JP4506111B2 - Thin film forming method and thin film manufacturing apparatus - Google Patents

Thin film forming method and thin film manufacturing apparatus Download PDF

Info

Publication number
JP4506111B2
JP4506111B2 JP2003182595A JP2003182595A JP4506111B2 JP 4506111 B2 JP4506111 B2 JP 4506111B2 JP 2003182595 A JP2003182595 A JP 2003182595A JP 2003182595 A JP2003182595 A JP 2003182595A JP 4506111 B2 JP4506111 B2 JP 4506111B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
thin film
gas
film forming
group
excited
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2003182595A
Other languages
Japanese (ja)
Other versions
JP2005015851A (en
Inventor
浩了 有田
一良 工藤
篤志 斉藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Konica Minolta Inc filed Critical Konica Minolta Inc
Priority to JP2003182595A priority Critical patent/JP4506111B2/en
Publication of JP2005015851A publication Critical patent/JP2005015851A/en
Application granted granted Critical
Publication of JP4506111B2 publication Critical patent/JP4506111B2/en
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Plasma Technology (AREA)
  • Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)
  • Chemical Vapour Deposition (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、薄膜形成方法及び薄膜製造装置に関し、詳しくは励起した放電ガスを直接基材と接触させないで、極力基材のダメージを低減させた薄膜形成方法及び薄膜製造装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、基材上に高機能性の薄膜、例えば反射防止膜、防汚膜、電極膜、誘電体保護膜、半導体膜、透明導電膜、耐摩耗性膜、バリア膜を設ける場合、乾式製膜法としてはスパッタリング法、真空蒸着法、真空プラズマCVD法、イオンプレーティング法等の真空空間を用いる製膜法が主流であった。
【0003】
このような真空空間を用いる製膜方法では、大掛かりな真空設備を必要とするため、設備費用が高額となる。さらに連続生産には不向きであり、生産性が低いという課題を有していた。
【0004】
これら真空空間を用いることによるデメリットを克服する方法として、特開昭61−238961号等において、大気圧下で放電プラズマを発生させ、該放電プラズマにより高い処理効果を得られる大気圧プラズマ処理方法が提案されている。大気圧プラズマ処理方法は、基材表面に均一な組成、物性、分布で処理できる。また、大気圧または大気圧近傍の圧力下で処理を行うことができることから、真空設備を必要とせず、設備費用を抑えることができる。更に、連続生産にも向いており、生産性を向上させることができる。
【0005】
この大気圧プラズマ処理方法の応用例として、薄膜形成ガスをプラズマ励起させ、基材上に薄膜を形成する技術が開示されている(例えば、特許文献1〜10参照。)。
【0006】
このような大気圧プラズマを用いた薄膜形成装置では、電極間に放電ガス及び薄膜形成ガスなどが存在し、該電極間で放電プラズマを発生させることから、電極にも製膜物質が付着するという課題がある。特に大気圧プラズマを用いた薄膜製造装置では、電極間の間隙が狭い場合が多く、電極への製膜物質の付着によって放電やガス流れが不均一になり、最悪の場合アーク放電の発生や電極間が詰まってしまう場合がある。
【0007】
これに対し、電極間に薄膜形成ガスを存在させずに、該電極間で放電ガスを大気圧プラズマ放電によって発生した励起ガスと、大気圧プラズマ放電に晒さなかった薄膜形成ガスとを基材に吹き付けることによって、薄膜形成を行う技術が開示されている(例えば、特許文献11、12参照。)。
【0008】
【特許文献1】
特開平11−133205号公報
【0009】
【特許文献2】
特開平11−61406号公報
【0010】
【特許文献3】
特開2000−147209号公報
【0011】
【特許文献4】
特開2000−121804号公報
【0012】
【特許文献5】
特開2001−98093号公報
【0013】
【特許文献6】
特開2001−185398号公報
【0014】
【特許文献7】
特開2002−110587号公報
【0015】
【特許文献8】
特開2003−3266号公報
【0016】
【特許文献9】
特開2003−41372号公報
【0017】
【特許文献10】
特開2003−98303号公報
【0018】
【特許文献11】
特開平9−59777号公報
【0019】
【特許文献12】
特開2003−49272号公報
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
上記これらの方法は、高機能の薄膜を形成するのに有効な手段の一つであり、特にフッ素原子を有する有機基を有する有機金属化合物を原料とした防汚膜を製膜するのに有効である。
【0021】
しかしながら、これらの方法は励起した放電ガスと薄膜形成ガスを基材に対して各々吹き付ける、または薄膜形成ガスを励起した放電ガスに接触させながら基材に吹き付けるものであるため、励起ガスが直接基材へ吹き付けられ、その結果基材へダメージを与えることもあり必ずしも好ましい方法とはいえない。
【0022】
従って本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、励起した放電ガスを直接基材と接触させないで、極力基材のダメージを低減させた薄膜形成方法及び薄膜製造装置を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
【0024】
1.大気圧または大気圧近傍の圧力下で放電ガスを対向する電極間に高周波電圧を印加することにより形成された放電空間に導入して励起し、該励起した放電ガスを直接基材と接触させないように、フッ素原子を有する有機基を有する有機金属化合物を含む薄膜形成ガスを基材と該励起した放電ガスで挟み込み、該薄膜形成ガスを放電空間外で前記励起した放電ガスと接触させることにより間接励起し、基材を該間接励起したガスに晒すことにより該基材上に薄膜を形成することを特徴とする薄膜形成方法。
【0028】
.大気圧または大気圧近傍の圧力下で放電ガスを放電空間に導入して励起し、該励起した放電ガスを直接基材と接触させないように、フッ素原子を有する有機基を有する有機金属化合物を含む薄膜形成ガスを基材と該励起した放電ガスで挟み込み、該薄膜形成ガスを放電空間外で前記励起した放電ガスと接触させることにより間接励起し、基材を該間接励起したガスに晒すことにより該基材上に薄膜を形成することを特徴とする薄膜形成方法。
.前記放電ガスが、窒素及び/または希ガスを含有することを特徴とする前記1または2に記載の薄膜形成方法。
【0029】
.前記基材の表面が、無機化合物を含むことを特徴とする前記1〜項のいずれか1項に記載の薄膜形成方法。
【0030】
.前記基材の表面の主成分が、金属酸化物であることを特徴とする前記1〜項のいずれか1項に記載の薄膜形成方法。
【0033】
.大気圧または大気圧近傍の圧力下で、対向する電極間に高周波電圧を印加する高周波電圧印加手段と、放電ガスを該印加手段により該電極間に電圧を印加された放電空間に導入して励起させる手段と、該励起した放電ガスを直接基材と接触させないように、フッ素原子を有する有機基を有する有機金属化合物を含む薄膜形成ガスを基材と該励起した放電ガスで挟み込ませる手段を有し、該挟み込みにより前記励起した放電ガスが該薄膜形成ガスを間接励起させることにより、前記基材上に薄膜を形成させることを特徴とする薄膜製造装置。
【0035】
.前記電極が、少なくとも一方の電極が誘電体で被覆されていることを特徴とする前記項に記載の薄膜製造装置。
【0036】
.前記薄膜形成ガスを前記基材と前記励起した放電ガスで挟み込ませる手段が、該薄膜形成ガスを基材表面に存在するように供給する手段と、該励起した放電ガスと薄膜形成ガスとを接触させるように供給する手段を有することを特徴とする前記またはのいずれか1項に記載の薄膜製造装置。
【0039】
.表面比抵抗値が、23℃、55%RH条件下で1×1012Ω/□以下であることを特徴とする前記1〜のいずれか1項に記載の薄膜形成方法。
【0040】
以下、本発明の詳細について説明する。
本発明の薄膜形成方法は、大気圧または大気圧近傍の圧力下で放電ガスを対向する電極間に高周波電圧を印加することにより形成された放電空間に導入して励起し、該励起した放電ガスを直接基材と接触させないように、フッ素原子を有する有機基を有する有機金属化合物を含む薄膜形成ガスを基材と該励起した放電ガスで挟み込み、該薄膜形成ガスを放電空間外で前記励起した放電ガスと接触させることにより間接励起し、基材を該間接励起したガスに晒すことにより該基材上に薄膜を形成することを特徴とする。即ち、基材に直接接触するのは薄膜形成ガス及び前記間接励起したガスであり、高周波電圧印加手段により励起した放電ガスは基材には直接接触しない。その為、励起した放電ガスによる基材のダメージが小さく、より高性能で均一な薄膜が形成されることが大きな特徴である。
【0041】
最初に、本発明に係る放電ガス及び薄膜形成ガスについて説明する。
使用するガスは、基本的に原料を含有しない放電ガスとフッ素原子を有する有機基を有する有機金属化合物を構成成分とする薄膜形成ガスであり、更に反応性を加速させたり、制御したりする補助ガスを用いることもある。放電ガスと薄膜形成ガスの供給装置及び供給方法については後述する。
【0042】
放電ガスとは、プラズマ放電を起こすことの出来るガスであり、それ自身がエネルギーを授受する媒体として働くガスで、プラズマ放電を発生させるに必要なガスである。放電ガスとしては、窒素、希ガス、空気などがあり、これらを単独で放電ガスとして用いても、混合して用いても構わない。希ガスとしては、周期表の第18属元素、具体的には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン等を挙げることが出来る。本発明において、放電ガスとしては窒素、アルゴン、ヘリウムが好ましい。放電ガス量は、放電空間内に供給する全ガス量に対して70〜100体積%含有することが好ましい。尚、放電ガスには、補助ガスとして水素、酸素、炭化水素、窒素酸化物、アンモニアまたは水分を該ガスに対して0.001体積%〜30体積%混合させて使用してもよい。
【0043】
薄膜形成ガスとは、励起した放電ガスからのエネルギーを受け取って、それ自身も励起して活性となり、基材上に化学的に薄膜を形成するフッ素原子を有する有機基を有する有機金属化合物を含むガスのことである。
【0044】
薄膜形成ガスは、フッ素原子を有する有機基を有する有機金属化合物だけでもよいが、原料の他に窒素、希ガス、酸素、水素、炭化水素及び窒素酸化物から選ばれる少なくとも一つ以上を含有することが好ましい。これらを単独で薄膜形成ガスとして用いても、混合して用いても構わない。希ガスとしては、周期表の第18属元素、具体的には、ヘリウム、ネオン、アルゴン、クリプトン、キセノン、ラドン等を挙げることが出来る。
【0045】
本発明に有用な薄膜形成ガスに含有される原料としては、有機金属化合物、金属ハロゲン化物または有機フッ素化合物等を挙げることが出来、機能性薄膜を形成するのに有用である。
【0046】
より具体的には、原料に有機金属化合物またはハロゲン化金属を添加する場合、例えば、Li、Be、B、Na、Mg、Al、Si、K、Ca、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Ga、Ge、Rb、Sr、Y、Zr、Nb、Mo、Cd、In、Ir、Sn、Sb、Cs、Ba、La、Hf、Ta、W、Tl、Pb、Bi、Ce、Pr、Nd、Pm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luから選択される金属を含むことができる。中でも、Sn、In、Al、Ti、Zn、Si、Sb、Mg、Ba、Mo、V、Nb、P、B、W、Cs、Zr、Ga、Asから選ばれる元素の少なくとも1種を含有することが好ましい。また、有機金属化合物の場合は金属アルコキシド、アルキル化金属、金属錯体から選ばれるものが好ましい。
【0047】
上記または上記以外の原料を適宜選択し、薄膜形成することによりさまざまな高機能性の薄膜を得ることができる。その一例を以下に示すが、本発明はこれに限られるものではない。
【0048】
電極膜 Au、Al、Ag、Ti、Ti、Pt、Mo、Mo−Si
誘電体保護膜 SiO2、SiO、Si34、Al23、Al23、Y23
透明導電膜 In23、SnO2、ZnO
エレクトロクロミック膜 WO3、IrO2、MoO3、V25
蛍光膜 ZnS、ZnS+ZnSe、ZnS+CdS
磁気記録膜 Fe−Ni、Fe−Si−Al、γ−Fe23、Co、Fe34、Cr、SiO2、Al23
超導電膜 Nb、Nb−Ge、NbN
太陽電池膜 a−Si、Si
反射膜 Ag、Al、Au、Cu
選択性吸収膜 ZrC−Zr
選択性透過膜 In23、SnO2
反射防止膜 SiO2、TiO2、SnO2、Ta25
シャドーマスク Cr
耐摩耗性膜 Cr、Ta、Pt、TiC、TiN
耐食性膜 Al、Zn、Cd、Ta、Ti、Cr
耐熱膜 W、Ta、Ti
潤滑膜 MoS2
装飾膜 Cr、Al、Ag、Au、TiC、Cu
例えば反射防止膜の形成において、低屈折率層形成用原料としては、有機珪素化合物、珪素水素化合物、ハロゲン化珪素化合物等を挙げることができ、有機珪素化合物としては、例えば、テトラエチルシラン、テトラメチルシラン、テトライソプロピルシラン、テトラブチルシラン、テトラエトキシシラン、テトライソプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジエチルシランジアセトアセトナート、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等、珪素水素化合物としては、テトラ水素化シラン、ヘキサ水素化ジシラン等、ハロゲン化珪素化合物としては、テトラクロロシラン、メチルトリクロロシラン、ジエチルジクロロシラン等を挙げることができ、何れも本発明において好ましく用いることができる。
【0049】
反射防止膜の形成において、中屈折率層もしくは高屈折率層形成用原料に用いられる金属化合物として錫化合物があるが、好ましい錫化合物としては、有機錫化合物、錫水素化合物、ハロゲン化錫等であり、有機錫化合物としては、例えば、テトラエチル錫、テトラメチル錫、二酢酸ジ−n−ブチル錫、テトラブチル錫、テトラオクチル錫、テトラエトキシ錫、メチルトリエトキシ錫、ジエチルジエトキシ錫、トリイソプロピルエトキシ錫、ジエチル錫、ジメチル錫、ジイソプロピル錫、ジブチル錫、ジエトキシ錫、ジメトキシ錫、ジイソプロポキシ錫、ジブトキシ錫、錫ジブチラート、錫ジアセトアセトナート、エチル錫アセトアセトナート、エトキシ錫アセトアセトナート、ジメチル錫ジアセトアセトナート等、錫水素化合物等、ハロゲン化錫としては、二塩化錫、四塩化錫等を挙げることができ、何れも本発明において好ましく用いることができる。また、これらの反応性ガスを2種以上同時に混合して使用してもよい。なお、このようにして、形成された酸化錫層は表面比抵抗値を1×1012Ω/□以下に下げることができるため、帯電防止層としても有用である。
【0050】
また、反射防止膜において、高屈折率層形成用反応ガスに原料として使用するチタン化合物としては、有機チタン化合物、チタン水素化合物、ハロゲン化チタン等があり、有機チタン化合物としては、例えば、トリエチルチタン、トリメチルチタン、トリイソプロピルチタン、トリブチルチタン、テトラエチルチタン、テトライソプロピルチタン、テトラブチルチタン、トリエトキシチタン、トリメトキシチタン、トリイソプロポキシチタン、トリブトキシチタン、テトラエトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、メチルジメトキシチタン、エチルトリエトキシチタン、メチルトリイソプロポキシチタン、テトラジメチルアミノチタン、ジメチルチタンジアセトアセトナート、エチルチタントリアセトアセトナート等、チタン水素化合物としてはモノチタン水素化合物、ジチタン水素化合物等、ハロゲン化チタンとしては、トリクロロチタン、テトラクロロチタン等を挙げることができる。または、高屈折率層としてテトライソプロポキシタンタル等のアルコキシタンタル類が酸化タンタル層を形成する原料として挙げられ、何れも本発明において好ましく用いることができる。またこれらの原料を2種以上を同時に混合して使用することができるがこれらに限定されない。
【0051】
更に、薄膜形成の代表的な例は、防汚膜のような高機能薄膜を有する物品である。本発明においては、防汚膜を作製する薄膜形成ガスを代表例として説明する。
【0052】
本発明に係る防汚膜を作製する薄膜形成ガスとしては、有機フッ素化合物や有機基が直接金属と結合した有機金属化合物が用いられ、特にフッ素原子を有する有機基を有する有機金属化合物が有用である。
【0053】
有機フッ素化合物として、フッ化炭素ガス、フッ化炭化水素ガス等を好ましく用いることが出来る。フッ化炭素ガスとしては、例えば、テトラフルオロメタン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロプロピレン、オクタフルオロシクロブタン等を挙げることが出来る。前記のフッ化炭化水素ガスとしては、例えば、ジフルオロメタン、テトラフルオロエタン、テトラフルオロプロピレン、トリフルオロプロピレン等を挙げることが出来る。更に、例えば、クロロトリフルオロメタン、クロロジフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロシクロブタン等のフッ化炭化水素化合物のハロゲン化物やトリフルオロメタノール、ペンタフルオロエタノール等のフルオロアルコール、トリフルオロ酢酸、ペンタフルオロプロピオン酸等のフッ素化脂肪酸、ヘキサフルオロアセトン等のフッ素化ケトン等の有機フッ素化合物を用いることが出来るが、これらに限定されない。また、これらの化合物が分子内にフッ素化エチレン性不飽和基を有していてもよい。
【0054】
本発明に用いられる有機基を有する有機金属化合物において、有機基としては、アルキル基、アルケニル基、アリール基等を含有する有機基が挙げられるが、本発明において用いられる有機基を有する有機金属化合物は、これらの有機基が、金属原子、例えば、珪素、チタン、ゲルマニウム、ジルコニウム、スズ、アルミニウム、インジウム、アンチモン、イットリウム、ランタニウム、鉄、ネオジウム、銅、ガリウム、ハーフニューム等の金属に直接結合した有機金属化合物である。これらの金属のうちでは、珪素、チタン、ゲルマニウム、ジルコニウム、スズ等が好ましく、更に好ましいのは珪素、チタンである。これらのフッ素を有する有機基は、金属化合物にいかなる形で結合していてもよく、例えば、シロキサン等複数の金属原子を有する化合物が、これらの有機基を有する場合、少なくとも1つの金属原子が有機基を有していれば良く、またその位置も問わない。
【0055】
例えば、有機基を有する珪素化合物としては、メチルトリクロロシラン、メチルジクロロシラン、エチルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、エチルジクロロシラン、n−プロピルトリクロロシラン、エチルメチルジクロロシラン、トリメチルブロモシラン、トリメチルクロロシラン、n−ブチルトリクロロシラン、i−ブチルトリクロロシラン、ジエチルジクロロシラン、メチルプロピルジクロロシラン、テトラメチルシラン、ジエチルシラン、トリメチルメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、ペンチルトリクロロシラン、ブチルメチルジクロロシラン、トリメチルメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、ヘキシルトリクロロシラン、トリエチルクロロシラン、ジメチルジエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、ヘプチルトリクロロシラン、ヘキサメチルジクロロシラン、ブチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクチルトリクロロシラン、ヘプチルメチルジクロロシラン、ジブチルジクロロシラン、ジエチルジエトキシラン、エチルトリエトキシシラン、トリプロピルクロロシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、デシルトリクロロシラン、ジメチルオクチルクロロシラン、ペンチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ドデシルメチルジエトキシシラン、ドデシルトリエトキシシラン、オクタデシルメチルジエトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,1,3,3,−テトラメチルジシラザン、ヘキサメチルジシロキサン、ヘキサメチルジシラザン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、ヘキサエチルジシロキサン、1,3−ジブチル−1,1,3,3−テトラメチルジシラザン、ヘキサプロピルジシロキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルトリシトキサン、1,1,3,3,5,5−ヘキサメチルシクロトリシラザン、ヘキサエチルシクロシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、1,1,1,3,5,7,7,7−オクタメチルテトラシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルシクロテトラシラザン、デカメチルテトラシロキサン等を挙げることが出来、いずれも本発明において好ましく用いることが出来る。
【0056】
本発明においては、前記有機基中にフッ素原子を含有している、つまりフッ素原子を有する有機基を有する有機金属化合物が好ましく、下記一般式(1)で表される化合物を好ましく用いることができる。
【0057】
【化1】

