JP4544807B2 - メッセージをスケジューリングするためのワイヤレス通信システムにおける方法およびシステム - Google Patents
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Description
本発明は、一般に、ワイヤレス通信システムに関し、さらに詳しくは、クイック・ページング・チャネル・ピーク・パワー・レベルを低減するために、ページング・チャネル上でメッセージをスケジューリングするためのワイヤレス通信システムにおける方法およびシステムに関する。
【0001】
(従来の技術)
セルラ無線周波数(RF)無線電話システムなどの典型的なワイヤレス通信システムでは、基地局は、この基地局システムが担当するエリア内で動作する移動通信ユニットまたは移動局と通信する。
【0002】
基地局と移動局との間の多重接続ワイヤレス通信は、音声,データ,ビデオなどの通信信号が送信される経路を提供するRFチャネルを介して行われる。基地局から移動局への通信は、順方向チャネルまたはダウンリンク・チャネル上で行われるといい、一方、移動局から基地局への通信は逆方向チャネルまたはアップリンク・チャネル上で行われるという。
【0003】
符号分割多元接続(CDMA)は、周知のデジタルRFチャネル化(channelization)手法の一例である。CDMAチャネル化を利用する通信システムについては、ワシントンD.C.を拠点とする米国電気通信工業会(TIA)出版の"TIA/EIA Standard IS-2000-1 Introduction to cdma2000 Standards for Spread Spectrum Systems" [IS−2000−1」;"TIA/EIA Standard IS-2000-2 Physical Layer Standard for cdma2000 Spread Spectrum Systems" [IS−2000−2];"TIA/EIA Standard IS-2000-3 Medium Access Control (MAC) Standard for cdma2000 Spread Spectrum Systems" [IS−2000−3];"TIA/EIA Standard IS-2000-4 Signaling Link Access Control (LAC) Standard for cdma2000 Spread Spectrum Systems" [IS−2000−4];および"TIA/EIA Standard IS-2000-5 Upper Layer (Layer 3) Signaling Standard for cdma2000 Spread Spectrum Systems" [IS−2000−5]において詳細に説明されている。IS−2000−1,IS−2000−2,IS−2000−3,IS−2000−4およびIS−2000−5[総じて、IS−2000規格という]は、本明細書に参考として含まれる。
【0004】
一般に、CDMAシステムの全ユーザは、共通の周波数スペクトル上で通信信号を送受信し、またシステム内で多重通信信号を互いに分離するためにウォルシュ符号(Walsh codes)などの専用の符号が用いられる。各専用符号は、共通周波数スペクトル内の一つの通信チャネルを一般に表す。通信チャネルは、とりわけ、ページング・チャネルまたはトラヒック・チャネルでもよい。
【0005】
IS−2000規格は、タイムスロットすなわちページング・チャネル・タイムスロットに分割されたページング・チャネルを提供する。一つまたはそれ以上のページング・チャネルは、基地局によって利用できる。これらのページング・チャネル内では、複数のページング・チャネル・タイムスロットが移動局に割当てられる。基地局は、移動局に割当てられたページング・チャネル・タイムスロットにて、移動局にページおよび他のメッセージを送信する。
【0006】
さらに、IS−2000規格は、クイック・ページング・チャネル(quick paging channels)も提供する。クイック・ページング・チャネルは、ページング・チャネルと同様に、タイムスロットすなわちクイック・ページング・チャネル・タイムスロットに分割される。移動局がページング・チャネル上でメッセージを受信する場合、基地局はクイック・ページング・チャネル上の一つまたはそれ以上のページング指標(paging indicators)が、移動局が自局の割当ページング・チャネルを監視すべきことを移動局に報知することを可能にする。これにより、移動局がメッセージについてページング・チャネルの全ての割当タイムスロットを監視するという要件が緩和される。その代わり、移動局はスリープ・モードに入り、自局の割当ページング指標をクイック・ページング・チャネル上で監視するためにのみウェークアップする。割当ページング指標がイネーブルされると、移動局はウェークアップして、ページング・チャネル上でメッセージを受信する。それ以外の場合、移動局は、次のスケジューリングされたページング指標の時間までスリープ・モードに戻ることができる。ページング指標は比較的短いので、移動局は、より長い時間期間でスリープ・モードに留まることによりエネルギを節約する。従って、移動局のバッテリ寿命は増加する。
【0007】
移動局がページング指標のステータスを正確に判定する可能性を高めるために、ページング指標は、イネーブルされると、一般に高パワー・レベルにて送信される。基地局が複数のページング指標を同時に送信する必要がある場合、クイック・ページング・チャネルのピーク・パワー・レベルは大きくなりうる。クイック・ページング・チャネル上でより高いピーク・パワー・レベルを可能にするため、基地局はトラヒック・チャネル用に保留されたパワー増幅器能力を強制的に低減でき、それにより基地局能力を軽減する。よって、基地局によって同時送信されるページング指標の数を制限することが望ましい。
【0008】
従って、同時送信されるページング指標の数を制限することによりクイック・ページング・チャネル・ピーク・パワーを低減する、ワイヤレス通信システム上で送信されるメッセージをスケジューリングする改善された機構が必要とされる。
【0009】
(好適な実施例の説明)
ここで、同様な参照番号は同様な構成要素を表している図面を参照して、図1はワイヤレス通信システム100のブロック図である。本発明の各実施例で用いるのに適したデジタル・チャネル化(digital channelization)を利用する通信システムについては、IS−2000規格にて詳述されている。図1に示すように、基地局102はワイヤレス通信信号106を介して複数の移動局104と通信する。通信信号はチャネル上で送信され、異なる種類の通信には異なるチャネルが用いられる。一つの種類のチャネルはページング・チャネル(「ページング・チャネル」)であり、これはページまたは他のメッセージを移動局104に送信するために基地局によって用いられる順方向通信チャネルである。別の種類のチャネルは、クイック・ページング・チャネル(「QPCH」)であり、これはページまたは他のメッセージを受信するためにページング・チャネルを監視すべき旨を移動局104に報知するために基地局102によって用いられる順方向通信チャネルである。
