JP4560617B2 - Calcium phosphate-polymer composite, production method and use - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、生体適合性、生体組織に対する密着性あるいは接着性を有する、医療用材料に有用なリン酸カルシウム系の粒子と高分子基体とからなるリン酸カルシウム−高分子複合体、その製造法、該複合体を用いてなる医療用材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
シリコーンゴムは、生体不活性、長期安定性、強度、柔軟性等の特性を持っているため、医療用材料として広く用いられている。例えば、経皮カテーテルとして古くから用いられているが、生体不活性であるために、経皮部において生体組織との接着が起こらず、皮膚のdown growth(上皮組織がカテーテル表面に沿って内部へ陥入していく現象)、及び陥入部位における細菌感染の危険性が常に問題となってきた。
【0003】
一方、ハイドロキシアパタイトを始めとするリン酸カルシウム系化合物は、生体活性材料として単独、または無機材料、有機高分子と複合化させて医療分野において広く用いられている。
【0004】
例えば、経皮カテーテル等の部材として用いられる経皮端子として、ハイドロキシアパタイト緻密体(特開昭59−174146号公報)、リン酸3カルシウム及び/又はリン酸4カルシウム(特開昭60−92768号公報)、リン酸カルシウム系ガラス及び/又はバイオガラス(特開昭63−9435号公報)、ハイドロキシアパタイト焼結体(H.Aoki,et.al.,Med.Prog.Technol.,12,第213頁(1997年))等を使用することが提案されている。しかしながらこれらの材料は、脆く、衝撃で破損する恐れがあること、成型加工が困難であること、また、端子の開通孔内に挿入するカテーテル、あるいは金属製部材と端子間の結合がなく、それらの部材と端子間の間隙から細菌感染が起こる可能性があること等の問題があった。
【0005】
また、シリコーンゴムとハイドロキシアパタイトを複合化したものとして、シリコーンゴム製カテーテル表面にハイドロキシアパタイトの薄膜を形成させた経皮器具(M.Paul,et.al.,ASAIO J.,40,M896(1994年))が提案されている。しかしこれは、カテーテル表面に生成した薄膜が、ハイドロキシアパタイトが分解して生成した酸化カルシウムや非晶質リン酸カルシウム系化合物を含んだ多孔体であること、また、亀裂が存在することから、シリコーンゴム基体に対する薄膜の接着強度に乏しいという問題があった。
【0006】
特公平5−33634号公報には、表面改質を施したリン酸カルシウム系化合物の表面でモノマーを加熱重合することによるハイドロキシアパタイトと有機材料の複合化が提案されている。しかし、この方法により提供される端子は、生体との柔軟性の差が大きく、力学的ストレスがかかった場合に、接合部に応力集中が起こり、接合部の剥離、生体組織の損傷をもたらす恐れがあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の第1の目的は、生体適合性、生体組織に対する密着性、接着性を有する医療用材料に有用なリン酸カルシウム系の粒子と高分子基体とからなるリン酸カルシウム−高分子複合体を提供することにある。
本発明の第2の目的は、リン酸カルシウム−高分子複合体の製造法を提供することにある。
本発明の第3の目的は、生体適合性、生体組織に対する密着性、接着性を有するリン酸カルシウム−高分子複合体を用いてなる医療用材料を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前述の問題点を解決すべく鋭意研究を行った結果、シリコーンゴム、ポリウレタン等の高分子基体表面にリン酸カルシウム系の粒子を化学結合により強固に固定する手法を見いだし、また、該手法により得られるリン酸カルシウム−高分子複合体が経皮端子、経皮カテーテル等の医療用用途に好適に応用しうることを見出し、本発明を完成した。すなわち本発明によれば、リン酸カルシウム系の粒子と高分子基体とが化学結合により結合していることを特徴とするリン酸カルシウム−高分子複合体が提供される。
すなわち、本発明は以下の(一)〜(五)である。
(一)活性基を有するリン酸カルシウム系の粒子と、活性基を有する高分子基体とからなる複合体であって、リン酸カルシウム系の粒子の活性基と高分子基体の活性基とを化学反応させてなるリン酸カルシウム−高分子複合体。
(二)リン酸カルシウム系の粒子と高分子基体とが、下記式(1)
【0009】
【化2】
【0010】
で示される構造の分子鎖により結合していることを特徴とする前記(一)に記載のリン酸カルシウム−高分子複合体。
(三)活性基を有するリン酸カルシウム系の粒子と、活性基を有する高分子基体を用いてリン酸カルシウム−高分子複合体を製造するにあたり、リン酸カルシウム系の粒子の活性基と高分子基体の活性基とを反応させ、化学結合させることを特徴とするリン酸カルシウム−高分子複合体の製造方法。
(四)活性基を有するリン酸カルシウム系の粒子が表面にアミノ基を有するリン酸カルシウム系化合物粒子であり、活性基を有する高分子基体が、表面にカルボキシル基を有するビニル系重合性単量体をグラフト重合させたシリコーンゴムである前記(三)に記載のリン酸カルシウム−高分子複合体の製造方法。
(五)前記(一)又は(二)に記載の複合体を用いてなる医療用材料。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明は、リン酸カルシウム系の粒子と高分子基体とが、特定の構造を含む分子鎖により化学結合していることを特徴とするリン酸カルシウム−高分子複合体を提供する。このリン酸カルシウム−高分子複合体は、表面に反応性の活性基を導入したリン酸カルシウム系の化合物からなる粒子と、反応性の活性基を有する高分子基体とを反応させ、両者間に化学結合を導入することにより製造することができる。
例えば、表面に反応性の活性基を導入したリン酸カルシウム系の化合物からなる粒子に、表面にアミノ基を導入したリン酸カルシウム系の化合物からなる粒子を用い、更に反応性の活性基を導入した高分子基体として、表面にカルボキシル基を有するビニル系重合性単量体をグラフト重合させたシリコーンゴムを用いて、化学反応させることで、リン酸カルシウム系化合物と高分子基体とからなる複合体であるリン酸カルシウム−高分子複合体を得ることができる。このようなリン酸カルシウム系の化合物からなる粒子と高分子基体とからなる複合体は、医療用材料として使用することができる。
以下に、本発明のリン酸カルシウム−高分子複合体について、詳細に説明する。
本発明の複合体は、活性基を有するリン酸カルシウム系の化合物からなる粒子と、活性基を有する高分子基体とが化学結合により結合されていることを特徴とする。
本発明の活性基を有するリン酸カルシウム系の粒子に用いられる素材としては、表面に活性基を有しうるリン酸カルシウム系の素材であれば、いかなるものをもちいることもできるが、好ましくはハイドロキシアパタイト、リン酸水素カルシウム、リン酸3カルシウム、リン酸4カルシウム、炭酸アパタイト、オキシアパタイト、ピロリン酸アパタイト、リン酸8カルシウム、フッ素アパタイト、塩素アパタイト、ハイドロキシアパタイトの水酸イオン、リン酸イオンの一部が炭酸イオン、塩化物イオン、フッ化物イオン等で置換された化合物、又はこれらの混合物等からなるリン酸カルシウム系化合物を素材として挙げることができる。
特に、生体組織との親和性、生体環境における安定性からハイドロキシアパタイトを好ましく挙げることができる。
これらのリン酸カルシウム系化合物は、湿式法、乾式法、加水分解法、又は水熱法等の公知の製造法により人工的に製造されたものであっても、また、骨、歯等から得られる天然由来のものであっても共にリン酸カルシウム系の粒子の素材として好ましく使用できる。
