JP4460223B2 - コンクリート組成物、コンクリート構造体およびコンクリート添加材 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンクリート組成物、コンクリート構造体およびコンクリート添加材に関し、詳しくは、建築物の壁面などを構築するのに利用されるコンクリート組成物と、コンクリート組成物で構築されるコンクリート構造体と、コンクリート組成物に配合されるコンクリート添加材とを対象にしている。
【0002】
【従来の技術】
住宅、その他の建築物の壁面などをコンクリート構造体で構成することが行われている。住宅の室内壁面にコンクリート構造体が露出した状態で配置される場合もある。
コンクリート構造体を構成するコンクリート材料に、木炭紛やコークサンドなどからなる微紛炭を配合しておく技術が提案されている。微粉炭が有する脱臭機能や揮発性ガス吸着機能、調湿機能などによって、コンクリート構造体が設置された空間に対して、臭いを除去したり、いわゆるシックハウス症候群の原因とされる揮発性ガスを除去したり、快適な湿度環境を維持したりできるとされている(特許文献1参照)。
【0003】
本件発明者は、建築物の施工下地面として、コンクリート層の下層に、ピッチコークス粒と木炭質材とが配合された炭素埋設材を埋設しておくことで、木炭が有する電磁気的作用などを有効に発揮できるとともに、載荷力を向上させて、コンクリート層にひび割れなどが生じ難くする技術を提案している(特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開2001−261410号公報
【0005】
【特許文献2】
特許第2654363号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
コンクリート構造体に木炭粉が配合されていると、コンクリート構造体の強度が大幅に低下してしまい、建築物の構造体として必要な強度や耐久性が発揮できなくなる。木炭粉の配合量を少なくすれば、コンクリート構造体の強度低下は少なくなるが、木炭粉が有するガス吸着機能などが十分に発揮できない。
コークサンドあるいはピッチコークス粒は、コンクリート構造体の強度を低下させることは比較的に少ないが、木炭粉に比べてガス吸着機能が劣るため、目的とする機能が十分に発揮できない。
【0007】
前記した特許文献2の技術では、コンクリート層とは別に、ピッチコークス粒と木炭質材との混合層を配置しているので、コンクリート層の強度は十分であるが、コンクリート層に遮断されるので、木炭質材のガス吸着機能などを室内空間に及ぼすことはできない。
本発明の課題は、コンクリート構造体の基本的な強度特性や耐久性を損なうことなく、ガス吸着や脱臭などの炭素材料が有する機能を有効に発揮できるようにすることである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかるコンクリート組成物は、コンクリート材料に、平均粒径0.5〜10mmで炭素率90%以上、硬度5.1kg以上のピッチコークス粒(A)と、植物原料を炭化させてなる平均粒径0.5〜3mmの強化炭粒(B)とを、A:B=9:1〜7:3の割合で、かつ、組成物の全体に対するA+Bの割合が1〜3重量%となる範囲で、含有させてなるものである。
【0009】
【発明の実施の形態】
〔コンクリート材料〕
基本的には、建築物の壁面構造体その他のコンクリート構造体を構築するのに利用されているコンクリート材料と共通する材料が使用できる。
コンクリート材料の基本成分として、セメントおよび骨材がある。セメントとしては、ポルトランドセメント、高炉セメント、スラグセメント、シリカセメント、左官用セメントなどが挙げられる。骨材には、天然石や砕石、天然砂、砕砂などがある。
【0010】
さらに、必要に応じて添加される成分として、減水剤、AE剤、消泡剤、硬化調整剤、着色剤などがある。気泡コンクリートを製造する場合には、発泡剤が配合される場合もある。
コンクリート材料の配合成分および配合量は、使用する用途や要求性能に合わせて設定される。
