JP4469456B2 - 緑膿菌鉄獲得系阻害物質のスクリーニング法 - Google Patents

緑膿菌鉄獲得系阻害物質のスクリーニング法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新たな作用機序に基づく抗緑膿菌薬または抗緑膿菌感染症薬の創製に有用な緑膿菌鉄獲得系阻害物質のスクリーニング法に関する。
【0002】
【従来の技術】
緑膿菌[シュードモナス エルギノーザ(Pseudomonas aeruginosa)]は日和見病原細菌のひとつであり、ヒトおよび動物、特に免疫機能が低下したそれら宿主において重篤で、時には致命的な感染症の原因となる。これまでに抗緑膿菌活性を示す薬剤が多数開発され、当該菌感染症に対して治療効果を発揮してきた。例えば、β-ラクタム誘導体は細胞壁合成阻害によって、アミノグリコシド誘導体は蛋白合成阻害によって、またキノロン誘導体はDNA複製阻害によって緑膿菌増殖を阻害する。しかし、最近、こような薬剤の使用に伴って薬剤標的酵素の変異や薬剤耐性に関わる遺伝子の発現あるいは獲得、さらに、近年明らかにされた多剤排出ポンプの発現によって既存薬剤の効果は低減している。従って、医療現場では現在、緑膿菌の既存薬剤に対する耐性を克服し、当該菌感染症に対してさらに満足度の高い治療効果を得るために、新規薬剤の創製が切望されている。
【0003】
抗細菌活性物質を探索するためには、細菌の生存および増殖に必須な生理的要因あるいは機構を理解することが重要である。その機構のひとつとして、鉄獲得機構が挙げられる。鉄は、細菌を含むほとんどの生物の生育にとって不可欠な元素であり、病原細菌が宿主生体内で鉄を獲得・利用する能力は、感染、即ち菌増殖および毒力発現に必須である。それは鉄が、細菌細胞の各種生理機能を担う種々の酵素や電子伝達体の機能発現に必須であるためであると理解される。病原細菌の宿主となる動物の生体内で鉄は一般に、種々の蛋白に結合して、例えば細胞外ではトランスフェリンやラクトフェリン、細胞内ではヘモグロビン(Hb)、フェリチン、およびヘム含有酵素などとして存在する。このような蛋白に結合した鉄あるいはヘムを獲得するために細菌は、特殊な機構を有する。その機構としては、シデロフォアと呼ばれる細菌自体が合成・分泌する低分子量の鉄キレーターによってトランスフェリン等から鉄を奪い、その鉄−シデロフォア複合体に対する特異的レセプターを介して取り込む系;また、ヘム結合蛋白に対する特異的レセプターを介してヘム鉄を取り込む系などが知られている。多くの場合、鉄獲得系の構成に必要な因子および蛋白の発現は、鉄濃度によって制御されており、低鉄濃度環境で高発現する。しかし、このような鉄獲得系あるいはその制御機構を阻害することによって細菌の増殖および毒力を抑制する抗細菌感染症薬は、これまでに創製されていない。
【0004】
ところで緑膿菌はシデロフォアとしてピオベルジン(Pvd)およびピオケリン(Pch)を合成・分泌する。それぞれのシデロフォアと鉄の複合体に対するレセプターが存在する(FpvAおよびFptA)。一方、緑膿菌におけるヘム鉄獲得系としては、緑膿菌が産生・分泌するヘム結合蛋白(HasA)が同定されており、それによってHb等からヘムを奪い、レセプター(HasR)を介してヘム鉄を取り込むと考えられている。また、異なるレセプター(PhuR)を介するヘム鉄獲得系の存在も知られている。このようなグラム陰性菌における外膜レセプターを介する鉄獲得には、tonB遺伝子にコードされるTonB蛋白の機能が必要であることが証明あるいは推定されてきた。TonB蛋白は種々のグラム陰性菌で相同的蛋白として同定されているが、全く同一ではない。TonB蛋白は主に大腸菌に関する研究で、N末端によって細胞膜(内膜)にアンカーされ、内膜と外膜の間隙であるペリプラスムに大部分が局在するとされている。そして、内膜におけるエネルギー発生(プロトン駆動力)によって構造が変化し、外膜レセプターと相互作用することによって、そのレセプターに結合した鉄複合体の細胞内への移行を触媒すると考えられている。緑膿菌でもtonB遺伝子(TonB蛋白)が同定され、Pvdによる鉄獲得に必要であることが示された。しかし、本発明以前に、緑膿菌のPchによる鉄獲得およびヘム鉄獲得におけるTonB蛋白の必須性は不明であった。
