JP4532860B2 - 三次元構造データベースから特定のリガンドが結合した生体高分子を検索する検索方法、検索装置、検索プログラム及び記録媒体 - Google Patents

三次元構造データベースから特定のリガンドが結合した生体高分子を検索する検索方法、検索装置、検索プログラム及び記録媒体 Download PDF

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Description

本発明は、三次元構造データベースから特定のリガンドが結合した生体高分子を検索する検索方法、検索装置、検索プログラム及び記録媒体に関する。
従来、特定のリガンドと結合している生体高分子を三次元構造データベースから検索し、その三次元構造情報を抽出する方法として、リガンドの名称をキーワードとして三次元構造データベースのアノーテーション(注釈)部分を検索する方法が知られている。これは、アノーテーション部分に、その生体高分子と結合しているリガンドの名称が記載されていることを利用した方法である。
また、別の方法として、リガンドの三次元構造情報に基づき、構造の類似性を利用した類似性検索を行う方法が知られている(例えば、非特許文献1など)。
菅原秀明(編)、「あなたにも役立つバイオインフォマティクス」、共立出版、2002年10月、第6章、楠木正己(著)、「立体構造を手に入れる、PDBの利用方法」p.44−52
しかしながら、リガンドの名称をキーワードとした検索方法では、アノーテーションの記述が不完全な三次元構造データベースに対しては、検索結果に漏れが生じるという問題点があった。アノーテーションの記述が不完全な三次元構造データベースとしては、例えば、プロテイン・データ・バンク(Protein Data Bank:PDB)などが挙げられる。PDBのアノーテーション部分には、タンパク質と結合しているリガンドの名称が必ずしも記載されていない。
また、リガンドの三次元構造情報に基づいた類似性検索を行う方法は、リガンド分子に自由度がない場合、すなわち、原子同士の位置関係が固定された構成部分(以下、「リジッドな部分」という)のみを有するリガンドの場合には、適切に検索することが可能である。しかしながら、多くのリガンドは、リジッドな部分と原子同士の位置関係が変化しうる構成部分(以下、「フレキシブルな部分」という)とを有しており、リガンド分子全体としては自由度がある。そして、生体高分子と結合する際のリガンドの立体構造は、結晶中、溶液中でのリガンドの立体構造やリガンドの最安定構造と一致するとは限らない。また、同一のリガンドであっても結合する生体高分子によって、異なる立体構造で結合する場合もある。従って、リガンド分子全体の三次元構造情報に基づいて類似性検索を行うと、ヒット(検索条件に適合した対象が見つかる)する生体高分子がひとつも見つからない場合が生じるという問題点があった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、アノーテーションの記述が不完全な三次元構造データベースであっても、リジッドな部分及びフレキシブルな部分を有するリガンドと結合した生体高分子を検索することができる検索方法、検索装置、検索プログラム及び記録媒体を提供することを目的とする。
本発明に係る生体高分子の検索方法は、リガンドと結合した生体高分子を三次元構造データベースから検索する方法であって、当該リガンドを原子同士の位置関係が固定された構成部分と原子同士の位置関係が変化しうる構成部分とに分けるステップと、前記ステップによって分けられた当該リガンドの原子同士の位置関係が固定されている構成部分ごとに当該三次元構造データベースで類似性検索を行って論理積をとるステップと、を有することを特徴とする。
本発明に係る生体高分子の検索装置は、リガンドと結合した生体高分子を三次元構造データベースから検索する装置であって、当該リガンドの原子同士の位置関係が固定された構成部分を指示する指示手段と、前記指示手段によって指示された当該リガンドの原子同士の位置関係が固定された構成部分ごとに当該三次元構造データベースで類似性検索を行って論理積をとる検索手段と、前記検索手段によって選び出された生体高分子を出力する出力手段と、を備えることを特徴とする。
