JP4593794B2 - ポイント最適化分散比を用いた聴覚性誘発電位の検出方法 - Google Patents

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Description

【0001】
(発明の背景)
1.発明の分野
本発明は一般的に、人間の聴力を評価する分野に関する。特に本発明は、人間の子供からの電気生理学的な記録に聴覚脳幹反応(ABR)が現れる確率を定量化するための方法に関する。
【0002】
2.発明の背景
ABRは長期に変動する電気的電位の波形であって、クリックのような短時間の瞬間的な音響の刺激に反応して起こることがある。ABRは、聴覚神経のニューロン、および脳幹におけるより高い接続部で発生する。頭皮または首に設けた電極で記録されると、その大きさが1マイクロボルト以下であり、頭と首の脳および筋肉組織の至るところで発生する進行中のより大きなランダム電位により曖昧化されている。背景の電気的「ノイズ」に対してABR「信号」を強調するために普通、秒当たり20〜50の範囲の割合で現れる数千の刺激に対する反応の、コンピュータによる合計または平均化が必要とされ、その合計または平均化された反応の状態でABR信号を視覚的に検知可能にする。
【0003】
特定の形式と振幅の刺激に対するABRの有無は、その刺激が聞こえたか否かを表す、明白な行動反応の代わりに用いることができる。これが、音響に対して信頼できる行動反応を与えることができない幼児のような験体に対する、特定の値の電気生理学的な聴力スクリーニング・テストの根拠となっている。
【0004】
新生児群について、可能な限り早期、望ましくは生後6カ月以内に、会話、言語および認識技能の発達を促進するために、聴力欠損を検出して対策することの重要性が広く認識されている。1993年に聾他伝達障害国立研究所は、幼児および年少者における聴力欠損の早期確認に関するコンセンサス会議を後援した。この会議では、聴力欠損の危険な兆候の有無に関わらず、全ての幼児に対する新生児期の聴力欠損の識別のためのスクリーニングを勧告したが、これが全幼児聴力スクリーニングである。その後ただちに、1984年に、この勧告は、アメリカ音響学会および幼児聴力連合委員会により、推奨され、繰り返された。そのようなスクリーニング・プログラムを多くの州が既に実施したか、または現在実施する過程にある。多くの新生児および幼児への聴力スクリーニングの幅広い推奨は、幼児の潜在的な聴力欠損の評価に対する、迅速かつ正確な器具を技術者および医師が持つことへの挑戦を生じさせた。
【0005】
ABRテストは、殆どのスクリーニング協定の主要部分として十分に確立されている。ABRを基礎とする聴力スクリーニング・テストの診療上の有用性は、ABR検出判定の正確さにクリティカルに依存している。真正の信号を不明瞭にしたり、あるいはノイズが存在するとき信号として見せかける信号をランダム・ノイズ内で検出することに関連しているので、そのような決定は本質的に誤差になりがちである。間違ったABR陽性検出は、スクリーニング・テストが陰性であるとの間違った診断につながり、聴力欠損の子供がスクリーニング・テストをパスして、何の介入も受けないことになる。テストをパスした場合、他の障害の兆候が無視され、スクリーニングが積極的に有害なものとなる。間違ったABRテスト陰性検出は、間違ったスクリーニング・テスト陽性の原因となり、正常な児童へのミスラベリングの間接費用と同様に、不必要な追加の診断アセスメント費用を引き起こす。
【0006】
経験的な検出テストと解析的な検出テストの区別が引き出されなければならない。経験的テストは、反応が現れていると考えられる場合または現れていないと考えられる場合の、所与のテスト統計の分布の実験的考察に基づいている。反応の有無の決定は、普通は一組の験体から得られた平均的な記録の、熟練者の主観的なアセスメントに基づいている。この手法には、2つの主な困難がある。第1には、熟練者の判定は間違っている場合があり、テストの統計の精度のアセスメントを明らかに混乱させる。第2には、一群の験体で観察された結果が、データの記録または解析の特徴が変化している、他の異なる験体群または異なる状況に適用可能であるとの証拠がないことである。これは経験的妥当性検査プロセスの、一般化能力の欠陥である。
【0007】
それに対して解析的方法は、実験的妥当性検査データセットには訴えない。選択されたテスト統計に関する、既知の統計分布の既知の特性にそれらは基づいている。解析的方法は、こうして経験的実験データに依存するのではなく、統計分布理論と分布の統計的結果表の巨大な本体(vast body)を利用する。ある分布を関係させるために必要とされるある仮定を現実のデータが満足することを示すことが必要であるが、これらの仮定は弱く、容易に満足され、維持され、容易に証明される。そのような方法は、高度に定量的でかつ公知の指定可能な判定誤差率を与えるものであり、データセットと測定条件について高度に一般化することができる。
【0008】
良好な統計的反応検出テストの決定的な特性は、それが最高度の可能な統計的能力を有していることである。能力とは、そのテストが真正に現れた反応を正しく検出する確率である。最適なテスト以下の能力は、実用の点では極めて不利である。能力の喪失は、反応の検出の統計的基準に達するために必要なよりも長大なテスト時間に直接つながっていく。幾人かの乳児は十分な測定条件を短い時間でしか与えてくれないので、テストの効率からいえば彼らに対してテストはできないことがこれらの事実上の欠点となる。同様にテストが可能な乳児についても、必要以上の長い時間がテストにかかるので、費用を増加させ処理量を低下させる。現在多くの州に全新生児聴力評価協定の実施が指令されつつあるので、この因子は特に決定的である。第3に、必要なよりも能力が高くないテストを用いることは、より高い能力のテストで起こりうるよりも多くの検出判定の誤り率につながる。
【0009】
(従来技術の検出システム)
ABRの検出を自動化するための現在の手法は、時間領域の波形を評価する技術とスペクトル特性(周波数領域)を評価する技術を含んでいる。既知のシステムは時間領域と周波数領域の双方の解析を含んでいるが、大量のスクリーニングのための、低レベルの刺激に対する新生児のクリック誘発ABRの自動検出は、主に時間領域に関連している。現在、4つのシステムが「自動化幼児ABRスクリーニング」デバイスとして用いられ、または販売されている。したがって本発明者らはこれらのデバイスを参照する。それらのデバイスでは以下に議論される所定の基準に基づいて、(検査員によってではなく)システムそれ自体によってABRの有無、あるいは「合格」または「不合格」(ある場合には「照会(Refer)」と称される)に関する判定がなされる。
【0010】
幼児の自動化ABR検出のために、最も一般的に用いられるシステムが採用している検出アルゴリズムの一般的な手法は、以下のようなものである。標準の幼児ABR波形での相対振幅に従って、一群のサンプル・ポイントが重み付けされる。どの位置のいくつのデータ・ポイントがどう選択されるかは、不明である。標準またはテンプレートのそれぞれのポイントの振幅の極性が、平均化の過程のそれぞれのスィープにおける対応するレイテンシ(latency)で観測されたポイントと比較される。あるスィープがサンプリングされる度に、それぞれの選択された時間ポイントでのデータとテンプレートの間の極性の対応が+1のカウントを生じる。500スィープの後ごとに、最大極性の対応の位置を配置するために、3msのレンジについて、0.25msの増分シフトがなされる。これは多分ある種の累積された平均を用いて行われるのであろうが、明らかではない。それぞれのスィープでのそれぞれのサンプルが、トライアル、および合致した極性の計数の実施を構成し、トライアルが累積される。反応がない場合それぞれのポイントについての極性一致の確率は0.5なので、定量的仮説テストは二項モデルに基づいて構成されることができる。これは、テンプレートのクロス相互関係と1ビット変換後の複数ポイントの振幅ベースの検出基準の組み合わせであるように思われる。
【0011】
このシステムに用いられている検出アルゴリズムは統計ベースではあるが、解析的なものとはほど遠い。主な欠点は、以下の通りである。
【0012】
有効性の欠如:このアルゴリズムは記録された活動の極性が、ABRテンプレート波形の期待される極性と一致する回数を計数している。1スィープごとに数個のポイントがテストされ、一致した極性の数が同様に多数のスィープにわたって総計される。
【0013】
それぞれのスィープ内の連続するデータ・ポイントは統計的に独立でないので、サンプリングされた一致数の分布は、仮定された二項分布を示さない。これはテストの実際の誤り率が、正確に統計表に表されないことを意味する。それ故、この方法は実質的に経験的である。実際の誤り率は、先に記載した定量化能力および一般化能力限界を有する実験によってのみ決定されることができる。
【0014】
最適以下のパワー:この検出アルゴリズムは、特定期間の活動の観測極性と期待極性の間の対応イベントを計数している。観測された信号の実際の振幅は完全には利用されず、その極性のみである。n回の観測サンプルの実際の平均がゼロであるとの仮説の検証のために、スチューデントtテスト(Student t−test、t検定)ではなく、通常の符号テスト(Ordinary Sign Test)を使用するために、アナロジーが引き出される。その符号テストはデータの極性のみを用いるのに対して、正規誤差分布の仮定の下で可能な最も強力なテストであるそのtテストは全ての振幅情報を利用する。符号テストの漸近的相対効率は、2/πまたは64%である。これは、符号に基づいた検出方法は大幅なパワー損失を受けることを意味する。
【0015】
市場で入手可能な他のABR聴力スクリーニングの装置は、以下のアルゴリズムに基づく自動検出を含んでいる。任意の特定の刺激レベルに対して、システムはある固定刺激レベルでの2つのABRを取得する。見積もられた信号対ノイズ比が1を超えた場合、または1024スィープ後に、平均操作が停止される。双方の平均が1より大なSNRを有する場合は、反応が存在すると見なされる。そうでない場合は、相互相関分析が実行される。5〜12.5msの刺激後のレイテンシ領域が、それぞれが2msの持続時間の7つの重なり合う「ウィンドウ」に分割される。それぞれのウィンドウ位置について、所与のウィンドウ内の時間ポイントのそれぞれおよび連続する時間ポイントごとの、2つの平均内のデータ値のピアソン相関係数が計算される。テストの変数は、全てのウィンドウ位置をカバーする7つの相関値の中の最大の絶対値である。テストの変数が0.9を超えた場合は、ABRが存在すると見なされる。自動検出に対するこの手法は、ABR by Weber,B.A and Fletcher,G.L.,1980 A Computerized Scorning Procedure for Auditory Brainstem Response Audiometry.Ear and Hearing,1,233〜236(1980)により最初に報告された、単純な相関に基づいた検出方法の翻案である。
【0016】
このデバイスの検出アルゴリズムは、高度に経験的である。主要な検出統計は、予測された反応の領域を用いた、2つの独立した平均の間の相互相関係数である。テスト統計は、観測された相関の最大の絶対値である。それぞれの平均の連続するデータ値の間の広範な相関(自己相関)のために、テスト統計の統計的分布は未知であり、検出誤り率は統計表からは導出することができない。テスト統計の臨界値と誤り率が、実験により見積もられることができるのみである。特に反応の有無については、金科玉条のような熟練者の主観的判断により、経験的データを用いて選択される。この方法の重大な限界は、先に記載されている。
【0017】
第3の従来技術のシステムでは、製造者が判断実行システムの詳細でない記述を公表しているにもかかわらず、その反応の検出の詳細は専有物とされている。簡単に言うと、そのシステムは決定プロセスにおいて、幼児のABRの3つの様相を評価する。第1にシステムは、a)特定されたフーリエ成分の実部と虚部の双方を同時に評価する多変量解析を用いて、反応の所定の特別な成分の存在を評価し、b)Fsp的信号対ノイズ推定値を評価することにより、記録中のABRの有無を決定する。そのような基準が満たされた場合は、波形の特徴(ピーク数および配置)を評価するテンプレートとの一致の型式で、波形の形態がチェックされる。ある幼児がこのシステムから「合格」を受けるためには、反応検出アルゴリズムの3つの様相全てが充足されなければならないことは明白である。
【0018】