【0010】
IS−2000規格では、ページとメッセージとの間には区別がある。IS−2000によると、一つの汎用ページ・メッセージ内に含まれる2つ以上のページが存在してもよい。本発明は、ページおよび他のメッセージの両方に等しく適用可能である。本説明に限り、ページおよび他のメッセージは総じて「メッセージ」という。
【0011】
図2は、ページング・チャネル202およびクイック・ページング・チャネル204のタイミング図である。ページング・チャネル202は、ページング・チャネル・タイムスロット(「PCHタイムスロット」)206に分割される。基地局102は、一つまたはそれ以上のPCHタイムスロット206にてメッセージを移動局104に送信する。
【0012】
同様に、クイック・ページング・チャネルは、クイック・ページング・チャネル・タイムスロット(「QPCHタイムスロット」)208に分割される。各QPCHタイムスロット208内には、複数のページング指標210が存在する。ページング指標210はバイナリ数またはビットであり、基地局102はこれをイネーブルして、メッセージについてページング・チャネル202を監視すべき旨を移動局104に報知できる。移動局がページング・チャネル202を監視していない場合、移動局はスリープ・モードに入り、ページング指標210を監視するために周期的にウェークアップする。基地局102は、ページング指標210を送信するためにオン・オフ・キーイング(on-off keying)を利用する。例えば、ある値(オン)では、基地局102はページング指標210時間期間中にあるパワー・レベルにて信号を送信し、また別の値(オフ)では、基地局はページング指標210時間期間中にパワーを送信しない。
【0013】
通信システム100において資源の統計的に均等な利用を確保するため、基地局102と特定の移動局104との間の通信で用いられるページング・チャネル202,クイック・ページング・チャネル204,PCHタイムスロット206およびQPCHタイムスロット208を割当てるべく、ハッシュ関数(hash function)が用いられる。また、ページグ指標210を移動局104に割当てるため、一つまたはそれ以上のハッシュ関数が用いられる。例えば、IS−2000規格では、システム・タイム信号および移動局104のIMSI(International Mobile Subscriber/Station Identity)に基づいた適切なハッシュ関数について説明している。ハッシュ関数と整合して、移動局104は自局の割当ページング指標210にハッシュするという。
【0014】
PCHタイムスロット206にてメッセージを移動局104に送信すべきと基地局102が判断すると、基地局102は、スケジューリングされたPCHタイムスロット206の直前のQPCHタイムスロット208にて移動局104に割当てられたページング指標210をイネーブルする。移動局104には、IS−2000規格の場合のように、QPCHタイムスロット208にて複数のページング指標210を割当てることができる。この場合、基地局は、スケジューリングされたPCHタイムスロット206の直前のQPCHタイムスロット208にて全ての割当ページング指標210をイネーブルする。複数のページング指標210を移動局104に割当てることは、移動局104が次期PCHタイムスロット206のためにウェークアップすることを阻止できる可能性を高める。移動局104が最初のページング指標210に基づいて、次の割当PCHタイムスロット206についてウェークアップすることを阻止できることを判定できない場合、移動局104は以降のページング指標210を監視して、移動局104がページング・チャネル202上でメッセージを受信するためにウェークアップすべきかどうかを判定する。
【0015】
移動局104がページング指標を受信した後にウェークアップする確率は、ページングされる移動局104の数と、利用可能なページング指標210の数の関数である。ページング負荷の高い期間では、ページングされていない移動局104は誤ってウェークアップする可能性が高くなる。なぜならば、ページングされている別の移動局104と同じページング指標210にハッシュするためである。これは、「衝突(collision)」という。衝突は移動局104を不必要にウェークアップさせるので、移動局104のバッテリ寿命を低下させることがある。この衝突問題は、2本以上のクイック・ページング・チャネル204を利用することにより、少なくとも部分的に緩和できる。
【0016】
しかし、複数のクイック・ページング・チャネル204が構築されると、同一PCHタイムスロット206内の複数のメッセージにより、異なるクイック・ページング・チャネル204上のページング指標210が同時にイネーブルされることがある。このような「時間衝突」が発生すると、クイック・ページング・チャネル204のために過剰な量の基地局102送信パワーが必要なことがある。
【0017】
図3は、ページング指標210の異なる組合せが2本のクイック・ページング・チャネル204上でイネーブルされる際に、基地局102によって送信される全クイック・ページング・チャネル・パワー(「QPCHパワー」)302のグラフである。2つのページング指標210A,210Bが異なるクイック・ページング・チャネル204上で同時にイネーブルされるところで、時間衝突304が示されている。この時間衝突304中の全QPCHパワー302Aは、一つのページング指標210Cの送信に要する全QPCHパワー302Bの2倍である。この過剰な量の全QPCHパワー302Aの送信を阻止するため、時間衝突304を回避できる。これは、異なるクイック・ページング・チャネル上で同時送信できるページング指標210の数を制限することによって達成される。この制限を実現するための一つの方法は、時間衝突304に関与するページング指標210A,210Bに対応するメッセージのうちの一つまたはそれ以上を再スケジューリング(reschedule)することである。
【0018】
図4は、QPCHピーク・パワー・レベルを低減するためにページング・チャネル上でメッセージを再スケジューリングするための一好適な方法を示すフローチャートである。ステップ402にて、基地局102はページング・チャネル202上で移動局104に送信すべきメッセージを判定する。上記のように、メッセージはPCHタイムスロット206にて送信される。次のステップ404では、ページング・チャネル202上で次期メッセージを移動局104に報知するためにイネーブルすべきページング指標210を判定する。ステップ406にて、基地局はイネーブルすべきページング指標210の間に時間衝突304があるかどうかを判定する。時間衝突304がない場合、プロセスは終了する(408)。しかし、時間衝突304がある場合、次のステップ410では、再スケジューリングのために時間衝突304に関与するメッセージを選択する。最後のステップ412では、選択されたメッセージを再スケジューリングする。従って、基地局102は時間衝突304を阻止し、QPCHピーク・パワー・レベルを制限する。
【0019】
時間衝突304がある場合、再スケジューリングすべきメッセージを選択するステップ(410)を実行するためのさまざまな方法が存在する。例えば、送信のためにメッセージがキュー(queue)された時間の量に基づいて、メッセージを選択できる。好ましくは、最短時間でキューされたメッセージが再スケジューリングされる。
【0020】
また、メッセージに割当てられた次のスケジューリングされたPCHタイムスロット206までの時間の量に基づいて、再スケジューリングのためにメッセージを選択できる。好ましくは、最も早い次のPCHタイムスロット206を有するメッセージが再スケジューリングされる。
【0021】
別の方法では、各メッセージが関与する時間衝突304の数に基づいて、再スケジューリングすべきメッセージを選択する。好ましくは、最多時間衝突304に関与するメッセージが再スケジューリングされる。
【0022】
さらに別の方法では、メッセージを受信する予定の複数の移動局104が同一クイック・ページング・チャネル204上で同一ページング指標210にハッシュするかどうかに基づいて、再スケジューリングのためにメッセージを選択する。この場合、基地局102は、一つのクイック・ページング・チャネル204上で一つのページング指標210のみをイネーブルすることにより、スケジューリングされるメッセージを複数の移動局104に報知できる。別のメッセージが同時に異なるクイック・ページング・チャネル204上で一つのページング指標のみの送信を必要とする場合、好ましくはそのメッセージは再スケジューリングされる。このように、2つのメッセージではなく、一つのメッセージのみが遅延される。その結果、平均メッセージ遅延は低減される。
【0023】
基地局102のパワー条件に応じて、全ての時間衝突304を阻止する必要はないかもしれない。しかし、時間衝突304に関与しうるページング指標210の数を制限することは望ましい。これは、図5において実証される。
【0024】
図5は、ページング指標の異なる組合せが4本のクイック・ページング・チャネル204上でイネーブルされる際に、基地局102によって送信される全QPCHパワー302C〜302Eのグラフである。4つのページング指標210D〜210Gの間の時間衝突304Aについての全QPCHパワー302Cは、3つのページング指標210H〜210Jのみの間の時間衝突304Bについての全QPCHパワー302Dよりも高い。同様に、3つのページング指標210H〜210Jの間の時間衝突304Bについての全QPCHパワー302Dは、2つのページング指標210K〜210Mのみの間の時間衝突304Cについての全QPCHパワー302Eよりも高い。
【0025】
時間衝突に関与することが許されるページング指標210の数が制限されると、QPCHピーク・パワー・レベルを低減できる。例えば、基地局102は、時間衝突304当り3つのページング指標という上限を設定できる。従って、時間衝突304を完全に阻止するのではなく、時間衝突304に関与できるページング指標210の数に上限を設定することにより、全QPCHパワー302を制限できる。この上限を超えたページング指標210に対応するメッセージのみを再スケジューリングするだけでよい。
【0026】
本発明の別の好適な実施例では、QPCHピーク・パワー・レベルを制限するためにメッセージを再スケジューリングする必要はない。その代わり、いくつかのメッセージをキャンセルできる。この手法は、図6に示すようなリピート・ページング(repeat-paging)方式を搭載するシステムにおいて効果的である。
【0027】
図6は、リピート・ページング方式におけるページング・チャネル202およびクイック・ページング・チャネル204のタイミング図である。メッセージ第1送信602Aは、ページング・チャネル202上で第1PCHタイムスロット206Aにて送信される。第1PCHタイムスロット206に関連する第1ページング指標210Uは、移動局104に保留中の第1送信602Aを報知すべくイネーブルされる。同じメッセージの第2送信602Bは、次の第2PCHタイムスロット206Bにてスケジューリングされる。第2ページング指標210Vは、第2PCHタイムスロット206Bに関連する。この反復的なメッセージ送信は、移動局104が自局に宛てられたメッセージを適切に受信する可能性を増加することにより、通信システム100の信頼性を向上させる。しかし、ページング指標210U,210Vのうち一方が時間衝突304に関与すると、対応するPCHタイムスロット206A,206Bにおける送信602A,602Bは、クイック・ページング・チャネル204上の時間衝突304を阻止するためにキャンセルできる。
【0028】
例えば、第2ページング指標210Vが時間衝突304に関与する場合、メッセージの第2送信602Bは、再スケジューリングされずにキャンセルできる。第2送信602Bのキャンセルは、メッセージが依然として第1送信602Aにて送信されるので許容可能である。従って、リピート・ページング方式では、関連ページング指標210U,210Vのうち一方を伴う時間衝突304を阻止するために、送信冗長性(transmission redundancy)が所定のメッセージについて犠牲にできる。そのため、各メッセージの少なくとも一つの送信602A,602Bが送信される限り、送信602A,602Bを再スケジューリングせずに、メッセージの一つまたはそれ以上の送信602A,602Bをキャンセルすることにより、QPCHパワー302は制限できる。
【0029】
メッセージの少なくとも一つの送信602A,602Bが送信されるかどうかは、メッセージの全ての送信602A,602Bが時間衝突304に関与する確率に依存する。この確率が低ければ、各メッセージの少なくとも一つの送信602A,602Bが常に送信されると想定できる。この場合、送信602A,602Bのキャンセルは許容可能である。しかし、この確率が高ければ、このメッセージの少なくとも一つの送信602A,602Bが送信されることを確定するために、時間衝突304に関与する各メッセージを確認する必要がある。メッセージの少なくとも一つの送信602A,602Bが送信されるべくスケジューリングされている場合、時間衝突304に関与する送信602A,602Bはキャンセルできる。そうでない場合、時間衝突304に関与する送信602A,602Bは再スケジューリングすべきである。これは、図7および図8にて実証される。
