JP4469428B2 - Liquid efflorescence inhibitor and cement composition using the same - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液状のエフロレッセンス防止剤及びこれを用いたセメント組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
コンクリート表面が被覆されることなく露出した状態にあるコンクリート製品や現場打ち放しコンクリート等は、外観上、表面の美観が特に要求されている。しかし、これらのコンクリートは、コンクリート中に含まれる水溶性塩類がその表面に滲出し、乾燥することにより析出するエフロレッセンス(白華)が発生して、美観を損ねている。
【0003】
従来から、コンクリートのエフロレッセンスの発生を防止する手法が種々提案されている。エフロレッセンス防止剤としては、高級脂肪酸のカルシウム、マグネシウム、アルミニウム等のアルカリ土類金属塩を主成分とする粉末品やオレイン酸等の不飽和脂肪酸のアルカリ金属塩を主成分とする液状品などの市販品が挙げられる。
【0004】
例えば、粉末品の例として、特公平06−74160号公報に、水溶性アミノ樹脂と高級脂肪酸金属塩又は/及び非イオン界面活性剤とをコンクリートに配合してエフロレッセンスを防止する方法が提案されている。この公報によれば、高級脂肪酸金属塩として、炭素数9〜21の高級飽和モノカルボン酸アルカリ土類金属塩、とりわけステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸カルシウム、パルミチン酸カルシウム、ラウリン酸カルシウム等が特に好ましいとされている。しかしながら、炭素数9〜21の脂肪酸アルカリ土類金属塩は、水に難溶であるために、液状のエフロレッセンス防止剤を供給することができないことから、取扱いが容易でなく、計量等の使用時の利便性からみても問題がある。また、オレイン酸(C18)、リノール酸(C18)等の不飽和脂肪酸或いはパルミチン酸(C16)、ステアリン酸(C18)等の飽和脂肪酸のアルカリ金属塩を主成分としたエフロレッセンス防止剤もあるが、これは、常温〜低温環境下で白濁或いは固化するために貯蔵安定性に劣り、液状品としての供給が不可能であったり、冬期の取扱いに支障をきたしていた。
【0005】
一方、液状品であっても従来のエフロレッセンス防止剤は、超硬練りコンクリートを加圧・振動・脱型して製造するセメント製品には使用されているが、スランプを有する通常のコンクリートには、殆ど使用されていない。これは、スランプを有する通常のコンクリートに、従来の液状のエフロレッセンス防止剤を使用した場合、コンクリートに空気が過剰に連行されるためにそのままでは使用することができないことによる。
【0006】
例えば、特開昭61−219747号公報には、塩化カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウムを用いてエフロレッセンスを防止する方法が提案されているが、この方法は、AE剤の一種であるラウリル硫酸ナトリウムやオレイン酸ナトリウムがコンクリートに過剰に空気を連行するとともに、塩化カルシウムがコンクリート中の鉄筋を腐食するなどの問題をも内包している。更に、特開平5−319882号公報には、トール油脂肪酸と炭素数8〜28の不飽和脂肪酸、アルカノールアミン及び/又はアルキルアミンを含有するエフロレッセンス防止剤が提案されているが、これも不飽和脂肪酸がコンクリートに過剰な空気を連行するために好ましくない。
【0007】
このような問題の解決策として、消泡剤を併用する方法もあるが、所望の空気量に調整するために必要な消泡剤量が極端に多くなり、その調整が難しく、凍結融解に対する耐久性を考慮したコンクリートの製造が困難であると言う問題がある。
【0008】
さらに、脂肪酸塩は、一般に撥水性という特性を有するため、従来のエフロレッセンス防止剤ではこの特性がコンクリート等のセメント組成物の強度発現性を低下させるという問題をも有している。
【0009】
このように、エフロレッセンス防止剤は、使用の利便性から見て、液状で、かつ、空気連行性が少なく、少量のAE剤の使用により所望の空気量が容易に調整でき、さらに強度発現性を低下させないものが強く望まれている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
したがって、本発明の課題は、液状でコンクリート等のセメント組成物への空気連行性が小さく、また低温環境下での貯蔵安定性が良好であり、さらに強度発現性にも優れたエフロレッセンス防止剤を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、特定の飽和脂肪酸アルカリ金属塩を特定の割合で用いることで、液状でセメント組成物への空気連行性が小さく、さらに低温環境下でも貯蔵安定性に優れたエフロレッセンス防止剤を見出すに至った。さらにまたアルカノールアミン及び/又はアルキレンジアミンを併用することで、強度発現性にも優れたエフロレッセンス防止剤を見出すに至った。
【0012】
すなわち、本発明は、炭素数8〜18(C8〜C18)の脂肪酸アルカリ金属塩の1種以上からなるエフロレッセンス防止剤において、炭素数12〜16(C12〜C16)の飽和脂肪酸アルカリ金属塩の含有量が80重量%以上であることを特徴とする液状のエフロレッセンス防止剤及び該防止剤を含有するセメント組成物に関する。また、本発明は前記の脂肪酸アルカリ金属塩に加え、さらにアルカノ−ルアミン及び/又はアルキレンジアミンを含有するエフロレッセンス防止剤及び該防止剤を含有するセメント組成物にも関する。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明における全脂肪酸アルカリ金属塩中のC18の飽和脂肪酸アルカリ金属塩の含有量は、常温〜低温環境下における溶液の白濁や固化物の沈殿発生を防止するうえで、5重量%未満であることが好ましい。
【0014】
また、セメント組成物への空気連行性からみて、本発明における全脂肪酸アルカリ金属塩中のC10以下の飽和脂肪酸アルカリ金属塩の含有量は、10重量%未満、好ましくは5重量%未満であり、C18の不飽和脂肪酸アルカリ金属塩の含有量は、15重量%未満、好ましくは10重量%未満である。
【0015】
さらに、低温環境下における貯蔵安定性の点からみて、本発明の更に好適な態様は、C12〜C16の飽和脂肪酸アルカリ金属塩の配合割合が、前記の配合条件に加え、C12の飽和脂肪酸アルカリ金属塩を40〜100重量%、C14の飽和脂肪酸アルカリ金属塩を60重量%未満、好ましくは50重量%未満であり、C16の飽和脂肪酸アルカリ金属塩を20重量%未満、好ましくは15重量%未満である。
【0016】
本発明における脂肪酸のアルカリ金属は、ナトリウム、カリウムであり、溶液の貯蔵安定性の面からカリウム塩が好ましい。
【0017】
また、本発明のエフロレッセンス防止剤は、更にアルカノールアミン及び/又はアルキレンジアミンを含有することができ、アルカノールアミンとしては、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノ−ルアミンが、アルキレンジアミンとしては、エチレンジアミン、プロピレンジアミンが挙げられる。アルカノールアミン及び/又はアルキレンジアミンを配合することにより、セメント組成物の強度低下を改善することができる。アルカノールアミン及び/又はアルキレンジアミンの使用量は、セメント組成物中のセメント重量に対して、固形分換算で0.005〜0.05重量%、好ましくは0.01〜0.03重量%となるようにエフロレッセンス防止剤に配合すればよい。
【0018】
更に、本発明は、本発明のエフロレッセンス防止剤と減水剤とを併用したセメント組成物を提供するものである。減水剤は、セメント組成物の単位水量を低減する効果を有するものが使用でき、減水剤を本発明のエフロレッセンス防止剤と併用することにより、セメント組成物のエフロレッセンスの発生をより効果的に防止することができる。減水剤としては、リグニンスルホン酸塩、オキシカルボン酸塩、ポリアルキルスルホン酸塩、ポリカルボン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、メラミンスルホン酸ホルマリン縮合物塩、アミノスルホン酸塩、ポリサッカライド誘導体を主成分とするものが例示できる。また、本発明における減水剤の使用量は、一般的にセメント組成物中のセメント重量に対して固形分換算で0.01〜3.0重量%、好ましくは0.05〜1.0重量%である。
【0019】
本発明におけるセメント組成物とは、少なくともセメントを含有するものであり、セメントペースト、モルタル、グラウト、超硬練りコンクリート及びスランプを有するコンクリート等を例示することができる。また、本発明のエフロレッセンス防止剤の使用量は、適宜定められるが、基本的には硬化したセメント組成物に対してエフロレッセンス防止効果を有する量であり、セメント組成物中のセメント重量に対して固形分換算で0.05〜2.0重量%であり、好ましくは0.1〜1.0重量%である。
【0020】
更に、本発明のエフロレッセンス防止剤は、多様性を持たせるために、他の添加剤と併用することもできる。他の添加剤としては、乾燥収縮低減剤、促進剤、遅延剤、気泡剤、消泡剤、防錆剤、急結剤、増粘剤、水溶性高分子物質等を例示することができる。
【0021】
以下に、本発明のエフロレッセンス防止剤をモルタル及びコンクリートに使用した場合の実施例を示すが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものでない。
【実施例】
1.使用材料
試験に使用した材料を表1に示す
【0022】
【表1】
【0023】
2.モルタル及びコンクリート試験
2.1 モルタル試験(I)
炭素数の異なる飽和脂肪酸アルカリ金属塩(以下、飽和脂肪酸塩と略す)及び不飽和脂肪酸アルカリ金属塩(以下、不飽和脂肪酸塩と略す)の、モルタルへの空気連行性について試験した。
1)モルタル配合
試験に用いたモルタルの配合を表2に示す。配合Aは減水剤を使用しないモルタルであり、配合Bは減水剤(LSN)をセメント100kg当たり250ml使用したモルタルである。また、脂肪酸塩の使用量は、セメント重量に対して固形分換算で0.15重量%と一定とした。なお、AE剤(C1)の使用量は、Aの数で示し、セメント重量に対して0.002重量%に相当する量を1Aと表示した。
【0024】
【表2】
【0025】
2)試験方法
目標とする空気量9±1%に調整するために必要な空気調整剤(AE剤又は消泡剤)の使用量について試験した。また、モルタルのフロー及び空気量の試験は、下記の方法による。
(1)モルタルフロ−: JIS R 5201による。
(2)空気量: 質量法による。
【0026】
3)試験結果
試験結果を表3及び図1、図2に示す。表3及び図1より、炭素数が8(A8)〜18(A18)の各飽和脂肪酸塩は、炭素数が小さくなるに従い、モルタルへの空気連行性が小大きくなる傾向を示す。炭素数が18の不飽和脂肪酸塩(B18)は、炭素数が同一の飽和脂肪酸塩と比較して、空気連行性が大きい。また、この傾向は配合A及びBの場合において同様であり、かつ、減水剤(LSN)を併用した配合Bの方が減水剤を用いない配合Aより連行空気量は大きい。図2は、飽和脂肪酸塩の炭素数とモルタルに9%の空気を連行させるために必要なAE剤量との相関関係(相関式)を表1の試験結果から求めた。表3中の「9%に必要なAE剤量」の欄に、この相関式より求めた値を示した。
【0027】
【表3】
【0028】
2.2 モルタル試験(II)
飽和脂肪酸塩中の不飽和脂肪酸塩の含有量が、モルタルの空気連行性に及ぼす影響について試験した。
1)モルタルの配合
試験に用いたモルタルは、2.1の1)に示す配合Bを用いた。なお、各脂肪酸塩は、セメント重量に対して固形分換算で0.3重量%使用した。
2)試験方法
飽和脂肪酸塩(A12−16)に対して、A8、A10、A12の各飽和脂肪酸塩及び不飽和脂肪酸塩(B18)の混合比率を変化させた場合のモルタルへの空気連行性について試験した。また、モルタルのフロー及び空気量は、2.1の2)と同様の方法で行った。
3)試験結果
試験結果を表4に示す。表4より、モルタルの空気量は、A8、A10及びB18の含有量が多くなるに従い、大きくなる傾向を示す。これに対して、A12は、含有量を増加させてもほとんど空気量の変化がない。
【0029】
【表4】
【0030】
2.3 モルタル試験(III)
飽和脂肪酸アルカリ金属塩にアルカノールアミンを併用した場合のモルタルの圧縮強度について試験を行った。
1)モルタルの配合
試験に用いたモルタルは、2.1の1)に示す配合Bを用いた。また、飽和脂肪酸塩は、セメント重量に対して固形分換算で0.3重量%使用した。
2)試験方法
モルタルのフロー及び空気量は、2.1の2)と同様に、圧縮強度はφ5×10cmの試験体をJSCE-F506-1995により作製しJIS A 1108に準じて行った。
3)試験結果
試験結果を表5に示す。表5より、飽和脂肪酸塩を添加したモルタルの圧縮強度は、比較例の90〜92%である。これに対してアルカノールアミン及びアルキレンジアミンを添加した場合、モルタルの圧縮強度は、比較例の93〜99%であり、強度発現性が改善された。
【0031】
【表5】
【0032】
2.4 コンクリート試験(I)
超硬練りコンクリートに対する飽和脂肪酸塩のエフロレッセンス防止効果について試験した。
1)コンクリートの配合
試験に用いた超硬練りコンクリートの配合を表6に示す。
【0033】
【表6】
【0034】
2)コンクリートの練混ぜ
