JP4594506B2 - Method for manufacturing damping material - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、塗料滓を再利用する制振材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車を製造する際には、未塗着の塗料、いわゆる塗料滓が排出される。すなわち、自動車車体を塗装する際には塗装装置から自動車車体に向けて塗料が噴射されるが、この塗料には、自動車車体に塗着されることなく滴下してしまう分があるからである。通常、自動車車体に対する塗料の塗着は複数回繰り返されるので、塗料滓はかなりの量となる。
【0003】
塗料滓の処理は、一般的に廃棄物処理業者に委託される。しかしながら、塗料滓の処理を業者に委託することには、廃棄物処理コストの上昇を招いてしまうという不具合がある。
【0004】
そこで、塗料滓を焼却処理することが想起される。しかしながら、この処理方法においては、塗料滓の主成分が熱硬化性樹脂であるため、焼却の際にCOやCO2、場合によっては塩化有機物ガス等が発生してしまう。このため、環境上好ましい処理方法であるとは言い難い。
【0005】
このような不具合を解消するために、現在、塗料滓を再利用することが試みられている。例えば、該塗料滓を乾燥処理したものを自動車車体用の制振シートの原料とすることが提案されている。この場合、塗料滓を焼却処理しないので、COやCO2、塩化有機物ガス等が発生することがない。また、業者に委託することなく塗料滓を処理することができるので、廃棄物処理コストの上昇を招くこともない。
【0006】
自動車車体用の制振シートは、自動車車体を構成する部材、例えば、フロアパネル等に熱溶着等によって接合される。そして、自動車が走行される際に、自動車車体の外方から車内へと振動や騒音が伝わることを抑制する。
【0007】
このような制振シートは、通常、アスファルト材を主成分とし、必要に応じて顔料等がさらに配合されて構成されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した塗料滓の再利用方法には、制振シートに塗料滓が添加されているため、該制振シートからシンナー臭等の有機化合物臭が発せられるという欠点がある。しかも、この制振シートを自動車車体に熱溶着する際には、塗料滓の主成分である熱硬化性樹脂から水素原子や窒素原子、酸素原子等が解離してガスが発生するので発泡が起こり、その結果、制振シートにいわゆる膨れが生じてしまう。
【0009】
この種の欠点を解決するために、特開平10−43711号公報には、塗料滓を加熱処理して粉砕した後、再加熱処理する塗料廃棄物(塗料滓)の処理方法が提案されている。しかしながら、この処理方法においては、塗料滓からシンナー等の有機化合物成分が揮散除去されたにすぎず、したがって、制振シートを自動車車体に熱溶着する際に該制振シートに膨れが生じることを確実に回避することができないという不具合がある。
【0010】
しかも、この場合、1台の加熱処理装置で2回の加熱処理を行おうとすると、塗料滓の処理効率が低下してしまう。一方、塗料滓を効率よく処理するために2台の加熱処理装置を設置すると、高額の設備投資が必要となるので、塗料滓の処理コストが高騰してしまうという不都合を招く。
【0011】
本発明は上記した種々の問題を解決するためになされたもので、塗料滓を原料として再利用する場合であっても、自動車車体等に接合される際に発せられる有機化合物臭が著しく低減され、しかも、膨れが発生することも著しく抑制された制振材の製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明は、振動が伝わることを抑制する制振材であって、塗料滓が乾留炭化されることにより生成された炭素材が少なくともアスファルト材を含有する組成物に添加されていることを特徴とする。
【0013】
この制振材では、塗料滓が乾留炭化されることにより得られた炭素材が原料の一部として配合されている。すなわち、塗料滓を再利用するので省資源化を図ることができる。また、塗料滓を乾留炭化するに際しては、COやCO2、塩化有機物ガス等が発生することが著しく抑制される。このため、環境保護を図ることもできる。
【0014】
また、塗料滓が完全に炭化されているので、有機化合物臭が発生することを回避することができるとともに、制振材をワークに接合する際に膨れが生じることを回避することができる。
【0015】
しかも、前記炭素材は、大容量の開気孔を有する比表面積の大きな多孔質体である。このため、この制振材には脱臭能が発現する。
【0016】
このような制振材の好適な例としては、自動車車体を構成する部材に接合される制振シートを挙げることができる。
【0017】
さらに、本発明は、塗料滓を乾留炭化することにより炭素材を生成させる炭化工程と、少なくともアスファルト材を含有する組成物に前記炭素材を添加して混合物とする混合工程と、前記混合物を成形する成形工程とを有することを特徴とする。