【0030】
図7は、QPCHピーク・パワー・レベルを低減するためにページング・チャネル上でメッセージをスケジューリングするための別の好適な方法を示すフローチャートである。この方法は、メッセージの全送信602A,602Bが時間衝突304に関与する確率が低いリピート・ページング方式を利用するシステムにおいて好ましい。ステップ702にて、基地局102は、ページング・チャネル202上で移動局104に送信すべきメッセージを判定する。上記のように、メッセージはPCHタイムスロット206にて送信される。次のステップ704では、ページング・チャネル202上で次期メッセージを移動局104に報知するためにイネーブルすべきページング指標210を判定する。ステップ706にて、基地局はイネーブルすべきページング指標210の間に時間衝突304があるかどうかを判定する。時間衝突304がない場合、プロセスは終了する(708)。しかし、時間衝突がある場合、次のステップ710では、キャンセルのために時間衝突304に関与するメッセージ送信602A,602Bを選択する。最後のステップ712では、時間衝突304に関与するメッセージ送信602A,602Bをキャンセルする。従って、基地局102は時間衝突304を阻止し、QPCHピーク・パワー・レベルを制限する。
【0031】
図8は、QPCHピーク・パワー・レベルを低減するためにページング・チャネル上でメッセージをスケジューリングするためのさらに別の好適な方法を示すフローチャートである。この方法は、メッセージの全送信602A,602Bが時間衝突304に関与する確率が比較的高いリピート・ページング方式を利用するシステムにおいて好ましい。ステップ802にて、基地局102は、ページング・チャネル202上で移動局104に送信すべきメッセージを判定する。上記のように、メッセージはPCHタイムスロット206にて送信される。次のステップ804では、ページング・チャネル202上で次期メッセージを移動局104に報知するためにイネーブルすべきページング指標210を判定する。ステップ806にて、基地局はイネーブルすべきページング指標210の間に時間衝突304があるかどうかを判定する。時間衝突304がない場合、プロセスは終了する(808)。しかし、時間衝突がある場合、次のステップ810では、キャンセルまたは再スケジューリングのために時間衝突304に関与するメッセージ送信602A,602Bを選択する。一つまたはそれ以上のメッセージ送信602A,602Bが選択されると、次のステップ812では、各選択されたメッセージの少なくとも一つの他の送信602A,602Bが送信されるかどうかを判定する。送信される場合、選択されたメッセージ送信602A,602Bはステップ814にてキャンセルされる。送信されない場合、選択されたメッセージ送信602A,602Bはステップ818にて再スケジューリングされる。従って、基地局102は時間衝突304を阻止し、QPCHピーク・パワー・レベルを制限する。
【0032】
上記のように、キャンセルまたは再スケジューリングするためにメッセージを選択するステップ(810)を実行するためのさまざまな方法が存在する。上記の方法のほかに、メッセージの少なくとも一つの他の送信602A,602Bが送信されるかどうかに基づいて、メッセージを選択できる。好ましくは、送信すべくスケジューリングされた少なくとも一つの他の送信602A,602Bを有するメッセージは、送信すべくスケジューリングされた他の送信602A,602Bを有していないメッセージよりは選択される。このような選択が行われると、選択されたメッセージ送信602Aは、ステップ818にて再スケジューリングされずに、ステップ814にてキャンセルされる。
【0033】
図9は、ワイヤレス通信システム900のブロック図である。本発明の各実施例で用いるのに適したデジタル・チャネル化を利用する通信システムについては、IS−2000にて詳述されている。通信システム900は交換局(switching center)902を含み、この交換局902は、Motorola Inc.から一般に入手可能なEMX. TM. 5000などの移動交換局でもよく、あるいは別の適切な種類の交換局でもよい。交換局902は、とりわけ、基地局コントローラ904および一般電話交換網(PSTN)906と通信する。
【0034】
基地局コントローラ904は、少なくとも一つのプロセッサ(図示せず)および一つまたはそれ以上のメモリ(図示せず)を内蔵でき、Motorola Inc.から一般に入手可能である。基地局コントローラ904は、2つの基地局102A,102Bと通信し、これらの基地局102A,102Bは、一つまたはそれ以上のプロセッサ(図示せず)および一つまたはそれ以上のメモリ(図示せず)と共に複数のトランシーバ(図示せず)を内蔵でき、Motorola, Inc.から入手可能である。追加の基地局コントローラを交換局902に結合してもよい。同様に、追加の基地局を基地局コントローラ904に結合してもよい。本明細書では、基地局102A,102Bはセクタ化基地局(sectorized base station)(図示せず)のセクタでもよいことがさらに想定される。
【0035】
移動局104は、基地局102Aが担当するエリア908内で動作することが示されている。
【0036】
図10は、図9に示すワイヤレス通信システムの一部のブロック図である。メッセージ・ルータ/インタフェース回路920は、好ましくは基地局102内に内蔵され、移動通信ユニット104などの移動通信ユニットに放送すべく、通信リンク922上で受信したページおよび他のメッセージを配信することを担う。本説明に限り、メッセージ・ルータ/インタフェース回路920は基地局コントローラ904に応答すると仮定する。
【0037】
メッセージ・ルータ/インタフェース回路920は、ページング・チャネル・コントローラ(「PCHコントローラ」)924と通信する。PCHコントローラ924は、好ましくは基地局102に内蔵され、あるいは基地局102と通信する。PCHコントローラ924は、メッセージ・ルータ/インタフェース回路920から受信したメッセージを保持する一つまたはそれ以上のキュー(queue)(図示せず)を内蔵してもよい。
【0038】