コンクリート組成物には、上記したようなコンクリート材料の成分に加えて、ピッチコークス粒および強化炭粒が配合される。
〔ピッチコークス粒および強化炭粒〕
<ピッチコークス粒>
ピッチコークス粒は、コールタールや石油を蒸留して得られるピッチを原料にして製造されたコークスすなわちピッチコークスの粉粒である。
【0011】
ピッチコークスの製造方法は、通常の各種ピッチコークスと同様の方法が適用される。
ピッチコークス粒として、炭素率90%以上、硬度5.1kg以上のものを使用する。好ましくは、炭素率98〜99.9%である。十分な硬度を有することで、コンクリート構造体の強度や耐久性を確保できる。炭素率が高いものほど、硬度や破壊強度が向上する。炭素率あるいは硬度を適切な範囲に設定することで、工業的かつ経済的生産に適し、目的とする機能を十分に発揮できるピッチコークス粒となる。
【0012】
ピッチコークス粒の粒径は、使用目的によっても異なるが、通常は平均粒径が0.5〜10mmの範囲のものが使用される。好ましくは、平均粒径0.5〜3mmである。粒径が小さ過ぎると、骨材としての強度が低下する。粒径が大き過ぎると、コンクリートにクラックが発生し易くなる。
<強化炭粒>
通常の木炭に比べて機械的強度を向上させた強化木炭が使用できる。木炭に特有の吸放湿機能や脱臭機能、揮発性ガス吸着機能などを有している。木炭の原料となる木材の代わりに、竹など各種の植物原料を炭化させてなる強化炭粒も使用できる。
【0013】
比重2〜2.3、圧縮強度1〜3t/cm2を有するものが好ましい。より好ましくは、比重1.85〜2.0、圧縮強度2〜3t/cm2である。比重が高いほど、強度や耐久性が向上する。圧縮強度が高いほど、コンクリート構造体の強度や耐久性への影響が少なくなる。但し、木炭などの植物を原料にして、工業的かつ経済的な生産を可能にするには、比重および圧縮強度には実用的に限界がある。また、比重や圧縮強度を過度に向上させようとすると、揮発性ガスの吸着能力など、植物原料を用いた炭に特有の機能が低下する。
強化炭として、針葉樹を細かく粉砕あるいは裁断したチップを、加圧して圧縮した後、1100〜1200℃で焼成して、製造されたものが使用できる。加圧時の圧力として約2000kPa程度が採用できる。このような製造方法を採用することで、前記した特性を備えた強化炭が容易に製造できる。チップを使用することで圧縮が容易になり、比重や圧縮強度を向上させ易い。加圧圧力を高めるほど、比重や圧縮強度は高まるが、実用的な限度がある。加圧圧力が高過ぎると、木炭などに特有の揮発性ガス吸着能力などが低下する場合がある。適切な焼成温度を選択することで、目的とする特性を備えた強化炭が効率的に生産できる。
【0014】
強化炭は、平均粒径0.5〜3mmに粉砕されたものが使用される。好ましくは、平均粒径0.5〜2mmである。粒径が小さ過ぎると、コンクリートの肌を黒く着色してしまい、強度も低下させる。粒径が大き過ぎると、クラックが発生し易くなる。
植物原料として、木炭の原料になるウバメガシなどの木材に比べて入手が容易で安価な竹を使用すれば、強化炭を経済的に生産できる。竹を使用する場合も、前記同様のチップを加圧圧縮してから焼成して炭化させる技術が有効である。竹材として、まだけ、はちく、もうそうちく、ほていちく、くろちく、めだけ等が挙げられる。
【0015】
強化炭として、木材や竹材などの植物原料をそのまま加圧圧縮してから焼成して炭化させたもののほか、木材や竹材を炭化して得られる通常の木炭や竹炭を、さらに加圧圧縮してから再焼成して得られた強化炭も使用できる。
強化炭としては、前記した吸放湿機能や脱臭機能、揮発性ガス吸着機能に加えて、マイナスイオン放出機能、遠赤外線放射機能などに優れたものが好ましい。通常は、これらの機能を強化炭の単独状態で測定し、その結果に優れたものを、ピッチコークス粒と組み合わせて使用すればよい。ピッチコークス粒との組み合わせによって、さらにガス吸着機能などが相乗的に向上できるものが好ましい。
【0016】
<組み合わせ配合>
コンクリート組成物には、コンクリート材料に加えて、ピッチコークス粒(A)と強化炭粒(B)とを組み合わせて配合する。
