JP4487395B2 - Hot-dip galvanized steel sheet manufacturing equipment - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、溶融亜鉛めっき鋼板の製造設備に係り、とくに溶融亜鉛めっき鋼板のめっき外観の改善に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車、家電などの分野では、その使用環境に鑑み、高耐食性を有する表面処理鋼板が要求されており、種々の亜鉛系めっき鋼板が開発され、実用化が進んでいる。なかでも、溶融亜鉛めっき鋼板、合金化溶融亜鉛めっき鋼板などの溶融亜鉛系めっき鋼板は、電気亜鉛系めっき鋼板に比べ、製造コストが低廉でかつ良好な耐食性を有しているため広く使用されている。
【0003】
一方、地球温暖化防止の観点から、自動車の燃費向上が大きな課題の1つとなっており、自動車車体の軽量化と、乗員の安全性確保との両立を目指して、使用する鋼板のゲージダウンや高強度化が求められている。
一般に、鋼板の高強度化のために、Si、Mn、P等の固溶強化元素の添加が行われている。しかし、これらSi、Mn、P等の固溶強化元素は、一般的な連続式溶融めっき鋼板製造ラインでの還元焼鈍工程で選択酸化されて鋼板表面に濃化する。この鋼板表面に濃化したSi、Mn、P等の酸化物により、鋼板と溶融亜鉛との濡れ性が著しく低下する。このため、溶融亜鉛めっき層の密着性が著しく低下し、極端な場合には溶融亜鉛が鋼板に付着しない、いわゆる不めっきといった現象が生じる。
【0004】
また、溶融亜鉛めっき処理に引き続き、合金化加熱処理を施して製造する合金化溶融亜鉛めっき鋼板の場合には、還元焼鈍工程で鋼板表面に濃化した固溶強化元素の酸化物により合金化が著しく遅延し、合金化温度を極端に高くするか、あるいは、ライン速度を極端に遅くしないと、従来の合金化処理装置では合金化が完了しないという問題もある。しかし、合金化温度を極端に高めると、硬くて脆い合金相の生成が助長されてプレス成形時にめっき層が剥離しやすくなる。また、ライン速度を極端に遅くすると、生産性が著しく低下するという問題が生じる。
【0005】
さらに、Pが多量に添加された場合には、Pの粒界偏析により合金化挙動にばらつきが生じ、色調むらが発生するという問題もある。しかし、このような問題のために、鋼種の違いにより合金化加熱温度、ライン速度といった合金化処理条件を頻繁に変更することは、処理条件の変更に時間を要し生産能率や歩留りが低下すること、また、処理条件を短時間に安定化させるためにはかなりの熟練を要することなど、安定した合金化処理を維持するには操業上多くの困難が伴い、容易ではないのである。
【0006】
上記したような問題に対し、例えば、特開平11−50220 号公報には、Mn含有量が0.2 %以上、Nb含有量が0.005 %以上、Ti含有量が0.01%以上のうち1または2以上を満たし、且つP含有量が0.02%以上である高強度鋼板に、硫黄または硫黄化合物をS量として0.1 〜1000mg/m2 付着させたのち、水素を含む非酸化性雰囲気の680 ℃以上の温度で焼鈍し、その後少なくとも0.05〜0.30%のAlを含む溶融亜鉛浴に浸漬してめっきを行う、P含有高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法が開示されている。特開平11−50220 号公報に記載された技術によれば、めっき被膜の均一性に優れ、合金化ムラの発生もなく、めっき外観に優れた高強度溶融亜鉛めっき鋼板が得られるとしている。
【0007】
また、特開平5-163558号公報には、Si含有量が0.2 %以上である高強度鋼板にゼンジマー方式で溶融亜鉛めっき、およびその後引き続いて加熱合金化処理を行うプロセスにおいて、鋼板表面に濃度0.1 %以上の硫黄化合物水溶液を塗布したのち、非酸化性雰囲気で焼鈍するSi含有高強度溶融亜鉛めっき鋼板の製造方法が提案されている。なお、特開平5-163558号公報に記載された技術では、通常用いられるゼンジマー方式のプロセス(溶融亜鉛めっき設備)を採用している。
【0008】
また、特開平11−286763号公報には、溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置が開示されている。特開平11−286763号公報に記載された溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置は、鋼板の入側から順に、溶液塗布装置、誘導加熱方式または直接通電加熱方式による鋼板加熱装置、焼鈍炉を配するめっき装置であり、または、焼鈍炉入側において、鋼板の入側から順に、鋼板加熱装置、溶液噴霧装置、焼鈍炉を配するめっき装置である。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特開平11−286763号公報に記載された溶融亜鉛めっき鋼板の製造装置では、鋼板表面性状によって溶液付着量がばらつくため、この装置で製造された鋼板では、鋼板表面の全域で均一な効果を得られにくい問題があった。すなわち、鋼板表面に油分、異物等が付着していたり、酸化膜等が厚く生成している場合には、鋼板表面の濡れ性が変化し、溶液のはじきが発生して溶液付着量が均一にならないのである。そのため、溶液塗布による焼鈍時のSi、Mn、P等の表面濃化抑制効果が鋼板表面で不均一となり、不めっき、合金化速度のばらつきによる色調ムラ等の表面外観欠陥が発生するという問題があった。
