JP4533580B2 - 補助腕部を有する周波数調整可能の共振型走査装置 - Google Patents

補助腕部を有する周波数調整可能の共振型走査装置 Download PDF

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は、走査光装置に関し、特に、画像や映像などの像を見るため又は取り込むための、走査光ビーム表示装置及び像化装置に関する。
【0002】
【発明の背景】
図絵的な像又はビデオ映像を視覚的に表示する装置をユーザーに提供するために種々の技術を利用することができる。多くの応用においては、例えば、テレビ受像装置やコンピュータ用モニター装置のようなブラウン管型表示装置(以下「CRT表示装置」という。)により、人が見ることのできる像が形成される。このような装置はいくつかの制限を甘受している。例えば、CRT表示装置は大きな寸法を有すると共に相当な量の電力を消費し、このことが、CRT表示装置を携帯用に応用し又は頭部装着用に応用するためには望ましくないものとさせている。
【0003】
液晶表示装置や電界放射型表示装置のようなマトリックスアドレス方式の表示装置は、寸法がより小さいと共に電力消費もより少ない。しかし、典型的なマトリックスアドレス方式の表示装置は対角線寸法が数インチを有する画面を用いる。このような画面は、該画面を、頭部装着用に応用しようとする場合やユーザーの視野の小さな部分のみを占める表示を意図して応用しようとする場合に、使用上の制限を受ける。そのような表示装置は、ますます困難になる加工や解像度・輝度の制限という犠牲を払うことによって、小型化されている。また、そのような表示装置の解像度の向上のためには、一般に、装置の複雑さが著しく増すことが要求される。
【0004】
従来の表示装置の多くの制限を克服する1つの取り組み方を示す装置として、ファーネス(Furness)らによる米国特許第5,467,104号明細書「仮想網膜表示装置(VIRTUAL RETINAL DISPLAY)」に開示されているような走査ビーム表示装置があり、この特許文献を本願において参考文献として組み入れている。図1に概略的に示すように、走査ビーム表示装置40において、走査源42は、ビーム結像装置46によって人の眼44に結像される走査ビーム光を出力する。走査表示装置の一例において、走査源42は、走査ミラー式又は音響光学式走査装置のような、変調された光ビームを人の網膜上で走査する走査装置を含む。走査表示装置の他の例において、走査源は、角度的掃引を通して回転される、1以上の発光装置を含む。
【0005】
走査光は、人の瞳孔48を経て眼44に入射し、角膜によって網膜59上に結像される。見る人は走査光に応じた像として認識する。他の例において、走査源42は、変調された光ビームを、人が眺める画面上で走査する。前者のような走査装置の例は、メルビル(Melville)らによる米国特許第5,557,444号明細書「2軸走査装置のための小型光学走査装置(MINIATURE OPTICAL SCANNER FOR A TWO−AXIS SCANNING SYSTEM)」に示されており、この特許文献を本願において参考文献として組み入れている。
【0006】
そのような表示装置は、時には、部分的な視野で見ること又は視野を拡大して見ることへの応用のために用いられる。このような応用において、表示の部分は、ユーザーの視野内に配置され、図2(A)に示すように、ユーザーの視野45の領域43を占める像を表す。したがって、ユーザーは、表示された仮想の像(virtual image)47と背景情報49とのいずれをも見ることができる。背景の光が遮られたとき、見る人は、図2(B)に示すように、仮想の像47のみを認識する。
【0007】
そのような表示装置における1つの難点としてラスターピンチすなわちラスター細り(raster pinch)があり、これについて図3から図5を参照して説明する。図3に模式的に示すように、走査源42は、変調光ビーム52を発する発光源50を含む。この例において、発光源50は、レーザダイオード(図示せず。)のような1以上の発光装置によって駆動される光ファイバーである。ビーム52が、方向転換ミラー54に当たり、水平走査装置56に向けられるように、レンズ53は、ビーム52についての集光及び焦点合わせを行う。水平走査装置56は、ビーム52をビーム走査軌跡が周期的に折れ曲がり状になるように走査する機械式共振型走査装置である。水平走査されたビームは、該水平走査ビームを周期的に垂直方向に掃引するように走査する垂直走査装置58に進む。垂直走査装置58からのビーム52の各角度のために、射出瞳拡大装置62は、ビーム52を一組のビーム63に変換する。眼結像光学装置60は、ビーム63を集束し、一組の射出瞳65を形成する。射出瞳65は、人の眼64によって見るための拡大射出瞳として共に作動する。このような拡大装置の1つとして、コリン(Kollin)らによる米国特許第5,701,132号明細書「拡大射出瞳を用いる仮想網膜表示装置(VIRTUAL RETINAL DISPLAY WITH EXPANDED EXIT PUPIL)」に示された装置があり、該特許文献を本願に参考文献として組み入れる。種々の応用のため、射出瞳拡大装置62が省略される、眼追跡(eye tracking)装置によって置き換えや補充をされる、又は回折若しくは屈折の設計を含む種々の構造を有するようにすることは、この技術分野の当業者であれば容易に理解することができる。例えば、射出瞳拡大装置62は、平面構造又は曲面構造であってもよく、種々のパターンにおいて、生じさせる出力ビームの数や様式はいかなるものであってもよい。また、図3に示す例では3つの射出瞳のみを示しているが、瞳の数は、ほとんどいかなる数であってもよいと言える。例えば、一例においては、15×15配列の構造が適している。
【0008】
走査の説明に戻ると、ビームがビーム拡大装置62における各連続位置を経て走査したとき、ビームの色及び強度は、像の各画素を形成すべく、以下に説明するように変調される。各画素位置についてビームの色及び強度を適切に制御することによって、表示装置40は所望の像を生じさせることができる。
【0009】
垂直及び水平の各走査装置の各波形の単純化版を図4(A)及び図4(B)に示す。平面66(図3に示す。)において、ビームは図5に示すパターン68を描く。図5に示す例においては、像の線として11の線のみを示しているが、実際に表示される線の数は、一般に、11よりはるかに多いことは、当業者であれば容易に理解することができる。実際の走査パターン68と所望のラスター走査パターン69とを比較すればわかるように、実際に走査されたビーム68は、瞳拡大装置66の外方端部で「細くなっている」。すなわち、ビームの前方及び後方への連続的な掃引動作において、走査パターンの端部近くの画素は不均等な間隔で配置される。この不均等な間隔での配置は、画素が互いに重なることや隣接する列の画素間に間隙ができることの可能性を引き起こす。さらに、像の情報は典型的には配列されたデータで提供され、この配列データの各位置は理想のラスターパターン69の各位置に対応しているので、ずれを生じた画素位置は像の歪みを生じさせる。
【0010】
与えられた再生速度及び与えられた波長のための、線ごとの画素数は、図3に示す構造において、回転軸に対して垂直のミラー走査角θ及びミラー寸法Dによって決定される。したがって、高解像度を得るためには、大きな走査角θ及び大きなミラーを有することが望ましい。しかし、大きなミラー及び大きな走査角は、一般に、低共振周波数に対応する。低共振周波数は、与えられた周期のために、より少ない表示線を提供する。したがって、大きなミラー及び大きな走査角は、容認できない再生速度を生じさせる。
【0011】
そのような表示装置及び他の応用において、走査が重要な機能であることは、当業者であれば容易に理解することができる。多くの応用のために、表示装置や他の応用にかかる装置が、小型かつ高性能で、高信頼性を有する走査装置を備えることが望ましい。
【0012】
【発明の概要】
表示装置は、各ビームが像の分離「タイル」を規定する実質的に連続の走査経路に沿って複数の光ビームを水平及び垂直の両方向に同時に走査する主走査機構を含む。好ましい実施例において、走査機構は、ビームを水平方向に掃引するように枢動するミラーを含む。
【0013】
発光源は、各入力角度から走査機構に光ビームを供給するように整列されている。入力角度は、走査機構が各光ビームを像領域の各個別領域にまたがって掃引するように選択される。各領域が実質的に重なっていないので、各光ビームは、像の実質的に空間的分離をされた領域を生じさせる。各領域は、非常に隣接しているか又はわずかに重なっているので、空間的分離領域は、隣接する像を形成するように「タイル化」されている。ミラーの運動はすべてのビームの運動を生じさせるので、表示装置は、各空間的分離領域を同時に生じさせる。前記したように、走査角度θ及びミラー寸法は、各ビームのために描かれた画素の数を決定する。したがって、ひとつの線内の画素の総数は、各ビームのための画素数にビームの数を乗じた値に実質的に等しい。
【0014】
一実施例において、走査機構は、一般に、水平成分及び垂直成分を有するラスターパターンで走査する。機械式共振走査装置は、ビームを正弦波状に走査することによって水平成分を生じさせる。非共振型又は準共振型の走査装置は、典型的に、実質的に一定の角速度でビームを垂直方向に走査する。
【0015】
一実施例において、走査機構は、二軸小型電気機械式(以下「MEM」という。)走査装置を含む。二軸走査装置では、各ビームの水平方向及び垂直方向の両運動を与えるために単一のミラーが用いられている。一実施例において、表示装置は、データを記憶し、記憶されたデータを各発光装置に出力するバッファー装置を含む。
【0016】
一実施例において、MEM走査装置は、固有の共振周波数を有する共振走査装置である。像データが供給される速度を共振周波数が調整しないとき、データは、種々の速度でバッファー装置にクロック入力をされるか又はバッファー装置からクロック出力をされる。
【0017】
選択的に、MEM走査装置は、像データ供給される速度に一致するように調整することができる調整可能の共振周波数を有するようにしてもよい。そのようなMEM走査装置の一実施例において、主振動体は、主振動体に対して相対的に運動することができる第2の質量部を支持する。これにより、慣性モーメントが変化する。慣性モーメントの変化は、共振周波数を変化させ、適用された制御信号によって制御される。振動体の運動を監視し、監視された運動と望ましい共振周波数とを比較することによって、制御回路は、走査周波数を入力データ速度に同期させるための適切な制御信号を発生する。
【0018】
動的又は積極的に調整可能のMEM走査装置の他の実施例において、ねじり腕部は、振動体を支持する。1以上の補助腕部は、振動体を基板又は他の本体に結合する。振動的腕部は、振動体の運動に応答して曲がる。
【0019】
補助腕部は、単一のねじり腕部又は複数のねじり腕部のトルクを補足するために付加的トルクを提供する。補助腕部は、補助腕部の曲がりに対応する電気的特性を有するセンサを含むことができる。補助腕部上のセンサは、ねじれ腕部のセンサと置き換えること又はねじれ腕部のセンサに補足することができる。補助腕部は、走査装置の望ましい振動経路に依存して、振動体への軸ずれ運動を増加又は減少させる構造を有する。
【0020】
一実施例において、結像装置又は像化装置は、2対の分離検出器/発光装置を用いることによって、タイル化像を得る。結像装置の一実施例において、結像装置は、発光源としてLED又はレーザを含む、各発光源は各波長の光を発する。走査組立体は、同時に、発光源からの光を像領域の各領域に向ける。像領域の各位置のために、各検出器は、各位置の反射率に従って、各波長の光、偏光、又は対応する光源の他の特性を選択的に検出する。検出器は、像領域を表すデータを記憶する復号化電子装置に電気信号を出力する。
【0021】
一実施例において、結像装置は、赤、緑及び青の波長帯についての複数の対の検出器/発光源を含む。各対は、各帯域内の波長で作動する。例えば、第1の赤の対は第1の赤の波長で作動し、第2の赤の対は第1の赤の波長とは異なる第2の赤の波長で作動する。
【0022】
一実施例において、一対の発光源は、選択的に、単一の走査装置に種々の角度から光を供給する。走査装置の前方掃引の間、第1の光源は、線の一つの半分に従って変調された光を放出する。戻りの掃引の間、第2の光源は、線の第2の半分に従って変調された光を放出する。第2の掃引の方向が第1の掃引の方向とは反対であるので、第2の光源からの光が線の第2の半分を逆方向に描くように変調されるべく、線の第2の半分に対応するデータは、第2の光源に曝される前に反転される。
【0023】
交互に光供給をする方法の一実施例において、単一の発光装置は、光学的スイッチによって2つの分離ファイバのひとつに選択的に結合された入力ファイバに光を供給する。前方掃引の間、第1の分離ファイバが第1の光源を形成するように、光学的スイッチは入力ファイバと第1の分離スイッチとを結合する。逆掃引の間、第2の分離ファイバが第2の光源を形成するように、光学的スイッチは第2の分離スイッチに光が供給されるようにする。したがって、この実施例により、単一の発光装置が、両発光源のための光を供給することができる。