配合割合として、A:B=9:1〜7:3に設定する。好ましくは、A:B≒8:2である。強化炭粒が多いほど、揮発性ガス吸着能力などが高まるが、コンクリート構造体の強度などを低下させる。強化炭とピッチコークス粒の割合を適切に設定することで、コンクリート構造体の強度などを損なわずに、木炭が有する機能を有効に発揮させることができる。しかも、単独ではガス吸着機能などをほとんど示さないピッチコークス粒が、強化炭粒と組み合わせられることによって、相乗的にガス吸着機能などが高まることになる。
【0017】
コンクリート組成物の全体に対するA+Bの配合割合を、1〜3重量%に設定できる。好ましくは約2重量%である。A+Bの配合量が多いほど、強化炭の機能は有効に発揮できるが、コンクリート組成物の取扱い作業性やコンクリート構造体の本来の特性を低下させる心配がある。
〔コンクリート構造体〕
コンクリート組成物に水を加えて、水和硬化させれば、コンクリート構造体が得られる。水の添加は、コンクリート組成物を構成する他の成分が全て配合されてから行ってもよいし、一部の配合成分と水とを同時に添加したり、水を加えたあとで、一部の配合成分が添加されたりする場合もある。
【0018】
コンクリート構造体の使用目的に合わせて、任意の形状に成形することができる。通常は、金属等で構築された成形型枠の内部に、水を加えてスラリー状になったコンクリート組成物を打設し、一定時間放置して養生硬化させる。高圧高温を加えるオートクレーブ養生を行ったり、圧力空気を供給して気泡を形成させたりすることもできる。
コンクリート組成物に加える水の量は、通常のコンクリート構造体と同様の範囲に設定できる。強化炭粒の吸水が多い場合は、その分を見込んで水の配合を変えることもできる。一般的には、水:セメント比を、50:50〜40:60の範囲に設定できる。
【0019】
コンクリートが水和硬化する過程では、強化炭粒に吸収保持された大量の水分が徐々に放出されるという作用が生じる。その結果、コンクリートの水和硬化にとって適切な量の水分が供給されて、良好な水和硬化が促進されるという効果が発揮できる。コンクリートの養生工程で外部から大量の水を供給する必要がなくなる。従来のコンクリートでは、過剰に配合された水分がコンクリート内部から蒸発するときにコンクリートに微細なクラックが発生するという問題があったが、強化炭粒に水分が保持され徐々に放出されれば、そのような問題が軽減される。
【0020】
コンクリート構造体は、一般住宅や集合住宅、工場、オフィスビル、公共建築物その他、各種建築物の、側壁、床、天井、屋根を含む壁面構造に適用される。
コンクリート構造体を、ピッチコークス粒および強化炭粒を含まないコンクリート組成物で構築されコンクリート構造体の構造強度を主に負担する本体部と、ピッチコークス粒および強化炭粒を含むコンクリート組成物で構築され本体部の表面を覆って施工環境に対するガス吸着機能などを主に果たす表層部とで構成することもできる。この場合、表層部を構成するコンクリート組成物には、前記した配合量よりも多量の強化炭粒あるいはコンクリート添加材を配合してガス吸着機能などを高めることができる。この場合、多量の強化炭粒を配合することでコンクリート強度が低下しても、コンクリート構造体の全体における構造強度にはそれほど影響しない。本体部には、前記した配合量範囲で比較的に少量の強化炭粒あるいはコンクリート添加材を配合し、表層部には、比較的に大量の強化炭粒あるいはコンクリート添加材を配合しておくこともできる。
【0021】
〔コンクリート添加材〕
コンクリート組成物を製造する際に、ピッチコークス粒と強化炭粒とを別々に配合することもできるが、予めピッチコークス粒と強化炭粒とが所定の割合で混合されたコンクリート添加材を使用することができる。
ピッチコークス粒と強化炭粒とを均一に混合しておけるので、コンクリート組成物あるいはコンクリート構造体の内部におけるピッチコークス粒と強化炭粒との分布が偏り難く、全体が均等な機能を発揮することができる。また、コンクリート組成物の製造工程が簡単になる。
【0022】
コンクリート添加材は、ピッチコークス粒と強化炭粒とのみからなるものであれば、コンクリート組成物の使用目的に合わせて、他の成分は自由に組み合わせて配合することができる。
但し、コンクリート添加材に、ピッチコークス粒と強化炭粒とに加えて、コンクリート材料の一部の成分を配合しておけば、コンクリート組成物の製造作業が簡略化できる。ピッチコークス粒や強化炭粒を劣化させたり変質させたりする成分は、コンクリート添加材には配合しないほうがよい。
【0023】
【実施例】
本発明の実施形態となるコンクリート組成物を製造し、その性能を評価した。
〔コンクリート組成物の配合〕
<実施例1〜2>
コンクリート材料98重量部に、ピッチコークス粒A+強化炭Bを2重量部配合した。
ピッチコークス粒は、日の丸カーボテクノ社製、平均粒径2mm、炭素率99.9%のものを用いた。
【0024】
強化炭は、平均粒径2mm、比重2〜2.3、圧縮強度2〜3t/cm2のものを用いた。この強化炭は、平均径2mmの針葉樹チップを、2000kPaで加圧して圧縮した後、1100〜1200℃で焼成炭化させたものである。
ピッチコークス粒と強化炭との割合を、下記表1〜3に示すように変更したものを製造した。
<比較例1>
ピッチコークスを配合しない以外は、実施例1〜2と同じ配合である。
<比較例2>
強化炭を配合しない以外は、実施例1〜2と同じ配合である。
【0025】
〔コンクリート構造体の製造〕
各実施例および比較例のコンクリート組成物40重量部に水60重量部を混ぜてコンクリートスラリーを調製し、型枠に打設して、コンクリート構造体からなる試験片を作製した。
〔性能評価〕
試験片に対して、以下の評価試験を行なった。その結果を、下表1〜3に示す。
<ガス吸着性試験>
ホルムアルデヒド、アンモニアおよび酢酸に対する吸着能力を測定した。試験方法は常法にしたがって行った。
【0026】
【表1】
【0027】
【表2】
【0028】
【表3】
【0029】
<吸着能力の評価>
(1) 比較例1と比較例2を対比すると、強化炭粒Bは、何れのガスに対しても良好な吸着能力を示すのに対し、ピッチコークス粒Aには、あまり吸着能力がないことが判る。
(2) 実施例1〜2に示すように、ピッチコークス粒Aと強化炭粒Bとを組み合わせた場合、総合的には、ピッチコークス粒Aの割合が増えるほど、吸着能力は低下する。しかし、強化炭粒Bよりもピッチコークス粒Aのほうが多くなっても、吸着能力の低下はそれほど顕著にはならない。ピッチコークス粒Aが大部分(90%)を占めていても(実施例2)、実用的に十分な吸着能力を示すことが判る。
【0030】
これは、ピッチコークス粒Aと強化炭粒Bとを組み合わせた場合には、単純に両方の吸着能力が足し合わされるのではないことを示している。ピッチコークス粒Aの吸着能力が強化炭粒Bの存在によって強化されていると言える。その理由は、詳細には不明であるが、例えば、強化炭粒Bが迅速にガスを吸着したあと、吸着されたガスが徐々にピッチコークス粒Aに移行することなどが起きているのではないかと推測される。
(3) したがって、原料コストなどの経済性を考慮すれば、必要とされる吸着能力が発揮できる範囲で、ピッチコークス粒Aの割合をできるだけ多くすることが好ましい。
【0031】
<コンクリート強度試験>
前記実施例に準じて、実施例10〜12および比較例10〜12のコンクリート組成物を調製し、コンクリート構造体からなる試験片を作製した。水:コンクリート比が、50%、55%、60%の3種について作製した。
得られた試験片に、常法にしたがって、4週圧縮強度および引張強度を測定した。測定結果は、ピッチコークス粒Aおよび強化炭粒Bを加えない場合(比較例10)に対する強度比で表している。前記3種の試験片についての平均値で示す。
【0032】
【表4】
【0033】
<コンクリート強度の評価>
(1) 実施例10〜12によれば、強化炭粒Bに対するピッチコークス粒Aの割合が十分に多ければ、コンクリート単独の場合(比較例10)に比べて、それほど強度の低下が起こらないことが判る。実用上、十分な強度が発揮できる。
(2) 但し、A+Bの配合量が増え過ぎると(比較例11)、強度の低下が甚だしくなり、コンクリート構造体としての実用性が乏しくなる。