本発明に係る生体高分子の検索方法又は検索装置によれば、リガンドをリジッドな部分とフレキシブルな部分とに分け、リジッドな部分ごとに三次元構造データベースで類似性検索を行うことにより、リジッドな部分の三次元構造情報が含まれている生体高分子をヒットさせることができる。そして、リジッドな部分ごとの類似性検索の結果(ヒットした生体高分子の集合)の論理積をとることにより、当該リガンドと結合した生体高分子を三次元構造データベースから選び出すことができる。
また、本発明に係る生体高分子の検索装置は、指示手段が、当該リガンドの原子同士の位置関係が固定された構成部分の三次元構造情報を入力する部分入力手段であることが好ましい。さらに、本発明に係る生体高分子の検索装置は、指示手段が、当該リガンドの三次元構造情報を入力する全体入力手段と、入力された当該リガンドの三次元構造情報に基づいて原子同士の位置関係が固定された構成部分を選択する選択手段と、からなることが好ましい。後者の場合、リガンド全体の三次元構造情報の入力にのみ基づいて、リガンドのリジッドな部分を選択させることができるため、簡便に生体高分子の検索を行うことが可能である。
本発明に係る生体高分子の検索プログラムは、リガンドと結合した生体高分子を三次元構造データベースから検索するプログラムであって、当該リガンドの原子同士の位置関係が固定された構成部分を指示する指示処理と、前記指示処理によって指示された当該リガンドの原子同士の位置関係が固定された構成部分ごとに当該三次元構造データベースで類似性検索を行って論理積をとる検索処理と、前記検索処理によって選び出された生体高分子を出力する出力処理と、をコンピュータに実行させることを特徴とする。
本発明に係る検索プログラムが実行されることにより、コンピュータが、リガンドのリジッドな部分を指示する指示処理を行い、リジッドな部分ごとに三次元構造データベースで類似性検索を行い、得られた類似性検索の結果の論理積をとり、生体高分子を選び出す検索処理を行い、選び出された生体高分子を出力する出力処理を行う。
また、本発明に係る生体高分子の検索プログラムは、指示処理が、当該リガンドの原子同士の位置関係が固定された構成部分の三次元構造情報の入力を処理する部分入力処理であることが好ましい。さらに、本発明に係る生体高分子の検索装置は、指示処理が、当該リガンドの三次元構造情報の入力を処理する全体入力処理と、入力された当該リガンドの三次元構造情報に基づいて原子同士の位置関係が固定された構成部分を選択する選択処理と、からなることが好ましい。後者の場合、リガンド全体の三次元構造情報の入力にのみ基づいて、リガンドのリジッドな部分を選択させることができるため、簡便に生体高分子の検索を行うことが可能である。
本発明に係るコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、上記の生体高分子の検索プログラムを記録したことを特徴とする。この場合、記録媒体に記録された生体高分子の検索プログラムをコンピュータに実行させることにより、上記生体高分子の検索に必要な機能がコンピュータ上に実現される。
本発明の検索方法、検索装置、検索プログラム及び記録媒体によれば、原子同士の位置関係が固定された複数の構成部分及び原子同士の位置関係が変化しうる構成部分を有するリガンドと結合した生体高分子を検索することが可能となる。
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
(第1実施形態)
第1実施形態に係る検索装置1についての構成について説明する。図1は、第1実施形態に係る検索装置1の全体構成を示すブロック図である。検索装置1は、部分入力部10、検索部20及び表示部30を備えている。
部分入力手段としての部分入力部10は、リガンドのリジッドな部分の三次元構造情報の入力を行うためのものであり、例えば、キーボード、マウスなどが用いられる。
リガンドは、リジッドな部分を一つ又は複数有していてよいが、リジッドな部分を複数有していることが好ましい。リガンドがリジッドな部分を複数有していれば、リジッドな部分ごとに以下の検索部20にて類似性検索を行って論理積をとることにより、所望の生体高分子を適切に絞り込むことが可能となるからである。また、三次元構造情報とは、具体的には例えば、原子の三次元座標のことを指し、リガンドのリジッドな部分の三次元構造情報とは、リジッドな部分を構成する原子の三次元座標のことをいう。さらに、生体高分子とは生体を構成する高分子をいい、具体的には、タンパク質、核酸、多糖などを指すが、タンパク質であることが好ましい。
