JP4578641B2 - 構造物の座屈解析法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、連続体又は不連続体よりなる球殻構造又は円筒殻構造などを有する構造物の座屈解析法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
連続体又は不連続体よりなる球殻構造又は円筒殻構造などを有する構造物は、形状初期不整や荷重不整(以下、「初期不整」という)に起因する座屈前非線形性の影響によって、面内剛性が小さくなることが予想され、座屈荷重の低下に繋がる。従来、このような構造物の初期不整による座屈荷重の低下の程度は、初期不整を適切に設定し非線形の座屈解析を実施しなければ予測できなかった。この初期不整の設定においては、不整の分布形状や大きさは無数に想定され得るが、合理的かつ妥当な該初期不整形状の評価の手法は確立されていなかった。
【0003】
従来の座屈解析法の手順を、図6に示して説明する。構造物に係るデータは31のデータ入力手段にて入力され、設計データ記憶手段32に記憶される。記憶された該設計データに基づき構造設計計算手段34によって基本構造が策定される。さらに該基本構造に基づいて、構造物の解析モデル及び解析条件が解析モデル作成手段33にて設定され、線形構造解析手段35において線形の静的変形形状及び線形座屈荷重と線形座屈モードが計算され、解析結果記憶手段36に記憶される。次いで、該解析結果から初期不整形状設定手段37で初期不整形状を適切に設定して非線形構造解析手段38を実施し、座屈評価手段39で座屈評価を行い、出力手段40でその結果が出力される。そして、複数設定される初期不整形状について、再び非線形構造解析手段38を実施し、順次座屈評価手段39、出力手段40の手順を繰り返す。
また、座屈評価手段39において座屈が発生すると判定された場合には、部材諸元、或いは材料諸元などを変更して、再び上記データ入力手段31から一連の手順を繰り返し解析作業が行われる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この従来の座屈解析法は、無数に想定され得る初期不整の中から初期不整形状を適切に設定しなければならないが、座屈荷重の低下に最も大きく寄与する初期不整形状の評価手法が確立されていないため、設計者の経験的な判断によるところが大きく安全性の心配があった。また、安全性を必要以上に配慮するあまり、想定される座屈モードの全てについて非線形構造解析を実施することは、膨大な解析作業となり時間と手間を要することとなった。
【0005】
ところで、初期不整の影響によって低下する座屈荷重の下限値を予測する手法、減少剛性法(Reduced Stiffness法、以下「RS法」といい、同手法によって得られた座屈荷重の下限値を「RS値」という)が考案されているが、このRS法による解析法を、上記構造物の座屈解析法に有効利用することは未だ充分ではなかった。また、このRS法による解析には、プログラムやRS法に関する専門知識を必要とし、一般の構造設計者には取扱いが難しいものであった。
【0006】
この発明は、上述の従来技術が有する課題に鑑みてなされたもので、RS法を用いた解析法を有効利用することによって、連続体又は不連続体よりなる球殻構造又は円筒構造などを有する構造物における座屈モードの次数を選定し、該選定した座屈モードについてのみ対応する初期不整を設定し、非線形座屈解析を行うことにより、座屈に対する安全設計と座屈解析作業の効率化を図ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る構造物の座屈解析法は、連続体又は不連続体よりなる球殻構造又は円筒殻構造などの構造物を、減少剛性法を用いて座屈解析法を実行するコンピュータ処理において、コンピュータに収納した設計条件データに基づき、構造設計計算手段にて基本構造が策定された基本構造データベース及び構造設計計算結果ファイルをそれぞれコンピュータに収納し、構造物全体の線形座屈荷重Pが、1次のPに対して最大でも1.5倍となる次数まで線形座屈解析をコンピュータに収納した線形座屈解析手段にて行い、次いで減少剛性法にて構造物全体の座屈荷重の下限値P