コンクリートの練混ぜは、練混ぜ量が40リットルとなるように、それぞれの材料を計量した後、50リットルパン型強制ミキサに全材料を投入し、その後90秒間練り混ぜてコンクリートを製造した。
3)試験方法
(1)エフロレッセンス防止効果の評価
φ10x20cmの円柱供試体を作製し、練り上がりから24時間50℃環境下において養生した後、脱型後中心部から2cm幅に切断してφ10x2cmの切断試験体を得た。試験体側面からの水分の浸入・蒸発を防ぐためにその側面を蝋でコーティングした後、試験体を30℃の環境下において半浸水し、エフロレッセンス発生度合いを目視観察する。エフロレッセンス発生度合いの判定は、次の基準によった。
A(良好):エフロレッセンスの発生なし。
B(普通):エフロレッセンスが僅かに発生。
C(悪い):エフロレッセンス発生
【0035】
4)試験結果
試験結果を表7に示す。表7より、A8は「普通」と、また、A10〜A1 6の各飽和脂肪酸塩、A12−16、A12−18の飽和脂肪酸塩、及びB18の不飽和脂肪酸塩は、何れもエフロレッセンス防止効果が認められ「良好」又は使用量が少ない場合には「普通」と評価された。
【0036】
【表7】
【0037】
2.5 コンクリート試験(II)
コンクリート製品に使用されている標準的なスランプを有するコンクリートに対する飽和脂肪酸塩の空気連行性及びエフロレッセンス防止効果について試験した。
1)コンクリートの配合
試験に用いた目標スランプ8±2.5cm、目標空気量4.5±0.5容量%のコンクリートの配合を表8に示す。 減水剤及び/又は空気量調整剤の使用量は、スランプ及び空気量が目標の範囲となるように調整した。また、減水剤は、PCAの場合がセメンド重量に対する重量%で、LSA,MSAの場合がセメント100kg当たりのリットル又はミリリットルで使用した。
【0038】
【表8】
【0039】
2)コンクリートの練混ぜ
コンクリートの練り混ぜは、2.4の2)と同様に行った。
3)試験方法
コンクリートのスランプ、空気量及びエフロレッセンス防止効果の評価試験は、以下の方法による。
(1)スランプ :JIS A 1101による。
(2)空気量 :JIS A 1128による。
(3)エフロレッセンス防止効果の評価: 2.4の3)と同様に行った。
【0040】
4)試験結果
試験結果を表9に示す。表9より、A12〜A16の各飽和脂肪酸塩及びA12−16、A12−18の飽和脂肪酸塩は、空気連行性が無いためにAE剤を用いた。これに対してB18の不飽和脂肪酸塩は、コンクリートに対する空気連行性が過大であるために消泡剤を用いた。飽和及び不飽和脂肪酸塩のいずれも、エフロレッセンスの防止効果が認められ、使用量により「普通」又は「良好」と評価された。また、減水剤の種類によって空気連行性が異なる結果であった。
【0041】
【表9】
【0042】
3.低温環境下における溶液安定性試験
脂肪酸塩水溶液を0℃の低温環境温度下に静置し、溶液安定性を外観の目視観察で検討を行った。溶液の低温環境下での安定性は、次の基準によった。
○(良好):溶液性状に変化が無く透明液状である。
×(不良):溶液中に結晶析出、全体濁り、下部沈殿が確認、又は固化した。
試験結果を表10に示す。表10より、A12とA14との配合割合を変化させた場合、A14の配合割合が60重量%以上になると、また、A12とA16との配合割合を変化させた場合、A16の配合割合が20重量%以上になると、溶液中に結晶が析出したり、白濁したり、或いは固化物が確認された。
【0043】
【表10】
【0044】
【発明の効果】
本発明のエフロレッセンス防止剤は、利便性に優れた液状で、エフロレッセン防止効果を有し、超硬練りコンクリートへの使用はもちろん、空気連行性がほとんどないために、従来の不飽和脂肪酸塩を主成分とするエフロレッセンス防止剤を使用することが難しかったスランプを有するコンクリートへの使用を可能とし、更に、低温環境下においても溶液の貯蔵安定性に優れ、強度発現性に優れるために、極めて汎用的に使用することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】飽和脂肪酸塩の炭素数と連行する空気量との相関関係を示すグラフである。
【図2】飽和脂肪酸塩の炭素数とモルタルに9%の空気を連行させるために必要なAE剤量との相関関係を示すグラフである。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a liquid efflorescence inhibitor and a cement composition using the same.
[0002]
[Prior art]
A concrete product in which the concrete surface is exposed without being covered, a concrete cast on the spot, and the like are particularly required to have a beautiful surface appearance. However, these concretes impair aesthetics due to the occurrence of efflorescence (white flower) that precipitates when the water-soluble salts contained in the concrete exude on the surface and dry.
[0003]
Conventionally, various methods for preventing the occurrence of concrete efflorescence have been proposed. Examples of efflorescence inhibitors include powder products mainly composed of alkaline earth metal salts such as calcium, magnesium and aluminum of higher fatty acids and liquid products mainly composed of alkali metal salts of unsaturated fatty acids such as oleic acid. A commercial item is mentioned.
[0004]
For example, as an example of a powder product, Japanese Patent Publication No. 06-74160 proposes a method for preventing efflorescence by blending a water-soluble amino resin and a higher fatty acid metal salt or / and a nonionic surfactant into concrete. ing. According to this publication, as the higher fatty acid metal salts, higher saturated monocarboxylic acid alkaline earth metal salts having 9 to 21 carbon atoms, especially calcium stearate, magnesium stearate, calcium myristate, calcium palmitate, calcium laurate, etc. It is preferred. However, since the fatty acid alkaline earth metal salt having 9 to 21 carbon atoms is hardly soluble in water, a liquid efflorescence inhibitor cannot be supplied. There is a problem in terms of convenience. Further, efflorescence prevention mainly composed of unsaturated fatty acids such as oleic acid (C 18 ) and linoleic acid (C 18 ) or alkali metal salts of saturated fatty acids such as palmitic acid (C 16 ) and stearic acid (C 18 ). There are also agents, but this is cloudy or solidified in a room temperature to low temperature environment, so that it is inferior in storage stability, cannot be supplied as a liquid product, and hinders handling in winter.
[0005]
On the other hand, even if it is a liquid product, the conventional efflorescence inhibitor is used for cement products manufactured by pressing, vibrating, and demolding super hard kneaded concrete, but for ordinary concrete with slumps. Seldom used. This is because when a conventional liquid efflorescence inhibitor is used for ordinary concrete having slumps, air is excessively entrained and cannot be used as it is.
[0006]
For example, Japanese Patent Application Laid-Open No. 61-219747 proposes a method for preventing efflorescence using calcium chloride, sodium lauryl sulfate, and sodium oleate. This method is a lauryl that is a kind of AE agent. Sodium sulfate and sodium oleate carry air excessively to concrete, and calcium chloride corrodes the reinforcing bars in the concrete. Further, JP-A-5-319882 proposes an efflorescence inhibitor containing tall oil fatty acid, an unsaturated fatty acid having 8 to 28 carbon atoms, an alkanolamine and / or an alkylamine. Saturated fatty acids are undesirable because they entrain excess air in the concrete.
[0007]
As a solution to such a problem, there is a method of using an antifoaming agent in combination, but the amount of antifoaming agent necessary for adjusting to the desired air amount becomes extremely large, and the adjustment is difficult, and durability against freeze-thawing There is a problem that it is difficult to manufacture concrete considering the property.
[0008]
Furthermore, since the fatty acid salt generally has the property of water repellency, the conventional efflorescence inhibitor has a problem that this property reduces the strength development of a cement composition such as concrete.
[0009]
Thus, the efflorescence inhibitor is liquid and has low air entrainment from the viewpoint of convenience of use, and the desired amount of air can be easily adjusted by using a small amount of AE agent. There is a strong demand for a material that does not reduce the above.
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
Accordingly, the object of the present invention is to provide an efflorescence inhibitor that is liquid and has low air entrainment to a cement composition such as concrete, has good storage stability in a low-temperature environment, and has excellent strength development. Is to provide.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to solve the above-mentioned problems, the present inventors use a specific saturated fatty acid alkali metal salt in a specific ratio, so that the air entrainment to the cement composition is small. Furthermore, the inventors have found an efflorescence inhibitor having excellent storage stability even in a low temperature environment. Furthermore, the combined use of alkanolamine and / or alkylenediamine has led to the discovery of an efflorescence inhibitor having excellent strength development.
[0012]
That is, the present invention relates to an efflorescence inhibitor comprising one or more fatty acid alkali metal salts having 8 to 18 carbon atoms (C 8 to C 18 ), and saturated fatty acids having 12 to 16 carbon atoms (C 12 to C 16 ). The present invention relates to a liquid efflorescence inhibitor characterized by containing an alkali metal salt of 80% by weight or more, and a cement composition containing the inhibitor. The present invention also relates to an efflorescence inhibitor containing an alkanolamine and / or an alkylenediamine in addition to the fatty acid alkali metal salt, and a cement composition containing the inhibitor.
[0013]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The content of the saturated fatty acid alkali metal salts of C 18 in the total fatty acid alkali metal salt in the present invention, in order to prevent precipitation occurrence of turbidity or solidification of the solution under room temperature to a low temperature environment, it is less than 5 wt% It is preferable.
[0014]
Further, in view of air entrainment to the cement composition, the content of the saturated fatty acid alkali metal salt of C 10 or less in the total fatty acid alkali metal salt in the present invention is less than 10% by weight, preferably less than 5% by weight. , C 18 unsaturated fatty acid alkali metal salt content is less than 15% by weight, preferably less than 10% by weight.
[0015]
Furthermore, from the viewpoint of storage stability in a low-temperature environment, a more preferable aspect of the present invention is that the blending ratio of the C 12 to C 16 saturated fatty acid alkali metal salt is saturated with C 12 40 to 100 wt% of the fatty acid alkali metal salt, less than 60 wt% of saturated fatty acid alkali metal salts of C 14, preferably less than 50 wt%, a saturated fatty acid alkali metal salts of C 16 less than 20 wt%, preferably Less than 15% by weight.
[0016]
The alkali metal of the fatty acid in the present invention is sodium or potassium, and a potassium salt is preferable from the viewpoint of storage stability of the solution.
[0017]
Further, the efflorescence inhibitor of the present invention may further contain an alkanolamine and / or an alkylenediamine. Examples of the alkanolamine include ethanolamine, diethanolamine, and triethanolamine, and examples of the alkylenediamine include ethylenediamine and propylenediamine. Is mentioned. By blending alkanolamine and / or alkylenediamine, the strength reduction of the cement composition can be improved. The amount of alkanolamine and / or alkylenediamine used is 0.005 to 0.05% by weight, preferably 0.01 to 0.03% by weight in terms of solid content, based on the cement weight in the cement composition. Thus, it may be added to the efflorescence inhibitor.
[0018]
Furthermore, this invention provides the cement composition which used together the efflorescence prevention agent of this invention, and a water reducing agent. As the water reducing agent, one having an effect of reducing the unit water amount of the cement composition can be used, and by using the water reducing agent in combination with the efflorescence preventive agent of the present invention, generation of efflorescence of the cement composition can be more effectively performed. Can be prevented. Water reducing agents include lignin sulfonate, oxycarboxylate, polyalkyl sulfonate, polycarboxylate, naphthalene sulfonic acid formalin condensate salt, melamine sulfonic acid formalin condensate salt, amino sulfonate, polysaccharide derivative Can be exemplified. The amount of the water reducing agent used in the present invention is generally 0.01 to 3.0% by weight, preferably 0.05 to 1.0% by weight, in terms of solid content, with respect to the cement weight in the cement composition. It is.
[0019]
The cement composition in the present invention contains at least cement, and examples thereof include cement paste, mortar, grout, cemented cement concrete, and concrete having slump. The amount of use of the efflorescence inhibitor of the present invention is appropriately determined, but is basically an amount having an efflorescence-preventing effect on the hardened cement composition, and is based on the cement weight in the cement composition. The solid content is 0.05 to 2.0% by weight, preferably 0.1 to 1.0% by weight.
[0020]
Furthermore, the efflorescence preventive agent of the present invention can be used in combination with other additives in order to provide diversity. Examples of other additives include drying shrinkage reducing agents, accelerators, retarders, foaming agents, antifoaming agents, rust preventives, quick setting agents, thickeners, water-soluble polymer substances, and the like.
[0021]
Although the Example at the time of using the efflorescence inhibiting agent of this invention for mortar and concrete is shown below, this invention is not limited by these Examples.
【Example】
1. Table 1 shows the materials used in the test of materials used.
[Table 1]
[0023]
2. Mortar and concrete test 2.1 Mortar test (I)
Saturated fatty acid alkali metal salts (hereinafter abbreviated as saturated fatty acid salts) and unsaturated fatty acid alkali metal salts (hereinafter abbreviated as unsaturated fatty acid salts) having different carbon numbers were tested for air entrainment to mortar.
1) Table 2 shows the composition of the mortar used in the mortar blending test. Formulation A is a mortar that does not use a water reducing agent, and Formulation B is a mortar that uses 250 ml of a water reducing agent (LSN) per 100 kg of cement. The amount of fatty acid salt used was constant at 0.15% by weight in terms of solid content with respect to the cement weight. In addition, the usage-amount of AE agent (C1) was shown by the number of A, and the quantity equivalent to 0.002 weight% with respect to cement weight was displayed as 1A.
[0024]
[Table 2]
[0025]
2) Test method The amount of air conditioning agent (AE agent or antifoaming agent) required for adjusting the target air amount to 9 ± 1% was tested. In addition, the mortar flow and air quantity tests are performed according to the following methods.
(1) Mortar flow: According to JIS R 5201.
(2) Air volume: According to the mass method.
[0026]
3) Test results The test results are shown in Table 3 and FIGS. From Table 3 and FIG. 1, each saturated fatty acid salt having 8 (A 8 ) to 18 (A 18 ) carbon atoms tends to decrease in air entrainment to mortar as the carbon number decreases. The unsaturated fatty acid salt having 18 carbon atoms (B 18 ) has higher air entrainment than the saturated fatty acid salt having the same carbon number. Moreover, this tendency is the same in the case of the blends A and B, and the amount of entrained air is larger in the blend B using the water reducing agent (LSN) than in the blend A not using the water reducing agent. FIG. 2 shows the correlation (correlation formula) between the number of carbons of the saturated fatty acid salt and the amount of AE agent necessary for entraining 9% air in the mortar from the test results shown in Table 1. The value obtained from this correlation equation is shown in the column of “Amount of AE necessary for 9%” in Table 3.
[0027]
[Table 3]
[0028]
2.2 Mortar test (II)
The effect of the content of unsaturated fatty acid salt in saturated fatty acid salt on air entrainment of mortar was tested.
1) As the mortar used in the mortar blending test, the blend B shown in 1) of 2.1 was used. Each fatty acid salt was used in an amount of 0.3% by weight in terms of solid content with respect to the cement weight.
2) Test method To saturated mortar when the mixing ratio of each saturated fatty acid salt of A 8 , A 10 , A 12 and unsaturated fatty acid salt (B 18 ) is changed with respect to the saturated fatty acid salt (A 12-16 ). Were tested for air entrainment. Moreover, the flow of mortar and the amount of air were performed in the same manner as in 2) of 2.1.
3) Test results Table 4 shows the test results. From Table 4, the amount of air in the mortar tends to increase as the contents of A 8 , A 10 and B 18 increase. In contrast, A 12 has little change in the air amount by increasing the content.
[0029]
[Table 4]
[0030]
2.3 Mortar test (III)
A test was conducted on the compressive strength of mortar when alkanolamine was used in combination with a saturated fatty acid alkali metal salt.
1) As the mortar used in the mortar blending test, the blend B shown in 1) of 2.1 was used. The saturated fatty acid salt was used in an amount of 0.3% by weight in terms of solid content with respect to the cement weight.
2) Test method The flow of the mortar and the amount of air were prepared according to JIS A 1108 by preparing test specimens having a compression strength of φ5 × 10 cm according to JSCE-F506-1995 in the same manner as in 2) of 2.1.
3) Test results Table 5 shows the test results. From Table 5, the compressive strength of the mortar to which the saturated fatty acid salt is added is 90 to 92% of the comparative example. On the other hand, when alkanolamine and alkylenediamine were added, the compressive strength of the mortar was 93 to 99% of the comparative example, and the strength development was improved.
[0031]
[Table 5]
[0032]
2.4 Concrete test (I)
The effect of saturated fatty acid salt on efflorescence on super hard concrete was tested.
