JP4549914B2 - 誘導集電装置を用いたセンサレス磁気ダンピング発生方法 - Google Patents

誘導集電装置を用いたセンサレス磁気ダンピング発生方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4549914B2
JP4549914B2 JP2005100669A JP2005100669A JP4549914B2 JP 4549914 B2 JP4549914 B2 JP 4549914B2 JP 2005100669 A JP2005100669 A JP 2005100669A JP 2005100669 A JP2005100669 A JP 2005100669A JP 4549914 B2 JP4549914 B2 JP 4549914B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coil
magnetic damping
current
generation method
current collector
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2005100669A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2006287997A (ja
Inventor
敏昭 村井
隆行 柏木
泰明 坂本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Railway Technical Research Institute
Original Assignee
Railway Technical Research Institute
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Railway Technical Research Institute filed Critical Railway Technical Research Institute
Priority to JP2005100669A priority Critical patent/JP4549914B2/ja
Publication of JP2006287997A publication Critical patent/JP2006287997A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4549914B2 publication Critical patent/JP4549914B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

本発明は、誘導集電装置を用いた磁気ダンピング発生方法に係り、特に、そのセンサレス磁気ダンピング発生方法に関するものである。
これまでに、本願発明者らは、磁気浮上式鉄道の車上電源として地上コイルが作る高周波磁界を利用する誘導集電装置を開発し(下記特許文献1)、そのダンピング特性の改良を図り、さらに、その誘導集電装置は無効電流方式と零相電流方式として開発されてきている(下記特許文献2,3)。
つまり、超電導磁気浮上式鉄道は、誘導式磁気浮上及びリニア同期モータによって、非接触にて車両を支持あるいは駆動する。そのため、その車上電源も非接触な方法が望まれ、現在、その一方式として、分散型誘導集電装置が開発されている(非特許文献1参照)。
このような誘導集電装置は、地上コイルが発生する高調波磁界を利用して、車上の集電コイルにて発電するものであるが、この集電コイルに零相電流を通電すれば、上下力を発生することができる。そのため、集電コイルの有効電流によって、集電電力を制御しつつ、その零相電流によって、車両の振動速度に比例する上下力を発生すれば、集電電力と独立に、磁気ダンピングを発生あるいは制御することができる(下記非特許文献2参照)。
特許第3592573号公報 特許第3435085号公報 特許第3306032号公報 長谷川均、村井敏昭、山本貴光:「分散型誘導集電装置の現車試験による特性確認」、電学論D,123,2,pp.156−163(2003−2) 村井敏昭、長谷川均、山本貴光、藤原俊輔:「誘導集電装置を利用したアクティブ磁気ダンパ」、電学論D,119,11,pp.1371−1376(1999−11) 村井敏昭、山本貴光、長谷川均、藤原俊輔:「誘導集電装置を利用した上下左右兼用磁気ダンパ」、第11回電磁力関連のダイナミクスシンポジウム,1A23,pp.133−136(1999−11) 藤原俊輔、藤本健:「浮上と案内を兼用する誘導反発磁気浮上の特性」、電学論D,112,5,pp.459−466(1992−5) 古賀俊作、北野淳一、中島強、森島直樹、丸山高央:「磁気浮上式鉄道における速度起電力位相同期方式を用いた自制制御」、電学論D,119,6,pp.816−824(1999−6) 長谷川均、村井敏昭、山本貴光、渡辺英司:「零相電流制御誘導集電装置の電磁解析」、電気学会リニアドライブ研究会,LD−02−118(2002.12)
しかしながら、誘導式磁気浮上方式は、元来、超電導コイルと地上コイルの間の磁気ダンピングが小さく、車両の乗り心地向上の妨げとなっていた。
また、磁気浮上式鉄道車両に振動加速度センサを用意し、その観測値から振動速度に比例した磁気ダンピングを発生させるようにしていたが、従来技術によれば、別途、センサを用意するため、システムが複雑となる欠点があった。
