JP4531169B2 - Metal carrier catalyst for exhaust gas purification - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関等の排気ガスを浄化する排ガス浄化用触媒に金属製の担体を用いた排ガス浄化用金属担体触媒に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車や、二輪車の排気ガスを浄化するために、排ガス浄化用装置が用いられている。この排ガス浄化用装置には、サーマルリアクタ方式、希薄燃焼方式、エンジンモディフィケーション方式および触媒方式などがあり、この中で触媒方式が広く用いられている。
【0003】
触媒方式は、Pt、Rh、Pd等の触媒貴金属を用いて、排気ガスを浄化する方式である。この触媒方式の排ガス浄化用触媒は、触媒担体の表面に活性アルミナ(γ−アルミナ)等により担持層を形成し、この担持層に貴金属触媒を担持させたものが用いられる。
【0004】
排気ガス浄化用触媒は、触媒担体の形状により、モノリス形状、粒状、あるいはパイプ状等に分類される。さらに、触媒担体の材質としては、高温の排気ガスに曝されることから、耐熱性材料が用いられ、このような材質として、たとえば、コーディエライト等のセラミックス、ステンレス等の耐熱性金属等をあげることができる。
【0005】
セラミックス製担体は、機械的な衝撃に弱く、また排気抵抗が大きいといった課題があり、排気系の圧力損失の低減や担体の耐熱性の向上等の理由から金属担体が用いられるようになってきた。
【0006】
金属担体を用いた排ガス浄化用触媒は、オーステナイト系ステンレス鋼SUS304(18Cr−8Ni)やフェライト系ステンレス鋼SUS430(16Crフェライト系ステンレス鋼)などの鋼材を箔状あるいはシート状に圧延し、この鋼板を加工して金属担体を形成し、この金属担体の表面に担持層を形成し、担持層に触媒金属を担持させた触媒がある。
【0007】
金属担体を用いた排ガス浄化用触媒は、金属担体の表面に触媒金属が付与されるため、触媒金属の触媒活性により、金属担体が腐食して、触媒の浄化能が低下するという問題を有していた。
【0008】
詳しくは、触媒担体に直接担持層および触媒金属が付与されているため、触媒金属の活性作用により金属担体が酸化されて腐食し、この金属担体の酸化物(酸化鉄)が担持層および触媒金属に侵入し、触媒金属の触媒活性を低下させていた。また、金属担体の腐食により、触媒金属を担持した担持層に剥離が生じるようになっていた。
【0009】
さらに、金属担体にCr等の元素が添加されていない一般鋼材を用いると、担持層および触媒金属を担持させた状態で放置しておくだけで、上述のような酸化や腐食が生じ、触媒担体として用いることができなかった。
【0010】
加えて、オートバイなどに用いられる内燃機関から排出される排ガスは、水分が比較的多く含まれているなど酸化性を有していた。このため、オートバイなどにおいて、金属担体を用いる排ガス浄化用触媒は、金属担体の酸化による腐食が問題となっていた。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記実状に鑑みてなされたものであり、金属担体の酸化、腐食による触媒性能の低下が抑えられた排ガス浄化用金属担体触媒を提供することを課題とする。
【0012】
【課題を解決する手段】
上記課題を解決するため本発明者らは、担持層および触媒金属が金属担体の被酸化成分に接触していることが金属担体の腐食を生じさせていることに着目し、金属担体が担持層および触媒金属と直接接触することを避ける方法について検討を重ねた結果、触媒担体の表面に担体被膜を形成し、この担体被膜の表面に担持層および触媒金属を付与することで、上記課題を解決できることを見出した。
【0013】
すなわち、本発明の排ガス浄化用金属担体触媒は、鉄系金属箔あるいは鉄系金属シートにより形成された金属担体と、Niを50〜97wt%で含有し、金属担体の表面を被覆して金属担体が酸化されることを防止する担体被膜と、担体被膜の表面に形成された担持層と、担持層に担持された触媒金属と、からなり、金属担体の表面にロウ材を配置した状態で、ロウ材が溶融する温度に加熱して担体被膜を形成する工程と、担体被膜の表面に担持層を形成する工程と、担持層に触媒金属を担持する工程と、を施してなることを特徴とする。
【0014】
本発明の排ガス浄化用金属担体触媒は、触媒担体の表面に担体被膜が被覆されているため、触媒金属が金属担体と直接接触しなくなっている。このため、金属担体に腐食が生じなくなる。この結果、金属担体の腐食により生じる浄化能の低下が生じなくなり、排ガス浄化用金属担体触媒は、その浄化性能を長時間保持できるようになる。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の排ガス浄化用金属担体触媒は、金属担体と、担体被膜と、担持層と、触媒金属と、からなる。
【0016】
金属担体は、鉄系金属箔あるいは鉄系金属シートにより形成される。ここで、金属箔あるいは金属シートを形成する鉄系金属は、鉄を主成分とした金属をしめす。また、この鉄系金属は、金属担体として用いたときに十分な特性を有している。この鉄を主成分とした鉄系金属としては、従来の金属担体に用いられているようなステンレス(SUS403、SUS436)以外にも、冷間圧延鋼板(SPCC)等の一般鋼材をあげることができる。
【0017】
また、金属担体の形状は、特に限定されるものではなく、用途に応じて、適宜選択できる。たとえば、金属シートあるいは金属箔からなる平板と波板とを交互に積そうさせたハニカム体や、あるいは、それぞれを重ね合わせてロール状に巻回して形成されたハニカム体などを用いることができる。このとき、ハニカム体を外筒により収納保持することで、機械的強度が十分に確保できる。この外筒は、ハニカム体と同じ組成をもつ金属シートで形成することができる。このハニカム体の収納保持は、公知の方法でハニカム体を外筒に一体化することができる。
