結合されている。この種の移動は、上述したような風圧の分割操作を実質的に可能とするものであり、加えて、風力エネルギーの抽出に関する他の精密制御として、フォイルの実効衝突角度を変更するように機能する。
【0077】
図6E1および図6E2に示すようなフォイル(96)は、長尺平板構造であり、長軸を、(a)回転軸(A1 )を通る平面内に位置させ、かつ、(b)直角以外の角度(すなわち、鋭角)で軸(A1 )と交差させて、配置されている。この『鋭角』をなす交差角度は、ロータの風受け面(92)(図6E1 における左側面)に向けて開口している(対向している)。
【0078】
図6E3および図6E4は、空気力学的ロータ(90)のさらに他の変形例を示しており、上述したのと同様に、ファン状特性とかご型特性との双方を一体化させた特性を有している。
【0079】
これら2つの図において、空気力学的ロータ(90)の空力フォイルは、実質的に平板状構成であり、長軸を回転軸(A1 )に対して斜めに延在させた状態で、ロータの軸方向両端近傍の所定位置において適切に取り付けられている。例示および説明の目的のためにすべてのフォイルの中の3つのフォイルに関し、図6E3 においては、3つのそれぞれのフォイルの長軸が、ライン(96a,96b,96c)によって示されている。これら3つのフォイル軸に関する図6E3 の図示からわかるように、空気力学的ロータ構造内において、これら軸の両端は、ロータ内の連結点において終端しており、例えば図6E3 に示されているように空気力学的ロータの軸方向からこれらラインを『見た』時には、回転軸(A1 )に対して互いに角度をもって配置されている。図6E3 に示されていることにより、このような構成においては、ロータの回転軸に沿ってフォイルを見たときには、フォイル自身が、ロータの周縁に外接した全体的に円環形の『スペース』内に延在していることは、明瞭に理解されるであろう。このような構成においては、回転軸(A1 )に対して全体的に平行なベクトル成分を有してロータの中空空間内へと(図6E3 が図示されている紙面内へと)流入した風が、空力フォイルの表面の一部に衝突し、これにより、この種のロータを使用したシステム内におけるエネルギー獲得に寄与することは、明瞭であろう。
【0080】
図6E4 は、上記長軸(96a,96b,96c)を示しているとともに、記号(W)によって、上述した風のベクトルを示している。図6E4 においては、ロータの風受け面は、記号(RF )によって示されており、ロータの軸方向反対面は、記号(RR )によって示されている。ロータ(90)の風受け面は、図6E3 においても、記号(RF )によって示されている。
【0081】
図6E3 に話を戻して、この図に図示された構成の空気力学的ロータの機能に関する理解を深めるためにさらに説明すれば、ロータの直径内における公称通過経路は、全体的に記号(D1 )によって示されている。ロータの実効的な内径、すなわち、フォイル(96)の斜め取付の結果として存在する通過経路として捉えることのできる内径は、図6E3 において記号(D2 )によって示されている。図6E3 において上記直径(D1,D2)を有した同心円どうしの間に付されたハッチングは、追加的な、空力フォイル利用領域を実効的に示している。この領域は、軸(A1 )と平行な風圧ベクトルに関してエネルギー獲得を行い得るという点において、風のエネルギーを収集する目的のために風と相互作用することができる。
【0082】
図6E3,6E4に図示した構造における長尺平板フォイルの軸の向きに関してさらに説明するならば、長軸(96a,96b,96c)として示されているこれら軸は、(a)回転軸(A1 )と平行ではなく、また、(b)軸(A1 )を含む平面とも平行ではない。換言すれば、上記構成においては、各長軸は、軸(A1 )をそれぞれ個別に含む平面に対して実質的に一致する平面内に位置している。
【0083】
位置(姿勢)調整可能な流体フォイルが使用されている上述した各実施形態においては、係合した風圧のうちのいくらかの部分が、回転生成に有効であり、『残りの』部分は、実質的にシステムを『バイパス(素通り)』する。これら両部分の割合は、フォイルの姿勢状態変化に応じて変化する。
【0084】
例えばロータ(90)といったようなフープタイプのロータという範疇に関連した他の詳細および構造は、1988年11月1日付けで発行された米国特許明細書第4,781,523号、1995年6月20日付けで発行された米国特許明細書第5,425,619号、および、1997年1月7日付けで発行された米国特許明細書第5,591,004号に記載されている。これらの特許は、本発明と同じく、Elmo E. Aylor によるものである。これら特許文献は、参考のためここに組み込まれる。
【0085】
次に、図7を参照して、先に説明したシステム(79)についてさらに説明する。このシステム(79)には、発電機(95)の電気出力側に、パワーエレクトロニクス制御回路または構造(108)が設けられている。この制御回路(108)の機能については、従来的ではあるものの後述する。空気力学的ロータ(90)(回転軸(A1 )に対して実質的に平行な長軸を有した複数の固定平板フォイルを有したものとして図示されている)と発電機回転子(93)とが連結され互いに一体化されていることにより、シャフト(99)が回転する必要はない。このような介在回転シャフトを『不要としたこと』に伴い、従来技術における回転シャフトに関して発生していた応力や疲労といった問題点が、回避される。よって、図7に示す構成においては、シャフト(99)を、空気力学的ロータ(90)と発電機回転子(93)との間のトーション(捻り力)伝達機構として使用する必要がない。
【0086】
『通常の』状況下で動作しているシステム(79)においては、風速が変化することにより、発電機(95)は、変動電圧かつ変動周波数の電力を生成する。このような変動を有した電力は、回路(108)によって従来と同様にして制御されかつ変換され、これにより、標準的な使用電圧および周波数の電力が得られ、この電力が、矢印(110)によって示すように、従来のユーティリティグリッドへと供給される。先に指摘したように、修正済み電力の他の種類の『受領者』に対して電力を供給するために、変換を行うこともできる。回路(108)の特定構成および回路(108)内において使用される構成要素は、周知の多数の従来構成の中の任意のもの(すなわち、例えば工業用モータのために設置される可変速度のパワーエレクトロニクス駆動機構において頻繁に見受けられる特性を有した構成)とすることができる。したがって、この回路の詳細についてはこれ以上説明はしないこととする。
【0087】