また、リガンドが、例えばモノヌクレオチドのような、様々な化合物の集合体である場合、集合体を構成する化合物の共通構造をリジッドな部分ごとに見出し、見出した共通構造の三次元構造情報をリガンドのリジッドな部分の三次元構造情報として部分入力部10から入力すればよい。
検索部20は、三次元構造データベースDBに接続しており、部分入力部10から入力されたリガンドのリジッドな部分の三次元構造情報に基づき、三次元構造データベースDBに対して検索を行う。なお、検索は公知の類似性検索を用いることができる。
具体的には、対応する原子をノード、ノードのペアで決まる原子の組が似た空間配置を持っている場合に、そのノード間にエッジを張ってグラフを構築すると、そのグラフの中の部分グラフで、その部分グラフの中のすべてのノードがエッジで結ばれた部分グラフ(クリーク)は、対応する原子が似た空間配置を持っていることに対応する。そこで、リガンドのリジッドな部分の類似性検索は、類似性を検索したいリガンド分子間で作られるグラフの中からクリークを探すことで実現される。クリークの検索方法は数学的に古い問題で多くのアルゴリズムが考案されているが、スピードの面で Bron, C. and Kerbosch, J, Algorithm 457 - finding all cliques of an undirected graph、Communications of the ACM、vol 16, p575-577 (1973) に記載されている方法が好ましい。
そして、検索部20は、リジッドな部分ごとの検索結果の記憶を行い、リジッドな部分ごとの検索結果の論理積演算を行うことにより、リガンドと結合した生体高分子を選び出す。
出力手段としての表示部30は、検索部20により選び出された生体高分子に関する情報を表示する。生体高分子の情報としては、例えば、データベース上のID番号や生体高分子を構成する原子の三次元座標などが挙げられる。表示部30には、例えば、CRTディスプレイ、LCDディスプレイ及びプリンタ等が好適に用いられる。
三次元構造データベースDBは、生体高分子の三次元構造情報が記載されているものをいい、例えば、タンパク質の三次元構造情報が記載されているPDBなどが挙げられる。PDBには、NMR(核磁気共鳴)やX線結晶解析によって求められた、タンパク質の構成原子の三次元座標データ及び該タンパク質と結合するリガンドの構成原子の三次元座標データが格納されている。なお、三次元構造データベースDBは、アノーテーションの記述が完全なものであっても不完全なものであっても構わない。しかし、本発明に係る生体高分子の検索方法は、アノーテーションの記述が不完全な三次元構造データベースに対して特に効果を発揮できる。
次に、図2を用いて、第1実施形態に係る生体高分子の検索装置1の動作及び生体高分子の検索方法について説明する。
ステップS90では、リガンドをリジッドな部分とフレキシブルな部分とに分ける。なお、リジッドな部分かフレキシブルな部分かは、有機化学の分子構造に関する知見を考慮
して判断する。
ステップS100では、ステップS90において分けられたリガンドのリジッドな部分の三次元構造情報を部分入力部10から入力する。
ステップS105では、ステップS100で入力されたリガンドのリジッドな部分の三次元構造情報を部分入力部10が検索部20に指示する。
ステップS110では、ステップS105で指示されたリガンドのリジッドな部分の三次元構造情報に基づいて、三次元構造データベースに対して類似性検索を検索部20が行う。
ステップS120では、ステップS110の類似性検索で得られた結果を検索部20が記憶する。
ステップS130では、ステップS90において分けられたリガンドのリジッドな部分すべてについて類似性検索が行われたかを検索部20がチェックする。リガンドのリジッドな部分すべてについて類似性検索が行われるまで、S100〜S120を繰り返す。
ステップS140では、S120で記憶されたリジッドな部分ごとの類似性検索の結果の論理積演算を検索部20が行う。論理積演算の結果得られる生体高分子が、リガンドと結合した所望の生体高分子である。