PCHコントローラ924は基地局102内に内蔵されるあるいは基地局102と通信するものとして説明されるが、PCHコントローラ924は、通信システム900内の任意の適切な位置、例えば、基地局コントローラ904内に、あるいは基地局コントローラ904と通信するように配置してもよいことが理解される。PCHコントローラ924の機能は、ハードウェアおよび/またはソフトウェアで実装してもよい。例えば、汎用コンピュータを周知の方法に従ってプログラミングして、PCHコントローラ924によるページおよび他のメッセージのフォーマット化および配信を制御できる。
【0039】
PCHコントローラ924は、パイロット・チャネル928,ページング・チャネル202およびクイック・ページング・チャネル204A〜204Dを含む送信ブロック926に応答する。周知のように、チャネル928,202,204A〜204Dは、ウォルシュ符号または他の固有の拡散符号と関連付けることができる。送信ブロック926は、基地局コントローラ904に応答する基地局102または別の基地局に好ましくは関連する。
【0040】
送信ブロック926は、IS−2000に基づくシステムなどのCDMAシステムにおいてチャネル上で情報をインタリーブ,符号化,拡散,合成,変調および送信することを担う。例えば、パイロット・チャネル928は周知の方法に従ってページング信号を生成し、ページング・チャネル202は周知の方法に従ってページング信号を生成し、クイック・ページング・チャネル204A〜204Dは周知の方法に従ってクイック・ページング信号を生成する。チャネルに応答する合成器(combiner)930は、基地局102からの順方向リンク通信信号を合成,変調および送信することを担う。送信ブロック926は、一つまたはそれ以上の基地局トランシーバとして実装してもよい。
【0041】
図11は、ページング・チャネル202およびその関連PCHタイムスロット206と、4本のクイック・ページング・チャネル204およびその関連QPCHタイムスロット28のタイミング図である。PCHタイムスロット206Cは、多数の移動局に割当てられる。ページング・スロット206Cに割当てられる移動局は、IS−2000において説明されるようにハッシュ関数に従って判定される。PCHタイムスロット206Dは、PCHタイムスロット206Cの1.28秒後に発生し、そのためスロット206Cに割当てられ、かつゼロのスロット・サイクル(slot cycle of zero)(IS−2000にて説明)を利用する移動局もスロット206Dに割当てられる。PCHタイムスロット206Eは、PCHタイムスロット206Cの2.56秒後に発生し、そのためスロット206Cに割当てられ、かつ1のスロット・サイクル(IS−2000にて説明)を利用する移動局もPCHタイムスロット206Eに割当てられる(ただし、PCHタイムスロット206Dには割当てられない)。クイック・ページング・チャネル204A〜204Dは、ページング・チャネル202に関連する。QPCHタイムスロット208A〜208Dは、PCHタイムスロット206Cに関連し、PCHタイムスロット206Cの開始より100ms前で開始する。
【0042】
図12は、PCHコントローラ924をさらに詳しく示す。PCHコントローラ924は、ページ・キュー1102およびテンポラリ・ページ・キュー1104を含む。本説明に限り、ページ・キュー1102は、PCHタイムスロット206Cで送信すべくキューされた多数のメッセージ1106A〜1106Hを保持する。各メッセージ1106は、データ構造(図示せず)によって表される。メッセージ・データ構造は、以下を収容する:ページングされる移動局のIMSI,ページングされる移動局の優先スロット・サイクル・インデクス(preferred slot cycle index)(IS−2000を参照)およびメッセージ・ルータ/インタフェース回路920からの受信時にメッセージがページ・キューに最初に入れられた時間。本説明に限り、最大スロット・サイクル・インデクスは1に設定され、これは優先スロット・サイクル・インデクスがゼロである移動局はゼロのスロット・サイクルを利用し、1.28秒毎に自局の割当ページング指標についてウェークアップすることを意味し、また優先スロット・サイクル・インデクスが1である移動局は1のスロット・サイクルを利用し、2.56秒毎に自局の割当ページング指標についてウェークアップすることを意味する。なお、PCHコントローラ924では、他のPCHタイムスロット206用の他のキューも存在することを留意されたい。メッセージ1106は、基地局コントローラ904およびメッセージ・ルータ/インタフェース回路920を介して受信される。テンポラリ・ページ・キュー1104は、PCHタイムスロット206にて送信されると考えられる、一時的にキューされたメッセージを格納する。タイミング・ユニット1108は時間を測定する。メッセージ1106がページ・キュー1102に最初に入れられた時間は、タイミング・ユニット1108から判定される。
【0043】
また、PCHコントローラ924は、各クイック・ページング・チャネル204A〜204Dについて一つのクイック・ページング・チャネル・ビット・バッファ(「QPCHビット・バッファ」)1110A〜1110Dを収容する。各QPCHビット・バッファ1110A〜1110Dは、関連するクイック・ページング・チャネル204A〜204D上のQPCHタイムスロット208内の各ページング指標について1ビットを有する(ビット・バッファ内のビットの一部は1112A〜1112Lによって示される)。QPCHビット・バッファ1110A〜1110Dは、それぞれクイック・ページング・チャネル204A〜204Dに関連する。ビット・バッファ1110内のビット1112は、ページング指標210がクイック・ページング・チャネル204上で送信されること指示するために1に設定される。ビット・バッファ1110内の各ビット1112に関連するのは、一つまたはそれ以上のポインタ(図示せず)であり、このポインタは、ビット・バッファ1110内のビット1112に関連するページング指標210を設定させる、テンポラリ・ページ・キュー1104内のメッセージ1106を指すことができる。各QPCHビット・バッファ1110は、QPCHタイムスロットの最初の40msにおけるページング指標210に関連するビット1112を有する。ビット・バッファ1110A〜1110Dの最初の40ms部分は、1114A〜1114Dによって示される。従って、ビット・バッファ1110A〜1110Dの第1部分1114A〜1114Dにおけるビット1112A〜1112Fは、割当QPCHタイムスロット内の移動局の第1ページング指標210に相当する。同様に、各QPCHビット・バッファは、QPCHタイムスロットの第2の40msにおいてページング指標210に関連するビット1112を有する。ビット・バッファ1110A〜1110Dの第2の40ms部分は、1116A〜1116Dによって示される。従って、ビット・バッファ1110A〜1110Dの第2部分1116A〜1116Dにおけるビット1112G〜1112Kは、割当QPCHタイムスロット内の移動局の第2ページング指標210に相当する。
