JP4460107B2 - Control valve - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば自動車用自動変速機に用いられるコントロールバルブに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車において自動車用自動変速機の油圧制御にはコントロールバルブが用いられている。この種のコントロールバルブは複数種のバルブを備えた集合弁であり、一般に、ダイカストにより複数に分割して成形した複数に分割されたバルブボディを重ね合わせるとともに、各バルブボディの結合面に予め形成しておいた溝により油路を形成するものが一般的である。
【0003】
図4は、かかるコントロールバルブの一例を示す要部断面図であって、バルブボディ1はセパレートプレート2を挟んで重ね合わされるとともに、ボルト3によって互いに結合された第1のバルブボディ4と第2のバルブボディ5とから構成された階層構造を有している。第1及び第2のバルブボディ4,5の結合面側には複数の溝6がそれぞれ形成されており、それらがセパレートプレート2により閉鎖されることによりバルブボディ1に油路が確保されている。第1のバルブボディ4の外周面には、前記溝6と連通する弁室7が開口している。弁室7にはスプール8とリターンスプリング9とが収容されており、それらが、弁室7の開口部側にて第1のバルブボディ4に挿入され弁室7を横断する抜け止めプレート10によって、弁室7からの抜けを阻止されている。抜け止めプレート10は、一端部10aが略L字状に折り曲げられた金属板であり、その一端部10aが第1のバルブボディ4の結合面側とセパレートプレート2との間に収容されることによって、第1のバルブボディ4からの脱落を防止されている。
【0004】
前記スプール8は、油圧によってその受圧部(ランド部)に加わる軸推力と、リターンスプリング9のバネ荷重とのバランスにより移動することにより弁室7内での作動油の流れを切り換えるものであり、図示したコントロールバルブにおいては、バルブボディ1(第1のバルブボディ4)と、スプール8、リターンスプリング9、抜け止めプレート10によって油圧制御バルブ11が構成されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前出したコントロールバルブにおいては、それをいったん組み立てた後には、前記抜け止めプレート10を容易に取り外すことができない。かかることから、コントロールバルブに高い制御特性を確保することを目的として、弁室7におけるリターンスプリング9等の収容部品に番手部品を設定しておき、組立状態での油圧制御特性の調整を行うとともに必要に応じてリターンスプリング9等を適宜交換するようにした場合には、その交換作業が煩雑であり作業性が悪い。
【0006】
無論、かかる交換作業を容易にするには、例えば図5に示したように、抜け止めプレート10を第1のバルブボディの表面側からバルブボディ1に取り付ければよいが、その場合には以下のような問題があった。すなわち、組み立てた後における抜け止めプレート10の脱落を防止するための専用の部品が新たに必要となり、コントロールバルブがコスト高となる。また、専用の部品の追加を回避するには、図5に示したように、コントロールバルブが組み付けられる車体側のATケース等の相手側部品100に、抜け止めプレート10の脱落防止部101を設ければよいが、その場合、コントロールバルブが車体側に組み付けられる以前の搬送途中においては、抜け止めプレート10の脱落を防止することができなくなるという問題がある。
【0007】
本発明は、かかる従来の課題に鑑みてなされたものであり、弁室に収容された部品の交換作業が容易で、しかもコスト高を招くことなく、出荷途中における保持部材の脱落が確実に防止できるコントロールバルブを提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するために請求項1の発明にあっては、特定のバルブを含む複数のバルブを備えたコントロールバルブであって、前記特定のバルブが、他のバルブと共有するバルブボディと、このバルブボディに開口する弁室に収容された収容部品と、前記弁室の開口部側に取り付けられ前記収容部品の弁室からの抜けを阻止する保持部材とを含むとともに、前記収容部品が圧力制御特性の検査工程で必要に応じ交換されるコントロールバルブにおいて、前記特定のバルブを、前記バルブボディにおける、前記コントロールバルブを構成するとともに前記検査工程の後に前記バルブボディへ組み付けられるオイルストレーナと接する箇所に配置するとともに、前記保持部材を、前記オイルストレーナと対向する表面側から前記バルブボディに取り付け、前記保持部材の前記バルブボディからの抜けを、前記保持部材の抜き方向への移動を前記オイルストレーナによって防止することにより阻止したものとした。
