JP4596116B2 - Crystalline silicoaluminophosphate molecular sieve having 8-membered ring pores, method for producing the same, and method for producing methylamines using the same - Google Patents

Crystalline silicoaluminophosphate molecular sieve having 8-membered ring pores, method for producing the same, and method for producing methylamines using the same Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、8酸素員環細孔を持つ結晶質シリコアルミノリン酸塩モレキュラーシーブ(以下原則として8員環SAPOと記す)とその製造方法、及びその方法により得られた8員環SAPOを触媒として用いるメチルアミン類の製造方法に関する。
より詳しくは、触媒性能を大きく左右する非晶質酸化物層を結晶粒子表面に有する、8員環SAPOであって、該非晶質酸化物層のアルミニウムに対するケイ素(Si/Al)の原子比が、結晶粒子全体での当該原子比よりも大きいことを特徴とする、8員環SAPOとその製造方法、及びその方法により得られた8員環SAPOを触媒として用いるメチルアミン類の製造方法に関する。なお、シャバサイト型の結晶質シリコアルミノリン酸塩モレキュラーシーブは、International Zeolite Association(IZA)が定めているIUPAC構造コードで表してCHA型である構造を持つ、ケイ素、アルミニウム、リン、及び酸素を主成分とする8員環SAPOのひとつである。
メチルアミン類、特にジメチルアミンは、ジメチルホルムアミドに代表される溶剤、ゴム製品、医薬品や界面活性剤などの原料として重要である。
【0002】
【従来の技術】
メチルアミン類は通常、メタノールとアンモニアからシリカ−アルミナなどの固体酸触媒を用いて400℃前後の温度で製造されている。良く知られているように、前記、シリカ−アルミナ触媒を用いた場合、生成物は熱力学的な平衡に従い、モノ、ジ、トリの3種類のメチルアミン中、需要の最も少ないトリメチルアミンが主生成物となる。しかし、メチルアミン類の需要のほとんどがジメチルアミンに偏っているため、近年、熱力学的な平衡組成を超える選択的なジメチルアミンの製造方法の開発が進められている。
【0003】
そのような方法として、例えば、ゼオライトA(例えば、特許文献1参照)、FU-1(例えば、特許文献2参照)、ZSM-5(例えば、特許文献3参照)、フェリエライト及びエリオナイト(例えば、特許文献4参照)、ZK-5、Rho、シャバサイト及びエリオナイト(例えば、特許文献5参照)、モルデナイト(例えば、特許文献6、7、8、9参照)などのゼオライト(結晶質アルミノケイ酸塩モレキュラーシーブ)を用いた方法が挙げられる。
これらの方法では、細孔入口径が小さいゼオライト類を、更にイオン交換、脱アルミニウム処理、特定の元素の添加やシリル化処理などを施して、細孔入口径を制御、或いは外表面酸性点を修飾することにより、ジメチルアミン選択性の向上と触媒活性の改善を図っている。
【0004】
また、非ゼオライト系モレキュラーシーブである結晶質シリコアルミノリン酸塩モレキュラーシーブ(以下原則としてSAPOと記す)を用いた、熱力学的な平衡組成を上回るモノメチルアミンなどの製造方法(例えば、特許文献10参照)も公知である。
本発明者らも、選択的なジメチルアミン製造技術について検討を重ねた結果、シリカ変性SAPOや、種々の酸化物で変性したSAPOが、ゼオライト触媒を用いた先行技術に比べて高活性、かつ高いジメチルアミン選択性を示す事を見出し、既に出願している(特許文献11、12、13参照)。
【0005】
一般的に、ゼオライトやSAPOなどの結晶質モレキュラーシーブの表面は、結晶表面が露出していると考えられている。従って、ゼオライトやSAPOの表面は、ケイ素とアルミニウムを含むモレキュラーシーブの特性である強い酸性点を有しており、ジメチルアミン選択性を向上させる目的で、ケイ素化合物を用いた気相化学蒸着処理や液相シリル化処理、ホウ素やリンなどを含む化合物による修飾など、表面酸性点の処理がしばしば行われている(例えば、特許文献14、15、16、17、18参照)。また、本発明者らの公報(特許文献11、12、13参照)の技術もこの概念に基づいている。
【0006】
しかし、これら従来公知の方法は、SAPOの合成後、遠心分離やろ過による分離と洗浄、場合によっては、焼成を施した触媒を更に修飾する方法であるため、工程数が多い。特にシリル化処理は、処理を行う触媒の含水量を精密に制御する必要があり、また、エタノールやトルエンなどの有機溶媒を使用するため、廃液処理の問題も発生する。
このように、合成したSAPOを更に修飾して活性や選択性の向上を図る従来公知の方法は、経済及び環境の両面に関わる改善すべき問題点を有するものでありSAPOの合成段階において活性や選択性を制御する、従来の後処理工程を必要とする方法とは異なる新たな方法の開発が望まれている。
【0007】
このような課題に対して、本発明者らは既に、先に述べた技術のほかに、SAPOのうち結晶の平均粒子径が5μm以下で結晶形状が直方体状、立方体状であるシャバサイト型の8員環SAPOが、メチルアミン類の製造触媒として優れた触媒活性とジメチルアミン選択性を示すことを見出し出願している(特許文献19参照)。
このシャバサイト型の8員環SAPOは合成後の修飾を行わなくても優れた活性と選択性を示したが、本発明者らの更なる検討において、合成ロットによってはこれら触媒性能に差異が認められるという現象があり、最良の触媒を安定的に得るためにはよりいっそうの技術的改善を要するという問題点を有した。
【0008】
また、上記粒子径及び形状のシャバサイト型の8員環SAPOは、ジエタノールアミンや水酸化テトラエチルアンモニウムなどの、有機アミン類又は有機アンモニウム塩を、Al2O3に換算したアルミニウム化合物のモル数に対して1.5±0.5倍量用いて合成されているが、焼成を行う前の合成されたままのシャバサイト型の8員環SAPOに取り込まれているこれらの有機アミン類又は有機アンモニウム塩の量は、Al2O3のモル数に対して、結晶構造を構築するのに必要な0.37倍量程度である。そのため、結晶構造に取り込まれない有機アミン類又は有機アンモニウム塩は余剰となり、活性汚泥等で処理する必要がある。従って、有機アミン類又は有機アンモニウム塩の使用量を少なくして、純粋な8員環SAPOが合成できれば、経済及び環境の両面で優れた方法となり得る。
【0009】
8員環SAPOは、メチルアミン合成反応において、比較的高いジメチルアミン選択性を示すため、従来から、これらのSAPOを用いたメチルアミン合成反応について多くの検討が行われている(例えば、非特許文献4参照)。8員環SAPOとしては、SAPO-14、17、18、33、34、35、39、42、43、44、47、56が知られている(例えば、非特許文献5、非特許文献6参照)。そのうち、シャバサイト型の8員環SAPOは、SAPO-34、SAPO-44、SAPO-47の3種類が知られており、中でも、シャバサイト型構造のSAPO-34がメチルアミン合成反応やメタノール転化反応の触媒としてよく検討されている(例えば、特許文献10,21参照)。
【0010】
これらの8員環SAPOは、従来、水酸化テトラエチルアンモニウム、モルホリン、シクロヘキシルアミン、及びジエチルエタノールアミン等の化合物を鋳型剤として用い、ケイ素化合物、アルミニウム化合物、リン化合物、及び水の混合物を水熱処理して合成できることが知られている(例えば、特許文献20参照)。しかし、このような8員環SAPOが、結晶粒子表面に非晶質酸化物層を有していること、この非晶質酸化物層が水熱合成中に結晶粒子表面で成長すること、及びメチルアミン合成反応の収率や選択性を大きく左右することについては知られていない。
【0011】
通常、8員環SAPOを合成する場合、水熱処理する混合物を下式(1)に示す組成式で表わして、使用する鋳型剤Rの量は、混合物中のAl2O3のモル数に対して1〜3倍量(a/c=1〜3)用いるのが一般的である。
aR,bSiO2,cAl2O3,dP2O5,eH2O ・・・・ 式(1)
【0012】
8員環SAPOの合成に用いられている鋳型剤の使用量について、種々の特許、文献を調べたところ、純粋で結晶化度の高いシャバサイト型の8員環SAPOを得るために、鋳型剤は少なくとも水熱処理をする混合物中のAl2O3のモル数に対して1倍量以上が用いられており、それより少ない場合、International Zeolite Association(IZA)が定めているIUPAC構造コードで表してAFI型に帰属される構造体(SAPO-5)やリン酸アルミニウムクリストバライト、ベルリナイトなどが不純物として存在するようになることが述べられている。
【0013】
水酸化テトラエチルアンモニウム(TEAOH)を鋳型剤に用いたSAPO-34の合成法について述べられた文献があり(例えば、非特許文献1参照)、純粋なSAPO-34はTEAOH/Al2O3のモル比が2〜3の範囲で生成し、1〜2の範囲ではSAPO-5が、1以下では高密度相が生成することが記載されている。そして3以上のTEAOHを用いると、非結晶のアモルファス構造を有する粒子が生成することが記載されている。
また、モルホリンを鋳型剤に用いたSAPO-34の合成法について述べた文献があり(例えば、非特許文献2参照)、モルホリン/Al2O3のモル比が0.5以下ではリン酸アルミニウムクリストバライトとアモルファス化合物の混合物となり、モルホリン/Al2O3のモル比が1.0では80%のSAPO-34と20%のクリストバライトの混合物が得られ、純粋なSAPO-34はモルホリン/Al2O3のモル比が2.0以上で得られることが記載されている。
更に、シクロヘキシルアミンを鋳型剤に用いたSAPO-44の合成法について述べた文献もあり(例えば、非特許文献3参照)、シクロヘキシルアミン/Al2O3のモル比が1.9以下では、SAPO-5が混じることが記載されている。
【0014】
【特許文献1】
特開昭56−69846号公報
【特許文献2】
特開昭54−148708号公報
【特許文献3】
米国特許第4082805号明細書
【特許文献4】
特開昭56−113747号公報
【特許文献5】
特開昭61−254256号公報
【特許文献6】
特開昭56−46846号公報、
【特許文献7】
特開昭58−49340号公報
【特許文献8】
特開昭59−210050号公報
【特許文献9】
特開昭59−227841号公報
【特許文献10】
特開平2−734号公報
【特許文献11】
特開平11−35527号公報
【特許文献12】
特開平11−239729号公報、
【特許文献13】
特開2000−5604号公報
【特許文献14】
特開平3−262540号公報
【特許文献15】
特表平11−508901号公報
【特許文献16】
特開平6−179640号公報、
【特許文献17】
特開平7−2740号公報
【特許文献18】
特開昭61−254256号公報
【特許文献19】
特開2000−117114号公報
【特許文献20】
米国特許第4440871号明細書
【特許文献21】
米国特許第5126308号明細書
【非特許文献1】
J. Liang, H. Li, S. Zhao, W. Guo, R. Wang, and M. Ying, Appl. Catal., 1991, 64, p.31-p.40
【非特許文献2】
A. M. Prakash, S. Unnikrishnan, J. Chem. Soc. Faraday Trans., 1994, 90(15), p.2291-p.2296
【非特許文献3】
S. Ashtekar, S. V. V. Chilukuri, D. K. Chakrabarty, J. Phys. Chem. 1994, 98, p.4878-p.4883
【非特許文献4】
D. R. Corbin, S. Schwarz, and G. C. Sonnichsen, Catalysis Today, 1997, 37, p.71-p.102.
【非特許文献5】
E. M. Flanigen, B. M. Lok, R. L. Patton, and S. T. Wilson, New Developments in Zeolite Science and Technology, Elsevier, 1986, p.103-p.112.
【非特許文献6】
Structure Commission of the International Zeolite Association, Atlas of Zeolite Framework Types, Elsevier, 2001, p.14-p.15.
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
先に述べたように、本発明者らはSAPOのうち、結晶の平均粒子径が5μm以下で、結晶形状が直方体状、立方体状であるシャバサイト型の8員環SAPOが、合成後の修飾を行わなくてもメチルアミン類の製造触媒として優れた触媒活性とジメチルアミン選択性を示す事を見出し、既に出願している(特開2000-117114号公報)。しかし、上記の粒子径及び形状であっても、ロットによっては触媒性能に差異が認められることがあった。
【0016】
また、上記シャバサイト型の8員環SAPOは、水酸化テトラエチルアンモニウム(TEAOH)やジエタノールアミンなどの有機アミン類又は有機アンモニウム塩の使用量が、Al2O3に換算されたアルミニウム化合物のモル数に対して1.5±0.5倍量の範囲である原料混合物を水熱処理することにより得られるが、ここに挙げたような過剰の有機アミン類又は有機アンモニウム塩を必要とする方法は、得られる触媒の収量も低く、また、過剰分の有機アミン類又は有機アンモニウム塩を活性汚泥等で処理する必要が生じる。
このように、特開2000-117114号公報記載のSAPOはアミン合成触媒としての安定性や、鋳型剤の過剰使用に伴う問題など更に改善すべき課題を残していた。
【0017】
すなわち、本発明の目的は、上記問題点を解決し、優れた触媒活性及びジメチルアミン選択性を有する8員環SAPOと、その安価で安定した製造方法、及び該触媒を用いたメチルアミン類の製造方法を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、8員環SAPOの合成過程において、結晶質のモレキュラーシーブ粒子本体のまわりに、結晶質部分よりも大きなアルミニウムに対するケイ素(Si/Al)の原子比を持つ非晶質酸化物層が形成され、非晶質酸化物層のSi/Alの原子比が、結晶粒子全体での当該原子比よりも大きい8員環SAPOが得られること、非晶質酸化物層のSi/Alの原子比又は厚さは、触媒活性とジメチルアミン選択性に大きく影響し、非晶質酸化物層が形成される過程における水熱処理の温度と時間で精密に制御できることを見出した。この非晶質酸化物層のSi/Alの原子比又は厚さを制御する技術により、触媒活性とジメチルアミン選択性が安定した触媒が製造可能となることがわかった。
【0019】
また、水熱処理時の条件として、まず80℃〜130℃の間の温度範囲内で1時間以上水熱処理した後、次に150〜200℃の温度範囲内で1〜10時間水熱処理する工程(第1工程)、更に150〜200℃の温度範囲内で10時間以上水熱処理する工程(第2工程)を含む処理を行うことにより、鋳型剤である有機アミン類や有機アンモニウム塩の使用量をAl2O3に対しモル比として1.0倍量未満に減らしても、結晶性が高く、純粋な8員環SAPOが得られ、かつ、従来の製造方法に比べて触媒収率も向上することを見出した。
【0020】
更に、このようにして得られた8員環SAPOは、従来の製造方法で得られるシャバサイト型のSAPOよりも優れた触媒活性とジメチルアミン選択性を有することを見出し、この8員環SAPOの製造技術と、非晶質酸化物層のSi/Alの原子比又は厚さを制御する技術を組み合わせることにより、優れた活性とジメチルアミン選択性を有する触媒を安定して製造する方法を確立し、本発明を完成させるに至った。
【0021】
すなわち、本発明は、Si/Alの原子比が、結晶粒子全体よりも大きな非晶質酸化物層を結晶粒子表面に有することを特徴とする、8員環SAPOと、非晶質酸化物層の厚さ又は結晶粒子の表面組成を非晶質酸化物層が形成される過程における水熱処理の温度と時間で精密に制御することを特徴とする8員環SAPOの製造方法に関するものである。また、鋳型剤である有機アミン及び/又は有機アンモニウム塩とアルミニウム化合物、リン化合物、ケイ素化合物、及び水を含む原料混合物を水熱処理して、8員環SAPOを製造するにあたり、Al2O3に換算されたアルミニウム化合物のモル数に対する、有機アミンと有機アンモニウム塩の合計モル数の比が0.4〜0.98の範囲であり、かつ該原料混合物を、第1工程として80〜130℃の温度範囲内で1時間以上水熱処理をした後、150〜200℃の温度範囲内で1〜10時間水熱処理し、次いで第2工程として150〜200℃の範囲内で10時間以上水熱処理する工程を含む処理を行うことを特徴とする8員環SAPOの製造方法に関するものである。また、更にこれらの8員環SAPOの製造技術を組み合わせて製造した8員環SAPOを触媒として用いるメチルアミン類の製造方法に関するものである。
【0022】
更に詳しくは、以下の(1)から(24)に示す8員環SAPOとその製造法、及びこれを触媒として用いたメチルアミン類の製造方法に関する。
(1)非晶質酸化物層を結晶粒子表面に有する、8員環SAPOであって、非晶質酸化物層のアルミニウムに対するケイ素の原子比が、結晶粒子全体での当該原子比よりも大きいことを特徴とする、8員環SAPO。
(2)結晶粒子全体のアルミニウムに対するケイ素の原子比が0.05〜0.30の範囲であり、かつX線光電子分光法で測定される結晶粒子表面の非晶質酸化物層のアルミニウムに対するケイ素の原子比が0.50以上である、(1)記載の8員環SAPO。
(3)X線光電子分光法で測定される結晶粒子表面の非晶質酸化物層のリンに対するケイ素の原子比が0.55以上である、(1)、(2)の何れかに記載の8員環SAPO。
(4)結晶粒子表面の非晶質酸化物層の厚さが3〜20ナノメートルの範囲である、(1)〜(3)の何れかに記載の8員環SAPO。
(5)マグネシウム、イットリウム、チタン、ジルコニウム、マンガン、鉄、コバルト及びスズから選択される一種類以上の元素を更に含む、(1)〜(4)の何れかに記載の8員環SAPO。
(6)結晶粒子の形状が直方体及び/又は立方体状であり、かつ平均粒子径が5μm以下である、(1)〜(5)の何れかに記載の8員環SAPO。
(7)結晶粒子全体より結晶粒子表面の非晶質酸化物層を除いた結晶粒子の本体部分の構造がシャバサイト型である、(1)〜(6)の何れかに記載の8員環細孔SAPO。
(8)X線回折で測定したシャバサイト型構造体の(100)面のピーク強度に対するAFI型構造体の(100)面のピーク強度の比が0.02以下である、(7)記載のシャバサイト型の8員環SAPO。
(9)有機アミン及び/又は有機アンモニウム塩、アルミニウム化合物、リン化合物、ケイ素化合物、並びに水を含む原料混合物を水熱処理して、非晶質酸化物層を結晶粒子表面に有する8員環SAPOを製造するにあたり、少なくともその結晶質部分を生成させる第1工程と、更に水熱処理を行って結晶粒子表面上に非晶質酸化物層を形成させる第2工程とからなる、(1)〜(8)の何れかに記載の8員環SAPOの製造方法。
(10)第1工程の水熱処理が、80〜130℃の温度範囲内で1時間以上水熱処理する工程と150〜200℃の温度範囲内で1〜10時間水熱処理する工程の二つの工程を含むものである、請求項9記載の8員環SAPOの製造方法。
(11)第1工程の水熱処理のうち、80〜130℃の温度範囲内で1時間以上水熱処理する工程が、80〜130℃の間を1時間以上かけて昇温させる工程又は80〜130℃の間の一定温度を1時間以上保持する工程を含むものである、(10)記載の8員環SAPOの製造方法。
(12)第2工程の水熱処理が、150〜200℃の温度範囲内で10時間以上水熱処理する工程を含むものである、(9)〜(11)の何れかに記載の8員環SAPOの製造方法。
(13)第1工程の水熱処理が、95〜125℃の間の一定温度で3〜24時間水熱処理する工程と150〜200℃の温度範囲内で1〜10時間水熱処理する工程の二つの工程を含み、かつ第2工程の水熱処理が、150〜200℃の温度範囲内で10〜150時間水熱処理する工程を含むものである、(9)記載の8員環SAPOの製造方法。
(14)有機アミン及び/又は有機アンモニウム塩、アルミニウム化合物、リン化合物、ケイ素化合物、並びに水を含む原料混合物中のAl2O3に換算されたアルミニウム化合物のモル数に対する、有機アミンと有機アンモニウム塩の合計モル数の比が0.4〜0.98の範囲である、(9)〜(13)の何れかに記載の8員環SAPOの製造方法。
(15)有機アミン及び/又は有機アンモニウム塩が水酸化テトラエチルアンモニウムである、(9)〜(14)の何れかに記載の8員環SAPOの製造方法。
(16)アルミニウム化合物が擬ベーマイトである、(9)〜(15)の何れかに記載の8員環SAPOの製造方法。
(17)リン化合物がリン酸である、(9)〜(16)の何れかに記載の8員環SAPOの製造方法。
(18)ケイ素化合物がシリカゾルである、(1)〜(17)の何れかに記載の8員環SAPOの製造方法。
(19)第2工程の前又は途中で、ケイ素化合物を更に添加する、(1)〜(18)の何れかに記載の8員環SAPOの製造方法。
(20)マグネシウム、イットリウム、チタン、ジルコニウム、マンガン、鉄、コバルト及びスズから選択される一種類以上の元素を更に含む、(9)〜(19)の何れかに記載の、8員環SAPOの製造方法。
(21)8員環SAPOがシャバサイト型である、(9)〜(20)に記載の8員環SAPOの製造方法。
(22)(1)〜(8)の何れかに記載の8員環SAPOの存在下、メタノールとアンモニアを反応させるメチルアミン類の製造方法。
(23)(1)〜(8)の何れかに記載の8員環SAPOの存在下、メタノールとモノメチルアミンを反応させるメチルアミン類の製造方法。
(24)(1)〜(8)の何れかに記載の8員環SAPOの存在下、モノメチルアミンの不均化反応を行うメチルアミン類の製造方法。
【0023】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を更に詳細に説明する。本発明におけるSAPOは、Si/Alの原子比が結晶粒子全体よりも大きな非晶質酸化物層を表面に有する、8員環SAPOである。
SAPOとは、米国特許第4,440,871号明細書に記載されているように、結晶質であるとともに微孔質でありPO2 +、AlO2 -及びSiO2四面体単位からなる三次元微孔質結晶骨格構造を有する化合物のことである。
また、ケイ素、アルミニウム、リン以外の金属の四面体単位を三次元微孔質結晶骨格構造に含む化合物も欧州特許第159,624号明細書などに開示されており、ELAPSOモレキュラーシーブと呼ばれている。しかし、これらの特許公報には、本発明のような非晶質酸化物層が表面に存在しているSAPOについては、記載されていない。
【0024】
本発明の8員環SAPOは、ケイ素、アルミニウム、リン以外の金属成分を含んでいても良い。マグネシウム、イットリウム、チタン、ジルコニウム、マンガン、鉄、コバルト及びスズの中から選択される元素を含んでいる場合が好ましく、特にチタン及びジルコニウムは、触媒活性及び寿命性能を向上させる効果が有るので好ましい。これらの元素成分は、三次元微孔質結晶骨格構造及び/又は骨格構造外に存在していても良い。これら元素の含有量は特に限定されないが、アルミニウムに対するこれら元素を合わせた場合の原子比が0.0001〜0.1の範囲が好ましい。これら元素を含有した8員環SAPOは、鋳型剤、ケイ素化合物、アルミニウム化合物、リン化合物、水と、上記元素の硝酸塩、硫酸塩、塩化物、酸化物ゾル、酸化物粉末、アルコキシド及び/又は錯体の混合物を水熱処理して合成できる。
【0025】
メタノールとアンモニアの反応において、メチルアミン類、特にジメチルアミンを選択的に得るには、SAPOの有効細孔径が0.3〜0.6ナノメートルの範囲にあることが望ましい。このような細孔は、トリメチルアミン分子の通過を阻害し、より小さな分子サイズのモノメチルアミンとジメチルアミンを通過させるため、最終的に反応の選択性は、モノメチルアミンとジメチルアミンに片寄る(D. R. Corbin, S. Schwarz, and G. C. Sonnichsen, Catalysis Today, 37 (1997), p.71-p.102)。前記有効細孔径は、SAPOの8〜10酸素員環の細孔径に相当するが、中でも8員環SAPOが、トリメチルアミンの選択性をより低くするために必要である。
【0026】
8員環SAPOとしては、例えば、SAPO-14、17、18、33、34、35、39、42、43、44、47及び56が挙げられる。これら、各SAPOに付された番号とInternational Zeolite Association(IZA)のStructure Commissionが定めているIUPAC構造コードとの関係は、例えば、Structure Commission of the International Zeolite Association編 「Atlas of Zeolite Framework Types」 Elsevier社発行、に記載されている。前記SAPOのIUPAC構造コードは、それぞれ、AFN、ERI、AEI、ATT、CHA、LEV、ATN、LTA、GIS、CHA、CHA、AFXに対応する。前記SAPOの中で、SAPO-17、18、34、35、44、47及び56が好ましく、とりわけ、シャバサイト型構造を持つSAPO-34が特に好ましい。
【0027】
本発明におけるシャバサイト型の8員環SAPOとは、先に述べたInternational Zeolite Association(IZA)が定めているIUPAC構造コードで表してCHA型である構造を持つ、ケイ素、アルミニウム、リン、及び酸素を主成分とする結晶質のモレキュラーシーブのことである。詳しくは、米国特許第4,440,871号明細書に記載されているSAPOのうち、CHA型で表される構造を持つ化合物である。このようなCHA型の構造をもつSAPOとしては、文献E. M. Flanigen, R. L. Patton, and S. T. Wilson, Studies in Surface Science and Catalysis, Innovation in Zeolite Materials Science, p.13-p.27 (1988)にあるように、SAPO−34、SAPO−44、SAPO−47の3種類が知られている。
【0028】
本発明の8員環SAPOの、最大の特徴は、結晶粒子全体のSi/Alの原子比よりも大きな原子比を持つ非晶質酸化物層を表面に有することである。この非晶質酸化物層は、FIB−STEM分析によって観察することができる。図1と2はSAPO-34の例であるが、これは、1個の立方体をしたSAPO-34粒子の両側を集束イオンビーム(FIB:Focused Ion Beam,日立製作所製FB-2100装置)で削りとり、残った厚さ80ナノメートルの薄片の断面を走査透過型電子顕微鏡(STEM:Scanning Transmission Electron Microscope,日立製作所製HD-2000薄膜評価装置)で観察したものである。図1には3層の構造が見られるが、最外層は、試料粒子を固定および導電性を高くするために蒸着したカーボン、白金、及びタングステンの層である。中央部が結晶粒子本体であり、両者の間の薄い層が非晶質酸化物層である。図2は、図1の表面から約100ナノメートルの部分を拡大観察したものである。格子模様のある部分が非晶質酸化物層を除いた結晶粒子本体に対応し、格子模様のない白い層が非晶質酸化物層に対応する。格子模様は規則構造であることを意味し、また、電子線回折により明瞭なラウエ斑点が観察されたことから、結晶粒子本体部分は結晶質であることがわかる(図3)。一方、格子模様が観察されない白い層は、電子線回折によるラウエ斑点が観察できなかったことから、規則構造を有しておらず、非晶質(アモルファス質)である(図4)。また、エネルギー分散型X線分析装置(EDX:Energy Dispersive X-Ray Analysis)を用いた組成分析より、非晶質層は、結晶粒子本体よりもSi/Alの原子比が大きい、ケイ素成分が豊富な酸化物層であることが確かめられた。
【0029】
この非晶質酸化物層の存在とその厚さは、メタノールとアンモニアの反応やモノメチルアミンの不均化反応によるメチルアミン類の製造において、反応活性とジメチルアミン選択性に大きな影響を及ぼす。前記SAPO-34を例に説明すると、非晶質酸化物層が3ナノメートルよりも薄いSAPO-34を用いた反応では、反応活性は高いものの、トリメチルアミンが10%以上の選択率で生成するため、ジメチルアミン選択性は悪い。その一方で、非晶質酸化物層が20ナノメートルを越えると、トリメチルアミン選択率は1%以下と低いけれども、反応活性が低い。これらの結果は、非晶質酸化物層が薄い場合は、分子篩効果を示さない結晶粒子表面の活性酸点が充分に被覆されておらず、残された活性酸点により、熱力学的に最も安定なトリメチルアミンが生成することで、逆に厚すぎる非晶質酸化物層では、活性酸点の被覆は充分に進むが、活性点である結晶本体への反応物質の拡散や生成物質の結晶本体からの脱離が遅くなるために反応活性が低下すると考えることで説明できる。非晶質酸化物層は、主にケイ素とアルミニウムとリンの酸化物で構成され、しかもケイ素が主成分であるため、シリカ−アルミナのような強い酸性質は持たず、反応活性をほとんど持たない。
すなわち、本発明における非晶質酸化物層の好ましい厚さは、3〜20ナノメートルであり、より好ましくは、3.5〜16ナノメートルである。
【0030】
非晶質酸化物層の組成は、前記エネルギー分散型X線分析装置により分析できるが、X線光電子分光法(XPS、ESCA)を用いた結晶粒子の表面組成の分析によって、より簡便に測定できる。X線光電子分光法では、結晶粒子の最表面から深さ1.5〜4.0ナノメートルまでの範囲の組成が測定される。
一方、結晶粒子本体の組成は、非晶質酸化物層が非常に薄いため、結晶粒子全体の組成とほぼ同じと見なすことができ、例えば、SAPO粒子を鉱酸などで完全に溶解し、誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP)により測定できる。
【0031】
本発明における表面組成は、VG Scientific Ltd.社製のESCALAB MKII装置を用い、X線源にはAl-Kα線(1486.7eV)を用いて測定を行い、文献J. H. Scofield,Journal of Electron Spectroscopy and Related Phenomena, 8 (1976) p.129-p.137記載のスコフィールド補正係数を用いて求めた。また、結晶粒子全体の組成は、SAPOを低濃度のフッ化水素酸を含む溶液で溶解し、セイコー電子工業株式会社(Seiko Instruments Inc.)製のSPS-1200VR装置で測定した。
