JP4560890B2 - Method for producing laminated light diffusing film - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶ディスプレイのバックライトや照明装置などに好適に用いられる積層光拡散性フィルムの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、パソコン、テレビ、携帯電話などの表示装置として、液晶を利用したディスプレイが数多く用いられている。これらの液晶ディスプレイは、それ自体は発光体でないために、裏側からバックライトを使用して光を照射することにより表示が可能となっている。また、バックライトは、単に光を照射するだけでなく、画面全体を均一に照射せねばならないという要求に応えるため、サイドライト型もしくは直下型と呼ばれる面光源の構造をとっている。なかでも、薄型・小型化が望まれるノート型パソコン等に使用される薄型液晶ディスプレイ用途には、サイドライト型、つまり画面に対し側面から光を照射するタイプのバックライトが適用されている。一般的に、このサイドライト型バックライトには、光を均一に伝播・拡散する導光板を利用し液晶ディスプレイ全体を均一に照射する導光板方式が採用されている。この導光板には、側面から入射した光を垂直方向に出射するようにパターンが刻まれており、そのパターンによる不均一な光の分布を有する。従って、この液晶ディスプレイにおいて、面内均一性を高めて高品質の画像を得るため、導光板上に光拡散性フィルムを設置して、光を均一にすることが必要となる。
【0003】
かかる光拡散性フィルムに要求される性能には、光拡散性が大きいことはもとより、光透過性が極めて高いことが挙げられる。光透過性を高くすることにより、バックライトからの光を効率よく利用することができるため、高輝度化・低消費電力化を達成することができる。
【0004】
従来から使用されている光拡散性フィルムとしては、例えば、(1)特開平4−275501号公報等に記載の、透明熱可塑性樹脂をシート状に成形後、表面に物理的に凹凸を付ける加工を施して得られた拡散シート(光拡散性フィルム)、または、(2)特開平6−59108号公報等に記載の、ポリエステル樹脂等透明基材フィルム上に、微粒子を含有した透明樹脂からなる光拡散層をコーティングして得られた光拡散性フィルム、または(3)特開平6−123802号公報等に記載の、透明樹脂中にビーズを溶融混合し、これを押出し成形して得られた光拡散板(光拡散性フィルム)などが挙げられる。上記(1)および(2)の光拡散性フィルムは、フィルム表面に形成した凹凸またはコーティングした光拡散層により光拡散効果を得る、いわゆる表面光拡散性フィルムである。一方、上記(3)の光拡散性フィルムは、少なくとも基材内部にも光拡散成分を有する光拡散性フィルムである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記(1)及び(2)によって得られる光拡散性フィルムは、表面の凹凸が大きく、他のフィルム等の材料との接着や重ね合わせの際に困難を要する。また、上記(3)によって得られる光拡散性フィルムの場合も、上記(1)や(2)によって得られるフィルムよりは表面は平坦であるが、表層付近に存在するビーズによる凹凸が存在し、依然としてなお不十分である。
【0006】
そこで、本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を行なった結果、表面が平滑でありながら、光透過性、光拡散性、機械的強度、および生産性に優れた光拡散性フィルム、およびその製造方法を見出すことができ、本発明に到達した。本発明の目的は、表面が平滑で、かつ光透過性、光拡散性、機械的強度、および生産性に優れた積層光拡散性フィルムの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
発明の積層光拡散性フィルムの製造方法は、少なくとも光拡散層を有する光拡散性フィルムの片側または両側に、該光拡散性フィルム中に含まれる熱可塑性樹脂より高い融点をもつ熱可塑性樹脂からなる樹脂層を積層する積層光拡散性フィルムの製造方法であって、上記樹脂層の熱可塑性樹脂の融点をT1、ガラス転移温度をTg1、該光拡散フィルムに用いられる熱可塑性樹脂のうち最も融点の高い熱可塑性樹脂の融点をT2とするとき、
T1>Ta>T2かつTa>Tg1
を満たす温度Taで熱処理する工程を含むことを特徴とする積層光拡散性フィルムの製造方法である。
【0009】
【発明の実施の形態】
【0010】
本発明で得られる積層光拡散性フィルムを構成する光拡散性フィルムは、少なくとも光拡散層を有するフィルムである。
【0011】
光拡散性フィルムの例としては、例えば、(a)熱可塑性樹脂中に光拡散成分が分散した光拡散層のみからなるフィルム、(b)フィルム基材上に光拡散成分を含有する層(光拡散層)を塗布したフィルム、(c)基材表面を凹凸加工(光拡散層)したフィルム等が挙げられる。例えば、(a)の光拡散性フィルムの例としては、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂等の熱可塑性樹脂中に、シリカ、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、二酸化チタン等の無機微粒子、またはアクリル樹脂、有機シリコーン樹脂、ポリスチレン、尿素樹脂、ホルムアルデヒド縮合物等からなる有機微粒子、または気泡等を分散させてフィルム状に成形した光拡散性フィルムが挙げられる。また、(b)の光拡散性フィルムの例としては、ポリエステル樹脂等からなる透明支持体基板上に、(a)で示したような無機または有機微粒子を分散させた透明熱可塑性樹脂をコーティングして光拡散層を形成した光拡散性フィルムの等が挙げられる。また、(c)の光拡散性フィルムの例としては、ポリカーボネート等透明熱可塑性樹脂をシート状に成形後、エンボス加工によって物理的に表面に凹凸を形成する方法、凹凸形状を有する金型に流し込んで成形加工する方法当により得られる光拡散性フィルム等が挙げられる。