【0044】
本説明に限り、ページ・キュー1102は、図11における時間tの直前のメッセージ1106A〜1106Hを保持する。QPCHタイムスロット208A〜208Dの開始よりも少し前の時間tにて(PCHコントローラ924は、QPCHタイムスロットのデータをクイック・ページング・チャネル204A〜204Dに送信するのに十分な時間があることを保証しなければならない)、PCHコントローラ924はQPCHタイムスロット208A〜208Dにどのページング指標210を設定すべきか判定し、また以下のようにしてPCHタイムスロット206Cにて送信すべきメッセージ1106を判定する。
【0045】
まず、PCHコントローラ924はページ・キュー1102からメッセージ1106A〜1106Hを削除し、これらを(空だった)テンポラリ・ページ・キュー1104に入れる。テンポラリ・ページ・キュー1104内の各メッセージ1106について、PCHコントローラ924はどのクイック・ページング・チャネル204を利用すべきか、またこのクイック・ページング・チャネル204上のどのページング指標210を設定すべきかを判定し、これら両方は、メッセージ・データ構造に格納されたIMSIでハッシュする(IS−2000にて説明)ことによって判定される。本説明に限り、メッセージ1106A,1106Bは、ビット・バッファ1110Aによって表される第1クイック・ページング・チャネル204Aにハッシュする。メッセージ1106C,1106Dは、ビット・バッファ1110Bによって表される第2クイック・ページング・チャネル204Bにハッシュする。メッセージ1106E,1106Fは、ビット・バッファ1110Cによって表される第3クイック・ページング・チャネル204Cにハッシュする。メッセージ1106G,1106Hは、ビット・バッファ1110Dによって表される第4クイック・ページング・チャネル204Dにハッシュする。
【0046】
本説明に限り、メッセージ1106は、以下で説明するようにページング指標210にマッピングし、また以下で説明するようにクイック・ページング・チャネル・ビット・バッファ1110にマッピングされる。メッセージ1106Aの第1ページング指標は210Dであり、ビット・バッファ1110Aの第1部分1114A内のビット1112bにマッピングされる。メッセージ1106Aの第2ページング指標は210Nであり、ビット・バッファ1110Aの第2部分1116A内のビットにマッピングされる。メッセージ1106Bの第1ページング指標は210Pであり、ビット・バッファ1110Aの第1部分1114A内のビットにマッピングされる。メッセージ1106Bの第2ページング指標は210Hであり、ビット・バッファ1110Aの第2部分1116A内のビット1112Iにマッピングされる。メッセージ1106Cの第1ページング指標は210Eであり、ビット・バッファ1110Bの第1部分1114B内のビット1112Cにマッピングされる。メッセージ1106Cの第2ページング指標は210Iであり、ビット・バッファ1110Bの第2部分1116B内のビット1112Jにマッピングされる。メッセージ1106Dの第1ページング指標は210Pであり、ビット・バッファ1110Bの第1部分1114B内のビットにマッピングされる。メッセージ1106Dの第2ページング指標は210Kであり、ビット・バッファ1110Bの第2部分1116B内のビット1112Gにマッピングされる。メッセージ1106Eの第1ページング指標は210Fであり、ビット・バッファ1110Cの第1部分1114C内のビット1112Dにマッピングされる。メッセージ1106Eの第2ページング指標は210Mであり、ビット・バッファ1110Cの第2部分1116C内のビット1112Hにマッピングされる。メッセージ1106Fの第1ページング指標は210Qであり、ビット・バッファ1110Cの第1部分1114C内のビットにマッピングされる。メッセージ1106Fの第2ページング指標は210Rであり、ビット・バッファ1110Cの第2部分1116C内のビットにマッピングされる。メッセージ1106Gの第1ページング指標は210Gであり、ビット・バッファ1110Dの第1部分1114D内のビット1112Eにマッピングされる。メッセージ1106Gの第2ページング指標は210Jであり、ビット・バッファ1110Dの第2部分1116D内のビット1112Kにマッピングされる。メッセージ1106Hの第1ページング指標は210Sであり、ビット・バッファ1110Dの第1部分1114D内のビットにマッピングされる。メッセージ1106Hの第2ページング指標は210Tであり、ビット・バッファ1110Dの第2部分1116D内のビットにマッピングされる。
【0047】
最初に、QPCHビット・バッファ内の各ビットはゼロに設定されるものとする。次に、PCHコントローラがどのクイック・ページング・チャネルを利用すべきかを判定し、このクイック・ページング・チャネル上のどのページング指標を設定するのかを判定したときに、各メッセージについて、PCHコントローラはビット・バッファ1110A〜1110D内で関連ビットを1に設定する。ビット・バッファ内のビットが設定されると、ビット・バッファ内のビットに関連するポインタは関連メッセージを指すように設定される。例えば、ビット1112Kに関連するポインタはメッセージ1106Gを指すように設定され、ビット1112Eに関連するポインタはメッセージ1106Gを指すように設定される。
【0048】
ビット・バッファ内の適切なビットが設定された後、PCHコントローラ924は上限を超える時間衝突が存在するかどうかを判定する。本説明に限り、一つの衝突に関与することが許されるクイック・ページング・チャネルの上限は3であると仮定する。ビット・バッファ1110A内の各ビットについて、ビット・バッファ1110B内の対応するビット,ビット・バッファ1110C内の対応するビットおよびビット・バッファ1110D内の対応するビットが存在し、これら全てのビットは同一時間に対応する。本説明に限り、全ビット1112B〜1112Eは、対応するクイック・ページング・チャネル204A〜204DのQPCHタイムスロット206の開始から19番目の位置に、全て同時に対応すると仮定する。同様に、ビット1112Gおよび1112Hは、共に同時である。また、ビット1112I,1112J,1112Kは、全て同時である。PCHコントローラ924は、ビット・バッファ1110A内の各ビットについて、時間衝突に同時に関与するクイック・ページング・チャネルの総数を計数する。例えば、ビット1112B時間について時間衝突に関与するクイック・ページング・チャネルの数は、ビット1112B〜1112E全てが設定されているので、4である。同様に、ビット1112G時間について時間衝突に関与するクイック・ページング・チャネルの数は、ビット1112Gおよび1112Hが共に設定されているので、2である。また、ビット1112I時間について時間衝突に関与するクイック・ページング・チャネルの数は、ビット1112I〜1112K全てが設定されているので、3である。