【0024】
交互に光を供給する方法は、ちょうど2つのタイルよりさらに多いタイルを描く場合に拡張することができる。一つの方法において、入力ファイバは一組の光学的スイッチによって4つのファイバに結合され、各ファイバは各角度から走査組立体に光を供給する。スイッチは、掃引の方向に従って及び使用者の視覚の追跡位置に従って作動される。例えば、使用者が像の上半分を見たとき、左上のタイルの像を生じさせるように整列された第1のファイバは、前方掃引の間、走査装置に光を供給する。右上のタイルの像を生じさせるように整列された第2のファイバは、逆掃引の間、走査装置に光を供給する。使用者が像の下半分を見たとき、左下のタイルの像を生じさせるように整列された第3のファイバは、前方掃引の間、走査装置に光を供給する。右下のタイルの像を生じさせるように整列された第4のファイバは、逆掃引の間、走査装置に光を供給する。
【0025】
【発明の実施の形態】
図6に示すように、本発明の一実施例を示す走査ビーム表示装置70は、見る人の眼72による像認識のために配置されている。表示装置70が光を眼72において走査するように示しているが、図示の例における構造及び概念は、ビューイングスクリーンを含む投写型表示装置のような、他のタイプの表示装置に応用することもできる。
【0026】
表示装置70は4つの主要な部分を含み、以下に、各部分についてさらに詳しく説明する。最初に、制御用電子装置74は、コンピュータ、テレビジョン受信装置、ビデオカセットプレーヤ、DVDプレーヤ、リモートセンサ又は同様の装置のような像源76からの像信号VIMに応じて表示装置70の動作を制御する電気信号を供給する。
【0027】
表示装置70の第2の部分は、像信号VIMの情報に対応する変調を有する変調光ビーム80を出力する光源78である。光源78は、レーザダイオード又はマイクロレーザのようなコヒーレント光発生装置を用いたものであってもよいし、発光ダイオードのような非コヒーレント光発生源を用いたものであってもよい。光源78は、発光ダイオード(以下「LED」という。)のような直接に変調された光を発する装置であってもよいし、音響光学変調装置のような外部変調装置によって間接的に変調された光を連続的に発する装置を含む装置であってもよい。
【0028】
表示装置70の第3の部分は、変調ビーム80をラスターパターンのような2次元走査パターンで走査する走査組立体82である。走査組立体82は、好ましくは、周期的走査ミラー、又は、図3、図4、図8、図11、図19から図22を参照してさらに詳しく説明するミラーを含む。
【0029】
走査組立体82の対向する両側に配置されたレンズ84、86は、表示装置70の第4の部分をなす結像光学装置として作動する。レンズ86は、光源78からの光についての集光及び整形を行う円柱状のグレーデッドインデックス形(以下「GRIN」という。)レンズである。光源78は、レンズ86に向けられる光ファイバを含み、レンズ86は、光ファイバに接着されていてもよいし、光ファイバに一体的に形成されていてもよい。選択的に、レンズ86を、例えば、二重構造や三重構造の、他のタイプのレンズによって形成するようにしてもよい。さらに、光を整形及び案内するために、屈折素子のような他のタイプの光学素子を用いてもよい。素子の種類や型に関わらず、全光学縦列は、偏光感光材料を用いる技術、色補正技術、又は光の形状、位相や他の特性を制御するための他のあらゆる光学的技術を組み入れるようにしてもよい。
【0030】
レンズ84は、ほぼ眼72によって見るために走査ビーム80について整形及び焦点合わせを行う、部分的に透過性を有する曲面状のミラーから形成されている。レンズ84を経た後、走査ビーム80は、眼72に入射し、瞳90を経て網膜92に当たる。各走査変調光ビームが網膜92に当たった後、見る人は、以下に説明するように像の各部分を認識する。
【0031】
レンズ84は、部分的に透過性を有するので、見る人の眼72に結合入力を生じさせるように、走査組立体82からの光と背景89から受けた光とを結合する。ここでは背景89を「実際の世界(real−world)」の背景として示したが、該背景の光を遮るようにし、又は背景の光を同じタイプ若しくは異なるタイプの別の光源に生じさせるようにしてもよい。種々の光学素子をレンズ84、86と置き換える又はレンズ84、86に補充するようにしてもよいことは、当業者であれば容易に理解することができる。例えば、フレネルレンズのような屈折素子とレンズ84、86のいずれか又は両方を置き換えてもよい。さらに、ビームスプリッタ及びレンズと、レンズ84の部分的に透過性を有するミラー構造と置き換えてもよい。さらに、偏光子、色フィルタ、放出瞳拡大装置、色補正素子、眼追跡素子及び背景覆い用マスクのような種々の他の光学素子を、特定の応用のために組み入れてもよい。
【0032】
図6において各エレメントを模式的に示したが、装置構成部分が典型的な寸法と形状とを有することは、この技術分野の当業者であれば容易に理解することができる。例えば、表示装置70が移動型個人用表示装置を意図するものである場合には、図7に示すように、装置構成部分が頭部装着型の表示装置70としてヘルメット又は同様のフレームに取り付けられるような寸法及び形状になされる。この実施例において、表示装置70の第1の部分171は頭部支持用フレーム174に取り付けられ、第2の部分176は分離されて例えば腰用ベルトで携帯される。部分174、176は、第2の部分から第1の部分に光学的及び電子的な信号を伝達する光ファイバー及び電子的接続線178によって接続されている。ファイバー結合型の走査表示装置の例として、ファーネス(Furness)らによる米国特許第5,596,339号明細書「光ファイバー点光源を用いる仮想網膜表示装置(VIRTUAL RETINAL DISPLAY WITH FIBER OPTIC POINT SOURCE)」に示された装置があり、この特許文献を参考文献とて本願に組み入れる。
【0033】
次に、図8を参照して、走査組立体82の典型的な実施例を説明する。走査組立体82は、図3に示す走査源42に対応する複数の装置構成部分を含み、走査組立体82及び走査源42に共通する装置構成部分に同じ番号を付している。また、中心放射線55のみは、図をわかりやすくするために、ビーム52のために示している。
【0034】
この実施例において、一組のファイバ50は光源78(図示せず)からの光を出す。また、レンズ84を、部分的に透明性を有するミラーとは異なる共通の屈折レンズとして示している。図3に示す走査源42と異なり、走査組立体82は、垂直軸線に沿って光ビーム80を走査すべく枢動することができる可動の補正ミラー100を含む。以下に説明をするように、補正ミラー100は、水平走査装置56の(前方又は後方への)各掃引動作の間、垂直軸線に沿った連続的に変化する調整変位(corrective shift)を生じさせる。調整変位は、図5に点線で示す所望のパターンからの走査パターンの全偏差を低減するように、垂直走査装置58によって生じたビーム80の垂直運動を相殺する。
【0035】
補正ミラー100の効果及び種々の信号の相対的タイミングを説明する前に、水平走査装置56及び垂直走査装置58として用いるために好適な機械式共振型走査装置200、220の典型的な実施例を、図9を参照して説明する。
【0036】
水平走査装置200の主要な走査装置構成部分は、バネ板204に取り付けられた可動ミラー202である。ミラー202及びバネ板204の寸法並びにバネ板204の材料特性は、選択された共振型周波数が適用装置に依存する場合において、1〜100kHzの範囲の固有振動(共振)周波数で高Qを有する。60Hzの再生速度及び非インターレスで出力されるVGA品質のため、共振周波数は、好ましくは、ほぼ15〜20kHzである。以下に説明するように、選択された共振周波数又は達成可能の解像度は、複数の送り装置の使用によって変更することができる。
【0037】
ミラー202に取り付けられた強磁性材料は、運動力をミラー202に与えるように1対の電磁石コイル206、208によって駆動され、これによって、振動を開始及び維持する。強磁性材料は、好ましくは、バネ板204及びミラー202の本体に必須である。駆動用電子装置218は、前記したように、コイル206、208を動作させるための電気信号を供給する。電気信号に応じて、コイル206、208は強磁性材料に力を及ぼす周期的な電磁場を発生し、これによって、ミラー202の振動が生じる。電気信号の周波数及び位相がミラー202の運動と正確に同期されたとき、ミラー202は該ミラーの共振周波数で低消費電力で振動する。
【0038】
垂直走査装置220は、共振型走査装置200と極めて類似して構成されている。共振型走査装置201と同様に、垂直走査装置220は、駆動用電子装置218からの電気信号に応じて1対のコイル224、226によって駆動されるミラー222を含む。しかし、垂直走査のための振動速度は非常に低いので、垂直走査装置220は典型的には共振型ではない。ミラー222は、水平走査装置201からの光を受け、約30〜100Hzで垂直偏位を発生する。好都合に、この低周波数はミラー222をミラー202より非常に大きなものにすることを可能にし、これによって、垂直走査装置220の配置に関する制約を低減する。仮想網膜表示装置及び機械式共振型走査の詳細は、ファーネス3世(Furness III)らによる米国特許第5,467,104号明細書「仮想網膜表示(VIRTUAL RETINAL DISPLAY)」に非常に詳しく示されており、この特許文献を参考文献として本願に組み入れる。
【0039】
光ビームを一般的なラスターパターンで走査する種々の他の構造は、この技術分野の当業者であれば容易に理解することができる。例えば、回転ポリゴン体又は検流型走査装置は、いくつかの応用においては、走査装置56、58のいずれか又は両方を形成するようにしてもよい。
【0040】
他の実施例において、2方向の小型電気機械式(以下「MEM」という。)走査装置は主要な走査を提供する。このような走査装置は、ノイカーマンス(Neukermanns)らによる米国特許第5,629,790号明細書「小型機械化ねじれ走査装置(MICROMACHINED TORSIONAL SCANNER)」に示されており、この特許文献を参考文献として本願に組み入れる。米国特許第5,629,790号明細書に開示された走査装置は現在において好ましい例であるが、種々のMEM走査装置は、特定の応用のためにも適している。例えば、表面小型化2軸走査装置及び他のMEM走査装置について、様々の著者が説明している。
【0041】
前記した走査装置と同様に、MEM走査装置の水平成分は、図17(A)、図17(B)及び図21を参照して以下に非常に詳しく説明する構造上の機械的共振によって典型的に規定される。図3及び図8を参照して説明した2つの走査装置と同様に、2軸走査装置は、典型的に、速い走査軸に沿った掃引動作の間における遅い走査軸に沿った運動に起因する同様のラスター細りの問題を有する。他の走査方法も、また、適用される。例えば、音響光学走査装置、電気光学式走査装置、回転ポリゴン体及び他の走査方法の組合せが、走査機能に提供される。これらの方法のいくつかは、ピンチ補正を必要としない。
【0042】
図6、図8及び図9を参照するに、ファイバ50は、駆動用電子装置218からの像信号に従って変調された光ビーム80を出力する。同時に、駆動用電子装置218は、ミラー202、222を振動させるべくコイル206、208、224、226を動作させる。変調された光ビームは、(水平走査装置56の)振動する水平ミラー202に達し、ミラー202に瞬間角度に対応する角度だけ水平方向に偏向される。偏向された光は、(水平走査装置58の)垂直ミラー222に達し、垂直ミラー222の瞬間角度に対応する垂直角度で偏向される。ビーム拡大装置62による拡大後、ビーム52はレンズ84を経て眼へと進む。以下に説明するように、光学ビームの変調は、ミラーの各位置でビームの色及び強度が所望の仮想の像に対応するように水平走査及び垂直走査と同期される。したがって、各ビームは、ユーザーの網膜に直接に仮想の像を「描く」。
【0043】
説明をわかりやすくするために走査組立体82のいくつかの装置構成部分を図9では省略していることは、この技術分野の当業者であれば容易に理解することができる。例えば、水平及び垂直の走査装置200及び220は典型的にはフレームに取り付けられている。さらに、レンズ、及びビーム80についての集光、整形、回転、焦点合わせ又はコリメートのための他の光学コンポーネントは、省略されている。また、走査装置200、220間には、遅延光学品を示していない。これらは、いくつかの実施例において望ましい。さらに、走査装置200は、典型的には、走査の角度範囲を増大させるために複数回各ミラーにビームが当たるように、ビームの方向を変える1以上の方向転換ミラーを含む。さらに、いくつかの実施例において、走査装置200、220は、方向転換ミラーを用いることなく走査ミラーに複数回当たることができるように方向づけられている。