図8Aは、図7に示すロータ−発電機一体型システム(79)をやや詳細に示している。この図においては、ロータ構造(80)は、内部の構成と特徴点とを図示するために開放状態で図示されている。この場合、固定子(97)が、発電機回転子(93)内において回転子に対して対向している様子が明瞭である。風(W)の通過経路が、矢印(W1,W2)によって示されている。ここで、矢印(W1 )は、空力フォイル(96)を通っての径方向外向きの流れを示しており、矢印(W2 )は、バックドア構造(91)を通っての長さ方向の『脱出』流を示している。(図5Aにおける上段の下段の図示、および、図5Bの図示も参照されたい。)バックドア構造(91)の構成および作用について、以下詳細に説明する。
【0088】
固定シャフト(99)上においてロータ構造(80)の全体を回転可能に支持している軸受機構(112)が示されている(図8A,8B参照)。発電機の固定子(97)は、例えば溶接箇所(114)によって、シャフト(99)上に固定されている様子が図示されている。
【0089】
図5B,7,8Aに関連して説明する実施形態においては、固定子は、発電機回転子内に受領されて回転子に対して対向配置されるものとして図示されている。図5Bにおける破線(97A,97B)は、代替可能な2つの発電機構成を示している。特に、破線(97A)(2つの破線矩形ブロック)は、固定子が回転子(93)を覆っている発電機を示しており、破線(97B)(他の2つの破線矩形ブロック)は、固定子が、図5Bの回転子(93)の外方右側において回転子(93)からわずかに離間して側方に配置されている発電機を示している。
【0090】
図8Cは、ロータ−発電機一体型システムの他の実施形態(132)を示している。このシステム(132)は、空気力学的ロータと発電機回転子との軸方向相対位置関係が入れ替わっていることを除いては、図8Aのロータ−発電機一体型システムと同じである。システム(132)は、前方側の回転子部(134)(すなわち、風に対しての直接係合が可能なように前方側に配置されている)と周縁部に位置する固定子部(135)とを有してなる発電機を備えている。発電機の『中空』回転子の後面側周縁環状部に対して、周縁においてリムとリムとを結合させるという態様でもって、フープ形状の空気力学的ロータ(136)が連結されている。発電機の回転子部(134)と空気力学的ロータ(136)とは、固定支持シャフト(137)によって支持されている。固定支持シャフトは、地面に対する支持構造(138)によって、風(W)の向きとほぼ平行な向きで保持されている。平面(P2 )を形成している『風圧逃がし』用のバックドア構造が、全体的に符号(139)によって示されている。
【0091】
図9Aおよび図9Bは、フープタイプまたはかご型タイプのロータに代えてプロペラタイプの空気力学的ロータが使用されている点を除いては、図8Aおよび図8Bと同様である。図9Aは、ロータ−発電機一体型システム(140)の側面図を示している。プロペラタイプの空気力学的ロータ(142)は、複数のブレード(142a)を有している。これらブレードは、直接駆動型発電機の回転子(143)に対して連結されている。これらブレードは、例えば溶接によって(溶接箇所が符号(141)によって示されている)、発電機回転子の前方側周縁部に対して連結されている。ブレードは、図示のように、中央回転ハブ(145)から径方向外方に延出されており、やってくる風(W)を受領して応答することができるようになっている。当然のことながら、この応答によって、ロータ(142)が回転軸(A1 )回りに回転し、その結果、ロータ(142)と発電機回転子とが直接連結されていることにより、発電機回転子が同様に回転することとなる。空気力学的ロータと発電機回転子とは、一緒に回転する、つまり、一体物として回転する。
【0092】
上述したいくつかの固定シャフトと同等の非回転固定シャフト(148)は、ロータ−発電機一体型システム(140)を支持するように機能する。しかしながら、シャフト(148)は、トルクを伝達する必要はなく、また、軸(A1 )回りに回転する必要もない。地面に対する主支持構造(150)は、風(W)の向きの変化に応じて、主支持軸(A2 )回りにロータ−発電機一体型システム(140)を回転可能としている。上記システムに関して既に説明したように、発電機(144)によって生成される電力は、パワーエレクトロニクス制御回路(152)によって制御され変換され、その後、グリッドに対して供給される(矢印(153))。
【0093】
図9Bは、ロータ−発電機一体型システム(140)を示す正面図である。
【0094】
図9Cは、ファンブレードタイプのロータ−発電機一体型システムの変形例(156)を示している。ロータ−発電機一体型システム(156)は、例えばブレード(158)といったような径方向外方に延出されているものの中央ハブに対しては連結されていないファンブレードを有した空気力学的ロータを備えている。ブレード(158)は、例えば符号(159)で示すような場所における溶接によって、発電機(161)の一部を形成するかご型タイプの回転子(160)の前方側周縁部に対して、直接的に連結されている。回転子(160)は、軸(A1 )回りに回転する。
【0095】
よって、図9Cに示す実施形態においては、回転シャフトを設ける必要がない。
【0096】
かご型タイプのロータやプロペラタイプのロータに関連して上述したのと同じ原理は、多数の他のタイプの空気力学的ロータに対しても適用可能である。例えば、ロータ−発電機一体型の鉛直方向軸を有したシステムは、直接駆動型の発電機回転子と、公知の鉛直方向軸を有した空気力学的ロータと、を一体化することによって構成することができる。公知の鉛直方向軸を有した空気力学的ロータには、(1)米国特許明細書第1,766,765号および米国特許明細書第4,838,757号に記載されているような Savonius タイプのロータ、および、(2)米国特許明細書第1,835,018号および米国特許明細書第4,449,053号に記載されているような Darrieus タイプのロータ、がある。これら4つの特許文献は、参考のためここに組み込まれる。
【0097】
次に、図10を参照すると、符号(168)によって、風向ベーン構造が示されている。この風向ベーン構造は、ロータ−発電機一体型システム(170)の空気力学的ロータ(172)の回転軸(A1 )の、軸(A2 )回りにおける、風(W)の向きに応じた能動的配向制御をもたらすために使用されている。システム(170)は、多くの点において、上述したシステム(79)と同じ構成とされている。システム(170)には、上記風向ベーン構造の少なくとも一部を形成するために、ロータ−発電機一体型システム(170)の後方側に延出された長尺風向ベーン(176)が設けられている。より詳細には、風向ベーン(176)は、風(W)の向きの変化に応答して発電機(175)の固定子(174)と一体的に主支持軸(A2 )回りに回転可能であるようにして、適切に固定されている。発電機回転子は、符号(177)により示されている。このような風向きに応じたシャフト応答は、非回転固定シャフト(178)を、軸(A2 )回りに回転させ、その結果、風(W)が、空気力学的ロータ(172)の前方開放端面(180)に向けて最適な向きで導かれて開放端面内に流入するようになっている。そのような『風向き探索』性能は、当然のことながら、軸(A2 )に関しての、空気力学的ロータ−発電機一体型構造とは反対側における、図10の組合せ構造の『中心合わせ作用』(側方作用)によるものと考えられる。