【0010】
また、特開平5-163558号公報に記載された技術は、直火加熱方式の焼鈍炉を用いるゼンジマー方式で溶融亜鉛めっきを行うプロセスを採用しており、本発明者らの実験によれば、焼鈍時に均一な焼鈍が行えず、鋼板表面の全域で均一な効果が得られないという問題がある。すなわち、直火加熱方式の焼鈍炉では、鋼板表面における火炎の当たり方に不均一があり、それが鋼板表面における各種反応の不均一をもたらし、そのため、溶液塗布による焼鈍時のSi、Mn、P等の表面濃化抑制効果が鋼板表面で不均一となり、不めっき、合金化速度のばらつきによる色調ムラ等の表面外観欠陥が発生するという問題があった。
【0011】
本発明は、上記した従来技術の問題を解決し、不めっき、合金化ムラ・色調ムラ等の表面外観欠陥を防止し、良好なめっき外観を有し、さらにめっき密着性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板あるいは合金化溶融亜鉛めっき鋼板を、安定して、かつ生産性高く、工程的に製造できる溶融亜鉛めっき鋼板の製造設備を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記した課題を達成するために、不めっき、合金化ムラ・色調ムラ等の表面外観欠陥を防止できる、最適な溶融亜鉛めっき鋼板の製造設備について鋭意検討した。その結果、合金元素の表面濃化を抑制するために鋼板表面に溶液を塗布する前に、鋼板表面を清浄化する必要があることに思い至った。そして、溶融亜鉛めっき鋼板の製造設備において、鋼板表面に溶液塗布を行う溶液塗布装置の前に鋼板清浄化装置を配設する必要があることを知見した。また、めっき外観を良好とするためには、焼鈍時の鋼板表面における反応を均一化する必要があり、そのためには、焼鈍炉をオールラジアントチューブ方式の焼鈍炉とする必要のあることを知見した。
【0013】
本発明は、上記した知見に基づき、さらに検討を加えて完成されたものである。
すなわち、本発明は、溶融亜鉛めっき浴を配し鋼板に連続的に溶融亜鉛めっきを施す溶融亜鉛めっき鋼板の製造設備において、前記溶融亜鉛めっき浴の入側に、前記鋼板の表面を清浄化する鋼板清浄化装置と、前記鋼板の表面に溶液、好ましくはSを含有する物質の溶液、を塗布する溶液塗布装置と、オールラジアントチューブ型焼鈍炉とを、順次配設することを特徴とする溶融亜鉛めっき鋼板の製造設備であり、また、本発明では、前記鋼板清浄化装置が、脱脂処理手段と、酸洗処理手段と、あるいはさらに水洗手段と乾燥手段とを順次配設したものである。また、本発明では、前記溶液塗布装置の出側で該溶液塗布装置に近接して、前記溶液を塗布した鋼板を乾燥する乾燥装置を配設することが好ましく、また、本発明では、前記溶液塗布装置が、ロールコート方式の溶液塗布装置であることが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について具体的に説明する。
本発明の溶融亜鉛めっき鋼板の製造設備では、溶融亜鉛めっき浴の入側、すなわち、鋼板の進行方向から順に、鋼板清浄化装置と、溶液塗布装置と、焼鈍炉とを順次配設し、ついで溶融亜鉛めっき浴を配して、鋼板に連続的に溶融亜鉛めっきを施す。
【0015】
図1に、本発明の一実施例である溶融亜鉛めっき鋼板の製造設備を示す。
図1では、コイル状に巻き取られた鋼板1は、払出し設備2から払い出され、鋼板清浄化装置3で鋼板表面を清浄化され、ついで清浄化された鋼板の表面に、溶液塗布装置4で均一に溶液を塗布され、直ちに焼鈍炉6に導かれて熱処理を施される。焼鈍炉6で熱処理を施された鋼板は、溶融亜鉛15に浸漬され、鋼板表面に溶融亜鉛めっき層を形成されたのち、めっき付着量調整装置9でめっき付着量を調整され、巻取り装置(図示せず)で巻き取られる。
【0016】
本発明では、まず払い出された鋼板1の表面を清浄化することが必要である。
本発明における鋼板清浄化装置3は、鋼板表面を溶液に対して充分濡れ性を有する程度に清浄化できる装置であり、鋼中に多量の強化元素、例えばSi:0.1 質量%以上および/またはMn:0.8 質量%以上、あるいはさらにP:0.02質量%以上、を含有する鋼板の清浄化には、脱脂処理手段と、酸洗処理手段と、あるいはさらに水洗手段と乾燥手段とを順次配設する。脱脂処理と酸洗処理は、簡便であり、かつ効果的に鋼板表面の清浄化が達成できるうえ、設備コスト、ランニングコスト等が安価であるという利点がある。鋼中に多量の強化元素を含有する鋼板を清浄化する場合に、脱脂処理手段のみでは、鋼板表面の酸化膜あるいは異物の除去が不充分となり、塗布した溶液のはじきが発生して、溶液を均一に塗布することが困難となる。また、酸洗処理手段のみでも、鋼板表面に付着した油分の除去が不充分となり、塗布した溶液のはじきが発生して、溶液を均一に塗布することが困難となる。なお、脱脂処理手段では、アルカリ脱脂あるいは電解脱脂とするのが好ましく、また酸洗処理手段では、塩酸あるいは硫酸等を用いた浸漬酸洗とするのが好ましい。
【0017】