本発明は、上記状況に鑑みて、車両振動を測定するセンサが不必要で、誘導集電装置のみでクローズしたシステムを構築することができる誘導集電装置を用いたセンサレス磁気ダンピング発生方法を提供することを目的とする。
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕誘導集電装置を用いたセンサレス磁気ダンピング発生方法において、車両の変位に比例した誘導電圧変動をオブザーバにて推定し、その推定値から振動速度に比例した磁気ダンピングを発生させることを特徴とする。
〔2〕上記〔1〕記載の誘導集電装置を用いたセンサレス磁気ダンピング発生方法において、前記推定値が
Figure 0004549914
だだし、gはオブザーバゲイン、id はd軸電流、Rs は集電コイル抵抗、Rc はコンバータの等価抵抗、Ls は集電コイルのインダクタンス
であることを特徴とする誘導集電装置を用いたセンサレス磁気ダンピング発生方法。
〔3〕上記〔1〕又は〔2〕記載の誘導集電装置を用いたセンサレス磁気ダンピング発生方法において、2つの電源系に対して前記オブザーバを適用してその和と差をとることにより、集電コイルの上下変位及び左右変位を推定することを特徴とする。
〔4〕上記〔3〕記載の誘導集電装置を用いたセンサレス磁気ダンピング発生方法において、更に前記集電コイルの上下変位及び左右変位を推定値の微分をとることによりその振動速度を推定することを特徴とする。
〔5〕上記〔3〕又は〔4〕記載のセンサレス磁気ダンピング発生方法において、斜めコイルを接続した2組の独立した集電コイル回路構成によって上下左右独立したダンピングを発生させることを特徴とする。
本発明によれば、車両振動を測定するセンサが不必要であり、誘導集電装置のみでクローズしたシステムとなり、簡素化、低コスト化を図ることができる。
本発明の誘導集電装置を用いたセンサレス磁気ダンピング発生方法は、車両の変位に比例した誘導電圧変動をオブザーバにて推定し、その推定値から振動速度に比例した磁気ダンピングを発生させる。よって、誘導集電装置のみでクローズしたシステムとなり、簡素化、低コスト化を図ることができる。
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
まず、本発明の上下左右兼用磁気ダンパの基本構成について説明する。
図1は誘導集電装置の基本構成を示す図、図2はそのコイル配置(零相電流方式、車両の片側分を示す)図である。
図1及び図2において、1は地上(浮上)コイル、2は車両、3は車両2に搭載される超電導コイル、4は集電コイル、5はコンバータ、6は蓄電池、7は負荷である。
図3は集電コイルと電力変換装置の組み合わせを示す図である。
この図において、11は第1の電力変換装置、12はその左上集電コイル,13は右下集電コイル,15は第2の電力変換装置、16はその左下集電コイル,17は右上集電コイルである。
超電導磁気浮上式鉄道において、車両を支持する電磁力は、超電導コイル3とその移動によって生じる浮上コイル磁界の基本波成分との相互作用によって発生し、誘導集電装置は、その浮上コイル1の高調波磁界を利用して、車上の集電コイル4にて発電する。この集電コイル4は車両の進行方向に三相回路を構成し、電力変換装置(コンバータ)5及び蓄電池6を介して車内負荷7に接続される。このような誘導集電装置において、磁気ダンピングを発生するためには、集電電力を発生する集電コイル4の有効電流とともに、上下力または左右力を発生する零相電流を電力変換装置5にて制御する必要があり、磁気ダンピングを発生できる系は、その数量に比例する。すなわち、上下及び左右に磁気ダンピングを発生するためには、最低2個の電力変換装置11,15が必要であり、集電コイルと電力変換装置の組み合わせとしては、図3に示すように斜め方向に配置されるコイルを接続して斜めに分離した2組の回路構成が有効である。なお上下左右コイルを分離した4組の回路構成も考えられるが、電力変換装置の数量が増加するばかりでなく、上下コイルの集電電力が異なり、2種類の容量の電力変換装置が必要となることから、あまり実用的でない。
次に、図2に示した零相電流方式の集電コイル配置を取り扱い、特性の解析を行う。
(1)零相電流による浮上コイル電流
ここでは、各コイルがx方向とともに、z方向も仮想的にWz で周期的に配置されると仮定し、その磁界をフーリエ級数にて表す。超電導コイルの起磁力、極ピッチ、中心位置座標をI0 ,τ,(x0 ,y0 ,z0 )、浮上コイルのピッチ、中心位置座標、インピーダンス、上下コイル間の相互インダクタンスをτ1 ,(x1 ,y1 ,z1i),Z1 ,M1 、集電コイルの零相電流、中心位置座標をI2i,(x2 ,y2 ,z2i)とする。また、i=U,Bであり、Uが上コイル、Bが下コイルを表す。この場合、集電コイルが作る磁界による浮上コイルへの鎖交磁束Φli(i=U,B)は、
Figure 0004549914
ここでf1 (m,n)、f2j´(m,n)、f2j″(m,n)は浮上コイル及びU相、VW相の集電コイル形状を表す関数である。
更に、図4の浮上回路を示す左右浮上コイルを結んだ左上浮上コイル21と右下浮上コイル22と左下浮上コイル23と右上浮上コイル24からなる浮上コイル21〜24へ拡張して、集電コイルが作る磁界による浮上コイル21〜24への鎖交磁束をΦi (i=1〜4)とすると、その電流は、上記非特許文献4と同様に、
