JP4456814B2 - 脂肪酸アルキルエステル系ディーゼル燃料 - Google Patents

脂肪酸アルキルエステル系ディーゼル燃料 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、脂肪酸アルキルエステル系ディーゼル燃料に関する。さらに詳しくは、特定の添加剤を加えることにより、曇点を低下させ、低温での固化防止を達成した脂肪酸アルキルエステル系ディーゼル燃料に関する。
ここで、曇点とは、液体が透明性を失い固化白濁し始める温度をいい、以下、凝固点ということもある。
【0002】
【従来の技術】
油脂、とくに植物油からの油脂と低級脂肪族アルコール(以下、アルコールという)のエステル交換反応から得られる脂肪酸メチルエステルなどの脂肪酸アルキルエステルは、粘度、比重などの物性や、燃焼性が軽油に類似しており、エンジンの改造をしなくても使用できるディーゼル燃料としての可能性が古くから指摘されていた。
最近、植物油を原料とする脂肪酸メチルエステルは、リサイクル可能なバイオ燃料として、とくに米国や欧州で広く利用され始めている。しかしながら、欧米では、主として新油の植物油由来のものが利用されていて、軽油に比べてコスト高のために、主に軽油との混合系で使用されている。
【0003】
一方、レストラン、食品工場、一般家庭等で使用されて廃棄される食油(廃食油)は、凝固剤により処理して土中に埋めたり、家庭用ごみとしてそのまま捨てられ、焼却する等の方法により処理されるのが一般的であった。しかし、近年、地球環境浄化の理念の高まりに伴い、これら廃食油についても有効再利用の動きが活発化し始めており、その一つとして、メタノールとのエステル交換反応により脂肪酸メチルエステルを得て、ディーゼル燃料に適した油を製造する試みが始まっている。
【0004】
ところで、油脂とメタノールのエステル交換反応で得られる脂肪酸メチルエステル中には、副生物のグリセリンや反応中間体のモノグリセライド、ジグリセライド、未反応のトリグリセライドが残存する。これらの残存量が多いとディーゼル燃料油としての品質を満足せず、可能な限り少なくすることが望まれる。
すなわち、脂肪酸メチルエステル単独系では、モノグリセライド、ジグリセライドの両親媒性物質により脂肪酸メチルエステルの中で可溶化されていた親水性のグリセリンが、貯蔵中の時間、温度などの環境変化で、分離して沈降する可能性があり、また軽油との混合系では、モノグリセライド、ジグリセライドは軽油中にも溶解し、グリセリンの可溶化の程度が減少して、分離、沈降する可能性が大きくなる。このような現象が貯蔵中および自動車の燃料配管系で起きれば、種々のトラブルが生じディーゼル燃料として不適格である。もちろん、残存メタノールや水分を可能なかぎり低減される必要があるのはいうまでもない。
【0005】
このような理由から、欧米では、脂肪酸メチルエステルのディーゼル燃料油としての品質規格が設定されてきた。ドイツ(DIN E 51606)、フランス(Journal official)、イタリア(UNI 10635)などでは、脂肪酸メチルエステル純度が98%以上、モノグリセライドが0.8%以下、ジグリセライドが0.2〜0.4%以下、トリグリセライド(未反応)が0.2〜0.4%以下、グリセリンが0.02〜0.05%以下となっており、現在、欧州(EU)統一規格が検討されている。米国(ASTM PS−121−99)ではグリセリンが0.02%以下と規定されている。
【0006】
以上のような高純度の脂肪酸メチルエステルは、通常、反応後の脂肪酸メチルエステルを水洗などの精製工程を経ることで得られるが、飽和脂肪酸エステルの含量が多い脂肪酸メチルエステルは、高純度になればなるほど本来の物性が現れ、低温において、固化する傾向がある。
とくに、パーム系油脂や、パーム系油脂を配合した食用油の廃食油(廃食油の場合は、高融点の動物油も混入している)を原料とする場合は、0〜5℃においても一部固化し、ディーゼル燃料油として不適合となっている。わが国では、夏季は問題ないが、冬季には、保管場所やエンジン停止後の車輌の燃料系統内で固化を起こし問題となっている。
しかし、脂肪酸エステル系ディーゼル燃料油における、飽和脂肪酸エステルに由来する低温下における固化の問題について、問題解決を試みた事例は見当たらない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記してきた事情に鑑み、各種油脂原料を出発原料とした脂肪酸アルキルエステルであって、ディーゼル燃料としての品質を満足し、かつ低温において固化することのない脂肪酸アルキルエステル系ディーゼル燃料を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記目的を達成するために鋭意検討した結果、精製された脂肪酸アルキルエステルに、曇点低下作用を有する特定の化合物を添加することにより、燃料品質を満足し、かつ低温での固化防止を達成した脂肪酸アルキルエステル系ディーゼル燃料が得られることを見出し、本発明を完成した。