この専有の検出アルゴリズムに関して、利用可能な情報は限られている。それは、4つの測定の型式:時間領域と周波数領域の双方での、テンプレート(波形)およびテンプレートでない特徴を用いた組合せ手法に基づいている。周波数領域のアルゴリズムは、記録された活動のフーリエ・スペクトルのいくつかの高調波のサインおよびコサイン部分の分布の検定と、ノイズとABR信号の双方の期待値との比較に関係している。これは「いわゆるFsp技術の変形」と未知の方法で結合される。この検出段階に引き続いて、検出され見積もられた波形がどの程度期待された波形特性と一致するかを検定する照合段階が引き続いて行われる。
【0019】
この手法の能力は未知で、かつ統計分布理論から導出することができない。この方法が多成分であることは、それが解析的振幅を有さず、それが経験的であることを事実上示している。主張される利点は、時間領域と周波数領域の特徴の双方を開発したことである。時間軸と任意の行動のフーリエ・スペクトルは互いの線形変換であり同一の基礎となる情報を含んでいるので、これには疑問がある。
【0020】
Fsp
スクリーニングのための幼児ABR検出に適用される第4の従来技術は、Fspである。この技術は、Elberling,C.& Don,M.(1984).Quality Estimation of Averaged Auditory Brainstem Responses.Scand Audiol,13,187〜197 and Don,M.,Elberling,C.& Waring,M.(1984).Objective Detection of Averaged Auditory Brainstem Responces.Scand.Audiol.13,219〜228に記載されている。この技術は、幼児スクリーニングにおいて特定の用途のために商業的には適用されていないが、一般的な用途(ニューロスキャン・ニコレット「スピリット」(Neuroscan and Nicolet“Spirit”))のための市販の誘発電位システムで利用可能であり、聾他伝達障害国立研究所により設立された共同研究で、本発明の筆頭発明者により自動新生児聴力スクリーニングに適用された。Fspは、その分子が基本的に平均のサンプル分散であり、その分母が一群のスィープにわたる時間ウィンドウ内に固定した単一ポイント(よって「SP」)のデータ値のセットの分散である、分散比(よってF)の計算に関連している。
【0021】
Fspは、聴覚性誘発電位の「質」または信号対ノイズ比の評価に用いられる。どのABRの記録も背景ノイズ(聴覚信号に無関係な脳と筋肉のランダム行動)であり、その信号がある験体に聴取可能である場合は、それぞれの記録は同様に頭に記録された形態ではシステム的であり、かつ引出し聴覚信号の立上りに時間でロックされている、聴覚系からの神経の活動を含んでいるという事実に、Fspの計算は基づいている。平均化されたABR波形内の任意の与えられた単一のディジタル化された時間ポイントについて、そのポイントで測定された振幅への神経の寄与は、あるスィープから別のスィープ全体で一定であり、ノイズの振幅への寄与はランダムである。したがって、神経の反応は任意の単一ポイントにおいて振幅の分散になにも寄与せず、解析ウィンドウでの単一ポイントのスィープからスィープへの分散は記録中の背景ノイズの分散を正確に評価するものとして使用することができる。これはVAR(sp)として参照される。
【0022】
Fspの計算は、図1に示されている。平均化された反応の振幅は、その平均の特定されたウィンドウに対するディジタル化された振幅測定値のポイントの間の分散により特徴付けられることができる。標準Fsp計算では、特定された時間ウィンドウを横切るそれぞれのポイントがVAR(s)として参照される標準分散計算で用いられる。この値は、平均化されたノイズのエネルギーと同様に、ABR(もし存在すれば)のエネルギーを構成する。256スィープごとにこの平均化プロセスが瞬間的に停止され、VAR(s)およびVAR(sp)とその2つの比(Fsp)が計算される。分子すなわちVAR(s)は信号とノイズを含み、分母すなわちVAR(sp)はノイズを評価する。信号(ABR)が存在しない場合は、比の期待値は1に近づく。分散の比は、自由度(dof)として知られたパラメータによりインデックスされた既知の統計F分布を有する。したがって、自由度が既知であれば、誘発電位の記録に関する任意のFspの値に対して間違った陽性検出の確率がF表を参照することにより決定することができる。
【0023】
標準的な例では、Fsp値はそれぞれの256スィープごとに更新される。平均化プロセスが背景ノイズを削減するので、真正のABRを含む記録に関連するFsp値は向上する。真正の反応の検出の実行された確率とその期待値の比較に基づいて、平均化プロセスの停止のための演繹的規則を定めることができる。例えば上記に引用した論文では、ElberlingとDon(自由度の控え目な評価を用いてFspが3.1であると決定した)は真正の検出の信頼度が99%に対応する。この場合Fsp値は、期待した信号対ノイズ比が得られたことを表す、平均化プロセスの停止基準として用いられている。与えられた記録または主体は背景ノイズと誘発電位の振幅のレベルが劇的に分散するので、停止規則として目標のFspを用いることは、SNRの良好な条件下ではより短い期間で、SNRが悪い条件下ではより長い期間で平均化することで、平均化時間の使用を最適化している。
【0024】
Fsp技術の欠点は、以下の通りである。
【0025】
過大なウィンドウ長さ:標準的な反応解析ウィンドウは長さ1000/HPFmsを有し、ここでHPFは記録増幅器の高域遮断周波数である。普通の場合HPFは、100Hzで長さは10msである。これは、有意な反応振幅の領域の長さより一般的に長い。このようにして、分子分散の評価に殆どまたは全く寄与しない時間領域が含まれている。これは分子の期待値を削減し、そのウィンドウが実質的な反応振幅の領域に限定されている場合より感度の低いテスト(統計パワーのより低いテスト)に帰着する。
【0026】
最適以下のテスト・ポイント:反応に焦点が合わされた所与のウィンドウでさえも、そのウィンドウ内の時間ポイントは他以上に反応分散に寄与する。一般的にそのウィンドウ内には、与えられた反応波形について最大の分散を起こさせる、全てのポイントのサブセットが存在し、かつ、全ウィンドウの分散より実質的に大きい分散を起こさせる多くの他のサブセットが存在する。焦点が合わされたウィンドウに対してさえ、標準のFsp内でなされるようにそのウィンドウ内の全てのポイントを選択することは、統計的パワーに関しては最適以下であることにつながる。これらの欠点の双方が、必要とされるよりもパワーの低い検出テストに帰着する。
【0027】
従来のFspは、半経験的または半解析的なものとして分類される。この手法は、反応の有無の判定の際の問題より以上にはるかに定量的かつ再現的である。この制限は、分子分散の評価の統計的自由度は近似的にしか知り得ない、という事実から生じている。これは、ABRデータの場合と同様に、連続するデータ・ポイントの間に相関を有する、ある時系列内の実効自由度は分散の評価計算に用いられるデータ・ポイントの数に等しくない、という事実に起因する。例えば、100のデータ・ポイントを含んでいるある時間ウィンドウは普通99の自由度を有すると仮定されるが、実際には10を有するのみであってよい。これは、そのようなポイントの集合のサンプル分散の分布は、自由度が99のχ二乗ではなく、自由度が10のχ二乗に従うことを意味する。Fsp統計の分布は、したがって変化する。ABRデータの例えば10msウィンドウ実効自由度は験体と測定条件にわたって僅かに変化することが、実験研究により判っている。個々の験体中の自由度は正確に知ることはできず、むしろ近似的にしか知り得ないので、第1種の誤り率(α、反応検出テストの検定危険率)は、近似的にしか正しくない。
【0028】
このようにして、Fspの極端な強さが、そのF分布が有効であることである。この証明は、判定の誤差率は正確にではなく近似的にしか知り得ない、ということである。
【0029】
(発明の概要)
本発明は、音響的な刺激に対しテスト験体内でABRが現れる統計的確率を決定するための方法を提供する。これにより、有効、矛盾がなくかつ能率的で既知で特定可能な誤り率を有する検出判定を技術者ができるようになる。これらの特徴は現在の方法に対して十分に有利であり、幼児のために効果的でコスト効果の高い、大型の公衆衛生スクリーニング・プログラムの設計に特に重要である。
【0030】
本発明は、取得されたデータを累積しつつABRの存在の確率の評価を連続的に発生させて提供する計算アルゴリズムを用いている。それは、反応確率の決定とデータの収集をいつ停止するかを制御するために用いられてもよい。このアルゴリズムは、現在利用可能な最良の、いわゆるFspの半解析的方法以上の改良を提供する。特に本発明に用いられたアルゴリズムは、反応のパワーと検出の効率を改良し、第1種の誤り率(α)とパワーが特定され制御されることができる程度を改良する。
【0031】
ポイント最適化分散率(POVR)と称されるこのアルゴリズムは、現在のFspの手法の根底的な変形を用いている。新しい特徴は、
i.ABRの仮定的分散要素とテスト統計の非心性(noncentrality)に基づく、ポイント選択の最適化のための定量的戦略の列挙。
ii.3つの重要な要素、すなわち、目標波形列挙、波形位置の間主観的分散および電気生理学ノイズ構造の自己相関。
iii.テストのパワーと効率の実質的増大。
iv.大幅に低減された自由度の経験的評価への依存。
v.精度と誤差確率の制御の増大。
vi.テスト時間の削減。
【0032】
(発明の詳細な説明)
以下の記述では、限定ではなく説明を目的として特殊な詳細が本発明の完全な理解を提供するために記載されている。しかしながら当業者には明らかであるように、本発明はこれらの特殊な詳細から離れた他の具体例で実施されてもよい。例えば、本発明の記述を不必要な詳述で不明瞭にすることがないように、周知の方法とデバイスの詳細な説明は略されている。
【0033】
ポイント最適化分散比テスト
本発明は、従来のFspの統計的パワーが増大し、より効率的なテストを生み出すプロセスを用いている。鍵となる概念は、検出テストの統計的パワーを最大化するために、目標のABR波形の既知の位置(レイテンシ)と形態についての情報を利用することである。プロセスの第1段階は、目標の波形を定義することである。これは、ABRに基づく聴力スクリーニング・テストの候補である目標母集団(この場合は人間の新生児と幼児)における、ABRの全てのキーとなる形態的特徴を含んでいる波形である。それは、発行された化学的データ、若しくは実験のどちらかにより定義されてもよい。目標ABR波形は、どの幼児についてもその数とピークの相対タイミングにおいて極めて一貫している。しかしながらピークの絶対レイテンシは、幼児の間で適度の量の分散がある。新生児に対するある程度の大きさのサンプル(N=750)の信号波Vのレイテンシテストにおいて、発明者らは信号波Vのレイテンシが0.5msの標準偏差を有してサンプルの間で変化することを見いだした。ピークの間の期間の標準偏差は、その半分以下である。
【0034】
図2は、新生児のABRの目標波形を描いたものである。記録は、その年代的年齢(懐胎期間+出生後の期間)が39週以上で出生時の体重が1850〜3200グラムの範囲の健康な10人の新生児から得られたものである。評価された全ての幼児は、標準的な技術(ABRおよび耳音響伝達スクリーニング)で検査され、正常な聴力を有することが判っている。電気生理学的データは、頭頂と刺激される耳と同じ側の乳頭に付けた頭皮電極を経由して取得された。それぞれの幼児について、30dBnHLクリック刺激での10000のEEGのトリガ付きのスィープがオフラインで記録された。この極めて多いスィープの数は、平均化における背景ノイズの適切な削減を保証するために用いられたものである。さらに筋原性の偽信号と思われる過度のEEG振幅を伴う全てのスィープは、平均化の前に除去された。継続時間20msの平均化された波形が最大ピークの形態とレイテンシに対して観察され、信号波Vが決定された。それぞれの平均は信号波Vのピーク振幅を単位として計量され、信号波Vピーク・レイテンシについて順に並べられた。大平均ABR(grand average ABR)が生成され、信号波Vのレイテンシが元の10の平均のレイテンシの平均に設定される。波形は1〜16msに刈り込まれ、1〜3msからゼロにされた。
【0035】
ABRはピークの数および突出状態、ピーク・レイテンシと振幅のような標準的な特徴を有するにも関わらず、波形の形態は、刺激とそれぞれのシステムの記録特性、特にEEGフィルタリング特性に劇的に影響された。目標波形はアルゴリズムが適用される記録特性を有する記録システムにより、目標母集団(例えば幼児)について取得されたデータから導出されなければならない。言いかえると、ポイント選択プロセスは記録システムのそれぞれの型式(モデル)ごとにカスタム化されなければならない。