なお、いずれの形態においても、金属シートあるいは金属箔の厚さは、用途に応じて適宜選択することができる。
【0018】
また、別の金属担体の形状として、金属シートあるいは金属箔をパイプ状に形成したパイプ触媒としてもよい。さらに、このパイプ形状の内部の空間を区画する十字状、波板状等の担体板を付与した形状のパイプ触媒としてもよい。
【0019】
担体被膜は、Niを50〜97wt%で含有し、金属担体の表面を被覆して金属担体が酸化されることを防止する。担体被膜を金属担体の表面に形成することで、金属担体と担持層および担持層に担持された触媒金属とが接触しなくなり、金属担体が触媒金属の作用により腐食されなくなる。ここで、担体被膜は、耐酸化性を有する物質により形成されることが好ましく、Niを50〜97wt%で含有する物質よりなる。なお、含有量のwt%とは、担体被膜全体を100wt%としたときの割合を示した。
【0020】
担持層は、担体被膜の表面に形成される。担持層は、排ガス浄化触媒において、排ガスとの接触面積を大きくするために用いられる。担持層は、通常の排ガス浄化用触媒に形成される担持層とすることができる。
【0021】
すなわち、担持層は、通常の排ガス浄化用触媒に用いられる耐熱性無機酸化物を用いることができ、好ましい担持層としては、活性アルミナを主成分とする耐熱性無機酸化物である。また、担持層は、セリウムやジルコニウムの酸化物を含むことが好ましい。これらの酸化物を担持層に有することで、排ガス浄化用触媒の浄化特性が向上する。また、担持層の層厚は、特に限定されるものではなく、用途に応じて適宜選択することができる。
【0022】
触媒金属は、担持層に担持されている。この触媒金属の担持は、担持層を形成した後に担持させても、担持層を形成するときに活性アルミナ等からなるスラリーに混合させて金属担体にコートすることにより付与させても、どちらでも良い。触媒金属は、排ガス浄化用触媒において、排ガスを浄化する成分である。触媒金属は、通常の排ガス浄化用触媒に用いられる触媒金属を用いることができる。
すなわち、酸化触媒、還元触媒、三元触媒のいずれの触媒を用いてもよい。
【0023】
詳しくは、触媒金属に、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)の少なくとも1種を用いることで排ガス中に含まれる一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、および窒素酸化物(NOx)を効率よく除去できる。また、触媒金属の担持層への担持量も特に限定されるものではなく、用途に応じて適宜選択することができる。
【0024】
担体被膜は、ニッケルおよびクロムからなる被膜であることが好ましい。すなわち、ニッケルおよびクロムを含むことで、排ガス浄化用触媒が酸化性雰囲気となっても、ニッケルおよびクロムが耐酸化性を発揮する酸化被膜である不動態層が担持層との接触面に形成され、金属担体が酸化されることを防止する。
担体被膜は、更に、CrおよびSiを有する被膜であることが好ましい。
【0025】
ニッケルは50〜97wt%、クロムは3〜50wt%含まれることが好ましい。なお、含有量のwt%とは、担体被膜全体を100wt%としたときのニッケルおよびクロムの割合を示した。
【0026】
このような担体被膜としては、たとえば、全体を100wt%としたときに、Niを主体とした18wt%Crと10wt%Siとよりなるロウ材や、Niを主体とした6wt%Crと4wt%Siとよりなるロウ材、を用いて形成した等をあげることができる。
【0027】
担体被膜は、ロウ材により形成された被膜であることが好ましい。ここで、ロウ材とは、金属材料をロウ付けするときに用いられる非鉄金属またはその合金を示す。ロウ材は、ロウ付けに用いられることからわかるように、金属材料とよくなじむため、金属担体の表面に均一に付与できる。さらに、ロウ材により形成された担体被膜は、金属担体の表面に強固に被覆する。加えて、ロウ材による担体被膜は、ロウ材を金属担体表面で加熱することで被膜を形成できるため、簡単に担体被膜を形成できる。
【0028】
ロウ材は金属材料であるため熱伝導性が高いことから、担体被膜をロウ材により形成することで、排ガス浄化用触媒が排気ガスにより加熱されても、排ガス浄化用触媒からの熱の拡散が十分に行われ、過熱による排ガス浄化性能の低下は生じない。
【0029】
担体被膜は、その厚さが3μm以上であることが好ましい。被膜の厚さが3μm未満となると、担体被膜にムラが生じ、厚さの薄いところから金属担体に酸化が生じ、担持層にFe酸化物が侵入するようになる。
【0030】
(排ガス浄化用金属担体触媒の製造)
本発明の排ガス浄化用金属担体触媒の製造は、金属担体の表面に担体被膜を形成した後に担持層を形成し、この担持層に後から触媒金属を担持させること、あるいは触媒金属を担持層を形成するスラリーに混ぜ、このスラリーを担体被膜の表面にコートさせること、で行われる。
【0031】
まず、金属担体を所定の形状に形成する。すなわち、箔状あるいはシート状の鉄系金属よりなる金属板を加工し、触媒担体を形成する。
【0032】
つづいて、形成された金属担体の表面に担体被膜を形成する。ここで、ロウ材を用いた担体被膜の形成は、金属担体の表面に、ロウ材を配置した状態で加熱することで形成させることが好ましい。なお、加熱は、真空雰囲気でなされることが好ましい。真空雰囲気で加熱されることで、まわりの雰囲気ガスの元素が形成される被膜に含まれることが防止される。また、このときの加熱温度は、ロウ材が溶融できる程度の温度であることが好ましい。
【0033】
その後、担体被膜の表面に担持層を形成し、この担持層に触媒金属を担持させる。担体被膜の表面に担持層を形成する方法は、通常の触媒担体の製造方法に用いられる方法を用いることができる。すなわち、担持層を形成する耐熱性無機酸化物のスラリーを調整し、このスラリーを担体被膜の表面に塗布し、乾燥、焼成させることで製造される。
【0034】