【0005】
TonB蛋白は上述のように、グラム陰性菌の鉄獲得において重要な役割を演ずると考えられることから、当該菌群に対する新規薬剤の標的として可能性を有するものと想像されてきた。しかしながら、その一般性については疑問が残る。それは、宿主内での菌増殖および毒力発現におけるTonB蛋白の必須性は菌種によって異なると認識されるためである。例えば、インフルエンザ菌のTonB蛋白は、当該菌の毒力発現に必須であると報告されている。一方、サルモネラ菌のTonB蛋白は、当該菌の宿主内での増殖および毒力発現に必ずしも必須ではないことが報告されている。従って、TonB蛋白の薬剤標的としての妥当性、即ち、生体内のような環境における細菌の増殖および感染にとっての当該蛋白の必須性は、菌種ごとに検証されなければならない。
【0006】
抗菌物質のスクリーニングは各種細菌の培養系に被験物質を添加し、その菌に対する増殖阻害活性を判定することによって実施可能であるが、この試験では薬剤標的については不明である。
公知の技術として、細菌の鉄輸送阻害物質の検出のための試験に関する発明(USP5338664)があるが、これは大腸菌を用いたTonB機能阻害物質をスクリーニングするための方法であり、2段階の試験で構成される。まず、TonB蛋白を有する大腸菌にのみ致死活性を示す因子(ある種のコリシンやファージ)の存在下で当該菌を培養し、さらに添加した被験物質がその因子の致死性を阻害した場合に陽性物質として選抜する試験を実施する。次いで、鉄キレーターであるジピリジルの添加によって調製され、TonB蛋白機能を欠損した大腸菌が増殖できないような低鉄濃度の培地に上記陽性物質をさらに添加し、TonB蛋白を有する大腸菌の増殖を阻害した場合に陽性物質(TonB阻害物質)として同定する。しかし、少なくとも最初の試験は大腸菌に特異的な致死因子を利用するため、緑膿菌を含む多くの菌種を直接の対象とすることはできない。
【0007】
また、公知である別の技術として、生体細菌のゲート・ポーリン・チャンネルのリガンド特異的開口に関する発明が存在する(特開平11-318489号、USP60/064431)。その方法は、シデロフォアのひとつであるエンテロバクチンが鉄と結合したフェリックエンテロバクチンに対する菌体外膜レセプターFepAの、エネルギー依存的なTonB蛋白との相互作用に基づく構造変化を検出するものである。スピンラベルされた生細菌の外膜レセプターの構造変化が、電子スピン共鳴分光法によって検出される。当該方法はその構造変化を阻害する物質のスクリーニングにも適用されうると同時に、選抜される物質にはTonB機能阻害物質が含まれる可能性がある。当該技術は大腸菌を用いて実施・確立されたが、緑膿菌を含むいくつかのグラム陰性菌にもFepA相同蛋白が存在することから、大腸菌に限定された技術ではないと位置づけられた。しかし、この方法によって見出された物質を抗菌剤または抗細菌感染症薬として応用するためには、観察された現象あるいは物質の活性が、確かに菌増殖阻害をもたらすことをさらに実証する技術が必要となる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
上述のように、抗菌剤または抗細菌感染症薬として医薬品に応用することを意図し、細菌の鉄獲得系、特に緑膿菌TonB依存的鉄獲得系を阻害する物質をスクリーニングする技術はこれまでに確立されていなかった。
【0009】
従って本発明の目的は、抗菌剤または抗細菌感染症薬の創製に有用な、緑膿菌の鉄獲得系阻害物質のスクリーニング法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
そこで本発明者らはTonB機能が必要とされない緑膿菌増殖系とTonB機能が必要とされる緑膿菌増殖系とを組み合せて、被検物質による緑膿菌増殖阻害の有無を検討すれば、緑膿菌の鉄獲得系阻害と緑膿菌に対する抗菌作用とが同時に判定でき、抗菌剤または抗細菌感染症薬として有用な緑膿菌鉄獲得系阻害物質がスクリーニングできることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0011】