Figure 0004506111
【0058】
上記一般式(1)において、MはSi、Ti、Ge、ZrまたはSnを表す。
また、R1〜R6は各々水素原子または一価の基を表し、R1〜R6で表される基の少なくとも1つは、フッ素原子を有する有機基であり、例えば、フッ素原子を有するアルキル基、アルケニル基またはアリール基を含有する有機基が好ましく、フッ素原子を有するアルキル基としては、例えば、トリフルオロメチル基、パーフルオロエチル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロブチル基、4,4,3,3,2,2,1,1−オクタフルオロブチル基等の基が、フッ素原子を有するアルケニル基としては、例えば、3,3,3−トリフルオロ−1−プロペニル基等の基が、また、フッ素原子を有するアリール基としては、例えば、ペンタフルオロフェニル基等の基が挙げられる。また、これらフッ素原子を有するアルキル基、アルケニル基、またアリール基から形成されるアルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基等なども用いることができる。
【0059】
また、フッ素原子は、前記アルキル基、アルケニル基、アリール基等においては、骨格中の炭素原子のどの位置に任意の数結合していてもよいが、少なくとも1個以上結合していることが好ましい。また、アルキル基、アルケニル基骨格中の炭素原子は、例えば、酸素、窒素、硫黄等他の原子、また、酸素、窒素、硫黄等を含む2価の基、例えば、カルボニル基、チオカルボニル基等の基で置換されていてもよい。
【0060】
1〜R6で表される基のうち、前記フッ素原子を有する有機基以外は、水素原子または1価の基を表し、1価の基としては、例えば、ヒドロキシ基、アミノ基、イソシアネート基、ハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基等の基が挙げられるが、これに限定されない。jは0〜150の整数を表し、好ましくは0〜50、更に好ましいのはjが0〜20の範囲である。
【0061】
前記1価の基のうち、ハロゲン原子としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましく、更に好ましいのは塩素原子である。また、前記1価の基である前記アルキル基、アルケニル基、アリール基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基のうち、好ましいのは、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基であり、更に好ましいのはアルコキシ基である。
【0062】
また、Mで表される金属原子のうち、好ましいのは、Si、Tiであり、更に好ましいのはSiである。
【0063】
前記1価の基は、更にその他の基で置換されていてもよく、特に限定されないが、好ましい置換基としては、アミノ基、ヒドロキシル基、イソシアネート基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等のハロゲン原子、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、フェニル基等のアリール基、アルコキシ基、アルケニルオキシ基、アリールオキシ基、アシル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、アルカンアミド基、アリールアミド基、アルキルカルバモイル基、アリールカルバモイル基、シリル基、アルキルシリル基、アルコキシシリル基等の基が挙げられる。
【0064】
また、前記フッ素原子を有する有機基、またはそれ以外のこれらR1〜R6で表される基は、R123M−(Mは、前記金属原子を表し、R1、R2、R3はそれぞれ1価の基を表し、1価の基としては前記フッ素原子を有する有機基またはR1〜R6として挙げられた前記フッ素原子を有する有機基以外の基を表す。)で表される基によって更に置換された複数の金属原子を有する構造であっても良い。これらの金属原子としては、Si、Tiなどが挙げられ、例えば、シリル基、アルキルシリル基、アルコキシシリル基等が挙げられる。
【0065】
前記R1〜R6において挙げられたフッ素原子を有する基であるアルキル基、アルケニル基、またこれらから形成されるアルコキシ基、アルケニルオキシ基におけるアルキル基、アルケニル基としては、下記一般式(F)で表される基が好ましい。
【0066】
一般式(F)
Rf−X−(CH2k
ここにおいてRfは、水素の少なくとも1つがフッ素原子により置換されたアルキル基、アルケニル基を表し、例えば、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロオクチル基、ヘプタフルオロプロピル基のようなパーフルオロアルキル基等の基、また、3,3,3−トリフルオロプロピル基、4,4,3,3,2,2,1,1−オクタフルオロブチル基等の基、また、1,1,1−トリフルオロ−2−クロルプロペニル基等のようなフッ素原子により置換されたアルケニル基が好ましく、中でも、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロオクチル基、ヘプタフルオロプロピル基等の基、また、3,3,3−トリフルオロプロピル基、4,4,3,3,2,2,1,1−オクタフルオロブチル基等の少なくとも2つ以上のフッ素原子有するアルキル基が好ましい。
【0067】
また、Xは単なる結合手または2価の基である、2価の基としては−O−、−S−、−NR−(Rは水素原子またはアルキル基を表す)等の基、−CO−、−CO−O−、−CONH−、−SO2NH−、−SO2−O−、−OCONH−、
【0068】
【化2】
Figure 0004506111
【0069】
等の基を表す。
kは0〜50、好ましくは0〜30の整数を表す。
【0070】
Rf中にはフッ素原子のほか、他の置換基が置換されていてもよく、置換可能な基としては、前記R1〜R6において置換基として挙げられた基と同様の基が挙げられる。また、Rf中の骨格炭素原子が他の原子、例えば、−O−、−S−、−NR0−(R0は水素原子または置換もしくは非置換のアルキル基を表し、また前記一般式(F)で表される基であってもよい)、カルボニル基、−NHCO−、−CO−O−、−SO2NH−等の基によって一部置換されていてもよい。
【0071】
前記一般式(1)で表される化合物のうち、好ましいのは下記一般式(2)で表される化合物である。
【0072】
一般式(2)
[Rf−X−(CH2kq−M(R10r(OR11t
一般式(2)において、Mは前記一般式(1)と同様の金属原子を表し、Rf、Xは前記一般式(F)におけるRf、Xと同様の基を表し、kについても同じ整数を表す。R10はアルキル基、アルケニル基を、またR11はアルキル基、アルケニル基、アリール基を表し、それぞれ、前記一般式(1)のR1〜R6の置換基として挙げた基と同様の基により置換されていてもよいが、好ましくは、非置換のアルキル基、アルケニル基を表す。また、q+r+t=4であり、q≧1、またt≧1である。また、r≧2の時2つのR10は連結して環を形成してもよい。
【0073】
一般式(2)のうち、更に好ましいものものは下記一般式(3)で表される化合物である。
【0074】
一般式(3)
Rf−X−(CH2k−M(OR123
ここにおいて、Rf、Xまたkは、前記一般式(2)におけるものと同義である。また、R12も、前記一般式(2)におけるR11と同義である。また、Mも前記一般式(2)におけるMと同様であるが、特に、Si、Tiが好ましく、最も好ましいのはSiである。
【0075】
本発明において、フッ素原子を有する有機金属化合物の他の好ましい例は、下記一般式(4)で表される化合物が挙げられる。
【0076】
【化3】
Figure 0004506111
【0077】
一般式(4)において、R1〜R6は、前記一般式(1)におけるR1〜R6と同義である。ここにおいても、R1〜R6の少なくとも1つは、前記フッ素原子を有する有機基であり、前記一般式(F)で表される基が好ましい。R7は水素原子、または置換もしくは非置換のアルキル基を表す。また、jは0〜150の整数を表し、好ましくは0〜50、最も好ましいのはjが0〜20の範囲である。
【0078】
本発明において用いられる他の好ましいフッ素原子を有する化合物として、下記一般式(5)で表されるフッ素原子を有する有機金属化合物がある。
【0079】
一般式(5)
[Rf−X−(CH2k−Y]m−M(R8n(OR9p
一般式(5)において、MはIn、Al、Sb、YまたはLaを表す。Rf、Xは前記一般式(F)におけるRf、Xと同様の基を表し、Yは単なる結合手または酸素を表す。kについても同じく0〜50の整数を表し、好ましくは30以下の整数である。R9はアルキル基またはアルケニル基を、またR8はアルキル基、アルケニル基またはアリール基を表し、それぞれ、前記一般式(1)のR1〜R6の置換基として挙げた基と同様の基により置換されていてもよい。また、一般式(5)において、m+n+p=3であり、mは少なくとも1であり、nは0〜2を、またpも0〜2の整数を表す。m+p=3、即ちn=0であることが好ましい。
【0080】
本発明において用いられる他の好ましいフッ素原子を有する化合物として、下記一般式(6)で表されるフッ素原子を有する有機金属化合物がある。
【0081】
一般式(6)
f1(OC36m1−O−(CF2n1−(CH2p1−Z−(CH2q1−Si−(R23
一般式(6)において、Rf1は炭素数1〜16の直鎖状又は分岐状のパーフルオロアルキル基、R2は加水分解基、Zは−OCONH−又は−O−を表し、m1は1〜50の整数、n1は0〜3の整数、p1は0〜3の整数、q1は1〜6の整数を表し、6≧n1+p1>0である。
【0082】
f1に導入しうる直鎖状又は分岐状のパーフルオロアルキル基の炭素数は、1〜16がより好ましく、1〜3が最も好ましい。従って、Rf1としては、−CF3、−C25、−C37等が好ましい。
【0083】
2に導入しうる加水分解基としては、−Cl、−Br、−I、−OR11、−OCOR11、−CO(R11)C=C(R122、−ON=C(R112、−ON=CR13、−N(R122、−R12NOCR11などが好ましい。R11はアルキル基などの炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基を、またはフェニル基などの炭素数6〜20の芳香族炭化水素基を表し、R12は水素原子またはアルキル基などの炭素数1〜5の脂肪族炭化水素を表し、R13はアルキリデン基などの炭素数3〜6の二価の脂肪族炭化水素基を表す。これらの加水分解基の中でも、−OCH3、−OC25、−OC37、−OCOCH3及び−NH2が好ましい。
【0084】
上記一般式(6)におけるm1は1〜30あることがより好ましく、5〜20であることが更に好ましい。n1は1または2であることがより好ましく、p1は1または2であることがより好ましい。また、q1は1〜3であることがより好ましい。
【0085】
本発明において用いられる他の好ましいフッ素原子を有する化合物として、下記一般式(7)で表されるフッ素原子を有する有機金属化合物がある。
【0086】
【化4】
Figure 0004506111
【0087】
一般式(7)において、Rfは炭素数1〜16の直鎖状または分岐状パーフルオロアルキル基、Xはヨウ素原子または水素原子、Yは水素原子または低級アルキル基、Zはフッ素原子またはトリフルオロメチル基、R21は加水分解可能な基、R22は水素原子または不活性な一価の有機基を表し、a、b、c、dはそれぞれ0〜200の整数、eは0または1、mおよびnは0〜2の整数、pは1〜10の整数を表す。
【0088】
前記一般式(7)において、Rfは、通常、炭素数1〜16の直鎖状または分岐状パーフルオロアルキル基であり、好ましくは、CF3基、C25基、C37基である。Yにおける低級アルキル基としては、通常、炭素数1〜5のものが挙げられる。
【0089】
21の加水分解可能な基としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子、R23O基、R23COO基、(R242C=C(R23)CO基、(R232C=NO基、R25C=NO基、(R242N基、及びR23CONR24基が好ましい。ここで、R23はアルキル基等の通常は炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基またはフェニル基等の通常は炭素数6〜20の芳香族炭化水素基、R24は水素原子またはアルキル基等の通常は炭素数1〜5の低級脂肪族炭化水素基、R25はアルキリデン基等の通常は炭素数3〜6の二価の脂肪族炭化水素基である。さらに好ましくは、塩素原子、CH3O基、C25O基、C37O基である。
【0090】
22は水素原子または不活性な一価の有機基であり、好ましくは、アルキル基等の通常は炭素数1〜4の一価の炭化水素基である。a、b、c、dは0〜200の整数であり、好ましくは1〜50である。mおよびnは、0〜2の整数であり、好ましくは0である。pは1または2以上の整数であり、好ましくは1〜10の整数であり、さらに好ましくは1〜5の整数である。また、数平均分子量は5×102〜1×105であり、好ましくは1×103〜1×104である。
【0091】
また、前記一般式(7)で表されるシラン化合物の好ましい構造のものとして、RfがC37基であり、aが1〜50の整数であり、b、c及びdが0であり、eが1であり、Zがフッ素原子であり、nが0である化合物である。
【0092】
本発明において、フッ素原子を有するシラン化合物として好ましく用いられるフッ素を有する有機基を有する有機金属化合物、及び前記一般式(1)〜(7)で表される化合物の代表的化合物を以下に挙げるが、本発明ではこれらの化合物に限定されるものではない。
【0093】
1:(CF3CH2CH24Si
2:(CF3CH2CH22(CH32Si
3:(C817CH2CH2)Si(OC253
4:CH2=CH2Si(CF33
5:(CH2=CH2COO)Si(CF33
6:(CF3CH2CH22SiCl(CH3
7:C817CH2CH2Si(Cl)3
8:(C817CH2CH22Si(OC252
9:CF3CH2CH2Si(OCH33
10:CF3CH2CH2SiCl3
11:CF3(CF23CH2CH2SiCl3
12:CF3(CF25CH2CH2SiCl3
13:CF3(CF25CH2CH2Si(OCH33
14:CF3(CF27CH2CH2SiCl3
15:CF3(CF27CH2CH2Si(OCH33
16:CF3(CF28CH2Si(OC253
17:CF3(CH22Si(OC253
18:CF3(CH22Si(OC373
19:CF3(CH22Si(OC493
20:CF3(CF25(CH22Si(OC253
21:CF3(CF25(CH22Si(OC373
22:CF3(CF27(CH22Si(OC253
23:CF3(CF27(CH22Si(OC373
24:CF3(CF27(CH22Si(OCH3)(OC372
25:CF3(CF27(CH22Si(OCH32OC37
26:CF3(CF27(CH22SiCH3(OCH32
27:CF3(CF27(CH22SiCH3(OC252
28:CF3(CF27(CH22SiCH3(OC372
29:(CF32CF(CF28(CH22Si(OCH33
30:C715CONH(CH23Si(OC253
31:C817SO2NH(CH23Si(OC253
32:C817(CH22OCONH(CH23Si(OCH33
33:CF3(CF27(CH22Si(CH3)(OCH32
34:CF3(CF27(CH22Si(CH3)(OC252
35:CF3(CF27(CH22Si(CH3)(OC372
36:CF3(CF27(CH22Si(C25)(OCH32
37:CF3(CF27(CH22Si(C25)(OC372
38:CF3(CH22Si(CH3)(OCH32
39:CF3(CH22Si(CH3)(OC252
40:CF3(CH22Si(CH3)(OC372
41:CF3(CF25(CH22Si(CH3)(OCH32
42:CF3(CF25(CH22Si(CH3)(OC372
43:CF3(CF22O(CF23(CH22Si(OC373
44:C715CH2O(CH23Si(OC253
45:C817SO2O(CH23Si(OC253
46:C817(CH22OCHO(CH23Si(OCH33
47:CF3(CF25CH(C49)CH2Si(OCH33
48:CF3(CF23CH(C49)CH2Si(OCH33
49:(CF32(p−CH3−C65)COCH2CH2CH2Si(OCH33
50:CF3CO−O−CH2CH2CH2Si(OCH33
51:CF3(CF23CH2CH2Si(CH3)Cl
52:CF3CH2CH2(CH3)Si(OCH32
53:CF3CO−O−Si(CH33
54:CF3CH2CH2Si(CH3)Cl2
55:(CF32(p−CH3−C65)COCH2CH2Si(OCH33
56:(CF32(p−CH3−C65)COCH2CH2Si(OC653
57:(CF324)(CH32Si−O−Si(CH33
58:(CF324)(CH32Si−O−Si(CF324)(CH3259:CF3(OC3624−O−(CF22−CH2−O−CH2Si(OCH33
60:CF3O(CF(CF3)CF2O)mCF2CONHC36Si(OC253 (m=11〜30)、
61:(C25O)3SiC36NHCOCF2O(CF2O)n(CF2CF2O)pCF2CONHC36Si(OC253 (n/p=約0.5、数平均分子量=約3000)
62:C37−(OCF2CF2CF2)q−O−(CF22−[CH2CH{Si−(OCH33}]9−H (q=約10)
63:F(CF(CF3)CF2O)15CF(CF3)CONHCH2CH2CH2Si(OC253
64:F(CF24[CH2CH(Si(OCH33)]2.02OCH3
65:(C25O)3SiC36NHCO−[CF2(OC2410(OCF26OCF2]−CONHC36Si(OC253
66:C37(OC3624O(CF22CH2OCH2Si(OCH33
67:CF3(CF23(C64)C24Si(OCH33
68:(CF32CF(CF26CH2CH2SiCH3(OCH32
69:CF3(CF23(C64)C24SiCH3(OCH32
70:CF3(CF25(C64)C24Si(OC253
71:CF3(CF2324Si(NCO)3
72:CF3(CF2524Si(NCO)3
73:C919CONH(CH23Si(OC253
74:C919CONH(CH23SiCl3
75:C919CONH(CH23Si(OC253
76:C37O(CF(CF3)CF2O)2−CF(CF3)−CONH(CH2)Si(OC253
77:CF3O(CF(CF3)CF2O)6CF2CONH(CH23SiOSi(OC252(CH23NHCOCF2(OCF2CF(CF3))6OCF3
78:C37COOCH2Si(CH32OSi(CH32CH2OCOC37
79:CF3(CF27CH2CH2O(CH23Si(CH32OSi(CH32(CH23OCH2CH2(CF27CF3
80:CF3(CF25CH2CH2O(CH22Si(CH32OSi(CH32(OC25
81:CF3(CF25CH2CH2O(CH22Si(CH32OSi(CH3)(OC252
82:CF3(CF25CH2CH2O(CH22Si(CH32OSi(CH32OSi(CH3)2(OC25
上記例示した化合物の他には、フッ素置換アルコキシシランとして、
83:(パーフルオロプロピルオキシ)ジメチルシラン
84:トリス(パーフルオロプロピルオキシ)メチルシラン
85:ジメチルビス(ノナフルオロブトキシ)シラン
86:メチルトリス(ノナフルオロブトキシ)シラン
87:ビス(パーフルオロプロピルオキシ)ジフェニルシラン
88:ビス(パーフルオロプロピルオキシ)メチルビニルシラン
89:ビス(1,1,1,3,3,4,4,4−オクタフルオロブトキシ)ジメチルシラン
90:ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロポキシ)ジメチルシラン
91:トリス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロポキシ)メチルシラン
92:テトラキス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロポキシ)シラン
93:ジメチルビス(ノナフルオロ−t−ブトキシ)シラン
94:ビス(1,1,1,3,3,3−ヘキサフルオロイソプロポキシ)ジフェニルシラン
95:テトラキス(1,1,3,3−テトラフルオロイソプロポキシ)シラン
96:ビス〔1,1−ビス(トリフルオロメチル)エトキシ〕ジメチルシラン
97:ビス(1,1,1,3,3,4,4,4−オクタフルオロ−2−ブトキシ)ジメチルシラン
98:メチルトリス〔2,2,3,3,3−ペンタフルオロ−1,1−ビス(トリフルオロメチル)プロポキシ〕シラン
99:ジフェニルビス〔2,2,2−トリフルオロ−1−(トリフルオロメチル)−1−トリルエトキシ〕シラン
等の化合物や、以下の化合物、
100:(CF3CH23Si(CH2−NH2
101:(CF3CH23Si−N(CH32
【0094】
【化5】
Figure 0004506111
【0095】
更に、
【0096】
【化6】
Figure 0004506111
【0097】
等のシラザン類や、
106:CF3CH2−CH2TiCl3
107:CF3(CF23CH2CH2TiCl3
108:CF3(CF25CH2CH2Ti(OCH33
109:CF3(CF27CH2CH2TiCl3
110:Ti(OC374
111:(CF3CH2−CH2O)3TiCl3
112:(CF324)(CH32Ti−O−Ti(CH33
等のフッ素を有する有機チタン化合物、また、以下のようなフッ素含有有機金属化合物を例として挙げることができる。
【0098】
113:CF3(CF23CH2CH2O(CH23GeCl
114:CF3(CF23CH2CH2OCH2Ge(OCH33
115:(C37O)2Ge(OCH32
116:[(CF32CHO]4Ge
117:[(CF32CHO]4Zr
118:(C37CH2CH22Sn(OC252
119:(C37CH2CH2)Sn(OC253
120:Sn(OC374
121:CF3CH2CH2In(OCH32
122:In(OCH2CH2OC373
123:Al(OCH2CH2OC373
124:Al(OC373
125:Sb(OC373
126:Fe(OC373
127:Cu(OCH2CH2OC372
128:C37(OC3624O(CF22CH2OCH2Si(OCH33
【0099】
【化7】
Figure 0004506111
【0100】
これら具体例で挙げられた各化合物は、東レ・ダウコーニングシリコーン(株)、信越化学(株)、ダイキン化学(株)(例えば、オプツールDSX)また、Gelest Inc.等により上市されており、容易に入手することができる他、例えば、J.Fluorine Chem.,79(1).87(1996)、材料技術,16(5),209(1998)、Collect.Czech.Chem.Commun.,44巻,750〜755頁、J.Amer.Chem.Soc.1990年,112巻,2341〜2348頁、Inorg.Chem.,10巻,889〜892頁,1971年、米国特許第3,668,233号明細書等、また、特開昭58−122979号、特開平7−242675号、特開平9−61605号、同11−29585号、特開2000ー64348号、同2000−144097号公報等に記載の合成方法、あるいはこれに準じた合成方法により製造することができる。
【0101】
前記有機フッ素化合物、有機基を有する有機金属化合物、フッ素原子を有する有機基を有する有機金属化合物を、単独使用または適宜2種以上混合して使用してもよい。
【0102】
かかる防汚層を形成する有機フッ素化合物、有機基を有する有機金属化合物、またはフッ素原子を有する有機基を有する有機金属化合物を用いることによって、防汚層(防汚層の表面)の表面エネルギーを低くし、撥水性及び撥油性を兼ね備えた薄膜を得ることが出来る。
【0103】
尚、本発明に有機フッ素化合物、有機基を有する有機金属化合物、フッ素原子を有する有機基を有する有機金属化合物が常温、常圧で気体である場合は、混合ガスの構成成分として、そのまま使用出来るので最も容易に本発明の方法を遂行することが出来る。しかし、有機フッ素化合物、有機基を有する有機金属化合物、フッ素原子を有する有機基を有する有機金属化合物が常温・常圧で液体または固体である場合には、加熱、減圧等の方法により気化して使用すればよく、また、適切な溶剤に溶解して用いてもよい。
【0104】
本発明の薄膜形成方法は、前述のように、大気圧もしくは大気圧近傍の圧力下で放電ガスを放電空間に導入して励起し、放電空間外で、前述の有機金属化合物を含有する薄膜形成ガスと放電空間外で接触させて間接励起ガスとし、間接励起ガスを基材に晒して薄膜を形成するものである。
【0105】
放電空間に直接晒した放電ガス(励起ガス)と薄膜形成ガスとを、放電空間外で接触させると、前記薄膜形成ガスが前記放電空間で励起した放電ガスからエネルギーを受け取り、間接的に励起すると推定している。本発明では、薄膜形成ガスをこのようにして処理したものを間接励起ガスと呼ぶ。
【0106】
原理は定かでないが、薄膜形成ガスを直接放電空間に晒して用いる場合に比して、非常に高性能に、かつ高速に防汚膜を形成出来ることを本発明者らは見出したものである。
【0107】
本発明において、放電空間とは、所定の距離を有して対向配置された電極対により挟まれ、かつ前記電極対間へ放電ガスを導入して電圧印加することにより放電を起こす空間である。放電空間外とは、前記放電空間ではない空間のことをいう。
【0108】
放電空間の形態は、特に制限は無く、例えば、対向する平板電極対により形成されるスリット状であっても、あるいは2つの円筒電極間に円周状に形成された空間であっても良い。また、励起ガスと薄膜形成ガスは接触するように供給し、供給方向は並流でも向流でも、また斜めに交差するように流してもよい。
【0109】
次いで、本発明の薄膜形成方法に用いる大気圧プラズマ放電処理装置、大気圧プラズマ放電処理方法及び大気圧プラズマ放電処理装置用の電極システムについて、以下にその実施の形態を図を用いて説明するが、本発明はこれに限定されない。また、以下の説明には、用語等に対し断定的な表現が含まれている場合があるが、本発明の好ましい例を示すものであって、本発明の用語の意義や技術的な範囲を限定するものではない。
【0110】
本発明でいう大気圧または大気圧近傍の圧力下とは、20kPa〜110kPaの圧力下である。本発明において、電圧を印加する電極間の更に好ましい圧力は、70kPa〜140kPaである。
【0111】
図1は、本発明に係るジェット方式の大気圧プラズマ放電処理装置の一例を示す断面図である。
【0112】
図1において、大気圧プラズマ放電処理装置1は、主には、第1電極2と第2電極3とが各々対向する様に配置されている対向電極、電圧印加手段4である対向電極間に高周波電界を印加する高周波電源5の他に、図示していないが、放電ガスを放電空間に、薄膜形成ガスを放電空間外に導入するガス供給手段、前記電極温度を制御する電極温度調整手段等から構成されている。
【0113】
第1電極2と第2電極3とで挟まれ、かつ第一電極上の斜線で示した誘電体を有する領域Aが放電空間である。この放電空間Aに放電ガスGを導入して、放電ガスを励起させる。また、電極が設置してある領域とは別の放電をしない領域に薄膜形成原料を含む薄膜形成ガスMを導入する。次いで、電極が存在しない放電空間外Bの領域で、励起した放電ガスG′と、薄膜形成ガスMとを接触させて間接励起ガスNとして、この間接励起ガスNが基材8表面に拡散し、薄膜を形成する。本発明では、励起した放電ガスは基材に直接接触せず、間接励起ガスが基材に接触することにより、励起した放電ガスが基材に直接接触する場合に比較し、基材に対するダメージを遙かに小さく出来る。
【0114】
尚、基材8は、支持体のようなシート状の基材のみでなく、様々な大きさ、形状のものを処理することが可能となる。例えば、レンズ形状、球状などの厚みを有するような形状の基材へも薄膜形成することが出来る。
【0115】
基材8は、例えば、図で示したような回転する多角形の供給装置の一辺上に設置され薄膜形成される。他の辺に他の基材を設置すれば連続的に薄膜形成体を得ることができる。
【0116】
本発明の薄膜形成方法においては、例えば薄膜形成原料として、フッ素原子を有する有機基を有する有機金属化合物を用い、かつ励起した放電ガスと、薄膜形成ガスとを放電空間外の領域で接触させて間接励起ガスとすることにより、長期保存後でも優れた撥水性、撥油性、指紋拭き取り性を有し、かつ耐擦性、耐傷性が良好な防汚層用薄膜を得ることも出来る。
【0117】
一対の対向電極(第1電極2と第2電極3)は、金属母材と誘電体7で構成され、該金属母材をライニングすることにより無機質的性質の誘電体を被覆する組み合わせにより、また、金属母材に対しセラミックス溶射した後、無機質的性質の物質により封孔処理した誘電体を被覆する組み合わせにより構成されていてもよい。金属母材としては、チタン、銅、金、銀、白金、ステンレススティール、アルミニウム、鉄等の金属が使えるが、ステンレススティールまたはチタンが好ましい。また、誘電体のライニング材としては、ケイ酸塩系ガラス、ホウ酸塩系ガラス、リン酸塩系ガラス、ゲルマン酸塩系ガラス、亜テルル酸塩ガラス、アルミン酸塩ガラス、バナジン酸塩ガラス等を用いることが出来、この中でもホウ酸塩系ガラスが加工し易く好ましい。また、誘電体の溶射に用いるセラミックスとしては、アルミナが良く、酸化珪素等で封孔処理することが好ましい。また封孔処理としては、アルコキシラン系封孔材をゾルゲル反応させて無機化させることができる。
【0118】
また、図1では、一対の対向電極は、第1電極2と第2電極3のように平板電極を用いてあるが、一方もしくは双方の電極を中空の円柱型電極あるいは角柱型電極としてもよい。この一対の対向電極のうち一方の電極(例えば、第1電極2)に高周波電源5が接続され、他方の電極(例えば、第2電極3)には、アース9により接地され、一対の対向電極間に電界を印加出来るように構成されている。
【0119】
電圧印加手段4は高周波電源5より、それぞれの電極の金属対に電圧を印加する。本発明に用いる高周波電源としては、特に限定は無い。防汚膜の形成に使用し得る高周波電源としては、神鋼電機製高周波電源(50kHz)、ハイデン研究所製高周波電源(連続モード使用、100kHz)、パール工業製高周波電源(200kHz)、パール工業製高周波電源(800kHz)、パール工業製高周波電源(2MHz)、日本電子製高周波電源(13.56MHz)、パール工業製高周波電源(27MHz)、パール工業製高周波電源(150MHz)等を好ましく使用出来る。また、433MHz、800MHz、1.3GHz、1.5GHz、1.9GHz、2.45GHz、5.2GHz、10GHzを発振する電源を用いてもよい。
【0120】
本発明の有用な一例である防汚膜を形成するする場合の対向電極間に印加する高周波電界の周波数としては、特に限定は無いが、高周波電源として0.5kHz以上、2.45GHz以下が好ましい。また、対向電極間に供給する電力は、好ましくは0.1W/cm2以上であり、好ましくは50W/cm2以下である。
尚、対向電極における電圧の印加面積(cm2)は、放電が起こる範囲の面積のことを指す。対向電極間に印加する高周波電圧は、断続的なパルス波であっても、連続したサイン波であっても構わない。
【0121】
また、本発明においては電極間に2つ以上の高周波電界を印加し、放電空間を形成してもよい。
【0122】
本発明において、対向電極間の距離(図1のギャップ1)は、電極の金属母材上の誘電体の厚さ、印加電圧の大きさ、プラズマを利用する目的等を考慮して決定される。上記電極の一方に誘電体を設置した場合の誘電体と電極の最短距離、上記電極の双方に誘電体を設置した場合の誘電体同士の距離を電極間の距離として、いずれの場合も均一な放電を行う観点から0.1mm〜20mmが好ましく、より好ましくは0.2〜10mmである。
【0123】
本発明に係る薄膜形成前に、基材を放電空間または励起ガスに晒して基材の表面処理を行ってもよい。例えば、原料がアルコキシドの場合、放電空間または励起ガスに晒すことによる親水化処理が好ましく用いられる。また、薄膜形成前に予め基材表面の除電処理を行い、更にゴミ除去を行ってもよい。除電手段及び除電処理後のゴミ除去手段としては、前述装置のところでした手段と同様の手段を採用出来る。図示してないが、除電手段としては、通常のブロアー式や接触式以外に、複数の正負のイオン生成用除電電極と基材を挟むようにイオン吸引電極を対向させた除電装置とその後に正負の直流式除電装置を設けた高密度除電システム(特開平7−263173号)をを用いてもよい。また除電処理後のゴミ除去手段としては、非接触式のジェット風式減圧型ゴミ除去装置(特開平7−60211号)等を挙げることが出来好ましく用いることが出来るが、これらに限定されない。
【0124】
本発明に係る薄膜形成方法で処理される基材の材質は、特に限定は無く、プラスチック、金属、陶器、紙、木材、不織布、ガラス板、セラミックス、建築材料等を挙げることが出来、その中でも、基材表面がシリカ等の酸化金属であることが好ましい。また、基材の形態は、シート状でも成型品でもよく、ガラスとしては板ガラスやレンズ等、プラスチックとしては、プラスチックレンズ、プラスチックフィルム、プラスチックシート、あるいはプラスチック成型品等が挙げられる。基材がこのようなプラスチックを支持体とする場合には、その表面に反射防止膜のような金属酸化膜を形成したものが好ましく用いられる。
【0125】
図2は、比較のジェット方式の大気圧プラズマ放電処理装置の例を示す断面図である。
【0126】
図1で示した一対の対向電極(第一電極2と第2電極3)が、基材8が設置されている側の筒に配置されており、図1とは反対筒側の領域に放電ガスGを導入して、放電空間Aにおいてガス励起させる。また、対向電極が設置してある筒と反対側の筒には薄膜形成ガスMを導入する。次いで、放電空間外Bの領域で、励起した放電ガスG′と薄膜形成ガスMとを接触させて間接励起ガスNとして、この間接励起ガスNが基材8表面に拡散し薄膜形成される。このような配置の場合、励起した放電ガス及び間接励起ガスが基材上に直接接するため、励起した放電ガスによる基材表面のダメージが進行し易く、高性能で均一な薄膜が得られない。
【0127】
図3は、本発明に係る基材への反射防止膜の形成に用いた大気圧プラズマ放電処理装置の一例を示した概略図である。
【0128】
図3はプラズマ放電処理装置130、ガス供給手段150、電圧印加手段140、及び電極温度調節手段160から構成されている。ロール回転電極135と角筒型固定電極群136として、基材8をプラズマ放電処理をするものである。ロール回転電極(第1電極)135と角筒型固定電極群(第2電極)136との間の放電空間(対向電極間)132にロール回転電極(第1電極)135には第1電源141から周波数ω1であって高周波電圧V1を、また角筒型固定電極群(第2電極)136には第2電源142から周波数ω2であって高周波電圧V2をかけるようになっている。
【0129】
ロール回転電極(第1電極)135と第1電源141との間には、第1電源141からの電流がロール回転電極(第1電極)135に向かって流れるように第1フィルター143が設置されている。該第1フィルターは第1電源141からの電流をアース側へと通過しにくくし、第2電源142からの電流をアース側へと通過し易くするように設計されている。また、角筒型固定電極群(第2電極)136と第2電源142との間には、第2電源からの電流が第2電極に向かって流れるように第2フィルター144が設置されている。第2フィルター144は、第2電源142からの電流をアース側へと通過しにくくし、第1電源141からの電流をアース側へと通過し易くするように設計されている。
【0130】
尚、ロール回転電極135を第2電極、また角筒型固定電極群136を第1電極としてもよい。何れにしろ第1電極には第1電源が、また第2電極には第2電源が接続される。第1電源は第2電源より大きな高周波電圧(V1>V2)を印加できる能力を有しており、周波数はω1<ω2となる能力を有している。また、第1電源、第2電源は必ずしも両方とも使用する必要はなく、どちらか一方だけを使用することもできる。
【0131】
基材8は、ガイドロール164を経てニップロール165で基材に同伴してくる空気等を遮断し、ロール回転電極135に接触したまま巻き回されながら角筒型固定電極群136との間を移送され、ニップロール166、ガイドロール167を経て、次工程である本発明に係る薄膜形成工程に移送する。処理ガスはガス供給手段150であるガス発生装置151で発生させた処理ガスHを、流量制御して給気口152より対向電極間(ここが放電空間になる)132のプラズマ放電処理容器131内に入れ、該プラズマ放電処理容器131内を処理ガスで充填し、放電処理が行われた処理排ガスH′を排気口153より排出するようにする。
【0132】
ロール回転電極135及び角筒型固定電極群136を電極温度調節手段160を用いて媒体を加熱または冷却し電極に送液する。電極温度調節手段160で温度を調節した媒体を送液ポンプPで配管161を経てロール回転電極135及び角筒型固定電極群136内側から温度を調節する。プラズマ放電処理の際、基材の温度によって得られる薄膜の物性や組成は変化することがあり、これに対して適宜制御することが好ましい。媒体としては、蒸留水、油等の絶縁性材料が好ましく用いられる。プラズマ放電処理の際、幅手方向あるいは長手方向での基材の温度ムラを出来るだけ生じさせないようにロール回転電極135の内部の温度を制御することが望ましい。尚、168及び169はプラズマ放電処理容器131と外界を仕切る仕切板である。
【0133】
図4は、本発明に係る前処理に用いる大気圧プラズマ放電処理装置の一例を示す概略図である。
【0134】
装置は、第1電極2と第2電極3とが対向するように配置されている対向電極、電圧印加手段4である対向電極間に高周波電界を印加する高周波電源5のほかに、図示していないが、ガス供給手段、電極温度調整手段等から構成されている。
【0135】
第1電極2と第2電極3とが対向している領域には、放電ガスGを導入して、放電空間Aにおいて励起される。そして励起した放電ガスG′を基材に晒すことによって、基材8の表面処理を行う。
【0136】
図5は、本発明に係る前処理に用いる大気圧プラズマ放電処理装置の別の一例を示す概略図である。
【0137】
装置は、第1電極2と第2電極3とが対向するように配置されている対向電極、電圧印加手段4である対向電極間に高周波電界を印加する高周波電源5のほかに、図示していないが、ガス供給手段、電極温度調整手段等から構成されている。
【0138】
第1電極2と第2電極3とが対向している領域に、基材8を配置し、放電ガスGを導入して、放電空間Aに基材8を晒すことによって、基材8の表面処理を行う。
【0139】
【実施例】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0140】
《薄膜(防汚膜)形成試料の作製》
〔実施例試料1の作製:本発明〕
(大気圧プラズマ放電処理装置)
図1に示す大気圧プラズマ放電処理装置を用いて、1分間かけて、基材8上に防汚膜の製膜を行った。放電ガス導入口13より導入される放電ガスにはガス種A、薄膜形成ガス導入口15より導入される薄膜形成ガスにはガス種Bを用いた。
【0141】
〈ガス種A:放電ガス〉
窒素ガス 98.5体積%
水素ガス 1.5体積%
〈ガス種B:薄膜形成ガス〉
窒素ガス 99.9体積%
有機金属化合物(表1記載) 0.1体積%
(エステック社製気化器により、窒素ガス中に表1記載化合物を気化)
〈ガス種供給比及び混合〉
ガス種A:ガス種B=2:1(体積比)で供給し、ガス吹き出し口16を経て放電空間外Bで接触させた後、基材表面に供給した。
【0142】
電極2、3は、電極にステンレスSUS316を用い、更に、電極の表面にアルミナセラミックスを1mmになるまで溶射被覆させた後、アルコキシシランモノマーを有機溶媒に溶解させた塗布液をアルミナセラミックス被膜に塗布し、乾燥させた後に、150℃で加熱し封孔処理を行って誘電体を形成した。電極の誘電体を被覆していない部分に、高周波電源5の接続やアース9接地を行った。尚、励起ガス吹き出し口及び薄膜形成ガス吹き出し口のギャップ1,2の間隙は表1に示した。
【0143】
高周波電源5には、ハイデン研究所製高周波電源(40KHz)で、7W/cm2の放電電力を印加した。
【0144】
基材8には、幅10mm、長さ10mm、厚み0.5mmの日本板硝子製0.5tソーダライムガラス(片面研磨)を用いた。
【0145】
〔実施例試料2の作製:本発明〕
上記実施例試料1の作製において、ガス種A、ガス種B、励起ガス側ギャップ1及び薄膜形成ガス側ギャップ2の間隙を下記に示すように変更した以外は同様にして、実施例試料2を作製した。
【0146】
〈ガス種A:放電ガス〉
窒素ガス 100体積%
〈ガス種B:薄膜形成ガス〉
窒素ガス 99.9体積%
有機金属化合物(表1記載) 0.1体積%
(エステック社製気化器により、窒素ガス中に表1記載化合物を気化)
ギャップ1、2は表1に記載した。
【0147】
〔実施例試料3の作製:本発明〕
上記実施例試料2の作製において、ガス種A、ガス種B、励起ガス側ギャップ1及び薄膜形成ガス側ギャップ2の間隙を下記に示すよう変更した以外は同様にして、実施例試料3を作製した。
【0148】
〈ガス種A:放電ガス〉
アルゴンガス 98.5体積%
水素ガス 1.5体積%
〈ガス種B:薄膜形成ガス〉
アルゴンガス 99.9体積%
有機金属化合物(表1記載) 0.1体積%
(エステック社製気化器により、アルゴンガス中に表1記載化合物を気化)
ギャップ1、2は表1に記載した。
【0149】
高周波電源5はパール工業製高周波電源(13.56MHz)で7W/cm2で印加した。
【0150】
〔実施例試料4の作製:本発明〕
実施例試料1で用いた基材を、前処理として下記前処理Aを施した以外は実施例試料1と同様にして、実施例試料4を作製し同様に評価を行った。
【0151】
前処理A:基材を間接励起ガスに晒す前に、図4に記載の第1電極2と第3電極3とが対向するように配置されている構成からなる放電空間に、放電ガスとして窒素:酸素=99:1(体積比)を流入し、基材をその励起放電ガスに3秒間晒した。尚、高周波電源として、ハイデン研究所製高周波電源(周波数:40kHz)、放電出力は10W/cm2に設定して行った。
【0152】
〔実施例試料5の作製:本発明〕
実施例試料2で用いた基材を、前処理として下記前処理Bを施した以外は、実施例試料2と同様にして、実施例試料5を作製し同様に評価を行った。
【0153】
前処理B:基材を間接励起ガスに晒す前に、図5に記載の第1電極2と第2電極3とが対向するように配置されている構成からなる放電空間に、放電ガスとして窒素:酸素=99:1(体積比)を流入し、基材をその励起放電ガスに3秒間晒した。尚、高周波電源として、ハイデン研究所製高周波電源(周波数:40kHz)、放電出力は5W/cm2に設定して行った
〔実施例試料6の作製:本発明〕
実施例試料1の基材を、下記に示すセルロースエステルフィルム上に大気圧プラズマ法により反射防止層を形成した反射防止フィルムを使用した以外は、実施例試料1と同条件で薄膜形成し、実施例試料6を作製した。
【0154】
以上のようにして得られた実施例試料6について、表面比抵抗測定を下記に示す方法で行い、表面比抵抗値が1×1012Ω/□以下であることを確認した。
【0155】
(表面比抵抗の測定方法)
試料を23℃、55%RHの環境下で24時間調湿した後、川口電機社製のテラオームメーターモデルVE−30を用いて測定した。測定に用いた電極は、2本の電極(試料と接触する部分が1cm×5cm)を1cmの間隔で配置し、電極に試料を接触させて測定し、測定値を5倍にした値を表面比抵抗値(Ω/□)とした。
【0156】
〔基材の作製〕
(帯電防止層の形成)
厚さ80μmのセルローストリアセテートフィルム(コニカ社製、商品名:コニカタックKC80UVSF)の一方の面に、下記組成の帯電防止層の塗布組成物を乾燥膜厚で0.2μmとなるようにダイコートし、80℃、5分間乾燥して、帯電防止層を設けた。
【0157】
〈帯電防止層の塗布組成物〉
ダイヤナール(BR−88 三菱レーヨン社製) 0.5質量部
プロピレングリコールモノメチルエーテル 60質量部
メチルエチルケトン 15質量部
乳酸エチル 6質量部
メタノール 8質量部
導電性ポリマー樹脂
IP−16(特開平9−203810号公報記載) 0.5質量部
(ハードコート層の形成)
上記帯電防止層を形成したフィルムに、下記ハードコート層組成物を、乾燥膜厚が3.5μmとなるように塗布し、80℃にて5分間乾燥した。次に80W/cm高圧水銀灯を12cmの距離から4秒間照射して硬化させ、ハードコート層を有するハードコートフィルムを作製した。ハードコート層の屈折率は1.50であった。
【0158】
〈ハードコート層組成物〉
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート単量体 60質量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート2量体 20質量部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート3量体以上の成分
20質量部