【0012】
本発明はこれらに限定されるものではなく、少なくとも光拡散機能を有する層を含有するものであればよい。よって、本発明においては、光拡散性以外の機能を付加する別の層を積層することも可能である。
【0013】
また、本発明で用いられる光拡散性フィルムの基体は、少なくとも熱可塑性樹脂からなるものである。本発明で好ましく用いられる熱可塑性樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2、6−ナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプレピレン等のポリオレフィン、ポリアミド、ポリエーテル、ポリエステルアミド、ポリエーテルエステル、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸エステルおよびこれらを主たる成分とする共重合体、またはこれら樹脂の混合物等を好適に用いることができる。なかでも、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等のポリエステルや、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、及びこれらを主たる成分とする共重合体またはこれら樹脂の混合物からなることがより好ましい。
【0014】
本発明で好ましく用いられる熱可塑性樹脂は、可視光領域の光線に関し透明であることが好ましい。ここでいう透明とは、それら樹脂のみからなる膜厚500μmのフィルムの全光線透過率が70%以上である樹脂のことを指す。
【0015】
本発明で得られる積層光拡散性フィルムは、光拡散性フィルムの片側または両側に、光拡散性フィルムに含まれる熱可塑性樹脂よりも高い融点をもつ熱可塑性樹脂が積層されている。ここで、表層側の樹脂層の熱可塑性樹脂の融点をT1、ガラス転移温度をTg1、内部側の光拡散性フィルムに用いられる熱可塑性樹脂のうち最も融点の高い熱可塑性樹脂の融点をT2とする。本発明では、このようにT1>T2であることにより、T1>Ta>T2かつTa>Tg1を満たす温度Taで熱処理することにより、内部側の形状等に拘わらず容易に表面の平坦性を確保することができる。ここで、T1<T2である場合、Tb<T1を満たす温度Tbで処理した場合、内部側の樹脂を加工できないため表面の平坦化が達成できないことがあり、また、T1<Tbを満たす温度Tbでの熱処理においても表面の粘着等の問題が生じるため好ましくない。
【0016】
ここで、表層側に積層される熱可塑性樹脂は、少なくとも光拡散性フィルムに用いられる熱可塑性樹脂より高融点の熱可塑性樹脂であれば特に限定されない。
例えば、光拡散性フィルムに用いられる樹脂として挙げたものと同様のものを使用することができ、好ましく用いられる熱可塑性樹脂として、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン−2、6−ナフタレート、ポリプロピレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリスチレン、ポリエチレン、ポリプレピレン等のポリオレフィン、ポリアミド、ポリエーテル、ポリエステルアミド、ポリエーテルエステル、ポリ塩化ビニル、ポリメタクリル酸エステルおよびこれらを主たる成分とする共重合体、またはこれら樹脂の混合物等が挙げられる。なかでもポリエステルテレフタレート、ポリエチレン−2,6−ナフタレート等のポリエステル、またはこれらを主たる成分とする共重合体、またはこれらの混合物を好ましく用いることができる。
【0017】
また、表層側に用いられる熱可塑性樹脂の融点は、内部側の光拡散性フィルムに用いられる熱可塑性樹脂の融点より高いことが必要であるが、好ましくは10℃以上、さらに好ましくは20℃以上高いことが望ましい。
【0018】
また、これら熱可塑性樹脂の融点は、示差走査熱量計(DSC)を用い、結晶融解に基づく吸熱曲線のピーク値として、簡便に測定することができる。また、このとき同時にガラス転移温度(Tg)も測定することができる。ガラス転移温度は、樹脂がガラス状態からゴム状態へ転移する時に比熱変化が生じるため、測定曲線のベースラインの平行移動という形により感知される。
【0019】
また、光拡散性フィルムの表層側に積層される熱可塑性樹脂は、光拡散性能を向上させる目的で、内部側に用いられる光拡散性フィルムの熱可塑性樹脂と屈折率を異にする樹脂を用いることできる。例えば、光拡散性フィルムとして表面凹凸加工した光拡散層を用いるような場合に、屈折率を異にする熱可塑性樹脂層を積層することにより光拡散性能を保持または向上させることができることがある。
【0020】
本発明の表層側に積層する樹脂層は、実質的に非光拡散性であることが望ましい。非光拡散性であることにより、積層後も全光線透過率を低下させることなく平坦性を確保することが可能である。ここでいう非光拡散性であるとは、そのフィルムのみのヘイズを測定した場合に、その値が10%以下であることを示す。
【0021】
また、表層側の熱可塑性樹脂層は光拡散性フィルムの少なくとも片面に積層されるが、両面に積層する方が、フィルム全体としての平坦性を確保できるため好ましい。
【0022】
光拡散性フィルムの表層側に該熱可塑性樹脂層が積層されていない場合や、本発明記載の性能範囲外の樹脂を積層した場合などにおいては、表面の平坦性に劣るフィルムが得られる。例えば、これらフィルムは数%程度の光線反射率を有するが、屋内の照明器具等の電灯を反射させた場合に、フィルム表面にその電灯の像が確認できない等の現象が見受けられる。これに対し、本発明の積層光拡散性フィルムでは、電灯像の輪郭がはっきりと確認できる。
【0023】
光拡散性フィルムと熱可塑性樹脂からなる樹脂層の積層方法としては、シート状に成形した光拡散性フィルムに、予めシート状に加工しておいた熱可塑性樹脂からなる樹脂層を接着層を介して貼着する方法、光拡散性フィルムと熱可塑性樹脂からなる樹脂層を密着させて加熱圧着させる方法、光拡散性フィルムと熱可塑性樹脂からなる樹脂層を共押出する方法などが挙げられるが、本発明では特にこれらに限定されるものではない。また、本発明では、必要により、両者を積層した後に延伸工程を施すこともできる。