【0018】
塗料滓を乾留炭化することにより、炭素材を高収率で得ることができる。この場合、空気等が遮断された状態で塗料滓の加熱処理が行われるので、生成された炭素材が酸素等と反応してCOやCO2が発生することを回避することができるからである。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る制振材の製造方法につき好適な実施の形態を挙げ、添付の図面を参照して詳細に説明する。
【0020】
まず、自動車を構成するフロアパネルの概略全体斜視図を図1に示す。このフロアパネル10の図1における左方にはプロペラシャフト収容部12および前輪用ドライブシャフト収容部14が設けられており、これらプロペラシャフト収容部12および前輪用ドライブシャフト収容部14により第1〜第4区画16a〜16dが形成されている。このうち、第1および第2区画16a、16b上には運転席(図示せず)が配置され、一方、第3および第4区画16c、16d上には助手席(図示せず)が配置される。また、フロアパネル10の図1における右方には、後部座席載置部18、タイヤハウス20およびスペアタイヤ収容部22が設けられている。
【0021】
そして、プロペラシャフト収容部12の前方、第1〜第4区画16a〜16d、後部座席載置部18およびスペアタイヤ収容部22の底面には、それぞれ、自動車が走行する際に生じる振動や雑音が車内に伝わることを抑制するための制振シート24が接合されている。すなわち、制振シート24は、ダンピング材としても機能する。
【0022】
この制振シート24は、アスファルト材と、図2にその概略断面が示される炭素材26とを含有して構成されている。このうち、アスファルト材は制振シート24の主成分である。
【0023】
また、炭素材26は、自動車車体の塗装工程において排出された塗料滓が乾留炭化されることにより生成されたものである。この場合、塗料滓の主成分は、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、メラミン樹脂、尿素樹脂、ベンゾグアナミン樹脂等の熱硬化性樹脂であり、したがって、塗料滓を後述する条件下で乾留炭化して水素原子や窒素原子等を解離させることにより炭素材26が得られる。
【0024】
制振シート24は、以下のようにして製造することができる。
【0025】
まず、炭化工程において、塗料滓を乾留炭化することにより炭素材26を生成させる。この場合、炭化工程は、そのフローチャートである図3に示すように、第1の粉砕工程S1と、脱水工程S2と、加熱処理工程S3と、第2の粉砕工程S4とを有する。
【0026】
具体的には、第1の粉砕工程S1において、図4に示すように、自動車車体の塗装工程において排出された塗料滓27を粉砕機28により粉砕し、平均径5mm程度の塊状物とする。すなわち、容器30に貯留された塗料滓27をホッパ32に投入した後、このホッパ32の底部に臨むコンベア34によって粉砕機28に搬送する。塗料滓27は、この粉砕機28中で粗粉砕される。なお、塗料滓27には、シンナー等の有機溶剤や着色顔料、体質顔料、分散剤、紫外線吸収剤、希釈剤、さらには、水分が含有されていてもよい。
【0027】
粗粉砕された塗料滓27は、コンベア36によって連続的に排出され、脱水装置38へと搬送される。
【0028】
次いで、脱水工程S2において、脱水装置38にて塗料滓27を脱水する。この脱水は、塗料滓27の含水率が40%以下となるまで行うことが好ましい。含水率が40%よりも高い場合には、加熱処理工程S3において塗料滓27を加熱処理する際に水分の蒸発揮散に長時間を要するようになるので、塗料滓27の乾留炭化効率が低下するからである。
【0029】
脱水された塗料滓27は、コンベア40によって、内部が予め一定温度に上昇された加熱処理装置42へと送給される。この加熱処理装置42は、該加熱処理装置42内に空気等の酸化性ガスが混入することのないようにシールがなされている。
【0030】
そして、加熱処理工程S3において、加熱処理装置42内で塗料滓27を乾留炭化する。この際の温度は、350〜550℃とすることが好ましい。350℃より低いと、塗料滓27の反応率が低下するので炭素材26の収率が低くなる。また、550℃より高いと、加熱処理装置42内に空気が混入していた場合、炭素材26が空気中の酸素により酸化されてCOやCO2が発生する。より好ましい温度は、400〜500℃である。
【0031】
加熱処理装置42は互いに並列された1対のスクリューコンベア44a、44bを有し、下方に熱源46を備える。脱水工程S2を経た塗料滓27は、加熱処理装置42のホッパ47に投入され、スクリューコンベア44a、44bによって搬送される間、熱源46により加熱処理される。
【0032】
この加熱処理によって塗料滓27から水分やシンナー等の有機溶剤が蒸発揮散し、熱硬化性樹脂が残渣として残留する。そして、最終的に、前記熱硬化性樹脂が炭化して炭素材26の集合体48が生成される。すなわち、酸化性ガスが存在しないので、熱硬化性樹脂は、COやCO2等を発生することなく炭素材26にまで熱源46の加熱作用下に乾留炭化される。その結果、炭素材26が高収率で生成される。また、塗料滓27に含有されていた顔料が無機化合物に変化する。
【0033】
次いで、コンベア50を介して搬送される炭素材26の集合体48を、第2の粉砕工程S4において、粉砕機52により目的および用途に応じた粒径に粉砕することにより図2に示す炭素材26が得られる。なお、前記無機化合物の生成量は極めて少なく、したがって、炭素材26の諸性質に影響を及ぼすことはない。
すなわち、炭素材26と無機化合物とを相互に分離する必要は特にない。
【0034】
勿論、必要に応じて、微粉砕された炭素材26を分級するようにしてもよい。
【0035】
このように、塗料滓27を乾留炭化することにより、換言すれば、酸素の濃度が極めて低い状態で塗料滓27を加熱処理することにより炭素材26を容易に得ることができる。
【0036】
得られた炭素材26は、図2から諒解されるように、その内部に大容積の開気孔56を有する比表面積の大きな多孔質体である。
【0037】
次いで、混合工程において、この炭素材26を、アスファルト材を主成分とする組成物に添加して混合物(シート体原料)とする。炭素材26の添加割合は、後述する制振シート24のフロアパネル10への接合時に両者が互いに良好に接合する範囲内とする。炭素材26の添加割合が過剰である場合、制振シート24がフロアパネル10と良好に接合されなくなる。具体的には、シート体原料における炭素材26の割合が8〜10重量%程度となるようにすれば充分である。
【0038】
なお、必要に応じ、さらに顔料や充填剤等を前記組成物に添加してシート体原料とするようにしてもよい。
【0039】
最後に、成形工程において、図示しないロール成形装置またはプレス成形装置等にて前記シート体原料を所定厚みのシート体に成形した後、このシート体を所定形状に切り出すことにより制振シート24が得られるに至る。
【0040】
この制振シート24は、熱溶着等によりプロペラシャフト収容部12の前方、第1〜第4区画16a〜16d、後部座席載置部18およびスペアタイヤ収容部22の底面等に接合される。この際、塗料滓27が完全に炭化されて炭素材26となっているので、制振シート24から有機化合物臭が発せられることが回避される。また、炭化水素ガスやCO2等が発生しないので、制振シート24から発泡が起こることも回避される。すなわち、制振シート24に膨れが生じることを著しく抑制することができる。
【0041】
しかも、炭素材26は、塗料滓27を乾留炭化することにより得られたものである。すなわち、塗料滓27を再利用して制振シート24を製造しているので、省資源化を図ることもできる。また、塗料滓27を乾留炭化するに際しては、COやCO2、塩化有機物ガス等が発生することが著しく抑制されるので、環境保護を図ることもできる。
【0042】
さらに、炭素材26は、上記したように大容積の開気孔56を有する多孔質体である(図2参照)。このため、該炭素材26は脱臭剤としても機能する。
【0043】
すなわち、完成されて間もない自動車の車内では、インストルメンタルパネルの構成材料である樹脂材料や、座席のカバー生地(モケット等)から臭気成分が発せられているが、これらは炭素材26の開気孔56内に捕集される。換言すれば、制振シート24が接合されたフロアパネル10を具備する自動車では、車内の臭気成分は制振シート24により吸着除去される。これにより、完成後間もない自動車の車内における臭いを著しく低減することができる。
【0044】
制振シート24の脱臭作用は、炭素材26の添加割合が上記した範囲内においても充分に営まれる。
【0045】
なお、上記した実施の形態においては、自動車車体を構成する部材であるフロアパネル10に接合される制振シート24を制振材として例示したが、特にこれに限定されるものではない。例えば、冷蔵庫等、制振を行うことが好ましい機器の制振材とすることもできる。さらに、本発明に係る制振材を、脱臭材またはダンピング材として使用するようにしてもよい。
【0046】
【実施例】
変性アスファルト材、特殊顔料としてのマイカ(ケイ酸塩)、体質顔料としての炭酸カルシウム、および膨れ防止剤としての酸化カルシウムを46:28:8:1.5(重量比)の割合で混合して組成物とした。そして、この組成物と塗料滓27を炭化して得られた炭素材26とを種々異なる割合で配合した後、ロール成形装置によりシート状に成形することにより制振シート24を得た。
【0047】
得られた各制振シート24につき、落込性、密着性、制振性および脱臭能をそれぞれ評価した。これら各特性と炭素材の添加割合との関係をグラフにして図5〜図8に示す。
【0048】
なお、落込性は、図9に示すように、容器58の開口端部に制振シート24を弛みのない状態で載置した後に熱溶着時と略同等の条件下で制振シート24を加熱した際、図10に示すように、該制振シート24の中央部が伸張することにより容器58の内部に指向して落ち込んだ距離hを測定して評価した。この距離hが大きいほど、熱に対して変形を生じ易く、したがって、フロアパネル10の形状に沿って接合され易いものであることを示す。