【0044】
図10及び図11を参照して、複数のビーム80の効果について説明する。図10を見てわかるように、2つのファイバ50は、別個に光ビーム80を出す。GRINレンズ86は、ビーム80が、共通の走査ミラー1090に当たる集束ビーム80A、80Bになるように、ビーム80について集束及び焦点合わせを行う。
【0045】
説明をわかりやすくするために、図10に示す実施例では、ミラー84を省略している。この実施例は、いくつかの応用において望ましい。また、図10に示す実施例においては、図9に示す2つのミラーを備える構造(以下「デュアルミラー構造」という。)に代えて、2軸走査を行う単一のミラー1090を含む。このような2軸構造を、図11、図17(A)、図17(B)及び図21を参照して、以下に非常に詳細に説明する。より複雑な光線軌跡と、光学経路長を変えるためのより複雑な代償とを含むが、デュアルミラー構造を用いてもよいことは、当業者であれば容易に理解することができる。
【0046】
図10に示すファイバ50及びレンズ84を走査ミラー1090と共通の面に配置しているが、多くの応用において、図11を見てわかるように、ファイバ50とレンズ84とを軸からずれた位置に配置することが望ましい。さらに、図11に示すように、4つの組のファイバ/レンズを用いたとき、ビームスプリッタ又は他の光学素子は、ファイバ/レンズ組が、他のファイバ/レンズ組からのビーム80A〜80Dを遮断しない位置に配置されることを可能にする。選択的に、小さい方向転換ミラーのような他の装置を用いれば、像の品質に何ら影響を与えることなく、ファイバ/レンズ組を非遮断位置に再配置することができる。このような方法について、図11、図39から図41を参照して、以下に詳しく説明する。
【0047】
レンズ86を経た後、第1のビーム80Aは、走査ミラー1090に当たり、像領域1094の方へ反射される。第2のビーム80Bもまた、走査ミラー1090に当たり、像領域1094の方へ反射される。図10に示す光線軌跡によってわかるように、像領域1094におけるビーム80A、80Bの水平位置は、水平走査装置56の角度偏向と、レンズ86及びファイバ56の位置及び方向との関数である。
【0048】
像領域1092において、第1のビーム80Aは像領域1094の第1の領域1092を照明し、第2のビーム80Bは、第1の領域1092に関して実質的に重なりを有しない第2の領域1096を照明する。2つの領域1092、1096間のまめらかな変化を可能にするために、2つの領域1092、1096は、小さな重なり領域1098においてわずかに重なる。したがって、2つの領域は実質的に別個であるが、図12及び図13を参照して、以下に説明するように、対応する画像部分は、端部でわずかに「混合される(blended)」。
【0049】
図10において、2つのビーム80A、80Dのみを示しているが、3つ以上のファイバ/レンズ組を用いることができる。ファイバ/レンズ組は、同一平面上にある必要はない。例えば、図1に示すように、4つの分離レンズ86は、4つの分離ビーム80A〜80Dを、空間的に分離された4つの位置からミラー1090の方へ送る。図12に示すように、ミラー1090は、4つのビーム80A〜80Dの各ビームを、像領域1094の各空間的個別領域1202A〜1202Dへ反射する。
【0050】
したがって、4つのビーム80A〜80Dの各ビームは、共同して全像を形成する4つの分離「タイル」1202A〜1202Dを照明する。5つ以上のタイルであっても像を形成することができることは、当業者であれば容易に理解することができる。例えば、第3のファイバ/レンズ組を追加すれば、2×3のタイルによる像又は3×2のタイルによる像が生じる。
【0051】
実際の像を作るために、ビーム80A〜80Dの各ビームの強度及び色内容は、ミラー1090がラスターパターンのような周期的パターンで掃引する像情報で変調される。図13に、4つのタイル1202A〜1202Dを生じるようにビーム80A〜80Dが像信号VIMに応じて変調される実施例を、模式的に示す。
【0052】
像信号VIMは、多重分離装置1304を駆動するために対応するデータを生じさせるA/D変換器1302を駆動する。データ及び制御装置74からのクロック信号CK(図8)に応じて、多重分離装置1304は、4つの出力データストリームを生じる。各データストリームは、各像タイル1202A〜1202Dに対応するデータを含む。例えば、多重分離装置1304は、像の第1の線の第1の半分に対応するデータを第1のバッファー1306Aに出力し、像の第1の線の第2の半分に対応するデータを第2のバッファー1306Bに出力する。多重分離装置1304は、次いで、像の第2の線に対応するデータを第1の2つのバッファー1306A、1306Bの第2の線に出力する。第1の2つのバッファー1306A、1306Bが像の上半分を表すデータを含んだ後、多重分離装置1304は、第3及び第4のバッファー1306C、1306Dを満たし始める。バッファー1306A〜1306Dのすべてが満たされると、出力クロックCKOUTは、バッファー1306A〜1306Dのすべてから各D/A変換器1308A〜Dに、同時に、データを計測する。D/A変換器1308A〜1308Dは、前記したように、各領域2102A〜Dに走査される光を生じさせるべく各光源78を駆動する。画素出力の実際のタイミングは、図28〜図31を参照して以下に説明するように、出力クロックCKOUTによって制御される。
【0053】
図13に示す装置においては、4つの分離領域1201A〜1201Dを示す。この数より大又は小の数の領域を用いてもよいことは、当業者であれば容易に理解することができる。また、領域1202A〜1202Dのいくつかの重なりは望ましいが、共通のデータは、1以上のバッファー1202A〜1202Dに記憶される。共通データ組は重なり領域のいくつかを倍にするので、データは、望ましいレベルに強度を制限するように大きさを調整されている。
【0054】
像の品質を改善する一つの手法について、図14及び図15を参照して説明する。互いに像部分1202A〜1202Dを「調整する(matching)」ための助けになる。ビーム80A〜80Dの角度が、(2つの単軸走査装置のための)垂直及び水平走査装置の角度又は(2軸走査装置のための)単一ミラーの水平及び垂直の角度によって決定されるので、ビーム80A〜80Dの実際のベクトル角度は、いかなる時点においても、ベクトルの付加によって決定される。多くの場合において、走査パターンの望ましい垂直部分は、図14の点線で示すように、「階段状ステップ」である。
【0055】
方向転換ミラー100(図8)を使用することができないとき、光線によって描かれたパターンは図3から図5を参照して説明したパターンと同様である。図14に示すように、実線で示されたパターンの実際の垂直走査部分は、所望の階段状ステップパターンというよりはむしろほぼ傾斜状である。
【0056】
階段状ステップパターンを提供するための一つの手法として、階段状ステップ電圧で垂直走査装置58を駆動させることによる方法がある。しかし、垂直ミラーが物理的装置であると共に階段状ステップが不連続運動を含むので、垂直ミラーは駆動信号に正確には追従しない。代わりに、垂直ミラーは階段状ステップパターンに追従しようとするので、垂直ミラーは、主として、垂直ミラーの大きさ及び重量、ミラー支持構造の材料特性、駆動信号のピーク電圧及び電流、及び駆動回路の電気的特性によって規定された最大速度で運動する。典型的な垂直走査ミラーの大きさ、形状、走査角度及び駆動電圧のため、垂直走査装置58は、100〜3000Hzの範囲の周波数に制限される。所望の走査パターンは、この範囲をはるかに超える周波数成分を有する。したがって、階段状ステップ駆動信号で垂直走査装置58を駆動させると、所望のパターンから著しく逸脱する垂直走査パターンを生じる。
【0057】
この問題を低減するために、図8に示す走査組立体2は、垂直走査関数を2つの部分に分けている。したがって、全体の垂直走査は、約60Hzにおける大きな振幅傾斜関数と、水平速度(例えば、約30kHzである。)の2倍の小さな振幅補正関数との合成である。60Hzの周波数が典型的な走査ミラーの応答周波数より十分に低いので、垂直走査装置58は大きな振幅傾斜関数を容易に発生することができる。補正ミラー100は非常に高い周波数で動作するが、補正ミラーの全角度振幅は非常に小さい。補正ミラー100は、垂直走査装置の周波数と比べてはるかに高い周波数で作動する。しかし、補正ミラー100の全角度振幅は、非常に小さい。
【0058】
図15に示す信号のタイミング図からわかるように、水平走査装置が視野の一端から反対の端部に走査する時間(例えば、図15に示す時刻tからtまでの間)、補正ミラー100はそのほぼ最大負角から最大正角に移動する。図14に示すように、全補正角は、単一の水平走査の間、垂直走査ミラーの下方への移動の量によって規定される。補正角度は、表示装置の種々の形状に合わせて変わる。補正角度は容易に計算することができる。
【0059】
例えば、1280の垂直方向の列と10度の全機械的垂直走査角度とを有する各像領域1202A〜1202Dを含む表示装置のために、各列のための角度走査範囲は、約0.008度(10/1280=0.0078125)である。約±0.00039度の補正ミラー100によって提供される誤差補正を水平走査装置が走査する間、垂直走査装置58はこの全距離を移動すると仮定する。したがって、角度補正はほぼθ/Nであり、ここで、θは垂直走査角度、Nは水平方向の列の数である。この数は、いくつかの実施例において変更してもよい。例えば、水平走査装置56が共振型水平走査装置である場合には補正角度はわずかに異なってもよい。なぜなら、走査が視野領域の端部に到着したとき停止して反対方向への移動を開始するために、水平走査装置56は走査時間の同じ部分を用いるからである。補正角度は、光学素子の収差又は光学的経路長差を補正するために、変更してもよい。さらに、補正走査装置100の周波数は、水平走査周期(「一方向性走査」)の1つの半分の間のみにデータが供給されるとき、半分だけ減じてもよい。ラスターピンチは、典型的には、一方向性走査方法においては問題ではない。
【0060】
図14及び図15に示すタイミング図からわかるように、補正ミラー100は、水平走査装置56の周波数の2倍の周波数で1列の幅の約半分の幅だけビームを垂直方向に直進させる。典型的な、二方向性走査(例えば、水平走査装置56の前方及び後方の両方への掃引についてのデータ出力)を有する、SVGA画像品質の表示装置のために、水平走査装置56は約15kHzで共振する。したがって、典型的な表示のために、補正走査装置100は約30kHzで1度の約半分だけ枢動する。表示装置の解像度が増加したとき水平走査装置56の走査速度が増加することは、この技術分野の当業者であれば容易に理解することができる。補正ミラー100の走査速度はそれに応じて増加するが、枢動角度は減少する。例えば、2560の列と10度の全走査とを有する表示装置のために、補正ミラー100の走査速度は約0.002度の枢動角度で約60kHzである。高解像度のために、補正ミラーの最小寸法が、典型的には、回折限界となるスポット寸法を向上させることは、当業者であれば容易に理解することができる。
【0061】
図16は、いくつかの実施例において補正ミラー100のために好適な圧電性走査装置110を示す。走査装置110は、間隔をおいて配置された1対の圧電アクチュエータ114、116を支持するプラットホーム112を用いて形成されている。補正ミラー100は、アクチュエータ114とアクチュエータ116との間に伸びる、金属被覆がされた実質的に平面のシリコン基板である。圧電アクチュエータ114、116の両側は、導電的に被覆がされており、アクチュエータ114、116のそれぞれを横切る電圧が逆になるように駆動増幅装置120に結合されている。圧電材料は電界の存在で形状が変化する。したがって、駆動増幅装置120が電圧を出力したとき、アクチュエータ114、116は、補正ミラー100に反対方向に力を及ぼし、これによって、補正ミラー100を枢動させる。圧電アクチュエータ114、116を単一の組の電極と単一の層の圧電材料とを有するものとして示したが、アクチュエータ114、116が典型的には複数の層から形成されていることは、この技術分野の当業者であれば容易に理解することができる。そのような構造は、相対的に大きな変形を生じるように、商業的に入手可能な圧電装置において用いられる。
【0062】