また、担持層への触媒金属の担持は、担持層が形成された触媒担体を、触媒金属が含まれる溶液に浸漬させることで行われる。担持層に触媒金属を供給した触媒担体は乾燥、焼成されて排ガス浄化用触媒となる。また、この触媒金属の担持は、担持層を形成する耐熱性無機酸化物のスラリーに触媒金属を混合させた混合スラリーとし、この混合スラリーを担体被膜の表面にコートして触媒金属を有する担持層を形成する方法を用いても良い。
【0035】
本発明の排ガス浄化用金属担体触媒は、担持層および触媒金属と金属担体との間に担体被膜が形成されているため、金属担体が触媒金属の活性作用により腐食しなくなる。金属担体に腐食が生じなくなることで排ガス浄化用金属担体触媒の触媒性能が低下しなくなり、長寿命となる。また、本発明の排ガス浄化用金属担体触媒は、金属担体の材質に安価な一般鋼材等の鋼材を用いることができる効果を有する。すなわち、触媒金属の活性作用が担体被膜により抑えられているため、金属担体に耐酸化性等の特性が得に必要とされなくなるためである。
【0036】
本発明の排ガス浄化用金属担体触媒は、耐酸化性に優れていることから、酸化性雰囲気の排ガスが排出されやすい二輪車等において特に有用である。
【0037】
【実施例】
以下、実施例を用いて本発明を説明する。
【0038】
本発明の実施例として、鉄系金属よりなるパイプ状の金属担体を用いて触媒を作製した。
【0039】
(実施例1)
実施例1は、パイプ状の金属担体1と、パイプ状の金属担体1の内周面を被覆するロウ付けされたロウ材よりなる担体被膜2と、担体被膜2の表面に形成された担持層3と、担持層3に担持された触媒金属と、から構成される。この実施例1のパイプ触媒において、断面の様子を図1に示した。
【0040】
ここで、金属担体には、SPCC(冷間圧延鋼板)により形成された厚さ1.5mm、内径30mm、容量100lのパイプを用いた。ここで、パイプの容量とは、パイプの内部空間の容積を示す。このパイプは、市販のSPCC製のパイプを所定の長さに切断して用いられた。
【0041】
また、担体被膜を形成するロウ材は、Niを主体とし、Cr18wt%、Si10wt%よりなるロウ材が用いられた。
【0042】
担持層は、活性アルミナを主成分とする耐熱性無機酸化物により形成され、その担持厚は、30μmであった。また、触媒金属は、PtおよびRhが、それぞれ5wt%、1wt%の担持量で担持された。
【0043】
実施例1のパイプ触媒は、以下の手段により製造された。
【0044】
SPCCよりなる金属担体の内周面にロウ材を、厚さが10〜100μmの厚さとなるように塗布し、この状態で真空雰囲気で、1200℃で1時間保持して金属担体の表面に担体被膜を形成した。
【0045】
つづいて、活性アルミナ、バインダー、水を所定量となるように秤量し、これらを均一に混合したスラリーを調整した。調整されたスラリーを金属担体にコートし、乾燥させた。つづいて、触媒金属の溶液を、この乾燥したスラリーコート担体に含浸させ、担持層に貴金属を付着させた。その後、このコート担体を250℃、1時間焼成して製造した。
【0046】
(実施例2)
実施例2は、金属担体がSUS304により形成されていること以外は実施例1と同様なパイプ触媒である。また、実施例2のパイプ触媒の製造方法も、実施例1の手段と同様であった。
【0047】
(実施例3)
実施例3は、金属担体がSUS436Lにより形成されていること以外は実施例1と同様なパイプ触媒である。また、実施例3のパイプ触媒の製造方法も、実施例1の手段と同様であった。
【0048】
(実施例4)
実施例4は、パンチングされたパイプを金属担体として用い、このパンチングされたパイプの外周面および内周面に触媒成分を付与した触媒である。
【0049】
詳しくは、触媒担体に、SUS304よりなり、厚さ1.0mm、内径25mm、容量150lのパイプを用いた。なお、パンチング穴は、φ3mmの穴が6mmの間隔で千鳥状に開けられている。
【0050】
また、担体被膜を形成するロウ材は、Niを主体とし、Cr6wt%、Si4wt%よりなるロウ材が用いられた。
【0051】
実施例4の触媒は、パンチングされたパイプを金属担体として用い、このパンチングパイプの表面に担体被膜を付与し、パンチングパイプの内周面側および外周面側の担体被膜表面に触媒成分を形成させて製造された。
【0052】
実施例4の触媒は、パンチングパイプの表面に担体被膜を形成するときに、ロウ材の塗布厚さを50〜200μmとして、1000℃で1時間保持して金属担体の表面に担体被膜を形成した。
【0053】
担体被膜が形成されたパンチングパイプの内周面および外周面に、実施例1〜3において作製されたものと同様のスラリーを塗布し、乾燥させて担持層を形成した。つづいて、この担持層に、実施例1〜3と同様に調整された触媒金属溶液を、含浸させた後に250℃、1時間焼成した。
【0054】
(比較例1)
比較例1は、担体被膜を金属担体と担持層の間に形成していないこと以外は、実施例2のパイプ触媒と同様なパイプ触媒である。詳しくは、実施例2において用いられた金属担体のパイプの内周面に、担持層および触媒金属を直接付与したパイプ触媒である。
【0055】
比較例1のパイプ触媒の製造は、実施例2において用いられたパイプの内周面に直接、担持層を形成し、この担持層に触媒金属を担持させたものである。ここで、担持層の形成および担持層への触媒金属への担持は、実施例2において用いられた方法と同様の材料を用いてなされた。
【0056】
(比較例2)
比較例2は、金属担体の表面にロウ材層を形成させ、このロウ材層の表面に担持層および触媒金属を付与したパイプ触媒である。なお、このロウ材層は、金属担体の表面と接触しているだけで、金属担体の表面にロウ付けされているものではない。
【0057】
比較例2のパイプ触媒の製造は、まず、実施例2において用いられたパイプの内周面にロウ材を10〜100μmの厚さで塗布し、この状態で乾燥機を用いて大気雰囲気下250℃で1時間保持した。この保持により、ロウ材に含まれていたバインダ成分が蒸発し、金属成分がパイプの表面に残留する。このとき、パイプの表面で、ロウ材中の金属成分は、粒子の状態のままパイプの表面に付着している。