鋼板清浄化装置3では、脱脂処理手段、酸洗処理手段に続いて、水洗手段と乾燥手段を配設し、鋼板表面に付着した残液を洗い流すのが好ましい。水洗手段については、特に限定する必要はないが、従来から使用されている手段がいずれも好適に用いることができる。例えば、スプレー方式の水洗あるいは浸漬方式の水洗等が好ましい。
【0018】
鋼板清浄化装置3で表面を清浄化された鋼板は、ついで、溶液塗布装置4に導かれる。鋼板1は、溶液塗布装置4で表面に溶液を塗布される。塗布する溶液は、Sを含有する物質の溶液とするのが好ましい。
本発明における溶液塗布装置4は、鋼板1表面の幅方向、長手方向に均一かつ所望量の溶液を塗布することができる装置であればよく、この条件に合致した公知の溶液塗布装置がいずれも好適に適用でき、特に限定されない。本発明において好適な溶液塗布装置としては、
▲1▼接触方式、▲2▼浸漬方式、▲3▼スプレー噴霧方式、▲4▼ロールコート方式
等の各種方式の溶液塗布装置が挙げられる。
【0019】
接触方式の溶液塗布装置の一例を模式的に図3に示す。図3に示す溶液塗布装置は、溶液を浸透する材料で作製された塗布端子16(例えば、布製)に、溶液供給タンク13から配管14等を介し溶液を供給し、溶液を含んだ塗布端子16を鋼板1の表面に機械的に接触させて、鋼板表面に溶液を塗布する方式の溶液塗布装置である。しかし、この方式の溶液塗布装置では、塗布端子16の材質と鋼板の組合せによっては、鋼板表面に擦り疵が発生する場合があり、使用に際しては注意を要する。鋼板表面に擦り疵が発生すると、めっき後の合金化過程で合金化速度に差が生じ、筋状の色調むらとなったり、あるいは擦り疵がひどい場合には、めっき後の表面に筋状の凹凸模様が発生するといった問題がある。
【0020】
浸漬方式の溶液塗布装置の一例を模式的に図4に示す。図4に示す溶液塗布装置は、鋼板1を、溶液25を貯えた溶液槽23に浸漬して、鋼板表面に溶液を塗布する方式の溶液塗布装置である。しかし、この浸漬方式の溶液塗布装置では、大容量の溶液槽を必要とし、設備費が高価であるうえ、多額のメンテナンスコストも必要となる。また、鋼板との反応によって溶液槽中の溶液濃度が変化する場合があり、濃度を一定に保持するための溶液濃度制御装置が必要になることもある。
【0021】
スプレー噴霧方式の溶液塗布装置の一例を模式的に図5に示す。
図5(a)に示す溶液塗布装置は、溶液供給用タンク13からスプレーヘッダー20を介し溶液25を鋼板にスプレー噴霧し、鋼板表面に溶液を塗布する方式の溶液塗布装置である。この方式の溶液塗布装置では、余剰溶液回収装置18により集めた余剰の溶液を、溶液タンク22に回収し、再利用することもできる。この方式の溶液塗布装置では、鋼板に溶液を均一に塗布するために、鋼板板幅以上のスリット状スプレーヘッダー20を設置する必要がある。また、鋼板板幅以下のスプレーヘッダー20であれば、鋼板幅方向に走査するスプレーヘッダー20を走査する装置が必要である。
【0022】
図5(b)に示す溶液塗布装置は、溶液供給用タンク13からスプレーヘッダー20を介し溶液25を鋼板にスプレー噴霧したのち、余剰溶液掻取り装置21で余剰溶液を掻き落とす方式の溶液塗布装置である。スプレー噴霧の場合には、鋼板に衝突しない余剰の溶液あるいは鋼板に衝突して弾かれた溶液が、溶液塗布装置周辺に飛散して、周辺を汚染することのないように、溶液塗布装置に飛散防止カバーを必要とする。
【0023】
ロールコート方式の溶液塗布装置の一例を模式的に図6に示す。
図6(a)に示す溶液塗布装置は、溶液供給タンク13と配管14で接続された溶液溜まり26に一部浸漬させたピックアップロール17を介してコータロール24に溶液を供給し、コータロール24を鋼板に接触させることにより溶液を鋼板表面に塗布するロールコート方式の溶液塗布装置である。この溶液塗布装置は、鋼板の搬送速度により塗布量が変化する場合がある。
【0024】
図6(b)に示す溶液塗布装置は、溶液供給タンク13と配管14で接続されたスプレーヘッダー20を介し溶液25をコータロール24に供給し、コータロール24にロール表面に不織布を貼り付けた不織布ロール19を接触させて余剰溶液を吸い取って、一定量の溶液を鋼板1の表面に塗布するロールコート方式の溶液塗布装置である。この方式の溶液塗布装置によれば、一定量の溶液が鋼板の搬送速度によらず塗布できる。
【0025】
本発明では、溶液塗布装置は、適用する鋼板の種類、サイズ、適用量等の操業条件に応じ、上記した溶液塗布装置から適宜、選択すればよい。上記した溶液塗布装置のいずれかを利用して溶液を塗布すれば、鋼板表面の幅方向、長手方向に均一に溶液を塗布することができ、不めっきの防止あるいは合金化むらの防止が可能となる。
【0026】
本発明では、溶液塗布装置4の出側で、溶液塗布装置4に近接して、溶液を塗布された鋼板1を乾燥する乾燥装置5を配設するのが好ましい。溶液塗布装置4の出側に近接して乾燥装置5を配設した一例を図2に示す。乾燥装置5における乾燥手段は特に限定されないが、通電加熱方式、赤外加熱方式、放射加熱方式等の加熱方式を採用した乾燥炉、あるいは熱風を用いたブロワーが好適である。
【0027】
溶液塗布装置4で、表面に溶液を塗布された鋼板1は、液ダレを防止したり、さび発生を防止するために、乾燥装置5で直ちに乾燥するのが好ましい。
溶液塗布装置4、あるいは乾燥装置5に続いて、焼鈍炉6が配設される。
本発明では、焼鈍炉6は、オールラジアントチューブ型焼鈍炉とする。焼鈍炉6は、通常公知の焼鈍炉と同様に加熱帯10、均熱帯11、冷却帯13と分割された炉とするのが好ましく、加熱帯10、均熱帯11における加熱はすべてラジアントチューブによるものとする。
【0028】
焼鈍炉を、オールラジアントチューブ型とすることにより、還元焼鈍時の塗布した溶液と鋼板との反応が、鋼板の幅方向あるいは長手方向いずれにおいても均一とすることができ、不めっきや合金化むらの発生を防止できる。オールラジアントチューブ型焼鈍炉とすることにより、はじめて不めっきや合金化むらの発生が防止でき、本発明の最大の効果が得られるのである。
【0029】
オールラジアントチューブ型焼鈍炉では、NOF型焼鈍炉のように加熱帯で直火バーナーを使用しないため、火炎が直接鋼板に当たらず、塗布した溶液と鋼板との反応が不均一とならない。さらに、オールラジアントチューブ型焼鈍炉では、スケールの発生もなく炉内がクリーンに保持される。このため、スケールのピックアップによる押し傷の発生がなく、また、スケール除去といった炉内メンテナンスの必要もない。なお、図1、図2では、焼鈍炉は横型としたが、縦型の焼鈍炉を使用しても本発明の効果を損なうものではない。なお、焼鈍炉と溶融亜鉛めっき浴との間の鋼板通路は、鋼板の酸化等が生じないように、非酸化性雰囲気とするのが好ましい。
【0030】
焼鈍炉6の出側には、溶融亜鉛めっき浴7が配設される。溶融亜鉛めっき浴7は、通常公知の溶融亜鉛めっき浴でよく、所定の浴組成、温度に調節される。
本発明では、溶融亜鉛めっき浴ポット7の出側、好ましくはめっき付着量調節装置9の出側に、溶融亜鉛めっき層の合金化を行う合金化炉8を配設することができる。合金化炉8は、めっき層の合金化処理ができる能力があれば、ガス加熱方式、誘導加熱方式、通電加熱方式等の炉あるいはこれらの組合せになる炉がいずれも適用でき、炉の形式等はとくに限定する必要はない。
【0031】
【実施例】
図2に示す溶融亜鉛めっき装置を用いて通板速度:80m/min で、表1に示すSi、Mn、P含有鋼板(板厚:0.7mm 、板幅:1000mm)に溶融亜鉛めっきを施した。コイル状に巻き取られた鋼板1を払出し、その表面を鋼板清浄化装置3で清浄化した。鋼板清浄化装置3は、脱脂処理手段、酸洗処理手段、および水洗手段、乾燥手段を有するものを使用した。なお、脱脂処理は、10mass%NaOH水溶液を80℃に加温し、鋼板を浸漬し、通電量:5A/dm2、通電時間:5秒とする電解脱脂とした。酸洗処理は、10mass%HCl 水溶液を60℃に加温して、鋼板を5秒間浸漬した。脱脂処理−酸洗処理後、スプレー方式および浸漬方式を組み合わせた水洗処理手段を用いて、水洗処理を実施した。水洗処理後、乾燥手段(ブロワー)を用いて、120 ℃の熱風で乾燥した。
【0032】
鋼板の清浄化処理後、ついで溶液塗布装置4を用いてSを含有する物質の溶液を鋼板表面に塗布した。Sを含有する物質の溶液として、硫酸アンモニウムを水に溶解した20mass%濃度とした溶液を使用した。溶液塗布装置4としては、図6(b)に示す表面に不織布を付着したロール19を用いるロールコート方式の溶液塗布装置を使用した。なお、溶液温度は室温とした。溶液の塗布量はS換算で50mg/m2 とした。溶液塗布した後、直に乾燥装置5で乾燥した。乾燥装置5としては、熱風ブロワーを用いた。溶液塗布2秒後に120 ℃の熱風で乾燥した。
【0033】
乾燥後、鋼板に、アールラジアントチューブ型焼鈍炉6で熱処理(焼鈍)を施した。焼鈍条件は下記のとおりとした。
<焼鈍条件>
板温 : 800 ℃で20秒保持
雰囲気: N2+5vol%H2、露点:−35℃
熱処理後直ちに鋼板1を、溶融亜鉛めっき浴ポット7に浸漬し、溶融亜鉛めっき処理を施した。めっき条件は下記のとおりとした。
<めっき条件>
浴温 : 470 ℃(≒侵入板温)
浴組成: Zn−0.14mass%Al−不可避不純物
付着量: 片面50g/m2
溶融亜鉛めっき処理後、鋼板に、合金化炉8で合金化処理を施した。合金化処理条件は下記のとおりとした。
【0034】
<合金化処理条件>
板温 : 490℃
なお、図1に示す溶融亜鉛めっき設備を用い、条件は上記の場合と同一とし、脱脂処理、酸洗処理、溶液塗布のいずれか一つ以上を実施しない場合を比較例とした。他の条件は本発明例と同一とした。
【0035】
得られた溶融亜鉛めっき鋼板については、めっき性、めっき密着性を調査し、合金化溶融亜鉛めっき鋼板については、合金化ムラ・色調ムラ、耐パウダリング性を評価した。
(1)めっき性
各溶融亜鉛めっき鋼板のめっき表面を、10倍に拡大して目視で、不めっき発生状況を観察し、めっき性を評価した。なお、不めっき箇所が認められる場合を×、認められない場合を○とした。
(2)めっき密着性
各溶融亜鉛めっき鋼板ついてボールインパクト試験を実施し、めっき密着性を評価した。ボールインパクト試験は、1kgの重りを1mの高さから、直径1.27cmの半球状突起の上に載せた溶融亜鉛鋼板上に落下させて、めっき層の剥離状態を調査する。めっき層の剥離状態は、セロハン粘着テープをはり付け、引き剥がしてめっき密着性を評価した。なお、セロハン粘着テープ引き剥がし後のめっき層の剥離状態は、めっき剥離ありを×、めっき剥離なし・めっき亀裂ありを△、めっき剥離なし・めっき亀裂なしを○、として評価した。
(3)色調ムラ・合金化ムラ
各合金化溶融亜鉛めっき鋼板の外観を、目視で観察し、色調ムラあるいは合金化ムラの状況を調査した。その観察結果を、○:色調ムラおよび合金化ムラの発生なく良好、△:うすい色調ムラあるいはうすい合金化ムラが発生、×:明瞭な色調ムラあるいは明瞭な合金化ムラが発生、として評価した。
(4)耐パウダリング試験
各合金化溶融亜鉛めっき鋼板から採取した曲げ試験片(30mm幅×40mm長さ)に、90゜曲げ戻しを行った後、谷側の曲げ戻し部位に長さ300mm にわたりめっき面にセロハン粘着テープをはり付け、引き剥がして、テープに付着するめっき量により耐パウダリング性を評価した。幅24mmのテープに付着するZn量が蛍光X線測定装置によるカウント数が1000cps 以下を○、1000超2000cps 以下を△、2000cps 超を×として評価した。
【0036】
これらの結果を表2に示す。
【0037】
【表1】
【0038】
【表2】
【0039】
本発明例は、いずれもめっき性、めっき密着性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板、および色調ムラ・合金化ムラがなく、耐パウダリング性に優れた合金化溶融亜鉛めっき鋼板となっている。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、Si、Mn、Pを含有する高張力鋼板を下地鋼板として溶融亜鉛めっき処理あるいはさらに合金化処理を施しても、不めっきや合金化ムラ・色調ムラの発生がなくめっき外観に優れ、めっき密着性、耐パウダリング性に優れた溶融亜鉛めっき鋼板を、安価でしかも安定して、生産性高く工程生産が可能となり、産業上格段の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である溶融亜鉛めっき鋼板の製造設備を模式的に示す概略図である。
【図2】本発明の一実施例である溶融亜鉛めっき鋼板の製造設備を模式的に示す概略図である。
【図3】溶液塗布装置の一実施例である、接触方式の溶液塗布装置を模式的に示す概略図である。本発明の一実施例である溶融亜鉛めっき鋼板の製造設備を模式的に示す概略図である。
【図4】溶液塗布装置の一実施例である、浸漬方式の溶液塗布装置を模式的に示す概略図である。
【図5】溶液塗布装置の一実施例である、スプレー噴霧方式の溶液塗布装置を模式的に示す概略図である。
【図6】溶液塗布装置の一実施例である、ロールコート方式の溶液塗布装置を模式的に示す概略図である。
【符号の説明】
1 鋼板
2 払出し設備
3 鋼板清浄化装置
4 溶液塗布装置
5 乾燥装置
6 焼鈍炉
7 溶融亜鉛めっき浴ポット
8 合金化炉
9 めっき付着量調整装置
10 加熱帯
11 均熱帯
12 冷却帯
13 溶液供給タンク
14 配管
15 溶融亜鉛
16 塗布端子
17 ピックアップロール
18 余剰溶液回収装置
19 不織布ロール
20 ノズルヘッダー
21 余剰溶液掻取り装置
22 溶液タンク
23 溶液槽
24 コーターロール
25 溶液
26 溶液溜まり[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a production facility for a hot dip galvanized steel sheet, and particularly relates to an improvement in the plating appearance of a hot dip galvanized steel sheet.
[0002]
[Prior art]
In fields such as automobiles and home appliances, in view of the usage environment, surface-treated steel sheets having high corrosion resistance are required, and various zinc-based plated steel sheets have been developed and put into practical use. Among them, hot dip galvanized steel sheets such as hot dip galvanized steel sheets and alloyed hot dip galvanized steel sheets are widely used because they have lower manufacturing costs and better corrosion resistance than electrogalvanized steel sheets. Yes.
[0003]
On the other hand, from the perspective of preventing global warming, improving the fuel efficiency of automobiles is one of the major issues. With the aim of both reducing the weight of automobile bodies and ensuring the safety of passengers, There is a demand for higher strength.
In general, addition of a solid solution strengthening element such as Si, Mn, or P is performed to increase the strength of a steel sheet. However, these solid solution strengthening elements such as Si, Mn, and P are selectively oxidized in a reduction annealing process in a general continuous hot dip galvanized steel sheet production line and are concentrated on the steel sheet surface. Due to oxides such as Si, Mn, and P concentrated on the surface of the steel sheet, the wettability between the steel sheet and molten zinc is significantly reduced. For this reason, the adhesiveness of a hot dip galvanized layer falls remarkably, and in the extreme case, a phenomenon of so-called non-plating occurs in which hot dip zinc does not adhere to a steel sheet.
[0004]
In addition, in the case of an alloyed hot-dip galvanized steel sheet manufactured by performing an alloying heat treatment subsequent to the hot-dip galvanizing process, the alloying is performed by the oxide of the solid solution strengthening element concentrated on the steel sheet surface in the reduction annealing process. If the alloying temperature is extremely increased or the alloying temperature is extremely increased or the line speed is not extremely slowed, there is a problem that the alloying cannot be completed in the conventional alloying apparatus. However, when the alloying temperature is extremely increased, the formation of a hard and brittle alloy phase is promoted, and the plating layer is easily peeled off during press forming. Further, when the line speed is extremely slow, there arises a problem that productivity is remarkably lowered.
[0005]
Furthermore, when P is added in a large amount, there is a problem that variation in alloying behavior occurs due to grain boundary segregation of P, resulting in uneven color tone. However, due to such problems, frequently changing alloying treatment conditions such as alloying heating temperature and line speed due to the difference in steel type takes time to change the treatment conditions and decreases production efficiency and yield. In addition, maintaining a stable alloying process is not easy because it requires considerable skill to stabilize the processing conditions in a short time.
[0006]
For example, Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-50220 discloses that one or more of Mn content is 0.2% or more, Nb content is 0.005% or more, and Ti content is 0.01% or more. After a sulfur or sulfur compound is deposited as 0.1 to 1000 mg / m 2 as a sulfur content on a high-strength steel sheet that satisfies this requirement and has a P content of 0.02% or more, at a temperature of 680 ° C. or higher in a non-oxidizing atmosphere containing hydrogen A method for producing a P-containing high-strength hot-dip galvanized steel sheet, which is annealed and then immersed in a hot dip galvanizing bath containing at least 0.05 to 0.30% Al, is disclosed. According to the technique described in Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-50220, a high-strength hot-dip galvanized steel sheet having excellent plating coating uniformity, no alloying unevenness, and excellent plating appearance is obtained.
[0007]
Japanese Patent Laid-Open No. 5-135558 discloses that a high strength steel sheet having a Si content of 0.2% or more is hot-dip galvanized by the Sendzimer method, and subsequently subjected to heat alloying treatment, and the concentration of 0.1% on the steel sheet surface. A method for producing a Si-containing high-strength hot-dip galvanized steel sheet that is annealed in a non-oxidizing atmosphere after applying a sulfur compound aqueous solution of at least% is proposed. In the technique described in Japanese Patent Laid-Open No. 5-135558, a commonly used Sendzimer process (hot dip galvanizing equipment) is employed.
[0008]
Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-286763 discloses an apparatus for producing a hot dip galvanized steel sheet. The apparatus for producing a hot dip galvanized steel sheet described in Japanese Patent Application Laid-Open No. 11-286763 is a plating apparatus in which a solution coating apparatus, a steel sheet heating apparatus using an induction heating method or a direct current heating system, and an annealing furnace are arranged in this order from the steel sheet entrance side. It is an apparatus or a plating apparatus in which a steel sheet heating device, a solution spraying device, and an annealing furnace are arranged in this order from the steel sheet entry side on the annealing furnace entry side.
[0009]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the hot dip galvanized steel sheet manufacturing apparatus described in JP-A-11-286763, since the amount of solution adhesion varies depending on the steel sheet surface properties, the steel sheet manufactured by this apparatus has a uniform effect over the entire surface of the steel sheet. There was a problem that it was difficult to obtain. That is, when oil, foreign matter, etc. are attached to the steel plate surface, or a thick oxide film is formed, the wettability of the steel plate surface changes, and the repelling of the solution occurs, resulting in a uniform solution adhesion amount. It will not be. Therefore, the effect of suppressing surface concentration of Si, Mn, P, etc. during annealing by solution coating becomes non-uniform on the surface of the steel sheet, and surface appearance defects such as non-plating and uneven color tone due to variations in alloying speed occur. there were.
[0010]
In addition, the technique described in Japanese Patent Laid-Open No. 5-135558 employs a process of performing hot dip galvanization by the Sendzimer method using an annealing furnace of a direct fire heating method, and according to the experiments of the present inventors, There is a problem that uniform annealing cannot be performed during annealing, and a uniform effect cannot be obtained over the entire surface of the steel sheet. That is, in the direct heating heating type annealing furnace, the flame contact on the steel sheet surface is non-uniform, which leads to non-uniformity of various reactions on the steel sheet surface, and therefore Si, Mn, P during annealing by solution coating. The effect of suppressing surface concentration such as non-uniformity on the surface of the steel sheet is uneven, and surface appearance defects such as non-plating and uneven color tone due to variations in the alloying speed occur.
[0011]
The present invention solves the above-mentioned problems of the prior art, prevents surface appearance defects such as non-plating, alloying unevenness and color tone unevenness, has a good plating appearance, and further has excellent plating adhesion. It is an object of the present invention to provide a production facility for a hot dip galvanized steel sheet capable of producing a steel sheet or an alloyed hot dip galvanized steel sheet stably and with high productivity.