従来のランプ波発生回路のような信号発生回路122は、水平走査装置56の被検知位置に応じて駆動増幅装置120のための駆動信号を発生する。回路122への主要な入力は、水平走査装置56に接続された感知装置からの感知信号である。感知信号は、種々の方法で得ることができる。例えば、ノイカーマンス(Neukermanns)らによる米国特許第5,648,618号明細書「積分ねじれ感知装置を有するマイクロ加工ヒンジ(MICROMACHINED HINGE HAVING AN INTEGRAL TORSIONAL SENSOR)」に示されており、この特許文献を参考文献として本願に組み入れているように、MEM走査装置のねじれ運動は、走査ミラーの位置に対応する電気的出力を生じることができる。代わりに、ミラーの位置は圧電式感知装置を走査装置に取り付けることによって得るようにしてもよく、このことは、メルビル(Melville)による米国特許第5,694,237号明細書「機械式共振型走査装置用ミラーの位置検知(POSITION DETECTION OF MECHANICAL RESONANT SCANNER MIRROR)」に示されており、この特許文献を参考文献として本願に組み入れている。他の代替の方法において、ビームの位置は、水平又は垂直のミラーの位置を光学的又は電気的に計測管理をすることによって又はミラー駆動コイルに誘起された電流の計測管理をすることによって決められる。
【0063】
感知信号が水平走査装置56が視野の端部にあることを示す場合、回路122は、水平走査装置が視野の中心に到着したとき最大負位置で開始する共に零交叉点に到着するランプ信号を発生する。その後、ランプ信号は、水平走査が視野の反対端部に到着したとき、その最大値に達する。ランプ信号は、水平走査が停止に向けて減速すると共に戻り掃引動作を開始したとき、前記時間間隔の間にその最大負位置に戻る。回路122は感知信号をランプ信号のための基礎クロック信号として用いることができるので、ランプ信号のタイミングは本質的に走査の水平位置に同期される。しかし、いくつかの実施例のために、感知信号に関係するランプ信号の制御された位相シフトが性能を最適化するものであることは、この技術分野の当業者であれば容易に理解することができる。図18を参照して以下に説明するように、補正ミラー100が共振的に走査された場合、感知信号を周波数倍加、増幅及び位相シフトすることによって簡単に得られる正弦波信号によってランプ信号を置き換えることができることは、この技術分野の当業者であれば容易に理解することができる。
【0064】
ビーム80A〜80Dが水平走査の間、垂直軸線に沿って静止したままの状態を続けるように、補正ミラー100によって誘起されたビーム80A〜80Dの垂直運動は、垂直走査装置58によって生じたビーム80A〜80Dの運動を相殺する。水平走査が視野の範囲外にある時間の間、ビーム80A〜80Dは、補正ミラー100に応答して、次の水平走査の公称位置に向けて垂直に移動する。
【0065】
前記した説明からわかるように、圧電駆動された補正ミラー100の付加は、ランプ型の運動を用いて、著しいラスター細りを低減することができる。しかし、いくつかの応用において、ランプ型運動を用いることは望ましくない。補正ミラー100のために用いることができる走査装置130の1つの実施例を、図17(A)及び図17(B)に示す。
【0066】
走査装置130は共振型の小型電気機械式(以下「MEM」という。)走査装置であり、該走査装置は、走査装置130が単軸型であるという理由により処理が単純化されていること以外は、ノイカーマンス(Neukermans)の‘790特許に示された装置と同様に製造される。代わりに、走査装置130は図9に示す水平走査装置54に非常に類似した機械式共振型走査装置とすることができるが、このような走査装置において、基板及びミラーの大きさ及び材料特性は、水平走査装置200の共振周波数の2倍の約30kHzで共振を生じるように選択することが好ましい。さらに、材料及び取付けは、好ましくは、走査装置130が水平走査装置56のQより非常に低いQを有するように選択される。この低いQは走査装置130がより広範囲の周波数にわたって動作することを可能にするので、走査装置130は水平走査周波数の多重積分に調整することができる。
【0067】
共振型走査装置130を利用すれば、走査装置130を駆動するための電気的な装置構成部分の複雑さが低減する。また、前記した方法に対して相対的に走査効率が改善される。しかし、走査装置130は共振型なので、該走査装置は前記したランプ型運動よりはむしろ折れ曲がり状運動を有する傾向がある。しかし、折れ曲がり状運動の周波数、位相及び振幅が適切に選択されるならば、補正ミラー100は、細りエラーを著しく低減することができる。例えば、図18は、視野の水平領域が総体的な水平走査角度の90パーセントを包含する場合の補正ミラーの折れ曲がり状運動を用いた、ラスター信号の補正を示す。視野が全水平走査角度より小さな割合であれば、ビームの位置の誤差をさらに低減することができることは、この技術分野の当業者であれば容易に理解することができる。さらに、走査誤差をさらに低減することでさえも第2の補正ミラーをビーム経路に加えることによって実現することができるが、これは、改良対費用の制限に起因して一般的に望ましくないことではある。誤差を低減するための他の方法は、走査パターンが折れ曲がり状走査から三角形状波形により近く変わるように、1以上のより高位の高調波を走査駆動信号に加えることである。
【0068】
誤差が低減された走査装置140の他の代替例を図19に示しており、走査補正は、垂直成分を水平ミラー141に加えることによって実現される。この実施例において、水平走査装置140は、走査ミラーを枢動させるための静電的な駆動を有するMEM走査装置である。水平走査装置140は、小さな質量部145が形成される多数の位置143を含む。質量部145は、フォトリソグラフィのような従来の方法で形成される蒸着金属又は他の材料であってもよい。1つの選択された質量部143は、ミラー141の中心線147の周りに非対称に配置されている。質量部145は、その主要な軸線に直交する軸線の周りに枢動することによって、補正を垂直軸線に沿って走査するための成分を提供する。図20からわかるように、垂直走査周波数は水平走査周波数の2倍の周波数であり、これによって、図20に示すリサージュ又は棒ネクタイ状の全走査パターンを生じる。質量部145は、垂直成分の共振周波数を調整させるために積極的に変更してもよい(例えば、レーザーアブレーション(laser ablation))。この実施例は付加的なミラーなしで補正を可能にするが、一般には振動の共振周波数と水平走査装置とを調和させることを必要とする。
【0069】
水平走査装置56及び補正走査装置100の相対的な共振周波数のマッチングを維持するために、走査装置56、100のいずれか又は両方の共振周波数を動的に調整するようにしてもよい。種々の周波数制御方法及び装置について、図33〜図36を参照して以下に説明する。走査装置56、100のQが実質的に低いか又は走査装置56、100が共振しないとき、駆動周波数を単純に変化させることにより、同期を十分に維持するように走査周波数を変えるようにしてもよい。
【0070】
図21に示すように、本発明に係る走査装置150の他の実施例においては、補正走査装置154と共に、主要な走査装置構成部分として二軸走査装置152を用いる。二軸走査装置152は、互いに直交する2つの軸線の周りに振動する単一のミラー装置である。このような走査装置の設計、製造及び動作は、例えば、ノイカーマンス(Neukermans)の‘790特許、アサダ(Asada)ら著の「シリコン小型化2次元ガルバノ光学走査装置(Silicon Micromachined Two−Dimensional Galvano Optical Scanner)」(アイトリプルイー磁気学報告書(IEEE Transactions on Magnetics)第30巻第6号第4647〜4649頁、1994年11月発行)、及びキアング(Kiang)ら著の「光学走査のための小型機械化小型走査装置(MICROMACHINED MICROSCANNERS FOR OPTICAL SCANNING)」(小型光学系び小型機械系を有する小型装置に関するSPIE論文発表記録(SPIE Proceedings on Miniaturized Systems with Micro−Optics and Micromachines)第3008巻第II号第82〜90頁、1997年2月発行)の論文に示されており、この文献を参考文献として本願に組み入れる。二軸走査装置152は、ノイカーマンスの‘618特許で説明されているように、ミラー位置の電気的フィードバックをターミナル158に与える積分走査装置156を含む。
【0071】
補正走査装置154は、好ましくは、図17(A)及び図17(B)を参照して前記したようなMEM走査装置である。圧電式走査装置のような他の型の走査装置もまた本発明の範囲にあるものならばよい。前記したように、補正走査装置154は、走査誤差のかなりの部分を除去するために折れ曲がり状に走査することができる。または、補正ミラーは、より正確な誤差補正のためにランプパターンを走査する。
【0072】
光源78からの光は、補正ミラー154に当たり、前記したような補正角度で偏向される。光は、その後、二軸走査装置152に達し、図3から図5を参照して前記したように、ラスターパターンに近づくように水平及び垂直の方向に走査される。前記したように、全パターンは、ラスターパターンにさらに近似するように近づく。
【0073】
本発明に係る表示装置の他の実施例を図23に示し、この実施例においては、入力ビームを光学系500の入力に対して相対的に横方向に物理的に変えることによって補正ミラー100を省略している。図23に示す実施例において、フレーム504と入力ファイバ506との間に配置された圧電駆動部502は、水平走査周波数の2倍の周波数で駆動電圧を受ける。駆動電圧に応答して、圧電駆動部502は変形する。ファイバ506が圧電駆動部502に接着されているので、圧電駆動部502の変形は、矢印508と点線で示したファイバ510とで示すようなファイバ506に対応するシフトを生じさせる。光学系500の特性に依存して、圧電駆動部502がファイバ506の横方向へのずれ又はファイバ506の出力の角度変化を生じさせることは、この技術分野の当業者であれば容易に理解することができる。光学系500は、その後、前記した実施例の場合と同様に、ファイバの出力の運動を、感知された画素位置の運動に変換する。図23に示す実施例においてはファイバを変換することを用いているが、本発明はそれに限定されない。例えば、いくつかの応用においては、LED又はレーザダイオードのような他の発光源の変換を組み入れる。
【0074】
図23に示す実施例は入力ファイバの位置又は角度を変えることによって入力ビームを変えるが、入力ビームを変える他の方法は本発明の範囲内であればよい。例えば、図24に示すように、電気光学式水晶300は入力ビーム83を電気信号に応じて変える。この実施例において、ビーム83は、台形状に形作られた電気光学式水晶300の第1の面302に入射し、該面に係る屈折作用が伝播の方向の変化を生じさせる。ビーム83が第2の面304を経て出たとき、屈折は伝播の方向の第2の変化を生じさせる。各面で、伝播の方向の変化量は、空気と水晶300との間の屈折率の相違に依存する。
【0075】
電気光学式水晶の屈折率は、水晶を経る電界に依存する。1対の電極306を経て水晶300を横切って印加された電圧は水晶の屈折率を制御する。したがって、印加された電圧は、ビーム83が破線83aで示すように水晶300に入射し及び出たとき、ビーム83の角度変化を制御する。変化量は印加電圧に対応する。したがって、変化量は、電極306に印加された電圧を制御することによって制御される。したがって、水晶300は、ラスター細りを相殺することができる電圧制御されたビーム変化を提供する。
【0076】
ここに説明する実施例は表示装置であるが、他の装置又は方法は本発明の範囲内であればよい。例えば、図24に示すように、撮像装置又は像化装置(imager)600は、二軸走査装置602及び補正走査装置604を含み、図21に示す走査装置152、154に非常に類似している。撮像装置600は、デジタルカメラ、バーコードリーダー、二次元図記号読取装置、文書走査装置又は他の画像収集装置の入力エレメントである像取込装置である。撮像装置600が光を効率よく集めることができるように、撮像装置600の外側の目標物608からの光を収集して補正走査装置604に伝送する収集光学装置606を含む。収集光学装置606は、特定の応用に適するような焦点深度、焦点距離、視野領域及び他の光学的特性を有するように構成されている。例えば、撮像装置600が二次元図記号読取装置(two dimensional symbology reader)である場合、収集光学装置は赤色光又は赤外光のために最適化され、焦点距離は10〜50cmの範囲にある。より長い距離で図記号を読み取るために、合焦光学装置は、より長い焦点距離を有するか又は変動可能の焦点を有するようにしてよい。光学装置は、小型かつ安価のコンポーネントが用いることができるように、光学経路に沿った他の位置に配置してもよい。
【0077】
補正走査装置604は、表示装置の実施例のために前記したように、収集された光が二軸走査装置602に到着する前に該光が補正成分を有するように、収集光学装置606から受けた光を向け直す。二軸走査装置602は、ある角度範囲から収集光学装置606に到着する光を集めるために、及び集めた光を、固定された1グループの光検知装置610に向け直すために、一般に、実質的にラスターパターンで走査する。各光検知装置610は、像領域の各「タイル」に像を形成するような各位置及び方向に配置される。