【0098】
使用されている特定の発電機構成を容易に他の一般的回転子/固定子構成に変更できるという上記考えを押し進め、さらに、そのような構成に関するすべての詳細が従来的に実施できることを考慮すれば、空気力学的ロータに対して容易に直接連結できるとともに例えばシャフト(55,65,68,99,137,148,178)といったような好ましくは固定非回転シャフト上に容易に設置できる限りにおいては、多くの様々な回転子/固定子構成を使用することができることは、明瞭である。
【0099】
本発明の実施に際して適切な発電機として様々な多くの特定の構成を使用できるにもかかわらず、図11,12,13,14,15A,15B,15Cは、いくつかの想定される構成例(全体構成のいくつかの可能性、および、いくつかの内部詳細)を示している。
【0100】
図11および図12は、例えば、図5A(すべての図),5B,7,8A,8C,9A,10に関して例示し説明したようなロータ−発電機一体型システムにおいて使用可能な発電機回転子(186)の1つの好ましい構成を示している。上述したように、このような発電機回転子は、関連する空気力学的ロータに対して直接的に連結され、その空気力学的ロータと共に一体化アセンブリとして回転する。好ましくは、これら空気力学的ロータと回転子とのそれぞれの公称直径は、実質的に互いに同じとされる。発電機回転子と空気力学的ロータとの双方は、そのような構成のもとで、最適効率でまたは最適効率近傍で、動作する。増速機は、不要である。
【0101】
図11に示すように、回転子(186)は、適切な磁性スチールから形成されたリング状外側リム(188)を備えている。このリム(188)は、回転子(186)をなす他の構成要素に対する構造的支持をもたらすとともに、これに加えて、適切に結合される磁束経路を提供する。内側リング(190)は、外側リム(188)に対して接合されている。内側リング(190)は、例えばセグメント(192)といったような互いに離間された複数の永久磁石セグメントの形態とされている。従来の通り、複数のセグメント(192)は、N−S極性を交互に位置させつつ周状に配置されている(図12における部分拡大図を参照されたい)。記号(Rr )は、回転子(186)の内径である。
【0102】
図13,14は、それぞれ図11,12に対応するものであり、回転子(186)と、この回転子の内側に配置された非回転リング状固定子(194)と、を示している。回転子(186)の内径(Rr )は、固定子(194)の外径(Rs )よりもわずかに大きいものとされている。これにより、通常必要とされるエアギャップ(198)が形成されている。回転子(186)と固定子(194)とは、軸(A1 )を共通の中心とした同心状の同軸リング対を形成している。この構成が、本発明による好ましい実施形態の全体構成に対して『うまく適合する』ことは明らかである。ここに例示した固定子(194)は、互いに接合された外側リング状構造(200)と内側リング状構造(206)とを備えている。外側リング構造(200)は、適切な磁性スチールの積層から形成されているとともに、例えばスロットまたはポケット(202)といったような複数のスロットまたはポケットを有している。これらスロット内には、例えば巻線(204)といったような適切な固定子巻線が実装される。
【0103】
図11〜図14において例示し説明したものも含めて発電機構造は、当業者であれば理解されるように、単相機械としてまた複数相機械として動作するように構成することができる。
【0104】
図15A〜図15Cは、非常に一般的に複数の追加の代替可能な発電機構成を示している。図15Aは、ロータ−発電機一体型システム(220)に関する概略的な断面図において、図5Bにおける破線(97A)を参照して上述した代替構成を示している。ここで、空気力学的ロータ(222)は、関連する発電機回転子(224)に対して連結されている。固定子(226)は、回転子(224)の周縁よりも外側に配置されている。動作時には、空気力学的ロータ(222)と回転子(224)とは、やってくる風(W)に応答して、一体ユニットとして軸(A1 )回りに回転する。
【0105】
図15Bおよび図15Cは、回転子と固定子との相対配置を含むロータ−発電機一体型システムのさらに他の2つの例を示している。図15Bにおいては、かご型タイプの空気力学的ロータ(232)に対して発電機回転子(234)を直結した構成が示されている。ここでは、上述したような軸方向にやや長尺の円筒形回転子とは異なり、回転子(234)は、フラット(平板状、パンケーキ状)な環状ディスクの形態とされている。関連する固定子(236)も、また、フラット(平板状、パンケーキ状)な環状ディスクの形態とされている。固定子は、回転子(234)に対して、(図15Bにおいては、回転子の右側において)離間した対向状態で配置されている。
【0106】
同様に、図15Cにおいては、かご型タイプの空気力学的ロータ(242)に対して、フラット(平板状、パンケーキ状)な環状ディスクの形態とされた発電機回転子(244)を直結した構成が示されている。回転子(244)は、互いに離間しているとともに協働的に作用する2つの固定子要素(246,248)の間に挟まれている。
【0107】
ここで注意が必要なこととして上記構成の変形について説明するならば、また、構成に関する他の残された変形余地をなくすために説明するならば、全体的に円筒形の側壁を有した『かご型タイプ』の回転子という説明は、側壁が完全な円筒形をなすことに限定するものではない。そのような『かご型』側壁は、例えば円錐台形状や外方に凸である膨出形状や内方に凸である凹み形状や周状にセグメント化された構成等といったような他の様々な形状とすることができる。
【0108】
図16〜図25は、フープタイプまたはかご型タイプの空気力学的ロータにおける重要な特徴点に関して本発明の実施形態を示している。図6Aに図示された空気力学的ロータを参照して、本発明のその重要な特徴点を説明する。図6Aを参照すれば、風(W)は、前方側開放端面(92)から流入しバックパネルドアアセンブリ(91)に突き当たる。バックパネルドアアセンブリ(91)は、空力フォイル(96)どうしの間を通ってロータ(90)の周縁から外方へと風の流れを導くように(記号(W1 )を参照されたい)、うまく機能する。当然のことながら、空力フォイルが風から運動エネルギーを抽出しそれを機械的エネルギーに変換して空気力学的ロータと回転子との一体ユニットを回転させるのことを可能とするのは、そのような風の流れである。
【0109】
通常的に予想される程度の風速においては、バックパネルドアアセンブリ(91)は、ほぼ閉塞されているあるいは完全に閉塞されていることが望ましい。しかしながら、例えば台風といったように極度に大きな風速の場合には、システムは、即座に応答して風力を逃がすということをしなければ、そのような大きな風速に耐えることができず例えばロータやその支持システムの破壊といったように破壊してしまいかねない。したがって、バックドアシステムを、風力に応じてバックパネルを開放できるものとして構成することは、重要である。
【0110】
図16は、他のバックパネルドアアセンブリ(270)を非常に概略的に示している。このアセンブリ(270)は、全体的に円形のバックパネル(272)を備えている。バックパネル(272)には、例えば4つの開口が符号(272a,272b,272c,272d)によって示されているような複数の開口(図16に示す構造においては、8個の開口)が形成され、例えば4つのバックドア部材が符号(274a,274b,274c,274d)によって示されているような複数のバックドア部材が設置されている。パネル(272)の開口は、軸(A1 )に関する周方向において実質的に等間隔環状に配置されており、いささかパイ形状とされている。ドア部材は、好ましくは、全体的にディスク形状とされた単一のブランク(280)として(放射状の花びらのような形状で)形成され(図17参照)、例えばファイバガラスや金属やプラスチックやゴム等といったような材料から形成される。(上記ドア部材をなす)ブランク(280)およびブランクを構成している各『花びら』は、軸方向に対称にハブ(276)の近傍において適切に固定されており、パネル(272)に対して隣接して配置される。
【0111】
ブランク(280)の『通常』状態においては、それぞれのドア部材は、パネル(272)のそれぞれ対応する開口を実質的に閉塞する(風の通過を遮断する)。所定(予め選択された)レベル以上に風圧が上がったときにはこれに応答して、ドア部材は、例えばパネル(274a)に関しては軸(278)といったようにそれぞれの軸に沿って応答的に曲がるまたは回転するまたは揺動する。これにより、パネル(272)内の開口(272a)といったような関連する開口が開放され、システムを軸方向に通過させることによって風を逃がすことができ、『過度の風速』状況における破壊的損傷を防止することができる。そのような回転/揺動/開放動作は、当然のことながら、ブランク(280)に設けられた一体型『リビングヒンジ(living hinge)』を介することによって効果的に行われる。
【0112】
上記説明から明らかなことは、バックパネルドアアセンブリ(270)が、極めて単純であるということである。特に、米国特許明細書第5,425,619号に開示されているようなバックドアシステムと比較して、極めて単純であるということである。
【0113】
バックパネルドアアセンブリに関して、様々な変形が可能である。例えば、図16において示唆されているように、ドア部材の回転軸を、記号(B)によって示すように径方向軸に変更することができ、また、記号(C)によって示すように外周縁近傍における接線方向軸に変更することができる。また、複数のドア部材を有した他のブランクとして、他のスプリング係数を有したものを使用することができる、すなわち、風力の関数としての他の開放プロファイルを有したものを使用することができる。
【0114】
図18Aは、バックドア部材(274a)の概略的な断面図を示している。この場合には、部材(274a)は、径方向の長さ全体にわたって一様な厚さを有するものとして示されている。部材(274a)の厚さは、少なくとも部分的には、風力に応じた所望のヒンジ性能または曲げ性能が得られるように、選択される。これに代えて、場合によっては、長さ方向に沿ってバックドア部材のフレキシブルさを場所ごとに変化させることが有利である。図18Bに示すように、例えば符号(275a,275b)によって示されている硬化層といったような複数の硬化層を、バックドア部材(274a)に対して取り付けることができる。これにより、そのような場所ごとに変化するフレキシブルさのプロファイルが得られる。硬化層は、また、バックドア部材の振動を減衰させるに際しても有効である。長さ方向に沿っての部材(274a)のフレキシブルさの制御は、図18Cに示すように、部材の厚さを漸次的に変化させることによっても得ることができる。
【0115】
図19は、空気力学的ロータ(282)上に取り付けられるバックドア部材シート(281)を概略的に示す断面図である。バックドア部材シート(281)は、過度の風速状況に応答して、中央ハブ部材(283)の凸状表面に案内されつつ後方側に曲がる。この場合、中央ハブ部材(283)は、シートの曲げ応答に対しての制御をもたらす。
【0116】
大きな風速下における機械的損傷や故障を防止することに加えて、本発明によるシステムにおいて使用するために提案されたバックドア構造は、また、風速変動に基づくタービン回転速度の変動を低減するために使用することができる。これは、関連する発電機から出力される電圧および周波数の変動を低減するという望ましい結果をもたらすことができる。
【0117】
図20は、風力(F)の関数としてバックドア開口面積(A)をプロットしたグラフを示している。このグラフは、風速が小さい領域においては、バックドア開口の変化が比較的小さいことを示している。しかしながら、しきい値(X)を超えた風速の大きな領域においては、比較的小さな風速変動であっても、バックドア開口度合い(A)は、大きく変化する。
【0118】
図21A〜図23Bは、フープタイプの空気力学的ロータに対しての他のタイプのバックドアシステムであって、スライドスクリーン構成を使用しているバックドアシステムを示している。図21Aに示すように、バックドアアセンブリ(300)は、2つのスライドスクリーンを使用している。特に、例えば開口(304)といったような4つの開口が形成された前方スクリーン(302)と、例えば開口(308)といったような開口が形成された後方スクリーン(306)(破線)と、を使用している。後方スクリーン(306)の開口(308)は、前方スクリーン(302)の開口(304)よりもわずかに大きい。このバックドアシステムに関連して設置された風力センサ(310)が風力を検出し、得られた風力データを、アクチュエータ(312)に対して伝達する。アクチュエータ(312)は、望ましいバックドア開口度合いを決定し、前方スクリーン(302)または後方スクリーン(306)のいずれかを相対回転させる。図21Aにおいては、前方スクリーン(302)の開口(304)を後方スクリーン(306)の開口(308)と一致させることにより、最大のバックドア開放状態が得られている。
【0119】
図21Bは、バックドアシステム(300)をなす前方スクリーン(302)と後方スクリーン(306)とを示す側面図である。
【0120】
図22A〜図23Bは、異なる2つのスライドスクリーン式バックドアシステムの開状態と閉状態とを概略的に示している。図22Aにおいては、すべてのバックドア開口が閉塞されるように、前方スクリーン(320)と後方スクリーン(322)とが調節されている。これに対し、図22Bにおいては、前方スクリーン(320)と後方スクリーン(322)とを相対的に回転させることにより、バックドア開口(324)が、最大に開放されている。
【0121】
図23A、23Bは、3個のスライドスクリーンからなるスライド式バックドアシステムを示している。このスライド式バックドアシステムは、最大開放状態においてバックドア開口の開放度合いを、より大きなものとすることができる。図23Aにおいては、前方スクリーン(330)と中央スクリーン(332)と後方スクリーン(334)とは、それぞれ、バックドア開口(336)が閉塞されるような回転位置とされている。図23Bにおいては、これら3つのスクリーンは、最大開放状態で示されている。すなわち、前方スクリーン(330)と中央スクリーン(332)と後方スクリーン(334)とは、開口(336)の面積を最大化させるよう、互いに位置合わせされている。図23A、23Bは、スライドスクリーンの数を増加させることによって、スライドスクリーンタイプのバックドア構成におけるバックドア開口の開放度合いを増大させ得ることを示している。
【0122】
図24は、応答性の(すなわち、風に対して直接的に応答可能な)スライドスクリーンタイプのバックドア構造の可能性を非常に概略的に示している。ここでは、例えば開口(342)といったような複数の開口を有したスクリーン部材(340)と、比較的偏向可能なまたは回転可能な第2スクリーン部材(344)と、が示されている。第2スクリーン部材(344)は、例えば部材(344a)といったような部材を有している。この部材(344a)は、開口(342)を閉塞したりまた可変的に開口したりし得るよう、偏向的に(図24における下側)および回転的に(図24における左側)調節することができる。図において実線で示す部材(344a)は、開口(342)をほぼ閉塞した状態を示している。符号(344b)によって破線で示すこの部材(344a)は、より完全に開口(342)を開放した状態を示している。風(W)による風圧は、部材(344a)を、スクリーン部材(340)の面(340a)の後方部分(図24における下側)にまたは後方部材分近傍に取り付けられた適切なカム構造(346)がなす傾斜カム壁(346a)に沿って(例えば)『駆動』する。関連する機械分野の当業者であれば、この一般的『概略的』説明により、このような『カムを利用した』風力応答性タイプのバックドア構造の使用方法を理解されるであろう。
【0123】
他のタイプのバックドアシステムが、図25に示されている。ここでは、小さな中央開口(354)と径方向スリット(356)とを有した弾性シート材料(352)から形成されたバックドアシステム(350)が示されている。弾性シート(352)は、このシートの外周エッジ(358)の近傍において適切にクランプされている。バックドアシステム(350)に風圧がかかると、シート(352)をなす個々のセグメントが、元々の平面から曲がって後方に弾性変形し、全体として、中央開口の寸法を効果的に増大させる。これにより、過度の風力エネルギーを、可変的に逃がすことができる。
【0124】
図26〜図29は、上記システム構造とは若干相異する本発明によるロータ−発電機一体型システムを全体的に符号(360)によって示している。このシステム(360)は、例えばフォイル(364)といったような複数の空力フォイルを有したかご型タイプの空気力学的ロータ(362)と、パンケーキ状の発電機(368)と、を備えており、発電機(368)は、空気力学的ロータに対して直結された回転子(366)と、固定子(370)と、を有している。
【0125】
図29は、分解図であって、空気力学的ロータ(362)の前方支持リング(362a)および後方支持リング(362b)と、空力フォイル(364)と、上記発電機(368)を構成する(軸方向に)非常に薄いリング状の各構成部材と、を示している。空気力学的ロータと発電機とからなる一体型アセンブリは、回転シャフトの存在を必要とすることなく、固定シャフト(372)上に支持されている。固定シャフト(372)は、L字形状の支持アーム(374)に対して適切に固定されている。L字形状支持アーム(374)は、一部を符号(376)によって示す直立支持構造の上部に支持されている。この構造には、さらに、任意の適切な構成とされた調節可能なバックドアアセンブリ(378)が設けられている。
【0126】
特に図28からわかるように、アーム(374)と空気力学的ロータ−発電機一体型構造との間の直接支持連結点(P)は、明らかに、ロータ−発電機一体型構造の軸方向の一方側(図28においては右側)に位置している。また、この図からわかるように、上記の種類の風力作用の中心(すなわち、側方風力作用)は、図28において記号(WA)により示されている。この作用中心は、直立軸(A2 )に関して、図28において左側に位置している構造の風受け面とは反対側に位置している。
【0127】
図30は、本発明によるシステム(380)を示しており、このシステムは、図26〜図29に示したものと全く同じロータ−発電機一体型構造を備えている。このロータ−発電機一体型構造は、わずかに曲がった支持アーム(384)の上部に固定されている固定シャフト(382)によって支持されている。わずかに曲がった支持アーム(384)は、直立支持構造(386)の上部に支持されている。
【0128】
(図示のように)上方に延出されたテール状の風向ベーン(388)が、設けられている。この風向ベーン(388)は、上述したような風向探索機能を、構造(380)に対して付与する。
【0129】
システム(360,380)に関して特に注意しておくべきことは、空気力学的ロータとパンケーキ状発電機を含んだアセンブリ全体の軸方向合計長さが、発電機の軸方向合計寸法よりも、かなり大きいことである。これは、図28,30の場合に顕著である。
【0130】
図31〜図33においては、非常に簡略化された流線形乗物の3つの形態(各図につき1つずつ)を、それぞれ符号(400,402,404)によって示している。乗物(400)は、地上移動乗物を示しており、乗物(402)は、水上移動乗物を示しており、乗物(404)は、空中移動乗物を示している。乗物(400,402,404)には、それぞれ駆動エネルギーシステム(400P,402P,404P)が設置されている。これら駆動エネルギーシステムは、本発明における適切な逆変換性能特性(上述)に従って構成されている。流体推進システムとも称すことができる各駆動エネルギーシステムは、電力を空力エネルギーへと変換することによって、乗物(400,402,404)に対しての前方推進力(図3〜図33における左側への推進力)をもたらす。
【0131】
システム(400P)内の基本構成要素に関する簡単な説明は、システム(402P,404P)における同様の構成要素の説明としても当てはまる。すなわち、システム(400P)は、磁界結合固定子および相対回転可能な回転子(上述の発電機における固定子および回転子と同様のもの)を有した電磁気的主要駆動源(406)と、この主要駆動源を駆動可能に適切に連結された流体推進ロータ(408)と、を備えている。