[0012]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above-described problems, the present inventors diligently studied on an optimum hot-dip galvanized steel sheet manufacturing facility capable of preventing surface appearance defects such as non-plating, alloying unevenness, and color tone unevenness. As a result, in order to suppress the surface concentration of the alloy elements, it has been thought that it is necessary to clean the steel plate surface before applying the solution to the steel plate surface. And it discovered that it was necessary to arrange | position the steel plate cleaning apparatus in front of the solution coating apparatus which performs solution application | coating on the steel plate surface in the manufacturing equipment of a hot dip galvanized steel sheet. In addition, in order to improve the plating appearance, it is necessary to uniformize the reaction on the surface of the steel sheet during annealing, and for that purpose, it was found that the annealing furnace should be an all-radiant tube type annealing furnace. .
[0013]
The present invention has been completed based on the above findings and further studies.
That is, the present invention cleans the surface of the steel plate on the inlet side of the hot dip galvanizing bath in a hot dip galvanized steel plate manufacturing facility in which a hot dip galvanizing bath is provided and the steel plate is continuously hot dip galvanized. Melting characterized by sequentially arranging a steel plate cleaning device, a solution coating device for applying a solution, preferably a solution of a substance containing S, to the surface of the steel plate, and an all radiant tube type annealing furnace. In the present invention, the steel plate cleaning apparatus is a device in which a degreasing treatment means, a pickling treatment means, or a water washing means and a drying means are sequentially arranged . In the present invention, it is preferable to dispose a drying device for drying the steel sheet coated with the solution on the exit side of the solution coating device, in the vicinity of the solution coating device. The coating apparatus is preferably a roll coating type solution coating apparatus.
[0014]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the present invention will be specifically described.
In the production facility for hot dip galvanized steel sheet according to the present invention, a steel sheet cleaning device, a solution coating device, and an annealing furnace are sequentially arranged on the inlet side of the hot dip galvanizing bath, that is, in the order of travel of the steel plate. A hot dip galvanizing bath is arranged to continuously hot dip galvanize the steel sheet.
[0015]
In FIG. 1, the manufacturing equipment of the hot dip galvanized steel plate which is one Example of this invention is shown.
In FIG. 1, the
[0016]
In the present invention, it is necessary to first clean the surface of the discharged
[0017]
In the steel
[0018]
The steel plate whose surface is cleaned by the steel
The
Examples include (1) contact method, (2) dipping method, (3) spray spraying method, and (4) roll coating method.
[0019]
An example of a contact-type solution coating apparatus is schematically shown in FIG. The solution coating apparatus shown in FIG. 3 supplies a solution from a
[0020]
An example of an immersion type solution coating apparatus is schematically shown in FIG. The solution coating apparatus shown in FIG. 4 is a solution coating apparatus of a type in which the
[0021]
An example of a spray spray type solution coating apparatus is schematically shown in FIG.
The solution coating apparatus shown in FIG. 5A is a solution coating apparatus that sprays the
[0022]
The solution coating apparatus shown in FIG. 5B is a solution coating apparatus in which the
[0023]
An example of a roll coat type solution coating apparatus is schematically shown in FIG.
The solution coating apparatus shown in FIG. 6A supplies a solution to the
[0024]
In the solution coating apparatus shown in FIG. 6B, the
[0025]
In this invention, what is necessary is just to select a solution coating apparatus suitably from the above-mentioned solution coating apparatus according to operation conditions, such as the kind of steel plate to apply, size, and application amount. If the solution is applied using any of the above solution applying apparatuses, the solution can be applied uniformly in the width direction and the longitudinal direction of the steel sheet surface, and non-plating or uneven alloying can be prevented. Become.
[0026]
In this invention, it is preferable to arrange | position the drying
[0027]
It is preferable that the
Following the
In the present invention, the annealing furnace 6 is an all radiant tube type annealing furnace. The annealing furnace 6 is preferably a furnace divided into a
[0028]
By making the annealing furnace an all radiant tube type, the reaction between the applied solution and the steel sheet during the reduction annealing can be made uniform in both the width direction and the longitudinal direction of the steel sheet. Can be prevented. By using an all radiant tube type annealing furnace, the occurrence of non-plating and alloying irregularities can be prevented for the first time, and the maximum effect of the present invention can be obtained.
[0029]
In an all radiant tube type annealing furnace, since a direct fire burner is not used in the heating zone unlike a NOF type annealing furnace, the flame does not directly hit the steel sheet, and the reaction between the applied solution and the steel sheet does not become uneven. Furthermore, in the all radiant tube type annealing furnace, the inside of the furnace is kept clean without generation of scale. For this reason, there is no occurrence of scratches due to the pick-up of the scale, and there is no need for in-furnace maintenance such as scale removal. In FIG. 1 and FIG. 2, the annealing furnace is a horizontal type. However, the use of a vertical type annealing furnace does not impair the effects of the present invention. The steel plate passage between the annealing furnace and the hot dip galvanizing bath is preferably a non-oxidizing atmosphere so that oxidation of the steel plate does not occur.
[0030]
A hot dip galvanizing bath 7 is disposed on the exit side of the annealing furnace 6. The hot dip galvanizing bath 7 may be a generally known hot dip galvanizing bath, and is adjusted to a predetermined bath composition and temperature.