本発明において好ましく使用できるリン酸カルシウム系の粒子の形状は、化学結合により高分子基体表面に固定できる程度の粒子であれば、いかなるものでも良いが、粒径が0.001〜1000μmのものが好ましく、特に、0.01〜100μmのものが好ましい。粒径が0.001μm未満である場合、本発明の複合体を生体内に埋入した場合に、高分子基体表面に固定されたリン酸カルシウム系の化合物からなる粒子が溶出して失われ、本発明の複合体が有する生体に対する接着性等の好ましい性質を示さない恐れがあるため好ましくなく、1000μmを越える場合、リン酸カルシウム系の化合物からなる粒子と高分子基体との結合が相対的に弱くなり、容易に本発明の複合体が破壊されてしまう恐れがあるため好ましくない
【0012】
本発明の活性基を有する高分子基体とは有機高分子からなる表面を有しているもので、活性基を有する状態にしうる有機高分子であれば、いかなる有機高分子であっても用いることができるが、好ましくは、例えばシリコーンポリマー(シリコーンゴムであっても良い)、ポリエチレングリコール、ポリアルキレングリコール、ポリグリコール酸、ポリ乳酸、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスルフォン、ポリエーテル、ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミン、ポリウレア、ポリイミド、ポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニル等の合成高分子;セルロース、アミロース、アミロペクチン、キチン、キトサン等の多糖類、コラーゲン等のポリペプチド、ヒアルロン酸、コンドロイチン、コンドロイチン硫酸等のムコ多糖類等の天然高分子を好ましく挙げることができる。
【0013】
リン酸カルシウム系の化合物からなる粒子と高分子基体との複合体を形成するにあたり、リン酸カルシウム系の化合物からなる粒子と高分子基体を結合する化学結合は、リン酸カルシウム系化合物粒子と高分子基体間の結合強度が十分に得られるものであればいかなる化学結合でも良いが、下記式に示す構造を有する化学結合を好ましく挙げることができる。
【0014】
【化3】
【0015】
【化4】
【0016】
【化5】
【0017】
【化6】
【0018】
【化7】
【0019】
【化8】
【0020】
【化9】
【0021】
【化10】
【0022】
【化11】
【0023】
【化12】
【0024】
【化13】
【0025】
【化14】
【0026】
【化15】
【0027】
【化16】
【0028】
【化17】
【0029】
これらの構造は、リン酸カルシウム系の化合物からなる粒子表面の活性基と高分子基体表面の活性基との間の反応によって得られる。より好ましくは、前記式(1)で表されるアミド結合である。
式(1)で示されるアミド結合は、アミノ基とカルボキシル基、アジドカルボニル基、クロロカルボニル基、N−ヒドロキシスクシンイミドカルボン酸エステル、酸無水物等;カルボキシル基とN−アセチルアミノ基、N−トリメチルシリルアミノ基等;イソシアナト基とカルボキシル基等の活性基間の反応により得られる。適切な反応条件はそれぞれの組み合わせによって異なり、組み合わせの活性基間の反応が進めばいかなる反応条件でも良いが、例えばアミノ基とカルボキシル基の組み合わせの場合、1重量部の活性基を有する高分子基体に対し、0.001〜100重量部の活性基を有するリン酸カルシウム系化合物粒子を0.1〜1000重量部の水、あるいはトルエン、ヘキサン等の炭化水素系溶媒;アルコール類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒等の有機溶媒中に加え、攪拌、分散させた所に高分子基体を1分〜24時間浸漬し、高分子基体表面に吸着させ、その後160〜200℃、0.01〜10mmHg、1〜24時間の条件で反応させる固相縮合法;有機溶媒中、活性基を有するリン酸カルシウム系化合物粒子、活性基を有する高分子基体と公知の縮合剤、例えばカルボニルジイミダゾール、カルボジイミド等を投入し、反応させる方法等が挙げられる。固相縮合法を用いる場合、高分子基体1重量部に対し活性基を有するリン酸カルシウム系化合物粒子が0.001重量部以下では基体表面に均一にリン酸カルシウム系化合物粒子が吸着せず、均一な被覆表面を形成できなくなる恐れがあるため好ましくなく、100重量部以上では経済的に得策でないため好ましくない。また、溶媒の量は0.1重量部以下では基体表面に均一にリン酸カルシウム系化合物粒子が吸着せず、均一な被覆表面を形成できなくなる恐れがあるため好ましくなく、1000重量部以上では経済的に得策でないため好ましくない。また、粒子を基体表面に吸着させた後の反応温度は160℃以下では縮合反応が十分に進行しない恐れがあるので好ましくなく、200℃以上では基体の劣化等が起こる恐れがあるため好ましくない。反応時の減圧度は0.01mmHg以下では装置等の設備面において経済的に不利となるので好ましくなく、10mmHg以上では縮合反応が起こりにくく反応時間を長時間にする必要があるため好ましくない。
【0030】
式(2)で示されるエステル結合は、活性基であるカルボキシル基と、ヒドロキシル基、ジアゾカルボニル基、ジアゾアルキル基等の活性基間の反応により得られる。適切な反応条件はそれぞれの組み合わせによって異なり、組み合わせの活性基間の反応が進めばいかなる反応条件でも良いが、例えばカルボキシル基とヒドロキシル基の組み合わせの場合、有機溶媒中、カルボキシル基とカルボニルジイミダゾールを反応させた後、ヒドロキシル基を反応させる方法等が挙げられる。
【0031】
式(3)で示される尿素結合は、活性基であるアミノ基と活性基であるイソシアナト基等との反応により得られる。反応条件としては、反応が進行すればいかなる反応条件でも良いが、例えば有機溶媒中室温でアミノ基とイソシアナト基を反応させる方法等が挙げられる。
【0032】
式(4)で示されるチオ尿素結合は、活性基であるアミノ基と活性基であるイソチオシアナト基等との反応により得られる。反応条件としては、反応が進行すればいかなる反応条件でも良いが、例えばpH9の炭酸ナトリウム緩衝液中0℃〜室温でアミノ基とイソシアナト基を1〜24時間反応させる方法等が挙げられる。
【0033】
式(5)で示されるβ−ケトチオエーテル結合は、活性基であるメルカプト基と活性基であるα−ハロアセチル基等の反応により得られる。反応条件としては、反応が進行すればいかなる反応条件でも良いが、例えば水中、室温、pH7〜8の弱アルカリ条件下で、メルカプト基とα−ハロアセチル基を反応させる方法等が挙げられる。
【0034】
式(6)で示されるシッフ塩基構造は、活性基であるアミノ基と、アルデヒド又はケトンの活性基として機能しうる部分との反応により得られる。反応条件としてはアルカリ水溶液中室温で反応させる方法等がある。また、必要に応じて得られたシッフ塩基構造に例えば水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム等の公知の還元剤によって還元することによって式(7)で示される2級、3級アミン構造を得ることができる。
【0035】
式(8)で示されるスルファミド結合は、活性基であるアミノ基と、塩化スルフォニル基、スルフォン基等の活性基との反応により得られる。適切な反応条件はそれぞれの組み合わせによって異なり、組み合わせの活性基間の反応が進行すればいかなる反応条件でも良い。例えばアミノ基と塩化スルフォニル基の組み合わせの場合、有機溶媒中、室温でアミノ基と塩化スルフォニル基を反応させる方法、水中、pH9〜10のアルカリ条件下で両者を反応させる方法等がある。
【0036】
式(9)で示されるヒドロキシ−2級アミン構造は、活性基であるアミノ基と活性基であるエポキシ基との反応により得られる。適切な反応条件は、組み合わせの活性基間の反応が進めばいかなる反応条件でも良いが、例えば水中、室温下pH8〜10の条件で反応させる方法等がある。
【0037】
式(10)で示されるカルバメート結合は、活性基であるヒドロキシル基と、イソシアナト基、炭酸ジエステル等の活性基との反応により得られる。適切な反応条件は、組み合わせの活性基間の反応が進めばいかなる反応条件でも良いが、ヒドロキシル基とイソシアナト基の組み合わせの場合、例えばトルエン溶媒中還流下でヒドロキシル基とイソシアナト基を反応させる方法等が挙げられる。
【0038】