【0049】
また、密着性は、図示しないワークに熱溶着された制振シート24を前記ワークとともに所定時間冷却した後に制振シート24を機械的に剥離し、その際の制振シート24のワーク表面における残留面積割合を算出して評価した。この値が大きいほど、ワーク(フロアパネル10)に対して良好に密着するものであることを示す。
【0050】
さらに、制振性は、各制振シート24の20℃および40℃における損失係数を測定して評価した。損失係数が大きいほど、振動が伝わり難いものであることを示す。
【0051】
そして、脱臭能は、臭気成分の濃度測定が可能な図示しない容器内に制振シート24と一般廃水汚泥とを収容し、所定時間が経過した後の臭気成分の濃度を測定することにより評価した。この値が小さいほど、脱臭能に優れたものであることを示す。
【0052】
図5〜図8から、炭素材が添加された制振シート24が落込性、密着性および制振性に優れるとともに、該制振シート24により一般廃水汚泥の臭気成分が吸着除去されることが明らかである。
【0053】
また、図6、図7および図8から、炭素材の添加割合を大きくするほど制振シート24の脱臭能は向上するが、40℃における損失係数および密着性が低下する傾向にあることが諒解される。したがって、これらの特性をバランスよく兼ね備える制振シート24とするためには、炭素材の添加割合を8〜10重量%とすることが好ましいということがいえる。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る制振材によれば、塗料滓を乾留炭化することにより得られた炭素材を含有している。すなわち、塗料滓を再利用するようにしているので、省資源化および環境保護を図ることができる。しかも、塗料滓が完全に炭化されているので、制振材から有機化合物臭が発生することや該制振材をワークに接合する際に膨れが生じることを回避することができる。
【0055】
さらに、前記炭素材が脱臭剤として機能するので、この制振シートは、車内の臭いを吸着除去することもできる。
【0056】
また、本発明に係る制振材の製造方法によれば、塗料滓を乾留炭化して炭素材を得るようにしている。すなわち、空気等を遮断した状態で塗料滓の加熱処理を行うようにしているので、生成された炭素材が酸素等と反応してCOやCO2が発生することを回避することができ、結局、高収率で炭素材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施の形態に係る制振シートが接合されたフロアパネルの概略全体斜視図である。
【図2】図1の制振シートが含有する炭素材の概略断面構成図である。
【図3】前記炭素材の炭化工程のフローチャートである。
【図4】前記炭素材を製造する設備の全体概略説明図である。
【図5】本実施の形態に係る制振シートにおける炭素材の添加割合と落込性との関係を示すグラフである。
【図6】本実施の形態に係る制振シートにおける炭素材の添加割合と密着性との関係を示すグラフである。
【図7】本実施の形態に係る制振シートにおける炭素材の添加割合と制振性との関係を示すグラフである。
【図8】本実施の形態に係る制振シートにおける炭素材の添加割合と脱臭能との関係を示すグラフである。
【図9】容器の開口端部に制振シートを載置した状態を示す概略断面図である。
【図10】前記制振シートが加熱されて伸張し、前記容器の内部に指向して落ち込んだ状態を示す概略断面図である。
【符号の説明】
10…フロアパネル 24…制振シート
26…炭素材 27…塗料滓
28、52…粉砕機 38…脱水装置
42…加熱処理装置 46…熱源
56…開気孔[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for manufacturing a vibration damping material that reuses paint candy.
[0002]
[Prior art]
When manufacturing automobiles, uncoated paint, so-called paint soot, is discharged. That is, when the automobile body is painted, the paint is sprayed from the coating device toward the automobile body, but this paint has a portion that drops without being applied to the automobile body. Usually, since the coating of the paint on the automobile body is repeated a plurality of times, the amount of paint soot is considerable.