Figure 0004549914
となる。すなわち、図5に示す以下の3つの電流に分離することができる。
Figure 0004549914
(複号はi=1の時上側、i=2の時下側)
ここで図5に示す斜めに分離した2組の集電コイル電流(I2BR ,I2UR ,I2BL ,I2UL 、添え字のBRは右下、URは右上、BLは左下、ULは左上コイルを示す)を以下のように2組の和が上下振動速度Δvz 、2組の差が左右振動速度Δvy に比例するようにすると
2BR =−I2UL =I2 Δvz +I2 ´Δvy …(9)
−I2UR =I2BL =I2 Δvz +I2 ´Δvy …(10)
図5に示す等価回路電流は、浮上電流が上下振動速度、案内電流が左右振動速度に比例したものとなる。またQUU(m)>QBB(m)≫QUB(m),QBU(m)であるため、案内電流は、iG1が小さく、iG2が大きい。
Figure 0004549914
(2)零相電流による発生電磁力
上記の集電コイルによる浮上コイル磁界及び電流に、上記非特許文献4に示される超電導コイルによる磁界を追加して、浮上コイルに作用する電磁力の定常分を求めると、以下のようになる。
Figure 0004549914
上式において第1項は超電導コイルと浮上コイルの間の基本的な電磁力であり、その他の項は集電コイル電流によって発生する。更に第2,4項は集電コイルとの間の力、第3,5,6項は超電導コイルとの間の力である。
(3)車両運動による集電コイル誘導電圧
一方、図2において上下方向、左右方向、ローリング方向に各々Δz,Δy,Δφの車両動揺がある時の浮上コイルが作る磁界の時間6次高調波成分による集電コイル鎖交磁束Φ2i(i=U,B)(代表としてu相)は、上記非特許文献4と同様にしてΔzに比例した浮上電流IL (m)及びΔy、Δφに比例した案内電流IGi(m)(i=1,2)の組合せにて表される。
Figure 0004549914
上式を図3の左右コイルを含む系に拡張し〔集電コイル12,13,16,17における誘導電圧ei (i=1〜4)〕、及び各電源系における誘導電圧e0A,e0Bを求めると、
Figure 0004549914
ここで両者の和、差をとると、各々、Δzに比例した浮上電流IL (m)及びΔy、Δφに比例した案内電流IGi(m)の成分に分離することができる。
Figure 0004549914
差分電圧は、RUU(m)>RBB(m)≫RUB(m),RBU(m)であるため、第1項は小さく、第2項は大きい。また、案内電流IG1はΔφ、案内電流IG2はΔyの成分が大きいため、差分電圧は最終的にΔφの成分が小さく、Δyの成分が大きくなる。
次に、誘導電圧オブザーバを用いたセンサレス制御について説明する。
(1)力率1制御
上記したように各電源系における誘導電圧の和と差は、各々、上下変位及び左右変位に比例するため、誘導電圧オブザーバを用いれば、振動加速度センサなしで各振動速度を推定することができる。しかも誘導電圧オブザーバを構成する三相系(d軸系)とダンピングを発生する零相系は、力率1制御が達成されると仮定すると、各々独立に取り扱うことができるため、上記オブザーバの適用は容易であると考えられる。
以下、誘導集電装置に用いられる力率1制御方法を説明し、誘導電圧オブザーバを導出する。
この誘導集電装置に用いられる力率1制御の原理を説明するために、図6に1相のみ取り出した等価回路を示す。ここで集電コイルが発生する誘導電圧e0 、電流i,抵抗Rs 、インダクタンスLs 、角周波数ωとすると、集電コイルのインピーダンス降下電圧eS は下記式(29)で表されるが、コンバータはそのリアクタンス電圧降下分を補償するように下記式(30)の電圧ec を発生する。すなわちコンバータの等価回路は等価抵抗Rc 、等価コンデンサC(等価インダクタンスLc )にて表され、図6のように、単純なRC回路が発生する電圧と等価になるように、電圧を発生して力率1を達成する。
Figure 0004549914
(2)誘導電圧オブザーバの構成
上記制御方法によって、力率1制御が達成される場合、上記回路方程式を三相に拡大し、誘導電圧を基準とするdq0軸変換すると(dq0成分の各々を記すために、図6の記号にdq0の添え字を付加する)、
Figure 0004549914
以上より、上記式(34)を積分した式(35)にて誘導電圧が求められる。そのため、2つの電源系に関して上記オブザーバを適用して、その和と差をとれば、各々、上下変位及び左右変位に比例した値となり、速度は更にその微分を取れば良い。その具体的な制御系としての誘導電圧オブザーブブロック線図を図7に示す。
図7において、31は第1のコンバータA、32は第2のコンバータB、33,34,35,36は加算器である。また、ここでgはオブザーバゲイン、id はd軸電流、Rs は集電コイル抵抗、Rc はコンバータの等価抵抗、Ls は集電コイルのインダクタンス、sは微分演算子、k1 ,k2 は各々、Δz及びΔyに対する誘導電圧係数である。また、I2BR ,I2UR ,I2BL ,I2UL は上記式(9),式(10)にて示される各電源系における集電コイル零相電流指令値であり、別途、この電流が通電できる電流制御系を組めば、上下及び左右振動速度に比例した磁気ダンピングを発生できる。
Figure 0004549914
以下、具体的な数値例による検討を行う。
(1)発生する電磁力、誘導電圧
検討に用いた各コイルの諸元例を表1に示す。
Figure 0004549914