すなわち、本発明は、次の工程(1)及び(2):
(1)緑膿菌のTonB欠損株が増殖できる培地(A)を用いて緑膿菌を培養する系、及び緑膿菌のTonB欠損株が増殖できない培地(B)を用いて緑膿菌を培養する系のそれぞれに、被検物質を添加して培養を行う工程;
(2)当該培地(A)では緑膿菌の増殖を阻害しないが、当該培地(B)で緑膿菌の増殖を阻害する物質を選抜する工程、
を含むことを特徴とする緑膿菌鉄獲得系阻害物質のスクリーニング法を提供するものである。
また、本発明は上記の方法でスクリーニングされた緑膿菌鉄獲得系阻害物質を提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の緑膿菌鉄獲得系阻害物質のスクリーニング法の工程(1)は、緑膿菌のTonB欠損株が増殖できる培地(A)を用いて緑膿菌を培養する系、及び緑膿菌のTonB欠損株が増殖できない培地(B)を用いて緑膿菌を培養する系のそれぞれに、被検物質を添加して培養を行う工程である。ここで、培地(A)を用いた培養系〔培養系(A)〕は、TonB機能を必要としない緑膿菌増殖系である。一方、培地(B)を用いた培養系〔培養系(B)〕は、TonB機能を必要とする鉄獲得に依存した緑膿菌増殖系である。
【0013】
培地(A)としては、例えば1μM以上、より好ましくは1〜10μM、さらに好ましくは5〜10μMの遊離鉄イオンを含む培地が挙げられ、具体的にはSMMCA[サクシネート最少培地(Meyer, J. M., and M. A. Abdallah., J. Gen. Microbiol., 107:319-328, 1978)にカザミノ酸を0.2%(w/w)添加した培地]に1μM以上のFe(II)あるいはFe(III)を添加した培地が挙げられる。緑膿菌は、1μM以上の鉄イオン存在下では、シデロフォアやヘム結合蛋白を介するTonB機能に無関係に鉄を獲得し増殖できることから、この培地(A)を用いた培養系(A)は、TonB機能を必要としない緑膿菌増殖系である。
【0014】
培地(B)としては、例えば鉄がキレートされた状態で存在する遊離鉄制限培地や、これにシデロフォア又はヘム鉄源を添加した培地が挙げられる。ここで、遊離鉄制限培地とは、鉄を含むが、例えば鉄が鉄キレーターであるアポトランスフェリン(apoTsf)やエチレンジアミンジヒドロキシフェニル酢酸[ethylenediamine di(o-hydroxyphenylacetic acid): EDDHA]にキレートされた状態で存在する培地であり、具体的には例えば10μM Fe(III)および20 mM NaHCO3を含有するSMMCAに25μM apoTsfを添加した培地(培地(B1))、又は1μM Fe(II)若しくはFe(III)を含有するSMMCAに0.05〜0.5 mM EDDHAを添加した培地(培地(B2))が挙げられる。
また、遊離鉄制限培地にジデロフォア又はヘム鉄源を添加した培地としては、上記培地(B1)や培地(B2)に、Pvd、Pch、ヘム鉄源のいずれかを添加した培地が挙げられる。
【0015】
培地(B)を用いた培養系は、前記の如くTonB機能を必要とする鉄獲得に依存した緑膿菌増殖系であるから、例えば、培地(B1)又は培地(B2)にてPvdを産生できるTonB保有緑膿菌株を培養する系; Pvd、Pch、ヘム鉄源のいずれかを添加した培地(B1)にて、PvdおよびPchを産生できないTonB保有緑膿菌株を培養する系; あるいはPvd、ヘム鉄源のいずれかを添加した培地(B2)にて、Pvdを産生できないTonB保有緑膿菌株を培養する系が挙げられる。
【0016】
本発明の工程(2)は、上記培地(A)では緑膿菌の増殖を阻害しないが、上記培地(B)で緑膿菌の増殖を阻害する物質を選抜する工程である。こうして選抜された物質は、緑膿菌のTonB依存的鉄獲得系を阻害することにより緑膿菌の増殖を阻害する物質である。
【0017】