【0024】
本発明の積層光拡散性フィルムの製造方法は、上記のようにして光拡散性フィルムの少なくとも片面に熱可塑性樹脂からなる樹脂層を積層した後、表層側の熱可塑性樹脂の融点をT1、ガラス転移温度をTg1、内部側の光拡散性フィルムに用いられる熱可塑性樹脂のうち最も融点の高い熱可塑性樹脂の融点をT2とするとき、T1>Ta>T2かつTa>Tg1を満たす温度Taで熱処理する工程を含むことを特徴とするものである。T1より低い温度で熱処理することにより、処理工程中の粘着等の作業上の問題を起こすことがなく、T2より高い温度で熱処理することにより内部の積層ムラ等の欠陥を解消して表面の平坦化が可能となる。また、Tg1より高い温度で熱処理することにより、表層の熱可塑性樹脂の流動性が増加し、表層の平坦化処理が容易となる。ここで、T2とTg1の大小関係については特に限定されない。
【0025】
T1>Taを満たすTaにより効果的な表面の熱処理が可能であるが、好ましくはT1>Ta+10(℃)、さらに好ましくはT1>Ta+20(℃)を満たす温度Taで処理することが好ましい。また、内部の欠陥を効果的に解消するために、好ましくはTa>T2+10(℃)、さらに好ましくはTa>T2+20(℃)であることが好ましい。
【0026】
熱処理方法としては、例えば、フィルムの端部を把持したまま上記温度Ta雰囲気内で保持する方法、表面温度Taを有する平坦な板をフィルム表層に押し当てる方法などが挙げられるが、他の方法を用いることも可能である。本発明における熱処理は、通常、少なくとも光拡散性フィルムと熱可塑性樹脂層とが上記の積層方法で積層された状態において行なわれる。これにより積層光拡散性フィルム表層の平坦性を確保することができる。
【0027】
また、本発明で得られる積層光拡散性フィルムの全膜厚は特に限定されないが、薄膜用途や作業性等を考慮すると、10〜500μmが好ましく、20〜300μmがさらに好ましい。また、これら全膜厚のうちの、表層側の樹脂層が占める割合は、特に限定されないが、通常は1〜50μmの範囲で選択され、好ましくは1〜30μmである。
【0028】
本発明で得られる積層光拡散性フィルムは、全光線透過率は好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上である。全光線透過率が70%未満の場合には、積層光拡散性フィルムをディスプレイに組み込んだ際に、輝度が不十分となる傾向にあり、高輝度を得るためには低消費電力化が望めない。また、本発明で得られる積層光拡散性フィルムのヘイズは、好ましくは70%以上、より好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上である。ヘイズが70%未満の場合には、平行光の透過率が高くなる傾向にあり、この場合も輝度に斑が生じやすくなる。
【0029】
積層光拡散性フィルムの光拡散性は、主として積層前の光拡散性フィルムの性能によるところが大きい。積層前の光拡散性フィルムの光拡散性をコントロールする手段としては、フィルム表面の凹凸をコントロールし、より表面を粗く、より溝を深く険しくすることにより所望の光拡散性が得られる(上記a、bの光拡散性フィルム)。またもう一方は、マトリックス樹脂中に光拡散成分を分散させる方法であり、ここでは例えば、マトリックス−分散相の屈折率差、分散相の径、混合比率等の選択により所望の光拡散性が得られる(上記cの光拡散性フィルム)。本発明において、後者の手段により得られた光拡散性フィルムを用いた場合、積層前後での光拡散性能が前者と比較して変化が小さく、内部の光拡散性フィルムを作成した時点で光拡散性能が把握できるため、より効果的である。
【0030】
これら、全光線透過率およびヘイズは、日本工業規格JIS K7105「プラスチックの光学的特性試験方法」に準拠し、積分球式光線透過率測定装置(ヘイズメーター)により測定することが出来る。
【0031】
また、本発明の積層光拡散性フィルムには、本発明の効果が失われない範囲内で各種の添加剤を加えることができる。添加剤を添加する層は、光拡散層、表層側の熱可塑性樹脂からなる樹脂層、またはその他の層であってもよい。添加配合する添加剤の例としては、例えば、顔料、染料、蛍光増白剤、酸化防止剤、耐熱剤、耐光剤、耐候剤、帯電防止剤、離型剤などを挙げることができる。
【0032】
本発明で得られる積層光拡散性フィルムは、液晶ディスプレイのバックライトや照明装置等に好適に用いられる。
【0033】
【実施例】
以下、本発明について実施例を挙げて説明するが、本発明は必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0034】
(実施例1)
主押出し機に、ポリエチレンテレフタレート(PET)にイソフタル酸成分を25mol%共重合させたポリエステル樹脂(融点195℃、ガラス転移温度70℃)に平均粒径5μmの真球状シリカ微粒子を体積比率で10%になるように配合したペレットを供給し、また別に副押出し機に、微粒子を含有しないPET(融点265℃)を供給して、所定の方法により両側表層にPETを有する溶融3層共押出を行ない、静電印可法により鏡面のキャストドラム上で冷却して3層積層シートを作製した。このようにして得られた3層積層シートを90℃にて長手方向に3倍延伸し、続いてテンターで90℃の予熱ゾーンを通して95℃で幅方向に3倍延伸し、さらに230℃で30秒間熱処理し、全膜厚100μmの積層光拡散性フィルムを得た。表面層の厚さは片側5μmであった。
【0035】
得られた積層光拡散性フィルムについて、全自動直読ヘーズコンピューターHGM−2DP(スガ試験機(株)製)を用いて全光線透過率とヘイズを測定した。全光線透過率は89%であり、ヘイズは85%であった。
【0036】
また、表面の平坦性について、屋内の蛍光灯の像がフィルム表面にどのように映るかで判断した。蛍光灯の像がはっきり見えるものを○、像が拡散反射して見えないものを×とした。ここで、得られた積層光拡散性フィルムは、その表面に蛍光灯の輪郭をはっきりと確認することができ、平坦性が良好であることがわかった。