【0049】
4つ以上のクイック・ページング・チャネルが時間衝突に関与している各ビット位置について、PCHコントローラ924は、時間衝突に関与するクイック・ページング・チャネルが3より少なくなるように(なぜなら、3が上限なので)、再スケジューリングあるいはキャンセルすべき一つまたはそれ以上のメッセージを選択する。メッセージ1106A,C,E,Gそれぞれは、時間衝突に関与する一つのクイック・ページング・チャネル204A〜204Dについてビット・バッファ1110A〜1110D内の1ビット1112B〜1112Eに相当するので、3つのメッセージのうちの一つを再スケジューリングあるいはキャンセルしなければならない。ビット1112B〜1112Eに関連するポインタは、時間衝突に関与するメッセージ(それぞれメッセージ1106A,C,E,G)と、各メッセージ1106A,C,E,Gのキューされた時間や優先スロット・サイクル・インデクスなどの関連データとを特定するために用いられる。
【0050】
例えば、メッセージがキューされた時間が、メッセージを再スケジューリングするために用いられる条件であると想定しよう。本説明に限り、PCHコントローラ924は、メッセージ1106A,C,E,Gの初期キュー時間を、タイミング・ユニット1108からの現在時間と比較し、これらのメッセージがそれぞれ100ms,200ms,300ms,400msキューされたことを判定する。この場合、PCHコントローラ924は、再スケジューリングすべくメッセージ1106Aを選択する。なぜならば、メッセージ1106Aは最も少ない時間(100ms)でキューされたためである。
【0051】
第2例として、次のPCHタイムスロットまでの時間の量が、メッセージを再スケジューリングするための条件であると想定しよう。本説明に限り、メッセージ1106A,C,Eの優先スロット・サイクル・インデクスが全て2であり、またメッセージ1106Gの優先スロット・サイクル・インデクスが1であると想定する。メッセージ1106A,C,Eについて次にスケジューリングされるPCHタイムスロットは、PCHタイムスロット206E(2.56秒後)であり、メッセージ1106Gについて次にスケジューリングされるPCHタイムスロットは、PCHタイムスロット206D(1.28秒後)である。この場合、PCHコントローラ924は、再スケジューリングすべくメッセージ1106Gを選択する。なぜならば、その次のスケジューリングされるPCHタイムスロットの時間は任意の他のメッセージ1106A,C,Eの次にスケジューリングされるスロットよりも早いためである。
【0052】
メッセージを再スケジューリングする場合、PCHコントローラ924はメッセージをテンポラリ・ページ・キュー1104から削除し、これをこのメッセージの次にスケジューリングされるPCHタイムスロットについて適切なページ・キューに入れる。メッセージをキャンセルする場合、PCHコントローラ924はこのメッセージをテンポラリ・ページ・キュー1104から単純に削除する。メッセージが再スケジューリングあるいはキャンセルされると、PCHコントローラは、値がゼロとなるようにQPCHビット・バッファ内の関連ビットをクリアする。例えば、メッセージ1106Cを再スケジューリングする場合、ビット1112C,1112Jの両方がゼロに設定される。
【0053】
メッセージをテンポラリ・ページ・キュー1104から削除し、ビット・バッファ内のビットを必要に応じてクリアした後、PCHコントローラ924は、テンポラリ・ページ・キュー1104内にまだ残っているメッセージを周知の方法に従ってフォーマット化し、PCHタイムスロット用のデータを形成する。次に、PCHコントローラ924はこのデータをページング・チャネル202に転送し、このページング・チャネル202は、PCHタイムスロット中に送信するためにこのデータを合成器930に渡す。また、PCHコントローラ924は、クイック・ページング・チャネル・ビット・バッファ1110A〜1110Dからのデータをクイック・ページング・チャネル204A〜204Dにそれぞれ送り、クイック・ページング・チャネル204A〜204DはQPCHタイムスロット中に送信するためにこのデータを合成器930に渡す。
【0054】
次に、PCHコントローラ924は、テンポラリ・ページ・キュー1104が次のPCHタイムスロットのために空となるように、テンポラリ・ページ・キュー1104からの全てのメッセージをキュー解除(de-queue)する。
【0055】
図13および図14は、どのメッセージを再スケジューリングあるいはキャンセルすべきかを判定するために利用できる2つの別の方法を示す。図13は、メッセージを再スケジューリングあるいはキャンセルする方法を示し、ここでメッセージを選択するために用いられる方法は、クイック・ページング・チャネルの同一ページング指標にハッシュする、移動局への送信のためにスケジューリングされるメッセージの数に基づく。ページング指標210AAおよび210BBは共に第1メッセージに相当し、ページング指標210CCおよび210DDは共に第2メッセージに相当し、ページング指標210EEおよび210FFは共に第3メッセージに相当する。本説明に限り、衝突の上限は1である。この場合、第3メッセージを再スケジューリングするか、あるいは第1および第2メッセージの両方を再スケジューリングすることにより、衝突は回避できる。好ましくは、第3メッセージが再スケジューリングのために選択される。なぜならば、これは1つのメッセージしか遅延しないためである。これ以外では、2つのメッセージを遅延する。
【0056】
図14は、メッセージを再スケジューリングあるいはキャンセルする方法を示し、ここでメッセージを選択するために用いられる方法は、各メッセージが関与する衝突の数に基づく。ページング指標210GGおよび210HHは共に第1メッセージに相当し、ページング指標210IIおよび210JJは共に第2メッセージに相当し、ページング指標210KKおよび210LLは共に第3メッセージに相当する。この場合、衝突の上限は1である。ページング指標210IIおよび210JJに関連する第2メッセージは、一つの衝突に関与する。ページング指標210KKおよび210LLに関連する第3メッセージも、一つの衝突に関与する。しかし、ページング指標210GGおよび201HHに関連する第1メッセージは、2つの衝突に関与する。両方の衝突は、第1メッセージを再スケジューリングするか、あるいは第2および第3メッセージの両方を再スケジューリングすることによって回避できる。好ましくは、第1メッセージが再スケジューリングされる。なぜならば、このとき2つの衝突が解決され、一つのメッセージのみが遅延されるためである。これ以外では、第2および第3メッセージを再スケジューリングし、両方を遅延させる。