をコンピュータに収納したRS解析手段にて算出し、該計算を行った全次数のうちから、1次の全体座屈モードの選定と、上記P が1次のP よりも小さい次数の座屈モードの有無判定をコンピュータに収納したRS値判定手段にて行い、該小さい次数の座屈モードがある場合は採用選定し、かつ構造物全体の線形応力解析による変形形状に形状相似な次数の座屈モードを選定し、該選定した次数の座屈モードについてのみ対応する初期不整としてコンピュータに収納した初期不整形状設定手段にて設定し、この設定した初期不整形状について非線形座屈解析をコンピュータに収納した非線形構造解析手段にて行うものである。
【0008】
また、上記構造物の座屈解析法は、構造物に係るデータを入力するデータ入力手段と、このデータを記憶し設計条件データベースを構築する設計条件データ記憶手段と、このデータに基づいて基本構造設計を行い基本構造条件データベースを構築し、構造設計計算結果ファイルに収納する構造設計計算手段と、構造物の解析条件を作成し解析条件データベースを構築する解析モデル作成手段とを設け、基本構造に適用可能な座屈に関する実験・計測データベース及びRS座屈下限値データベースを構築し、上記データベースを検索する検索手段を設け、上記データに基づいて線形応力解析及び線形座屈解析を行い線形構造解析結果ファイルに収納する線形応力解析手段及び線形座屈解析手段と、減少剛性法によって座屈解析を行いRS解析結果ファイルに収納するRS解析手段と、座屈荷重の下限値を判定するRS値判定手段と、選定した座屈モードから初期不整を設定する初期不整形状設定手段と、この設定した初期不整形状について非線形構造解析を実施し非線形構造解析ファイルに収納する非線形構造解析手段と、この非線形構造解析結果に基づいて座屈評価を行い上記データベース及びファイルに収納するRS座屈評価手段と、その結果を出力する出力手段とを備えたコンピュータ処理システムを形成してなるものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
図1乃至図5、表1乃至表3に基づき、この発明に係る構造物の座屈解析法の実施の形態について説明する。
【0010】
図1は、減少剛性法(Reduced Stiffness法「RS法」)を用いた解析法の手順を示す機能ブロック図であって、データ入力手段11、設計条件データ記憶手段12、解析モデル作成手段13、構造設計計算手段14、検索手段15、データベースD、ファイルF、線形応力解析手段16、線形座屈解析手段17、RS解析手段18、RS値判定手段19、初期不整形状設定手段20、非線形構造解析手段21、RS座屈評価手段22、出力手段23などから構成されている。
【0011】
図2はRS法の解析フローで、図1に示すRS解析手段18の内容、計算式などを示すものである。RS解析を行うためには、先ず、市販の有限要素法(FEM)解析に基づく汎用構造解析コード(例えばCOSMOS/M:商標)を利用し、上記線形座屈解析手段17にてn次までの構造物全体の線形座屈荷重Pを求めておく。そして、予め初期不整によって低下する面内軸剛性をゼロとして求めた線形剛性マトリクス[K ]を用いたひずみエネルギーUと、通常の線形剛性マトリクス[K]を用いたひずみエネルギーUとを計算し、このエネルギー商から「RS値」、つまり上記RS解析手段18にて構造物全体の座屈荷重の下限値P を算出する。
【0012】