【0009】
すなわち、本発明は、油脂とアルコールのエステル交換反応混合物を精製して得られた脂肪酸アルキルエステルに、曇点低下剤として、炭素数6〜10の炭化水素鎖を有する油脂およびそのジグリセライド、モノグリセライド、および、炭素数2〜10の脂肪族アルコールからなる群から選ばれた1種以上を添加したものである脂肪酸アルキルエステル系ディーゼル燃料を提供するものである。
【0010】
また、本発明は、曇点が0〜10℃の脂肪酸アルキルエステルを、曇点低下剤の添加により曇点を0℃以下に低下させたものである脂肪酸アルキルエステル系ディーゼル燃料を提供する。炭素数6〜10の炭化水素鎖を有する油脂およびそのジグリセライド、モノグリセライド、および、炭素数2〜10の脂肪族アルコールからなる群から選ばれた1種以上の曇点低下剤の添加量は、脂肪酸アルキルエステルに対して0.5〜5重量%であることが好ましい。
さらに、油脂が、植物油または廃食油を原料とするものであることが好ましく、脂肪酸アルキルエステルは、脂肪酸メチルエステルであることが好ましい。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に関し、より詳細に本発明を説明する。
【0012】
(エステル交換反応)
脂肪酸アルキルエステルは、通常、油脂とアルコールとのエステル交換反応により得られる。ディーゼル燃料用脂肪酸アルキルエステルの製造に適した原料油脂としては、炭素数が10〜18程度の不飽和もしくは飽和の脂肪酸のトリグリセライドであり、脂肪酸アルキルエステルとしたときに液状であるものが好ましい。具体的には、菜種油、ごま油、大豆油、とうもろこし油、ひまわり油、パーム油、パーム核油、やし油、紅花油などの植物油が挙げられる。
ディーゼル燃料用脂肪酸アルキルエステルの製造に特に好ましい植物油としては、炭素数が12〜18程度の不飽和もしくは飽和脂肪酸のトリグリセライドを多く含む、菜種油、ごま油、大豆油、とうもろこし油、パーム油の1種または2種以上の混合物である。
【0013】
また、これらの原料油脂は、新油に限らず廃食油であってもよい。
廃食油は、出所により多種多様な内容、性状であるが、一般的にいって、新油との相違点は、外からの固形夾雑物、もとの油脂の劣化、重合等の変性物の存在等が考えられる。しかしながら、もとのままの油脂が大部分を占めており、夾雑物、不純物は、必要であれば濾過等の適当な前処理工程を施すことにより、影響を除外できる。したがって、脂肪酸アルキルエステル系ディーゼル燃料の製造原料とすることの障害は基本的には存在しない。
【0014】
油脂と反応させるためのアルコールとしては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどの炭素数1〜3の脂肪族アルコールより選ばれる1種または2種以上の混合物が挙げられ、メタノール、エタノールが好ましく、メタノールが最も好ましい。
【0015】
本発明の効果をより多く享受できるのは、脂肪酸アルキルエステル系ディーゼル燃料に使用される脂肪酸アルキルエステルの曇点が0〜10℃と高いときである。
前記のような植物油であっても、パーム油等、パルミチン酸などの長鎖アルキルの飽和脂肪酸組成を多く含む原料油脂を用いた場合、あるいは、動物油脂をも含む廃食油を用いた場合など、エステル交換反応により得られる脂肪酸アルキルエステルは、曇点が高くなり、低温で一部が固化するという問題が起こる。また、前記したように、長鎖アルキルの飽和脂肪酸組成を多く含む脂肪酸アルキルエステルを高純度に精製するほど低温固化が起こりやすくなる。
【0016】
本発明はこのような曇点が高い脂肪酸アルキルエステルにおける、低温での固化という問題を、後述の特定の化合物を添加することにより解決する。また、不飽和脂肪酸が多いために曇点があまり高くない脂肪酸アルキルエステルにおいても、曇点を低下させることにより、より厳しい低温条件下での固化防止を確実にする。
【0017】
本発明において、油脂とアルコールのエステル交換反応により脂肪酸アルキルエステルを製造する場合の、エステル交換反応の反応方法、反応条件は、常法でよく、とくに限定されない。酸またはアルカリ触媒を用いる反応方法、固体触媒(化学的触媒、生体的触媒など)を用いる反応方法、高温、高圧系(アルコールの亜臨界および超臨界状態など)での無触媒あるいは微量の触媒による方法等いずれの反応方法が採用されてよく、反応条件もそれら反応方法において通常行われるものが採用できる。
