JP4606878B2 - 房水を外科的にバイパスするための装置 - Google Patents

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    • A61F9/00781Apparatus for modifying intraocular pressure, e.g. for glaucoma treatment

Description

緑内障は、房水の排水機構の機能障害が原因で眼圧(IOP)が増大する眼の疾病である。房水は、眼の毛様体の中で形成され、眼の前部に流れ込む。房水は、一般に、前房の内角にある小柱網と呼ばれる組織網を通って流れ、次いで、シュレム管と呼ばれる環状の排水空間に流れ込む。房水は、そのまま排水経路を辿って集水路に入り、最終的には房水静脈を通って静脈系に流れ込む。
開放隅角緑内障では、一般に、房水用の経路が狭まって閉塞し、IOPが増大する結果、神経損傷および視力低下が徐々に進行する。このような病状は、通常は、点眼液の形態の局所薬によって治療されるが、薬物療法の効果がない場合または患者の承諾が問題になる場合は外科的治療が行われる。繊維柱帯切開または繊維柱帯切除などの従来の緑内障手術は、眼を切開し、排水経路の小柱網の部分に新しい穴を空ける処置を伴う。房水は、結膜の下に形成された、ブレブとして知られる貯水場所に導かれる。ブレブは、房水を排除するのに効果的であるが、その複雑さゆえに、過敏および感染を原因とする術後の合併症を非常に高い確率で引き起こす。
新しいタイプの外科的手術は、眼の内部の眼房に穴を空けるのではなく、強膜組織の側から眼の排水システムの治療に取り組むことを目指すものである。これらは、「非穿孔性」手術と称され、眼の排水システムの関連組織にアクセスする目的で、強膜組織を注意深く切開する処置を伴う。深層強膜切除は、このタイプの手術の一つであり、強膜内組織の一部を、ほぼデスメ膜に達するまで取り除くことによって、前房からの房水がブレブに流れるのを容易にする。Viscocanalostomyは、もう一つの非穿孔性手術であり、前房からの房水が外科的に形成された強膜内の湖に流れるのを増大させる。非穿孔性手術は、従来の手術と比べて直接的な合併症は少ないものの、その処置の大部分は、眼組織の外科的切開および高度な外科的技術を必要とする。
緑内障手術の分野では、房水の経路変更を伴う各種のアプローチおよび装置が開示されている。このようなアプローチの一つは、前房内に設けられたチューブを通して、眼の表面に埋め込まれた貯水場所へと房水をシャントする処置を伴う。MendezによるUS 4,428,746、WhiteによるUS 4,554,918、MoltenoによるUS 4,750,901、AhmedによるUS 5,071,408、US 5,441,473、US 5,616,118、US 5,681,275、US 5,785,674、およびUS 6,261,256、BareveldtらによるUS 5,178,604、US 5,397,300、US 5,558,629、およびUS 6,050,970、SpeckmanによるUS 5,338,291、MemmenによるUS 5,370,607、JacobによるUS 5,882,327、ならびにOdrichによる6,41,666を参照せよ。類似のもう一つのアプローチは、前房内に設けられたチューブを通して、眼の表面上にあるブレブへと房水をシャントする技術である。WorstによるUS 5,180,362、SusonによるUS 6,508,779、およびWilcoxによるWO 02/32343を参照せよ。
当該分野で開示されているもう一つのアプローチは、前房から眼の涙液膜へと房水をシャントする技術である。UngerleiderによるUS 4,936,825およびUS 5,372,577、WandelによるUS 5,807,302、ならびにBrownによるUS 6,595,945を参照せよ。
当該分野で開示されているもう一つのアプローチは、前房とシュレム管とを繋ぐ目的で、内柱網を通る房水用シャントを設ける技術である。LynchらによるUS6,450,984、HillによるUS 6,533,768およびWO 01/78656、ならびにGharibらによるUS 2002 0165489を参照せよ。