上記線形座屈荷重の計算を行う次数nは、1次のP値に比較して、最大でも1.5倍のP値となる次数nまで行えば、通常、鋼材の材料強度安全率を1.5倍としていること、また短期許容応力度が長期許容応力度の1.5倍を取っていることなどから判断しても、座屈強度を検討して構造物の安全設計を行う上で合理的かつ最適な選定基準である。 そして、上記算出したP が1次のP よりも小さい、例えば90%程度以下の値となる次数、つまりRS値が極端に小さくなる次数を前記RS判定手段19にて判定する。次いで、上記計算した全次数の座屈モードから、1次の全体座屈モードと、上記P が1次のP よりも小さい次数の座屈モードと、かつ構造物全体の線形応力解析による変形形状に形状相似な次数の座屈モードとを選定する。 上記選定する1次の座屈モードは、線形座屈解析における座屈荷重が最小となるモードで、構造物に荷重が載荷された時に最も発生しやすい形状の1つで、構造物の静的な安定性評価において重要なモードである。 また、上記選定するP の低下が著しい座屈モードは、面内ひずみエネルギー成分が大きいモードであり、初期不整によって座屈荷重が大きく低下する可能性がある。 さらにまた、上記選定する構造物全体の線形応力解析による変形形状に形状相似な次数の座屈モードは、上記1次座屈モードと同様に、構造物に荷重が載荷された時に最も発生しやすい形状の1つであるが、必ずしも1次座屈モードと形状相似になるものではない。 上記のように選定した次数の座屈モードについてのみ、対応する初期不整として前記初期不整形状設定手段20にて設定し、非線形座屈解析を前記非線形構造解析手段21にて行うことによって、解析時間を削減し、構造物の座屈評価を能率良く行うことが可能となる。なお、上記P が1次のP に対して小さい次数の座屈モードがない場合は、選定する必要がない。
【0013】
図3は、上記座屈解析法を実行するコンピュータ処理システムのハードウエア構成の一例を示すもので、主制御部1、入出力制御部2、入力装置4、記憶装置3、表示装置5、及び出力装置6などを備えている。そして、記憶装置3には、設計条件データベースD1、基本構造データベースD2、解析条件データベースD3、実験・計測データベースD4、RS座屈下限値データベースD5などのデータベースD、及び構造設計計算結果ファイルF1、線形構造解析結果ファイルF2、非線形構造解析結果ファイルF3、RS解析結果ファイルF4、RS座屈評価結果ファイルF5などのファイルF、並びに構造設計プログラムP1、線形応力解析プログラムP2、線形座屈解析プログラムP3、非線形構造解析プログラムP4、RS解析プログラムP5などのプログラムPを収納している。
【0014】
この発明に係る構造物の座屈解析法を実行するコンピュータ処理システムの手順を、図1の機能ブロック図に基づいてさらに詳述する。
座屈解析を行う構造物の形状、寸法、構成部材及び設計荷重などの設計条件データをデータ入力手段11にて入力し、これらのデータが設計条件データ記憶手段12にて記憶され、設計条件データベースD1に収納される。該記憶された設計条件データに基づき、構造設計計算手段14(P1)にて基本構造が策定され、基本構造データベースD2及び構造設計計算結果ファイルF1にそれぞれ収納される。
【0015】
ここで、検索手段15によって、上記設計条件データ及び基本構造データと同等乃至類似の設計条件データ及び基本構造データが、それぞれ設計条件データベースD1及び基本構造データベースD2にて検索され、該当するデータが存在する場合には、該基本構造に適用可能な座屈に関する実験・計測データ及びRS座屈下限値データが、それぞれ実験・計測データベースD4及びRS座屈下限値データベースD5から抽出され、この抽出されたデータに基づき直ちに座屈評価手段22に移行して、該基本構造の設計条件に対する座屈評価が行われる。そして、構造物全体の座屈が発生しないと判断された場合には、座屈評価結果が出力手段23にて出力され終了するので、座屈解析を実施することなく蓄積されたデータから直ちに座屈評価が可能となる。但し、RS座屈評価手段22にて座屈が発生すると判定された場合には、最初に戻って設計条件データなどを変更し、再びデータ入力手段11から一連の手順を繰り返す。
【0016】