式(11)で示されるアリールアミン構造は、活性基であるアミノ基と、ハロゲン化アリール基、スルフォン化アリール基等の活性基との反応により得られる。適切な反応条件は、組み合わせの活性基間の反応が進めばいかなる反応条件でも良いが、アミノ基とハロゲン化アリール基の場合、例えばアルカリ条件下、水溶液中でアミノ基とハロゲン化アリール基を反応させる方法等が挙げられる。
なお、式(11)中のAr1はアリール基を示す。
【0039】
式(12)で示されるアリールチオエーテル結合は、活性基であるメルカプト基と、ハロゲン化アリール基、スルフォン化アリール基等の活性基との反応により得られる。適切な反応条件は、組み合わせの活性基間の反応が進めばいかなる反応条件でも良いが、例えばメルカプト基とハロゲン化アリール基の場合、例えばメタノール溶媒中、0℃でピペリジンを触媒として用いてメルカプト基とハロゲン化アリール基を反応させる方法等が挙げられる。
なお、式(12)中のAr2はアリール基を示す。
【0040】
式(13)で示されるスルフィド結合は活性基であるメルカプト基と、活性基として利用しうるスルフィド結合との交換反応により得られる。適切な反応条件は、交換反応が進めばいかなる反応条件でも良いが、pH7〜8の水溶液中、室温でメルカプト基とスルフィド結合を反応させる方法等が挙げられる。
【0041】
式(14)で示されるチオエーテル結合は活性基であるメルカプト基と、アクリロイル基、マレイン酸イミド等の共役二重結合を有する活性基との反応により得られる。適切な反応条件は、組み合わせの活性基間の反応が進めばいかなる反応条件でも良いが、例えばメルカプト基とアクリロイル基の場合、例えば中性〜アルカリ性水溶液中でメルカプト基とアクリロイル基を反応させる方法等が挙げられる。
【0042】
式(15)で示されるβ−アミノチオエーテル結合は活性基であるメルカプト基と、アジリジン、イミン等の活性基との反応により得られる。適切な反応条件は、組み合わせの活性基間の反応が進めばいかなる反応条件でも良いが、例えばメルカプト基とアジリジンの場合、例えば水溶液中、弱アルカリ条件下で反応させる方法等が挙げられる。
【0043】
これらの活性基の組み合わせは、上記説明にある2対の活性基の組み合わせの表記をそれぞれ(A、B)として説明すると、Aがリン酸カルシウム系の化合物からなる粒子表面の活性基、Bが高分子基体表面の活性基であってもBがリン酸カルシウム系の化合物からなる粒子表面の活性基、Aが高分子基体表面の活性基であっても、いずれでも良い。
例えば、リン酸カルシウム系の化合物からなる粒子表面の活性基は、リン酸カルシウム系の化合物そのものが有するイオン、例えば水酸イオンであっても、粒子表面を公知の表面改質法、例えば分子末端に上記活性基を有するシランカップリング剤等により改質することで導入されたものであっても良い。末端に活性基を有するシランカップリング剤としては、例えば末端にアミノ基、エポキシ基、メルカプト基等を有するものが挙げられる。入手性、反応性、改質操作の簡便性の上から信越化学工業(株)等からの市販品を、好ましく挙げることができる。
リン酸カルシウム系の化合物からなる粒子表面に公知の表面改質法を用いる場合の適切な反応条件は、反応の種類、改質剤の反応性により異なるが、例えば末端に上記活性基を有するシランカップリング剤を用いる場合、高速攪拌機中にリン酸カルシウム系の化合物からなる粒子1重量部を投入し,その後シランカップリング剤0.0001〜10重量部を滴下、もしくはスプレーにより添加し均一に撹拌した後乾燥させる乾式法、トルエン、ヘキサン等の炭化水素系溶媒;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒等の有機溶媒中0.1〜1000重量部中にリン酸カルシウム系の化合物からなる粒子1重量部、シランカップリング剤0.0001〜10重量部を加え、攪拌下で室温〜150℃、10分〜10日間反応させた後、溶媒、未反応のシランカップリング剤を除去し乾燥させる湿式法等を好ましく用いることができる。湿式法に用いるシランカップリング剤の量はリン酸カルシウム系化合物粒子1重量部に対し0.0001重量部以下では粒子表面に導入される活性基の量が十分でなくなる恐れがあるため好ましくなく、10重量部以上では経済的に得策とならないため好ましくない。溶媒の量は0.1重量部以下では反応系が均一になりにくく、粒子表面を均一に修飾されない恐れがあるため好ましくなく、1000重量部以上では経済的に不利となるため好ましくない。反応温度は室温以下では反応時間を長時間にしなければならず不利であり、150℃以上ではシランカップリング剤末端の活性基が好ましくない副反応を引き起こす可能性があるため好ましくない。
【0044】
また、高分子基体表面の活性基は、基体表面の高分子が有する活性基であっても、基体表面を例えば酸、アルカリ処理、コロナ放電、プラズマ照射、表面グラフト重合等の公知の手段によって改質することにより導入されたものであっても良い。基体表面の改質による活性基の導入法は、基体の種類、改質手段によって異なるが、例えば基体としてシリコーンポリマーの中でもポリジメチルシロキサン系シリコーンゴムを用い、改質手段として表面グラフト重合を用いる場合、まず基体表面をコロナ放電、あるいはプラズマ照射により処理した後、得られた基体1重量部に対し水、あるいはトルエン、ヘキサン等の炭化水素系溶媒;アルコール類;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒等の有機溶媒0.1〜1000重量部、側鎖に活性基を有するビニル系単量体0.001〜100重量部を基体とともに反応容器に入れ、十分に脱気した後、減圧下、あるいはアルゴン、ヘリウム、窒素、二酸化炭素等の不活性雰囲気下で40〜200℃、10分〜24時間重合する方法を好ましく挙げることができる。溶媒の量が0.1重量部以下では基体表面を均一に活性基を導入することが難しくなるため好ましくなく、1000重量部以上では製造コスト的に不利となるため好ましくない。また、ビニル系単量体が0.001重量部以下の場合、基体表面に十分な量の活性基を導入することが難しくなるため好ましくなく、100重量部以上の場合は製造コストが高くなり、経済的に得策ではないため好ましくない。反応温度が40℃以下ではグラフト重合が十分に行われない恐れがあるため好ましくなく、200℃以上では基体となるポリジメチルシロキサン系シリコーンゴムが熱により分解、変質を受ける恐れがあるため好ましくない。
【0045】
上記表面グラフト重合に用いる重合性単量体としては、リン酸カルシウム系の化合物からなる粒子表面の活性基と反応し化学結合を作りうる活性基を側鎖に有していればいかなるものでも良いが、例えば、(メタ)アクリル酸(以下、本発明における(メタ)アクリ・・とは、メタクリ・・及び/又はアクリ・・を意味するものとする。)、アコニット酸、イタコン酸、メサコン酸、シトラコン酸、フマル酸、マレイン酸、ビニルスルホン酸、アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、及びこれらの各種金属塩、及びハロゲン化物;(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸モノグリセロール、N−[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−(メタ)アクリロイルピロリドン、アクリロイルモルホリン、マレイン酸イミド、無水マレイン酸;アミノスチレン、カルボキシスチレン等のスチレン系単量体;グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルオキシエチルトリメトキシシラン、ビニルベンジルアミン等を好ましく挙げることができる。
【0046】
さらに必要に応じて本発明のリン酸カルシウム−高分子複合体の上に、更にリン酸カルシウム系の化合物を重層させることにより、リン酸カルシウム系の化合物の層の厚さを増すことができる。重層させるに当たっては、重合性単量体とリン酸カルシウム系の化合物からなる粒子を混合して該複合体の上に重層し、その後、熱、光、あるいは放射線等により単量体を重合させ、固化させる方法、該複合体をカルシウムイオンとリン酸イオンを含む溶液中に浸漬し、リン酸カルシウム系化合物を析出させる方法、該複合体をカルシウムイオンを含む溶液とリン酸イオンを含む溶液に交互に浸漬し、リン酸カルシウム系化合物を析出させる方法等が挙げられる。また、重層させるに当たって重合性単量体とリン酸カルシウム系の化合物からなる粒子を混合して該複合体の上に重層し、その後、熱、光、あるいは放射線等により単量体を重合させ、固化させる方法の場合、適当な形状の型を用いることで所望の形状に重層させることができる。
【0047】
本発明のリン酸カルシウム−高分子複合体は、従来の経皮カテーテル、経皮端子と比べ、柔軟性があり、リン酸カルシウム系化合物層と高分子基体間の強度や、生体に対する密着性、生体適合性に優れており、また、成形した高分子基体をもとにしてリン酸カルシウム−高分子複合体を形成させることができるため、複雑な形状の複合体を容易に製造することができる。また、さらに複合化された表面にリン酸カルシウム系化合物を重層させることができ、任意の厚さのリン酸カルシウム系化合物層を形成させることができる。
上記種々の形態にすることができる本発明の複合体は、柔軟性、強度、生体に対する密着性、生体適合性に優れるため、経皮カテーテル、経皮端子等の経皮医療器具;人工血管、人工気管等の人工臓器等の医療用材料として好適に使用することができる。
【0048】
【発明の効果】
本発明の複合体は、柔軟性、強度、生体に対する密着性、生体適合性に優れるため、経皮カテーテル、経皮端子等の経皮医療器具;人工血管、人工器官等の人工臓器等の医療用材料として好適に適用することができる。本発明の製造法では、上記複合体を容易に得ることができ、また、容易に複雑な形状の複合体の製造も可能である。
【0049】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により本発明をさらに詳細に説明する。
実施例1
リン酸カルシウム系化合物粒子として平均粒径2μmの球形のハイドロキシアパタイト粒子(未改質ハイドロキシアパタイト粒子)5.0g、リン酸カルシウム系化合物粒子表面の改質剤として分子末端にアミノ基を有するシランカップリング剤(信越化学工業(株)製KBE903、)5.0ml、トルエン250mlをかきまぜ機、温度計、還流管を付した三ツ口フラスコにとり、24時間還流下に反応させることにより、表面にアミノ基を導入したハイドロキシアパタイト粒子(改質ハイドロキシアパタイト粒子)を作製した。一方、高分子基体としての厚さ0.3mmのシリコーンゴムシートの表面をコロナ放電により処理し、重合管中に10重量%のアクリル酸水溶液25mlとともに入れ、減圧下で脱気した後封管して60℃で1時間重合し、アクリル酸をシリコーンゴムシート表面にグラフト重合することによって、表面にカルボキシル基を導入したシリコーンゴムシートを得た。得られたカルボキシル基導入シリコーンゴムシートは流水中で洗浄した。次いで、前記の表面にアミノ基を導入したハイドロキシアパタイト粒子0.15gと前記の表面グラフト化処理シリコーンゴムシートより直径1cmの円形に切り抜いたカルボキシル基導入シリコーンゴムシートを10mlの水中に投入し、1時間激しく撹拌してシリコーンゴム表面にハイドロキシアパタイト粒子を吸着させた。その後ハイドロキシアパタイト粒子が吸着したシリコーンゴムシートを取り出し、流水中で洗浄した。さらに、得られたシリコーンゴムシートを180℃、1mmHgの条件で6時間加熱し、アミド結合を形成させることによりハイドロキシアパタイト粒子と高分子基体の複合体を得た。この複合体の表面を走査型電子顕微鏡により観察した。得られた電子顕微鏡像を図1に示す。
この複合体を激しく攪拌しながら界面活性剤ドデシル硫酸ナトリウム水溶液中、24時間洗浄し、その後水洗して、表面を走査型電子顕微鏡により観察した。得られた電子顕微鏡像を図2に示す。その結果、粒子の脱落は起こっておらず、粒子−基体間の結合が強固なものであることが確認された。
【0050】
比較例1
リン酸カルシウム系化合物粒子として平均粒径2μmの球形のハイドロキシアパタイト粒子(未改質ハイドロキシアパタイト粒子)5.0gを準備した。高分子基体として表面を流水中で洗浄した厚さ0.3mmのシリコーンゴムシートを準備した。次いで、ハイドロキシアパタイト粒子0.15gと直径1cmの円形に切り抜いたシリコーンゴムシートを10mlの水中に投入し、1時間激しく撹拌してシリコーンゴム表面にハイドロキシアパタイト粒子を吸着させた。その後ハイドロキシアパタイト粒子が吸着したシリコーンゴムシートを取り出し、流水中で洗浄した。さらに、得られたシリコーンゴムシートを180℃、1mmHgの条件で6時間加熱した。このシリコーンゴムを激しく攪拌しながら界面活性剤ドデシル硫酸ナトリウム水溶液中、24時間洗浄し、その後水洗して、表面を走査型電子顕微鏡により観察した。得られた電子顕微鏡像を図3に示す。その結果、粒子の結合は起こっておらず、活性基を有していないリン酸カルシウム系の粒子と、活性基を有していない高分子基体を用いた物理吸着のみでは粒子−基体間の固定がされないことが確認された。
【0051】
参考例1
実施例1に用いた改質ハイドロキシアパタイト粒子と未改質ハイドロキシアパタイト粒子の表面をX線光電子分光法により分析し、表面の元素組成を算出した。結果を表1に示す。
【0052】
【表1】
【0053】
参考例2
実施例1で用いた表面未処理のシリコーンゴムシートと、表面改質により得られた洗浄済みカルボキシル基導入シリコーンゴムシートの表面について全反射赤外分光法により測定した。それぞれの結果を図4に合わせて示す。また、カルボキシル基導入シリコーンゴムシートの表面を走査型電子顕微鏡により観察した。
得られた電子顕微鏡像を図5に示す。
なお、実施例1で作成したハイドロキシアパタイト−シリコーンゴムの複合体の表面をFT−IRでチェックしたが、結合部は固体粒子に遮られ確認できなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得たリン酸カルシウム−高分子複合体の電子顕微鏡像。
【図2】 実施例1で得た洗浄後のリン酸カルシウム−高分子複合体の電子顕微鏡像。
【図3】 比較例1で得たシリコーンゴムシートの電子顕微鏡像。
【図4】 全反射赤外分光分析結果。
【図5】 カルボキシル基導入シリコーンゴムシートの電子顕微鏡像。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a calcium phosphate-polymer composite comprising calcium phosphate-based particles useful for medical materials and a polymer substrate, which has biocompatibility, adhesion to a living tissue, or adhesion, a method for producing the same, and the composite The present invention relates to a medical material using
[0002]
[Prior art]
Silicone rubber is widely used as a medical material because it has properties such as biological inertness, long-term stability, strength, and flexibility. For example, although it has been used for a long time as a percutaneous catheter, since it is inactive to the living body, adhesion to the living tissue does not occur in the percutaneous part, and the skin grows down (the epithelial tissue moves inward along the catheter surface. The phenomenon of invagination) and the risk of bacterial infection at the invading site has always been a problem.
[0003]
On the other hand, calcium phosphate-based compounds such as hydroxyapatite are widely used in the medical field as a bioactive material alone or in combination with inorganic materials and organic polymers.
[0004]
For example, as a percutaneous terminal used as a member such as a percutaneous catheter, a hydroxyapatite dense body (JP 59-174146 A), tricalcium phosphate and / or 4 calcium phosphate (JP 60-92768 A). Gazette), calcium phosphate glass and / or bioglass (JP-A 63-9435), hydroxyapatite sintered body (H. Aoki, et.al., Med. Prog. Technol., 12, p. 213) 1997))) is proposed. However, these materials are brittle and may be damaged by impact, are difficult to mold, and have no connection between the catheter inserted into the opening of the terminal or the metal member and the terminal. There is a problem that bacterial infection may occur from the gap between the member and the terminal.
[0005]
Further, as a composite of silicone rubber and hydroxyapatite, a transdermal device (M. Paul, et. Al., ASAIO J., 40, M896 (1994) in which a hydroxyapatite thin film is formed on the surface of a silicone rubber catheter. Year)) has been proposed. However, this is because the thin film formed on the catheter surface is a porous body containing calcium oxide or amorphous calcium phosphate compound produced by the decomposition of hydroxyapatite, and there are cracks, so that the silicone rubber substrate There was a problem that the adhesive strength of the thin film was poor.
[0006]
Japanese Examined Patent Publication No. 5-33634 proposes a composite of hydroxyapatite and an organic material by heating and polymerizing a monomer on the surface of a surface-modified calcium phosphate compound. However, the terminal provided by this method has a large difference in flexibility from the living body, and when mechanical stress is applied, stress concentration occurs at the joint, and the joint may peel off and damage the living tissue. was there.
[0007]
[Problems to be solved by the invention]
A first object of the present invention is to provide a calcium phosphate-polymer composite comprising calcium phosphate-based particles and a polymer substrate, which are useful for medical materials having biocompatibility, adhesion to living tissue, and adhesiveness. It is in.
The second object of the present invention is to provide a method for producing a calcium phosphate-polymer complex.
A third object of the present invention is to provide a medical material using a calcium phosphate-polymer complex having biocompatibility, adhesion to living tissue, and adhesiveness.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to solve the above-mentioned problems, the present inventors have found a technique for firmly fixing calcium phosphate-based particles to the surface of a polymer substrate such as silicone rubber and polyurethane by chemical bonding, The present inventors have found that the calcium phosphate-polymer composite obtained by this technique can be suitably applied to medical uses such as a percutaneous terminal and a percutaneous catheter, and completed the present invention. That is, according to the present invention, there is provided a calcium phosphate-polymer composite characterized in that calcium phosphate-based particles and a polymer substrate are bonded by a chemical bond.
That is, the present invention includes the following (1) to (5).
(1) A complex composed of calcium phosphate-based particles having an active group and a polymer substrate having an active group, wherein the active group of the calcium phosphate-based particle is chemically reacted with the active group of the polymer substrate. Calcium phosphate-polymer complex.
(2) The calcium phosphate-based particles and the polymer substrate are represented by the following formula (1)
[0009]
[Chemical 2]
[0010]
The calcium phosphate-polymer complex according to (1) above, which is bound by a molecular chain having a structure represented by
(3) In producing a calcium phosphate-polymer composite using calcium phosphate-based particles having active groups and a polymer substrate having active groups, the active groups of the calcium phosphate-based particles and the active groups of the polymer substrate are A method for producing a calcium phosphate-polymer complex, characterized by reacting and chemically bonding.
(4) Calcium phosphate particles having an active group are calcium phosphate compound particles having an amino group on the surface, and a polymer substrate having an active group is graft-polymerized with a vinyl polymerizable monomer having a carboxyl group on the surface The method for producing a calcium phosphate-polymer complex according to (3), wherein the calcium rubber is a silicone rubber.
(5) A medical material using the composite according to (1) or (2).
[0011]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The present invention provides a calcium phosphate-polymer composite characterized in that calcium phosphate-based particles and a polymer substrate are chemically bonded by a molecular chain containing a specific structure. This calcium phosphate-polymer complex reacts particles composed of calcium phosphate compounds with reactive active groups introduced on the surface and a polymer substrate having reactive active groups, and introduces chemical bonds between them. Can be manufactured.
For example, a polymer substrate in which a particle comprising a calcium phosphate compound having an amino group introduced on its surface is used as a particle comprising a calcium phosphate compound having a reactive active group introduced on its surface, and a reactive active group is further introduced As a composite of a calcium phosphate compound and a polymer substrate, a calcium phosphate-polymer that is a complex made by chemically reacting using a silicone rubber graft-polymerized with a vinyl polymerizable monomer having a carboxyl group on the surface A complex can be obtained. Such a complex composed of particles made of a calcium phosphate compound and a polymer substrate can be used as a medical material.
Hereinafter, the calcium phosphate-polymer composite of the present invention will be described in detail.
The composite of the present invention is characterized in that particles made of a calcium phosphate compound having an active group and a polymer substrate having an active group are bonded by a chemical bond.
As a material used for the calcium phosphate-based particles having an active group of the present invention, any material can be used as long as it is a calcium phosphate-based material that can have an active group on the surface, but preferably hydroxyapatite, phosphorus Calcium oxyhydrogen, tricalcium phosphate, 4 calcium phosphate, carbonate apatite, oxyapatite, pyrophosphate apatite, 8 calcium phosphate, fluorapatite, chlorapatite, hydroxyapatite hydroxide ions, some of phosphate ions are carbonated A calcium phosphate compound composed of a compound substituted with ions, chloride ions, fluoride ions or the like, or a mixture thereof can be used as a material.
In particular, hydroxyapatite can be preferably mentioned because of its affinity with living tissue and stability in the living environment.
These calcium phosphate-based compounds may be artificially produced by a known production method such as a wet method, a dry method, a hydrolysis method, or a hydrothermal method, or may be a natural product obtained from bone, teeth, etc. Both can be preferably used as a raw material for calcium phosphate particles.
The shape of the calcium phosphate-based particles that can be preferably used in the present invention may be any shape as long as the particles can be fixed to the surface of the polymer substrate by chemical bonding, but those having a particle size of 0.001 to 1000 μm are preferable. The thing of 0.01-100 micrometers is especially preferable. When the particle size is less than 0.001 μm, when the complex of the present invention is embedded in a living body, particles composed of a calcium phosphate compound immobilized on the surface of the polymer substrate are eluted and lost. It is not preferable because it may not exhibit desirable properties such as adhesion to a living body, and when it exceeds 1000 μm, the bond between the calcium phosphate compound particles and the polymer substrate becomes relatively weak and easy. In addition, the composite of the present invention may be destroyed, which is not preferable.
[0012]
The polymer substrate having an active group of the present invention has a surface made of an organic polymer, and any organic polymer can be used as long as it can be brought into a state having an active group. Preferably, for example, silicone polymer (which may be silicone rubber), polyethylene glycol, polyalkylene glycol, polyglycolic acid, polylactic acid, polyamide, polyurethane, polysulfone, polyether, polyetheretherketone, polyamine , Synthetic polymers such as polyurea, polyimide, polyester, polyethylene, polypropylene, polytetrafluoroethylene, polyacrylic acid, polymethacrylic acid, polymethyl methacrylate, polyacrylonitrile, polystyrene, polyvinyl alcohol, polyvinyl chloride; Scan, amylose, amylopectin, chitin, polysaccharides such as chitosan, polypeptide such as collagen, hyaluronic acid, chondroitin, can be preferably exemplified a natural polymer mucopolysaccharide such as chondroitin sulfate.
[0013]
In forming a complex of a calcium phosphate compound particle and a polymer substrate, the chemical bond that binds the calcium phosphate compound particle to the polymer substrate is the bond strength between the calcium phosphate compound particle and the polymer substrate. Any chemical bond may be used as long as it can be sufficiently obtained, but a chemical bond having a structure represented by the following formula can be preferably exemplified.
[0014]
[Chemical 3]
[0015]
[Formula 4]
[0016]
[Chemical formula 5]
[0017]
[Chemical 6]
[0018]
[Chemical 7]
[0019]
[Chemical 8]
[0020]
[Chemical 9]
[0021]
[Chemical Formula 10]
[0022]
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[0023]
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[0024]
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[0025]
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[0026]
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[0027]
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[0028]
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[0029]
These structures are obtained by a reaction between the active group on the surface of the particle made of a calcium phosphate compound and the active group on the surface of the polymer substrate. More preferably, it is an amide bond represented by the formula (1).
The amide bond represented by the formula (1) includes an amino group and a carboxyl group, an azidocarbonyl group, a chlorocarbonyl group, an N-hydroxysuccinimide carboxylate, an acid anhydride, etc .; a carboxyl group and an N-acetylamino group, N-trimethylsilyl An amino group or the like; obtained by reaction between an isocyanato group and an active group such as a carboxyl group. Appropriate reaction conditions vary depending on the combination, and any reaction condition may be used as long as the reaction between the active groups in the combination proceeds. For example, in the case of a combination of an amino group and a carboxyl group, a polymer substrate having 1 part by weight of active groups In contrast, 0.001 to 100 parts by weight of calcium phosphate compound particles having an active group is 0.1 to 1000 parts by weight of water or a hydrocarbon solvent such as toluene or hexane; alcohols; tetrahydrofuran, diethyl ether, or the like. Ether solvent: In a solvent such as acetone or methyl ethyl ketone, which is added to a ketone solvent, the polymer substrate is immersed for 1 minute to 24 hours in an agitated and dispersed place and adsorbed on the surface of the polymer substrate. Solid phase condensation method in which reaction is performed at 200 ° C., 0.01 to 10 mmHg, and 1 to 24 hours; in an organic solvent Calcium phosphate compound particles having an active group, the polymer substrate and a known condensing agent having an active group, such as carbonyl diimidazole, a carbodiimide were charged, methods and the like to react. When the solid phase condensation method is used, the calcium phosphate compound particles having an active group with respect to 1 part by weight of the polymer substrate are not uniformly adsorbed on the substrate surface when the calcium phosphate compound particles having an active group are 0.001 part by weight or less. May not be formed, and the amount of 100 parts by weight or more is not preferable because it is not economically advantageous. Further, if the amount of the solvent is 0.1 parts by weight or less, it is not preferable because the calcium phosphate compound particles are not uniformly adsorbed on the surface of the substrate and a uniform coating surface may not be formed. It is not preferable because it is not a good idea. Further, if the reaction temperature after adsorbing the particles on the substrate surface is 160 ° C. or lower, the condensation reaction may not proceed sufficiently, which is not preferable, and if it is 200 ° C. or higher, the substrate may be deteriorated. When the pressure reduction during the reaction is 0.01 mmHg or less, it is not preferable because it is economically disadvantageous in terms of equipment such as an apparatus, and when it is 10 mmHg or more, it is not preferable because the condensation reaction hardly occurs and the reaction time needs to be long.
[0030]
The ester bond represented by the formula (2) is obtained by a reaction between a carboxyl group which is an active group and an active group such as a hydroxyl group, a diazocarbonyl group or a diazoalkyl group. Appropriate reaction conditions vary depending on the combination, and any reaction condition may be used as long as the reaction between the active groups in the combination proceeds. For example, in the case of a combination of a carboxyl group and a hydroxyl group, the carboxyl group and carbonyldiimidazole are combined in an organic solvent. Examples of the method include a method of reacting a hydroxyl group after the reaction.
[0031]
The urea bond represented by the formula (3) is obtained by a reaction between an amino group as an active group and an isocyanato group as an active group. As the reaction conditions, any reaction conditions may be used as long as the reaction proceeds. For example, a method of reacting an amino group and an isocyanato group at room temperature in an organic solvent can be mentioned.
[0032]
The thiourea bond represented by the formula (4) is obtained by a reaction between an amino group as an active group and an isothiocyanato group as an active group. As the reaction conditions, any reaction conditions may be used as long as the reaction proceeds. For example, a method of reacting an amino group and an isocyanato group for 1 to 24 hours at 0 ° C. to room temperature in a sodium carbonate buffer having a pH of 9 is exemplified.
[0033]
The β-ketothioether bond represented by the formula (5) is obtained by a reaction of a mercapto group which is an active group and an α-haloacetyl group which is an active group. As the reaction conditions, any reaction conditions may be used as long as the reaction proceeds. For example, a method of reacting a mercapto group and an α-haloacetyl group under water, room temperature, and weak alkaline conditions at pH 7 to 8 can be mentioned.
[0034]
The Schiff base structure represented by the formula (6) is obtained by a reaction between an amino group that is an active group and a moiety that can function as an active group of an aldehyde or a ketone. The reaction conditions include a method of reacting in an alkaline aqueous solution at room temperature. Moreover, the secondary or tertiary amine structure represented by the formula (7) is reduced to a Schiff base structure obtained as necessary by a known reducing agent such as sodium borohydride or sodium cyanoborohydride. Obtainable.
[0035]
The sulfamide bond represented by the formula (8) is obtained by reacting an amino group which is an active group with an active group such as a sulfonyl chloride group or a sulfone group. Appropriate reaction conditions vary depending on the combination, and any reaction condition may be used as long as the reaction between the active groups in the combination proceeds. For example, in the case of a combination of an amino group and a sulfonyl chloride group, there are a method of reacting an amino group and a sulfonyl chloride group in an organic solvent at room temperature, a method of reacting both in water under alkaline conditions of pH 9-10.
[0036]
The hydroxy-secondary amine structure represented by the formula (9) is obtained by a reaction between an amino group as an active group and an epoxy group as an active group. Appropriate reaction conditions may be any reaction conditions as long as the reaction between the active groups in the combination proceeds. For example, there is a method of reacting in water at room temperature and pH 8-10.
[0037]
The carbamate bond represented by the formula (10) is obtained by reacting an active group such as a hydroxyl group with an active group such as an isocyanato group or a carbonic acid diester. Appropriate reaction conditions may be any reaction conditions as long as the reaction between the active groups in the combination proceeds. In the case of a combination of a hydroxyl group and an isocyanato group, for example, a method of reacting a hydroxyl group and an isocyanato group under reflux in a toluene solvent. Is mentioned.
[0038]
The arylamine structure represented by the formula (11) is obtained by reacting an amino group as an active group with an active group such as a halogenated aryl group or a sulfonated aryl group. Appropriate reaction conditions may be any reaction conditions as long as the reaction between the active groups in the combination proceeds. In the case of an amino group and a halogenated aryl group, for example, the amino group and the halogenated aryl group are reacted in an aqueous solution under alkaline conditions. And the like.
Ar in formula (11) 1 Represents an aryl group.
[0039]
The arylthioether bond represented by the formula (12) is obtained by reacting an active group such as a mercapto group with an active group such as a halogenated aryl group or a sulfonated aryl group. Suitable reaction conditions may be any reaction conditions as long as the reaction between the active groups in the combination proceeds. For example, in the case of a mercapto group and a halogenated aryl group, a mercapto group using piperidine as a catalyst in a methanol solvent at 0 ° C., for example. And a method in which a halogenated aryl group is reacted.
Ar in formula (12) 2 Represents an aryl group.
[0040]
The sulfide bond represented by the formula (13) is obtained by an exchange reaction between a mercapto group which is an active group and a sulfide bond which can be used as an active group. Appropriate reaction conditions may be any reaction conditions as long as the exchange reaction proceeds, and examples thereof include a method of reacting a mercapto group and a sulfide bond in an aqueous solution of pH 7 to 8 at room temperature.
[0041]
The thioether bond represented by the formula (14) is obtained by a reaction between a mercapto group which is an active group and an active group having a conjugated double bond such as an acryloyl group or maleic imide. Suitable reaction conditions may be any reaction conditions as long as the reaction between the active groups in the combination proceeds. For example, in the case of a mercapto group and an acryloyl group, for example, a method of reacting a mercapto group and an acryloyl group in a neutral to alkaline aqueous solution. Is mentioned.
[0042]
The β-aminothioether bond represented by the formula (15) is obtained by reacting a mercapto group, which is an active group, with an active group such as aziridine or imine. Appropriate reaction conditions may be any reaction conditions as long as the reaction between the active groups in the combination proceeds. For example, in the case of a mercapto group and aziridine, for example, a method of reacting in an aqueous solution under weak alkaline conditions may be mentioned.
[0043]
The combination of these active groups is described as the combination of the two pairs of active groups described above as (A, B). A is an active group on the particle surface made of a calcium phosphate compound, and B is a polymer. Even if it is an active group on the surface of the substrate, either B may be an active group on the surface of a particle made of a calcium phosphate compound, or A may be an active group on the surface of the polymer substrate.
For example, the active group on the particle surface made of a calcium phosphate compound may be an ion of the calcium phosphate compound itself, for example, a hydroxide ion. It may be introduced by modification with a silane coupling agent or the like. Examples of the silane coupling agent having an active group at the terminal include those having an amino group, an epoxy group, a mercapto group, and the like at the terminal. Commercially available products from Shin-Etsu Chemical Co., Ltd. and the like can be preferably mentioned because of their availability, reactivity, and ease of reforming operation.
Appropriate reaction conditions when using a known surface modification method on the surface of a particle composed of a calcium phosphate compound vary depending on the type of reaction and the reactivity of the modifier. For example, a silane coupling having the above active group at the terminal In the case of using an agent, 1 part by weight of particles made of a calcium phosphate compound is put into a high-speed stirrer, and then 0.0001 to 10 parts by weight of a silane coupling agent is added dropwise or by spraying and then uniformly dried. Dry method, hydrocarbon solvents such as toluene and hexane; ether solvents such as tetrahydrofuran and diethyl ether; from calcium phosphate compounds in 0.1 to 1000 parts by weight in organic solvents such as ketone solvents such as acetone and methyl ethyl ketone 1 part by weight of the particles to be added, 0.0001 to 10 parts by weight of the silane coupling agent, Room temperature to 150 DEG ° C. in 拌下 After reacting for 10 minutes to 10 days, the solvent can be preferably used a wet method for removing dried silane coupling agent unreacted. The amount of the silane coupling agent used in the wet method is not preferably 0.0001 part by weight or less with respect to 1 part by weight of the calcium phosphate compound particles because the amount of active groups introduced to the particle surface may be insufficient. More than the part is not preferable because it is not economically advantageous. If the amount of the solvent is 0.1 parts by weight or less, the reaction system is difficult to be uniform, and the particle surface may not be uniformly modified, and it is not preferable, and if it is 1000 parts by weight or more, it is economically disadvantageous. If the reaction temperature is room temperature or lower, the reaction time must be increased, which is disadvantageous. If the reaction temperature is 150 ° C. or higher, the active group at the terminal of the silane coupling agent may cause an undesirable side reaction.
[0044]
Even if the active group on the surface of the polymer substrate is an active group possessed by the polymer on the surface of the substrate, the surface of the substrate is modified by known means such as acid, alkali treatment, corona discharge, plasma irradiation, or surface graft polymerization. It may be introduced by quality. The method of introducing an active group by modifying the surface of the substrate differs depending on the type of substrate and the modifying means. For example, a polydimethylsiloxane silicone rubber is used among the silicone polymers as the substrate, and surface graft polymerization is used as the modifying means. First, the surface of the substrate is treated by corona discharge or plasma irradiation, and then 1 part by weight of the obtained substrate is water or a hydrocarbon solvent such as toluene or hexane; alcohols; an ether solvent such as tetrahydrofuran or diethyl ether. Put 0.1 to 1000 parts by weight of an organic solvent such as a ketone solvent such as acetone or methyl ethyl ketone, and 0.001 to 100 parts by weight of a vinyl monomer having an active group in a side chain into a reaction vessel together with the substrate, After degassing, inert under reduced pressure or argon, helium, nitrogen, carbon dioxide, etc.囲気 under 40 to 200 ° C., it can be preferably exemplified a method of polymerization from 10 minutes to 24 hours. If the amount of the solvent is 0.1 parts by weight or less, it is not preferable because it becomes difficult to uniformly introduce the active groups on the surface of the substrate, and if it is 1000 parts by weight or more, it is not preferable because the manufacturing cost is disadvantageous. Further, when the vinyl monomer is 0.001 part by weight or less, it is not preferable because it becomes difficult to introduce a sufficient amount of active groups on the surface of the substrate, and when it is 100 parts by weight or more, the production cost increases. Since it is not economically advantageous, it is not preferable. If the reaction temperature is 40 ° C. or lower, graft polymerization may not be sufficiently performed, which is not preferable. If the reaction temperature is 200 ° C. or higher, the polydimethylsiloxane silicone rubber serving as a substrate may be decomposed and deteriorated by heat.
[0045]
As the polymerizable monomer used for the surface graft polymerization, any monomer may be used as long as it has an active group in the side chain that can react with an active group on the surface of the particle composed of a calcium phosphate compound to form a chemical bond. For example, (meth) acrylic acid (hereinafter, (meth) acryl · ·· in the present invention means methacrylate ·· and / or acrylic ··), aconitic acid, itaconic acid, mesaconic acid, citracone Acid, fumaric acid, maleic acid, vinyl sulfonic acid, acrylamide-2-methylpropane sulfonic acid, vinyl sulfonic acid, and various metal salts thereof, and halides; (meth) acrylamide, 2-hydroxyethyl (meth) acrylate, (Meth) acrylic acid monoglycerol, N- [tris (hydroxymethyl) methyl] acrylamide, N- Nylpyrrolidone, N- (meth) acryloylpyrrolidone, acryloylmorpholine, maleic imide, maleic anhydride; styrenic monomers such as aminostyrene and carboxystyrene; glycidyl (meth) acrylate, (meth) acryloyloxyethyltrimethoxysilane Preferred examples include vinylbenzylamine.
[0046]
Furthermore, if necessary, a calcium phosphate-based compound may be further layered on the calcium phosphate-polymer composite of the present invention to increase the thickness of the calcium phosphate-based compound layer. In the multilayering, particles composed of a polymerizable monomer and a calcium phosphate compound are mixed and layered on the composite, and then the monomer is polymerized by heat, light, radiation, or the like, and solidified. A method of immersing the complex in a solution containing calcium ions and phosphate ions to precipitate a calcium phosphate compound; and immersing the complex alternately in a solution containing calcium ions and a solution containing phosphate ions; Examples thereof include a method of precipitating a calcium phosphate compound. In addition, for the layering, particles composed of a polymerizable monomer and a calcium phosphate compound are mixed and layered on the composite, and then the monomer is polymerized and solidified by heat, light, radiation, or the like. In the case of the method, a desired shape can be formed by using a mold having an appropriate shape.
[0047]
The calcium phosphate-polymer composite of the present invention is more flexible than conventional percutaneous catheters and percutaneous terminals, and is strong in adhesion between the calcium phosphate compound layer and the polymer substrate, adhesion to the living body, and biocompatibility. In addition, since a calcium phosphate-polymer composite can be formed on the basis of a molded polymer substrate, a complex composite can be easily produced. Further, a calcium phosphate compound can be overlaid on the combined surface, and a calcium phosphate compound layer having an arbitrary thickness can be formed.
Since the composite of the present invention that can be in various forms is excellent in flexibility, strength, adhesion to a living body, and biocompatibility, a percutaneous medical device such as a percutaneous catheter or a percutaneous terminal; It can be suitably used as a medical material for an artificial organ such as an artificial trachea.
[0048]
【The invention's effect】
Since the composite of the present invention is excellent in flexibility, strength, adhesion to a living body, and biocompatibility, transdermal medical devices such as percutaneous catheters and percutaneous terminals; medical treatments such as artificial organs such as artificial blood vessels and artificial organs It can be suitably applied as a material for use. In the production method of the present invention, the above composite can be easily obtained, and a complex composite can be easily produced.
[0049]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to Examples and Comparative Examples.
Example 1
5.0 g of spherical hydroxyapatite particles (unmodified hydroxyapatite particles) having an average particle size of 2 μm as calcium phosphate compound particles, and a silane coupling agent having an amino group at the molecular terminal as a modifier on the surface of calcium phosphate compound particles (Shin-Etsu) Chemical Industry Co., Ltd. KBE903,) 5.0ml, toluene 250ml in a three-necked flask equipped with a stirrer, thermometer and reflux tube, and reacted for 24 hours under reflux to introduce hydroxyapatite with amino groups on the surface Particles (modified hydroxyapatite particles) were prepared. On the other hand, the surface of a 0.3 mm thick silicone rubber sheet as a polymer substrate was treated by corona discharge, placed in a polymerization tube together with 25 ml of a 10% by weight acrylic acid aqueous solution, degassed under reduced pressure, and sealed. Then, polymerization was performed at 60 ° C. for 1 hour, and acrylic acid was graft-polymerized on the surface of the silicone rubber sheet to obtain a silicone rubber sheet having a carboxyl group introduced on the surface. The obtained carboxyl group-introduced silicone rubber sheet was washed in running water. Next, 0.15 g of hydroxyapatite particles having amino groups introduced on the surface and a carboxyl group-introduced silicone rubber sheet cut out in a circle having a diameter of 1 cm from the surface grafted silicone rubber sheet were put into 10 ml of water. The mixture was vigorously stirred for a period of time to adsorb hydroxyapatite particles on the surface of the silicone rubber. Thereafter, the silicone rubber sheet on which the hydroxyapatite particles were adsorbed was taken out and washed in running water. Further, the obtained silicone rubber sheet was heated at 180 ° C. and 1 mmHg for 6 hours to form an amide bond, thereby obtaining a composite of hydroxyapatite particles and a polymer substrate. The surface of this complex was observed with a scanning electron microscope. The obtained electron microscope image is shown in FIG.
The composite was washed in a surfactant sodium dodecyl sulfate aqueous solution with vigorous stirring for 24 hours, then washed with water, and the surface was observed with a scanning electron microscope. The obtained electron microscope image is shown in FIG. As a result, it was confirmed that the particles did not fall off and the bond between the particles and the substrate was strong.
[0050]
Comparative Example 1
As calcium phosphate compound particles, 5.0 g of spherical hydroxyapatite particles (unmodified hydroxyapatite particles) having an average particle diameter of 2 μm were prepared. A 0.3 mm-thick silicone rubber sheet whose surface was washed in running water was prepared as a polymer substrate. Next, 0.15 g of hydroxyapatite particles and a silicone rubber sheet cut into a circle having a diameter of 1 cm were put into 10 ml of water and stirred vigorously for 1 hour to adsorb the hydroxyapatite particles on the surface of the silicone rubber. Thereafter, the silicone rubber sheet on which the hydroxyapatite particles were adsorbed was taken out and washed in running water. Furthermore, the obtained silicone rubber sheet was heated at 180 ° C. and 1 mmHg for 6 hours. The silicone rubber was washed in a surfactant sodium dodecyl sulfate aqueous solution with vigorous stirring for 24 hours, then washed with water, and the surface was observed with a scanning electron microscope. The obtained electron microscope image is shown in FIG. As a result, the particles are not bonded, and the particle-substrate is not fixed only by physical adsorption using calcium phosphate-based particles having no active group and a polymer substrate having no active group. It was confirmed.
[0051]
Reference example 1
The surfaces of the modified hydroxyapatite particles and unmodified hydroxyapatite particles used in Example 1 were analyzed by X-ray photoelectron spectroscopy, and the surface elemental composition was calculated. The results are shown in Table 1.
[0052]
[Table 1]
[0053]
Reference example 2
The surface of the untreated silicone rubber sheet used in Example 1 and the surface of the washed carboxyl group-introduced silicone rubber sheet obtained by surface modification were measured by total reflection infrared spectroscopy. Each result is shown in FIG. The surface of the carboxyl group-introduced silicone rubber sheet was observed with a scanning electron microscope.
The obtained electron microscope image is shown in FIG.
The surface of the hydroxyapatite-silicone rubber composite prepared in Example 1 was checked by FT-IR, but the bonding portion was blocked by solid particles and could not be confirmed.
[Brief description of the drawings]
1 is an electron microscopic image of a calcium phosphate-polymer complex obtained in Example 1. FIG.
2 is an electron microscopic image of the washed calcium phosphate-polymer complex obtained in Example 1. FIG.
3 is an electron microscopic image of the silicone rubber sheet obtained in Comparative Example 1. FIG.
FIG. 4 shows the results of total reflection infrared spectroscopy.
FIG. 5 is an electron microscopic image of a carboxyl group-introduced silicone rubber sheet.
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