JP4482612B1 - 超音速ジェットバーナーとそれを用いた処理炉の運転制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】効率的に衝撃波を発生させる超音速ジェットバーナーと、超音速ジェットバーナーを組み込んだ処理炉の制御装置を提供することにある。
【解決手段】超音速ジェットバーナー1は、内筒27、中筒25、外筒21からなる燃焼筒8と、燃料噴射ノズル15を有する燃焼筒基部11と、内筒27の一端側の周壁に設けられた空気噴出孔27a,27b,27cと、下流側の内筒27の内周面に設けた空気噴出ノズル29と、内筒27の他端側に接続されたジェット噴出ノズル31と、を有する。空気噴出孔27a,27b,27cは、中心軸Xに向けて設けられている。空気噴出ノズル29は、中心軸Xに向け、かつ、燃焼ガスの流れ方向に所定角度傾けて、周方向に90°離間して中心軸X方向に3段に配置されている。空気噴出ノズル29から噴出された空気により、領域R4Aに高温燃焼領域を形成するとともに、その外側の環状の領域R4Bの希薄燃焼領域を形成する。
【選択図】図5

Description

本発明は、衝撃波を発生できる超音速ジェットバーナーと、超音速ジェットバーナーを組み込んで被処理物を粉砕、乾燥させる処理炉の運転制御装置に関する。
この種のバーナーには、特許文献1に記載された超音速ジェットバーナーが知られている。特許文献1に記載の技術では、バーナー本体の基部に燃料を噴射する燃料注入ノズル体を配置し、円筒状のバーナー本体の燃焼筒は、燃焼路をその内部に有する内筒と、内筒の外側に配置された同軸の中筒と、中筒の外側に配置された同軸の外筒とよりなる。そして、燃料注入ノズルから噴射された燃料は、バーナー本体の基部の傾斜孔から噴出された空気の旋回流により燃焼する旋回燃焼流部を有している。さらに、内筒と中筒との間の環状空間、中筒の切り欠き部、及び中筒と外筒との間の環状空間が連通された空気供給路を形成し、内筒を冷却することで加熱された高圧空気を内筒に設けた傾斜孔から噴出させ、内筒内に旋回流を発生させ、渦巻高温燃焼部を形成する。さらに、この渦巻高温燃焼部の前方に高温高圧の燃焼室を設け、燃焼ガスの流速を音速以上に上げる狭窄絞り状の衝撃波変換部を形成し、先端のラッパ状の吐出口から燃焼ガスを噴出させる。
特許第3691049号公報
しかしながら、特許文献1に記載の従来技術では、燃料過多の状態の旋回燃焼流部及び追加の空気を供給されて燃焼する渦巻高温燃焼部とも、内筒内の燃焼路において旋回流を生じさせるように筒内に空気を噴出させる傾斜孔を用いている。このように旋回流を生じさせると、灯油等の液体燃料を用いた場合に、内筒の中心軸から径方向外側へ向かって遠心力により未燃の燃料が拡散され、内筒の内周壁面近くまで高温燃焼領域が広がるとともに、内筒の中心軸近くの温度が低下してしまう。その結果、燃料と空気の混合気が爆発的に燃焼(これを爆燃という)する燃焼路内での体積領域が小さくなり、内筒内の燃焼における爆発的膨張の度合いが小さくなる。そして、衝撃波変換部で衝撃波を発生させるためには、燃料注入ノズルから噴射させる燃料流量をより多くする必要があり、超音速ジェットバーナーの燃料の効率が悪かった。
また、内筒の内周壁面への加熱量も多くなり、内筒の耐久性も短くなる可能性がある。
そこで、本発明の目的は、効率的に衝撃波を発生させる超音速ジェットバーナーと、その超音速ジェットバーナーを組み込んだ処理炉の制御装置を提供することにある。
前記した目的を達成するため、第1の発明は、外周に空気供給と熱交換を兼ねた空気供給路を有する内筒、中筒、外筒からなる同軸多重構造の筒構成を有する燃焼筒と、内筒はその内部が燃焼路であり、内筒内の一端側に形成された予混合領域に燃料を噴射する燃料噴射ノズルを有する燃焼筒基部と、内筒の外周側を冷却して加熱された空気を空気供給路から予混合領域に噴出させ、燃料噴射ノズルから噴射された燃料に空気を供給し攪拌する、内筒の前記一端側の周壁に設けられた空気噴出孔と、内筒の予混合領域より下流側の内周面から径方向内側に突出させ、内筒の外周側を冷却して加熱された空気を空気供給路から噴出させ、予混合領域の燃料−空気の混合気にさらに空気を供給する空気噴出ノズルと、内筒の他端側に設けられ、その内径を漸次縮径してスロート部を形成したジェット噴出ノズルと、燃料−空気の混合気に着火する着火手段と、を有する超音速ジェットバーナーであって、
着火手段の着火部は、予混合領域内に突出させて配置され、空気噴出孔は、内筒の中心軸に向けて内筒の前記一端側の周壁に複数設けられ、空気噴出ノズルは、内筒の中心軸に向け、かつ、内筒内の燃焼ガスの流れ方向に沿うように所定角度傾けて、周方向に複数配置するとともに、内筒の中心軸方向に少なくとも複数段に配置して構成されており、予混合領域において燃料−空気の混合気が着火部により一度着火されると、定常火炎を維持しつつ、未燃焼の燃料を含んだ燃焼ガスが下流側に押し出され、空気噴出ノズルから噴出された空気により、内筒の中心軸回りの中央領域に高温燃焼領域を形成するとともに、その外側に環状の希薄燃焼領域を形成し、ジェット噴出ノズルから衝撃波を発生させて燃焼ガスを噴出させることを特徴とする。
特に、内筒の予混合領域に臨む空気噴出孔は、その空気噴出孔から噴出される空気流が内筒の中心軸上で、互いに衝突するように設定することが望ましい。