ジエトキシベンゾフェノン(UV光開始剤) 2質量部
メチルエチルケトン 50質量部
酢酸エチル 50質量部
イソプロピルアルコール 50質量部
上記組成物を撹拌しながら溶解した。
【0159】
(バックコート層の塗設)
前記ハードコート層を塗設した面の反対面に、下記のバックコート層塗布組成物を、ウェット膜厚14μmとなるようにグラビアコーターで塗布し、乾燥温度85℃にて乾燥させてバックコート層を塗設した。
【0160】
〈バックコート層塗布組成物〉
アセトン 30質量部
酢酸エチル 45質量部
イソプロピルアルコール 10質量部
セルロースジアセテート 0.5質量部
アエロジル200V 0.1質量部
(反射防止層の形成)
図3に示した大気圧プラズマ放電処理装置を4基接続し、それぞれの装置の2個の電極の電極間隙を1mmとし、各装置の放電空間に下記ガスをそれぞれ供給し、上記作製したハードコート層上に、順次薄膜を形成した。各装置の第1電極に第1の高周波電源として、神鋼電機社製(50kHz)の高周波電源を使用し、高周波電圧10kV/mm及び出力密度1W/cm2で、また、第2電極に第2の高周波電源として、パール工業社製(13.56MHz)の高周波電源を使用し、高周波電圧0.8kV/mm及び出力密度5.0W/cm2で印加し、プラズマ放電を行って酸化チタンを主成分とする薄膜及び酸化珪素を主成分とする反射防止層を形成した。このときの各装置の放電空間における窒素ガスの放電開始電圧は3.7kV/mmであった。尚、下記薄膜形成ガスは窒素ガス中で気化器によって蒸気とし、加温しながら放電空間に供給した。また、ロール電極はドライブを用いてセルロースエステルフィルムの搬送を同期して回転させた。両電極を80℃になるように調節保温して行った。
【0161】
〈酸化チタン層形成用ガス組成〉
放電ガス:窒素 97.9体積%
薄膜形成ガス:テトライソプロポキシチタン 0.1体積%
添加ガス:水素 2.0体積%
〈酸化珪素層形成用ガス組成〉
放電ガス:窒素 98.9体積%
薄膜形成ガス:テトラエトキシシラン 0.1体積%
添加ガス:酸素 1.0体積%
前記ハードコート層の上に、順に酸化チタン層、酸化珪素層、酸化チタン層、酸化珪素層を設け、帯電防止層、ハードコート層及び反射防止層を有する基材(表1には、これをTAC−ARと記す)を作製した。尚、反射防止層を構成するそれぞれの層は、順に屈折率2.1(膜厚15nm)、屈折率1.46(膜厚33nm)、屈折率2.1(膜厚120nm)、屈折率1.46(膜厚76nm)であった。
【0162】
〔比較試料1〜3の作製:比較例〕
図2に示す大気圧プラズマ放電処理装置を用いて、1分間かけて、基材8上に防汚膜の製膜を行った。表1に記載のように放電ガス導入口13より導入される放電ガスにはガス種A、薄膜形成ガス導入口15より導入される薄膜形成ガスにはガス種Bを用いた。ガス種A、ガス種B、励起ガス側ギャップ1及び薄膜形成ガス側ギャップ2の間隙、基材を表1に記載のように変更し、実施例試料1と同様にして薄膜形成し、比較試料1〜3を得た。
【0163】
各試料の薄膜形成方法の主な特徴を、表1に示す。
【0164】
【表1】
Figure 0004506111
【0165】
次いで得られた試料について、下記に示す評価を実施した。
《各試料の特性値の測定及び評価》
〔接触角の測定〕
各試料について、協和界面科学社製接触角計CA−Wを用いて、23℃、55%の環境下で、防汚膜表面と水、及びヘキサデカンとの接触角を測定した。尚、測定はランダムに10カ所について行い、その平均値を求めた。
【0166】
〔拭き取り容易性の評価:油性インク〕
油性インク(ゼブラ社製 マッキー極細黒)で線を書き、柔らかい布(旭化成社製 BEMCOT M−3 250mm×250mm)で5往復させて拭き取り、インクの残り状況を目視観察し、下記の基準に則り拭き取り容易性の評価を行った。
【0167】
◎:油性インクが、完全に拭き取れた
○:油性インクが、ほぼ拭き取れた
△:油性インクが、一部で拭き取られず残っている
×:油性インクが基材表面に残っている
また、油性インクの拭き取りを20回繰り返し、20回目に上記の評価を実施した。
【0168】
〔灰付着試験〕
製膜した基材上をゴムロールで10回転転がし、煙草の灰を近づけて、基材にくっつくかどうか試験した。
【0169】
◎:1cmまで近づけても全く付着しない
○:1〜10cmまで近づけると付着する
×:10cm以上でも付着する
以上により得られた結果を、表2に示す。
【0170】
【表2】
Figure 0004506111
【0171】
表2より明らかなように本発明の薄膜形成方法及び薄膜製造装置に従って防汚膜を形成した本発明の試料は、比較例に対し、撥水性(接触角)、撥油性(拭き取り容易性の評価)が良好であることが分かる。
【0172】
また、帯電防止機能が付与されている本発明に係る実施例試料6は灰の付着がしにくくなっており、ゴミ付着に対して良好な性能を有することが分かった。
【0173】
【発明の効果】
本発明により、基材への影響が無く、優れた撥水性、撥油性を有する薄膜製造装置、それを用いた薄膜形成方法及び薄膜形成体を提供することが出来た。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るジェット方式の大気圧プラズマ放電処理装置の一例を示す断面図である。
【図2】比較のジェット方式の大気圧プラズマ放電処理装置の一例を示す断面図である。
【図3】基材上への反射防止膜の形成に用いた大気圧プラズマ放電装置の一例を示す概略図である。
【図4】本発明に係る前処理に用いる大気圧プラズマ放電処理装置の一例を示す概略図である。
【図5】本発明に係る前処理に用いる大気圧プラズマ放電処理装置の別の一例を示す概略図である。
【符号の説明】
1 大気圧プラズマ放電処理装置
2 第1電極
3 第2電極
4 電圧印加手段
5 高周波電源
7 誘電体
8 基材
9 アース
13 放電ガス導入口
15 薄膜形成ガス導入口
16 ガス吹き出し口
G 放電ガス
G′ 励起した放電ガス
M 薄膜形成ガス
N 間接励起ガス
A 放電空間
B 放電空間外
131 プラズマ放電処理容器
132 放電空間
135 ロール電極(第1電極)
136 角筒型電極群(第2電極)
140 電圧印加手段
141 第1電源
142 第2電源
143 第1フィルター
144 第2フィルター
150 ガス供給手段
160 電極温度調節手段
H 処理ガス
H′ 処理排ガス
P 送液ポンプ[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
  The present invention relates to a thin film forming method.as well asThin film production equipmentIn placeMore specifically, a thin film forming method that reduces damage to the substrate as much as possible without directly contacting the excited discharge gas with the substrate.as well asThin film production equipmentIn placeRelated.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, when a highly functional thin film such as an antireflection film, an antifouling film, an electrode film, a dielectric protective film, a semiconductor film, a transparent conductive film, an abrasion resistant film, or a barrier film is provided on a substrate, dry film formation As a method, a film forming method using a vacuum space such as a sputtering method, a vacuum vapor deposition method, a vacuum plasma CVD method, and an ion plating method has been mainly used.
[0003]
In the film forming method using such a vacuum space, a large-scale vacuum facility is required, so that the facility cost is high. Furthermore, it is unsuitable for continuous production and has a problem of low productivity.
[0004]
As a method for overcoming the disadvantages of using these vacuum spaces, Japanese Patent Application Laid-Open No. 61-238961, etc. discloses an atmospheric pressure plasma processing method in which discharge plasma is generated under atmospheric pressure and a high processing effect can be obtained by the discharge plasma. Proposed. The atmospheric pressure plasma treatment method can treat the substrate surface with a uniform composition, physical properties, and distribution. In addition, since the treatment can be performed under atmospheric pressure or pressure near atmospheric pressure, vacuum equipment is not required and equipment costs can be reduced. Furthermore, it is suitable for continuous production, and productivity can be improved.
[0005]
As an application example of this atmospheric pressure plasma processing method, a technique is disclosed in which a thin film forming gas is plasma-excited to form a thin film on a substrate (see, for example, Patent Documents 1 to 10).
[0006]
In such a thin film forming apparatus using atmospheric pressure plasma, a discharge gas and a thin film forming gas exist between the electrodes, and discharge plasma is generated between the electrodes. There are challenges. In particular, in a thin film manufacturing apparatus using atmospheric pressure plasma, the gap between the electrodes is often narrow, and the discharge or gas flow becomes non-uniform due to the deposition of the film forming material on the electrodes. There is a case where the gap is clogged.
[0007]
On the other hand, without using a thin film forming gas between the electrodes, an excitation gas generated by atmospheric pressure plasma discharge between the electrodes and a thin film forming gas not exposed to the atmospheric pressure plasma discharge are used as a base material. A technique for forming a thin film by spraying is disclosed (for example, see Patent Documents 11 and 12).
[0008]
[Patent Document 1]
JP-A-11-133205
[0009]
[Patent Document 2]
JP-A-11-61406
[0010]
[Patent Document 3]
JP 2000-147209 A
[0011]
[Patent Document 4]
JP 2000-121804 A
[0012]
[Patent Document 5]
JP 2001-98093 A
[0013]
[Patent Document 6]
JP 2001-185398 A
[0014]
[Patent Document 7]
JP 2002-110588 A
[0015]
[Patent Document 8]
Japanese Patent Laid-Open No. 2003-3266
[0016]
[Patent Document 9]
JP 2003-41372 A
[0017]
[Patent Document 10]
JP 2003-98303 A
[0018]
[Patent Document 11]
JP-A-9-59777
[0019]
[Patent Document 12]
JP 2003-49272 A
[0020]
[Problems to be solved by the invention]
These methods are one of the effective means for forming a high-performance thin film, and are particularly effective for forming an antifouling film using an organic metal compound having an organic group having a fluorine atom as a raw material. It is.
[0021]
However, in these methods, the excited discharge gas and the thin film forming gas are sprayed on the substrate, respectively, or the thin film forming gas is sprayed on the substrate while being in contact with the excited discharge gas. This is not necessarily a preferable method because it may be sprayed onto the material and as a result damage the substrate.
[0022]
  Accordingly, the present invention has been made in view of the above problems, and an object of the present invention is to provide a thin film forming method in which damage to the substrate is reduced as much as possible without directly contacting the excited discharge gas with the substrate.as well asThin film production equipmentPlaceIt is to provide.
[0023]
[Means for Solving the Problems]
The above object of the present invention can be achieved by the following constitution.
[0024]
1. A discharge gas is introduced into a discharge space formed by applying a high-frequency voltage between electrodes facing each other under a pressure at or near atmospheric pressure, and the excited discharge gas is not directly brought into contact with the substrate. In addition,Organometallic compound having an organic group having a fluorine atomA thin film forming gas containing the substrate is sandwiched between the excited discharge gas and the thin film forming gas is indirectly excited by bringing the thin film forming gas into contact with the excited discharge gas outside the discharge space, and the substrate is exposed to the indirectly excited gas. The thin film formation method characterized by forming a thin film on this base material by this.
[0028]
2. Including an organometallic compound having an organic group having a fluorine atom so that a discharge gas is introduced into a discharge space under atmospheric pressure or a pressure near atmospheric pressure to be excited, and the excited discharge gas is not directly brought into contact with a substrate. By sandwiching a thin film forming gas between the substrate and the excited discharge gas, indirect excitation by bringing the thin film forming gas into contact with the excited discharge gas outside the discharge space, and exposing the substrate to the indirectly excited gas. A thin film forming method comprising forming a thin film on the substrate.
3. The discharge gas contains nitrogen and / or a rare gas.Or 2A method for forming a thin film according to 1.
[0029]
4. The above-mentioned 1 to 3, wherein the surface of the substrate contains an inorganic compound.3The thin film formation method of any one of claim | items.
[0030]
5. The main component of the surface of the substrate is a metal oxide,4The thin film formation method of any one of claim | items.
[0033]
6. Excited by introducing high-frequency voltage applying means for applying a high-frequency voltage between opposing electrodes under a pressure near or at atmospheric pressure, and introducing a discharge gas into the discharge space where the voltage is applied between the electrodes by the applying means So that the excited discharge gas is not in direct contact with the substrate,Organometallic compound having an organic group having a fluorine atomA thin film forming gas containing the substrate is sandwiched between the excited discharge gas and the excited discharge gas causes the thin film forming gas to indirectly excite the thin film forming gas, thereby forming a thin film on the substrate. A thin film manufacturing apparatus characterized in that
[0035]
7. The electrode is characterized in that at least one of the electrodes is covered with a dielectric.6The thin film manufacturing apparatus according to the item.
[0036]
8. The means for sandwiching the thin film forming gas between the substrate and the excited discharge gas contacts the means for supplying the thin film forming gas so as to exist on the surface of the substrate, and the excited discharge gas and the thin film forming gas. Characterized in that it comprises means for supplying6Or7The thin film manufacturing apparatus according to any one of the above.
[0039]
9. The surface specific resistance value is 1 × 10 at 23 ° C. and 55% RH.12Ω / □ or less5The thin film formation method of any one of these.
[0040]
Details of the present invention will be described below.
In the thin film forming method of the present invention, a discharge gas is introduced into a discharge space formed by applying a high-frequency voltage between opposing electrodes under a pressure of atmospheric pressure or near atmospheric pressure, and the excited discharge gas is excited. To avoid direct contact with the substrate.Organometallic compound having an organic group having a fluorine atomA thin film forming gas containing the substrate is sandwiched between the excited discharge gas and the thin film forming gas is indirectly excited by bringing the thin film forming gas into contact with the excited discharge gas outside the discharge space, and the substrate is exposed to the indirectly excited gas. Thus, a thin film is formed on the substrate. That is, the thin film forming gas and the indirectly excited gas are in direct contact with the substrate, and the discharge gas excited by the high-frequency voltage applying means does not directly contact the substrate. Therefore, the main feature is that the base material is less damaged by the excited discharge gas, and a high-performance and uniform thin film is formed.
[0041]
First, the discharge gas and the thin film forming gas according to the present invention will be described.
The gas used is basically a discharge gas containing no raw materials.Organometallic compound having an organic group having a fluorine atomA gas for forming a thin film, and an auxiliary gas for accelerating or controlling the reactivity may be used. A supply device and a supply method of the discharge gas and the thin film forming gas will be described later.
[0042]
A discharge gas is a gas that can cause a plasma discharge, and is a gas that itself functions as a medium for transferring energy, and is a gas necessary for generating a plasma discharge. Examples of the discharge gas include nitrogen, rare gas, air and the like, and these may be used alone as a discharge gas or may be used in combination. Examples of the rare gas include Group 18 elements in the periodic table, specifically, helium, neon, argon, krypton, xenon, radon, and the like. In the present invention, the discharge gas is preferably nitrogen, argon or helium. It is preferable to contain 70-100 volume% of discharge gas amount with respect to the total gas amount supplied in discharge space. Note that hydrogen, oxygen, hydrocarbons, nitrogen oxides, ammonia, or moisture may be used as an auxiliary gas in the discharge gas by mixing 0.001% to 30% by volume with respect to the gas.
[0043]
The thin film forming gas receives the energy from the excited discharge gas and activates itself by itself to form a thin film chemically on the substrate.Organometallic compound having an organic group having a fluorine atomIt is a gas containing.
[0044]
The film forming gas isOrganometallic compound having an organic group having a fluorine atomHowever, it is preferable to contain at least one selected from nitrogen, rare gas, oxygen, hydrogen, hydrocarbon and nitrogen oxide in addition to the raw material. These may be used alone as a thin film forming gas, or may be used in combination. Examples of the rare gas include Group 18 elements in the periodic table, specifically, helium, neon, argon, krypton, xenon, radon, and the like.
[0045]
Examples of the raw material contained in the thin film forming gas useful in the present invention include an organic metal compound, a metal halide, an organic fluorine compound, and the like, which are useful for forming a functional thin film.
[0046]
More specifically, when an organometallic compound or a metal halide is added to the raw material, for example, Li, Be, B, Na, Mg, Al, Si, K, Ca, Sc, Ti, V, Cr, Mn, Fe, Co, Ni, Cu, Zn, Ga, Ge, Rb, Sr, Y, Zr, Nb, Mo, Cd, In, Ir, Sn, Sb, Cs, Ba, La, Hf, Ta, W, Tl, A metal selected from Pb, Bi, Ce, Pr, Nd, Pm, Eu, Gd, Tb, Dy, Ho, Er, Tm, Yb, and Lu can be included. Among them, it contains at least one element selected from Sn, In, Al, Ti, Zn, Si, Sb, Mg, Ba, Mo, V, Nb, P, B, W, Cs, Zr, Ga, and As. It is preferable. In the case of an organometallic compound, those selected from metal alkoxides, alkylated metals, and metal complexes are preferred.
[0047]
Various highly functional thin films can be obtained by appropriately selecting the above or other raw materials and forming the thin film. One example is shown below, but the present invention is not limited to this.
[0048]
Electrode film Au, Al, Ag, Ti, Ti, Pt, Mo, Mo-Si
Dielectric protective film SiO2, SiO, SiThreeNFour, Al2OThree, Al2OThree, Y2OThree
Transparent conductive film In2OThree, SnO2ZnO
Electrochromic film WOThree, IrO2, MoOThree, V2OFive
Fluorescent film ZnS, ZnS + ZnSe, ZnS + CdS
Magnetic recording film Fe-Ni, Fe-Si-Al, γ-Fe2OThree, Co, FeThreeOFour, Cr, SiO2, Al2OThree
Superconductive film Nb, Nb-Ge, NbN
Solar cell film a-Si, Si
Reflective film Ag, Al, Au, Cu
Selective absorption membrane ZrC-Zr
Selective permeable membrane In2OThree, SnO2
Anti-reflective coating SiO2TiO2, SnO2, Ta2OFive
Shadow mask Cr
Abrasion resistant film Cr, Ta, Pt, TiC, TiN
Corrosion resistant film Al, Zn, Cd, Ta, Ti, Cr
Heat resistant film W, Ta, Ti
Lubricating film MoS2
Decorative film Cr, Al, Ag, Au, TiC, Cu
For example, in the formation of the antireflection film, examples of the raw material for forming the low refractive index layer include organic silicon compounds, silicon hydrogen compounds, and silicon halide compounds. Examples of the organic silicon compounds include tetraethylsilane, tetramethyl, and the like. Silane, tetraisopropylsilane, tetrabutylsilane, tetraethoxysilane, tetraisopropoxysilane, tetrabutoxysilane, dimethyldimethoxysilane, diethyldiethoxysilane, diethylsilanediacetacetonate, methyltrimethoxysilane, methyltriethoxysilane, ethyl Examples of the silicon hydride compound such as triethoxysilane include tetrahydrogen silane and hexahydrogen disilane, and examples of the halogenated silicon compound include tetrachlorosilane, methyltrichlorosilane, and diethyldichlorosilane. It can, both can be preferably used in the present invention.
[0049]
In the formation of the antireflection film, a tin compound is used as a metal compound used as a raw material for forming a medium refractive index layer or a high refractive index layer. Preferred tin compounds include organic tin compounds, tin hydrogen compounds, tin halides, and the like. Examples of the organic tin compound include tetraethyltin, tetramethyltin, di-n-butyltin diacetate, tetrabutyltin, tetraoctyltin, tetraethoxytin, methyltriethoxytin, diethyldiethoxytin, and triisopropylethoxy. Tin, diethyltin, dimethyltin, diisopropyltin, dibutyltin, diethoxytin, dimethoxytin, diisopropoxytin, dibutoxytin, tin dibutyrate, tin diacetoacetonate, ethyltin acetoacetonate, ethoxytin acetoacetonate, dimethyl Tin diacetacetonate, etc., tin hydride, etc., halogen As tin, tin chloride, can be mentioned tin tetrachloride, etc., all of which it can be used preferably in the present invention. Two or more of these reactive gases may be mixed and used at the same time. The tin oxide layer thus formed has a surface specific resistance value of 1 × 10.12Since it can be lowered to Ω / □ or less, it is also useful as an antistatic layer.
[0050]
In addition, the titanium compound used as a raw material for the reaction gas for forming the high refractive index layer in the antireflection film includes an organic titanium compound, a titanium hydrogen compound, a titanium halide, etc. Examples of the organic titanium compound include triethyl titanium. , Trimethyl titanium, triisopropyl titanium, tributyl titanium, tetraethyl titanium, tetraisopropyl titanium, tetrabutyl titanium, triethoxy titanium, trimethoxy titanium, triisopropoxy titanium, tributoxy titanium, tetraethoxy titanium, tetraisopropoxy titanium, methyldimethoxy Titanium hydrogen compound such as titanium, ethyl triethoxy titanium, methyl triisopropoxy titanium, tetradimethylamino titanium, dimethyl titanium diacetoacetonate, ethyl titanium triacetoacetonate, etc. Mono-titanium hydride, Jichitan hydrogen compound such as titanium halide, titanium trichloro, the titanium tetrachloride and the like. Alternatively, as the high refractive index layer, alkoxy tantalum such as tetraisopropoxy tantalum can be cited as a raw material for forming the tantalum oxide layer, and any of them can be preferably used in the present invention. These raw materials can be used by mixing two or more kinds at the same time, but are not limited thereto.
[0051]
Furthermore, a typical example of thin film formation is an article having a highly functional thin film such as an antifouling film. In the present invention, a thin film forming gas for producing an antifouling film will be described as a representative example.
[0052]
As the thin film forming gas for producing the antifouling film according to the present invention, an organic fluorine compound or an organic metal compound in which an organic group is directly bonded to a metal is used, and an organic metal compound having an organic group having a fluorine atom is particularly useful. is there.
[0053]