本発明は、眼の強膜組織の内部に管路(トラクト)を形成するための装置であって、房水が眼静脈に流れるための通路を構成する管路を形成するように成形された細長い本体部分を備える装置を提供する。細長い本体部分は、近位端および遠位端を有する。遠位端は、機械的切断用先端部または組織を焼灼するためのエネルギ源を有して良い。遠位端は、超音波もしくは光干渉トポグラフィなどのメディカルイメージング方法によって見ることができる、あるいは、先端にある光ビーコンによる直接観測のもとで見ることができる。装置は、また、ヒアルロン酸または細胞増殖抑制剤など、トラクトの内部に配するための空間維持材料を含んで良い。これらの空間維持材料は、また、ヒアルロン酸、ニッケル、チタン合金、またはその他の材料で形成されたステント用具を含んで良い。
本発明は、また、房水が眼静脈に流れるための通路を形成するための方法であって、
a)眼の前部にある眼静脈に組織開口を形成するために装置を挿入する工程と、
b)静脈から房水源に至る管路を形成するために装置の向きを調整する工程と、
c)装置を取り除く工程と、
d)静脈と房水源との間の管路を通る流れを維持しつつ組織開口を閉じる工程と
を備える方法を開示する。
方法の別の一実施形態では、通路は、
a)眼の中の組織開口から房水源に装置を挿入する工程と、
b)房水源から眼静脈に至る管路を形成するために装置の向きを調整する工程と、
c)静脈と房水源との間の管路を通る流れを維持しつつ装置を取り除く工程と、
d)組織開口を随意に閉じる工程と
によって形成される。
房水源は、一般に、前房、シュレム管、集水路、またはブレブを含む。
本発明は、前房などの房水源を眼静脈に直接に繋ぐ組織管路を、眼の組織の内部に外科的に形成することによって、房水のシャントまたはバイパスを形成することを可能にする、侵襲性の少ない顕微手術器具および方法を提供する。房水の通常の排出先である房水静脈は、この処置にふさわしい候補であるが、本発明は、これらの特定の脈管に限定されない。更に、静脈からの組織管路は、前房、房水の収集路、シュレム管、または排水用ブレブを含む任意の房水源に繋がれて良い。房水は、静脈系に直接に流れ込むので、通常の房水排出プロセスが回復される。これらの器具および方法は、小柱網、シュレム管、および集水路など、緑内障のメカニズムに結びつく排水システムの解剖学的小構造を、効果的にバイパスする。更に、本発明は、術後における組織の空間および房水の流れの維持を目的として管路に埋め込むことができる用具および材料を開示する。
本発明は、房水のためのバイパスを外科的に形成する器具、材料、および関連の方法を備える。図1は、人間の眼の前部の断面を参照のために示している。本発明は、第1に、生きている対象の眼の表面または内部にある脈の候補4を特定する工程と、第2に、眼の前房1またはシュレム管2などの房水源を静脈に繋ぐ組織管路を強膜3内に形成するために一つまたはそれ以上の器具を眼に挿入する工程と、第3に、管路の開通性および房水の流れを維持するためにインプラントまたは材料を随意に挿入する工程と、最後に、外科的なアクセス部位を必要に応じて閉じる工程とを伴う。これらの器具および材料は、眼の強膜組織の内部に組織管路を作成し、その管路を房水が静脈に流れる通路として機能させるための装置を含む。
人間の眼の排水システムの拡大断面図が、参照のために図2に示されている。バイパス形成に適した候補として、強膜上静脈4が特定される。候補の脈管は、眼の表面付近で見つけることができ、血脈静脈、前毛様体静脈、および強膜上静脈などを非限定的に含む。表面の脈管は、直接的な視覚化およびアクセスが可能であるのに対し、結膜下静脈は、結膜を小さく切開したうえでアクセスする必要がある。集水路5および房水静脈6などの表面下の脈管は、高周波数超音波(HFU)または光干渉トポグラフィ(OCT)などの高解像度のメディカルイメージング方法によって特定することができる。メディカルイメージングの使用は、外科的に最も望ましい位置にある静脈を選択できるという点で好ましい。バイパスに適した候補としては、前房1またはシュレム管2の方に曲がり且つ適切な寸法および最小のねじれを有する脈管を特定することができる。超音波または光学造影剤の使用は、候補の静脈に直接に送られる場合または対象に体系的に送られる場合のいずれも、静脈の特定を容易にすることができる。ドップラー診断は、候補の血管を特定するのに有用である。前房に加えられる圧力の変化も、やはり、房水の排出システムに最も直結する静脈を区別することによって、静脈の特定および選択を容易にすることができる。血液と房水との境界は、場合によっては、強膜下静脈の中に見ることができる。房内の圧力の変化は、この境界を静脈と共に前後に移動させる。圧力の変化は、更に、静脈の見かけの直径(視直径)を変化させることもでき、これは、直接に観察することが可能である。
外科的に形成された組織管路を伴う人間の眼の排水システムの断面図が、参照のために図3および図4に示されている。HFUまたはOCTによるイメージングは、候補の静脈から前房1まで、あるいは、もし必要ならば候補の静脈から集水路、シュレム管2、もしくは既存のブレブまでのように、組織管路7の光学的な配置を決定するために必要とされる。静脈を前房に繋ぐ繋ぎ目9を形成する場合は、前区角の領域および角膜と強膜との接合領域を含む静脈近くの任意の前房領域が使用されて良い。外科医は、イメージング技術を使用して、処置の最中に手術の手順を計画し直したり顕微手術器具8の位置、方向、および配置を確認したりすることができる。方法は、先ず、静脈4にアクセスする段階と、次いで、前房1などの房水源に向けて進入する管路7を形成する段階とを備えて良い。あるいは、方法は、先ず、前房からアクセスする段階と、次いで、表面下の組織を通して静脈にアクセスする段階とを備えて良い。このような方法の利点は、バイパスポイントから180度の位置からスタートして前房を横断することによって、透明な角膜を通した組織の貫通を実現できるという点にある。顕微手術器具は、候補の静脈に向かって組織を貫通するのに適した正しい位置に配置される。透明な角膜を小さく切開した箇所は、自然に閉じるので、密閉のメカニズムを必要としない。器具を最初に貫通させる箇所が、眼のどこか別の場所である場合は、器具を取り除いた後に、その進入部分の切開箇所を閉じる必要がある。
顕微手術器具は、静脈に向かう先端を一端に有するマイクロカニューレなどの細長い器具を含んで良い。これは、直径を調整された管路を強膜組織を貫く形で形成することのできる中実または中空のトロカール状部材などの機械的切断用先端部であって良い。別の一実施形態では、器具は、組織管路の芯をくり抜くために使用される尖った先端を有する中空のチューブを有して良い。組織の除去は、のちの管路の安定性を維持すること、および管路内にインプラント用具を補助的に配することを容易にする。図5に参照されるように、器具は、外部被覆11および内部部材を有して良く、外部被覆は、内部部材を中心にして軸方向に設けられる。内部部材は、トロカール10、中実のロッド、中空のロッドすなわち円筒、針、ワイヤ、または光ファイバを含んで良い。内部部材は、組織内に配されると同時に器具の先端に特定の機能を持たせることができるように、使用時の交換が可能であるように設計される。マイクロカニューレの近位端は、ルアー継ぎ手12などの適切な収納メカニズムによって扱われる。
図6に参照されるように、光ファイバで構成される内部部材は、ファイバの先端13に可視光線を運ぶために使用されて良い。ファイバの先端13は、被覆の先端に位置するように設けられ、このため、強膜組織を通して器具の位置を直接に視覚化するために使用されて良い。外部被覆の材料が不透明である場合は、光ファイバの先端を露出させるために、被覆の先端近くに切り抜きすなわち窓を設けて良い。光ファイバは、視覚化に用いられる光の波長を光学的に通過させるガラス、融解シリカ、またはプラスチックで形成されて良い。上述の光ビーコンは、管路の形成を追跡する補助的な方法を提供することによって、HFUまたはOCTによるイメージング技術を助長することができる。あるいは、光ファイバは、管路の形成を目的としたレーザエネルギなどの組織焼灼用のエネルギを運ぶために使用されて良い。先端は、また、組織を焼灼するもしくは凝固させることを目的とした無線周波数または熱エネルギの伝送に適応しても良い。光ファイバライン14は、エネルギ源15に繋がれる。
顕微手術器具の大きさは、小血管を通したアクセスおよび直径を調整された組織管路の形成に適した大きさである。直径としては、50〜500ミクロンが好都合であり、とりわけ50〜200ミクロンが好ましい。被覆部材の外径は、これらの範囲に対応して良く、10〜100ミクロンの壁の厚さを有して良い。顕微手術器具は、その先端部分が前房などの房水源に向けて静脈内を進むことができるように、可撓性のマイクロカニューレを有することができる。顕微手術器具は、鋼、チタン、およびニッケル・チタン合金を含む金属、ならびにポリイミド、ポリエチレン、ポリアミド、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリ四フッ化エチレン、およびポシスルホンを含む構造ポリマなどの構造材料で作成されて良い。外科手術では、材料組成および設計の異なる複数の器具が、順次使用されて良い。例えば、ある器具は、先ず、血管にアクセスするために使用され、次いで、強膜組織管路を形成するために別の器具に交換されて良い。あるいは、切断用または光伝導用などの各種の内部部材が、外部被覆の中で交代に使用されて良い。