【0037】
また、得られた積層光拡散性フィルムの拡散性能を実際に目視で評価するため、次のような実験を行なった。すなわち、可視光レーザー(He−Neレーザー、波長632.8nm)を、得られた積層光拡散性フィルムに照射し、透過した光線をスクリーンに投影して、入射光線がどの程度の拡がりを示すか観察して評価した。強度分布が見られず均一で広い拡散範囲をもつものを○、著しい強度分布または狭い拡散範囲のものまたは透過光量が少なく暗いものを×とした。レーザー光線は、フィルムを通ることにより拡がっており良好に拡散性能を示すことが分かった。結果を表1に示す。
【0038】
(実施例2)
主押出し機に、ポリエチレンテレフタレート(PET)にイソフタル酸成分を17mol%共重合させたポリエステル樹脂(融点215℃、ガラス転移温度70℃)を用いた以外は、実施例1と同様にして3層積層シートを作製し、延伸、熱処理を行ない、全膜厚100μmの積層光拡散性フィルムを得た。表面層の厚さは片側5μmであった。得られた積層光拡散性フィルムの全光線透過率は85%であり、ヘイズは84%で、目視による観察結果も良好な拡散性能を発揮していることがわかった。また、表面の平坦性も優れていた。結果を表1に示す。
【0039】
(比較例1)
実施例1において、表層にPETを積層しない粒子含有層のみの単膜を用い、延伸後の熱処理を行わないこと以外は実施例1と同様にして製膜した。なお、延伸後の熱処理温度を融点(195℃)以上の温度(230℃)で行なうと、熱処理時にフィルムが溶けるため製膜は不可能であった。結果を表1に示す。
【0040】
(比較例2)
比較例1において、融点以下の175℃での熱処理を行なった。フィルム中の粒子の周囲に空孔が生成してしまい、透過率が35%と著しく低下した。また、平坦性にも劣る結果となった。結果を表1に示す。
【0041】
【表1】

Figure 0004560890
【0042】
【発明の効果】
本発明によれば、表面が平滑でありながら、光透過性、光拡散性、機械的強度、および生産性に優れた積層光拡散性フィルムが得られる。
【0043】
本発明で得られた積層光拡散性フィルムは、表面が平滑で高光透過性・高光拡散性を有するため、液晶ディスプレイ部材においてバックライト等に用いることにより、高輝度でかつ均一な高品質画像を提供することが可能となる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a manufacturing method of the backlight and illumination device suitably laminated light diffusing fill beam for use in such a liquid crystal display.
[0002]
[Prior art]
In recent years, many displays using liquid crystals have been used as display devices for personal computers, televisions, mobile phones, and the like. Since these liquid crystal displays themselves are not light emitters, they can be displayed by irradiating light from the back side using a backlight. Further, the backlight has a structure of a surface light source called a side light type or a direct type in order to meet the requirement that the entire screen should be irradiated uniformly, not just light. In particular, for a thin liquid crystal display used for a notebook personal computer or the like for which a thin and small size is desired, a sidelight type, that is, a backlight of a type that irradiates light from the side of a screen is applied. Generally, the sidelight type backlight employs a light guide plate system that uniformly irradiates the entire liquid crystal display using a light guide plate that uniformly propagates and diffuses light. The light guide plate is engraved with a pattern so that light incident from the side surface is emitted in the vertical direction, and has a non-uniform light distribution due to the pattern. Therefore, in this liquid crystal display, in order to increase the in-plane uniformity and obtain a high quality image, it is necessary to install a light diffusing film on the light guide plate to make the light uniform.
[0003]
The performance required for such a light diffusive film includes not only high light diffusibility but also extremely high light transmittance. By increasing the light transmittance, light from the backlight can be used efficiently, so that high luminance and low power consumption can be achieved.
[0004]
Conventionally used light diffusing films include, for example, (1) a process described in JP-A-4-275501 and the like, wherein a transparent thermoplastic resin is formed into a sheet shape and then the surface is physically roughened. A diffusion sheet (light diffusive film) obtained by applying the above, or (2) a transparent resin containing fine particles on a transparent substrate film such as polyester resin described in JP-A-6-59108 A light diffusing film obtained by coating a light diffusing layer, or (3) obtained by melting and mixing beads in a transparent resin described in JP-A-6-123802 and extruding it. A light diffusing plate (light diffusing film) is exemplified. The light diffusing films of the above (1) and (2) are so-called surface light diffusing films that obtain a light diffusing effect by the unevenness formed on the film surface or the coated light diffusing layer. On the other hand, the light diffusing film of the above (3) is a light diffusing film having a light diffusing component at least inside the substrate.
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, the light diffusing film obtained by the above (1) and (2) has large surface irregularities, and it is difficult to bond or overlap with other materials such as a film. Also, in the case of the light diffusive film obtained by (3) above, the surface is flatter than the film obtained by (1) or (2) above, but there are irregularities due to beads present in the vicinity of the surface layer, Still inadequate.
[0006]
Thus, as a result of intensive studies to solve the above problems, the present inventors have found that a light diffusive film excellent in light transmittance, light diffusibility, mechanical strength, and productivity while having a smooth surface. And a method for producing the same, and the present invention has been achieved. An object of the present invention, a smooth surface, and light transmittance, light diffusion property, is to provide a mechanical strength, and a manufacturing method excellent laminated light diffusing fill beam productivity.
[Means for Solving the Problems]
[0008]
The method for producing a laminated light diffusive film of the present invention comprises a thermoplastic resin having a melting point higher than that of a thermoplastic resin contained in the light diffusible film on at least one side or both sides of the light diffusible film having a light diffusing layer. A method for producing a laminated light diffusing film comprising laminating a resin layer, wherein the melting point of the thermoplastic resin of the resin layer is T1, the glass transition temperature is Tg1, and the melting point of the thermoplastic resin used in the light diffusing film is the highest. When the melting point of a high thermoplastic resin is T2,
T1>Ta> T2 and Ta> Tg1
It is the manufacturing method of the laminated light diffusive film characterized by including the process heat-processed by the temperature Ta which satisfy | fills.
[0009]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
[0010]
The light diffusing film constituting the laminated light diffusing film obtained in the present invention is a film having at least a light diffusing layer.
[0011]
Examples of the light diffusing film include, for example, (a) a film composed only of a light diffusing layer in which a light diffusing component is dispersed in a thermoplastic resin, and (b) a layer containing a light diffusing component on a film substrate (light Examples thereof include a film coated with a (diffusion layer), and (c) a film obtained by subjecting the surface of a substrate to a concavo-convex process (light diffusion layer). For example, as an example of the light diffusing film of (a), silica, calcium carbonate, aluminum hydroxide, carbon dioxide can be used in a thermoplastic resin such as a polyester resin, a polyolefin resin, an acrylic resin, or a polyvinyl chloride resin. Examples include inorganic fine particles such as titanium, organic fine particles made of acrylic resin, organic silicone resin, polystyrene, urea resin, formaldehyde condensate, or the like, or a light diffusive film formed into a film by dispersing bubbles or the like. As an example of the light diffusing film of (b), a transparent thermoplastic resin in which inorganic or organic fine particles as shown in (a) are dispersed is coated on a transparent support substrate made of a polyester resin or the like. And a light diffusing film having a light diffusion layer formed thereon. In addition, as an example of the light diffusing film of (c), after molding a transparent thermoplastic resin such as polycarbonate into a sheet shape, a method of physically forming irregularities on the surface by embossing, and pouring into a mold having an irregular shape And the like.
[0012]
This invention is not limited to these, What is necessary is just to contain the layer which has a light-diffusion function at least. Therefore, in this invention, it is also possible to laminate | stack another layer which adds functions other than light diffusibility.
[0013]
The base of the light diffusing film used in the present invention is made of at least a thermoplastic resin. Examples of the thermoplastic resin preferably used in the present invention include, for example, polyesters such as polyethylene terephthalate, polyethylene-2, 6-naphthalate, polypropylene terephthalate, and polybutylene terephthalate, polyolefins such as polycarbonate, polystyrene, polyethylene, and polypropylene, polyamide, and polyether. Polyester amide, polyether ester, polyvinyl chloride, polymethacrylic acid ester, a copolymer containing these as main components, a mixture of these resins, or the like can be suitably used. Among these, it is more preferable to use a polyester such as polyethylene terephthalate or polyethylene-2,6-naphthalate, a polyolefin such as polyethylene or polypropylene, a copolymer containing these as main components, or a mixture of these resins.
[0014]
The thermoplastic resin preferably used in the present invention is preferably transparent with respect to light rays in the visible light region. The term “transparent” as used herein refers to a resin having a total light transmittance of 70% or more in a 500 μm-thick film made of only those resins.
[0015]
In the laminated light diffusing film obtained in the present invention , a thermoplastic resin having a melting point higher than that of the thermoplastic resin contained in the light diffusing film is laminated on one side or both sides of the light diffusing film. Here, the melting point of the thermoplastic resin of the resin layer on the surface layer side is T1, the glass transition temperature is Tg1, and the melting point of the thermoplastic resin having the highest melting point among the thermoplastic resins used for the light diffusion film on the inner side is T2. To do. In the present invention, since T1> T2, the surface flatness can be easily ensured regardless of the shape on the inner side by performing heat treatment at a temperature Ta satisfying T1>Ta> T2 and Ta> Tg1. can do. Here, when T1 <T2, when processing is performed at a temperature Tb that satisfies Tb <T1, the inner resin may not be processed, and thus surface flattening may not be achieved, and temperature Tb that satisfies T1 <Tb may be achieved. Also in the heat treatment in the case, problems such as surface adhesion occur, which is not preferable.
[0016]
Here, the thermoplastic resin laminated on the surface layer side is not particularly limited as long as it is a thermoplastic resin having a melting point higher than that of at least the thermoplastic resin used for the light diffusing film.
For example, the same resins as those used for the light diffusing film can be used, and preferable thermoplastic resins include, for example, polyethylene terephthalate, polyethylene-2, 6-naphthalate, polypropylene terephthalate, poly Polyesters such as butylene terephthalate, polyolefins such as polycarbonate, polystyrene, polyethylene and polypropylene, polyamides, polyethers, polyester amides, polyether esters, polyvinyl chloride, polymethacrylic acid esters and copolymers comprising these as main components, or these Examples thereof include a mixture of resins. Of these, polyesters such as polyester terephthalate and polyethylene-2,6-naphthalate, copolymers having these as main components, or mixtures thereof can be preferably used.
[0017]
Further, the melting point of the thermoplastic resin used on the surface layer side needs to be higher than the melting point of the thermoplastic resin used for the light diffusion film on the inner side, preferably 10 ° C. or higher, more preferably 20 ° C. or higher. High is desirable.
[0018]
The melting point of these thermoplastic resins can be easily measured as a peak value of an endothermic curve based on crystal melting using a differential scanning calorimeter (DSC). At the same time, the glass transition temperature (Tg) can be measured. The glass transition temperature is sensed by the translation of the baseline of the measurement curve because the specific heat change occurs when the resin transitions from the glass state to the rubber state.
[0019]
The thermoplastic resin laminated on the surface layer side of the light diffusing film uses a resin having a refractive index different from that of the thermoplastic resin of the light diffusing film used on the inner side for the purpose of improving the light diffusing performance. You can also . For example, when a light diffusing layer having a surface unevenness is used as the light diffusing film, the light diffusing performance may be maintained or improved by laminating a thermoplastic resin layer having a different refractive index.
[0020]
It is desirable that the resin layer laminated on the surface layer side of the present invention is substantially non-light diffusing. By being non-light diffusive, it is possible to ensure flatness without reducing the total light transmittance even after lamination. The term “non-light diffusive” as used herein means that the value is 10% or less when the haze of only the film is measured.
[0021]
The thermoplastic resin layer on the surface layer side is laminated on at least one surface of the light diffusing film, but it is preferable to laminate on both surfaces because the flatness of the entire film can be secured.
[0022]
When the thermoplastic resin layer is not laminated on the surface layer side of the light diffusing film or when a resin outside the performance range described in the present invention is laminated, a film having poor surface flatness is obtained. For example, these films have a light reflectance of about several percent. However, when an electric lamp such as an indoor lighting fixture is reflected, a phenomenon such that an image of the electric lamp cannot be confirmed on the film surface is observed. On the other hand, in the laminated light diffusing film of the present invention, the outline of the electric lamp image can be clearly confirmed.
[0023]
As a method for laminating a resin layer composed of a light diffusing film and a thermoplastic resin, a resin layer composed of a thermoplastic resin that has been processed into a sheet shape in advance on a light diffusing film formed into a sheet shape via an adhesive layer. A method of adhering, a method of adhering a resin layer composed of a light diffusive film and a thermoplastic resin and thermocompression bonding, a method of co-extruding a resin layer composed of a light diffusible film and a thermoplastic resin, etc. The present invention is not particularly limited to these. Moreover, in this invention, an extending | stretching process can also be given after laminating | stacking both as needed.
[0024]
In the method for producing a laminated light diffusing film of the present invention, a resin layer made of a thermoplastic resin is laminated on at least one surface of the light diffusing film as described above, and then the melting point of the thermoplastic resin on the surface layer side is T1, glass Heat treatment is performed at a temperature Ta satisfying T1>Ta> T2 and Ta> Tg1, where Tg1 is the transition temperature and T2 is the melting point of the thermoplastic resin having the highest melting point among the thermoplastic resins used for the light diffusion film on the inner side. Including the step of performing. By performing the heat treatment at a temperature lower than T1, problems such as adhesion during the treatment process are not caused, and by performing the heat treatment at a temperature higher than T2, defects such as internal uneven lamination are eliminated and the surface is flattened. Can be realized. Further, by performing the heat treatment at a temperature higher than Tg1, the fluidity of the thermoplastic resin in the surface layer is increased, and the surface layer is easily flattened. Here, the magnitude relationship between T2 and Tg1 is not particularly limited.