As the organic fluorine compound, a fluorocarbon gas, a fluorinated hydrocarbon gas, or the like can be preferably used. Examples of the fluorocarbon gas include tetrafluoromethane, tetrafluoroethylene, hexafluoropropylene, octafluorocyclobutane, and the like. Examples of the fluorinated hydrocarbon gas include difluoromethane, tetrafluoroethane, tetrafluoropropylene, and trifluoropropylene. Further, for example, halogenated fluorocarbon compounds such as chlorotrifluoromethane, chlorodifluoromethane, dichlorotetrafluorocyclobutane, fluoroalcohols such as trifluoromethanol and pentafluoroethanol, fluorine such as trifluoroacetic acid and pentafluoropropionic acid Organic fluorine compounds such as fluorinated ketones such as fluorinated fatty acids and hexafluoroacetone can be used, but are not limited thereto. These compounds may have a fluorinated ethylenically unsaturated group in the molecule.
[0054]
In the organometallic compound having an organic group used in the present invention, examples of the organic group include an organic group containing an alkyl group, an alkenyl group, an aryl group, etc., and an organometallic compound having an organic group used in the present invention. These organic groups are directly bonded to metal atoms, for example, metals such as silicon, titanium, germanium, zirconium, tin, aluminum, indium, antimony, yttrium, lanthanum, iron, neodymium, copper, gallium, and halfnium. It is an organometallic compound. Of these metals, silicon, titanium, germanium, zirconium, tin and the like are preferable, and silicon and titanium are more preferable. These fluorine-containing organic groups may be bonded to the metal compound in any form. For example, when a compound having a plurality of metal atoms such as siloxane has these organic groups, at least one metal atom is organic. It only needs to have a group, and the position is not limited.
[0055]
For example, silicon compounds having an organic group include methyltrichlorosilane, methyldichlorosilane, ethyltrichlorosilane, dimethyldichlorosilane, ethyldichlorosilane, n-propyltrichlorosilane, ethylmethyldichlorosilane, trimethylbromosilane, trimethylchlorosilane, n -Butyltrichlorosilane, i-butyltrichlorosilane, diethyldichlorosilane, methylpropyldichlorosilane, tetramethylsilane, diethylsilane, trimethylmethoxysilane, dimethyldimethoxysilane, methyltrimethoxysilane, pentyltrichlorosilane, butylmethyldichlorosilane, trimethyl Methoxysilane, ethyltrimethoxysilane, hexyltrichlorosilane, triethylchlorosilane, dimethyldiethoxysila , Propyltrimethoxysilane, heptyltrichlorosilane, hexamethyldichlorosilane, butyltrimethoxysilane, methyltriethoxysilane, octyltrichlorosilane, heptylmethyldichlorosilane, dibutyldichlorosilane, diethyldiethoxylane, ethyltriethoxysilane, tripropyl Chlorosilane, hexyltrimethoxysilane, propyltriethoxysilane, decyltrichlorosilane, dimethyloctylchlorosilane, pentyltriethoxysilane, hexyltriethoxysilane, decyltrimethoxysilane, octyltriethoxysilane, dodecylmethyldiethoxysilane, dodecyltriethoxysilane , Octadecylmethyldiethoxysilane, octadecyltriethoxysilane, 1,1,3,3-tetramethyl Rudisiloxane, 1,1,3,3-tetramethyldisilazane, hexamethyldisiloxane, hexamethyldisilazane, 1,3-divinyl-1,1,3,3-tetramethyldisiloxane, 1,3- Divinyl-1,1,3,3-tetramethyldisilazane, hexaethyldisiloxane, 1,3-dibutyl-1,1,3,3-tetramethyldisilazane, hexapropyldisiloxane, 1,1,3 3,5,5-hexamethyltricytoxane, 1,1,3,3,5,5-hexamethylcyclotrisilazane, hexaethylcyclosiloxane, octamethylcyclotetrasiloxane, 1,1,1,3,5 , 7,7,7-octamethyltetrasiloxane, 1,1,3,3,5,5,7,7-octamethylcyclotetrasilazane, decamethyltetrasiloxane Any of these can be preferably used in the present invention.
[0056]
In the present invention, an organic metal compound containing a fluorine atom in the organic group, that is, having an organic group having a fluorine atom is preferable, and a compound represented by the following general formula (1) can be preferably used. .
[0057]
[Chemical 1]
Figure 0004506111
[0058]
In the general formula (1), M represents Si, Ti, Ge, Zr, or Sn.
R1~ R6Each represents a hydrogen atom or a monovalent group, R1~ R6Is an organic group having a fluorine atom, for example, an alkyl group having a fluorine atom, an alkenyl group, or an organic group containing an aryl group is preferred, and the alkyl group having a fluorine atom is preferable. A group such as trifluoromethyl group, perfluoroethyl group, perfluoropropyl group, perfluorobutyl group, 4,4,3,3,2,2,1,1-octafluorobutyl group is a fluorine atom Examples of the alkenyl group having a group include a group such as 3,3,3-trifluoro-1-propenyl group, and examples of the aryl group having a fluorine atom include a group such as a pentafluorophenyl group. . In addition, an alkyl group, an alkenyl group, an alkoxy group formed from an aryl group, an alkenyloxy group, an aryloxy group, or the like can also be used.
[0059]
Further, in the alkyl group, alkenyl group, aryl group, etc., any number of fluorine atoms may be bonded to any position of the carbon atom in the skeleton, but preferably at least one is bonded. . The carbon atom in the skeleton of the alkyl group or alkenyl group includes, for example, other atoms such as oxygen, nitrogen and sulfur, and divalent groups containing oxygen, nitrogen and sulfur, such as a carbonyl group and a thiocarbonyl group. It may be substituted with a group.
[0060]
R1~ R6Among the groups represented by formula (1), other than the organic group having a fluorine atom, a hydrogen atom or a monovalent group is represented. Examples of the monovalent group include a hydroxy group, an amino group, an isocyanate group, a halogen atom, and an alkyl group. Groups such as a group, a cycloalkyl group, an alkenyl group, an aryl group, an alkoxy group, an alkenyloxy group, and an aryloxy group are exemplified, but not limited thereto. j represents an integer of 0 to 150, preferably 0 to 50, and more preferably j is in the range of 0 to 20.
[0061]
Of the monovalent groups, the halogen atom is preferably a chlorine atom, a bromine atom, or an iodine atom, and more preferably a chlorine atom. Among the alkyl groups, alkenyl groups, aryl groups, alkoxy groups, alkenyloxy groups, and aryloxy groups that are the monovalent groups, preferred are an alkoxy group, an alkenyloxy group, and an aryloxy group. Preferred is an alkoxy group.
[0062]
Of the metal atoms represented by M, Si and Ti are preferable, and Si is more preferable.
[0063]
The monovalent group may be further substituted with other groups, and is not particularly limited. Preferred substituents include amino groups, hydroxyl groups, isocyanate groups, fluorine atoms, chlorine atoms, bromine atoms and the like. Atom, alkyl group, cycloalkyl group, aryl group such as alkenyl group, phenyl group, alkoxy group, alkenyloxy group, aryloxy group, acyl group, acyloxy group, alkoxycarbonyl group, alkaneamide group, arylamide group, alkylcarbamoyl And groups such as an arylcarbamoyl group, a silyl group, an alkylsilyl group, and an alkoxysilyl group.
[0064]
In addition, the organic group having a fluorine atom, or other R1~ R6The group represented by1R2RThreeM- (M represents the metal atom, R1, R2, RThreeEach represents a monovalent group, and the monovalent group is an organic group having the above fluorine atom or R1~ R6Represents a group other than the organic group having a fluorine atom. It may be a structure having a plurality of metal atoms further substituted by a group represented by Examples of these metal atoms include Si and Ti, and examples thereof include a silyl group, an alkylsilyl group, and an alkoxysilyl group.
[0065]
R1~ R6Examples of the alkyl group, alkenyl group, and the alkoxy group formed from these, the alkyl group in the alkenyloxy group, and the alkenyl group are groups represented by the following general formula (F). preferable.
[0066]
Formula (F)
Rf-X- (CH2)k
Here, Rf represents an alkyl group or an alkenyl group in which at least one of hydrogen is substituted by a fluorine atom. For example, Rf represents a perfluoro group such as a trifluoromethyl group, a pentafluoroethyl group, a perfluorooctyl group, or a heptafluoropropyl group. Groups such as alkyl groups, groups such as 3,3,3-trifluoropropyl groups, 4,4,3,3,2,2,1,1-octafluorobutyl groups, and 1,1,1 -An alkenyl group substituted by a fluorine atom such as trifluoro-2-chloropropenyl group is preferred, among which a group such as a trifluoromethyl group, a pentafluoroethyl group, a perfluorooctyl group, a heptafluoropropyl group, 3,3,3-trifluoropropyl group, 4,4,3,3,2,2,1,1-octafluorobutyl group, etc. Alkyl group preferably has at least two or more fluorine atoms.
[0067]
X is a simple bond or a divalent group. The divalent group is a group such as —O—, —S—, —NR— (R represents a hydrogen atom or an alkyl group), —CO—, and the like. , -CO-O-, -CONH-, -SO2NH-, -SO2-O-, -OCONH-,
[0068]
[Chemical 2]
Figure 0004506111
[0069]
Represents a group such as
k represents an integer of 0 to 50, preferably 0 to 30.
[0070]
In addition to the fluorine atom, other substituents may be substituted in Rf, and examples of the substitutable group include R1~ R6Examples thereof include the same groups as those exemplified as the substituent in the above. In addition, the skeletal carbon atom in Rf is another atom, for example, -O-, -S-, -NR.0-(R0Represents a hydrogen atom or a substituted or unsubstituted alkyl group, and may be a group represented by the general formula (F)), a carbonyl group, —NHCO—, —CO—O—, —SO.2It may be partially substituted with a group such as NH-.
[0071]
Of the compounds represented by the general formula (1), a compound represented by the following general formula (2) is preferable.
[0072]
General formula (2)
[Rf-X- (CH2)k]q-M (RTen)r(OR11)t
In general formula (2), M represents the same metal atom as in general formula (1), Rf and X represent the same groups as Rf and X in general formula (F), and k represents the same integer. To express. RTenRepresents an alkyl group, an alkenyl group, and R11Represents an alkyl group, an alkenyl group, or an aryl group, and each of R in the general formula (1)1~ R6The substituent may be substituted with the same groups as those described above, but preferably represents an unsubstituted alkyl group or alkenyl group. Further, q + r + t = 4, q ≧ 1, and t ≧ 1. Two r when r ≧ 2TenMay be linked to form a ring.
[0073]
Of the general formula (2), more preferred are compounds represented by the following general formula (3).
[0074]
General formula (3)
Rf-X- (CH2)k-M (OR12)Three
Here, Rf, X and k are synonymous with those in the general formula (2). R12R in the general formula (2)11It is synonymous with. Further, M is the same as M in the general formula (2), but Si and Ti are particularly preferable, and Si is most preferable.
[0075]
In the present invention, another preferred example of the organometallic compound having a fluorine atom includes a compound represented by the following general formula (4).
[0076]
[Chemical Formula 3]
Figure 0004506111
[0077]
In the general formula (4), R1~ R6Is R in the general formula (1)1~ R6It is synonymous with. Again, R1~ R6At least one of is an organic group having the fluorine atom, and a group represented by the general formula (F) is preferable. R7Represents a hydrogen atom or a substituted or unsubstituted alkyl group. J represents an integer of 0 to 150, preferably 0 to 50, and most preferably j is in the range of 0 to 20.
[0078]
As another preferable compound having a fluorine atom used in the present invention, there is an organometallic compound having a fluorine atom represented by the following general formula (5).
[0079]
General formula (5)
[Rf-X- (CH2)k-Y]m-M (R8)n(OR9)p
In the general formula (5), M represents In, Al, Sb, Y, or La. Rf and X represent the same groups as Rf and X in the general formula (F), and Y represents a simple bond or oxygen. k also represents an integer of 0 to 50, preferably an integer of 30 or less. R9Represents an alkyl group or an alkenyl group, and R8Represents an alkyl group, an alkenyl group or an aryl group, and each of R in the general formula (1)1~ R6It may be substituted with the same group as the group mentioned as the substituent. Moreover, in General formula (5), it is m + n + p = 3, m is at least 1, n represents 0-2, and p represents the integer of 0-2. It is preferable that m + p = 3, that is, n = 0.
[0080]
As another preferable compound having a fluorine atom used in the present invention, there is an organometallic compound having a fluorine atom represented by the following general formula (6).
[0081]
General formula (6)
Rf1(OCThreeF6)m1-O- (CF2)n1-(CH2)p1-Z- (CH2)q1-Si- (R2)Three
In the general formula (6), Rf1Is a linear or branched perfluoroalkyl group having 1 to 16 carbon atoms, R2Represents a hydrolytic group, Z represents —OCONH— or —O—, m1 represents an integer of 1 to 50, n1 represents an integer of 0 to 3, p1 represents an integer of 0 to 3, and q1 represents an integer of 1 to 6. 6 ≧ n1 + p1> 0.
[0082]
Rf1As for carbon number of the linear or branched perfluoroalkyl group which can be introduce | transduced into 1-16, 1-16 are more preferable, and 1-3 are the most preferable. Therefore, Rf1As -CFThree, -C2FFive, -CThreeF7Etc. are preferred.
[0083]
R2Examples of the hydrolyzable group that can be introduced into the group include -Cl, -Br, -I, and -OR.11, -OCOR11, -CO (R11) C = C (R12)2, -ON = C (R11)2, -ON = CR13, -N (R12)2, -R12NOCR11Etc. are preferable. R11Represents an aliphatic hydrocarbon group having 1 to 10 carbon atoms such as an alkyl group, or an aromatic hydrocarbon group having 6 to 20 carbon atoms such as a phenyl group, and R12Represents an aliphatic hydrocarbon having 1 to 5 carbon atoms such as a hydrogen atom or an alkyl group, and R13Represents a C3-C6 divalent aliphatic hydrocarbon group such as an alkylidene group. Among these hydrolyzable groups, —OCHThree, -OC2HFive, -OCThreeH7, -OCOCHThreeAnd -NH2Is preferred.
[0084]
As for m1 in the said General formula (6), it is more preferable that it is 1-30, and it is still more preferable that it is 5-20. n1 is more preferably 1 or 2, and p1 is more preferably 1 or 2. Further, q1 is more preferably 1 to 3.
[0085]
As another preferable compound having a fluorine atom used in the present invention, there is an organometallic compound having a fluorine atom represented by the following general formula (7).
[0086]
[Formula 4]
Figure 0004506111
[0087]
In the general formula (7), Rf is a linear or branched perfluoroalkyl group having 1 to 16 carbon atoms, X is an iodine atom or a hydrogen atom, Y is a hydrogen atom or a lower alkyl group, Z is a fluorine atom or trifluoro Methyl group, Rtwenty oneIs a hydrolyzable group, Rtwenty twoRepresents a hydrogen atom or an inert monovalent organic group, a, b, c and d are each an integer of 0 to 200, e is 0 or 1, m and n are integers of 0 to 2, and p is 1 to 2. Represents an integer of 10.
[0088]
In the general formula (7), Rf is usually a linear or branched perfluoroalkyl group having 1 to 16 carbon atoms, preferably CFThreeGroup, C2FFiveGroup, CThreeF7It is a group. Examples of the lower alkyl group for Y usually include those having 1 to 5 carbon atoms.
[0089]
Rtwenty oneAs the hydrolyzable group, a halogen atom such as a chlorine atom, a bromine atom or an iodine atom, Rtwenty threeO group, Rtwenty threeCOO group, (Rtwenty four)2C = C (Rtwenty three) CO group, (Rtwenty three)2C = NO group, Rtwenty fiveC = NO group, (Rtwenty four)2N group and Rtwenty threeCONRtwenty fourGroups are preferred. Where Rtwenty threeIs usually an aliphatic hydrocarbon group having 1 to 10 carbon atoms such as an alkyl group or an aromatic hydrocarbon group usually having 6 to 20 carbon atoms such as a phenyl group, Rtwenty fourIs usually a lower aliphatic hydrocarbon group having 1 to 5 carbon atoms such as a hydrogen atom or an alkyl group, Rtwenty fiveIs usually a divalent aliphatic hydrocarbon group having 3 to 6 carbon atoms such as an alkylidene group. More preferably, a chlorine atom, CHThreeO group, C2HFiveO group, CThreeH7O group.
[0090]
Rtwenty twoIs a hydrogen atom or an inert monovalent organic group, preferably a monovalent hydrocarbon group usually having 1 to 4 carbon atoms such as an alkyl group. a, b, c and d are integers of 0 to 200, preferably 1 to 50. m and n are integers of 0 to 2, preferably 0. p is an integer of 1 or 2 or more, preferably an integer of 1 to 10, and more preferably an integer of 1 to 5. The number average molecular weight is 5 × 10.2~ 1x10FiveAnd preferably 1 × 10Three~ 1x10FourIt is.
[0091]
As a preferable structure of the silane compound represented by the general formula (7), Rf is CThreeF7A compound in which a is an integer of 1 to 50, b, c, and d are 0, e is 1, Z is a fluorine atom, and n is 0.
[0092]
In the present invention, typical examples of the organometallic compound having an organic group having fluorine, which is preferably used as the silane compound having a fluorine atom, and the compounds represented by the general formulas (1) to (7) are listed below. However, the present invention is not limited to these compounds.
[0093]
1: (CFThreeCH2CH2)FourSi
2: (CFThreeCH2CH2)2(CHThree)2Si
3: (C8F17CH2CH2) Si (OC2HFive)Three
4: CH2= CH2Si (CFThree)Three
5: (CH2= CH2COO) Si (CFThree)Three
6: (CFThreeCH2CH2)2SiCl (CHThree)
7: C8F17CH2CH2Si (Cl)Three
8: (C8F17CH2CH2)2Si (OC2HFive)2
9: CFThreeCH2CH2Si (OCHThree)Three
10: CFThreeCH2CH2SiClThree
11: CFThree(CF2)ThreeCH2CH2SiClThree
12: CFThree(CF2)FiveCH2CH2SiClThree
13: CFThree(CF2)FiveCH2CH2Si (OCHThree)Three
14: CFThree(CF2)7CH2CH2SiClThree
15: CFThree(CF2)7CH2CH2Si (OCHThree)Three
16: CFThree(CF2)8CH2Si (OC2HFive)Three
17: CFThree(CH2)2Si (OC2HFive)Three
18: CFThree(CH2)2Si (OCThreeH7)Three
19: CFThree(CH2)2Si (OCFourH9)Three
20: CFThree(CF2)Five(CH2)2Si (OC2HFive)Three
21: CFThree(CF2)Five(CH2)2Si (OCThreeH7)Three
22: CFThree(CF2)7(CH2)2Si (OC2HFive)Three
23: CFThree(CF2)7(CH2)2Si (OCThreeH7)Three
24: CFThree(CF2)7(CH2)2Si (OCHThree) (OCThreeH7)2
25: CFThree(CF2)7(CH2)2Si (OCHThree)2OCThreeH7
26: CFThree(CF2)7(CH2)2SiCHThree(OCHThree)2
27: CFThree(CF2)7(CH2)2SiCHThree(OC2HFive)2
28: CFThree(CF2)7(CH2)2SiCHThree(OCThreeH7)2
29: (CFThree)2CF (CF2)8(CH2)2Si (OCHThree)Three
30: C7F15CONH (CH2)ThreeSi (OC2HFive)Three
31: C8F17SO2NH (CH2)ThreeSi (OC2HFive)Three
32: C8F17(CH2)2OCONH (CH2)ThreeSi (OCHThree)Three
33: CFThree(CF2)7(CH2)2Si (CHThree) (OCHThree)2
34: CFThree(CF2)7(CH2)2Si (CHThree) (OC2HFive)2
35: CFThree(CF2)7(CH2)2Si (CHThree) (OCThreeH7)2
36: CFThree(CF2)7(CH2)2Si (C2HFive) (OCHThree)2
37: CFThree(CF2)7(CH2)2Si (C2HFive) (OCThreeH7)2
38: CFThree(CH2)2Si (CHThree) (OCHThree)2
39: CFThree(CH2)2Si (CHThree) (OC2HFive)2
40: CFThree(CH2)2Si (CHThree) (OCThreeH7)2
41: CFThree(CF2)Five(CH2)2Si (CHThree) (OCHThree)2
42: CFThree(CF2)Five(CH2)2Si (CHThree) (OCThreeH7)2
43: CFThree(CF2)2O (CF2)Three(CH2)2Si (OCThreeH7)Three
44: C7F15CH2O (CH2)ThreeSi (OC2HFive)Three
45: C8F17SO2O (CH2)ThreeSi (OC2HFive)Three
46: C8F17(CH2)2OCHO (CH2)ThreeSi (OCHThree)Three
47: CFThree(CF2)FiveCH (CFourH9) CH2Si (OCHThree)Three
48: CFThree(CF2)ThreeCH (CFourH9) CH2Si (OCHThree)Three
49: (CFThree)2(P-CHThree-C6HFiveCOCH2CH2CH2Si (OCHThree)Three
50: CFThreeCO-O-CH2CH2CH2Si (OCHThree)Three
51: CFThree(CF2)ThreeCH2CH2Si (CHThree) Cl
52: CFThreeCH2CH2(CHThree) Si (OCHThree)2
53: CFThreeCO-O-Si (CHThree)Three
54: CFThreeCH2CH2Si (CHThree) Cl2
55: (CFThree)2(P-CHThree-C6HFiveCOCH2CH2Si (OCHThree)Three
56: (CFThree)2(P-CHThree-C6HFiveCOCH2CH2Si (OC6HFive)Three
57: (CFThreeC2HFour) (CHThree)2Si-O-Si (CHThree)Three
58: (CFThreeC2HFour) (CHThree)2Si-O-Si (CFThreeC2HFour) (CHThree)259: CFThree(OCThreeF6)twenty four-O- (CF2)2-CH2-O-CH2Si (OCHThree)Three
60: CFThreeO (CF (CFThreeCF2O)mCF2CONHCThreeH6Si (OC2HFive)Three  (M = 11-30),
61: (C2HFiveO)ThreeSiCThreeH6NHCOCF2O (CF2O)n(CF2CF2O)pCF2CONHCThreeH6Si (OC2HFive)Three  (N / p = about 0.5, number average molecular weight = about 3000)
62: CThreeF7-(OCF2CF2CF2) Q-O- (CF2)2-[CH2CH {Si- (OCHThree)Three}]9-H (q = about 10)
63: F (CF (CFThreeCF2O)15CF (CFThree) CONHCH2CH2CH2Si (OC2HFive)Three
64: F (CF2)Four[CH2CH (Si (OCHThree)Three]]2.02OCHThree
65: (C2HFiveO)ThreeSiCThreeH6NHCO- [CF2(OC2FFour)Ten(OCF2)6OCF2] -CONHCThreeH6Si (OC2HFive)Three