【0018】
原料油脂と反応させるアルコールは、最も好適なメタノールを例にとれば油脂100重量部に対して10〜30重量部が好ましく、15〜25重量部がより好ましい。この理由は、反応率向上のためであって、エステル交換反応は平衡反応であることを考慮してできるだけアルコールの量が多いほうが望ましいが、30重量部を越えても反応率の向上は小さい。
【0019】
エステル交換反応にアルカリ触媒を用いる場合は、具体的には、例えば、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、ナトリウムアルコラート、カリウムアルコラートなどのアルカリ物質が挙げられる。これらのうち、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが好ましく、アルカリ性が最も強く、触媒作用の強い水酸化カリウムが最も好ましく用いられる。
【0020】
水酸化カリウムの使用量は、油脂原料100部に対して0.2〜1.5重量部が好ましく、0.4〜1.5重量部と多いほうがより好ましい。その理由は、ディーゼル燃料用脂肪酸アルキルエステルとしては、例えば、欧州の規格を参考にすれば、脂肪酸メチルエステルの純度が98%以上となっており、脂肪酸メチルエステルの蒸留精製(エネルギー消費が大である)を考慮しない限り、できるだけエステル交換反応の反応率を上げる必要があり多くの触媒が要求されるからである。ただし、1.5重量部以上ではその効果に比してコスト高となり不利である。
【0021】
また、水酸化カリウムなど触媒作用の強い触媒を用いることで、エステル交換反応の効率を上げることができ、未反応のトリグリセライド、反応中間体のジグリセライド、モノグリセライドを低減することができる。それにより、後記軽液中でジグリセライド、モノグリセライドによって可溶化されるグリセリン量が少なくなり、軽液処理工程における負荷を少なくできる結果、水洗水の量が減って排出物も少なくなる。
【0022】
反応温度については、反応率の向上にはほとんど影響はないが、反応速度の観点から、50〜100℃が好ましい。高温ほど効果はあるが、100℃を越えると水酸化カリウムを用いる場合には、強アルカリ性による副生グリセリンの重合や油脂成分の分解反応が起こるおそれがある。
【0023】
(軽液の処理工程)
エステル交換反応工程、当該反応後の過剰アルコールの除去工程およびグリセリンを主成分とする重液の分層分離工程を経て得られる脂肪酸アルキルエステルを主成分とする軽液を処理するには、軽液に水を混合して水洗する。
水洗工程は、軽液中に含まれる微量のグリセリンおよびアルカリ物質などを除去することが主目的であり、他の含有成分であるジグリセライド、モノグリセライドなどの両親媒性物質の一部も水洗水への分配溶解等で除去することも目的としている。軽液の水洗水の量は、軽液100重量部に対して10〜50重量部でよい。好ましくは20〜30重量部である。10重量部以下では洗浄効率が悪くなる。
攪拌水洗後、静置して水相を除去後、脂肪酸アルキルエステル中の微量水分を蒸留除去する。
【0024】
(精製脂肪酸アルキルエステルの改質)
本発明は、前記した如く、軽液を精製して得られる脂肪酸アルキルエステルを、低温における固化の問題がないよう改質することに特徴を有するものであるが、以下、その改質方法について説明する。
【0025】
水洗精製で高純度の脂肪酸アルキルエステルを得た場合には、水溶性のグリセリンが除去されると同時に、両親媒性のジグリセライド、モノグリセライドも分配係数に従って水相に移動し除去される。特に炭素数の小さい6〜10の炭素鎖を有するジグリセライド、モノグリセライド、および未反応トリグリセライドも同伴されて除去される。これに従って、脂肪酸アルキルエステルは炭素数12以上に精製されることになり、全体として、凝固点(曇点)が高くなる。
特に飽和脂肪酸の含量が多い脂肪酸アルキルエステルでは、その傾向が顕著になる。
【0026】
本発明では、凝固点(曇点)低下剤として、炭素数6〜10の炭化水素鎖を有する油脂およびそのジグリセライド、モノグリセライド、および、炭素数2〜10の脂肪族アルコールからなる群から選ばれた1種以上を添加する。
【0027】
中鎖トリグリセライドである炭素数6〜10のトリグリセライド、および、脂肪酸アルキルエステルのカルボニル基の酸素と比較的なじみやすい水酸基の水素をもち分子間相互作用を有するそれらのジグリセライド、モノグリセライドは凝固点低下剤となる。