【0034】
<マイナスイオン放出機能>
マイナスイオン計を用いて、マイナスイオン放出機能を評価した。
コンクリート構造体として、前記比較例10の試験片(強化炭粒およびピッチコークス粒を含まない)と、比較例10の試験片の片面に、強化炭粒とピッチコークス粒とが配合された実施例12のコンクリート組成物からなる表層部を設けた試験片(実施例20)を用いた。
その結果は、実施例20の表層部側におけるマイナスイオン放出量は、比較例10に比べて約3倍にも達していた。また、実施例20の試験片は、コンクリート強度については、比較例10と同等に優れたものであった。
【0035】
〔竹炭の使用〕
強化炭として、前記実施形態の針葉樹チップ炭の代わりに、竹炭を使用した。
竹炭は、竹材を比較的に低温度で炭化させてなる市販の竹炭を、平均粒径2mmに粉砕し、加圧して圧縮した後、920℃で再焼成したものを用いた。この加圧後の再焼成処理によって、竹炭の電気抵抗は小さく共振周波数は低くなるという特性の変化が生じ、遠赤外線放出などの機能が大幅に向上する。
得られた再焼成竹炭を、前記実施形態と同様にして、ピッチコークス粒と組み合わせてコンクリートに配合しコンクリート構造体を作製したところ、遠赤外線放出機能やガス吸着機能などが有効に発揮されるとともに実用的に十分なコンクリート強度を有していることが確認できた。
【0036】
竹炭は、通常の木炭に比べて原料の入手が容易で安価であるため、コンクリート構造体の施工コストを低減できる。
【0037】
【発明の効果】
本発明にかかるコンクリート組成物は、コンクリート材料に、特定のピッチコークス粒および強化炭粒を組み合わせて特定の配合割合で配合している。
このようなコンクリート組成物から製造されるコンクリート構造体は、コンクリート構造体に必要な強度や耐久性などの基本的な機能は十分に備えた上で、揮発性ガスの吸着機能や脱臭機能、マイナスイオン放出機能、遠赤外線放射機能などに極めて優れた性能を発揮することができる。
特に、ピッチコークス粒に、比較的少量の強化炭粒を加えるだけで、本来はガス吸着機能がそれほど無いと考えられるピッチコークス粒を主成分としながら、コンクリート構造体に対して、実用的に十分なガス吸着機能を付与することができる。コンクリート強度を低下させず、経済的に、コンクリート構造体の脱臭機能などを向上させることができる。
【0038】
その結果、住宅などの建築物の壁面構造をコンクリート構造体で構築したときに、コンクリート構造体に隣接する空間の空気環境を大きく改善することができる。
Claims (4)
- コンクリート材料に、
平均粒径0.5〜10mmで、炭素率90%以上、硬度5.1kg以上のピッチコークス粒(A)と、
植物原料を炭化させてなる平均粒径0.5〜3mmの強化炭粒(B)とを、
A:B=9:1〜7:3の割合で、かつ、組成物の全体に対するA+Bの割合が1〜3重量%となる範囲で、含有させてなる、
コンクリート組成物。 - 前記強化炭粒が、針葉樹チップおよび竹チップからなる群から選ばれる植物原料を加圧して圧縮した後、1100〜1200℃で焼成されたものからなり、比重2〜2.3である、請求項1に記載のコンクリート組成物。
- 請求項1または2に記載のコンクリート組成物に、水を加え、成形硬化させてなる、コンクリート構造体。
- 請求項1または2に記載のコンクリート組成物の製造に用いられる添加材であって、
平均粒径0.5〜10mmで、炭素率90%以上、硬度5.1kg以上のピッチコークス粒(A)と、
平均粒径0.5〜3mmの強化炭粒(B)とを、
A:B=9:1〜7:3の割合で含有する、
コンクリート添加材。
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JP2003015037A JP4460223B2 (ja) | 2003-01-23 | 2003-01-23 | コンクリート組成物、コンクリート構造体およびコンクリート添加材 |
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