JP4457560B2 - Vehicle control device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、燃料の燃焼により作動するエンジンと、そのエンジンに作動的に連結されて少なくとも発電機として作動する回転機と、係合装置の解放および係合の少なくとも一方によって変速が実行される自動変速機とを備えた車両の制御装置に関し、特に、その自動変速機のアクセル或いはスロットル全開時の変速を制御する技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
油圧式摩擦係合装置の解放および係合の少なくとも一方によって変速が実行される自動変速機において、アクセル或いはスロットル全開時の変速に際してエンジン回転速度が過回転領域に入らないように変速を判断する予め設定された変速線を学習制御する車両が知られている。たとえば、特許文献1に示すように自動変速機の変速時にその油圧式摩擦係合装置の係合側の係合圧と解放側の係合圧の重なり具合が小さいことによるエンジン回転速度の一時的上昇であるオーバシュート(エンジン吹き)の発生を抑制する油圧制御と、実際のエンジン回転速度の最高値と予め設定されたエンジン回転速度の設定値とが一致するようにその変速線を変更する学習制御とが関連されて実行されることが提案されている。
【0003】
【特許文献1】
特許第3322054号公報
【特許文献2】
特開平10−196778号公報
【特許文献3】
特開2000−205398号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、自動変速機の変速時に用いる変速線は、その係合制御を実行するための装置たとえば油圧アクチュエータや電磁アクチュエータ等に起因する変速応答遅れやそのばらつき等を考慮して、エンジンが過回転領域に入らないように余裕を設けて学習制御されていた。このようなことから、アクセル或いはスロットル全開時の変速に際してエンジンの動力性能が過回転領域に入らない範囲で最大限に発揮されない可能性があった。
【0005】
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、アクセル或いはスロットル全開時の変速に際してエンジンの回転速度を制御することで、自動変速機の変速に際してエンジンの動力性能が過回転領域に入らない範囲で最大限に発揮される車両の制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための第1の手段】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、(a) 燃料の燃焼により作動するエンジンと、そのエンジンに作動的に連結されて少なくとも発電機として作動する回転機と、係合装置の解放および係合の少なくとも一方によって変速が実行される自動変速機とを備えた車両の制御装置であって、(b) 前記回転機を作動させて前記エンジンの回転速度を制御するエンジン回転制御手段と、(c) 前記自動変速機の変速を制御する変速制御手段と、(d) その変速制御手段によってアクセル或いはスロットル全開時の前記自動変速機の変速に用いられる変速線を、前記エンジン回転制御手段によって前記エンジンの回転速度が前記自動変速機の全開アップ変速中に低下可能か否かに基づいて変更する変速線変更手段とを、含み、(e) 前記変速線変更手段は、前記エンジン回転制御手段によって前記エンジンの回転速度が前記自動変速機の全開アップ変速中に低下可能な場合は、そのエンジンの回転速度がその自動変速機の全開アップ変速中に低下可能でない場合に比較して、より高車速側に設定された変速線を用いることにある。
【0007】
【第1発明の効果】
このようにすれば、前記変速制御手段によってアクセル或いはスロットル全開時の前記自動変速機の変速に用いられる変速線が前記エンジン回転制御手段によって前記回転機を作動させて前記エンジンの回転速度が前記自動変速機の全開アップ変速中に低下可能か否かに基づいて変速線変更手段によって変更されるので、つまり前記エンジン回転制御手段によって前記エンジンの回転速度が前記自動変速機の全開アップ変速中に低下可能な場合は、そのエンジンの回転速度が前記自動変速機の全開アップ変速中に低下可能でない場合に比較してより高車速側に設定された変速線が用いられるので、エンジン回転速度がより高回転で変速が実行される。この結果、エンジンの動力性能が過回転領域に入らない範囲で最大限に発揮されて、加速性能が向上する。
【0008】
【第1発明の他の態様】
ここで、好適には、アクセル或いはスロットル全開時の前記自動変速機の変速に関連する変速関連パラメータを学習制御する学習制御手段を備え、その学習制御手段は、前記自動変速機の前記係合装置の解放および係合の少なくとも一方によって変速が実行される場合に用いられる前記変速線を変速過程における前記エンジンの最大回転速度が所定の目標値となるように学習制御するときに前記自動変速機の係合装置を係合作動させるための係合制御値を変速過程にて発生する吹き或いはタイアップ状態が抑制されるように学習制御すると共にその変速線を学習制御した後の次回以降の変速時に、前記エンジン回転制御手段によって前記エンジンの回転速度が前記自動変速機の全開アップ変速中に低下可能である場合に用いられる前記変速線を前記エンジンの回転速度の低下操作量が少ない程低車速側へ移動するように学習制御するものである。このようにすれば、前記変速制御手段によって自動変速機の変速制御中にたとえばエンジン回転速度の吹きが発生した場合、学習制御手段によって前記自動変速機の前記係合装置の解放および係合の少なくとも一方によって変速が実行される場合の前記変速線の学習制御が実行されるときに前記係合制御値がエンジン回転速度の吹きが抑制される側に学習制御されるので、その後のエンジンの回転速度が前記自動変速機の全開アップ変速中に低下可能である場合の前記変速線の学習制御が安定して実行される。
【0009】
また、好適には、前記学習制御手段は、前記自動変速機の前記係合装置の解放および係合の少なくとも一方によって変速が実行される場合に用いられる前記変速線を変速過程における前記エンジンの最大回転速度が所定の目標値となるように学習制御する場合には、前記自動変速機の前記係合装置を作動させるための係合制御値を変速過程にて発生する吹き或いはタイアップ状態が抑制されるように学習制御した後の次回以降の変速時に実行するものである。このようにすれば、前記変速制御手段によって自動変速機の変速制御中にたとえばエンジン回転速度の吹きが発生した場合、学習制御手段によって前記係合制御値がエンジン回転速度の吹きが抑制される側に学習制御された後に前記変速線の学習制御が実行されるので、安定した学習制御が実行される。
【0010】
【課題を解決するための第2の手段】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、(a) 燃料の燃焼により作動するエンジンと、そのエンジンに作動的に連結されて少なくとも発電機として作動する回転機と、係合装置の解放および係合の少なくとも一方によって変速が実行される自動変速機とを備えた車両の制御装置であって、(b) 前記回転機を作動させて前記エンジンの回転速度を制御するエンジン回転制御手段と、(c) 前記自動変速機の変速を制御する変速制御手段と、(d) アクセル或いはスロットル全開時の前記自動変速機の変速に関連する変速関連パラメータを学習制御する学習制御手段とを備え、(e) その学習制御手段は、前記エンジン回転制御手段によって前記エンジンの回転速度が前記自動変速機の全開アップ変速中に低下可能か否かに基づいて学習制御を変えるものであり、低下可能でない場合には変速過程における前記エンジンの回転速度が所定の変化となるように低下可能でない場合の変速関連パラメータを学習制御する一方で、低下可能な場合には予め定められた関係から前記エンジン回転制御手段によって制御される前記エンジンの回転速度の低下操作量に基づいて決定した学習値を用いて低下可能でない場合の変速関連パラメータに比較して高車速側に設定された変速関連パラメータを学習制御する。
【0011】
【第2発明の効果】
このようにすれば、前記エンジン回転制御手段によって前記回転機を作動させて前記エンジンの回転速度が前記自動変速機の全開アップ変速中に低下可能か否かに基づいて、学習制御手段は学習制御を変えるものであり、低下可能でない場合には変速過程における前記エンジンの回転速度が所定の変化となるように低下可能でない場合の変速関連パラメータを学習制御する一方で、低下可能な場合には予め定められた関係から前記エンジン回転制御手段によって制御される前記エンジンの回転速度の低下操作量に基づいて決定した学習値を用いて低下可能でない場合の変速関連パラメータに比較して高車速側に設定された変速関連パラメータを学習制御するので、前記エンジン回転制御手段によって前記エンジンの回転速度が前記自動変速機の全開アップ変速中に低下可能な場合は、そのエンジンの回転速度が前記自動変速機の全開アップ変速中に低下可能でない場合に比較して学習制御手段によってより高車速側に設定された前記自動変速機の変速に関連する変速関連パラメータが学習制御されて、エンジン回転速度がより高回転で変速が実行される。この結果、エンジンの動力性能が過回転領域に入らない範囲で最大限に発揮されて、加速性能が向上する。
【0012】
【第2発明の他の態様】
ここで、好適には、前記学習制御手段は、前記エンジン回転制御手段によって前記エンジンの回転速度が前記自動変速機の全開アップ変速中に低下可能か否かに基づいて、前記変速制御手段によってアクセル或いはスロットル全開時の前記自動変速機の変速に用いられる変速線を学習制御するものであり、低下可能でない場合には変速過程における前記エンジンの最大回転速度が所定の目標値となるように低下可能でない場合の変速線を学習制御する一方で、低下可能な場合には前記エンジンの回転速度の低下操作量が少ない程低車速側へ移動するように低下可能でない場合の変速線に比較して高車速側に設定された変速線を学習制御する。このようにすれば、前記エンジン回転制御手段によって前記エンジンの回転速度が前記自動変速機の全開アップ変速中に低下可能な場合とそのエンジンの回転速度が前記自動変速機の全開アップ変速中に低下可能でない場合とで学習制御手段によって前記変速線の学習制御が変更されるので、前記エンジンの回転速度の低下状態に応じた前記変速線の学習値が用いられる。
【0013】
また、好適には、前記学習制御手段は、前記エンジン回転制御手段によって前記エンジンの回転速度が前記自動変速機の全開アップ変速中に低下可能か否かに基づいて、前記自動変速機の係合装置を係合作動させるための係合制御値の学習値を変えるものであり、低下可能でない場合には変速過程にて発生する吹き或いはタイアップ状態が抑制されるように前記係合制御値の学習値を変更する一方で、低下可能な場合には前記エンジンの回転速度の低下操作量が大きい程大きくなるように前記係合制御値の学習値を変更する。このようにすれば、前記エンジン回転制御手段によって前記エンジンの回転速度が前記自動変速機の全開アップ変速中に低下可能な場合とそのエンジンの回転速度が前記自動変速機の全開アップ変速中に低下可能でない場合とで学習制御手段によって前記係合制御値の学習値が変えられるので、前記エンジンの回転速度の低下状態に応じたその係合制御値の学習値が用いられる。
【0014】
また、好適には、前記学習制御手段は、前記エンジン回転制御手段によって制御される前記エンジンの回転速度の低下操作量が大きい程大きくなるように、前記自動変速機の変速中の前記係合制御値を変えるものである。このようにすれば、前記エンジン回転制御手段によって制御される前記エンジンの回転速度の低下操作量に基づいて、学習制御手段によって変えられた前記係合制御値の学習値で、前記変速制御手段によって前記エンジンの回転速度の制御状態に応じた前記自動変速機の変速が速やかに実行される。
【0015】
また、好適には、前記学習制御手段は、前記エンジン回転制御手段によって制御される前記エンジンの回転速度の低下操作量が大きい程大きくなるように、次回の前記自動変速機の変速に用いられる前記係合制御値の学習値を学習制御するものである。このようにすれば、前記エンジン回転制御手段によって制御される前記エンジンの回転速度の低下操作量に基づいて、学習制御手段によって学習制御された次回の前記自動変速機の変速に用いられる前記係合制御値で、前記変速制御手段によって前記エンジンの回転速度の制御状態に応じた前記自動変速機の変速が速やかに実行される。
【0016】
また、好適には、前記学習制御手段は、前記エンジンの回転速度の低下開始時点の実際のエンジン回転速度が予め設定された過回転速度から余裕回転速度を差し引いた目標のエンジン回転速度と一致するように、前記エンジンの回転速度の低下開始時点を学習制御するものである。このようにすれば、学習制御手段によってエンジンの回転速度の低下開始時点が学習制御されるので、エンジン回転速度がより高回転で変速が実行される。
【0017】
また、好適には、前記学習制御手段は、前記エンジンの回転速度に基づいてそのエンジンの回転速度の低下開始時点を定めるための起点を学習制御するものであり、変速過程における前記エンジンの最大回転速度が所定の目標値と比較して低ければ遅延するように前記起点を学習制御する。このようにすれば、学習制御手段によってエンジンの回転速度の低下開始時点が学習制御される。
【0018】
また、好適には、前記学習制御手段は、前記車両の速度に基づいて前記エンジンの回転速度の低下開始時点を定めるための起点を学習制御するものであり、変速過程における前記エンジンの最大回転速度が所定の目標値と比較して低ければ高車速側へ移動するように前記起点を学習制御する。このようにすれば、学習制御手段によってエンジンの回転速度の低下開始時点が学習制御される。
【0019】
【課題を解決するための第3の手段】
かかる目的を達成するための本発明の要旨とするところは、(a) 燃料の燃焼により作動するエンジンと、そのエンジンに作動的に連結されて少なくとも発電機として作動する回転機と、係合装置の解放および係合の少なくとも一方によって変速が実行される自動変速機とを備えた車両の制御装置であって、(b) 前記回転機を作動させて前記エンジンの回転速度を制御するエンジン回転制御手段と、(c) 前記自動変速機の変速を制御する変速制御手段と、(d) アクセル或いはスロットル全開時の前記自動変速機の変速に関連する変速関連パラメータを学習制御する学習制御手段とを備え、(e) 前記学習制御手段は、前記アクセル或いはスロットル全開時の前記自動変速機の全開アップ変速中において前記エンジン回転制御手段によって前記エンジンの回転速度が低下可能な場合には、そのエンジンの回転速度が予め設定された過回転速度の領域に入らない範囲でより高回転速度とされ得るように、そのエンジンの回転速度の低下開始時点を学習制御するものである。
【0020】
【第3発明の効果】
このようにすれば、前記エンジン回転制御手段によって前記回転機を作動させて前記エンジンの回転速度が低下可能な場合には、前記学習制御手段によってそのエンジンの回転速度が予め設定された過回転速度の領域に入らない範囲でより高回転速度とされ得るように、そのエンジンの回転速度の低下開始時点が学習制御されるので、エンジン回転速度がより高回転で変速が実行される。この結果、エンジンの動力性能が過回転領域に入らない範囲で最大限に発揮されて、加速性能が向上する。
【0021】
【第3発明の他の態様】
ここで、好適には、前記学習制御手段は、前記エンジンの回転速度の低下開始時の実際のエンジン回転速度が予め設定された過回転速度から余裕回転速度を差し引いた目標のエンジン回転速度と一致するように、前記エンジンの回転速度の低下開始時点を学習制御するものである。このようにすれば、学習制御手段によってエンジン回転速度の低下開始の時点が好適に学習制御されるので、エンジン回転速度がより高回転で変速が実行される。
【0022】
また、好適には、前記学習制御手段は、前記エンジンの回転速度に基づいてそのエンジンの回転速度の低下開始時点を定めるための起点を学習制御するものであり、変速過程における前記エンジンの最大回転速度が前記目標のエンジン回転速度と比較して低ければ遅延するように前記起点を学習制御する。このようにすれば、学習制御手段によってエンジン回転速度の低下開始の時点が好適に学習制御される。
【0023】
また、好適には、前記学習制御手段は、前記車両の速度に基づいて前記エンジンの回転速度の低下開始時点を定めるための起点を学習制御するものであり、変速過程における前記エンジンの最大回転速度が前記目標のエンジン回転速度と比較して低ければ高車速側へ移動するように前記起点を学習制御する。このようにすれば、学習制御手段によってエンジン回転速度の低下開始の時点が好適に学習制御される。
【0024】
また、好適には、前記学習制御手段は、前記エンジンの回転速度の低下開始時点を定めるための起点から遅延時間だけ経過した時点を新たな起点として前記エンジンの回転速度の低下開始時点を定めるものである。このようにすれば、学習制御手段によってエンジン回転速度の低下開始の時点が好適に学習制御される。
【0025】
また、好適には、前記学習制御手段は、前記遅延時間を学習制御するものであり、変速過程における前記エンジンの最大回転速度が前記目標のエンジン回転速度と比較して低ければ長くなるように前記遅延時間を学習制御する。このようにすれば、学習制御手段によってエンジン回転速度の低下開始の時点が好適に学習制御されるので、エンジン回転速度がより高回転で変速が実行される。
【0026】
【発明の好適な実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0027】
図1は、本発明が適用されたハイブリッド車両の動力伝達装置8の構成を説明する骨子図である。図1において、内燃機関にて構成されている走行用駆動力源としてのエンジン10の出力は、入力クラッチ12、流体式動力伝達装置としてのトルクコンバータ14を経て自動変速機16に入力され、図示しない差動歯車装置および車軸を介して駆動輪へ伝達されるようになっている。上記入力クラッチ12とトルクコンバータ14との間には、エンジン10に連結される回転機として電動モータおよび発電機として機能する第1モータジェネレータMG1が配設されている。上記トルクコンバータ14は、入力クラッチ12に連結されたポンプ翼車20と、自動変速機16の入力軸22に連結されたタービン翼車24と、それらポンプ翼車20およびタービン翼車24の間を直結するためのロックアップクラッチ26と、一方向クラッチ28によって一方向の回転が阻止されているステータ翼車30とを備えている。
【0028】
上記自動変速機16は、ハイおよびローの2段の切り換えを行う第1変速部32と、後進変速段および前進4段の切り換えが可能な第2変速部34とを備えている。第1変速部32は、サンギヤS0、リングギヤR0、およびキャリアK0に回転可能に支持されてそれらサンギヤS0およびリングギヤR0に噛み合わされている遊星ギヤP0から成るHL遊星歯車装置36と、サンギヤS0とキャリアK0との間に設けられたクラッチC0および一方向クラッチF0と、サンギヤS0およびハウジング38間に設けられたブレーキB0とを備えている。
【0029】
第2変速部34は、サンギヤS1、リングギヤR1、およびキャリアK1に回転可能に支持されてそれらサンギヤS1およびリングギヤR1に噛み合わされている遊星ギヤP1から成る第1遊星歯車装置40と、サンギヤS2、リングギヤR2、およびキャリアK2に回転可能に支持されてそれらサンギヤS2およびリングギヤR2に噛み合わされている遊星ギヤP2から成る第2遊星歯車装置42と、サンギヤS3、リングギヤR3、およびキャリアK3に回転可能に支持されてそれらサンギヤS3およびリングギヤR3に噛み合わされている遊星ギヤP3から成る第3遊星歯車装置44とを備えている。
【0030】
上記サンギヤS1とサンギヤS2は互いに一体的に連結され、リングギヤR1とキャリアK2とキャリアK3とが一体的に連結され、そのキャリアK3は出力軸46に連結されている。また、リングギヤR2がサンギヤS3および中間軸48に一体的に連結されている。そして、リングギヤR0と中間軸48との間にクラッチC1が設けられ、サンギヤS1およびサンギヤS2とリングギヤR0との間にクラッチC2が設けられている。また、サンギヤS1およびサンギヤS2の回転を止めるためのバンド形式のブレーキB1がハウジング38に設けられている。また、サンギヤS1およびサンギヤS2とハウジング38との間には、一方向クラッチF1およびブレーキB2が直列に設けられている。この一方向クラッチF1は、サンギヤS1およびサンギヤS2が入力軸22と反対の方向へ逆回転しようとする際に係合させられるように構成されている。
【0031】
キャリアK1とハウジング38との間にはブレーキB3が設けられており、リングギヤR3とハウジング38との間には、ブレーキB4と一方向クラッチF2とが並列に設けられている。この一方向クラッチF2は、リングギヤR3が逆回転しようとする際に係合させられるように構成されている。
【0032】
以上のように構成された自動変速機16では、例えば図2に示す作動表に従って後進1段および変速比γ(入力軸22の回転速度NIN/出力軸46の回転速 度NOUT) が順次異なる前進5段(1st〜5th)の変速段のいずれかに切り換えられる。図2において「○」は係合で、空欄は解放を表し、「◎」はエンジンブレーキや第1モータジェネレータMG1の回生制動による駆動力源ブレーキ時の係合を表し、「△」は動力伝達に関与しない係合を表している。前記クラッチC0〜C2、およびブレーキB0〜B4は何れも油圧アクチュエータによって係合させられる油圧式の摩擦係合装置である。この図2から明らかなように、第2速ギヤ段と第3速ギヤ段との間は、ブレーキB2およびブレーキB3の一方が解放させられると同時に他方が係合させられることにより達成される所謂クラッチツウクラッチ変速である。
【0033】
図3に示すように、前記エンジン10の吸気配管50および排気管52には、排気タービン式過給機54が設けられており、排気管52には、ウェイストゲート弁56を有するバイパス通路58が並列に設けられて、そのバイパス通路58を流通する排気ガスの流量を制御することにより、タービン回転を変化させて吸気配管50内の過給圧を調節できるようになっている。吸気配管50には、スロットルアクチュエータ60によって開閉制御される電子スロットル弁62が設けられている。電子スロットル弁62は、基本的には図7に示すように運転者の出力要求量を表すアクセル操作量ACCに対応する開度θTHとなるように制御される。
【0034】
また、エンジン10では、図4に示すような、各気筒にそれぞれ設けられている吸気弁74および排気弁75が、その開閉時期、開閉期間、リフト量などが後述の電子制御装置からの指令に従って電気的に制御される開閉制御弁すなわち電磁駆動弁から構成されている。エンジン10は、吸気弁74および排気弁75とそれ等を開閉駆動する電気的アクチュエータである電磁アクチュエータ76および77とを含む可変動弁機構78と、クランク軸79の回転角を検出するクランク軸回転角センサ80からの信号に従って上記吸気弁74および排気弁75の開閉タイミングやリフト量、作動角(開閉速度)を制御する弁駆動制御装置81とを備えている。この弁駆動制御装置81は、エンジン負荷に応じて開閉タイミングなどを最適時期に変更するだけでなく、運転サイクル切換え指令に従ってエンジン10を4サイクル運転させるための時期および2サイクル運転させるための時期となるように制御する。また、吸気弁74および排気弁75の作動タイミングを変更したり、作動気筒数を変更したりすることにより、エンジン自身でエンジン回転速度NEを制御することが可能であり、例えば吸気弁74を閉じたまま排気弁75を通常の制御に従って開閉することにより、ピストンの圧縮仕事で回転抵抗を発生させて回転エネルギーを消費させることによりエンジン回転速度NEを強制的に速やかに低下させることができるとともに、吸気弁74の開度を制御してエンジン回転速度NEの変化率を調整することができる。上記電磁アクチュエータ76および77は、たとえば図5に示すように、吸気弁74または排気弁75に連結されてその吸気弁74または排気弁75の軸心方向に移動可能に支持された磁性体製の円盤状の可動部材82と、その可動部材82を択一的に吸着するためにそれを挟む位置に設けられた一対の電磁石84、85と、可動部材82をその中立位置に向かって付勢する一対のスプリング86、87とを備えている。吸気弁74および排気弁75は、電気的に開閉制御可能な電動開閉弁に相当する。
【0035】
前記第1モータジェネレータMG1はエンジン10と自動変速機16との間に配置され、入力クラッチ12はエンジン10と第1モータジェネレータMG1との間に配置されている。上記自動変速機16の各油圧式摩擦係合装置およびロックアップクラッチ26は、電動油圧ポンプ64から発生する油圧を元圧とする油圧制御回路66により制御されるようになっている。また、エンジン10には回転機として電動モータ或いは発電機として機能する第2モータジェネレータMG2が作動的に連結されている。そして、第1モータジェネレータMG1および第2モータジェネレータMG2の電源として機能する燃料電池70および二次電池71と、それ等から第1モータジェネレータMG1および第2モータジェネレータMG2へ供給される電流を制御したり或いは充電のために二次電池71へ供給される電流を制御するための電源切換スイッチ72および73とが設けられている。この電源切換スイッチ72および73は、スイッチ機能を有する装置を示すものであって、例えばインバータ機能などを有する半導体スイッチング素子などから構成され得るものである。
【0036】
図6は、本実施例の動力伝達装置8が備えている制御系統を説明するブロック線図である。図6において、電子制御装置90に入力される信号およびその電子制御装置90から出力される信号を例示したものである。たとえば、電子制御装置90には、アクセル操作量センサにより検出されたアクセルペダルの操作量であるアクセル開度ACCを表すアクセル開度信号、スロットル弁開度センサにより検出されたスロットル弁62の開度θTHを表すスロットル開度信号、出力軸回転速度センサ47により検出された出力軸46の回転速度NOUTすなわち車速Vに対応する車速信号、タービン回転速度センサ91により検出されたタービン回転速度NT(=入力軸22の回転速度NIN)を表す信号、エンジン回転速度センサにより検出されたエンジン回転速度NEを表す信号、吸気配管50内の過給圧Paを表す信号、空燃比A/Fを表す信号、シフトレバー92の操作位置PSHを表す信号、変速機16の作動油温度すなわちAT油温TOILなどが図示しないセンサから供給されている。また、電子制御装置90からは、アクセル開度ACCに応じた大きさのスロットル開度θTHとするためのスロットルアクチュエータ60を駆動する信号、燃料噴射弁からエンジン10の気筒内へ噴射される燃料の量を制御するための噴射信号、自動変速機16のギヤ段を切り換えるために油圧制御回路66内のシフト弁を駆動するシフトソレノイドを制御する信号S1、S2、S3、ロックアップクラッチ26の係合、解放、スリップ量、ブレーキB3の直接制御、およびクラッチツウクラッチ変速を制御するリニヤソレノイド弁SLUを駆動するための指令信号DSLU、スロットル弁62の開度θTHに対応した大きさのスロットル圧PTHを発生させるリニヤソレノイド弁SLTを駆動するための指令信号DSLT、アキュム背圧を制御するためのリニヤソレノイド弁SLNを駆動する指令値信号DSLNをそれぞれ出力させる。
【0037】
上記電子制御装置90は、CPU、ROM、RAM、入出力インターフェースなどから成る所謂マイクロコンピュータを含んで構成されており、RAMの一時記憶機能を利用しつつROMに予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行うことにより、基本的にはたとえば図7に示す予め記憶された関係から実際のアクセル開度ACC(%)に基づいてスロットル開度θTH(%)を制御するスロットル開度制御、自動変速機16のギヤ段を自動的に切り換える変速制御、ロックアップクラッチ26の係合、解放、或いはスリップを実行する制御、過給圧制御、空燃比制御、気筒選択切換制御、運転サイクル切換制御などを実行する。たとえば、上記変速制御では、たとえば図8に示す予め記憶された関係すなわち変速線図から実際のアクセル開度ACC(%)またはスロットル開度θTH(%)と車速V(km/h)とに基づいて自動変速機16の変速段を決定し、この決定された変速段および係合状態が得られるように油圧制御回路66の電磁弁S1、S2、S3を駆動し、エンジンブレーキを発生させる際には電磁弁S4を駆動する。上記図8の変速線図における変速線は、実際のアクセル開度ACC(%)またはスロットル開度θTH(%)を示す横線上において実際の車速Vが線を横切ったか否かすなわち変速線上の変速を実行すべき値(変速点車速)VSを越えたか否かを判断するためのものであり、上記値VSすなわち変速点車速の連なりとして予め記憶されていることにもなる。この変速制御の過程では、自動変速機16の入力トルクTINを推定し、変速に関与する油圧式摩擦係合装置の係合圧またはその元圧であるライン圧をその入力トルクTINに応じた大きさに制御する。ロックアップ状態変更制御では、予め記憶された関係から実際の車両走行状態を表す車速V(出力側回転速度NOUTに対応)と運転者の要求出力量を表すアクセル開度ACCまたはスロットル開度θTH(%)とに基づいて、係合領域、解放領域、スリップ領域のいずれに属するかを判定し、その判定された領域に対応する状態が得られるように油圧制御回路66内のロックアップコントロールソレノイドを制御してロックアップクラッチ26を係合、解放、或いはスリップのいずれかの状態とする制御を実行する。また、上記気筒選択切換制御では、燃費を良くするために軽負荷走行になると作動気筒数を減少させたり、可変動弁機構78の作動が異常判定された気筒の作動を停止させたりする。
【0038】
図9において、前記シフトレバー92を備えたシフト操作装置94は例えば運転席の横に配設されており、そのシフトレバー92は、自動変速機16の出力軸46をロックするための駐車位置P、後進走行のための後進走行位置R、自動変速機16内の動力伝達経路が遮断された中立状態とする中立位置N、自動変速モードで第1速ギヤ段乃至第5速ギヤ段の範囲で自動変速される前進走行位置D(最高速レンジ位置)、第1速ギヤ段乃至第4速ギヤ段の範囲で自動変速され且つ各ギヤ段でエンジンブレーキが作用させられる第4エンジンブレーキ走行位置4、第1速ギヤ段乃至第3速ギヤ段の範囲で自動変速され且つ各ギヤ段でエンジンブレーキが作用させられる第3エンジンブレーキ走行位置3、第1速ギヤ段乃至第2速ギヤ段の範囲で自動変速され且つ各ギヤ段においてエンジンブレーキが作用させられる第2エンジンブレーキ走行位置2、第1速ギヤ段で走行させられ且つエンジンブレーキが作用させられる第1エンジンブレーキ走行位置Lへそれぞれ操作可能に設けられている。上記シフト操作装置94には、シフトレバー92の各操作位置を検出するための図示しないスイッチが備えられており、そのシフトレバー92の操作位置PSHを表す信号を電子制御装置90へ出力する。上記シフト操作装置94には、スポーツ走行などのためのマニアル変速モードへ切り換えるためのモード切換スイッチ96が設けられている。このモード切換スイッチ96によってマニアル変速モードが選択されると、図示しないステアリングホイールに設けられた手動変速操作釦が有効化される。
【0039】
図10は、前記油圧制御回路66の要部すなわち第2速ギヤ段と第3速ギヤ段との間のクラッチツウクラッチ変速制御に関連する部分を示す図で、1−2シフト弁100、2−3シフト弁102、3−4シフト弁104、B2リリース弁106、B3コントロール弁108、リレー弁110、およびB2アキュムレータ112が配設されており、前記電磁弁S1〜S4およびリニアソレノイド弁SLU、SLN、SLT等により制御される。
【0040】
B3コントロール弁108は、ブレーキB3の油圧PB3が図の上向きに印加され、それとは逆の下向きにリニアソレノイド制御圧PSLUが印加されて、それ等の圧力に応じてブレーキB3の油圧PB3を調圧するスプール114と、そのスプール114と同軸的に配設され、ブレーキB2を係合させてブレーキB3を解放する2→3変速時に、ブレーキB2の油圧PB2が図の上向きに印加され、少なくとも2→3変速時にリニアソレノイド制御圧PSLUが下向きに印加されるプランジャ116とを備え、ブレーキB2の油圧PB2の印加でプランジャ116がスプール114に当接してスプール114と連動作動する構成とされている。B3コントロール弁108には、2→3変速時に切換え操作されない1−2シフト弁100を介してDレンジ圧PDが供給され、これを元圧として油圧PB3が調圧される。また、B3コントロール弁108とブレーキB3との間には、ブレーキB2からの油圧PB2によって制御されるリレー弁110が配設されている。
【0041】
シフトレバー92によって機械的に切り換えられる図示しないマニュアルシフト弁に接続されたDレンジ圧油路118は、1−2シフト弁100を経て分岐し、一方の油路118aは、2−3シフト弁102経由でリレー弁110に接続され、そのリレー弁110を経由してブレーキB3の油路120に接続されている。分岐した他方の油路118bは、3−4シフト弁104、B2リリース弁106、および油路118cを経てB3コントロール弁108のインポート122に接続され、そのB3コントロール弁108から油路124を経てリレー弁110に接続されている。
【0042】
マニュアルシフト弁に接続された別のDレンジ圧油路126は、2−3シフト弁102を経て分岐し、一方の油路126aは、オリフィスを経てブレーキB2の油路128に接続されている。この油路128は、B2リリース弁106、バイパス油路134、およびチェック弁経由で油路126aに接続されるとともに、オリフィスを経てB2アキュムレータ112に接続されている。
【0043】
3−4シフト弁104は、上記油路118b、126bの連通および遮断の他に、電磁弁S3の信号圧PS3をB2リリース弁106のスプール端へ印加するため、油路130を介してB2リリース弁106に接続されている。
【0044】
B2リリース弁106は、ブレーキB2の解放終期にB2アキュムレータ112の油圧のドレーンを迅速化するバイパス回路を形成すべく設けられており、スプリング負荷されたスプール132を有し、前記3−4シフト弁104経由の電磁弁S3の信号圧PS3がスプール132端に印加されて、バイパス油路134と油路128との連通および遮断、前記Dレンジ圧油路118bから油路118cへの連通またはプランジャ136端の信号ポートに接続された油路118dへの連通の切換え、並びに他のDレンジ圧油路118aから分岐する油路118eと油路118cとの連通および遮断を行う。したがって、B3コントロール弁108のインポート122へは、1−2シフト弁100、2−3シフト弁102、B2リリース弁106を経由する油路118a、118e、および118cの経路、および1−2シフト弁100、3−4シフト弁104、B2リリース弁106を経由する油路118bおよび118cの経路の2経路でDレンジ圧PDが供給される。
【0045】
B3コントロール弁108は、フィードバック信号圧インポート138を経てスプール114に印加されるフィードバック圧により、スプール114に設けられた2つのランドの一方でインポート122を開閉するとともに他方でドレーンポートEXを開閉し、アウトポート139に連なる油路124の油圧PB3を調圧する構成とされている。これにより、ブレーキB3のトルク容量を確保するために、B3コントロール弁108は、1→2、2→1、および3→2変速時は、リニアソレノイド制御圧PSLUの油圧制御範囲で油圧PB3を調圧する。また、スプール114と同軸的に配設されたプランジャ116は差動ピストン形状とされ、径差部にリニアソレノイド制御圧PSLU、端面に2−3シフト弁102を介してブレーキB2の油路128に連なる油路128aの油圧PB2が印加されて、スプール114に当接・離反可能なストローク域を有する構成とされている。このB3コントロール弁108には、更にスプール114へのスプリング負荷を変更するプランジャ136がプランジャ116と反対側に設けられており、そのプランジャ136の端面には前記油路118d、B2リリース弁106、および油路118b経由でライン圧を元圧とするDレンジ圧PDの印加および解放が可能とされている。これにより、2→3変速時には、B3コントロール弁108に作用されるブレーキB2の油圧PB2に対して一定の関係で油圧PB3が調圧され、ブレーキB3のトルク容量が確保されつつ減少させられる。
【0046】
リレー弁110は、スプリング負荷されたスプール型の切換弁により構成され、スプリングによって付勢された側のスプールの端面に油路128の油圧PB2が、また、スプールの他方の端面にライン圧PLが対向して印加され、そのスプリングの付勢力および油圧PB2に基づく推力とライン圧PLに基づく推力とによるバランスによってスプール位置が決められることにより、ブレーキB3の油路120と油路118aおよび124との連通を切り換える。
【0047】
図11は、前記電子制御装置90が備えている制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。図において、変速制御手段140は、たとえば図8に示す予め記憶された変速線図から実際の車速Vおよびスロットル弁開度θTH(エンジン負荷)に基づいて自動変速機16の変速段を決定し、この決定された変速段および係合状態が得られるように油圧制御回路66の電磁弁S1、S2、S3を駆動し、エンジンブレーキを発生させる際には電磁弁S4を駆動する。この変速制御の過程では、推定された自動変速機16の入力トルクTINに基づいて変速に関与する油圧式摩擦係合装置の係合圧またはその元圧であるライン圧がその入力トルクTINに応じた大きさに制御される。図12は変速制御手段140によるたとえば2速ギヤ段から3速ギヤ段へのクラッチツウクラッチ変速における作動を説明するタイムチャートである。図において、ブレーキB3を解放すると同時にブレーキB2を係合させて第3速ギヤ段を成立させる。すなわち、2−3シフト弁102が第2変速段側から第3変速段側へ切り替えられると、Dレンジ圧PDのブレーキB2への供給が開始されるとともにB2油圧PB2が上昇させられてブレーキB2の係合が開始される一方、B3コントロール弁108により調圧されてリレー弁110を介してブレーキB3に供給されていたB3油圧PB3が、そのブレーキB3からリレー弁110および2−3シフト弁102を介して排出され始める。ブレーキB2の油圧PB2は、過渡的にB2アキュムレータ112によって徐々に上昇させられる。このとき、油路128の油圧PB2の上昇に伴って、リレー弁110が第2速側から第3速側へゆるやかに切り換えられ、ブレーキB3からの作動油が降圧される。リレー弁110は、スプリングの付勢力およびB2油圧PB2に基づく推力とライン圧PLに基づく推力とが平衡する位置にスプールが位置させられるように構成されているので、ライン圧PLが自動変速機16の入力トルクTINに応じた大きさに調圧される結果、入力トルクTINが大きいほどすなわちライン圧PLが大きいほど、上記ブレーキB3の係合トルクの低下が遅らされる。このライン圧PLは、たとえば2→3アップシフトでは、その値が高くなるほど、上記ブレーキB3の係合トルクの低下を抑制し、且つブレーキB2の係合油圧PB2の上昇とを促進する影響を与えるので、その2→3アップシフトのイナーシャ相においては、たとえば図12に示されるようにエンジン回転速度NEが直線的に低下するように調圧させられる。上記ライン圧PLは、通常はリニヤソレノイド弁SLT から出力されるスロットル圧PTHに応じた大きさとなるように図示しないライン圧調圧弁により調圧されるが、変速過渡期間では、上記のように調圧される。
【0048】
また、上記変速制御手段140は、後述する学習制御手段152によって変速過程ではたとえば図12に示すようなエンジン回転速度NE或いはタービン回転速度NTの一時的急上昇である吹きF或いはタイアップの発生を抑制するように学習制御された油圧式摩擦係合装置の係合圧に基づいて変速油圧の制御を実行する。
【0049】
全開アップ変速開始判定手段142は、アクセル或いはスロットルが全開(WOT)時すなわち図示しないアクセル操作量センサにより検出されたアクセルペダルの操作量であるアクセル開度ACCを表すアクセル開度信号が、アクセル全開とされる判定値、或いは図示しないスロットル弁開度センサにより検出されたスロットル弁62の開度θTHを表すスロットル開度信号がスロットル全開とされる判定値以上であると判定されるときにアップ変速が開始されたか否かに基づいて、全開アップ変速開始か否かを判定する。たとえば図8に示す変速線(実線)のうちスロットル弁開度θTHが100%である部分に車速が到達したか否かを判定する。
【0050】
回転機使用可判定手段144は、エンジン10において回転機すなわち前記第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2を作動させて前記エンジン10の回転速度NEの低下が可能な状態であるか否かを、たとえば前記第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の機械的或いは電気的故障、電源切換スイッチ72および73などの故障などの発生に基づいて、第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2を作動させて、発電すなわち前記二次電池71への充電のための制御が可能な状態であるか否かを判定する。
【0051】
エンジン回転制御手段146は、エンジン10の回転速度NEを低下するために、一時的に前記第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の発電電力によって前記二次電池71に充電が行われるように前記電源切換スイッチ72および73にエンジン減速指令Eを出力して、エンジン10の運動エネルギーを第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の回転運動に変換して発電を行ないエンジン10の運動エネルギーを減少させる。すなわち、このエンジン減速指令Eは、第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の回転抵抗によってエンジンの回転速度NEを減速させるエンジン回転速度低下操作量に対応するものである。上記エンジン回転制御手段146はアップ変速が判定されるとエンジン回転速度NEを変速後のエンジン回転速度NEAに低下制御するものである。また、上記エンジン回転制御手段146は、前記変速制御手段140による変速過程で発生される図12に示すようなエンジン回転速度NE或いはタービン回転速度NTの一時的急上昇である吹きFを抑制するために、前記第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2を制御するように前記電源切換スイッチ72および73に指令を出し、第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の回転抵抗を発生させることによりエンジン回転速度NEを積極的に低下させて上記吹きFを減少させる。
【0052】
変速線変更手段148は、回転機使用可判定手段144によって前記第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2を作動させて前記エンジン10の回転速度NEの低下が可能な状態であるか否かに基づいて、可能である場合と可能でない場合とで前記自動変速機16の変速制御に用いられる変速線を変更(選択)する。たとえば、図13の点線に示す変速線Aが前記エンジン10の回転速度NEの低下が可能でない場合に用いるための変速線の設定例であり、図13の実線に示す変速線Bが前記エンジン10の回転速度NEの低下が可能な場合に用いるために変速線Aよりも高車速側に設定された変速線の例である。この図13の変速線Aは、図8に示した変速線図のアップ変速に用いられる変速線(実線)のうちの2→3アップ変速に用いられるものでありスロットル弁開度θTHが全開(100%)に対応する一部分を示している。図13の変速線Bは変速線Aに比較して、第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2が使用可能の場合であるのでエンジン回転速度NEの低下が速やかに実行されて変速応答性が良いのでより高車速側に設定される。
【0053】
トルクダウン制御手段150は、前記変速制御手段140による変速過程で発生される図12に示すようなエンジン回転速度NE或いはタービン回転速度NTの一時的急上昇である吹きFを抑制するために、一時的に燃料噴射弁からエンジン10の気筒内へ噴射される燃料の量を減少させたり、エンジン10の点火時期を遅角させたり或いはスロットルアクチュエータ60によってスロットル開度θTHを閉じたりする信号を図示しないトルク低下装置へ出力して、エンジン回転数NEを減少させる。
【0054】
学習制御手段152は、油圧学習制御手段154と変速線学習制御手段156とを備えており、前記変速制御手段140による前記自動変速機16の変速制御においてたとえば変速過程で発生する吹きFを抑制するために油圧式摩擦係合装置の係合圧を学習制御したり、自動変速機16の変速時にエンジン回転速度が過回転領域に入らない範囲でより高回転で変速を実行するためにたとえば図13に示した変速線を学習によって変更制御する。
【0055】
上記油圧学習制御手段154は、たとえば図12に示す前記自動変速機16のクラッチツウクラッチ変速において油圧式摩擦係合装置の解放側と係合側との係合トルクの重なり具合が小さいこと(アンダーラップ)により発生する吹きFや解放側と係合側との係合トルクの重なり具合が大きいこと(オーバーラップ)により発生するタイアップ状態を抑制するために、油圧式摩擦係合装置の係合圧の学習制御を実行する。具体的には、たとえば特開平9−257123号公報に記載された技術、すなわち解放側油圧式摩擦係合装置を解放するためにその係合圧を制御する油圧信号SPB3Aにおいて図12のt1時点で元圧すなわち油圧式摩擦係合装置の係合圧が最大となるライン圧PLより低い所定の値SPB3ADを設定してその値SPB3ADを学習制御することで吹きFやタイアップ状態を防止してクラッチツウクラッチ変速が良好に実行される技術が用いられる。たとえば、2→3アップシフトにおいてブレーキB3の係合圧PB3が低いことによる吹きFの発生がある場合は、ブレーキB3の係合圧PB3が高くされるように上記信号SPB3ADが高い値に設定される。また、たとえば特開平10−196778号公報に記載された技術、すなわち解放側油圧式摩擦係合装置の係合圧を漸減させるときの油圧残量や係合側油圧式摩擦係合装置の係合圧を漸増させるときの開始時間やその係合圧等を吹きFやタイアップ状態が防止されるように複数の学習制御によって前記自動変速機16の油圧制御が実行される場合に、いずれかの学習制御によって吹きFやタイアップ状態が所定値に収束された場合には、他の学習制御を禁止する等して全体としての学習制御の進行が速やかに実行される技術が用いられてもよい。さらに、たとえば特開2001−65679号公報に記載された技術、すなわちアクセルOFF時のアップシフトが適切に行われるようにするために(a) 入力回転速度NINがアップシフト後の推定入力回転速度NINPと同期するタイミングに合わせて油圧式摩擦係合装置が適切に係合されるために、その油圧式摩擦係合装置の油圧シリンダのピストンストロークに要する予め記憶された時間と入力回転速度NINがアップシフト後の推定入力回転速度NINPと同期するまでの推定同期所要時間とが比較されて上記油圧式摩擦係合装置が作動されるための油圧の供給開始時間が制御されたり、(b) アクセルOFF時にエンジンブレーキ状態となり減速されることが防止されるために、アクセルON時に前記自動変速機16が駆動状態とされるための油圧式摩擦係合装置がアクセルOFF時に解放されることでエンジンブレーキを発生させず減速が防止され、またアクセルOFF時に解放された上記油圧式摩擦係合装置がアクセルON時に速やかに係合されるように、その油圧式摩擦係合装置の係合圧を油圧式摩擦係合装置の係合が開始されない程度の所定の係合圧(低圧待機圧)で保持されるように制御される技術が用いられてもよい。
【0056】
また、前記油圧学習制御手段154は、吹きFの発生を抑制するために上記に示した前記自動変速機16の油圧式摩擦係合装置の係合圧を学習制御することに替えて、吹きFの発生を抑制するために前記トルクダウン制御手段150或いは前記回転機使用可判定手段144によって前記第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2を作動させてエンジン回転速度NEが低下させられると判定された場合にはエンジン回転制御手段146によって、エンジン回転速度NEを低下させて吹きFの発生を抑制して、そのエンジン回転速度NEの低下量(低下操作量)すなわちその吹きFの発生量に基づいて次回の変速に用いられる前記自動変速機16の油圧式摩擦係合装置の係合圧を学習制御する。ここでのエンジン回転制御手段146によるエンジン回転速度NEの低下は、吹きFの発生を抑制するためだけに実行されるものであって、変速前のエンジン回転速度NEBから変速後のエンジン回転速度NEAに低下制御するために実行されるものとは各々独立して実行される。
【0057】
以下に、エンジン回転制御手段146によって吹きFの発生を抑制した場合の前記油圧学習制御手段154による前記油圧式摩擦係合装置の係合圧の学習制御をたとえば2→3アップ変速を一例として説明する。油圧学習制御手段154は、前記吹きFの大きさが過大とならないように、前記エンジン回転速度NEの低下量(低下操作量に対応)に応じて、次回のクラッチツウクラッチアップ変速時のブレーキB3の係合圧PB3とブレーキB2の係合圧PB2を補正する。たとえば図14の(a) および(b) に示す予め記憶された関係(データマップ)から、上記エンジン回転速度低下操作量に対応する回転機での変更量▲1▼、▲2▼、▲3▼、▲4▼、▲5▼のいずれかとスロットル開度▲1▼、▲2▼、▲3▼、▲4▼、▲5▼、▲6▼のいずれかとに基づいて、ブレーキB3の係合圧PB3に対する油圧補正量(油圧学習)PB311乃至PB356のいずれかと、ブレーキB2の係合圧PB2に対する油圧補正量PB211乃至PB256のいずれかとをそれぞれ決定し、決定された油圧補正量すなわち学習補正値を前回のブレーキB3の係合圧PB3およびブレーキB2の係合圧PB2に加えたり(吹きFが目標値より大きいとき)或いは差し引いたり(吹きFが目標値より小さくタイアップ傾向のとき)することにより、次回のクラッチツウクラッチアップ変速時のブレーキB3の係合圧PB3とブレーキB2の係合圧PB2を全体的に補正する。
【0058】
上記回転機での変更量▲1▼、▲2▼、▲3▼、▲4▼、▲5▼は、第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の回転抵抗すなわち発電量を大きくしてエンジン回転速度NE を積極的に低下させる低下量を多くするエンジン回転速度低下操作量を示し、スロットル開度▲1▼、▲2▼、▲3▼、▲4▼、▲5▼、▲6▼も、順次大きくなるスロットル開度θTHを示しており、図14の(a) および(b) に示す関係は、エンジン回転速度低下操作量が大きくなるほど、またスロットル開度θTH大きくなるほど、油圧補正量すなわち学習油圧が大きくなるように、換言すれば、吹きFが小さくなるように、予め実験的に求められたものである。また、スロットル開度▲6▼はスロットル開度が全開時に相当する。
【0059】
また、図15は前記油圧学習制御手段154において用いられる予め記憶された関係の他の例を示す図であり、図15(a) および(b) は図14の(a) および(b) に対応している。図15(a) および(b) に示される関係は、連続的な線型の函数であり、図14の(a) および(b) と同様に、回転速度変化量すなわちエンジン回転速度低下操作量が大きくなるほど、解放側係合圧たとえばブレーキB3の係合圧PB3の油圧補正量および係合側油圧たとえばブレーキB2の係合圧PB2の油圧補正量すなわち学習油圧が大きくなるように、換言すれば、吹きFが小さくなるように、予め実験的に求められたものである。
【0060】
また、前記トルクダウン制御手段150によって吹きFの発生を抑制した場合の制御量はエンジン回転制御手段146によって吹きFの発生を抑制した場合の前記エンジン回転速度NEの低下量(低下操作量)に相当することになるので、上記トルクダウン制御手段150によって吹きFの発生を抑制した場合でも、前記油圧学習制御手段154は図14の(a) および(b) に示す予め記憶された関係(データマップ)を用いて、次回のクラッチツウクラッチアップ変速時のブレーキB3の係合圧PB3とブレーキB2の係合圧PB2を補正することができる。
【0061】
前記変速線学習制御手段156は、前記回転機使用可判定手段144の判定結果すなわち前記エンジン回転制御手段146による前記エンジン10の回転速度NEが低下させられるか否かに応じて、変速線の学習制御を変更する。以下に回転機使用可判定手段144の判定結果に応じた各々の学習制御を説明する。この変速線の学習制御は、回転機使用可判定手段144の判定結果に応じた変速パラメータたとえば変速線或いは油圧式摩擦係合装置の係合圧を学習制御することで、全開アップ変速において、エンジン回転速度NEが過回転領域に入らない範囲でより高回転側で変速が実行されて、動力性能すなわち加速性が向上するために実行するものである。
【0062】
前記回転機使用可判定手段144によって第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の使用ができないと判断された場合すなわちその第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2を作動させてエンジン10の回転速度NEが低下させられないと判定された場合の変速線の学習制御は、変速線変更手段148によって変更(選択)された、前記エンジン10の回転速度NEの低下が可能でない場合の変速線A(図13に示す点線A)を学習制御する。学習前の変速線Aに基づいて前記自動変速機16のアップ変速期間中において、車速が上記変速線Aに到達した時点を変速開始時点すなわちアップ変速に伴うエンジン回転速度NEの低下開始時点を定めるための起点として変速制御手段140よって、油圧制御回路66が駆動されるように指令信号が出力され、前記エンジン10の回転速度NEの最大エンジン回転速度NEMAXが予め設定された目標エンジン回転速度NE *と略一致するように上記変速線Aが学習制御される。上記目標エンジン回転速度NE *はエンジン回転速度NEが過回転領域に入らない範囲でより高回転で変速が実行されるために、前記油圧式摩擦係合装置のばらつきや変速応答性等に基づいた余裕回転速度分を考慮して最大となるように予め設定されている。この学習制御においては、前記自動変速機16は変速線Aに基づいて車速が変速線Aに到達したことで前記変速制御手段140による変速油圧制御が開始されるので、車速が変速線Aに到達したことが変速油圧制御の起点とされるが、エンジン回転速度NEが油圧制御開始値NESと略一致することが変速油圧制御の起点とされて、その油圧制御開始値NESを学習制御してもよい。
【0063】
次に、前記回転機使用可判定手段144によって前記第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の使用ができると判断された場合すなわちその第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2を作動させてエンジン10の回転速度NEが低下させられると判定された場合の変速線の学習制御は、変速線変更手段148によって変更(選択)された、前記エンジン10の回転速度NEの低下が可能である場合の変速線B(図13に示す実線B)を学習制御する。図16はアクセル或いはスロットル全開時のアップシフトの場合における上記エンジン回転制御手段146によるエンジン回転速度NEの低下制御量(回転速度変化量)と図13に示す変速線Bに対する学習値の関係を示している。アクセル或いはスロットル全開時のアップシフトにおいてエンジン回転速度NEを変速前のエンジン回転速度NEBから変速後のエンジン回転速度NEAに低下制御する場合にその低下量のすべてを上記エンジン回転制御手段146によるエンジン回転速度NEの低下制御量で賄えないときは、その変速線Bはそのエンジン回転速度NEの低下制御量に応じて高車速側或いは低車速側に移動させられるように学習値SHI12乃至SHI52に基づいて学習補正される。たとえば、エンジン回転速度NEの低下制御量(低下操作量)が少ない場合には、低車速側に移動される。また、エンジン回転速度NEの低下制御量が略零である場合は上記変速線Bは、図13に示す変速線Aに略一致されることになる。この学習制御では、上記エンジン回転制御手段146によるエンジン回転速度NEの低下操作量(▲1▼乃至▲5▼)に応じて、学習値(SHI12乃至SHI52)が複数の値に区別されて設けられることになる。
【0064】
また、同様に前記回転機使用可判定手段144によって第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の使用ができ前記エンジン10の回転速度NEが低下させられると判定された場合に上記変速線学習制御手段156の制御に替えて低下開始時点学習制御手段158が用いられる他の学習制御を以下に示す。図17は、第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の使用ができる場合すなわちそのその第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2を作動させてエンジン10の回転速度NEが低下させられる場合のアクセル全開時の2→3アップ変速作動を示すタイムチャートである。変速線Aに基づいて2→3アップ変速が判断された後(図17のt1時点)エンジン回転速度NEが低下指令判定値NEOVに達すると上記第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2を作動させて前記エンジン10の回転速度NEが低下させられるように上記エンジン回転制御手段146によって前記電源切換スイッチ72および73に低下指令Dが出力される(図17のt3時点)。エンジン回転速度NEは応答遅れ時間tRだけ遅れて最大エンジン回転速度NEMAXまで上昇した後低下を開始する(図17のt5時点)。その後エンジン回転速度NEは変速後(第3速ギヤ段)のエンジン回転速度NE3まで低下される(図17のt6時点)。この後変速後の変速段(第3速ギヤ段)が成立されるために係合側のブレーキB2の係合圧が上昇される。上記変速直前のエンジン回転速度NEMAXはエンジン回転速度NEの低下開始時点の値であり、変速前のエンジン回転速度NEの最大値でもある。また、上記低下指令判定値NEOVはエンジン回転速度NEの低下開始時点t5が定まる起点となる。このような自動変速機16の変速制御作動において上記低下開始時点学習制御手段158は、エンジン回転速度NEが予め設定された過回転速度NEPの領域に入らない範囲でより高回転で変速が実行されるために、最大エンジン回転速度NEMAXが上記過回転速度NEPから余裕回転速度NEYを差し引いた目標最大エンジン回転速度NEMAX *と略一致するように上記低下指令判定値NEOVを学習制御する。この場合は、最大エンジン回転速度NEMAXが目標最大エンジン回転速度NEMAX *と比較して低ければ、低下指令判定値NEOVが高くなるように学習制御される。上記余裕回転速度NEYは、上記低下指令Dが前記電源切換スイッチ72および73に出力されてから実際に前記第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2が作動されてエンジン回転速度NEが低下されるまでの応答遅れ時間tRにばらつきがあること等に基づいて予め設定された値である。
【0065】
また、上記低下開始時点学習制御手段158は上記のように上記低下指令判定値NEOVを学習によって変更する替わりに、上記低下指令判定値NEOVを一定としてその低下指令判定値NEOVにエンジン回転速度NEが到達した時点(図17のt3時点)から調整時間tFを設けて低下指令Dを出力するようにして、最大エンジン回転速度NEMAXが目標最大エンジン回転速度NEMAX *と略一致するように上記調整時間tFを学習制御してもよい。この場合は、最大エンジン回転速度NEMAXが目標最大エンジン回転速度NEMAX *と比較して低ければ、調整時間tFが長くなるように学習制御される。
【0066】
また、同じく上記低下開始時点学習制御手段158は上記のように上記低下指令判定値NEOVを学習によって変更する替わりに、変速線Aに基づいて変速判断を実行する一方で車速Vが変速線Bに到達した時点を、前記エンジン10の回転速度NEが低下させられるように上記エンジン回転制御手段146によって低下指令Dが出力される起点としてもよい。この場合は、最大エンジン回転速度NEMAXが目標最大エンジン回転速度NEMAX *と比較して低ければ、変速線Bが高車速側に移動するように学習制御される。
【0067】
図18は、前記電子制御装置90の制御作動の要部すなわち自動変速機16のスロットル全開時の2→3アップ変速における制御作動を説明するフローチャートである。図18において、前記全開アップ変速開始判定手段142に対応するステップ(以下、ステップを省略する)S1において、アクセル全開時すなわち図示しないアクセル操作量センサにより検出されたアクセルペダルの操作量であるアクセル開度ACCを表すアクセル開度信号がアクセル全開とされる判定値であると判定されるときのアップ変速が開始されるか否かがたとえば車速Vが図13に示す前記変速線Aに到達したか否かに基づいて判定される。この変速線Aは前記自動変速機16の油圧式摩擦係合装置の係合圧の切換えのみによる通常の変速で使用される図8のに示した変速線図のアップ変速に用いられる変速線(実線)のうちの2→3アップ変速に用いられるものでありスロットル弁開度が全開側の一部分を示している。このS1の判断が否定されると本ルーチンが終了させられるが、肯定される場合は、回転機使用可判定手段144に対応するS2において、回転機すなわち前記第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の使用が可能な状態であるか否かが判断される。また、上記S1の判断が肯定される場合は、前記変速制御手段140に対応する図19に示す変速油圧制御ルーチンHによって、油圧式摩擦係合装置の係合圧の切換えが実行される。上記S2の判断が肯定される場合は、S3乃至S5において前記第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2を使用してエンジン10の回転速度NEが低下され、その後変速線の学習制御が実施される。また、上記S2の判断が否定される場合は、S6乃至S9において油圧式摩擦係合装置の係合圧の切換えによる変速が実施され、その後変速線の学習制御が実施される。
【0068】
前記変速線変更手段148に対応する前記S3において、前記第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2を作動させて前記エンジン10の回転速度NEの低下が可能な場合に用いる図13の変速線Bが第1アップシフト線として設定される。この変速線Bは変速線Aに比較して、前記第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2が使用可能の場合であるのでエンジン回転速度NEの低下が速やかに実行されて変速応答性が良いのでより高車速側に設定されているものである。この結果アップシフトがより高車速側で実行されるので、たとえば2→3アップシフトの場合は第2速ギヤ段での加速性能が向上する。
【0069】
次いで、前記エンジン回転制御手段146に対応するS4において、予め設定された前記低下指令判定値NEOVにエンジン回転速度NEが達すると前記第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2を発電機として作動させるように前記電源切換スイッチ72および73に低下指令Dが出力されて(図17のt3時点)、第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の回転抵抗が発生させられてエンジン回転速度NE が積極的に低下させられエンジン回転速度NEが変速直前のエンジン回転速度NEMAX(図17のt5時点)から変速後のエンジン回転速度NEAに制御(低下)される。このS4が実行されているときには、同時に前記変速油圧制御ルーチンHが実行されていて、S4の終了とともに変速油圧制御ルーチンHも終了させられて変速が完了する(図17のt6時点)。このときエンジン回転速度NEの低下はエンジン回転制御手段146によって実行され、前記変速油圧制御ルーチンHで作動させられている変速制御手段140による前記油圧式摩擦係合装置の係合圧の切換えは変速に伴うギヤ段の切換えのみに関与して、上記油圧式摩擦係合装置の係合(スリップ)に伴うエンジン回転速度NE の低下には関与しない。
【0070】
次いで、前記変速線学習制御手段156の制御に替えて用いられる学習制御である低下開始時点学習制御手段158に対応するS5において、エンジン回転速度NEが予め設定された過回転速度NEPの領域に入らない範囲でより高回転で変速が実行されるために、最大エンジン回転速度NEMAXが上記過回転速度NEPから余裕回転速度NEYを差し引いた目標最大エンジン回転速度NEMAX *と略一致するように上記低下指令判定値NEOVが学習制御される。このとき、最大エンジン回転速度NEMAXが目標最大エンジン回転速度NEMAX *と比較して低ければ、低下指令判定値NEOVが高くなるように学習制御される。
【0071】
次に前記S2の判断が否定される場合のS6乃至S9の作動を説明する。前記変速線変更手段148に対応する上記S6において、第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2を作動させて前記エンジン10の回転速度NEの低下が可能でない場合に用いる図13の変速線Aが第2アップシフト線として設定される。
【0072】
次いで、前記変速制御手段140に対応するS7において、前記自動変速機16の油圧式摩擦係合装置の係合圧の切換えによるアップ変速が実行されて、エンジン回転速度NEが低下させられる。たとえば、2→3アップ変速においては、ブレーキB3の解放とブレーキB2の係合が実行されて第2速ギヤ段が成立させられる。このS7は、前記変速油圧制御ルーチンHで実行される制御作動と同一のものである。すなわち、S1の判断が肯定され、S2の判断が否定された場合は、S6乃至S7は上記変速油圧制御ルーチンHと同一の制御作動が実行されることとなる。
【0073】
次いで前記油圧学習制御手段154に対応するS8において、上記S7で実行された変速制御中に発生するたとえば図12に示すようなエンジン回転速度NEの吹きFや図示しないタイアップ状態を抑制するために、上記油圧式摩擦係合装置の係合圧が学習制御される。たとえば、2→3アップ変速において図12に示すような吹きFの発生が抑制されるように、解放側の油圧式摩擦係合装置であるブレーキB3の係合圧の低下が遅くなるようにその油圧信号SPB3ADが高くされるように学習制御される。また、上記吹きFの発生を抑制するために前記トルクダウン制御手段150によって、一時的に燃料噴射弁からエンジン10の気筒内へ噴射される燃料の量が減少されたり、エンジン10の点火時期が遅角されたり或いはスロットルアクチュエータ60によってスロットル開度θTHが閉じられたりする信号が図示しないトルク低下装置へ出力されて、エンジン回転数NEが減少されてもよい。このときトルクダウン制御手段150による吹きFを抑制するための制御量が大きいほどすなわち吹きFの発生が大きいほど次回の変速時のブレーキB3の係合圧PB3とブレーキB2の係合圧PB2の補正量が吹きFの発生を抑制するように大きくされる(図14参照)。
【0074】
次いで、前記変速線学習制御手段156に対応するS9において、前記自動変速機16のアップ変速期間中における前記エンジン10の回転速度NEの最大エンジン回転速度NEMAXが予め設定された目標エンジン回転速度NE *と略一致するように前記変速線Aが学習制御される。このとき、最大エンジン回転速度NEMAXが目標エンジン回転速度NE *と比較して低ければ、変速線Aが高車速側に移動するように学習制御される。この学習制御は、車速Vが上記変速線Aに到達した時点が変速開始時点すなわちアップ変速に伴うエンジン回転速度NEの低下開始時点を定めるための起点とされたが、エンジン回転速度NEが油圧制御開始判定値NESと略一致することが変速油圧制御の起点とされて、その油圧制御開始判定値NESが学習制御されるようにしてもよい。
【0075】
つぎに、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の説明において前述の実施例と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
【0076】
前述の実施例のS4において、前記吹きFの発生を抑制するために上記エンジン回転制御手段146によって、第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の少なくとも一方を制御するように前記電源切換スイッチ72および73に指令を出し、第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2の回転抵抗を発生させることによりエンジン回転速度NEを積極的に低下させて上記吹きFを減少させてもよい。また、上記エンジン回転制御手段146によるエンジン回転速度低下操作量に基づいて、前記油圧学習制御手段154によって次回の変速油圧制御ルーチンHが実行されるときの油圧式摩擦係合装置の係合圧を学習制御してもよい。たとえば図14の(a) および(b) に示す予め記憶された関係(データマップ)から、上記エンジン回転速度低下操作量に対応する回転機での変更量▲1▼、▲2▼、▲3▼、▲4▼、▲5▼のいずれかとスロットル開度▲1▼、▲2▼、▲3▼、▲4▼、▲5▼、▲6▼のいずれかとに基づいて、ブレーキB3の係合圧PB3に対する油圧補正量(油圧学習)PB311乃至PB356のいずれかと、ブレーキB2の係合圧PB2に対する油圧補正量PB211乃至PB256のいずれかとがそれぞれ決定され、決定された油圧補正量すなわち学習補正値が前回のブレーキB3の係合圧PB3とブレーキB2の係合圧PB2にそれぞれ加えたり(吹きFが目標値より大きいとき)或いは差し引いたり(吹きFが目標値より小さくタイアップ傾向のとき)することにより、次回のクラッチツウクラッチアップ変速時のブレーキB3の係合圧PB3とブレーキB2の係合圧PB2が全体的に補正される。また、上記エンジン回転制御手段146によって吹きFが抑制された時点では、油圧式摩擦係合装置の係合圧の油圧制御が実行されている途中なので、たとえば上記のブレーキB3の係合圧PB3に対する油圧補正量PB311乃至PB356或いはブレーキB2の係合圧PB2に対する油圧補正量PB211乃至PB256を用いて現在の変速に用いられているブレーキB3の係合圧PB3或いはブレーキB2の係合圧PB2が補正されてもよい。
【0077】
前述の実施例のS5において、前記低下開始時点学習制御手段158によって、前記低下指令判定値NEOVが学習制御されたが、上記低下指令判定値NEOVを一定としてその低下指令判定値NEOVにエンジン回転速度NEが到達した時点(図17のt3時点)から調整時間tFを設けて低下指令Dが出力されるようにして、最大エンジン回転速度NEMAXが目標最大エンジン回転速度NEMAX *と略一致するように上記調整時間tFを学習制御してもよい。この場合は、最大エンジン回転速度NEMAXが目標最大エンジン回転速度NEMAX *と比較して低ければ、調整時間tFが長くなるように学習制御される。また、変速線Bに基づいて車速が変速線Bに到達したことが前記エンジン10の回転速度NEが低下させられる低下指令Dが出力される起点としてもよい。この場合は、最大エンジン回転速度NEMAXが目標最大エンジン回転速度NEMAX *と比較して低ければ、変速線Bが高車速側に移動するように学習制御される。
【0078】
また、実施例のS4において、エンジン回転速度NEを変速前のエンジン回転速度NEBから変速後のエンジン回転速度NEAに低下制御する場合にその低下量のすべてを上記エンジン回転制御手段146によるエンジン回転速度NEの低下操作量で賄えないときは、前記変速線Bはそのエンジン回転速度NEの低下操作量に応じて高車速側或いは低車速側に移動させられるように学習値SHI12乃至SHI52に基づいて学習補正されてもよい。たとえば、エンジン回転速度NEの低下操作量が少ない場合には、低車速側に移動される。また、エンジン回転速度NEの低下操作量が略零である場合は上記変速線Bは、図13に示す変速線Aに略一致されることになる。この学習制御では、エンジン回転制御手段146によるエンジン回転速度NEの低下操作量(▲1▼乃至▲5▼)に応じて、学習値(SHI12乃至SHI52)が複数の値に区別されて持たれることになる。
【0079】
上述のように、本実施例によれば、変速制御手段140(S7)或いはエンジン回転制御手段146(S4)によってアクセル或いはスロットル全開時の自動変速機16の変速に用いられる変速線A或いは変速線Bがエンジン回転制御手段146によって回転機(モータジェネレータMG1、MG2)を作動させてエンジン10の回転速度NEが制御可能か否かに基づいて変速線変更手段148(S3或いはS6)によって変更されるので、エンジン回転制御手段146によってエンジン10の回転速度NEが制御可能な場合は、そのエンジン10の回転速度NEが制御可能でない場合に比較してエンジン回転速度NEがより高回転で変速が実行される。この結果、エンジンの動力性能が過回転領域に入らない範囲で最大限に発揮されて、加速性能が向上する。
【0080】
また、本実施例によれば、エンジン回転制御手段146(S4)によって回転機(モータジェネレータMG1、MG2)を作動させてエンジン10の回転速度NEが制御可能か否かに基づいて、学習制御手段152(S5或いはS9)は学習制御を変えるので、エンジン回転制御手段146によってエンジン10の回転速度NEが制御可能な場合は、そのエンジン10の回転速度NEが制御可能でない場合に比較して学習制御手段152によってより高車速側に設定された自動変速機16の変速に関連する変速関連パラメータたとえば変速線Bが学習制御されて、エンジン回転速度NEがより高回転で変速が実行される。この結果、エンジンの動力性能が過回転領域に入らない範囲で最大限に発揮されて、加速性能が向上する。
【0081】
また、本実施例によれば、学習制御手段152(S5或いはS9)は、エンジン回転制御手段146(S4)によって回転機(モータジェネレータMG1、MG2)を作動させてエンジン10の回転速度NEが制御可能か否かに基づいて、変速制御手段140(S7)或いはエンジン回転制御手段146(S4)によってアクセル或いはスロットル全開時の前記自動変速機の変速に用いられる変速線A或いは変速線Bを学習制御するものであるので、前記エンジンの回転速度が制御可能な場合とそのエンジン10の回転速度NEが制御可能でない場合とで学習制御手段152によって変速線A或いは変速線Bの学習制御が変更されるので、エンジン10の回転速度NEの制御状態に応じた変速線A或いは変速線Bの学習値が用いられる。
【0082】
また、本実施例によれば、学習制御手段152(S5、S8、S9)は、エンジン回転制御手段146(S4)によって回転機(モータジェネレータMG1、MG2)を作動させてエンジン10の回転速度NEが制御可能か否かに基づいて、自動変速機16の油圧式摩擦係合装置を係合作動させるための係合制御値すなわち係合油圧値の油圧学習値を変更するものであるので、エンジン10の回転速度NEの制御状態たとえば図14に示すように回転機(モータジェネレータMG1、MG2)を作動させることによるエンジン回転速度低下量(▲1▼乃至▲5▼)に応じたその係合油圧値の油圧学習値たとえばスロットル開度全開時の2→3アップ変速の場合は学習値(PB316乃至PB356或いはPB216乃至PB256)が用いられる。
【0083】
また、本実施例によれば、学習制御手段152(S5、S8、S9)は、エンジン回転制御手段146(S4)によって制御されるエンジン10の回転速度NEの低下操作量に基づいて、自動変速機16の変速中の係合油圧値の油圧値を変更するものであるので、エンジン回転制御手段146によってエンジン10の回転速度NEの制御状態に応じた自動変速機16の変速が速やかに実行される。
【0084】
また、本実施例によれば、学習制御手段152(S5、S8、S9)は、エンジン回転制御手段146(S4)によって制御されるエンジン10の回転速度NEの低下操作量に基づいて、次回の自動変速機16の変速に用いられる係合油圧値の油圧学習値を学習制御するものであるので、エンジン回転制御手段146によってエンジン10の回転速度NEの制御状態に応じた次回の自動変速機16の変速が速やかに実行される。
【0085】
また、本実施例によれば、学習制御手段152(S5、S8、S9)は、エンジン10の回転速度NEの低下開始時点の実際のエンジン回転速度たとえば最大エンジン回転速度NEMAXと目標のエンジン回転速度たとえば目標最大エンジン回転速度NEMAX *とに基づいて、エンジン10の回転速度NEの低下開始時点を学習制御するものであるので、エンジン回転速度NEがより高回転で変速が実行される。
【0086】
また、本実施例によれば、学習制御手段152(S5、S8、S9)は、エンジン10の回転速度NEに基づいてそのエンジン10の回転速度NEの低下開始時点を定めるための起点を学習制御するものであるので、学習制御手段152によってエンジンの回転速度NEの低下開始時点が好適に学習制御される。
【0087】
また、本実施例によれば、学習制御手段152(S5、S8、S9)は、車両の速度に基づいてエンジン10の回転速度NEの低下開始時点を定めるための起点を学習制御するものであるので、学習制御手段152によってエンジン10の回転速度NEの低下開始時点が学習制御される。
【0088】
また、本実施例によれば、アクセル或いはスロットル全開時の自動変速機16の変速中において、エンジン回転制御手段146(S4)によって回転機(モータジェネレータMG1、MG2)を作動させてエンジン10の回転速度NEが制御可能な場合には、学習制御手段152(S5)によってエンジン回転速度NEの低下開始時点が学習制御されるので、エンジン回転速度NEがより高回転で変速が実行される。この結果、エンジンの動力性能が過回転領域に入らない範囲で最大限に発揮されて、加速性能が向上する。
【0089】
また、本実施例によれば、学習制御手段152(S5)は、エンジン10の回転速度NEの低下開始時の実際のエンジン回転速度たとえば最大エンジン回転速度NEMAXと目標のエンジン回転速度たとえば目標最大エンジン回転速度NEMAX *とに基づいて、エンジン10の回転速度NEの低下開始時点を学習制御するものであるので、学習制御手段152によってエンジン回転速度NEの低下開始の時点が好適に学習制御されるので、エンジン回転速度NEがより高回転で変速が実行される。
【0090】
また、本実施例によれば、学習制御手段152(S5)は、エンジン10の回転速度NEがたとえば低下指令判定値NEOVに達することに基づいてそのエンジン10の回転速度NEの低下開始時点を定めるための起点を決定する低下指令判定値NEOVを学習制御するものであるので、学習制御手段152によってエンジン回転速度NEの低下開始の時点が好適に学習制御される。
【0091】
また、本実施例によれば、学習制御手段152(S5)は、車両の速度が変速線Bに到達したことに基づいてエンジン10の回転速度NEの低下開始時点を定めるための起点を決定する変速線Bを学習制御するものであるので、学習制御手段152によってエンジン回転速度NEの低下開始の時点が好適に学習制御される。
【0092】
学習制御手段152(S5)は、エンジン10の回転速度NEの低下開始時点を定めるための起点からの遅延時間たとえば調整時間tFに基づいてエンジン10の回転速度NEの低下開始時点を定めるものであるので、学習制御手段152によってエンジン回転速度NEの低下開始の時点が好適に学習制御される。
【0093】
また、本実施例によれば、学習制御手段152(S5)は、エンジン10の回転速度NEの低下開始時点を定めるための起点からの遅延時間たとえば調整時間tFを学習制御するものであるので、学習制御手段152によってエンジン回転速度NEの低下開始の時点が好適に学習制御されるので、エンジン回転速度NEがより高回転で変速が実行される。
【0094】
図20は、前記開閉制御弁の他の実施例であるモータ駆動式開閉弁であって、エンジン10に設けられた吸気弁および排気弁のうち、吸気弁を代表して示している。図20において、エンジン10の吸気管路220には、その吸気管路220内の空気流通方向に直交する方向の回動軸222がその軸心まわりに回動可能に設けられており、その回動軸222には円板状の吸気弁224が固定されている。上記エンジン10の吸気管路220に固定された電動モータ226の出力軸228に固定されたピニオン230と上記回動軸222の軸端に固定された歯車232とが噛み合わされることにより、吸気弁224が電気的アクチュエータである電動モータ226によって開閉駆動されるようになっている。
【0095】
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
【0096】
例えば、前述の実施例において、前記学習制御手段152は、前記自動変速機16の前記油圧式摩擦係合装置であるクラッチC或いはブレーキBの解放および係合の少なくとも一方によって変速が実行され且つその変速によってエンジン回転速度NEが変化させられる場合たとえば上記クラッチC或いはブレーキBの解放および係合の少なくとも一方によってのみ変速が実行される場合の前記変速線Aの学習制御(S6乃至S9)を実行した後に、前記エンジン回転制御手段146(S4)によるそのエンジン回転速度NEが制御可能である場合の前記変速線Bの学習制御(S3乃至S5)を実行するようにしてもよい。このようにすれば、前記変速制御手段140によって前記自動変速機16の変速制御中にたとえばエンジン回転速度NEの吹きが発生するような場合、学習制御手段152によって前記自動変速機16の前記油圧式摩擦係合装置によってのみ変速が実行される場合の前記変速線Aの学習制御(S6乃至S9)が実行されるときに前記係合油圧値がエンジン回転速度NEの吹きが抑制される側に学習制御されるので、その後のエンジンの回転速度NEが制御可能である場合の前記変速線Bの学習制御(S3乃至S5)が安定して実行される。
【0097】
また、前述の実施例において、前記学習制御手段152は、前記自動変速機16の前記油圧式摩擦係合装置であるクラッチC或いはブレーキBの解放および係合の少なくとも一方によって変速が実行され且つその変速によってエンジン回転速度NEが変化させられる場合たとえば上記クラッチC或いはブレーキBの解放および係合の少なくとも一方によってのみ変速が実行される場合の前記変速線Aの学習制御(S6乃至S9)を実行する場合には、前記自動変速機16の油圧式摩擦係合装置が作動されるための係合油圧値の学習制御を実行した後に前記変速線Aの学習制御を実行するようにしてもよい。このようにすれば、前記変速制御手段140によって自動変速機16の変速制御中にたとえばエンジン回転速度NEの吹きが発生した場合、学習制御手段152(油圧学習制御手段154)によって前記係合油圧値がエンジン回転速度NEの吹きが抑制される側に学習制御された後に前記変速線Aの学習制御が実行されるので、安定した学習制御が実行される。
【0098】
また、前述の実施例のエンジン回転制御手段146によるエンジン回転速度NEの低下制御量を回転速度NEの低下操作量としたが、エンジン回転制御手段146によるエンジン10の回転速度NEを変化させている時間としてもよい。
【0099】
また、前述の実施例のエンジン10は、前記電磁駆動弁28および29を備えており、前記吸気弁20および排気弁22が電磁アクチュエータ24および26によって開閉駆動されていたが、少なくとも一方の電磁駆動弁を備えるだけでよい。また前記開閉制御弁の他の実施例としてモータ駆動式開閉弁を示したが、その電磁駆動弁或いはそのモータ駆動式開閉弁に替えて、クランク軸の回転に同期して、吸気弁および排気弁を開閉駆動させるよく知られた動弁機構に可変機構が備え付けられたものであってもよい。たとえば、その動弁機構の型式にはOHV型、OHC型、DOHC型のような種類があり、たとえばDOHC型では、エンジンのクランク軸の回転をクランク軸プーリ、タイミングベルト、カム軸プーリ、カム軸、吸気弁或いは排気弁に取り付けられたロッカアーム或いは弁リフタを介して吸気弁或いは排気弁が開閉駆動されている。このような型式のエンジンにおいては、上記ロッカアーム或いはカム軸プーリに可変機構を備え付けたり、吸気弁用カム軸と排気弁用カム軸の同期のタイミングが可変となるように少なくとも一方のカム軸に可変機構を備え付けたり、或いはカム軸の特性(プロファイル形状)を可変(切り換え)したりして、弁のリフト量、開角或いは開閉時期が可変されて、エンジン自身でエンジン回転速度が好適に変更される。
【0100】
また、前述の実施例のエンジン10は、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンなどの内燃機関が用いられ、少なくともエンジンを走行用駆動力源として備えておればよく、吸気弁および排気弁の少なくとも一方の作動特性を可変させる形式たとえば前記電磁駆動弁28および29のような吸気弁或いは排気弁、前記エンジン10の吸気配管50および排気管52に設けられている排気タービン式過給機54が備えられてない車両などにも適用され得る。
【0101】
また、前述の実施例のエンジン10に連結される回転機すなわち第1モータジェネレータMG1および第2モータジェネレータMG2は、少なくとも一方が備えられておればよく、エンジン10に直結される以外にベルト等を介してエンジン10に間接的に連結されてもよい。すなわち、上記回転機が少なくとも発電機として機能させられるようにエンジン10と作動的に連結されればよい。
【0102】
また、前述の実施例では、アクセル或いはスロットル全開時の自動変速機16の制御作動として2→3アップ変速作動の場合を説明したが、1→2アップ変速、3→4アップ変速、4→5アップ変速であってもよい。
【0103】
また、前述の実施例では、自動変速機16は3組の遊星歯車装置40、42、44の組み合わせから成る前進5速の変速機であったが、クラッチC或いはブレーキBの油圧式摩擦係合装置が係合される型式の変速機であればよく、自動変速機16を構成する遊星歯車装置の組数は3組とは異なる数であってもよいし、また前進6速の変速機、前進4速の変速機等であっても差し支えない。また、自動変速機16は、クラッチ或いはブレーキの油圧式摩擦係合装置や一方向クラッチで構成された変速部たとえば前後進切換或いは前進2段等の副変速機に変速比が無段階に連続的に変化させられる無段変速機が組み合わされたものであってもよい。
【0104】
また、前述の実施例では、自動変速機16の係合要素であるクラッチC或いはブレーキBは、油圧式摩擦係合装置であったが、電磁式係合装置たとえば電磁クラッチや磁粉式クラッチ等であってもよい。この場合はたとえば前記学習制御手段152によって電磁クラッチの係合圧値すなわち係合制御値が学習制御されることになる。
【0105】
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明が適用されたハイブリッド車両の動力伝達装置を説明する骨子図である。
【図2】図1の自動変速機における、複数の油圧式摩擦係合装置の作動の組合わせとそれにより成立する変速段との関係を示す図である。
【図3】図1のハイブリッド車両の動力伝達装置の概略構成図である。
【図4】図1のエンジンの各気筒に設けられた可変動弁機構を説明する図である。
【図5】図4の可変動弁機構に設けられて吸気弁或いは排気弁を所望のタイミングで開閉作動させる電磁アクチュエータの構成を説明する図である。
【図6】図1の動力伝達装置が備えている電子制御装置の入出力系統の要部を説明するブロック線図である。
【図7】図1の動力伝達装置におけるエンジンのスロットル弁開度とアクセル操作量との関係を示す図である。
【図8】図1の動力伝達装置における自動変速機の変速制御に用いられる変速線図を説明する図である。
【図9】図1の車両に設けられたシフト操作装置を示す図である。
【図10】図1の自動変速機を制御するための油圧制御回路の要部を説明する図である。
【図11】図6の電子制御装置が備えている制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。
【図12】図6の電子制御装置によるクラッチツウクラッチ変速における係合圧の切換えによる変速制御作動を説明するタイムチャートである。
【図13】図6の電子制御装置の変速制御作動で用いられる第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2を作動させてエンジン回転速度の低下が可能な場合と可能でない場合に用いられる変速線の設定例である。
【図14】図11の油圧学習制御手段が用いる予め記憶されたデータマップを示す図であって、(a) は解放側油圧式摩擦係合装置の係合圧を学習補正する学習補正値を決定するために用いられる関係を示し、(b) は係合側油圧式摩擦係合装置の係合圧を学習補正する学習補正値を決定するために用いられる関係を示している。
【図15】図11の油圧学習制御手段が用いる予め記憶された関係を示す図であって、(a) および(b) は図11の(a) および(b) に対応する図である。
【図16】図11の変速線学習制御手段が用いる予め記憶されたデータマップを示す図であって、図13に示す変速線Bを学習補正する学習補正値を決定するために用いられる関係を示している。
【図17】図6の電子制御装置の制御作動の要部すなわち第1モータジェネレータMG1或いは第2モータジェネレータMG2を作動させてエンジン回転速度が低下させられる場合のアクセル全開時の2→3アップ変速を示すタイムチャートである。
【図18】図6の電子制御装置の制御作動の要部すなわち自動変速機のスロットル全開時の2→3アップ変速における制御作動を説明するフローチャートである。
【図19】図6の電子制御装置の制御作動の要部すなわち自動変速機のスロットル全開時の2→3アップ変速における変速油圧制御を説明するフローチャートである。
【図20】本発明の他の実施例において、吸気弁および排気弁として機能する開閉制御弁であるモータ駆動式開閉弁の構成を、一部を切り欠いて示す説明する図である。
【符号の説明】
10:エンジン
16:自動変速機
140:変速制御手段
146:エンジン回転制御手段
148:変速線変更手段
152:学習制御手段
MG1、MG2:モータジェネレータ(回転機)[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention is directed to an engine that operates by combustion of fuel, a rotating machine that is operatively connected to the engine and that operates as at least a generator, and an automatic in which shifting is performed by at least one of release and engagement of an engagement device. The present invention relates to a vehicle control device including a transmission, and more particularly to a technique for controlling a shift of the automatic transmission when an accelerator or a throttle is fully opened.
[0002]
[Prior art]
In an automatic transmission in which a shift is executed by at least one of release and engagement of a hydraulic friction engagement device, the shift is determined in advance so that the engine rotation speed does not enter the over-rotation region when the accelerator or throttle is fully opened. A vehicle that learns and controls a set shift line is known. For example, as shown in
[0003]
[Patent Document 1]
Japanese Patent No. 3322054
[Patent Document 2]
JP-A-10-196778
[Patent Document 3]
JP 2000-205398 A
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, the shift line used for shifting the automatic transmission is not limited to the overspeed range in consideration of delays in response to shifts caused by devices for executing the engagement control, such as hydraulic actuators and electromagnetic actuators, and variations thereof. Learning control was provided with a margin so as not to enter. For this reason, there is a possibility that the engine power performance may not be maximized within a range that does not enter the over-rotation region at the time of shifting when the accelerator or the throttle is fully opened.
[0005]
The present invention has been made against the background of the above circumstances. The object of the present invention is to control the rotational speed of the engine at the time of shifting when the accelerator or the throttle is fully opened, and thereby to change the engine speed at the time of shifting of the automatic transmission. An object of the present invention is to provide a vehicle control device that maximizes the power performance within a range that does not enter the over-rotation region.
[0006]
[First Means for Solving the Problems]
To achieve this object, the gist of the present invention is as follows: (a) an engine that operates by combustion of fuel, a rotating machine that is operatively connected to the engine and operates as at least a generator, and an engagement device A vehicle control device including an automatic transmission that performs a shift by at least one of releasing and engaging the engine, and (b) an engine rotation control that controls the rotation speed of the engine by operating the rotating machine Means, (c) a shift control means for controlling the shift of the automatic transmission, and (d) a shift line used for the shift of the automatic transmission when the accelerator or throttle is fully opened by the shift control means. Shift line changing means for changing based on whether or not the rotational speed of the engine can be reduced during the fully open upshift of the automatic transmission by the control means.(E) When the engine speed control means can reduce the speed of the engine during the full-up upshift of the automatic transmission, the speed change means changes the speed of the engine. Compared to the case where the speed cannot be lowered during the fully open upshift, the shift line set at the higher vehicle speed side is used.There is.
[0007]
[Effect of the first invention]
In this case, a shift line used for shifting the accelerator or the throttle when the throttle is fully opened by the shift control means causes the engine rotation control means to operate the rotating machine so that the rotation speed of the engine becomes the automatic speed. Since it is changed by the shift line changing means based on whether or not it can be lowered during the fully open upshift of the transmission,That isWhen the engine speed can be reduced during the fully open upshift of the automatic transmission by the engine rotation control means, compared to when the engine speed cannot be reduced during the fully open upshift of the automatic transmission. Therefore, the shift line set on the higher vehicle speed side is used.BecauseThe gear shift is executed at a higher engine rotation speed. As a result, the power performance of the engine is maximized within a range that does not enter the overspeed region, and the acceleration performance is improved.
[0008]
[Other aspects of the first invention]
Here, preferably, it comprises learning control means for learning and controlling a shift-related parameter related to shifting of the automatic transmission when the accelerator or throttle is fully opened, and the learning control means includes the engagement device of the automatic transmission. The shift line used when shifting is executed by at least one of release and engagement ofA blow that generates an engagement control value for engaging the engagement device of the automatic transmission during the shift process when learning control is performed so that the maximum engine speed of the engine at the shift process becomes a predetermined target value. Alternatively, the learning control is performed so that the tie-up state is suppressed and the shift line is changed.The shift line used when the engine speed can be reduced during the fully-open upshift of the automatic transmission by the engine rotation control means at the next and subsequent shifts after learning control.Decreasing the engine rotation speed The smaller the operation amount, the lower the vehicle speed side.Learning control. In this way, if, for example, blowing of the engine speed occurs during the shift control of the automatic transmission by the shift control means, at least the disengagement and engagement of the engagement device of the automatic transmission by the learning control means. Since the engagement control value is learned and controlled so that blowing of the engine rotation speed is suppressed when the learning control of the shift line when the shift is executed by one side, the subsequent engine rotation speed is controlled. The learning control of the shift line is stably executed when the speed can be lowered during the fully open upshift of the automatic transmission.
[0009]
Preferably, the learning control means sets the shift line used when a shift is executed by at least one of releasing and engaging the engagement device of the automatic transmission.The maximum engine speed in the shifting process is set to a predetermined target value.In the case of learning control, the engagement device of the automatic transmissionTheOperationTo makeEngagement control valueBlowing or tie-up conditions that occur during the shifting process are suppressedThis is executed at the next and subsequent shifts after learning control. In this way, when, for example, blowing of the engine rotation speed occurs during the shift control of the automatic transmission by the shift control means, the engagement control value is suppressed from being blown by the engine rotation speed by the learning control means. Since the shift line learning control is executed after the learning control is performed, the stable learning control is executed.
[0010]
[Second means for solving the problem]
To achieve this object, the gist of the present invention is as follows: (a) an engine that operates by combustion of fuel, a rotating machine that is operatively connected to the engine and operates as at least a generator, and an engagement device A vehicle control device including an automatic transmission that performs a shift by at least one of releasing and engaging the engine, and (b) an engine rotation control that controls the rotation speed of the engine by operating the rotating machine Means, (c) shift control means for controlling the shift of the automatic transmission, and (d) learning control means for learning and controlling shift-related parameters related to the shift of the automatic transmission when the accelerator or throttle is fully opened. (E) the learning control unit is configured to perform learning control based on whether or not the engine rotation control unit can reduce the rotation speed of the engine during the full-open upshift of the automatic transmission. Der things to changeIf it is not possible to lower the speed, the engine speed during the speed change process is controlled so that the speed of the engine cannot be lowered so as to change to a predetermined change. The shift-related parameter set on the high vehicle speed side compared to the shift-related parameter when the engine speed cannot be decreased using the learning value determined based on the engine speed decrease operation amount controlled by the engine rotation control means Control learning of parametersThe
[0011]
[Effect of the second invention]
In this case, the learning control means performs learning control based on whether or not the rotation speed of the engine can be reduced during the fully-open upshift of the automatic transmission by operating the rotating machine by the engine rotation control means. changeIf it is not possible to decrease, learning control of the shift-related parameter when it is not possible to decrease so that the rotational speed of the engine in the speed change process becomes a predetermined change, while if it can be decreased, it is determined in advance. Based on the relationship, the engine speed control means is set on the high vehicle speed side compared to the shift-related parameter when it is not possible to decrease using the learning value determined based on the engine rotation speed decrease operation amount. Learning control of shift related parametersTherefore, when the engine speed can be reduced during the fully open upshift of the automatic transmission by the engine rotation control means, the engine speed cannot be reduced during the fully open upshift of the automatic transmission. In contrast, the learning control means learns and controls the shift-related parameters related to the shift of the automatic transmission set to the higher vehicle speed side, and the shift is executed at a higher engine rotation speed. As a result, the power performance of the engine is maximized within a range that does not enter the overspeed region, and the acceleration performance is improved.
[0012]
[Other aspects of the second invention]
Here, preferably, the learning control means determines whether the engine speed is reduced by the engine speed control means based on whether or not the engine speed can be reduced during the fully open upshift of the automatic transmission. Or used for shifting the automatic transmission when the throttle is fully open.StrangeLearning control of the speed lineIf it is not possible to decrease, learning control is performed for the shift line when it is not possible to decrease so that the maximum rotational speed of the engine in the speed change process becomes a predetermined target value. Learning control is performed on the shift line set on the high vehicle speed side compared to the shift line when it is not possible to decrease so that the lower speed operation amount decreases.The In this way, when the engine rotation speed can be reduced during the fully-open up shift of the automatic transmission by the engine rotation control means, and the engine rotation speed decreases during the fully-open up shift of the automatic transmission. Since the learning control means changes the learning control of the shift line when it is not possible, the learning value of the shift line according to the state of decrease in the rotational speed of the engine is used.
[0013]
Preferably, the learning control means is configured to engage the automatic transmission based on whether or not the engine rotation speed can be reduced by the engine rotation control means during the fully open upshift of the automatic transmission. The learning value of the engagement control value for engaging the device is changed.If it is not possible to decrease, the learning value of the engagement control value is changed so that the blow or tie-up state generated in the shifting process is suppressed. The learning value of the engagement control value is changed so as to increase as the amount of decrease operation increases.The In this way, when the engine rotation speed can be reduced during the fully-open up shift of the automatic transmission by the engine rotation control means, and the engine rotation speed decreases during the fully-open up shift of the automatic transmission. Since the learning control means changes the learning value of the engagement control value when it is not possible, the learning value of the engagement control value according to the reduced state of the rotational speed of the engine is used.
[0014]
Preferably, the learning control means is an operation amount for decreasing the engine speed controlled by the engine speed control means.So that the larger theThe engagement control value during shifting of the automatic transmission is changed. According to this configuration, the shift control unit uses the learning value of the engagement control value changed by the learning control unit based on the engine rotation speed reduction operation amount controlled by the engine rotation control unit. Shifting of the automatic transmission according to the control state of the rotational speed of the engine is promptly executed.
[0015]
Preferably, the learning control means is an operation amount for decreasing the engine speed controlled by the engine speed control means.So that the larger theThe learning value of the engagement control value used for the next shift of the automatic transmission is subjected to learning control. According to this configuration, the engagement used for the next shift of the automatic transmission that is learning-controlled by the learning control unit based on the operation amount for decreasing the engine rotation speed controlled by the engine rotation control unit. The shift of the automatic transmission according to the control state of the rotational speed of the engine is promptly executed by the shift control means with the control value.
[0016]
Preferably, the learning control means is configured to determine an actual engine rotation speed at the start of a decrease in the engine rotation speed.Is calculated by subtracting the extra rotation speed from the preset overspeed.Target engine speed andTo matchThe learning control is performed at the start point of the decrease in the rotational speed of the engine. In this way, since the learning control means learns and controls the start point of the decrease in the engine speed, the shift is executed at a higher engine speed.
[0017]
Preferably, the learning control means learns and controls a starting point for determining a decrease start time of the engine speed based on the engine speed.The starting point is learned and controlled so as to delay if the maximum engine speed in the shifting process is low compared to a predetermined target value.The If it does in this way, learning control means carries out learning control of the fall start time of an engine speed.
[0018]
In a preferred embodiment, the learning control means learns and controls a starting point for determining a starting point of a decrease in the rotational speed of the engine based on the speed of the vehicle.The starting point is learned and controlled so as to move to the higher vehicle speed side if the maximum engine speed in the shifting process is lower than a predetermined target value.The If it does in this way, learning control means carries out learning control of the fall start time of an engine speed.
[0019]
[Third Means for Solving the Problems]
To achieve this object, the gist of the present invention is as follows: (a) an engine that operates by combustion of fuel, a rotating machine that is operatively connected to the engine and operates as at least a generator, and an engagement device A vehicle control device including an automatic transmission that performs a shift by at least one of releasing and engaging the engine, and (b) an engine rotation control that controls the rotation speed of the engine by operating the rotating machine Means, (c) shift control means for controlling the shift of the automatic transmission, and (d) learning control means for learning and controlling shift-related parameters related to the shift of the automatic transmission when the accelerator or throttle is fully opened. (E)The learning control means includesThe automatic transmission when the accelerator or throttle is fully openedFully openOdor during shiftingBeforeThe engine speed is controlled by the engine speed control means.DeclineWhen possibleCan be set to a higher rotational speed in a range where the rotational speed of the engine does not fall within the range of the preset excessive rotational speed,Learning control is performed at the start point of the decrease in the rotational speed of the engine.
[0020]
[Effect of the third invention]
If it does in this way, the rotation speed of the engine will be increased by operating the rotating machine by the engine rotation control means.DeclineIf possible, the learning control meansIn order that the rotational speed of the engine can be set to a higher rotational speed within a range that does not fall within a preset excessive rotational speed region,Since learning control is performed at the time when the engine rotational speed starts to decrease, gear shifting is performed at a higher engine rotational speed. As a result, the power performance of the engine is maximized within a range that does not enter the overspeed region, and the acceleration performance is improved.
[0021]
[Other aspects of the third invention]
Here, preferably, the learning control means is configured to determine an actual engine speed at the start of a decrease in the engine speed.Is calculated by subtracting the extra rotation speed from the preset overspeed.Target engine speed andTo matchThe learning control is performed at the start point of the decrease in the rotational speed of the engine. In this way, the learning control means suitably learns and controls the start point of the decrease in the engine speed, so that the shift is executed at a higher engine speed.
[0022]
Preferably, the learning control means learns and controls a starting point for determining a decrease start time of the engine speed based on the engine speed.The starting point is learned and controlled so as to delay if the maximum engine speed in the shifting process is lower than the target engine speed.The In this way, the learning control means suitably performs learning control at the time when the engine speed starts to decrease.
[0023]
In a preferred embodiment, the learning control means learns and controls a starting point for determining a starting point of a decrease in the rotational speed of the engine based on the speed of the vehicle.If the maximum engine speed in the speed change process is lower than the target engine speed, the starting point is learned and controlled to move to the higher vehicle speed side.The In this way, the learning control means suitably performs learning control at the time when the engine speed starts to decrease.
[0024]
Preferably, the learning control means is a starting point for determining a start time point at which the rotation speed of the engine decreases.LateTotal timeAs a new starting pointThe start point of the decrease in the rotational speed of the engine is determined. In this way, the learning control means suitably performs learning control at the time when the engine speed starts to decrease.
[0025]
Preferably, the learning control means includes a frontLatenessTo control the learning timeThe delay time is learned and controlled so that the maximum engine speed in the shifting process is longer when the engine speed is lower than the target engine speed.The In this way, the learning control means suitably learns and controls the start point of the decrease in the engine speed, so that the shift is executed at a higher engine speed.
[0026]
BEST MODE FOR CARRYING OUT THE INVENTION
Hereinafter, an embodiment of the present invention will be described in detail with reference to the drawings.
[0027]
FIG. 1 is a skeleton diagram illustrating the configuration of a power transmission device 8 for a hybrid vehicle to which the present invention is applied. In FIG. 1, the output of the
[0028]
The
[0029]
The
[0030]
The sun gear S1 and the sun gear S2 are integrally connected to each other, the ring gear R1, the carrier K2, and the carrier K3 are integrally connected, and the carrier K3 is connected to the
[0031]
A brake B3 is provided between the carrier K1 and the
[0032]
In the
[0033]
As shown in FIG. 3, an
[0034]
Further, in the
[0035]
The first motor generator MG1 is disposed between the
[0036]
FIG. 6 is a block diagram illustrating a control system provided in the power transmission device 8 of the present embodiment. In FIG. 6, signals input to the
[0037]
The
[0038]
In FIG. 9, the
[0039]
FIG. 10 is a diagram showing a main part of the
[0040]
[0041]
The D-range
[0042]
Another D-range
[0043]
The 3-4
[0044]
The
[0045]
The
[0046]
The
[0047]
FIG. 11 is a functional block diagram for explaining the main part of the control function provided in the
[0048]
Further, the shift control means 140 is operated by a learning control means 152, which will be described later, in an engine speed N as shown in FIG.EOr turbine rotational speed NTThe shift hydraulic pressure is controlled based on the engagement pressure of the hydraulic friction engagement device that is learning-controlled so as to suppress the occurrence of blow F or tie-up, which is a temporary sudden increase in the pressure.
[0049]
The fully open upshift start determining
[0050]
The rotating machine availability determination means 144 operates the rotating machine, that is, the first motor generator MG1 or the second motor generator MG2 in the
[0051]
The engine rotation control means 146 is configured so that the rotational speed N of the
[0052]
The shift line changing means 148 operates the first motor generator MG1 or the second motor generator MG2 by the rotating machine availability determining means 144 to rotate the rotational speed N of the engine 10.EThe shift line used for the shift control of the
[0053]
The torque down control means 150 is an engine rotation speed N as shown in FIG.EOr turbine rotational speed NTIn order to suppress the blow F, which is a temporary sudden increase, the amount of fuel injected from the fuel injection valve into the cylinder of the
[0054]
The
[0055]
The hydraulic pressure learning control means 154 is such that, for example, in a clutch-to-clutch shift of the
[0056]
Further, the hydraulic pressure learning control means 154 replaces the learning control of the engagement pressure of the hydraulic friction engagement device of the
[0057]
Hereinafter, learning control of the engagement pressure of the hydraulic friction engagement device by the hydraulic pressure learning
[0058]
The amount of change (1), (2), (3), (4), (5) in the above rotating machine increases the rotational resistance of the first motor generator MG1 or the second motor generator MG2, that is, the power generation amount. Rotational speed NE Indicates the engine speed reduction operation amount that increases the amount of decrease that actively reduces the throttle opening, and throttle opening (1), (2), (3), (4), (5), and (6) are also increased in order. Throttle opening θTHThe relationship shown in (a) and (b) of FIG. 14 indicates that the throttle opening degree θ increases as the engine speed reduction operation amount increases.THThe hydraulic pressure correction amount, that is, the learned hydraulic pressure is increased as the pressure is increased. In other words, it is experimentally obtained in advance so that the blow F is decreased. The throttle opening (6) corresponds to the throttle opening when the throttle is fully opened.
[0059]
FIG. 15 is a diagram showing another example of a pre-stored relationship used in the hydraulic pressure learning control means 154. FIGS. 15 (a) and 15 (b) are shown in FIGS. 14 (a) and 14 (b). It corresponds. The relationship shown in FIGS. 15 (a) and 15 (b) is a continuous linear function. Like (a) and (b) in FIG. 14, the rotational speed change amount, that is, the engine rotational speed reduction manipulated variable is The larger the release side engagement pressure, for example, the engagement pressure P of the brake B3.B3The hydraulic pressure correction amount and the engagement side hydraulic pressure, for example, the engagement pressure P of the brake B2B2The oil pressure correction amount, that is, the learned oil pressure is increased, in other words, it is experimentally obtained in advance so that the blow F is reduced.
[0060]
The control amount when the generation of the blow F is suppressed by the torque down control means 150 is the engine speed N when the generation of the blow F is suppressed by the engine rotation control means 146.E14 (a) and (b) in FIG. 14 even when the generation of the blow F is suppressed by the torque-down control means 150. The engagement pressure P of the brake B3 at the time of the next clutch-to-clutch upshift using the relationship (data map) stored in advanceB3And brake B2 engagement pressure PB2Can be corrected.
[0061]
The shift line
[0062]
When it is determined by the rotating machine availability determining means 144 that the first motor generator MG1 or the second motor generator MG2 cannot be used, that is, the first motor generator MG1 or the second motor generator MG2 is operated to rotate the
[0063]
Next, when it is determined by the rotating machine availability determination means 144 that the first motor generator MG1 or the second motor generator MG2 can be used, that is, the first motor generator MG1 or the second motor generator MG2 is operated. Rotational speed N of
[0064]
Similarly, the first motor generator MG1 or the second motor generator MG2 can be used by the rotating machine availability determination means 144, and the rotational speed N of the
[0065]
Further, the decrease start time learning control means 158 is configured to decrease the decrease command determination value N as described above.EOVInstead of learning, the lowering command determination value NEOVIs set to be constant, and the decrease command determination value NEOVEngine speed NEReached (at t in FIG.ThreeAdjustment time tFIs provided so that the lowering command D is output, and the maximum engine speed NEMAXIs the target maximum engine speed NEMAX *The above adjustment time t so as to approximately matchFLearning control may be performed. In this case, the maximum engine speed NEMAXIs the target maximum engine speed NEMAX *If it is low compared to the adjustment time tFIs controlled so as to become longer.
[0066]
Similarly, the decrease start time learning control means 158 is configured to reduce the decrease command determination value N as described above.EOVIs changed by learning, the shift determination based on the shift line A is executed, and the time point when the vehicle speed V reaches the shift line B is determined as the rotational speed N of the engine 10.EThe engine rotation control means 146 may be a starting point for outputting the lowering command D so that the lowering is reduced. In this case, the maximum engine speed NEMAXIs the target maximum engine speed NEMAX *If so, the learning control is performed so that the shift line B moves to the higher vehicle speed side.
[0067]
FIG. 18 is a flowchart for explaining the main part of the control operation of the
[0068]
In S3 corresponding to the shift line changing means 148, the first motor generator MG1 or the second motor generator MG2 is operated to rotate the engine speed N.E13 is used as the first upshift line, which is used in the case where the decrease of the shift is possible. Since this shift line B is a case where the first motor generator MG1 or the second motor generator MG2 can be used compared to the shift line A, the engine speed NESince the decrease in the speed is executed promptly and the shift response is good, it is set at a higher vehicle speed side. As a result, the upshift is executed on the higher vehicle speed side, so that, for example, in the case of a 2 → 3 upshift, the acceleration performance at the second gear is improved.
[0069]
Next, in S4 corresponding to the engine rotation control means 146, the lowering command determination value N set in advance is set.EOVEngine speed NEIs reached, a lowering command D is output to the power supply selector switches 72 and 73 so that the first motor generator MG1 or the second motor generator MG2 operates as a generator (t in FIG. 17).ThreeTime), the rotational resistance of the first motor generator MG1 or the second motor generator MG2 is generated, and the engine speed NE Is actively reduced and the engine speed NEIs the engine speed N immediately before shiftingEMAX(T in FIG. 17FiveEngine speed N after shifting from time)EAControlled (decreased). When S4 is being executed, the shift hydraulic pressure control routine H is being executed at the same time, and at the same time as S4 is completed, the shift hydraulic pressure control routine H is also completed to complete the shift (t in FIG. 17).6Time). At this time, the engine speed NEIs reduced by the engine rotation control means 146, and the change of the engagement pressure of the hydraulic friction engagement device by the speed change control means 140 operated in the speed change hydraulic control routine H is the change of the gear stage accompanying the speed change. Engine speed N associated with the engagement (slip) of the hydraulic friction engagement deviceE Does not contribute to the decline.
[0070]
Next, in S5 corresponding to the decrease start time learning control means 158 which is learning control used in place of the control of the shift line learning control means 156, the engine speed NEIs the preset overspeed NEPIn order not to fall within the range ofEMAXIs the overspeed NEPTo spare rotation speed NEYTarget maximum engine speed N minusEMAX *The decrease command determination value N so as to substantially matchEOVIs learning controlled. At this time, the maximum engine speed NEMAXIs the target maximum engine speed NEMAX *If it is low compared with the lowering command determination value NEOVIs controlled so as to increase.
[0071]
Next, the operation of S6 to S9 when the determination of S2 is negative will be described. In S6 corresponding to the shift line changing means 148, the first motor generator MG1 or the second motor generator MG2 is operated to rotate the rotational speed N of the engine 10.E13 is used as the second upshift line, which is used when it is not possible to reduce the shift.
[0072]
Next, in S7 corresponding to the shift control means 140, an upshift is performed by switching the engagement pressure of the hydraulic friction engagement device of the
[0073]
Next, at S8 corresponding to the oil pressure learning control means 154, for example, the engine speed N as shown in FIG. 12 generated during the shift control executed at S7.EIn order to suppress the blow F and the tie-up state (not shown), the engagement pressure of the hydraulic friction engagement device is learned and controlled. For example, in the 2 → 3 upshift, the decrease in the engagement pressure of the brake B3, which is the hydraulic friction engagement device on the release side, is delayed so that the generation of the blow F as shown in FIG. 12 is suppressed. Hydraulic signal SPB3ADLearning is controlled so as to be increased. In addition, in order to suppress the occurrence of the blow F, the torque-down control means 150 temporarily reduces the amount of fuel injected from the fuel injection valve into the cylinder of the
[0074]
Next, in S9 corresponding to the shift line learning control means 156, the rotational speed N of the
[0075]
Next, another embodiment of the present invention will be described. In the following description, parts common to those in the above-described embodiment are denoted by the same reference numerals and description thereof is omitted.
[0076]
In S4 of the above-described embodiment, in order to suppress the generation of the blow F, the power
[0077]
In S5 of the above-described embodiment, the decrease command determination value N is determined by the decrease start time learning control unit 158.EOVIs learned and controlled, but the lowering command determination value NEOVIs set to be constant, and the decrease command determination value NEOVEngine speed NEReached (at t in FIG.ThreeAdjustment time tFSo that the lowering command D is output and the maximum engine speed NEMAXIs the target maximum engine speed NEMAX *The above adjustment time t so as to approximately matchFLearning control may be performed. In this case, the maximum engine speed NEMAXIs the target maximum engine speed NEMAX *If it is low compared to the adjustment time tFIs controlled so as to become longer. Further, the fact that the vehicle speed has reached the shift line B based on the shift line B indicates that the rotational speed N of the
[0078]
In S4 of the embodiment, the engine speed NEEngine speed N before shiftingEBEngine speed N after shiftingEAWhen the engine speed is controlled to decrease, the engine rotation speed N by the engine rotation control means 146 is all reduced.EWhen the lowering operation amount cannot be covered, the shift line B indicates the engine speed NELearning value SHI so that it can be moved to the high vehicle speed side or the low vehicle speed side according to the amount of decrease operation12To SHI52Learning correction may be performed based on the above. For example, engine speed NEWhen the amount of operation for lowering is small, the vehicle is moved to the low vehicle speed side. Also, the engine speed NEWhen the amount of operation for lowering is substantially zero, the shift line B substantially matches the shift line A shown in FIG. In this learning control, the engine speed N by the engine speed control means 146 is determined.EThe learning value (SHI) depends on the amount of decrease in operation (▲ 1 ▼ to ▲ 5 ▼)12To SHI52) Is differentiated into a plurality of values.
[0079]
As described above, according to the present embodiment, the shift line A or the shift line used for shifting the
[0080]
Further, according to this embodiment, the engine rotation control means 146 (S4) operates the rotating machines (motor generators MG1, MG2) to rotate the
[0081]
Further, according to the present embodiment, the learning control means 152 (S5 or S9) operates the rotating machines (motor generators MG1, MG2) by the engine rotation control means 146 (S4) to rotate the rotational speed N of the engine 10.EThe shift line A or the shift line B used for the shift of the automatic transmission when the accelerator or throttle is fully opened is determined by the shift control means 140 (S7) or the engine rotation control means 146 (S4). Since learning control is performed, the rotation speed of the
[0082]
Further, according to the present embodiment, the learning control means 152 (S5, S8, S9) operates the rotating machines (motor generators MG1, MG2) by the engine rotation control means 146 (S4) to rotate the rotational speed N of the engine 10.ESince the engagement control value for engaging the hydraulic friction engagement device of the
[0083]
Further, according to the present embodiment, the learning control means 152 (S5, S8, S9) is the rotation speed N of the
[0084]
Further, according to the present embodiment, the learning control means 152 (S5, S8, S9) is the rotation speed N of the
[0085]
Further, according to this embodiment, the learning control means 152 (S5, S8, S9)EThe actual engine speed at the start of the decreaseEMAXAnd target engine speed, for example, target maximum engine speed NEMAX *Based on the rotational speed N of the
[0086]
Further, according to this embodiment, the learning control means 152 (S5, S8, S9)EBased on the rotational speed N of the
[0087]
Further, according to the present embodiment, the learning control means 152 (S5, S8, S9) is based on the speed of the vehicle and the rotational speed N of the
[0088]
Further, according to the present embodiment, during the shift of the
[0089]
Further, according to the present embodiment, the learning control unit 152 (S5)EEngine speed at the start of the decrease of the engine, for example, maximum engine speed NEMAXAnd target engine speed, for example, target maximum engine speed NEMAX *Based on the rotational speed N of the
[0090]
Further, according to the present embodiment, the learning control unit 152 (S5)EIs, for example, a decrease command determination value NEOVThe rotational speed N of the
[0091]
Further, according to the present embodiment, the learning control means 152 (S5) determines the rotational speed N of the
[0092]
The learning control means 152 (S5)EDelay time from the starting point to determine the start pointFBased on the rotational speed N of the
[0093]
Further, according to the present embodiment, the learning control unit 152 (S5)EDelay time from the starting point to determine the start pointFTherefore, the learning control means 152 causes the engine speed N to be controlled.ESince the learning start control is suitably performed, the engine speed NEThe gear shift is executed at a higher rotation.
[0094]
FIG. 20 is a motor-driven on-off valve that is another embodiment of the on-off control valve, and representatively shows an intake valve among intake valves and exhaust valves provided in the
[0095]
As mentioned above, although the Example of this invention was described in detail based on drawing, this invention is applied also in another aspect.
[0096]
For example, in the above-described embodiment, the
[0097]
In the above-described embodiment, the
[0098]
Further, the engine rotation speed N by the engine rotation control means 146 of the above-described embodiment is also described.EThe amount of decrease in control over the rotational speed NEThe engine
[0099]
The
[0100]
Further, the
[0101]
In addition, at least one of the rotating machine, that is, the first motor generator MG1 and the second motor generator MG2 connected to the
[0102]
In the above-described embodiment, the case of the 2 → 3 up shift operation as the control operation of the
[0103]
In the above-described embodiment, the
[0104]
In the above-described embodiment, the clutch C or the brake B that is an engagement element of the
[0105]
The above description is only an embodiment, and the present invention can be implemented in variously modified and improved forms based on the knowledge of those skilled in the art.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a skeleton diagram illustrating a power transmission device for a hybrid vehicle to which the present invention is applied.
2 is a diagram showing a relationship between a combination of operations of a plurality of hydraulic friction engagement devices and a shift speed established thereby in the automatic transmission of FIG. 1; FIG.
3 is a schematic configuration diagram of a power transmission device of the hybrid vehicle in FIG. 1. FIG.
4 is a diagram illustrating a variable valve mechanism provided in each cylinder of the engine of FIG. 1; FIG.
5 is a diagram illustrating a configuration of an electromagnetic actuator that is provided in the variable valve mechanism of FIG. 4 and opens and closes an intake valve or an exhaust valve at a desired timing.
6 is a block diagram illustrating a main part of an input / output system of an electronic control device provided in the power transmission device of FIG. 1;
7 is a diagram showing a relationship between an engine throttle valve opening and an accelerator operation amount in the power transmission device of FIG. 1; FIG.
8 is a diagram for explaining a shift diagram used for shift control of the automatic transmission in the power transmission device of FIG. 1; FIG.
FIG. 9 is a diagram showing a shift operation device provided in the vehicle of FIG. 1;
10 is a diagram illustrating a main part of a hydraulic control circuit for controlling the automatic transmission of FIG. 1; FIG.
11 is a functional block diagram illustrating a main part of a control function included in the electronic control device of FIG. 6;
12 is a time chart for explaining a shift control operation by switching an engagement pressure in clutch-to-clutch shift by the electronic control unit of FIG. 6;
13 is a shift line used when the first motor generator MG1 or the second motor generator MG2 used in the shift control operation of the electronic control device of FIG. 6 is operated to decrease or not to decrease the engine rotation speed. It is an example of setting.
14 is a diagram showing a pre-stored data map used by the hydraulic pressure learning control unit of FIG. 11, wherein (a) shows a learning correction value for learning correction of the engagement pressure of the release side hydraulic friction engagement device. The relationship used for determination is shown, and (b) shows the relationship used for determining a learning correction value for learning correction of the engagement pressure of the engagement side hydraulic friction engagement device.
15 is a diagram showing a pre-stored relationship used by the hydraulic pressure learning control unit of FIG. 11, and (a) and (b) are diagrams corresponding to (a) and (b) of FIG.
16 is a diagram showing a pre-stored data map used by the shift line learning control means of FIG. 11, and shows a relationship used for determining a learning correction value for learning correction of the shift line B shown in FIG. Show.
17 is a main part of the control operation of the electronic control unit of FIG. 6, that is, a 2 → 3 upshift when the accelerator is fully opened when the first motor generator MG1 or the second motor generator MG2 is operated to reduce the engine speed. It is a time chart which shows.
18 is a flowchart for explaining a main part of the control operation of the electronic control unit of FIG. 6, that is, a control operation in a 2 → 3 upshift when the throttle of the automatic transmission is fully opened.
FIG. 19 is a flowchart for explaining a main part of the control operation of the electronic control unit of FIG. 6, that is, a shift hydraulic pressure control in a 2 → 3 upshift when the throttle of the automatic transmission is fully opened.
FIG. 20 is a diagram illustrating a configuration of a motor-driven on-off valve that is an on-off control valve that functions as an intake valve and an exhaust valve in another embodiment of the present invention, with a part cut away.
[Explanation of symbols]
10: Engine
16: Automatic transmission
140: Shift control means
146: Engine rotation control means
148: Shift line changing means
152: Learning control means
MG1, MG2: Motor generator (rotating machine)
Claims (17)
前記回転機を作動させて前記エンジンの回転速度を制御するエンジン回転制御手段と、
前記自動変速機の変速を制御する変速制御手段と、
該変速制御手段によってアクセル或いはスロットル全開時の前記自動変速機の変速に用いられる変速線を、前記エンジン回転制御手段によって前記エンジンの回転速度が前記自動変速機の全開アップ変速中に低下可能か否かに基づいて変更する変速線変更手段とを、含み、
前記変速線変更手段は、前記エンジン回転制御手段によって前記エンジンの回転速度が前記自動変速機の全開アップ変速中に低下可能な場合は、該エンジンの回転速度が該自動変速機の全開アップ変速中に低下可能でない場合に比較して、より高車速側に設定された変速線を用いることを特徴とする車両の制御装置。An engine that operates by combustion of fuel, a rotating machine that is operatively connected to the engine and that operates as at least a generator, and an automatic transmission that performs shifting by at least one of releasing and engaging the engagement device A vehicle control device comprising:
Engine rotation control means for controlling the rotation speed of the engine by operating the rotating machine;
Shift control means for controlling the shift of the automatic transmission;
Whether a shift line used for shifting the automatic transmission when the accelerator or throttle is fully opened by the shift control means can be reduced by the engine rotation control means during the fully open upshift of the automatic transmission. a shift line change means to change based on whether, viewed including,
When the engine speed can be reduced during the fully open upshift of the automatic transmission by the engine rotation control means, the shift speed changing means is configured to change the engine speed during the fully open upshift of the automatic transmission. Compared with a case where the speed cannot be lowered , a vehicle control device using a shift line set at a higher vehicle speed side .
前記回転機を作動させて前記エンジンの回転速度を制御するエンジン回転制御手段と、
前記自動変速機の変速を制御する変速制御手段と、
アクセル或いはスロットル全開時の前記自動変速機の変速に関連する変速関連パラメータを学習制御する学習制御手段とを備え、
該学習制御手段は、前記エンジン回転制御手段によって前記エンジンの回転速度が前記自動変速機の全開アップ変速中に低下可能か否かに基づいて学習制御を変えるものであり、該低下可能でない場合には変速過程における前記エンジンの回転速度が所定の変化となるように該低下可能でない場合の変速関連パラメータを学習制御する一方で、該低下可能な場合には予め定められた関係から前記エンジン回転制御手段によって制御される前記エンジンの回転速度の低下操作量に基づいて決定した学習値を用いて該低下可能でない場合の変速関連パラメータに比較して高車速側に設定された変速関連パラメータを学習制御することを特徴とする車両の制御装置。An engine that operates by combustion of fuel, a rotating machine that is operatively connected to the engine and that operates as at least a generator, and an automatic transmission that performs shifting by at least one of releasing and engaging the engagement device A vehicle control device comprising:
Engine rotation control means for controlling the rotation speed of the engine by operating the rotating machine;
Shift control means for controlling the shift of the automatic transmission;
Learning control means for learning and controlling a shift-related parameter related to the shift of the automatic transmission when the accelerator or throttle is fully opened;
The learning control means, the Ri engine rotation controller der what rotational speed of the engine changes the learning control based on whether it can drop into the fully open upshift of the automatic transmission by, if not possible under low The learning-related parameters when the engine speed cannot be decreased are learned and controlled so that the engine rotational speed in the speed change process becomes a predetermined change, while the engine speed is determined from a predetermined relationship when the engine speed can be decreased. Learning a shift-related parameter set on the high vehicle speed side compared to a shift-related parameter when the decrease is not possible using a learning value determined on the basis of the operation amount for decreasing the rotational speed of the engine controlled by the control means control to control apparatus for a vehicle according to claim Rukoto.
該学習制御手段は、前記自動変速機の前記係合装置の解放および係合の少なくとも一方によって変速が実行される場合に用いられる前記変速線を変速過程における前記エンジンの最大回転速度が所定の目標値となるように学習制御するときに前記自動変速機の係合装置を係合作動させるための係合制御値を変速過程にて発生する吹き或いはタイアップ状態が抑制されるように学習制御すると共に該変速線を学習制御した後の次回以降の変速時に、前記エンジン回転制御手段によって前記エンジンの回転速度が前記自動変速機の全開アップ変速中に低下可能である場合に用いられる前記変速線を前記エンジンの回転速度の低下操作量が少ない程低車速側へ移動するように学習制御するものである請求項1の車両の制御装置。Learning control means for learning and controlling a shift-related parameter related to the shift of the automatic transmission when the accelerator or throttle is fully opened;
The learning control means uses the shift line used when shifting is performed by at least one of release and engagement of the engagement device of the automatic transmission, and the maximum rotational speed of the engine in the shifting process is a predetermined target. When the learning control is performed so as to be a value, the learning control is performed so that the blow control or the tie-up state generated in the shifting process is suppressed in order to engage the engagement device of the automatic transmission. And the shift line used when the engine speed can be reduced during the fully-up-up shift of the automatic transmission by the engine rotation control means at the next and subsequent shifts after learning control of the shift line. 2. The vehicle control device according to claim 1 , wherein learning control is performed so that the lower the engine rotation speed, the smaller the operation amount, the lower the vehicle speed .
前記回転機を作動させて前記エンジンの回転速度を制御するエンジン回転制御手段と、
前記自動変速機の変速を制御する変速制御手段と、
アクセル或いはスロットル全開時の前記自動変速機の変速に関連する変速関連パラメータを学習制御する学習制御手段とを備え、
前記学習制御手段は、前記アクセル或いはスロットル全開時の前記自動変速機の全開アップ変速中において前記エンジン回転制御手段によって前記エンジンの回転速度が低下可能な場合には、該エンジンの回転速度が予め設定された過回転速度の領域に入らない範囲でより高回転速度とされ得るように、該エンジンの回転速度の低下開始時点を学習制御するものであることを特徴とする車両の制御装置。An engine that operates by combustion of fuel, a rotating machine that is operatively connected to the engine and that operates as at least a generator, and an automatic transmission that performs shifting by at least one of releasing and engaging the engagement device A vehicle control device comprising:
Engine rotation control means for controlling the rotation speed of the engine by operating the rotating machine;
Shift control means for controlling the shift of the automatic transmission;
Learning control means for learning and controlling a shift-related parameter related to the shift of the automatic transmission when the accelerator or throttle is fully opened;
The learning control means, wherein when the rotational speed of the engine by the previous SL engine rotation control means Te accelerator or fully open upshift in odor of the automatic transmission when the throttle is fully open as possible decrease the rotational speed of the engine A vehicle control apparatus that performs learning control of a decrease start point of the engine speed so that the engine speed can be increased within a range that does not fall within a preset overspeed area .
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