66: CThreeF7(OCThreeF6)twenty fourO (CF2)2CH2OCH2Si (OCHThree)Three
67: CFThree(CF2)Three(C6HFour) C2HFourSi (OCHThree)Three
68: (CFThree)2CF (CF2)6CH2CH2SiCHThree(OCHThree)2
69: CFThree(CF2)Three(C6HFour) C2HFourSiCHThree(OCHThree)2
70: CFThree(CF2)Five(C6HFour) C2HFourSi (OC2HFive)Three
71: CFThree(CF2)ThreeC2HFourSi (NCO)Three
72: CFThree(CF2)FiveC2HFourSi (NCO)Three
73: C9F19CONH (CH2)ThreeSi (OC2HFive)Three
74: C9F19CONH (CH2)ThreeSiClThree
75: C9F19CONH (CH2)ThreeSi (OC2HFive)Three
76: CThreeF7O (CF (CFThreeCF2O)2-CF (CFThree) -CONH (CH2) Si (OC2HFive)Three
77: CFThreeO (CF (CFThreeCF2O)6CF2CONH (CH2)ThreeSiOSi (OC2HFive)2(CH2)ThreeNHCOCF2(OCF2CF (CFThree))6OCFThree
78: CThreeF7COOCH2Si (CHThree)2OSi (CHThree)2CH2OCOCThreeF7
79: CFThree(CF2)7CH2CH2O (CH2)ThreeSi (CHThree)2OSi (CHThree)2(CH2)ThreeOCH2CH2(CF2)7CFThree
80: CFThree(CF2)FiveCH2CH2O (CH2)2Si (CHThree)2OSi (CHThree)2(OC2HFive)
81: CFThree(CF2)FiveCH2CH2O (CH2)2Si (CHThree)2OSi (CHThree) (OC2HFive)2
82: CFThree(CF2)FiveCH2CH2O (CH2)2Si (CHThree)2OSi (CHThree)2OSi (CH3)2(OC2HFive)
In addition to the compounds exemplified above, as fluorine-substituted alkoxysilanes,
83: (Perfluoropropyloxy) dimethylsilane
84: Tris (perfluoropropyloxy) methylsilane
85: Dimethylbis (nonafluorobutoxy) silane
86: Methyltris (nonafluorobutoxy) silane
87: Bis (perfluoropropyloxy) diphenylsilane
88: Bis (perfluoropropyloxy) methylvinylsilane
89: Bis (1,1,1,3,3,4,4,4-octafluorobutoxy) dimethylsilane
90: Bis (1,1,1,3,3,3-hexafluoroisopropoxy) dimethylsilane
91: Tris (1,1,1,3,3,3-hexafluoroisopropoxy) methylsilane
92: Tetrakis (1,1,1,3,3,3-hexafluoroisopropoxy) silane
93: Dimethylbis (nonafluoro-t-butoxy) silane
94: Bis (1,1,1,3,3,3-hexafluoroisopropoxy) diphenylsilane
95: Tetrakis (1,1,3,3-tetrafluoroisopropoxy) silane
96: Bis [1,1-bis (trifluoromethyl) ethoxy] dimethylsilane
97: Bis (1,1,1,3,3,4,4,4-octafluoro-2-butoxy) dimethylsilane
98: Methyltris [2,2,3,3,3-pentafluoro-1,1-bis (trifluoromethyl) propoxy] silane
99: Diphenylbis [2,2,2-trifluoro-1- (trifluoromethyl) -1-tolylethoxy] silane
And the following compounds,
100: (CFThreeCH2)ThreeSi (CH2-NH2)
101: (CFThreeCH2)ThreeSi-N (CHThree)2
[0094]
[Chemical formula 5]
Figure 0004506111
[0095]
Furthermore,
[0096]
[Chemical 6]
Figure 0004506111
[0097]
Silazanes such as
106: CFThreeCH2-CH2TiClThree
107: CFThree(CF2)ThreeCH2CH2TiClThree
108: CFThree(CF2)FiveCH2CH2Ti (OCHThree)Three
109: CFThree(CF2)7CH2CH2TiClThree
110: Ti (OCThreeF7)Four
111: (CFThreeCH2-CH2O)ThreeTiClThree
112: (CFThreeC2HFour) (CHThree)2Ti-O-Ti (CHThree)Three
Examples thereof include organic titanium compounds having fluorine such as fluorine-containing organometallic compounds as follows.
[0098]
113: CFThree(CF2)ThreeCH2CH2O (CH2)ThreeGeCl
114: CFThree(CF2)ThreeCH2CH2OCH2Ge (OCHThree)Three
115: (CThreeF7O)2Ge (OCHThree)2
116: [(CFThree)2CHO]FourGe
117: [(CFThree)2CHO]FourZr
118: (CThreeF7CH2CH2)2Sn (OC2HFive)2
119: (CThreeF7CH2CH2) Sn (OC2HFive)Three
120: Sn (OCThreeF7)Four
121: CFThreeCH2CH2In (OCHThree)2
122: In (OCH2CH2OCThreeF7)Three
123: Al (OCH2CH2OCThreeF7)Three
124: Al (OCThreeF7)Three
125: Sb (OCThreeF7)Three
126: Fe (OCThreeF7)Three
127: Cu (OCH2CH2OCThreeF7)2
128: CThreeF7(OCThreeF6)twenty fourO (CF2)2CH2OCH2Si (OCHThree)Three
[0099]
[Chemical 7]
Figure 0004506111
[0100]
The compounds mentioned in these specific examples are Toray Dow Corning Silicone Co., Ltd., Shin-Etsu Chemical Co., Ltd., Daikin Chemical Co., Ltd. (for example, OPTOOL DSX), and Gelest Inc. In addition to being easily marketed, for example, J.A. Fluorine Chem. 79 (1). 87 (1996), material technology, 16 (5), 209 (1998), Collect. Czech. Chem. Commun. 44, 750-755, J. MoI. Amer. Chem. Soc. 1990, 112, 2341-2348, Inorg. Chem. 10: 889-892, 1971, U.S. Pat. No. 3,668,233, etc., JP-A 58-122979, JP-A 7-242675, JP-A 9-61605, etc. 11-29585, JP-A Nos. 2000-64348 and 2000-144097, and the like, or a synthesis method based thereon.
[0101]
You may use the said organic fluorine compound, the organometallic compound which has an organic group, and the organometallic compound which has an organic group which has a fluorine atom individually or in mixture of 2 or more types.
[0102]
By using an organic fluorine compound, an organic metal compound having an organic group, or an organic metal compound having an organic group having a fluorine atom, the surface energy of the antifouling layer (the surface of the antifouling layer) is reduced. A thin film having both water repellency and oil repellency can be obtained.
[0103]
In the present invention, when the organic fluorine compound, the organic metal compound having an organic group, or the organic metal compound having an organic group having a fluorine atom is a gas at normal temperature and normal pressure, it can be used as it is as a component of the mixed gas. Therefore, the method of the present invention can be performed most easily. However, when the organofluorine compound, the organometallic compound having an organic group, or the organometallic compound having an organic group having a fluorine atom is liquid or solid at room temperature and normal pressure, it is vaporized by a method such as heating or decompression. What is necessary is just to use, and you may melt | dissolve in a suitable solvent and use it.
[0104]
As described above, the thin film forming method of the present invention introduces and excites a discharge gas into the discharge space under atmospheric pressure or a pressure close to atmospheric pressure, and forms the thin film containing the aforementioned organometallic compound outside the discharge space. The gas is brought into contact with the outside of the discharge space to form an indirect excitation gas, and the thin film is formed by exposing the indirect excitation gas to the substrate.
[0105]
When the discharge gas (excitation gas) directly exposed to the discharge space is brought into contact with the thin film forming gas outside the discharge space, the thin film forming gas receives energy from the discharge gas excited in the discharge space and is indirectly excited. Estimated. In this invention, what processed the thin film formation gas in this way is called indirect excitation gas.
[0106]
Although the principle is not clear, the present inventors have found that the antifouling film can be formed at a very high performance and at a high speed as compared with the case where the thin film forming gas is directly exposed to the discharge space. .
[0107]
In the present invention, the discharge space is a space that is sandwiched between electrode pairs arranged to face each other at a predetermined distance, and causes discharge by introducing a discharge gas between the electrode pairs and applying a voltage. The term “outside the discharge space” means a space that is not the discharge space.
[0108]
The form of the discharge space is not particularly limited, and may be, for example, a slit formed by opposing plate electrode pairs or a space formed in a circumferential shape between two cylindrical electrodes. Further, the excitation gas and the thin film forming gas may be supplied so as to be in contact with each other, and the supply direction may be a parallel flow, a counter flow, or an oblique cross.
[0109]
Next, embodiments of an atmospheric pressure plasma discharge treatment apparatus, an atmospheric pressure plasma discharge treatment method, and an electrode system for an atmospheric pressure plasma discharge treatment apparatus used in the thin film forming method of the present invention will be described below with reference to the drawings. However, the present invention is not limited to this. In addition, the following explanation may include assertive expressions for terms and the like, but it shows preferred examples of the present invention, and the meaning and technical scope of the terms of the present invention are shown. It is not limited.
[0110]
In the present invention, the atmospheric pressure or the pressure in the vicinity of the atmospheric pressure is a pressure of 20 kPa to 110 kPa. In this invention, the more preferable pressure between the electrodes which apply a voltage is 70 kPa-140 kPa.
[0111]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing an example of a jet-type atmospheric pressure plasma discharge treatment apparatus according to the present invention.
[0112]
In FIG. 1, an atmospheric pressure plasma discharge treatment apparatus 1 mainly includes a counter electrode disposed so that a first electrode 2 and a second electrode 3 face each other, and a counter electrode which is a voltage applying means 4. In addition to the high-frequency power source 5 for applying a high-frequency electric field, although not shown, a gas supply means for introducing a discharge gas into the discharge space and a thin-film forming gas outside the discharge space, an electrode temperature adjusting means for controlling the electrode temperature, etc. It is composed of
[0113]
A region A that is sandwiched between the first electrode 2 and the second electrode 3 and has a dielectric shown by hatching on the first electrode is a discharge space. A discharge gas G is introduced into the discharge space A to excite the discharge gas. Further, a thin film forming gas M containing a thin film forming raw material is introduced into a region where discharge is not performed separately from the region where the electrodes are installed. Next, in the region outside the discharge space B where no electrode is present, the excited discharge gas G ′ and the thin film forming gas M are brought into contact with each other to form an indirect excitation gas N, which diffuses to the surface of the substrate 8. A thin film is formed. In the present invention, the excited discharge gas is not in direct contact with the base material, and the indirect excitation gas is in contact with the base material, thereby causing damage to the base material as compared with the case where the excited discharge gas is in direct contact with the base material. Can be much smaller.
[0114]
In addition, the base material 8 can process not only a sheet-like base material like a support body but various sizes and shapes. For example, a thin film can be formed on a substrate having a lens shape or a spherical shape.
[0115]
The base material 8 is installed on one side of a rotating polygonal supply device as shown in the figure, for example, and a thin film is formed. If another base material is installed on the other side, a thin film forming body can be obtained continuously.
[0116]
In the thin film forming method of the present invention, for example, an organometallic compound having an organic group having a fluorine atom is used as a thin film forming raw material, and the excited discharge gas and the thin film forming gas are brought into contact in a region outside the discharge space. By using an indirect excitation gas, it is possible to obtain a thin film for an antifouling layer having excellent water repellency, oil repellency and fingerprint wiping properties even after long-term storage, and having good abrasion resistance and scratch resistance.
[0117]
The pair of counter electrodes (the first electrode 2 and the second electrode 3) is composed of a metal base material and a dielectric 7, and by combining the metal base material to cover a dielectric having an inorganic property, Further, it may be constituted by a combination in which a ceramic material is sprayed on a metal base material and then a dielectric material sealed with a substance having an inorganic property is coated. As the metal base material, metals such as titanium, copper, gold, silver, platinum, stainless steel, aluminum, and iron can be used, but stainless steel or titanium is preferable. Dielectric lining materials include silicate glass, borate glass, phosphate glass, germanate glass, tellurite glass, aluminate glass, vanadate glass, etc. Of these, borate glass is preferable because it is easy to process. As the ceramic used for the thermal spraying of the dielectric, alumina is preferable, and it is preferable to perform a sealing treatment with silicon oxide or the like. Further, as the sealing treatment, the alkoxysilane-based sealing material can be made inorganic by a sol-gel reaction.
[0118]
In FIG. 1, the pair of counter electrodes are flat electrodes like the first electrode 2 and the second electrode 3, but one or both electrodes may be hollow cylindrical electrodes or prismatic electrodes. . The high-frequency power source 5 is connected to one electrode (for example, the first electrode 2) of the pair of counter electrodes, and the other electrode (for example, the second electrode 3) is grounded by the earth 9, and the pair of counter electrodes An electric field can be applied between them.
[0119]
The voltage applying means 4 applies a voltage from the high frequency power source 5 to the metal pair of each electrode. There is no limitation in particular as a high frequency power supply used for this invention. As a high frequency power source that can be used for forming an antifouling film, a high frequency power source (50 kHz) manufactured by Shinko Electric, a high frequency power source manufactured by HEIDEN Laboratory (continuous mode use, 100 kHz), a high frequency power source manufactured by Pearl Industry (200 kHz), and a high frequency power source manufactured by Pearl Industry A power source (800 kHz), a pearl industry high frequency power supply (2 MHz), a JEOL high frequency power supply (13.56 MHz), a pearl industry high frequency power supply (27 MHz), a pearl industry high frequency power supply (150 MHz), and the like can be preferably used. Alternatively, a power source that oscillates at 433 MHz, 800 MHz, 1.3 GHz, 1.5 GHz, 1.9 GHz, 2.45 GHz, 5.2 GHz, or 10 GHz may be used.
[0120]
The frequency of the high-frequency electric field applied between the counter electrodes when forming the antifouling film which is a useful example of the present invention is not particularly limited, but is preferably 0.5 kHz or more and 2.45 GHz or less as the high-frequency power source. . The power supplied between the counter electrodes is preferably 0.1 W / cm.2Or more, preferably 50 W / cm2It is as follows.
In addition, the voltage application area (cm2) Refers to the area in which discharge occurs. The high-frequency voltage applied between the counter electrodes may be an intermittent pulse wave or a continuous sine wave.
[0121]
In the present invention, a discharge space may be formed by applying two or more high-frequency electric fields between the electrodes.
[0122]
In the present invention, the distance between the counter electrodes (gap 1 in FIG. 1) is determined in consideration of the thickness of the dielectric on the metal base material of the electrode, the magnitude of the applied voltage, the purpose of using plasma, and the like. . The shortest distance between the dielectric when the dielectric is placed on one of the electrodes and the distance between the dielectrics when the dielectric is placed on both of the electrodes is the distance between the electrodes. From the viewpoint of discharging, the thickness is preferably 0.1 mm to 20 mm, more preferably 0.2 to 10 mm.
[0123]
Before forming the thin film according to the present invention, the substrate may be subjected to a surface treatment by exposing the substrate to a discharge space or an excitation gas. For example, when the raw material is an alkoxide, a hydrophilic treatment by exposure to a discharge space or an excitation gas is preferably used. Further, before the thin film is formed, the surface of the base material may be previously subjected to charge removal, and dust may be further removed. As the charge removal means and the dust removal means after the charge removal process, the same means as those used in the above apparatus can be employed. Although not shown in the drawing, as a charge removal means, besides a normal blower type or contact type, a plurality of positive and negative ion generation charge removal electrodes and a charge removal device in which an ion attracting electrode is opposed to sandwich the substrate, and then positive / negative Alternatively, a high-density static elimination system (Japanese Patent Laid-Open No. 7-263173) provided with the above-described DC type static elimination device may be used. Examples of the dust removal means after the charge removal treatment include a non-contact type jet-type depressurization type dust removal apparatus (Japanese Patent Laid-Open No. 7-60211) and can be preferably used, but are not limited thereto.
[0124]
The material of the base material processed by the thin film forming method according to the present invention is not particularly limited, and examples thereof include plastic, metal, earthenware, paper, wood, nonwoven fabric, glass plate, ceramics, and building materials. The substrate surface is preferably a metal oxide such as silica. The substrate may be in the form of a sheet or a molded product. Examples of glass include plate glass and lenses, and examples of plastic include plastic lenses, plastic films, plastic sheets, and plastic molded products. When the base material uses such a plastic as a support, one having a metal oxide film such as an antireflection film on its surface is preferably used.
[0125]
FIG. 2 is a cross-sectional view showing an example of a comparative jet type atmospheric pressure plasma discharge treatment apparatus.
[0126]
The pair of counter electrodes (first electrode 2 and second electrode 3) shown in FIG. 1 are arranged in the cylinder on the side where the base material 8 is installed, and discharge is performed in the area on the side of the cylinder opposite to FIG. The gas G is introduced and excited in the discharge space A. Further, the thin film forming gas M is introduced into the cylinder opposite to the cylinder where the counter electrode is installed. Subsequently, in the region outside the discharge space B, the excited discharge gas G ′ and the thin film forming gas M are brought into contact with each other to form an indirect excitation gas N, which is diffused on the surface of the substrate 8 to form a thin film. In such an arrangement, since the excited discharge gas and the indirectly excited gas are in direct contact with the substrate, the substrate surface is easily damaged by the excited discharge gas, and a high-performance and uniform thin film cannot be obtained.
[0127]
FIG. 3 is a schematic view showing an example of an atmospheric pressure plasma discharge treatment apparatus used for forming an antireflection film on a substrate according to the present invention.
[0128]
FIG. 3 includes a plasma discharge processing apparatus 130, a gas supply unit 150, a voltage application unit 140, and an electrode temperature adjustment unit 160. As the roll rotating electrode 135 and the rectangular tube type fixed electrode group 136, the base material 8 is subjected to plasma discharge treatment. In the discharge space (between the counter electrodes) 132 between the roll rotating electrode (first electrode) 135 and the square tube type fixed electrode group (second electrode) 136, the roll rotating electrode (first electrode) 135 has the first power supply 141. To frequency ω1The high frequency voltage V1In addition, the square cylindrical fixed electrode group (second electrode) 136 is supplied with a frequency ω from the second power source 142.2The high frequency voltage V2It comes to apply.
[0129]
A first filter 143 is installed between the roll rotation electrode (first electrode) 135 and the first power supply 141 so that the current from the first power supply 141 flows toward the roll rotation electrode (first electrode) 135. ing. The first filter is designed to make it difficult for the current from the first power supply 141 to pass to the ground side and to easily pass the current from the second power supply 142 to the ground side. Further, a second filter 144 is installed between the square tube type fixed electrode group (second electrode) 136 and the second power source 142 so that the current from the second power source flows toward the second electrode. . The second filter 144 is designed to make it difficult for the current from the second power source 142 to pass to the ground side and to easily pass the current from the first power source 141 to the ground side.