器具は、施術者によって特定され且つ制御される管路の位置を確認する特徴を有しても良い。管路の位置および方向の調整または点検におけるメディカルイメージングの使用は、管路の配置の正確度および精度を助長する。イメージングシステムの視野内にある器具は、画像内における人工物の形成を最小限に抑えつつ、器具の位置を特定することを可能にする。器具に関する望ましいイメージング特性は、器具材料の選択およびコントラストマーカの使用の少なくとも一方によって提供することができる。
形成された管路は、管路の開通性および流体の流れを維持する助けにする目的で、一材料で随意に満たされて良い。このような材料は、抗線維材料、抗血栓剤、空間維持材料、チューブ状のステント、または排水用管路の開通性の維持を保証する類似の用具を含んで良い。管路内の用具に対しては、ヒアルロン酸などの抗線維材料ならびにメトトレキサート、シロリマス、およびパクリタキセルなどの細胞増殖抑制剤を加えたり除いたりすることが可能である。また、ヘパリンおよび組織プラスミノゲン活性化因子などの抗血栓剤も、やはり、管路内の用具に対して加えたり除いたりすることが可能である。このような材料は、ミクロスフェア、微粒子、超微細繊維、開いたもしくは閉じた細胞マトリクス、泡、ゲル、およびチューブなどの形態を取って良く、これらは、埋め込まれた後にその位置で構成を変化させるように設計されて良い。これらの材料は、ヒアルロン酸、コラーゲン、およびグリコサミドグリカンなどの分解性材料、ならびに分解性の合成ポリマを含んで良い。これらの材料は、また、鋼、チタン、およびニッケル・チタン合金などの金属、ならびにポリ四フッ化エチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびポシスルホンなどのポリマを含む、埋め込み用途に適した生体適合性を備える非分解性材料を含んで良い。
管路の内部には、管路の直径を拡大するまたは機械的手段を通じて安定性を付与する目的で、チューブステント状の用具が配される。図7aを参照すると、単純なチューブ16および有窓のチューブ17の例が示されている。顕微手術器具の外部被覆は、チューブステントで構成されて良く、これは、器具の芯を取り除いた後も中に残すことができる。図9を参照すると、先端がトロカール状のコア10、取り外し可能なステント22、駆動用のカニューレ23、および持ち手24を備えるマイクロカニューレアセンブリが示されている。チューブステントは、手術前のイメージングに基づいて大きさを決定されても良いし、あるいは、埋め込みの前または後に適切な大きさにカットされるように設計されても良い。チューブステントの静脈側の端は、静脈内に位置するように埋め込まれても良いし、あるいは、更に進んで集水路内に位置しても良い。チューブステントは、静脈と房水源との間の組織管路の全体の中に存在しても良いし、あるいは、組織管路の一部の中に存在しても良い。組織管路を安定化させる目的で、複数の個別のチューブステントが使用されても良い。
チューブステントの直径は、例えば、水圧または熱エネルギによって、または形状記憶材料を使用してチューブステントを構成することによって、その位置で膨張することができるように設計されて良い。図8bを参照すると、形状記憶インプラント21の直径を増大させる目的で、レーザ20が使用されている。長期的な安定性のためには、組織管路に適合可能であるように設計され且つ管路の膨張以外の目的で組織に対して機械的負荷を及ぼすことのないチューブステントが好ましい。保持力を補助するためには、例えば組織に接する部分を有孔にするなど、チューブステントの機械的特徴が組み込まれて良い。チューブ状のステントは、永久材料または生物分解性材料であって良い。適切な材料は、鋼、チタン、およびニッケル・チタン合金を含む金属、ならびにヒアルロン酸、コラーゲン、グリコサミドグリカン、ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリ四フッ化エチレン、ポリメタクリル酸メチル、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、およびポシスルホンを含む生物適合性ポリマを含む。