また、上記検索手段15によって、該当する設計条件データ及び基本構造データが存在しない場合には、設計条件データ及び基本構造データに基づいて構造物の解析モデル及び解析条件を解析モデル作成手段13にて作成し、解析条件データベースD3に収納し、この解析条件データに基づいて線形の静的変形形状及び線形座屈荷重と線形座屈モードが、それぞれ線形応力解析手段16(P2)及び線形座屈解析手段17(P3)にて計算され、線形構造解析結果ファイルF2に収納される。次いで、ファイルF2に収納された線形座屈解析結果を用いてRS解析手段18(P5)にてRS解析を行い、RS解析結果ファイルF4に収納する。
この際に、RS解析を実行する対象次数の決定については、上記線形座屈解析荷重が1次の線形座屈荷重の最大でも1.5倍となる次数までとする。
【0017】
次いで、このRS解析結果から、1次のRS値▲1▼を選定し、また線形応力解析手段16(P2)で計算された静的変形形状と形状相似な座屈モードが存在する場合にはその次数のRS値▲2▼を選定し、さらにRS値判定手段19(P5)にて、1次のRS値よりも小さいRS値▲3▼が検出された場合にはこの次数のRS値▲3▼を選定してRS座屈下限値データベースD5に収納するとともに、この▲1▼、▲2▼及び▲3▼の該RS値を与える次数の線形座屈モードが初期不整形状として抽出される。
【0018】
上記抽出された初期不整形状は、初期不整形状設定手段20にて、最大初期不整振幅値で正規化され、初期不整形状として設定される。ここで、例えば単層ラチスシェル構造の場合には、最大初期不整振幅値は、構成部材の断面2次半径の多くて3倍程度まで考慮すれば足りる。該設定された初期不整形状各々について、非線形構造解析手段21(P4)にて非線形構造解析を実行し、非線形構造解析結果ファイルF3に収納する。
【0019】
この非線形構造解析結果から、RS座屈評価手段22(P5)にて座屈評価が行われ、その結果がRS座屈評価結果ファイルF5に収納される。このように選定した極限られた次数の座屈モードについてのみ対応する初期不整形状を設定すればよく、この設定した初期不整形状は構造物全体の座屈荷重の低下に大きく寄与するものと予測されるため、この初期不整形状に対して非線形座屈解析を実施すれば合理的な座屈評価となる。
この座屈評価において、上記非線形構造解析による座屈荷重がRS座屈下限値及び設計荷重を下回らないことが確認された場合には、座屈は発生しないものと判定され、出力手段23にてこの座屈評価結果が出力される。但し、上記非線形構造解析による座屈荷重が設計荷重を下回った場合には、座屈が発生するものと判定され、最初に戻って設計条件データを変更し、再びデータ入力手段11から一連の手順を繰り返す。
【0020】
表1及び図4に示す解析モデル(事例1)について、上記座屈解析法を実施した結果を表2に示す。この事例1の解析モデルは、連続体又は不連続体よりなる球殻構造のうち、シェルやシェル的な単層のラチス構造「ラチスシェル構造」の場合における事例であって、鋼管部材を三角形に剛接合したユニットを持つ球形ドームである。
Figure 0004578641
Figure 0004578641
この事例1の場合、RS解析を行う次数nは、1次のPに対して最大で1.5倍のPとなる次数まで、つまり1次のP値3.097に対して1.5倍より大きい値4.922となる次数、7次まで計算すればよい。 なお、この事例1では、参考までに10次まで計算して表示した。
【0021】
上記計算した全次数の座屈モードのうちから選定する座屈モードは、1次の全体座屈モード、上記RS法による解析値「RS値」P が1次のP に比較して小さい次数の座屈モード、及び構造物全体の線形応力解析による変形形状に形状相似な次数の座屈モードとする。上記事例1の場合には、表2に示すように、P は6次の1箇所で小さくなっているので選定し、また2次の値も1次の値に近いので安全性を配慮して選定し、1次と合せて合計で3個の次数を選択した。
【0022】
上記事例1の解析モデルについて座屈解析を行い、1次〜10次の10個のうちから選定した線形座屈モードを、図5に示す。図5に示すように、座屈荷重の低下に大きく寄与する可能性のある初期不整の形状は、比較的単純で大きな波長(凹凸の山と山、或いは谷と谷の間隔)をもった線形座屈モード、つまり上記選定した1次、2次及び6次の線形座屈モードに対応する形状であると予測することができる。なお、この事例1の解析モデルの場合には、構造物全体の線形応力解析による変形形状に形状相似となる座屈モードは存在しなかった。そして、上記選定した1次、2次及び6次の合計3個、つまり3個と少ない個数の座屈モードに対してのみ、非線形座屈解析を行えばよい。
【0023】
なお、図示は省略したが、例えば、鋼管部材を二等辺三角形に剛接合した屋根型の単層円筒ラチスシェルの解析モデルの場合には、2次の線形座屈モードは線形静的変形と類似の形状となった。このように、構造物全体の線形応力解析による変形形状に形状相似な次数の座屈モードが生じる場合には、この次数の座屈モードに対応する初期不整形状について非線形座屈解析を行う。そして、この事例の解析モデルの場合には、1次と2次の合計2個の座屈モードに対応する初期不整を設定して非線形座屈解析を行い、合理的に座屈評価を実施することができた。
【0024】
次いで、比較のために、例えば計算された全次数について非線形座屈解析を行った従来例の場合と、RS法を用いたこの発明に係る座屈解析法によって次数を選定して非線形座屈解析を行った場合の解析所要時間の試算結果を、表3に示した。事例1は、上記表1及び図4に示す解析モデルの場合について試算し、事例2は、事例1と類似構造、つまり剛接合単層のラチスシェル構造で大規模なドーム(スパン200m程度のドーム)の場合について試算したものである。
Figure 0004578641
【0025】
表3に示すように、RS法を用いたこの発明に係る座屈解析法によると、事例1では10次のうち3ケース、事例2では80次のうち5ケースについて、非線形座屈解析を行えばよく、事例1では約70%、事例2では約94%の解析所要時間の削減効果が得られた。
【0026】
【発明の効果】
叙述の説明で明らかなように、この発明に係る座屈解析法は、コンピュータに収納した設計条件データに基づき、構造設計計算手段にて基本構造が策定された基本構造データベース及び構造設計計算結果ファイルをそれぞれコンピュータに収納し、構造物全体の線形座屈荷重Pが、1次のPに対して最大でも1.5倍となる次数まで線形座屈解析をコンピュータに収納した線形座屈解析手段にて行い、次いで減少剛性法にて構造物全体の座屈荷重の下限値P をコンピュータに収納したRS解析手段にて算出し、該計算を行った全次数のうちから、1次の全体座屈モードの選定と、上記P が1次のP よりも小さい次数の座屈モードの有無判定をコンピュータに収納したRS値判定手段にて行い、該小さい次数の座屈モードがある場合は採用選定し、かつ構造物全体の線形応力解析による変形形状に形状相似な次数の座屈モードを選定するので、無数に想定され得る初期不整形状に対して、構造物に荷重が載荷された時に最も発生しやすい形状として合理的かつ容易に設定することができ、構造物の安全設計の観点からも適切な座屈モードを選択することが可能となる。そして、該選定した次数の座屈モードについてのみ対応する初期不整としてコンピュータに収納した初期不整形状設定手段にて設定し、の設定した初期不整形状について非線形座屈解析をコンピュータに収納した非線形構造解析手段にて行えばよいので、座屈解析作業時間を大幅に削減し、能率良く経済的に座屈解析を行うことができる。

【0027】
また、上記座屈解析法は、解析対象構造物や過去の解析例などの設計条件データ、解析条件データ、実験・計測データ、及びRS座屈下限値データをデータベースとして構築し、これらのデータベースから解析対象構造物に係るデータを検索し、また線形構造解析及び線形座屈解析とRS解析法、及びその計算結果、解析結果などのファイルをコンピュータ処理により連携させ、基本設計から座屈評価までをシステム化することで、より合理的な構造設計を実現することができる。また、一般の構造設計者でも簡単に減少剛性法による計算ができ、短時間に能率良く構造解析を行うことが可能となる。