【0009】
かかる構成において、圧力制御特性の検査工程では、オイルストレーナを非組み付け状態とすることにより保持部材の単独での着脱が可能となり、検査工程の終了後にオイルストレーナを組み付けることにより、出荷途中には、組み付け状態にあるオイルストレーナにより保持部材のバルブボディからの脱落が確実に防止される。
【0010】
また、請求項2の発明にあっては、前記バルブボディが各バルブの弁室を連通するものとした。
【0011】
かかる構成においては、検査工程の後にバルブボディへの組み付けが可能なオイルストレーナを、異なる形状のバルブボディを備えた他のコントロールバルブと共用化することができる。
【0012】
また、請求項3の発明にあっては、前記バルブボディが複数の部材からなる階層構造を有するとともに、前記特定のバルブを、前記バルブボディにおける前記オイルストレーナが取り付けられる側の層に配置したものとした。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図にしたがって説明する。図1は、本発明に係るコントロールバルブの要部を示す、図2のA−A沿う部分断面図である。
【0015】
このコントロールバルブは従来技術で示したものと同様に、自動車用自動変速機の油圧制御に用いられるものであって、セパレートプレート2を挟んで重ね合わされるとともに、ボルト3によって互いに結合された第1のバルブボディ4と第2のバルブボディ5とからなるバルブボディ1を有している。
【0016】
本実施の形態においても、第1のバルブボディ4の所定箇所には外周に開口する弁室7が設けられ、その内部にスプール8及びリターンスプリング9が収容されるとともに、それらが本発明の保持部材である抜け止めプレート10によって第1のバルブボディ4からの抜けを阻止されており、これにより油圧制御バルブ11が構成されている。油圧制御バルブ11は本発明における特定のバルブであり、コントロールバルブの組立後における圧力制御特性の検査工程では、従来技術で説明したものと同様、必要に応じてリターンスプリング9を事前に用意されている他の番手部品と交換することによりコントロールバルブの制御特性が調整可能となっている。また、前記抜け止めプレート10は、第1のバルブボディ4の表面側から弁室7を横断するよう挿入され、前記一端部10aが第1のバルブボディ4の表面側に露出することにより、第1のバルブボディ4の表面側で挿抜が可能となっている。
【0017】
また、前記第1のバルブボディ4の表面側には、図3に示したように、オイルストレーナ15、及び第1のバルブボディ4と共に複数の電磁弁を構成するソレノイド組立体16・・・が組み付けられている。オイルストレーナ15は、コントロールバルブの使用時にバルブボディ1内の油圧回路に供給する作動油をオイルパンから汲み上げる際、作動油に含まれるゴミ等を除去するための部材である。すなわちオイルストレーナ15は、前述した圧力制御特性の検査工程の後にバルブボディ1(第1のバルブボディ4)への組み付けが可能な部品である。なお、前記ソレノイド組立体16・・・の各々から延出するハーネス17は1本にまとめられており、その先端部には各ハーネス17に対応する複数の接続端子を有するコネクタ18が設けられている。一方、前述した油圧制御バルブ11は、図2に示すように前記オイルストレーナ15の取付位置に配置されている。これにより、前記抜け止めプレート10は、オイルストレーナ15に当接することによって抜き方向イ(図1参照)へ一定量以上の移動を防止されている。つまり第1のバルブボディ4からの抜けが阻止されている。
【0018】
以上の構成からなるコントロールバルブにおいては、組立状態で油圧制御特性の調整を行う圧力制御特性の検査工程では、オイルストレーナ15を非組み付け状態としておくことにより抜け止めプレート10を単独で挿抜することができる。したがって、上記検査工程でリターンスプリング9の交換が必要となる場合であっても、その交換作業を容易に行うことができ、かかる作業効率の向上によるコスト削減が可能である。しかも、上記検査工程の終了後にはオイルストレーナ15を組み付けることにより、コントロールバルブの出荷途中においては抜け止めプレート10がバルブボディ1(第1のバルブボディ4)から脱落することを確実に防止することができる。したがって、抜け止めプレート10の脱落を防止するためだけの部品を新たに追加する必要がなく、これによってもコストの削減を図ることができる。
【0019】
なお、本実施の形態においては、抜け止めプレート10の脱落を第1のバルブボディ4側に取り付けられるオイルストレーナ15によって阻止するようにしたが、コントロールバルブを構成するとともに前記検査工程の後にバルブボディ1への組み付けが可能な部品であれば、他の部品によって抜け止めプレート10の脱落を防止するようにしてもよい。例えば第1のバルブボディ4に、前述したソレノイド組立体16・・・のハーネス17の延在途中を固定するためのハーネスクリップが存在する場合には、そのハーネスクリップを用いて防止するようにしてもよい。また、オイルストレーナ15がバルブボディ1への組み付けられた状態にあるとき、その下面と抜け止めプレート10の一端部10aとの間に隙間が存在するものを示したが、両者間に隙間が全く生じない構成であっても構わない。
【0020】
また、第1のバルブボディ4における油圧制御バルブ11の位置を予めオイルストレーナ15の取付位置に設定しておくことにより、オイルストレーナ15によって抜け止めプレート10の抜けを阻止するものであることから、オイルストレーナ15については、前述したものとバルブボディ1の形状が異なる他のコントロールバルブとの間での共用化が可能である。したがって、コントロールバルブに設計変更が生じた場合であっても、オイルストレーナ15をそのまま使用することができるため、コントロールバルブの設計変更に要するコストを最小限に抑えることができる。
【0021】
なお、本実施の形態においては、組立状態で油圧制御特性の調整をリターンスプリング9の交換により行うコントロールバルブについて説明したが、それが前記スプール8の交換により行われるものや、また弁室7内にスペーサ等の他の収容部品が存在する構成においては、それらの収容部品の交換により行われるものであっても本実施の形態と同様の効果が得られる。また、油圧制御バルブ11がスプール8以外のポペット型の弁体を有するものであっても上記と同様である。また、バルブボディ1が第1のバルブボディ4と第2のバルブボディ5とによって構成された階層構造を有するものを示したが、バルブボディ1が階層構造を有していない単一の部材であるコントロールバルブにおいても本発明を用いれば同様の効果を得ることができる。
【0022】
【発明の効果】
以上説明したように本発明においては、圧力制御特性の検査工程で保持部材の単独での着脱が可能となるようにしたことから、検査工程で弁室に収容された収容部品の交換作業が容易となる。その結果、作業効率の向上によるコスト削減が可能となる。しかも、出荷途中には、組み付け状態にある特定のオイルストレーナにより保持部材のバルブボディからの脱落が確実に防止されるようにしたことから、コントロールバルブに本来不要な脱落防止用の他部品を設ける必要がなく、コスト高を招くことなく、出荷途中における保持部材の脱落が確実に防止することが可能となる。
【0023】
また、検査工程の後にバルブボディへの組み付けが可能なオイルストレーナを、異なる圧力回路を形成するバルブボディを備えた他のコントロールバルブと共用化することができるようにした。よって、コントロールバルブに設計変更が生じた場合であっても、それに要するコストを最小限に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態を示す図2のA−A沿う部分断面図である。
【図2】オイルストレーナの一部を切り開いた状態を示すコントロールバルブの要部平面図である。
【図3】コントロールバルブの概略構成を示す分解斜視図である。
【図4】従来の技術を示すコントロールバルブの要部断面図である。
【図5】他の従来の技術を示すコントロールバルブの要部断面図である。
【符号の説明】
1 バルブボディ
4 第1のバルブボディ
5 第2のバルブボディ
7 弁室
8 スプール(収容部品)
9 リターンスプリング(収容部品)
10 抜け止めプレート(保持部材)
11 油圧制御バルブ(特定のバルブ)
15 オイルストレーナ [0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a control valve used, for example, in an automatic transmission for automobiles.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, control valves have been used for hydraulic control of automobile automatic transmissions in automobiles. This type of control valve is a collective valve equipped with multiple types of valves. In general, a plurality of divided valve bodies formed by die casting are overlapped and formed in advance on the joint surface of each valve body. In general, an oil passage is formed by the grooves.
[0003]
FIG. 4 is a cross-sectional view of an essential part showing an example of such a control valve. The
[0004]
The
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, in the control valve described above, the
[0006]
Of course, in order to facilitate such replacement work, for example, as shown in FIG. 5, the
[0007]
The present invention has been made in view of such a conventional problem, and it is easy to replace parts housed in the valve chamber, and it is possible to reliably prevent the holding member from falling off during shipping without incurring high costs. An object of the present invention is to provide a control valve that can be used.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problem, in the invention of
[0009]
In such a configuration, in the pressure control characteristic inspection process, the holding member can be detached and attached by setting the oil strainer in a non-assembled state, and by assembling the oil strainer after the inspection process, The oil strainer in the assembled state reliably prevents the holding member from falling off the valve body.
[0010]
Further, in the invention of
[0011]
In such a configuration, an oil strainer that can be assembled to the valve body after the inspection process can be shared with other control valves having valve bodies of different shapes.
[0012]
In the invention of
[0014]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, an embodiment of the present invention will be described with reference to the drawings. FIG. 1 is a partial cross-sectional view taken along the line AA of FIG. 2, showing the main part of the control valve according to the present invention.
[0015]
This control valve is used for hydraulic control of an automatic transmission for automobiles, similar to the one shown in the prior art. The control valve is overlapped with a
[0016]
Also in the present embodiment, a
[0017]
Further, on the surface side of the
[0018]
In the control valve having the above configuration, in the pressure control characteristic inspection process for adjusting the hydraulic control characteristic in the assembled state, the retaining
[0019]
In this embodiment, the
[0020]
Further, since the position of the
[0021]
In the present embodiment, the control valve that adjusts the hydraulic control characteristics by exchanging the
[0022]
【The invention's effect】
As described above, in the present invention, since the holding member can be attached and detached independently in the inspection process of the pressure control characteristic, it is easy to replace the storage parts accommodated in the valve chamber in the inspection process. It becomes. As a result, it is possible to reduce costs by improving work efficiency. Moreover, since the specific oil strainer in the assembled state surely prevents the holding member from falling off the valve body during shipping, other parts for preventing the dropout are provided on the control valve. This is unnecessary, and it is possible to reliably prevent the holding member from falling off during shipping without incurring high costs.
[0023]
In addition, an oil strainer that can be assembled to the valve body after the inspection process can be shared with other control valves having valve bodies that form different pressure circuits. Therefore, even when the design change occurs in the control valve, the cost required for it can be minimized.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a partial cross-sectional view taken along the line AA of FIG. 2 showing an embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a plan view of an essential part of a control valve showing a state in which a part of an oil strainer is cut open.
FIG. 3 is an exploded perspective view showing a schematic configuration of a control valve.
FIG. 4 is a cross-sectional view of a main part of a control valve showing a conventional technique.
FIG. 5 is a cross-sectional view of a main part of a control valve showing another conventional technique.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
9 Return spring (accommodating parts)
10 Retaining plate (holding member)
11 Hydraulic control valve (specific valve)
15 oil strainer
Claims (3)
前記特定のバルブを、前記バルブボディにおける、前記コントロールバルブを構成するとともに前記検査工程の後に前記バルブボディへ組み付けられるオイルストレーナと接する箇所に配置するとともに、
前記保持部材を、前記オイルストレーナと対向する表面側から前記バルブボディに取り付け、前記保持部材の前記バルブボディからの抜けを、前記保持部材の抜き方向への移動を前記オイルストレーナによって防止することにより阻止したことを特徴とするコントロールバルブ。A control valve having a plurality of valves including a specific valve, wherein the specific valve is shared with other valves, a receiving part accommodated in a valve chamber opened in the valve body, In a control valve that is attached to the opening side of the valve chamber and prevents the housing component from coming off from the valve chamber, and the housing component is replaced as necessary in the pressure control characteristic inspection process,
The specific valve is disposed at a location in the valve body that is in contact with an oil strainer that constitutes the control valve and is assembled to the valve body after the inspection step.
The holding member is attached to the valve body from the surface facing the oil strainer, and the oil strainer prevents the holding member from coming off from the valve body by the oil strainer. Control valve characterized by blocking.
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