ステップS150では、S140の論理積演算の結果得られた生体高分子に関する情報を表示部30が表示する。
以上説明したように、第1実施形態に係る生体高分子の検索方法又は検索装置によれば、リガンドをリジッドな部分とフレキシブルな部分とに分け、リジッドな部分ごとに三次元構造データベースで類似性検索を行うことにより、リジッドな部分の三次元構造情報が含まれている生体高分子をヒットさせることができる。そして、リジッドな部分ごとの類似性検索の結果の論理積をとることにより、当該リガンドと結合した生体高分子を三次元構造データベースから選び出すことができる。
(第2実施形態)
図3を用いて、本発明に係る検索装置の第2実施形態について説明する。本実施形態が第1実施形態と異なるのは、指示手段として、部分入力部10に代えて、全体入力部10a及び選択部40を備えている点である。
本実施形態においては、全体入力部10aからリガンドの三次元構造情報が入力される。ここで、全体入力部10aから入力されるリガンドの三次元構造情報とは、リガンドの構成原子すべて(ただし、水素原子を除く)の三次元座標のことをいう。そして、選択部40は、全体入力部10aから入力されたリガンドの三次元構造情報に基づいて、リガンドのリジッドな部分とフレキシブルな部分とを選択し、選択したリジッドな部分の三次元構造情報を検索部20に伝える。
また、リガンドが、例えばモノヌクレオチドのような、様々な化合物の集合体である場合、集合体を構成する化合物のすべてについてその三次元構造情報を全体入力部10aから入力を行えばよい。そして、選択部40は、全体入力部10aから入力された集合体を構成する化合物の三次元構造情報に基づいて、リガンドのリジッドな部分とフレキシブルな部分とを選択するとともに、集合体を構成する化合物の共通構造をリジッドな部分ごとに選択し、選択した共通構造の三次元構造情報(共通構造の構成原子の三次元座標)をリガンドのリジッドな部分の三次元構造情報として検索部20に伝える。
次に、図4を用いて、第2実施形態に係る検索装置2の動作及び検索方法について説明する。
ステップS100aでは、リガンドの三次元構造情報を全体入力部10aから入力する。
ステップS100bでは、ステップS100aで入力されたリガンドの三次元構造情報に基づいて、リガンドのリジッドな部分とフレキシブルな部分とを選択部40が選択する。
ステップS105aでは、ステップS100bで選択されたリガンドのリジッドな部分の三次元構造情報を選択部40が検索部20に指示する。
ステップS110〜S150では、上記第1実施形態と同様の処理が行われる。
以上説明したように、第2実施形態に係る生体高分子の検索方法又は検索装置によれば、リガンド全体の三次元構造情報を入力し、リガンドをリジッドな部分とフレキシブルな部分とに分け、リジッドな部分ごとに三次元構造データベースで類似性検索を行うことにより、リジッドな部分の三次元構造情報が含まれている生体高分子をヒットさせることができる。そして、リジッドな部分ごとの類似性検索の結果の論理積をとることにより、当該リガンドと結合した生体高分子を三次元構造データベースから選び出すことができる。
また、第2実施形態に係る生体高分子の検索方法又は検索装置は、リガンド全体の三次元構造情報の入力にのみ基づいてリガンドと結合した生体高分子の検索を行うことができるため、リガンドのリジッドな部分ごとに三次元構造情報を入力する必要がある第1の実施形態に係る生体高分子の検索方法又は検索装置に比べて、より簡便に生体高分子の検索を行うことが可能である。
次に、本発明の実施形態に係る検索方法をコンピュータ3に実行させるための検索プログラム102及び検索プログラム102を記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体100(以下、単に「記録媒体」という)について説明する。
ここで、記録媒体とは、コンピュータのハードウェア資源に備えられている読み取り装置に対して、プログラムの記述内容に応じて、磁気、光、電気等のエネルギーの変化状態を引き起こして、それに対応する信号の形式で、読み取り装置にプログラムの記述内容を伝達できるものである。かかる記録媒体としては、例えば、磁気ディスク、光ディスク、CD−ROM及びコンピュータに内蔵されるメモリ等が該当する。