更に、チューブステント用具は、血の逆流を制限する流量規制を提供する設計を有することもできる。房水流の最適化を図るためには、流体抵抗の異なる複数の用具を製造し、施術者がその一つを選択すれば良い。図8aに参照されるように、小径セグメント19を組み込まれた形状記憶ステントは、進入ポイント9を介して前房2を強膜上静脈4に繋ぐ。チューブステントには、逆流を制限するまたは流圧の閾値を設定するための弁が組み込まれて良い。別の一実施形態では、チューブステントの流量特性が、患者のIOPの検査後に変更されて良い。インプラントの一部は、個々のセグメントを膨張または収縮させて流れを制御するために、レーザ光、RF、またはマイクロ波などの各種のエネルギ源を向けられて良い。この機能の実行には、熱収縮チューブに類似した光反応性ポリマまたはプリストレストポリマが用いられて良い。
類似の一実施形態において、ステント状の用具は、ひと続きのフィラメントすなわちひと続きのワイヤであって良い。図7bに参照されるように、当該用具は、編まれたチューブまたはひと続きのフィラメントループ18の形で形成されて良い。フィラメントループは、交互パターンまたは「ジグザグ」パターンに繋がれても良いし、あるいは、一本の軸に沿って直線状の部材に取り付けられても良い。これらのループは、軸に対して一定の角度で配されて良く、周囲の組織に過度の応力を加えることなく管路の開通性を維持できる十分な可撓性を有して良い。このような一実施形態は、ステント用具が管路の直径または向きの変化に適合することを可能にする。
本発明は、また、眼の中に房水のバイパスを外科的に形成する方法を提供する。下記の方法は、説明を目的としたものであって、本明細書で開示される顕微手術器具と併せて使用可能である方法の全範囲を構成するものではない。図10aおよび図10bに参照されるように、第1の実施例において、外科医は、眼の表面上または表面付近の静脈の候補4を視覚的に特定する。次いで、高解像度のイメージング技術を使用して、目標ポイントを起点として静脈の軸に沿って前房2などの所望の終点に至る経路が割り出される。持ち手24と、チューブステント被覆22と、トロカールを備える手術器具が使用される。トロカールは、組織に穴を開けるように構成された遠位端を有する。チューブステントは、前房と静脈とを繋ぐのに適した長さを有する。静脈は、目標ポイントから手術器具を挿入され、該器具は、イメージングセッションにおいてプロットされた角度および方向に調整される。手術器具は、先端が前房の進入ポイント9を貫いて表れるまで経路に沿って進められる。このとき、進入ポイント9は、虹彩の上方にあることが好ましい。トロカールの内部部材および手術器具は取り除かれ、あとにはチューブステント22が残される。あるいは、被覆の近位端に、抗線維ヒドロゲルを含むシリンジが接続されても良い。ヒドロゲルは、被覆を含む器具が引き出される際に、管路の維持を補助する目的で管路に供給される。アクセス部位は、次いで、必要とされる任意の外科的手法によって閉じられる。
別の実施例では、先ず、外科用顕微鏡を通した視覚化によって、強膜上静脈の位置が確認される。目標ポイントは、静脈沿いにおいて、入ってくる顕微手術器具を受け取るのに十分な直径を有する末端ポイントに指定される。進入ポイントは、候補の静脈からおよそ180度離れた角膜輪部沿いに決定される。隅角レンズは、バイパス部位にある前区角を視覚的に検査して、静脈に繋ぐための目標進入ポイントを選択するために使用される。この場合の顕微手術器具は、トロカール状の先端を有する光ファイバの内部部材と、前房と静脈とを繋ぐのに適した長さのチューブステントである外部部材とを有する。顕微手術器具は、進入ポイントから透明な角膜に進入し、前房内を組織進入ポイントを目指して進む。顕微手術器具は、次いで、器具のビーコン先端の視覚化によって候補の静脈に導かれる形で組織内を進む。顕微手術器具は、ビーコン先端が静脈に進入し、その血管内にチューブステントの遠位端が十分に進入するまで進み続ける。サイズが正しければ、チューブステントの近位端は、この時点で、前房を入ってすぐの場所にあるはずである。顕微手術器具は引き出され、あとにはチューブステントが残される。進入ポイントは、外科的に閉じられても良いし、あるいは、自然に閉じるのに任せても良い。
この手術は、適切な排水を実現する必要に応じて、一つの眼の二つ以上の静脈部位で実施されても良い。この手術は、実際には一つの部位で実施され、術後に患者のIOPが監視される。更なる減圧が必要とされる場合は、別の標的部位で後続の手術が実施される。こうして、複数の排水経路が形成可能である。