なお、集電コイルは上下コイルの高さが異なり、表内数値は上コイル/下コイルである。その時の上下及び左右振動速度に比例した零相電流を100A通電した時の片側台車あたりの上下力、左右力を図8に示す。
この図から、上下振動速度に比例した零相電流100Aが発生する上下力(図中、Fz y z )は片側台車あたり3.1kN、左右力(図中、Fy y z )は1.4kNとなる。なお、この左右力は左右コイルにて反対向きであるため車両の案内力として作用しない。一方、左右振動速度に比例した零相電流が発生する左右力は1.5kN(図中、Fy y y )であり、上下力の半分であるが、左右コイルにて同じ向きであるため車両の案内力として作用する。またその時の上下力(図中、Fz y y )は左右コイルにて反対向きの−0.3kNであり、車両のローリングモーメントとして作用するが、その値は小さい。このことは前節のiG1が小さく、iG2が大きいことによる。
また、上下、左右、ロール変位1mあたりの誘導電圧係数を図9に示す。この図から上下変位に対する誘導電圧係数(図中、E0/z)は4.0Vs/rad、左右変位に対する係数(図中、E0/y)は2.3Vs/rad、ロール変位に対する係数(図中、E0/f)は0.5Vs/radであり、その比率は上記した電磁力とほぼ同じである。すなわち上下、左右変位に対する誘導電圧変化は大きいが、ロール変位に対する変化は小さく、上記の車両運動による集電コイル誘導電圧と同様な結果が得られる。なお、上記値は超電導磁石外槽に発生する渦電流による影響を考慮していないため、実際は上記値の60%程度となる。
(2)上下2自由度系モデルによるシミュレーション
センサレス制御の有用性を確認するため、表2の上下2自由度系車両運動モデルを上記のオブザーバも含めたコンバータモデルと組み合わせて、シミュレーションを実施した。なおシミュレーションは以下の条件のもと実施した。
Figure 0004549914
(1)動作周波数は巡航速度である500km/hとする。なお、その時の高調波磁界周波数は約300Hzである。
(2)軌道不整として振幅1mmの定常正弦波変位を与える。また、その周波数は台車共振点である5Hzとする。
(3)ダンピング発生のため零相電流は2sから通電する。その電流は減衰係数100kNs/m発生のために必要な係数を推定速度に乗じたものとするが、最大値を100Aとする。
(4)表1のコイル諸元における誘導電圧、集電コイルインダクタンスは各々、不平衡率(=平均値からの最大偏差/平均値)12%、22%の三相不平衡となる(上記非特許文献6参照)。
この時のシミュレーション結果のうち、コンバータ運転特性に関する結果を図10へ、車両運動に関する結果を図11に示す。なお、図10のE0,I,I0,Eo0は誘導電圧振幅、三相電流振幅、零相電流、誘導電圧推定値、図11のX0,X1,X2,Fは軌道上下変位、台車上下変位、車体上下変位、零相電流による発生力を表す。これらの図から以下のことが読み取れる。
(1)誘導電圧は三相不平衡であるため、若干の脈動成分を持つが、台車−地上間変位に比例して振動している。誘導電圧推定値はその振動とほぼ一致している。
(2)零相電流の通電前後で台車変位は5mm→1.4mmに低減している。また、車体変位も台車振動周波数成分が低減している。
(3)零相電流は通電開始(2s)直後、台車変位が大きいため、最大値にて飽和しているが、台車変位低減とともに小さくなり、安定に制御されている。なお2s前も若干の電流が流れているが、これは三相不平衡による成分である。
上記したように、超電導磁気浮上式鉄道の乗り心地向上のため、誘導集電装置を利用した上下左右兼用磁気ダンパを提案し、またその振動加速度センサレス化を検討し、以下を明らかにした。
(1)斜めに配置される集電コイルを接続した2組の独立した回路構成によって、上下左右独立したダンピングを発生できる。
(2)またその誘導電圧の和と差から上下左右変位各々に比例した成分が得られ、誘導電圧オブザーバを利用して振動速度が推定できる。
これらの特性は、数値例にて、零相電流による発生力、各変位に対する誘導電圧係数を求め、上記特性を確認した。また、上下2自由度系モデルによるシミュレーションにてセンサレス制御の有用性を確認した。
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
本発明の誘導集電装置を用いたセンサレス磁気ダンピング発生方法は、超電導磁気浮上式鉄道の誘導集電装置として利用可能である。
誘導集電装置の基本構成を示す図である。 集電コイルの配置を示す図である。 集電コイルと電力変換装置の組合せを示す図である。 浮上コイル回路を示す図である。 等価回路電流を示す図である。 1相分の等価回路図である。 誘導電圧オブサーバブロック線図である。 零相電流100A通電時の電磁力を示す図である。 変位1mあたりの誘導電圧係数を示す図である。 コンバータ運動特性のシミュレーション結果を示す図である。 車両運動のシミュレーション結果を示す図である。
符号の説明
1 地上(浮上)コイル
2 車両
3 超電導コイル
4 集電コイル
5 コンバータ(電力変換装置)
6 蓄電池
7 負荷
11 第1の電力変換装置
12 左上集電コイル
13 右下集電コイル
15 第2の電力変換装置
16 左下集電コイル
17 右上集電コイル
21 左上浮上コイル
22 右下浮上コイル
23 左下浮上コイル
24 右上浮上コイル
31 第1のコンバータA
32 第2のコンバータB
33,34,35,36 加算器