【0132】
風力タービンに関して主に例示してきた本発明は、上述の通り、多くの他の応用を有している。ロータ−発電機一体型構造は、有利には、発電用風力タービンのすべてのサイズおよびエネルギー規格でもって、使用することができる。加えて、本発明は、流体流を機械的回転力へとさらには電力へと変換するために有効なものとして、より一般的に捉えることができる。例えば、ロータ−発電機一体型構造は、水中応用に対して、また、液体応用に対して、適用することができる。本発明は、また、風力タービンを例にとって上述したように、『逆変換的に』適用することができる。より詳細には、本発明によるシステムは、流体搬送のためのまた乗物推進応用における使用のための電動ファンといったような、電力から流体エネルギーへの変換のために使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 1つのタイプの従来型風力タービン発電システムの各構成要素を概略的に示すブロック図である。
【図2】 従来システムにおける従来型のプロペラタイプ(ファンタイプ)の空気力学的ロータだけを単独で概略的に示す側面図である。
【図3】 従来システムにおける従来型のプロペラタイプ(ファンタイプ)の空気力学的ロータだけを単独で概略的に示す正面図である。
【図4】 直接駆動型発電機を使用した従来型風力タービン発電システムを概略的に示すブロック図である。
【図5】 図5Aは、予め全体的に開示して比較する目的のために、本発明による新規な風力タービンシステムの一部をなす互いに異なる3つの好ましい構造態様(実施形態)(それぞれ、上段、中段、下段において示されている)を概略的に示すブロック図であり、これらを『可逆的変換操作』という観点から考慮した場合、これらは、電力を流体エネルギーへと変換する一体型システムのいくつかの例示として機能し、よって、これら実施形態の各々は、環状のエネルギー伝達かつエネルギー変換システムと称され、また、図5Bは、図5Aにおいて上段で示す実施形態の一部をやや詳細に示す図であり、このシステムは、詳細な説明中において参照される複数の軸や角度や方向に関しての参照を与えており、また、(a)回転構造から軸方向に離れたところにおける回転構造の直接的な支持をもたらす実質的に鉛直方向に延在した支持ポストと、(b)このポストの上端部近傍に固定された全体的に水平方向に延在する長尺固定シャフトと、(c)このシャフト上に回転要素を取り付けるための適切なベアリングすなわち軸受機構と、を備えてなる回転要素支持機構をなす基本的各構成要素を示している。
【図6】 図6Aは、周縁空力フォイルを備えるとともにバックドア構造を使用した『かご型』または『フープタイプ』の空気力学的ロータだけを単独で(すなわち、付随発電機の各構成要素も物理的機械的支持構造も図示されていない)示す斜視図であり、図6Bは、図6Aに示すロータの軸方向中央部(の風を向く面)において使用することができる空気力学的ノーズコーンを部分的に簡略化して示す側面図であり、図6Cおよび図6Dは、図6Aに示すようなロータを非常に簡略化して軸方向から見た図であって、図6Cは、16個の空力フォイルすなわち翼(ベーン)を使用したそのようなロータを示しており、図6Dは、18個の空力フォイルすなわち翼(ベーン)を使用したそのようなロータを示しており、図6E1 は、本発明の変形例の一部を簡略化して示す側面図であって、全体的に円錐台形状とされることによってかご状ロータとしても機能しかつファン状ロータとしても機能するハイブリッド型空気力学的ロータが、(回転シャフトを一切介在させることなく)軸方向に非常に薄いパンケーキ状の発電機内の回転子に対して連結(直結)されてなる回転構造の構成を示しており、ここに図示した空気力学的ロータにおいては、空力フォイルベーンが、(1)空気流エネルギーを獲得して抽出するためのデバイスと(2)バックドア風圧を軽減するためのデバイスとの双方として機能する二重機能性をもたらしており、図6E2 は、図6E1 を左側から軸方向に一部を見た図であって、左右に分割されて図示されており、左側および右側は、空力フォイルベーンのための互いに異なる2つの関節結合取付を概略的に示しており、これら取付は、風力エネルギー抽出と風力エネルギーの『バックドア』バイパス制御との双方の機能をベーンが同時に発揮することを可能とするものであり、図6E3 は、本発明による他のタイプのかご型状およびファン状のハイブリッド型空気力学的ロータを軸方向から見た概略的な図であり、図6E4 は、図6E3 を右側面から見た(ごく一部を拡大して)示す概略的な図であり、図6E3 および図6E4 においては、長尺空力フォイルのある種の『角度』特徴が誇張して示されている。
【図7】 本発明によるロータ−発電機一体型システムのある種の特徴点を概略的に示す図である。
【図8】 図8Aは、本発明によるロータ−発電機一体型システムの一部を図7よりも詳細に示す側面図であり、図8Bは、図8Aに示すシステムの正面図であり、図8Cは、図8Aと同様に、本発明の代替可能な実施形態によるロータ−発電機一体型システムの一部を示す側面図である。
【図9】 図9Aは、本発明の1つの変形例によるシステムの一部を概略的に示す側面図であり、この変形例においては、プロペラタイプ(ファンブレードタイプ)の空気力学的ロータを備えたロータ−発電機一体型システムを使用しており、図9Bは、図9Aに示すシステムの正面図であり、図9Cは、本発明の他の実施形態によるロータ−発電機一体型システムを示す正面図である。
【図10】 ロータ−発電機一体型システムの一部を簡略化して概略的に示す側面図であって、接近しつつある風に向けて空気力学的ロータ(1つのかご型タイプのものが図示されている)を導くための風向ベーンを備えている。
【図11】 本発明の一実施形態において使用される回転子の一部を示す断面図である。
【図12】 図11に示す回転子の一部を拡大して示す断面図である。
【図13】 本発明の一実施形態において使用される回転子と固定子との好ましい構成の一部を示す断面図である。
【図14】 本発明の一実施形態において使用される回転子と固定子との好ましい構成の一部を拡大して示す断面図である。
【図15】 図15A〜図15Cは、本発明による回転子と固定子との代替可能な構成を使用したロータ−発電機一体型システムを簡略化して概略的に示す側面図である。
【図16】 本発明の好ましい実施形態によるフープタイプの空気力学的ロータ内におけるバックドアシステムを簡略化して示す正面図である。
【図17】 図16に示すシステムにおいて使用されているバックドア部材の一体アレイだけを簡略化して示す正面図である。
【図18】 図18Aは、図16に示すシステム内におけるバックドア部材の一部を簡略化して示す側断面図であり、図18Bおよび図18Cは、代替可能なバックドア部材の一部を簡略化して示す側断面図である。
【図19】 (図面の右側からくる)風力に対して応答するバックドアシステムを簡略化して概略的に示す側面図である。
【図20】 バックドア開口の開放度合いと風力との間の関係を示すグラフである。
【図21】 図21Aは、本発明による代替可能な実施形態に基づく、スライドスクリーンを使用したバックドアシステムを概略的に示すブロック図であり、図21Bは、図21Aに示すバックドアシステムにおいて使用されるバックドア構造を示す側面図である。
【図22】 図22Aは、2層型スライドスクリーン式バックドアシステムの閉状態を簡略化して示す側面図であり、図22Bは、同じバックドアシステムの開状態を簡略化して示す側面図である。
【図23】 図23Aは、3層型スライドスクリーン式バックドアシステムの閉状態を簡略化して示す側面図であり、図23Bは、同じバックドアシステムの開状態を簡略化して示す側面図である。
【図24】 本発明の代替可能な実施形態による応答性スライドスクリーン式バックドアシステム(互いに異なるドア開放状態が実線と破線とでそれぞれ示されている)の一部を簡略化して示す断面図である。
【図25】 本発明によるフープタイプの空気力学的ロータにおいて使用されている他のバックドアシステムを簡略化して示す正面図である。
【図26】 本発明の特徴を有したさらに他の変形例をなす風力タービンシステムをほぼ単独で示す正面から見た斜視図であり、図6Aにおけるスケールとほぼ同じスケールで図示されている。
【図27】 図26のシステムを背面から見た斜視図である。
【図28】 図26のシステムを右側から見た側面図である。
【図29】 図26〜図28に示すシステムにおいて使用されているロータ−発電機一体型システムを構成する様々な部材を示し簡略化した分解斜視図である。
【図30】 図28に示すシステムと同様の図示であるものの、(a)変形されたロータ支持構造と(b)図10の風向ベーンと同じ機能を有している変形された風向ベーンとが示されている点において相違している。
【図31】 本発明による『逆変換性能』実施形態を使用した地上移動乗物を簡略化して概略的に示す側面図である。
【図32】 本発明による『逆変換性能』実施形態を使用した水上移動乗物を簡略化して概略的に示す側面図である。
【図33】 本発明による『逆変換性能』実施形態を使用した空中移動乗物を簡略化して概略的に示す側面図である。
【符号の説明】
50 ロータ−発電機一体型システム
52 空気力学的ロータ
54 回転子
55 発電機
56 固定シャフト
57 回転軸
58 固定子
60 ロータ−発電機一体型システム
61 空気力学的ロータ
61a ブレード
62 回転子
63 発電機
64 回転軸
65 固定シャフト
66 固定子
67 空気力学的ロータ
68 回転シャフト
69 発電機
69a 回転子
69b 固定子
79 風力タービン
80 空気力学的ロータ
82 地面
83 支持構造、直立支持構造
90 空気力学的ロータ
91 バックドア構造
92 開放前面
93 回転子
94 後面
95 発電機
96 空力フォイル
96a 長軸
96b 長軸
96c 長軸
97 固定子
99 固定支持シャフト
100 空気力学的ノーズコーン
108 パワーエレクトロニクス制御構造
112 軸受機構
132 ロータ−発電機一体型システム
134 回転子部
135 固定子部
136 空気力学的ロータ
137 固定支持シャフト
138 地面に対する支持構造
139 バックドア構造
140 ロータ−発電機一体型システム
142 空気力学的ロータ
142a ブレード
143 回転子
144 発電機
148 非回転固定シャフト
150 地面に対する主支持構造
152 パワーエレクトロニクス制御回路
156 ロータ−発電機一体型システム
158 ブレード
160 回転子
161 発電機
168 風向ベーン構造
170 ロータ−発電機一体型システム
172 空気力学的ロータ
174 固定子
175 発電機
176 長尺風向ベーン
177 回転子
178 非回転固定シャフト
180 前方開放端面
186 回転子
194 固定子
220 ロータ−発電機一体型システム
222 空気力学的ロータ
224 回転子
226 固定子
232 空気力学的ロータ
234 回転子
236 固定子
242 空気力学的ロータ
244 回転子
246 固定子要素
248 固定子要素
270 バックパネルドアアセンブリ
272 バックパネル
272a 開口
272b 開口
272c 開口
272d 開口
274a バックドア部材
274b バックドア部材
274c バックドア部材
274d バックドア部材
281 バックドア部材シート
282 空気力学的ロータ
300 バックドアアセンブリ
302 前方スクリーン
304 開口
306 後方スクリーン
308 開口
310 風力センサ
312 アクチュエータ
340 スクリーン部材
342 開口
344 第2スクリーン部材
346 カム構造
360 ロータ−発電機一体型システム
362 空気力学的ロータ
364 フォイル
366 回転子
368 発電機
370 固定子
372 固定シャフト
378 バックドアアセンブリ
380 空気力学的ロータ−発電機一体型システム
382 固定シャフト
384 支持アーム
386 直立支持構造
388 風向ベーン
400 地上移動乗物
402 水上移動乗物
404 空中移動乗物
400P 駆動エネルギーシステム
402P 駆動エネルギーシステム
404P 駆動エネルギーシステム
406 電磁気的主要駆動源
408 流体推進ロータ

Claims (15)

  1. 風力エネルギーを電力へと変換するためのシステムであって、
    長さ方向軸とこの長さ方向軸に一致した回転軸とを有するとともに、流入する風に応答して前記回転軸回りに回転可能とされた、長尺の一体型回転構造を具備してなり、
    該回転構造が、一端側において、前記風に対して直接的に応答して前記回転構造の回転を引き起こすための回転可能な空気力学的空力フォイルアセンブリと、これに隣接した他端側において、発電アセンブリの一部を形成する電磁気的発電機回転子と、を備え、
    前記回転子が、前記空力フォイルアセンブリと共に一体ユニットをなして回転可能であるよう前記空力フォイルアセンブリに対して連結され、前記空力フォイルアセンブリによって引き起こされた回転に応答して駆動されることにより発電を行い得るようになっており、
    前記空力フォイルアセンブリと前記回転子とが、これらの間に回転連結シャフトを介在させることなく、動作可能に直結され
    前記回転構造が、さらに、(a)前記空力フォイルアセンブリと前記回転子との間に位置し(b)前記回転軸に対して全体的に直交している平面内に位置する可変構成の風障壁構造を備え、
    該風障壁構造が、流入風の風速に応答して可変とされている、つまり、風速が比較的大きい状況は別として風速が比較的小さい状況においては、前記風障壁構造を通しての風の通過に対する障壁をもたらすような構成をとるものとされ、