[0130]
The roll rotating electrode 135 may be the second electrode, and the square tube type fixed electrode group 136 may be the first electrode. In any case, the first power source is connected to the first electrode, and the second power source is connected to the second electrode. The first power supply has a higher high-frequency voltage (V1> V2) Can be applied, and the frequency is ω12Has the ability to become. Further, it is not always necessary to use both the first power supply and the second power supply, and only one of them can be used.
[0131]
The base material 8 passes through the guide roll 164, blocks air or the like accompanying the base material with the nip roll 165, and moves between the rectangular tube fixed electrode group 136 while being wound while being in contact with the roll rotation electrode 135. Then, it passes through the nip roll 166 and the guide roll 167 and is transferred to the thin film forming process according to the present invention which is the next process. The processing gas H is generated in the gas generator 151 which is the gas supply means 150 and the flow rate is controlled so that the processing gas is in the plasma discharge processing vessel 131 between the counter electrodes (this is the discharge space) 132 from the air supply port 152. Then, the inside of the plasma discharge treatment vessel 131 is filled with the treatment gas, and the treatment exhaust gas H ′ subjected to the discharge treatment is discharged from the exhaust port 153.
[0132]
The roll rotating electrode 135 and the rectangular tube type fixed electrode group 136 are heated or cooled using the electrode temperature adjusting means 160 and fed to the electrodes. The temperature of the medium whose temperature is adjusted by the electrode temperature adjusting means 160 is adjusted by the liquid feed pump P from the inside of the roll rotating electrode 135 and the rectangular tube-shaped fixed electrode group 136 through the pipe 161. During the plasma discharge treatment, the properties and composition of the thin film obtained may vary depending on the temperature of the substrate, and it is preferable to appropriately control this. As the medium, an insulating material such as distilled water or oil is preferably used. During the plasma discharge treatment, it is desirable to control the temperature inside the roll rotating electrode 135 so that the temperature unevenness of the substrate in the width direction or the longitudinal direction does not occur as much as possible. Reference numerals 168 and 169 denote partition plates that partition the plasma discharge processing vessel 131 from the outside.
[0133]
FIG. 4 is a schematic view showing an example of an atmospheric pressure plasma discharge treatment apparatus used for the pretreatment according to the present invention.
[0134]
The apparatus is shown in addition to a high-frequency power source 5 that applies a high-frequency electric field between a counter electrode that is arranged so that the first electrode 2 and the second electrode 3 face each other and a counter electrode that is a voltage applying means 4. There are no gas supply means, electrode temperature adjustment means, and the like.
[0135]
A discharge gas G is introduced into a region where the first electrode 2 and the second electrode 3 face each other, and is excited in the discharge space A. Then, the substrate 8 is subjected to a surface treatment by exposing the excited discharge gas G ′ to the substrate.
[0136]
FIG. 5 is a schematic view showing another example of an atmospheric pressure plasma discharge treatment apparatus used for pretreatment according to the present invention.
[0137]
The apparatus is shown in addition to a high-frequency power source 5 that applies a high-frequency electric field between a counter electrode that is arranged so that the first electrode 2 and the second electrode 3 face each other and a counter electrode that is a voltage applying means 4. There are no gas supply means, electrode temperature adjustment means, and the like.
[0138]
The substrate 8 is disposed in a region where the first electrode 2 and the second electrode 3 are opposed to each other, the discharge gas G is introduced, and the substrate 8 is exposed to the discharge space A to thereby surface the substrate 8. Process.
[0139]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be specifically described by way of examples, but the present invention is not limited thereto.
[0140]
<< Preparation of thin film (antifouling film) formation sample >>
[Production of Example Sample 1: Present Invention]
(Atmospheric pressure plasma discharge treatment equipment)
Using the atmospheric pressure plasma discharge treatment apparatus shown in FIG. 1, an antifouling film was formed on the substrate 8 over 1 minute. Gas type A was used as the discharge gas introduced from the discharge gas inlet 13, and gas type B was used as the thin film forming gas introduced from the thin film forming gas inlet 15.
[0141]
<Gas type A: Discharge gas>
Nitrogen gas 98.5% by volume
Hydrogen gas 1.5% by volume
<Gas type B: Thin film forming gas>
Nitrogen gas 99.9% by volume
Organometallic compound (described in Table 1) 0.1% by volume
(The compounds listed in Table 1 are vaporized in nitrogen gas by a vaporizer manufactured by STEC.)
<Gas supply ratio and mixing>
Gas species A: Gas species B = 2: 1 (volume ratio) was supplied, contacted outside the discharge space B via the gas outlet 16, and then supplied to the substrate surface.
[0142]
For electrodes 2 and 3, stainless steel SUS316 was used for the electrodes, and further, the surface of the electrode was spray-coated with alumina ceramic until the thickness became 1 mm, and then a coating solution in which an alkoxysilane monomer was dissolved in an organic solvent was applied to the alumina ceramic coating. Then, after drying, a dielectric was formed by heating at 150 ° C. and performing a sealing treatment. The portion of the electrode not covered with the dielectric was connected to the high frequency power source 5 or grounded 9. The gaps between the excitation gas outlet and the thin film forming gas outlet 1 and 2 are shown in Table 1.
[0143]
The high-frequency power source 5 is a high-frequency power source (40 KHz) manufactured by HEIDEN Laboratory, 7 W / cm.2The discharge power was applied.
[0144]
As the base material 8, 0.5 t soda lime glass (single side polishing) made of Japanese plate glass having a width of 10 mm, a length of 10 mm and a thickness of 0.5 mm was used.
[0145]
[Production of Example Sample 2: Present Invention]
In the production of Example Sample 1, Example Sample 2 was prepared in the same manner except that the gas type A, gas type B, excitation gas side gap 1 and thin film forming gas side gap 2 were changed as shown below. Produced.
[0146]
<Gas type A: Discharge gas>
Nitrogen gas 100% by volume
<Gas type B: Thin film forming gas>
Nitrogen gas 99.9% by volume
Organometallic compound (described in Table 1) 0.1% by volume
(The compounds listed in Table 1 are vaporized in nitrogen gas by a vaporizer manufactured by STEC.)
The gaps 1 and 2 are shown in Table 1.
[0147]
[Production of Example Sample 3: Present Invention]
In the production of Example Sample 2, Example Sample 3 was produced in the same manner except that the gas type A, gas type B, excitation gas side gap 1 and thin film forming gas side gap 2 were changed as shown below. did.
[0148]
<Gas type A: Discharge gas>
Argon gas 98.5% by volume
Hydrogen gas 1.5% by volume
<Gas type B: Thin film forming gas>
Argon gas 99.9% by volume
Organometallic compound (described in Table 1) 0.1% by volume
(The compounds listed in Table 1 are vaporized in argon gas by a vaporizer manufactured by STEC.)
The gaps 1 and 2 are shown in Table 1.
[0149]
The high-frequency power source 5 is a high-frequency power source (13.56 MHz) manufactured by Pearl Industry, 7 W / cm.2Applied.
[0150]
[Production of Example Sample 4: Present Invention]
Example sample 4 was prepared and evaluated in the same manner as Example sample 1 except that the base material used in Example sample 1 was subjected to the following pretreatment A as a pretreatment.
[0151]
Pretreatment A: Before exposing the substrate to the indirect excitation gas, nitrogen is used as a discharge gas in a discharge space having a configuration in which the first electrode 2 and the third electrode 3 shown in FIG. : Oxygen = 99: 1 (volume ratio) was introduced, and the substrate was exposed to the excited discharge gas for 3 seconds. As a high frequency power source, a high frequency power source (frequency: 40 kHz) manufactured by HEIDEN Laboratory, discharge output is 10 W / cm.2I went to set.
[0152]
[Production of Example Sample 5: Present Invention]
Example sample 5 was prepared and evaluated in the same manner as Example sample 2 except that the base material used in Example sample 2 was subjected to the following pretreatment B as a pretreatment.
[0153]
Pretreatment B: Before exposing the substrate to the indirect excitation gas, nitrogen is used as a discharge gas in a discharge space having a configuration in which the first electrode 2 and the second electrode 3 shown in FIG. : Oxygen = 99: 1 (volume ratio) was introduced, and the substrate was exposed to the excited discharge gas for 3 seconds. As a high frequency power source, a high frequency power source (frequency: 40 kHz) manufactured by HEIDEN LABORATORY, discharge output is 5 W / cm2Set to
[Production of Example Sample 6: Present Invention]
The base material of Example Sample 1 was formed into a thin film under the same conditions as Example Sample 1 except that an antireflection film in which an antireflection layer was formed by the atmospheric pressure plasma method on the cellulose ester film shown below was used. Example sample 6 was prepared.
[0154]
With respect to Example Sample 6 obtained as described above, the surface resistivity measurement was performed by the method shown below, and the surface resistivity value was 1 × 10.12It confirmed that it was below ohm / square.
[0155]
(Measurement method of surface resistivity)
The sample was conditioned for 24 hours in an environment of 23 ° C. and 55% RH, and then measured using a Teraohm Meter Model VE-30 manufactured by Kawaguchi Electric. The electrodes used for the measurement were measured by placing two electrodes (1 cm x 5 cm in contact with the sample) at an interval of 1 cm, contacting the sample with the electrode, and multiplying the measured value by 5 times. The specific resistance value (Ω / □) was used.
[0156]
[Preparation of substrate]
(Formation of antistatic layer)
On one surface of a cellulose triacetate film having a thickness of 80 μm (manufactured by Konica, trade name: Konicatak KC80UVSF), an antistatic layer coating composition having the following composition was die-coated so that the dry film thickness was 0.2 μm. It dried at 80 degreeC for 5 minute (s), and provided the antistatic layer.
[0157]
<Coating composition for antistatic layer>
Diamond (BR-88 manufactured by Mitsubishi Rayon Co., Ltd.) 0.5 parts by mass
60 parts by mass of propylene glycol monomethyl ether
Methyl ethyl ketone 15 parts by mass
6 parts by mass of ethyl lactate
8 parts by mass of methanol
Conductive polymer resin
IP-16 (described in JP-A-9-203810) 0.5 parts by mass
(Formation of hard coat layer)
The following hard coat layer composition was applied to the film on which the antistatic layer was formed so that the dry film thickness was 3.5 μm, and dried at 80 ° C. for 5 minutes. Next, an 80 W / cm high-pressure mercury lamp was irradiated for 4 seconds from a distance of 12 cm to be cured, and a hard coat film having a hard coat layer was produced. The refractive index of the hard coat layer was 1.50.
[0158]
<Hard coat layer composition>
60 parts by mass of dipentaerythritol hexaacrylate monomer
Dipentaerythritol hexaacrylate dimer 20 parts by mass
More than dipentaerythritol hexaacrylate trimer
20 parts by mass
Diethoxybenzophenone (UV photoinitiator) 2 parts by mass
50 parts by mass of methyl ethyl ketone
50 parts by mass of ethyl acetate
50 parts by mass of isopropyl alcohol
The composition was dissolved with stirring.
[0159]
(Coating back coat layer)
The backcoat layer coating composition described below was applied to the opposite surface of the surface coated with the hard coat layer with a gravure coater so as to have a wet film thickness of 14 μm, and dried at a drying temperature of 85 ° C. Was applied.
[0160]
<Backcoat layer coating composition>
30 parts by mass of acetone
45 parts by mass of ethyl acetate
10 parts by mass of isopropyl alcohol
Cellulose diacetate 0.5 parts by mass
Aerosil 200V 0.1 parts by mass
(Formation of antireflection layer)
The four atmospheric pressure plasma discharge treatment apparatuses shown in FIG. 3 are connected, the electrode gap between the two electrodes of each apparatus is set to 1 mm, the following gas is supplied to the discharge space of each apparatus, and the hard coat produced as described above A thin film was sequentially formed on the layer. A high frequency power source manufactured by Shinko Electric Co., Ltd. (50 kHz) is used as the first high frequency power source for the first electrode of each device, the high frequency voltage is 10 kV / mm, and the output density is 1 W / cm.2In addition, a high frequency power source manufactured by Pearl Industrial Co., Ltd. (13.56 MHz) is used as the second high frequency power source for the second electrode, and the high frequency voltage is 0.8 kV / mm and the output density is 5.0 W / cm.2And a plasma discharge was performed to form a thin film mainly composed of titanium oxide and an antireflection layer mainly composed of silicon oxide. The discharge start voltage of nitrogen gas in the discharge space of each device at this time was 3.7 kV / mm. The following thin film forming gas was vaporized by a vaporizer in nitrogen gas and supplied to the discharge space while heating. The roll electrode was rotated in synchronization with the transport of the cellulose ester film using a drive. Both electrodes were adjusted and kept at 80 ° C.
[0161]
<Gas composition for titanium oxide layer formation>
Discharge gas: Nitrogen 97.9% by volume
Thin film forming gas: tetraisopropoxy titanium 0.1% by volume
Additive gas: 2.0% by volume of hydrogen
<Gas composition for forming silicon oxide layer>
Discharge gas: Nitrogen 98.9% by volume
Thin film forming gas: Tetraethoxysilane 0.1% by volume
Addition gas: Oxygen 1.0% by volume
On the hard coat layer, a titanium oxide layer, a silicon oxide layer, a titanium oxide layer, and a silicon oxide layer are provided in this order, and a substrate having an antistatic layer, a hard coat layer, and an antireflection layer (this is shown in Table 1). (Referred to as TAC-AR). Each layer constituting the antireflection layer has a refractive index of 2.1 (film thickness of 15 nm), a refractive index of 1.46 (film thickness of 33 nm), a refractive index of 2.1 (film thickness of 120 nm), and a refractive index of 1. .46 (film thickness 76 nm).
[0162]
[Preparation of Comparative Samples 1-3: Comparative Example]
Using the atmospheric pressure plasma discharge treatment apparatus shown in FIG. 2, an antifouling film was formed on the substrate 8 over 1 minute. As shown in Table 1, gas type A was used for the discharge gas introduced from the discharge gas inlet 13, and gas type B was used for the thin film forming gas introduced from the thin film forming gas inlet 15. The gas type A, gas type B, the gap between the excitation gas side gap 1 and the thin film forming gas side gap 2 and the base material were changed as shown in Table 1, and a thin film was formed in the same manner as in Example Sample 1. 1-3 were obtained.
[0163]
Table 1 shows the main characteristics of the thin film forming method for each sample.
[0164]
[Table 1]
Figure 0004506111
[0165]
Subsequently, the evaluation shown below was implemented about the obtained sample.
<< Measurement and evaluation of characteristic values of each sample >>
(Measurement of contact angle)
About each sample, the contact angle with the antifouling film surface, water, and hexadecane was measured under an environment of 23 ° C. and 55% using a contact angle meter CA-W manufactured by Kyowa Interface Science Co., Ltd. In addition, the measurement was performed at 10 locations at random and the average value was obtained.
[0166]
[Evaluation of easy wiping: oil-based ink]
Write a line with oil-based ink (Mckey extra fine black made by Zebra), wipe it with a soft cloth (BEMCOT M-3 250mm x 250mm made by Asahi Kasei Co., Ltd.) 5 times, wipe the ink, and visually observe the remaining state of the ink. The ease of wiping was evaluated.
[0167]
A: Oil-based ink was completely wiped off
○: Oil-based ink was almost wiped off
Δ: Oil-based ink remains without being partially wiped off
X: Oil-based ink remains on the substrate surface
Moreover, wiping off of the oil-based ink was repeated 20 times, and the above evaluation was performed 20th time.
[0168]
[Ash adhesion test]
The film-formed base material was rolled 10 times with a rubber roll and brought close to the cigarette ash to test whether it adhered to the base material.
[0169]
◎: No adhesion even when close to 1cm
○: Adhere when close to 1-10cm
×: Adhering even at 10 cm or more
The results obtained as described above are shown in Table 2.
[0170]
[Table 2]
Figure 0004506111
[0171]
As apparent from Table 2, the sample of the present invention in which the antifouling film was formed according to the thin film forming method and thin film production apparatus of the present invention was compared with the comparative example in terms of water repellency (contact angle) and oil repellency (ease of wiping). ) Is good.
[0172]
Moreover, it turned out that the Example sample 6 which concerns on this invention to which the antistatic function was provided becomes difficult to adhere ash, and has a favorable performance with respect to dust adhesion.
[0173]
【The invention's effect】
According to the present invention, it was possible to provide a thin film production apparatus having excellent water repellency and oil repellency without affecting the substrate, and a thin film forming method and a thin film formed body using the same.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing an example of a jet-type atmospheric pressure plasma discharge treatment apparatus according to the present invention.
FIG. 2 is a cross-sectional view showing an example of a comparative jet type atmospheric pressure plasma discharge treatment apparatus.
FIG. 3 is a schematic view showing an example of an atmospheric pressure plasma discharge apparatus used for forming an antireflection film on a substrate.
FIG. 4 is a schematic view showing an example of an atmospheric pressure plasma discharge treatment apparatus used for pretreatment according to the present invention.
FIG. 5 is a schematic view showing another example of an atmospheric pressure plasma discharge treatment apparatus used for pretreatment according to the present invention.
[Explanation of symbols]
1 Atmospheric pressure plasma discharge treatment equipment
2 First electrode
3 Second electrode
4 Voltage application means
5 High frequency power supply
7 Dielectric
8 Base material
9 Earth
13 Discharge gas inlet
15 Thin film forming gas inlet
16 Gas outlet
G Discharge gas
G 'excited discharge gas
M Thin film forming gas
N indirectly excited gas
A Discharge space
B Outside the discharge space
131 Plasma discharge treatment vessel
132 Discharge space
135 Roll electrode (first electrode)
136 Square tube electrode group (second electrode)
140 Voltage application means
141 First power supply
142 Second power supply
143 1st filter
144 Second filter
150 Gas supply means
160 Electrode temperature adjusting means
H Processing gas
H 'treated exhaust gas
P liquid pump