【0078】
したがって、二軸走査装置602の運動は、目標物608の像連続点として光検知装置610上に変換される。光検知装置610は、走査装置602からの光エネルギーを、デコード用電子装置612で受ける電気信号に変換する。撮像装置600が図記号読取装置である場合、デコード用電子装置612は、図記号をデコード及び記憶する回路、さらに、記憶されたファイルから像を組み立てるための電子装置を含む。撮像装置がカメラの部分である場合、デコード用電子装置612は、デジタルからアナログへの変換装置、記憶装置、走査されたタイルのデジタル形式を記憶するために関係づけられた電子装置、及び、記憶されたファイルから像を組み立てるための電子装置を含む。補正走査装置604は二軸走査装置602の前に配置されているが、いくつかの応用においては、補正走査装置604を二軸走査装置602の後に配置することが望ましいことは、当業者であれば容易に理解することができる。
【0079】
図24に示す撮像装置600の他の特徴は、目標物を照明するための光を提供する照明源614である。照明源614は、いくつかの応用において共通した波長の装置が用いられているが、ビームの識別を容易にするために異なる波長を用いた装置としてもよい。多重波長構造の例において、撮像装置600が図記号読取装置である場合、照明源614は、光ビームをビームスプリッタ616に入射させる赤外又は赤色の発光装置であってもよい。ビームスプリッタ616は、照明光が補正走査装置604に向け直される場合、二軸走査装置602に照明光ビームを向ける。照明光が目標物608からの光の経路と同じ直線上にあるので、照明光は、光検知装置610によって像化された同じ位置の目標物608に達する。照明光は、目標物608の反射性に対応するパターンで目標物608によって反射される。反射された照明光は、光検知装置610を通り、目標物608の各領域を像化するために光検知装置610によってのみ用いられる各領域光を像化するために供給される。高解像度のために、照明源614によって照明された領域又は光検知装置610によって像化された領域は、既知の種々の光学技術によって小型化することができる。図24には水平走査装置602の後に配置された補正走査装置604が示されているが、補正走査装置604を、ビームスプリッタ616と水平走査装置602との間に配置することがしばしば望ましいことは、当業者であれば容易に理解することができる。このことは、補正走査装置604のミラーを小型化することを可能にする。
【0080】
選択的に、光検知装置610は、走査装置602、604の外部に取り付けてもよいし、各タイルから直接に光を取り込むように向けられていてもよい。各光検知装置610は、各照明源の波長に調整され、また、空間分離領域に整列されているので、各タイルからの信号間の相互干渉は、適切に抑制される。
【0081】
図24に示す撮像装置600の1つの応用において、照明源614は、赤色レーザダイオード又は可視波長の発光ダイオード(以下「LED」という。)のような、視認可能かつ直接的に変調可能な光源である。したがって、図25に示すように、照明源614は、ユーザーのために視認可能な像を発生することができる。図25に示す典型的な実施例において、撮像装置は、目標物608の図記号に含まれた情報を確認するために、図記号走査装置として動作する。デコード用電子装置612が、項目価値及び同一性のような視認可能の所望の像を確認すると、デコード用電子装置612は、所望の像に従って発せられた光の強度を変調するために照明源614の駆動電流を調整する。ユーザーが撮像装置600をスクリーン619(又は目標物)の方へ向けたとき、照明光は前記したようにスクリーン619上に走査される。照明光が所望の像に従って調整されるので、スクリーン619からの反射光は所望の像に従って部分的に調整されている。したがって、撮像装置600は、像データを取り込むことに加えて像プロジェクタとして動作する。さらに又は選択的に像を生じるべくダイオードを調整するために、目標物608の各領域に対応するダイオードは、撮像装置600の全視野領域を満たす連続ビーム光又はパルスビーム光を出力する。したがって、撮像装置600は、視野領域を示すポッタフレーム618をユーザに提供する。同様に、照明源614は、撮像装置600を目標物608に整列させることにおいてユーザを支援するために、視野領域の輪郭を描くか又はクロスハッチングや基準点のような視野領域の他のしるしを生じるように変更してもよい。
【0082】
ラスター細りを補償することに加えて、図28に示す走査装置の一実施例は、また、共振型又は他の非線型走査装置の非線型性の効果を処理する。この補正は、単一の光源又は単一の検知装置について示しているが、前記した図10に示すように、2以上の光源を用いる装置に応用されてもよいことは、当業者であれば容易に理解することができる。例えば、一応用例において、図28を参照して以下に説明する、補正された出力クロック信号は、バッファー1306A〜1306Dからデータを並列に出力するためにバッファー1306A〜1306D(図13)のすべてを駆動する。
【0083】
図26に点線で示すように、着信データのタイミングは線型(又は直線)走査速度であることを前提とする。すなわち、等間隔に連続して配置された列位置のために、データは一定間隔で到着する。しかし、共振型走査装置は、図26に実線で示すように、折れ曲がり状に変化する走査速度を有する。時刻tで始まる列の開始のために(注目すべきは、折れ曲がり状走査のための実際の走査開始は、図26を参照して前記したようにわずかに遅延傾向にある)、折れ曲がり状走査は最初は線型走査を遅らせる。したがって、位置Pのための像データが時刻t1Aで到着したとき、折れ曲がり状走査は画素を位置Pに配置する。
【0084】
画素を正確に配置するために、図28に示す装置は、以下に説明するように、時刻t1Bまで像データを遅延させる。図28に示すように、到着する像データVIMは像データ信号の水平同期成分に応じて計数回路2202によって列又はフレーム用のバッファー2200に時間記録がされる。計数回路2202は、従来様式の回路であり、データをバッファー2200に時間記録をするための等間隔で配置されたパルスを有する入力クロック信号を供給する。図13に示す多重光源装置において、4つのバッファー1306A〜1306D及び多重分離装置1304はフレームバッファーを置き換え、像データは、単一のフレームバッファー又はラインバッファーに計測されるのとは異なり、連続的に多重分離装置1304によって4つのバッファー1306A〜1306Dに計測される。
【0085】
帰還回路2204は、バッファー2200(又は図13に示すバッファー1306A〜1306D)からの出力のタイミングを制御する。帰還回路2204は、走査組立体82からの折れ曲がり状又は他の感知信号を受け、高速の計数装置2206で感知信号の周期を分ける。論理回路2208は計数装置の出力に応じて出力クロック信号を発生する。
【0086】
しかし、入力クロック信号と違って、出力クロック信号のパルスは等間隔には配置されていない。代わりに、パルスタイミングは、図26に示す線型信号のタイミングと折れ曲がり状信号とを比較することによって分析的に決められる。例えば、位置Pに配置された画素のために、論理回路2208は、線型走査速度のための場合のような時刻t1Aとは異なる時刻t1Bで出力パルスを供給する。
【0087】
論理回路2208は、メモリ2210におけるルークアップテーブルをアクセスすることによって、画素位置に対応する計数を確認する。ルークアップテーブルのデータは、走査装置周期を多くのカウントに分割し、適切な画素位置に対応するカウントを確認することによって規定される。図27は、35画素列のためのこの査定を図表的に示す。この例が、説明をわかりやすくするために単純化されていることは、この技術分野の当業者であれば容易に理解することができる。典型的な列は、数百又は数千の画素を含む。見てわかるように、この画素は、視野の端部近くに望ましくなく間隔配置がされ、視野の中心でさらに望ましくなく間隔配置がされている。したがって、像は、視野の端部近くで圧縮され、中心で拡大され、歪んだ像を形成する。
【0088】
上方の列によって示すように、画素位置は、時間において等間隔に配置された画素カウントのために非線型的に変わる。したがって、下方の列によって示す各画素の所望の位置は、非線型的に間隔配置されたカウントに実際に対応する。例えば、上方及び下方の列における第1の画素は、ゼロカウントで到着し、ゼロカウント位置に配置される。第2の画素は、100カウントで到着するが、540カウント位置に配置される。同様に、第3の画素は、カウント200で到着し、カウント720で出力される。図が実際の計算及びタイミングの単なる代表であることは、この技術分野の当業者であれば容易に理解することができる。例えば、ある出力カウントはそれに対応する入力カウントより高く、あるカウントは低い。もちろん、画素は、その対応するデータが到着する前に、実際に出力されることはない。この条件付けを処理するために、図28に示す装置は、同期メモリ装置と同様に、データの出力の潜在性(latency)を実際に課する。図27に示す実施例のために、単列潜在性(3400カウント潜在性)が十分である。このような潜在性によって、第1の出力画素はカウント3400で生じ、第2の出力画素は3940で生じる。
【0089】
図29は、画素を適切な位置に配置するための代替の方法について示す。この実施例は、出力データのクロック制御をするための計数装置とは異なるパターン発生装置からの補正されたクロックを発生する。同期信号除去装置2500は、到着像信号VIMからの水平同期信号を除去する。同期信号に応答して、位相固定ループ2502は、同期信号に固定された一連のクロックパルスを発生する。クロックパルスによって駆動されたA/Dコンバータ2504は、標本抽出された入力データを発生するために像信号のビデオ部分を標本抽出する。標本速度は、装置の要求された解像度に依存する。好ましい実施例において、標本速度はほぼ40MHzである。プログラム制御可能なゲートアレイ2506は、バッファー2508に記憶された一組の像データを発生するために、A/Dコンバータ2504からのデータを条件づける。各水平同期信号のために、バッファーが1行の像データを受けることは、この技術分野の当業者であれば容易に理解することができる。1480×1024画素表示装置のために、装置は、ビデオ信号の単一周期の間、1480組の像データを標本しかつ記憶する。
【0090】
各行のデータがバッファー2508に記憶されると、バッファーは、該データを、補正されたデータを有するガンマ補正メモリ2510を含むRAMDAC2509に出力するべく、時間記録がされる。ガンマ補正メモリ2510に入力されたデータとしてバッファーデータを用いる代わりに、バッファーデータは、ガンマ補正メモリ2510からの補正されたデータを検索するようにアドレス指定されたデータを発生するために用いられる。例えば、選択された像に対応する一組の像データのために、強度Iは、ガンマ補正メモリ2510の対応する位置に確認する。実際の像データを出力するよりはむしろ、ガンマ補正メモリ2510は、ユーザーの眼の位置で適切な光強度を発生する一組の補正データを出力する。補正されたデータは、種々の装置構成部分の透過率、光源の強度に対する電流応答、装置構成部分の回折及び開口効果、及び種々の他の装置の特性を含む全走査装置を特徴づけることによって、分析的かつ実験的に決められる。
【0091】
図30に示す、本発明に係る一実施例において、データは、さらに、光源についての温度対強度又は寿命対強度の変化のために補正されてもよい。参照データは、垂直位置及び水平位置がユーザの視界領域外にある間、光源を駆動させる。例えば、水平走査の端部で、参照データは、予め決められた光強度に設定される。検知装置2519は、光源2516のエネルギー出力及び温度補償回路2521を監視する。強度が予め決められた光強度より高いとき、ゲイン回路2523は、より少ない補正係数によってRAMDAC2506からの信号を調整する。強度が予め決められた光強度より高いとき、補正係数はより大きい。この実施例では、非調整ビームの部分を取り出すか又は走査周期の非表示部分の間ビームを抽出するが、本発明はこれに限定されない。例えば、調整ビームの部分を、走査周期又は連続的の表示部分の間に取り出してもよい。調整ビームの取り出し部分の強度は、監視変化への表示光の所望のレベルに対する表示光の相対的強度における変化を決定するために、入力ビデオ信号との調整及び比較がされる。
【0092】