【0057】
特許請求の範囲およびその同等の精神および範囲から逸脱せずに、本発明の別のさらなる形態も考案できることは明白であり、本発明は上記の特定の実施例にいかようにも制限されるものではなく、特許請求の範囲およびその同等によってのみ制約されることが理解されよう。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例で用いるのに適したワイヤレス通信システムのブロック図である。
【図2】 ページング・チャネルおよびクイック・ページング・チャネルにそれぞれ収容されるページング・チャネル・スロットおよびクイック・ページング・チャネル・タイムスロットのタイミング図である。
【図3】 ページング指標の異なる組合せが2本のクイック・ページング・チャネル上でイネーブルされる際に、基地局によって送信される全クイック・ページング・チャネル・パワーのグラフである。
【図4】 クイック・ページング・チャネル・パワー・レベルを低減するためにページング・チャネル上でメッセージをスケジューリングするための一好適な方法を示すフローチャートである。
【図5】 ページング指標の異なる組合せが4本のクイック・ページング・チャネル上でイネーブルされる際に、基地局によって送信される全パワーのグラフである。
【図6】 リピート・ページング方式におけるページング・チャネルおよびクイック・ページング・チャネルのタイミング図である。
【図7】 クイック・ページング・チャネル・パワー・レベルを低減するためにページング・チャネル上でメッセージをスケジューリングするための別の好適な方法を示すフローチャートである。
【図8】 クイック・ページング・チャネル・パワー・レベルを低減するためにページング・チャネル上でメッセージをスケジューリングするためのさらに別の好適な方法を示すフローチャートである。
【図9】 本発明の好適な実施例で用いるのに適したワイヤレス通信システムのブロック図である。
【図10】 本発明の好適な実施例で用いるのに適したワイヤレス通信システムのブロック図である。
【図11】 ページング・チャネル・スロットを含むページング・チャネルと、クイック・ページング・チャネル・タイムスロットを含むクイック・ページング・チャネルのタイミング図である。
【図12】 本発明の好適な実施例で用いるのに適したページング・チャネル・コントローラの図である。
【図13】 ページング指標の異なる組合せが多重クイック・ページング・チャネル上でイネーブルされる際に、基地局によって送信される全パワーのグラフである。
【図14】 ページング指標の異なる組合せが多重クイック・ページング・チャネル上でイネーブルされる際に、基地局によって送信される全パワーのグラフである。
Claims (9)
- ワイヤレス通信システムにおける方法であって:
前記ワイヤレス通信システムは、少なくとも一つのページング・チャネルと、前記ページング・チャネル内の複数のページング・チャネル・タイムスロットと、複数のクイック・ページング・チャネルと、前記クイック・ページング・チャネル内の複数のページング指標とを画定すべく通信する基地局および少なくとも一つの移動局を備え、前記方法は、
ページング・チャネル・コントローラが、前記複数のページング指標のいずれかの間に送信時間衝突があるかどうかを判定する段階;
前記ページング・チャネル・コントローラが、前記送信時間衝突に関与する前記ページング指標の少なくとも一つに関連する前記メッセージの少なくとも一つを選択する段階;および
前記ページング・チャネル・コントローラが、以降の送信のために前記選択されたメッセージの送信を再スケジューリングする段階;
からなることを特徴とする方法。 - 前記選択は、前記選択されたメッセージのキュー時間の量に基づいて行われることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 前記選択は、前記選択されたメッセージに関連するスケジューリングされたページング・チャネル・タイムスロットまでの時間の量に基づいて行われることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 前記選択は、各ページング指標について判定された衝突の数の程度に基づいて行われることを特徴とする請求項1記載の方法。
- 送信のためにキューされたメッセージをスケジューリングするシステムであって:
基地局および少なくとも一つの移動局であって:
少なくとも一つのページング・チャネルと;
前記ページング・チャネル内の複数のページング・チャネル・タイムスロットと;
複数のクイック・ページング・チャネルと;
前記クイック・ページング・チャネル内の複数のページング指標と;
を画定すべく通信する基地局および少なくとも一つの移動局;および
異なるクイック・ページング・チャネル上で設定されたページング指標の間に時間衝突があるかどうかを判定し、前記時間衝突に関与する前記ページング指標の一つに関連するメッセージを選択し、以降のページング・チャネル・タイムスロットにて送信するために前記選択されたメッセージを再スケジューリングすべくプログラミングされたページング・チャネル・コントローラ;
からなることを特徴とするシステム。 - 前記ページング・チャネル・コントローラは、メッセージがキューされた時間の量に基づいて、メッセージを選択すべくプログラミングされることを特徴とする請求項5記載のシステム。
- 前記ページング・チャネル・コントローラは、前記移動局の次のスケジューリングされたページング・チャネル・タイムスロットまでの時間の量に基づいて、メッセージを選択すべくプログラミングされることを特徴とする請求項5記載のシステム。
- 前記ページング・チャネル・コントローラは、各メッセージが関与する衝突の数に基づいて、メッセージを選択すべくプログラミングされることを特徴とする請求項5記載のシステム。
- 前記ページング・チャネル・コントローラは、任意のクイック・ページング・チャネルの同一ページング指標にハッシュする移動局への送信のためにスケジューリングされたメッセージの数に基づいて、メッセージを選択すべくプログラミングされることを特徴とする請求項5記載のシステム。
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