本発明によれば、予混合領域から押し出される未燃焼の燃料を含んだ燃焼ガスが、内筒の中心軸周りに旋回流を生じることなく、さらに、予混合領域の下流において複数の空気噴出ノズルから噴出された空気流により、旋回流を生じることなく、空気噴出ノズルの下流側に中心軸に沿った中央領域に高温燃焼領域を形成することができ、その外側に環状の希薄燃焼領域を形成することができる。その結果、高温燃焼領域において爆燃を連続的に維持するに十分な燃料濃度を維持することができるとともに、それに対応する空気量が供給でき、爆燃による爆発的膨張が、効率的に生じる。
高温燃焼領域で生成した燃焼ガスは、その径方向外方の環状の希薄燃焼領域の燃焼ガスをも巻き込んで、ジェット噴出ノズルにおいてスロート部までその内径を漸次縮径された部分で加速され、ジェット噴出ノズルの開口端から衝撃波を伴った燃焼ガスとして噴出される。つまり、衝撃波を伴った燃焼ガスをジェット噴出ノズルの開口端から効率的に噴出させることができる。
第2の発明は、第1の発明の超音速ジェットバーナーが組み込まれた処理炉と、燃料噴射ノズルに供給される燃料の流量を調節する燃料流量調節手段と、空気供給路に供給される空気の流量を調節する空気流量調節手段と、処理炉の炉内温度を計測する炉温度計測手段と、処理炉の内圧を計測する炉圧計測手段と、燃料流量調節手段及び空気流量調節手段を制御する制御手段と、を備える処理炉の運転制御装置において、制御手段は、炉温度計測手段からの前記炉内温度にもとづいて、前記燃料流量調節手段及び前記空気流量調節手段を制御するとともに、炉圧計測手段により計測された処理炉の内圧にもとづいて、ジェット噴出ノズルの開口端から衝撃波が発生するように燃料流量調節手段及び空気流量調節手段を制御することを特徴とする。
本発明によれば、処理炉内の温度を所定の値に維持するように燃料供給量と空気供給量を制御するとともに、被処理物が超音速ジェットバーナーのジェット噴出ノズルの開口端から噴出される燃焼ガスが衝撃波を伴い、その衝撃波で被処理物が粉砕されるように超音速ジェットバーナーの運転を維持できる。
本発明によれば、効率的に衝撃波を発生させる超音速ジェットバーナーと、その超音速ジェットバーナーを組み込んだ処理炉の制御装置を提供できる。
本発明の実施形態に係る超音速ジェットバーナーを適用した処理装置の全体模式図である。 本発明の実施形態に係る超音速ジェットバーナーの縦断面図である。 内筒の燃焼筒基部側の部分拡大側面図である。 制御盤の機能構成図である。 超音速ジェットバーナーの運転状態を示す説明図である。
次に、本発明の好適な実施形態である超音速ジェットバーナーを例に、適宜図面を参照しながら詳細に説明する。
《処理装置の全体概要》
まず、図1を参照しながら本発明の実施形態に係る超音速ジェットバーナーを適用した処理装置の全体概要について説明する。図1は、本発明の実施形態に係る超音速ジェットバーナーを適用した処理装置の全体模式図である。処理装置100は、主に、超音速ジェットバーナー1、処理炉3、集塵機5A,5B,5C,6等から構成される。処理炉3は、炉上部3aと炉底部3bの上下に分割された構成である。超音速ジェットバーナー1は、処理炉3の炉上部3aに設けたフランジ付きの取り付け管3c内に挿入されて組み込まれ、超音速ジェットバーナー1の後記するジェット噴出ノズル31(図2参照)から吐出される衝撃波SWを伴った燃焼ガスを、炉底部3b内の被処理物W、例えば、汚泥や、養殖牡蠣等の廃棄貝殻等に当てて、加熱乾燥するとともに粉砕するものである。
そのため、処理装置100は、被処理物Wを処理炉3に供給するホッパ2、処理炉3で加熱乾燥及び粉砕処理された被処理物Wの粉末を回収する集塵機5A,5B,5C、集塵機6を備えている。ここで、集塵機5A,5B,5Cは、例えば、サイクロン式集塵機であり、3段に連続して処理炉3の出口から燃焼ガスとともに排出される被処理物Wの処理された粉末を、気体と分離し、集塵機5A,5B,5Cの下部に貯める。集塵機5A,5B,5Cの下部に溜まった粉末は、取出部5aから取り出される。集塵機5Cの後流に配管で接続された集塵機6は、例えば、バグフィルタで構成される。
ちなみに、ホッパ2の下部には、モータ2bで駆動されるスクリュー2aが配置され、ホッパ2内の被処理物Wを炉底部3b内に送り込む。
処理装置100は、そのほかに燃料タンク41、燃料ポンプ42、流量調節弁(燃料流量調節手段)43、流量計44、圧力計45を含む超音速ジェットバーナー1に燃料を供給するための燃料供給系と、エアコンプレッサ47、流量調節弁(空気流量調節手段)48、流量計49、圧力計51を含む超音速ジェットバーナー1に空気を供給するための空気供給系と、処理装置100の運転を制御するための制御盤(制御手段)200とを含んで構成される。
以下では、燃料として、灯油を用いる場合を例に説明する。
前記した処理炉3には、処理炉3内の温度、特に、炉底部3b内の炉内温度T1(図4参照)を計測する温度計(炉温度計測手段)55、処理炉3内の圧力P1(図4参照、以下では炉内圧力P1と称する)を計測する圧力計(炉圧計測手段)56、炉上部3aの炉出口温度T2(図4参照)を計測する温度計57が設けられている。
また、炉上部3aには、処理炉3の運転状態を目視で監視可能なように監視窓3dが設けられ、超音速ジェットバーナー1から噴出される燃焼ガスが衝撃波SWを伴った状態で噴出されていることを確認可能な構成としている。この衝撃波SWは、ダイヤモンド・ショックと呼ばれ、衝撃波SWが複数連続して維持される状態であることが望ましい。
制御盤200には、表示装置200a、起動ボタン200b、停止ボタン200cが設けられ、前記した流量計44,49、圧力計45,51,56、温度計55,57等の信号が入力される。そして、制御盤200は、後記するマイクロコンピュータ201(図4参照)を備え、前記した各種の信号の値を表示装置200aに表示したり、燃料ポンプ42、エアコンプレッサ47の起動・停止の制御をしたり、流量調節弁43,48の開度を調節して、超音速ジェットバーナー1の運転を制御する。
制御盤200の詳細な構成については、図4の説明の中で後記する。
《超音速ジェットバーナー》
次に、図2、図3を参照しながら超音速ジェットバーナー1の構造について説明する。図2は、本発明の実施形態に係る超音速ジェットバーナーの縦断面図である。超音速ジェットバーナー1は、主に燃焼筒基部11、外筒21、中筒25、内筒27から構成されている。
超音速ジェットバーナー1は、中心軸X沿って燃焼路7を有する内筒27の外に同軸に中筒25、外筒21の順に配置したものであり、内筒27の燃焼筒基部11側(一端側)を燃焼筒基部11で閉じ、内筒27の先端側(他端側、図2において下端側)に、狭窄絞り形状に、つまり、その内径を中心軸X方向の先端側に向かって漸次縮径させた縮径部31aと、それに続くスロート部31bとを有するジェット噴出ノズル31を接続して、その開口端から燃焼ガスを噴出させる構造としたものである。ここで、外筒21、中筒25、内筒27が燃焼筒8を構成する。
以下に、各部の詳細な構造と作用を説明する。
(燃焼筒基部)
燃焼筒基部11は、図2に示すように、主に、円盤フランジ形状の入口基板13、中間基板14、外筒取り付け基板22から構成される。
(燃焼筒基部−入口基板)
図2において、入口基板13の中心部に燃料噴射ノズル15が、ねじ込み式に取り付けられている。燃料噴射ノズル15の先端には、多数の噴射孔15aが設けられ燃料を霧状に噴射可能になっている。また、燃料噴射ノズル15の傍には、点火プラグ16が配置されている。点火プラグ16は、例えば、碍子管16a中に1本の導線を封じたものを2本、入口基板13にねじ込み、その導線の先端に、例えば、タングステン棒のような高温に耐える金属棒16bを接続し、金属棒16bの先端が火花放電可能に互いに接近させたものである。金属棒16bの長さは、その先端が、後記する予混合領域R1(図5参照)に届くようにしてある。
図2において入口基板13の中心部から径方向外側に外れた位置に、中心軸Xに並行方向に空気通路孔13aが、複数環状に設けられ、その上面側は、入口基板13に設けられた環状の加圧空気ヘッダ19に連通している。加圧空気ヘッダ19の外周面の所定の箇所に加圧空気入口ノズル17が取り付けられ、前記した空気供給系(図1参照)と接続される。
入口基板13の加圧空気ヘッダ19よりもさらに径方向外側に入口基板13と中間基板14をボルト18で締付けるためのボルト孔13bが複数穿かれている。
入口基板13の図2における下面側には、空気通路孔13aの環状の配置の径方向内側と径方向外側に環状のガスケットG1,G2が配置され、中間基板14の図2における上面とが対向するように構成されている。
(燃焼筒基部−中間基板)
中間基板14は、中央に中空孔14eを有する円盤フランジ形状であり、前記した環状配列の空気通路孔13aに対応するように空気通路孔14aが、空気通路孔13aと同一内径で、かつ、同一個数穿かれている。また、中間基板14の径方向外端近傍に周方向に複数のボルト孔14bが、ボルト孔13bに対応して設けられ、ボルト18がボルト孔13b,14bを挿通できるように構成されている。
ちなみに、前記した空気通路孔13a,14aは、ボルト孔13b,14bを対応させたとき、同時に対応するようにしてある。
中間基板14の図2における下面側には、環状に複数配置された空気通路孔14aをその径方向幅に含むように環状の溝部14dが設けられている。溝部14dの内周側壁と中筒25の内周面とを合わせるようにして、中筒25が、中間基板14の図2における下面側と隅肉溶接されている。ちなみに、中筒25は図2に示すように、カラー部25aと本体部25bとから構成され、先ずカラー部25aを中間基板14に隅肉溶接した後、カラー部25aと本体部25bを突合せ溶接して1本の中筒25としている。中筒25は、中間基板14側が中間基板14に溶接固定され、先端側(図2における下面側)は、何等の支持もされていない開放管の構造である。
また、中間基板14の中空孔14eは、図2において下方側に階段状に拡径された段差部14fを有しており、内筒27の燃焼筒基部11側の端部の外周面が、段差部14fの内周面に対向する形で挿入される。室温時には、中間基板14と内筒27の燃焼筒基部11側の端部とは、距離L2だけ軸方向に重なり、段差部14fの上端と内筒27の上端面との間には間隙L1が確保される構成となっている。これは、超音速ジェットバーナー1が運転状態の場合、外筒21よりも内筒27の方が高温になり、内筒27の軸方向伸びが大きくなり、段差部14fの上端に内筒27の上端面が突き当たるのを防止するためである。
さらに、中間基板14の図2における下面側には、溝部14dの径方向外側に前記した外筒取り付け基板22の対向面との間に環状のガスケットG3を挟みこめるように、有底の雌ねじ孔14cが環状に複数配置され設けられている。