強度を監視することに加えて、本発明に係る装置は、同じ補正データによる又は第2の補正係数を乗じることによるパターン依存加熱を補償することができる。例えば、表示パターンが高光強度の大領域を含むとき、光源温度は、高レベル作動の拡大期間によって増加する。像信号に対応するデータがバッファーに記憶されるので、データは、光源2516の実際の作動に先立って入手可能である。したがって、本発明に係る装置は、パターンによって生じた熱量を予測するために「先読み」をする。例えば、目標画素に先立つ50画素のために光源が高作動であるとき、本発明に係る装置は、おおよそのパターン依存加熱効果を予測する。補正係数は、予測されたパターン依存加熱に基づいて計算される。補正は、一般に、強度のためにあると説明したが、多くの実施例において、補正を、発光装置の種々の応答性又はパターン色の変化を補償するために赤、緑及び青の波長について独立して応用することもできる。各波長のための独立した補償により、発光装置の強度応答性への信号における異なる変化によって色不均衡を制限することを支援することができる。
【0093】
図29を参照するに、ガンマ補正メモリ2510から出力された補正されたデータは、ガンマ補正アナログ信号を発生するために、D/Aコンバータ2512を駆動する。走査装置駆動回路2514は、光源2516への入力信号を発生するように、補正されたアナログ信号を増幅及び処理する。これに応答して、光源2516は、ガンマ補正メモリ2510からの補正されたデータに従って変調された光を出力する。変調された光は、見るための走査及び変調された光を発生するために、走査装置2518に入射する。
【0094】
バッファー2508、補正メモリ2510及びD/Aコンバータ2512を駆動するクロック信号は、クロック発生装置2522と、パターンメモリ2524と、増加端部検知装置2526とを含む補正されたクロック回路2520から得られる。クロック発生装置2522は、走査装置2518からの感知信号に固定された位相固定ループ(以下「PLL」という。)を含む。PLLは、感知信号に固定された約80MHzの高周波クロック信号を発生する。高周波クロック信号は、パターンメモリ2524のアドレスからの連続的なデータを時間記録する。
【0095】
増加端部検知装置2526は、パターンメモリ2524から検索されたデータの各変化0から1の変化に応じてパルスを出力する。その後、パルスは、バッファー出力、ガンマ補正メモリ2510及びD/Aコンバータ2512を駆動するクロック信号CKOUTを形成する。
【0096】
端部検知装置2526から出力されたパルスのタイミングが、パターンメモリ2524に記憶されたデータに依存すると共に走査装置2518の走査周波数fSCANに依存することは、この技術分野の当業者であれば容易に理解することができる。図31は概念の単純化された例を示す。図31において、データ構造が単純化され、また、アドレス指定及び他の回路構成が説明をわかりやすくするために省略されていることも、この技術分野の当業者であれば容易に理解することができる。
【0097】
図31に示す例において、走査周波数fSCANが20kHzであると共にクロック発生装置2522が走査周波数fSCANの4000倍の周波数で1つのクロック信号を出力するとき、パターンメモリ2524は80MHzで時間記録がされる。アドレス指定されたメモリ位置2524Aにおける全ビットが0であるとき、16の変化の発生装置クロックのために生じる出力クロックの変化はない。位置2524Bのデータ構造のために、単一の変化の出力クロックが、16の変化の発生装置クロックのために生じる。
【0098】
したがって、パルスの数及び相対的タイミングは、パターンメモリ2524の記憶されたデータによって制御される。他方、発生装置クロックの周波数は走査周波数に依存する。走査周波数が変化したとき、パルスのタイミングも変化する。
【0099】
図29及び図30に示す手法は、折れ曲がり状速度変化補正に限定されない。クロックパターンメモリ2524は、光学的歪み、第二次高調波及び電子装置又は発光源の応答時間特異性のような他の多くの種類の非線型作用を処理するようにプログラムすることができる。
【0100】
さらに、図29に示す基礎的な構造は、図30に示すように、ビット計数装置2530、ルークアップテーブル2532及び垂直増加回路2534を加えることによって容易に変更することができる。計数装置2530は、2ビットの記憶データを検索するように入力クロックの各パルスに応じてルークアップテーブルにアドレス指定をする。検索されたデータは、垂直アドレスが増加、減少又はそのまま削除されたか否かを示す。アドレスが増加又は減少されたとき、増加回路は、公称メモリ位置に記憶すべきデータが公称位置より高い又は低い1つの列である交互の位置に実際に記憶されるように、バッファー2508におけるアドレスを増加又は減少させる。
【0101】
そのようなデータ構造の図的表現を、図32に単純化された例として示す。この例において、第1の行(行列0)のデータのための第1の3つの組のデータビットは第1のメモリ列に記憶され、第1の行のための次の3つの組のデータビットは第2のメモリ列に記憶され、第1の行のための最後の3つの組のデータビットは第3のメモリ列に記憶される。この例が、説明をわかりやすくするために非常に単純化されていることは、この技術分野の当業者であれば容易に理解することができる。実際の実行においては、さらに多くの組のデータを含む。
【0102】
結果として、1つの列のためのある部分のデータは新しい列に移動される。したがって、バッファー2508に生じたデータマップは図32からわかるように歪んでいる。しかし、データマップの歪みは、走査及び光学的歪みによって生じた像の垂直歪みを相殺するように選択される。結果として、全装置歪みが低減される。図30に示す実施例においては、バッファー2508に記憶されたデータの位置を調整することによって垂直歪みの補正がされるものとしているが、この補正を実行するようにしてもよい。例えば、記憶位置の住所(アドレス)を調整するのではなく、データをバッファー2508からRAMDAC2509に取り戻す(retrieve)ために用いるアドレスを変更することができる。
【0103】
前記したように、多くの応用において、1以上の走査装置の走査周波数を制御することが望ましい。非共振又は低Qの装置において、駆動信号の周波数を単に変えることにより、走査周波数を変えることができる。しかし、高Q共振の装置では、駆動信号が走査装置の共振周波数と異なるとき、走査装置の振幅応答特性は劇的に降下する。駆動信号の振幅を変化させることにより幾分の補償をすることができるが、駆動信号の大きさは、多くの場合において、容認できない大きさになる。したがって、単に駆動信号の周波数及び/又は振幅を制御することによって走査周波数fSCANを制御することを試みることは、多くの応用において、望ましい。
【0104】
周波数fSCANを制御する1つの方法について、MEM走査装置3300に関し、図33及び図34に示す。走査装置3300は、ミラー本体3304の角部に配置された4つの調整タブ3302A〜3302Dを含む。調整タブ3302A〜3302Dは、ミラー本体3304に一体的な可撓性の突出部である。固定の剛性を有する突出部3305は、各調整タブとの間に小さな間隙を有して、調整タブ3302A〜3302Dに隣接するミラー本体3304から突出する。
【0105】
調整タブ3302A〜3302Dのそれぞれは、各調整タブ3302A〜3302Dに隣接する電気的基準面を形成すべく、導体3310によって外部電極3312に結合された接地電極3306を支持している。剛性を有する突出部3306A〜Dは、各調整タブ3302A〜3302Dと各タブに対応する剛性の突出部3306A〜3306Dとの間の電圧差の制御を可能にする各外部電極3316A〜3316Dによって制御される各熱電極3308を支持している。
【0106】
各可撓性のタブ3302A〜3302Dは、図34に示すように、各タブがタブ3302A〜3302Dと、隣接の剛性の突出部3306との間の印加電圧差に応じて撓む又は曲がるような寸法に形成されている。撓み又は曲がりの量は、印加電圧に依存し、調整タブの撓み又は曲がりの電気的制御が可能になる。
【0107】
走査装置3300の共振周波数は、ミラー3304の慣性モーメントと、ミラー3304を支持するねじり腕部3317の寸法及び機械的特性と、ミラー3304の回転軸線に対して相対的なミラー3304(ミラー3304のタブ3302A〜3302D及び剛性の突出部3306を含む。)の慣性モーメントとの関数であることは、当業者であれば容易に理解することができる。可撓性タブを撓ませれば、慣性モーメントが減少する。慣性モーメントが減少するので、走査周波数はわずかに増加する。したがって、固定の突出部3306に係る電圧を増加させれば、走査装置300の共振周波数が増加する。
【0108】
走査装置に共振を制御するために電気的に制御される素子を用いることは、水平走査周波数を制御することのために限定されない。例えば、図35に示す実施例において、ミラー本体35は、該本体から伸びる組指形状の櫛形駆動装置3502を有する。櫛形駆動装置により駆動されたアクチュエータは、既知の構造であり、例えば、タング(Tang)ら著の「変換器’89年、固体センサ及びアクチュエータに関する第5回国際会議議事録及びユーロセンサIII(Transducers ’89, Proceedings of the 5th International Conference on Solid State Sensors and Actuators and Eurosensors III)」、第2巻第328〜331頁、1990年7月発行、の論文に示されており、この文献を参考文献として本願に組み入れる。
【0109】
櫛形駆動装置3502を制御すべく電圧Vtune1、Vtune2を調整することを可能にするために、各導体3504は、各櫛形駆動装置3502から伸びている。既知のように、印加電圧は、櫛形駆動装置3502に水平方向の力F1、F2を生じさせる。櫛形駆動装置3502の端部の可撓性の腕部3506は、力F1、F2に応じて撓み又は曲がり、これによって、ミラー本体の各半分の質量中心3508に対して相対的に可撓性の腕部3506の質量を変位させる。位置変化は、ミラー本体3500の回転軸と平行であるので、水平共振周波数は、著しくは変化しない。しかし、電圧が、可撓性の腕部が種々の位置への変更をされるように設定されているとき、ミラー本体3500がわずかに不均衡になる可能性がある。ミラー本体3500は、図20に示すリサージュパターンに近づき始める。調整電圧Vtune1、Vtune2を調整すれば、該調整に対応する調整が走査パターンに生じる。可撓性の部分3506の質量及び電圧Vtune1、Vtune2が適切に選択されたとき、不均衡のミラー本体からの振動の共振周波数は水平走査周波数の積分積であり、リサージュパターンは安定する。走査パターンを監視し、調整電圧Vtune1、Vtune2を調整することによって、リサージュパターンは安定性を維持される。したがって、電子的に制御された構造は、ピンチ補正を支援する。
【0110】
図36に、走査装置3600の共振周波数を制御するための他の例を示す。この実施例において、走査装置3600は、透明の蓋3606を有する密封パッケージ3604に収容されており、密閉パッケージ3604の試料台3602上に配置されている。パッケージ3604は、低圧の、ヘリウム又はアルゴンを含む混合気体のようなガスを含む。走査装置3600の共振周波数は、部分的に、パッケージ3602内の圧力及びガスの特性に依存して振動する。このような点について、バルテス(Baltes)ら著の「リリパットの電子的ノイズ、アイトリプルイー・スペクトル(THE ELECTRONIC NOSE IN LILLIPUT, IEEE Spectrum)」、第35〜39頁、1998年9月発行、の論文に示されており、この文献を参考文献として本願に組み入れる。従来の密封パッケージと異なり、パッケージ3602は、試料台3602の下方に位置する一組のガス抜きノジュール3610を含む。
【0111】
ノジュール3610は、ポリマー又は重合体におけるイソプロパノールのようなガス抜き可能の材料又は物質からなり、抵抗性を有するヒータ3611の上部に形成されている。電流を流すことにより、ヒータ3611の抵抗加熱が生じ、次いで、ノジュール3610のガス抜きが生じる。電子的周波数制御装置3614は、各ノジュール3610の両側に配置された一組の電極3612に制御電流を流すことによって、ガス抜き量を制御する。走査装置3600の共振周波数は、ガス濃度の増加により、減少する。周波数のより大きな変化のために、吸収性のポリマー部分3618は、共振周波数への吸収効果を「増大」すべく走査装置のねじり腕部3620を覆っている。
【0112】
前記した可変又は「動的」の調整方法は、一般に、小さな周波数変化を所持させるために望ましい。そのような周波数調整は、環境効果、エージング又は内部熱増大に起因する共振周波数ずれを補償する。動的調整方法の困難性を減じるか又は動的調整のすべてを除去するために、走査装置の非補償の共振周波数と望ましい走査周波数との間の差を最小にするために、走査装置の共振周波数を「調整」することは、多くの応用において望ましい。そのような周波数差は、プロセス変動、材料特性変動又はいくつかの他の影響によって生じる。
【0113】
図37に、走査装置の非補償の共振周波数を調整するための手法の一例を示す。図示の例において、走査装置3700は、一体的な調整タブ3702A及び3702B、3704A及び3704B、3706A及び3706B、3708A及び3708B、3710及び3712を有する。初めは、走査装置のミラー本体3714及びねじり腕部3716は、望ましい共振周波数よりわずかに小さい共振周波数(取り付けられた調整タブ3702A及び3702B、3704A及び3704B、3706A及び3706B、3708A及び3708B、3710及び3712のすべてによる。)を生じるような寸法に形成されている。走査装置3700を組み立てたとき、共振周波数を、種々の方法で測定することができる。例えば、前記したいずれかの技術により、走査装置3700を駆動することができ、また、ミラー応答性を光学的に監視することができる。選択的に、周波数に対するインピーダンスを測定することにより、共振周波数を相対的に速く生じさせることもできる。
【0114】
予め決められた共振周波数は、望ましい周波数補償を確定するために、望ましい共振周波数と比較される。確定された周波数補償に基づいて、調整タブ3702A及び3702B、3704A及び3704B、3706A及び3706B、3708A及び3708B、3710及び3712のいくつかを、例えば、ミラー本体3714の質量を減じるべくレーザトリミング又は機械的力によって除去する。既知のように、(他の変化がない状況で)ミラー本体3714の質量を減じれば、共振周波数が増加する。確定された周波数補償のために除去されるべきタブの数及び位置は、模擬又は経験上のデータから決定することができる。好ましくは、除去された調整タブは、ミラー本体の各半分の質量中心に対して対称的に、かつミラー本体3714の回転軸線に関して対称的に配置される。対称的な配置を容易に実現するために、調整タブ3702A及び3702B、3704A及び3704B、3706A及び3706B、3708A及び3708B、3710及び3712は、ミラー本体3714のまわりに対称的位置に配置される。例えば、調整タブ3702A及び3702B、3704A及び3704Bは、一般に、グループで除去される四組のタブを形成する。同様に、調整タブ3710及び3712は、一般に、対で除去される一組のタブを形成する。
【0115】
図37に示す例では、図示をわかりやすくために、調整タブ3702A及び3702B、3704A及び3704B、3706A及び3706B、3708A及び3708B、3710及び3712を互いに同じ大きさを有するものとしているが、同じ大きさを有することが常に必要であることもなく、また、常に望ましいことでもない。いくつかの応用において、そのようなタブは、調整においてより大きな可撓性を可能にするような大きさに変更されてもよい。
【0116】
図38に、MEM走査装置の他の実施例を示す。1対の補助腕部3850及び一対のねじり腕部3852は、ミラー本体3854を基板3856に連結している。この実施例においては、ミラー本体3854は、ねじり腕部3852によって規定された回転軸3858の周りを枢動する。ミラー本体3852が枢動したとき、補助腕部3850は、ねじり腕部3852によって供給されたトルクを補足するために付加的な抑制力を供給するために曲がる。補助腕部3850及びねじり腕部3852は、望ましい共振周波数及び回転のための角度を生じさせるような寸法に形成されている。抑制力は、ねじり腕部3852の剛性をより小さくし、これにより、ねじり腕部3852の破壊限界に達する前に、最大回転角度が増加する。さらに、補助腕部3852は、横運動又は平面外運動を低減するために、横及び水平支持を提供するように設計されている。適切なことに、補助腕部3850の選択された寸法は、望ましくない振動又は共振モードを低減することに有用である。
【0117】
補助腕部は、図38に示す例においては、相対的に長くかつ薄いものとして示している(ねじり腕部3852の幅のほぼ四分の一の幅を有する。)。なぜなら、この特定の設計においては、補助腕部3850は、回転軸3858に沿った力の望ましくない量を生じさせることなく、ねじり腕部3850のトルクを抑制するために小さいトルクのみ供給するからである。そのような関係は、必ずしも必要ではない。実際、相対的な寸法及び力は、広範囲にわたって本発明の範囲内にあり、特定の装置設計に依存する。いくつかの応用において、補助腕部3850の幅は、ねじり腕部3822の幅より非常に大きなものとすることができる。そのような応用において、補助腕部3850は、典型的に、ねじり腕部3852の厚さより非常に小さい厚さを有する。厚さについてのそのような差は、種々の後部エッチ(backside etch)の時間又はその方法によって、又は当業者に知られた他の製造技術によって実現される。
【0118】
さらに、図38に示す例においては、圧電型センサ3862がねじり腕部3852上にあるが、他の圧電型センサ3864を補助腕部3850に配置してもよい。そのような実施例において、補助腕部は、容易な加工及び電気接続を可能にするようにより幅広であってもよい。
【0119】
センサ3864を補助腕部3850に配置すれば、圧電型センサ3862がねじり腕部3852から除去されることが可能になる。これにより、ねじり腕部3852の破壊限界に達する前に最大回転角度が増加する。なぜなら、圧電型センサ3862は、ねじり腕部3852上に破壊位置又は「弱点(weak spot)」を形成するからである。ねじり腕部3852の同質性の増加により、寿命又は最大角度が改善される。さらに、圧電型センサ3864を補助腕部3850に配置すれば、ねじり腕部3852により支持される導体の数を低減することにより設計の複雑さが減じられる。これにより、装置の性能及び信頼性が改善される。特に、ねじり腕部3852が磁気的駆動のための導体を支持するとき(図11に示すような二軸走査装置の外ジンバルリングの場合であるとき)、装置の性能及び信頼性が改善される。
【0120】
また、補助腕部3850がミラー本体3854を基板3856に結合させるものとしたが、補助腕部3850は、選択的に、ミラー本体3854を二軸走査装置の外ジンバルリングに連結するか又は外ジンバルリングを二軸走査装置の基板に連結するようにしてもよい。さらに、図示をわかりやすくするために1対の補助腕部3850のみを示したが、単一の補助腕部又は2対以上の補助腕部3850を、多くの応用に用いてもよい。一方法においては、力が均等に分配されるように、4つの補助腕部3850をミラー本体3854の中心の周りに対称的に配置し、これにより、軸からずれた運動の低減が、補助腕部の力の不均衡によって生じる。さらに、図38に示す例においては、単一の直線状の補助腕部3850を示しているが、他の腕部の形状はいくつかの装置構造に望ましい。例えば曲がった補助腕部3850は、回転軸3858から径方向に直接結合される場合又は付加の長さが補助腕部3850に望ましい。他の種々の幾何学的形状は、本発明の範囲内にあるとき実現される。
【0121】
図12に関して説明したように、タイル張りのように2次元に配置すれば、走査装置についての要求が少なく、大寸法かつ高解像度の表示装置を得ることができる。図39に、4つの分離源3800、3802、3804、3806が共通の走査装置3808に光を供給するときに生じる一つの困難を示す。図において左下の走査装置3800のために示した線からわかるように、右上の走査装置3804は、左下の走査装置3800の予期される走査領域3810内に配置されている。さらに調整をすることなく、右上の走査装置3804は、左下の走査装置3800から像の部分を吸収するように予期され、対応するタイルの非照明領域を生じさせる。
【0122】
図40は、源及びビームの重なりの効果を低減する一手法を示す。この実施例において、光は、分離ファイバ3900、3902、3904、3906を通り、各GRINレンズ3908、3910、3912、3914によって各調整ミラー3916、3918、3920、3922に集光及び合焦される。図41に示す2つのミラー3916、3922からわかるように、調整ミラー3916、3922は、各GRINレンズ3908、3914からの光の進行方向を、一部の光を反射する曲面ミラー3924に向く方向に変える、非常に小さいミラーである。ミラー3924は、前述したように、中央に配置された、周期的に走査する走査装置3926の方へ、入射光の向きを変える。走査された光は、一部の光を反射するミラー3924を通って、像を見ることができる像領域3928へ進む。
【0123】
図41からわかるように、GRINレンズ3908、3914は、各ファイバ3900、3906からの発散光(diverging light)を集束し、各調整ミラー3916、3922面上において集束光のビーム径が実質的に最小の直径になるように該ビーム径を小さくする。ビーム3930は、曲面ミラー3924へ進むとき、その径が拡大する。曲面ミラー3924は、拡大ビーム3930を、走査装置3926のミラー幅Wよりわずかに小さい直径を有し、実質的にコリメートされた又はわずかに集束されたビーム3932に変換する。
【0124】
図41からわかるように、調整ミラー3916、3918、3920、3922は、該ミラーの走査の一部の間、他の調整ミラーからの光を遮断する。しかし、調整ミラーはビームの小さい部分のみを遮断し、ビームは像領域3924に集束することから、その影響は、対応する画素についてのわずかの白やけである。これは補償されず、望ましい画素強度からのわずかの変化を生じさせる。しかし、図29に関して説明したプログラム制御可能なゲートアレイ2506は、調整ミラー3916、3918、3920、3922の白やけの影響を相殺するための強度を予め付加する。
【0125】
図40及び図41に示す表示装置の効率をさらに改善するためには、偏光特性を用いることができる。いくつかの応用において、ファイバ3900、3902、3904、3906(又はレーザダイオードのような他の光源)は、偏光を発する。スリーエム(3M)社製のデュアル・ブライトネス・エンハンスメント・フィルム(Dual Brightness Enhancement Film)のような偏光依存型の反射物3934がミラーの内面に被覆され、該反射物は、偏光された入射ビーム3930を反射する。反射ビーム3932が走査装置3926に進んだとき、ビーム3932は、45度だけ偏光を回転させる四分の一波長板を通る。ビーム3932は、走査装置3926で反射され、再び四分の一波長板を通り、これにより、偏光は、90度の回転をしたことになり、原ビーム3930と直角をなす。直角に偏光されたビームは、偏光依存型の反射物3934を効率よく通り、像領域3928へ進む。
【0126】
図42に、補正走査装置を有することなくラスターピンチを低減することができるタイル手法の利用の仕方を示す。この実施例において、入力ファイバ4102からの変調光は、光スイッチ4108によって規定された、いずれかの一組の伝送ファイバ4104、4106に入射する。光は、伝送ファイバ4104、4106を経て、第1のファイバ4104からの光を像領域4114の第1の領域4112に走査し、第2のファイバ4106からの光を像領域4114の第2の領域4116に走査する共通の走査装置4110に入射する。ファイバ4104、4106は、第1及び第2の領域4112、4116がわずかに重なり領域4118で重なるように向けられている。
【0127】
走査装置4110の前方掃引の間、電子制御装置4120は、光が第2のファイバ4106を通るように、スイッチ4108を作動させる。走査装置4110は、第2の領域4116の第1の走査線4112に沿って光の進行方向を変える。前方掃引の最後に、制御装置4120は、光が第1のファイバ4104を通り、第1の領域4112の第1の走査線4112に沿って走査されるように、スイッチ4108を作動させる。走査装置4110の連続する各掃引のために、制御装置4120は、領域4112、4116のそれぞれの複数組の線が生じるようにスイッチを作動させる。図42に示すように、垂直走査は前方掃引の間継続し、線はわずかに傾斜している。このような傾斜を人が観察することが一般的に可能でない間、所望ならば、注文による光学装置に、走査傾斜を相殺する「カウンター」傾斜を生じさせるようにしてもよい。選択的に、像データは、補償のために、図29に関して説明したプログラム制御可能なゲートアレイ2506によって前もって補償されていてもよい。
【0128】
この構造は、2つの水平タイル又は単一の発光装置に限定されない。例えば、図43に示すように、2つの光ファイバからの光は、2×2の傾斜像を生じるように、4つのファイバに切り替えるようにしてもよい。
【0129】
この方法において、入力ファイバ4200は、一組の光スイッチ4210、4212、4214によって、4つのファイバ4202、4204、4206、4208に結合されている。各ファイバは、光が走査組立体4216に各角度から入射するようにされている。スイッチ制御装置4220は、掃引の方向に従って、また、熟視追跡装置(図示せず)によって与えられる使用者の熟視の追跡位置に従って、スイッチ4210、4212、4214を作動させる。熟視追跡装置は、熟視方向を決定するためのいかなる既知の装置であってもよい。
【0130】
例えば、使用者が像の上半分を見たとき、左上タイル4222の像を生じるために傾斜された第1のファイバ4206は、前方掃引の間、走査組立体4216に光を送る。右上タイル4224の像を生じるために傾斜された第2のファイバ4208は、逆掃引の間、走査組立体4216に光を送る。使用者が像の下半分を見たとき、左下タイル4226の像を生じるために傾斜された第3のファイバ4204は、前方掃引の間、走査組立体4216に光を送る。右下タイル4228の像を生じるために傾斜された第4のファイバ4202は、逆掃引の間、走査組立体4216に光を送る。各ファイバ4200、4206、4208、4204を単一のファイバとして示したが、いくつかの応用においては、各ファイバ4200、4206、4208、4204は、実際に、複数のファイバ4200、4206、4208、4204を含んでいてもよい。そのような応用において、各ファイバ4200、4206、4208、4204は、複数の入力ファイバ4200及び対応する複数のスイッチセットによって、光の入力がされる。そのような実施例は、好都合に、複数の線が同時に書かれることを可能にする。同時に複数の線を書くことは、前記した単一の線を書く方法と比べて、水平走査の周波数を減少させ、これによって、走査の困難性を低減する。また、複数の発光装置のから同時に光を供給することは、与えられた表示輝度のために必要な、各源からの光エネルギー量を減少させ、また、ビームの変調周波数を減少させる。これは光源の性能要件を低減し、これにより、表示装置全体に係る費用及び複雑さが減少する。
【0131】
図42及び図43に示す実施例においては、ファイバ及び光スイッチをもちいるものとして説明したが、いくつかの応用においては、ファイバに代えて、レーザダイオード、LED、マイクロレーザ又はガスレーザのような離散光源を用いてもよい。そのような応用において、電気スイッチ(例えば、トランジスタ)は、ミラーの前方及び逆の掃引の間の光の供給を制御するために、各源への駆動電流を選択的に制御するか又は各源に整列された外部変調器を制御する。
【0132】
本発明を典型的な実施例によって説明したが、構造や方法における変更又は変形を本発明の精神及び範囲を逸脱しない範囲においてすることができる。例えば、種々の装置構成部分の配置は、変更することもできる。配置の一例において、補正走査装置は、他の走査装置の前又は後の光路に配置することができる。また、射出瞳拡大装置は、多くの応用において、追加又は省略されてもよい。そのような実施例において、従来の眼追跡は、眼への走査ビームの結合を容易にするために、追加されてもよい。さらに、走査装置は、走査網膜表示装置に加え、投写型表示装置、光学的記憶装置(光メモリー)、及び他の種々の走査光ビーム装置のために用いることができる。さらに、プログラム制御可能の表示装置のような他の種々のタイミング制御機構は、図24から図31を参照して説明した方法に代えて、走査装置の種々の速度を補償するために用いてもよい。さらに、いくつかの応用において、1以上のビームが供給される走査装置を複数用いることは、配置を容易にするため又は他の理由のために望ましい。そのような構造において、各走査装置及びその対応する光源は、一組のタイルを生じる。像全体は、隣接配置又は重畳によって各走査装置からのタイルセットを結合することによって形成される。重畳は、一般に、各走査装置がそれぞれの波長のために用いられるときにのみ好ましいとしたが、いくつかの応用において、重畳を、像結合についての組合せ又は他の方法のために用いてもよい。
【0133】
タイミング及び歪みの補正についての他の代替的方法において、メモリマップは、一定速度で、歪みなくアドレス指定をされる。走査装置の非直線性又は非線形性を補償するために、各位置のためのデータは、回収された像データから引き出され、一定の増加量で出力される。例えば、図27を参照するに、データは、時間1500で出力される(この時刻が画素時刻に直接対していないときでさえも出力される。)。補償のために、バッファー2508は、この線のために第10及び第11の位置にアドレス指定をされる。次いで、出力データは、第10及び第11の位置からのデータの加重平均である。したがって、バッファー2508は一定速度で時間計測をされ、画素は一定速度で出力される。さらに、アドレス指定回路を慎重に制御して加重平均を実行すれば、出力データは、正弦波状に補正される。また、発光装置及び光源として、ファイバ付き又はファイバ無しのレーザダイオード又はLEDを用いるものとして説明したが、マイクロレーザ、ガスレーザ又は他の発光装置のような他の種々の発光装置は、いくつかの応用において望ましい。さらに、典型的な走査組立体としてねじり型取付のミラーとしたが、回転ポリゴン体、櫛形駆動ミラー、音響光学走査装置及び他の走査構造のような他の走査組立体は本発明の範囲内にある。また、ビームを単一の走査装置に集束するものとして示したが、いくつかの応用において、各ビーム光のために分離走査装置を用いること又は複数のビームを反射する複数の走査装置を用いることは望ましい。したがって、本発明は、従属項に従う場合を除いて限定されない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 人の眼に整列された表示装置を示す図。
【図2】 (A)は、像源からの光と背景からの光との結合から得れらた、使用者によって認識される結合像を示す図。(B)は、図1に示す表示装置において背景光がさえぎられたときの、使用者によって認識される図。
【図3】 二方向走査のビームを人の眼に結合させたときの、走査装置及び人の眼を示す図。
【図4】 (A)及び(B)は、図3に示す走査組立体の走査装置の走査パターンを示す信号タイミング図。
【図5】 望ましい走査経路と比べたときの、図4(A)及び図4(B)の信号に応じた走査ビームによる経路を示す信号位置図。
【図6】 2つの光ビームを含む、本発明の一実施例に係る表示装置を示す図。
【図7】 鎖(tether)を含む頭部装着型の走査装置を示す等大の図。
【図8】 補正ミラーを含む、図6に示す走査表示装置内の走査組立体を示す図。
【図9】 図8に示す走査組立体に用いるために適した水平走査装置及び垂直走査装置を示す等大の図。
【図10】 わずかに重なったタイルが示された、2つの入力ビームを有する走査装置を示す図。
【図11】 空間的に分離された位置でされる4つの光供給が示された二軸走査装置の平面図。
【図12】 図11に示す4つの光供給の走査装置によって生じた4つのタイルを示す図。
【図13】 4つの分離バッファー装置を含む、図11に示す4つの分離供給を駆動するためのシステムを示す図。
【図14】 垂直走査装置を駆動するためにランプ信号と望ましい信号とを比較する信号タイミング図。
【図15】 垂直走査位置のための配置エラー及び補正を示す信号タイミング図
【図16】 圧電型補正走査装置の断面図。
【図17】 (A)は、小型電気機械式(MEM)補正走査装置の平面図。(B)は、容量性のプレートと該プレートの走査ミラーに対する位置合わせとが示された、(A)の小型電気機械式(MEM)補正走査装置の断面図。
【図18】 全走査の90%にわたり正弦波状に駆動される走査装置を用いた、補正された走査位置を示す図。
【図19】 エラーが低減された走査装置の他の実施例を示し、垂直コンポーネントに水平ミラーを付加することによって走査補正を実行したことを示す図。
【図20】 図19に示す走査装置によって偏りを生じさせられたビームの走査経路を示す位置図。
【図21】 二軸型小型電気機械式(MEM)走査装置及び小型電気機械式(MEM)補正走査装置を含む走査システムを示す図。
【図22】 入力ファイバの位置又は角度を変化させることによって入力ビームを変化させる補正走査装置を示す図。
【図23】 電気信号に応じて入力ビームを変化させる電気光学式水晶を含む補正走査装置を示す図。
【図24】 目標物からの外部光を得る像装置を示す図。
【図25】 視認可能の像を投影する、図2に示す像装置の他の実施例を示す図。
【図26】 正弦波状の走査位置と直線の走査位置との偏差を時間に対してグラフ化した信号タイミング図。
【図27】 正弦波状走査のための位置を走査するために直線カウント組のマップがいかに作られるかを示すグラフ。
【図28】 共振ミラーの非直線走査速度を補償する間、メモリマトリックスにデータを記憶するためにデータを処理するシステムを示すブロック図。
【図29】 共振ミラーの非直線走査速度を補償する間、メモリマトリックスからデータを引き出すために出力クロックを発生する第1のシステムを示すブロック図。
【図30】 予備歪みを含む、図29に示す装置の他の実施例を示すブロック図。
【図31】 図29に示すブロック図のクロック発生部分の詳細なブロック図。
【図32】 垂直光学歪みを補償するために予備補償されたデータを示すデータ構造を示す図。
【図33】 各ミラーの半分の質量中心を電子的に制御するための構造を含む小型電気機械式(MEM)走査装置の平面図。
【図34】 印加電圧に応じて突出部の曲げを示す、図32に示す小型電気機械式(MEM)の走査装置を示す図。
【図35】 各ミラーの半分の質量中心を横方向に変化させるための構造を含む小型電気機械式(MEM)走査装置の平面図。
【図36】 電気的に制御されたガス抜きノジュールを含む、囲まれた走査装置を示す断面図。
【図37】 周波数調整のための選択的に除去可能のタブを含む小型電気機械式(MEM)ミラーの平面図。
【図38】 ねじり腕部と外部の補助部材とを含む小型電気機械式(MEM)走査装置の平面図。
【図39】 走査領域と光源との重なりを示す四光源表示装置を示す図。
【図40】 小さい調整ミラーとオフセット光源とを有する四光源表示装置を示す図。
【図41】 小さい調整ミラーと共通の曲面ミラーとによるビーム経路を示す、図40に示す表示装置を示す図。
【図42】 分離タイルに光を供給するための切替式光ファイバを含む単一の発光装置を示す図。
【図43】 4つの分離タイルを生じさせるために検出された熟視方向に応じて、一組の光学スイッチによって走査装置に光を供給するための4つの分離ファイバを含む表示装置を示す図。
【符号の説明】
70 表示装置
72 眼
76 像源
78 光源
80 ビーム
82 走査組立体
3300 走査装置
3302A〜3302D 調整タブ
3304 ミラー本体
3306 突出部
3310 導体
3317 腕部

Claims (4)

  1. 基板と、
    前記基板に支持された振動体であって、第1の方向に離間した一対の第1の端部及び前記第1の方向と交差する第2の方向に離間した一対の第2の端部を有し、また前記第1の端部の各々に連結された主腕部による運動経路に沿った周期的運動のために前記基板に結合された振動体と、
    前記振動体に結合されたアクチュエータであって、前記運動経路に沿って前記振動体を駆動させるアクチュエータと、
    前記振動体の一方の前記第1の端部から前記第1の方向に延びる第1の突出部と、
    前記振動体の他方の前記第1の端部から前記第1の方向に延びる第2の突出部と、
    前記一方の第1の端部から前記第1の方向に延びる第3の突出部であって、前記振動体の周期的運動を規定する第1の枢軸線に関し前記第1の突出部と対称に配置された第3の突出部と、
    前記他方の第1の端部から前記第1の方向に延びる第4の突出部であって、前記第1の枢軸線に関し前記第2の突出部と対称に配置された第4の突出部と、
    前記第2の方向において前記第1の突出部に隣接する第1の調整タブであって、前記振動体から前記第1の方向に延びて、前記第1の突出部側に変位可能の可撓性の第1の調整タブと、
    前記第2の方向において前記第2の突出部に隣接する第2の調整タブであって、他方の前記第1の端部から前記第1の方向に延びて、前記第2の突出部側に変位可能の可撓性の第2の調整タブと、
    前記第2の方向において前記第3の突出部に隣接する第3の調整タブであって、
    前記一方の第1の端部から前記第1の方向に延びて、前記第3の突出部側に変位可能の可撓性の第3の調整タブと、
    前記第2の方向において前記第4の突出部に隣接する第4の調整タブであって、
    前記他方の第1の端部から前記第1の方向に延びて、前記第4の突出部側に変位可能の可撓性の第4の調整タブとを含み、
    前記第1ないし第4の突出部及び前記第1ないし第4の調整タブのそれぞれは電極を有する、走査光装置。
  2. さらに、前記振動体に支持された反射層を含む、請求項1に記載の装置。
  3. 各主腕部は、前記振動体の周期的運動を規定する第1の枢軸の周りにねじれるように曲がるねじれ腕部である、請求項1に記載の装置。
  4. 前記ねじれ腕部と前記第1ないし第4の突出部及び第1ないし第4の調整タブとは、走査ビーム表示装置のために適した共振周波数を規定している、請求項3に記載の装置。
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