X線光電子分光法で測定した結晶粒子の表面組成は、非晶質酸化物層の厚さとともに変化し、Si/Alの原子比、Si/Pの原子比は非晶質酸化物層の厚さとともに増加する。例えば、前記SAPO-34の場合、非晶質酸化物層の厚さが2.5ナノメートルの時、X線光電子分光法によるSi/Alの原子比は0.49、Si/Pの原子比は0.53であり、非晶質酸化物層の厚さが7ナノメートルの時、Si/Alの原子比は1.61、Si/Pの原子比は2.45、非晶質酸化物層の厚さが13ナノメートルの時、Si/Alの原子比は1.98、Si/Pの原子比は2.92である。
このように、非晶質酸化物層の厚さが増すにしたがってSi/Alの原子比やSi/Pの原子比が大きくなるのは、後述する非晶質酸化物層の形成過程において、合成母液中に存在するケイ素、アルミニウム、リン成分のうち、ケイ素成分が選択的に結晶粒子表面に沈積していくためである。このことは、非晶質酸化物層の形成過程における合成母液のICP分析で、母液中のケイ素成分が選択的に減少していくことからわかる。
【0032】
すなわち、結晶粒子の表面組成は、非晶質酸化物層の厚さと対応する。優れた反応活性とジメチルアミン選択性を示す8員環SAPO表面のSi/Alの原子比は、後述の第2工程におけるケイ素化合物の添加を行わない場合、0.50〜2.20の範囲である。同様に、Si/Pの原子比は0.55〜3.10の範囲である。第2工程においてケイ素化合物を添加した場合、合成母液中のケイ素成分の濃度はアルミニウムやリンの濃度よりもかなり大きくなるため、優れた性能を示す8員環SAPO表面のSi/Alの原子比、Si/Pの原子比は、それぞれ0.50以上、0.55以上である。
一方、ICP分析で測定した8員環SAPO全体のSi/Alの原子比は、合成条件によって変わるが概ね0.05〜0.30の範囲である。
【0033】
以上のように、本発明の8員環SAPOは、X線源にAl-Kα線(1486.7eV)を用いたX線光電子分光法で測定した結晶粒子表面のSi/Alの原子比は、ICP分析で測定した結晶粒子全体のSi/Alの原子比よりも大きな0.50以上が好ましく、0.50〜2.20の範囲がより好ましい。一方、X線光電子分光法で測定した結晶粒子表面のSi/Pの原子比は0.55以上が好ましく、0.55〜3.10の範囲がより好ましい。一方、本発明の8員環SAPOの、結晶粒子全体のSi/Alの原子比は、0.05〜0.30の範囲であることが好ましい。
【0034】
本発明の非晶質酸化物層は、主にケイ素、アルミニウム、及びリンを含む酸化物で構成されるが、ケイ素、アルミニウム、リン以外の元素を含有していても良い。
【0035】
非晶質酸化物層は、SAPOの結晶粒子本体の結晶化が大部分終わってから形成される。すなわち本発明の非晶質酸化物層を表面に有するSAPOは、有機アミン及び/又は有機アンモニウム塩、アルミニウム化合物、リン化合物、ケイ素化合物、及び水を含む原料混合物を水熱処理して、少なくともその結晶質部分を生成させる第1工程と、更に水熱処理を行って結晶粒子表面上に非晶質酸化物層を形成させる第2工程の、二つの工程を経て合成される。
【0036】
具体的には、第1工程は、ごく一般的に知られている8員環SAPOの製造法において、原料混合物の大部分が結晶化する過程であり、第2工程は、第1工程で結晶化した8員環SAPOを、ケイ素成分を含む溶液中で更に水熱処理する工程を指す。
後述の本発明における8員環SAPOの製造法では、第1工程は、結晶化が実質的に進まない80〜130℃の間で1時間以上水熱処理した後、結晶化が顕著に進む150〜200℃の温度範囲内で1〜10時間水熱処理するまでの過程にあたる。一方、第2工程は、150〜200℃の温度範囲内での1〜10時間の水熱処理で8員環SAPOが結晶化した後、引き続き150〜200℃の温度範囲内で水熱処理する工程に対応する。
【0037】
非晶質酸化物層の厚さや表面組成は、第2工程の水熱処理条件で制御できる。
非晶質酸化物層の厚さは、水熱処理時間を長くするにつれて厚くなり、例えば、前記SAPO-34の場合、温度170℃の水熱処理では、5時間で2.5ナノメートル、50時間で7ナノメートル、100時間で13ナノメートル、175時間で25ナノメートルである。非晶質酸化物層の形成速度は温度によっても変わる。このような性質を利用し、水熱処理の温度と時間を変えることにより、非晶質酸化物層の厚さや表面組成を制御できる。また、非晶質酸化物層の厚さや表面組成を経時的に分析しながら、メタノールとアンモニアの反応によるメチルアミン類の製造などの反応に好適な厚さや表面組成に制御することもできる。
【0038】
この第2工程の水熱処理温度や時間は、第1工程の水熱処理によって、一旦、8員環SAPO結晶粒子ができてしまえば、室温まで冷却した後でも、結晶粒子を合成母液中に保持しておくことにより、ゆっくりではあるが室温でも非晶質酸化物層の形成が進むため、特に限定されない。ただ、実用的な観点から、第2工程の水熱処理は、150〜200℃の温度範囲内で10時間以上行うのが好ましい。
【0039】
非晶質酸化物層の形成速度は、前記の温度と時間のほかに、合成母液中のケイ素化合物の濃度でも制御できる。従って、本発明では、第2工程の前又は途中でケイ素化合物を更に添加しても良く、特に、非晶質酸化物層の形成速度が遅い場合に好ましい。使用できるケイ素化合物としては、粉末状のシリカ、シリカゾル、オルトケイ酸などが挙げられる。特に好ましいのはシリカゾルである。また、ケイ素化合物に加えて、イットリウム、チタン、ジルコニウム、鉄、スズなどの元素を含む化合物を適宜添加しても良い。
【0040】
従来の技術で述べたように、SAPO本体のまわりに純粋なシリカ層が形成された結晶質モレキュラーシーブは良く知られており、例えば、特表平11−508901号公報に開示されているように、アンモニウム型モルデナイトを気相でテトラクロロシランにより処理したものや、特開平7−2740号公報や特開平11−35527号公報などに開示されているように、モルデナイトやSAPOを液相で有機ケイ素化合物によりシリル化処理したものが挙げられる。
しかし、これらのSAPOにおける表面シリカ層の構造はほとんど調べられておらず、文献、丹羽幹,村上雄一,日本化学会誌,p.410-p.419(1989)によればSAPOの規則構造が露出している表面上に、シリカの四面体構造物が規則正しく並び、結晶質モレキュラーシーブ本体と類似した構造を形成しているものと考えられることが示されている(シリカのエピタキシー成長)。また、最近の文献、魯大凌,野村淳子,堂免一成,H. A. Begum,片田直伸,丹羽幹,触媒誌,Vol.44,p.483-p.485(2002)は、気相法で蒸着したシリカ層の透過型電子顕微鏡観察より、シリカ層は無定形構造ではなく、ゼオライト外表面の構造に規制されて成長した規則構造を持っていることを記載している。このように、従来公知のケイ素化合物による修飾方法で生成するシリカ層は結晶質であると考えられ、本発明の非晶質酸化物層とは異なる。
【0041】
更に、これらの従来公知の方法においては、シリカ層は、気相法の場合、制限された条件下での結晶質モレキュラーシーブの乾燥、特定の条件下でのテトラクロロシランによる処理、該処理により生成する塩素成分の洗浄除去といった、手のこんだ緻密な制御と多くの工程を重ねて作られる。一方、液相でのシリル化処理も、結晶質モレキュラーシーブの水分含有量の制御と有機ケイ素化合物の加水分解を利用した結晶質モレキュラーシーブ表面の処理といった、微妙な制御技術と多くの工程を重ねて作られる。これに対し、本発明における非晶質酸化物層は、8員環SAPOの合成過程において形成されるため、従来公知の方法に比べて工程数ははるかに少なく、触媒性能の制御も非常に簡単で経済的である。
【0042】
すなわち、合成した8員環SAPOの表面に非晶質酸化物層が存在すること、非晶質酸化物層の存在や厚さが触媒性能に大きく影響すること、非晶質酸化物層の厚さは8員環SAPO合成時における非晶質酸化物層の形成過程の水熱処理条件で精密に制御できることは、これまで全く知られておらず、本発明の非晶質酸化物層を表面に有する8員環SAPOは、液相でシリル化処理したシリカ変性SAPOなどのシリカで修飾された結晶質モレキュラーシーブとは、概念も本質も全く異なる物質である。
【0043】
本発明では、水熱処理条件として、原料混合物を、第1工程の水熱処理のうち、8員環SAPOの結晶化が実質的に進まない80〜130℃の間で1時間以上水熱処理した後、結晶化が顕著に進む150〜200℃の温度範囲内で水熱処理し、続いて、第2工程として、150〜200℃の温度範囲内で水熱処理する工程を含む処理を行う。これによってAl2O3のモル数に対して1.0倍量未満と従来に比し少ない鋳型剤の使用量でも、純度及び結晶化度が高く、かつSi/Alのモル比及び厚さが制御された非晶質酸化物層を持った、優れた触媒活性とジメチルアミン選択性を有する8員環SAPOを安定して製造することが可能となった。すなわち、第1工程において、比較的温和な80〜130℃の温度条件で1時間以上の水熱処理する工程を設け、鋳型剤が有効に利用されるようにしたことで、鋳型剤の使用量を結晶中に存在する本来の必要量程度まで低減できるようになった。
【0044】
本願製造法のもう一つの特徴は、鋳型剤の使用量が少なくなるにつれて、触媒収率が良くなることである。このことは、鋳型剤の使用量が少ないことと、触媒収率が良くなるという2つの効果により、従来公知の方法に比べて触媒収量が大幅に増加するため、触媒製造コストが大幅に低減でき、工業生産上極めて都合が良い。このように、過剰の鋳型剤を必要とする従来公知の方法に比べると、本願製造法は、単に鋳型剤の使用コストと廃棄処理コストを低減できるだけに止まらず、高い触媒収率による触媒製造コストの低減もはかれるため、経済性の点で、大きく改善されている。
【0045】
触媒収率が良くなる理由は、アルカリである鋳型剤を多く必要とする従来公知の方法では、必然的に原料混合物のpHが高くなり、SAPOの構成成分であるケイ素、アルミニウム、リン化合物の溶解度が高くなるため、触媒収量が少なくなると考えることで説明できる。従来公知の方法における水熱処理後のpHは8以上の範囲であるが、本願製造法では、概ね5.5〜7.5の範囲である。
【0046】
通常、8員環SAPOは、水酸化テトラエチルアンモニウム、モルホリン、シクロヘキシルアミン、及びジエチルエタノールアミン等の化合物を鋳型剤として用い、鋳型剤、ケイ素化合物、アルミニウム化合物、リン化合物、及び水を均一に混合して、オートクレーブ中で、150〜200℃の温度下、数時間〜200時間水熱処理して合成される。
aR,bSiO2,cAl2O3,dP2O5,eH2O ・・・・ 式(1)
鋳型剤は、水熱処理する混合物を上記式(1)に示した組成式で表わした際の、Al2O3のモル数に対して1〜3倍量を用いるのが一般的である。
従来の技術で述べたように、鋳型剤の使用量がAl2O3のモル数に対して1倍量未満では、純粋な8員環SAPOの合成は困難であるようで、合成に成功した例は知られていない。先に挙げた文献以外に、例えば、米国特許第5,126,308号明細書に、メタノールからオレフィンを製造するためのSAPOの合成法について記載しているが、鋳型剤である水酸化テトラエチルアンモニウムとジ−n−プロピルアミンの合計使用量はAl2O3のモル数に対して1.0倍量以上である。また、米国特許第5,663,471号明細書は、SAPOの製造法について記載しているが、鋳型剤である水酸化テトラエチルアンモニウムの使用量はAl2O3のモル数に対して2.0倍量である。
【0047】
焼成を行う前の8員環SAPOは、鋳型剤分子を細孔内に内包している。このような細孔に存在している鋳型剤の量は、焼成を行う前の試料をICPなどの組成分析、TGのような重量分析、焼成減量測定(LOI)を行う事により求めることができる。文献L Marchese, A.Frache, E. Gianotti, G.Marta, M.Causa, S.Coluccia, Microporous, and Mesoporous Materials 30 (1999) p.145-153は、鋳型剤にモルホリンを用いたSAPO-34の合成に関するものであるが、焼成前のSAPO-34のケージ中には、鋳型剤分子は1.5個内包されている事を述べている。この量はAl2O3のモル数に対する比率に換算すると0.49倍量となる。この0.49倍量の鋳型剤使用量で純粋な8員環SAPOを合成できることが望ましいが、これまでそのような例は知られていない。
【0048】
後段の、実施例の項の比較例1〜3に示すように、80〜130℃の間の温度範囲内で1時間以上水熱処理する操作を行わず、従来の水熱処理条件で鋳型剤使用量をAl2O3に対して1.0倍量よりも減らして合成を行うと、8員環SAPO以外に、SAPO-5のような8員環SAPOではないAFI型構造体やInternational Centre for Diffraction Dataが定めるところのJCPDSカード番号20-0045に記載のリン酸アルミニウムに帰属される構造体が生成するため、得られる8員環SAPOの純度及び結晶化度は低いものとなってしまう。
【0049】
第1工程の水熱処理のうち、80〜130℃の間で1時間以上水熱処理すると、鋳型剤の使用量がAl2O3のモル数に対して1.0倍量未満でも、純粋で結晶性の高い8員環SAPOが安定して製造できる理由はよくわかっていないが、例えばシャバサイト型の8員環SAPOの場合、次のように考えることで説明できる。
第1工程の水熱処理のうち、80〜130℃の間で1時間以上水熱処理すると、シャバサイト型の8員環SAPOの骨格を構成している二重6員環構造(Double-six-ring-structure)やシャバサイト型の8員環SAPOの核が合成母液中に形成されるため、150〜200℃の温度で水熱処理した際、シャバサイト型の8員環SAPOが速やかに結晶化が進むと考えられる。
一方、80〜130℃の間で1時間以上水熱処理する操作を行わない場合、合成母液中の二重6員環構造やシャバサイト型の8員環SAPO核の形成量が不充分となり、150〜200℃の温度で水熱処理しても、8員環SAPOではないAFI型構造のSAPOが生成したり、結晶化が完全に進まなくなると考えられる。このような現象は、鋳型剤の使用量が多い場合には起こりにくいが、鋳型剤の量が少なくなるにつれて顕著になると考えられる。
【0050】
8員環SAPOの純度は、X線回折で求めることができる。例えば、シャバサイト型の8員環SAPOの純度は、X線回折で測定したシャバサイト型構造体の(100)面のピーク強度に対するAFI型構造体の(100)面のピーク強度の比で求めることができる。シャバサイト型構造体の(100)面及びAFI型構造体の(100)面のピークは、CuKα線を用いた走査軸2θ/θ法で、2θがそれぞれ約9.5度および約7.4度の位置に現れる。
【0051】
8員環SAPOの有効細孔直径は約4オングストロームであるため、メタノールとアンモニアの反応でメチルアミン類を製造するにあたって、分子サイズが6.3×5.8×4.1オングストロームであるトリメチルアミンは細孔の外に出てくることができず、溶剤、医薬、界面活性剤などの原料として有用なジメチルアミンが選択的に製造できる特徴を持っている。これに対し、8員環SAPOではないAFI型構造のSAPO-5の有効細孔直径は約7オングストロームであるため、トリメチルアミン分子が通過できる。そのため、例えば、シャバサイト型の8員環SAPOの場合、シャバサイト型構造体の(100)面のピーク強度に対するAFI型構造体の(100)面のピーク強度の比が0.02を越えるSAPOを反応に用いると、トリメチルアミンがより多く生成するため、ジメチルアミン選択性が低下する。このような理由から、本発明におけるシャバサイト型の8員環SAPOの好ましいシャバサイト型構造体の(100)面のピーク強度に対するAFI型構造体の(100)面のピーク強度の比は、0.02以下である。
【0052】
本発明の方法により得られた、8員環SAPOは、高い純度と高い結晶化度、先に述べた好ましい範囲の厚さ又は表面組成比の非晶質酸化物層を持つため、メタノールとアンモニアの反応、メタノールとモノメチルアミンの反応、或いはモノメチルアミンの不均化反応によるメチルアミン類の製造において、優れた活性とジメチルアミン選択性を示す。
【0053】
本発明の水熱処理における温度制御方法は、第1工程において、80〜130℃の温度範囲内で1時間以上かけて水熱処理した後、150〜200℃の温度範囲内で1〜10時間水熱処理し、第2工程の水熱処理として150〜200℃の温度範囲内で10時間以上水熱処理する工程を含むものである。
中でも、第1工程の水熱処理として、95〜125℃の間の一定温度で3〜24時間水熱処理を行い、かつ第1工程の結晶化工程の一部と第2工程の水熱処理として、150〜200℃の温度範囲内で10〜150時間水熱処理する条件は、純粋で結晶性の高いシャバサイト型の8酸素員環細孔を持つ結晶質シリコアルミノリン酸塩モレキュラーシーブが安定して得られるため、水熱処理における温度制御方法として特に好ましい。
【0054】
第1工程において、80〜130℃の間の温度範囲内で1時間以上水熱処理を行った後、150〜200℃の温度範囲内で水熱処理すると、優れた触媒活性とジメチルアミン選択性を持つ触媒を安定的に製造できるが、例えば、前段の水熱処理を130℃を超える温度で1時間以上行うと、8員環SAPOではないAFI型の構造体の生成が顕著になり、ジメチルアミン選択性が低下する。一方、80℃未満の温度で1時間以上行った場合には、8酸素員環細孔を持つ結晶質シリコアルミノリン酸塩モレキュラーシーブ全体のケイ素含有量が少なくなり触媒活性が低くなる。
【0055】
第1工程における80〜130℃の温度範囲で行う水熱処理において、昇温操作を行う場合の、好ましい昇温パターンを挙げると、室温から170℃までを6時間で定速度昇温するパターンや、室温から80℃までを1時間で上げて80℃から170℃までを3時間で定速度昇温するパターン、室温から110℃まで2時間で昇温して110℃で5時間保持し、その後170℃まで昇温するパターンなどが挙げられる。
これに対して、80〜130℃の間を70℃/時間以上の速度で昇温させるとAFI型構造体の生成が顕著になるので好ましくない。また、80℃までの昇温を100℃/h以上の速度で行うと原料混合物の固化が起こる場合があるので、これも好ましくない。なお、第1工程において、80〜130℃の温度範囲内で行う水熱処理と、150〜200℃の温度範囲内で行う水熱処理との間の昇温条件に特に制限はない。
【0056】
第2工程の150〜200℃の温度範囲内で行う水熱処理の好ましい処理時間は、水熱処理温度や原料混合物のケイ素使用量で変わるが、非晶質酸化物層の形成が十分に進む10時間以上であれば良い。より好ましくは、適切な厚さや表面組成比の非晶質酸化物層を、安定して結晶粒子表面に形成できる10〜150時間の範囲、更に好ましくは、20〜120時間の範囲である。その理由は優れた触媒活性とジメチルアミン選択性を示す厚さや表面組成の非晶質酸化物層を有する8員環SAPOが、安定的に製造できるためである。
【0057】
水熱処理の際の攪拌は、静置よりも攪拌が好ましく、より好ましくは、水熱処理混合物が充分に均一に混合されていることである。
【0058】
本発明の8員環SAPOの製造において、原料に用いるケイ素化合物としては、粉末状のシリカ、シリカゾル、オルトケイ酸、及びテトラエトキシシランなどが挙げられる。特に好ましいのは、シリカゾルである。ケイ素化合物の使用量は、特に限定されないが、水熱処理する原料混合物を酸化物の比で表した場合、Al2O3に対するSiO2のモル比で0.1から0.6が好ましい。アルミニウム化合物としては、擬ベーマイト、ベーマイト、ジブサイト、バイヤライト、及びγ−アルミナなどの酸化アルミニウム、水酸化アルミニウム、水和酸化アルミニウム、並びにアルミニウムトリイソプロポキシドのようなアルミニウムアルコキシドなどが原料として挙げられる。原料価格、入手のし易さ、反応性を考慮すると、この中で特に好ましいのは、擬ベーマイトである。逆に、アルミン酸ナトリウム等のアルミン酸塩の使用は、通常必要な焼成に加えて、ナトリウムイオン等の陽イオンのイオン交換が必要となり、後処理に手間がかかるので好ましくない。
【0059】
原料に用いるリン化合物として特に好ましいのはオルトリン酸であるが、これだけに限定されるものではない。リン酸の使用量は特に限定されないが、水熱処理に用いる原料混合物を酸化物の比で表した場合、Al2O3に対するP2O5のモル比で0.7〜1.1が好ましい。また、前記アルミニウム化合物及びリン化合物の代わりに、或いは、前記アルミニウム化合物、リン化合物とともに、リン酸アルミニウムを用いても良い。水の使用量は特に限定されるものではなく、均一に攪拌できるようなスラリー濃度であれば良いが、工業的な生産効率を考慮すれば、Al2O3に対する水のモル比は100以下が好ましい。
【0060】
鋳型剤として用いられる有機アミン、有機アンモニウム塩は、1級アミン、2級アミン、3級アミン、4級アンモニウム塩やアミノアルコール、ジアミンを用いることができる。8員環SAPOを合成しやすい有機アミン、有機アンモニウム塩としては、水酸化テトラエチルアンモニウム、水酸化トリエチルメチルアンモニウム、ジエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン、モルホリン、メチルブチルアミン、ジイソプロピルアミン、ジ−n−プロピルアミン、キヌクリジン、シクロヘキシルアミン、及びN,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミンなどが挙げられる。これらの有機アミン、有機アンモニウム塩は、単独で用いても、2種以上の有機アミン、有機アンモニウム塩を混合して用いても差し支えない。また、水酸化アルキルアンモニウム中には、その原料である塩化物や臭化物などが含まれていることがあるが、とくに差し支えはない。シャバサイト型の8員環SAPOを製造する場合、平均粒子径と粒子形状の点から、上記鋳型剤の中では、水酸化テトラエチルアンモニウムが好ましい
【0061】
8員環SAPOを合成する際の有機アミン、有機アンモニウム塩の使用量は特に限定されないが、Al2O3に換算されたアルミニウム化合物のモル数に対する、有機アミンと有機アンモニウム塩の合計モル数の比が0.4〜0.98の範囲でも、純度および結晶性の高い8員環SAPOが合成できるため、前記範囲が好ましい。特に、シャバサイト型の8員環SAPOを合成する場合、Al2O3に換算されたアルミニウム化合物のモル数に対する、有機アミンと有機アンモニウム塩の合計モル数の比が0.4〜0.98の範囲が、純度および結晶性の高いシャバサイト型の8員環SAPOが合成できるため、好ましい。Al2O3に対する有機アミンと有機アンモニウム塩の合計モル数の比が0.98を越えても、シャバサイト型の8員環SAPOは合成できるが、好ましくない粒子形状である板状粒子が生成したり、余分なアミンとアンモニウム塩を使う事による原料コストの上昇や触媒収量の低下をまねく。また、これら余分のアミンとアンモニウム塩は水熱処理後の分離・洗浄工程で廃液として出るが、その処理コストの上昇や環境への負荷を考慮すると好ましい事ではない。有機アミンと有機アンモニウム塩の合計モル数の比が0.40を下回ると、JCPDSカード番号20-0045に記載のリン酸アルミニウムに帰属される構造体が生成するようになり、触媒活性やジメチルアミン選択性が低下する。
【0062】
一般的な8員環SAPOの形態としては、立方体状、直方体状、板状、棒状、針状、球状、及びこれらの形状の集合体などが挙げられる。これらの形態の中で、本発明におけるシャバサイト型の8員環SAPOの好ましい形態は、結晶の平均粒子径が5μm以下で、形状が立方体状、直方体状である。特に好ましいのは結晶の平均粒子径が1〜4μmで、形状が立方体状、直方体状である。逆に、結晶の平均粒子径が1μm以下の板状の形態や、板状粒子が集合して塊状になっている形態は好ましくない。その理由は、結晶の平均粒子径が5μm以下で、形状が立方体状、直方体状の形態を持つシャバサイト型の8員環SAPOがメタノールとアンモニアの反応でメチルアミン類を製造するにあたって、優れた活性、ジメチルアミン選択性と寿命性能を示すからである。平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布計で容易に測定できる。粒子形状は、走査型電子顕微鏡で観察できる。
【0063】
上記、水熱処理条件で合成した8員環SAPOは、ろ過、デカンテーション又は遠心分離したのち、洗浄する。その後、80〜150℃の温度で乾燥し、焼成する。焼成は、通常、空気または空気と窒素の混合気流中で、400〜1000℃の温度範囲で行われる。特に好ましくは、500〜900℃の温度範囲である。
【0064】
本発明の8員環SAPOは、そのまま、圧縮成型、打錠成型又は押し出し成型して、メタノールとアンモニアとの反応、メタノールとモノメチルアミンの反応、或いはモノメチルアミンの不均化反応の触媒として使用される。また、メタノールからの低級オレフィン類の製造(MTO反応)など他の触媒反応へ適用することも可能である。
【0065】
本発明の、8員環SAPOを用いてメタノールとアンモニアの反応、メタノールとモノメチルアミンの反応、或いはモノメチルアミンの不均化反応を行ってメチルアミン類の製造を行う場合、反応の形態は、固定床方式、流動床方式の何れでも差し支えない。反応温度は、200〜400℃の範囲が好ましく、特に250〜350℃の範囲が好ましい。反応圧力は、特に制限はないが、通常0.1〜10MPaの圧力範囲で行うのが好ましい。
【0066】
【実施例】
以下、本発明を実施例及び比較例をもって説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
なお、本実施例で用いた物理的、化学的性状の測定方法、及びメチルアミンの合成方法は以下の通りである。
(1)触媒収率は、得られた固体物の焼成後の重量を、オートクレーブに仕込んだ原料混合物中のシリカ化合物、アルミニウム化合物、リン化合物、チタニウム化合物、及びジルコニウム化合物を各々SiO2、Al2O3、P2O5、TiO2、ZrO2の重量に換算したうえ、それらの重量の総和で除し、これに100をかけて重量%で表した。なお、得られた固体物の重量は、焼成後、110℃で8時間乾燥して、十分に乾燥した状態(焼成粉末)で測定した。
(2)得られた固体物のシャバサイト型8員環SAPOの純度は、焼成粉末のX線回折で求め、AFI型構造体存在比で表した。AFI型構造体存在比は、X線回折で測定して、AFI型構造体の(100)面のピーク強度をシャバサイト型構造体の(100)面のピーク強度で除して求めた。
(3)結晶化度は、焼成粉末をX線回折で測定し、特開2000-117114号公報記載の触媒調製例1の方法に従って合成した比較例8のシャバサイト型構造体の(100)面ピーク強度に対する、各々の焼成粉末の、シャバサイト型構造体の(100)面のピーク強度の比で求めた。
(4)粒子性状は、走査型電子顕微鏡観察(FE-SEM観察)で求めた。
(5)平均粒子径は、レーザー回折式粒度分布計で求めた。
(6)X線光電子分光分析は、焼成粉末を用いて測定し、表面組成比は、Si(2p)、Al(2p)、P(2p)帯のナロースペクトルのピーク面積から、スコフィールド補正係数で補正して求めた。
(7)反応試験は、焼成粉末を打錠成型又は圧縮成型した後、1〜2mmの大きさに整粒した触媒を用い、原料タンク、原料供給ポンプ、不活性ガス導入装置、反応管(内径13mmφ、長さ300mm、SUS316)、冷却装置、試料採取タンク、及び背圧弁等を備えた流通式反応装置で行った。
(8)反応生成物の組成は、試料を30分かけて採取し、ガスクロマトグラフで分析して求めた。
【0067】
1.8員環 SAPO の合成(鋳型剤使用量及び水熱処理条件との関係)
実施例1〜9と比較例1〜9は、鋳型剤である水酸化テトラエチルアンモニウムの使用量と水熱処理の昇温条件を変えた8員環SAPOの合成例である。実施例及び比較例の触媒収率、AFI型構造体存在比、結晶化度、粒子形状と粒子径を表1にまとめた。また、反応試験の結果を表2にまとめた。反応試験は、整粒した触媒2.5g(3.5ml)を反応管に充填し、メタノールとアンモニアの1:1重量混合物を毎時8.62g、空間速度(GHSV)2500h-1で供給し、温度305℃、圧力2MPaで行った。
実施例1
85wt%リン酸(46.12g)と純水(191.16g)の均一な混合物を30℃以下に冷却し、これに擬ベーマイト(26.32g:SASOL GERMANY GmbH,PURAL SB,Al2O3含有量77.5%)を撹拌しながら添加した。この混合物を30分間攪拌した後、35wt%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(79.94g)を30℃以下に冷却および攪拌しながら添加した。この混合物を1時間撹拌した後、シリカゾル(18.04g:日産化学工業株式会社,スノーテックスN,SiO2含有量20wt%)を添加し更に30分間撹拌した。この混合物のモル酸化物比における組成は次の通りであった:0.95TEAOH:1.0Al2O3:1.0P2O5:0.3SiO2:75H2O(TEAOHは水酸化テトラエチルアンモニウムを表す)。得られた混合物を内容積0.6Lのステンレス製オートクレーブ中、400rpmで撹拌しながら水熱処理した。水熱処理は、第1工程として、内容物の温度で、25℃から170℃までを25℃/hで昇温し、第1工程の結晶化工程の一部と第2工程として170℃で35時間保持して行った。水熱処理時の圧力は自生圧とした。室温まで冷却した後、オートクレーブを開け、生成スラリーを遠心分離して沈殿を得た。得られた沈殿を200mlの純水で3回、洗浄・遠心分離したのち、80℃で12h乾燥した。更に空気気流下、600℃で4時間焼成して、白色粉末(40.35g)を得た。触媒収率は77%であった。この粉末はX線回折の結果、純粋なシャバサイト型構造を有する8員環SAPOであり、AFI型構造体、JCPDS番号20-0045化合物のピークは見られなかった。結晶化度は良好で、1.00であった。粒子性状は、立方体状の結晶であり、大きさ、形とも良く揃っていた。平均粒子径は、1.8μmであった。原料流通開始後6h目の反応成績は、表2に示すように、メタノール転化率92wt%、モノメチルアミン選択率39wt%、ジメチルアミン選択率54wt%、トリメチルアミン選択率7wt%であった。
【0068】
実施例2
水熱処理を、内容物の温度で、第1工程として25℃から115℃までを73℃/hで昇温し、115℃で5時間保持したのち、115℃から170℃までを73℃/hで昇温し、第1工程の結晶化工程の一部と第2工程として170℃で35時間保持して行った以外は、実施例1と同様にして白色の焼成粉末(40.50g)を得た。触媒収率、AFI型構造体存在比、結晶化度、粒子形状、平均粒子径を表1に示した。また、原料流通開始後6h目の反応成績を表2に示した。
【0069】
実施例3
35wt%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液の仕込み量を63.14g、純水の仕込み量を202.07gとした以外は、実施例2と同様にして白色の焼成粉末(46.15g)を得た。水熱処理した混合物のモル酸化物比における組成は次の通りであった:0.75TEAOH:1.0Al2O3:1.0P2O5:0.3SiO2:75H2O。触媒収率、AFI型構造体存在比、結晶化度、粒子形状、平均粒子径を表1に示した。また、原料流通開始後6h目の反応成績を表2に示した。
【0070】
実施例4
水熱処理を、内容物の温度で、第1工程として25〜80℃を73℃/h、80〜130℃を50℃/h、130〜170℃を70℃/hで昇温し、その後、第1工程の結晶化工程の一部と第2工程として170℃で35時間保持して行った以外は、実施例3と同様にして白色の焼成粉末(46.05g)を得た。触媒収率、AFI型構造体存在比、結晶化度、粒子形状、平均粒子径を表1に示した。また、原料流通開始後6h目の反応成績を表2に示した。
【0071】
実施例5
35wt%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液の仕込み量を42.10g、純水の仕込み量を215.74gとした以外は、実施例2と同様にして白色の焼成粉末(45.94g、触媒収率88%)を得た。水熱処理した混合物のモル酸化物比における組成は次の通りであった:0.50TEAOH:1.0Al2O3:1.0P2O5:0.3SiO2:75H2O。得られた焼成粉末はX線回折の結果、シャバサイト型構造体のピークのほかに、少量のJCPDS番号20-0045化合物のピークが観察されたが、同じTEAOH/Al2O3のモル比で合成した比較例3の触媒に見られたAFI型構造体のピークは観察されなかった。また、結晶化度は0.65であり、比較例3よりも高かった。粒子形状は、立方状の結晶であり、平均粒子径は、1.1μmであった。この例から、第1工程の水熱処理を行う際、115℃で5時間保持することにより、比較例3と同じTEAOH/Al2O3のモル比0.50でも、より純度及び結晶化度が良好なシャバサイト型構造を有する8員環SAPOが得られることがわかった。
【0072】
実施例6
85wt%リン酸(46.12g)と純水(108.99g)及び、35wt%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(63.14g)の均一な原料混合物を30℃以下に冷却し、これに擬ベーマイト(26.32g:SASOL GERMANY GmbH,PURAL NF,Al2O3含有量77.5%)を撹拌しながら添加した。この混合物を1時間撹拌した後、シリカゾル(18.04g:日産化学工業株式会社,スノーテックスN,SiO2含有量20wt%)とチタニアゾル(4.04g,石原産業株式会社,STS-01,TiO2含有量29.5wt%)を添加し更に30分間撹拌した。この混合物のモル酸化物比における組成は次の通りであった:0.75TEAOH:1.0Al2O3:1.0P2O5:0.3SiO2:0.075TiO2:50H2O。得られた原料混合物を内容積0.6Lステンレス製オートクレーブ中、500rpmで撹拌しながら水熱処理した。水熱処理は、内容物の温度で、第1工程として25℃から110℃までを65℃/hで昇温し、110℃で5時間保持したのち、110℃から160℃までを65℃/hで昇温し、第1工程の結晶化工程の一部と第2工程として160℃で35時間保持して行った。水熱処理時の圧力は自生圧とした。室温まで冷却した後、オートクレーブを開け、生成スラリーを遠心分離して沈殿を得た。得られた沈殿を200mlの純水で3回、洗浄・遠心分離したのち、80℃で12h乾燥した。更に空気気流下、800℃で4時間焼成して、白色粉末(48.30g)を得た。触媒収率は90%であった。この粉末はX線回折の結果、純粋なシャバサイト型構造を有する8員環SAPOであり、AFI型構造体、JCPDS番号20-0045化合物のピークは見られなかった。結晶化度は良好で、1.10であった。粒子性状は、立方体状の結晶であり、大きさ、形とも良く揃っていた。平均粒子径は、1.7μmであった。
原料流通開始後6h目の反応成績は、表2に示したように、メタノール転化率94wt%、モノメチルアミン選択率37wt%、ジメチルアミン選択率60wt%、トリメチルアミン選択率3wt%であった。
【0073】
実施例7
水熱処理を、内容物の温度で、第1工程として25℃から125℃までを65℃/hで昇温し、125℃で24時間保持したのち、125℃から170℃までを65℃/hで昇温し、第1工程の結晶化工程の一部と第2工程として170℃で35時間保持して行った以外は、実施例6と同様にして白色の焼成粉末(47.81g)を得た。触媒収率、AFI型構造体存在比、結晶化度、粒子形状、平均粒子径を表1に示した。また、原料流通開始後6h目の反応成績を表2に示した。
【0074】
実施例8
水熱処理を、内容物の温度で、第1工程として25℃から90℃までを65℃/hで昇温し、90℃で5時間保持したのち、90℃から165℃までを65℃/hで昇温し、第1工程の結晶化工程の一部と第2工程として165℃で12時間保持して行った以外は、実施例6と同様にして白色の焼成粉末(47.09g)を得た。触媒収率、AFI型構造体存在比、結晶化度、粒子形状、平均粒子径を表1に示した。また、原料流通開始後6h目の反応成績を表2に示した。
【0075】
実施例9
35wt%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液の仕込み量を42.09g、純水の仕込み量を118.00g、シリカゾルの仕込み量を24.05gとし、水熱処理を、内容物の温度で、第1工程として25℃から115℃までを20℃/hで昇温し、115℃で5時間保持したのち、115℃から170℃までを20℃/hで昇温し、第1工程の結晶化工程の一部と第2工程として170℃で50時間保持して行った以外は、実施例6と同様にして白色の焼成粉末(50.43g、触媒収率92%)を得た。水熱処理した混合物のモル酸化物比における組成は次の通りであった:0.50TEAOH:1.0Al2O3:1.0P2O5:0.4SiO2:0.075TiO2:50H2O。触媒収率、AFI型構造体存在比、結晶化度、粒子形状、平均粒子径を表1に示した。また、原料流通開始後6h目の反応成績を表2に示した。
【0076】
比較例1
水熱処理を、内容物の温度で、第1工程として25℃から170℃までを79℃/hで昇温し、第1工程の結晶化工程の一部と第2工程として170℃で42時間保持して行った以外は、実施例1と同様にして白色の焼成粉末(40.32g)を得た。この粉末はX線回折の結果、8員環SAPOであるシャバサイト型構造体のピークのほかに、8員環SAPOではないAFI型構造体のピークが見られた。AFI型構造体存在比は0.03であった。JCPDS番号20-0045化合物のピークは見られなかったが、結晶化度は悪く、0.89であった。粒子性状は、立方体状の結晶であったが、AFI型構造体と見られる六角柱状結晶が観察された。平均粒子径は、1.8μmであった。原料流通開始後6h目の反応成績を表2に示した。
【0077】
比較例2
水熱処理を、内容物の温度で、第1工程として25℃から170℃までを78℃/hで昇温し、第1工程の結晶化工程の一部と第2工程として170℃で35時間保持して行った以外は、実施例3と同様にして白色の焼成粉末(43.30g)を得た。この粉末はX線回折の結果、8員環SAPOであるシャバサイト型構造体のピークのほかに、8員環SAPOではないAFI型構造体のピークとJCPDS番号20-0045化合物のピークが見られた。AFI型構造体存在比は0.03であった。結晶化度は悪く0.79であった。粒子性状は、直方体状の結晶であったが、AFI型構造体と見られる六角柱状結晶、アモルファス化合物と見られる不定形物質が観察された。平均粒子径は、1.5μmであった。原料流通開始後6h目の反応成績を表2に示した。
【0078】
比較例3
水熱処理を、内容物の温度で、第1工程として25℃から170℃までを78℃/hで昇温し、第1工程の結晶化工程の一部と第2工程として170℃で35時間保持して行った以外は、実施例5と同様にして白色の焼成粉末(43.40g)を得た。この粉末はX線回折の結果、8員環SAPOであるシャバサイト型構造体のピークのほかに、8員環SAPOではないAFI型構造体のピークおよびJCPDS番号20-0045化合物のピークが見られた。AFI型構造体存在比は0.10であった。結晶化度は悪く、0.32であった。
【0079】
比較例4
35wt%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液の仕込み量を21.05g、純水の仕込み量を229.43gとした以外は、実施例2と同様にして白色の焼成粉末(45.51g)を得た。水熱処理した混合物のモル酸化物比における組成は次の通りであった:0.25TEAOH:1.0Al2O3:1.0P2O5:0.3SiO2:75H2O。得られた焼成粉末はX線回折の結果、JCPDS番号20-0045化合物の構造体であり、シャバサイト型構造体、AFI型構造体のピークは観察されなかった。
【0080】
比較例5
水熱処理を、内容物の温度で、第1工程として25℃から135℃までを65℃/hで昇温し、135℃で5時間保持したのち、135℃から170℃までを65℃/hで昇温し、第1工程の結晶化工程の一部と第2工程として170℃で35時間保持して行った以外は、実施例6と同様にして白色の焼成粉末(47.65g)を得た。この粉末はX線回折の結果、シャバサイト型構造体のピークのほかに、AFI型構造体のピークが見られた。JCPDS番号20-0045化合物のピークは見られなかった。AFI型構造体存在比は0.04、結晶化度は0.98であった。粒子性状は、立方体状の結晶のほかに、AFI型構造体と見られる針状結晶が観察された。平均粒子径は、1.9μmであった。原料流通開始後6h目の反応成績を表2に示した。
【0081】
比較例6
水熱処理を、内容物の温度で、第1工程として25℃から70℃までを65℃/hで昇温し、70℃で5時間保持したのち、70℃から170℃までを65℃/hで昇温し、第1工程の結晶化工程の一部と第2工程として170℃で35時間保持して行った以外は、実施例6と同様にして白色の焼成粉末(45.65g)を得た。この粉末はX線回折の結果、8員環SAPOであるシャバサイト型構造体のピークのほかに、AFI型構造体のピークが見られた。JCPDS番号20-0045化合物のピークは見られなかった。AFI型構造体存在比は0.03、結晶化度は0.90であった。粒子性状は、厚みのある板状の結晶であった。平均粒子径は、1.5μmであった。原料流通開始後6h目の反応成績を表2に示した。
【0082】
比較例7
35wt%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液の仕込み量を105.23g、純水の仕込み量を76.93g、水熱処理時の攪拌速度を200rpmとした以外は、実施例9と同様にして白色の焼成粉末(36.40g、触媒収率66%)を得た。水熱処理した混合物のモル酸化物比における組成は次の通りであった:1.25TEAOH:1.0Al2O3:1.0P2O5:0.4SiO2:0.075TiO2:50H2O。X線回折の結果、得られた焼成粉末は、純粋なシャバサイト型構造体であり、AFI型構造体、JCPDS番号20-0045化合物のピークは見られなかった。結晶化度は、0.65と悪かった。粒子性状は、薄い板状の結晶であり、平均粒子径は、0.6μmであった。原料流通開始後6h目の反応成績を表2に示した。
【0083】
比較例8
特開2000-117114号公報記載の触媒調製例1と同様にして、ジルコニア変性SAPO-34を合成した。35wt%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(151.41g)と純水(84.60g)の均一な混合物を5℃に冷却し、アルミニウムイソプロポキシド(81.80g:ナカライテスク株式会社)を添加し、15分間高速攪拌した。次にシリカゾル(18.04g)と酸化ジルコニウム粉末(2.40g,第一稀元素化学株式会社,RC-100)を加え、5分間均一になるまで高速攪拌した。更に、85wt%リン酸(46.20g)を加えて、同様に5分間攪拌し、引き続きライカイ処理を1時間行った。この混合物のモル酸化物比における組成は次の通りであった:1.80TEAOH:1.0Al2O3:1.0P2O5:0.3SiO2:0.097ZrO2:57H2O。得られた混合物を内容積0.6Lステンレス製オートクレーブ中、200rpmで撹拌しながら水熱処理した。水熱処理は、内容物の温度で、25℃から200℃までを75℃/hで昇温し、200℃で4時間保持して行った。水熱処理時の圧力は自生圧とした。室温まで冷却した後、オートクレーブを開け、生成スラリーを遠心分離して沈殿を得た。得られた沈殿を200mlの純水で4回、洗浄・遠心分離したのち、80℃で12h乾燥した。更に空気気流下、600℃で4時間焼成して、白色粉末(34.21g)を得た。触媒収率は62%であった。この粉末はX線回折の結果、純粋なシャバサイト型構造体であり、AFI型構造体やJCPDS番号20-0045化合物のピークは見られなかった。粒子性状は、立方体状の結晶であり、大きさ、形とも良く揃っていた。平均粒子径は、1.4μmであった。原料流通開始後6h目の反応成績は、表2に示したように、メタノール転化率90wt%、モノメチルアミン選択率41wt%、ジメチルアミン選択率54wt%、トリメチルアミン選択率5wt%であった。
【0084】
比較例9
比較例8と同様にして、ジルコニア変性SAPO-34を合成し、白色の焼成粉末(32.55g、触媒収率59%)を得た。この粉末はX線回折の結果、純粋なシャバサイト型構造体であり、AFI型構造体やJCPDS番号20-0045化合物のピークは見られなかった。粒子性状は、立方体状の結晶であり、大きさ、形とも良く揃っていた。平均粒子径は、1.6μmであった。原料流通開始後6h目の反応成績は、表2に示した。
【0085】
【表1】

Figure 0004596116
【0086】
【表2】
Figure 0004596116
【0087】
水酸化テトラエチルアンモニウムの使用量を、Al2O3に換算したアルミニウム化合物のモル数に対して1.0倍量以下とし、第1工程の水熱処理を80℃から130℃の間の温度ではあるものの1時間未満しか行わなかった比較例1〜3、5、6の触媒には、8員環SAPOではないAFI型構造体が見られ、結晶化度は低かった。また、これらの触媒を用いた反応のメタノール転化率及びジメチルアミン選択率は低いものであった。これに対し、第1工程の水熱処理を80℃から130℃の間の温度で1時間以上かけて行った実施例1〜9の触媒には、AFI型構造体、JCPDS番号20-0045化合物は見られず、結晶化度も良好であった。また、これらの触媒を用いた反応のメタノール転化率及びジメチルアミン選択率は、比較例1、2、5、6の触媒に比べて良好であった。特に、鋳型剤の水酸化テトラエチルアンモニウムを、Al2O3に換算した擬ベーマイトのモル数に対して0.75倍量用いて、第1工程について温度115℃と125℃で保持し1時間以上かけて水熱処理した実施例3と6の触媒のメタノール転化率とジメチルアミン選択率は、優れていた。比較例7〜9は、水酸化テトラエチルアンモニウムを、Al2O3に換算したアルミニウム化合物のモル数に対して1.0倍量以上用いて合成した例である。これらの例から、TEAOH/Al2O3のモル比が0.98を越えても、純粋なシャバサイト型の8員環SAPOは合成できるが、触媒収率が59〜66%と低く、触媒の生産性が低いことがわかった。また、メタノール転化率、ジメチルアミン選択率も、実施例1〜9の触媒に比べて低く、特に、板状結晶である比較例7の触媒性能は低かった。これらの例から明らかなように、従来、困難と考えられてきた少ない鋳型剤量でも、水熱処理の際の温度を制御することにより、純度、結晶化度、触媒性能の良いシャバサイト型の8員環SAPOが得られ、むしろTEAOH/Al2O3のモル比が0.75と小さい方が、結晶化度、触媒性能が優れていることがわかる。特に、比較例8と9は、特開2000−117114号公報記載の触媒調製例の合成再現性を調べた例であるが、比較例9のようにメタノール転化率が、再現しない場合があることがわかった。比較例4は、水酸化テトラエチルアンモニウムを、Al2O3に換算した擬ベーマイトのモル数に対して0.25倍量用いて合成した例であるが、得られた固体生成物は、JCPDS番号20-0045化合物の構造体であり、シャバサイト型の8員環SAPOは得られなかった。一方、水酸化テトラエチルアンモニウムを0.50倍量用いた実施例9では、純粋なシャバサイト型の8員環SAPOが合成でき、触媒性能も良好であった。
【0088】
2.鋳型剤として水酸化テトラエチルアンモニウムとジエタノールアミン、シクロヘキシルアミンを用いた例
実施例10は、鋳型剤として水酸化テトラエチルアンモニウムとジエタノールアミンの混合物を、実施例11は鋳型剤としてシクロヘキシルアミンを用いたシャバサイト型の8員環SAPOの合成例である。得られた触媒の反応試験結果を表3に記載した。反応試験は、実施例1〜9と同様にして行った。
【0089】
実施例10
85wt%リン酸(41.51g)と純水(98.70g)、35wt%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(42.10g)、及びジエタノールアミン(6.30g)の均一な混合物を30℃以下に冷却し、これに擬ベーマイト(26.32g:SASOL GERMANY GmbH,PURAL NF,Al2O3含有量77.5%)を撹拌しながら添加した。この混合物を1時間撹拌した後、シリカゾル(30.06g:日産化学工業株式会社,スノーテックスN,SiO2含有量20wt%)と酸化ジルコニウム粉末(1.25g,第一稀元素化学工業株式会社,RC-100)を添加し更に30分間撹拌した。この混合物のモル酸化物比における組成は次の通りであった:0.50TEAOH:0.30DEA:1.0Al2O3:0.9P2O5:0.5SiO2:0.05ZrO2:45H2O(DEAはジエタノールアミンを表す)。得られた混合物をステンレス製オートクレーブ中で、撹拌しながら水熱処理した。水熱処理は、内容物の温度で、第1工程として25℃から115℃までを65℃/hで昇温し、115℃で5時間保持したのち、115℃から170℃までを65℃/hで昇温し、第1工程の結晶化工程の一部と第2工程として170℃で35時間保持して行った。水熱処理時の圧力は自生圧とした。室温まで冷却した後、オートクレーブを開け、生成スラリーを遠心分離して沈殿を得た。得られた沈殿を200mlの純水で3回、洗浄・遠心分離したのち、80℃で12h乾燥した。更に空気気流下、600℃で4時間焼成して、白色粉末(44.17g)を得た。触媒収率は85%であった。この粉末はX線回折の結果、純粋なシャバサイト型構造を有する8員環SAPOであり、AFI型構造体やJCPDS番号20-0045化合物のピークは見られなかった。結晶化度は良好で、1.03であった。粒子性状は、直方体状の結晶であり、大きさ、形とも良く揃っていた。平均粒子径は、2.5μmであった。原料流通開始後6h目の反応成績を表3に示した。
【0090】
実施例11
85wt%リン酸(43.82g)と純水(145.50g)の均一な混合物を30℃以下に冷却し、これにアルミニウムトリイソプロポキシド(81.70g:ナカライテスク株式会社)を撹拌しながら添加した。この混合物を30分間攪拌した後、シクロヘキシルアミン(15.90g)を攪拌しながら添加した。この混合物を1時間撹拌した後、シリカゾル(24.05g:日産化学工業株式会社,スノーテックスN,SiO2含有量20wt%)を添加し更に30分間撹拌した。この混合物のモル酸化物比における組成は次の通りであった:0.80シクロヘキシルアミン:1.0Al2O3:0.95P2O5:0.40SiO2:47.5H2O。得られた混合物をステンレス製オートクレーブ中で、撹拌しながら水熱処理した。水熱処理は、内容物の温度で、第1工程として25℃から115℃までを65℃/hで昇温し、115℃で5時間保持したのち、115℃から180℃までを65℃/hで昇温し、第1工程の結晶化工程の一部と第2工程として180℃で35時間保持して行った。水熱処理時の圧力は自生圧とした。室温まで冷却した後、オートクレーブを開け、生成スラリーを遠心分離して沈殿を得た。得られた沈殿を200mlの純水で3回、洗浄・遠心分離したのち、80℃で12h乾燥した。更に空気気流下、600℃で4時間焼成して、白色粉末(43.90g)を得た。触媒収率は84%であった。この粉末はX線回折の結果、純粋なシャバサイト型構造を有する8員環SAPOであり、AFI型構造体やJCPDS番号20-0045化合物のピークは見られなかった。結晶化度は良好で、1.00であった。粒子性状は、立方体状の結晶であり、大きさ、形とも良く揃っていた。平均粒子径は、3.5μmであった。原料流通開始後6h目の反応成績を表3に示した。
【0091】
【表3】
Figure 0004596116
【0092】
何れの例も、Al2O3に換算されたアルミニウム化合物のモル数に対して1.0倍量未満の鋳型剤量で、純粋なシャバサイト型構造を有する8員環SAPOが得られ、触媒性能も良好であることがわかる。
【0093】
3.非晶質酸化物層の表面組成及び厚さと触媒性能との関係
実施例12〜17と比較例10、11は、シャバサイト型構造を有する8員環SAPOの非晶質酸化物層の表面組成、厚さと触媒性能に関する例である。各実施例及び比較例触媒の結晶粒子全体のSi/Alの原子比(バルクのSi/Alの原子比)、表面のSi/Alの原子比、表面のSi/Pの原子比、非晶質酸化物層の厚さを表4に、また、反応試験の結果を表5にまとめた。反応試験は、実施例1〜9と同様にして行った。
【0094】
実施例12
実施例2で得られた焼成粉末を、ICP及びXPSで分析した結果、結晶粒子全体のSi/Alの原子比は0.15であり、表面のSi/Alの原子比は0.60、表面のSi/Pの原子比は0.66であった。
【0095】
実施例13
実施例6で得られた焼成粉末を、ICP及びXPSで分析した結果、結晶粒子全体のSi/Alの原子比は0.14であり、表面のSi/Alの原子比は1.07、表面のSi/Pの原子比は1.24であった。
【0096】
実施例14
85%リン酸(89.8g)と純水(183.9g)及び、35wt%水酸化テトラエチルアンモニウム水溶液(122.9g)の均一な混合物に、擬ベーマイト(51.3g:SASOL GERMANY GmbH,PURAL NF,Al2O3含有量77.5%)を撹拌しながら添加した。この混合物を1時間撹拌した後、シリカゾル(46.8g:日産化学工業株式会社,スノーテックスN,SiO2含有量20wt%)とチタニアゾル(5.3g,石原産業株式会社,STS-01,TiO2含有量29.5wt%)を添加し、更に30分間撹拌した。この混合物のpHは2.95であり、モル酸化物比における組成は次の通りであった:0.75TEAOH:1.0Al2O3:1.0P2O5:0.4SiO2:0.05TiO2:50H2O。得られた混合物を内容積0.6Lのステンレス製オートクレーブ中、700rpmで撹拌しながら、水熱処理した。水熱処理は、内容物の温度で、第1工程として25℃から115℃までを20℃/hで昇温し、115℃で5時間保持したのち、115℃から170℃までを20℃/hで昇温し、第1工程の結晶化工程の一部と第2工程として170℃で50時間保持して行った。水熱処理時の圧力は自生圧とした。室温まで冷却した後、オートクレーブを開け、生成スラリーを遠心分離して沈殿を得た。得られた沈殿を200mlの純水で3回、洗浄・遠心分離したのち、80℃で12h乾燥した。更に空気気流下、600℃で4時間焼成して、白色粉末(88.2g)を得た。触媒収率は83%であり、良好であった。この粉末はX線回折の結果、純粋なシャバサイト型構造体であり、AFI型構造体、JCPDS番号20-0045化合物のピークは見られなかった。結晶化度は良好で、1.05であった。粒子性状は、立方体状の結晶であり、大きさ、形とも良く揃っていた。平均粒子径は、2.2μmであった。得られた焼成粉末の結晶粒子全体のSi/Alの原子比は0.16であり、表面のSi/Alの原子比は1.61、表面のSi/Pの原子比は2.45であった。また、走査透過型電子顕微鏡観察より、焼成粉末の結晶粒子は、厚さ7ナノメートルの非晶質酸化物層を有していた。原料流通開始後6h目の反応成績を表5に示した。
【0097】
実施例15
水熱処理を、内容物の温度で、第1工程として25℃から115℃までを20℃/hで昇温し、115℃で5時間保持したのち、115℃から170℃までを20℃/hで昇温し、第1工程の結晶化工程の一部と第2工程として170℃で100時間保持して行った以外は、実施例14と同様にして白色の焼成粉末(86.2g、触媒収率81%)を得た。この粉末はX線回折の結果、純粋なシャバサイト型の構造を有する8員環SAPOであり、AFI型構造体、JCPDS番号20-0045化合物のピークは見られなかった。結晶化度は良好で、1.03であった。粒子性状は、立方体状の結晶であり、大きさ、形とも良く揃っていた。平均粒子径は、2.4μmであった。得られた焼成粉末の結晶粒子全体のSi/Alの原子比は0.15であり、表面のSi/Alの原子比は1.98、表面のSi/Pの原子比は2.92であった。また、走査透過型電子顕微鏡観察より焼成粉末の結晶粒子は、厚さ13ナノメートルの非晶質酸化物層を有していた。原料流通開始後6h目の反応成績を表5に示した。
【0098】
実施例16
水熱処理を、内容物の温度で、第1工程として25℃から115℃までを20℃/hで昇温し、115℃で5時間保持したのち、115℃から170℃までを20℃/hで昇温し、第1工程の結晶化工程の一部と第2工程として170℃で30時間保持して行った以外は実施例3と同様にして白色の焼成粉末(45.70g、触媒収率87%)を得た。この粉末はX線回折の結果、純粋なシャバサイト型構造体であり、AFI型構造体、JCPDS番号20-0045化合物のピークは見られなかった。結晶化度は1.00であった。粒子性状は、立方体状の結晶であり、大きさ、形とも良く揃っていた。平均粒子径は、1.9μmであった。得られた焼成粉末の結晶粒子全体のSi/Alの原子比は0.14であり、表面のSi/Alの原子比は0.65、表面のSi/Pの原子比は0.75であった。原料流通開始後6h目の反応成績を表5に示した。
【0099】
実施例17
水熱処理を、内容物の温度で、第1工程として25℃から115℃までを20℃/hで昇温し、115℃で5時間保持したのち、115℃から170℃までを20℃/hで昇温し、第1工程の結晶化工程の一部と第2工程として170℃で20時間保持し、次いで、シリカゾル(6.1g:日産化学工業株式会社,スノーテックスN,SiO2含有量20wt%)を水熱処理した混合物に添加し、更に170℃で10時間第2工程の水熱処理した以外は実施例16と同様にして白色の焼成粉末(46.21g、触媒収率88%)を得た。添加したシリカゾルのAl2O3に対するモル酸化物比は、SiO2/Al2O3比で0.10であった。この粉末はX線回折の結果、純粋なシャバサイト型の構造を有する8員環SAPOであり、AFI型構造体、JCPDS番号20-0045化合物のピークは見られなかった。結晶化度は、1.00であった。粒子性状は、立方体状の結晶であり、大きさ、形とも良く揃っていた。平均粒子径は、1.9μmであった。得られた焼成粉末の結晶粒子全体のSi/Alの原子比は0.15であり、表面のSi/Alの原子比は2.13、表面のSi/Pの原子比は3.01であった。原料流通開始後6h目の反応成績を表5に示した。この例から明らかなように、水熱処理の途中でシリカゾルを更に添加することにより、温度170℃での水熱処理時間が同じ実施例16よりも表面のSi/Alの原子比は大きく、また、ジメチルアミン選択性が改善されていることがわかった。
【0100】
比較例10
水熱処理を、内容物の温度で第1工程として25℃から115℃までを20℃/hで昇温し、115℃で5時間保持したのち、115℃から170℃までを20℃/hで昇温し、第1工程の結晶化工程の一部と第2工程として170℃で5時間保持して行った以外は、実施例14と同様にして白色の焼成粉末(84.7g、触媒収率80%)を得た。この粉末はX線回折の結果、純粋なシャバサイト型構造体であり、AFI型構造体、JCPDS番号20-0045化合物のピークは見られなかった。結晶化度は0.98であった。粒子性状は、立方体状の結晶であり、大きさ、形とも良く揃っていた。平均粒子径は、2.5μmであった。得られた焼成粉末の結晶粒子全体のSi/Alの原子比は0.14であり、表面のSi/Alの原子比は0.49、表面のSi/Pの原子比は0.53であった。また、走査透過型電子顕微鏡観察より、焼成粉末の結晶粒子は、厚さ2.5ナノメートルの非晶質酸化物層を有していた。原料流通開始後6h目の反応成績を表5に示した。
【0101】
比較例11
水熱処理を、内容物の温度で、第1工程として25℃から115℃までを20℃/hで昇温し、115℃で5時間保持したのち、115℃から170℃までを20℃/hで昇温し、第1工程の結晶化工程の一部と第2工程として170℃で175時間保持して行った以外は、実施例14と同様にして白色の焼成粉末(85.0g、触媒収率80%)を得た。この粉末はX線回折の結果、純粋なシャバサイト型の構造を有する8員環SAPOであり、AFI型構造体、JCPDS番号20-0045化合物のピークは見られなかった。結晶化度は1.01であった。粒子性状は、立方体状の結晶であり、大きさ、形とも良く揃っていた。平均粒子径は、2.7μmであった。得られた焼成粉末の結晶粒子全体のSi/Alの原子比は0.14であり、表面のSi/Alの原子比は2.26、表面のSi/Pの原子比は3.13であった。また、走査透過型電子顕微鏡観察より、焼成粉末の結晶粒子は、厚さ25ナノメートルの非晶質酸化物層を有していた。原料流通開始後6h目の反応成績を表5に示した。
【0102】
【表4】
Figure 0004596116
【0103】
【表5】
Figure 0004596116
【0104】
これらの例から明らかなように、本発明のシャバサイト型の構造を有する8員環SAPOは、Si/Alの原子比が、結晶粒子全体よりも大きな非晶質酸化物層を結晶粒子表面に有していることがわかった。また、メタノールとアンモニアとの反応によるメチルアミン類の製造における触媒性能は、非晶質酸化物層の厚さや、X線光電子分光法で測定される表面のSi/Alの原子比及び表面のSi/Pの原子比と相関関係があることもわかった。すなわち、非晶質酸化物層が厚くなるにつれて、また、表面のSi/Alの原子比、表面のSi/Pの原子比が大きくなるにつれて、メタノール転化率とトリメチルアミン選択率は低くなり、ジメチルアミン選択率は高くなる。メタノール転化率とジメチルアミン選択率の兼ね合いから、厚さ3〜20ナノメートルの範囲の非晶質酸化物層を有しているシャバサイト型SAPO又は、表面のSi/Alの原子比が0.50〜2.20の範囲のシャバサイトSAPO、又は、表面のSi/Pの原子比が0.55〜3.10の範囲であるシャバサイト型SAPOが優れた触媒性能を示すことがわかる。水熱処理時間の経過にともなう非晶質酸化物層の厚さ及び表面組成比の変化速度は、TEAOH/Al2O3のモル比やH2O/Al2O3のモル比の影響を受けるが、水熱処理二段目時間が長くなるにつれて、非晶質酸化物層は厚く、表面のSi/Alの原子比、表面のSi/Pの原子比は大きくなり、メタノール転化率とトリメチルアミン選択率は低くなることがわかる。実施例14の触媒は、反応原料の供給が空間速度(GHSV)1500h-1、温度310℃、圧力2MPaの条件では、原料流通開始後1000時間目のメタノール転化率が95wt%で、モノメチルアミン選択率37wt%、ジメチルアミン選択率60wt%、トリメチルアミン選択率3wt%で、優れた寿命性能を示した。
【0105】
4. SAPO-56 SAPO-17 における非晶質酸化物層の表面組成及び厚さと触媒性能との関係