(燃焼筒基部−外筒取り付け基板)
外筒取り付け基板22は、図2に示すように中央に中空孔を有する円盤フランジ形状であり、外筒21の燃焼筒基部11側の外周面に隅肉溶接されている。外筒21の燃焼筒基部11側の端部は、図2に示すように外筒取り付け基板22の上面側に突出しており、その外周面と前記した溝部14dの外周側面とを合わせるようにして、溝部14dの底面(図2において溝部14dの天井面)に突き当てるように構成されている。そして、外筒取り付け基板22の外周側には、前記した雌ねじ孔14cに対応するようにボルト孔22aが環状に複数個穿かれ、ボルト23で中間基板14にボルト締め可能な構成になっている。
ちなみに、図2に示すように空気通路孔14aは、溝部14dの底面において外筒21の内周面と中筒25の外周面との間にその開口部が臨み、外筒21と中筒25との間の環状通路35と連通している。
外筒21の先端(図2における下端)は、外径が外筒21と同一径であり、中央に中空孔を有した円盤フランジ形状の端板(第1の端板)24が溶接されている。端板24には周方向に複数の雌ねじ孔24aが穿かれている。
(内筒)
次に、図2、図3を参照しながら内筒27の詳細な構造について説明する。図3は、内筒の燃焼筒基部側の部分拡大側面図である。
内筒27の燃焼筒基部11側の端面から所定距離、例えば、距離(L1+L2)以上、中心軸X方向に離れた位置から先端側に向かって、ジェット噴出ノズル31と接続される位置まで、内筒27の外周面には所定のピッチで螺旋状のフィン28が溶接固定されている。フィン28の外径は、中筒25の内周面との間に間隙をわずかに有するように設定してある。前記した端板24の中央の中空孔の内径は、中筒25の内径と同じとする。そして、フィン28の外径が端板24の中央の中空孔内及び中筒25内を挿通可能とする。
このようにフィン28の外径を設定することにより、内筒27を中筒25内に挿入して、内筒27の燃焼筒基部11側の端部27e(図3参照)を、前記した中間基板14の段差部14fの中に挿入する際の案内となり、容易に内筒27を組み込むことができる。
内筒27の端部27eから図3において下側には、中心軸X方向に等距離離間させた3段の空気噴出孔27a,27b,27cが、周方向に複数個穿設されている。
最下段の空気噴出孔27aは、例えば、中心軸X周りに、例えば、90°離間させ、空気噴出孔27aの図示しない軸線を、内筒27の外周面から燃焼筒基部11側に傾けて(図2において上に傾けて)、中心軸Xと交差するように穿孔されている。
中段の空気噴出孔27bは、例えば、中心軸X周りに、例えば、90°離間させ、空気噴出孔27bの図示しない軸線を、内筒27の外周面から中心軸Xと直交するように穿孔されている。
最上段の空気噴出孔27cは、例えば、中心軸X周りに、例えば、90°離間させ、空気噴出孔27cの図示しない軸線を、内筒27の外周面から先端側に傾けて(図2において下に傾けて)、中心軸Xと交差するように穿孔されている。
なお、図2では空気噴出孔27a,27b,27cの周方向の位置は、縦断面での説明上、中心軸X回りの同一周方向角度位置としてあるが、実際は、図3に示すように、例えば、45°ずらし、燃料噴射ノズル15から噴射された燃料と空気噴出孔27a,27b,27cから噴射された空気を効率よく混合するように配置されることが好ましい。
さらに、空気噴出孔27a,27b,27cの個数と、その孔径は、燃料噴射ノズル15から噴射される燃料流量の理論的な空燃比から求まる所定の空気量の、例えば、30%を供給することを目安とすることが望ましい。
また、図2に示すように最下段の空気噴出孔27aの中心軸X方向位置から先端側に所定距離離間した位置、例えば、フィン28の2ピッチ分の距離離間した位置から下側に、中心軸X方向に等距離離間させた、例えば、3段のノズル取り付け孔27dを、周方向に複数個穿設し、空気噴出ノズル29を溶接固定する。このノズル取り付け孔27dの図示しない軸線は、先端側(図2において下側に)に、つまり、下流側(燃焼ガスの流れ方向)に向かって所定の角度傾け、かつ、中心軸Xと交差するように穿孔されている。そして、空気噴出孔27aに挿入して内筒27の外周面側で溶接される円筒管状の空気噴出ノズル29は、その図示しない軸線を内筒27の内周壁から内側に下流側に傾けて前記所定角で溶接固定される。
前記所定角は、例えば、中心軸Xと直交する状態から下流側に30°傾けたものである。
なお、図2では、3段に設けられた空気噴出ノズル29同士の周方向の位置は、縦断面での説明上、中心軸X回りの同一周方向角度位置としてあるが、実際は、図3に示すように、上下段の空気噴出ノズル29、29の間では、例えば、45°ずらし、空気噴出ノズル29から噴射された空気を周方向にできるだけ均一に内筒27内に供給するように配置されることが好ましい。
さらに、空気噴出ノズル29の個数と、その孔径は、燃料噴射ノズル15から噴射される燃料量の理論的な空燃比から求まる所定の空気量の、例えば、70%を超える、つまり、空気噴出孔27a,27b,27cから供給される空気流量と燃料噴射ノズル15から供給される空気流量の合計が、燃料噴射ノズル15から噴射される燃料流量の理論的な空燃比から求まる所定の空気量よりもやや過多とすることが望ましい。この過多とする度合いは、実験的に予め求めて適宜設定する。
図2に示すように内筒27の先端側(図2において下端側)には、前記したようにジェット噴出ノズル31が溶接接続されている。ジェット噴出ノズル31のスロート部31bの外周面には、中央に中空孔を有した円盤フランジ形状の端板(第2の端板)32が溶接固定されている。端板32の外形は外筒21の外径と同一であり、その外周側に環状に配列された複数のボルト孔32aが、前記した雌ねじ孔24aに対応させて穿かれている。そして、端板24の雌ねじ孔24aにボルト33をねじ込むことにより端板24と端板32とが締結固定される。図2では、端板24と端板32との対向面は、平滑な加工面とし、ボルト締めにより密着し、ガスケットは介在させないものとしているがガスケットを、介在させても良い。ガスケットを介在させる場合は、ガスケットは、耐熱性の高いものが望ましい。
ちなみに、スロート部31bは、直管形状をしており、端板32の図2における下面側より下方に突出してその開口端を燃焼筒8の外部に露出している。
なお、図2においては、縮径部31aの内周面の中心軸X方向の断面形状が、直線テーパ形状にして示してあるが、それに限定されず、径方向内方側に向けて膨出させ滑らかに連続した凸形状とし、滑らかにスロート部31bにつながるような断面形状でも良い。
以上のように、外筒21、中筒25、内筒27が構成されることにより、図2に示すように外筒21の内周面と中筒25の外周面との間の環状通路35を下方に通過する空気は、中筒25の先端(図2において下端)と外筒21の端板24との間の間隙部36を経て、中筒25の内周面と内筒27の外周面との間の環状通路37をフィン28により案内されて螺旋状に旋回して昇流し、空気噴出ノズル29から内筒27内に空気を噴出させるとともに、さらに昇流して空気噴出孔27a,27b,27cからも内筒27内に空気を噴出させる。
ここで、環状通路35,37、間隙部36が、特許請求の範囲に記載の「空気供給路」を構成する。
なお、特に、入口基板13、中間基板14、外筒取り付け基板22、外筒21、中筒25、内筒27、ジェット噴出ノズル31、端板24,32等の部材としては耐熱ステンレス鋼が適する。また、入口基板13、中間基板14、外筒取り付け基板22、外筒21、内筒27、端板24,32,ジェット噴出ノズル31等は、超音速ジェットバーナー1の内圧により変形しないような耐圧強度を有する厚さの設計とする。
(制御盤)
次に、図4を参照しながら制御盤200について説明する。図4は、制御盤の機能構成図である。
ここで、制御盤200は、その筺体のパネルの表面に液晶表示装置等の表示装置200a、起動ボタン200b、停止ボタン200cを備え、筺体内部にマイクロコンピュータ201、インタフェース回路202A,202B,202c、制御回路203等を備えている。マイクロコンピュータ201は、制御プログラムを記憶させた、例えば、外付けROM(図示せず)を含んでおり、その記憶された制御プログラムをROMから読み出して、処理装置100の運転制御、具体的には、超音速ジェットバーナー1の燃料供給系や空気供給系を制御する。
この制御プログラムは、炉内圧力P1をパラメータにして、ジェット噴出ノズル31(図2参照)からダイヤモンド・ショックと謂われる衝撃波SW(図1参照)を伴って燃焼ガスが噴出される条件となる燃料流量Ff、大気圧に換算の空気流量Faとなる値がテーブルまたは関数の形のデータとして含んでいる。以下、このテーブルまたは関数の形のデータを衝撃波発生条件データと称する。
この衝撃波発生条件データは、超音速ジェットバーナー1の寸法諸元、具体的には、内筒27の内径や中心軸X方向の長さ、ジェット噴出ノズル31の寸法諸元(縮径部31aの形状を示す寸法やスロート部31bの内径等)、空気噴出孔27a,27b,27cの個数やその孔径、空気噴出ノズル29の個数やその孔径等に依存するので、適宜予め実験的に求めることが好ましい。
インタフェース回路202Aは、流量計44,49からの燃料流量Ff、空気流量Faの信号、圧力計45,51,56からの燃料供給圧力Pf、空気供給圧力Pa、炉内圧力P1の信号、温度計55,57からの炉内温度T1、炉出口温度T2の信号を取り込む回路であり、必要に応じてそれぞれの信号毎に処理回路が設けられマイクロコンピュータ201に入力されているが、ここでは総括してインタフェース回路202Aと表示している。
インタフェース回路202Bは、起動ボタン200b、停止ボタン200cのスイッチ接点信号を処理する回路を含んでおり、起動ボタン200b、停止ボタン200cが押下されたことを検出してマイクロコンピュータ201に入力する。
インタフェース回路202Cは、マイクロコンピュータ201から表示装置200aに表示出力させる信号を処理する回路である。
マイクロコンピュータ201は、制御プログラムを実行して、表示装置200aに炉内温度T1(°C)、炉出口温度T2(°C)、炉内圧力P1(MPa)、燃料供給圧力Pf(MPa)、燃料流量Ff(m3/sec)、空気供給圧力Pa(MPa)、空気流量(m3/sec)等のデータを表示する。
ここで、マイクロコンピュータ201は、炉内圧力P1(MPa)、燃料供給圧力Pf(MPa)、空気供給圧力Pa(MPa)を、例えば、ゲージ圧で表示し、空気流量(m3/sec)は、流量計49からの空気流量Faの信号を、燃料供給圧力Pfを用いて大気圧の体積流量(m3/sec)に換算して表示する。
制御回路203は、マイクロコンピュータ201からの制御出力信号を受け、操作員の起動ボタン200bまたは停止ボタン200cの操作によって燃料供給系の前記した燃料ポンプ42のモータへの電源をオン/オフしたり、前記した空気供給系のエアコンプレッサ47のモータへの電源をオン/オフしたり、前記した点火プラグ16への高圧電源(図示せず)を起動ボタン200bが押下された後の所定の時間だけオン状態にして点火制御したりする、シーケンス制御コントローラや、モータコントローラやスイッチ回路等を含んでいる。
制御回路203は、マイクロコンピュータ201からの制御出力信号を受け、流量調節弁43,48の開度をそれぞれ個別に制御する弁制御回路をも含んでいる。
マイクロコンピュータ201が、炉内温度T1、炉内圧力P1を監視し、炉内温度T1を所定の目標温度の範囲に制御するように燃料供給系の流量調節弁43の開度と空気供給系の流量調節弁48の開度の目標値を演算し、前記した弁制御回路に出力する。それぞれの弁制御回路は、マイクロコンピュータ201からの開度目標値に従って流量調節弁43,48の開度を調節する。その際、マイクロコンピュータ201は、前記した衝撃波発生条件データに基づいて、燃料流量Ffと大気圧換算された空気流量Faを最適値に維持するように流量調節弁43と流量調節弁48のそれぞれの開度の目標値を算出し制御出力信号として出力する。
次に、図5を参照しながら超音速ジェットバーナー1の運転状態について説明する。図5は、超音速ジェットバーナーの運転状態を示す説明図である。以下では、燃焼の状態を模式的に領域に分けて説明する。
前記した燃料供給系から供給された燃料は、燃料噴射ノズル15の先端から中間基板14の中央の中空孔14e内に噴射され、液滴となって内筒27の燃焼筒基部11側に入る。
前記した空気供給系から供給された空気は、加圧空気入口ノズル17から加圧空気ヘッダ19に入り、矢印A1に示すように空気通路孔13a,14aを経て、環状通路35に入る。そして、矢印A2に示すように環状通路35を流下し、間隙部36において矢印A3に示すように反転して環状通路37を矢印A4に示すように旋回しながら、内筒27及びフィン28を冷却して、つまり、加熱されて昇流する。
加熱された空気の大半は、約70%程度が、矢印A5a,A5b,A5cで示すように3段に設けられた空気噴出ノズル29から内筒27の中心軸Xに向けて、内筒27における燃焼ガスの流れ方向に(図5において下方向に)沿うように傾けて噴出される。残りの加熱された空気、約30%は、さらに、環状通路37を旋回しながら昇流して、矢印A6a,A6b,A6cで示すように空気噴出孔27a,27b,27cから内筒27の中心軸Xに向けて、噴出される。
図5において内筒27内の燃焼筒基部11側の一点鎖線で囲って示した予混合領域R1では、燃料噴射ノズル15から噴射された燃料と空気噴出孔27a,27b,27cから内筒27内に噴出された空気とが攪拌混合される。このとき、空気噴出孔27a,27b,27cから内筒27内に噴出された空気流が中心軸X上で相互に衝突するように空気噴出孔27a,27b,27cが穿設されているので燃料と空気の混合が促進される。超音速ジェットバーナー1の起動時に点火プラグ16でこの予混合領域R1の燃料−空気の混合気に着火されると、この予混合領域R1では、理論的空燃比よりも燃料過多の状態であり、火炎伝播の燃焼を維持し、未燃の燃料を含んだ燃焼ガスが中心軸Xの下方向に押し出され領域R2を下方に進む。この領域R2では、空気噴出ノズル29に到るまでの間に火炎伝播の燃焼による燃料の蒸発、混合が促進される。
空気噴出ノズル29の位置から下方に向かって始まる領域R3では、空気噴出ノズル29からさらに追加の空気が中心軸Xの下流側に向けて噴射される。内筒27の内周面から中心軸Xに向けて空気噴出ノズル29から追加の空気が、噴流状態で供給されることにより、領域R3では未燃焼の燃料と追加の空気が攪拌され、燃焼が爆発的に進む爆燃状態となる。しかし、領域R3では、外側から中心軸Xに向けて空燃比の分布を若干生じ、中心軸X近傍には、燃料過多の状態が残る。それが、空気噴出ノズル29の最下段の位置を過ぎる領域R4(図5において領域R4A,R4Bで表示)に入ると、中心軸X近傍の領域(高温燃焼領域)R4Aも攪拌が進み、燃焼が爆発的に進む爆燃状態となり、領域R3で爆燃状態となった環状部の領域(希薄燃焼領域)4Bは、最下段の空気噴出ノズル29から供給された空気により、逆に空気が過多な希薄燃焼領域となる。このように、領域R3、R4において爆燃状態を生じるので、急激な燃焼ガスの膨張となり、圧力が高まった燃焼ガスがジェット噴出ノズル31に向けて領域R5に到る。
なお、最下段の空気噴射ノズル29から下方の内筒27の内周面には、領域R6で示したような空気の層が生じ、内筒27の内周面が直接高温の燃焼ガスに晒されない領域を形成する。
ちなみに、領域R2,R3,R4A,R4B,R5内の温度分布を模式的に、ドットの濃さで示してあるが、最も燃焼ガスの温度が高いのは、中心軸X近傍の高温燃焼領域であるR4Aであり、その中心軸X方向の上下、外周側はそれよりも低い燃焼ガスの温度となることを示している。
このように、予混合領域R1においても、また、中心軸X方向に3段に設けられた空気噴出ノズル29から空気を追加されて燃焼する領域R3においても、燃焼ガスに中心軸X回りの旋回流を生じさせないように空気を噴出させることにより、高温燃焼領域である領域R4Aにおいて爆燃を連続的に維持するに十分な燃料濃度を維持することができるとともに、それに対応する空気量が供給でき、爆燃による爆発的膨張が、効率的に生じる。