すなわち、例えば培地(B1)では、鉄はトランスフェリンとして存在し、TonBを保有してもPvdおよびPchの両方を産生できない緑膿菌株は増殖できない。これは、トランスフェリンから鉄を奪う能力があるPvdあるいはPchが無いためである。しかし、その菌株は、培地(B1)にPvdあるいはPchを添加した場合には増殖できる。また、培地(B1)にヘム鉄源を添加した場合にも増殖できる。一方、TonBを欠損した緑膿菌株は培地(B1)で、Pvd、Pch、ヘム鉄源のいずれを添加しても増殖できない。以上のことは、緑膿菌が培地(B1)で増殖するためにはPvd、Pch、あるいはヘム鉄源が必要であり、それらいずれのシデロフォアによる鉄獲得にも、また、ヘム鉄獲得にも、TonBの存在(TonB機能)が必須であることを示す。
【0018】
また、培地(B2)では、鉄はEDDHAにキレートされて存在し、TonBを保有してもPvdを産生できない緑膿菌株は増殖できない。これは、EDDHAにキレートされた鉄を奪う能力があるPvdが無いためである。しかし、その菌株は、培地(B2)にPvdあるいはヘム鉄源を添加した場合には増殖できる。一方、TonBを欠損した緑膿菌株は、Pvdあるいはヘム鉄源を添加しても培地(B2)で増殖できない。以上のことは、緑膿菌が培地(B2)で増殖するためにはPvdあるいはヘム鉄源が必要であり、Pvdによる鉄獲得およびヘム鉄獲得にはTonBの存在(TonB機能)が必須であることを示す。
【0019】
従って、培地(B1)あるいは培地(B2)にシデロフォア、ヘム鉄源のいずれを添加した場合にも菌増殖阻害活性を示す物質には、TonB依存的鉄獲得の阻害に基づきその活性を示す物質が含まれる。但し、同時に、他の菌増殖に必須な機構の阻害に基づき菌増殖阻害活性を示す物質も含まれる。
【0020】
一方、培地(A)で緑膿菌は、シデロフォア産生性およびTonBの有無にかかわらず増殖できる。従って、この培養系(A)で菌増殖阻害活性を示す物質には、TonB依存的鉄獲得の阻害に基づきその活性を示す物質は含まれない。即ち、培養系(B)で菌増殖阻害活性を示すが培養系(A)でその活性を示さない物質を、TonB依存的鉄獲得の阻害に基づき菌増殖阻害活性を示す物質として選抜することが可能となる。
【0021】
【実施例】
次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。
【0022】
1.材料および方法
(1)緑膿菌株
シュードモナス エルギノーザ(Pseudomonas aeruginosa)の野生株PAO1、およびその変異株としてPAD02、PAD06、PAD07、およびPAD08が用いられた。PAD02株はPch合成酵素のひとつをコードするpchD遺伝子を、PAD06株はPvd合成酵素のひとつをコードするpvdA遺伝子を、PAD07株はpchDおよびpvdAの両遺伝子およびPAD08株はTonB蛋白をコードするtonB遺伝子を、公知の遺伝子相同組換え法(Schweizer, H. P., Mol. Microbiol., 6:1195-1204, 1992; Tsuda, M. et. al., J. Bacteriol., 177:423-431, 1995)に基づいて不活化することによって作製された。
【0023】
(2)培地および添加物
SMMCA培地[サクシネート最少培地(Meyer, J. M., and M. A. Abdallah., J. Gen. Microbiol., 107:319-328, 1978)にカザミノ酸を0.2%(w/w)添加した培地]を基礎培地として用いた。SMMCA培地にFeSO4を10μM添加し、培地(A)とした。SMMCA培地にFeCl3を10μMおよびNaHCO3を20mM添加し、さらにapoTsf(Sigma, MO, USA)を25μM添加して37℃の二酸化炭素培養装置(5% 二酸化炭素)内に1時間以上静置した培地を、培地(B1)とした。SMMCA培地にFeCl3を1μM添加し、さらにEDDHA(Sigma, MO, USA)を0.5 mM添加して37℃の培養装置内に1時間以上静置した培地を、培地(B2)とした。場合によってはさらに、精製されたシデロフォア、PvdあるいはPch(10μM)、あるいはヘム鉄源としてHb(Sigma, MO, USA)あるいはヘミン(Hm; Sigma, MO, USA)(1あるいは4μM)が培地に添加された。PvdおよびPchはそれぞれ、FeCl3を1μM添加したSMMCA培地を用いたPAO1株およびPAD06株培養液の遠心上清から、公知の技術(Cox, C. D., and R. Graham, J. Bacteriol., 93:144-148, 1979; Cox, C. D., and P. Adams, Infect. Immun., 48:130-138, 1985)に準じて精製された。