In the present invention, an alloying
[0031]
【Example】
Using the hot dip galvanizing apparatus shown in FIG. 2, the hot dip galvanizing was performed on the Si, Mn, P-containing steel plates shown in Table 1 (plate thickness: 0.7 mm, plate width: 1000 mm) at a sheeting speed of 80 m / min. . The
[0032]
After the steel plate cleaning treatment, a solution of a substance containing S was then applied to the steel plate surface using the
[0033]
After drying, the steel sheet was subjected to heat treatment (annealing) in an radiant tube type annealing furnace 6. The annealing conditions were as follows.
<Annealing conditions>
Plate temperature: 800 ° C for 20 seconds Holding atmosphere: N 2 + 5vol% H 2 Dew point: -35 ° C
Immediately after the heat treatment, the
<Plating conditions>
Bath temperature: 470 ° C (≈ intrusion plate temperature)
Bath composition: Zn-0.14mass% Al- inevitable impurities adhered amount: one side 50 g / m 2
After the hot dip galvanizing process, the steel sheet was subjected to an alloying process in the alloying
[0034]
<Alloying conditions>
Plate temperature: 490 ℃
In addition, the hot dip galvanizing equipment shown in FIG. 1 was used, the conditions were the same as those described above, and a case where any one or more of degreasing, pickling, and solution coating was not performed was used as a comparative example. Other conditions were the same as those of the example of the present invention.
[0035]
The obtained hot-dip galvanized steel sheet was examined for plating properties and plating adhesion, and the alloyed hot-dip galvanized steel sheet was evaluated for uneven alloying / color tone unevenness and powdering resistance.
(1) Plating property The plating surface of each hot dip galvanized steel sheet was magnified 10 times and visually observed the occurrence of non-plating, and the plating property was evaluated. In addition, the case where a non-plating location was recognized was set to x, and the case where it was not recognized was set to (circle).
(2) Plating adhesion A ball impact test was conducted on each hot-dip galvanized steel sheet to evaluate the plating adhesion. In the ball impact test, a 1 kg weight is dropped from a height of 1 m onto a hot dip galvanized steel plate placed on a hemispherical projection having a diameter of 1.27 cm, and the peeling state of the plating layer is investigated. As for the peeled state of the plating layer, cellophane adhesive tape was applied and peeled to evaluate the plating adhesion. The peeling state of the plating layer after peeling off the cellophane adhesive tape was evaluated as x for plating peeling, Δ for plating peeling and plating cracking, and ○ for plating peeling and plating cracking.
(3) Color tone unevenness and alloying unevenness The appearance of each alloyed hot-dip galvanized steel sheet was visually observed, and the state of color tone unevenness or alloying unevenness was investigated. The observation results were evaluated as follows: ◯: Good without occurrence of color tone unevenness and alloying unevenness, Δ: Generation of light color unevenness or light alloying unevenness, ×: Generation of clear color tone unevenness or clear alloying unevenness.
(4) Anti-powdering test Bending specimens (30mm width x 40mm length) collected from each alloyed hot-dip galvanized steel sheet were bent 90 ° and then extended 300mm to the bent-back part on the valley side. The cellophane adhesive tape was applied to the plated surface, peeled off, and the powdering resistance was evaluated based on the amount of plating adhered to the tape. The amount of Zn adhering to a tape having a width of 24 mm was evaluated as ○ when the count by the fluorescent X-ray measuring apparatus was 1000 cps or less, Δ when it was over 1000 cps or less, and x when it was over 2000 cps.
[0036]
These results are shown in Table 2.
[0037]
[Table 1]
[0038]
[Table 2]
[0039]
The examples of the present invention are hot-dip galvanized steel sheets that are excellent in plating properties and plating adhesion, and alloyed hot-dip galvanized steel sheets that are free of uneven color tone and alloying and have excellent powdering resistance.
[0040]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, even when hot galvanizing treatment or further alloying treatment is performed using a high-strength steel plate containing Si, Mn, and P as a base steel plate, non-plating, alloying unevenness, and color tone unevenness are performed. The hot-dip galvanized steel sheet with excellent plating appearance, excellent plating adhesion and anti-powdering property can be produced inexpensively, stably and with high productivity, and has a remarkable industrial effect.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic view schematically showing a production facility for hot-dip galvanized steel sheet according to an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a schematic view schematically showing equipment for producing a hot-dip galvanized steel sheet according to an embodiment of the present invention.
FIG. 3 is a schematic view schematically showing a contact-type solution coating apparatus as an embodiment of the solution coating apparatus. It is the schematic which shows typically the manufacturing equipment of the hot dip galvanized steel plate which is one Example of this invention.
FIG. 4 is a schematic view schematically showing an immersion type solution coating apparatus as an example of the solution coating apparatus.
FIG. 5 is a schematic view schematically showing a spray spray type solution coating apparatus which is an embodiment of the solution coating apparatus.
FIG. 6 is a schematic view schematically showing a roll coat type solution coating apparatus which is an embodiment of the solution coating apparatus.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
10 Heating zone
11 Soaking
12 Cooling zone
13 Solution supply tank
14 Piping
15 Molten zinc
16 Dispensing terminal
17 Pickup roll
18 Surplus solution recovery device
19 Nonwoven roll
20 Nozzle header
21 Excess solution scraper
22 Solution tank
23 Solution tank
24 coater roll
25 solutions
26 Solution pool
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