[0025]
Although effective surface heat treatment is possible with Ta satisfying T1> Ta, it is preferable to treat at a temperature Ta satisfying T1> Ta + 10 (° C.), more preferably T1> Ta + 20 (° C.). In order to effectively eliminate internal defects, Ta> T2 + 10 (° C.) is preferable, and Ta> T2 + 20 (° C.) is more preferable.
[0026]
Examples of the heat treatment method include a method of holding the end of the film while holding it in the temperature Ta atmosphere, a method of pressing a flat plate having the surface temperature Ta against the film surface layer, and the like. It is also possible to use it. The heat treatment in the present invention is usually performed in a state where at least the light diffusing film and the thermoplastic resin layer are laminated by the above laminating method. Thereby, the flatness of the surface layer of the laminated light diffusing film can be secured.
[0027]
Further, the total film thickness of the laminated light diffusing film obtained in the present invention is not particularly limited, but is preferably 10 to 500 μm and more preferably 20 to 300 μm in consideration of the thin film application and workability. The proportion of the total film thickness occupied by the resin layer on the surface layer side is not particularly limited, but is usually selected in the range of 1 to 50 μm, and preferably 1 to 30 μm.
[0028]
The total light transmittance of the laminated light diffusing film obtained in the present invention is preferably 70% or more, more preferably 80% or more, and further preferably 90% or more. When the total light transmittance is less than 70%, the luminance tends to be insufficient when a laminated light diffusing film is incorporated in a display, and low power consumption cannot be expected to obtain high luminance. . Moreover, the haze of the laminated light diffusing film obtained in the present invention is preferably 70% or more, more preferably 80% or more, and further preferably 90% or more. When the haze is less than 70%, the transmittance of parallel light tends to be high, and in this case, the brightness tends to be uneven.
[0029]
The light diffusibility of the laminated light diffusing film is largely due to the performance of the light diffusing film before lamination. As a means for controlling the light diffusibility of the light diffusive film before lamination, the desired light diffusibility can be obtained by controlling the unevenness of the film surface, making the surface rougher and making the groove deeper and deeper (the above-mentioned a B). The other is a method in which a light diffusing component is dispersed in a matrix resin. Here, for example, a desired light diffusibility can be obtained by selecting a refractive index difference between a matrix and a dispersed phase, a diameter of a dispersed phase, a mixing ratio, and the like. (The light diffusing film of c). In the present invention, when the light diffusing film obtained by the latter means is used, the light diffusing performance before and after lamination is small compared to the former, and the light diffusing is performed when the internal light diffusing film is formed. Since the performance can be grasped, it is more effective.
[0030]
These total light transmittance and haze can be measured by an integrating sphere light transmittance measuring device (haze meter) in accordance with Japanese Industrial Standard JIS K7105 “Testing Method for Optical Properties of Plastics”.
[0031]
Moreover, various additives can be added to the laminated light diffusing film of the present invention within a range in which the effects of the present invention are not lost. The layer to which the additive is added may be a light diffusion layer, a resin layer made of a thermoplastic resin on the surface layer side, or other layers. Examples of additives to be added and blended include, for example, pigments, dyes, fluorescent brighteners, antioxidants, heat resistance agents, light resistance agents, weather resistance agents, antistatic agents, mold release agents and the like.
[0032]
The laminated light diffusing film obtained in the present invention is suitably used for a backlight of a liquid crystal display, a lighting device, and the like.
[0033]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although an Example is given and this invention is demonstrated, this invention is not necessarily limited to these.
[0034]
Example 1
In a main extruder, 10% by volume of true spherical silica fine particles with an average particle diameter of 5 μm are added to a polyester resin (melting point 195 ° C., glass transition temperature 70 ° C.) obtained by copolymerizing 25 mol% of an isophthalic acid component with polyethylene terephthalate (PET). The pellets formulated so as to be supplied are supplied, and PET (melting point 265 ° C.) not containing fine particles is supplied to the sub-extruder separately, and melted three-layer coextrusion having PET on both surface layers is performed by a predetermined method. Then, it was cooled on a mirror-casting drum by an electrostatic application method to produce a three-layer laminated sheet. The three-layer laminated sheet thus obtained was stretched 3 times in the longitudinal direction at 90 ° C., subsequently stretched 3 times in the width direction at 95 ° C. through a 90 ° C. preheating zone, and further 30 ° C. at 230 ° C. Heat treatment was performed for 2 seconds to obtain a laminated light diffusing film having a total film thickness of 100 μm. The thickness of the surface layer was 5 μm on one side.
[0035]
About the obtained laminated light diffusive film, the total light transmittance and haze were measured using fully automatic direct reading haze computer HGM-2DP (made by Suga Test Instruments Co., Ltd.). The total light transmittance was 89%, and the haze was 85%.
[0036]
Further, the flatness of the surface was judged by how the image of an indoor fluorescent lamp was reflected on the film surface. The case where the image of the fluorescent lamp was clearly visible was indicated as ◯, and the case where the image was not visible due to diffuse reflection was indicated as X. Here, it was found that the obtained laminated light diffusing film can clearly confirm the outline of the fluorescent lamp on the surface, and has good flatness.
[0037]
Moreover, in order to actually visually evaluate the diffusion performance of the obtained laminated light diffusive film, the following experiment was conducted. That is, a visible light laser (He-Ne laser, wavelength 632.8 nm) is irradiated on the obtained laminated light diffusive film, and the transmitted light is projected on a screen to show how much the incident light is spread. Observed and evaluated. A case where no intensity distribution was observed and a uniform and wide diffusion range was marked with ◯, and a case where a remarkable intensity distribution or a narrow diffusion range or a darkness with little transmitted light amount was marked as x. It was found that the laser beam spreads through the film and shows good diffusion performance. The results are shown in Table 1.
[0038]
(Example 2)
Three-layer lamination was performed in the same manner as in Example 1 except that a polyester resin (melting point: 215 ° C., glass transition temperature: 70 ° C.) obtained by copolymerizing 17 mol% of an isophthalic acid component with polyethylene terephthalate (PET) was used for the main extruder. A sheet was prepared and subjected to stretching and heat treatment to obtain a laminated light diffusing film having a total film thickness of 100 μm. The thickness of the surface layer was 5 μm on one side. The obtained laminated light diffusive film had a total light transmittance of 85%, a haze of 84%, and it was found that the observation result by visual observation also exhibited good diffusion performance. Moreover, the flatness of the surface was also excellent. The results are shown in Table 1.
[0039]
(Comparative Example 1)
In Example 1, a film was formed in the same manner as in Example 1 except that a single film having only a particle-containing layer in which PET was not laminated on the surface layer was used and heat treatment after stretching was not performed. When the heat treatment temperature after stretching was performed at a temperature (230 ° C.) higher than the melting point (195 ° C.), film formation was impossible because the film melted during the heat treatment. The results are shown in Table 1.
[0040]
(Comparative Example 2)
In Comparative Example 1, heat treatment was performed at 175 ° C. below the melting point. Holes were generated around the particles in the film, and the transmittance was significantly reduced to 35%. In addition, the flatness was inferior. The results are shown in Table 1.
[0041]
[Table 1]
Figure 0004560890
[0042]
【The invention's effect】
According to the present invention, a laminated light diffusive film excellent in light transmittance, light diffusibility, mechanical strength, and productivity can be obtained while the surface is smooth.
[0043]
Since the laminated light diffusive film obtained in the present invention has a smooth surface and high light transmittance and high light diffusibility, it can be used for a backlight or the like in a liquid crystal display member. It becomes possible to provide.

Claims (5)

少なくとも光拡散層を有する光拡散性フィルムの片側または両側に、該光拡散性フィルム中に含まれる熱可塑性樹脂より高い融点をもつ熱可塑性樹脂からなる樹脂層を積層する積層光拡散性フィルムの製造方法であって、該樹脂層の熱可塑性樹脂の融点をT1、ガラス転移温度をTg1、該光拡散フィルムに用いられる熱可塑性樹脂のうち最も融点の高い熱可塑性樹脂の融点をT2とするとき、
T1>Ta>T2かつTa>Tg1
を満たす温度Taで熱処理する工程を含むことを特徴とする積層光拡散性フィルムの製造方法。
Production of a laminated light diffusing film in which a resin layer made of a thermoplastic resin having a melting point higher than that of the thermoplastic resin contained in the light diffusing film is laminated on at least one side or both sides of the light diffusing film having a light diffusing layer. When the melting point of the thermoplastic resin of the resin layer is T1, the glass transition temperature is Tg1, and the melting point of the thermoplastic resin having the highest melting point among the thermoplastic resins used in the light diffusion film is T2,
T1>Ta> T2 and Ta> Tg1
A process for producing a laminated light diffusive film comprising a step of heat-treating at a temperature Ta satisfying
光拡散性フィルムと熱可塑性樹脂からなる樹脂層を共押出し、延伸し、熱処理を施すことを特徴とする請求項1記載の積層光拡散性フィルムの製造方法。The method for producing a laminated light diffusive film according to claim 1, wherein a resin layer comprising a light diffusible film and a thermoplastic resin is coextruded, stretched, and subjected to heat treatment. 光拡散性フィルムが、熱可塑性樹脂中に光拡散成分を分散した光拡散層のみからなることを特徴とする請求項1記載の積層光拡散性フィルムの製造方法。2. The method for producing a laminated light diffusive film according to claim 1, wherein the light diffusive film comprises only a light diffusing layer in which a light diffusing component is dispersed in a thermoplastic resin. 全光線透過率が80%以上であり、かつヘイズが80%以上である請求項1または2記載の積層光拡散性フィルムの製造方法。The method for producing a laminated light diffusing film according to claim 1 or 2, wherein the total light transmittance is 80% or more and the haze is 80% or more. 熱可塑性樹脂からなる樹脂層が、実質的に非光拡散性であることを特徴とする請求項1記載の積層光拡散性フィルムの製造方法2. The method for producing a laminated light diffusing film according to claim 1, wherein the resin layer made of a thermoplastic resin is substantially non-light diffusing.
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