【0024】
(3)シデロフォア産生試験
FeCl3を1μM添加したSMMCA培地を用いて各菌株を培養し、その遠心上清に含まれるPvdおよびPch量を測定した。Pvd量は、その上清の波長405 nmにおける吸光度(A405)として測定した。Pch量は、以下のようにして測定した。酢酸(0.3 mL)添加によって酸性とした菌株培養上清(3 mL)をジクロロメタン(1.5 mL)処理し、抽出物を含むジクロロメタン層を分画後濃縮し、シリカ薄層プレートを用いたクロマトグラフィーに供した。展開溶媒は、クロロホルム、酢酸、およびエタノールの混合液(90:5:2.5)を用いた。Pchは紫外線照射によって視覚化され、移動度が0.35付近に位置するスポットとして確認される。これを回収してエタノール(3 mL)で抽出後、Pch量を励起波長350 nmによって発せられる440 nmの蛍光強度(FLEx350Em440)として測定した。Pvd量およびPch量の測定値は、上清を採取した培養液の菌量、即ち、波長590 nmにおける濁度の値(OD590)にて割ることによって補正された(Pvd、A405 / OD590; Pch、FLEx350Em440 / OD590)。
【0025】
(4)tonB遺伝子の検出
各菌株から市販試薬(TRIzol-LS, Life Technologies)を用いて抽出したクロモゾームDNAをサンプルとして、ポリメラーゼチェーンリアクション(PCR)法によってtonB遺伝子検出した。2.5 U Taqポリメラーゼ、0.2 mMプライマー[5'-CGGAATTCGCGGAA TGATCCGCCAAGGT-3'(センス)および5'-GAAGATCTGCGCGGCTCTTTTCGTT GTC-3'(アンチセンス)]、0.2 mMデオキシヌクレオチド、 1.5 mM MgCl2、10% DMSOおよび200 ngのサンプルDNAを含む反応液(50 mL)を95 ℃にて5分間処理後、95℃で1分間、60℃で1分間、および72℃で1分間、30回繰り返し処理し、最後に72℃で5分間処理して反応を終了した。PCR産物は、反応液の10 mLをアガロース電気泳動することによって分離され、エチジウムブロマイド染色後、紫外線照射によって視覚化された。上記プライマーは、正常tonB遺伝子が1.2 kbのDNA断片として検出されるように設定されている。従って、正常tonB遺伝子の有無は、そのサイズのPCR産物の有無によって判定した。
【0026】
(5)菌増殖(阻害)試験
ポリスチレン製の透明な96ウエル丸底プレートのウエルに使用培地を配し、培地(A)で培養した菌株を1 mLあたり104〜106コロニーフォーミングユニット(CFU/mL)となるように接種し(ウエル内最終容量は100μL)、培地(A)および培地(B2)を用いる場合には37℃の培養装置内で、培地(B1)を用いる場合には37℃の二酸化炭素培養装置(5 %二酸化炭素)内に静置し、18〜20時間培養した。菌増殖は培養液のOD590変化(菌を接種していない培地対照に対する増加)として測定した。物質の菌増殖阻害活性の試験は、被験物質を使用培地に添加することによって実施できる。
【0027】
(6)感染実験
使用菌株は、まずFeSO4を40μM添加したSMMCA培地にて、次いでFeCl3を1μM添加したSMMCA培地にて、それぞれ37℃で16時間および4時間培養した後、遠心操作で集菌し、生理食塩水に懸濁した。宿主としてはddY系マウス(雄、5週令;SLC)を用い、菌接種3日前にマウスあたり3 mgのシクロホスファミド(エンドキサン;塩野義製薬)を腹腔内投与することによって免疫抑制処置を施した。筋肉内接種実験では、約4×107 CFU/mLの菌液をエーテルの吸入によって麻酔したマウスの両脚のひ腹筋内に25μL/脚づつ注射した。その後16時間めに、菌を接種したマウス(3匹/各菌株接種群)の両脚のひ腹筋を摘出し、リン酸緩衝液(33 mM、pH 7)中でホモジナイズした。その一部を同緩衝液で適宜希釈後、FeSO4を40μM添加したL寒天平板に0.1 mL塗布し、37℃で一晩以上培養後形成されたコロニーを数え、筋肉サンプルあたりの菌数(CFU/sample)を算出した。点鼻接種実験では、約2.5×108 CFU/mLの菌液をケタミンおよびキシラジンの筋肉内注射によって麻酔したマウスの鼻孔に40μLづつ滴下し、自然吸引させた。その後1時間めおよび12時間めに、菌を接種したマウス(3〜5匹/各菌株接種群)の肺を摘出し、上記筋肉サンプルの場合と同様に処理し、肺サンプルあたりの菌数(CFU/sample)を測定、算出した。接種菌株の増殖性は、菌数をlog10 CFU/sample値として、筋肉内接種系の場合には接種後16時間めの各筋肉サンプルの菌数から接種菌数を差し引いた値の平均値によって、点鼻接種系の場合には接種後12時間めの各肺サンプルの菌数から接種後1時間めの平均肺内菌数を差し引いた値の平均値によって判定した。また、いずれの接種系でも、菌を接種したマウス(5あるいは7匹/菌株)の生死を接種後3日め以降まで観察し、各菌株の致死毒力を判定した。
【0028】
2.結果
(1)緑膿菌野生株およびその変異株の性状
【0029】
【表1】
Figure 0004469456
【0030】
1)野生株PAO1およびtonB不活化変異株PAD08は、PvdおよびPchの両方を産生した[Pvd(+) Pch(+)]。pchD不活化変異株PAD02はPvdを産生したが、Pchを産生できなかった[Pvd(+)Pch(-)]。pvdA不活化変異株PAD06はPchを産生したが、Pvdを産生できなかった[Pvd(-)Pch(+)]。pchDおよびpvdAの両遺伝子を不活化された変異株PAD07は、PvdおよびPchの両方を産生できなかった[Pvd(-)Pch(-)]。2)PAO1株、PAD02株、PAD06株、およびPAD07株では正常なtonB遺伝子が検出されたが[TonB(+)]、PAD08株ではそれが検出されなかった[TonB(-)]。
【0031】
以上のように、作製した変異株PAD02、PAD06、およびPAD07はそれぞれ、Pch非産生株、Pvd非産生株、およびPvd・Pch非産生株であること、また、PAD08は正常なtonB遺伝子を有していないことから、TonBを発現できない株(TonB欠損株)であることが確認された。
【0032】
(2)緑膿菌野生株およびその変異株の培地における増殖性
【0033】
【表2】
Figure 0004469456
【0034】
1)培地(A)では、野生株PAO1、Pch(-)株PAD02、Pvd(-)株PAD06、Pvd(-)Pch(-)株PAD07、およびTonB(-)株PAD08はいずれも増殖した。この実験結果から、緑膿菌が培地(A)で増殖するためにはPvdおよびPchは必要とされないこと、かつ、菌のTonB機能は不要であることが示された。
2)培地(B1)では、野生株PAO1、Pch(-)株PAD02、およびPvd(-)株PAD06は増殖したが、Pvd(-)Pch(-)株PAD07およびTonB(-)株PAD08は増殖しなかった。Pvd(-)Pch(-)株PAD07の培地(B1)における増殖性は、精製PvdあるいはPch、またはヘム鉄源としてHbあるいはHmの添加によって回復したが、TonB(-)株PAD08のそれは回復しなかった。これらの実験結果から、緑膿菌が培地(B1)で増殖するためにはPvd、Pch、あるいはヘム鉄源が必要であること、かつ、菌がTonB機能を有することの必須性が示された。
3)培地(B2)では、野生株PAO1およびPch(-)株PAD02は増殖したが、Pvd(-)株PAD06、Pvd(-)Pch(-)株PAD07およびTonB(-)株PAD08は増殖しなかった。Pvd(-)株PAD06およびPvd(-)Pch(-)株PAD07の培地Cにおける増殖性は、精製Pvd、またはヘム鉄源としてHbの添加によって回復したが、TonB(-)株PAD08のそれは回復しなかった。これらの実験結果から、緑膿菌が培地(B2)で増殖するためにはPvdあるいはヘム鉄源が必要であること、かつ、菌がTonB機能を有することの必須性が示された。