図5は、本発明の実施形態に係る記録媒体100の構成図である。記録媒体100は、図5に示すように、プログラムを記録するプログラム領域101を備えている。このプログラム領域101には、検索プログラム102が記録されている。
この検索プログラム102は、前述した検索方法を実行するプログラムであって、図5に示すように、処理を統括するメインモジュール102aと、リガンドのリジッドな部分を指示する指示モジュール102bと、102bによって指示されたリジッドな部分ごとに三次元構造データベースで類似性検索を行い、得られた類似性検索の結果の論理積をとり、当該生体高分子を選び出す検索モジュール102cと、検索モジュール102cによって選び出された生体高分子を表示する表示モジュール102dと、を備えて構成される。
図6は、上記記録媒体100に記録された検索プログラム102を実行するためのコンピュータ3のシステム構成図である。コンピュータ3は、検索プログラム102を実行等を制御するCPU50と、記録媒体100に記録されたデータ処理プログラム102を読み取り可能な読み取り装置70と、メモリ(RAM)60と、ディスプレイより成る表示部30とを備えている、ここで、記録媒体100が読み取り装置70に挿入されると、記録媒体100に記録された情報が読み取り装置70からアクセス可能となり、図5に示す記録媒体100のプログラム領域101に記録されたデータ処理プログラム102が、コンピュータ3によって実行可能となる。
上記読み取り装置としては、記録媒体100に対応して、フレキシブルディスクドライブ装置、CD−ROMドライブ装置、あるいは磁気テープドライブ装置などが用いられる。
以下、具体的な実施例としてモノヌクレオチド結合タンパク質の検索を例に挙げて説明する。この場合、複数のリジッドな部分及びフレキシブルな部分を有するリガンドはモノヌクレオチド、リガンドと結合した生体高分子はタンパク質であり、三次元構造データベースとしてPDBを選んだ。また、リガンドのリジッドな部分の類似性検索は、検索スピードの点で優れている Bron, C. and Kerbosch, J, Algorithm 457 - finding all cliques of an undirected graph、Communications of the ACM、vol 16, p575-577 (1973) に記載されたアルゴリズムを利用した類似性検索を用いて行った。
モノヌクレオチドとは、プリン塩基又はピリミジン塩基のような窒素を含む有機塩基と糖の還元基とがグリコシド結合によって結合した配糖体化合物であるヌクレオシドに、リン酸がヌクレオシドの糖部分にエステル結合によって結合した化合物をいう。モノヌクレオチドの一例として、ATP(アデノシン三リン酸)の構造式を以下に示す。
Figure 0004532860
モノヌクレオチドは、分子全体としては立体配座の自由性があるが、複数のリジッドな部分とフレキシブルな部分とに分けることができると考えた。すなわち、モノヌクレオチドの中で、塩基部分、糖部分、リン酸部分はリジッドな部分であり、それぞれの部分をつなぐ結合部分はフレキシブルな部分であると考えた(上記構造式(1)参照)。
まず、塩基部分について、立体構造の共通性の検討を行った。生体内に存在するモノヌクレオチドを構成する塩基としては、アデニン、グアニン、シトシン、チミン、ウラシル、ヒポキサンチン、フラビンなどが知られている。各塩基の構造式を下に示す。
Figure 0004532860
こららの塩基の構造を比較・検討し、構造が共通し、かつ、リジッドとなるような部分を探した結果、共通構造A(ピリミジン骨格)が浮かび上がった。共通構造Aの構造式を上に示す。この共通構造Aの三次元構造情報を基に、PDBで類似性検索を行った。
次に、糖部分について立体構造の共通性の検討を行った。生体内に存在するモノヌクレオチドを構成する糖としては、デオキシリボースとリボースが知られている。それぞれの構造式を下に示す。
Figure 0004532860
これらの糖の構造を比較・検討し、構造が共通し、かつ、リジッドとなるような部分を探した結果、共通構造B(テトラヒドロフラン骨格)が浮かび上がった。共通構造Bの構造式を上に示す。この共通構造の三次元構造情報を基に、PDBで類似性検索を行った。
次に、リン酸部分について立体構造の共通性の検討を行った。生体内に存在するものヌクレオチドを構成するリン酸は、リン酸が1、2、3個結合した、一リン酸、二リン酸、三リン酸の3種類あることが知られている。そして、これら3種類すべてを検索するために、共通構造Cであるリン酸骨格(構造式を下に示す)のうち、PとO1とO2とからなる部分に着目をした。
Figure 0004532860
このPとO1とO2とからなる部分であれば、3種類のリン酸において共通し、かつ、リジッドとなると考えた。この部分の三次元構造情報を基に、PDBで類似性検索を行った。
最後に、モノヌクレオチドの塩基部分、糖部分及びリン酸部分の類似性検索の結果の論理積をとったところ、2123のタンパク質(モノヌクレオチド結合タンパク質)がヒットした。
なお、リジッドな部分ごとの検索結果の論理積をとってもよいが、効率の観点からは、エントリーごとに探すのが易しいものから探していき、ひとつでもリジッドな部分を含まないのであれば、それ以上は探さないという手順を踏むことが好ましい。
以上説明したように、本発明の生体高分子の検索方法を用いて、モノヌクレオチド結合タンパク質をPDBから検索することができた。
第1実施形態に係る検索装置の全体構成を示すブロック図である。 第1実施形態に係る検索方法の全体処理を示す流れ図である。 第2実施形態に係る検索装置の全体構成を示すブロック図である。 第2実施形態に係る検索方法の全体処理を示す流れ図である。 記録媒体の構成図である。 コンピュータのシステム図である。
符号の説明
1,2…検索装置、3…コンピュータ、10…部分入力部、10a…全体入力部、20…検索部、30…表示部、40…選択部、50…CPU、60…メモリ、70…読み取り装置、100…記録媒体、101…プログラム領域、102…検索プログラム、102a…メインモジュール、102b…指示モジュール、102c…検索モジュール、102d…表示モジュール、DB…三次元構造データベース。

Claims (7)

  1. リガンドと結合した生体高分子を三次元構造データベースから検索する装置であって、
    当該リガンドの原子同士の位置関係が固定された構成部分を指示する指示手段と、
    前記指示手段によって指示された当該リガンドの原子同士の位置関係が固定された構成部分ごとに当該三次元構造データベースで類似性検索を行って論理積をとる検索手段と、
    前記検索手段によって選び出された生体高分子を出力する出力手段と、
    を備えることを特徴とする生体高分子の検索装置。
  2. 前記指示手段が、当該リガンドの原子同士の位置関係が固定された構成部分の三次元構造情報を入力する部分入力手段であることを特徴とする請求項記載の生体高分子の検索装置。
  3. 前記指示手段が、当該リガンドの三次元構造情報を入力する全体入力手段と、入力された当該リガンドの三次元構造情報に基づいて原子同士の位置関係が固定された構成部分を選択する選択手段と、からなることを特徴とする請求項記載の生体高分子の検索装置。
  4. リガンドと結合した生体高分子を三次元構造データベースから検索するプログラムであって、
    当該リガンドの原子同士の位置関係が固定された構成部分を指示する指示処理と、
    前記指示処理によって指示された当該リガンドの原子同士の位置関係が固定された構成部分ごとに当該三次元構造データベースで類似性検索を行って論理積をとる検索処理と、
    前記検索処理によって選び出された生体高分子を出力する出力処理と、
    をコンピュータに実行させることを特徴とする検索プログラム。
  5. 前記指示処理が、当該リガンドの原子同士の位置関係が固定された構成部分の三次元構造情報の入力を処理する部分入力処理であることを特徴とする請求項記載の生体高分子の検索プログラム。
  6. 前記指示処理が、当該リガンドの三次元構造情報の入力を処理する全体入力処理と、入力された当該リガンドの三次元構造情報に基づいて原子同士の位置関係が固定された構成部分を選択する選択処理と、からなることを特徴とする請求項記載の生体高分子の検索プログラム。
  7. 請求項いずれか1項記載の生体高分子の検索プログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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