[0003]
The treatment of paint candy is generally outsourced to a waste disposal contractor. However, entrusting the processing of the paint cake to a contractor has a problem that the waste disposal cost increases.
[0004]
Therefore, it is recalled that the paint cake is incinerated. However, in this treatment method, since the main component of the paint cake is a thermosetting resin, CO, CO 2 , and in some cases, a chlorinated organic gas is generated during incineration. For this reason, it is hard to say that this is an environmentally preferable treatment method.
[0005]
In order to solve such problems, it is currently attempted to reuse the paint bowl. For example, it has been proposed to use a material obtained by drying the paint cake as a raw material for a vibration damping sheet for an automobile body. In this case, since the paint cake is not incinerated, CO, CO 2 , chlorinated organic gas, etc. are not generated. Moreover, since the paint cake can be processed without entrusting a contractor, the waste processing cost is not increased.
[0006]
A vibration damping sheet for an automobile body is joined to a member constituting the automobile body, such as a floor panel, by thermal welding or the like. And when a motor vehicle drive | works, it suppresses that a vibration and noise are transmitted from the outer side of a motor vehicle body to the inside of a vehicle.
[0007]
Such a vibration damping sheet is usually composed of an asphalt material as a main component and further blended with a pigment or the like as necessary.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
By the way, the above-described method for reusing a coating cake has a drawback that an organic compound odor such as a thinner odor is emitted from the vibration damping sheet because the coating cake is added to the vibration damping sheet. Moreover, when this vibration damping sheet is thermally welded to an automobile body, foaming occurs because hydrogen atoms, nitrogen atoms, oxygen atoms, etc. are dissociated from the thermosetting resin, which is the main component of the paint soot, to generate gas. As a result, so-called swelling occurs in the vibration damping sheet.
[0009]
In order to solve this kind of drawback, Japanese Patent Application Laid-Open No. 10-43711 proposes a method for treating paint waste (paint soot) in which the paint soot is heat treated and pulverized and then reheated. . However, in this treatment method, organic compound components such as thinner are only volatilized and removed from the paint soot, so that the vibration damping sheet is swollen when the vibration damping sheet is thermally welded to the automobile body. There is a problem that it cannot be avoided reliably.
[0010]
In addition, in this case, if the heat treatment is performed twice with one heat treatment apparatus, the processing efficiency of the paint cake is lowered. On the other hand, if two heat treatment apparatuses are installed in order to treat the paint cake efficiently, a large capital investment is required, resulting in a disadvantage that the processing cost of the paint cake increases.
[0011]
The present invention has been made to solve the various problems described above, and even when the paint cake is reused as a raw material, the organic compound odor emitted when bonded to an automobile body or the like is remarkably reduced. In addition, an object of the present invention is to provide a method for manufacturing a vibration damping material in which the occurrence of swelling is significantly suppressed.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above-mentioned object, the present invention provides a vibration damping material that suppresses transmission of vibration, wherein the carbon material produced by carbonization of the paint cake contains at least an asphalt material. It is characterized by being added to.
[0013]
In this vibration damping material, a carbon material obtained by carbonizing the paint cake is carbonized as part of the raw material. That is, since the paint bowl is reused, resource saving can be achieved. Further, when carbonizing the paint cake by carbonization, generation of CO, CO 2 , chlorinated organic gas, etc. is remarkably suppressed. For this reason, environmental protection can also be achieved.
[0014]
In addition, since the paint soot is completely carbonized, it is possible to avoid the generation of an organic compound odor and to avoid the occurrence of swelling when the vibration damping material is joined to the workpiece.
[0015]
In addition, the carbon material is a porous body having a large specific surface area with a large volume of open pores. For this reason, this vibration damping material exhibits deodorizing ability.
[0016]
As a suitable example of such a damping material, a damping sheet joined to a member constituting an automobile body can be exemplified.
[0017]
Furthermore, the present invention provides a carbonization step for producing a carbon material by carbonizing a paint cake by carbonization, a mixing step of adding the carbon material to a composition containing at least an asphalt material, and molding the mixture. And a molding step.
[0018]
A carbon material can be obtained in a high yield by carbonizing the paint cake. In this case, since the heat treatment of the paint cake is performed in a state where air or the like is shut off, it is possible to prevent the generated carbon material from reacting with oxygen or the like to generate CO or CO 2. .
[0019]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, preferred embodiments of a method for manufacturing a vibration damping material according to the present invention will be described in detail with reference to the accompanying drawings.
[0020]
First, FIG. 1 shows a schematic overall perspective view of a floor panel constituting an automobile. A propeller
[0021]
And the vibration and noise which arise when a car runs are in front of propeller
[0022]
The
[0023]
The
[0024]
The
[0025]
First, in the carbonization step, the
[0026]
Specifically, in the first pulverization step S1, as shown in FIG. 4, the
[0027]
The coarsely pulverized
[0028]
Next, in the dehydration step S <b> 2, the
[0029]
The
[0030]
In the heat treatment step S3, the
[0031]
The
[0032]
By this heat treatment, an organic solvent such as moisture and thinner is evaporated from the
[0033]
Next, the
That is, it is not particularly necessary to separate the
[0034]
Of course, the finely pulverized
[0035]
Thus, by carbonizing the
[0036]
As can be understood from FIG. 2, the obtained
[0037]
Next, in the mixing step, the
[0038]
If necessary, pigments, fillers, and the like may be added to the composition to form a sheet material.