【0035】
以上の結果から、緑膿菌がシデロフォアによって鉄を獲得・利用する、およびヘム鉄を獲得・利用する際には、TonBが必須な役割を担うことが明らかとなった。また、以上の結果は、培地(A)にてTonB(-)株を含め当該培地で増殖可能な緑膿菌株を培養する系は、TonB機能を必要としない緑膿菌培養系(A)であること、一方、培地(B1)あるいは培地(B2)にてPvd(+)TonB(+)緑膿菌株を培養する系; Pvd、Pch、ヘム鉄源のいずれかを添加した培地(B1)にて、Pvd(-) Pch(-)TonB(+)緑膿菌株を培養する系; あるいはPvd、ヘム鉄源のいずれかを添加した培地(B2)にて、Pvd(-)TonB(+)緑膿菌株を培養する系は、TonB機能を必要とする鉄獲得に依存した緑膿菌培養系(B)であることを意味する。従って、これら緑膿菌増殖系に被験物質を添加してその菌増殖阻害活性を試験し、培養系(B)で活性を示すが培養系(A)で活性を示さない物質を、TonB依存的鉄獲得の阻害に基づき菌増殖阻害活性を示す物質として選抜することが可能となった。
【0036】
(3)緑膿菌野生株およびその変異株の免疫抑制マウスにおける感染性
【0037】
【表3】
Figure 0004469456
【0038】
1)筋肉内接種系: 野生株PAO1、Pch(-)株PAD02、およびPvd(-)株PAD06は接種部位で増殖し、致死毒力を示した。Pvd(-)Pch(-)株PAD07は接種部位で増殖あるいは存続したものの、致死毒力を示さなかった。TonB(-)株PAD08は接種部位で増殖せず、致死毒力も示さなかった。
2)点鼻接種系: 野生株PAO1、Pch(-)株PAD02、Pvd(-)株PAD06、およびPvd(-)Pch(-)株PAD07は肺で増殖し、致死毒力を示したのに対し、TonB(-)株PAD08は肺で増殖せず、致死毒力も示さなかった。
【0039】
以上のように、1)の結果からPvdあるいはPch、即ち、いずれかによる鉄獲得が緑膿菌の毒力発現に必要であることが示されたが、2)の結果のように感染系によってはPvdおよびPchの両方が毒力発現に必要ない場合もあることが示された。PvdおよびPchを産生できない株であるPAD07は、ヘム鉄源を獲得・利用する能力がある(表2)。その能力がPAD07株の点鼻接種肺感染系における毒力発現に関連する、と考えられた。一方、1)および2)の実験結果から、緑膿菌の動物宿主内における増殖および毒力発現にはTonBの存在、即ち、その機能が必須であることが明らかとなった。このことは、TonB機能阻害が、動物宿主内における緑膿菌の感染性を抑制しうることを意味する。TonB機能阻害は、シデロフォアによる鉄獲得およびヘム鉄獲得の両方を阻害すると考えられる。
【0040】
【発明の効果】
従来の一般的な抗菌活性測定試験あるいは菌増殖阻害試験では、用いられる培地[例えば、ナショナルコミッティー・フォア・クリニカルラボラトリースタンダード(National Committee for Clinical Laboratory Standards)や日本化学療法学会によって使用が推奨されているミューラーヒントン(Mueller Hinton)培地など]の鉄濃度や鉄存在形態、およびTonB蛋白が機能しうる条件について、また、用いられる菌株のシデロフォア産生性など鉄獲得に関連する性状については特に配慮がなされておらず、鉄獲得系を標的とするような抗菌物質の同定には不適切であった。それに対して本発明の方法では、用いられる培地の鉄濃度や鉄存在形態、および用いられる緑膿菌株のシデロフォア産生性を規定し、鉄獲得系を標的とするような抗緑膿菌物質のスクリーニングを可能した。

Claims (8)

  1. 次の工程(1)及び(2):
    (1)緑膿菌のTonB欠損株が増殖できる培地(A)を用いて緑膿菌を培養する系、及び緑膿菌のTonB欠損株が増殖できない培地(B)を用いて緑膿菌を培養する系のそれぞれに、被検物質を添加して培養を行う工程;