実施例18、19と比較例12は、8酸素員環細孔を有するSAPO-56とSAPO-17における非晶質酸化物層の表面組成及び厚さと触媒性能に関する例である。各実施例と比較例の結晶粒子全体のSi/Alの原子比(バルクSi/Alの原子比)、表面のSi/Alの原子比、表面のSi/Pの原子比、非晶質酸化物層の厚さを表6にまとめた。反応試験は、実施例1〜9と同様にして行った。
【0106】
実施例18
85%リン酸(75.6g)と純水(256.6g)及び、N,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミン(113.0g)の均一な混合物に、擬ベーマイト(43.1g:SASOL GERMANY GmbH,PURAL NF,Al2O3含有量77.5%)を撹拌しながら添加した。この混合物を1時間撹拌した後、ヒュームドシリカ(11.8g:日本アエロジル株式会社,AEROSIL-200)を添加し、更に30分間撹拌した。この混合物のモル酸化物比における組成は次の通りであった:2.0TMHD:1.0Al2O3:1.0P2O5:0.6SiO2:50H2O(TMHDはN,N,N’,N’−テトラメチル−1,6−ヘキサンジアミンを表す)。得られた混合物をステンレス製オートクレーブ中で撹拌しながら、水熱処理した。水熱処理は、内容物の温度で、第1工程として25℃から115℃までを20℃/hで昇温し、115℃で5時間保持したのち、115℃から170℃までを20℃/hで昇温し、第1工程の結晶化工程の一部と第2工程として170℃で75時間保持して行った。水熱処理時の圧力は自生圧とした。室温まで冷却した後、オートクレーブを開け、生成スラリーを遠心分離して沈殿を得た。得られた沈殿を200mlの純水で3回、洗浄・遠心分離したのち、80℃で12h乾燥した。更に空気気流下、600℃で4時間焼成して、白色粉末を得た。この粉末はX線回折の結果、純粋な8酸素員環細孔を有するSAPO-56であった。この焼成粉末の結晶粒子全体のSi/Alの原子比は0.27であり、表面のSi/Alの原子比は1.75、表面のSi/Pの原子比は2.71であった。また、走査透過型電子顕微鏡観察より、焼成粉末の結晶粒子は、10ナノメートルの厚さの非晶質酸化物層を持っていた。原料流通開始後6h目の反応成績を表6に示した。
【0107】
実施例19
85%リン酸(52.0g)と純水(176.6g)及び、キヌクリジン(37.6g)の均一な混合物に、擬ベーマイト(29.7g:SASOL GERMANY GmbH,PURAL NF,Al2O3含有量77.5%)を撹拌しながら添加した。この混合物を1時間撹拌した後、ヒュームドシリカ(4.1g:日本アエロジル株式会社,AEROSIL-200)を添加し、更に30分間撹拌した。この混合物のモル酸化物比における組成は次の通りであった:1.5Qn:1.0Al2O3:1.0P2O5:0.3SiO2:50H2O(Qnはキヌクリジンを表す)。得られた混合物をステンレス製オートクレーブ中で撹拌しながら、水熱処理した。水熱処理は、内容物の温度で、第1工程として25℃から115℃までを20℃/hで昇温し、115℃で5時間保持したのち、115℃から170℃までを20℃/hで昇温し、第1工程の結晶化工程の一部と第2工程として170℃で50時間保持して行った。水熱処理時の圧力は自生圧とした。室温まで冷却した後、オートクレーブを開け、生成スラリーを遠心分離して沈殿を得た。得られた沈殿を200mlの純水で3回、洗浄・遠心分離したのち、80℃で12h乾燥した。更に空気気流下、600℃で4時間焼成して、白色粉末を得た。この粉末はX線回折の結果、純粋な8酸素員環細孔を有するSAPO-17であった。この焼成粉末の結晶粒子全体のSi/Alの原子比は0.11であり、表面のSi/Alの原子比は1.01、表面のSi/Pの原子比は1.36であった。また、走査透過型電子顕微鏡観察より、焼成粉末の結晶粒子は、5ナノメートルの厚さの非晶質酸化物層を持っていた。原料流通開始後6h目の反応成績を表6に示した。
【0108】
比較例12
水熱処理を、内容物の温度で、第1工程として25℃から115℃までを20℃/hで昇温し、115℃で5時間保持したのち、115℃から170℃までを20℃/hで昇温し、第1工程の結晶化工程の一部と第2工程として170℃で5時間保持して行った以外は、実施例18と同様にして白色の焼成粉末を得た。この粉末はX線回折の結果、純粋な8酸素員環細孔を有するSAPO-56であった。この焼成粉末の結晶粒子全体のSi/Alの原子比は0.25であり、表面のSi/Alの原子比は0.48、表面のSi/Pの原子比は0.51であった。また、走査透過型電子顕微鏡観察より、焼成粉末の結晶粒子は、2ナノメートルの厚さの非晶質酸化物層を持っていた。原料流通開始後6h目の反応成績を表6に示した。
【0109】
これらの例から明らかなように、シャバサイト型以外の構造を有する8員環SAPOでも、本発明の、Si/Alの原子比が結晶粒子全体よりも大きな非晶質酸化物層を、結晶粒子表面に有していることがわかる。また、好ましい範囲の厚さの非晶質酸化物層又は好ましい範囲の表面組成比を有するこれらの8員環SAPOは、メタノールとアンモニアとの反応によるメチルアミン類の製造において、優れた触媒活性とジメチルアミン選択性を示すこともわかる。
【0110】
【表6】
Figure 0004596116
【0111】
5.モノメチルアミンを原料とした不均化反応例
実施例20と比較例13は、モノメチルアミンを原料とした不均化反応の例である。
【0112】
実施例20
反応管に実施例6で合成した触媒2.5g(体積3.5ml)を充填し、反応圧力2MPa、温度320℃において、モノメチルアミンをGHSV3000h-1で供給して反応を行った。モノメチルアミンからアンモニアとジメチルアミンへの不均化反応の反応開始6時間目における成績は、以下の通りであった。
モノメチルアミンの転化率:73モル%
ジメチルアミン選択率:99重量%
トリメチルアミン選択率:1重量%
【0113】
比較例13
比較例8で合成した触媒を用いて、実施例20と同様にモノメチルアミンの不均化反応を行った。反応開始6時間目における成績は、以下の通りであった。
モノメチルアミンの転化率:69モル%
ジメチルアミン選択率:98重量%
トリメチルアミン選択率:2重量%
【0114】
特開2000-117114号公報記載の触媒調製例1の方法に従って合成した比較例8の触媒を用いた比較例13の結果と比べ、実施例6のシャバサイト型の構造を有する8員環SAPOは実施例20に示すように、モノメチルアミンの不均化反応においても優れた性能を示すことがわかった。
【0115】
【発明の効果】
以上の実施例、比較例を用いた説明から明らかな様に、本発明の8員環SAPOは、アルミニウムに対するケイ素の原子比が、結晶粒子全体よりも大きな非晶質酸化物層を結晶粒子表面に有しており、該モレキュラーシーブは、工業的に行われているメタノールとアンモニアとの反応、モノメチルアミンの不均化反応等によるメチルアミン類の製造において、従来技術よりも優れた触媒活性とジメチルアミン選択性を示す。この非晶質酸化物層の厚さや表面組成は、触媒性能に大きな影響を及ぼすが、本発明の触媒の合成条件で容易に制御できる。また、本発明の8員環SAPOの製造法によれば、従来合成が困難であった少量の鋳型剤量で、純度及び結晶化度が高い8員環SAPOを製造することができる。そのため、従来技術よりも原材料コスト、廃棄物処理コストともに低減できるため、安価に効率良く触媒が製造できる。また、廃棄物が少ないため、環境に対する負荷の低減の面でも貢献できる。従って、本発明の提供する8酸素員環細孔を持つ結晶質シリコアルミノリン酸塩モレキュラーシーブとその製造法及びメチルアミン類の製造方法の工業的価値は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例14の触媒の走査透過型電子顕微鏡による像(×8万倍)
【図2】図1の左端白枠部分の拡大像(×100万倍)
【図3】図2の格子模様が見られる部分の電子線回折像
【図4】図2の格子模様が見られない白色層の電子線回折像[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention catalyzes a crystalline silicoaluminophosphate molecular sieve having eight oxygen-membered ring pores (hereinafter referred to as “8-membered ring SAPO” in principle), a production method thereof, and an eight-membered ring SAPO obtained by the method. The present invention relates to a method for producing methylamines to be used as
More specifically, it is an 8-membered ring SAPO having an amorphous oxide layer on the crystal particle surface that greatly affects the catalyst performance, and the atomic ratio of silicon (Si / Al) to aluminum in the amorphous oxide layer is The present invention relates to an 8-membered ring SAPO and a method for producing the same, and a method for producing methylamines using the 8-membered ring SAPO obtained by the method as a catalyst. Shabasite-type crystalline silicoaluminophosphate molecular sieve contains silicon, aluminum, phosphorus, and oxygen having a structure of CHA type expressed by the IUPAC structure code defined by International Zeolite Association (IZA). It is one of the 8-membered ring SAPOs as the main component.
Methylamines, particularly dimethylamine, are important as raw materials for solvents, rubber products, pharmaceuticals, surfactants and the like typified by dimethylformamide.
[0002]
[Prior art]
Methylamines are usually produced from methanol and ammonia at a temperature of around 400 ° C. using a solid acid catalyst such as silica-alumina. As is well known, when the silica-alumina catalyst is used, the product follows a thermodynamic equilibrium, and trimethylamine, which is the least in demand among the three kinds of methylamines of mono, di, and tri, is mainly produced. It becomes a thing. However, since most of the demand for methylamines is biased toward dimethylamine, in recent years, development of a selective method for producing dimethylamine exceeding the thermodynamic equilibrium composition has been promoted.
[0003]
As such a method, for example, zeolite A (for example, see Patent Document 1), FU-1 (for example, see Patent Document 2), ZSM-5 (for example, see Patent Document 3), ferrierite and erionite (for example, , ZK-5, Rho, shabasite and erionite (for example, see Patent Document 5), mordenite (for example, see Patent Documents 6, 7, 8, and 9) and the like (crystalline aluminosilicate) And a method using a salt molecular sieve).
In these methods, zeolites with a small pore inlet diameter are further subjected to ion exchange, dealumination treatment, addition of a specific element or silylation treatment, etc., to control the pore inlet diameter or to adjust the outer surface acidic point. By modifying it, dimethylamine selectivity and catalytic activity are improved.
[0004]
In addition, a method for producing monomethylamine or the like exceeding the thermodynamic equilibrium composition using crystalline silicoaluminophosphate molecular sieve (hereinafter, referred to as SAPO in principle), which is a non-zeolite molecular sieve (for example, Patent Document 10) See also).
As a result of repeated studies on selective dimethylamine production technology, the present inventors have found that silica-modified SAPO and SAPO modified with various oxides are more active and higher than the prior art using zeolite catalysts. It has been found that it exhibits dimethylamine selectivity and has already been filed (see Patent Documents 11, 12, and 13).
[0005]
Generally, it is considered that the surface of a crystalline molecular sieve such as zeolite or SAPO is exposed. Therefore, the surface of zeolite and SAPO has a strong acidic point that is a characteristic of molecular sieves containing silicon and aluminum. Surface acidic point treatment such as liquid phase silylation treatment or modification with a compound containing boron or phosphorus is often performed (see, for example, Patent Documents 14, 15, 16, 17, and 18). Moreover, the technique of the gazettes of the present inventors (see Patent Documents 11, 12, and 13) is also based on this concept.
[0006]
However, these conventionally known methods involve a large number of steps because they are methods for further modification of the catalyst after the synthesis of SAPO, followed by separation and washing by centrifugation or filtration, and in some cases, the calcined catalyst. In particular, in the silylation treatment, it is necessary to precisely control the water content of the catalyst to be treated, and an organic solvent such as ethanol or toluene is used, which causes a problem of waste liquid treatment.
Thus, the conventionally known method for improving the activity and selectivity by further modifying the synthesized SAPO has problems to be improved concerning both the economy and the environment. It is desired to develop a new method for controlling selectivity, which is different from a method that requires a conventional post-treatment process.
[0007]
In response to such a problem, the present inventors have already made a shabasite type of SAPO whose average particle diameter is 5 μm or less and whose crystal shape is a rectangular parallelepiped or a cube, in addition to the technique described above. It has been found and filed that 8-membered SAPO exhibits excellent catalytic activity and dimethylamine selectivity as a production catalyst for methylamines (see Patent Document 19).
This shabasite-type 8-membered ring SAPO showed excellent activity and selectivity without modification after synthesis, but in further investigation by the present inventors, there were differences in the catalyst performance depending on the synthesis lot. There was a phenomenon of being recognized, and there was a problem that further technical improvement was required in order to stably obtain the best catalyst.
[0008]
Further, the shabasite-type 8-membered ring SAPO having the above particle size and shape is composed of organic amines or organic ammonium salts such as diethanolamine and tetraethylammonium hydroxide, Al2OThreeThese compounds are synthesized using 1.5 ± 0.5 times the moles of aluminum compound converted to, but these organics incorporated into the as-synthesized shabasite-type 8-membered ring SAPO before firing. The amount of amines or organic ammonium salt is Al2OThreeIt is about 0.37 times the amount necessary for constructing a crystal structure with respect to the number of moles. Therefore, organic amines or organic ammonium salts that are not taken into the crystal structure become surplus and need to be treated with activated sludge or the like. Accordingly, if a pure 8-membered ring SAPO can be synthesized by reducing the amount of organic amines or organic ammonium salts used, it can be an excellent method in both economic and environmental aspects.
[0009]
Since 8-membered SAPO shows relatively high dimethylamine selectivity in methylamine synthesis reaction, many studies have been conducted on methylamine synthesis reaction using these SAPOs (for example, non-patents). Reference 4). As the 8-membered ring SAPO, SAPO-14, 17, 18, 33, 34, 35, 39, 42, 43, 44, 47, 56 are known (for example, see Non-Patent Document 5 and Non-Patent Document 6). ). Among them, three types of shabasite type 8-membered SAPOs are known, SAPO-34, SAPO-44, and SAPO-47. Among them, shabasite type structure SAPO-34 is a methylamine synthesis reaction and methanol conversion. It has been well studied as a catalyst for the reaction (see, for example, Patent Documents 10 and 21).
[0010]
These 8-membered ring SAPOs conventionally use a compound such as tetraethylammonium hydroxide, morpholine, cyclohexylamine, and diethylethanolamine as a template agent, and hydrothermally treat a mixture of silicon compound, aluminum compound, phosphorus compound, and water. It is known that they can be synthesized (see, for example, Patent Document 20). However, such an 8-membered ring SAPO has an amorphous oxide layer on the crystal particle surface, the amorphous oxide layer grows on the crystal particle surface during hydrothermal synthesis, and It is not known that it greatly affects the yield and selectivity of the methylamine synthesis reaction.
[0011]
Normally, when synthesizing 8-membered ring SAPO, the mixture to be hydrothermally treated is represented by the composition formula shown in the following formula (1), and the amount of the templating agent R used is the Al2OThreeIn general, it is used in an amount of 1 to 3 times the number of moles (a / c = 1 to 3).
aR, bSiO2, CAl2OThree, DP2OFive, EH2O ··· Formula (1)
[0012]
As a result of examining various patents and literatures regarding the amount of the templating agent used in the synthesis of 8-membered ring SAPO, the templating agent was obtained in order to obtain a pure and highly crystallized shabasite type 8-membered SAPO. Is at least Al in the mixture to be hydrothermally treated2OThreeWhen the amount is more than 1 times the number of moles, and less than that, it is represented by the IUPAC structure code defined by the International Zeolite Association (IZA) and is a structure belonging to the AFI type (SAPO-5) And aluminum phosphate cristobalite, berlinite, etc. are said to be present as impurities.
[0013]
There is a document describing a method for synthesizing SAPO-34 using tetraethylammonium hydroxide (TEAOH) as a templating agent (see, for example, Non-Patent Document 1). Pure SAPO-34 is TEAOH / Al.2OThreeIn the range of 1-2, SAPO-5 is produced in the range of 1 to 2, and in the range of 1 or less, the high density phase is produced. It is described that when three or more TEAOHs are used, particles having an amorphous amorphous structure are generated.
Further, there is a document describing a method for synthesizing SAPO-34 using morpholine as a templating agent (see, for example, Non-Patent Document 2), and morpholine / Al2OThreeWhen the molar ratio is 0.5 or less, it becomes a mixture of aluminum phosphate cristobalite and amorphous compound, and morpholine / Al2OThreeA molar ratio of 1.0 yields a mixture of 80% SAPO-34 and 20% cristobalite, pure SAPO-34 being morpholine / Al2OThreeIt is described that the molar ratio is 2.0 or more.
Furthermore, there is a document describing a method for synthesizing SAPO-44 using cyclohexylamine as a templating agent (see, for example, Non-Patent Document 3), and cyclohexylamine / Al2OThreeIt is described that SAPO-5 is mixed at a molar ratio of 1.9 or less.
[0014]
[Patent Document 1]
JP-A-56-69846
[Patent Document 2]
JP 54-148708 A
[Patent Document 3]
U.S. Pat. No. 4,082,805
[Patent Document 4]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 56-113747
[Patent Document 5]
JP-A-61-254256
[Patent Document 6]
JP-A-56-46846,
[Patent Document 7]
JP 58-49340 A
[Patent Document 8]
JP 59-2105050 A
[Patent Document 9]
JP 59-227841 A
[Patent Document 10]
JP-A-2-734
[Patent Document 11]
Japanese Patent Laid-Open No. 11-35527
[Patent Document 12]
JP-A-11-239729,
[Patent Document 13]
Japanese Patent Laid-Open No. 2000-5604
[Patent Document 14]
JP-A-3-262540
[Patent Document 15]
Japanese National Patent Publication No. 11-508901
[Patent Document 16]
JP-A-6-179640,
[Patent Document 17]
Japanese Patent Laid-Open No. 7-2740
[Patent Document 18]
JP-A-61-254256
[Patent Document 19]
JP 2000-117114 A
[Patent Document 20]
U.S. Pat. No. 4,440,871
[Patent Document 21]
US Pat. No. 5,126,308
[Non-Patent Document 1]
J. Liang, H. Li, S. Zhao, W. Guo, R. Wang, and M. Ying, Appl. Catal., 1991, 64, p.31-p.40
[Non-Patent Document 2]
A. M. Prakash, S. Unnikrishnan, J. Chem. Soc. Faraday Trans., 1994, 90 (15), p.2291-p.2296
[Non-Patent Document 3]
S. Ashtekar, S. V. V. Chilukuri, D. K. Chakrabarty, J. Phys. Chem. 1994, 98, p.4878-p.4883
[Non-Patent Document 4]
D. R. Corbin, S. Schwarz, and G. C. Sonnichsen, Catalysis Today, 1997, 37, p.71-p.102.
[Non-Patent Document 5]
E. M. Flanigen, B. M. Lok, R. L. Patton, and S. T. Wilson, New Developments in Zeolite Science and Technology, Elsevier, 1986, p.103-p.112.
[Non-Patent Document 6]
Structure Commission of the International Zeolite Association, Atlas of Zeolite Framework Types, Elsevier, 2001, p.14-p.15.
[0015]
[Problems to be solved by the invention]
As described above, the present inventors have modified the post-synthesis modification of a SAPBAO-type 8-membered ring SAPO having an average crystal particle size of 5 μm or less and a crystal shape of a rectangular parallelepiped or a cube. It has been found that it exhibits excellent catalytic activity and dimethylamine selectivity as a production catalyst for methylamines even if it is not carried out (Japanese Patent Laid-Open No. 2000-117114). However, even with the above particle diameter and shape, there may be a difference in catalyst performance depending on the lot.
[0016]
In addition, the shabasite-type 8-membered ring SAPO has an amount of organic amines or organic ammonium salts such as tetraethylammonium hydroxide (TEAOH) and diethanolamine used as Al.2OThreeIt can be obtained by hydrothermal treatment of a raw material mixture in the range of 1.5 ± 0.5 times the number of moles of aluminum compound converted to, but requires an excess of organic amines or organic ammonium salts as listed here In this method, the yield of the resulting catalyst is low, and an excess amount of organic amines or organic ammonium salts must be treated with activated sludge or the like.
As described above, SAPO described in Japanese Patent Application Laid-Open No. 2000-117114 left problems to be further improved such as stability as an amine synthesis catalyst and problems associated with excessive use of a templating agent.
[0017]
That is, the object of the present invention is to solve the above-mentioned problems and to provide an 8-membered ring SAPO having excellent catalytic activity and dimethylamine selectivity, its inexpensive and stable production method, and methylamines using the catalyst. It is to provide a manufacturing method.
[0018]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to solve the above-mentioned problems, the inventors of the present invention have made silicon (Si) larger than the crystalline portion around the crystalline molecular sieve particle body in the process of synthesizing the 8-membered ring SAPO. An amorphous oxide layer having an atomic ratio of (/ Al) is formed, and an 8-membered ring SAPO in which the atomic ratio of Si / Al in the amorphous oxide layer is larger than the atomic ratio of the entire crystal grain is obtained. The atomic ratio or thickness of Si / Al in the amorphous oxide layer greatly affects the catalytic activity and dimethylamine selectivity, and the hydrothermal treatment temperature in the process of forming the amorphous oxide layer We found that it can be controlled precisely with time. It has been found that by controlling the Si / Al atomic ratio or thickness of the amorphous oxide layer, a catalyst having stable catalytic activity and dimethylamine selectivity can be produced.
[0019]
In addition, as a condition for hydrothermal treatment, first, hydrothermal treatment is performed for 1 hour or more in a temperature range between 80 ° C. and 130 ° C., and then hydrothermal treatment is performed in a temperature range of 150 to 200 ° C. for 1 to 10 hours ( The amount of organic amines and organic ammonium salts that are templating agents can be reduced by performing a treatment that includes a hydrothermal treatment step (second step) for 10 hours or more within a temperature range of 150 to 200 ° C. Al2OThreeOn the other hand, it was found that even when the molar ratio was reduced to less than 1.0 times, a high crystallinity, a pure 8-membered ring SAPO was obtained, and the catalyst yield was improved as compared with the conventional production method.
[0020]
Further, the 8-membered ring SAPO thus obtained was found to have superior catalytic activity and dimethylamine selectivity over the shabasite-type SAPO obtained by the conventional production method. Established a method for stably producing a catalyst with excellent activity and dimethylamine selectivity by combining production technology with technology that controls the atomic ratio or thickness of Si / Al in the amorphous oxide layer. The present invention has been completed.
[0021]
That is, according to the present invention, there is provided an eight-membered ring SAPO having an amorphous oxide layer having a Si / Al atomic ratio larger than that of the entire crystal grain on the crystal grain surface, and the amorphous oxide layer. The present invention relates to a method for producing an 8-membered ring SAPO, characterized in that the thickness or the surface composition of crystal grains is precisely controlled by the temperature and time of hydrothermal treatment in the process of forming an amorphous oxide layer. In addition, when a raw material mixture containing an organic amine and / or organic ammonium salt as an templating agent and an aluminum compound, a phosphorus compound, a silicon compound, and water is hydrothermally treated to produce an 8-membered ring SAPO, Al2OThreeThe ratio of the total number of moles of the organic amine and the organic ammonium salt to the number of moles of the aluminum compound converted to is in the range of 0.4 to 0.98, and the raw material mixture is in the temperature range of 80 to 130 ° C. as the first step. Hydrothermal treatment at 1 to 10 hours after hydrothermal treatment at 150 to 200 ° C., followed by hydrothermal treatment at 150 to 200 ° C. for 10 hours or more as the second step It is related with the manufacturing method of 8-membered ring SAPO characterized by performing. Further, the present invention relates to a method for producing methylamines using, as a catalyst, 8-membered SAPO produced by combining these 8-membered SAPO production techniques.
[0022]
More specifically, the present invention relates to the 8-membered SAPO shown in the following (1) to (24) and a production method thereof, and a production method of methylamines using the same as a catalyst.
(1) An 8-membered ring SAPO having an amorphous oxide layer on the crystal grain surface, wherein the atomic ratio of silicon to aluminum in the amorphous oxide layer is larger than the atomic ratio of the entire crystal grain Eight-membered ring SAPO characterized by this.
(2) The atomic ratio of silicon to aluminum in the entire crystal grain is in the range of 0.05 to 0.30, and the atomic ratio of silicon to aluminum in the amorphous oxide layer on the crystal grain surface measured by X-ray photoelectron spectroscopy is The 8-membered ring SAPO according to (1), which is 0.50 or more.
(3) The 8-membered member according to any one of (1) and (2), wherein the atomic ratio of silicon to phosphorus in the amorphous oxide layer on the crystal particle surface measured by X-ray photoelectron spectroscopy is 0.55 or more Ring SAPO.
(4) The 8-membered ring SAPO according to any one of (1) to (3), wherein the thickness of the amorphous oxide layer on the crystal particle surface is in the range of 3 to 20 nanometers.
(5) The 8-membered ring SAPO according to any one of (1) to (4), further including one or more elements selected from magnesium, yttrium, titanium, zirconium, manganese, iron, cobalt, and tin.
(6) The 8-membered ring SAPO according to any one of (1) to (5), wherein the crystal particles have a rectangular parallelepiped shape and / or a cubic shape, and an average particle diameter of 5 μm or less.
(7) The eight-membered ring according to any one of (1) to (6), wherein the structure of the main part of the crystal grain excluding the amorphous oxide layer on the crystal grain surface from the whole crystal grain is a shabasite type Pore SAPO.
(8) The ratio of the peak intensity of the (100) plane of the AFI structure to the peak intensity of the (100) plane of the shabasite structure measured by X-ray diffraction is 0.02 or less. Type 8-membered ring SAPO.
(9) A raw material mixture containing an organic amine and / or an organic ammonium salt, an aluminum compound, a phosphorus compound, a silicon compound, and water is hydrothermally treated to form an 8-membered ring SAPO having an amorphous oxide layer on the crystal particle surface. (1) to (8) comprising a first step of producing at least a crystalline portion thereof and a second step of further performing a hydrothermal treatment to form an amorphous oxide layer on the crystal particle surface. 8) The method for producing an 8-membered ring SAPO according to any one of the above.
(10) The hydrothermal treatment of the first step includes two steps: a hydrothermal treatment for 1 hour or more within a temperature range of 80 to 130 ° C. and a hydrothermal treatment for 1 to 10 hours within a temperature range of 150 to 200 ° C. The manufacturing method of the 8-membered ring SAPO of Claim 9 which is what is contained.
(11) Of the hydrothermal treatment of the first step, the step of hydrothermal treatment for 1 hour or more within a temperature range of 80 to 130 ° C. is a step of raising the temperature between 80 to 130 ° C. over 1 hour or 80 to 130 The method for producing an 8-membered ring SAPO according to (10), which comprises a step of maintaining a constant temperature between 1 ° C. and 1 hour or more.
(12) The production of the 8-membered ring SAPO according to any one of (9) to (11), wherein the hydrothermal treatment in the second step includes a hydrothermal treatment for 10 hours or more within a temperature range of 150 to 200 ° C. Method.
(13) The hydrothermal treatment in the first step includes two steps: a hydrothermal treatment for 3 to 24 hours at a constant temperature of 95 to 125 ° C, and a hydrothermal treatment for 1 to 10 hours within a temperature range of 150 to 200 ° C. The method for producing an 8-membered ring SAPO according to (9), which comprises a step, and the hydrothermal treatment in the second step comprises a hydrothermal treatment in a temperature range of 150 to 200 ° C. for 10 to 150 hours.
(14) Al in a raw material mixture containing organic amine and / or organic ammonium salt, aluminum compound, phosphorus compound, silicon compound, and water2OThreeThe ratio of the total number of moles of the organic amine and the organic ammonium salt to the number of moles of the aluminum compound converted to is in the range of 0.4 to 0.98, and the 8-membered SAPO according to any one of (9) to (13) Production method.
(15) The method for producing an 8-membered ring SAPO according to any one of (9) to (14), wherein the organic amine and / or the organic ammonium salt is tetraethylammonium hydroxide.
(16) The method for producing an 8-membered ring SAPO according to any one of (9) to (15), wherein the aluminum compound is pseudoboehmite.
(17) The method for producing an 8-membered ring SAPO according to any one of (9) to (16), wherein the phosphorus compound is phosphoric acid.
(18) The method for producing an 8-membered ring SAPO according to any one of (1) to (17), wherein the silicon compound is silica sol.
(19) The method for producing an 8-membered ring SAPO according to any one of (1) to (18), wherein a silicon compound is further added before or during the second step.
(20) The 8-membered ring SAPO according to any one of (9) to (19), further including one or more elements selected from magnesium, yttrium, titanium, zirconium, manganese, iron, cobalt, and tin Production method.
(21) The method for producing an 8-membered ring SAPO according to (9) to (20), wherein the 8-membered ring SAPO is a shabasite type.
(22) A process for producing methylamines, wherein methanol and ammonia are reacted in the presence of the 8-membered ring SAPO according to any one of (1) to (8).
(23) A method for producing methylamines, wherein methanol and monomethylamine are reacted in the presence of the 8-membered ring SAPO according to any one of (1) to (8).
(24) A method for producing methylamines, wherein a monomethylamine is disproportionated in the presence of the 8-membered ring SAPO according to any one of (1) to (8).
[0023]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in more detail. SAPO in the present invention is an 8-membered ring SAPO having an amorphous oxide layer on the surface in which the atomic ratio of Si / Al is larger than the whole crystal grains.
SAPO is crystalline and microporous as described in U.S. Pat.No. 4,440,871.2 +, AlO2 -And SiO2It is a compound having a three-dimensional microporous crystal skeleton structure composed of tetrahedral units.
A compound containing a tetrahedral unit of a metal other than silicon, aluminum, and phosphorus in a three-dimensional microporous crystal skeleton structure is also disclosed in European Patent No. 159,624 and is called ELAPSO molecular sieve. However, these patent publications do not describe SAPO having an amorphous oxide layer on its surface as in the present invention.
[0024]
The 8-membered ring SAPO of the present invention may contain a metal component other than silicon, aluminum, and phosphorus. A case where an element selected from magnesium, yttrium, titanium, zirconium, manganese, iron, cobalt and tin is included is preferable, and titanium and zirconium are particularly preferable because they have an effect of improving catalyst activity and life performance. These element components may exist outside the three-dimensional microporous crystal skeleton structure and / or the skeleton structure. The content of these elements is not particularly limited, but the atomic ratio when these elements are combined with aluminum is preferably in the range of 0.0001 to 0.1. Eight-membered ring SAPO containing these elements includes templating agents, silicon compounds, aluminum compounds, phosphorus compounds, water, and nitrates, sulfates, chlorides, oxide sols, oxide powders, alkoxides and / or complexes of the above elements. This mixture can be synthesized by hydrothermal treatment.
[0025]
In order to selectively obtain methylamines, particularly dimethylamine in the reaction of methanol and ammonia, it is desirable that the effective pore diameter of SAPO is in the range of 0.3 to 0.6 nanometer. Such pores block the passage of trimethylamine molecules and allow smaller molecular sizes of monomethylamine and dimethylamine to pass, so ultimately the selectivity of the reaction is offset by monomethylamine and dimethylamine (DR Corbin, S. Schwarz, and GC Sonnichsen, Catalysis Today, 37 (1997), p.71-p.102). The effective pore diameter corresponds to the pore diameter of the 8-10 oxygen member ring of SAPO, and among them, the 8-membered SAPO is necessary for lowering the selectivity of trimethylamine.
[0026]
Examples of the 8-membered ring SAPO include SAPO-14, 17, 18, 33, 34, 35, 39, 42, 43, 44, 47 and 56. The relationship between the number assigned to each SAPO and the IUPAC structure code established by the International Zeolite Association (IZA) Structure Commission is, for example, “Atlas of Zeolite Framework Types” edited by the Structure Commission of the International Zeolite Association. Issued. The SAPO IUPAC structure codes correspond to AFN, ERI, AEI, ATT, CHA, LEV, ATN, LTA, GIS, CHA, CHA, and AFX, respectively. Among the SAPOs, SAPO-17, 18, 34, 35, 44, 47 and 56 are preferable, and SAPO-34 having a shabasite structure is particularly preferable.
[0027]
The shabasite-type 8-membered ring SAPO in the present invention is a silicon, aluminum, phosphorus, and oxygen having a CHA type structure expressed by the IUPAC structure code defined by the International Zeolite Association (IZA) described above. It is a crystalline molecular sieve whose main component is. Specifically, among the SAPOs described in US Pat. No. 4,440,871, the compound has a structure represented by the CHA type. SAPO with such a CHA-type structure can be found in the literature EM Flanigen, RL Patton, and ST Wilson, Studies in Surface Science and Catalysis, Innovation in Zeolite Materials Science, p.13-p.27 (1988). In addition, three types of SAPO-34, SAPO-44, and SAPO-47 are known.
[0028]
The greatest feature of the 8-membered ring SAPO of the present invention is that the surface has an amorphous oxide layer having an atomic ratio larger than the Si / Al atomic ratio of the entire crystal grain. This amorphous oxide layer can be observed by FIB-STEM analysis. Figures 1 and 2 are examples of SAPO-34, which is obtained by cutting both sides of a cubic SAPO-34 particle with a focused ion beam (FIB: Focused Ion Beam, Hitachi FB-2100). The cross section of the remaining 80-nm-thick slice was observed with a scanning transmission electron microscope (STEM: Scanning Transmission Electron Microscope, HD-2000 thin film evaluation apparatus manufactured by Hitachi, Ltd.). Although a three-layer structure can be seen in FIG. 1, the outermost layer is a layer of carbon, platinum, and tungsten deposited to fix the sample particles and increase conductivity. The central part is the crystal grain body, and the thin layer between them is an amorphous oxide layer. FIG. 2 is an enlarged view of a portion of about 100 nanometers from the surface of FIG. The portion with the lattice pattern corresponds to the crystal grain main body excluding the amorphous oxide layer, and the white layer without the lattice pattern corresponds to the amorphous oxide layer. The lattice pattern means a regular structure, and clear Laue spots were observed by electron diffraction, indicating that the crystal grain main body is crystalline (FIG. 3). On the other hand, the white layer in which the lattice pattern is not observed has no regular structure because it cannot observe Laue spots by electron diffraction, and is amorphous (FIG. 4). In addition, the composition of the energy dispersive X-ray analyzer (EDX: Energy Dispersive X-Ray Analysis) indicates that the amorphous layer has a larger Si / Al atomic ratio than the crystal particle body and is rich in silicon components. It was confirmed that this was an oxide layer.
[0029]
The presence and thickness of the amorphous oxide layer have a great influence on the reaction activity and dimethylamine selectivity in the production of methylamines by the reaction of methanol and ammonia or the disproportionation reaction of monomethylamine. Taking SAPO-34 as an example, in the reaction using SAPO-34 with an amorphous oxide layer thinner than 3 nanometers, although the reaction activity is high, trimethylamine is generated with a selectivity of 10% or more. The selectivity for dimethylamine is poor. On the other hand, if the amorphous oxide layer exceeds 20 nanometers, the trimethylamine selectivity is as low as 1% or less, but the reaction activity is low. These results show that when the amorphous oxide layer is thin, the active acid sites on the surface of the crystal particles that do not show the molecular sieving effect are not sufficiently covered, and the remaining active acid sites are the most thermodynamically. The formation of stable trimethylamine, on the other hand, in the case of an amorphous oxide layer that is too thick, the coverage of the active acid point proceeds sufficiently, but the diffusion of the reactant to the active crystal body and the crystal body of the generated material This can be explained by considering that the reaction activity decreases due to slow release from the reaction. The amorphous oxide layer is mainly composed of oxides of silicon, aluminum and phosphorus, and since silicon is the main component, it does not have strong acid properties like silica-alumina and has almost no reaction activity. .
That is, the preferable thickness of the amorphous oxide layer in the present invention is 3 to 20 nanometers, and more preferably 3.5 to 16 nanometers.
[0030]
The composition of the amorphous oxide layer can be analyzed by the energy dispersive X-ray analyzer, but can be more easily measured by analyzing the surface composition of crystal grains using X-ray photoelectron spectroscopy (XPS, ESCA). . In X-ray photoelectron spectroscopy, the composition in the range from the outermost surface of the crystal particles to a depth of 1.5 to 4.0 nanometers is measured.
On the other hand, the composition of the crystal particle body can be regarded as almost the same as the composition of the entire crystal particle because the amorphous oxide layer is very thin. For example, the SAPO particles are completely dissolved with mineral acid, etc. It can be measured by coupled plasma emission spectroscopy (ICP).
[0031]
The surface composition in the present invention is measured using an ESCALAB MKII apparatus manufactured by VG Scientific Ltd. and using an Al-Kα ray (1486.7 eV) as an X-ray source, and the document JH Scofield, Journal of Electron Spectroscopy and Related. Phenomena, 8 (1976) p.129-p.137. The composition of the entire crystal particles was measured with an SPS-1200VR apparatus manufactured by Seiko Instruments Inc. after dissolving SAPO in a solution containing low concentration hydrofluoric acid.
The surface composition of crystal grains measured by X-ray photoelectron spectroscopy varies with the thickness of the amorphous oxide layer. The atomic ratio of Si / Al and the atomic ratio of Si / P are the thickness of the amorphous oxide layer. It increases with the height. For example, in the case of SAPO-34, when the thickness of the amorphous oxide layer is 2.5 nanometers, the atomic ratio of Si / Al by X-ray photoelectron spectroscopy is 0.49, and the atomic ratio of Si / P is 0.53. When the amorphous oxide layer thickness is 7 nanometers, the Si / Al atomic ratio is 1.61, the Si / P atomic ratio is 2.45, and the amorphous oxide layer thickness is 13 nanometers. The atomic ratio of Si / Al is 1.98, and the atomic ratio of Si / P is 2.92.
As described above, the Si / Al atomic ratio and the Si / P atomic ratio increase as the thickness of the amorphous oxide layer increases. This is because, among the silicon, aluminum, and phosphorus components present in the mother liquor, the silicon components are selectively deposited on the crystal particle surfaces. This can be seen from the ICP analysis of the synthetic mother liquor in the process of forming the amorphous oxide layer, in which the silicon component in the mother liquor is selectively reduced.
[0032]
That is, the surface composition of the crystal particles corresponds to the thickness of the amorphous oxide layer. The atomic ratio of Si / Al on the 8-membered ring SAPO surface exhibiting excellent reaction activity and dimethylamine selectivity is in the range of 0.50 to 2.20 when no silicon compound is added in the second step described later. Similarly, the atomic ratio of Si / P ranges from 0.55 to 3.10. When a silicon compound is added in the second step, the concentration of the silicon component in the synthetic mother liquor is considerably higher than the concentrations of aluminum and phosphorus, so the Si / Al atomic ratio on the 8-membered SAPO surface, which exhibits excellent performance, The atomic ratio of Si / P is 0.50 or more and 0.55 or more, respectively.
On the other hand, the Si / Al atomic ratio of the entire 8-membered SAPO measured by ICP analysis is generally in the range of 0.05 to 0.30, although it varies depending on the synthesis conditions.
[0033]
As described above, the 8-membered ring SAPO of the present invention has an ICP atomic ratio of Si / Al on the crystal particle surface measured by X-ray photoelectron spectroscopy using Al—Kα ray (1486.7 eV) as the X-ray source. 0.50 or more, which is larger than the Si / Al atomic ratio of the entire crystal grain measured by analysis, is preferable, and a range of 0.50 to 2.20 is more preferable. On the other hand, the atomic ratio of Si / P on the crystal particle surface measured by X-ray photoelectron spectroscopy is preferably 0.55 or more, and more preferably in the range of 0.55 to 3.10. On the other hand, in the 8-membered ring SAPO of the present invention, the Si / Al atomic ratio of the entire crystal particles is preferably in the range of 0.05 to 0.30.
[0034]
The amorphous oxide layer of the present invention is mainly composed of oxides containing silicon, aluminum, and phosphorus, but may contain elements other than silicon, aluminum, and phosphorus.
[0035]
The amorphous oxide layer is formed after the crystallization of the SAPO crystal grain body is mostly completed. That is, SAPO having an amorphous oxide layer on the surface of the present invention is obtained by hydrothermally treating a raw material mixture containing an organic amine and / or an organic ammonium salt, an aluminum compound, a phosphorus compound, a silicon compound, and water, and at least a crystal thereof. It is synthesized through two steps: a first step for generating a mass portion and a second step for forming an amorphous oxide layer on the surface of the crystal grains by further hydrothermal treatment.
[0036]
Specifically, the first step is a process in which most of the raw material mixture is crystallized in the generally known method for producing 8-membered ring SAPO, and the second step is a crystallization in the first step. This refers to a step of hydrothermally treating the converted 8-membered ring SAPO in a solution containing a silicon component.
In the production method of 8-membered SAPO in the present invention to be described later, the first step is a hydrothermal treatment at 80 to 130 ° C. for 1 hour or more where crystallization does not substantially proceed, and then the crystallization proceeds remarkably 150 to This corresponds to the process of hydrothermal treatment within a temperature range of 200 ° C. for 1 to 10 hours. On the other hand, after the 8-membered ring SAPO crystallizes by hydrothermal treatment for 1 to 10 hours in the temperature range of 150 to 200 ° C., the second step continues to hydrothermal treatment in the temperature range of 150 to 200 ° C. Correspond.
[0037]
The thickness and surface composition of the amorphous oxide layer can be controlled by the hydrothermal treatment conditions in the second step.
The thickness of the amorphous oxide layer increases as the hydrothermal treatment time is increased. For example, in the case of SAPO-34, the hydrothermal treatment at a temperature of 170 ° C. is 2.5 nanometers for 5 hours and 7 nanometers for 50 hours. The meter is 13 nanometers for 100 hours and 25 nanometers for 175 hours. The formation rate of the amorphous oxide layer varies depending on the temperature. By utilizing such properties and changing the temperature and time of hydrothermal treatment, the thickness and surface composition of the amorphous oxide layer can be controlled. In addition, while analyzing the thickness and surface composition of the amorphous oxide layer over time, the thickness and surface composition can be controlled to be suitable for reactions such as the production of methylamines by the reaction of methanol and ammonia.
[0038]
The hydrothermal treatment temperature and time of the second step are such that once the 8-membered SAPO crystal particles are formed by the hydrothermal treatment of the first step, the crystal particles are retained in the synthetic mother liquor even after cooling to room temperature. The formation of the amorphous oxide layer proceeds slowly even at room temperature, but is not particularly limited. However, from a practical viewpoint, the hydrothermal treatment in the second step is preferably performed for 10 hours or more within a temperature range of 150 to 200 ° C.
[0039]
The formation rate of the amorphous oxide layer can be controlled by the concentration of the silicon compound in the synthetic mother liquor in addition to the above temperature and time. Therefore, in the present invention, a silicon compound may be further added before or during the second step, which is particularly preferable when the formation rate of the amorphous oxide layer is slow. Examples of the silicon compound that can be used include powdered silica, silica sol, and orthosilicic acid. Particularly preferred is silica sol. Further, in addition to the silicon compound, a compound containing an element such as yttrium, titanium, zirconium, iron, or tin may be added as appropriate.
[0040]
As described in the prior art, crystalline molecular sieves in which a pure silica layer is formed around the SAPO main body are well known, for example, as disclosed in JP-T-11-508901. In addition, as disclosed in Japanese Patent Application Laid-Open No. 7-2740 and Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-35527, ammonium-type mordenite is treated with tetrachlorosilane in the gas phase, and organosilicon compound in liquid phase. And silylation-treated.
However, the structure of the surface silica layer in these SAPOs has not been investigated. According to the literature, Miki Niwa, Yuichi Murakami, Journal of the Chemical Society of Japan, p.410-p.419 (1989), the regular structure of SAPO is exposed. It has been shown that the tetrahedral structures of silica are regularly arranged on the surface, which is considered to form a structure similar to the crystalline molecular sieve body (silica epitaxy growth). In addition, recent literatures, Dairyo Tsuji, Atsuko Nomura, Kazunari Domen, HA Begum, Naobu Katada, Miki Niwa, Catalysis Magazine, Vol.44, p.483-p.485 (2002) are vapor deposition methods. According to the transmission electron microscope observation of the silica layer, it is described that the silica layer has an ordered structure which is not an amorphous structure but grown by being controlled by the structure of the outer surface of the zeolite. Thus, the silica layer produced | generated by the modification method by a conventionally well-known silicon compound is thought to be crystalline, and differs from the amorphous oxide layer of this invention.