人間の眼の前区の断面図である。 人間の眼の中の排水システムの断面図である 人間の眼の中の排水システムの断面図であって、強膜上静脈から前房に至る顕微手術器具および組織管路を示している。 人間の眼の中の排水システムの断面図であって、強膜上静脈からシュレム管に至る組織管路を示している。 マイクロカニューレアセンブリを有する本発明の一実施形態の断面図である。 エネルギ源からのエネルギの伝達を目的として光ファイバコアを組み込まれたマイクロカニューレアセンブリの一実施形態の図である。 チューブステント用具を有する本発明の一実施形態の図である。 交互に繋がれたフィラメントループを有するステント用具の図である。 人間の眼の前区の断面図であって、最小限の流量調整を維持するための小径セグメントを組み込まれた形状記憶材料で構成されたバイパスインプラントを示している。 人間の眼の前区の断面図であって、形状記憶のバイパスインプラントの直径を増大させる目的で外から加えられるレーザエネルギを示している。 取り外し可能なチューブステントを遠位側の被覆として組み込まれたマイクロカニューレアセンブリの断面図である。 人間の眼の前区の断面図であって、強膜上静脈から前房に至る管路を形成する取り外し可能なチューブステントアセンブリを示している。 人間の眼の前区の断面図であって、カニューレアセンブリを取り除いた後に適所に存在するチューブステントを示している。
符号の説明
1…前房
2…シュレム管
3…強膜
4…候補の脈
5…集水路
6…房水静脈
7…管路
8…顕微手術器具
9…繋ぎ目、進入ポイント
10…トロカール
11…外部被覆
12…ルアー継ぎ手
13…光ファイバの先端
14…光ファイバライン
15…エネルギ源
16…単純なチューブ
17…有窓のチューブ
18…ひと続きのフィラメントループ
19…小径セグメント
20…レーザ
21…形状記憶のインプラント
22…取り外し可能なチューブステント
23…駆動用のカニューレ
24…持ち手

Claims (20)

  1. 眼の強膜組織の内部に管路を形成するとともに、前記管路内に空間維持材料を配置するための装置であって、
    房水が眼静脈に流れるための通路を構成する前記管路を形成するように成形された細長い本体部分を備え
    前記本体部分は、近位端および遠位端を有し、
    前記遠位端は、強膜組織を通して見ることができる光ビーコンを有する、装置。
  2. 請求項に記載の装置であって、
    前記本体部分は、50〜500ミクロンの範囲の外径を有する、装置。
  3. 請求項に記載の装置であって、
    前記本体部分は、可撓性のマイクロカニューレを有する、装置。
  4. 請求項に記載の装置であって、
    前記遠位端は、機械的切断用先端部を有する、装置。
  5. 請求項に記載の装置であって、
    前記遠位端は、組織を焼灼するためのエネルギ源を有する、装置。
  6. 請求項に記載の装置であって、
    前記エネルギは、レーザ光、高周波エネルギ、または熱エネルギを含む、装置。
  7. 請求項に記載の装置であって、
    前記遠位端は、メディカルイメージングによって見ることができるものである、装置。
  8. 請求項に記載の装置であって、
    前記メディカルイメージングは、超音波または光干渉トポグラフィを含む、装置。
  9. 請求項に記載の装置であって、
    前記本体部分は、外部被覆および内部部材を有する、装置。
  10. 請求項に記載の装置であって、
    前記内部部材は、使用の最中に前記外部被覆から取り出すことができるものである、装置。
  11. 請求項1に記載の装置であって、更に、
    前記管路の内部に配することができる空間維持材料を備える装置。
  12. 請求項11に記載の装置であって、
    前記空間維持材料は、ヒアルロン酸を含む、装置。
  13. 請求項11に記載の装置であって、
    前記空間維持材料は、細胞増殖抑制剤を含む、装置。
  14. 請求項11に記載の装置であって、
    前記細胞増殖抑制剤は、メトトレキサート、パクリタキセル、またはシロリマスを含む、装置。
  15. 請求項11に記載の装置であって、
    前記空間維持材料は、抗血栓剤を含む、装置。
  16. 請求項15に記載の装置であって
    前記抗血栓剤は、ヘパリンまたは組織プラスミノゲン活性化因子を含む、装置。
  17. 請求項11に記載の装置であって、
    前記空間維持材料は、ステント用具を含む、装置。
  18. 請求項17に記載の装置であって、
    前記ステント用具は、ヒアルロン酸を含む、装置。
  19. 請求項17に記載の装置であって、
    前記ステント用具は、ニッケル・チタン合金を含む、装置。
  20. 請求項17に記載の装置であって、
    前記ステント用具は、その位置で第1の構成から第2の構成へと変化することができるものである、装置。
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