【0036】
プロセスの第2段階は、目標ABR波形のゼロでない値を含んでいる全部のウィンドウから極めて特殊なポイントの集合を選択することである。このポイント選択プロセスは、検出テストの統計的パワーを最大化するように設計されている。このプロセスはゼロでない反応を含んでいるウィンドウ内に全てのポイントのサブセットを生成するように、目標ABR波形に作用する。
【0037】
図3を参照すると、候補のポイント集合は以下のように選択される。
a)最大値および最小値を選択する。これらは最初の2つのポイントである。
b)この第3のポイントが任意の先に選択されたポイントに1.0msより近づけないという制約の元に、全ての可能な第3ポイントの位置に対して最大の3ポイントの信号分散を計算する。
c)近接の制約下で、最大条件の分散を生じる第3ポイントの位置を選択する。
d)第4から第k番目までの追加のポイントに対して、上記のステップ2および3を繰り返し、最大条件の分散が最大の(2ポイント)の分散の指定された割合部分になった時に停止する。本発明者等の研究では、この分数は1/5であり、10ポイントが括弧に示されたようなレイテンシを伴って選択された。
【0038】
ポイント選択のためにここで適用された戦略は、1msの2つのポイントの間の最少距離の制約が用いられたことである。これは、ABRノイズ内で連続するデータ・ポイントの間の絶対値の大きな自己相関を避ける。ABRノイズの自己相関関数の包絡線は、1msまたはそれ以上の期間ではゼロになろうとする。したがって選択されたポイントは、統計的に独立であると近似的に仮定されている。これらの条件下では、サイズmのポイントの任意のサブセットの自由度はm−1になる。
【0039】
個々の験体での反応位置について最適に配置されている場合は、任意のポイント集合が最良に機能する。発明者等の研究では、ポイント選択は突出状態に対応し、目標波形中の信号波Vの十分に定義されたピークは、スクリーニングのための望ましい刺激条件でのABRデータのいくつかの代表の集合のそれぞれに対し、信号波Vのレイテンシ領域に観測された最大値に配置されていた。理想的には、目標波形を発生させるために用いられたものとは異なる、新しいデータの集合に対してこれが行われるべきである。
【0040】
次に、サイズが2〜10のポイントの集合の候補のそれぞれ全てに対し、規範的集合内のそれぞれの験体からのデータを用いて、普通には1〜5000の範囲であるスィープ回数(n)変形されたFspの集積値が計算される。それぞれの連続したnの値に対し、観測値に等しいかまたはそれより大きいF値を得る確率がF参照表から得られる。一般的にはこの確率はnの増加につれてシステム的に減少し、それぞれのnに対する値はここで「確率関数」と呼ばれるものを定義する。便利な表現は、−log10Pのプロットであり、ここでpがその確率である。これは実際に、ABR存在の無効仮説の棄却の傾向である。αが0.01の時、−log10の値は2である。確率曲線が2になるかまたはそれを超えた場合に、ABRは存在すると見なされる(無効仮説は棄却される)。
【0041】
任意の与えられたポイント選択の振幅の定量に確率曲線を用いる利点は、それが基準値(α)の実行に必要とされるスィープの数を直ちに明らかにすることである。これは、テスト・パワーの改良に最も関連する実際的なインパクトとなる。選択された全てのポイントに対して、Fspのベースラインを用いて必要とされるものに対しnを削減することは、テスト・パワーの増大に単調に寄与し、診療上の用途では節減されたデータ収集時間に直ちに繋がる。一般的には最適のポイント選択は験体間で変化するかもしれないが、験体の集合全体では平均的な様相でのシステム的な傾向がある。
【0042】
最良のポイント選択を決定する適切な方法は、全ての候補となるポイントの集合に対して基準に到達するために必要なスィープの数をランク付けして、次に験体の集合全体で裁定の平均ランクを生じる集合を選択することである。ベースラインFspに対するこのポイント選択の効率は、ベースラインに必要なnをポイント集合に必要なnで割り算した比として表現することができる。必要なnを半減することは、効率の倍増または「効率比」が2になることである。
【0043】
以上の手続は、験体のABRは定義されたABR波形の位置に配置されているかまたはそれに近いという条件の下で、験体全体の平均で最良のポイントの集合を生じ、その集合を用いて得られる値を定量化する。任意の個々の験体に対してレイテンシ・シフトがもしあれば、一般的にテスト・パワーは減少し、減少量はレイテンシ・シフトの量と用いられたポイント集合の特性の双方に従って変化する。
【0044】
この効果を利用する1つの方法は、規範的な験体での観測された信号波Vのレイテンシの範囲を決定し、それぞれのポイント集合に関する自由度を修正することである。これは確率曲線を変化させ、結果としてポイント集合の能力のランクを修正することになる。自由度の調整手続は、以下のことを可能にする。刺激のないABRノイズ・データに対して、それぞれのポイント集合に対するF統計のサンプル累積分布関数の例が得られ、以上に記述したように種々の自由度に対する表にされた値に適合される。しかしながら、規範的な験体からの刺激データで観測される可能な信号波Vのレイテンシの範囲にわたるポイント集合の小さい数の位置に対しては、F統計は最大値ではない。普通には、約3〜5のポイント集合が適切である。調整された自由度が与えられると、確率曲線を計算することができ、その特性は上記のように要約される。
【0045】
能力データの未調整のものと調整されたものとの双方を、検査することが適切である。最良の能力解析は、ポイント選択に対する主要なガイドである。レイテンシの分散量は、目標の母集団の精密な性質とテスト協定に依存している。修正した自由度による任意の能力の変化に基づくポイント選択の調整は、特殊なスクリーニング環境に合わせた訂正プロセスと考えるべきである。
【0046】
Fspは、基本的に分散比テストである。この比は、Var(分子)/Var(分母)と書くことができる。分子の分散Var(分子)は、Nスィープ(電気生理学的活動の事象でそれぞれの事象はある刺激事象に対しタイムロックされている)の平均のいくつかの時間ウィンドウで観測されるkの隣接するデータ・ポイントのサンプル分散として便宜的に計算される。Var(分母)は単一データ・マトリックスの列のサンプル分散から導出され、これは与えられ選択されたタイム・インターバルで、全てのそれぞれのスィープ開始後に起こるNのソース・データ・ポイントの集合のサンプル分散である。行のサンプル分散は、Nスィープの平均の分散を見積もるために、標準分布理論で記述されたように因子Nで計量される。
【0047】
Var(分子)は規範的な研究から経験的に決定される、いくつかの自由度(dof)を有している。ディジタル化された記録内の連続するポイントは強く相関(自己相関)しているので、これは期待されるようにk−1の自由度を有するわけではない。Var(分母)は、ポイントが隣り合わずそれぞれが別個のスィープから到来するので、N−1の自由度を有する。このようにして、自己相関機能が実質的にゼロに削減されるのに十分長い期間で、ポイントが取得される。
【0048】
ABRのない無効仮説の下では、2つの分散は共通の基礎をなす分散を見積もられる。それ故、それらの比はmとN−1の自由度を伴うFとして分布する。ABRがない場合は、その比のサンプリング分布の期待値は、分母の自由度が増加するにつれて1になる傾向を有する。ABRが在る場合(ゼロではない)には、ABRはそれぞれのスィープで時間内の所与のポイントでスィープ全体で一定と見なされるので、分母の分散は不変と見積もられる。対照的に分子のサンプル分散は、追加の成分vにより増加するが、ここでvはABRの振幅の二乗平均である。これらの条件の下で無効仮説は偽となり、比のサンプリング分布は自由度mおよびN−1の非心Fになる。因子vはこの分布を、中央(通常の)Fに較べて量v/oだけ正に変移させるが、ここでoはVar(分母)により見積もられる母集団分散であり、これは非心F分布の非心パラメータと呼ばれる。oは一定であると仮定されるので、非心パラメータはABR振幅の自乗平均に比例する。
【0049】
観測される大きなFspの発生は、無効仮説の棄却につながるが、これはABRが存在することの決定につながっている。決定の基準値は、中央Fの表から導出され、通常無効仮説の下で基準値を超える観測されたFの確率が0.01(α、型式1のエラー確率)であるような値Fである。無効仮説が偽である場合、この確率はテスト・パワーであり、非心パラメータの非常に大きな値に一致する傾向がある。このパワーは、そのパラメータの単調増加関数である。
【0050】
従来のFspでは、ABRの二乗平均の値は分子の分散Var(分子)の成分であり、その反応を被覆すると考えられるいくつかの時間ウィンドウ内の全てのそれぞれのデータ・ポイントを用いて計算される。ある時間ポイントではABRはゼロまたはゼロに近い(周期的な波形である)ので、そのようなポイントが含まれない場合にそうである値より自乗平均の値が小さいことにつながる。これは、ABRの自乗平均が従来のFspのそれより大きいような、kのポイントの全部の集合のサブセットを選択することが可能である、ということである。他のことは、増加するABRの自乗平均は非心性を増大し、それ故無効仮説のFテストのパワーも増大させる、ということに等しい。
【0051】
本発明の特徴的な特性は、テスト・ポイントの可能な全ての集合から選択された1つは、与えられた目標の波形に対するテスト・パワーを最大にするものである、ということである。等価的に最良ポイントの選択は、目標の反応が存在する場合には、テスト統計の分布の非心パラメータを最大化するものである。このPOVRの特性は、明らかにそれを従来のFspから、かつより以上に非解析的テスト手続からそれを区別する。量vはパワーおよび非心性と単調であるので、vを最大化する事で十分である。Vを最大化するためには、多くの方法が可能である。本発明の開発に用いられた方法は、2つのポイントの分散を最大化するターゲット波形上の2つのポイントから始まっていた。これらは自動的にターゲット波形の最少と最大である。次に、最初の2つのポイントを与えられたポイント選択アルゴリズムは、暫定的な分散を最大にするポイントを見つけるために全てのポイントを調べる。ABRノイズ・データの性質は高度に自己相関であるので、中心的なテスト・ポイントの選択は効率的でないということが知られている。これは、ノイズ中の中心的なポイントの間での高い正の相関のために、結果の統計の実効自由度は小さくなるためである。ある所与の数のテスト・ポイントに対しては、自由度が大きければ大きいほどよいので、パワーの最大化はABRの分散と自由度を組み合わせた最適化を含んでいる。戦略での後者の因子は、ABRノイズの自己相関機能(2つのポイントの間の全ての可能な期間に対する自己相関係数)により支配されている。実際の乳児のノイズ記録の自己相関データに基づいて、2つの選択されたポイントは時間にして1msより近接することができない、という制限が課せられる。
【0052】
本発明の他の特徴は、ABRの形態は一般的にテスト験体間で相似である一方で、全体のABR波形はその刺激後の時間位置(レイテンシ)において変化してもよい、という事実に対する許容度である。ターゲット波形を導出するために用いられる、正確に中央値の位置に配置されたABRにパワー最適化のポイント選択が作用された場合、そのパワーは実際に最適なものである。レイテンシのシフトは一般的に、パワーの損失を生じ、適時により多くの選択されたポイント・セットが集中するほど、そのパワーの損失が大きいことが予測される。この問題への1つの手法は、後者が可能なABRレイテンシの期待されるドメインをどれもが含んでいるいくつかの時間位置に対して計算される、テスト統計の最大値にそのテストを適用し、実際のABRに対するテスト・ポイント位置へのパワーの暫定的な依存性を考慮することである。一般的に、このマルチポジション法は固定された位置の値に対して型式1の誤り率の増加の原因となる。型式1の誤り率を訂正するようにマルチポジション法により得られるパワーが、Fテストについての基準値の調整に基づくパワーの減少より差し引かれることが期待される。
【0053】
図4a、4bは、本発明に従うスクリーニング・テストのフローチャートである。この手続は、ABRとデータのフィルタリング等に好適なサンプリング・レートを含むA/Dコンバータの集積パラメータのルーチン設定から始まる。用いられた例では、20msの活動が10,000Hzでディジタル化(200ポイント)されている。またこの時点で、技術者はテストのターゲットP値を決定する。例えば0.01のP値は、検出されたABRが実際の反応であることの99%の確率を表す。最大のスィープ数が選択され、それは停止するまでにテストがどれくらい続けられるべきかを表す。テスト・バッファの長さが、同様にブロック・サイズとして参照される。これは、テスト統計のそれぞれの再計算の間のスィープの副産物である。偽信号の除去レベルは、電圧レベルである。神経反応のような望ましからぬ活動は神経の反応に較べて非常に高い電圧を有しているので、大きな逸脱を含んでいる任意のスィープは、データの過度の汚染を避けるために用いられない。
【0054】
分子分散計算のためのポイントの選択は、テストに先だって完遂されるステップで、先に詳細が記述されている。単一のポイント配置の選択は、分母分散計算に使用される。この配置は分子に用いられたポイントの間のポイントの集合または任意の1つのポイントであることができる。
【0055】
EEGの各スィープの集積は、標準的な技術を用いて実行される。実装の概略図を図5に示す。EEG活動は、リード線により微分予備増幅器に接続された頭皮に付けた電極を手段として取得される。この予備増幅器は、ノイズ(神経誘発電位以外の活動)を含んでいると仮定される記録のような成分を除去するために、2つの頭皮の位置からの記録を差し引く。これらの電極の配置は、ターゲット波形の記録を最適化するように注意深く選ばれなければならない。信号は増幅され、ターゲットの活動を強調するために特別に選択されたフィルタ特性の帯域フィルタにかけられる。
【0056】
EEG活動は、事象、またはユーザが決定した継続時間、例えば10〜30msのスィープとに区分される。活動は、信号のスペクトル構成に対し適切なサンプリング・レートでディジタル化される。それぞれのスィープのサンプリングとユーザが選択した刺激の間隔を伴う適切な聴覚刺激の表現を同期させるために、トリガ・メカニズムが用いられる。刺激は一般的に、適当なトランスジューサに適用したときにクリックを生成する、100μsの矩形パルス波である。しかしながら、継続時間の短いランプ・トーン(トーン・バースト)のような他の刺激も、使用可能である。
【0057】
図4を再度参照すると、それぞれのスィープのブロックが集められるときに、テスト統計の計算が始まる。次に関連するP値が決定され、技術者により初めに設定された目標のP値と比較される。目標に達していない場合は、全部のプロセスが繰り返される。目標のP値に従って反応の有無が決定されるときには、記録は停止される。デバイスには存在をハードコピーで出力するプリンタがあってもなくてもよいし、または「合格」または「不合格」のような反応判定のより簡単な表示器を有してもよい。
【0058】
実験結果
12人の健康な新生児が、ロサンゼルス郡幼児聴覚調査研究所と南カリフォルニア大学医療センター女性子供病院の合同調査で評価された。一方または両方の耳が30dBnHLクリックの刺激と刺激のない条件を用いて標準的なABR技術で検査された。それぞれの条件で、10,000の20msの個々の持続時間のスィープが研究所での解析のためにオフラインで記憶された。データはニューロスキャン「シナプス」アンプとスキャン集積ソフトウェアを経由して取得され、データが10kHzでディジタル化され、100〜3000Hzでフィルタにかけられた。
【0059】
クリックの刺激を伴う電気生理学記録は、本発明(POVR)、他のアルゴリズム(ホテリングT2)および標準Fspにより解析された。標準(120pt)のFsp、4および10ポイント選択のPOVRとホテリングT2を用いて、データのそれぞれの集合に対して確率曲線が形成された。−log10P=2の交差が、それぞれの条件で0.01のαに到達するために必要なスィープの数を表した。これらのデータは図6にプロットされている。標準のFspと比較した時に、POVRとホテリング・アルゴリズムの双方について著しいスィープ数の削減が見て取れる。3つのテストでの効率比(標準Fsp条件でのスィープ数/テスト条件でのスィープ数)は、図7の散布図に示されている。
【0060】
120ポイント(標準)Fspは、本発明がそれに対して評価される、ベースラインとみなすことができる。所与の乳児におけるそれぞれの測定の集合が、統計の可能な観測値のランダム・サンプルの要素を構成することに留意するべきである。このようにして、必要とされるスィープの数の分散と統計間での関係の場合の差異が、望まれるものである。120ポイントFspのベースラインと比較すると、B11クリックrの場合を除く全ての場合で、本発明は測定の効率を改善している。いくつかの場合では、その改善は劇的(B9クリックlのように)である。そのような結果は、有効なスクリーニング結果がそのような場合に実際に得られるかどうかについての、差異を際だたせる。一般的に、効率比の平均値により表され、それは極めて好都合である。
【0061】
本発明が、聴覚脳幹反応(ABR)を用いたスクリーニング・プロセスの流れで記述された。新生児の聴力状態の評価に現在用いられる他の電気生理学的測定は、耳音響伝達(OAE)である。この測定方法を用いたスクリーニング技術が、新生児の聴力欠損の特定において迅速且つ理にかなって正確であることが示されてきた。ABRに関しては、OAEは験体の反応検出と自動化の制約をうける。ここに記述された検出アルゴリズムは、わずかな修正のみにより同様にOAEに適用されることができる。
【0062】
上記の発明は、開示の精神または本質的な特性から逸脱することなく他の特別な態様で具体化されてもよいことを、認識するべきである。このようにして、本発明は以上の実例となる詳細によって限定されず、添付の請求項によって定義される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ABR波形のFsp統計の計算の従来技術を示す図である。
【図2】 ABR目標波形である。
【図3】 本発明に用いられる波形ポイント選択を示す図である。
【図4a】、【4b】 本発明の診断手続の機能の流れ図である。
【図5】 本発明の電気生理学的データ記録手続を図式的に示す図である。
【図6】 本発明と従来技術のFspおよびその他の新しい解析の型式の能力を比較するデータである。
【図7】 本発明と従来技術のFspおよびその他の新しい解析の型式の効率を比較するデータである。

Claims (6)

  1. 平均を形成する複数のスィープから時間的に固定されたポイントでのデータの分散に対する、ABRに基づく聴力スクリーニング・テストの候補である目標母集団における、ABRの全てのキーとなる形態的特徴を含んでいる波形であるターゲット波形により指定される特定時間ポイントでの複数のスィープの平均であるABRデータの平均の分散比に基づき、個々の聴取能力を決定するために聴覚の刺激への反応で生成されるABR信号データを収集して解析する方法であって、
    (a)複数の聴覚刺激を生成するステップと、
    (b)テスト験体の耳に前記聴覚刺激を加えるステップと、
    (c)特定の数の前記聴覚刺激のそれぞれに引き続く、該テスト験体からのある時間ウィンドウ(スィープ)内の電気生理学信号データを収集するステップと、
    (d)個々のスィープにわたる時間内の所定のポイントでの、データの累積的分散を計算するステップと、
    (e)前記収集した電気生理学信号データから累積したテスト験体の平均波形を計算するステップと、
    (f)前記累積したテスト験体の平均波形上の最大値と最小値を選択しその選択したポイントの分散を計算するステップと、
    (g)(f)で計算した分散を分子とし、(d)で計算した分散を分母として分散比を計算するステップと、
    (h)標準F表に基づいて前記比に関する確率の値を計算するステップと、
    (i)前記計算した確率の値が所定の閾値を超えた場合は、累積的テスト験体の平均波形と単一スィープ・データに加えながらステップ(a)から(h)を繰り返し、該計算した確率の値が前記所定の閾値以下である場合は、ABR存在の出力及び表示をするステップ、および
    (j)該計算された確率の値が所定の閾値以下になることなく、所定の回数の刺激が加えられた場合は、ステップ(a)から(h)を停止し、ABR不存在の出力及び表示をするステップとを含み、
    前記ターゲット波形により指定される特定時間ポイントは、第1および第2の選択ポイントとしてターゲット波形上の最大値と最小値を選択して、複数のn番目の候補ポイントのために最大のnポイント信号分散を計算し、最大の分散を生じる複数のn番目の候補ポイントの1つを、n番目のポイントとして選択するとともに、最大分散が所定の閾値以下になるまで繰り返し追加のポイントを選択し、複数のn番目の候補ポイントが、先に選択されたn−1番目のポイントのいずれにも所定の時間値より近接していないポイントであることを特徴とする方法。
  2. ステップ(f)は、
    (i)第1および第2のポイントとしてターゲット波形上の最大値と最小値を選択すること、
    (ii)複数のn番目の候補ポイントのために最大のnポイント信号分散を計算すること、
    (iii)最大の分散を生じる複数のn番目の候補ポイントの1つを、n番目のポイントとして選択すること、
    (iv)ステップ(iii)で決定される最大分散が所定の閾値以下になるまで、追加のポイントを選択するために、ステップ(ii)と(iii)を繰り返すことにより、前記選択されたポイントを選択するステップをさらに含む請求項に記載の方法。
  3. 該複数のn番目の候補ポイントは、先に選択されたn−1番目のポイントのいずれにも所定の時間の値より近接していないとの制約を受けている請求項に記載の方法。
  4. 平均を形成する複数のスィープから時間的に固定されたポイントでのデータの分散に対する、ABRに基づく聴力スクリーニング・テストの候補である目標母集団における、ABRの全てのキーとなる形態的特徴を含んでいる波形であるターゲット波形により指定される特定時間ポイントでの複数のスィープの平均であるABRデータの平均の分散比に基づき、個々の聴取能力を決定するために聴覚の刺激への反応で生成されるABR信号データを収集して解析するシステムであって、
    (a)複数の聴覚刺激を生成する手段と、
    (b)テスト験体の耳に前記聴覚刺激を加える手段と、
    (c)特定の数の前記聴覚刺激のそれぞれに引き続く、該テスト験体からのある時間ウィンドウ内の電気生理学信号データを収集する手段と、
    (d)個々のスィープにわたる時間内の所定のポイントでの、データの累積的分散を計算する手段と、
    (e)前記収集した電気生理学信号データから累積したテスト験体の平均波形を計算する手段と、
    (f)前記累積したテスト験体の、平均波形上の最大値と最小値を選択しその選択したポイントの分散を計算する手段と、
    (g)(f)で計算した分散を分子とし、(d)で計算した分散を分母として分散比を計算する手段と、
    (h)標準F表に基づいて前記比に関する確率の値を計算する手段と、
    (i)前記計算した確率の値が所定の閾値を超えた場合は、累積的テスト験体の平均波形と単一スィープ・データに加えながらステップ(a)から(h)を繰り返し、該計算した確率の値が所定の閾値以下である場合は、ABR存在の出力及び表示をする手段、および
    (j)該計算された確率の値が所定の閾値以下になることなく、所定の回数の刺激が加えられた場合は、ステップ(a)から(h)を停止し、ABR不存在の出力及び表示をする手段とを含み、
    前記ターゲット波形により指定される特定時間ポイントは、第1および第2の選択ポイントとしてターゲット波形上の最大値と最小値を選択して、複数のn番目の候補ポイントのために最大のnポイント信号分散を計算し、最大の分散を生じる複数のn番目の候補ポイントの1つを、n番目のポイントとして選択するとともに、最大分散が所定の閾値以下になるまで繰り返し追加のポイントを選択し、複数のn番目の候補ポイントが、先に選択されたn−1番目のポイントのいずれにも所定の時間値より近接していないポイントであることを特徴とするシステム。
  5. 選択されたポイントの分散を計算する手段は、
    (i)第1および第2のポイントとしてターゲット波形上の最大値と最小値を選択すること、
    (ii)複数のn番目の候補ポイントのために最大のnポイント信号分散を計算すること、
    (iii)最大の分散を生じる複数のn番目の候補ポイントの1つを、n番目のポイントとして選択すること、
    (iv)ステップ(iii)で決定される最大分散が所定の閾値以下になるまで、追加のポイントを選択するために、ステップ(ii)と(iii)を繰り返すことにより、前記選択されたポイントを選択する手段をさらに含む請求項に記載のシステム。
  6. 該複数のn番目の候補ポイントは、先に選択されたn−1番目のポイントのいずれにも所定の時間の値より近接していないとの制約を受けている請求項に記載のシステム。
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