【0058】
つづいて、このロウ材層を形成した金属担体のパイプの内周面に、実施例2と同様にして担持層を形成した後に触媒金属を担持させて製造された。
【0059】
(評価)
実施例の評価として、高温に保持された炉内に触媒を配置し、この炉内に二種類の試験ガスを交互に導入することを繰り返す耐久試験を行った後に、触媒の状態を確認する評価試験を行った。
【0060】
詳しくは、内部の温度が900℃に保持された炉の内部に触媒を配置し、この炉内の雰囲気を、10%H2O、1%O2、N2バランスよりなるガスと、10%H2O、1%CO、N2バランスよりなるガスと、を60秒ごとに交互に導入することを5時間繰り返した。その後、触媒の様子を観察し、その状態により評価を行った。
【0061】
この評価の結果を表1に示した。表1において、耐酸化性の評価の○は、担持層への金属酸化物の侵入なしを示し、△は、担持層への金属酸化物の侵入が一部に見られる状態であり、×は、金属酸化物が担持層の表面を覆っている状態を示すものであった。また、耐剥離性の評価における○は、担持層の剥離無しであり、×は、担持層の剥離有りであった。
【0062】
【表1】

Figure 0004531169
【0063】
表1より、実施例1〜4の触媒は、耐酸化性に優れている。さらに、担持層の剥離も見られなかったことから、金属担体に腐食が生じていない。また、比較例1は、耐酸化性の評価が悪く、金属担体が腐食し、担持層に剥離が生じていた。比較例2は、金属担体の酸化が若干見られ、担持層の剥離も多少発生していた。
【0064】
すなわち、実施例1〜4の触媒は、耐酸化性に優れていることから、金属担体に腐食が生じなくなり、金属担体が腐食することにより生じていた担持層の剥離が生じなくなった。
【0065】
また、比較例1は、金属担体の表面に担持層が形成されており、酸化性物質が金属担体に接触でき、金属担体が容易に酸化され腐食を生じ、担持層が剥離している。比較例2は、金属担体表面に形成されたロウ材層が、酸化性物質が金属担体に接触することを抑えているが、完全にブロックできず、耐酸化性がやや劣る。
【0066】
【発明の効果】
本発明の排ガス浄化用金属担体触媒は、鉄系金属よりなる金属担体の表面に担体被膜を形成し、この担体被膜の表面に担持層および触媒金属を付与している。このため、金属担体に触媒金属が直接接触しなくなり、触媒金属の活性作用による金属担体の腐食が抑えられる。この結果、金属担体が腐食することによる担持層の剥離が生じなくなり、排ガス浄化用金属担体触媒としての寿命が長くなる効果を示す。また、金属担体が触媒成分と接触しなくなるため、金属担体の材質についても、耐酸化性等の特性が不要となり、一般鋼材等の安価な材料を用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1のパイプ触媒を示した図である。
【符号の説明】
1…金属担体 2…担体被膜 3…担持層[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an exhaust gas purifying metal carrier catalyst using a metal carrier as an exhaust gas purifying catalyst for purifying exhaust gas of an internal combustion engine or the like.
[0002]
[Prior art]
In order to purify exhaust gas from automobiles and motorcycles, exhaust gas purification devices are used. The exhaust gas purification apparatus includes a thermal reactor system, a lean combustion system, an engine modification system, a catalyst system, and the like, and the catalyst system is widely used.
[0003]
The catalyst system is a system for purifying exhaust gas using a catalyst noble metal such as Pt, Rh, Pd or the like. This catalyst type exhaust gas purifying catalyst is formed by forming a support layer on the surface of a catalyst carrier with activated alumina (γ-alumina) or the like, and supporting a noble metal catalyst on the support layer.
[0004]
Exhaust gas purifying catalysts are classified according to the shape of the catalyst carrier into a monolith shape, a granular shape, a pipe shape, or the like. Further, as the material of the catalyst carrier, a heat-resistant material is used because it is exposed to high-temperature exhaust gas. Examples of such a material include ceramics such as cordierite, heat-resistant metals such as stainless steel, and the like. I can give you.
[0005]
Ceramic supports are susceptible to mechanical shock and have high exhaust resistance, and metal supports have come to be used for reasons such as reducing pressure loss in the exhaust system and improving the heat resistance of the support. .
[0006]
The exhaust gas purifying catalyst using a metal carrier is made by rolling a steel material such as austenitic stainless steel SUS304 (18Cr-8Ni) or ferritic stainless steel SUS430 (16Cr ferritic stainless steel) into a foil shape or a sheet shape. There is a catalyst in which a metal support is formed by processing, a support layer is formed on the surface of the metal support, and a catalyst metal is supported on the support layer.
[0007]
A catalyst for exhaust gas purification using a metal carrier has a problem in that the catalytic metal is imparted to the surface of the metal carrier, so that the catalytic activity of the catalyst metal corrodes the metal carrier and reduces the purification performance of the catalyst. It was.
[0008]
Specifically, since the support layer and the catalyst metal are directly applied to the catalyst support, the metal support is oxidized and corroded by the active action of the catalyst metal, and the oxide (iron oxide) of this metal support becomes the support layer and the catalyst metal. And the catalytic activity of the catalytic metal was reduced. Further, peeling of the carrier layer carrying the catalyst metal has occurred due to corrosion of the metal carrier.
[0009]
Furthermore, when a general steel material to which an element such as Cr is not added is used for the metal carrier, the above-mentioned oxidation and corrosion occur only by leaving the carrier layer and the catalyst metal supported, and the catalyst carrier Could not be used.
[0010]
In addition, exhaust gas discharged from an internal combustion engine used for motorcycles and the like has an oxidizing property such as containing a relatively large amount of moisture. For this reason, in exhaust gas purification catalysts using a metal carrier in motorcycles and the like, corrosion due to oxidation of the metal carrier has been a problem.
[0011]
[Problems to be solved by the invention]
This invention is made | formed in view of the said actual condition, and makes it a subject to provide the metal carrier catalyst for exhaust gas purification by which the fall of the catalyst performance by the oxidation and corrosion of a metal carrier was suppressed.
[0012]
[Means for solving the problems]
In order to solve the above problems, the present inventors have paid attention to the fact that the support layer and the catalytic metal are in contact with the oxidizable component of the metal support, causing corrosion of the metal support. As a result of repeated investigations on how to avoid direct contact with the catalyst metal, the above problem was solved by forming a support film on the surface of the catalyst support and providing the support layer and the catalyst metal on the surface of the support film. I found out that I can do it.
[0013]
That is, the exhaust gas-purifying metal carrier catalyst of the present invention comprises a metal carrier formed of an iron-based metal foil or an iron-based metal sheet, Ni in an amount of 50 to 97 wt%, and covers the surface of the metal carrier to cover the metal carrier. Comprising a carrier film that prevents oxidation of the metal, a support layer formed on the surface of the support film, and a catalyst metal supported on the support layer, with a brazing material disposed on the surface of the metal support, Heating to a temperature at which the brazing material melts, forming a carrier film, forming a support layer on the surface of the support film, and supporting a catalyst metal on the support layer To do.
[0014]
In the metal carrier catalyst for exhaust gas purification of the present invention, the catalyst metal is not in direct contact with the metal carrier because the surface of the catalyst carrier is coated with the carrier film. For this reason, corrosion does not occur in the metal carrier. As a result, the reduction of the purification ability caused by the corrosion of the metal carrier does not occur, and the exhaust gas-purifying metal carrier catalyst can maintain its purification performance for a long time.
[0015]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The exhaust gas-purifying metal carrier catalyst of the present invention comprises a metal carrier, a carrier film, a support layer, and a catalyst metal.
[0016]
The metal carrier is formed of an iron-based metal foil or an iron-based metal sheet. Here, the iron-based metal forming the metal foil or the metal sheet is a metal mainly composed of iron. Further, this iron-based metal has sufficient characteristics when used as a metal carrier. Examples of the iron-based metal containing iron as a main component include general steel materials such as cold-rolled steel plates (SPCC) other than stainless steel (SUS403, SUS436) used in conventional metal carriers. .
[0017]
Further, the shape of the metal carrier is not particularly limited, and can be appropriately selected depending on the application. For example, it is possible to use a honeycomb body in which flat plates and corrugated sheets made of metal sheets or metal foils are alternately stacked, or a honeycomb body formed by overlapping each other and winding them into a roll. At this time, sufficient mechanical strength can be secured by storing and holding the honeycomb body by the outer cylinder. The outer cylinder can be formed of a metal sheet having the same composition as the honeycomb body. For storing and holding the honeycomb body, the honeycomb body can be integrated with the outer cylinder by a known method.
In any form, the thickness of the metal sheet or metal foil can be appropriately selected depending on the application.
[0018]
Moreover, it is good also as a pipe catalyst which formed the metal sheet or metal foil in the shape of a pipe as another metal support | carrier shape. Furthermore, it is good also as a pipe catalyst of the shape which provided support plates, such as a cross shape and a corrugated plate shape, which divides the space inside this pipe shape.
[0019]
The carrier coating contains Ni in an amount of 50 to 97 wt% and covers the surface of the metal carrier to prevent the metal carrier from being oxidized . By forming the carrier film on the surface of the metal carrier, the metal carrier does not come into contact with the carrier layer and the catalyst metal supported on the carrier layer, and the metal carrier is not corroded by the action of the catalyst metal. Here, the carrier film is preferably formed of a material having oxidation resistance, and is made of a material containing Ni at 50 to 97 wt%. In addition, wt% of content showed the ratio when the whole carrier film is 100 wt%.