Claims (9)

大気圧または大気圧近傍の圧力下で放電ガスを対向する電極間に高周波電圧を印加することにより形成された放電空間に導入して励起し、該励起した放電ガスを直接基材と接触させないように、フッ素原子を有する有機基を有する有機金属化合物を含む薄膜形成ガスを基材と該励起した放電ガスで挟み込み、該薄膜形成ガスを放電空間外で前記励起した放電ガスと接触させることにより間接励起し、基材を該間接励起したガスに晒すことにより該基材上に薄膜を形成することを特徴とする薄膜形成方法。The discharge gas is introduced into the discharge space formed by applying a high frequency voltage between the electrodes facing each other under the atmospheric pressure or near atmospheric pressure and excited, and the excited discharge gas is not directly brought into contact with the substrate. Indirectly, a thin film forming gas containing an organometallic compound having an organic group having a fluorine atom is sandwiched between the substrate and the excited discharge gas, and the thin film forming gas is contacted with the excited discharge gas outside the discharge space. A thin film forming method comprising forming a thin film on a substrate by exciting and exposing the substrate to the indirectly excited gas. 大気圧または大気圧近傍の圧力下で放電ガスを放電空間に導入して励起し、該励起した放電ガスを直接基材と接触させないように、フッ素原子を有する有機基を有する有機金属化合物を含む薄膜形成ガスを基材と該励起した放電ガスで挟み込み、該薄膜形成ガスを放電空間外で前記励起した放電ガスと接触させることにより間接励起し、基材を該間接励起したガスに晒すことにより該基材上に薄膜を形成することを特徴とする薄膜形成方法。Including an organometallic compound having an organic group having a fluorine atom so that a discharge gas is introduced into a discharge space under atmospheric pressure or a pressure near atmospheric pressure to be excited, and the excited discharge gas is not directly brought into contact with a substrate. By sandwiching a thin film forming gas between the substrate and the excited discharge gas, indirect excitation by bringing the thin film forming gas into contact with the excited discharge gas outside the discharge space, and exposing the substrate to the indirectly excited gas. A thin film forming method comprising forming a thin film on the substrate. 前記放電ガスが、窒素及び/または希ガスを含有することを特徴とする請求項1または2に記載の薄膜形成方法。The thin film forming method according to claim 1, wherein the discharge gas contains nitrogen and / or a rare gas. 前記基材の表面が、無機化合物を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の薄膜形成方法。The thin film forming method according to claim 1, wherein the surface of the base material contains an inorganic compound. 前記基材の表面の主成分が、金属酸化物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の薄膜形成方法。The thin film forming method according to claim 1, wherein a main component of the surface of the base material is a metal oxide. 大気圧または大気圧近傍の圧力下で、対向する電極間に高周波電圧を印加する高周波電圧印加手段と、放電ガスを該印加手段により該電極間に電圧を印加された放電空間に導入して励起させる手段と、該励起した放電ガスを直接基材と接触させないように、フッ素原子を有する有機基を有する有機金属化合物を含む薄膜形成ガスを基材と該励起した放電ガスで挟み込ませる手段を有し、該挟み込みにより前記励起した放電ガスが該薄膜形成ガスを間接励起させることにより、前記基材上に薄膜を形成させることを特徴とする薄膜製造装置。Excited by introducing high-frequency voltage applying means for applying a high-frequency voltage between opposing electrodes under a pressure near or at atmospheric pressure, and introducing a discharge gas into a discharge space to which a voltage is applied between the electrodes by the applying means And a means for sandwiching a thin film forming gas containing an organometallic compound having an organic group having a fluorine atom between the substrate and the excited discharge gas so that the excited discharge gas does not directly contact the substrate. Then, the thin film manufacturing apparatus is characterized in that the discharge gas excited by the sandwiching causes the thin film forming gas to be indirectly excited to form a thin film on the substrate. 前記電極が、少なくとも一方の電極が誘電体で被覆されていることを特徴とする請求項6に記載の薄膜製造装置。The thin film manufacturing apparatus according to claim 6, wherein at least one of the electrodes is covered with a dielectric. 前記薄膜形成ガスを前記基材と前記励起した放電ガスで挟み込ませる手段が、該薄膜形成ガスを基材表面に存在するように供給する手段と、該励起した放電ガスと薄膜形成ガスとを接触させるように供給する手段を有することを特徴とする請求項6または7に記載の薄膜製造装置。The means for sandwiching the thin film forming gas between the substrate and the excited discharge gas contacts the means for supplying the thin film forming gas so as to exist on the surface of the substrate, and the excited discharge gas and the thin film forming gas. The thin film manufacturing apparatus according to claim 6, further comprising means for supplying the thin film. 表面比抵抗値が、23℃、55%RH条件下で1×10The surface specific resistance value is 1 × 10 at 23 ° C. and 55% RH. 1212 Ω/□以下であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の薄膜形成方法。The thin film forming method according to claim 1, wherein the thickness is equal to or less than Ω / □.
JP2003182595A 2003-06-26 2003-06-26 Thin film forming method and thin film manufacturing apparatus Expired - Fee Related JP4506111B2 (en)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003182595A JP4506111B2 (en) 2003-06-26 2003-06-26 Thin film forming method and thin film manufacturing apparatus