    (2)当該培地(A)では緑膿菌の増殖を阻害しないが、当該培地(B)で緑膿菌の増殖を阻害する被検物質を選抜する工程、を含むことを特徴とする緑膿菌鉄獲得系阻害物質のスクリーニング法。
    ここで、前記培地(A)は遊離鉄を含む培地であり、前記培地(A)で培養する緑膿菌は、野生株、ピオベルジン非産生株(Pvd(−)株)、ピオケリン非産生株(Pch(−)株)、ピオベルジン及びピオケリン非産生株(Pvd(−)Pch(−)株)又はTonB欠損株であり、
    前記培地(B)は、遊離鉄制限培地又はPvd、Pch若しくはヘム鉄を添加してなる遊離鉄制限培地であり、前記遊離鉄制限培地で培養する緑膿菌は、野生株、Pvd(−)株又はPch(−)株であり、前記Pvd、Pch若しくはヘム鉄を添加してなる遊離鉄制限培地で培養する緑膿菌は、野生株、Pvd(−)株、Pch(−)株又はPvd(−)Pch(−)株である。
  2. 遊離鉄制限培地が、鉄キレーターとしてアポトランスフェリン又はエチレンジアミンジヒドロキシフェニル酢酸を添加してなる培地であり、Pvd、Pch又はヘム鉄を添加してなる遊離鉄制限培地が、鉄源としてトランスフェリン、ラクトフェリン又はヘム鉄を添加してなる遊離鉄制限培地である請求項1記載の方法。
  3. 次の工程(1)及び(2):
    (1)緑膿菌のTonB欠損株が増殖できる培地(A)を用いて緑膿菌を培養する系、及び緑膿菌のTonB欠損株が増殖できない培地(B)を用いて緑膿菌を培養する系のそれぞれに、被検物質を添加して培養を行う工程;
    (2)当該培地(A)では緑膿菌の増殖を阻害しないが、当該培地(B)で緑膿菌の増殖を阻害する被検物質を選抜する工程、を含むことを特徴とする緑膿菌鉄獲得系阻害物質のスクリーニング法。
    ここで、前記培地(A)は、カザミノ酸添加サクシネート最少培地にFe(II)又はFe(III)を添加してなる培地であり、前記培地(A)で培養する緑膿菌は、野生株、ピオベルジン非産生株(Pvd(−)株)、ピオケリン非産生株(Pch(−)株)、ピオベルジン及びピオケリン非産生株(Pvd(−)Pch(−)株)又はTonB欠損株であり、
    前記培地(B)は、下記の培地(B1)若しくは培地(B1)にPvd、Pch若しくはヘム鉄を添加してなる培地、又は下記の培地(B2)若しくは培地(B2)にPvd又はヘム鉄を添加してなる培地であり、
    培地(B1):Fe(III)及びNaHCO 3 を含有するカザミノ酸添加サクシネート最少培地に鉄キレーターを添加してなる培地;
    培地(B2):Fe(II)又はFe(III)を含有するカザミノ酸添加サクシネート最少培地に鉄キレーターを添加してなる培地
    培地(B1)で培養する緑膿菌は、野生株、Pch(−)株又はPvd(−)株であり、培地(B1)にPvd、Pch若しくはヘム鉄を添加してなる培地で培養する緑膿菌は、野生株、Pch(−)株、Pvd(−)株又はPvd(−)Pch(−)株であり、
    培地(B2)で培養する緑膿菌は野生株又はPch(−)株であり、培地(B2)にPvd又はヘム鉄を添加してなる培地で培養する緑膿菌は、野生株、Pch(−)株、Pvd(−)株又はPvd(−)Pch(−)株である。
  4. 当該培地(B1)に含まれる鉄キレーターがアポトランスフェリンである請求項3記載の方法。
  5. 当該培地(B2)に含まれる鉄キレーターがエチレンジアミンジヒドロキシフェニル酢酸である請求項3又は4記載の方法。
  6. 当該培地(A)が、Fe(II)又はFe(III)を1μM以上含有する培地である請求項1〜のいずれか1項記載の方法。
  7. 緑膿菌鉄獲得系阻害物質が、TonB機能阻害物質である請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。
  8. 緑膿菌鉄獲得系阻害物質が、抗緑膿菌薬又は抗緑膿菌感染症薬である請求項1〜7のいずれか1項記載の方法。
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