[0020]
The carrier layer is formed on the surface of the carrier coating. The support layer is used in the exhaust gas purification catalyst to increase the contact area with the exhaust gas. The support layer can be a support layer formed on a normal exhaust gas purification catalyst.
[0021]
That is, the support layer can be made of a heat-resistant inorganic oxide used for a normal exhaust gas purification catalyst, and a preferable support layer is a heat-resistant inorganic oxide mainly composed of activated alumina. The support layer preferably contains an oxide of cerium or zirconium. By having these oxides in the support layer, the purification characteristics of the exhaust gas purification catalyst are improved. Further, the thickness of the support layer is not particularly limited, and can be appropriately selected depending on the application.
[0022]
The catalyst metal is supported on the support layer. The catalyst metal may be supported after the support layer is formed, or may be applied by mixing with a slurry made of activated alumina or the like when the support layer is formed and coating the metal support. . The catalytic metal is a component that purifies the exhaust gas in the exhaust gas purifying catalyst. As the catalyst metal, a catalyst metal used for a normal exhaust gas purifying catalyst can be used.
That is, any catalyst of an oxidation catalyst, a reduction catalyst, and a three-way catalyst may be used.
[0023]
Specifically, carbon monoxide (CO), hydrocarbon (HC), and nitrogen oxidation contained in exhaust gas by using at least one of platinum (Pt), palladium (Pd), and rhodium (Rh) as the catalyst metal. Substances (NOx) can be removed efficiently. Further, the amount of the catalyst metal supported on the support layer is not particularly limited, and can be appropriately selected according to the application.
[0024]
The carrier coating is preferably a coating made of nickel and chromium. That is, by including nickel and chromium, even if the exhaust gas purification catalyst becomes an oxidizing atmosphere, a passive layer, which is an oxide film in which nickel and chromium exhibit oxidation resistance, is formed on the contact surface with the support layer. , Preventing the metal support from being oxidized.
The carrier film is preferably a film further comprising Cr and Si.
[0025]
It is preferable that nickel is contained in 50 to 97 wt% and chromium is contained in 3 to 50 wt%. In addition, wt% of content showed the ratio of nickel and chromium when the whole carrier film was 100 wt%.
[0026]
As such a carrier film, for example, when the whole is 100 wt%, a brazing material mainly composed of 18 wt% Cr and 10 wt% Si, or 6 wt% Cr and 4 wt% Si mainly composed of Ni. It is possible to use a brazing material made of
[0027]
The carrier film is preferably a film formed of a brazing material. Here, the brazing material indicates a non-ferrous metal or an alloy thereof used when brazing a metal material. As can be seen from the fact that the brazing material is used for brazing, the brazing material can be uniformly applied to the surface of the metal carrier because it is well compatible with the metal material. Furthermore, the carrier film formed of the brazing material firmly covers the surface of the metal carrier. In addition, since the carrier film made of the brazing material can be formed by heating the brazing material on the surface of the metal carrier, the carrier film can be easily formed.
[0028]
Since the brazing material is a metal material, it has high thermal conductivity. Therefore, even if the exhaust gas purification catalyst is heated by the exhaust gas, the heat diffusion from the exhaust gas purification catalyst is prevented by forming the carrier film with the brazing material. The exhaust gas purification performance is not deteriorated due to overheating.
[0029]
The thickness of the carrier coating is preferably 3 μm or more. When the thickness of the coating is less than 3 μm, unevenness occurs in the carrier coating, oxidation occurs in the metal carrier from a thin thickness, and Fe oxide enters the supporting layer.
[0030]
(Manufacture of metal carrier catalysts for exhaust gas purification)
In the production of the metal carrier catalyst for exhaust gas purification of the present invention, a carrier layer is formed after forming a carrier film on the surface of the metal carrier, and the catalyst metal is supported on the carrier layer later, or the catalyst metal is supported on the carrier layer. The slurry is mixed with the slurry to be formed, and this slurry is coated on the surface of the carrier film.
[0031]
First, a metal carrier is formed into a predetermined shape. That is, a metal plate made of a foil-like or sheet-like iron-based metal is processed to form a catalyst carrier.
[0032]
Subsequently, a carrier film is formed on the surface of the formed metal carrier. Here, the formation of the carrier film using the brazing material is preferably performed by heating the surface of the metal carrier in a state where the brazing material is disposed. Note that the heating is preferably performed in a vacuum atmosphere. Heating in a vacuum atmosphere prevents the surrounding atmospheric gas element from being included in the formed film. Further, the heating temperature at this time is preferably a temperature at which the brazing material can be melted.
[0033]
Thereafter, a support layer is formed on the surface of the carrier coating, and a catalyst metal is supported on the support layer. As a method for forming the support layer on the surface of the support film, a method used in a general method for producing a catalyst support can be used. That is, it is produced by preparing a slurry of a heat-resistant inorganic oxide that forms a support layer, applying the slurry to the surface of a carrier coating, drying and firing.
[0034]
The catalyst metal is supported on the support layer by immersing the catalyst carrier on which the support layer is formed in a solution containing the catalyst metal. The catalyst carrier supplied with the catalyst metal to the support layer is dried and fired to become an exhaust gas purifying catalyst. The catalyst metal is supported by a mixed slurry obtained by mixing a catalyst metal with a refractory inorganic oxide slurry forming a support layer, and the support layer having the catalyst metal is coated on the surface of the carrier film. You may use the method of forming.
[0035]
In the exhaust gas purifying metal carrier catalyst of the present invention, since the carrier film is formed between the carrier layer and the catalyst metal and the metal carrier, the metal carrier is not corroded by the active action of the catalyst metal. Since the metal carrier is not corroded, the catalytic performance of the exhaust gas-purifying metal carrier catalyst is not lowered, and the life becomes long. Moreover, the metal carrier catalyst for exhaust gas purification of the present invention has an effect that an inexpensive steel material such as a general steel material can be used as the material of the metal carrier. That is, since the active action of the catalyst metal is suppressed by the support film, the metal support is not required to have characteristics such as oxidation resistance.
[0036]
The metal carrier catalyst for exhaust gas purification of the present invention is particularly useful in motorcycles and the like in which exhaust gas in an oxidizing atmosphere is easily discharged because of its excellent oxidation resistance.
[0037]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described using examples.
[0038]
As an example of the present invention, a catalyst was produced using a pipe-shaped metal carrier made of an iron-based metal.
[0039]
Example 1
Example 1 is a pipe-shaped metal carrier 1, a carrier film 2 made of a brazed brazing material covering the inner peripheral surface of the pipe-shaped metal carrier 1, and a support layer formed on the surface of the carrier film 2. 3 and a catalyst metal supported on the support layer 3. The cross section of the pipe catalyst of Example 1 is shown in FIG.
[0040]
Here, a pipe made of SPCC (cold rolled steel plate) having a thickness of 1.5 mm, an inner diameter of 30 mm, and a capacity of 100 l was used as the metal carrier. Here, the capacity of the pipe indicates the volume of the internal space of the pipe. This pipe was used by cutting a commercially available SPCC pipe into a predetermined length.
[0041]
Further, the brazing material for forming the carrier film was a brazing material mainly composed of Ni and made of Cr 18 wt% and Si 10 wt%.
[0042]
The support layer was formed of a heat-resistant inorganic oxide mainly composed of activated alumina, and the support thickness was 30 μm. Further, the catalyst metal was loaded with Pt and Rh at loadings of 5 wt% and 1 wt%, respectively.
[0043]
The pipe catalyst of Example 1 was produced by the following means.
[0044]
A brazing material is applied to the inner peripheral surface of a metal carrier made of SPCC so as to have a thickness of 10 to 100 μm. In this state, the brazing material is held at 1200 ° C. for 1 hour in a vacuum atmosphere, and the carrier is supported on the surface of the metal carrier. A film was formed.
[0045]
Subsequently, activated alumina, binder, and water were weighed to a predetermined amount, and a slurry in which these were uniformly mixed was prepared. The prepared slurry was coated on a metal carrier and dried. Subsequently, the dried slurry coat carrier was impregnated with the catalyst metal solution, and the noble metal was adhered to the support layer. Thereafter, this coated carrier was produced by baking at 250 ° C. for 1 hour.
[0046]
(Example 2)
Example 2 is a pipe catalyst similar to Example 1 except that the metal carrier is formed of SUS304. Further, the production method of the pipe catalyst of Example 2 was the same as the means of Example 1.
[0047]
(Example 3)
Example 3 is a pipe catalyst similar to Example 1 except that the metal carrier is formed of SUS436L. Further, the production method of the pipe catalyst of Example 3 was the same as the means of Example 1.
[0048]
Example 4
In Example 4, a punched pipe was used as a metal carrier, and a catalyst component was added to the outer peripheral surface and the inner peripheral surface of the punched pipe.
[0049]
Specifically, a pipe made of SUS304, having a thickness of 1.0 mm, an inner diameter of 25 mm, and a capacity of 150 l was used as the catalyst carrier. In addition, the punching holes are formed in a zigzag pattern with a hole of φ3 mm at intervals of 6 mm.
[0050]
Further, the brazing material for forming the carrier film was a brazing material mainly composed of Ni and composed of Cr 6 wt% and Si 4 wt%.
[0051]
In the catalyst of Example 4, a punched pipe is used as a metal carrier, a carrier coating is applied to the surface of the punching pipe, and catalyst components are formed on the carrier coating surfaces on the inner peripheral surface side and the outer peripheral surface side of the punching pipe. Manufactured.
[0052]
In the catalyst of Example 4, when the carrier film was formed on the surface of the punching pipe, the coating thickness of the brazing material was set to 50 to 200 μm and held at 1000 ° C. for 1 hour to form the carrier film on the surface of the metal carrier. .
[0053]
The same slurry as that prepared in Examples 1 to 3 was applied to the inner and outer peripheral surfaces of the punching pipe on which the carrier film was formed, and dried to form a carrier layer. Subsequently, the support layer was impregnated with a catalyst metal solution prepared in the same manner as in Examples 1 to 3, and then calcined at 250 ° C. for 1 hour.
[0054]
(Comparative Example 1)
Comparative Example 1 is a pipe catalyst similar to the pipe catalyst of Example 2 except that no support coating is formed between the metal support and the support layer. Specifically, this is a pipe catalyst in which a support layer and a catalytic metal are directly applied to the inner peripheral surface of the metal carrier pipe used in Example 2.
[0055]
In the production of the pipe catalyst of Comparative Example 1, a supporting layer is formed directly on the inner peripheral surface of the pipe used in Example 2, and the catalyst metal is supported on this supporting layer. Here, the formation of the support layer and the support layer supported on the catalyst metal were performed using the same material as the method used in Example 2.
[0056]
(Comparative Example 2)
Comparative Example 2 is a pipe catalyst in which a brazing material layer is formed on the surface of a metal carrier, and a support layer and a catalytic metal are added to the surface of the brazing material layer. The brazing material layer is merely in contact with the surface of the metal carrier, and is not brazed to the surface of the metal carrier.
[0057]
In the production of the pipe catalyst of Comparative Example 2, first, a brazing material is applied to the inner peripheral surface of the pipe used in Example 2 to a thickness of 10 to 100 μm, and in this state, the air is used in an air atmosphere 250 using a dryer. Hold for 1 hour at ° C. By this holding, the binder component contained in the brazing material is evaporated, and the metal component remains on the surface of the pipe. At this time, the metal component in the brazing material adheres to the surface of the pipe in the form of particles on the surface of the pipe.
[0058]
Subsequently, a support layer was formed on the inner peripheral surface of the metal carrier pipe on which the brazing material layer was formed, and then a catalyst metal was supported.
[0059]
(Evaluation)
As an evaluation of the examples, the catalyst is placed in a furnace maintained at a high temperature, and after performing an endurance test in which two kinds of test gases are alternately introduced into the furnace, an evaluation for confirming the state of the catalyst is performed. A test was conducted.
[0060]
Specifically, a catalyst is placed inside a furnace whose internal temperature is maintained at 900 ° C., and the atmosphere in the furnace is changed to a gas composed of 10% H 2 O, 1% O 2 and N 2 and 10% The introduction of H 2 O, 1% CO, and a gas composed of N 2 balance alternately every 60 seconds was repeated for 5 hours. Thereafter, the state of the catalyst was observed, and the state was evaluated.
[0061]
The results of this evaluation are shown in Table 1. In Table 1, “O” in the evaluation of oxidation resistance indicates no intrusion of the metal oxide into the supporting layer, “Δ” indicates a state in which the intrusion of the metal oxide into the supporting layer is partially observed, and “×” indicates The metal oxide covered the surface of the support layer. In the evaluation of peel resistance, “◯” indicates that the carrier layer is not peeled, and “x” indicates that the carrier layer is peeled.
[0062]
[Table 1]
Figure 0004531169
[0063]
From Table 1, the catalysts of Examples 1 to 4 are excellent in oxidation resistance. Furthermore, since no peeling of the carrier layer was observed, the metal carrier was not corroded. In Comparative Example 1, the evaluation of the oxidation resistance was poor, the metal carrier was corroded, and the carrier layer was peeled off. In Comparative Example 2, the metal carrier was slightly oxidized, and the carrier layer was somewhat peeled off.
[0064]
That is, since the catalysts of Examples 1 to 4 were excellent in oxidation resistance, the metal carrier was not corroded, and the support layer was not peeled off due to the metal carrier being corroded.
[0065]
In Comparative Example 1, the support layer is formed on the surface of the metal carrier, the oxidizing substance can contact the metal carrier, the metal carrier is easily oxidized and corroded, and the support layer is peeled off. In Comparative Example 2, the brazing material layer formed on the surface of the metal carrier prevents the oxidizing substance from coming into contact with the metal carrier, but cannot be completely blocked, and the oxidation resistance is slightly inferior.
[0066]
【The invention's effect】
The metal carrier catalyst for exhaust gas purification of the present invention forms a carrier film on the surface of a metal carrier made of an iron-based metal, and provides a carrier layer and a catalytic metal on the surface of the carrier film. For this reason, the catalyst metal does not come into direct contact with the metal support, and corrosion of the metal support due to the active action of the catalyst metal is suppressed. As a result, peeling of the carrier layer due to corrosion of the metal carrier does not occur, and the life as a metal carrier catalyst for exhaust gas purification is increased. Further, since the metal carrier does not come into contact with the catalyst component, the metal carrier material does not require characteristics such as oxidation resistance, and an inexpensive material such as a general steel material can be used.
[Brief description of the drawings]
1 is a diagram showing a pipe catalyst of Example 1. FIG.
[Explanation of symbols]
1 ... Metal carrier 2 ... Carrier coating 3 ... Carrier layer

Claims (2)

鉄系金属箔あるいは鉄系金属シートにより形成された金属担体と、Niを50〜97wt%で含有し、該金属担体の表面を被覆して該金属担体が酸化されることを防止する担体被膜と、該担体被膜の表面に形成された担持層と、該担持層に担持された触媒金属と、からなり、
該金属担体の表面にロウ材を配置した状態で、該ロウ材が溶融する温度に加熱して該担体被膜を形成する工程と、
該担体被膜の表面に該担持層を形成する工程と、
該担持層に該触媒金属を担持する工程と、
を施してなることを特徴とする排ガス浄化用金属担体触媒。
A metal carrier formed of an iron-based metal foil or an iron-based metal sheet , and a carrier coating containing Ni at 50 to 97 wt% and covering the surface of the metal carrier to prevent the metal carrier from being oxidized. A support layer formed on the surface of the support film, and a catalyst metal supported on the support layer,
Forming a carrier film by heating to a temperature at which the brazing material melts in a state in which the brazing material is disposed on the surface of the metal carrier;
Forming the carrier layer on the surface of the carrier coating;
Supporting the catalyst metal on the support layer;
A metal carrier catalyst for purifying exhaust gas, wherein
前記担体被膜は、更に、CrおよびSiを有する被膜である請求項1記載の排ガス浄化用金属担体触媒。The metal carrier catalyst for exhaust gas purification according to claim 1, wherein the carrier coating is a coating further comprising Cr and Si .
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