炭素数6〜10の炭素鎖を有する油脂の脂肪酸組成が、カプロン酸、カプリル酸、カプリン酸であるトリグリセライド、ジグリセライド、モノグリセライドが好ましいが、植物性の、カプリル酸、カプロン酸組成(炭素数8および10)が特に好ましい。これらは、単品または混合物で用いられる。
【0028】
また、炭素数2〜10の脂肪族アルコールも凝固点低下剤となる。
脂肪酸アルキルエステルのカルボニル基と比較的なじみやすい水酸基をもち、分子量が小さいので、分子運動が大きくて適当に脂肪酸アルキルエステルに拘束され、離れることも可能であるためか、少量の添加で効果がある。
炭素数2〜10の脂肪族アルコールとしては、エチルアルコール、プロピルアルコール、ブチルアルコール、ヘキシルアルコール、オクチルアルコール、デシルアルコールが好ましく用いることができ、環境の観点からは、植物由来でつくることのできる脂肪族アルコールとして、エチルアルコールおよびブチルアルコール(醗酵法)、ヘキシルアルコール、オクチルアルコール、デシルアルコールが特に好ましい。これらは単品または混合物で用いられる。
【0029】
以上の化合物を、凝固点(曇点)低下剤として脂肪酸アルキルエステルに対して0.5〜5重量%添加することが好ましく、1〜2%であることが特に好ましい。
【0030】
【実施例】
以下、本発明の具体的な実施例について、実験結果を示して説明する。もちろん、本発明は以下の実施例に限定されるものではないことはいうまでもない。
【0031】
実施例
廃食油(廃食油原料として入手できる平均的なもの;曇点4℃)1000gと、水酸化カリウム10gを溶解したメタノール溶液210gとを攪拌槽に仕込み、65℃、30分間エステル交換反応させた。反応後、メタノールを蒸留して回収し、反応液を分層分離して、軽液、重液をそれぞれ970g、150gを得た。軽液100重量部に対して50重量部の水を添加し、40℃で攪拌下に保持して水洗した。その後一昼夜静置し、水相を分離した。最後に80℃、減圧下で、微量の水分を除去した。このものをガスクロマトグラフィーにより分析したところ、脂肪酸メチルエステルが98.1%、モノグリセライドが0.7%、ジグリセライドが、0.5%、グリセリンが0.02%であった。曇点は2℃であった。
この精製脂肪酸メチルエステルに、本発明の添加剤を各種配合し、曇点を測定し表1の結果を得た。
本発明の添加剤の曇点低下効果が観察されたが、なかでもアルコール系添加剤の効果は大きかった。
【0032】
【表1】
Figure 0004456814
【0033】
比較例
実施例と同様の操作で脂肪酸メチルエステルを得た。水洗前のもの、水洗後のもの、市販の流動点降下剤(商品名アクルーブ136、三洋化成(株)製;エンジンオイルなどを対象に開発されたポリメタクリレート系流動点降下剤)を添加したものの比較を行った。
結果を表2に示す。市販の添加剤も効果は見られるもののパーフォーマンス/コストではるかに劣っている(市販添加剤は、本発明の添加剤のおよそ10倍の価格)。
【0034】
【表2】
Figure 0004456814
【0035】
【発明の効果】
本発明の脂肪酸アルキルエステル系ディーゼル燃料は、精製脂肪酸アルキルエステルに、曇点低下剤として、中鎖脂肪酸のモノ−、ジ−、トリグリセライド、炭素数2〜10の脂肪族アルコールからなる群から選ばれた1種以上を添加したものであり、ディーゼル燃料としての品質を満足し、かつ低温において固化することのないものである。
また、例えば、廃食油を出発原料とした場合でも、得られる脂肪酸メチルエステル系ディーゼル燃料は、0℃付近の低温においても、固化しないものとなる。
本発明で使用する曇点低下剤は少量添加で効果があるものであり、植物油や廃食油、特に廃食油を出発原料とするとき、本発明の脂肪酸アルキルエステル系ディーゼル燃料は、環境にやさしく、かつコストも低廉なバイオ燃料となる。

Claims (2)

  1. 廃食油を原料とする油脂とアルコールのエステル交換反応混合物を精製して得られた曇点が0〜10℃の脂肪酸アルキルエステルと、炭素数2〜10の脂肪族アルコールの1種以上からなる曇点低下剤とからなる脂肪酸アルキルエステル系ディーゼル燃料であって、該曇点低下剤の添加量が、前記脂肪酸アルキルエステルに対して0.5〜5重量%である、脂肪酸アルキルエステル系ディーゼル燃料。
  2. 脂肪酸アルキルエステルが、脂肪酸メチルエステルである請求項1に記載の脂肪酸アルキルエステル系ディーゼル燃料。
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