    前記風障壁構造が、前記回転軸回りに周方向に分散して位置する複数の開口が形成されている全体的に環状のディスク形状部材と、該ディスク状部材に対して動作可能に接続されているとともに前記各開口に対応して配置された各ドアを有してなる位置変化可能なドア構造と、を備え、
    前記各ドアが、それぞれ対応する開口を全体的に閉塞する位置と、風を通過させ得るようそれぞれ対応する開口をより大きく開放する他の位置と、の間にわたって調節可能とされていることを特徴とするシステム。
  2. 請求項1記載のシステムにおいて、
    前記発電アセンブリに対して動作可能に接続された入力サイドと、出力サイドと、を有したパワーエレクトロニクス制御構造を具備し、
    該制御構造が、前記出力サイドにおける電力状況が前記入力サイドにおける電力状況に完全に依存するとともに、前記入力サイドにおける電力状況が前記出力サイドにおける電力状況に全く依存しないようにして、動作するものとされていることを特徴とするシステム。
  3. 請求項記載のシステムにおいて、
    前記各ドアが、前記閉塞位置と前記他の位置との間にわたって連続的に調節可能とされていることを特徴とするシステム。
  4. 請求項記載のシステムにおいて、
    前記風障壁構造が、さらに、前記ディスク形状部材と前記ドア構造との間において動作可能に配置されたカム構造を備え、
    該カム構造は、前記ドアが受ける風速の変化に応答して自動的に前記ドアの位置を調節するように機能することを特徴とするシステム。
  5. 請求項記載のシステムにおいて、
    前記各ドアが、前記風障壁構造がなす平面に対して接近離間する向きに揺動することによって、調節可能とされていることを特徴とするシステム。
  6. 請求項記載のシステムにおいて、
    前記各ドアが、前記ディスク形状部材に対してリビングヒンジを介して連結されることにより前記ディスク形状部材に対して一体化されていることを特徴とするシステム。
  7. 請求項記載のシステムにおいて、
    前記各ドアが、前記風障壁構造がなす平面に対して実質的に平行な平面内において周方向に並進移動することによって、調節可能とされていることを特徴とするシステム。
  8. 風力エネルギーを電力へと変換するためのシステムであって、
    回転軸を有するとともに、流入する風に応答して直接的に回転可能とされた、回転可能な空気力学的空力フォイルアセンブリと、
    (a)流入する風の存在下において(b)前記空力フォイルアセンブリに対しての連結用回転シャフトを必要とすることなく、前記空力フォイルアセンブリと共に一体ユニットをなして回転可能であるよう前記空力フォイルアセンブリに対して連結され、前記空力フォイルアセンブリの回転によって直接的に駆動されるものとされた回転子と、前記空力フォイルアセンブリが回転したときには前記回転子と協働して電力を生成し得るよう前記回転子に対して磁気的に動作可能に接続された固定子と、を備えている発電アセンブリと、
    を具備し、
    前記風障壁構造が、前記回転軸回りに周方向に分散して位置する複数の開口が形成されている全体的に環状のディスク形状部材と、該ディスク状部材に対して動作可能に接続されているとともに前記各開口に対応して配置された各ドアを有してなる位置変化可能なドア構造と、を備え、
    前記各ドアが、それぞれ対応する開口を全体的に閉塞する位置と、風を通過させ得るようそれぞれ対応する開口をより大きく開放する他の位置と、の間にわたって調節可能とされ、
    前記各ドアが、前記閉塞位置と前記他の位置との間にわたって連続的に調節可能とされていることを特徴とするシステム。
  9. 請求項記載のシステムにおいて、
    前記空力フォイルアセンブリと前記回転子とに対して動作可能に連結されるとともに、これら空力フォイルアセンブリと回転子との間における、前記回転軸に対して全体的に直交した平面内に位置する、可変構成の風障壁構造を具備し、
    該風障壁構造が、流入風の風速に応答して可変とされている、つまり、風速が比較的大きい状況は別として風速が比較的小さい状況においては、前記風障壁構造を通しての風の通過に対する障壁をもたらすような構成をとるものとされていることを特徴とするシステム。
  10. 請求項記載のシステムにおいて、
    前記風障壁構造が、さらに、前記ディスク形状部材と前記ドア構造との間において動作可能に配置されたカム構造を備え、
    該カム構造は、前記ドアが受ける風速の変化に応答して自動的に前記ドアの位置を調節するように機能することを特徴とするシステム。
  11. 請求項記載のシステムにおいて、
    前記各ドアが、前記風障壁構造がなす平面に対して接近離間する向きに揺動することによって、調節可能とされていることを特徴とするシステム。
  12. 請求項11記載のシステムにおいて、
    前記各ドアが、前記ディスク形状部材の周縁部というよりも前記回転軸の近傍に位置したヒンジ構造によって前記ディスク形状部材に対してヒンジ結合されていることを特徴とするシステム。
  13. 請求項12記載のシステムにおいて、
    前記各ドアが、前記ディスク形状部材に対してリビングヒンジを介して連結されることにより前記ディスク形状部材に対して一体化されていることを特徴とするシステム
  14. 請求項13記載のシステムにおいて、
    前記各ドアが、前記風障壁構造がなす平面に対して実質的に平行な平面内において周方向に並進移動することによって、調節可能とされていることを特徴とするシステム。
  15. 流体エネルギーから電力への変換システムであって、
    回転軸を有した流体エネルギー獲得用回転可能流体力学的フォイル構造と、
    該流体力学的フォイル構造に隣接して配置されるとともに、相互連結用回転シャフトの存在を必要とすることなく前記回転軸回りに前記流体力学的フォイル構造と一体回転し得るよう前記流体力学的フォイル構造によって駆動され得るようにして前記流体力学的フォイル構造に対して連結された回転子を備えた、発電機と、
    前記流体力学的フォイル構造と前記発電機とを地面上の所定位置に支持し得るよう構成され、前記流体力学的フォイル構造と前記発電機との組合せ体の一方側に位置する支持連結によって前記流体力学的フォイル構造と前記発電機と支持するものとされた、地面上における固定支持構造と、
    を具備し、
    前記回転軸の側方から見たときに、前記流体力学的フォイル構造と前記発電機との前記組合せ体は、前記発電機の軸方向寸法が前記流体力学的フォイル構造の軸方向寸法よりもかなり小さいような軸方向側面プロファイルを有しており、これにより、軸方向長さが比較的小さいものであるように構成されており、
    前記発電機は、前記回転軸に対して実質的に平行であるような磁力線が支配的であるような内部磁界によって動作するように構成されていることを特徴とするシステム。
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