[0041]
Further, in these conventionally known methods, in the case of the gas phase method, the silica layer is formed by drying the crystalline molecular sieve under limited conditions, treatment with tetrachlorosilane under specific conditions, and the treatment. It is made with many detailed processes and precise control, such as cleaning and removing chlorine components. On the other hand, the silylation treatment in the liquid phase also involves many subtle control techniques and many processes, such as the control of the water content of the crystalline molecular sieve and the treatment of the surface of the crystalline molecular sieve using hydrolysis of the organosilicon compound. Made. On the other hand, since the amorphous oxide layer in the present invention is formed in the process of synthesizing the 8-membered ring SAPO, the number of steps is much smaller than that of a conventionally known method, and the control of the catalyst performance is very simple. It is economical.
[0042]
That is, the presence of an amorphous oxide layer on the surface of the synthesized 8-membered ring SAPO, the presence and thickness of the amorphous oxide layer greatly affect the catalyst performance, the thickness of the amorphous oxide layer It has never been known that the amorphous oxide layer of the present invention can be precisely controlled by hydrothermal treatment conditions during the formation of the amorphous oxide layer during the synthesis of the 8-membered ring SAPO. The 8-membered ring SAPO having a concept and essence is completely different from a crystalline molecular sieve modified with silica such as silica-modified SAPO silylated in the liquid phase.
[0043]
In the present invention, as the hydrothermal treatment conditions, the raw material mixture is hydrothermally treated for 1 hour or more at 80 to 130 ° C. in which the crystallization of the 8-membered ring SAPO does not substantially proceed in the hydrothermal treatment of the first step, Hydrothermal treatment is performed within a temperature range of 150 to 200 ° C. in which crystallization is remarkably advanced, and then, as a second step, treatment including a step of hydrothermal treatment within a temperature range of 150 to 200 ° C. is performed. This makes Al2OThreeAmorphous oxide with high purity and crystallinity and controlled Si / Al molar ratio and thickness even when the amount of templating agent used is less than 1.0 times the number of moles It became possible to stably produce an 8-membered ring SAPO having a layer and excellent catalytic activity and dimethylamine selectivity. That is, in the first step, a process of hydrothermal treatment for 1 hour or more under a relatively mild temperature condition of 80 to 130 ° C. is provided so that the template agent can be effectively used. It has become possible to reduce the amount to the original required amount present in the crystal.
[0044]
Another feature of the present production method is that the catalyst yield improves as the amount of the templating agent used decreases. This is because the yield of the catalyst is greatly increased compared to the conventionally known methods due to the two effects that the amount of the templating agent used is small and the catalyst yield is improved, so that the catalyst manufacturing cost can be greatly reduced. It is very convenient for industrial production. Thus, compared with the conventionally known methods that require an excess of the templating agent, the production method of the present application is not limited to merely reducing the cost of using the templating agent and the disposal processing cost, and the catalyst production cost due to the high catalyst yield. Therefore, it is greatly improved in terms of economy.
[0045]
The reason why the catalyst yield is improved is that the conventionally known method requiring a large amount of alkali templating agent inevitably increases the pH of the raw material mixture, and the solubility of silicon, aluminum, and phosphorus compounds that are constituents of SAPO Can be explained by assuming that the yield of the catalyst is reduced. The pH after hydrothermal treatment in a conventionally known method is in the range of 8 or more, but is generally in the range of 5.5 to 7.5 in the present production method.
[0046]
Normally, 8-membered ring SAPO uses compounds such as tetraethylammonium hydroxide, morpholine, cyclohexylamine, and diethylethanolamine as a template agent, and uniformly mixes the template agent, silicon compound, aluminum compound, phosphorus compound, and water. Then, it is synthesized by hydrothermal treatment in an autoclave at a temperature of 150 to 200 ° C. for several hours to 200 hours.
aR, bSiO2, CAl2OThree, DP2OFive, EH2O ··· Formula (1)
The templating agent is Al when the mixture to be hydrothermally treated is represented by the composition formula shown in the above formula (1).2OThreeIn general, the amount is 1 to 3 times the number of moles.
As mentioned in the prior art, the amount of templating agent used is Al.2OThreeIf the amount is less than 1 times the number of moles, it seems difficult to synthesize a pure 8-membered ring SAPO, and no examples of successful synthesis are known. In addition to the documents listed above, for example, US Pat. No. 5,126,308 describes a method for synthesizing SAPO for producing olefins from methanol. Tetraethylammonium hydroxide as a templating agent and di-n -The total amount of propylamine used is Al2OThreeIt is 1.0 times or more of the number of moles. In addition, US Pat.No. 5,663,471 describes a production method of SAPO, but the amount of tetraethylammonium hydroxide used as a templating agent is Al.2OThree2.0 times the number of moles.
[0047]
The 8-membered ring SAPO before firing includes templating agent molecules in the pores. The amount of the templating agent present in such pores can be determined by performing composition analysis such as ICP, weight analysis such as TG, and loss on firing measurement (LOI) on the sample before firing. . L Marchese, A. Frache, E. Gianotti, G. Marta, M. Causa, S. Coluccia, Microporous, and Mesoporous Materials30 (1999) p.145-153 relates to the synthesis of SAPO-34 using morpholine as a templating agent, but 1.5 templating agent molecules are encapsulated in the cage of SAPO-34 before firing. State things. This amount is Al2OThreeWhen converted to a ratio to the number of moles, the amount is 0.49 times. Although it is desirable to be able to synthesize pure 8-membered ring SAPO with the amount of templating agent used 0.49 times this amount, no such example has been known so far.
[0048]
As shown in Comparative Examples 1 to 3 in the Examples section in the subsequent stage, the amount of the templating agent used under the conventional hydrothermal treatment conditions without performing the hydrothermal treatment for 1 hour or more in the temperature range between 80 to 130 ° C. Al2OThreeIn addition to the 8-membered ring SAPO, the AFI-type structure that is not an 8-membered ring SAPO, such as SAPO-5, or the JCPDS card as defined by the International Center for Diffraction Data. Since the structure attributed to aluminum phosphate described in No. 20-0045 is produced, the purity and crystallinity of the resulting 8-membered ring SAPO are low.
[0049]
Of the hydrothermal treatment in the first step, when the hydrothermal treatment is performed at 80-130 ° C for 1 hour or longer, the amount of the mold agent used is Al.2OThreeThe reason why a pure and highly crystalline 8-membered ring SAPO can be produced stably even if the amount is less than 1.0 times the number of moles is not well understood. For example, in the case of a shabasite-type 8-membered ring SAPO, It can be explained by thinking like this.
When hydrothermal treatment is performed for 1 hour or more at 80 to 130 ° C in the hydrothermal treatment of the first step, a double 6-membered ring structure (Double-six-ring) constituting the skeleton of the shabasite type 8-membered ring SAPO -structure) and shabasite-type 8-membered ring SAPO nuclei are formed in the synthetic mother liquor, so when hydrothermally treated at a temperature of 150 to 200 ° C, the shabasite-type 8-membered ring SAPO rapidly crystallizes. It is thought to go forward.
On the other hand, if hydrothermal treatment is not performed for 1 hour or more at 80 to 130 ° C., the formation amount of double 6-membered ring structure and shabasite type 8-membered SAPO nucleus in the synthetic mother liquor becomes insufficient, and 150 Even if hydrothermal treatment is performed at a temperature of ˜200 ° C., it is considered that SAPO having an AFI type structure which is not an 8-membered ring SAPO is generated or crystallization is not completely promoted. Such a phenomenon is unlikely to occur when the amount of the templating agent used is large, but is considered to become more prominent as the amount of the templating agent decreases.
[0050]
The purity of the 8-membered ring SAPO can be determined by X-ray diffraction. For example, the purity of the shabasite-type 8-membered ring SAPO is determined by the ratio of the peak intensity of the (100) plane of the AFI structure to the peak intensity of the (100) plane of the shabasite structure measured by X-ray diffraction. be able to. The peaks of the (100) plane of the shabasite structure and the (100) plane of the AFI structure are 2θ / θ methods using CuKα rays and 2θ is at the position of about 9.5 degrees and about 7.4 degrees, respectively. appear.
[0051]
Since the effective pore diameter of 8-membered SAPO is about 4 angstroms, trimethylamine with a molecular size of 6.3 x 5.8 x 4.1 angstroms is found out of the pores when producing methylamines by the reaction of methanol and ammonia. It has a feature that dimethylamine which cannot be used as a raw material for solvents, pharmaceuticals, surfactants and the like can be selectively produced. In contrast, the effective pore diameter of SAPO-5 having an AFI structure that is not an 8-membered SAPO is about 7 angstroms, so that trimethylamine molecules can pass through. Therefore, for example, in the case of a shabasite-type 8-membered ring SAPO, SAPO with a ratio of the peak intensity of the (100) plane of the AFI structure to the peak intensity of the (100) plane of the shabasite structure exceeds 0.02. When it is used for dimethylamine, since more trimethylamine is produced, dimethylamine selectivity is lowered. For this reason, the ratio of the peak intensity of the (100) plane of the AFI structure to the peak intensity of the (100) plane of the preferred chabasite structure of the shabasite type 8-membered SAPO in the present invention is 0.02. It is as follows.
[0052]
The 8-membered ring SAPO obtained by the method of the present invention has a high purity and high crystallinity, and an amorphous oxide layer having a thickness or surface composition ratio in the preferred range described above. It exhibits excellent activity and dimethylamine selectivity in the production of methylamines by the above reaction, the reaction between methanol and monomethylamine, or the disproportionation reaction of monomethylamine.
[0053]
The temperature control method in the hydrothermal treatment of the present invention is the hydrothermal treatment in the first step in the temperature range of 80 to 130 ° C. over 1 hour and then in the temperature range of 150 to 200 ° C. for 1 to 10 hours. The hydrothermal treatment in the second step includes a hydrothermal treatment for 10 hours or more within a temperature range of 150 to 200 ° C.
Among them, as the hydrothermal treatment in the first step, hydrothermal treatment is performed at a constant temperature of 95 to 125 ° C. for 3 to 24 hours, and as part of the crystallization step in the first step and the hydrothermal treatment in the second step, 150 The condition of hydrothermal treatment for 10 to 150 hours in a temperature range of ~ 200 ° C is that a stable and stable crystalline silicoaluminophosphate molecular sieve with a highly crystalline shabasite-type 8-oxygen ring pore is obtained. Therefore, it is particularly preferable as a temperature control method in hydrothermal treatment.
[0054]
In the first step, after hydrothermal treatment in the temperature range of 80 to 130 ° C for 1 hour or more, hydrothermal treatment in the temperature range of 150 to 200 ° C has excellent catalytic activity and dimethylamine selectivity. Although the catalyst can be produced stably, for example, if the previous hydrothermal treatment is carried out at a temperature exceeding 130 ° C. for 1 hour or more, the formation of an AFI-type structure that is not an 8-membered SAPO becomes prominent, and dimethylamine selectivity Decreases. On the other hand, when it is carried out at a temperature of less than 80 ° C. for 1 hour or longer, the silicon content of the entire crystalline silicoaluminophosphate molecular sieve having 8-oxygen ring pores is reduced and the catalytic activity is lowered.
[0055]
In the hydrothermal treatment performed in the temperature range of 80 to 130 ° C. in the first step, when a preferable temperature rising pattern is given in the case of performing the temperature rising operation, a pattern in which the temperature is raised from room temperature to 170 ° C. at a constant rate in 6 hours, A pattern in which the temperature is raised from room temperature to 80 ° C in 1 hour and the temperature is raised from 80 ° C to 170 ° C in 3 hours at a constant rate. The temperature is raised from room temperature to 110 ° C in 2 hours and held at 110 ° C for 5 hours, then 170 Examples include a pattern in which the temperature is raised to ° C.
On the other hand, it is not preferable to raise the temperature between 80 and 130 ° C. at a rate of 70 ° C./hour or more because the formation of the AFI structure becomes remarkable. Further, when the temperature is raised to 80 ° C. at a rate of 100 ° C./h or more, the raw material mixture may be solidified, which is also not preferable. In the first step, there is no particular limitation on the temperature raising condition between the hydrothermal treatment performed within the temperature range of 80 to 130 ° C and the hydrothermal treatment performed within the temperature range of 150 to 200 ° C.
[0056]
The preferred treatment time of the hydrothermal treatment performed in the temperature range of 150 to 200 ° C. in the second step varies depending on the hydrothermal treatment temperature and the amount of silicon used in the raw material mixture, but it takes 10 hours to sufficiently form the amorphous oxide layer. That is all you need. More preferably, it is in the range of 10 to 150 hours, more preferably in the range of 20 to 120 hours, in which an amorphous oxide layer having an appropriate thickness and surface composition ratio can be stably formed on the crystal particle surface. The reason is that an 8-membered ring SAPO having an amorphous oxide layer having a thickness and surface composition exhibiting excellent catalytic activity and dimethylamine selectivity can be stably produced.
[0057]
The agitation during the hydrothermal treatment is preferably agitation rather than standing, and more preferably, the hydrothermal treatment mixture is sufficiently uniformly mixed.
[0058]
In the production of the 8-membered ring SAPO of the present invention, examples of the silicon compound used as a raw material include powdered silica, silica sol, orthosilicic acid, and tetraethoxysilane. Particularly preferred is silica sol. The amount of silicon compound used is not particularly limited, but when the raw material mixture to be hydrothermally treated is expressed as an oxide ratio, Al2OThreeAgainst SiO2A molar ratio of 0.1 to 0.6 is preferable. Examples of the aluminum compound include pseudoboehmite, boehmite, dibsite, bayerite, and aluminum oxide such as γ-alumina, aluminum hydroxide, hydrated aluminum oxide, and aluminum alkoxide such as aluminum triisopropoxide. . In view of the raw material price, availability, and reactivity, pseudoboehmite is particularly preferable among them. On the contrary, the use of an aluminate such as sodium aluminate is not preferable because it requires an ion exchange of a cation such as sodium ion in addition to the usually required baking, and the post-treatment is troublesome.
[0059]
Orthophosphoric acid is particularly preferable as the phosphorus compound used as a raw material, but is not limited thereto. The amount of phosphoric acid used is not particularly limited, but when the raw material mixture used for hydrothermal treatment is expressed in terms of oxide ratio, Al2OThreeP against2OFiveThe molar ratio is preferably 0.7 to 1.1. Moreover, you may use aluminum phosphate instead of the said aluminum compound and a phosphorus compound or with the said aluminum compound and a phosphorus compound. The amount of water used is not particularly limited as long as it is a slurry concentration that can be uniformly stirred, but considering industrial production efficiency, Al2OThreeThe molar ratio of water to water is preferably 100 or less.
[0060]
As the organic amine and organic ammonium salt used as the templating agent, primary amine, secondary amine, tertiary amine, quaternary ammonium salt, amino alcohol, and diamine can be used. Organic amines and organic ammonium salts that are easy to synthesize 8-membered ring SAPO include tetraethylammonium hydroxide, triethylmethylammonium hydroxide, diethanolamine, diethylethanolamine, morpholine, methylbutylamine, diisopropylamine, di-n-propylamine, quinuclidine. , Cyclohexylamine, and N, N, N ′, N′-tetramethyl-1,6-hexanediamine. These organic amines and organic ammonium salts may be used alone or in combination of two or more organic amines and organic ammonium salts. Alkyl ammonium hydroxide may contain chloride or bromide as its raw material, but there is no particular problem. When producing a shabasite-type 8-membered ring SAPO, tetraethylammonium hydroxide is preferred among the templating agents in terms of average particle size and particle shape.
[0061]
The amount of organic amine and organic ammonium salt used to synthesize 8-membered SAPO is not particularly limited.2OThreeEven if the ratio of the total number of moles of the organic amine and the organic ammonium salt to the number of moles of the aluminum compound converted into the above is in the range of 0.4 to 0.98, the above range is preferable because 8-membered ring SAPO having high purity and crystallinity can be synthesized. . Especially when synthesizing shabasite type 8-membered ring SAPO2OThreeSince the ratio of the total number of moles of the organic amine and the organic ammonium salt to the number of moles of the aluminum compound converted to 0.4 can be synthesized in the range of 0.4 to 0.98, a shabasite-type 8-membered ring SAPO with high purity and crystallinity can be synthesized. preferable. Al2OThreeShabasite type 8-membered ring SAPO can be synthesized even if the ratio of the total number of moles of organic amine and organic ammonium salt to 0.98 exceeds 0.98. And ammonium salt increase raw material costs and decrease catalyst yield. Further, these extra amines and ammonium salts are discharged as waste liquid in the separation / washing step after hydrothermal treatment, but this is not preferable in view of the increase in the treatment cost and the burden on the environment. When the ratio of the total number of moles of organic amine and organic ammonium salt is less than 0.40, the structure attributed to aluminum phosphate described in JCPDS card number 20-0045 comes to be produced, and catalytic activity and dimethylamine selectivity Decreases.
[0062]
Typical forms of the 8-membered ring SAPO include a cubic shape, a rectangular parallelepiped shape, a plate shape, a rod shape, a needle shape, a spherical shape, and an aggregate of these shapes. Among these forms, the preferred form of the shabasite-type 8-membered ring SAPO in the present invention is a crystal having an average particle diameter of 5 μm or less, a cubic shape, and a rectangular parallelepiped shape. Particularly preferred are crystals having an average particle diameter of 1 to 4 μm and a cubic or rectangular parallelepiped shape. Conversely, a plate-like form having an average crystal particle size of 1 μm or less or a form in which plate-like particles are aggregated to form a lump is not preferable. The reason is that the shabasite-type 8-membered ring SAPO having an average crystal particle size of 5 μm or less and a cubic or cuboid shape is excellent in producing methylamines by the reaction of methanol and ammonia. This is because it shows activity, dimethylamine selectivity and life performance. The average particle size can be easily measured with a laser diffraction particle size distribution meter. The particle shape can be observed with a scanning electron microscope.
[0063]
The 8-membered ring SAPO synthesized under the hydrothermal treatment conditions is filtered, decanted or centrifuged and then washed. Thereafter, it is dried at a temperature of 80 to 150 ° C. and fired. Firing is usually performed in a temperature range of 400 to 1000 ° C. in air or a mixed air stream of air and nitrogen. Most preferably, it is the temperature range of 500-900 degreeC.
[0064]
The 8-membered ring SAPO of the present invention is directly used as a catalyst for the reaction between methanol and ammonia, the reaction between methanol and monomethylamine, or the disproportionation reaction of monomethylamine by compression molding, tableting or extrusion molding. The It can also be applied to other catalytic reactions such as the production of lower olefins from methanol (MTO reaction).
[0065]
In the case of producing methylamines by carrying out the reaction of methanol and ammonia, the reaction of methanol and monomethylamine, or the disproportionation of monomethylamine using the 8-membered ring SAPO of the present invention, the form of the reaction is fixed. Either the bed method or the fluidized bed method can be used. The reaction temperature is preferably in the range of 200 to 400 ° C, particularly preferably in the range of 250 to 350 ° C. The reaction pressure is not particularly limited, but it is preferably carried out usually in a pressure range of 0.1 to 10 MPa.
[0066]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although this invention is demonstrated with an Example and a comparative example, this invention is not limited by these examples.
The physical and chemical property measuring methods and methylamine synthesis methods used in this example are as follows.
(1) The catalyst yield is obtained by calculating the weight of the obtained solid material after calcination using the silica compound, aluminum compound, phosphorus compound, titanium compound, and zirconium compound in the raw material mixture charged in the autoclave.2, Al2OThree, P2OFive, TiO2, ZrO2In addition, the weight was divided by the sum of the weights and multiplied by 100 and expressed in weight%. In addition, the weight of the obtained solid was measured after drying at 110 ° C. for 8 hours and in a sufficiently dried state (baked powder).
(2) The purity of the resulting solid material shabasite-type 8-membered ring SAPO was determined by X-ray diffraction of the calcined powder and represented by the AFI-type structure abundance ratio. The AFI type structure abundance ratio was determined by X-ray diffraction, and the peak intensity of the (100) plane of the AFI type structure was divided by the peak intensity of the (100) plane of the shabasite type structure.
(3) The degree of crystallinity is determined by measuring the calcined powder by X-ray diffraction and synthesizing according to the method of Catalyst Preparation Example 1 described in JP-A-2000-117114. The ratio was determined by the ratio of the peak intensity of the (100) plane of the shabasite structure of each fired powder to the peak intensity.
(4) The particle properties were determined by observation with a scanning electron microscope (FE-SEM observation).
(5) The average particle size was determined with a laser diffraction particle size distribution meter.
(6) X-ray photoelectron spectroscopic analysis is measured using calcined powder, and the surface composition ratio is determined from the peak area of the narrow spectrum of Si (2p), Al (2p), P (2p) bands, and the Scofield correction factor. It was obtained by correcting.
(7) The reaction test was performed by compressing or compressing the calcined powder, and then using a catalyst sized to 1 to 2 mm, using a raw material tank, a raw material supply pump, an inert gas introduction device, a reaction tube (inner diameter) 13 mmφ, 300 mm in length, SUS316), a flow reactor equipped with a cooling device, a sampling tank, a back pressure valve, and the like.
(8) The composition of the reaction product was determined by collecting a sample over 30 minutes and analyzing it with a gas chromatograph.
[0067]
1.8 member ring SAPO (Relationship with the amount of templating agent used and hydrothermal treatment conditions)
Examples 1-9 and Comparative Examples 1-9 are synthesis examples of 8-membered ring SAPO in which the amount of tetraethylammonium hydroxide, which is a templating agent, and the temperature rise conditions of hydrothermal treatment were changed. Table 1 summarizes the catalyst yield, AFI-type structure abundance ratio, crystallinity, particle shape, and particle diameter of Examples and Comparative Examples. The results of the reaction test are summarized in Table 2. In the reaction test, 2.5 g (3.5 ml) of the sized catalyst was charged into a reaction tube, a 1: 1 weight mixture of methanol and ammonia was 8.62 g per hour, and the space velocity (GHSV) was 2500 h.-1At a temperature of 305 ° C. and a pressure of 2 MPa.
Example 1
A uniform mixture of 85 wt% phosphoric acid (46.12 g) and pure water (191.16 g) is cooled to 30 ° C or lower, and pseudoboehmite (26.32 g: SASOL GERMANY GmbH, PURAL SB, Al2OThree77.5% content) was added with stirring. After stirring this mixture for 30 minutes, 35 wt% aqueous tetraethylammonium hydroxide (79.94 g) was added to 30 ° C. or lower while cooling and stirring. After stirring this mixture for 1 hour, silica sol (18.04 g: Nissan Chemical Industries, Snowtex N, SiO2(Content 20 wt%) was added and the mixture was further stirred for 30 minutes. The composition of this mixture in molar oxide ratio was as follows: 0.95 TEAOH: 1.0Al2OThree: 1.0P2OFive: 0.3SiO2: 75H2O (TEAOH represents tetraethylammonium hydroxide). The obtained mixture was hydrothermally treated with stirring at 400 rpm in a stainless steel autoclave having an internal volume of 0.6 L. In the hydrothermal treatment, as the first step, the temperature of the contents is increased from 25 ° C. to 170 ° C. at 25 ° C./h, and a part of the crystallization step of the first step and the second step of 35 ° C. at 170 ° C. Held for a while. The pressure during the hydrothermal treatment was self-generated pressure. After cooling to room temperature, the autoclave was opened and the resulting slurry was centrifuged to obtain a precipitate. The obtained precipitate was washed and centrifuged three times with 200 ml of pure water, and then dried at 80 ° C. for 12 hours. Further, it was calcined at 600 ° C. for 4 hours under an air stream to obtain a white powder (40.35 g). The catalyst yield was 77%. As a result of X-ray diffraction, this powder was an 8-membered ring SAPO having a pure shabasite-type structure, and no peak of the AFI-type structure, JCPDS No. 20-0045 compound was observed. The crystallinity was good and was 1.00. The particle properties were cubic crystals and were well aligned in size and shape. The average particle size was 1.8 μm. As shown in Table 2, the reaction results 6 hours after starting the distribution of the raw materials were a methanol conversion rate of 92 wt%, a monomethylamine selectivity of 39 wt%, a dimethylamine selectivity of 54 wt%, and a trimethylamine selectivity of 7 wt%.
[0068]
Example 2
Hydrothermal treatment is performed at the temperature of the contents at the first step from 25 ° C to 115 ° C at 73 ° C / h, held at 115 ° C for 5 hours, and then from 115 ° C to 170 ° C at 73 ° C / h. The white baked powder (40.50 g) was obtained in the same manner as in Example 1 except that the temperature was raised at 1 ° C. and that the second crystallization step was carried out at 170 ° C. for 35 hours. It was. Table 1 shows the catalyst yield, AFI type structure abundance ratio, crystallinity, particle shape, and average particle diameter. In addition, Table 2 shows the reaction results 6 hours after starting the distribution of the raw materials.
[0069]
Example 3
A white calcined powder (46.15 g) was obtained in the same manner as in Example 2 except that the amount of 35 wt% tetraethylammonium hydroxide aqueous solution was 63.14 g and the amount of pure water was 202.07 g. The composition in the molar oxide ratio of the hydrothermally treated mixture was as follows: 0.75 TEAOH: 1.0Al2OThree: 1.0P2OFive: 0.3SiO2: 75H2O. Table 1 shows the catalyst yield, AFI type structure abundance ratio, crystallinity, particle shape, and average particle diameter. In addition, Table 2 shows the reaction results 6 hours after starting the distribution of the raw materials.
[0070]
Example 4
Hydrothermal treatment is performed at the temperature of the contents, and as a first step, the temperature is raised from 25 to 80 ° C. at 73 ° C./h, from 80 to 130 ° C. at 50 ° C./h, and from 130 to 170 ° C. at 70 ° C./h. A white calcined powder (46.05 g) was obtained in the same manner as in Example 3 except that a part of the crystallization step of the first step and the second step were held at 170 ° C. for 35 hours. Table 1 shows the catalyst yield, AFI type structure abundance ratio, crystallinity, particle shape, and average particle diameter. In addition, Table 2 shows the reaction results 6 hours after starting the distribution of the raw materials.
[0071]
Example 5
A white calcined powder (45.94 g, catalyst yield 88%) was obtained in the same manner as in Example 2 except that the amount of 35 wt% tetraethylammonium hydroxide aqueous solution was 42.10 g and the amount of pure water was 215.74 g. It was. The composition in the molar oxide ratio of the hydrothermally treated mixture was as follows: 0.50TEAOH: 1.0Al2OThree: 1.0P2OFive: 0.3SiO2: 75H2O. As a result of X-ray diffraction, a small amount of JCPDS No. 20-0045 compound peak was observed in the calcined powder obtained in addition to the peak of the shabasite structure, but the same TEAOH / Al2OThreeThe peak of the AFI type structure observed in the catalyst of Comparative Example 3 synthesized at the molar ratio was not observed. The crystallinity was 0.65, which was higher than that of Comparative Example 3. The particle shape was cubic crystals, and the average particle size was 1.1 μm. From this example, when performing hydrothermal treatment in the first step, the same TEAOH / Al as in Comparative Example 3 is maintained by holding at 115 ° C. for 5 hours.2OThreeIt was found that an 8-membered ring SAPO having a shabasite structure with better purity and crystallinity can be obtained even at a molar ratio of 0.50.