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003182595A JP4506111B2 (en) 2003-06-26 2003-06-26 Thin film forming method and thin film manufacturing apparatus

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2005015851A JP2005015851A (en) 2005-01-20
JP4506111B2 true JP4506111B2 (en) 2010-07-21

Family

ID=34182937

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003182595A Expired - Fee Related JP4506111B2 (en) 2003-06-26 2003-06-26 Thin film forming method and thin film manufacturing apparatus

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4506111B2 (en)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2021017674A1 (en) 2019-07-26 2021-02-04 江苏菲沃泰纳米科技有限公司 Hydrophobic surface coating and preparation method therefor

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002155370A (en) * 2000-11-14 2002-05-31 Sekisui Chem Co Ltd Method and system for atmospheric pressure plasma treatment
JP2002180256A (en) * 2000-12-15 2002-06-26 Kobe Steel Ltd Surface treatment apparatus
JP2003098303A (en) * 2001-09-20 2003-04-03 Konica Corp Optical film and method for manufacturing the same
JP2003100646A (en) * 2001-09-27 2003-04-04 Sekisui Chem Co Ltd Electric discharge plasma processing system

Family Cites Families (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3355892B2 (en) * 1995-10-02 2002-12-09 日新電機株式会社 Method of forming carbon film
JP2691399B2 (en) * 1996-04-19 1997-12-17 株式会社半導体エネルギー研究所 Plasma processing method
DE19643865C2 (en) * 1996-10-30 1999-04-08 Schott Glas Plasma-assisted chemical deposition process (CVD) with remote excitation of an excitation gas (remote plasma CVD process) for coating or for treating large-area substrates and device for carrying out the same
JPH11133205A (en) * 1997-04-21 1999-05-21 Sekisui Chem Co Ltd Production of antireflection film

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002155370A (en) * 2000-11-14 2002-05-31 Sekisui Chem Co Ltd Method and system for atmospheric pressure plasma treatment
JP2002180256A (en) * 2000-12-15 2002-06-26 Kobe Steel Ltd Surface treatment apparatus
JP2003098303A (en) * 2001-09-20 2003-04-03 Konica Corp Optical film and method for manufacturing the same
JP2003100646A (en) * 2001-09-27 2003-04-04 Sekisui Chem Co Ltd Electric discharge plasma processing system

Also Published As

Publication number Publication date
JP2005015851A (en) 2005-01-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP1645657A1 (en) Method for forming thin film and base having thin film formed by such method
JPWO2008120505A1 (en) Water repellent articles, architectural window glass and vehicle window glass
EP1643002A1 (en) Method for forming thin film and article with thin film
JP2010285574A (en) Water repellent film-coated article, window glass for building, and window glass for vehicle
JPWO2008114627A1 (en) Antifouling laminate and display front plate
WO2010125926A1 (en) Antifouling laminate
JP5494656B2 (en) Water repellent member, in-vehicle glass, and method for producing water repellent member
JP4506110B2 (en) Thin film forming method and thin film manufacturing apparatus
JP4506111B2 (en) Thin film forming method and thin film manufacturing apparatus
JP4998259B2 (en) Antifouling film and antifouling film manufacturing apparatus
JP4506104B2 (en) Thin film formation method
JP4506112B2 (en) Thin film forming method and thin film forming apparatus
JP2005272944A (en) Method for forming thin film, apparatus for manufacturing thin film, and article having thin film formed thereon
JP4140289B2 (en) Atmospheric pressure plasma discharge processing apparatus, atmospheric pressure plasma discharge processing method, and optical element
JP2004084027A (en) Functional body and method for forming the same
JP2005070647A (en) Optical article and its manufacturing apparatus
JP2005060206A (en) Glass for vehicle window, and apparatus for manufacturing the same
JP4019712B2 (en) Plasma discharge treatment apparatus and plasma discharge treatment method
JP4479225B2 (en) Thin film formation method
JP2005077605A (en) Optical article and its manufacturing apparatus
JP4378919B2 (en) Plasma discharge treatment method
JP2005077489A (en) Optical article and its manufacturing apparatus
JP2005059820A (en) Glass for vehicle window and its manufacturing device
JP2005154788A (en) Thin film formation method and thin film formation body
JP2010173294A (en) Stain-proof laminated body

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20060616

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20080815

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090825

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20091022

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20091215

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100209

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20100406

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20100419

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130514

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130514

Year of fee payment: 3

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees