JP4514900B2 - Shock absorber of hydraulic striking device - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロッドやチゼル等の工具に打撃を与えて岩盤等の破砕を行う、さく岩機やブレーカ等の油圧打撃装置の緩衝機構に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のさく岩機として、例えば、図2に示すさく岩機が知られている(特開平9- 109064号公報参照)。
このさく岩機は、さく岩機本体1の前端部にシャンクロッド2が装着され、このシャンクロッド2の前端には、さく孔用のビット6を前端に取り付けたロッド4がスリーブ5で連結されている。そして、さく岩機の打撃機構3の打撃ピストン7がシャンクロッド2を打撃すると、その打撃エネルギーはシャンクロッド2からロッド4を経てビット6に伝達され、ビット6が岩盤Rを打撃して破砕する。
【0003】
このとき、岩盤Rからの反射エネルギーErは、ビット6からロッド4、シャンクロッド2を経てさく岩機本体1に伝達され、この反射エネルギーErによってさく岩機本体1は一旦後退する。それから、さく岩機本体1は送り機構(図示略)の推力により1打撃による破砕長分だけもとの位置よりさらに前進したところで、打撃機構3が次の打撃を行う。この行程を繰り返すことにより、さく孔作業が行われる。
【0004】
従来のさく岩機本体1には、図5に示すように、チャック8を介してシャンクロッド2に回転を与えるチャックドライバ9が備えられており、このチャックドライバ9にはシャンクロッド2の大径部後端2aに当接するチャックドライバブッシュ10が装着されている。このチャックドライバブッシュ10の後側には、フロントダンピングピストン21とリヤダンピングピストン22とが配設され緩衝機構を構成している。
【0005】
このリヤダンピングピストン22は、円筒状のピストンでその外側と内側とを連通させる油路23を備えており、さく岩機本体1に設けられている中央段部1cと後方段部1bとの間で摺動可能に装着されている。リヤダンピングピストン22は、さく岩機本体1の内径摺動面との間に形成されるリヤダンピングピストン油室24の油圧で前方への推力が与えられる。また、フロントダンピングピストン21は、前端部外径を大径、その後方の外径を小径とする円筒状のピストンであり、小径の部分がリヤダンピングピストン22の内側に前後方向に摺動可能に装着され、大径の部分により、さく岩機本体1に設けられている前方段部1aとリヤダンピングピストン22の前端面22aとの間で前後の移動範囲を規制している。フロントダンピングピストン21の小径部分の外周とリヤダンピングピストン22の内周との間には、フロントダンピングピストン油室25が形成されており、その油圧でフロントダンピングピストン21に前方への推力が与えられる。
【0006】
フロントダンピングピストン油室25はリヤダンピングピストン油室24と油路23で連通しており、リヤダンピングピストン油室24は緩衝用のアキュムレータ26に連通している。フロントダンピングピストン21には、フロントダンピングピストン油室25における受圧面積と油圧の積で求められる推力F21が作用し、同様にリヤダンピングピストン22には、リヤダンピングピストン油室24における受圧面積と油圧の積で求められる推力F22が作用する。
【0007】
一方、さく岩機本体1には、常時F1の推力が与えられており、この推力は岩盤Rからビット6、ロッド4、シャンクロッド2、及びチャックドライバブッシュ10を経てフロントダンピングピストン21、リヤダンピングピストン22に反力として伝達されている。
ここで、フロントダンピングピストン21に作用する推力F21及びリダンピングピストン22に作用する推力F22は、さく岩機本体1に作用する推力F1に対して、F21<F1<F22の関係となるように設定されている。このため、フロントダンピングピストン21とリヤダンピングピストン22とは当接し、リヤダンピングピストン22の前端面22aがさく岩機本体1の中央段部1cと当接する打撃基準位置(図5に示す位置)に停止する。
【0008】
この打撃基準位置において打撃機構3の打撃ピストン7がシャンクロッド2を打撃すると、その打撃エネルギーはシャンクロッド2からロッド4を経てビット6に伝達され、ビット6が破砕対象である岩盤Rを打撃して破砕する。このときの岩盤Rからの反射エネルギーErは、ビット6からロッド4、シャンクロッド2、チャックドライバブッシュ10を経てフロントダンピングピストン21及びリヤダンピングピストン22に伝達され、リヤダンピングピストン22はリヤダンピングピストン油室24の油圧により緩衝されながらフロントダンピングピストン21と共に後端面が後方段部1bに当接するまで後退し、反射エネルギーErがさく岩機本体1に伝達される。
【0009】
このように、シャンクロッド2からチャックドライバブッシュ10に伝達される反射エネルギーErは、フロントダンピングピストン21及びリヤダンピングピストン22の後退により緩衝されるので、さく岩機本体1、ビット6、ロッド4、及びシャンクロッド2の損傷を少なくすることができる。
さく岩機本体1に伝達された反射エネルギーErによってさく岩機本体1は一旦後退するが、その後、リヤダンピングピストン22は、リヤダンピングピストン油室24により与えられる推力F22がさく岩機本体1に与えられる推力F1よりも大きいことから、フロントダンピングピストン21、チャックドライバブッシュ10、及びシャンクロッド2を押し戻して前端面22aがさく岩機本体1の中央段部1cと当接する打撃基準位置まで前進して停止する。
【0010】
ここで、さく岩機本体1の質量は、フロントダンピングピストン21、チャックドライバブッシュ10、シャンクロッド2、スリーブ5、ロッド4、及びビット6の合計の質量の10倍〜30倍であるのに対し、さく岩機本体1の推力F1はフロントダンピングピストン21の推力F21の2倍程度しかないため、かかるフロントダンピングピストン21等の部材には質量に比して大きな推力が与えられていることになり、移動速度という面からみるとフロントダンピングピストン21等の部材はさく岩機本体1よりも速いことになる。
【0011】
ビット6と岩盤Rとの密着が不完全な状態では、さく岩機本体1の推力F1は岩盤Rに十分に伝達されていないので、ビット6からロッド4、スリーブ5、シャンクロッド2、チャックドライバブッシュ10、及びフロントダンピングピストン21へはF1よりもはるかに小さい反力が伝達される。従って、フロントダンピングピストン21はリヤダンピングピストン22から離れ、チャックドライバブッシュ10、シャンクロッド2を押してビット6が岩盤Rに接するまで、さく岩機本体1が前進するより速やかに前進して空打ち状態を防止する。
【0012】
これに続いて、さく岩機本体1がその推力F1により前進する。ビット6が岩盤Rに接した後は、さく岩機本体1の推力F1がフロントダンピングピストン21の推力F21よりも大きいので、フロントダンピングピストン21はリヤダンピングピストン22に当接するまで押し戻される。
このように、ダンピングピストンが打撃基準位置より後退して反射エネルギーを緩衝し、さく岩機本体1よりも速やかに前進して工具を岩盤へ常に密着させるように作用することをフローティングダンパ作用という。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この従来のさく岩機の緩衝機構にあっては、さく岩機本体1内にフロントダンピングピストン21及びリヤダンピングピストン22の2つのダンピングピストンを配設してあり、さく岩機自体が大きくなって重量が増加してしまい、また、部品点数が多いことによるコストの増加という問題がある。
【0014】
また、フロントダンピングピストン21が打撃基準位置を大きく超えて前進した状態でビット6から大きな反射エネルギー(F1よりも大きい反射エネルギー)が伝達されてくる場合には、まず、フロントダンピングピストン21がチャックドライバブッシュ10により押圧されて打撃基準位置まで後退してリヤダンピングピストン22と当接し、そして、フロントダンピングピストン21がリヤダンピングピストン22と共に後退することにより初めて緩衝される。このため、緩衝作用においてフロントダンピングピストン21単独の後退時間分の応答遅れが生じてしまうという問題がある。
【0015】
従って、本発明は、さく岩機等の油圧打撃装置における上述の問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、フローティングダンパ作用を単体のダンピングピストンで実現することにより、装置の小型化及びコストの低減を図り、緩衝作用における応答性を向上させることができる油圧打撃装置の緩衝機構を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するため、本発明のうち請求項1に係る油圧打撃装置の緩衝機構は、工具を打撃する打撃機構と、前記工具に破砕対象側への推力を伝達する伝達部材と、該伝達部材の後方に緩衝機構とを備えた油圧打撃装置において、前記緩衝機構が、装置本体内に摺嵌された、前方に大径部、後方に小径部、及び前記大径部と前記小径部との間に該小径部よりも径の小さな縮径部を有するダンピングピストンと、前記装置本体の内径摺動面と前記ダンピングピストンの前記縮径部とによって形成される油圧室と、該油圧室の前方の前記装置本体の内径摺動面にシール長を隔てて設けられたドレン通路と、前記油圧室の後方の前記装置本体の内径摺動面にシール長を隔てて設けられた給圧通路とを具備することを特徴としている。
【0017】
工具を打撃機構によって打撃する打撃基準位置においては、ダンピングピストンに与えられる前方への推力は、ダンピングピストンに反力として作用する油圧打撃装置の装置本体の推力と等しく設定されている。即ち、油圧室の前後のシール長を調整することによって油圧室への圧油の流入量及び油圧室からの圧油の流出量を調整し、これにより、油圧室内の油圧を調整し、油圧室内の油圧と受圧面積との積によって求められるダンピングピストンに与えられる前方への推力を、破砕対象から工具、伝達部材を介してダンピングピストンに反力として作用する装置本体の推力と等しく設定している。
【0018】
この打撃基準位置において、打撃機構によって工具を打撃すると、その打撃エネルギーにより工具が破砕対象を破砕する。このときの破砕対象からの瞬間的に発生される反射エネルギーは打撃反力となり、装置本体の推力の反力と合算されて、工具及び伝達部材を経てダンピングピストンに伝達され、ダンピングピストンは油圧室の油圧により緩衝されながら後退し、反射エネルギーが装置本体に伝達される。ダンピングピストンが打撃基準位置から後退すると、ドレン通路側のシール長は増大し、逆に給圧通路側のシール長は減少し、油圧室内では圧油の流入量が増大し流出量が減少して油圧が高くなる。油圧室の油圧が高くなると、ダンピングピストンに与えられる前方への推力が増大し、その推力が前述した打撃反力と装置本体の推力の反力との合算値と釣り合うと、ダンピングピストンは後退を停止する。
【0019】
打撃反力がダンピングピストンの後退によって緩衝され、装置本体の推力のみが反力として伝達部材に作用するようになると、ダンピングピストンに作用する前方への推力が、反力として作用する装置本体の推力よりも大きくなっているため、ダンピングピストンは、伝達部材及び工具を押し戻して前進する。ダンピングピストンが前進すると、ドレン通路側のシール長は減少し、逆に給圧通路側のシール長は増大する。これにより、油圧室内では、圧油の流入量が減少し流出量が増大して油圧が低くなる。油圧室内の油圧が低くなると、ダンピングピストンに作用する前方への推力が減少し、反力として作用する装置本体の推力と釣り合う位置、即ち打撃基準位置でダンピングピストンは停止する。この状態で次の打撃を待つことになる。
【0020】
装置本体の前進運動の速度が不足したり、破砕対象の状態が悪いと、破砕対象と工具との密着が不完全になる。破砕対象と工具との密着が不完全になると、装置本体の推力は破砕対象に十分に伝達されていないので、工具及び伝達部材を経てダンピングピストンに伝達される反力は、通常よりも小さくなる。このときには、ダンピングピストンは、打撃基準位置から前進する。ダンピングピストンが前進すると、ドレン通路側のシール長は減少し、逆に給圧通路側のシール長は増大するので、油圧室内では、圧油の流入量が減少し流出量が増大して油圧が低くなる。油圧室内の油圧が低くなると、ダンピングピストンの前方への推力が減少し、前述の小さい反力と釣り合う位置でダンピングピストンは停止する。
【0021】
この状態で打撃機構が打撃を行うと、工具が伝達部材を介してダンピングピストンによって打撃基準位置を超えて前進しているので、打撃機構が減速域となっていて、打撃力の小さい軽打撃となる。ここで、ダンピングピストンは打撃基準位置よりも前進しているが、油圧室がシール長を介して閉ざされた状態を維持しているので、破砕対象から工具及び伝達部材を介して伝達される反射エネルギーは、即座に緩衝される。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態を示すさく岩機の緩衝機構の縦断面図、図2はさく岩機の基本的構成の説明図、図3はダンピングピストンが後死点にある状態の緩衝機構の作動の説明図、図4はダンピングピストンが前死点にある状態の緩衝機構の作動の説明図である。
【0023】
さく岩機の基本的構成は、従来のさく岩機と同様であり、図2に示すように、さく岩機本体1の前端部にシャンクロッド2が装着され、その後方にシャンクロッド2に打撃を与える打撃機構3が設けられている。シャンクロッド2の前端には、さく孔用のビット6を前端に取り付けたロッド4がスリーブ5で連結されている。ビット6、ロッド4、スリーブ5、及びシャンクロッド2で工具を構成する。
【0024】
ここで、さく岩機本体1には、図1に示すように、チャック8を介してシャンクロッド2に回転を与えるチャックドライバ9が備えられており、このチャックドライバ9にはシャンクロッド2の大径部後端2aに当接する伝達部材としてのチャックドライバブッシュ10が装着されている。このチャックドライバブッシュ10の後方には、緩衝機構を構成するダンピングピストン11が備えられている。
【0025】
ダンピングピストン11は、円筒状のピストンで、前方に外径がφDの大径部11a、後方に外径がφdの小径部11b、及び大径部11aと小径部11bとの間に小径部11bよりも外径の小さな縮径部11cを有する。そして、ダンピングピストン11は、さく岩機本体1の内径に形成された前方段部11aと後方段部11bとの間で前後方向に摺動可能に装着されている。
【0026】
さく岩機本体1の内径摺動面とダンピングピストン11の縮径部11cとの間には、油圧室13が形成され、ダンピングピストン11は油圧室13の油圧で前方への推力が与えられる。そして、さく岩機本体1の内径摺動面には、油圧室13を挟んで前方にシール長S1を隔ててドレン通路15が、後方にシール長S2を隔てて油圧通路14が設けられている。油圧通路14は、油圧源12に連通している。油圧源12からの圧油は、給圧通路7及びシール長S2を介して油圧室13内に流入し、シール長S1を介してドレン通路15へ排出するようになっている。この際に、圧油の流入量と流出量との差し引き分の圧力P1が油圧室13内で発生する。油圧源12からの油圧をP2とすると、P1<P2となる。
【0027】
油圧室13の受圧面積Aはダンピングピストン11の大径部11aの外径がφDであり、小径部11bの外径がφdであることから、次の(1)式で表される。
【0028】
【数1】

Figure 0004514900
【0029】
そして、ダンピングピストン11に与えられる推力F11は、油圧室13の圧力P1と受圧面積Aとの積であり、上述の(1)式を考慮すると、次の(2)式で表される。
【0030】
【数2】
Figure 0004514900
【0031】
そして、このダンピングピストン11に与えられる推力F11は、さく岩機本体1に公知の送り機構によって与えられる推力をF1とすると、ダンピングピストン11が打撃基準位置(図1に示す位置)に停止した状態で、F11=F1となるように設定されている。
ダンピングピストン11が打撃基準位置から後退すると、シール長S2は減少して油圧源12から給圧通路14を経て油圧室13内に流入する圧油の流量は増加し、逆にシール長S1は増加して油圧室13からドレン通路15へ流出する圧油の流量は減少する。これにより、油圧室13内の油圧は増加してP1' >P1となるため、ダンピングピストン11に与えられる前方への推力F11' は次の(3)式に示すように増加する。
【0032】
【数3】
Figure 0004514900
【0033】
さらに、図3に示すように、ダンピングピストン11が後退しダンピングピストン11の後端面11eが後方段部1bに当接すると、シール長S2は0以下となり、油圧源12からの圧油の全量が油圧室13内に流入し、逆にシール長S1はさらに増加して油圧室13からドレン通路15へ流出する圧油の流量はさらに減少する。これにより、油圧室13内の油圧は増加してP1''≒P2>P1' となるため、ダンピングピストン11に与えられる前方への推力F11''は次の(4)式に示すように最大となる。
【0034】
【数4】
Figure 0004514900
【0035】
一方、ダンピングピストン11が打撃基準位置から前進すると、シール長S2は増加して油圧源12から給圧通路14を経て油圧室13内に流入する圧油の流量は減少し、逆にシール長S1は減少して油圧室13からドレン通路15へ流出する圧油の流量は増加する。これにより、油圧室13内の油圧は減少してP1''' <P1となるため、ダンピングピストン11に与えられる前方への推力F11''' は次の(5)式に示すように減少する。
【0036】
【数5】
Figure 0004514900
【0037】
さらに、図4に示すように、ダンピングピストン11が前進しダンピングピストン11の前端面11dが前方段部1aに当接すると、シール長S1は0以下となり、油圧室13とドレン通路15とが連通し油圧室13内の油圧は減少してP1''''≒0となる。このため、ダンピングピストン11に与えられる前方への推力F11''''はF11''''≒0になり、最小となる。
【0038】
次に、さく孔作業について説明する。
さく孔作業の際に、打撃基準位置において打撃機構3の打撃ピストン7がシャンクロッド2を打撃すると、その打撃エネルギーはシャンクロッド2からロッド4を経てビット6に伝達され、ビット6が破砕対象である岩盤Rを打撃して破砕する。このときの岩盤Rからの瞬間的に発生される反射エネルギーErは打撃反力F2となり、さく岩機本体1の推力F1の反力と合算されて、ビット6からロッド4、シャンクロッド2、チャックドライバブッシュ10を経てダンピングピストン11に伝達され、ダンピングピストン11は油圧室13の油圧により緩衝されながら後退し、反射エネルギーがさく岩機本体1に伝達される。
【0039】
このように、シャンクロッド2からチャックドライバブッシュ10に伝達される反射エネルギーErは、ダンピングピストン11の後退により緩衝されるので、さく岩機本体1及びビット6、ロッド4、シャンクロッド2の損傷が少なくなる。
さく岩機本体1に伝達された反射エネルギーによってさく岩機本体1は、一旦後退するが、瞬間的に発生する打撃反力F2が減少して、チャックドライバブッシュ10に作用する反力としてはさく岩機本体1に与えられる推力F1の反力のみとなる。一方、ダンピングピストン11の後退に伴って油圧室13内の油圧はP1からP1' (又はP1'')に増加し、この油圧P1' (又はP1'')よるダンピングピストン11に作用する前方への推力F11' (又はF11'')がさく岩機本体1に与えられる推力F1の反力よりも大きくなる。このため、ダンピングピストン11は、チャックドライバブッシュ10、シャンクロッド2を押し戻して打撃基準位置まで前進し、ダンピングピストン11に作用する前方への推力がF11となってさく岩機本体1に与えられる推力F1の反力と等しくなり、ダンピングピストン11は停止する。この間、さく岩機本体1は、送り機構によって1打撃による岩盤Rの破砕長分だけ前進し、ビット6が岩盤Rに接する。ビット6が岩盤Rに接すると、さく岩機本体1の推力F1がビット6から反力としてダンピングピストン11に伝達され、ダンピングピストン11は、ダンピングピストン11に作用する前方への推力F11がさく岩機本体1の推力F1と等しくなる位置即ち打撃基準位置に保持され、次の打撃を待つ状態となる。その後、打撃ピストン7が次の打撃を行う。この行程を繰り返すことにより、さく孔作業が行われる。
【0040】
次の打撃までの間に、さく岩機本体1の前進運動の速度が不足したり、岩盤Rの状態が悪い(破砕帯等)と、岩盤Rとビット6との密着が不完全になる。岩盤Rとビット6との密着が不完全になると、さく岩機本体1の推力F1は岩盤Rに十分に伝達されていないので、ビット6からロッド4、スリーブ5、シャンクロッド2、チャックドライバブッシュ10、及びダンピングピストン11へはF1よりもはるかに小さい反力F1' が伝達される。このときには、ダンピングピストン11は、打撃基準位置から前進し、反力F1' とダンピングピストン11に与えられる前方への推力F11''' とが等しくなる位置で停止する。
【0041】
この状態で打撃ピストン7が次の打撃を行うと、シャンクロッド2がダンピングピストン11によって打撃基準位置を超えて前進しているので、打撃ピストン7が減速域となっていて、打撃力の小さい軽打撃となる。このため、シャンクロッド2、ロッド4、ビット6から岩盤Rに伝達される打撃エネルギーが小さくなり、その一方、岩盤Rからビット6、ロッド4、シャンクロッド2、及びチャックドライバブッシュ10に伝達される反射エネルギーも小さくなる。しかし、軽打撃とはいえ空打ち状態に近いため、この反射エネルギーを速やかに緩衝することが望ましい。ここで、ダンピングピストン11は打撃基準位置よりも前進しているが、油圧室13がシール長を介して閉ざされた状態を維持しているので、かかる反射エネルギーは、即座に緩衝される。仮に、油圧室13がドレン通路15と連通していても、ダンピングピストン11が瞬間的に後退すると油圧室13は閉じた状態となり、反射エネルギーは緩衝される。
【0042】
以上のように、さく岩機よるさく孔作業において、フローティングダンパ作用を単体のダンピングピストン11で実現できるので、さく岩機自体の小型化及び部品点数の削減によるコストの低下を図ることができる。
また、フローティングダンパ作用を単体のダンピングピストン11で実現できることで、従来の緩衝機構と比較して緩衝作用の応答性を向上させることができる。
【0043】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のうち請求項1に係る油圧打撃装置の緩衝機構によれば、緩衝機構が、装置本体内に摺嵌された、前方に大径部、後方に小径部、及び前記大径部と前記小径部との間に該小径部よりも径の小さな縮径部を有するダンピングピストンと、前記装置本体の内径摺動面と前記ダンピングピストンの前記縮径部とによって形成される油圧室と、該油圧室の前方の前記装置本体の内径摺動面にシール長を隔てて設けられたドレン通路と、前記油圧室の後方の前記装置本体の内径摺動面にシール長を隔てて設けられた給圧通路とを具備するので、フローティングダンパ作用を単体のダンピングピストンで実現でき、油圧打撃装置自体の小型化及び部品点数の削減によるコストの低下を図ることができる。また、フローティングダンパ作用を単体のダンピングピストンで実現できることで、従来の緩衝機構と比較して緩衝作用の応答性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態を示すさく岩機の緩衝機構の縦断面図である。
【図2】さく岩機の基本的構成の説明図である。
【図3】ダンピングピストンが後死点にある状態の緩衝機構の作動の説明図である。
【図4】ダンピングピストンが前死点にある状態の緩衝機構の作動の説明図である。
【図5】従来例のさく岩機の緩衝機構の縦断面図である。
【符号の説明】
1 さく岩機本体
2 シャンクロッド
2a 大径部後端
3 打撃機構
4 ロッド
5 スリーブ
6 ビット
7 打撃ピストン
8 チャック
9 チャックドライバ
10 チャックドライバブッシュ
11 ダンピングピストン
11a 大径部
11b 小径部
11c 縮径部
11d 前端面
11e 後端面
12 油圧源
13 油圧室
14 給圧通路
15 ドレン通路[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a shock absorbing mechanism for a hydraulic striking device such as a rock drill or a breaker, which strikes a tool such as a rod or chisel to crush a rock.
[0002]
[Prior art]
As a conventional rock drill, for example, the rock drill shown in FIG. 2 is known (see Japanese Patent Laid-Open No. 9-109064).
In this rock drill, a shank rod 2 is attached to the front end of the rock drill body 1, and a rod 4 having a drill bit 6 attached to the front end is connected to the front end of the shank rod 2 by a sleeve 5. ing. Then, when the striking piston 7 of the striking mechanism 3 of the rock drill strikes the shank rod 2, the striking energy is transmitted from the shank rod 2 through the rod 4 to the bit 6, and the bit 6 strikes and crushes the rock R. .
[0003]
At this time, the reflected energy Er from the rock mass R is transmitted from the bit 6 to the drilling machine main body 1 through the rod 4 and the shank rod 2, and the drilling machine main body 1 is temporarily retracted by this reflected energy Er. Then, when the rock drill main body 1 is further advanced from the original position by the crushing length by one stroke by the thrust of the feed mechanism (not shown), the striking mechanism 3 performs the next striking. By repeating this process, drilling is performed.
[0004]
As shown in FIG. 5, the conventional rock drill body 1 is provided with a chuck driver 9 that rotates the shank rod 2 via a chuck 8, and the chuck driver 9 has a large diameter of the shank rod 2. A chuck driver bush 10 that contacts the rear end 2a is mounted. A front damping piston 21 and a rear damping piston 22 are disposed on the rear side of the chuck driver bush 10 to constitute a buffer mechanism.
[0005]
The rear damping piston 22 is a cylindrical piston and includes an oil passage 23 that communicates the outside and the inside thereof. Between the central step 1c and the rear step 1b provided in the rock drill body 1 It is slidably mounted. The rear damping piston 22 is given a forward thrust by the hydraulic pressure of the rear damping piston oil chamber 24 formed between the rocker main body 1 and the inner diameter sliding surface. The front damping piston 21 is a cylindrical piston having a large front end outer diameter and a small rear outer diameter. The small diameter portion is slidable in the front-rear direction inside the rear damping piston 22. The front and rear moving range is regulated between the front step portion 1 a provided in the rock drill main body 1 and the front end face 22 a of the rear damping piston 22 by the large diameter portion. A front damping piston oil chamber 25 is formed between the outer periphery of the small-diameter portion of the front damping piston 21 and the inner periphery of the rear damping piston 22, and forward thrust is given to the front damping piston 21 by its hydraulic pressure. .
[0006]
The front damping piston oil chamber 25 communicates with the rear damping piston oil chamber 24 through an oil passage 23, and the rear damping piston oil chamber 24 communicates with a buffering accumulator 26. A thrust F21 obtained by the product of the pressure receiving area in the front damping piston oil chamber 25 and the hydraulic pressure acts on the front damping piston 21, and similarly, the pressure receiving area and the hydraulic pressure in the rear damping piston oil chamber 24 are applied to the rear damping piston 22. The thrust F22 calculated | required by a product acts.
[0007]
On the other hand, the rock drill main body 1 is always given a thrust of F1, and this thrust passes from the rock mass R through the bit 6, the rod 4, the shank rod 2, and the chuck driver bush 10 to the front damping piston 21 and the rear damping. It is transmitted to the piston 22 as a reaction force.
Here, the thrust F21 acting on the front damping piston 21 and the thrust F22 acting on the redamping piston 22 are set such that F21 <F1 <F22 with respect to the thrust F1 acting on the rock drill main body 1. Has been. For this reason, the front damping piston 21 and the rear damping piston 22 are in contact with each other, and the front end face 22a of the rear damping piston 22 is in the striking reference position (position shown in FIG. 5) in contact with the central step portion 1c of the rock machine body 1. Stop.
[0008]
When the striking piston 7 of the striking mechanism 3 strikes the shank rod 2 at this striking reference position, the striking energy is transmitted from the shank rod 2 to the bit 6 via the rod 4, and the bit 6 strikes the rock R to be crushed. Crush. The reflected energy Er from the rock mass R at this time is transmitted from the bit 6 to the front damping piston 21 and the rear damping piston 22 through the rod 4, the shank rod 2, and the chuck driver bush 10, and the rear damping piston 22 is rear damping piston oil. While being buffered by the hydraulic pressure of the chamber 24, the front end with the front damping piston 21 moves backward until the rear end surface comes into contact with the rear step portion 1 b, and the reflected energy Er is transmitted to the rock drill body 1.
[0009]
Thus, the reflected energy Er transmitted from the shank rod 2 to the chuck driver bush 10 is buffered by the retraction of the front damping piston 21 and the rear damping piston 22, so that the rock drill body 1, the bit 6, the rod 4, And damage to the shank rod 2 can be reduced.
The rock drill main body 1 is temporarily retracted by the reflected energy Er transmitted to the rock drill main body 1, but after that, the rear damping piston 22 receives the thrust F22 given by the rear damping piston oil chamber 24 to the rock drill main body 1. Since it is larger than the applied thrust F1, the front damping piston 21, the chuck driver bush 10 and the shank rod 2 are pushed back, and the front end face 22a moves forward to the striking reference position where it contacts the central step 1c of the rock drill body 1. Stop.
[0010]
Here, the mass of the rock drill body 1 is 10 to 30 times the total mass of the front damping piston 21, the chuck driver bush 10, the shank rod 2, the sleeve 5, the rod 4, and the bit 6. Since the thrust F1 of the rock drill body 1 is only about twice the thrust F21 of the front damping piston 21, the member such as the front damping piston 21 is given a large thrust relative to the mass. From the viewpoint of moving speed, members such as the front damping piston 21 are faster than the rock drill body 1.
[0011]
When the contact between the bit 6 and the rock mass R is incomplete, the thrust F1 of the rock drill body 1 is not sufficiently transmitted to the rock mass R, so the rod 6, the sleeve 5, the shank rod 2, the chuck driver from the bit 6 A reaction force much smaller than F1 is transmitted to the bush 10 and the front damping piston 21. Accordingly, the front damping piston 21 moves away from the rear damping piston 22 and moves forward more quickly than the rock drill body 1 moves forward until the bit 6 comes into contact with the rock mass R by pushing the chuck driver bush 10 and the shank rod 2 and is in an empty state. To prevent.
[0012]
Following this, the rock drill main body 1 moves forward by the thrust F1. After the bit 6 comes into contact with the bedrock R, the thrust F1 of the rock drill body 1 is larger than the thrust F21 of the front damping piston 21, so that the front damping piston 21 is pushed back until it comes into contact with the rear damping piston 22.
In this manner, the action of the damping piston retreating from the striking reference position to buffer the reflected energy and moving forward more quickly than the rock drill main body 1 so that the tool is always brought into close contact with the rock mass is called a floating damper action.
[0013]
[Problems to be solved by the invention]
However, in this conventional rock drill cushioning mechanism, two damping pistons, a front damping piston 21 and a rear damping piston 22, are arranged in the rock drill body 1, and the rock drill itself is large. Thus, there is a problem that the weight increases and the cost increases due to the large number of parts.
[0014]
When large reflected energy (reflected energy greater than F1) is transmitted from the bit 6 in a state where the front damping piston 21 has advanced far beyond the impact reference position, first, the front damping piston 21 is the chuck driver. It is pressed by the bush 10 and retracted to the hitting reference position to come into contact with the rear damping piston 22 and is buffered only when the front damping piston 21 retracts together with the rear damping piston 22. For this reason, there is a problem that a response delay corresponding to the backward movement time of the front damping piston 21 occurs in the buffering action.
[0015]
Therefore, the present invention has been made to solve the above-mentioned problems in hydraulic hitting devices such as rock drills, and the object of the present invention is to realize the floating damper action by a single damping piston. An object of the present invention is to provide a shock absorbing mechanism for a hydraulic striking device capable of reducing the size and cost and improving the response in the shock absorbing action.
[0016]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-described problem, a shock absorbing mechanism of a hydraulic striking device according to claim 1 of the present invention includes a striking mechanism that strikes a tool, a transmission member that transmits thrust to the crushing target side to the tool, and the transmission In the hydraulic striking device provided with a shock absorbing mechanism at the rear of the member, the shock absorbing mechanism is slidably fitted into the device main body, the large diameter portion at the front, the small diameter portion at the rear, and the large diameter portion and the small diameter portion. A damping piston having a reduced diameter portion smaller in diameter than the small diameter portion, a hydraulic chamber formed by the inner diameter sliding surface of the apparatus main body and the reduced diameter portion of the damping piston, A drain passage provided on the inner diameter sliding surface of the apparatus main body in front of the apparatus main body with a seal length therebetween; and a pressure supply passage provided on the inner diameter sliding surface of the apparatus main body in the rear of the hydraulic chamber with a seal length therebetween. It is characterized by comprising.
[0017]
At the impact reference position where the tool is impacted by the impact mechanism, the forward thrust applied to the damping piston is set equal to the thrust of the main body of the hydraulic impact device acting as a reaction force on the damping piston. That is, by adjusting the seal length before and after the hydraulic chamber, the amount of pressure oil flowing into the hydraulic chamber and the amount of pressure oil flowing out of the hydraulic chamber are adjusted, thereby adjusting the hydraulic pressure in the hydraulic chamber, The forward thrust applied to the damping piston determined by the product of the hydraulic pressure and the pressure receiving area is set equal to the thrust of the device body acting as a reaction force on the damping piston from the object to be crushed through the tool and transmission member. .
[0018]
When the tool is struck by the striking mechanism at the striking reference position, the tool crushes the object to be crushed by the striking energy. The reflected energy generated instantaneously from the object to be crushed at this time becomes the impact reaction force, and is added to the reaction force of the thrust of the device body and transmitted to the damping piston through the tool and the transmission member. Retracted while being buffered by the hydraulic pressure, the reflected energy is transmitted to the apparatus main body. When the damping piston moves backward from the impact reference position, the seal length on the drain passage side increases, conversely, the seal length on the pressure supply passage side decreases, and the inflow amount of pressure oil increases and the outflow amount decreases in the hydraulic chamber. The hydraulic pressure increases. As the hydraulic pressure in the hydraulic chamber increases, the forward thrust applied to the damping piston increases, and when the thrust balances with the sum of the impact reaction force described above and the reaction force of the thrust of the device body, the damping piston moves backward. Stop.
[0019]
When the impact reaction force is buffered by the retraction of the damping piston and only the thrust of the device main body acts on the transmission member as the reaction force, the forward thrust acting on the damping piston acts as the reaction force on the device main body. Therefore, the damping piston advances by pushing back the transmission member and the tool. When the damping piston moves forward, the seal length on the drain passage side decreases, and conversely, the seal length on the pressure supply passage side increases. Thereby, in the hydraulic chamber, the inflow amount of pressure oil decreases, the outflow amount increases, and the oil pressure decreases. When the hydraulic pressure in the hydraulic chamber decreases, the forward thrust acting on the damping piston decreases, and the damping piston stops at a position balanced with the thrust of the apparatus main body acting as a reaction force, that is, the striking reference position. In this state, it will wait for the next blow.
[0020]
If the speed of the forward movement of the apparatus main body is insufficient or the state of the object to be crushed is poor, the contact between the object to be crushed and the tool becomes incomplete. When the contact between the object to be crushed and the tool is incomplete, the thrust of the apparatus body is not sufficiently transmitted to the object to be crushed, so the reaction force transmitted to the damping piston through the tool and the transmission member is smaller than usual. . At this time, the damping piston moves forward from the striking reference position. As the damping piston moves forward, the seal length on the drain passage side decreases, and conversely, the seal length on the pressure supply passage side increases, so in the hydraulic chamber, the inflow amount of pressure oil decreases, the outflow amount increases, and the hydraulic pressure increases. Lower. When the hydraulic pressure in the hydraulic chamber decreases, the thrust forward of the damping piston decreases, and the damping piston stops at a position that balances the small reaction force described above.
[0021]
When the striking mechanism strikes in this state, since the tool is advanced beyond the striking reference position by the damping piston via the transmission member, the striking mechanism is in the deceleration region, and the light striking force with a small striking force Become. Here, although the damping piston has advanced from the striking reference position, since the hydraulic chamber is kept closed via the seal length, the reflection transmitted from the object to be crushed through the tool and the transmission member. Energy is immediately buffered.
[0022]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Next, embodiments of the present invention will be described with reference to the drawings. FIG. 1 is a longitudinal sectional view of a buffer mechanism of a rock drill according to an embodiment of the present invention, FIG. 2 is an explanatory diagram of the basic configuration of the rock drill, and FIG. 3 is a buffer with a damping piston at the rear dead center. FIG. 4 is an explanatory view of the operation of the buffer mechanism in a state where the damping piston is at the front dead center.
[0023]
The basic configuration of the rock drill is the same as that of a conventional rock drill. As shown in FIG. 2, a shank rod 2 is mounted on the front end of the rock drill main body 1, and the shank rod 2 is hit behind it. A striking mechanism 3 is provided. A rod 4 having a drill bit 6 attached to the front end is connected to the front end of the shank rod 2 by a sleeve 5. The bit 6, the rod 4, the sleeve 5, and the shank rod 2 constitute a tool.
[0024]
Here, as shown in FIG. 1, the rock drill main body 1 is provided with a chuck driver 9 that rotates the shank rod 2 through a chuck 8, and the chuck driver 9 has a large size of the shank rod 2. A chuck driver bush 10 is mounted as a transmission member that contacts the rear end 2a of the diameter portion. A damping piston 11 constituting a buffer mechanism is provided behind the chuck driver bush 10.
[0025]
The damping piston 11 is a cylindrical piston, and has a large diameter portion 11a having an outer diameter of φD at the front, a small diameter portion 11b having an outer diameter of φd at the rear, and a small diameter portion 11b between the large diameter portion 11a and the small diameter portion 11b. It has a reduced diameter portion 11c having a smaller outer diameter. The damping piston 11 is slidably mounted in the front-rear direction between a front step portion 11a and a rear step portion 11b formed on the inner diameter of the rock drill body 1.
[0026]
A hydraulic chamber 13 is formed between the inner diameter sliding surface of the rock drill body 1 and the reduced diameter portion 11 c of the damping piston 11, and the damping piston 11 is given a forward thrust by the hydraulic pressure of the hydraulic chamber 13. Further, on the inner diameter sliding surface of the rock drill main body 1, a drain passage 15 is provided with a seal length S1 in front of the hydraulic chamber 13, and a hydraulic passage 14 is provided with a seal length S2 in the rear. . The hydraulic passage 14 communicates with the hydraulic source 12. The pressure oil from the hydraulic pressure source 12 flows into the hydraulic chamber 13 via the pressure supply passage 7 and the seal length S2, and is discharged to the drain passage 15 via the seal length S1. At this time, a pressure P <b> 1 corresponding to the difference between the inflow amount and the outflow amount of the pressure oil is generated in the hydraulic chamber 13. When the hydraulic pressure from the hydraulic pressure source 12 is P2, P1 <P2.
[0027]
The pressure receiving area A of the hydraulic chamber 13 is expressed by the following equation (1) because the outer diameter of the large diameter portion 11a of the damping piston 11 is φD and the outer diameter of the small diameter portion 11b is φd.
[0028]
[Expression 1]
Figure 0004514900
[0029]
The thrust F11 applied to the damping piston 11 is the product of the pressure P1 of the hydraulic chamber 13 and the pressure receiving area A, and is expressed by the following equation (2) when considering the above equation (1).
[0030]
[Expression 2]
Figure 0004514900
[0031]
The thrust F11 applied to the damping piston 11 is a state in which the damping piston 11 is stopped at the striking reference position (position shown in FIG. 1) when the thrust applied to the rock drill body 1 by a known feed mechanism is F1. Thus, F11 = F1 is set.
When the damping piston 11 moves backward from the striking reference position, the seal length S2 decreases, the flow rate of the pressure oil flowing into the hydraulic chamber 13 from the hydraulic source 12 through the supply pressure passage 14 increases, and conversely, the seal length S1 increases. Thus, the flow rate of the pressure oil flowing out from the hydraulic chamber 13 to the drain passage 15 decreases. As a result, the hydraulic pressure in the hydraulic chamber 13 increases and P1 ′> P1, so the forward thrust F11 ′ applied to the damping piston 11 increases as shown in the following equation (3).
[0032]
[Equation 3]
Figure 0004514900
[0033]
Further, as shown in FIG. 3, when the damping piston 11 is retracted and the rear end surface 11e of the damping piston 11 comes into contact with the rear step portion 1b, the seal length S2 becomes 0 or less, and the total amount of pressure oil from the hydraulic source 12 is reduced. On the contrary, the seal length S1 further increases and the flow rate of the pressure oil flowing out from the hydraulic chamber 13 to the drain passage 15 further decreases. As a result, the hydraulic pressure in the hydraulic chamber 13 increases and becomes P1 ″ ≈P2> P1 ′. Therefore, the forward thrust F11 ″ applied to the damping piston 11 is maximum as shown in the following equation (4). It becomes.
[0034]
[Expression 4]
Figure 0004514900
[0035]
On the other hand, when the damping piston 11 moves forward from the striking reference position, the seal length S2 increases and the flow rate of the pressure oil flowing into the hydraulic chamber 13 from the hydraulic source 12 through the pressure supply passage 14 decreases, and conversely, the seal length S1. Decreases and the flow rate of the pressure oil flowing out from the hydraulic chamber 13 to the drain passage 15 increases. As a result, the hydraulic pressure in the hydraulic chamber 13 decreases and becomes P1 ′ ″ <P1, so the forward thrust F11 ′ ″ applied to the damping piston 11 decreases as shown in the following equation (5). .
[0036]
[Equation 5]
Figure 0004514900
[0037]
Further, as shown in FIG. 4, when the damping piston 11 moves forward and the front end surface 11d of the damping piston 11 contacts the front step portion 1a, the seal length S1 becomes 0 or less, and the hydraulic chamber 13 and the drain passage 15 communicate with each other. The hydraulic pressure in the hydraulic chamber 13 decreases to P1 ″ ″ ≈0. For this reason, the forward thrust F11 ″ ″ applied to the damping piston 11 is F11 ″ ″ ≈0, which is minimized.
[0038]
Next, drilling work will be described.
During the drilling operation, when the striking piston 7 of the striking mechanism 3 strikes the shank rod 2 at the striking reference position, the striking energy is transmitted from the shank rod 2 to the bit 6 via the rod 4, and the bit 6 is subject to crushing. A rock R is hit and crushed. The reflected energy Er generated instantaneously from the bedrock R at this time becomes the striking reaction force F2, and is added to the reaction force of the thrust F1 of the rock drill body 1 to add the rod 6, the rod 4, the shank rod 2, and the chuck. It is transmitted to the damping piston 11 through the driver bush 10, and the damping piston 11 moves backward while being buffered by the hydraulic pressure in the hydraulic chamber 13, and the reflected energy is transmitted to the rock machine body 1.
[0039]
Thus, the reflected energy Er transmitted from the shank rod 2 to the chuck driver bush 10 is buffered by the retraction of the damping piston 11, so that the rock drill body 1 and the bit 6, the rod 4, the shank rod 2 are damaged. Less.
The rock drill main body 1 is temporarily retracted by the reflected energy transmitted to the rock drill main body 1, but the striking reaction force F <b> 2 generated instantaneously is reduced, and the reaction force acting on the chuck driver bush 10 is drilled. Only the reaction force of the thrust F1 applied to the rock machine body 1 is provided. On the other hand, as the damping piston 11 moves backward, the hydraulic pressure in the hydraulic chamber 13 increases from P1 to P1 ′ (or P1 ″), and the hydraulic pressure P1 ′ (or P1 ″) acts forward on the damping piston 11. The thrust F11 ′ (or F11 ″) is larger than the reaction force of the thrust F1 applied to the rock drill body 1. For this reason, the damping piston 11 pushes back the chuck driver bush 10 and the shank rod 2 to advance to the hitting reference position, and the forward thrust acting on the damping piston 11 becomes F11 and the thrust applied to the rock drill body 1 It becomes equal to the reaction force of F1, and the damping piston 11 stops. During this time, the rock drill main body 1 moves forward by the crushing length of the rock mass R by one hit by the feed mechanism, and the bit 6 contacts the rock mass R. When the bit 6 comes into contact with the rock mass R, the thrust F1 of the rock drill body 1 is transmitted from the bit 6 to the damping piston 11 as a reaction force, and the damping piston 11 receives the forward thrust F11 acting on the damping piston 11 as the rock. The machine body 1 is held at a position equal to the thrust F1 of the machine body 1, that is, the striking reference position, and waits for the next striking. Thereafter, the striking piston 7 performs the next striking. By repeating this process, drilling is performed.
[0040]
Before the next hit, if the speed of the forward movement of the rock drill body 1 is insufficient or the condition of the rock mass R is bad (such as a crushing zone), the close contact between the rock mass R and the bit 6 becomes incomplete. When the contact between the rock mass R and the bit 6 is incomplete, the thrust F1 of the rock drill body 1 is not sufficiently transmitted to the rock mass R, so the rod 6, the sleeve 5, the shank rod 2, the chuck driver bush from the bit 6 10 and the damping piston 11 are transmitted with a reaction force F1 'much smaller than F1. At this time, the damping piston 11 moves forward from the impact reference position, and stops at a position where the reaction force F1 ′ and the forward thrust F11 ′ ″ applied to the damping piston 11 are equal.
[0041]
When the striking piston 7 performs the next striking in this state, the shank rod 2 moves forward beyond the striking reference position by the damping piston 11, so that the striking piston 7 is in the deceleration region and the light striking force is small. It will be a blow. For this reason, the striking energy transmitted from the shank rod 2, the rod 4, and the bit 6 to the rock R is reduced, while it is transmitted from the rock R to the bit 6, the rod 4, the shank rod 2, and the chuck driver bush 10. The reflected energy is also reduced. However, it is desirable to quickly buffer this reflected energy because it is close to an empty shot state although it is a light hit. Here, although the damping piston 11 has advanced from the striking reference position, since the hydraulic chamber 13 is kept closed via the seal length, such reflected energy is immediately buffered. Even if the hydraulic chamber 13 communicates with the drain passage 15, if the damping piston 11 is retracted instantaneously, the hydraulic chamber 13 is closed and the reflected energy is buffered.
[0042]
As described above, since the floating damper action can be realized by the single damping piston 11 in the drilling operation by the rock drill, the cost can be reduced by downsizing the drill rock and reducing the number of parts.
Further, since the floating damper action can be realized by the single damping piston 11, the responsiveness of the buffer action can be improved as compared with the conventional buffer mechanism.
[0043]
【The invention's effect】
As described above, according to the shock-absorbing mechanism of the hydraulic striking device according to the first aspect of the present invention, the shock-absorbing mechanism is slidably fitted in the device main body, the large-diameter portion at the front, the small-diameter portion at the rear, and A damping piston having a reduced diameter portion having a smaller diameter than the small diameter portion between the large diameter portion and the small diameter portion, an inner diameter sliding surface of the apparatus main body, and the reduced diameter portion of the damping piston are formed. A hydraulic pressure chamber, a drain passage provided in the inner diameter sliding surface of the apparatus main body in front of the hydraulic chamber with a seal length therebetween, and an inner diameter sliding surface of the apparatus main body in the rear of the hydraulic chamber. Since the pressure supply passages provided at a distance are provided, the floating damper action can be realized by a single damping piston, and the cost can be reduced by downsizing the hydraulic striking device itself and reducing the number of parts. Further, since the floating damper action can be realized by a single damping piston, the responsiveness of the buffer action can be improved as compared with the conventional buffer mechanism.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a longitudinal sectional view of a buffer mechanism of a rock drill according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is an explanatory diagram of a basic configuration of a rock drill.
FIG. 3 is an explanatory view of the operation of the buffer mechanism in a state where the damping piston is at the rear dead center.
FIG. 4 is an explanatory view of the operation of the buffer mechanism in a state where the damping piston is at the front dead center.
FIG. 5 is a longitudinal sectional view of a buffer mechanism of a conventional rock drill.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Drilling machine main body 2 Shank rod 2a Large diameter part rear end 3 Impact mechanism 4 Rod 5 Sleeve 6 Bit 7 Impact piston 8 Chuck 9 Chuck driver 10 Chuck driver bush 11 Damping piston 11a Large diameter part 11b Small diameter part 11c Reduced diameter part 11d Front end face 11e Rear end face 12 Hydraulic source 13 Hydraulic chamber 14 Pressure supply passage 15 Drain passage

Claims (1)

工具を打撃する打撃機構と、前記工具に破砕対象側への推力を伝達する伝達部材と、該伝達部材の後方に緩衝機構とを備えた油圧打撃装置において、
前記緩衝機構が、装置本体内に摺嵌された、前方に大径部、後方に小径部、及び前記大径部と前記小径部との間に該小径部よりも径の小さな縮径部を有するダンピングピストンと、前記装置本体の内径摺動面と前記ダンピングピストンの前記縮径部とによって形成される油圧室と、該油圧室の前方の前記装置本体の内径摺動面にシール長を隔てて設けられたドレン通路と、前記油圧室の後方の前記装置本体の内径摺動面にシール長を隔てて設けられた給圧通路とを具備することを特徴とする油圧打撃装置の緩衝機構。
In a hydraulic striking device provided with a striking mechanism for striking a tool, a transmission member for transmitting a thrust to the crushing target side to the tool, and a buffer mechanism behind the transmission member,
The shock-absorbing mechanism is slidably fitted in the apparatus main body, and has a large-diameter portion at the front, a small-diameter portion at the rear, and a reduced-diameter portion having a smaller diameter than the small-diameter portion between the large-diameter portion and the small-diameter portion. And a hydraulic chamber formed by an inner diameter sliding surface of the apparatus main body and the reduced diameter portion of the damping piston, and an inner diameter sliding surface of the apparatus main body in front of the hydraulic chamber with a seal length therebetween. A hydraulic shock absorber cushioning mechanism comprising: a drain passage provided on the inner surface of the device main body, and a pressure supply passage provided on an inner diameter sliding surface of the device main body behind the hydraulic chamber with a seal length therebetween.
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