JP4582875B2 - Coating film forming method and article to be coated - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車車体等の電着塗装された素材の上に複層塗膜を形成させる方法に関し、更に詳しくは、自動車車体等に中塗り塗料を塗布し、その上にウエット・オン・ウエット方式によりベース塗料及びクリヤー塗料を塗布し、一度に焼き付け硬化を行う、いわゆる3コート1ベーク塗装系によって複層塗膜を形成させる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車車体等は、被塗物である鋼板の表面に塗装下地としてリン酸亜鉛等による化成処理が行われた後、下塗り塗装、中塗り塗装及び上塗り塗装が行われて、複層塗膜が形成されている。
このうち、塗装工程は、通常、電着塗装により下塗り塗装を行い焼き付け硬化させて下塗り塗膜を形成させ、その上に中塗り塗料を塗装し焼き付け硬化させて中塗り塗膜を形成させた後、上塗り塗装が行われており、下塗り塗装、中塗り塗装及び上塗り塗装は各塗装後に別々に焼き付け硬化が行われている。
【0003】
上塗り塗装としてベース塗料及びクリヤー塗料を用いる場合には、中塗り塗料を塗装し焼き付け硬化させた後、ベース塗料及びクリヤー塗料をウエット・オン・ウエット方式により塗装してから一度に焼き付け硬化を行う、いわゆる3コート2ベーク法により行われている。
【0004】
このような3コート2ベーク法は、塗装工程が長く、エネルギー消費量が多いため、トータルコストが高いという問題点があった。
特公昭59−33033号公報には、電着塗装により下塗りを行い焼き付けを行った後、中塗り塗料及びメタリック塗料を塗布して同時に焼き付けを行うメタリック塗装方法が開示されている。
しかしながら、従来の中塗り塗料及びメタリック塗料を用いてこの方法を実施した場合には、中塗り塗料とメタリック塗料とが塗装の界面において混和し、中塗り塗料を塗装した後に一旦焼き付け硬化を行う3コート2ベーク法と比較して、仕上がり外観に劣るという問題が生じていた。
【0005】
ところで、非水ディスパージョン樹脂(NAD)は、低公害性、省資源性、及び、その流動特性による塗装作業性、耐久性等に優れていることから、機器、自動車等のメタリック塗装に使用されてきた。
特開昭57−177068号公報には、アクリル系共重合体の存在下で単量体成分をグラフト重合させた分散粒子を含む非水分散性樹脂被覆組成物が開示されている。このものは、分散粒子が硬化後も塗膜中に分散して不均一構造をとることにより、表面硬度及び耐衝撃性に優れた塗膜が得られるものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、自動車車体等の電着塗装された素材を塗装する際に、中塗り塗料を塗布し、ウエット・オン・ウエット方式でベース塗料及びクリヤー塗料を塗布し、中塗り塗料、ベース塗料及びクリヤー塗料の3層を同時に焼き付け硬化させる方法であって、従来の3コート2ベーク法と比較して同等若しくはそれ以上の優れた仕上がり外観を得ることができる塗膜形成方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
本発明者らは、中塗り塗料を塗布した後に焼き付け硬化が行われる従来の3コート2ベーク法の場合には、下地隠蔽性が高く、即ち、電着塗料によって形成された電着塗膜の表面の肌荒れは、中塗り塗料を塗装し硬化した後にベース塗料及びクリヤー塗料を塗装した塗膜にはあまり影響を及ぼさないが、中塗り塗料を塗布した後に焼き付け硬化を行わずにウエット・オン・ウエット方式でベース塗料及びクリヤー塗料を塗装し3層を同時に焼き付け硬化を行う3コート1ベーク法の場合には、下地隠蔽性が低く、電着塗料によって形成された電着塗膜の表面の肌荒れが、最終の仕上がり外観にも大きく影響し、ムジ肌が発現するものであることがわかった。そして、この電着塗膜に対する下地隠蔽性を向上させるためには、(1)中塗り塗料、ベース塗料及びクリヤー塗料を焼き付け硬化させる過程においては、当初は温度上昇に伴い粘度が減少して行き、硬化が始まると粘度は上昇に転ずるが、この焼き付け過程における各層の最低粘度及び硬化開始温度の関係が適正なものであること、即ち、焼き付け過程においては、3層のうち上層の最低粘度が下層の最低粘度より低いこと、及び、上層の硬化開始温度が下層の硬化開始温度より高いことが重要であることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
本発明者らはまた、(2)中塗り塗料を塗布した後ベース塗料及びクリヤー塗料をウエット・オン・ウエット方式で塗装する場合における、中塗り塗料及びベース塗料の溶剤膨潤率を低下させること
(3)中塗り塗料、ベース塗料及びクリヤー塗料を焼き付け硬化させる過程においては、溶剤が揮発し塗膜の体積が減少していくが、この体積収縮率を小さくすること
によって、電着塗膜に対する下地隠蔽性を更に向上させ、優れた仕上がり外観の塗膜が得られることも見出した。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明は、電着塗装された素材の上に、中塗り塗料、ベース塗料及びクリヤー塗料を順次塗装する工程、並びに、上記塗装された3層を一度に焼き付け硬化させる工程からなる塗膜形成方法であって、上記中塗り塗料、上記ベース塗料及び上記クリヤー塗料は、不揮発分90重量%における温度に対する粘度の測定をそれぞれについて行った場合に、最低粘度が、
中塗り塗料≧ベース塗料≧クリヤー塗料
の関係を満たすものであり、硬化開始温度が、
中塗り塗料≦ベース塗料≦クリヤー塗料
の関係を満たすものであることを特徴とする塗膜形成方法である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の塗膜形成方法は、電着塗装された素材の上に、中塗り塗料、ベース塗料及びクリヤー塗料を順次塗装する工程、並びに、上記塗装された3層を一度に焼き付け硬化させる工程からなるものである。
【0011】
本発明においては、上記中塗り塗料、上記ベース塗料及び上記クリヤー塗料は、不揮発分90重量%における温度に対する粘度の測定をそれぞれについて行った場合に、最低粘度が、
中塗り塗料≧ベース塗料≧クリヤー塗料
の関係を満たすものであり、硬化開始温度が、
中塗り塗料≦ベース塗料≦クリヤー塗料
の関係を満たすものである。上記の関係を満たすことによって、焼き付け硬化過程において、塗装された3層のうち最低粘度は上層ほど低く、硬化開始温度は上層ほど高い結果、下層の硬化が開始する時でも上層はフロー性を有しており硬化は下層よりも遅れて開始することとなるので、下地隠蔽性を向上させることができ、得られる塗膜の外観が優れたものとなる。
【0012】
本発明において、上記最低粘度及び上記硬化開始温度は、塗料の不揮発分90重量%において種々の温度での粘度の値を測定し、その測定値から最低粘度、及び、その最低粘度における温度を読み取ったものである。この測定は、中塗り塗料、ベース塗料及びクリヤー塗料についてそれぞれ別個に行うものである。上記測定する温度としては、40〜150℃の範囲を挙げることができる。
本発明において、不揮発分90重量%における粘度とは、不揮発分90±2重量%における粘度を意味するものである。
また、本発明において、粘度は、正弦波応力に対する動的粘弾性率として測定されるものを意味し、例えば、UBM社製レオゾルG−3000を用いて測定することができる。
【0013】
本発明の中塗り塗料、ベース塗料及びクリヤー塗料の不揮発分は、溶液型の場合、それぞれ塗装時で40〜70重量%、30〜60重量%、40〜70重量%であることが好ましい。下限の値を下回ると、ハイソリッド系塗料とすることができず、不揮発分90重量%において最低粘度及び硬化開始温度が上述の関係を満たすものが得られない場合があるだけでなく、不揮発分90重量%において測定した粘度の値に最低点がない場合があったり、更に、焼き付け硬化時の体積収縮率が大きくなるので、得られる塗膜の仕上がり外観が劣る。上限の値を超えると、粘性が高すぎるので、かえって塗膜外観に劣ったり、作業性が低くなる場合がある。より好ましくは、中塗り塗料45〜60重量%、ベース塗料40〜50重量%、クリヤー塗料45〜60重量%である。
【0014】
上記中塗り塗料、ベース塗料及びクリヤー塗料は、塗装後、140℃、30分間硬化させた場合の体積収縮率が45%以下であるものが好ましい。45%を超えると、電着塗膜の下地隠蔽性に劣る結果、良好な仕上がり外観の塗膜を得ることができない場合がある。より好ましくは、40%以下である。
本発明において、140℃、30分間硬化させた場合の体積収縮率は、下記式で求めることができる。
体積収縮率(%)={(100−塗着NV)/溶剤比重}/[{(100−塗着NV)/溶剤比重}+(塗着NV/乾燥塗膜比重)}×100
(式中、塗着NVは、塗装前の被塗物の重量をW1、塗料の付着した被塗物の重量をW2、140℃で30分間乾燥後の重量をW3とした場合に、
塗着NV(%)=(W3−W1)/(W2−W1)×100
により求められる不揮発分の値を表す。溶剤比重は、各塗料に含まれる溶剤の比重を表す。乾燥塗膜比重は、各塗料中の不揮発分の比重であって、個々の成分の比重とその割合から計算により求められる値である。)
【0015】
中塗り塗料
本発明において、中塗り塗料は、不揮発分90重量%において、60℃での粘度Vis(60℃)が10〜1000poiseであり、90℃での粘度Vis(90℃)が1〜500poiseであり、120℃での粘度Vis(120℃)が100〜10000poiseであることが好ましい。
不揮発分90重量%においてVis(90℃)が1〜500poiseのものを使用することによって、焼き付け過程における中塗り塗料の最低粘度が小さい結果、体積収縮していっても塗膜がフロー性を有することとなり、電着塗膜に対する下地隠蔽性が向上し、優れた仕上がり外観の塗膜を得ることができる。従って、Vis(90℃)が500poiseを超えるものは、焼き付け過程における中塗り塗料の最低粘度が大きく、優れた仕上がり外観の塗膜が得られない。好ましくは、Vis(90℃)が1〜300poise、より好ましくは、1〜200poiseである。
【0016】
不揮発分90重量%においてVis(60℃)が10poise未満である塗料、Vis(90℃)が1poise未満である塗料、及び、Vis(120℃)が100poise未満である塗料は、塗膜外観に劣ったり、塗膜の基本的性能が維持できない場合がある。Vis(60℃)が1000poiseを超えるもの、及び、Vis(120℃)が10000poiseを超えるものは、塗料調製時にはハイソリッド系の中塗り塗料とすることができないため、焼き付け硬化させた時の体積収縮が大きくなり、優れた仕上がり外観の塗膜を得ることができない。
【0017】
本発明の中塗り塗料は、不揮発分90重量%において、60℃での粘度Vis(60℃)と90℃での粘度Vis(90℃)との比〔Vis(60℃)/Vis(90℃)〕が1.5〜10であり、120℃での粘度Vis(120℃)と90℃での粘度Vis(90℃)との比〔Vis(120℃)/Vis(90℃)〕が2〜30であることが好ましい。
Vis(60℃)/Vis(90℃)が1.5未満であるか、又は、Vis(120℃)/Vis(90℃)が2未満のものは、焼き付け過程における中塗り塗料の最低粘度を小さくすることができないので、優れた仕上がり外観の塗膜を得ることができない。Vis(60℃)/Vis(90℃)が10を超えるか、又は、Vis(120℃)/Vis(90℃)が30を超えるものは、実際には調製が困難である。
【0018】
本発明において、上記中塗り塗料としては、水酸基含有樹脂(a)、水酸基と反応しうる硬化剤(b)及び非水ディスパージョン樹脂(c)からなるものを好適に使用することができる。
上記中塗り塗料として非水ディスパージョン樹脂(c)を含むものを使用することによって、ベース塗料に含まれる溶剤による中塗り塗料の溶剤膨潤率を低下させ、中塗り塗料とベース塗料とが塗装の界面において混和することを防止することができるので、更に優れた仕上がり外観の塗膜を得ることができる。
【0019】
上記水酸基含有樹脂(a)は、水酸基を含有し、中塗り塗料に使用される媒体に溶解するものを意味し、例えば、アクリル樹脂及び/又はポリエステル樹脂等が挙げられる。SP値を高く設計することができる点よりアクリル樹脂を用いることが好ましい。
上記ポリエステル樹脂としては、ポリオールとポリカルボン酸又はその無水物からなるものを使用することができる。
【0020】
上記水酸基含有樹脂(a)は、水酸基価50〜250、酸価1〜50mgKOH/g、SP値9.5〜12であるものが好ましい。水酸基価、酸価及びSP値がこれらの範囲の上限を超えると、塗膜にした場合の耐水性が低下する。水酸基価及び酸価が下限未満であると、塗料の硬化性が低下し、また、SP値が下限未満であると、ベース塗料とのなじみが起こる。
上記水酸基含有樹脂(a)の数平均分子量は、1000〜10000が挙げられるが、1100〜5000が好ましく、より好ましくは1200〜3000である。数平均分子量がこの範囲のものを使用することによって、中塗り塗料をハイソリッド系とすることができるので、上述の粘度範囲を有する中塗り塗料を得ることが可能となるのみならず、焼き付け硬化させた時の体積収縮も小さくなり、塗膜の仕上がり外観を向上することができる。
【0021】
なお、本明細書において、SP値は、溶解度パラメーターとよばれるものであり、溶解性の尺度を示すものである。SP値は、SUH,CLARKE著、J.Polymer Science,A−1,第5巻、1671−1681頁(1967)記載の方法により計算することができる。
即ち、測定温度20℃にて、サンプルとして樹脂0.5gを100mLビーカーに秤量し、良溶媒10mLをホールピペットを用いて加え、マグネチックスターラーにより溶解する。良溶媒としては、ジオキサン、アセトンを用い、貧溶媒としては、n−ヘキサン、イオン交換水を用いる。濁点測定は、50mLビュレットを用いて貧溶媒を滴下し、濁りが生じた点を滴下量とする。樹脂のSP値δは次式により計算することができる。
δ=(Vml 1/2 δml+Vmh 1/2 δmh)/(Vml 1/2 +Vmh 1/2
m =V12 /(φ12 +φ21
δm =φ1 δ1 +φ2 δ2
i :溶媒の分子容(mL/mol)
φi :濁点における各溶媒の体積分率
δi :溶媒のSP値
ml:低SP値貧溶媒混合系
mh:高SP値貧溶媒混合系
【0022】
上記水酸基含有樹脂(a)は、樹脂固形分総量に対して、固形分で10〜70重量%含まれることが好ましい。10重量%未満であると、得られる塗膜が脆くなったり、また、塗膜外観が低下したりして、塗膜の基本的性能が劣る。70重量%を超えると、非水ディスパージョン樹脂(c)の配合割合が減少する結果、塗膜の仕上がり外観が低下する。好ましくは、10〜50重量%、より好ましくは、20〜50重量%である。
【0023】
上記中塗り塗料は、水酸基と反応しうる硬化剤(b)を含むものである。
上記硬化剤(b)としては特に限定されず、例えば、メラミン樹脂及び/又はブロックイソシアネート樹脂等が挙げられる。
上記硬化剤(b)は、樹脂固形分総量に対して、固形分で10〜70重量%含まれることが好ましい。10重量%未満であると、硬化が不充分となることがあり、塗膜物性に劣る。70重量%を超えても、不経済であり、更に、塗膜の仕上がり外観が低下する。より好ましくは、20〜50重量%である。
上記水酸基含有樹脂(a)と水酸基と反応しうる硬化剤(b)との組み合わせは特に限定されないが、顔料分散性や作業性の点から、アクリル樹脂及び/又はポリエステル樹脂とメラミン樹脂とを組み合わせることが好ましい。
【0024】
上記中塗り塗料は、非水ディスパージョン樹脂(c)を含むものである。
上記非水ディスパージョン樹脂(c)は、高SP値のコア部分と低SP値のシェル部分からなるものである。コア部分が高SP値を有しているので、塗料中の溶剤に不溶である結果、溶剤による膨潤率をも小さくすることができ、更に、ベース塗膜との微妙な混じり合いにより起こる色戻りを防止することができる。低SP値のシェル部分は、分散安定剤としての働きを担う。更に、この非水ディスパージョン樹脂(c)は非架橋粒子であるので、焼き付け時の最低粘度を小さくすることができる。また、この粒子自体も上記水酸基と反応しうる硬化剤(b)によって架橋することができ、この場合塗膜形成成分となり得ることから、添加量を高くすることが可能である。従って、上記非水ディスパージョン樹脂(c)によって、電着塗膜の下地隠蔽性が大きく、ムジ肌を抑制することができ、鮮映性、光沢性も高い塗膜外観を得ることができる。
【0025】
上記非水ディスパージョン樹脂(c)は、SP値が11〜14であり、コア部分とシェル部分のSP値の差が0.5〜3であることが好ましい。SP値の差が0.5未満では、塗料の不揮発分を低下させることができず、溶解膨潤したり、また、コア部分が有する粘性制御効果が低くなるので、電着塗膜の下地隠蔽性が小さく、更に、ベース塗料との間でなじみが生じて、優れた仕上がり外観の塗膜を得ることができない。SP値の差が3を超えるものは、分散が不安定となり、分離が起こったり、中塗り塗料とベース塗料とが混じり合って反転やワレが生じる場合がある。好ましくは、SP値の差が1〜3である。
上記水酸基含有樹脂(a)のSP値と上記非水ディスパージョン樹脂(c)のSP値との関係は、ベース塗料とのなじみを抑制することができる点から、非水ディスパージョン樹脂(c)のSP値が高い方が好ましい。
【0026】
上記非水ディスパージョン樹脂(c)としては、水酸基価が100〜400、好ましくは130〜300のものである。100未満であると、塗料の硬化性が低下し、400を超えると、耐水性が低下する場合がある。
酸価としては、0〜200mgKOH/g、好ましくは0〜50mgKOH/gである。200mgKOH/gを超えると、塗膜にしたときの耐水性が低下する。
平均粒径(D50)は、0.05〜5μm、好ましくは0.05〜1μmである。
0.05μm未満であると、塗料の不揮発分が低下し、5μmを超えると、粘性制御効果に劣り、外観不良となる。
上記分散安定樹脂のTgは、30℃以下が好ましい。30℃を超えると、塗膜外観に劣り、耐チッピング性が低下したりする。
【0027】
上記非水ディスパージョン樹脂(c)は、分散安定樹脂と有機溶剤との混合液中で、重合性単量体を共重合させることにより、この混合液に不溶な非架橋樹脂粒子として調製することができる。分散安定樹脂がシェル部分を構成し、重合性単量体が共重合されたものがコア部分を構成する。
【0028】
上記重合性単量体としては、官能基を有する単量体が好ましい。官能基を有する単量体は、得られる非水ディスパージョン樹脂が上記水酸基と反応しうる硬化剤(b)と反応して3次元に架橋した塗膜を形成することができる。
上記官能基を有する重合性単量体としてその代表的なものは以下のとおりである。水酸基を有するものとして、例えば、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシブチル、(メタ)アクリル酸ヒドロキシメチル、アリルアルコール、(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチルとε−カプロラクトンとの付加物等が挙げられる。
【0029】
一方、酸基を有するものとしては、カルボキシル基、スルホン酸基等を有するものが挙げられ、カルボキシル基を有するものの例としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、エタアクリル酸、プロピルアクリル酸、イソプロピルアクリル酸、イタコン酸、無水マレイン酸、フマル酸等が挙げられる。スルホン酸基を有するものの例としては、t−ブチルアクリルアミドスルホン酸等が挙げられる。酸基を有する重合性単量体を用いる場合には、酸基の一部はカルボキシル基であることが好ましい。
更に、(メタ)アクリル酸グリシジル等のグリシジル基含有不飽和単量体、m−イソプロペニル−α,α−ジメチルベンジルイソシアネート、アクリル酸イソシアナトエチル等のイソシアネート基含有不飽和単量体等も挙げられる。
【0030】
その他の重合性単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸n−オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸ステアリル、メタクリル酸トリデシル等の(メタ)アクリル酸アルキルエステル;油脂肪酸とオキシラン構造を有するアクリル酸又はメタクリル酸エステルモノマーとの付加反応物(例えば、ステアリン酸とグリシジルメタクリレートの付加反応物);C3 以上のアルキル基を含むオキシラン化合物とアクリル酸又はメタクリル酸との付加反応物;スチレン、α−メチルスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン;(メタ)アクリル酸ベンジル;イタコン酸エステル(イタコン酸ジメチル等);マレイン酸エステル(マレイン酸ジメチル等);フマル酸エステル(フマル酸ジメチル等);その他に、アクリロニトリル、メタクリロニトリル;メチルイソプロペニルケトン;酢酸ビニル;ベオバモノマー(商品名、シェル化学社製)、ビニルプロピオネート、ビニルピバレート、プロピオン酸ビニル;エチレン、プロピレン、ブタジエン、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレート、アクリルアミド、ビニルピリジン等が挙げられる。
上記重合性単量体は、官能基を有するもの及びその他の単量体のなかから、単独で、又は、2種以上を併用して使用することができる。
【0031】
上記重合性単量体は、ラジカル重合開始剤の存在下で共重合させることが好ましい。ラジカル重合開始剤としては、例えば、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ系開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、ラウリルパーオキサイド、t−ブチルパーオクトエート等のパーオキシド系開始剤が挙げられる。これらの開始剤の使用量は、重合性単量体合計100重量部あたり0.2〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部が好ましい。分散安定樹脂を含有する有機溶媒中での重合反応は、一般に60〜160℃程度の温度範囲で約1〜15時間行うことが好ましい。
【0032】
上記重合性単量体を共重合させる際に存在させる分散安定樹脂は、非水ディスパージョン樹脂を有機溶剤中で安定に合成できるものであれば特に限定されるものではない。具体的には、水酸基価が10〜250、好ましくは20〜180である。10未満であると、硬化性、密着性、安定性等が低下し、250を超えると、分散が不安定となる。
酸価は、0〜100mgKOH/g、好ましくは0〜50mgKOH/gである。100mgKOH/gを超えると、塗膜にした場合の耐水性が低下する。
数平均分子量としては、2000〜10000が好ましい。2000未満であると、分散が不安定化し、10000を超えると塗料の不揮発分が低下する。
【0033】
上記分散安定樹脂の製造方法としては特に限定されず、例えば、ラジカル重合性開始剤の存在下でラジカル重合により得る方法、縮合反応や付加反応により得る方法等が好ましいものとして挙げられる。
上記分散安定樹脂としては、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリウレタン樹脂等を用いることができる。
上記分散安定樹脂を得るために用いられる単量体としては、樹脂の特性に応じて適宜選択することができるが、上記の重合性単量体に用いられる水酸基、酸基等の官能基を有する単量体を用いることが好ましく、更に必要に応じてグリシジル基、イソシアネート基等の官能基を有するものを用いてもよい。官能基を有する単量体は、得られる非水ディスパージョン樹脂が硬化剤(b)と反応して3次元に架橋した塗膜を形成することができる。
【0034】
上記分散安定樹脂を得るために用いられる単量体は、炭素数10以上の側鎖を有するものが、単量体の全量に対して10〜50重量%含まれることが好ましい。
10重量%未満であると、ベース塗料との間でなじみが生じる。50重量%を超えると、中塗り塗料のなかで分離が起こったり、中塗り塗料とベース塗料とが混じり合って反転やワレが生じる場合がある。
【0035】
更に、上記単量体は、親水基を有するものが、重合性単量体の全量に対して20〜50重量%含まれることが好ましい。20重量%未満であると、硬化性、密着性及び安定性に劣る場合がある。50重量%を超えると、分散性が不安定となる場合がある。
上記親水基としては、水酸基、カルボキシル基、アミド基及びエーテル基が挙げられる。
【0036】
上記分散安定剤と上記重合性単量体との比率は、目的に応じて任意に選択することができるが、例えば、両成分の合計重量に基づいて、分散安定樹脂は3〜80重量%、好ましくは5〜60重量%、重合性単量体は97〜20重量%、好ましくは95〜40重量%である。更に、有機溶媒中における分散安定剤と重合性単量体との合計濃度は、合計重量を基準に、30〜80重量%、好ましくは40〜60重量%である。
【0037】
このようにして得られる非水ディスパージョン樹脂(c)は、樹脂固形分総量に対して、固形分で18〜50重量%含まれることが好ましい。18重量%未満であるか、又は、50重量%を超えると、得られる塗膜の外観が低下する。より好ましくは、23〜45重量%である。
【0038】
上記中塗り塗料は、通常、顔料を含有するものである。
上記顔料は、顔料と樹脂固形分との合計量に対して10〜70重量%で含まれることが好ましい。本明細書において、樹脂固形分とは、水酸基含有樹脂(a)、水酸基と反応しうる硬化剤(b)及び非水ディスパージョン樹脂(c)の固形分の合計量を意味するものである。10重量%未満であると、得られる中塗り塗料をハイソリッド系にすることができず、焼き付け硬化させた場合に体積収縮が大きくなり、仕上がり外観に劣る場合がある。70重量%を超えると、顔料が多すぎるので、塗膜の外観が低下する。
【0039】
上記顔料としては特に限定されず、従来の中塗り塗料に用いられるものが挙げられ、例えば、アゾキレート系顔料、不溶性アゾ系顔料、縮合アゾ系顔料、フタロシアニン系顔料、インジゴ顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、ジオキサン系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリノン系顔料、金属錯体顔料等の有機系着色顔料;黄鉛、黄色酸化鉄、ベンガラ、カーボンブラック、二酸化チタン等の無機着色顔料等が挙げられる。更に、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、クレー、タルク等の体質顔料;アルミニウム粉、マイカ粉等の扁平顔料を併用してもよい。
上記顔料としてカーボンブラックと二酸化チタンを主要顔料とした標準的なグレー系中塗り塗料を用いることもできるし、上塗り塗料と明度又は色相等を合わせたセットグレーや各種の着色顔料を組み合わせたいわゆるカラー中塗り塗料を用いることもできる。
【0040】
上記中塗り塗料は、従来公知の添加剤、例えば、粘性制御剤、ワキ防止剤、希釈用溶剤等を添加することができる。
上記粘性制御剤としては、脂肪酸アマイドの膨潤分散体、アマイド系脂肪酸、長鎖ポリアミノアマイドのリン酸塩等のポリアマイド系のもの;酸化ポリエチレンのコロイド状膨潤分散体等のポリエチレン系のもの;有機酸スメクタイト粘土、モンモリロナイト等の有機ベントナイト系のもの;ケイ酸アルミ、硫酸バリウム等の無機顔料;顔料の形状により粘性が発現する偏平顔料等が挙げられる。
【0041】
本発明においては、中塗り塗料の塗料形態としては、溶液型のものが好ましく用いられ、溶液型のものとしては有機溶剤型、水性型(水溶性、水分散性、エマルジョン)、非水分散型が挙げられる。
上記中塗り塗料は、水酸基含有樹脂(a)、水酸基と反応しうる硬化剤(b)及び非水ディスパージョン樹脂(c)、並びに、顔料やその他の成分を、ニーダー、ロール等を用いて混練、分散する等の当業者に周知の方法によって得ることができる。
【0042】
ベース塗料
本発明において、ベース塗料は、不揮発分90重量%において、60℃での粘度Vis(60℃)が10〜1000poiseであり、90℃での粘度Vis(90℃)が1〜500poiseであり、120℃での粘度Vis(120℃)が100〜10000poiseであって、Vis(60℃)/Vis(90℃)が1.5〜10であり、Vis(120℃)/Vis(90℃)が2〜20であることが好ましい。
不揮発分90重量%においてVis(90℃)が1〜500poiseのものを使用することによって、焼き付け過程におけるベース塗料の最低粘度が小さい結果、体積収縮していっても塗膜がフロー性を有することとなり、電着塗膜に対する下地隠蔽性が向上し、優れた仕上がり外観の塗膜を得ることができる。従って、Vis(90℃)が500poiseを超えるものは、焼き付け過程におけるベース塗料の最低粘度が大きく、優れた仕上がり外観の塗膜が得られない。好ましくは、Vis(90℃)が1〜300poise、より好ましくは、1〜200poiseである。
【0043】
不揮発分90重量%においてVis(60℃)が10poise未満である塗料、Vis(90℃)が1poise未満である塗料、及び、Vis(120℃)が100poise未満である塗料は、塗膜外観に劣ったり、塗膜の基本的性能が維持できない場合がある。Vis(60℃)が1000poiseを超えるもの、及び、Vis(120℃)が10000poiseを超えるものは、塗料調製時にはハイソリッド系のベース塗料とすることができないため、焼き付け硬化させた時の体積収縮が大きくなり、優れた仕上がり外観の塗膜を得ることができない。
【0044】
上記ベース塗料は、不揮発分90重量%において、60℃での粘度Vis(60℃)と90℃での粘度Vis(90℃)との比〔Vis(60℃)/Vis(90℃)〕が1.5〜10であり、120℃での粘度Vis(120℃)と90℃での粘度Vis(90℃)との比〔Vis(120℃)/Vis(90℃)〕が2〜20であることが好ましい。
Vis(60℃)/Vis(90℃)が1.5未満であるか、又は、Vis(120℃)/Vis(90℃)が2未満のものは、焼き付け過程におけるベース塗料の最低粘度を小さくすることができないので、優れた仕上がり外観の塗膜を得ることができない。Vis(60℃)/Vis(90℃)が10を超えるか、又は、Vis(120℃)/Vis(90℃)が20を超えるものは、実際には調製が困難である。
【0045】
本発明において、ベース塗料としては、非水ディスパージョン樹脂を含むもの、及び/又は、架橋性重合体微粒子(ミクロゲル)を含むものを好適に使用することができる。
上記非水ディスパージョン樹脂及び架橋性重合体微粒子はともに、粘性付与剤として働くものであり、層間でなじみや反転が生じることを防いで、鮮映性、光沢性の高い塗膜外観を得ることを目的とするものである。しかし、架橋性重合体微粒子は架橋されたものであり、塗膜形成成分とはなり得ないことから、添加量が5重量%以下に限られ、結果として、溶剤による膨潤率の低下に寄与する割合が小さい。一方、非水ディスパージョン樹脂は、SP値の高いコア部分を有する非架橋粒子であり、添加量を高くすることが可能であるので、溶剤による膨潤率の低下に寄与する割合が大きいだけでなく、焼き付け時の最低粘度を小さくすることができ、よって、優れた仕上がり外観の塗膜を得ることができる点から、本発明においては、非水ディスパージョン樹脂を含むものを使用することが好ましい。
【0046】
上記非水ディスパージョン樹脂としては、上述の中塗り塗料において記載した非水ディスパージョン樹脂(c)を挙げることができ、また、上記非水ディスパージョン樹脂とともに使用する樹脂及び硬化剤についても、上述の中塗り塗料において記載したものを挙げることができる。
ベース塗料においては、上記非水ディスパージョン樹脂の配合量は、樹脂固形分総量に対して、固形分で5〜50重量%であることが好ましい。5重量%未満であるか、又は、50重量%を超えると、得られる塗膜の外観が低下する。より好ましいは、18〜45重量%である。
【0047】
上記架橋性重合体微粒子としては、特開平10−5680号公報に記載されているものを使用することができる。具体的には、塗料用の有機溶剤に不溶であり、ある程度架橋されているポリマーからなり、好ましくは平均粒径0.01〜10μmのミクロ粒子であり、塗料中に安定に分散される特性を備えたものである。
平均粒径が0.01μm未満では、生産設備上の困難性が高く、粒子形状の維持も困難になる。10μmを超えると、安定性が低下する。好ましくは、0.01〜1μmである。
【0048】
上記架橋性重合体微粒子の製造方法としては、エチレン性不飽和単量体を架橋性の単量体と水性媒体中で乳化重合させて微粒子共重合体をつくり、溶媒置換、共沸、遠心分離、濾過乾燥等の手段で水を除去する方法;脂肪酸炭化水素等の単量体は溶解するが重合体は溶解しない非水性有機溶媒中で、エチレン性不飽和基を有する単量体を架橋性の単量体と反応させ、得られる微粒子共重合体を分散する方法(NAD法)等、各種の方法が知られており、本発明においては上記の特性を備えたものであればいずれの製法によるものでもよい。
本発明においては、前者の乳化重合により得る方法が好ましいが、なかでも、両イオン性基を分子内に有する単量体を多価アルコール成分の1つとして合成したアルキド樹脂又はポリエステル樹脂等の乳化能を有する樹脂と、重合開始剤との存在下に、水性媒体中で重合性単量体を乳化重合させることにより得られるものがより好ましい。
【0049】
上記の両イオン性基は、−N+ −R−COO- 又は−N+ −R−SO3 - として表され(式中、RはC1 〜C6 の直鎖又は分岐状アルキレン基を表す)、これを分子内に有する単量体としては、2つ以上のヒドロキシル基を有するものを用いることができる。このような単量体としては、ヒドロキシル基含有アミノスルホン型両性イオン化合物が樹脂合成上好ましい。具体的には、ビスヒドロキシエチルタウリン等を挙げることができる。
【0050】
上記の単量体を用いて合成された乳化能を有する両イオン性基を分子内に有する樹脂としては、酸価が30〜150mgKOH/g、好ましくは40〜150mgKOH/g、数平均分子量が500〜5000、好ましくは700〜3000のポリエステル樹脂を好適に用いることができる。上限を超えると、樹脂のハンドリング性が低下し、下限を下回ると塗膜にした場合に乳化能を有する樹脂が脱離したり、耐溶剤性が低下したりする。
【0051】
上記樹脂の存在下で乳化重合させる重合性単量体としては、分子内に2個以上のラジカル重合可能なエチレン性不飽和基を有する単量体を含有させる必要がある。上記分子内に2個以上のラジカル重合可能なエチレン性不飽和基を有する単量体は、全単量体中の0.1〜70重量%の範囲で含有させることが好ましい。この量は、微粒子重合体が溶剤に溶解しないだけの充分な架橋が与えられる程度に選択される。
【0052】
上記分子内に2個以上のラジカル重合可能なエチレン性不飽和基を有する単量体としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
【0053】
上記のようにして得られる架橋性重合体微粒子の添加量は、ベース塗料の固形分に対して、0.5〜5重量%が好ましい。0.5重量%未満であると、架橋性重合体微粒子を添加することによる効果が得られず、5重量%を超えると、得られる塗膜の平滑性が失われ易く、ピンホールも生じ易い。
【0054】
上記架橋性重合体微粒子とともに使用する塗膜形成性樹脂としては特に限定されず、例えば、フェノール樹脂、アクリル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂等が挙げられ、このうち、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂系アルキド樹脂等が好適に使用される。
上記塗膜形成性樹脂に対しては、必要に応じて、メラミン樹脂等のアミノ樹脂;(ブロック)ポリイソシアネート化合物等の架橋剤を含むことができる。
【0055】
本発明において、上記ベース塗料は、光輝性顔料を配合してメタリックベース塗料として用いることもできるし、光輝性顔料を配合せずにレッド、ブルーあるいはブラック等の着色顔料及び/又は体質顔料を配合してソリッド型ベース塗料として用いることもできる。
上記光輝性顔料としては特に限定されず、例えば、金属又は合金等の無着色若しくは着色された金属性光輝材及びその混合物、干渉マイカ粉、着色マイカ粉、ホワイトマイカ粉、グラファイト又は無色有色偏平顔料等を挙げることができる。
分散性に優れ、透明感の高い塗膜を形成することができるため、金属又は合金等の無着色若しくは着色された金属性光輝材及びその混合物が好ましい。その金属の具体例としては、アルミニウム、酸化アルミニウム、銅、亜鉛、鉄、ニッケル、スズ等を挙げることができる。
【0056】
上記光輝性顔料の形状は特に限定されず、更に、着色されていてもよいが、例えば平均粒径(D50)が2〜50μmであり、厚さが0.1〜5μmである鱗片状のものが好ましい。平均粒径10〜35μmの範囲のものが光輝感に優れ、より好ましい。
上記光輝性顔料のベース塗料中の顔料濃度(PWC)は、一般に23重量%以下である。23重量%を超えると、塗膜外観が低下する。好ましくは、0.01〜20重量%であり、より好ましくは、0.01〜18重量%である。
【0057】
上記光輝性顔料以外の顔料としては、中塗り塗料において記載した着色顔料、体質顔料を用いることができる。
上記顔料としては、光輝性顔料、着色顔料及び体質顔料のなかから、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
上記光輝性顔料及びその他の全ての顔料を含めたベース塗料中の顔料濃度(PWC)は、一般的には0.1〜50重量%であり、好ましくは0.5〜40重量%であり、より好ましくは1〜30重量%である。50重量%を超えると塗膜外観が低下する。
【0058】
本発明においては、ベース塗料の塗料形態としては、溶液型のものが好ましく用いられ、溶液型のものとしては有機溶剤型、水性型(水溶性、水分散性、エマルジョン)、非水分散型が挙げられる。
ベース塗料に用いられるその他の添加剤、及び、ベース塗料の調製方法としては、中塗り塗料において例示したものを挙げることができる。
【0059】
クリヤー塗料
クリヤー塗膜は、ベース塗料として光輝性顔料を含むメタリックベース塗料を用いた場合に光輝性顔料に起因するベース塗膜の凹凸、チカチカ等を平滑にしたり、また、ベース塗膜を保護するために形成されるものである。
本発明において、クリヤー塗料は、上記の最低粘度及び硬化開始温度の関係を満たすものであれば特に限定されず、例えば、塗膜形成性樹脂、硬化剤及びその他の添加剤からなるものを挙げることができる。
【0060】
上記塗膜形成性樹脂としては特に限定されず、例えば、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂等が挙げられ、これらはアミノ樹脂及び/又はブロックイソシアネート樹脂等の硬化剤と組み合わせて用いられる。透明性又は耐酸エッチング性等の点から、アクリル樹脂及び/若しくはポリエステル樹脂とアミノ樹脂との組み合わせ、又は、カルボン酸・エポキシ硬化系を有するアクリル樹脂及び/若しくはポリエステル樹脂等を用いることが好ましい。
【0061】
上記クリヤー塗料としては、上述したベース塗料を塗装後、未硬化の状態で塗装するため、層間のなじみや反転、又は、タレ等の防止のため、粘性制御剤を添加剤として含有することが好ましい。上記粘性制御剤の添加量は、クリヤー塗料の樹脂固形分100重量部に対して0.01〜10重量部であり、好ましくは0.02〜8重量部、より好ましくは0.03〜6重量部である。10重量部を超えると、外観が低下し、0.1重量部未満であると、粘性制御効果が得られず、タレ等の不具合を起こす原因となる。
上記クリヤー塗料の塗料形態としては、有機溶剤型、水性型(水溶性、水分散性、エマルジョン)、非水分散型、粉体型のいずれでもよく、また必要により、硬化触媒、表面調整剤等を用いることができる。
上記クリヤー塗料の調製方法としては、中塗り塗料において例示した方法を挙げることができる。
【0062】
基材
本発明の塗膜形成方法は、電着塗装された素材に対して適用されるものである。
上記電着塗装に用いられる電着塗料としては、カチオン型及びアニオン型のものを用いることができる。防食性に優れた塗膜を得ることができる点より、カチオン型のものが好ましい。
電着塗装を行う素材としては特に限定されず、例えば、鉄、銅、アルミニウム、スズ、亜鉛等;これらの金属を含む合金及び鋳造物が挙げられる。具体的には、乗用車、トラック、オートバイ、バス等の自動車車体及び部品が挙げられる。これらの金属は、電着塗装が行われる前に、予めリン酸塩、クロム酸塩等で化成処理されたものが特に好ましい。
【0063】
塗装方法
本発明の塗膜形成方法は、上記の電着塗装された素材の上に、中塗り塗料、ベース塗料及びクリヤー塗料を順次塗装する工程を含むものである。
上記塗装方法としては特に限定されず、例えば、通称「リアクトガン」と言われるエアー静電スプレー;通称「マイクロ・マイクロ(μμ)ベル」、「マイクロ(μ)ベル」、「メタベル」等と言われる回転霧化式の静電塗装機等を用いることにより行うことができる。好ましくは、回転霧化式の静電塗装機等を用いる方法である。
上記ベース塗料を自動車車体等に対して塗装する場合には、意匠性を高めるために、エアー静電スプレーによる多ステージ塗装、好ましくは2ステージで塗装するか、又は、エアー静電スプレーと上記の回転霧化式の静電塗装機とを組み合わせた塗装方法により行うことが好ましい。
【0064】
上記中塗り塗料、ベース塗料及びクリヤー塗料の塗膜の乾燥膜厚は、用途により変化するが、それぞれ、中塗り塗膜5〜40μm、ベース塗膜5〜35μm、クリヤー塗膜10〜70μmである。この乾燥膜厚が上限を超えると、鮮映性が低下したり、塗装時にムラ、流れ等の不具合が起こることがあり、下限を下回ると、下地が隠蔽できず、膜切れが発生したりする。
本発明において、中塗り塗料、ベース塗料及びクリヤー塗料を順次塗装するとは、中塗り塗料、ベース塗料及びクリヤー塗料をウエット・オン・ウエットでこの順番に塗装することを意味するものであり、中塗り塗膜、ベース塗膜及びクリヤー塗膜をそれぞれ別々に100℃以上で焼き付け硬化させるような工程を含まないものであればよい。従って、ベース塗料を塗布する前及び/又はクリヤー塗料を塗布する前に、一定時間室温で放置、又は、例えば60〜100℃未満にて2〜10分間加熱することによって塗膜を予め乾燥させる工程を含んでもよく、このような方法も本発明の一つである。特に、ベース塗料を水性型塗料で用いる場合等には、良好な仕上がり外観が得られることから、クリヤー塗料を塗装する前に、塗膜を予め乾燥させることが好ましい。
【0065】
本発明の塗膜形成方法は、上記のように塗装された中塗り塗料、ベース塗料及びクリヤー塗料の3層を一度に焼き付け硬化させる工程を含むものである。
上記焼き付け硬化させる温度としては、110〜180℃、好ましくは120〜160℃にて行うことによって、高い架橋度の硬化塗膜を得ることができる。180℃を超えると、塗膜が固く脆くなり、110℃未満では硬化が充分ではない。硬化時間は硬化温度により変化するが、120〜160℃で10〜60分間が適当である。
本発明の塗膜形成方法によって得られる複層塗膜の膜厚は、通常30〜300μm、好ましくは50〜250μmである。300μmを超えると、冷熱サイクル等の膜物性が低下し、30μm未満であると、膜自体の強度が低下する。
【0066】
本発明の塗膜形成方法は、下地隠蔽性に優れており、良好な仕上がり外観の塗膜を得ることができる。更に、従来一般的であった3コート2ベーク法におけるよりも、中塗り塗料の焼き付け工程を省くことができるので、塗装工程を短くすることができ、エネルギー消費量も削減できることから、トータルコストとしては大幅に減少させることができる。
【0067】
【実施例】
以下に実施例を掲げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれら実施例のみに限定されるものではない。実施例において、「部」は重量部を表す。
合成例1 アクリル樹脂の合成1
攪拌機、温度制御装置、還流冷却器を備えた容器に、キシレン82部を仕込み、次いで下記の組成の溶液:
メタクリル酸 4.5部
アクリル酸エチル 26.0部
プラクセルFM−1 64.5部
(ダイセル化学工業社製水酸基含有モノマー)
MSD−100 5.0部
(三井東圧化学社製メチルスチレンダイマー)
アゾイソブチロニトリル 13.0部
のうち20部を加え、攪拌しながら加熱し、温度を上昇させた。還流させながら、上記混合溶液の残り93.0部を3時間で滴下し、次いでアゾイソブチロニトリル1.0部、キシレン12部からなる溶液を30分間で滴下した。反応溶液をさらに1時間攪拌還流させたのちに、減圧下で63部の溶剤を留去して反応を終了した。固形分75%、数平均分子量2000のアクリル樹脂ワニス1を得た。
【0068】
合成例2 アクリル樹脂の合成2
攪拌機、温度制御装置、還流冷却器を備えた容器に、トルエン300部及びメチルイソブチルケトン(MIBK)100部を仕込み、攪拌しながら加熱し、温度を上昇させた。温度が105℃に上昇したら還流させながら、下記配合の溶液を3時間で等速滴下した。
スチレン 50.0部
メタクリル酸メチル 300.0部
メタクリル酸エチル 79.0部
アクリル酸エチル 444.0部
メタクリル酸2−ヒドロキシエチル 104.0部
メタクリル酸 23.0部
トルエン 400.0部
t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート 7.0部
30分間エージング後、トルエン200部及びt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート3部からなる溶液を30分間で等速滴下した。反応溶液を更に1時間攪拌還流させて樹脂への変化率を上昇させた後、反応を終了させ、固形分50%、数平均分子量21000のアクリル樹脂ワニス2を得た。
【0069】
合成例3 非水ディスパージョン樹脂の合成
(a)分散安定樹脂の製造
攪拌機、温度制御装置、還流冷却器を備えた容器に、酢酸ブチル90部を仕込み、次いで下記の組成の溶液:
メタクリル酸メチル 38.9部
ステアリルメタクリレート 38.8部
2−ヒドキシエチルアクリレート 22.3部
アゾイソブチロニトリル 5.0部
のうち20部を加え、攪拌しながら加熱し、温度を上昇させた。110℃で上記混合溶液の残り85部を3時間で滴下し、次いでアゾイソブチロニトリル0.5部と酢酸ブチル10部からなる溶液を30分間で滴下した。反応溶液をさらに2時間攪拌還流させて樹脂への変化率を上昇させた後、反応を終了させ、固形分50%、数平均分子量5600、SP値9.5のアクリル樹脂を得た。
【0070】
(b)非水ディスパージョン樹脂の製造
攪拌機、温度制御装置、冷却器を備えた容器に、酢酸ブチル35部を仕込み、上記の(a)分散安定樹脂の製造で得たアクリル樹脂60部を仕込んだ。次に下記組成の溶液:
スチレン 7.0部
メタクリル酸 1.8部
メタクリル酸メチル 12.0部
エチルアクリレート 8.5部
2−ヒドキシエチルアクリレート 40.7部
アゾイソブチロニトリル 1.4部
を100℃で3時間で滴下し、次いで、アゾイソブチロニトリル0.1部と酢酸ブチル1部からなる溶液を30分間で滴下した。反応溶液をさらに1時間攪拌を続けたところ、固形分60%、粒子径0.18μmのエマルジョンを得た。このエマルジョンを酢酸ブチルで希釈し、粘度300cps(25℃)、粒子径0.18μmの非水ディスパージョン樹脂含量40重量%の酢酸ブチル分散体を得た。この非水ディスパージョン樹脂のTgは、23℃、水酸基価は162であった。SP値は、11.8であり、分散安定樹脂であるシェル部分とコア部分とのSP値の差は、2.3であった。
【0071】
実施例1
中塗り塗料の調製
2Lのベッセルに、合成例1で得られたアクリル樹脂ワニス1を328部投入し、続いてCR−93(石原産業社製酸化チタン)973部、FW−200P(デグサ社製カーボンブラック)10部、更に酢酸ブチル159部及びキシレン82部を順に入れた。その後、仕込み全重量と同量のガラスビーズ(品名GB503M、粒径1.6mm)を投入し、卓上SGミルで3時間分散した。グラインドゲージによる分散終了時の粒度は5μm以下であった。最後にキシレンを81.8部添加後、約10分攪拌し、ガラスビーズを濾過して、顔料ペーストとした。
作製したペーストに固形分比が表2の通りになるように、樹脂、非水ディスパージョン樹脂及び硬化剤を配合して、中塗り塗料を調製した。
【0072】
ベース塗料の調製
2Lのベッセルに、合成例1で得られたアクリル樹脂ワニス1を500部、DISPERBYK161(ビッグケミー社製;分散助剤)を320部投入し、続いてモナーク1400(キャボット社製カーボンブラック)10部、更に酢酸ブチル31部及びキシレン31部を順に入れた。その後、仕込み全重量と同量のガラスビーズ(品名GB503M、粒径1.6mm)を投入し、卓上SGミルで3時間分散した。グラインドゲージによる分散終了時の粒度は5μm以下であった。
分散終了後、ガラスビーズを濾過して、顔料ペーストとした。
作製したペーストに固形分比が表2の通りになるように、樹脂、非水ディスパージョン樹脂及び硬化剤を配合して、ベース塗料を調製した。
【0073】
クリヤー塗料
クリヤー塗料としては、不揮発分が48%のMAC O−1330(日本ペイント社製)を使用した。
希釈条件
各塗料は下記の条件で希釈し、塗装した。
(中塗り塗料)
シンナー:EEP(エトキシエチルプロピオネート)/キシレン=9/11
19秒/No.4フォードカップ/20℃
(ベース塗料)
シンナー:EEP/S−100(エクソン社製芳香族系炭化水素溶剤)/酢酸エチル=8/7/5
20秒/No.4フォードカップ/20℃
(クリヤー塗料)
シンナー:EEP/S−150(エクソン社製芳香族系炭化水素溶剤)=1/122秒/No.4フォードカップ/20℃
【0074】
塗装方法
表1に示す塗装条件下、SPCダル鋼板(20cm×30cm×0.8mm)にパワートップV−6(日本ペイント社製カチオン電着塗料)を乾燥膜厚20μmになるように電着塗装したカチオン電着塗装板を、移動板に付着して移動させながら、中塗り塗料を塗装、10分後にベース塗料を塗装、2.5分後に更にもう一度ベース塗料を塗装(2ステージ塗装)、その後20分後にクリヤー塗料を塗装した。塗装した中塗り塗膜、ベース塗膜及びクリヤー塗膜を、140℃で30分間焼き付け硬化させた。
【0075】
【表1】

Figure 0004582875
【0076】
外観評価
塗装した塗板の外観を、ビッグケミー社製ウエーブスキャンのSWの値で評価した。結果を表2に示した。数値の小さいもの程良好な結果が得られたことを表す。
【0077】
塗着NV(不揮発分)測定方法
中塗り塗装、ベース塗装及びクリヤー塗装について別々に操作を行って、下記方法に従って計算した。
器具:重量(w1)を測定したアルミ箔を、5cm×10cmの四角い穴をあけた紙で覆ったものをマスキングテープで鉄板にはりつける。
操作:この鉄板を上記塗装時に塗板に隣接するように移動板に付着させ、塗料塗布後、アルミ箔を鉄板から剥がす。
NV測定:塗料の付着したアルミ箔の重量(w2)を測定後、140℃で30分間乾燥後の重量(w3)を測定する。
計算:下記の式より塗着NV(%)を計算する。
塗着NV(%)=(w3−w1)/(w2−w1)×100
得られた結果を表2に示した。
【0078】
体積収縮率計算方法
体積収縮率(%)を下記式に従って計算する。
体積収縮率(%)={(100−塗着NV)/溶剤比重}/[{(100−塗着NV)/溶剤比重}+(塗着NV/乾燥塗膜比重)}×100
溶剤比重:塗料中の溶剤組成から、中塗り塗料は0.87、ベース塗料は0.86とした。
乾燥塗膜比重:各塗料組成から、中塗り塗料1.64、ベース塗料1.23とした。
得られた結果を表2に示した。
【0079】
粘度測定方法
中塗り塗料をブリキ板にスプレー塗装し、80℃で約5分間加熱後、不揮発分90%近傍の塗料を掻き取った。このサンプルの粘度を、以下の条件にて測定した。
測定機種:UBM社製レオゾルG−3000
測定法:動的粘弾性率測定(正弦波)
測定モード:温度依存性
チャックコーンプレート
コーン直径/角:18.96mm/1.974deg
加振条件:連続加振(周波数1.0Hz/ひずみ 0.5deg)
開始/終了温度:40/150℃
昇温ステップ:2℃/分
トルク/ロードセル:2kg・cm/5kg
得られた粘度の結果を曲線で結んだグラフを図1に示し、60℃、90℃及び120℃での粘度を表2に示した。図1より読み取った最低粘度及び硬化開始温度を表2に示した。
中塗り塗料と同様にして、ベース塗料及びクリヤー塗料についてもそれぞれ粘度を測定し、最低粘度及び硬化開始温度を読み取った。結果を表2及び図1に示した。
【0080】
耐溶剤性試験方法
中塗り塗料及びベース塗料をそれぞれブリキ板上に塗装後(20μm)、80℃×10分乾燥してNVを上げたものを作成し、これに、代表的な塗料溶剤であるS−150、キシロール、EEPを1滴スポットし、30秒静置後約45度傾斜して状態を観察した。
○:変化なし
△:膨潤
×:溶解
得られた結果を表2に示した。
【0081】
比較例1
固形分比が表2の通りになるように、樹脂、非水ディスパージョン樹脂及び硬化剤を配合したこと以外は、実施例1と同様にして、中塗り塗料及びベース塗料を調製して塗装を行い、測定及び評価を行った。
結果を表2及び図2に示した。
【0082】
【表2】
Figure 0004582875
【0083】
表2中、サイメル254はメチル・ブチル混合型メラミン樹脂(三井サイテック社製)である。
実施例1は、中塗り塗料、ベース塗料及びクリヤー塗料の焼き付け過程における最低粘度及び硬化開始温度の関係が適正なものであること、更に、実施例1で使用した中塗り塗料及びベース塗料は、体積収縮率が小さいものであり、非水ディスパージョン樹脂を含むことより耐溶剤性にも優れるものであったことより、3コート1ベーク法で塗装し焼き付け硬化させた場合の仕上がり外観に優れるものであった。
比較例1は、中塗り塗料、ベース塗料及びクリヤー塗料の焼き付け過程における最低粘度が、中塗り塗料よりもベース塗料の方が高くなっていること、また、ベース塗料の体積収縮率が大きく、非水ディスパージョン樹脂を含まない中塗り塗料は耐溶剤性に劣るものであったので溶剤により膨潤すると考えられることより、良好な仕上がり外観は得られなかった。
【0084】
【発明の効果】
本発明の塗膜形成方法により、自動車車体等を3コート1ベーク法で塗装した場合に、優れた仕上がり外観の塗膜を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における、中塗り塗料、ベース塗料及びクリヤー塗料それぞれについての温度に対する粘度の測定結果を示したグラフである。
【図2】比較例1における、中塗り塗料、ベース塗料及びクリヤー塗料それぞれについての温度に対する粘度の測定結果を示したグラフである。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a method for forming a multilayer coating film on an electrodeposition-coated material such as an automobile body, and more specifically, an intermediate coating is applied to an automobile body and the like, and wet-on-wet is applied thereon. The present invention relates to a method of forming a multilayer coating film by a so-called three-coat one-bake coating system in which a base paint and a clear paint are applied by a method and baking and curing is performed at once.
[0002]
[Prior art]
For automobile bodies, etc., the surface of the steel sheet, which is the object to be coated, is subjected to chemical conversion treatment with zinc phosphate as the coating base, followed by undercoating, intermediate coating, and topcoating to form a multilayer coating film Has been.
Of these, the coating process is usually after the undercoat is applied by electrodeposition and baked and cured to form an undercoat, and then the intermediate coat is applied and baked and cured to form the intermediate coat. The top coating is performed, and the undercoating, intermediate coating and top coating are baked and cured separately after each coating.
[0003]
When using the base paint and clear paint as the top coat, apply the intermediate paint and bake and cure, then apply the base paint and clear paint by the wet-on-wet method, and then bake and cure at once. This is performed by the so-called 3-coat 2-bake method.
[0004]
Such a 3-coat 2-bake method has a problem that the total cost is high because of a long painting process and a large energy consumption.
Japanese Examined Patent Publication No. 59-33033 discloses a metallic coating method in which an undercoat is applied by electrodeposition coating and baking is performed, and then an intermediate coating and a metallic coating are applied and baking is performed simultaneously.
However, when this method is carried out using conventional intermediate coating and metallic coating, the intermediate coating and metallic coating are mixed at the interface of the coating, and after baking the intermediate coating, it is once baked and cured. There was a problem that the finished appearance was inferior compared with the coat 2 baking method.
[0005]
By the way, non-aqueous dispersion resin (NAD) is used for metallic coating of equipment, automobiles, etc. because of its low pollution, resource saving, and excellent workability and durability due to its fluidity. I came.
Japanese Patent Application Laid-Open No. 57-177068 discloses a non-aqueous dispersible resin coating composition containing dispersed particles obtained by graft polymerization of a monomer component in the presence of an acrylic copolymer. This is because the dispersed particles are dispersed in the coating film even after curing to form a non-uniform structure, whereby a coating film having excellent surface hardness and impact resistance can be obtained.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
The present invention applies an intermediate coating when applying an electrodeposition-coated material such as an automobile body, and applies a base coating and a clear coating by a wet-on-wet method. An object of the present invention is to provide a method of forming a coating film by simultaneously baking and curing three layers of a clear paint, and capable of obtaining an excellent finished appearance equal to or higher than that of a conventional three-coat two-bake method. It is what.
[0007]
In the case of the conventional three-coat two-bake method in which baking curing is performed after applying the intermediate coating, the present inventors have a high base concealing property, that is, the electrodeposition coating film formed by the electrodeposition coating. Surface roughening has little effect on the base and clear coatings after the intermediate coating has been applied and cured, but it does not bake and cure after applying the intermediate coating. In the case of the 3-coat 1-bake method, in which the base paint and clear paint are applied by the wet method and the three layers are baked and cured simultaneously, the surface concealment is low and the surface of the electrodeposition coating film formed by the electrodeposition paint is rough. However, it was found that the final appearance was greatly affected, and the skin was developed. In order to improve the base concealing property for this electrodeposition coating film, (1) In the process of baking and curing the intermediate coating, base coating and clear coating, the viscosity initially decreases as the temperature rises. When the curing starts, the viscosity starts to rise, but the relationship between the minimum viscosity of each layer and the curing start temperature in this baking process is appropriate, that is, in the baking process, the minimum viscosity of the upper layer of the three layers is The present inventors have found that it is important that the viscosity is lower than the lowest viscosity of the lower layer and that the upper layer has a higher curing start temperature than the lower layer.
[0008]
The present inventors also (2) reduce the solvent swelling rate of the intermediate coating and base paint when the base coating and the clear coating are applied by the wet-on-wet method after the intermediate coating is applied.
(3) In the process of baking and curing the intermediate coating, base coating and clear coating, the solvent volatilizes and the volume of the coating decreases, but this volume shrinkage should be reduced.
It has also been found that a coating film having an excellent finished appearance can be obtained by further improving the base concealing property for the electrodeposition coating film.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
The present invention relates to a coating film forming method comprising a step of sequentially applying an intermediate coating, a base coating and a clear coating on an electrodeposited material, and a step of baking and curing the three coated layers at once. The intermediate coating, the base coating, and the clear coating have a minimum viscosity when the viscosity is measured with respect to temperature at a nonvolatile content of 90% by weight.
Intermediate paint ≥ Base paint ≥ Clear paint
And the curing start temperature is
Intermediate paint ≤ Base paint ≤ Clear paint
It is the coating-film formation method characterized by satisfy | filling the relationship of these.
[0010]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be described in detail.
The method for forming a coating film according to the present invention includes a step of sequentially applying an intermediate coating, a base coating, and a clear coating on an electrodeposited material, and a step of baking and curing the three coated layers at a time. It will be.
[0011]
In the present invention, the intermediate coating, the base coating, and the clear coating have a minimum viscosity when the viscosity is measured with respect to temperature at a nonvolatile content of 90% by weight.
Intermediate paint ≥ Base paint ≥ Clear paint
And the curing start temperature is
Intermediate paint ≤ Base paint ≤ Clear paint
It satisfies the relationship. By satisfying the above relationship, in the baking and curing process, among the three coated layers, the lowest viscosity is lower as the upper layer and the curing start temperature is higher as the upper layer. As a result, the upper layer has flowability even when the lower layer begins to cure. Then, since the curing starts later than the lower layer, the base concealing property can be improved, and the appearance of the obtained coating film becomes excellent.
[0012]
In the present invention, the minimum viscosity and the curing start temperature are measured at various temperatures at a nonvolatile content of 90% by weight of the paint, and the minimum viscosity and the temperature at the minimum viscosity are read from the measured values. It is a thing. This measurement is performed separately for the intermediate coating, base coating, and clear coating. Examples of the temperature to be measured include a range of 40 to 150 ° C.
In the present invention, the viscosity at a nonvolatile content of 90% by weight means a viscosity at a nonvolatile content of 90 ± 2% by weight.
Moreover, in this invention, a viscosity means what is measured as a dynamic viscoelastic modulus with respect to a sine wave stress, For example, it can measure using the Resol G-3000 made from UBM.
[0013]
In the case of a solution type, the non-volatile content of the intermediate coating material, base coating material and clear coating material of the present invention is preferably 40 to 70% by weight, 30 to 60% by weight and 40 to 70% by weight at the time of coating. If the value falls below the lower limit, a high solid paint cannot be obtained, and not only the minimum viscosity and the curing start temperature satisfying the above-mentioned relationship cannot be obtained at a nonvolatile content of 90% by weight. In some cases, the viscosity value measured at 90% by weight has no lowest point, and furthermore, the volume shrinkage during bake-curing increases, so that the finished appearance of the resulting coating film is inferior. When the value exceeds the upper limit, the viscosity is too high, so that the appearance of the coating film may be inferior or workability may be lowered. More preferably, the intermediate coating material is 45 to 60% by weight, the base coating material is 40 to 50% by weight, and the clear coating material is 45 to 60% by weight.
[0014]
The intermediate coating, base coating and clear coating preferably have a volume shrinkage of 45% or less when cured at 140 ° C. for 30 minutes after coating. If it exceeds 45%, the electrodeposition coating film may be inferior in the base concealing property, and as a result, a coating film having a good finished appearance may not be obtained. More preferably, it is 40% or less.
In the present invention, the volume shrinkage when cured at 140 ° C. for 30 minutes can be determined by the following equation.
Volume shrinkage (%) = {(100-coating NV) / solvent specific gravity} / [{(100-coating NV) / solvent specific gravity} + (coating NV / dry coating specific gravity)} × 100
(In the formula, the coating NV is W1 when the weight of the object to be coated is W1, the weight of the object to which the paint is attached is W2, and the weight after drying at 140 ° C. for 30 minutes is W3.
Coating NV (%) = (W3-W1) / (W2-W1) × 100
Represents the value of the non-volatile content obtained by. The solvent specific gravity represents the specific gravity of the solvent contained in each paint. The dry film specific gravity is the specific gravity of the non-volatile content in each paint, and is a value obtained by calculation from the specific gravity of each component and its ratio. )
[0015]
Intermediate coating
In the present invention, the intermediate coating has a viscosity Vis (60 ° C.) at 60 ° C. of 10 to 1000 poise and a viscosity Vis (90 ° C.) at 90 ° C. of 1 to 500 poise at a nonvolatile content of 90% by weight. The viscosity Vis (120 ° C.) at 120 ° C. is preferably 100 to 10,000 poise.
By using a non-volatile component of 90% by weight with Vis (90 ° C.) of 1 to 500 poise, the minimum viscosity of the intermediate coating in the baking process is small. Thus, the base concealing property for the electrodeposition coating film is improved, and a coating film having an excellent finished appearance can be obtained. Therefore, when Vis (90 ° C.) exceeds 500 poise, the minimum viscosity of the intermediate coating in the baking process is large, and a coating film having an excellent finished appearance cannot be obtained. Preferably, Vis (90 ° C.) is 1 to 300 poise, more preferably 1 to 200 poise.
[0016]
A paint having a non-volatile content of 90% by weight having a Vis (60 ° C.) of less than 10 poise, a paint having a Vis (90 ° C.) of less than 1 poise, and a paint having a Vis (120 ° C.) of less than 100 poise have poor coating appearance. Or the basic performance of the coating film may not be maintained. Those whose Vis (60 ° C.) exceeds 1000 poise and those whose Vis (120 ° C.) exceeds 10,000 poise cannot be made into a high-solid-type intermediate coating at the time of coating preparation. The coating film having an excellent finished appearance cannot be obtained.
[0017]
The intermediate coating composition of the present invention has a ratio of the viscosity Vis (60 ° C.) at 60 ° C. to the viscosity Vis (90 ° C.) at 90 ° C. [Vis (60 ° C.) / Vis (90 ° C. )] Is 1.5 to 10, and the ratio of the viscosity Vis (120 ° C.) at 120 ° C. to the viscosity Vis (90 ° C.) at 90 ° C. [Vis (120 ° C.) / Vis (90 ° C.)] is 2 It is preferably ~ 30.
If Vis (60 ° C.) / Vis (90 ° C.) is less than 1.5 or Vis (120 ° C.) / Vis (90 ° C.) is less than 2, the minimum viscosity of the intermediate coating in the baking process Since it cannot be made small, a coating film having an excellent finished appearance cannot be obtained. If Vis (60 ° C.) / Vis (90 ° C.) exceeds 10, or Vis (120 ° C.) / Vis (90 ° C.) exceeds 30, it is actually difficult to prepare.
[0018]
In the present invention, as the intermediate coating material, a resin comprising a hydroxyl group-containing resin (a), a curing agent (b) capable of reacting with a hydroxyl group, and a non-aqueous dispersion resin (c) can be preferably used.
By using the intermediate coating material containing the non-aqueous dispersion resin (c), the solvent swelling rate of the intermediate coating material due to the solvent contained in the base coating material is reduced, and the intermediate coating material and the base coating material are coated. Since mixing at the interface can be prevented, a coating film having a more excellent finished appearance can be obtained.
[0019]
The hydroxyl group-containing resin (a) means a hydroxyl group-containing resin that dissolves in a medium used for an intermediate coating, and examples thereof include an acrylic resin and / or a polyester resin. It is preferable to use an acrylic resin from the viewpoint that the SP value can be designed high.
As said polyester resin, what consists of a polyol and polycarboxylic acid or its anhydride can be used.
[0020]
The hydroxyl group-containing resin (a) preferably has a hydroxyl value of 50 to 250, an acid value of 1 to 50 mgKOH / g, and an SP value of 9.5 to 12. If the hydroxyl value, acid value, and SP value exceed the upper limits of these ranges, the water resistance in the case of coating is reduced. When the hydroxyl value and the acid value are less than the lower limit, the curability of the paint is lowered, and when the SP value is less than the lower limit, familiarity with the base paint occurs.
As for the number average molecular weight of the said hydroxyl-containing resin (a), 1000-10000 are mentioned, However, 1100-5000 are preferable, More preferably, it is 1200-3000. By using a material having a number average molecular weight within this range, the intermediate coating can be made into a high solid system, so that it is possible not only to obtain an intermediate coating having the above viscosity range, but also bake hardening. The volume shrinkage when it is made small, and the finished appearance of the coating film can be improved.
[0021]
In the present specification, the SP value is called a solubility parameter and indicates a measure of solubility. SP values are reported by SUH, CLARKE, J.A. Polymer Science, A-1, Vol. 5, pages 1671-1681 (1967) can be used for calculation.
That is, at a measurement temperature of 20 ° C., 0.5 g of resin as a sample is weighed into a 100 mL beaker, 10 mL of a good solvent is added using a whole pipette, and dissolved with a magnetic stirrer. Dioxane and acetone are used as good solvents, and n-hexane and ion-exchanged water are used as poor solvents. In the cloud point measurement, a poor solvent is dropped using a 50 mL burette, and the point at which turbidity is generated is defined as a drop amount. The SP value δ of the resin can be calculated by the following equation.
δ = (Vml 1/2 δml+ Vmh 1/2 δmh) / (Vml 1/2 + Vmh 1/2 )
Vm = V1 V2 / (Φ1 V2 + Φ2 V1 )
δm = Φ1 δ1 + Φ2 δ2
Vi : Molecular volume of solvent (mL / mol)
φi : Volume fraction of each solvent at cloud point
δi : SP value of solvent
ml: Low SP value poor solvent mixed system
mh: high SP value poor solvent mixed system
[0022]
It is preferable that the said hydroxyl-containing resin (a) is contained 10 to 70weight% with solid content with respect to the resin solid content total amount. If it is less than 10% by weight, the resulting coating film becomes brittle or the appearance of the coating film deteriorates, resulting in poor basic performance of the coating film. If it exceeds 70% by weight, the blending ratio of the non-aqueous dispersion resin (c) decreases, and as a result, the finished appearance of the coating film decreases. Preferably, it is 10 to 50% by weight, more preferably 20 to 50% by weight.
[0023]
The intermediate coating material contains a curing agent (b) that can react with a hydroxyl group.
It does not specifically limit as said hardening | curing agent (b), For example, a melamine resin and / or block isocyanate resin etc. are mentioned.
It is preferable that the said hardening | curing agent (b) is 10-70 weight% in solid content with respect to resin solid content total amount. If it is less than 10% by weight, curing may be insufficient and the physical properties of the coating film are poor. Even if it exceeds 70% by weight, it is uneconomical, and the finished appearance of the coating film is deteriorated. More preferably, it is 20 to 50% by weight.
The combination of the hydroxyl group-containing resin (a) and the curing agent (b) capable of reacting with a hydroxyl group is not particularly limited, but an acrylic resin and / or a polyester resin and a melamine resin are combined from the viewpoint of pigment dispersibility and workability. It is preferable.
[0024]
The intermediate coating material contains a non-aqueous dispersion resin (c).
The non-aqueous dispersion resin (c) is composed of a core portion having a high SP value and a shell portion having a low SP value. Since the core part has a high SP value, it is insoluble in the solvent in the paint. As a result, the swelling rate due to the solvent can also be reduced, and color reversion caused by delicate mixing with the base coating film. Can be prevented. The shell portion having a low SP value serves as a dispersion stabilizer. Furthermore, since this non-aqueous dispersion resin (c) is non-crosslinked particles, the minimum viscosity at the time of baking can be reduced. Further, the particles themselves can also be crosslinked by the curing agent (b) capable of reacting with the hydroxyl group, and in this case, it can be a coating film forming component, so that the addition amount can be increased. Therefore, the non-aqueous dispersion resin (c) can provide a coating film appearance that has a large background concealing property of the electrodeposited coating film, can suppress uneven skin, and has high definition and glossiness.
[0025]
The non-aqueous dispersion resin (c) preferably has an SP value of 11 to 14, and a difference in SP value between the core portion and the shell portion of 0.5 to 3. If the difference in SP value is less than 0.5, the non-volatile content of the paint cannot be reduced, so that it will swell and swell, and the viscosity control effect of the core part will be low. In addition, a familiarity with the base paint occurs, and a coating film having an excellent finished appearance cannot be obtained. When the SP value difference exceeds 3, dispersion may become unstable and separation may occur, or the intermediate coating material and the base coating material may be mixed to cause inversion or cracking. Preferably, the difference in SP value is 1 to 3.
The relationship between the SP value of the hydroxyl group-containing resin (a) and the SP value of the non-aqueous dispersion resin (c) is that the compatibility with the base paint can be suppressed, so that the non-aqueous dispersion resin (c) A higher SP value is preferred.
[0026]
The non-aqueous dispersion resin (c) has a hydroxyl value of 100 to 400, preferably 130 to 300. If it is less than 100, the curability of the coating is lowered, and if it exceeds 400, the water resistance may be lowered.
As an acid value, it is 0-200 mgKOH / g, Preferably it is 0-50 mgKOH / g. When it exceeds 200 mgKOH / g, the water resistance when formed into a coating film is lowered.
Average particle size (D50) Is 0.05 to 5 μm, preferably 0.05 to 1 μm.
If it is less than 0.05 μm, the non-volatile content of the paint is reduced, and if it exceeds 5 μm, the viscosity control effect is inferior and the appearance is poor.
The dispersion stabilizing resin preferably has a Tg of 30 ° C. or lower. When it exceeds 30 degreeC, it is inferior to the coating-film external appearance, and chipping resistance will fall.
[0027]
The non-aqueous dispersion resin (c) is prepared as non-crosslinked resin particles insoluble in the mixed solution by copolymerizing a polymerizable monomer in the mixed solution of the dispersion stabilizing resin and the organic solvent. Can do. The dispersion-stable resin constitutes the shell portion, and the copolymerized polymerizable monomer constitutes the core portion.
[0028]
As the polymerizable monomer, a monomer having a functional group is preferable. The monomer having a functional group can react with the curing agent (b) capable of reacting with the above hydroxyl group to form a coating film that is three-dimensionally crosslinked.
Typical examples of the polymerizable monomer having the functional group are as follows. Examples of those having a hydroxyl group include hydroxyethyl (meth) acrylate, hydroxypropyl (meth) acrylate, hydroxybutyl (meth) acrylate, hydroxymethyl (meth) acrylate, allyl alcohol, and hydroxyethyl (meth) acrylate. And an adduct of ε-caprolactone.
[0029]
On the other hand, those having an acid group include those having a carboxyl group, a sulfonic acid group, etc. Examples of those having a carboxyl group include (meth) acrylic acid, crotonic acid, ethacrylic acid, propylacrylic acid, Examples include isopropylacrylic acid, itaconic acid, maleic anhydride, fumaric acid and the like. Examples of those having a sulfonic acid group include t-butylacrylamide sulfonic acid. When using the polymerizable monomer which has an acid group, it is preferable that a part of acid group is a carboxyl group.
Furthermore, glycidyl group-containing unsaturated monomers such as glycidyl (meth) acrylate, isocyanate group-containing unsaturated monomers such as m-isopropenyl-α, α-dimethylbenzyl isocyanate, isocyanatoethyl acrylate, etc. It is done.
[0030]
Other polymerizable monomers include, for example, methyl (meth) acrylate, ethyl (meth) acrylate, isopropyl (meth) acrylate, n-propyl (meth) acrylate, and n-butyl (meth) acrylate. , T-butyl (meth) acrylate, isobutyl (meth) acrylate, 2-ethylhexyl (meth) acrylate, n-octyl (meth) acrylate, lauryl (meth) acrylate, stearyl (meth) acrylate, methacryl (Meth) acrylic acid alkyl esters such as tridecyl acid; addition reaction product of oil fatty acid and acrylic acid or methacrylic acid ester monomer having oxirane structure (for example, addition reaction product of stearic acid and glycidyl methacrylate); CThree Addition reaction product of oxirane compound containing alkyl group and acrylic acid or methacrylic acid; styrene, α-methylstyrene, o-methylstyrene, m-methylstyrene, p-methylstyrene, pt-butylstyrene; Methacrylic acid benzyl; itaconic acid ester (dimethyl itaconate, etc.); maleic acid ester (dimethyl maleate, etc.); fumarate ester (dimethyl fumarate, etc.); acrylonitrile, methacrylonitrile; methyl isopropenyl ketone; Vinyl acetate; Veova monomer (trade name, manufactured by Shell Chemical Co., Ltd.), vinyl propionate, vinyl pivalate, vinyl propionate; ethylene, propylene, butadiene, N, N-dimethylaminoethyl acrylate, N, N-dimethylaminoethyl methacrylate, acrylic Ruamido, vinylpyridine, and the like.
The polymerizable monomer may be used alone or in combination of two or more from among those having a functional group and other monomers.
[0031]
The polymerizable monomer is preferably copolymerized in the presence of a radical polymerization initiator. Examples of radical polymerization initiators include azo initiators such as 2,2′-azobisisobutyronitrile and 2,2′-azobis (2,4-dimethylvaleronitrile); benzoyl peroxide, lauryl peroxide And peroxide initiators such as t-butyl peroctoate. The amount of these initiators used is preferably 0.2 to 10 parts by weight, preferably 0.5 to 5 parts by weight per 100 parts by weight of the total polymerizable monomers. In general, the polymerization reaction in the organic solvent containing the dispersion-stable resin is preferably performed in a temperature range of about 60 to 160 ° C. for about 1 to 15 hours.
[0032]
The dispersion stable resin that is present when copolymerizing the polymerizable monomer is not particularly limited as long as it can stably synthesize a non-aqueous dispersion resin in an organic solvent. Specifically, the hydroxyl value is 10 to 250, preferably 20 to 180. If it is less than 10, curability, adhesion, stability and the like are lowered, and if it exceeds 250, dispersion becomes unstable.
An acid value is 0-100 mgKOH / g, Preferably it is 0-50 mgKOH / g. When it exceeds 100 mgKOH / g, the water resistance in the case of coating is lowered.
As a number average molecular weight, 2000-10000 are preferable. If it is less than 2000, the dispersion becomes unstable, and if it exceeds 10,000, the non-volatile content of the paint decreases.
[0033]
The method for producing the dispersion stable resin is not particularly limited, and preferable examples include a method obtained by radical polymerization in the presence of a radical polymerizable initiator, a method obtained by a condensation reaction or an addition reaction, and the like.
As the dispersion stabilizing resin, acrylic resin, polyester resin, polyether resin, polycarbonate resin, polyurethane resin, or the like can be used.
The monomer used to obtain the dispersion-stable resin can be appropriately selected according to the characteristics of the resin, and has a functional group such as a hydroxyl group or an acid group used for the polymerizable monomer. Monomers are preferably used, and those having a functional group such as a glycidyl group or an isocyanate group may be used as necessary. The monomer having a functional group can form a three-dimensionally crosslinked coating film by reacting the obtained non-aqueous dispersion resin with the curing agent (b).
[0034]
The monomer used for obtaining the dispersion-stable resin preferably has a side chain having 10 or more carbon atoms and is contained in an amount of 10 to 50% by weight based on the total amount of the monomer.
When the amount is less than 10% by weight, familiarity with the base paint occurs. If it exceeds 50% by weight, separation may occur in the intermediate coating, or the intermediate coating and the base coating may be mixed to cause inversion or cracking.
[0035]
Furthermore, it is preferable that the monomer has a hydrophilic group in an amount of 20 to 50% by weight based on the total amount of the polymerizable monomer. If it is less than 20% by weight, the curability, adhesion and stability may be inferior. If it exceeds 50% by weight, the dispersibility may become unstable.
Examples of the hydrophilic group include a hydroxyl group, a carboxyl group, an amide group, and an ether group.
[0036]
The ratio of the dispersion stabilizer and the polymerizable monomer can be arbitrarily selected according to the purpose. For example, the dispersion stabilizing resin is 3 to 80% by weight based on the total weight of both components, Preferably it is 5 to 60% by weight, and the polymerizable monomer is 97 to 20% by weight, preferably 95 to 40% by weight. Furthermore, the total concentration of the dispersion stabilizer and the polymerizable monomer in the organic solvent is 30 to 80% by weight, preferably 40 to 60% by weight, based on the total weight.
[0037]
The non-aqueous dispersion resin (c) thus obtained is preferably contained in a solid content of 18 to 50% by weight with respect to the total resin solid content. If it is less than 18% by weight or exceeds 50% by weight, the appearance of the resulting coating film is deteriorated. More preferably, it is 23 to 45% by weight.
[0038]
The intermediate coating paint usually contains a pigment.
It is preferable that the said pigment is contained by 10 to 70 weight% with respect to the total amount of a pigment and resin solid content. In the present specification, the resin solid content means the total amount of the solid content of the hydroxyl group-containing resin (a), the curing agent (b) capable of reacting with a hydroxyl group, and the non-aqueous dispersion resin (c). If it is less than 10% by weight, the resulting intermediate coating cannot be made into a high solid type, and when it is baked and cured, the volume shrinkage becomes large and the finished appearance may be inferior. When it exceeds 70% by weight, the appearance of the coating film is deteriorated because of too much pigment.
[0039]
The pigment is not particularly limited, and examples thereof include those used in conventional intermediate coatings. For example, azo chelate pigments, insoluble azo pigments, condensed azo pigments, phthalocyanine pigments, indigo pigments, perinone pigments, perylene Organic pigments such as pigments, dioxane pigments, quinacridone pigments, isoindolinone pigments, metal complex pigments; inorganic pigments such as chrome yellow, yellow iron oxide, red iron oxide, carbon black, titanium dioxide, etc. . Furthermore, extender pigments such as calcium carbonate, barium sulfate, clay and talc; flat pigments such as aluminum powder and mica powder may be used in combination.
As the above pigment, a standard gray-based intermediate coating with carbon black and titanium dioxide as main pigments can be used, or a so-called color that combines a top coating with a set gray that combines lightness or hue, and various colored pigments. An intermediate coating can also be used.
[0040]
The intermediate coating material can be added with conventionally known additives such as a viscosity control agent, an anti-waxing agent, a dilution solvent, and the like.
Examples of the viscosity control agent include fatty acid amide swelling dispersions, amide fatty acids, polyamides such as long chain polyaminoamide phosphates; polyethylenes such as colloidal swelling dispersions of oxidized polyethylene; organic acids Organic bentonite type materials such as smectite clay and montmorillonite; inorganic pigments such as aluminum silicate and barium sulfate; and flat pigments that develop viscosity depending on the shape of the pigment.
[0041]
In the present invention, as the coating form of the intermediate coating, a solution type is preferably used. As the solution type, an organic solvent type, an aqueous type (water-soluble, water-dispersible, emulsion), and a non-aqueous dispersion type are used. Is mentioned.
The intermediate coating material is prepared by kneading a hydroxyl group-containing resin (a), a curing agent (b) capable of reacting with a hydroxyl group and a non-aqueous dispersion resin (c), a pigment and other components using a kneader, a roll, or the like. , And the like can be obtained by methods well known to those skilled in the art.
[0042]
Base paint
In the present invention, the base paint has a non-volatile content of 90% by weight, a viscosity Vis (60 ° C.) at 60 ° C. of 10 to 1000 poise, a viscosity Vis at 90 ° C. (90 ° C.) of 1 to 500 poise, and 120 Viscosity Vis (120 ° C.) at 100 ° C. is 100 to 10000 poise, Vis (60 ° C.) / Vis (90 ° C.) is 1.5 to 10, Vis (120 ° C.) / Vis (90 ° C.) is 2 It is preferably ~ 20.
By using a non-volatile content of 90% by weight with Vis (90 ° C.) of 1 to 500 poise, the minimum viscosity of the base paint in the baking process is small, and as a result, the coating has flowability even if the volume shrinks. Thus, the base concealing property for the electrodeposition coating film is improved, and a coating film having an excellent finished appearance can be obtained. Therefore, when Vis (90 ° C.) exceeds 500 poise, the minimum viscosity of the base paint in the baking process is large, and a coating film having an excellent finished appearance cannot be obtained. Preferably, Vis (90 ° C.) is 1 to 300 poise, more preferably 1 to 200 poise.
[0043]
A paint having a non-volatile content of 90% by weight having a Vis (60 ° C.) of less than 10 poise, a paint having a Vis (90 ° C.) of less than 1 poise, and a paint having a Vis (120 ° C.) of less than 100 poise have poor coating appearance. Or the basic performance of the coating film may not be maintained. When Vis (60 ° C.) exceeds 1000 poise and Vis (120 ° C.) exceeds 10,000 poise, it cannot be used as a high solid base paint at the time of coating preparation. It becomes large and a coating film having an excellent finished appearance cannot be obtained.
[0044]
The base paint has a ratio [Vis (60 ° C.) / Vis (90 ° C.)] of the viscosity Vis (60 ° C.) at 60 ° C. and the viscosity Vis (90 ° C.) at 90 ° C. at a nonvolatile content of 90% by weight. The ratio of the viscosity Vis (120 ° C.) at 120 ° C. to the viscosity Vis (90 ° C.) at 90 ° C. (Vis (120 ° C.) / Vis (90 ° C.)) is 2 to 20 Preferably there is.
When Vis (60 ° C.) / Vis (90 ° C.) is less than 1.5 or Vis (120 ° C.) / Vis (90 ° C.) is less than 2, the minimum viscosity of the base paint in the baking process is reduced. Therefore, it is impossible to obtain a coating film having an excellent finished appearance. If Vis (60 ° C.) / Vis (90 ° C.) exceeds 10, or Vis (120 ° C.) / Vis (90 ° C.) exceeds 20, it is actually difficult to prepare.
[0045]
In the present invention, as the base paint, one containing a non-aqueous dispersion resin and / or one containing crosslinkable polymer fine particles (microgel) can be suitably used.
Both the non-aqueous dispersion resin and the cross-linkable polymer fine particles function as a viscosity imparting agent, and prevent the familiarity and inversion between the layers from occurring to obtain a coating film appearance with high definition and gloss. It is intended. However, since the cross-linkable polymer fine particles are cross-linked and cannot be a coating film forming component, the addition amount is limited to 5% by weight or less, and as a result, contributes to a decrease in swelling rate due to the solvent. The ratio is small. On the other hand, the non-aqueous dispersion resin is a non-crosslinked particle having a core portion having a high SP value, and the amount added can be increased, so that not only a large proportion of the solvent contributes to a decrease in swelling rate. In the present invention, it is preferable to use one containing a non-aqueous dispersion resin from the viewpoint that the minimum viscosity at the time of baking can be reduced, and thus a coating film having an excellent finished appearance can be obtained.
[0046]
Examples of the non-aqueous dispersion resin include the non-aqueous dispersion resin (c) described in the above-mentioned intermediate coating, and the resin and curing agent used together with the non-aqueous dispersion resin are also described above. The materials described in the intermediate coating material can be mentioned.
In the base paint, the blending amount of the non-aqueous dispersion resin is preferably 5 to 50% by weight based on the total solid content of the resin. When the amount is less than 5% by weight or exceeds 50% by weight, the appearance of the obtained coating film is deteriorated. More preferably, it is 18 to 45% by weight.
[0047]
As the cross-linkable polymer fine particles, those described in JP-A-10-5680 can be used. Specifically, it is made of a polymer that is insoluble in organic solvents for paints and is crosslinked to some extent, and is preferably microparticles having an average particle size of 0.01 to 10 μm, and has a property of being stably dispersed in the paint. It is provided.
When the average particle size is less than 0.01 μm, the difficulty in production facilities is high, and it is difficult to maintain the particle shape. When it exceeds 10 μm, the stability is lowered. Preferably, it is 0.01-1 micrometer.
[0048]
As a method for producing the crosslinkable polymer fine particles, an ethylenically unsaturated monomer is emulsion-polymerized in a crosslinkable monomer and an aqueous medium to form a fine particle copolymer, and solvent substitution, azeotropic distillation, and centrifugal separation are performed. , A method of removing water by means such as filtration and drying; a monomer having an ethylenically unsaturated group is crosslinkable in a non-aqueous organic solvent in which a monomer such as a fatty acid hydrocarbon is dissolved but a polymer is not dissolved Various methods are known, such as a method of reacting with the above monomer and dispersing the resulting fine particle copolymer (NAD method). In the present invention, any method can be used as long as it has the above-mentioned characteristics. It may be due to.
In the present invention, the former method obtained by emulsion polymerization is preferred. Among them, emulsification of alkyd resin or polyester resin synthesized with a monomer having a zwitterionic group in the molecule as one of the polyhydric alcohol components. Those obtained by emulsion polymerization of a polymerizable monomer in an aqueous medium in the presence of a resin having a function and a polymerization initiator are more preferred.
[0049]
The above zwitterionic group is -N+ -R-COO- Or -N+ -R-SOThree - Where R is C1 ~ C6 As the monomer having this in the molecule, one having two or more hydroxyl groups can be used. As such a monomer, a hydroxyl group-containing aminosulfone-type zwitterionic compound is preferable for resin synthesis. Specific examples include bishydroxyethyl taurine.
[0050]
The resin having an emulsifying ability zwitterionic group synthesized using the above monomer in the molecule has an acid value of 30 to 150 mgKOH / g, preferably 40 to 150 mgKOH / g, and a number average molecular weight of 500. A polyester resin of ˜5000, preferably 700 to 3,000 can be suitably used. If the upper limit is exceeded, the handling properties of the resin will be reduced, and if it is lower than the lower limit, the resin having emulsifying ability will be detached or the solvent resistance will be reduced.
[0051]
As the polymerizable monomer to be emulsion polymerized in the presence of the resin, it is necessary to contain a monomer having two or more radically polymerizable ethylenically unsaturated groups in the molecule. The monomer having two or more radically polymerizable ethylenically unsaturated groups in the molecule is preferably contained in the range of 0.1 to 70% by weight in the total monomers. This amount is selected to the extent that sufficient crosslinking is provided so that the particulate polymer does not dissolve in the solvent.
[0052]
Examples of the monomer having two or more radically polymerizable ethylenically unsaturated groups in the molecule include ethylene glycol di (meth) acrylate, diethylene glycol di (meth) acrylate, and trimethylolpropane di (meth) acrylate. , Trimethylolpropane tri (meth) acrylate, glycerin di (meth) acrylate, and the like.
[0053]
The addition amount of the crosslinkable polymer fine particles obtained as described above is preferably 0.5 to 5% by weight based on the solid content of the base paint. If it is less than 0.5% by weight, the effect of adding the crosslinkable polymer fine particles cannot be obtained, and if it exceeds 5% by weight, the smoothness of the resulting coating film is easily lost and pinholes are also likely to occur. .
[0054]
The film-forming resin used together with the crosslinkable polymer fine particles is not particularly limited, and examples thereof include phenol resins, acrylic resins, alkyd resins, epoxy resins, polyester resins, fluororesins, and among these, acrylic resins Polyester resins, alkyd resins, epoxy resin alkyd resins and the like are preferably used.
If necessary, the coating film-forming resin can contain an amino resin such as a melamine resin; and a crosslinking agent such as a (block) polyisocyanate compound.
[0055]
In the present invention, the base paint can be used as a metallic base paint by blending a bright pigment, or a colored pigment such as red, blue or black and / or an extender pigment without blending a bright pigment. It can also be used as a solid-type base paint.
The glitter pigment is not particularly limited, and examples thereof include non-colored or colored metallic glitter materials such as metals or alloys and mixtures thereof, interference mica powder, colored mica powder, white mica powder, graphite, or colorless colored flat pigment. Etc.
Since it is excellent in dispersibility and can form a highly transparent coating film, non-colored or colored metallic glitter materials such as metals or alloys and mixtures thereof are preferred. Specific examples of the metal include aluminum, aluminum oxide, copper, zinc, iron, nickel, tin and the like.
[0056]
The shape of the glitter pigment is not particularly limited, and may be further colored. For example, the average particle diameter (D50) Is 2 to 50 μm, and a scale-like one having a thickness of 0.1 to 5 μm is preferable. Those having an average particle size in the range of 10 to 35 μm are more preferable because of excellent glitter.
The pigment concentration (PWC) in the base paint of the glitter pigment is generally 23% by weight or less. When it exceeds 23% by weight, the appearance of the coating film is deteriorated. Preferably, it is 0.01-20 weight%, More preferably, it is 0.01-18 weight%.
[0057]
As the pigment other than the glitter pigment, the color pigments and extender pigments described in the intermediate coating can be used.
As said pigment, it can be used 1 type or in combination of 2 or more types among a luster pigment, a coloring pigment, and an extender pigment.
The pigment concentration (PWC) in the base paint including the glitter pigment and all other pigments is generally 0.1 to 50% by weight, preferably 0.5 to 40% by weight, More preferably, it is 1 to 30% by weight. When it exceeds 50% by weight, the appearance of the coating film is deteriorated.
[0058]
In the present invention, the paint form of the base paint is preferably a solution type, and as the solution type, there are an organic solvent type, an aqueous type (water-soluble, water-dispersible, emulsion), and a non-aqueous dispersion type. Can be mentioned.
Examples of other additives used in the base coating material and the method for preparing the base coating material include those exemplified in the intermediate coating material.
[0059]
Clear paint
The clear coating is used to smooth the unevenness and flickering of the base coating caused by the bright pigment when the metallic base coating containing the bright pigment is used as the base coating, and to protect the base coating. Is formed.
In the present invention, the clear coating is not particularly limited as long as it satisfies the relationship between the minimum viscosity and the curing start temperature, and examples thereof include those composed of a film-forming resin, a curing agent, and other additives. Can do.
[0060]
The film-forming resin is not particularly limited, and examples thereof include acrylic resins, polyester resins, epoxy resins, urethane resins, and the like. These are used in combination with a curing agent such as an amino resin and / or a blocked isocyanate resin. . From the viewpoint of transparency or acid etching resistance, it is preferable to use a combination of an acrylic resin and / or a polyester resin and an amino resin, or an acrylic resin and / or a polyester resin having a carboxylic acid / epoxy curing system.
[0061]
As the clear paint, since the base paint described above is applied in an uncured state, it is preferable to contain a viscosity control agent as an additive in order to prevent familiarity, reversal or sagging between layers. . The addition amount of the viscosity control agent is 0.01 to 10 parts by weight, preferably 0.02 to 8 parts by weight, more preferably 0.03 to 6 parts by weight, based on 100 parts by weight of the resin solid content of the clear paint. Part. When the amount exceeds 10 parts by weight, the appearance is deteriorated, and when the amount is less than 0.1 parts by weight, the viscosity control effect cannot be obtained, causing problems such as sagging.
The clear coating composition may be any of organic solvent type, aqueous type (water-soluble, water-dispersible, emulsion), non-aqueous dispersion type, and powder type. If necessary, a curing catalyst, a surface conditioner, etc. Can be used.
Examples of the method for preparing the clear coating include the methods exemplified in the intermediate coating.
[0062]
Base material
The coating film forming method of the present invention is applied to an electrodeposition-coated material.
As the electrodeposition paint used for the electrodeposition coating, a cation type and an anion type can be used. From the viewpoint that a coating film excellent in corrosion resistance can be obtained, a cationic type is preferable.
It does not specifically limit as a raw material which performs electrodeposition coating, For example, iron, copper, aluminum, tin, zinc, etc .; The alloy and casting containing these metals are mentioned. Specific examples include automobile bodies and parts such as passenger cars, trucks, motorcycles, and buses. These metals are particularly preferably those that have been previously subjected to chemical conversion treatment with phosphate, chromate or the like before electrodeposition coating.
[0063]
Painting method
The coating film forming method of the present invention includes a step of sequentially applying an intermediate coating, a base coating, and a clear coating on the above-mentioned electrodeposition-coated material.
The coating method is not particularly limited, and for example, an air electrostatic spray commonly called “react gun”; commonly called “micro / micro (μμ) bell”, “micro (μ) bell”, “metabell”, etc. This can be done by using a rotary atomizing electrostatic coating machine or the like. A method using a rotary atomizing electrostatic coating machine or the like is preferable.
When the base paint is applied to an automobile body or the like, in order to improve the design, multi-stage painting by air electrostatic spray, preferably two stages, or air electrostatic spray and the above-mentioned It is preferable to carry out by a coating method in combination with a rotary atomizing electrostatic coating machine.
[0064]
The dry film thickness of the intermediate coating, base coating, and clear coating varies depending on the application, but is 5 to 40 μm for the intermediate coating, 5 to 35 μm for the base coating, and 10 to 70 μm for the clear coating, respectively. . If this dry film thickness exceeds the upper limit, sharpness may deteriorate, or defects such as unevenness and flow may occur during painting. If the lower film thickness is less than the lower limit, the substrate cannot be concealed and film breakage may occur. .
In the present invention, the intermediate coating, the base coating and the clear coating are sequentially applied means that the intermediate coating, the base coating and the clear coating are applied in this order by wet-on-wet. The coating film, the base coating film, and the clear coating film may be any one that does not include a step of baking and curing at 100 ° C. or more. Therefore, before applying the base paint and / or before applying the clear paint, it is allowed to stand at room temperature for a certain period of time, or to dry the coating film in advance by, for example, heating at 60 to less than 100 ° C. for 2 to 10 minutes. Such a method is also one aspect of the present invention. In particular, when the base paint is used as a water-based paint, it is preferable to dry the coating film before applying the clear paint because a good finished appearance can be obtained.
[0065]
The coating film forming method of the present invention includes a step of baking and curing three layers of the intermediate coating material, the base coating material, and the clear coating material coated as described above at a time.
By performing the baking and curing at 110 to 180 ° C, preferably 120 to 160 ° C, a cured coating film having a high degree of crosslinking can be obtained. If it exceeds 180 ° C, the coating film becomes hard and brittle, and if it is less than 110 ° C, curing is not sufficient. The curing time varies depending on the curing temperature, but is suitably from 120 to 160 ° C. for 10 to 60 minutes.
The film thickness of the multilayer coating film obtained by the coating film forming method of the present invention is usually 30 to 300 μm, preferably 50 to 250 μm. When it exceeds 300 μm, film physical properties such as a cooling / heating cycle deteriorate, and when it is less than 30 μm, the strength of the film itself decreases.
[0066]
The coating film forming method of the present invention is excellent in the base concealing property and can provide a coating film having a good finished appearance. Furthermore, compared to the conventional 3-coat 2-bake method, the intermediate coating paint baking process can be omitted, so that the painting process can be shortened and the energy consumption can be reduced. Can be greatly reduced.
[0067]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to examples. However, the present invention is not limited to these examples. In the examples, “parts” represents parts by weight.
Synthesis Example 1 Synthesis of acrylic resin 1
In a vessel equipped with a stirrer, temperature controller and reflux condenser, 82 parts of xylene are charged, and then a solution having the following composition:
Methacrylic acid 4.5 parts
Ethyl acrylate 26.0 parts
PLACCEL FM-1 64.5 parts
(Hydroxyl-containing monomer manufactured by Daicel Chemical Industries)
MSD-100 5.0 parts
(Mitsui Toatsu Chemical Co., Ltd. methylstyrene dimer)
Azoisobutyronitrile 13.0 parts
Of these, 20 parts were added and heated with stirring to raise the temperature. While refluxing, the remaining 93.0 parts of the mixed solution was added dropwise over 3 hours, and then a solution consisting of 1.0 part of azoisobutyronitrile and 12 parts of xylene was added dropwise over 30 minutes. The reaction solution was further stirred and refluxed for 1 hour, and then 63 parts of the solvent was distilled off under reduced pressure to complete the reaction. An acrylic resin varnish 1 having a solid content of 75% and a number average molecular weight of 2000 was obtained.
[0068]
Synthesis example 2 Synthesis of acrylic resin 2
In a vessel equipped with a stirrer, a temperature controller, and a reflux condenser, 300 parts of toluene and 100 parts of methyl isobutyl ketone (MIBK) were charged and heated while stirring to raise the temperature. When the temperature rose to 105 ° C., a solution having the following composition was added dropwise at a constant rate over 3 hours while refluxing.
Styrene 50.0 parts
Methyl methacrylate 300.0 parts
Ethyl methacrylate 79.0 parts
Ethyl acrylate 444.0 parts
2-hydroxyethyl methacrylate 104.0 parts
Methacrylic acid 23.0 parts
400.0 parts of toluene
7.0 parts of t-butylperoxy-2-ethylhexanoate
After aging for 30 minutes, a solution consisting of 200 parts of toluene and 3 parts of t-butylperoxy-2-ethylhexanoate was added dropwise at a constant rate over 30 minutes. The reaction solution was further stirred and refluxed for 1 hour to increase the rate of conversion to resin, and then the reaction was terminated to obtain an acrylic resin varnish 2 having a solid content of 50% and a number average molecular weight of 21,000.
[0069]
Synthesis Example 3 Synthesis of non-aqueous dispersion resin
(A) Production of dispersion stable resin
A container equipped with a stirrer, a temperature controller, and a reflux condenser is charged with 90 parts of butyl acetate, and then a solution having the following composition:
Methyl methacrylate 38.9 parts
Stearyl methacrylate 38.8 parts
2-Hydroxyethyl acrylate 22.3 parts
Azoisobutyronitrile 5.0 parts
Of these, 20 parts were added and heated with stirring to raise the temperature. The remaining 85 parts of the above mixed solution was added dropwise at 110 ° C. over 3 hours, and then a solution consisting of 0.5 parts of azoisobutyronitrile and 10 parts of butyl acetate was added dropwise over 30 minutes. The reaction solution was further stirred and refluxed for 2 hours to increase the rate of conversion to resin, and the reaction was terminated to obtain an acrylic resin having a solid content of 50%, a number average molecular weight of 5600, and an SP value of 9.5.
[0070]
(B) Production of non-aqueous dispersion resin
In a container equipped with a stirrer, a temperature controller, and a cooler, 35 parts of butyl acetate was charged, and 60 parts of the acrylic resin obtained in the production of (a) the dispersion stable resin was charged. Next, a solution having the following composition:
7.0 parts of styrene
Methacrylic acid 1.8 parts
Methyl methacrylate 12.0 parts
8.5 parts of ethyl acrylate
2-Hydroxyethyl acrylate 40.7 parts
Azoisobutyronitrile 1.4 parts
Was added dropwise at 100 ° C. over 3 hours, and then a solution comprising 0.1 part of azoisobutyronitrile and 1 part of butyl acetate was added dropwise over 30 minutes. When the reaction solution was further stirred for 1 hour, an emulsion having a solid content of 60% and a particle size of 0.18 μm was obtained. This emulsion was diluted with butyl acetate to obtain a butyl acetate dispersion having a viscosity of 300 cps (25 ° C.) and a particle size of 0.18 μm and a non-aqueous dispersion resin content of 40% by weight. The non-aqueous dispersion resin had a Tg of 23 ° C. and a hydroxyl value of 162. The SP value was 11.8, and the difference in SP value between the shell portion and the core portion, which is a dispersion stable resin, was 2.3.
[0071]
Example 1
Preparation of intermediate coating
Into a 2 L vessel, 328 parts of the acrylic resin varnish 1 obtained in Synthesis Example 1 was added, followed by 973 parts of CR-93 (titanium oxide manufactured by Ishihara Sangyo Co., Ltd.) and 10 parts of FW-200P (carbon black manufactured by Degussa). Further, 159 parts of butyl acetate and 82 parts of xylene were added in this order. Thereafter, glass beads (product name GB503M, particle size 1.6 mm) of the same amount as the total weight charged were charged and dispersed for 3 hours with a desktop SG mill. The particle size at the end of dispersion by a grind gauge was 5 μm or less. Finally, 81.8 parts of xylene was added and stirred for about 10 minutes, and the glass beads were filtered to obtain a pigment paste.
A resin, a non-aqueous dispersion resin, and a curing agent were blended in the prepared paste so that the solid content ratio was as shown in Table 2, to prepare an intermediate coating material.
[0072]
Preparation of base paint
Into a 2 L vessel, 500 parts of the acrylic resin varnish 1 obtained in Synthesis Example 1 and 320 parts of DISPERBYK161 (manufactured by Big Chemie; dispersion aid) were added, followed by 10 parts of Monarch 1400 (carbon black manufactured by Cabot). Furthermore, 31 parts of butyl acetate and 31 parts of xylene were put in order. Thereafter, glass beads (product name GB503M, particle size 1.6 mm) of the same amount as the total weight charged were charged and dispersed for 3 hours with a desktop SG mill. The particle size at the end of dispersion by a grind gauge was 5 μm or less.
After the dispersion was completed, the glass beads were filtered to obtain a pigment paste.
A resin, a non-aqueous dispersion resin, and a curing agent were blended in the prepared paste so that the solid content ratio was as shown in Table 2 to prepare a base paint.
[0073]
Clear paint
As the clear paint, MAC O-1330 (manufactured by Nippon Paint Co., Ltd.) having a nonvolatile content of 48% was used.
Dilution conditions
Each paint was diluted and painted under the following conditions.
(Intermediate paint)
Thinner: EEP (ethoxyethyl propionate) / xylene = 9/11
19 seconds / No. 4 Ford Cup / 20 ° C
(Base paint)
Thinner: EEP / S-100 (Aromatic hydrocarbon solvent manufactured by Exxon) / ethyl acetate = 8/7/5
20 seconds / No. 4 Ford Cup / 20 ° C
(Clear paint)
Thinner: EEP / S-150 (Aromatic hydrocarbon solvent manufactured by Exxon) = 1/122 sec / No. 4 Ford Cup / 20 ° C
[0074]
Painting method
Cations obtained by electrodeposition-coating Power Top V-6 (Cation Electrodeposition Paint manufactured by Nippon Paint Co., Ltd.) on a SPC dull steel plate (20 cm × 30 cm × 0.8 mm) under the coating conditions shown in Table 1 to a dry film thickness of 20 μm. While the electrodeposition coating plate is attached to the moving plate and moved, the intermediate coating is applied, the base coating is applied after 10 minutes, the base coating is applied again after 2.5 minutes (two-stage coating), and then 20 minutes Later, a clear paint was applied. The applied intermediate coating film, base coating film and clear coating film were baked and cured at 140 ° C. for 30 minutes.
[0075]
[Table 1]
Figure 0004582875
[0076]
Appearance evaluation
The appearance of the coated plate was evaluated by the SW value of a wave scan manufactured by Big Chemie. The results are shown in Table 2. The smaller the value, the better the result.
[0077]
Coating NV (non-volatile) measurement method
The intermediate coating, the base coating, and the clear coating were operated separately and calculated according to the following method.
Apparatus: An aluminum foil whose weight (w1) is measured is covered with a paper having a square hole of 5 cm × 10 cm and attached to an iron plate with a masking tape.
Operation: This iron plate is attached to the moving plate so as to be adjacent to the coating plate at the time of painting, and after coating the aluminum foil is peeled off from the iron plate.
NV measurement: The weight (w3) after drying for 30 minutes at 140 ° C. is measured after measuring the weight (w2) of the aluminum foil to which the paint has adhered.
Calculation: The coating NV (%) is calculated from the following formula.
Coating NV (%) = (w3-w1) / (w2-w1) × 100
The obtained results are shown in Table 2.
[0078]
Volume shrinkage calculation method
The volume shrinkage (%) is calculated according to the following formula.
Volume shrinkage (%) = {(100-coating NV) / solvent specific gravity} / [{(100-coating NV) / solvent specific gravity} + (coating NV / dry coating specific gravity)} × 100
Solvent specific gravity: Due to the solvent composition in the paint, the intermediate paint was 0.87 and the base paint was 0.86.
Dry coating specific gravity: From each paint composition, it was set as intermediate coating 1.64 and base paint 1.23.
The obtained results are shown in Table 2.
[0079]
Viscosity measurement method
The intermediate coating was spray-coated on a tin plate, heated for about 5 minutes at 80 ° C., and then the coating with a non-volatile content of 90% was scraped off. The viscosity of this sample was measured under the following conditions.
Measurement model: Reosol G-3000 manufactured by UBM
Measurement method: Dynamic viscoelasticity measurement (sine wave)
Measurement mode: Temperature dependence
Chuck cone plate
Cone diameter / angle: 18.96 mm / 1.974 deg
Excitation conditions: Continuous excitation (frequency 1.0 Hz / strain 0.5 deg)
Start / end temperature: 40/150 ° C
Temperature increase step: 2 ° C / min
Torque / load cell: 2kg ・ cm / 5kg
A graph obtained by connecting the obtained viscosity results with a curve is shown in FIG. The minimum viscosity and curing start temperature read from FIG. 1 are shown in Table 2.
In the same manner as the intermediate coating, the viscosity of each of the base coating and the clear coating was measured, and the minimum viscosity and the curing start temperature were read. The results are shown in Table 2 and FIG.
[0080]
Solvent resistance test method
After coating the intermediate coating and base coating on a tin plate (20 μm), they were dried at 80 ° C. for 10 minutes to increase the NV, and the typical coating solvent S-150, xylol A drop of EEP was spotted, and after standing for 30 seconds, the state was tilted about 45 degrees and the state was observed.
Y: No change
Δ: swelling
×: dissolution
The obtained results are shown in Table 2.
[0081]
Comparative Example 1
The intermediate coating material and the base coating material were prepared and applied in the same manner as in Example 1 except that the resin, the non-aqueous dispersion resin and the curing agent were blended so that the solid content ratio was as shown in Table 2. Measured and evaluated.
The results are shown in Table 2 and FIG.
[0082]
[Table 2]
Figure 0004582875
[0083]
In Table 2, Cymel 254 is a methyl / butyl mixed melamine resin (manufactured by Mitsui Cytec).
In Example 1, the relationship between the minimum viscosity and the curing start temperature in the baking process of the intermediate coating, base coating, and clear coating is appropriate, and the intermediate coating and base coating used in Example 1 are It has a small volumetric shrinkage, and it has excellent solvent resistance compared to containing a non-aqueous dispersion resin. Therefore, it has excellent finished appearance when it is painted and baked and cured by the 3-coat 1-bake method. Met.
In Comparative Example 1, the minimum viscosity in the baking process of the intermediate coating, base coating, and clear coating is higher in the base coating than in the intermediate coating, and the volume shrinkage of the base coating is large. Since the intermediate coating material containing no water dispersion resin was poor in solvent resistance, it was considered that it was swollen by the solvent, so that a good finished appearance could not be obtained.
[0084]
【The invention's effect】
According to the coating film forming method of the present invention, a coating film having an excellent finished appearance can be obtained when an automobile body or the like is coated by a three-coat one-bake method.
[Brief description of the drawings]
1 is a graph showing viscosity measurement results with respect to temperature for each of an intermediate coating, a base coating, and a clear coating in Example 1. FIG.
2 is a graph showing the measurement results of viscosity with respect to temperature for each of an intermediate coating, a base coating, and a clear coating in Comparative Example 1. FIG.

Claims (3)

電着塗装された素材の上に、中塗り塗料、ベース塗料及びクリヤー塗料を順次塗装する工程、並びに、前記塗装された3層を一度に焼き付け硬化させる工程からなる塗膜形成方法であって、
前記中塗り塗料、前記ベース塗料及び前記クリヤー塗料は、不揮発分90重量%における温度に対する粘度の測定をそれぞれについて行った場合に、最低粘度が、
中塗り塗料≧ベース塗料≧クリヤー塗料
の関係を満たすものであり、硬化開始温度が、
中塗り塗料≦ベース塗料≦クリヤー塗料
の関係を満たすものであり、
前記中塗り塗料は、水酸基価50〜250、酸価1〜50mgKOH/g、数平均分子量1000〜10000である水酸基含有樹脂(a);水酸基と反応しうる硬化剤(b);及び、水酸基価100〜400および平均粒径(D 50 )0.05〜5μmである非水ディスパージョン樹脂(c);を樹脂固形分として含み、
前記中塗り塗料、ベース塗料及びクリヤー塗料は、塗装後、140℃で30分間硬化させた場合の体積収縮率が45%以下であり、
前記中塗り塗料は、不揮発分90重量%において、60℃での粘度Vis(60℃)が10〜1000poiseであり、90℃での粘度Vis(90℃)が1〜500poiseであり、120℃での粘度Vis(120℃)が100〜10000poiseであって、
Vis(60℃)/Vis(90℃)が1.5〜10であり、Vis(120℃)/Vis(90℃)が2〜30であり、および
前記ベース塗料は、不揮発分90重量%において、60℃での粘度Vis(60℃)が10〜1000poiseであり、90℃での粘度Vis(90℃)が1〜500poiseであり、120℃での粘度Vis(120℃)が100〜10000poiseであって、
Vis(60℃)/Vis(90℃)が1.5〜10であり、
Vis(120℃)/Vis(90℃)が2〜20である、
塗膜形成方法。
A method of forming a coating film comprising a step of sequentially applying an intermediate coating, a base coating, and a clear coating on an electrodeposited material, and a step of baking and curing the three coated layers at once.
The intermediate coating, the base coating, and the clear coating have a minimum viscosity when the viscosity is measured with respect to temperature at a nonvolatile content of 90% by weight.
It satisfies the relationship of intermediate coating ≧ base coating ≧ clear coating, and the curing start temperature is
All SANYO satisfies the relationship intermediate coating ≦ base coating ≦ clear coating,
The intermediate coating is composed of a hydroxyl group-containing resin (a) having a hydroxyl value of 50 to 250, an acid value of 1 to 50 mgKOH / g, and a number average molecular weight of 1000 to 10,000; a curing agent (b) capable of reacting with a hydroxyl group; 100 to 400 and a non-aqueous dispersion resin (c) having an average particle diameter (D 50 ) of 0.05 to 5 μm ;
The intermediate coating, base coating and clear coating have a volume shrinkage of 45% or less when cured at 140 ° C. for 30 minutes after coating,
The intermediate coating has a non-volatile content of 90% by weight, a viscosity Vis (60 ° C.) at 60 ° C. of 10 to 1000 poise, a viscosity Vis at 90 ° C. (90 ° C.) of 1 to 500 poise, and 120 ° C. The viscosity Vis (120 ° C.) is 100 to 10,000 poise,
Vis (60 ° C.) / Vis (90 ° C.) is 1.5-10, Vis (120 ° C.) / Vis (90 ° C.) is 2-30, and
The base paint has a non-volatile content of 90% by weight, a viscosity Vis (60 ° C.) at 60 ° C. of 10 to 1000 poise, a viscosity Vis at 90 ° C. (90 ° C.) of 1 to 500 poise, and 120 ° C. Viscosity Vis (120 ° C.) is 100 to 10000 poise,
Vis (60 ° C.) / Vis (90 ° C.) is 1.5 to 10,
Vis (120 ° C.) / Vis (90 ° C.) is 2 to 20,
Coating film forming method.
中塗り塗料の塗装時の不揮発分は40〜70重量%であり、ベース塗料の塗装時の不揮発分は30〜60重量%であり、クリヤー塗料の塗装時の不揮発分は40〜70重量%である請求項記載の塗膜形成方法。The non-volatile content at the time of applying the intermediate coating is 40 to 70% by weight, the non-volatile content at the time of applying the base coating is 30 to 60% by weight, and the non-volatile content at the time of applying the clear coating is 40 to 70% by weight. method of forming a coating film is claimed in claim 1. 請求項1または2記載の塗膜形成方法により得られる被塗物。Claim 1 or 2 coating forming a coated product obtained by the method described.
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