1) Table 6 shows the composition of the super hard kneaded concrete used in the concrete blending test.
[0033]
[Table 6]
[0034]
2) Mixing concrete In mixing concrete, weigh each material so that the mixing volume is 40 liters, then put all the materials into a 50 liter pan-type forced mixer, and then mix for 90 seconds. Concrete was manufactured.
3) Test method (1) Evaluation of the effect of preventing efflorescence A cylindrical specimen having a diameter of 10 x 20 cm was prepared and cured in a 50 ° C environment for 24 hours after kneading, and after demolding, it was cut to a width of 2 cm from the center to obtain a diameter of 10 x 2 cm A cut specimen was obtained. In order to prevent moisture from entering and evaporating from the side of the specimen, the side is coated with wax, and the specimen is semi-immersed in an environment of 30 ° C., and the degree of occurrence of efflorescence is visually observed. The determination of the degree of occurrence of efflorescence was based on the following criteria.
A (good): No occurrence of efflorescence.
B (Normal): Slight efflorescence occurred.
C (Poor): Eflorescence occurred [0035]
4) Test results Table 7 shows the test results. From Table 7, A 8 is a "normal", and each saturated
[0036]
[Table 7]
[0037]
2.5 Concrete test (II)
Saturated fatty acid salts were tested for air entrainment and efflorescence prevention effects on concrete with standard slumps used in concrete products.
1) Table 8 shows the concrete mix with a target slump of 8 ± 2.5 cm and a target air volume of 4.5 ± 0.5% by volume used in the concrete mix test. The usage amount of the water reducing agent and / or the air amount adjusting agent was adjusted so that the slump and the air amount were within the target ranges. Further, the water reducing agent was used in terms of% by weight relative to the cement weight in the case of PCA, and in liters or milliliters per 100 kg of cement in the case of LSA and MSA.
[0038]
[Table 8]
[0039]
2) Mixing of concrete Mixing of concrete was performed in the same manner as in 2) of 2.4.
3) Test method The evaluation method of concrete slump, air volume and efflorescence prevention effect is as follows.
(1) Slump: According to JIS A 1101.
(2) Air volume: According to JIS A 1128.
(3) Evaluation of effect of preventing efflorescence: It was carried out in the same manner as 3) in 2.4.
[0040]
4) Test results Table 9 shows the test results. From Table 9, A 12 each saturated fatty acid salts and A 12-16 of to A 16, the saturated fatty acid salt A 12-18 used the AE agent because there is no air entrainment. Unsaturated fatty acid salts of B 18 In contrast, using the anti-foaming agent to the air entrainment for concrete is excessive. Both saturated and unsaturated fatty acid salts were found to be effective in preventing efflorescence, and were evaluated as “normal” or “good” depending on the amount used. Moreover, it was a result in which air entrainment property changes with kinds of water reducing agent.
[0041]
[Table 9]
[0042]
3. Solution stability test in a low temperature environment The fatty acid salt aqueous solution was allowed to stand at a low temperature environment temperature of 0 ° C., and the solution stability was examined by visual observation of the appearance. The stability of the solution in a low temperature environment was based on the following criteria.
○ (good): No change in solution properties, and a transparent liquid.
X (Poor): Crystal precipitation, entire turbidity, and lower precipitation were confirmed or solidified in the solution.
The test results are shown in Table 10. From Table 10, when the blending ratio of A 12 and A 14 is changed, when the blending ratio of A 14 is 60% by weight or more, and when the blending ratio of A 12 and A 16 is changed, A When the blending ratio of 16 was 20% by weight or more, crystals were precipitated in the solution, clouded, or a solidified product was confirmed.
[0043]
[Table 10]
[0044]
【The invention's effect】
The efflorescence preventive agent of the present invention is a liquid that is highly convenient, has an efflorescence-preventing effect, and is not only used for super-hard kneaded concrete but also has little air entrainment. It is possible to use it for concrete with slumps, where it was difficult to use an efflorescence inhibitor as the main component, and furthermore, it is excellent in storage stability of the solution even in a low temperature environment and excellent in strength development. Can be used for general purposes.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a graph showing the correlation between the number of carbon atoms of a saturated fatty acid salt and the amount of air entrained.
FIG. 2 is a graph showing the correlation between the number of carbon atoms of a saturated fatty acid salt and the amount of AE agent necessary for entraining 9% air in the mortar.
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