[0039]
Finally, in the forming step, the sheet material is formed into a sheet body having a predetermined thickness by a roll forming apparatus or a press forming apparatus (not shown), and then the sheet body is cut into a predetermined shape to obtain the
[0040]
The
[0041]
In addition, the
[0042]
Further, the
[0043]
In other words, in the interior of an automobile that has just been completed, odorous components are emitted from the resin material, which is a constituent material of the instrument panel, and the seat cover fabric (moquette, etc.). It is collected in the
[0044]
The deodorizing action of the
[0045]
In the above-described embodiment, the
[0046]
【Example】
A modified asphalt material, mica (silicate) as a special pigment, calcium carbonate as an extender pigment, and calcium oxide as a swelling inhibitor are mixed in a ratio of 46: 28: 8: 1.5 (weight ratio). It was set as the composition. And after mixing this composition and the
[0047]
Each of the obtained
[0048]
In addition, as shown in FIG. 9, the drop-in property is obtained by heating the
[0049]
Further, the adhesion is determined by mechanically peeling the
[0050]
Further, the vibration damping property was evaluated by measuring the loss coefficient at 20 ° C. and 40 ° C. of each
[0051]
The deodorizing ability was evaluated by housing the
[0052]
From FIG. 5 to FIG. 8, the
[0053]
From FIG. 6, FIG. 7 and FIG. 8, it is understood that the deodorizing ability of the
[0054]
【The invention's effect】
As described above, according to the vibration damping material of the present invention, the carbon material obtained by carbonization of the paint cake is contained. That is, since the paint cake is reused, resource saving and environmental protection can be achieved. In addition, since the paint cake is completely carbonized, it is possible to avoid the generation of an organic compound odor from the vibration damping material and the occurrence of swelling when the vibration damping material is joined to the workpiece.
[0055]
Furthermore, since the carbon material functions as a deodorizer, the vibration damping sheet can also adsorb and remove odors in the vehicle.
[0056]
Further, according to the method for manufacturing a vibration damping material according to the present invention, the carbonized material is obtained by carbonizing the paint cake by dry distillation. That is, since the heat treatment of the paint candy is performed in a state in which air or the like is shut off, it can be avoided that the generated carbon material reacts with oxygen or the like to generate CO or CO 2. A carbon material can be obtained with a high yield.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic overall perspective view of a floor panel to which a vibration damping sheet according to the present embodiment is bonded.
FIG. 2 is a schematic cross-sectional configuration diagram of a carbon material contained in the vibration damping sheet of FIG.
FIG. 3 is a flowchart of a carbonization process of the carbon material.
FIG. 4 is an overall schematic explanatory view of equipment for producing the carbon material.
FIG. 5 is a graph showing the relationship between the carbon material addition ratio and dropability in the vibration damping sheet according to the present embodiment.
FIG. 6 is a graph showing the relationship between the carbon material addition ratio and adhesion in the vibration damping sheet according to the present embodiment.
FIG. 7 is a graph showing the relationship between the carbon material addition ratio and the vibration damping property in the vibration damping sheet according to the present embodiment.
FIG. 8 is a graph showing the relationship between the carbon material addition ratio and the deodorizing ability in the vibration damping sheet according to the present embodiment.
FIG. 9 is a schematic cross-sectional view showing a state in which a damping sheet is placed on the opening end of the container.
FIG. 10 is a schematic cross-sectional view showing a state in which the vibration damping sheet is heated and stretched and falls toward the inside of the container.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (1)
少なくともアスファルト材を含有する組成物に前記炭素材を添加して混合物とする混合工程と、
前記混合物を成形する成形工程と、
を有することを特徴とする制振材の製造方法。A carbonization step in which carbon material is produced by carbonizing the paint cake by carbonization,
A mixing step of adding the carbon material to a composition containing at least an asphalt material,
A molding step of molding the mixture;
A method for producing a vibration damping material, comprising:
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