【0028】
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明に係る座屈解析法の手順を示す系統図である。
【図2】RS法の解析フローを示す説明図である。
【図3】座屈解析法を実行するコンピュータ処理システムのハードウエア構成の一例を示す説明図である。
【図4】解析モデルの一例を示す平面説明図である。
【図5】図4の解析モデルの線形座屈モードを示す平面説明図である。
【図6】従来の座屈解析法の手順を示す説明図である。
【符号の説明】
1 主制御部 2 入出力制御部
3 記憶装置 4 入力装置
5 表示装置 6 出力装置
11 データ入力手段 12 設計条件データ記憶手段
13 解析モデル作成手段 14 構造設計計算手段
15 検索手段 16 線形応力解析手段
17 線形座屈解析手段 18 RS解析手段
19 RS値判定手段 20 初期不整形状設定手段
21 非線形構造解析手段 22 RS座屈評価手段
23 出力手段
31 データ入力手段 32 設計条件データ記憶手段
33 解析モデル作成手段 34 構造設計計算手段
35 線形構造解析手段 36 解析結果記憶手段
37 初期不整形状設定手段 38 非線形構造解析手段
39 座屈評価手段 40 出力手段

Claims (2)

  1. 連続体又は不連続体よりなる球殻構造又は円筒殻構造などの構造物を、減少剛性法を用いて座屈解析法を実行するコンピュータ処理において、コンピュータに収納した設計条件データに基づき、構造設計計算手段にて基本構造が策定された基本構造データベース及び構造設計計算結果ファイルをそれぞれコンピュータに収納し、構造物全体の線形座屈荷重Pが、1次のPに対して最大でも1.5倍となる次数まで線形座屈解析をコンピュータに収納した線形座屈解析手段にて行い、次いで減少剛性法にて構造物全体の座屈荷重の下限値P をコンピュータに収納したRS解析手段にて算出し、該計算を行った全次数のうちから、1次の全体座屈モードの選定と、上記P が1次のP よりも小さい次数の座屈モードの有無判定をコンピュータに収納したRS値判定手段にて行い、該小さい次数の座屈モードがある場合は採用選定し、かつ構造物全体の線形応力解析による変形形状に形状相似な次数の座屈モードを選定し、該選定した次数の座屈モードについてのみ対応する初期不整としてコンピュータに収納した初期不整形状設定手段にて設定し、この設定した初期不整形状について非線形座屈解析をコンピュータに収納した非線形構造解析手段にて行うことを特徴とする構造物の座屈解析法。
  2. 上記構造物の座屈解析法は、構造物に係るデータを入力するデータ入力手段と、このデータを記憶し設計条件データベースを構築する設計条件データ記憶手段と、このデータに基づいて基本構造設計を行い、基本構造条件データベースを構築し、構造設計計算結果ファイルに収納する構造設計計算手段と、構造物の解析条件を作成し解析条件データベースを構築する解析モデル作成手段とを設け、基本構造に適用可能な座屈に関する実験・計測データベース及びRS座屈下限値データベースを構築し、これらのデータベースを検索する検索手段を設け、上記データに基づいて線形応力解析及び線形座屈解析を行い線形構造解析結果ファイルに収納する線形応力解析手段及び線形座屈解析手段と、減少剛性法によって座屈解析を行いRS解析結果ファイルに収納するRS解析手段と、座屈荷重の下限値を判定するRS値判定手段と、選定した座屈モードから初期不整を設定する初期不整形状設定手段と、この設定した初期不整形状について非線形構造解析を実施し非線形構造解析ファイルに収納する非線形構造解析手段と、この非線形構造解析結果に基づいて座屈評価を行い上記データベース及びファイルに収納するRS座屈評価手段と、その結果を出力する出力手段とを備えたコンピュータ処理システムを形成してなる請求項1記載の構造物の座屈解析法。
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