[0072]
Example 6
A uniform raw material mixture of 85wt% phosphoric acid (46.12g), pure water (108.99g), and 35wt% tetraethylammonium hydroxide aqueous solution (63.14g) is cooled to 30 ° C or less, and pseudo boehmite (26.32g: SASOL GERMANY GmbH, PURAL NF, Al2OThree77.5% content) was added with stirring. After stirring this mixture for 1 hour, silica sol (18.04 g: Nissan Chemical Industries, Snowtex N, SiO220wt%) and titania sol (4.04g, Ishihara Sangyo Co., Ltd., STS-01, TiO2Content 29.5 wt%) was added and stirred for another 30 minutes. The composition of this mixture in molar oxide ratio was as follows: 0.75 TEAOH: 1.0Al2OThree: 1.0P2OFive: 0.3SiO2: 0.075TiO2: 50H2O. The obtained raw material mixture was hydrothermally treated with stirring at 500 rpm in an autoclave made of stainless steel having an internal volume of 0.6 L. In the hydrothermal treatment, the temperature of the contents is raised from 25 ° C to 110 ° C at 65 ° C / h as the first step, held at 110 ° C for 5 hours, and then from 110 ° C to 160 ° C at 65 ° C / h. The temperature was raised at 150 ° C. for 35 hours at 160 ° C. as part of the crystallization step of the first step and the second step. The pressure during the hydrothermal treatment was self-generated pressure. After cooling to room temperature, the autoclave was opened and the resulting slurry was centrifuged to obtain a precipitate. The obtained precipitate was washed and centrifuged three times with 200 ml of pure water, and then dried at 80 ° C. for 12 hours. Further, it was calcined at 800 ° C. for 4 hours under an air stream to obtain a white powder (48.30 g). The catalyst yield was 90%. As a result of X-ray diffraction, this powder was an 8-membered ring SAPO having a pure shabasite-type structure, and no peak of the AFI-type structure, JCPDS No. 20-0045 compound was observed. The crystallinity was good and was 1.10. The particle properties were cubic crystals and were well aligned in size and shape. The average particle size was 1.7 μm.
As shown in Table 2, the reaction results 6 hours after starting the distribution of the raw materials were a methanol conversion rate of 94 wt%, a monomethylamine selectivity of 37 wt%, a dimethylamine selectivity of 60 wt%, and a trimethylamine selectivity of 3 wt%.
[0073]
Example 7
Hydrothermal treatment is performed at 65 ° C / h from 25 ° C to 125 ° C at 65 ° C / h as the first step and held at 125 ° C for 24 hours, and then from 125 ° C to 170 ° C at 65 ° C / h. The white calcined powder (47.81 g) was obtained in the same manner as in Example 6 except that the temperature was raised at 145 ° C. and the second crystallization step was held at 170 ° C. for 35 hours as the second step. It was. Table 1 shows the catalyst yield, AFI type structure abundance ratio, crystallinity, particle shape, and average particle diameter. In addition, Table 2 shows the reaction results 6 hours after starting the distribution of the raw materials.
[0074]
Example 8
Hydrothermal treatment is performed at 65 ° C / h from 25 ° C to 90 ° C at 65 ° C / h for the first step and held at 90 ° C for 5 hours, and then from 90 ° C to 165 ° C at 65 ° C / h. The white calcined powder (47.09 g) was obtained in the same manner as in Example 6, except that the temperature was raised at 165 ° C. and the second crystallization step was held for 12 hours at 165 ° C. It was. Table 1 shows the catalyst yield, AFI type structure abundance ratio, crystallinity, particle shape, and average particle diameter. In addition, Table 2 shows the reaction results 6 hours after starting the distribution of the raw materials.
[0075]
Example 9
The 35 wt% tetraethylammonium hydroxide aqueous solution charge amount is 42.09 g, the pure water charge amount is 118.00 g, the silica sol charge amount is 24.05 g, and hydrothermal treatment is performed at a temperature of the contents from 25 ° C. to 115 ° C. as the first step. The temperature was raised to 20 ° C./h at 20 ° C./h, held at 115 ° C. for 5 hours, and then raised from 115 ° C. to 170 ° C. at 20 ° C./h. A white calcined powder (50.43 g, catalyst yield 92%) was obtained in the same manner as in Example 6 except that the process was carried out at 170 ° C. for 50 hours. The composition in the molar oxide ratio of the hydrothermally treated mixture was as follows: 0.50TEAOH: 1.0Al2OThree: 1.0P2OFive: 0.4SiO2: 0.075TiO2: 50H2O. Table 1 shows the catalyst yield, AFI type structure abundance ratio, crystallinity, particle shape, and average particle diameter. In addition, Table 2 shows the reaction results 6 hours after starting the distribution of the raw materials.
[0076]
Comparative Example 1
Hydrothermal treatment is performed at 79 ° C / h from 25 ° C to 170 ° C as the first step at the temperature of the contents. Part of the crystallization step of the first step and 170 ° C as the second step for 42 hours A white fired powder (40.32 g) was obtained in the same manner as in Example 1 except that the holding was performed. As a result of X-ray diffraction of this powder, in addition to the peak of the shabasite type structure which is an 8-membered ring SAPO, the peak of an AFI type structure which is not an 8-membered ring SAPO was observed. The abundance ratio of AFI structure was 0.03. The peak of the compound JCPDS No. 20-0045 was not seen, but the crystallinity was poor, 0.89. The particle property was a cubic crystal, but a hexagonal columnar crystal that was considered to be an AFI type structure was observed. The average particle size was 1.8 μm. Table 2 shows the reaction results 6 hours after starting the distribution of the raw materials.
[0077]
Comparative Example 2
Hydrothermal treatment was performed at 78 ° C / h from 25 ° C to 170 ° C as the first step at the temperature of the contents, and part of the crystallization step of the first step and 170 ° C as the second step for 35 hours. A white fired powder (43.30 g) was obtained in the same manner as in Example 3 except that the holding was performed. As a result of X-ray diffraction of this powder, in addition to the peak of the shabasite structure that is 8-membered ring SAPO, the peak of the AFI structure that is not 8-membered ring SAPO and the peak of the JCPDS number 20-0045 compound are seen. It was. The abundance ratio of AFI structure was 0.03. The crystallinity was poorly 0.79. Although the particle property was a rectangular parallelepiped crystal, hexagonal columnar crystals that were considered to be AFI type structures and amorphous materials that were considered to be amorphous compounds were observed. The average particle size was 1.5 μm. Table 2 shows the reaction results 6 hours after starting the distribution of the raw materials.
[0078]
Comparative Example 3
Hydrothermal treatment was performed at 78 ° C / h from 25 ° C to 170 ° C as the first step at the temperature of the contents, and part of the crystallization step of the first step and 170 ° C as the second step for 35 hours. A white fired powder (43.40 g) was obtained in the same manner as in Example 5 except that the holding was performed. As a result of X-ray diffraction of this powder, in addition to the peak of the shabasite structure that is 8-membered ring SAPO, the peak of the AFI structure that is not 8-membered ring SAPO and the peak of the JCPDS number 20-0045 compound are seen. It was. The abundance ratio of AFI structure was 0.10. The crystallinity was poor and was 0.32.
[0079]
Comparative Example 4
A white calcined powder (45.51 g) was obtained in the same manner as in Example 2 except that the amount of 35 wt% tetraethylammonium hydroxide aqueous solution was 21.05 g and the amount of pure water was 229.43 g. The composition of the hydrothermally treated mixture in molar oxide ratio was as follows: 0.25TEAOH: 1.0Al2OThree: 1.0P2OFive: 0.3SiO2: 75H2O. As a result of X-ray diffraction, the obtained fired powder was a structure of the JCPDS No. 20-0045 compound, and no peaks of the shabasite structure and the AFI structure were observed.
[0080]
Comparative Example 5
Hydrothermal treatment is performed at 65 ° C / h from 25 ° C to 135 ° C at 65 ° C / h as the first step and held at 135 ° C for 5 hours, and then from 135 ° C to 170 ° C at 65 ° C / h. The white calcined powder (47.65 g) was obtained in the same manner as in Example 6 except that the temperature was raised at 1 ° C. and the second crystallization step was held at 170 ° C. for 35 hours as the second step. It was. As a result of X-ray diffraction of this powder, in addition to the peak of the shabasite structure, the peak of the AFI structure was observed. The peak of the JCPDS No. 20-0045 compound was not observed. The AFI type structure abundance ratio was 0.04, and the crystallinity was 0.98. In addition to cubic crystals, acicular crystals that appear to be AFI type structures were observed. The average particle size was 1.9 μm. Table 2 shows the reaction results 6 hours after starting the distribution of the raw materials.
[0081]
Comparative Example 6
Hydrothermal treatment is performed at 65 ° C / h from 25 ° C to 70 ° C at 65 ° C / h for the first step and held at 70 ° C for 5 hours, and then from 70 ° C to 170 ° C at 65 ° C / h. The white baked powder (45.65 g) was obtained in the same manner as in Example 6 except that the temperature was raised at 1 ° C. and the second crystallization step was held at 170 ° C. for 35 hours as the second step. It was. As a result of X-ray diffraction of this powder, in addition to the peak of the shabasite structure that is an 8-membered ring SAPO, the peak of the AFI structure was observed. The peak of the JCPDS No. 20-0045 compound was not observed. The AFI type structure abundance ratio was 0.03, and the crystallinity was 0.90. The particle properties were thick plate-like crystals. The average particle size was 1.5 μm. Table 2 shows the reaction results 6 hours after starting the distribution of the raw materials.
[0082]
Comparative Example 7
A white calcined powder (36.40 g) was prepared in the same manner as in Example 9 except that the amount of 35 wt% tetraethylammonium hydroxide aqueous solution was 105.23 g, the amount of pure water was 76.93 g, and the stirring speed during hydrothermal treatment was 200 rpm. The catalyst yield was 66%). The composition of the hydrothermally treated mixture in molar oxide ratio was as follows: 1.25 TEAOH: 1.0Al2OThree: 1.0P2OFive: 0.4SiO2: 0.075TiO2: 50H2O. As a result of X-ray diffraction, the obtained fired powder was a pure shabasite-type structure, and no peaks of the AFI-type structure and JCPDS No. 20-0045 compound were observed. The degree of crystallinity was as bad as 0.65. The particle properties were thin plate crystals, and the average particle size was 0.6 μm. Table 2 shows the reaction results 6 hours after starting the distribution of the raw materials.
[0083]
Comparative Example 8
Zirconia-modified SAPO-34 was synthesized in the same manner as Catalyst Preparation Example 1 described in JP-A-2000-117114. Cool a uniform mixture of 35 wt% tetraethylammonium hydroxide aqueous solution (151.41 g) and pure water (84.60 g) to 5 ° C, add aluminum isopropoxide (81.80 g: Nacalai Tesque, Inc.), and stir at high speed for 15 minutes did. Next, silica sol (18.04 g) and zirconium oxide powder (2.40 g, Daiichi Rare Element Chemical Co., Ltd., RC-100) were added and stirred at high speed until uniform for 5 minutes. Furthermore, 85 wt% phosphoric acid (46.20 g) was added, and the mixture was similarly stirred for 5 minutes, and then the lye treatment was performed for 1 hour. The composition of this mixture in molar oxide ratio was: 1.80 TEAOH: 1.0Al2OThree: 1.0P2OFive: 0.3SiO2: 0.097ZrO2: 57H2O. The obtained mixture was hydrothermally treated with stirring at 200 rpm in a stainless autoclave having an internal volume of 0.6 L. The hydrothermal treatment was performed by increasing the temperature of the contents from 25 ° C. to 200 ° C. at 75 ° C./h and holding at 200 ° C. for 4 hours. The pressure during the hydrothermal treatment was self-generated pressure. After cooling to room temperature, the autoclave was opened and the resulting slurry was centrifuged to obtain a precipitate. The obtained precipitate was washed and centrifuged four times with 200 ml of pure water, and then dried at 80 ° C. for 12 hours. Further, it was calcined at 600 ° C. for 4 hours under an air stream to obtain a white powder (34.21 g). The catalyst yield was 62%. As a result of X-ray diffraction, this powder was a pure shabasite type structure, and no peak of AFI type structure or JCPDS No. 20-0045 compound was observed. The particle properties were cubic crystals and were well aligned in size and shape. The average particle size was 1.4 μm. As shown in Table 2, the reaction results 6 hours after starting the distribution of the raw materials were a methanol conversion rate of 90 wt%, a monomethylamine selectivity of 41 wt%, a dimethylamine selectivity of 54 wt%, and a trimethylamine selectivity of 5 wt%.
[0084]
Comparative Example 9
In the same manner as in Comparative Example 8, zirconia-modified SAPO-34 was synthesized to obtain a white calcined powder (32.55 g, catalyst yield 59%). As a result of X-ray diffraction, this powder was a pure shabasite type structure, and no peak of AFI type structure or JCPDS No. 20-0045 compound was observed. The particle properties were cubic crystals and were well aligned in size and shape. The average particle size was 1.6 μm. The reaction results 6 hours after starting the distribution of the raw materials are shown in Table 2.
[0085]
[Table 1]
Figure 0004596116
[0086]
[Table 2]
Figure 0004596116
[0087]
Use tetraethylammonium hydroxide in Al2OThreeComparative Examples 1 to 3 and 5 in which the amount was 1.0 times or less the number of moles of the aluminum compound converted into 1 and hydrothermal treatment in the first step was performed at a temperature between 80 ° C. and 130 ° C. for less than 1 hour. The catalyst of No. 6 showed an AFI type structure that was not an 8-membered SAPO, and the crystallinity was low. Moreover, the methanol conversion rate and dimethylamine selectivity of the reaction using these catalysts were low. On the other hand, in the catalysts of Examples 1 to 9 in which the hydrothermal treatment in the first step was performed at a temperature between 80 ° C. and 130 ° C. for 1 hour or more, the AFI type structure, the JCPDS No. 20-0045 compound was It was not seen and the crystallinity was good. Moreover, the methanol conversion rate and dimethylamine selectivity of the reaction using these catalysts were better than those of Comparative Examples 1, 2, 5, and 6. In particular, the template agent tetraethylammonium hydroxide is2OThreeThe methanol conversion of the catalysts of Examples 3 and 6, which were maintained at 115 ° C. and 125 ° C. in the first step and hydrothermally treated for 1 hour or more using 0.75 times the number of moles of pseudoboehmite converted to Dimethylamine selectivity was excellent. In Comparative Examples 7 to 9, tetraethylammonium hydroxide was changed to Al2OThreeIn this example, the amount is 1.0 times or more the number of moles of the aluminum compound converted to. From these examples, TEAOH / Al2OThreeEven when the molar ratio of the catalyst exceeds 0.98, a pure shabasite-type 8-membered ring SAPO can be synthesized, but the catalyst yield is as low as 59 to 66%, indicating that the catalyst productivity is low. Moreover, the methanol conversion rate and the dimethylamine selectivity were also low compared with the catalyst of Examples 1-9, and especially the catalyst performance of the comparative example 7 which is a plate-shaped crystal was low. As is clear from these examples, even with a small amount of templating agent that has been considered difficult in the past, by controlling the temperature during the hydrothermal treatment, a shabasite type 8 having good purity, crystallinity, and catalytic performance is good. Member ring SAPO is obtained, rather TEAOH / Al2OThreeIt can be seen that the smaller the molar ratio of 0.75, the better the crystallinity and catalyst performance. In particular, Comparative Examples 8 and 9 are examples in which the synthesis reproducibility of the catalyst preparation example described in JP-A-2000-117114 was examined, but the methanol conversion rate may not be reproduced as in Comparative Example 9. I understood. In Comparative Example 4, tetraethylammonium hydroxide was changed to Al2OThreeIn this example, 0.25 times the amount of pseudoboehmite converted to ## STR3 ## was used, and the obtained solid product was a structure of the compound JCPDS No. 20-0045, which is a shabasite type 8-membered ring. SAPO was not obtained. On the other hand, in Example 9 in which 0.50 times the amount of tetraethylammonium hydroxide was used, a pure shabasite-type 8-membered ring SAPO could be synthesized and the catalytic performance was also good.
[0088]
2. Example using tetraethylammonium hydroxide, diethanolamine, and cyclohexylamine as templating agents
Example 10 is a synthesis example of a shabasite type 8-membered ring SAPO using a mixture of tetraethylammonium hydroxide and diethanolamine as a templating agent, and Example 11 using cyclohexylamine as a templating agent. The reaction test results of the obtained catalyst are shown in Table 3. The reaction test was conducted in the same manner as in Examples 1-9.
[0089]
Example 10
A homogeneous mixture of 85wt% phosphoric acid (41.51g), pure water (98.70g), 35wt% tetraethylammonium hydroxide aqueous solution (42.10g), and diethanolamine (6.30g) is cooled to 30 ° C or less, and pseudoboehmite is added thereto. (26.32g: SASOL GERMANY GmbH, PURAL NF, Al2OThree77.5% content) was added with stirring. After stirring this mixture for 1 hour, silica sol (30.06 g: Nissan Chemical Industries, Snowtex N, SiO2Content 20 wt%) and zirconium oxide powder (1.25 g, Daiichi Rare Element Chemical Co., Ltd., RC-100) were added and stirred for another 30 minutes. The composition of this mixture in molar oxide ratio was as follows: 0.50TEAOH: 0.30DEA: 1.0Al2OThree: 0.9P2OFive: 0.5SiO2: 0.05ZrO2: 45H2O (DEA represents diethanolamine). The obtained mixture was hydrothermally treated with stirring in a stainless steel autoclave. In the hydrothermal treatment, the temperature of the contents is raised from 25 ° C to 115 ° C at 65 ° C / h as the first step, held at 115 ° C for 5 hours, and then from 115 ° C to 170 ° C at 65 ° C / h. The temperature was raised at 170 ° C. for 35 hours at 170 ° C. as part of the crystallization step of the first step and the second step. The pressure during the hydrothermal treatment was self-generated pressure. After cooling to room temperature, the autoclave was opened and the resulting slurry was centrifuged to obtain a precipitate. The obtained precipitate was washed and centrifuged three times with 200 ml of pure water, and then dried at 80 ° C. for 12 hours. Further, it was calcined at 600 ° C. for 4 hours under an air stream to obtain a white powder (44.17 g). The catalyst yield was 85%. As a result of X-ray diffraction, this powder was an 8-membered ring SAPO having a pure shabasite type structure, and no peak of AFI type structure or JCPDS No. 20-0045 compound was observed. The crystallinity was good and was 1.03. The particle properties were rectangular parallelepiped crystals, which were well aligned in size and shape. The average particle size was 2.5 μm. Table 3 shows the reaction results 6 hours after starting the distribution of the raw materials.
[0090]
Example 11
A uniform mixture of 85 wt% phosphoric acid (43.82 g) and pure water (145.50 g) was cooled to 30 ° C. or lower, and aluminum triisopropoxide (81.70 g: Nacalai Tesque, Inc.) was added thereto with stirring. After the mixture was stirred for 30 minutes, cyclohexylamine (15.90 g) was added with stirring. After stirring this mixture for 1 hour, silica sol (24.05 g: Nissan Chemical Industries, Snowtex N, SiO2(Content 20 wt%) was added and the mixture was further stirred for 30 minutes. The composition of this mixture in molar oxide ratio was as follows: 0.80 cyclohexylamine: 1.0Al2OThree: 0.95P2OFive: 0.40SiO2: 47.5H2O. The obtained mixture was hydrothermally treated with stirring in a stainless steel autoclave. In the hydrothermal treatment, the temperature of the contents is raised from 25 ° C to 115 ° C at 65 ° C / h as the first step, held at 115 ° C for 5 hours, and then from 115 ° C to 180 ° C at 65 ° C / h. The temperature was raised at 150 ° C. for 35 hours at 180 ° C. as part of the crystallization step of the first step and as the second step. The pressure during the hydrothermal treatment was self-generated pressure. After cooling to room temperature, the autoclave was opened and the resulting slurry was centrifuged to obtain a precipitate. The obtained precipitate was washed and centrifuged three times with 200 ml of pure water, and then dried at 80 ° C. for 12 hours. Further, it was calcined at 600 ° C. for 4 hours under an air stream to obtain a white powder (43.90 g). The catalyst yield was 84%. As a result of X-ray diffraction, this powder was an 8-membered ring SAPO having a pure shabasite type structure, and no peak of an AFI type structure or a compound of JCPDS No. 20-0045 was observed. The crystallinity was good and was 1.00. The particle properties were cubic crystals and were well aligned in size and shape. The average particle size was 3.5 μm. Table 3 shows the reaction results 6 hours after starting the distribution of the raw materials.
[0091]
[Table 3]
Figure 0004596116
[0092]
In both examples, Al2OThreeIt can be seen that an 8-membered SAPO having a pure shabasite structure can be obtained with a template agent amount of less than 1.0 times the amount of the aluminum compound converted into 1 and the catalyst performance is also good.
[0093]
3. Relationship between surface composition and thickness of amorphous oxide layer and catalyst performance.
Examples 12 to 17 and Comparative Examples 10 and 11 are examples relating to the surface composition, thickness, and catalytic performance of an amorphous oxide layer of 8-membered ring SAPO having a shabasite type structure. Si / Al atomic ratio (bulk Si / Al atomic ratio), surface Si / Al atomic ratio, Si / P atomic ratio on the surface, amorphous Table 4 shows the thickness of the oxide layer, and Table 5 shows the results of the reaction test. The reaction test was conducted in the same manner as in Examples 1-9.
[0094]
Example 12
The calcined powder obtained in Example 2 was analyzed by ICP and XPS. As a result, the Si / Al atomic ratio of the entire crystal grain was 0.15, the Si / Al atomic ratio on the surface was 0.60, and the Si / P surface was on the surface. The atomic ratio of was 0.66.
[0095]
Example 13
The calcined powder obtained in Example 6 was analyzed by ICP and XPS. As a result, the Si / Al atomic ratio of the entire crystal particle was 0.14, the Si / Al atomic ratio on the surface was 1.07, and the Si / P surface was on the surface. The atomic ratio of was 1.24.
[0096]
Example 14
To a uniform mixture of 85% phosphoric acid (89.8g), pure water (183.9g) and 35wt% tetraethylammonium hydroxide aqueous solution (122.9g), pseudoboehmite (51.3g: SASOL GERMANY GmbH, PURAL NF, Al2OThree77.5% content) was added with stirring. After stirring this mixture for 1 hour, silica sol (46.8 g: Nissan Chemical Industries, Snowtex N, SiO220wt%) and titania sol (5.3g, Ishihara Sangyo Co., Ltd., STS-01, TiO2Content 29.5 wt%) was added and stirred for another 30 minutes. The pH of this mixture was 2.95 and the composition in molar oxide ratio was as follows: 0.75 TEAOH: 1.0Al2OThree: 1.0P2OFive: 0.4SiO2: 0.05TiO2: 50H2O. The obtained mixture was hydrothermally treated while stirring at 700 rpm in a stainless steel autoclave having an internal volume of 0.6 L. In the hydrothermal treatment, the temperature of the contents is raised from 20 ° C / h to 25 ° C to 115 ° C as the first step, held at 115 ° C for 5 hours, and then from 115 ° C to 170 ° C at 20 ° C / h. The temperature was raised at 150 ° C. for 50 hours at 170 ° C. as part of the crystallization step of the first step and the second step. The pressure during the hydrothermal treatment was self-generated pressure. After cooling to room temperature, the autoclave was opened and the resulting slurry was centrifuged to obtain a precipitate. The obtained precipitate was washed and centrifuged three times with 200 ml of pure water, and then dried at 80 ° C. for 12 hours. Further, it was calcined at 600 ° C. for 4 hours under an air stream to obtain a white powder (88.2 g). The catalyst yield was 83%, which was good. As a result of X-ray diffraction, this powder was a pure shabasite-type structure, and no peak of the AFI-type structure, JCPDS No. 20-0045 compound was observed. The crystallinity was good and was 1.05. The particle properties were cubic crystals and were well aligned in size and shape. The average particle size was 2.2 μm. The Si / Al atomic ratio of the entire crystal particles of the fired powder was 0.16, the Si / Al atomic ratio on the surface was 1.61, and the atomic ratio of Si / P on the surface was 2.45. Also, from observation with a scanning transmission electron microscope, the crystal particles of the fired powder had an amorphous oxide layer having a thickness of 7 nanometers. Table 5 shows the reaction results 6 hours after starting the distribution of the raw materials.
[0097]
Example 15
Hydrothermal treatment is performed at the temperature of the contents, as a first step from 25 ° C to 115 ° C at a rate of 20 ° C / h, held at 115 ° C for 5 hours, and then from 115 ° C to 170 ° C at 20 ° C / h. The white calcined powder (86.2 g, catalyst yield) was obtained in the same manner as in Example 14 except that a part of the first crystallization step and the second step were held at 170 ° C. for 100 hours. 81%). As a result of X-ray diffraction, this powder was an 8-membered ring SAPO having a pure shabasite-type structure, and no peak of the AFI-type structure, JCPDS No. 20-0045 compound was observed. The crystallinity was good and was 1.03. The particle properties were cubic crystals and were well aligned in size and shape. The average particle size was 2.4 μm. The obtained sintered powder had a Si / Al atomic ratio of 0.15 in the entire crystal particles, a surface Si / Al atomic ratio of 1.98, and a surface Si / P atomic ratio of 2.92. Further, from the observation with a scanning transmission electron microscope, the crystal particles of the fired powder had an amorphous oxide layer having a thickness of 13 nanometers. Table 5 shows the reaction results 6 hours after starting the distribution of the raw materials.
[0098]
Example 16
Hydrothermal treatment is performed at the temperature of the contents, as a first step from 25 ° C to 115 ° C at a rate of 20 ° C / h, held at 115 ° C for 5 hours, and then from 115 ° C to 170 ° C at 20 ° C / h. The white calcined powder (45.70 g, catalyst yield) was obtained in the same manner as in Example 3 except that a part of the first crystallization step and the second step were held at 170 ° C. for 30 hours. 87%). As a result of X-ray diffraction, this powder was a pure shabasite-type structure, and no peak of the AFI-type structure, JCPDS No. 20-0045 compound was observed. The crystallinity was 1.00. The particle properties were cubic crystals and were well aligned in size and shape. The average particle size was 1.9 μm. The obtained sintered powder had a Si / Al atomic ratio of 0.14 for the entire crystal particles, a surface Si / Al atomic ratio of 0.65, and a surface Si / P atomic ratio of 0.75. Table 5 shows the reaction results 6 hours after starting the distribution of the raw materials.
[0099]
Example 17
Hydrothermal treatment is performed at the temperature of the contents, as a first step from 25 ° C to 115 ° C at a rate of 20 ° C / h, held at 115 ° C for 5 hours, and then from 115 ° C to 170 ° C at 20 ° C / h. The temperature is raised at a temperature of 170 ° C. for 20 hours as part of the first crystallization step and the second step, and then silica sol (6.1 g: Nissan Chemical Industries, Snowtex N, SiO2The white calcined powder (46.21 g, catalyst yield 88%) was added in the same manner as in Example 16 except that the content was added to the hydrothermally treated mixture and further hydrothermally treated in the second step at 170 ° C. for 10 hours. Got. Added silica sol Al2OThreeThe molar oxide ratio to SiO2/ Al2OThreeThe ratio was 0.10. As a result of X-ray diffraction, this powder was an 8-membered ring SAPO having a pure shabasite-type structure, and no peak of the AFI-type structure, JCPDS No. 20-0045 compound was observed. The crystallinity was 1.00. The particle properties were cubic crystals and were well aligned in size and shape. The average particle size was 1.9 μm. The Si / Al atomic ratio of the entire crystal particles of the fired powder was 0.15, the Si / Al atomic ratio on the surface was 2.13, and the atomic ratio of Si / P on the surface was 3.01. Table 5 shows the reaction results 6 hours after starting the distribution of the raw materials. As is clear from this example, by further adding silica sol during the hydrothermal treatment, the hydrothermal treatment time at a temperature of 170 ° C. has a larger atomic ratio of Si / Al on the surface than that of Example 16, and dimethyl It was found that the amine selectivity was improved.
[0100]
Comparative Example 10
Hydrothermal treatment is performed at the temperature of the contents as the first step from 25 ° C to 115 ° C at 20 ° C / h, held at 115 ° C for 5 hours, and then from 115 ° C to 170 ° C at 20 ° C / h. The white calcined powder (84.7 g, catalyst yield) was obtained in the same manner as in Example 14 except that the temperature was raised and a part of the crystallization step of the first step and the second step were held at 170 ° C. for 5 hours. 80%). As a result of X-ray diffraction, this powder was a pure shabasite-type structure, and no peak of the AFI-type structure, JCPDS No. 20-0045 compound was observed. The crystallinity was 0.98. The particle properties were cubic crystals and were well aligned in size and shape. The average particle size was 2.5 μm. The obtained sintered powder had a Si / Al atomic ratio of 0.14 for the entire crystal particles, a surface Si / Al atomic ratio of 0.49, and a surface Si / P atomic ratio of 0.53. Further, from observation with a scanning transmission electron microscope, the crystal particles of the fired powder had an amorphous oxide layer with a thickness of 2.5 nanometers. Table 5 shows the reaction results 6 hours after starting the distribution of the raw materials.
[0101]
Comparative Example 11
Hydrothermal treatment is performed at the temperature of the contents, as a first step from 25 ° C to 115 ° C at a rate of 20 ° C / h, held at 115 ° C for 5 hours, and then from 115 ° C to 170 ° C at 20 ° C / h. The white calcined powder (85.0 g, catalyst yield) was obtained in the same manner as in Example 14 except that a part of the first crystallization step and the second step were held at 170 ° C. for 175 hours. 80%). As a result of X-ray diffraction, this powder was an 8-membered ring SAPO having a pure shabasite-type structure, and no peak of the AFI-type structure, JCPDS No. 20-0045 compound was observed. The crystallinity was 1.01. The particle properties were cubic crystals and were well aligned in size and shape. The average particle size was 2.7 μm. The Si / Al atomic ratio of the entire crystal particles of the fired powder was 0.14, the Si / Al atomic ratio on the surface was 2.26, and the atomic ratio of Si / P on the surface was 3.13. Further, from observation with a scanning transmission electron microscope, the crystal particles of the fired powder had an amorphous oxide layer with a thickness of 25 nanometers. Table 5 shows the reaction results 6 hours after starting the distribution of the raw materials.
[0102]
[Table 4]
Figure 0004596116
[0103]
[Table 5]
Figure 0004596116
[0104]
As is apparent from these examples, the 8-membered ring SAPO having the shabasite structure of the present invention has an amorphous oxide layer on the crystal grain surface where the Si / Al atomic ratio is larger than the whole crystal grain. I found it. In addition, the catalytic performance in the production of methylamines by the reaction of methanol and ammonia depends on the thickness of the amorphous oxide layer, the atomic ratio of the surface Si / Al measured by X-ray photoelectron spectroscopy, and the surface Si. It was also found that there is a correlation with the atomic ratio of / P. That is, as the amorphous oxide layer becomes thicker, the atomic ratio of Si / Al on the surface, and the atomic ratio of Si / P on the surface increase, the methanol conversion and trimethylamine selectivity decrease, and dimethylamine The selectivity is high. Shabasite-type SAPO having an amorphous oxide layer with a thickness in the range of 3 to 20 nanometers or an atomic ratio of Si / Al on the surface of 0.50 to It can be seen that shabasite SAPO in the range of 2.20 or shabasite type SAPO having a surface Si / P atomic ratio in the range of 0.55 to 3.10 exhibits excellent catalytic performance. The rate of change in the thickness and surface composition ratio of the amorphous oxide layer with the lapse of hydrothermal treatment time is TEAOH / Al2OThreeMolar ratio or H2O / Al2OThreeThe amorphous oxide layer is thicker, the surface Si / Al atomic ratio, and the surface Si / P atomic ratio increase as the second stage time of hydrothermal treatment increases. It can be seen that the methanol conversion and trimethylamine selectivity are low. In the catalyst of Example 14, the reaction raw material was supplied at a space velocity (GHSV) of 1500 h.-1Under the conditions of a temperature of 310 ° C and a pressure of 2 MPa, the methanol conversion at 1000 hours after starting the raw material distribution was 95 wt%, the monomethylamine selectivity was 37 wt%, the dimethylamine selectivity was 60 wt%, and the trimethylamine selectivity was 3 wt%. Lifetime performance is shown.
[0105]
4). SAPO-56 When SAPO-17 Between surface composition and thickness of amorphous oxide layer and catalyst performance
Examples 18 and 19 and Comparative Example 12 are examples relating to the surface composition and thickness of the amorphous oxide layer and the catalyst performance in SAPO-56 and SAPO-17 having eight oxygen-membered ring pores. Si / Al atomic ratio (bulk Si / Al atomic ratio), surface Si / Al atomic ratio, surface Si / P atomic ratio, amorphous oxide of the whole crystal grains of each example and comparative example The layer thicknesses are summarized in Table 6. The reaction test was conducted in the same manner as in Examples 1-9.
[0106]
Example 18
To a homogeneous mixture of 85% phosphoric acid (75.6 g) and pure water (256.6 g) and N, N, N ′, N′-tetramethyl-1,6-hexanediamine (113.0 g), pseudoboehmite (43.1 g: SASOL GERMANY GmbH, PURAL NF, Al2OThree77.5% content) was added with stirring. After the mixture was stirred for 1 hour, fumed silica (11.8 g: Nippon Aerosil Co., Ltd., AEROSIL-200) was added, and the mixture was further stirred for 30 minutes. The composition of this mixture in molar oxide ratio was as follows: 2.0TMHD: 1.0Al2OThree: 1.0P2OFive: 0.6SiO2: 50H2O (TMHD represents N, N, N ', N'-tetramethyl-1,6-hexanediamine). The obtained mixture was hydrothermally treated with stirring in a stainless steel autoclave. In the hydrothermal treatment, the temperature of the contents is raised from 20 ° C / h to 25 ° C to 115 ° C as the first step, held at 115 ° C for 5 hours, and then from 115 ° C to 170 ° C at 20 ° C / h. The temperature was raised at 170 ° C. and maintained at 170 ° C. for 75 hours as a part of the crystallization step of the first step and the second step. The pressure during the hydrothermal treatment was self-generated pressure. After cooling to room temperature, the autoclave was opened and the resulting slurry was centrifuged to obtain a precipitate. The obtained precipitate was washed and centrifuged three times with 200 ml of pure water, and then dried at 80 ° C. for 12 hours. Further, it was calcined at 600 ° C. for 4 hours under an air stream to obtain a white powder. As a result of X-ray diffraction, this powder was SAPO-56 having pure 8-oxygen ring pores. The Si / Al atomic ratio of the entire crystal grains of the fired powder was 0.27, the Si / Al atomic ratio on the surface was 1.75, and the atomic ratio of Si / P on the surface was 2.71. From the observation with a scanning transmission electron microscope, the crystal particles of the fired powder had an amorphous oxide layer with a thickness of 10 nanometers. Table 6 shows the reaction results 6 hours after starting the distribution of the raw materials.
[0107]
Example 19
To a uniform mixture of 85% phosphoric acid (52.0 g), pure water (176.6 g) and quinuclidine (37.6 g), pseudoboehmite (29.7 g: SASOL GERMANY GmbH, PURAL NF, Al2OThree77.5% content) was added with stirring. After this mixture was stirred for 1 hour, fumed silica (4.1 g: Nippon Aerosil Co., Ltd., AEROSIL-200) was added, and the mixture was further stirred for 30 minutes. The composition of this mixture in molar oxide ratio was as follows: 1.5Qn: 1.0Al2OThree: 1.0P2OFive: 0.3SiO2: 50H2O (Qn represents quinuclidine). The obtained mixture was hydrothermally treated with stirring in a stainless steel autoclave. In the hydrothermal treatment, the temperature of the contents is raised from 20 ° C / h to 25 ° C to 115 ° C as the first step, held at 115 ° C for 5 hours, and then from 115 ° C to 170 ° C at 20 ° C / h. The temperature was raised at 150 ° C. for 50 hours at 170 ° C. as part of the crystallization step of the first step and the second step. The pressure during the hydrothermal treatment was self-generated pressure. After cooling to room temperature, the autoclave was opened and the resulting slurry was centrifuged to obtain a precipitate. The obtained precipitate was washed and centrifuged three times with 200 ml of pure water, and then dried at 80 ° C. for 12 hours. Further, it was calcined at 600 ° C. for 4 hours under an air stream to obtain a white powder. As a result of X-ray diffraction, this powder was SAPO-17 having pure 8-oxygen ring pores. The Si / Al atomic ratio of the entire crystal grains of the fired powder was 0.11, the Si / Al atomic ratio on the surface was 1.01, and the atomic ratio of Si / P on the surface was 1.36. Further, from the observation with a scanning transmission electron microscope, the crystal particles of the fired powder had an amorphous oxide layer having a thickness of 5 nanometers. Table 6 shows the reaction results 6 hours after starting the distribution of the raw materials.
[0108]
Comparative Example 12
Hydrothermal treatment is performed at the temperature of the contents, as a first step from 25 ° C to 115 ° C at a rate of 20 ° C / h, held at 115 ° C for 5 hours, and then from 115 ° C to 170 ° C at 20 ° C / h. The white calcined powder was obtained in the same manner as in Example 18 except that the temperature was raised at 1 ° C. and the second crystallization step was carried out at 170 ° C. for 5 hours. As a result of X-ray diffraction, this powder was SAPO-56 having pure 8-oxygen ring pores. The Si / Al atomic ratio of the entire crystal grains of the fired powder was 0.25, the Si / Al atomic ratio on the surface was 0.48, and the atomic ratio of Si / P on the surface was 0.51. Further, from observation with a scanning transmission electron microscope, the crystal particles of the fired powder had an amorphous oxide layer with a thickness of 2 nanometers. Table 6 shows the reaction results 6 hours after starting the distribution of the raw materials.
[0109]
As is apparent from these examples, even in the 8-membered ring SAPO having a structure other than the shabasite type, the amorphous oxide layer of the present invention in which the atomic ratio of Si / Al is larger than that of the entire crystal grain is reduced. It turns out that it has on the surface. In addition, these 8-membered ring SAPOs having an amorphous oxide layer with a preferred thickness or a surface composition ratio with a preferred range have excellent catalytic activity in the production of methylamines by the reaction of methanol and ammonia. It can also be seen that it exhibits dimethylamine selectivity.
[0110]
[Table 6]
Figure 0004596116
[0111]
5). Example of disproportionation reaction using monomethylamine as a raw material
Example 20 and Comparative Example 13 are examples of a disproportionation reaction using monomethylamine as a raw material.
[0112]
Example 20
The reaction tube was charged with 2.5 g (volume 3.5 ml) of the catalyst synthesized in Example 6, and monomethylamine was GHSV3000h at a reaction pressure of 2 MPa and a temperature of 320 ° C.-1The reaction was conducted at The results of the disproportionation reaction from monomethylamine to ammonia and dimethylamine at 6 hours after the start of the reaction were as follows.
Conversion of monomethylamine: 73 mol%
Dimethylamine selectivity: 99% by weight
Trimethylamine selectivity: 1% by weight
[0113]
Comparative Example 13
Using the catalyst synthesized in Comparative Example 8, a monomethylamine disproportionation reaction was performed in the same manner as in Example 20. The results at 6 hours after the start of the reaction were as follows.
Conversion of monomethylamine: 69 mol%
Dimethylamine selectivity: 98% by weight
Trimethylamine selectivity: 2% by weight
[0114]
Compared with the result of Comparative Example 13 using the catalyst of Comparative Example 8 synthesized according to the method of Catalyst Preparation Example 1 described in JP-A-2000-117114, the 8-membered ring SAPO having the shabasite type structure of Example 6 is As shown in Example 20, it was found that excellent performance was obtained even in the disproportionation reaction of monomethylamine.
[0115]
【The invention's effect】
As is apparent from the description using the examples and comparative examples above, the 8-membered ring SAPO of the present invention has an amorphous oxide layer in which the atomic ratio of silicon to aluminum is larger than that of the entire crystal grain. The molecular sieve has a catalytic activity superior to that of the prior art in the production of methylamines by the reaction of methanol and ammonia, the disproportionation reaction of monomethylamine, etc., which are carried out industrially. Shows dimethylamine selectivity. The thickness and surface composition of the amorphous oxide layer have a great influence on the catalyst performance, but can be easily controlled by the synthesis conditions of the catalyst of the present invention. Further, according to the method for producing 8-membered ring SAPO of the present invention, 8-membered ring SAPO having high purity and crystallinity can be produced with a small amount of templating agent, which has been difficult to synthesize conventionally. Therefore, since both raw material costs and waste disposal costs can be reduced as compared with the prior art, a catalyst can be produced efficiently at low cost. Moreover, since there is little waste, it can also contribute to the reduction of environmental burden. Therefore, the industrial value of the crystalline silicoaluminophosphate molecular sieve having eight oxygen member ring pores and the production method thereof and the production method of methylamines provided by the present invention is extremely large.
[Brief description of the drawings]
1 is a scanning transmission electron microscope image of the catalyst of Example 14 (× 80,000 times). FIG.
2 is an enlarged image (× 1 million times) of the left-most white frame in FIG.
3 is an electron diffraction image of a portion where the lattice pattern of FIG. 2 can be seen.
4 is an electron diffraction image of a white layer in which the lattice pattern of FIG. 2 is not seen.

Claims (22)

主にケイ素、アルミニウム、及びリンを含む酸化物で構成される非晶質酸化物層を結晶粒子表面に有する、8酸素員環細孔を持つ結晶質シリコアルミノリン酸塩モレキュラーシーブであって、X線光電子分光法で測定される非晶質酸化物層のアルミニウムに対するケイ素の原子比が、0.50〜2.20の範囲でありかつICP分析で測定した結晶粒子全体での当該原子比よりも大きく、X線光電子分光法で測定される非晶質酸化物層のリンに対するケイ素の原子比が0.55〜3.10の範囲であることを特徴とする、8酸素員環細孔を持つ結晶質シリコアルミノリン酸塩モレキュラーシーブ。A crystalline silicoaluminophosphate molecular sieve having an eight-membered ring pore having an amorphous oxide layer mainly composed of an oxide containing silicon, aluminum, and phosphorus on the crystal particle surface, The atomic ratio of silicon to aluminum in the amorphous oxide layer measured by X-ray photoelectron spectroscopy is in the range of 0.50 to 2.20, and the atomic ratio of the whole crystal particles measured by ICP analysis also rather large atomic ratio of silicon to phosphorus of the amorphous oxide layer as measured by X-ray photoelectron spectroscopy, characterized in that in the range of 0.55 to 3.10, 8 oxygen-membered ring pores Crystalline silicoaluminophosphate molecular sieve with. 結晶粒子表面の非晶質酸化物層の厚さが3〜20ナノメートルの範囲である、請求項1に記載の8酸素員環細孔を持つ結晶質シリコアルミノリン酸塩モレキュラーシーブ。  The crystalline silicoaluminophosphate molecular sieve having eight-membered ring pores according to claim 1, wherein the thickness of the amorphous oxide layer on the surface of the crystal particles is in the range of 3 to 20 nanometers. マグネシウム、イットリウム、チタン、ジルコニウム、マンガン、鉄、コバルト及びスズから選択される一種類以上の元素を更に含む、請求項1または2に記載の8酸素員環細孔を持つ結晶質シリコアルミノリン酸塩モレキュラーシーブ。The crystalline silicoaluminophosphoric acid having eight-membered ring pores according to claim 1 or 2 , further comprising one or more elements selected from magnesium, yttrium, titanium, zirconium, manganese, iron, cobalt, and tin. Salt molecular sieve. 結晶粒子の形状が直方体及び/又は立方体状であり、かつ平均粒子径が5μm以下である、請求項1〜の何れかに記載の8酸素員環細孔を持つ結晶質シリコアルミノリン酸塩モレキュラーシーブ。The crystalline silicoaluminophosphate having 8-membered ring pores according to any one of claims 1 to 3 , wherein the shape of the crystal particles is a rectangular parallelepiped and / or a cubic shape, and the average particle diameter is 5 µm or less. Molecular sieve. 結晶粒子全体より結晶粒子表面の非晶質酸化物層を除いた結晶粒子の本体部分の構造がシャバサイト型である、請求項1〜の何れかに記載の8酸素員環細孔を持つ結晶質シリコアルミノリン酸塩モレキュラーシーブ。The structure of the main body part of the crystal grain excluding the amorphous oxide layer on the crystal grain surface from the whole crystal grain is a shabasite type and has 8 oxygen ring ring pores according to any one of claims 1 to 4. Crystalline silicoaluminophosphate molecular sieve. X線回折で測定したシャバサイト型構造体の(100)面のピーク強度に対するAFI型構造体の(100)面のピーク強度の比が0.02以下である、請求項記載のシャバサイト型の8酸素員環細孔を持つ結晶質シリコアルミノリン酸塩モレキュラーシーブ。The ratio of the peak intensity of the (100) plane of AFI structure body to the peak intensity of the (100) plane of the X-ray chabazite structure measured by diffraction is 0.02 or less, chabazite of claim 5, wherein A crystalline silicoaluminophosphate molecular sieve having 8 oxygen-membered ring pores. 有機アミン及び/又は有機アンモニウム塩、アルミニウム化合物、リン化合物、ケイ素化合物、並びに水を含む原料混合物を水熱処理して、非晶質酸化物層を結晶粒子表面に有する8 酸素員環細孔を持つ結晶質シリコアルミノリン酸塩モレキュラーシーブを製造するにあたり、少なくともその結晶質部分を生成させる第1工程と、更に水熱処理を行って結晶粒子表面上に非晶質酸化物層を形成させる第2工程とからなる、請求項1〜の何れかに記載の8酸素員環細孔を持つ結晶質シリコアルミノリン酸塩モレキュラーシーブの製造方法。A raw material mixture containing an organic amine and / or an organic ammonium salt, an aluminum compound, a phosphorus compound, a silicon compound, and water is hydrothermally treated to have an 8-oxygen ring pore having an amorphous oxide layer on the crystal particle surface. In producing a crystalline silicoaluminophosphate molecular sieve, a first step for generating at least a crystalline portion thereof, and a second step for forming an amorphous oxide layer on the crystal grain surface by further hydrothermal treatment A method for producing a crystalline silicoaluminophosphate molecular sieve having 8-membered ring pores according to any one of claims 1 to 6 . 第1工程の水熱処理が、80〜130℃ の温度範囲内で1時間以上水熱処理する工程と150〜200℃の温度範囲内で1〜10時間水熱処理する工程の二つの工程を含むものである、請求項記載の8酸素員環細孔を持つ結晶質シリコアルミノリン酸塩モレキュラーシーブの製造方法。The hydrothermal treatment of the first step includes two steps of a hydrothermal treatment for 1 hour or more within a temperature range of 80 to 130 ° C and a hydrothermal treatment for 1 to 10 hours within a temperature range of 150 to 200 ° C. A method for producing a crystalline silicoaluminophosphate molecular sieve having eight-membered ring pores according to claim 7 . 第1工程の水熱処理のうち、80〜130℃の温度範囲内で1時間以上水熱処理する工程が、80〜130℃の間を1時間以上かけて昇温させる工程又は80〜130℃の間の一定温度を1時間以上保持する工程を含むものである、請求項記載の8酸素員環細孔を持つ結晶質シリコアルミノリン酸塩モレキュラーシーブの製造方法。Of the hydrothermal treatment of the first step, the step of hydrothermal treatment for 1 hour or more within the temperature range of 80 to 130 ° C is a step of raising the temperature between 80 to 130 ° C over 1 hour or between 80 to 130 ° C The method for producing a crystalline silicoaluminophosphate molecular sieve having 8-membered ring pores according to claim 8 , comprising a step of maintaining the constant temperature of 1 hour or more. 第2工程の水熱処理が、150〜200℃の温度範囲内で10時間以上水熱処理する工程を含むものである、請求項の何れかに記載の8酸素員環細孔を持つ結晶質シリコアルミノリン酸塩モレキュラーシーブの製造方法。The crystalline silicon having 8-membered ring pores according to any one of claims 7 to 9 , wherein the hydrothermal treatment of the second step includes a step of hydrothermal treatment for 10 hours or more within a temperature range of 150 to 200 ° C. Method for producing aluminophosphate molecular sieve. 第1工程の水熱処理が、95〜125℃の間の一定温度で3〜24時間水熱処理する工程と150〜200℃の温度範囲内で1〜10時間水熱処理する工程の二つの工程を含み、かつ第2工程の水熱処理が、150〜200℃の温度範囲内で10〜150時間水熱処理する工程を含むものである、請求項記載の8酸素員環細孔を持つ結晶質シリコアルミノリン酸塩モレキュラーシーブの製造方法。The hydrothermal treatment of the first step includes two steps of a hydrothermal treatment for 3 to 24 hours at a constant temperature of 95 to 125 ° C and a hydrothermal treatment for 1 to 10 hours within a temperature range of 150 to 200 ° C. The crystalline silicoaluminophosphoric acid having 8-membered ring pores according to claim 7 , wherein the hydrothermal treatment in the second step includes a hydrothermal treatment in a temperature range of 150 to 200 ° C for 10 to 150 hours. A method for producing a salt molecular sieve. 有機アミン及び/又は有機アンモニウム塩、アルミニウム化合物、リン化合物、ケイ素化合物、並びに水を含む原料混合物中のAlに換算されたアルミニウム化合物のモル数に対する、有機アミンと有機アンモニウム塩の合計モル数の比が0.4〜0.98の範囲である、請求項11の何れかに記載の8酸素員環細孔を持つ結晶質シリコアルミノリン酸塩モレキュラーシーブの製造方法。Total moles of organic amine and organic ammonium salt with respect to the number of moles of aluminum compound converted to Al 2 O 3 in the raw material mixture containing organic amine and / or organic ammonium salt, aluminum compound, phosphorus compound, silicon compound, and water The method for producing a crystalline silicoaluminophosphate molecular sieve having 8-membered ring pores according to any one of claims 7 to 11 , wherein the number ratio is in the range of 0.4 to 0.98. 有機アミン及び/又は有機アンモニウム塩が水酸化テトラエチルアンモニウムである、請求項12の何れかに記載の8酸素員環細孔を持つ結晶質シリコアルミノリン酸塩モレキュラーシーブの製造方法。The method for producing a crystalline silicoaluminophosphate molecular sieve having 8-oxygen ring pores according to any one of claims 7 to 12 , wherein the organic amine and / or organic ammonium salt is tetraethylammonium hydroxide. アルミニウム化合物が擬ベーマイトである、請求項13の何れかに記載の8酸素員環細孔を持つ結晶質シリコアルミノリン酸塩モレキュラーシーブの製造方法。The method for producing a crystalline silicoaluminophosphate molecular sieve having 8-membered ring pores according to any one of claims 7 to 13 , wherein the aluminum compound is pseudoboehmite. リン化合物がリン酸である、請求項14の何れかに記載の8酸素員環細孔を持つ結晶質シリコアルミノリン酸塩モレキュラーシーブの製造方法。The method for producing a crystalline silicoaluminophosphate molecular sieve having 8-membered ring pores according to any one of claims 7 to 14 , wherein the phosphorus compound is phosphoric acid. ケイ素化合物がシリカゾルである、請求項15の何れかに記載の8酸素員環細孔を持つ結晶質シリコアルミノリン酸塩モレキュラーシーブの製造方法。The method for producing a crystalline silicoaluminophosphate molecular sieve having 8-membered ring pores according to any one of claims 7 to 15 , wherein the silicon compound is silica sol. 第2工程の前又は途中で、ケイ素化合物を更に添加する、請求項16の何れかに記載の8酸素員環細孔を持つ結晶質シリコアルミノリン酸塩モレキュラーシーブの製造方法。The method for producing a crystalline silicoaluminophosphate molecular sieve having 8-membered ring pores according to any one of claims 7 to 16 , wherein a silicon compound is further added before or during the second step. マグネシウム、イットリウム、チタン、ジルコニウム、マンガン、鉄、コバルト及びスズから選択される一種類以上の元素を更に含む、請求項17の何れかに記載の、8酸素員環細孔を持つ結晶質シリコアルミノリン酸塩モレキュラーシーブの製造方法。The crystalline material having eight-membered ring pores according to any one of claims 7 to 17 , further comprising one or more elements selected from magnesium, yttrium, titanium, zirconium, manganese, iron, cobalt, and tin. Manufacturing method of silicoaluminophosphate molecular sieve. 8酸素員環細孔を持つ結晶質シリコアルミノリン酸塩モレキュラーシーブがシャバサイト型である、請求項18の何れかに記載の8酸素員環細孔を持つ結晶質シリコアルミノリン酸塩モレキュラーシーブの製造方法。The crystalline silicoaluminophosphate having an 8-oxygen ring pore according to any one of claims 7 to 18, wherein the crystalline silicoaluminophosphate molecular sieve having an 8-oxygen ring pore is a shabasite type. Manufacturing method of molecular sieve. 請求項1〜の何れかに記載の8酸素員環細孔を持つ結晶質シリコアルミノリン酸塩モレキュラーシーブの存在下、メタノールとアンモニアを反応させるメチルアミン類の製造方法。A method for producing methylamines, wherein methanol and ammonia are reacted in the presence of the crystalline silicoaluminophosphate molecular sieve having eight oxygen-membered ring pores according to any one of claims 1 to 6 . 請求項1〜の何れかに記載の8酸素員環細孔を持つ結晶質シリコアルミノリン酸塩モレキュラーシーブの存在下、メタノールとモノメチルアミンを反応させるメチルアミン類の製造方法。A process for producing methylamines, wherein methanol and monomethylamine are reacted in the presence of the crystalline silicoaluminophosphate molecular sieve having eight oxygen-membered ring pores according to any one of claims 1 to 6 . 請求項1〜の何れかに記載の8酸素員環細孔を持つ結晶質シリコアルミノリン酸塩モレキュラーシーブの存在下、モノメチルアミンの不均化反応を行うメチルアミン類の製造方法。A method for producing methylamines, wherein a disproportionation reaction of monomethylamine is carried out in the presence of the crystalline silicoaluminophosphate molecular sieve having eight oxygen-membered ring pores according to any one of claims 1 to 6 .
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