ここで、仮に、特許文献1に記載の技術のように、特に、空気噴出ノズル29の向きを中心軸Xから所定の角度ずらして領域R3において中心軸X周りに旋回流を生じさせるように空気を噴射すると、高温燃焼領域である領域R4Aの径方向範囲が広くなり、爆燃条件を維持できる中心軸X方向の範囲が短くなり、結果として領域R4Aの最高温度を低下させることになる。
つまり、爆燃による燃焼ガスの急膨張の度合いが弱くなり、より多い燃料を必要とする。
これに対し、本実施形態では、空気噴出ノズル29が周方向に90°の間隔で配置し、中心軸Xに向けつつ、燃焼ガスの流れ方向(図5において下側方向)に傾けてあるので、1本の空気噴出ノズル29から噴出される空気の噴流は、周方向に対向して配置された1本の空気噴出ノズル29から噴出される空気の噴流と中心軸X上で相互に衝突しあうような形となる。従って、高温燃焼領域であるR4Aを中心軸Xに向けて圧縮するように作用し、高温燃焼領域であるR4Aの径方向外方側へ広がるのを抑制し、爆燃条件を維持しやすい。そして、その領域R4Aの外側に形成される環状の領域R4Bでは、空気過多の希薄燃焼領域となり、燃料を完全燃焼させることができる。
つまり、爆燃による燃焼ガスの急膨張の度合いが強くなり、より少ない燃料で効率的に爆燃を維持できる。
また、高温燃焼領域R4Aを中心軸Xの近傍に形成し、内筒27の内周壁面からと遠ざけることができ、内筒27の内周壁面への加熱を減少でき、内筒27の耐久性も長くできる。
領域R5を下方に流れた燃焼ガスは、ジェット噴出ノズル31の縮径部31aで、燃焼ガスの圧力が燃焼ガスの速度の加速に変換され、スロート部31bの開口端から処理炉3(図1参照)内に排気ジェット(燃焼ガス)が噴出する。スロート部31bの開口の壁面端(図5において下端)から発生する斜め衝撃波によって、公知のように排気ジェットは圧縮されるが、自由ジェット境界面からの反射波の影響で膨張と圧縮を繰り返し、前記したダイヤモンド・ショックという衝撃波が見られる(「ロケット工学」、木村逸郎著、1993年1月27日 第1版発行、株式会社養賢堂 参照)。
この衝撃波SW(図1参照)を伴った燃焼ガスを被処理物W(図1参照)に当てることにより、被処理物Wが破砕されるとともに、燃焼ガスの温度のみならず衝撃波SWのエネルギも熱に変換され、被処理物Wに加えられ加熱乾燥される。
ちなみに、試運転の結果では、炉内温度T1は、900℃を超えることができ、炉出口温度T2は100℃程度とすることができる。
本実施形態によれば、炉内圧力P1を参照して、衝撃波発生条件データに基づいて燃料供給量と空気供給量をマイクロコンピュータ201が制御するので、炉内温度T1を所定の値に維持するように燃料供給量と空気供給量を制御するとともに、被処理物Wが超音速ジェットバーナー1のジェット噴出ノズル31の開口端から噴出される燃焼ガスが衝撃波を伴い、その衝撃波で被処理物が粉砕されるように超音速ジェットバーナー1の運転を維持できる。処理炉3内の被処理物Wの加熱乾燥、破砕に要するエネルギ量等によって炉内圧力P1が変化しても、衝撃波SWを伴う燃焼ガスの噴出状態の超音速ジェットバーナー1の運転が自動的に維持される。
次に、図2に戻って本実施形態の超音速ジェットバーナー1の組立方法を説明する。例えば、中間基板14の図2における上面側を下にし、中筒25を上にして、その上面側に傷が付かないように組立用の板材(例えば、木製の板)に立てる。ガスケットG3を中間基板14の図2における下面側に設定して、中筒25を外筒取り付け基板22の中央の中空孔に挿通させて中間基板14にボルト23で締付け固定することにより、中筒25と外筒21の組立が完了する。そして、外筒21の端板24の中央の中空孔から内筒27との端部27e(図3参照)を挿通させた後、フィン28の径方向外側の縁を中筒25の内周面で案内させて、中間基盤14の段差部14fに端部27eを嵌め込む。その後、ジェット噴出ノズル31に溶接された端板32のボルト孔32aにボルト33を挿通させて雌ねじ孔24aに締め付け固定する。これによりジェット噴出ノズル31を含む内筒27を容易に組み付けられる。
入口基板13と中間基板14とは、その後ボルト18で締結すれば良い。
なお、図1に示した取り付け管3cのフランジのボルト孔と、入口基板13及び中間基板14のボルト孔13a,14bが対応するように予め設計しておくと、処理炉3への超音速ジェットバーナー1の取り付け固定と、入口基板13と中間基板14との締め付け固定とが兼用可能となる。
以上のように、本実施形態によれば、容易にボルト締結で超音速ジェットバーナー1が組み立てられる。
本実施形態では、燃料として灯油を例に説明したが、燃料はそれに限定されるものではなく、メタンやプロパン等の気体燃料、他のケロシン等の液体燃料を用いても良い。また、本実施形態では点火プラグ16による火花放電によるとしたがそれに限定されるものではなく、適宜燃料の種類に応じて、例えば、プリデトネータ方式を用いても良い。
1 超音速ジェットバーナー
3 処理炉
3a 炉上部
3b 炉底部
3c 取り付け管
3d 監視窓
5A,5B,5C 集塵機
6 集塵機
7 燃焼路
8 燃焼筒
11 燃焼筒基部
13 入口基板
13a 空気通路孔
14 中間基板
14a 空気通路孔
14d 溝部
14e 中空孔
14f 段差部
15 燃料噴射ノズル
16 点火プラグ(着火手段)
16a 碍子管
16b 金属棒
17 加圧空気入口ノズル
18 ボルト
19 加圧空気ヘッダ
21 外筒
22 外筒取り付け基板
24 端板(第1の端板)
25 中筒
27 内筒
27a,27b9,27c 空気噴出孔
27d ノズル取り付け孔
27e 端部
28 フィン
29 空気噴出ノズル
31 ジェット噴出ノズル
31a 縮径部
31b スロート部
32 端板(第2の端板)
35,37 環状通路(空気供給路)
36 間隙部(空気供給路)
41 燃料タンク
42 燃料ポンプ
43 流量調節弁(燃料流量調節手段)
44 流量計
45 圧力計
47 エアコンプレッサ
48 流量調節弁(空気流量調節手段)
49 流量計
51 圧力計
55 温度計(炉温度計測手段)
56 圧力計(炉圧計測手段)
57 温度計
100 処理装置
200 制御盤(制御手段)
201 マイクロコンピュータ
R1 予混合領域
R4A 領域(高温燃焼領域)
R4B 領域(希薄燃焼領域)
SW 衝撃波
T1 炉内温度
T2 炉出口温度
W 被処理物
X 中心軸

Claims (3)

  1. 外周に空気供給と熱交換を兼ねた空気供給路を有する内筒、中筒、外筒からなる同軸多重構造の筒構成を有する燃焼筒と、
    前記内筒はその内部が燃焼路であり、前記内筒内の一端側に形成された予混合領域に燃料を噴射する燃料噴射ノズルを有する燃焼筒基部と、
    前記内筒の外周側を冷却して加熱された空気を前記空気供給路から前記予混合領域に噴出させ、前記燃料噴射ノズルから噴射された燃料に空気を供給し攪拌する、前記内筒の前記一端側の周壁に設けられた空気噴出孔と、
    前記内筒の前記予混合領域より下流側の内周面から径方向内側に突出させ、前記内筒の外周側を冷却して加熱された空気を前記空気供給路から噴出させ、前記予混合領域の燃料−空気の混合気にさらに空気を供給する空気噴出ノズルと、
    前記内筒の他端側に設けられ、その内径を漸次縮径してスロート部を形成したジェット噴出ノズルと、
    前記燃料−空気の混合気に着火する着火手段と、を有する超音速ジェットバーナーであって、
    前記着火手段の着火部は、前記予混合領域内に突出させて配置され、
    前記空気噴出孔は、前記内筒の中心軸に向けて前記内筒の前記一端側の周壁に複数設けられ、
    前記空気噴出ノズルは、前記内筒の中心軸に向け、かつ、前記内筒内の燃焼ガスの流れ方向に沿うように所定角度傾けて、周方向に複数配置するとともに、前記内筒の中心軸方向に少なくとも複数段に配置して構成されており、
    前記予混合領域において前記燃料−空気の混合気が前記着火部により一度着火されると、定常火炎を維持しつつ、未燃焼の燃料を含んだ燃焼ガスが下流側に押し出され、
    前記空気噴出ノズルから噴出された空気により、前記内筒の中心軸回りの中央領域に高温燃焼領域を形成するとともに、その外側に環状の希薄燃焼領域を形成し、
    前記ジェット噴出ノズルから衝撃波を発生させて燃焼ガスを噴出させることを特徴とする超音速ジェットバーナー。
  2. 前記燃焼基部は、
    前記中筒の一端側と溶接固定され、中央に中空孔を有する中間基板と、
    前記外筒の一端側と溶接固定され、中央に中空孔を有する外筒取り付け基板と、を含んで構成され、
    前記外筒は、他端側に、中央に中空孔を有する第1の端板を溶接固定されて有し、
    前記内筒の他端側に接続された前記ジェット噴出ノズルは、前記スロート部の外周面に第2の端板を溶接固定されて有し、
    前記内筒は、その外周面に前記中心軸の軸方向の所定の区間にわたって、螺旋状のフィンを溶接固定されて有するとともに、前記フィンの外径が前記中筒の内周面との間に所定の間隙を有し、
    前記外筒取り付け基板の中央の中空孔に前記中筒を挿通させて、前記中間基板と前記外筒取り付け基板とをボルト固定し、
    前記内筒の前記一端側を前記第1の端板の中央の中空孔及び前記中筒内に挿入し、その挿入の際に前記フィンが前記中筒の内周面に案内されて前記中間基板の中央の中空孔と嵌め合わされ、その後に前記第1の端板と前記第2の端板とをボルト固定して、前記燃焼筒を組み立てることを特徴とする請求項1に記載の超音速ジェットバーナー。
  3. 請求項1に記載の超音速ジェットバーナーが組み込まれた処理炉と、
    前記燃料噴射ノズルに供給される燃料の流量を調節する燃料流量調節手段と、
    前記空気供給路に供給される空気の流量を調節する空気流量調節手段と、
    前記処理炉の炉内温度を計測する炉温度計測手段と、
    前記処理炉の内圧を計測する炉圧計測手段と、
    前記燃料流量調節手段及び前記空気流量調節手段を制御する制御手段と、を備える処理炉の運転制御装置において、
    前記制御手段は、
    前記炉温度計測手段からの前記炉内温度にもとづいて、前記燃料流量調節手段及び前記空気流量調節手段を制御するとともに、前記炉圧計測手段により計測された前記処理炉の内圧にもとづいて、前記ジェット噴出ノズルの開口端から衝撃波が発生するように前記燃料流量調節手段及び前記空気流量調節手段を制御することを特徴とする処理炉の運転制御装置。
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