Claims (5)

  1. 車両の変位に比例した誘導電圧変動をオブザーバにて推定し、その推定値から振動速度に比例した磁気ダンピングを発生させることを特徴とする誘導集電装置を用いたセンサレス磁気ダンピング発生方法。
  2. 請求項1記載の誘導集電装置を用いたセンサレス磁気ダンピング発生方法において、前記推定値が
    Figure 0004549914
    だだし、gはオブザーバゲイン、id はd軸電流、Rs は集電コイル抵抗、Rc はコンバータの等価抵抗、Ls は集電コイルのインダクタンス
    であることを特徴とする誘導集電装置を用いたセンサレス磁気ダンピング発生方法。
  3. 請求項1又は2記載の誘導集電装置を用いたセンサレス磁気ダンピング発生方法において、2つの電源系に対して前記オブザーバを適用してその和と差をとることにより、集電コイルの上下変位及び左右変位を推定することを特徴とするセンサレス磁気ダンピング発生方法。
  4. 請求項3記載の誘導集電装置を用いたセンサレス磁気ダンピング発生方法において、更に前記集電コイルの上下変位及び左右変位を推定値の微分をとることによりその振動速度を推定することを特徴とするセンサレス磁気ダンピング発生方法。
  5. 請求項3又は4記載のセンサレス磁気ダンピング発生方法において、斜めコイルを接続した2組の独立した集電コイル回路構成によって上下左右独立したダンピングを発生させることを特徴とするセンサレス磁気ダンピング発生方法。
JP2005100669A 2005-03-31 2005-03-31 誘導集電装置を用いたセンサレス磁気ダンピング発生方法 Expired - Fee Related JP4549914B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005100669A JP4549914B2 (ja) 2005-03-31 2005-03-31 誘導集電装置を用いたセンサレス磁気ダンピング発生方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005100669A JP4549914B2 (ja) 2005-03-31 2005-03-31 誘導集電装置を用いたセンサレス磁気ダンピング発生方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2006287997A JP2006287997A (ja) 2006-10-19
JP4549914B2 true JP4549914B2 (ja) 2010-09-22

Family

ID=37409335

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2005100669A Expired - Fee Related JP4549914B2 (ja) 2005-03-31 2005-03-31 誘導集電装置を用いたセンサレス磁気ダンピング発生方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4549914B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
FR2975351B1 (fr) * 2011-05-19 2016-05-06 Alstom Transport Sa Procede d'alimentation electrique d'un vehicule ferroviaire, systeme d'alimentation en station, systeme de stockage d'energie embarque et vehicule ferroviaire associes
CN110549863B (zh) * 2019-09-06 2020-09-29 中国人民解放军国防科技大学 一种悬浮式电磁推进装置及磁浮列车
CN113623318B (zh) * 2020-05-07 2022-06-03 株洲中车时代电气股份有限公司 一种差动控制方法及其装置

Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001310736A (ja) * 2000-04-28 2001-11-06 Tokico Ltd 電磁サスペンション制御装置
JP2004282807A (ja) * 2003-03-12 2004-10-07 Yaskawa Electric Corp 交流電動機のセンサレスベクトル制御方法及び制御装置
JP2005057963A (ja) * 2003-08-07 2005-03-03 Meiji Univ 誘導電動機の速度センサレスベクトル制御方法及び装置

Patent Citations (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001310736A (ja) * 2000-04-28 2001-11-06 Tokico Ltd 電磁サスペンション制御装置
JP2004282807A (ja) * 2003-03-12 2004-10-07 Yaskawa Electric Corp 交流電動機のセンサレスベクトル制御方法及び制御装置
JP2005057963A (ja) * 2003-08-07 2005-03-03 Meiji Univ 誘導電動機の速度センサレスベクトル制御方法及び装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2006287997A (ja) 2006-10-19

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Jayawant Review lecture-electromagnetic suspension and levitation techniques
Xu et al. Equivalent circuit derivation and performance analysis of a single-sided linear induction motor based on the winding function theory
CN104477052B (zh) 一种自平衡载人电动独轮车的控制方法
CN101622782B (zh) 电动车辆的控制装置
JP4431061B2 (ja) 脱線防止装置
JP4549914B2 (ja) 誘導集電装置を用いたセンサレス磁気ダンピング発生方法
Veselov et al. Synergetic control of asynchronous electric traction drives of locomotives
Zhao et al. Modeling and characteristic analysis of air-cored linear synchronous motors with racetrack coils for electrodynamic suspension train
Shi et al. An effective optimization method and implementation of permanent magnet electrodynamic wheel for maglev car
Glatzel et al. The development of the magnetically suspended transportation system in the federal republic of germany
JP2009124777A (ja) 推進コイルの高調波磁場を利用した磁気浮上式鉄道用車上電源システム
Yoshida et al. Smooth section crossing of controlled-repulsive PM LSM vehicle by DTC method based on new concept of fictitious section
CN113733935B (zh) 基于机电耦合模型的电动汽车传动系统扭振抑制方法及系统
Rule et al. Combined magnetic levitation and propulsion: The mag-transit concept
Yau Wave passage effects on the seismic response of a maglev vehicle moving on multi-span guideway
Sakamoto et al. Development of linear generator system combined with magnetic damping function
Albicini et al. General expressions of propulsion force in EDS-MAGLEY transport systems with superconducting coils
Esfahanian et al. Performance analysis and force components improvement of an tubular linear induction motor used in a novel magnetic train by 3-D FEM
JPS63190503A (ja) 磁気浮上車両の振動減衰方法
Atiyah et al. Role of asynchronous motor modelling in driven railway wheelset dynamical simulation model
JP4312730B2 (ja) 三相不平衡を考慮したコンバータの高力率制御方法
JP4459602B2 (ja) コンバータの出力・位相制御方法
CN113997796B (zh) 一种列车控制方法和相关装置
Wright Modeling, analysis, and control of a radial electrodynamic wheel vehicle and analysis of an axial electrodynamic wheel
Gao et al. Analysis of armature current assisted suspension force control of EDS maglev

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20070627

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100706

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100707

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130716

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130716

Year of fee payment: 3

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130716

Year of fee payment: 3

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees