JP4456707B2 - Plate making apparatus and plate making printing apparatus - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、製版装置および製版印刷装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より簡便な印刷方式としてデジタル式感熱孔版印刷装置を使用した孔版印刷が知られている。これは、発熱素子とも呼ばれている微細な発熱抵抗体が主走査方向に多数並んだサーマルヘッドを感熱性マスタ(以下、単に「マスタ」という)を介してプラテンローラに押付け、サーマルヘッドの発熱抵抗体にパルス的に通電し発熱させながらプラテンローラでマスタを搬送することで、画像情報に基づいて加熱溶融穿孔・製版させた後、マスタを自動搬送して、多孔性円筒状の版胴の外周面に自動的に巻き付け、そのマスタに対してプレスローラ等の押圧手段で印刷用紙を連続的に押付け、版胴内部に設けられたインキ供給部材によりインキを供給して、版胴の開孔部分およびマスタの穿孔部分からインキを通過させ印刷用紙に転移させることで印刷画像を形成させるようになっている。
このような従来の孔版印刷装置で使用されるプラテンローラは、通常、サーマルヘッドにマスタを押付けるマスタ押圧機能と、サーマルヘッドとの間にマスタを挟み込み搬送するマスタ搬送機能との両機能を有している。したがって、マスタは、サーマルヘッドと前記したマスタ押圧機能およびマスタ搬送機能を有するプラテンローラとの間を、プラテンローラが回転駆動されることにより搬送されていた。最近では、部材の低減や材料の節減およびコストダウンを図るために、プラテンローラの外周径を小径化した小径化プラテンローラが使用され始めている。
【0003】
一方、前記したような孔版印刷装置で使用されるマスタは、非常に薄いポリエステル等の熱可塑性樹脂フィルムと、インキ通過性の多孔質支持体(以下、「ベース」というときがある)として和紙や合成繊維、あるいは和紙および合成繊維を混抄したものとを接着剤層等を介して貼り合わせたラミネート構造となっていて、ベースの前記繊維部分および熱可塑性樹脂フィルムの穿孔部分より滲出したインキが印刷用紙に転移して孔版印刷が行われる。
そのため、マスタのベースに使用されている繊維が複雑に絡み合って固まっているダマと呼ばれる部分や、太い繊維が熱可塑性樹脂フィルムの穿孔部分を横切っている部分では、インキの通過が阻害されインキが印刷用紙に転移せずに、特にベタ部において繊維模様が現れたり、あるいは文字とか細線等がかすれたり切れたりしてしまう、繊維目という画像の不良現象が発生し、画質が悪化する不具合があった。そこで、繊維目の元となる和紙等のベースの厚さを薄くしたり、ベースそのものを除去した実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタを使用して印刷を行うようにすることで、繊維目を低減する等の試みがなされている。従来のマスタの厚さが、通常、約40〜50μm程度であるのに対して、実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタの場合にはその厚さが約1〜7μmと極めて薄いものとなっている。ここで、実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなるマスタとは、マスタが熱可塑性樹脂フィルムのみからなるものの他、熱可塑性樹脂フィルムに帯電防止剤等の微量成分を含有してなるもの、さらには熱可塑性樹脂フィルムの両主面、すなわち表面又は裏面のうち少なくとも一方に、オーバーコート層等の薄膜層を1層又は複数層形成してなるものを含む。
【0004】
また、近年、実質的に熱可塑性樹脂フイルム(以下、単に「フィルム」というときがある)のみからなるマスタ(その厚さが約1〜7μm)程ではないが、特に印刷画質を向上したり環境保護等を考慮したりする目的で、従来のマスタ(その厚さが約40〜50μm程度)よりも厚さが薄く(厚さ10〜30μm程度)、かつ、マスタのベースに細い合成繊維が100%、あるいは天然繊維に細い合成繊維を混抄したマスタ(以下、「合成繊維ベースマスタ」というときがある)も使用されている。この合成繊維ベースマスタは、ベースが天然繊維からなるマスタに対して、剛度(強度)が低く腰が弱いものとなっている(例えば特開平11−77949号公報や特開平11−91227号公報等参照)。
【0005】
マスタのベース表面側の摩擦係数μおよびフイルム面側の平滑度について、合成繊維ベースマスタとベースが天然繊維からなるマスタとを比較すると、天然繊維からなるマスタのベース表面側の摩擦係数μを1とした場合、合成繊維ベースマスタのベース表面側の摩擦係数μは0.8程度であり、ベースが天然繊維からなるマスタに対して低いものとなっている。また、ベースを形成する繊維の太さによってマスタのフイルム面側の平滑度が変わる。すなわち、例えばベースが天然繊維からなるマスタの場合、合成繊維ベースマスタの合成繊維糸の太さに対して、繊維の太さが太いためベース面が凹凸状となり、その上にフイルムを貼り合わせるので、繊維の太さが細く、かつ、均一な合成繊維ベースマスタに比べて平滑度が低下する。それ故に、合成繊維ベースマスタのフイルム面側の平滑度の方が、ベースが天然繊維からなるマスタのそれに比べて高く滑りやすいものとなっている。
このように、ベースの厚さを薄くしたマスタや、ベースそのものを除去したマスタ、あるいは合成繊維ベースマスタ等は、強度が低く滑りやすく熱収縮性の高い特性を有する。このような特性を有するマスタ等を使用する場合には、マスタのフィルム側表面のプラテンローラへの接触面積が大きくなり、その摩擦力が大きい場合、プラテンローラによるマスタの正常な搬送ができなくなる「スティック」と呼ばれる問題が発生しやすい。ここで、「スティック」とは、マスタのフイルムがサーマルヘッドの発熱抵抗体表面へ貼り付く現象をいう。
【0006】
画像信号に応じてサーマルヘッドの発熱抵抗体を発熱させ、そのジュール熱によりマスタのフィルム部分を溶融穿孔した後、製版済みのマスタがプラテンローラとサーマルヘッドに挟まれた状態で搬送されると、マスタのフィルム側表面の摩擦力が大きい場合、溶融したマスタのフィルム部分がサーマルヘッド表面に溶着しやすく、プラテンローラで正常な搬送ができなくなるからである。
【0007】
スティックが生じた場合、結果としていわゆる「製版縮み」と呼ばれる画像再現性の劣化が発生する。その理由は、溶融穿孔されたマスタがサーマルヘッド表面に溶着すると搬送負荷が増大し、かかる状態で長い距離を搬送するとその分だけマスタの搬送距離が短くなるためである。
【0008】
主走査方向において、一度に溶融穿孔する数が多ければ多い程、すなわち1ラインでの印字率が高ければ高い程、搬送負荷は増大し、製版縮み量は大きくなる。また、マスタ搬送方向(副走査方向)において溶融穿孔する数が多ければ多い程、画像全体としての縮み量(絶対量:1ラインの縮み×ライン数)が大きくなるという関係も成り立つ。
この製版縮みの問題に対する従来対策としては、押圧手段による押圧力を大きくしたり、プラテンローラの径を大きくすることで十分な有効ニップ幅を確保し、マスタとプラテンローラとの間の摩擦力を大きくすること、などの手法が知られている。
他の対策として、サーマルヘッドの発熱抵抗体の位置を有効ニップ幅に対してマスタ排出側にずらして配置することも有効と考えられる。すなわち、穿孔後のマスタの搬送距離を極端に短くしてスティックの発生の余地が無いようにするものである。
【0009】
しかしながら、押圧手段による押圧力を大きくしたり、プラテンローラの径を大きくする手法は、市場要請である小型化に逆行するものと言える。
また、発熱抵抗体をマスタ排出側にずらす手法では、発熱抵抗体とニップ幅の位置を高精度に確保し、かつ、穿孔後のマスタがプラテンローラに挟まれた状態で搬送される距離が穿孔前にマスタがプラテンローラに挟まれた状態で搬送される距離よりも短いという条件を満足していなければならず、必然的に有効ニップ幅が狭くなる小径プラテンローラ(直径が16mm程度以下)においては、現実的に非常に困難な方法と言える。
【0010】
上述したように、プラテンローラとしては小径化プラテンローラが、マスタとしてはその強度が低く滑りやすく熱収縮性の高い特性を有するものがそれぞれ使用されてきており、このようなマスタに製版させ、製版されたマスタを小径化プラテンローラで搬送させることが必要となってきている。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、プラテンローラの機能として、マスタ押圧機能およびマスタ搬送機能の二種類があることから、制御上相反する機能を得たい場合において、後述するように両機能を満足させるように制御しきれなくなる可能性がある。
例えば、プラテンローラとマスタとの摩擦不足等により生じるスティックなどによって製版長さ(マスタ製版寸法)が短くなってしまい、適正な搬送距離を送ることができない場合や小径化プラテンローラを使用する場合には、押圧力を高くして、プラテンローラとマスタとの間の摩擦力を高めることでマスタの搬送を行っている。
一方、前記したような強度が低く滑りやすく熱収縮性の高い特性を有するマスタなどは、押圧力が高すぎる場合にはマスタ自身が変形(サーマルヘッドにて加熱溶融してできた穿孔部の変形)してしまったり、強度が大幅に低下してしまうことでマスタ伸びやフィルムの縮みが不均一になりやすく、これによりマスタ製版時にシワが発生したり、版胴に巻装するときにそのマスタの変形が元で巻装シワが発生しやすくなったりするという問題点もある。
【0012】
つまり、小径化プラテンローラでは、弱いマスタ押圧力でプラテンローラとサーマルヘッドとのニップ部(接地面積)を適度に確保するのが難しく、結果としてマスタの搬送力を確保するのが困難になってきている。
【0013】
このように、強度の低いマスタを使用し、かつ、小径化プラテンローラを使用する場合などにおいては、「マスタの搬送力確保のための強い力でのマスタ押圧」と「マスタ変形防止のための弱い力でのマスタ押圧」との2つの要求機能を満たすのが難しくなる。
【0014】
また、プラテンローラとサーマルヘッドとの間で製版されたマスタは、その部分の強度が低下した状態にあるが、その部分のマスタがその後もサーマルヘッドに接近した状態で搬送されるような場合では、始めのうちはよいが連続して製版が継続されると、スティックを生じやすくなったり、製版済みのマスタのフィルム部分がサーマルヘッドの蓄熱等の影響を受けて変形を起こしやすくなってしまう問題点もある。
【0015】
また、小径化プラテンローラを使用した場合には、次に述べるような問題点も発生するので、図19に示す製版装置で説明する。すなわち、この製版装置は、図19(b)に示すように、小径化プラテンローラ10または図において括弧を付して示す従来の通常のプラテンローラ200と、これらのプラテンローラ10,200の軸方向に沿って対向して設けられたサーマルヘッド11と、このサーマルヘッド11を各プラテンローラ10,200へ向けて押圧するバネ等を備えた押圧手段25Aとを有する。
サーマルヘッド11の各プラテンローラ10,200と対向する面には、各プラテンローラ10,200の回転軸心方向である主走査方向に発熱抵抗体が複数並設されていて、これにより図19(a)に破線で示すような発熱抵抗体列が形成されている。サーマルヘッド11の発熱抵抗体は、製版すべき原稿から読み取った画像情報に基づいて選択的に発熱されるようになっている。
各プラテンローラ10.200に対してサーマルヘッド11が押し付けられて形成されたニップ部Nに、熱可塑性樹脂フィルムを有するマスタ8がロール状態から繰り出されて案内され、マスタ8はニップ部Nで押圧されると共に発熱抵抗体の熱により溶融穿孔されながら各小径化プラテンローラ10,200の回転によってその摩擦力で搬送される。なお、各プラテンローラ10,200をサーマルヘッド11に押し付けてニップ部Nを形成する方式もある。
【0016】
各プラテンローラ10,200は、例えば、芯金10a’,200a’と、これらの芯金10a’,200a’の周りに被覆されゴム等でできた高分子の弾性体層10b,200bと、各芯金10a’,200a’と一体的に形成されたプラテンローラ軸10a,200aとから構成されており、各プラテンローラ軸10a,200aの両端部が図示しない軸受で支持された、いわゆる両端支持梁構成の下、図示しない駆動源で回転駆動されるようになっている。各弾性体層10b,200bは、マスタ8をサーマルヘッド11の発熱面に押圧するためのニップ部Nを形成し、かつ、マスタ8を搬送するための摩擦力を得るためのもので、材質としてはあくまでも一例である。
小径化プラテンローラ10は、通常のプラテンローラ200と比較して、直径および芯金径の寸法が小さくなっている。ちなみに、例えば、通常のプラテンローラ200ではその直径が24mm、芯金200a’の径が18mmであるのに対し、小径化プラテンローラ10ではその直径が12mm、芯金10a’の径が8mmというように小さくなっている。また、サーマルヘッド11の長さとしては、各プラテンローラ軸10a,200aの長手方向(主走査方向)において、例えば、B4サイズ対応のものは270〜280mm、A3サイズ対応のものは300〜320mmとなっている。なお、前記した各寸法はあくまでも一例にすぎない。
【0017】
マスタ8のフィルム表面側の平滑度が変化すると、サーマルヘッド11の発熱面に対するマスタ8のフィルム表面の接触が不均一となり、穿孔不良が生じて画質の低下を来すことになる。このフィルム表面の平滑度の変化に対応するために、従来ではプラテンローラ200とサーマルヘッド11の有効接地面幅、すなわち図19(a)で梨地模様で示す有効ニップ幅Nbを極力大きくするようなセッティングとなっている。例えば、プラテンローラ200において、その押圧力:1.5〜3.5N/cm、ゴム硬度:33〜43Hs(JIS−Aスケール)、ゴム厚:2〜6mm、直径:18〜24mm等となっており、その結果、有効ニップ幅Nbは、約1.4〜4mmとなっている。もちろん、有効ニップ幅Nbはサーマルヘッド11の仕様のバラツキ、押圧手段25Aの押圧力分布のバラツキによって変化する。
【0018】
小径化プラテンローラ10を採用することにより、前記した利点の他に、その小径化に対応してサーマルヘッド11も小型にすることができ、全体として装置の小型化、低コスト化を促進することができるという利点も得られる。ここで、小径化プラテンローラ10としては、その直径が16mm程度以下のものを指すものとする。小径化プラテンローラ10としては、有効ニップ幅Nbはプラテンローラ200のそれと比較して必然的に狭くなる。
一方、サーマルヘッド11の発熱体抵抗体の位置精度について説明すると、サーマルヘッド11自体の組付け公差、プラテンローラ200とサーマルヘッド11の組付け公差を含めても約±0.2mmである。この値はサーマルヘッド11の組付け公差であり、製版装置に組付ける際の公差は組付け方式により相殺できる。したがって、プラテンローラ200の径が小さくなっても前記公差(±0.2mm)以上の有効ニップ幅Nbが確保できれば問題はない。
【0019】
しかしながら、小径化プラテンローラ10を用いた構成では、小径化による特有の問題が発生する。
すなわち、図19(a)の平面図に誇張して示すように、小径化プラテンローラ10は、両端支持梁構成で、かつ、プラテンローラ200と比較して芯金10a’の径も当然に小さくなって機械的強度が低下するため、マスタ8を搬送する回転方向、すなわちプラテンローラの押圧方向と直交するマスタ搬送方向X側において、小径化プラテンローラ10の前記軸受によって支持されている両端部よりも中央部の方が曲げモーメントが大きくなって曲げ変形を受けやすくなり、小径化プラテンローラ10の長手方向の中央部を凸部の頂点とした弓形状の撓み変形(小径化プラテンローラ10の長手方向の中央部がマスタ搬送方向Xの下流側へ突出した状態)を生じることとなる。この小径化プラテンローラ10の弓形状の撓み変形により、マスタ搬送方向X側において、小径化プラテンローラ10の有効ニップ幅Nbがサーマルヘッド11の発熱抵抗体列の位置から外れてしまい、これにより押圧不足となってサーマルヘッド11の発熱抵抗体で発生した熱がマスタ8に伝わらなくなり、穿孔不良となってしまうという問題点があった。 小径化プラテンローラ10の長手方向の中央部がマスタ搬送方向Xの下流側へ突出した弓形状の撓み変形量は、図1を借りて説明すると、マスタロール8a側のバックテンション等の負荷の大きさの関係で変わる。このマスタロール8a側の負荷が大きい場合には、上述したとは逆に、小径化プラテンローラ10におけるマスタ搬送方向Xの上流側へ突出した弓形状の撓み変形を生じることになるが、本発明の実施形態1等で後述するようにマスタロール8a側のバックテンション等の負荷の大きさを、小径化プラテンローラ10を従動回転させつつマスタ8をマスタ搬送方向Xの下流側へと搬送する搬送力よりも十分に小さく設定している(マスタロール8a側のバックテンションは、外部振動等によってマスタロール8aが回転して自然にマスタ8が繰り出さない程度の大きさに設定している)から、小径化プラテンローラ10におけるマスタ搬送方向Xの下流側へ突出した弓形状の撓み変形が対策すべき問題となり、これを防止すればよい。
【0020】
また、図20に誇張して示すように、小径化プラテンローラ10は、両端支持梁構成で、かつ、プラテンローラ200と比較して芯金10a’の径も当然に小さくなって機械的強度が低下するため、押圧された場合、図示しない軸受によって支持されているプラテンローラ軸10a寄りの両端部よりも中央部の方が圧力が逃げやすいため、極端な表現をすれば、中央部を頂点として上方向U(符号Dは下方向を示す)に山なり状に撓んでしまう。ここでは、図19に示したものを含め小径化プラテンローラ10として、直径が12mm、芯金の径が8mmのものを示している。
図20および図21において、符号220は、サーマルヘッド11を小径化プラテンローラ10へ向けて押圧する押圧手段を示す。押圧手段220は、サーマルヘッド11の主走査方向の中央に作用するバネ等からなる押圧部材230と、主走査方向の中央を中心として左右の対称位置に作用する押圧部材235,235’とから構成されており、いわゆる3点押圧方式と呼ばれるものである。
【0021】
図20に示したプラテンローラ押圧方向の撓みが発生すると、小径化プラテンローラ10の両端部における有効ニップ幅に比べて中央部での有効ニップ幅が狭く、あるいは存在しなくなる。このため、サーマルヘッド11の発熱抵抗体で発生した熱がマスタ8に伝わらなくなり、穿孔不良となってしまうという問題点があった。
この問題点に対し、従来では、例えば図21に示すように、小径化プラテンローラ10の押圧される側と反対の側の、押圧力の作用点に対応した位置にコロ205を有するバックアップローラ210を設けて、プラテンローラ押圧方向の撓みを防止することも行われている。
なお、図21に示す従来のプラテンローラ押圧方向の撓み対策の改良すべき点に鑑みて、本願出願人が平成10年6月29日付けで特許出願した特願平10−182406号の図1および図3等に示されている技術が有効である。
【0022】
上記各問題点は、プラテンローラ200の直径を約16mm以下にした小径化プラテンローラ10の場合に顕在化する。従来の一般的な製版装置においては、プラテンローラ200の弾性体層のゴム厚を2mm以下とすると十分な有効ニップ幅Nbが取れなくなるため、ゴム厚は2mm以上としている。このことからも判るように、直径16mm以下の小径化プラテンローラ10で顕在化する上記問題点は、その芯金径が12mm以下で顕在化すると言える。また、プラテンローラの弾性体層のゴム厚、ゴム硬度によっても若干の影響はあるが、前記弓形状の撓み変形の原因は、押圧力とプラテンローラの芯金の剛性、すなわち、長さと径に依存する。
【0023】
したがって、本発明は、プラテンローラのマスタ押圧機能およびマスタ搬送機能を満足できる構成は限られてきていることから、プラテンローラの両機能を分離して、プラテンローラは、マスタ押圧機能を優先させ、マスタ搬送機能はプラテンローラよりもマスタ搬送方向下流側に駆動部材を設けることでプラテンローラを従動回転させる構成を採用することによって、前述した諸問題点を解決できる新規な製版装置およびこの製版装置を備えた製版印刷装置を提供することを主な目的とする。
【0024】
主たる請求項記載の発明の目的を挙げれば次のとおりである。
請求項1記載の発明の目的は、プラテンローラよりもマスタ搬送方向下流側に設けられ、マスタを介してプラテンローラを従動回転させる駆動部材と、該駆動部材を駆動する駆動手段とを有して構成すると共に、プラテンローラとサーマルヘッドとのニップ部よりもマスタ搬送方向下流側で、プラテンローラにマスタを巻き付けるマスタ巻き掛け角を大きくした状態でマスタの搬送を行い、マスタ搬送機能を駆動部材に、マスタ押圧機能をプラテンローラにそれぞれ分担させることにより、たとえ強度が低く滑りやすいマスタを使用する場合や、例えば小径化プラテンローラを使用する場合においても、サーマルヘッドへの押圧力を極力抑えることができ、これによりマスタの変形を防止できると共に、マスタの搬送距離を適正に保つことができ、なおかつ、適正な押圧力の下でマスタの搬送を確実に行うことができ、如何なるマスタであってもそれらの特性等に左右されずに製版できるようにすることにある。加えて、プラテンローラに対する駆動部材の押付け力を変える押付け力可変手段と、少なくとも製版時におけるマスタ搬送性等に影響を与えるマスタ搬送性等関係要因の特性値を検出するための特性値検出手段と、特性値検出手段からの信号に基づいて、押付け力を変えるように押付け力可変手段を制御する制御手段とを有することにより、特性値検出手段により検出された少なくともマスタ搬送性等関係要因の特性値の大小・高低等に応じて、押付け力を自動的に変えることができて、少なくとも製版時におけるマスタ搬送性等を確実に得ることができ、これによりマスタの搬送距離を適正に保つと共に、画像寸法再現性を良くすることにある。
【0028】
請求項12記載の発明の目的は、請求項1ないし11の何れか一つに記載の発明の目的を得る製版装置を有し、該製版装置で製版されたマスタを版胴に巻装する製版印刷装置で構成することにより、版胴へのマスタ巻装時において巻装シワ等の発生を防止して、画像寸法再現性を良くすることにある。
【0029】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上述した目的を達成するために、請求項毎の発明においては以下の構成を採っていることを特徴とするものである。
請求項1記載の発明は、熱可塑性樹脂フィルムを有するマスタを画像情報に応じて加熱製版するサーマルヘッドと、該サーマルヘッドにマスタを押付ける従動回転自在なプラテンローラとを具備する製版装置において、前記プラテンローラよりもマスタ搬送方向下流側に設けられ、マスタを介して前記プラテンローラを従動回転させる駆動部材と、該駆動部材を駆動する駆動手段とを有し、前記プラテンローラと前記サーマルヘッドとのニップ部よりも前記マスタ搬送方向下流側で、前記プラテンローラにマスタを巻き付けるマスタ巻き掛け角を大きくした状態でマスタの搬送を行い、前記プラテンローラに対する前記駆動部材の押付け力が可変であり、前記押付け力を変える押付け力可変手段と、少なくとも製版時におけるマスタ搬送性等に影響を与えるマスタ搬送性等関係要因の特性値を検出するための特性値検出手段と、前記特性値検出手段からの信号に基づいて、前記押付け力を変えるように前記押付け力可変手段を制御する制御手段とを具備することを特徴とする。
ここで、駆動手段の具体例としては、駆動部材の速度制御を安定かつ容易に行うという点から、後述する実施形態で用いられているようなステッピングモータが好ましいが、このような利点を望まなくてもよいのであればこれに限らず、制御用のDCモータ等であってもよい。
請求項1等における「マスタ巻き掛け角」とは、プラテンローラの軸方向から見て、サーマルヘッドとプラテンローラとのニップ部中心とプラテンローラの軸中心とを結ぶ半直線と、プラテンローラの軸方向から見て、マスタがニップ部中心からマスタ搬送方向下流側でプラテンローラの外周面に接触しているマスタ接触境界とプラテンローラの軸中心とを結ぶ半直線とがなす角をいう。
「少なくとも製版時におけるマスタ搬送性等に影響を与えるマスタ搬送性等関係要因」とは、製版・給版時等を含む他、マスタ搬送性に影響を与えるマスタ搬送性関係要因の他に、マスタ製版寸法の伸縮に影響を与えるマスタ伸縮関係要因を含むことを意味する。また、「マスタ搬送性」とは、マスタの搬送性能を指し、マスタの搬送力を含む広い上位概念用語である。
【0030】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の製版装置において、前記駆動部材は、マスタを介して前記プラテンローラに当接して配置されており、前記駆動部材と前記プラテンローラとの間で発生する搬送力でマスタの搬送を行うことを特徴とする。
【0031】
請求項3記載の発明は、請求項1または2記載の製版装置において、マスタに対する前記駆動部材の摩擦係数が、前記プラテンローラのそれよりも大きいことを特徴とする。
【0032】
請求項4記載の発明は、請求項1,2または3記載の製版装置において、前記駆動部材は、回転自在なローラであることを特徴とする。
【0034】
請求項5記載の発明は、請求項1,2,3または4記載の製版装置において、前記マスタ搬送性等関係要因の特性値が、前記製版装置本体の内部および外部の湿度のうちの少なくとも一方の湿度であり、前記特性値検出手段は、前記少なくとも一方の湿度を検出する湿度検出手段からなることを特徴とする。
【0035】
請求項6記載の発明は、請求項1,2,3または4記載の製版装置において、前記マスタ搬送性等関係要因の特性値が、マスタに形成される製版画像量であり、前記特性値検出手段は、前記製版画像量を検出する画像量検出手段からなることを特徴とする。
【0036】
請求項7記載の発明は、請求項1,2,3または4記載の製版装置において、前記マスタ搬送性等関係要因の特性値が、前記製版装置本体の内部および外部の温度のうちの少なくとも一方の温度であり、前記特性値検出手段は、前記少なくとも一方の温度を検出する温度検出手段からなることを特徴とする。
【0037】
請求項8記載の発明は、請求項1,2,3または4記載の製版装置において、前記マスタ搬送性等関係要因の特性値が、前記サーマルヘッドの温度であり、前記特性値検出手段は、前記サーマルヘッドの温度を検出するサーマルヘッド温度検出手段からなることを特徴とする。
【0038】
請求項9記載の発明は、請求項1ないし8の何れか一つに記載の製版装置において、前記制御手段は、少なくとも二つ以上の前記特性値検出手段からの各信号に基づいて、前記押付け力を変えるように前記押付け力可変手段を制御することを特徴とする。
【0039】
請求項10記載の発明は、請求項1ないし9の何れか一つに記載の製版装置において、前記プラテンローラよりもマスタ搬送方向上流側に設けられ、該プラテンローラを従動回転させるための前記駆動部材とは別の駆動部材を有することを特徴とする。
【0040】
請求項11記載の発明は、請求項1ないし10の何れか一つに記載の製版装置において、前記プラテンローラは、その外周径が小径化されている小径化プラテンローラであることを特徴とする。
【0041】
請求項12記載の発明は、請求項1ないし11の何れか一つに記載の製版装置を有し、該製版装置で製版されたマスタを巻装する版胴と、この版胴上のマスタにインキを供給するインキ供給手段とを有し、前記版胴上のマスタに印刷用紙を押付けて印刷用紙に印刷を行うことを特徴とする製版印刷装置である。
【0053】
【発明の実施の形態】
以下、図を参照して実施例を含む本発明の実施の形態(以下、単に「実施形態」という)を説明する。前述した従来例および各実施形態等に亘り、同一の機能および形状等を有する部材や構成部品等については、同一符号を付すことによりその説明を省略する。図において一対で構成されていて特別に区別して説明する必要がない部材や構成部品は、説明の簡明化を図る上から、その片方を適宜記載することでその説明に代えるものとする。図および説明の簡明化を図るため、図に表されるべき部材や構成部品であっても、その図において特別に説明する必要がない部材や構成部品は適宜断わりなく省略することがある。図において、各ローラの回転方向を表す場合において、駆動回転する場合を実線の矢印で、従動回転する場合を仮想線でそれぞれ表すものとする。
(実施形態1)
図1ないし図10を参照して第1の実施形態(以下、「実施形態1」という)を説明する。図1において、符号99は製版装置を、符号100は製版装置99を備えた製版印刷装置をそれぞれ示す。
製版装置99は、図1ないし図5に示すように、熱可塑性樹脂フィルムを有するマスタ8をマスタ搬送方向Xに繰り出し可能に貯容するマスタ貯容手段としてのマスタ支持部材8cと、繰り出されるマスタ8を画像情報に応じて加熱製版するサーマルヘッド11と、このサーマルヘッド11にマスタ8を押付ける従動回転自在な小径化プラテンローラ10と、この小径化プラテンローラ10よりもマスタ搬送方向X下流側に設けられ、マスタ8を介して小径化プラテンローラ10に圧接して配置され小径化プラテンローラ10を従動回転させる駆動部材としての駆動ローラ65と、この駆動ローラ65を駆動する駆動手段としての駆動モータ68と、小径化プラテンローラ10に対する駆動ローラ65の押付け力Fを変えるための押付け力可変手段50と、プラテンローラ10よりもマスタ搬送方向X下流側のマスタ8にフロントテンションを付与するためのフロントテンション付与手段38等とを具備している。
【0054】
製版装置99は、前記した特徴ある構成に加えて、小径化プラテンローラ10とサーマルヘッド11とのニップ部Nよりもマスタ搬送方向X下流側で、小径化プラテンローラ10にマスタ8を巻き付けるマスタ巻き掛け角θaを大きくした状態でマスタ8の搬送を行うことを特徴とするものであり、また駆動ローラ65と小径化プラテンローラ10との間で発生する搬送力でマスタ8の搬送を行うことを特徴とするものである。
【0055】
ここで、マスタ巻き掛け角θaとは、図2(b)に示すように、小径化プラテンローラ10の軸方向から見て、サーマルヘッド11と小径化プラテンローラ10とのニップ部中心Ncと小径化プラテンローラ10の軸中心10cとを結ぶ半直線と、小径化プラテンローラ10の軸方向から見て、マスタ8がニップ部中心Ncからマスタ搬送方向X下流側で小径化プラテンローラ10の外周面に接触しているマスタ接触境界Mb(小径化プラテンローラ10と駆動ローラ65とのニップ部の下流端でもある)と小径化プラテンローラ10の軸中心10cとを結ぶ半直線とがなす角度をいう。
【0056】
このように実施形態1では、マスタ巻き掛け角θaを大きくした状態でマスタ8の搬送を行うから、小径化プラテンローラ10よりもマスタ搬送方向X下流側のマスタ8もしくは製版された製版済みのマスタ8は、必然的に、サーマルヘッド11の発熱抵抗体11aより常に遠ざかる向きに搬送されているといえる。それ故に、マスタ8フィルム部分の加熱溶融部分がサーマルヘッド11の発熱抵抗体11aの保護膜表面と溶着してスティック等を生じることを抑制できると共に、これによりサーマルヘッド11との摩擦力を極力低減した状態でマスタ8の搬送距離を適正に確保でき、またマスタ8もしくは製版済みのマスタ8がサーマルヘッド11の発熱抵抗体11aの蓄熱などの影響を受けて変形してしまうことを防止でき、ひいてはマスタ8のシワ発生を確実に防止できることとなる。
【0057】
なお、従来の通常のプラテンローラ200についても、小径化プラテンローラ10に代えてプラテンローラ200に、小径化プラテンローラ10の軸中心10cに代えてプラテンローラ200の軸中心200cにそれぞれ読み替えることで、プラテンローラ200のマスタ巻き掛け角θaを定義できる。
【0058】
マスタ8は、連続シート状をなし、合成樹脂製のロール芯8bに巻き付けられてマスタロール8aが形成される。ロール芯8bは、マスタロール8aの両端面から突出していてマスタ8の幅よりも長く形成されている。マスタロール8aは、両端側のロール芯8bがマスタ支持部材8cにより反時計回り方向に回転自在に支持されていて、マスタ支持部材8cに対して着脱自在となっている。両端側のマスタ支持部材8cと両端側のロール芯8bとの間には、図示しないブレーキゴム等の制動部材が設けられていて、これにより、マスタロール8aからマスタ搬送方向Xに繰り出される際のマスタ8、すなわちマスタ支持部材8cと小径化プラテンローラ10との間のマスタ8に対して、マスタロール8aから外部振動等によって自然にマスタ8が繰り出さない程度の軽いバックテンションを付与するようになっている。
マスタ支持部材8cの両端側は、製版装置99におけるマスタ搬送方向Xに沿ってその左右両側に配設されている図2のみに示す製版側板対29a,29bに取り付けられている。製版側板対29a,29bには、駆動ローラ65の駆動ローラ軸65aの両端部を回転自在に、かつ、略水平方向に移動自在に案内支持する駆動ローラ65の案内手段としての案内溝29c,29cが形成されている他、後述する各ローラの軸等を支持する支持部等も形成されている。前述したとおり、マスタ8は、マスタ支持部材8cによって、マスタロール8aからマスタ搬送方向Xに繰り出し可能に貯容されている。
【0059】
マスタ8は、例えば厚さが1〜7μmの、実質的に熱可塑性樹脂フィルムのみからなる。マスタ8のフィルム材質としては、例えばポリエステルテレフタレート(PET)系のものが用いられる。
【0060】
なお、マスタ支持部材8cと小径化プラテンローラ10との間のマスタ8に対して適度のバックテンションを付与するバックテンション付与手段としては、前記したブレーキゴム等の制動部材に限らず、小径化プラテンローラ10よりもマスタ搬送方向X上流側のマスタ8に接触してマスタ8を挟持する回転自在な上下一対のテンションローラ(図示せず)と、この下側のテンションローラの回転を制動する制動手段としてのパウダー式やヒステリシス式の電磁ブレーキとで構成してもよい。このように構成した場合、例えば、後述する図4に示す製版駆動制御部75の制御機能を利用し、これにより、前記電磁ブレーキの励磁コイルに流す励磁電流を可変制御することでその伝達トルクを変えることによって、マスタの種類に応じて予め設定された大きさの制動力(ブレーキ力)を前記下側のテンションローラに加えるものである。
【0061】
サーマルヘッド11は、小径化プラテンローラ10のプラテンローラ軸10aと平行に延在して設けられていて、例えば本願出願人が提案した特開平10−157052号公報の図1ないし図7等に示されているものと同様の構成を備えた接離手段25(図1および図2に仮想線で示す)により、マスタ8を介して小径化プラテンローラ10に接離自在となっている。サーマルヘッド11は、接離手段25に配設された図示しないバネ部材により小径化プラテンローラ10に押圧する向きに付勢されている。サーマルヘッド11の主走査方向には、小径化プラテンローラ10にマスタ8を介して当接する部位に多数の発熱抵抗体11aが並設されている。サーマルヘッド11は、図4に示すように、図示しない原稿読取装置のスキャナ部等に配設されている画像センサ70、A/D変換部71および画像処理部72で処理されて送出されるデジタル画像信号に基づき発熱抵抗体11aを選択的に加熱することにより、マスタ8を選択的に溶融穿孔・製版する製版手段としての機能を有する。
【0062】
サーマルヘッド11は、小径化プラテンローラ10を採用したことに伴い、従来のものと比較して小型化されており、製版装置99や製版印刷装置100の小型化および低コスト化に寄与している。
なお、小径化プラテンローラ10に対する押圧力については、マスタ8の種類に応じて、接離手段25に配設された図示しないバネ部材(引張バネ)のバネ長さを可変することにより段階的に可変・制御することが好ましい。
【0063】
小径化プラテンローラ10は、マスタ支持部材8cに隣るマスタ搬送方向X下流側に配設されていて、プラテンローラ軸10aの両端部が図2に示す製版側板対29a,29bに回転可能に支持されていることにより、時計回り方向に回転自在となっている。
小径化プラテンローラ10は、その芯金10a’の外周部分が高分子の弾性体層10bで被覆されている。弾性体層10bは、例えばマスタ8に対する非粘着性、耐熱性、導電性および圧縮永久歪の良好なシリコーンゴムでできている。
【0064】
小径化プラテンローラ10の仕様についてさらに実施例的に述べると、例えば、その直径が12mm、芯金10a’の径が8mmのものを使用している。また、小径化プラテンローラ10の弾性体層10bであるシリコーンゴム層の硬度(Hs)がJIS硬度Aスケール20〜60度であるものが好ましく用いられる。この理由は、小径化プラテンローラ10とサーマルヘッド11との有効ニップ幅Nbを主走査方向に亘りできるだけ均一に確保するためである。
小径化プラテンローラ10のシリコーンゴム層外周表面の摩擦係数μは、マスタ8の加熱溶融穿孔部の熱収縮を抑制するという利点を得るために、フィルムの材質がポリエステルテレフタレート製のマスタ8に対して、例えばμ=0.5〜1.5程度のものが好ましく用いられる。
【0065】
駆動ローラ65は、図2および図3に示すように、芯金65a’と、この芯金65a’の周りに被覆された高分子の弾性体層65bと、芯金65a’と一体的に形成された駆動ローラ軸65aとから構成されている。駆動ローラ65は、その駆動ローラ軸65aの両端部を介して、製版側板対29a,29bにそれぞれ形成された長孔状の案内溝29c,29cに回転自在に、かつ、略水平方向に移動自在に案内・支持されている。
【0066】
図3に、駆動ローラ65を回転駆動する駆動ローラ駆動機構を示す。この駆動ローラ駆動機構は、製版側板対29b側の外側に突出した駆動ローラ軸65aの端部に固設された従動プーリ66と、従動プーリ66近傍の製版側板対29bの外側壁部に固設されたステッピングモータからなる駆動モータ68と、駆動モータ68の出力軸に固設された駆動プーリ67と、従動プーリ66と駆動プーリ67との間に掛け渡されたタイミングベルト69と、このタイミングベルト69に掛け渡されると共に、駆動ローラ軸65aと同じ略水平方向に移動可能であって回動自在なテンションプーリ62と、このテンションプーリ62を回動自在に支持するプーリ軸62aの両端部に係止され、タイミングベルト69に張力を付与する一対の引っ張りスプリング64,64とから主に構成されている。
プーリ軸62aの図3において手前側の端部は、製版側板29bに形成されたプーリ案内溝29dに略水平方向に移動自在に案内されるようになっている。これと同様に、プーリ軸62aの図3において奥側の端部も、製版側板29bに固設されていて、プーリ案内溝29dを有する図示しない案内部材に略水平方向に移動自在に案内されるようになっている。
【0067】
駆動モータ68は、図示しないパルス発生回路およびモータ駆動回路を介して後述する製版駆動制御部75に電気的に接続されていて、前記パルス発生回路等から前記モータ駆動回路を介して駆動モータ68に供給されるパルスのパルス周波数(pps)が製版駆動制御部75により可変制御されることで、その回転速度が可変されるようになっている。
【0068】
駆動プーリ67は、2連構造となっている。駆動モータ68の回転駆動力は、2連構造の駆動プーリ67と後述する搬送ローラ12aに配設された2連構造のプーリとの間に掛け渡されたタイミングベルト(共に図示せず)を介して搬送ローラ12aに、また搬送ローラ12aの2連構造のプーリと反転ローラ14aに配設されたプーリとの間に掛け渡されたタイミングベルト(共に図示せず)を介して反転ローラ14aにそれぞれ伝達されるようになっている。
なお、駆動ローラ駆動機構の回転伝達手段は、図3に示したものに限らず、例えばギヤによるもの、あるいはこれとベルトとの組み合わせ等によるものであってもよい。回転伝達手段としてギヤを使用するときは、駆動ローラ65の略水平方向に移動する移動量分を補償できるようなインボリュート歯形で設計すればよい。
【0069】
図2(a)に示すように、マスタ搬入経路X1側の小径化プラテンローラ10とマスタ排出経路X2側の駆動ローラ65との間には、マスタ8を両ローラ10,65の各外周面に沿わせた状態にセットするためにマスタ8の先端を案内するガイド板26が配置されている。
【0070】
ここで、説明の便宜上から、駆動ローラ65の細部仕様を説明する前に押付け力可変手段50について説明しておく。
押付け力可変手段50は、図2および図3に示すように、製版側板対29a,29bの内側において、その一端が各駆動ローラ軸65aに常に接触可能であり、かつ、その中央部に植設された支軸53を中心に揺動可能な左右一対の押付けブラケット52,52と、各押付けブラケット52,52の一端部に作用して駆動ローラ65を小径化プラテンローラ10に押し付ける向きに付勢する付勢手段としての左右一対の圧縮スプリング51,51と、各押付けブラケット52,52の他端部に係合して各押付けブラケット52,52を支軸53を中心に揺動させるための左右一対の偏心カム54,54と、左右一対の偏心カム54,54を同一位相で連結する駆動軸55と、この駆動軸55にそれぞれ固設されたウォームホイール58および検知用円盤59と、検知用円盤59を挟むように設けられ、偏心カム対54,54の回転位置を検出するための回転位置センサ60と、検知用円盤59から突出形成されたホームポジション検知用突起59bを挟むように設けられ、偏心カム対54,54のホームポジションを検出するための図4のみに示すホームポジションセンサ61と、製版側板対29a,29bの間に配設された図示しない不動部材に固設され、偏心カム対54,54を回転駆動するためのカム駆動モータ56と、カム駆動モータ56の出力軸に固設され、ウォームホイール58と噛み合うウォーム57とを具備している。
【0071】
以下、左右一対の押付けブラケット52,52、左右一対の圧縮スプリング51,51、左右一対の偏心カム54,54は、それぞれ左右において同一位相で配置され、かつ、同様の形状を有しているため、それぞれの片側について説明する。
各押付けブラケット52は、略L字状をなし、各支軸53が製版側板対29a,29bに所定角度回動自在に支持されていることにより、左右で独立して揺動可能になされている。各圧縮スプリング51は、同一のバネ諸元(バネ荷重特性)で設計されていて、各製版側板29a,29bの内側に突出形成されたバネ係止部材29fと押付けブラケット52の一端(図3では上端部)との間に装着されている。回転位置センサ60およびホームポジションセンサ61は、例えば透過型のフォトセンサからなる。
【0072】
図2に示すように、偏心カム54のホームポジションは、偏心カム54の短径部が押付けブラケット52の他端部に対向している位置に設定している。偏心カム54がホームポジションを占めている状態では、偏心カム54の短径部と押付けブラケット52の他端部との間に所定のクリアランスが設けられていて、圧縮スプリング51の同一のバネ荷重が左右両端部の駆動ローラ軸65aに均一に加わるようになっている。この偏心カム54のホームポジション状態で、圧縮スプリング51の同一のバネ荷重が駆動ローラ65を図2において右方に移動させるように作用することにより、所定の押付け力Fが駆動ローラ65と小径化プラテンローラ10とに働くこととなり、所定のニップ部Aが形成される。
カム駆動モータ56は、ステッピングモータからなる。なお、カム駆動モータ56がステッピングモータであるときには、ホームポジションセンサ61のみでもよく、回転位置検知センサ60は必ずしも必要ではなく無くても構わない。カム駆動モータ56が、例えば制御用のDCモータであるときには回転位置検知センサ60は必須となる。
【0073】
ここで、押付け力可変手段50の詳細動作を説明しておく。カム駆動モータ56に図示しないモータ駆動回路等を介して正転駆動パルスまたは逆転駆動パルスの所定の駆動パルス数が入力され、カム駆動モータ56が所定のステップ数回転駆動されると、その回転運動(駆動力)がウォーム57とウォームホイール58との噛合により、駆動軸55を介して左右の偏心カム54に伝達され、これにより偏心カム54の回転運動を介して左右の押付けブラケット52の揺動運動に変換され、さらに左右の押付けブラケット52を介して両端部の駆動ローラ軸65aに伝達されつつ各案内溝29cで略水平方向への直線運動に変換されて、最終的に駆動ローラ65の略水平方向への直線運動となる。以下、説明の便宜上から、正転駆動パルスに対応して駆動ローラ65が図2(a)において略水平方向の右側、すなわち押付け力Fが増加する方向へ移動するものとし、これと反対に逆転駆動パルスに対応して駆動ローラ65が図2(a)において略水平方向の左側、すなわち押付け力Fが減少する方向へ移動するものとする。
【0074】
前記の動作により、例えばカム駆動モータ56に所定の正転駆動パルス数が入力されることにより、ホームポジションを占めている偏心カム54が回転してその大径部分を押付けブラケット52の他端部に係合させ、これにより駆動ローラ65が図2(a)において略水平方向の右側、すなわち押付け力Fが増加する方向へ移動する。これとは逆に、例えばカム駆動モータ56に所定の逆転駆動パルス数が入力されることにより、偏心カム54の大径部分と押付けブラケット52の他端部との係合が解除される偏心カム54のホームポジションへと回転することで、駆動ローラ65が図2(a)において略水平方向の左側、すなわち押付け力Fが減少する方向へ移動することとなる。
【0075】
実施形態1によれば、図1ないし図3に示す構成を有することにより、次の利点を得られる。すなわち、第1に、マスタ8の搬送力は図2におけるA部(小径化プラテンローラ10と駆動ローラ65とのニップ部でもある)に作用する押付け力F(マスタ8に対する摩擦力)で得られるため、B部(ニップ部Nでもある)で搬送力を得ようとしなくてもサーマルヘッド11の発熱抵抗体11a部分への小径化プラテンローラ10による押圧力は極力低減できる。
第2に、製版済みのマスタ8をB部とA部との間、すなわちマスタ巻き掛け角θaの範囲で小径化プラテンローラ10の外周表面に沿わせることにより、小径化プラテンローラ10の外周表面とマスタ8のベース側との摩擦力が増すから、マスタ8の確実な搬送が可能となる。また、小径化プラテンローラ10のB部と駆動ローラ65のC部(駆動ローラ65のマスタ搬送方向X下流側で駆動ローラ65の外周面に接触しているマスタ接触境界を指す)との間において、製版済みのマスタ8が各ローラ10,65の外周表面に接触している範囲では略均一な力が加わることになるから、製版済みのマスタ8の穿孔部分の変形を抑制でき、これにより製版縮みを抑えて適正な製版長さを確保できる。
第3に、小径化プラテンローラ10のマスタ排出側に駆動ローラ65を圧接すると共に、押付け力Fが作用するように沿わせた形で配置したので、図19(a)で説明したような小径化プラテンローラ10のマスタ搬送方向X下流側への小径化プラテンローラ10長手方向中央部を凸部の頂点とした弓形状の撓み変形を抑制できるから、これにより小径化プラテンローラ10の有効ニップ幅Nbがサーマルヘッド11の発熱抵抗体列の位置から外れてしまうことを防止でき、サーマルヘッド11の主走査方向の如何なる位置においても有効ニップ幅Nbの所望する位置に発熱抵抗体列を容易に配置することができると共に、押圧不足となってサーマルヘッド11の発熱抵抗体で発生した熱がマスタ8に伝わらなくなり、穿孔不良となってしまうということもなくなり、良好な画像を得ることができる。
【0076】
なお、押付け力可変手段50は、これに限らず、例えば、図2および図3に示した押付け力可変手段50から圧縮スプリング51、偏心カム54、駆動軸55、ウォームホイール58,ウォーム57およびカム駆動モータ56を除去しこれらに代えて、例えば本願出願人が提案した特開平7−156520号公報の図7等に開示されているような引っ張りスプリングの引っ張り長さをねじ機構を介してモータ駆動で可変制御することにより、押付け力Fを可変する構成であってもよい。この場合、引っ張りスプリングの一端を押付けブラケット52の他端部に係止し、引っ張りスプリングの他端をねじ機構に備えられたモータ駆動により直線運動可能なめねじナットに係止する。前述したような押付け力可変手段は、あくまでも一例であって、種々の均等な構成が想定されることはいうまでもない。
【0077】
駆動ローラ65の芯金65a’は、例えばステンレススチール(SUS)等の金属でできていて、弾性体層65bは、例えばマスタ8に対する非粘着性、耐熱性、導電性および圧縮永久歪の良好なシリコーンゴムでできている。駆動ローラ65の仕様についてさらに実施例的に述べると、例えば、その直径が24mm、芯金65a’の径が18mm(弾性体層65bの厚さ3mm)のものを使用している。また、駆動ローラ65の全体の剛性(曲げ剛性)は、小径化プラテンローラ10のそれよりも高く設定している。
このような駆動ローラ65の仕様設定をしたのは、前記した第2の利点、すなわち小径化プラテンローラ10のB部と駆動ローラ65のC部との間の距離の増大=搬送力の増加をより一層得るためにも駆動ローラ65の直径はなるべく大きい方が望ましく、さらに前記した第3の利点を確実に得るためにも駆動ローラ65の直径は小径化プラテンローラ10のそれよりも大きくするのが望ましいからである。
【0078】
駆動ローラ65の弾性体層65bの硬度(Hs)は、JIS硬度Aスケールで20〜60度であるものが好ましく用いられる。これは、小径化プラテンローラ10への駆動ローラ65の押付けによる変形をできるだけ小さく抑えるためである。
【0079】
駆動ローラ65の弾性体層65b(シリコーンゴム層)外周表面の摩擦係数μは、製版済みのマスタ8の適正な搬送力を得てマスタ搬送性を保つために、フィルムの材質がポリエステルテレフタレート(PET)製のマスタ8に対して、小径化プラテンローラ10の弾性体層10b(シリコーンゴム層)外周表面の摩擦係数μよりも大きい、例えば乾燥状態でμ=1.0〜2.0程度のものが好ましく用いられる。これは、駆動ローラ65の外周表面の摩擦係数μが、小径化プラテンローラ10のそれよりも小さい場合には、マスタ8に対する搬送・駆動部材としての駆動ローラ65の摩擦力が小径化プラテンローラ10のそれよりも小さくなるから、適正な搬送力を得ることができず、マスタ搬送性を保つことができなくなるからである。
【0080】
前記構成のとおり、駆動モータ68の駆動により、駆動ローラ65が反時計回り方向に回転駆動されることによって、小径化プラテンローラ10は従動回転されつつ、マスタ8は適度の軽いバックテンションを受けながら、かつ、緩むことなくマスタロール8aから引き出されることとなる。
【0081】
フロントテンション付与手段38は、図1に示すように、駆動ローラ65に隣るマスタ搬送方向X下流側に配設されていて、駆動ローラ65よりもマスタ搬送方向X下流側のマスタ8を挟持してマスタ搬送方向X下流側にマスタ8を移動・搬送する回転自在なマスタ搬送部材としての上下一対の搬送ローラ12a,12bと、この上側の搬送ローラ12aを前記回転伝達手段を介して駆動ローラ65の周速度(搬送速度)よりも速い周速度(搬送速度)で回転させる駆動モータ68と、搬送ローラ12aと駆動モータ68との間に設けられ、駆動ローラ65と搬送ローラ対12a,12bとの間のマスタ8に予め設定された大きさのフロントテンションを付与すべく調節するトルクリミッタとしての機能を有する搬送ローラ用電磁クラッチ33とからなる。搬送ローラ12aは、前記回転伝達手段を介して駆動モータ68に連結され、これにより時計回り方向に回転駆動される。
【0082】
搬送ローラ対12a,12bは、各外周部がシリコーンゴムでできていて、金属製の軸と一体的に形成されている。搬送ローラ対12a,12bは、バネ等の付勢手段により適度な押圧力を与えられて圧接して設けられていて、前記各軸の両端部が製版側板対29a,29bに回転自在に支持されていることにより互いに反対方向に回転自在となっている。搬送ローラ用電磁クラッチ33としては、搬送ローラ12aの軸端に設けられたパウダー式電磁クラッチが好ましく用いられる。パウダー式電磁クラッチからなる搬送ローラ用電磁クラッチ33は、小径化プラテンローラ10のB部と駆動ローラ65のC部との間からマスタ8を無理に引き摺り出さないような大きさのフロントテンションを駆動ローラ65と搬送ローラ対12a,12bとの間のマスタ8に付与する機能を有する。
予め設定された大きさのフロントテンションのマスタ8への付与は、図4に示す製版駆動制御部75からの指令により、前記パウダー式電磁クラッチの励磁コイルに流す励磁電流を可変することで、これに略比例してその伝達トルクが可変制御されることによってなされる。なお、搬送ローラ用電磁クラッチ33は、前記パウダー式電磁クラッチに限らず、比較的小さな張力制御用として、例えばヒステリシス式電磁クラッチ等も好ましく用いられる。
【0083】
搬送ローラ対12a,12bに隣るマスタ搬送方向X下流側には、製版済みのマスタ8もしくは未製版のマスタ8を所定の長さに切断する、固定刃13bおよび可動刃としての回転刃13aを備えたマスタ搬送方向Xと直交するマスタ幅方向に回転しながら移動する回転刃移動タイプのカッタ13が配設されている。カッタ13は、前記回転刃移動タイプに限らず、可動刃が昇降自在ないわゆるギロチンタイプのものも用いられる。
【0084】
カッタ13に隣るマスタ搬送方向X下流側には、搬送ローラ対12a,12bと反転ローラ対14a,14bとの間のマスタ搬送路の下方に配設された吸引ボックス17、開閉板16および吸引ファン18等を備えたマスタストック手段が配設されている。
吸引ボックス17は、製版側板対29a,29bの間に固設されていて、マスタ搬送路の上流側に向けて略L字型をなすように郭定された空間を有して形成されている。吸引ボックス17は、図6に示すマスタ8のタワミ8Aを吸引して一時貯留するための吸引貯留手段としての機能を有する。
【0085】
開閉板16は、吸引ボックス17の最上方に形成される吸引口近傍の製版側板対29a,29bに軸支され、図示しないモータもしくはソレノイド等を備えた開閉板駆動手段およびこの開閉板駆動手段からの駆動力を開閉板16に伝達する扇形ギヤ等の駆動力伝達部材により前記吸引口に対して開閉自在に構成されている。開閉板16は、図1および図6において実線で示すように、マスタ8を搬送・案内させるべくマスタ搬送路の直下方に横臥するガイド搬送位置と、図1および図6において仮想線で示すように、前記ガイド搬送位置から略90度下方に回転・変位してマスタ8を貯容するタワミ吸引位置との間で回転・変位自在となっている。開閉板16がタワミ吸引位置を占めたとき、吸引ボックス17の上方が開放されて、吸引ボックス17の上方には、製版済みのマスタ8を導入するための前記吸引口が形成される。
【0086】
マスタ搬送路の下流側に位置する吸引ボックス17の奥側(図6では右側)には、スリットや網目状の小孔等からなる吸引口と排気口との間に設けられ、製版済みのマスタ8を吸引する吸引ファン18が配置されている。吸引ファン18に連結された図示しない吸引ファンモータの回転駆動により、吸引ファン18が回転されて、図1および図6において左側から右側へと流れる空気流が生じ、製版済みのマスタ8が徐々に吸引されつつ吸引ボックス17内に貯容されるようになっている。
【0087】
開閉板16は、製版動作終了後のマスタ切断後のマスタ巻装終了後に、前記開閉板駆動手段が駆動されることにより、前記駆動力伝達部材を介してタワミ吸引位置から回転・変位してガイド搬送位置を占めることによって、マスタ8の先端を吸引口から吸引ボックス17内へと落ち込ませることなく、マスタ8の先端が図1等に示す製版待機位置まで搬送されるようにガイドするようになっている。また、開閉板16は、製版動作終了後のマスタ切断後のマスタ巻装終了後においてガイド搬送位置を占めた後、前記開閉板駆動手段が前記とは反対方向に駆動されることにより、マスタ8の先端が反転ローラ対14a,14bのニップ部で挾持され前記製版待機位置に達した後、タワミ吸引位置へと再び回転・変位されるようになっている。
【0088】
吸引ボックス17の吸引口上方には、図6に示すように、製版済みのマスタ8における上方向凸形状の所定の大きさに形成されたマスタ8のタワミ8Aを検出するタワミ検知手段としてのマスタ検知センサ19が設けられている。マスタ検知センサ19は、例えば反射型のフォトセンサからなる。
【0089】
吸引ボックス17およびマスタ検知センサ19に隣るマスタ搬送方向X下流側には、マスタ8を搬送する回転自在な上下一対の反転ローラ14a,14bが配設されている。反転ローラ対14a,14bは、各外周部がシリコーンゴムでできていて、金属製の軸と一体的に形成されている。反転ローラ対14a,14bは、バネ等の付勢手段により適度な押圧力を与えられて圧接して設けられていて、前記各軸の両端部が各製版側板29a,29bに回転自在に支持されていることにより互いに反対方向に回転自在となっている。反転ローラ対14a,14bは、吸引ボックス17の前記吸引口よりマスタ8を遠ざける向きである反時計回り方向に少し傾斜して設けられている。
反転ローラ14aは、前記回転伝達手段を介して駆動モータ68に連結され、これにより時計回り方向に回転駆動される。
【0090】
反転ローラ対14a,14bは、駆動モータ68を含む前記回転伝達手段によって、小径化プラテンローラ10の周速度(搬送速度)よりも速い周速度(搬送速度)で回転するように設定されていて、マスタ8との間で滑りながら適度のフロントテンションをマスタ8に付与するようになされている。反転ローラ14aの軸端には、反転ローラ14aへの駆動モータ68の回転駆動力を断接する反転ローラ用電磁クラッチ34が設けられている。反転ローラ用電磁クラッチ34は、例えばパウダー式電磁クラッチもしくはヒステリシス式電磁クラッチからなる。
なお、反転ローラ用電磁クラッチ34に代えて、駆動モータ68とは独立したステッピングモータで単独駆動してもよい。
反転ローラ対14a,14bに隣るマスタ搬送方向X下流側には、製版済みのマスタ8もしくはマスタ8の先端を版胴1に設けられたクランパ7に案内するためのガイド板15が反転ローラ対14a,14bの各軸方向に延在して設けられている。
【0091】
製版装置99には、製版装置本体である製版側板対29a,29bの間に配設されている小径化プラテンローラ10および駆動ローラ65近傍の温度を検出する温度検出手段としての温度センサ30が、前記同部位の湿度を検出する湿度検出手段としての湿度センサ31がそれぞれ設けられている。温度センサ30としてはサーミスタ等が好ましく用いられる。これらの温度センサ30や湿度センサ31は、後述する画像量検出手段48やヘッド温度センサ32等と共に、少なくとも製版時におけるマスタ搬送性等に影響を与えるマスタ搬送性等関係要因の特性値を検出するための特性値検出手段群を構成する。
この実施形態では、実際の環境状態としての温度や湿度をできるだけ正確に把握するために、温度センサ30や湿度センサ31を製版装置99本体の内部に配置したが、これに限らず、例えば構成部品等のレイアウトの制約から製版装置本体の内部に配置できない場合には、製版装置本体外部周辺の温度や湿度を検出すべく製版装置本体の外側の本体パネルの外壁面等や、製版印刷装置設置部の周辺等に配置してもよい。すなわち、温度検出手段や湿度検出手段は、製版装置本体の内部および外部の温度や湿度のうちの少なくとも一方を検出すべく配設されていればよい。
【0092】
ここで、マスタ搬送性等関係要因の特性・特性値について補足説明する。マスタ搬送性等関係要因の特性・特性値としては、主要なものとして少なくとも以下の5つを経験的に挙げることができる。すなわち、マスタ搬送性等関係要因の特性値の第1がマスタに形成される製版画像量であり、第2が製版装置本体の内部の温度であり、第3が製版装置本体の内部の湿度であり、第4がサーマルヘッド11の温度であり、第5がマスタの剛度(強度)等に対応したマスタの種類である。
【0093】
マスタ8に形成される製版画像量を検出する画像量検出手段としては、特開平9−193526号公報の段落(0033)等に記載されているものと同様の手段を用いている。すなわち、1版分のマスタ8全体を加熱穿孔・製版するために必要な発熱抵抗体の数に対して、実際に前記原稿読取装置のスキャナにより読み取られた画像情報からマスタ8を加熱穿孔・製版するために使用する発熱抵抗体の数の比率、すなわちマスタ8の穿孔率(開口率)を求めることによって、マスタ8に形成される製版画像量(換言すれば印刷用紙に印刷される印刷画像量と略同じ)を検出するものである。
画像量検出手段48は、図4において、画像メモリ74、画像処理部72および製版制御部73とから構成されているといえるが、最終的には製版制御部73でマスタ8に形成される1版分の製版画像の画像量を検知・認識するので、説明の簡明化を図るため製版制御部73の構成の中に含まれているものとする。画像メモリ74は、原稿の光学情報が前記原稿読取装置のスキャナ等に配設されているCCD(電荷結合素子)等からなる画像センサ70で読み取られ光電変換されたアナログの画像信号がA/D変換部71でアナログ/デジタル変換されてデジタルの画像信号となり、このデジタルの画像信号を画像処理部72を経由して受信して、画像データとして一時記憶する。画像処理部72は、画像メモリ74に一度記憶された画像データを順次呼び出しながら画像処理を施した後、製版制御部73へ送信する。製版制御部73は、画像処理部72から送信されてくる画像データに基づき、マスタ8に形成される1版分の製版画像の画像量を検知・認識してサーマルヘッド11を駆動制御する他、次に述べる機能も有する。
すなわち、製版制御部73は、それぞれ既に公知であり図4に括弧を付して示すサーマルヘッド11を駆動する際の各種信号の作成機能、熱履歴制御やコモンドロップ補正制御等を施す機能を有する。
【0094】
図7に、サーマルヘッド11の温度を検出するサーマルヘッド温度検出手段としてのヘッド温度センサ32の具体例を示す。ヘッド温度センサ32としては、サーミスタが好ましく用いられる。サーマルヘッド11の温度の検出箇所は、図7に示すようなサーマルヘッド11の発熱抵抗体等が配置されている薄膜基板11dの表面部分、例えばコモン電極とリード電極との間に囲まれた発熱抵抗体中央の表面部分に近い部位であることが望ましいが、現時点における技術では、その部分での検出は不可に近いので、ここではサーマルヘッド11に搭載されている回路基板上であるサーマルヘッド基板11b上でサーマルヘッド本体の温度検出を行う。なお、ヘッド温度センサ32の配置箇所は、サーマルヘッド基板11bに限らず、放熱板11cの内部に設けてもよい。
【0095】
製版装置99の図1において左側には、多孔性で円筒状の支持円筒体と、その支持円筒体の外周を覆うように複数層巻き付けられた樹脂あるいは金属網体製のメッシュスクリーン(図示せず)との2層構造からなる版胴1が配設されている。版胴1は、インキ通過性の多数の開孔を有する開口部1a(印刷可能領域)と、クランパ7等が設けられている非開口部(非印刷可能領域)とを備えた周知の構成を有する。版胴1は、図示しない端板フランジの外周部に巻着・固設されていて、後述するインキパイプ5を兼ねる支軸の周りに回転自在に支持されている。版胴1は、図示しないDCモータからなる電動モータに連結されたギヤやベルト等の駆動伝達手段により、前記電動モータの回転駆動力が伝達されて、図中矢印方向(時計回り方向)に回転駆動される。
【0096】
版胴1の内部には、図示しない側板に回転自在に支持されていて、図示しないギヤ等の駆動伝達手段により前記電動モータの回転駆動力が伝達されて版胴1と同期して図中矢印方向(時計回り方向)に回転駆動され、版胴1の内周面に接触してインキを供給するインキローラ2と、インキローラ2とわずかな間隙を置いて平行に配置され、インキローラ2との間に断面楔状のインキ溜まり4を形成するドクタローラ3と、インキ溜まり4へインキを供給するインキパイプ5とが配置されている。なお、インキローラ2、ドクタローラ3およびインキパイプ5がインキ供給手段を構成する。
インキ溜まり4のインキは、版胴1の外部に設けられた図示しないインキパック等より吸引され、インキパイプ5の供給孔より供給される。
【0097】
版胴1の前記非開口部外周面上の一部分には、版胴1の一つの母線に沿って設けられた強磁性体製のステージ6と、このステージ6の両側端に設けられたクランパ軸に回動自在に取り付けられ、ステージ6の平面部に対して開閉自在なゴム磁石を有するクランパ7とがそれぞれ設けられている。クランパ7は、図示しない開閉装置により所定位置において開閉される。版胴1は、クランパ7が図1に仮想線で示す略右横に位置する状態、すなわち給版位置において停止されるようになっている。版胴1は、前記インキパック等と一体的になされた版胴ユニットとして構成されており、製版印刷装置100の本体フレームに対してインキパイプ5の軸線方向に挿脱自在になっている。
【0098】
インキローラ2に対向する版胴1の外周面の下方近傍には、印刷用紙(図示せず)の給送に同期して図示しないカム等により版胴1の外周面に接離自在になされ、バネ部材(図示せず)により版胴1の外周面に圧接する向きに付勢された押圧手段としてのプレスローラ21が配設されている。プレスローラ21は、図示しない筐体側板に回転自在に支持されたアーム軸22aの両端部に固定されたプレスローラアーム対22,22に、その軸部を回転自在に支持されていて、係止手段(図示せず)により通紙時以外は版胴1の外周面から離間した位置で保持される周知の構成を有する。
【0099】
版胴1の図1において右下方には、図示しない印刷用紙を積載して昇降自在な給紙トレイ(図示せず)と、前記印刷用紙を1枚ずつ分離給送する分離給紙部材と、分離給送された前記印刷用紙をタイミングを取って版胴1の外周面とプレスローラ21との間に搬送するレジストローラ対20,20等とを具備した給紙装置が配設されている。
版胴1の図1において左側には、使用済みのマスタ8を版胴1から剥離し排出する図示しない排版装置が配設されている。その排版装置の下方には、先端が版胴1の外周面より印刷用紙を剥離する版胴1の外周面に近接自在に支持された剥離爪24と、この剥離爪24により剥離・排出された印刷済みの用紙を積載する排紙トレイ(図示せず)等とを具備する排紙装置が配設されている。また、版胴1および製版装置99の上方には、原稿の画像を読み取るための図4に示す画像センサ70等を備えた図示しない原稿読取装置が配設されている。
【0100】
図5を参照して操作パネル40の細部構成を説明する。
操作パネル40は、前記原稿読取装置の上部に配設されている。操作パネル40には、原稿の画像の読み取りから排版、製版、給版、版付け印刷、排紙工程に至るまでの一連の工程(動作)を起動するための動作起動手段としてのスタートキー41と、印刷枚数等を設定・入力するテンキー43と、このテンキー43で置数された印刷枚数分の印刷動作の起動を行うプリントキー42と、操作の状態やメッセージ等の表示をするLCD(液晶表示装置)表示部45等とが配置されている。LCD表示部45は、液晶駆動回路等を介して駆動される。
【0101】
次に、図4を参照して製版印刷装置100の主として製版装置99の制御を行う制御構成を説明する。
製版駆動制御部75は、図示を省略した、CPU(中央演算処理装置)、I/O(入出力)ポート、ROM(読み出し専用記憶装置)、RAM(読み書き可能な記憶装置)およびタイマ等を備え、それらが信号バスによって接続された構成を有するマイクロコンピュータを具備している。
【0102】
製版駆動制御部75の前記CPU(以下、説明の簡明化を図るため、単に「製版駆動制御部75」というときがある)は、前記入力ポートを介して、前記した特性値検出手段群を構成する、画像量検出手段48と、温度センサ30と、湿度センサ31と、ヘッド温度センサ32とそれぞれ電気的に接続されていて、これらの手段、各センサからデータ信号を受信する。また、製版駆動制御部75は、前記入力ポートを介して、操作パネル40の前記各種キー(スタートキー41、プリントキー42、テンキー43)と、マスタ検知センサ19と、回転位置センサ60と、ホームポジションセンサ61とそれぞれ電気的に接続されていて、各センサ19,60,61や前記各種キーからオン/オフ信号やデータ信号を受信する。
製版駆動制御部75は、前記出力ポートを介して、操作パネル40のLCD表示部45と、カム駆動モータ56と、駆動モータ68と、搬送ローラ用電磁クラッチ33と、反転ローラ用電磁クラッチ34とそれぞれ電気的に接続されていて、各種駆動回路(図示せず)を介して各種の指令信号をLCD表示部45、カム駆動モータ56、駆動モータ68、搬送ローラ用電磁クラッチ33および反転ローラ用電磁クラッチ34にそれぞれ送信する。また、製版駆動制御部75は、前記出力ポートを介して、前記マスタストック手段の前記開閉板駆動手段と、前記吸引ファン駆動モータとそれぞれ電気的に接続されていて、各種駆動回路(図示せず)を介して各種の指令信号を前記開閉板駆動手段、前記吸引ファン駆動モータにそれぞれ送信する。また、製版制御部73と製版駆動制御部75とは、相互に信号を送受信する関係にある。
【0103】
この実施形態1では、製版駆動制御部75は、以下の諸制御機能を有する。 第1に、製版駆動制御部75は、温度センサ30からの信号に基づいて、駆動ローラ65の周速度であるマスタ搬送速度を変えるように駆動モータ68を制御する制御手段としての機能を有する。
【0104】
第2に、製版駆動制御部75は、画像量検出手段48、温度センサ30、湿度センサ31、ヘッド温度センサ32、回転位置センサ60およびホームポジションセンサ61からの各信号に基づいて、小径化プラテンローラ10に対する駆動ローラ65の押付け力Fを変えるように押付け力可変手段50のカム駆動モータ56を制御する制御手段としての機能を有する。
【0105】
第3に、製版駆動制御部75は、後述するマスタ種類検出手段からの信号に基づいて、予め使用するように設定されたマスタと相違するときに、製版動作を禁止する製版動作制御手段としての機能を有する。このとき、製版駆動制御部75は、例えば、「設定されたマスタと相違していますので、マスタを正規の物と交換して下さい」という旨の表示をさせるべくLCD表示部45を制御する機能を有する。
【0106】
製版駆動制御部75内の前記ROMには、前記した第1ないし第3の機能を有する製版駆動制御部75による制御を行うための前もって実験等により求められたデータテーブルや図9に示すプログラムあるいは後述する動作を行うためのプログラムが予め記憶されている。製版駆動制御部75内の前記RAMは、前記CPUでの判断結果や計算結果を一時記憶したり、各センサ等からの出力信号を随時記憶したりしてこれら信号の入出力を行う。前記したデータテーブルとしては、例えば、温度センサ30により検出される温度と駆動モータ68に供給すべきパルス周波数(pps)との関係データ、前記した4つの特性値検出手段により検出される各特性値と押付け力Fとの関係データ、および押付け力Fに対応した偏心カム54の駆動軸55の回転位置とカム駆動モータ56への正転もしくは逆転駆動パルス数との関係データ等が挙げられる。
【0107】
マスタ種類検出手段は、前記したマスタ検知センサ19と、前記した吸引ボックス17を備えた前記マスタストック手段と、マスタ検知センサ19からのオン/オフ信号に基づいて、前記マスタストック手段によりマスタ8のタワミ8Aが吸引されるときの時間を測定するタワミ吸引計時手段としての製版駆動制御部75の前記タイマとからなる。
【0108】
次に、図1ないし図9を参照して動作について説明する。
先ず、図示しない原稿読取装置に配設されている原稿載置台に図示しない原稿がセットされ、ステップS1において、操作パネル40のスタートキー41が押されると製版スタート信号が生成されて、これが製版駆動制御部75に入力されることによって製版がスタートする。まず、前記スキャナがセットされた前記原稿の表面をプリスキャンして原稿画像を読み取ると共に、画像量検出手段48により前記原稿に対応した製版画像量が検出され、その信号が製版駆動制御部75に送信される。
【0109】
前記製版画像量の検出動作に前後して、製版駆動制御部75からの指令により、温度センサ30からの製版装置99本体の温度に係る信号に基づいて、駆動モータ68に供給するパルス周波数(pps)を可変制御することによって、駆動ローラ65の周速度であるマスタ搬送速度が設定される。
例えば、温度センサ30で検出された製版装置99本体の温度が低い低温環境下においては、小径化プラテンローラ10および駆動ローラ65が前記したような金属製の芯金10a’,65a’とシリコーンゴム等の高分子の弾性体層10b,65bとで形成されている場合、シリコーンゴム等の高分子の弾性体層10b,65bが温度低下に伴い収縮を生じるから、各ローラ10,65自体の直径が小さくなってしまい、結果として例えば常温時と同一の周速度で駆動ローラ65を回転させた場合にはマスタ8の搬送距離が短くなってしまう。
それ故に、このような場合には、常温時よりも駆動ローラ65の周速度を速くして、すなわち駆動モータ68に供給するパルス周波数(pps)を高くすることにより、常温時と同等のマスタ搬送距離を得られるようにする。これとは逆に、高温環境下においては、前記したとは反対にシリコーンゴム等の高分子の弾性体層10b,65bが温度上昇に伴い膨張を生じるから、常温時よりも駆動ローラ65の周速度を遅くして、すなわち駆動モータ68に供給するパルス周波数(pps)を低くして、常温時と同等のマスタ搬送距離を得られるようにする。 したがって、実施形態1では、前述の制御が行われることにより、環境温度の変動にかかわらず、常に安定したマスタ8の搬送距離を得られる。
【0110】
前記した駆動ローラ65の周速度補正動作に前後して、製版駆動制御部75からの指令により、画像量検出手段48からのデータ信号に基づき、1版分のマスタ8に対する穿孔する割合がチエックされると共に、温度センサ30および湿度センサ31からの製版装置99本体の温度および湿度に係るデータ信号や、回転位置センサ60およびホームポジションセンサ61からの偏心カム54の駆動軸55の回転位置に係るデータ信号に基づき、カム駆動モータ56を制御することによって小径化プラテンローラ10に対する駆動ローラ65の押付け力Fが設定される。
【0111】
例えば、製版駆動制御部75は、サーマルヘッド11において発熱駆動すべき発熱抵抗体11aの数が多い場合、すなわち画像量検出手段48により検出された製版画像量が多い場合においては、マスタ8のフィルム部分の溶融穿孔が多くなり、サーマルヘッド11の発熱抵抗体11aの表面とマスタ8との摩擦力(搬送抵抗)が増大してしまい、適正なマスタ8の搬送距離を保てなくなる。
それ故に、このような場合には、押付け力Fを増加させるようにカム駆動モータ56に正転駆動パルス数を与えることにより、駆動ローラ65を図2において略水平方向の右方に移動させて押付け力Fを大きくして、小径化プラテンローラ10と駆動ローラ65との間で働く搬送力を上げて、確実なマスタ8の搬送距離を得られるようにする。
【0112】
また、湿度が低い低湿環境下においては、駆動ローラ65とマスタ8との摩擦力、小径化プラテンローラ10とマスタ8との摩擦力がそれぞれ低下することにより、搬送力が低下してしまい、製版後の寸法、すなわち製版画像寸法の再現性が低下してしまうため、押付け力Fを増加させるようにカム駆動モータ56に正転駆動パルス数を与えることにより、駆動ローラ65を図2において略水平方向の右方に移動させて押付け力Fを大きくして、駆動ローラ65とマスタ8との摩擦力、および小径化プラテンローラ10とマスタ8との摩擦力をそれぞれ増加させ、摩擦力の低下に伴う搬送力の低下を防止して、確実なマスタ8の搬送距離を得られるようにする。
特に、前記環境条件に加えて、環境温度が高い場合には、サーマルヘッド11の蓄熱が多くなり、マスタ8が軟化して伸びやすくなることによりマスタ8に形成される穿孔径が大きくなるため、サーマルヘッド11の発熱抵抗体11aの表面とマスタ8との摩擦力(搬送抵抗)がさらに増大するので、さらに押付け力Fを増加させるようにカム駆動モータ56に正転駆動パルス数を与えることにより、駆動ローラ65を図2において略水平方向のさらに右方に移動させて押付け力Fを大きくして、小径化プラテンローラ10と駆動ローラ65との間で働く搬送力をさらに上げることにより、マスタ8と小径化プラテンローラ10との間の滑り量が減少して、製版長さが適正範囲に調節されると共に確実なマスタ8の搬送距離を得ることができる。
【0113】
一方、前記電動モータが駆動されることにより版胴1が回転し、図示しない排版装置により、版胴1に巻装されている使用済みのマスタ(図示せず)が剥離され廃棄される。次いで、版胴1が給版位置で停止され、クランパ7が図示しない開閉装置により開放されて給版待機状態となる。この排版工程における版胴1の回転と並行して製版工程が開始される。
【0114】
すなわち、駆動モータ68が駆動され、これにより駆動ローラ65が回転駆動されると、同時的に、小径化プラテンローラ10に対する駆動ローラ65の押付け力Fによって小径化プラテンローラ10が搬送力を与えられながら従動回転する。これにより、マスタロール8aからマスタ8が引き出され、図2(a)に示すように、引き出されたマスタ8はマスタ搬入経路X1をたどり、小径化プラテンローラ10によりサーマルヘッド11に押付けられながら、駆動ローラ65と小径化プラテンローラ10との間で発生した搬送力によって、小径化プラテンローラ10の外周表面から駆動ローラ65の外周表面に沿うように巻き掛けられつつ、マスタ排出経路X2へと搬送されていく。
また、駆動モータ68の駆動に伴い、搬送ローラ用電磁クラッチ33がオンされることにより、搬送ローラ対12a,12bも回転を開始する。このとき、反転ローラ用電磁クラッチ34はオフしていて、駆動モータ68の回転駆動力は反転ローラ14aには伝達されない。
【0115】
マスタ8の先端部分には前記したように傾斜した反転ローラ対14a,14bにより上方に浮き上げられる方向に力が作用するようになっていること、開閉板16がガイド搬送位置を占めた状態にあることおよびマスタ8の先端部が反転ローラ対14a,14bで挟持された停止状態にあることによって、マスタ8の先端部分が図6に示すように上方向に凸形状に盛り上げられてタワミ8Aが形成される。このタワミ8Aが所定の大きさになると、マスタ検知センサ19によりオン・検知される(ステップS2参照)。
【0116】
マスタ検知センサ19のオン・検知から設定された遅延時間経過後、前記開閉板駆動手段が駆動されることにより開閉板16がガイド搬送位置を占めた状態からタワミ吸引位置へと回転・変位して吸引ボックス17の上方に吸引口が形成されると共に、前記吸引ファン駆動モータが駆動されることにより吸引ファン18が回転し、これにより図1および図6において吸引ボックス17の内部における左側から右側へと向かう空気流が生じることで、マスタ8の先端部分に形成されたタワミ8Aが引き込まれながら貯留されていく(ステップS3参照)。このようなマスタ8の先端部分のタワミ8Aの吸引により、そのタワミ8Aが小さくなってマスタ検知センサ19で検知されなくなるとマスタ検知センサ19がオフし、所定の設定時間内に検知がオフされたかどうかが製版駆動制御部75により比較判断される(ステップS4、ステップS5参照)。
【0117】
マスタの種類として腰の強いマスタ8の場合には、吸引ボックス17により所定の大きさのタワミ8Aが吸引され引き込まれるまでのタワミ吸引時間が長くなり、これによりマスタ検知センサ19がオフするまでの時間が長くなる。反対に、腰の弱いマスタ8の場合には、吸引ボックス17により所定の大きさのタワミ8Aが直ぐに吸引され引き込まれるため、これによりマスタ検知センサ19がオフするまでの時間が短くなる。このように、製版駆動制御部75の前記タイマが、マスタ検知センサ19からのオン/オフ信号に基づいて、吸引ボックス17により所定の大きさのタワミ8Aが吸引されるときのタワミ吸引時間を測定することで、マスタ8の腰の強さの代用としてマスタ8の腰の強弱に対応したマスタの種類を検知することができる。
【0118】
このとき、製版駆動制御部75は、前記タイマからの信号に基づいて、予め使用するように設定されたマスタと相違する場合、すなわち前記タイマからのタワミ吸引時間が所定の設定時間内にない場合に、製版動作を禁止し停止させると共に、LCD表示部45を制御して、例えば、「設定されたマスタと相違していますので、マスタを正規の物と交換して下さい」という旨の表示をさせる。この場合、オペレータはLCD表示部45に表示されたメッセージどおりに、正規のマスタロール8aに交換するための操作を行うこととなる(表示停止モードとしてのステップS7、ステップS8参照)。これと反対に、ステップS5において、製版駆動制御部75が予め使用するように設定されたマスタであると判断した場合、すなわち前記タイマにより計時されたタワミ吸引時間に係るデータ信号から、所定の設定時間内にあると判断した場合に、製版動作を続行させる。(ステップS6参照)。
【0119】
なお、ステップS7、ステップS8においては、前記したような表示停止モードに限らず、例えばこれを無視してそのままステップS6におけると同様の動作に進む無視モードとに選択自在にしてもよい。この無視モードにおいては、例えば操作パネル40に前記表示停止モードから前記無視モードへ動作モードを切り換えるための切換キー等を設けてもよい。
【0120】
製版動作の途中においては、製版駆動制御部75は、さらに、ヘッド温度センサ32により検出されたサーマルヘッド11の温度をも加味して、駆動ローラ65の略水平方向の位置を変えることで押付け力F、すなわち搬送力を調整する。図8に示すように、例えば、製版動作の始めのうち(版長の始めのうち)ではサーマルヘッド11の温度上昇は無視できるほどであるから、これに応じて押付け力Fを変える必要はないが、製版動作の途中からはサーマルヘッド11の蓄熱等により温度上昇があるから、これに応じて押付け力Fを変える必要がある。
【0121】
吸引ファン18の継続的な回転により、マスタ8は次々に吸引ボックス17に引き込まれる形で吸引ボックス17に収納されながら製版が行われる。
一方、説明が前後するが、小径化プラテンローラ10の従動回転開始と同じ頃に、原稿が前記原稿読取部に搬送される。前記原稿読取部のスキャナで読み取られた原稿の光学情報は、図4に示す画像センサ70でアナログの画像信号に光電変換され、さらにA/D変換部71、画像処理部72や画像メモリ74、製版制御部73を経由して処理されて送出されるデジタルの画像データ信号に基づいて、サーマルヘッド11の発熱抵抗体11aがパルス選択的に通電されて発熱されることによって、発熱した発熱抵抗体11aに接触しているマスタ8のフィルム部分が加熱溶融穿孔される。このように、従動回転する小径化プラテンローラ10によりサーマルヘッド11に押付けられながら移動するマスタ8に対しての、画像情報に応じたサーマルヘッド11の発熱抵抗体11aによる位置選択的な溶融穿孔により、画像情報が穿孔パターンとしてマスタ8に書き込まれていく。
【0122】
一方、版胴1はクランパ7が図1において略右横となる給版位置になるまで回転して停止する。版胴1が給版位置に停止すると、前記開閉装置によりクランパ7が開放されて給版待機状態となる。クランパ7が開放されると同時に、製版駆動制御部75の指令の下に反転ローラ用電磁クラッチ34に通電されることにより、駆動モータ68の回転駆動力が前記回転伝達手段を介して反転ローラ14aに伝達され、これにより反転ローラ対14a,14bが所定の角度回転し、製版済みのマスタ8の先端部がガイド板15に案内されてステージ6とクランパ7との間に挿入される。反転ローラ対14a,14bが所定の角度回転して、これに対応して駆動モータ68のステップ数がある設定値に達し、製版済みのマスタ8の先端部がステージ6とクランパ7との間に届いたと判断されると、前記開閉装置によりクランパ7が閉じられ、製版済みのマスタ8の先端部がステージ6とクランパ7との間に吸着・挾持される。
【0123】
製版済みのマスタ8の先端部のクランプ後、前記電動モータの駆動により版胴1が回転を再開して、製版済みのマスタ8が吸引ボックス17より引き出されながら反転ローラ対14a,14bにより搬送されて版胴1の外周面へ給版されるが、この版胴1の外周面への巻装時には巻装シワを発生させることなく行われる。駆動モータ68の所定ステップ数の回転駆動により、マスタ8への製版および設定量の製版済みのマスタ8の搬送が終了したと判断されると、駆動モータ68の回転駆動が停止されることにより小径化プラテンローラ10、搬送ローラ対12a,12bおよび反転ローラ対14a,14bの回転が停止すると共に、カッタ13が作動して製版済みのマスタ8が切断される。
このとき、版胴1の回転によってマスタ8が吸引ボックス17より完全に引き出される前にカッタ13によるマスタの切断が終了するようになっていて、マスタ8の後端部が引きちぎれたりしないような設定になっている。また、このとき、反転ローラ用電磁クラッチ34がオフすることにより、版胴1の回転力によってマスタ8を介して反転ローラ対14a,14bが連れ回り・従動回転することとなるので、マスタ8に適度な張力が作用して巻装シワの発生をより確実に防止することができる。
そして、切断された製版済みのマスタ8の後端が、版胴1の回転によって製版装置99内から引き出され、版胴1の外周面に完全に巻き取られた段階で版胴1への製版済みのマスタ8の巻装が終了すると共に、吸引ボックス17の前記吸引口近傍に設けられたセンサ等により、マスタ8の残り等が判断される。
【0124】
版胴1への製版済みのマスタ8の巻装が完了すると、印刷工程が開始される。すなわち、前記給紙装置の前記分離給紙部材により前記給紙トレイ上に積載されている印刷用紙が1枚分離・給送され、レジストローラ対20,20でタイミングを取られ、版胴1の外周面とプレスローラ21との間に向けて搬送される。レジストローラ対20,20におけるマスタ搬送方向X下流近傍に配設されている図示しない用紙検知センサにより、前記印刷用紙の通過が検知されることによって、前記係止手段が解除されて、プレスローラ21が前記バネ部材の付勢力によって、前記印刷用紙が版胴1の外周面に巻装されている製版済みのマスタ8(図1には図示せず)に連続的に押圧されて、製版済みのマスタ8を版胴1の外周面に密着させるためのいわゆる版付け印刷が行われる。この版付け印刷では、版胴1の開孔部分から製版済みのマスタ8の穿孔部分へとインキが滲み出てきて前記印刷用紙の表面に転移され、孔版印刷が行われる。
このとき、インキローラ2も版胴1の回転方向と同一方向に回転する。インキ溜まり4のインキは、インキローラ2の回転によりインキローラ2の表面に付着され、インキローラ2とドクターローラ3との間隙を通過する際にその量を規制され、版胴1の内周面に供給される。
【0125】
こうして孔版印刷された印刷用紙の先端部は、版胴1の外周面に接近する剥離爪24により版胴1上の製版済みのマスタ8から剥離され、剥離された印刷用紙は前記排紙トレイに排出・積載される。版付け印刷終了後、プレスローラ21は版胴1から離間し、版胴1は図1においてクランパ7が略真上となる初期位置に復帰して、印刷待機状態となる。前記版付け印刷工程と並行して、開閉板16は時計回り方向に90度回転・変位してガイド搬送位置を占めると共に、吸引ファン18の回転が停止する。
【0126】
その後、駆動モータ68が再度駆動されることにより、駆動ローラ65、小径化プラテンローラ10、搬送ローラ対12a,12bおよび反転ローラ対14a、14bが回転を再開して、切断されたマスタ8の先端が反転ローラ対14a、14bのニップ部に向けて送り込まれる。駆動モータ68のパルス数から、切断されたマスタ8の先端が反転ローラ対14a、14bのニップ部に届き挟持されたと判断されると、駆動ローラ65、小径化プラテンローラ10、搬送ローラ対12a,12bおよび反転ローラ対14a、14bの回転が停止し、これと同時に開閉板16も反時計回り方向に回転して初期位置であるタワミ吸引位置に復帰して、次の製版に備えた製版待機状態になる。
【0127】
版付け印刷終了後、オペレータは前記排紙トレイに排出された印刷物を適宜目視して、通常の印刷動作を行ってもよいかどうかを適宜判断し、オーケーであればテンキー43で印刷枚数を設定し、プリントキー42を押すと、前記したと同様の給紙、通常印刷および排紙の各動作が順次行われる。
【0128】
ここで、図10を参照して、マスタ8の搬送力および製版長さを調整するための従来方式および本実施形態1の方式による相違点について補足説明する。
例えば、特開平7−156520号公報等に開示されているような従来方式では、図10(a)に示すように、製版長さを調整するために、搬送ローラ12bにトルクリミッタを設けると共に、搬送ローラ対12a,12bの周速度をプラテンローラ200のそれよりも速く設定し、かつトルクリミッタの伝達トルクを調整することにより、製版済みのマスタ8に生じる張力(フロントテンションFf)を制御する方式を採っていた。しかしながら、この方式では、マスタ搬送方向X下流側にマスタ8の一端を引っ張ることで製版済みのマスタ8にフロントテンションFfを付与して製版長さを調整していたので、ベースの厚さの薄いマスタ8やベースの全く無いマスタ等のようにその穿孔部分での強度が大幅に低下するようなマスタ8の場合、フロントテンションFfを掛けたとき、張力ムラや強度の低下した穿孔部分が容易に伸びてしまい、それほど大きなフロントテンションFfを加えることができず、これにより製版済みのマスタ8が縮んで変形してしまう不具合が発生しやすくなったり、製版長さ、すなわち製版画像寸法の再現性を満足することが困難であった。
【0129】
しかし、この実施形態1では、図10(b)に示したように、マスタ巻き掛け角θaを大きくした状態でマスタ8の搬送を行い、かつ、駆動ローラ65と小径化プラテンローラ10との間で発生する搬送力でマスタ8の搬送を行うことにより、従来のような問題点を生じることなく、いわば必然的に、C部とB部との間のマスタ8に適度のフロントテンションが作用していると見ることができる。
前記作用に加えて、実際にサーマルヘッド11の発熱抵抗体11aでマスタ8が加熱溶融穿孔されている直後の部分では、ニップ中心Ncからマスタ接触境界Mbに向けて小径化プラテンローラ10の外周表面が加熱溶融穿孔直後のマスタ8の部分を前記摩擦力によって実質的に保持しながら移動しているから、その部分の熱収縮を抑えながら冷却作用を効果的に行っているとも考えられる。
【0130】
本実施形態1によれば、前述した構成を有することにより、前述した利点および後述する効果の他に、以下の利点が得られる。
本実施形態1によれば、マスタ種類検出手段からの信号に基づいて、予め使用するように設定されたマスタと相違するときに、製版動作を禁止する製版動作制御手段を有することにより、予め使用するように設定されたマスタと相違するマスタを使用して製版動作を行うことによって生じるおそれのあるマスタのシワ等の不具合を未然に防止することができる。
また、マスタ種類検出手段は、所定の大きさに形成されたマスタのタワミを検出するタワミ検知手段と、マスタのタワミを吸引して一時貯留するための吸引貯留手段と、タワミ検知手段からの信号に基づいて、吸引貯留手段によりマスタのタワミが吸引されるときの時間を測定するタワミ吸引計時手段とからなることにより、例えばマスタの剛度(強度)がマスタの種類に応じて異なることを利用できるから、吸引貯留手段を有する通常の製版装置の構成において、簡単な構成でマスタの種類を検出できる。
【0131】
図11に、実施形態1の変形例1を示す。
この変形例1は、実施形態1におけるマスタ巻き掛け角θaよりもさらにマスタ巻き掛け角θaを大きくするように、小径化プラテンローラ10に対する駆動ローラ65の配置位置のみを変えたものである。これにより、小径化プラテンローラ10と駆動ローラ65とのニップ部およびマスタ接触境界Mbは、実施形態1におけるニップ部Nよりもさらに小径化プラテンローラ10の従動回転方向の進み側、図11では小径化プラテンローラ10の上側へとずれることとなる。
【0132】
変形例1によれば、実施形態1よりもマスタ巻き掛け角θaを大きくしたことに伴う利点が得られる他、例えば、従来例で説明したことに関連して、小径化プラテンローラ10の両端支持梁構成に伴い生じる、小径化プラテンローラ10の軸方向中央部を凸部とするマスタ搬送方向Xに弓形状に撓み変形する不具合を防止できると共に、サーマルヘッド11の発熱抵抗体列に対して小径化プラテンローラ10の軸方向中央部を凸部とする上下方向に弓形状に撓み変形する不具合(サーマルヘッド11の発熱抵抗体列の中央部に対して有効ニップ幅Nbを上下方向で確保できなくなる不具合)も防止できる利点がある。
【0133】
実施形態1や変形例1では、駆動ローラ65がマスタ8を介して小径化プラテンローラ10に圧接しこれを従動回転させる特有の構成を有していることから、フロントテンション付与手段38を構成する搬送ローラ用電磁クラッチ33のトルクリミッタ機能は、必須の構成ではなく無くても構わない。
【0134】
駆動ローラ軸65aの各溝29c内における回転摺擦抵抗等を小さくしたい場合には、各駆動ローラ軸65aの端部に転がり軸受けを装着した上で各溝29c内に回転自在かつ移動自在に支持・案内させてもよい。
駆動ローラ65の弾性体層65bの材質は、前述したものに限らず、マスタ8に対する非粘着性、耐熱性、導電性および圧縮永久歪等の要求品質特性等を満足するものであれば、例えば金属製のものであっても構わない。
【0135】
本発明の実施形態は、実施形態1等に限らず、実施形態1等におけるような特性値検出手段群からの各信号に基づいて、製版駆動制御部75により行われる木目の細かい押付け力Fの可変制御によって得られる前記した利点や後述する効果をそれ程望まなくてもよいのであれば、特性値検出手段としての画像量検出手段48、温度センサ30、湿度センサ31、ヘッド温度センサ32のうちの何れか一つを配設して、前記制御手段がその何れか一つの特性値検出手段からの信号に基づいて、押付け力Fの可変制御を行うように構成してもよい。
また、特性値検出手段としての画像量検出手段48、温度センサ30、湿度センサ31、ヘッド温度センサ32のうちの何れか一つを配設して構成したよりも木目の細かい押付け力Fの可変制御を望むのであれば、前記制御手段は、少なくとも二つ以上の前記特性値検出手段からの各信号に基づいて、押付け力Fの可変制御を行うように構成してもよい。
【0136】
本発明の実施形態は、実施形態1および上述した制御構成等に限らず、より一層木目の細かい押付け力Fの可変制御を行いたいのであれば、マスタ搬送性等関係要因の特性としてマスタの種類を適用し、その特性値検出手段としてマスタの種類を検出するマスタ種類検出手段を制御構成としてもよい。すなわち、製版駆動制御部75の前述した機能に、特性値検出手段としての画像量検出手段48、温度センサ30、湿度センサ31およびヘッド温度センサ32からの各信号に加えて、マスタ種類検出手段としての前記タイマからのマスタの種類に係る信号に基づいて、押付け力Fを変えるように押付け力可変手段50のカム駆動モータ56を制御する機能を付加したものである。そして、この場合においても、前記タイマを個別に1つだけ配設したり、あるいは前記タイマを含み少なくとも二つ以上の前記特性値検出手段からの各信号に基づいて、押付け力Fの可変制御を行うように構成してもよい。
(実施形態2)
図12ないし図17を参照して実施形態2を説明する。図12において、符号99Aは実施形態2の製版装置を示す。
製版装置99Aは、実施形態1の製版装置99と比較して、図12ないし図17に示すように、製版装置99における駆動ローラ65に代えて、小径化プラテンローラ10よりもマスタ搬送方向X下流側に設けられ、マスタ8を介して小径化プラテンローラ10を従動回転させる駆動部材としての巻き掛けローラ80およびこの巻き掛けローラ80に従動して回転する巻き掛けローラ81からなる上下一対の巻き掛けローラ80,81と、製版装置99における押付け力可変手段50に代えて、マスタ巻き掛け角θaを変えるマスタ巻き掛け角可変手段76とを有すること、および搬送ローラ用電磁クラッチ33のトルクリミッタ機能を除去したことが主に相違する。
【0137】
製版装置99Aは、前記した特徴ある構成に加えて、小径化プラテンローラ10とサーマルヘッド11とのニップ部Nよりもマスタ搬送方向X下流側で、小径化プラテンローラ10にマスタ8を巻き付けるマスタ巻き掛け角θaを大きくした状態でマスタ8の搬送を行うことを特徴とするものであり、また巻き掛けローラ対80,81の間で発生する搬送力で、小径化プラテンローラ10と巻き掛けローラ対80,81との間のマスタ8を介して、小径化プラテンローラ10を従動回転させてマスタ8の搬送を行うことを特徴とするものである。
【0138】
図12において、符号θbは、小径化プラテンローラ10よりもマスタ搬送方向X下流側のマスタ8もしくは製版済みのマスタ8をサーマルヘッド11より遠ざける向きに搬送するためのマスタ離れ角を示す。マスタ離れ角θbは、巻き掛けローラ対80,81のニップ部が小径化プラテンローラ10とサーマルヘッド11とのニップ部Nよりも上方に位置するように、図12において巻き掛けローラ対80,81のニップ部と小径化プラテンローラ10とサーマルヘッド11のニップ部Nとの間のマスタ8と、発熱抵抗体11aが配置されたサーマルヘッド11の水平面の延長線とのなすマスタ離れ角θbが鋭角の範囲内で大きくなるように、巻き掛けローラ対80,81、小径化プラテンローラ10およびサーマルヘッド11を配置している。
このように実施形態2でも、マスタ巻き掛け角θaを大きくした状態でマスタ8の搬送を行い、小径化プラテンローラ10よりもマスタ搬送方向X下流側のマスタ8もしくは製版済みのマスタ8は、サーマルヘッド11の発熱抵抗体11aより常に遠ざかる向きに搬送されているといえるから、実施形態1と同様の利点を得られる。
巻き掛けローラ対80,81が図13に示すホームポジションを占めたとき、例えば、マスタ巻き掛け角θaが最も小さい0度に、マスタ離れ角θbが最も小さい0度になるようにそれぞれ設定される。
【0139】
ここで、図16を参照して、巻き掛けローラ対80,81により挟持されたマスタ8、小径化プラテンローラ10、サーマルヘッド11、マスタ巻き掛け角θaおよびマスタ離れ角θbとの間の関係について説明する。
図16において、マスタ接触境界Mbを点C1とし、マスタ離れ角θbにおいて、マスタ8と点C1とを結ぶ半直線の延長線がサーマルヘッド11の発熱抵抗体表面と交わる点を点B1とし、小径化プラテンローラ10の軸中心10cを点O1とし、サーマルヘッド11の発熱抵抗体表面におけるニップ部中心Ncを点A1とした場合、各点O1,A1,B1,C1を線分で結んで4角形を形成できる。
図16において、θ+θb=180°、θ+θa=180°(4角形O1A1B1C1の内角から)となるから、マスタ巻き掛け角θa=マスタ離れ角θbの関係にあることが分かる。なお、図16では、小径化プラテンローラ10の弾性体層10bが押圧力により押し潰されてニップ部Nを形成している状態を誇張して示している。
【0140】
巻き掛けローラ対80,81がホームポジションを占めたとき、マスタ巻き掛け角θaおよびマスタ離れ角θbはそれぞれ0度であるが、実際に使用するときには、図17に示されているように例えば小径化プラテンローラ10の直径D=12mm、有効ニップ幅Nb=約1mmという条件の下で、θa,θb≧10°、すなわちマスタ巻き掛け角θaおよびマスタ離れ角θbが10°以上のときに好ましい効果が出ることを確認している。実験によれば、マスタ巻き掛け角θaおよびマスタ離れ角θbが30°位のときが最も好ましい効果が得られた。
【0141】
マスタ巻き掛け角可変手段76は、巻き掛けローラ80を回転駆動する駆動手段としての駆動モータ86を備えた巻き掛けローラ駆動機構83と巻き掛けローラ対80,81とを備え、マスタ巻き掛け角θaを変える方向に変位可能な変位ユニット77と、この変位ユニット77をマスタ巻き掛け角θaを変える方向である上下方向に変位させるためのユニット駆動機構90と、製版側板対29a,29bの内側壁にそれぞれ固設され、変位ユニット77を上下方向に案内する案内部材29e,29eとを具備している。
【0142】
変位ユニット77は、前記した巻き掛けローラ対80,81と、巻き掛けローラ駆動機構83と、巻き掛けローラ対80,81を各軸80a,81aを介して回転自在に支持すると共に、製版側板対29a,29b側の各案内部材29eに案内される被案内部78dをそれぞれ備えたローラ支持枠体78とから主に構成される。
【0143】
巻き掛けローラ80は、図12および図14に示すように、芯金80a’と、この芯金80a’の周りに被覆された高分子の弾性体層80bと、芯金80a’と一体的に形成された巻き掛けローラ軸80aとから構成されている。これと同様に、巻き掛けローラ81は、芯金81a’と、この芯金81a’の周りに被覆された高分子の弾性体層81bと、芯金81a’と一体的に形成された巻き掛けローラ軸81aとから構成されている。前記したとおり、巻き掛けローラ80は駆動ローラであり、巻き掛けローラ81は従動ローラである。
巻き掛けローラ80と巻き掛けローラ81とは、図示しないバネ等の付勢手段により所定の押圧力を与えられて圧接して設けられていて、各巻き掛けローラ軸80a,81aの両端部がローラ支持枠体78の左右両側の枠側板部78a,78bに回転自在に支持されていることにより、互いに反対方向に回転可能となっている。
【0144】
巻き掛けローラ対80,81を構成する材質および寸法は同様であるため、巻き掛けローラ80についてのみ述べる。巻き掛けローラ80の芯金80a’は、例えばステンレススチール(SUS)等の金属でできていて、弾性体層80bは、例えばマスタ8に対する非粘着性、耐熱性、導電性および圧縮永久歪の良好なシリコーンゴムでできている。巻き掛けローラ80の仕様について実施例的に述べると、例えば、その直径が24mm、芯金80a’の径が18mm(弾性体層80bの厚さ3mm)のものを使用している。
巻き掛けローラ80の弾性体層80bの硬度(Hs)は、例えばJIS硬度Aスケールで20〜60度であるものが好ましく用いられる。巻き掛けローラ80の弾性体層80b(シリコーンゴム層)外周表面の摩擦係数μは、製版済みのマスタ8の適正な搬送力を得てマスタ搬送性を保つために、フィルムの材質がポリエステルテレフタレート(PET)製のマスタ8に対して、小径化プラテンローラ10の弾性体層10b(シリコーンゴム層)外周表面の摩擦係数μよりも大きい、例えば乾燥状態でμ=1.0〜2.0程度のものが好ましく用いられる。これは、巻き掛けローラ対80,81の外周表面の摩擦係数μが、小径化プラテンローラ10のそれよりも小さい場合には、マスタ8に対する搬送・駆動部材としての巻き掛けローラ対80,81の摩擦力が小径化プラテンローラ10のそれよりも小さくなるから、マスタ8を介して小径化プラテンローラ10を従動回転させることができなくなると共に、適正な搬送力を得ることができず、マスタ搬送性を保つことができなくなるからである。
【0145】
なお、巻き掛けローラ対80,81の各弾性体層80b,81bの材質は、前述したものに限らず、マスタ8に対する非粘着性、導電性および圧縮永久歪あるいは外周表面の摩擦係数等の要求品質特性等を満足するものであれば、例えば金属製のものであっても構わない。
【0146】
巻き掛けローラ駆動機構83は、製版側板29b側寄りのローラ支持枠体78の底壁内上面に固設され、ステッピングモータからなる駆動モータ86と、この駆動モータ86の回転駆動力を巻き掛けローラ80に伝達するための回転伝達手段とからなる。この回転伝達手段は、製版側板29b側寄りの巻き掛けローラ軸80の端部に固設された第2ギヤ85と、駆動モータ86の出力軸に固設され第2ギヤ85と噛み合う第1ギヤ84とから構成されている。
【0147】
ローラ支持枠体78は、例えば板金やアルミニウム等の軽金属の合金でできていて、製版側板対29a,29bの各内側に設けられている。ローラ支持枠体78の各被案内部78dに対向する図13および図14において左側の両側端壁上部には、ラック79がそれぞれ一体形成されている。図13に示すように、製版側板29b側寄りの被案内部78d下部のローラ支持枠体78には、遮光片78cが突出形成されている。
一方、製版側板29bの内壁には、遮光片78cと選択的に係合するホームポジションセンサ87が固設されている。ホームポジションセンサ87は、透過型のフォトセンサからなる。ホームポジションセンサ87は、巻き掛けローラ対80,81がそのホームポジションである図13に示す最下降位置を占めたときに、ローラ支持枠体78の遮光片78cと係合することにより、巻き掛けローラ対80,81のホームポジションを検知するようになされている。製版側板対29a,29bの間には、巻き掛けローラ対80,81をホームポジションに位置させるための、ローラ支持枠体78の底壁面に接触してローラ支持枠体78の下降を止めるストッパ部材89が掛け渡されている。巻き掛けローラ対80,81がホームポジションを占めたとき、マスタ巻き掛け角θaは最も小さい角度となるが、このときの角度は、勿論、従来のそれより十分大きくなるように設定されている。
【0148】
前記構成のとおり、図13において、駆動モータ86の時計回り方向の駆動により、巻き掛けローラ80が反時計回り方向に回転駆動されると共に、巻き掛けローラ81が時計回り方向に従動回転されることによって、これに伴うマスタ8の搬送力を介して、小径化プラテンローラ10が従動回転されつつ、マスタ8は適度の軽いバックテンションを受けながら、かつ、緩むことなくマスタロール8aから引き出されることとなる。
【0149】
ユニット駆動機構90は、変位ユニット77を上下方向に変位・駆動するための、製版側板29bの内壁に固設されたユニット駆動モータ92と、このユニット駆動モータ92の回転駆動力を変位ユニット77に伝達するための回転伝達手段とからなる。この回転伝達手段は、出力軸91aに固設され製版側板29b寄りの枠側板部78bに形成されたラック79と噛み合うピニオン91と、出力軸91aに固設され製版側板29a寄りの枠側板部78aに形成されたラック79と噛み合うピニオン91とから構成されている。
出力軸91aは、製版側板対29a,29bの間に亘り長く形成されていて、その先端部が製版側板29aに回転自在に支持されている。ユニット駆動モータ92は、ステッピングモータからなる。なお、ユニット駆動モータ92は、ステッピングモータに限らず、制御用のDCモータであってもよく、この場合には回転位置検出用のエンコーダ等を内蔵した物やスリット円板等を配設する必要がある。
【0150】
ここで、マスタ巻き掛け角可変手段76の詳細動作を説明しておく。ユニット駆動モータ92に図示しないパルス発生回路およびモータ駆動回路を介して正転駆動パルスまたは逆転駆動パルスの所定の駆動パルス数が入力され、ユニット駆動モータ92が所定のステップ数回転駆動されると、その回転運動(駆動力)がピニオン91とラック79との噛合により、ローラ支持枠体78に伝達されつつ各案内部材29eを介して上下方向への直線運動に変換されて、最終的に巻き掛けローラ対80,81の上下方向への直線変位運動となる。以下、説明の便宜上から、正転駆動パルスに対応して巻き掛けローラ対80,81が上方向Uへ変位するものとし、これと反対に逆転駆動パルスに対応して巻き掛けローラ対80,81が下方向Dへ変位するものとする
上記の動作により、例えばユニット駆動モータ92に所定の正転駆動パルス数が入力されることにより、ホームポジションを占めていた巻き掛けローラ対80,81が上方向Uに変位すると、マスタ巻き掛け角θaが大きくなって、小径化プラテンローラ10の外周面にマスタ8が接触するマスタ接触範囲面積も広がると共に、マスタ離れ角θbも大きくなる。これとは逆に、例えばユニット駆動モータ92に所定の逆転駆動パルス数が入力されることにより、巻き掛けローラ対80,81が下方向Dに変位すると、マスタ巻き掛け角θaが小さくなって、小径化プラテンローラ10の外周面にマスタ8が接触するマスタ接触範囲面積も狭まると共に、マスタ離れ角θbも小さくなる。
【0151】
実施形態2では、前述した構成および後述する動作から、画像量検出手段48、温度センサ30、湿度センサ31、ヘッド温度センサ32、および前記マスタ種類検出手段からなる特性値検出手段群は、実施形態1と同様に、少なくとも製版時におけるマスタ搬送性等に影響を与えるマスタ搬送性等関係要因の特性値を検出する機能を有する。実施形態2では、製版時におけるマスタ製版寸法の伸縮に影響を与えるマスタ伸縮関係要因の特性値の占める度合いが実施形態1のそれよりも大きくなっている。
【0152】
次に、図15を参照して、実施形態2における主として製版装置99Aの制御を行う制御構成を説明する。
実施形態2の制御構成は、実施形態1のそれと比較して、製版駆動制御部75に代えて、製版駆動制御部75Aを有すること、回転位置センサ60およびホームポジションセンサ61に代えて、ホームポジションセンサ87を有し、駆動モータ68に代えて、駆動モータ86を有し、およびカム駆動モータ56に代えて、ユニット駆動モータ92を有し、これらが図15に示すような製版駆動制御部75Aに前記入力ポートや出力ポートを介して電気的にそれぞれ接続されていることが主に相違する。
【0153】
この実施形態2では、製版駆動制御部75Aは、製版駆動制御部75の第3の機能と同様の機能を有する他、製版駆動制御部75の第1および第2の機能に代えて以下の諸制御機能を有する。
第1に、製版駆動制御部75Aは、温度センサ30からの信号に基づいて、巻き掛けローラ80の周速度であるマスタ搬送速度を変えるように駆動モータ86を制御する制御手段としての機能を有する。
【0154】
第2に、製版駆動制御部75Aは、画像量検出手段48、温度センサ30、湿度センサ31、ヘッド温度センサ32およびホームポジションセンサ87からの各信号に基づいて、マスタ巻き掛け角θaを変えるべく、すなわち巻き掛けローラ対80,81の上下方向の位置、換言すればローラ支持枠体78の位置を変えるようにマスタ巻き掛け角可変手段76のユニット駆動モータ92を制御する制御手段としての機能を有する。
【0155】
第3に、製版駆動制御部75Aは、巻き掛けローラ対80,81の上下方向の位置変位量に応じて、小径化プラテンローラ10およびサーマルヘッド11のニップ部中心Ncと搬送ローラ対12a,12bのニップ部との間のマスタ8の長さが変化するのに着目してその間のマスタ8を常に弛ませないようにするために、巻き掛けローラ対80,81の上下方向の位置変位量に応じて、ニップ部中心Ncと搬送ローラ対12a,12bのニップ部との間のマスタ8の長さの変化量を補償すべく、駆動モータ86、搬送ローラ用電磁クラッチ33や反転ローラ用電磁クラッチ34を制御する機能を有する。
【0156】
製版駆動制御部75A内の前記ROMには、前記した第1ないし第3等の機能を有する製版駆動制御部75Aによる制御を行うための前もって実験等により求められたデータテーブルや図9に示すプログラムあるいは後述する動作を行うためのプログラムが予め記憶されている。製版駆動制御部75A内の前記RAMは、前記CPUでの判断結果や計算結果を一時記憶したり、各センサ等からの出力信号を随時記憶したりしてこれら信号の入出力を行う。前記したデータテーブルとしては、例えば、温度センサ30により検出される温度と駆動モータ86に供給すべきパルス周波数(pps)との関係データ、前記した4つの特性値検出手段により検出される各特性値とマスタ巻き掛け角θaとの関係データ、およびマスタ巻き掛け角θaに対応したローラ支持枠体78の位置、すなわち巻き掛けローラ対80,81のニップ部の位置とユニット駆動モータ92への正転もしくは逆転駆動パルス数との関係データ等が挙げられる。
【0157】
実施形態2の動作について、実施形態1と相違する点を中心に説明する。
実施形態1と同様に、製版スタート信号が生成されて、これが製版駆動制御部75Aに入力されることによって製版がスタートする。まず、前記スキャナがセットされた前記原稿の表面をプリスキャンして原稿画像を読み取ると共に、画像量検出手段48により前記原稿に対応した製版画像量が検出され、その信号が製版駆動制御部75Aに送信される。
【0158】
前記製版画像量の検出動作に前後して、温度センサ30からの製版装置99A本体の温度に係る信号に基づいて、駆動モータ86に供給するパルス周波数(pps)を可変制御することによって、巻き掛けローラ80の周速度であるマスタ搬送速度が設定される。
例えば、温度センサ30で検出された製版装置99A本体の温度が低い低温環境下においては、小径化プラテンローラ10および巻き掛けローラ対80,81が前記したような金属製の芯金10a’,80a’とシリコーンゴム等の高分子の弾性体層10b,80bとで形成されている場合、シリコーンゴム等の高分子の弾性体層10b,80bが温度低下に伴い収縮を生じるから、各ローラ10,80自体の直径が小さくなってしまい、結果として例えば常温時と同一の周速度で巻き掛けローラ80を回転させた場合にはマスタ搬送距離が短くなってしまう。それ故に、このような場合には、常温時よりも巻き掛けローラ80の周速度を速くして、すなわち駆動モータ86に供給するパルス周波数(pps)を高くすることにより、常温時と同等のマスタ搬送距離を得られるようにする。これとは逆に、高温環境下においては、前記したとは反対にシリコーンゴム等の高分子の弾性体層10b,80bが温度上昇に伴い膨張を生じるから、常温時よりも巻き掛けローラ80の周速度を遅くして、すなわち駆動モータ86に供給するパルス周波数(pps)を低くして、常温時と同等のマスタ搬送距離を得られるようにする。
したがって、実施形態2でも、前述の制御が行われることにより、環境温度の変動にかかわらず、常に安定したマスタ8の搬送距離を得られる。
【0159】
前記した巻き掛けローラ80の周速度補正動作に前後して、製版駆動制御部75Aからの指令により、画像量検出手段48からのデータ信号に基づき、1版分のマスタ8に対する穿孔する割合がチエックされると共に、温度センサ30および湿度センサ31からの製版装置99A本体の温度および湿度に係るデータ信号や、ホームポジションセンサ87からのマスタ巻き掛け角θaに対応したローラ支持枠体78の上下方向の位置(巻き掛けローラ対80,81のニップ部の上下方向位置)に係るデータ信号に基づき、ユニット駆動モータ92を制御することによってマスタ巻き掛け角θaが設定される。
【0160】
例えば、製版駆動制御部75Aは、サーマルヘッド11において発熱駆動すべき発熱抵抗体11aの数が多い場合、すなわち画像量検出手段48により検出された製版画像量が多くサーマルヘッド11の発熱抵抗体11aの表面とマスタ8との摩擦力(搬送抵抗)が増大する場合や、湿度が高くマスタ8表面への水分等の付着によってサーマルヘッド11における発熱抵抗体11a上の保護膜面等に貼り付きやすくなり、マスタ8とサーマルヘッド11との摩擦力が増加する高湿環境の場合には、ユニット駆動モータ92に所定の正転駆動パルス数を与えることにより、図12ないし図14においてローラ支持枠体78、すなわち巻き掛けローラ対80,81のニップ部を上方向Uに変位させてマスタ巻き掛け角θaを大きくして、小径化プラテンローラ10の外周面とマスタ8との接触面積を増加させる。このような小径化プラテンローラ10の外周面とマスタ8との接触面積の増加により、その接触面での摩擦力(摩擦抵抗)が全体として大きくなるから、小径化プラテンローラ10を従動回転させるための搬送力が小径化プラテンローラ10に確実に作用すると共に、マスタ8と小径化プラテンローラ10との間の滑り量が減少して、製版長さが適正範囲に調節される。
【0161】
特に、上記環境に加えて、環境温度が高い場合には、サーマルヘッド11の蓄熱が多くなり、マスタ8が軟化して伸びやすくなることによりマスタ8に形成される穿孔径が大きくなるため、マスタ8の摩擦力(搬送抵抗)がさらに増加するので、ユニット駆動モータ92に所定の正転駆動パルス数を与えることにより、図12ないし図14においてローラ支持枠体78、すなわち巻き掛けローラ対80,81のニップ部をさらに上方向Uに変位させてマスタ巻き掛け角θaをさらに大きくして、小径化プラテンローラ10の外周面とマスタ8との接触面積をさらに増加させる。このような小径化プラテンローラ10の外周面とマスタ8との接触面積のさらなる増加により、その接触面での摩擦力(摩擦抵抗)が全体としてさらに大きくなるから、、小径化プラテンローラ10を従動回転させるための搬送力が小径化プラテンローラ10にさらに確実に作用すると共に、マスタ8と小径化プラテンローラ10との間の滑り量がさらに減少して、製版長さが適正範囲に調節される。
【0162】
上記したとは逆に、温度や湿度が低く、マスタ8とサーマルヘッド11との摩擦力が低下する低温・低湿環境の場合には、ユニット駆動モータ92に所定の逆転駆動パルス数を与えることにより、上記した動作例よりも図12ないし図14において巻き掛けローラ対80,81のニップ部を下方向Dに変位させてマスタ巻き掛け角θaを小さくして、小径化プラテンローラ10の外周面とマスタ8との接触面積を低減させる。このような小径化プラテンローラ10の外周面とマスタ8との接触面積の低減により、その接触面での摩擦力(摩擦抵抗)が全体として上記動作例よりも小さくなるから、製版長さが適正範囲に調節される。
【0163】
製版動作の途中においては、製版駆動制御部75Aは、さらに、ヘッド温度センサ32により検出されたサーマルヘッド11の温度をも加味して、巻き掛けローラ対80,81のニップ部の上下方向の位置を変えることでマスタ巻き掛け角θaを調整する。すなわち、図8を借りて示すように、製版動作の始めのうち(版長の始めのうち)ではサーマルヘッド11の温度上昇は無視できるほどであるから、これに応じて図8に括弧を付して示すマスタ巻き掛け角θaを変える必要はないが、製版動作の途中からはサーマルヘッド11の蓄熱等により温度上昇があるから、これに応じてのマスタ巻き掛け角θaを変える必要がある。
【0164】
ここで、ローラ支持枠体78、すなわち巻き掛けローラ対80,81のニップ部を上方向Uに変位させてマスタ巻き掛け角θaを大きくするときには、小径化プラテンローラ10およびサーマルヘッド11のニップ部中心Ncと搬送ローラ対12a,12bのニップ部との間のマスタ8には、マスタロール8aからマスタ8を引き出し、かつ、小径化プラテンローラ10を従動回転させる程度の、換言すればマスタ8の長さを伸ばさないようにする程度の適度の張力が付与されることにより、ニップ部中心Ncと搬送ローラ対12a,12bのニップ部との間のマスタ8が弛まない状態となる。
上述したとは反対に、ローラ支持枠体78、すなわち巻き掛けローラ対80,81のニップ部を下方向Dに変位させてマスタ巻き掛け角θaを小さくするときには、ニップ部中心Ncと搬送ローラ対12a,12bのニップ部との間のマスタ8を弛まない状態とするために、巻き掛けローラ対80,81のニップ部の下方向Dの位置変位量に応じて、ニップ部中心Ncと搬送ローラ対12a,12bのニップ部との間のマスタ8の長さを短くする必要がある。それ故に、搬送ローラ用電磁クラッチ33および反転ローラ用電磁クラッチ34を共にオンした状態にして、ニップ部中心Ncと搬送ローラ対12a,12bのニップ部との間のマスタ8の長さを短くする必要分だけ、駆動モータ86に所定の駆動パルスを与えることにより、小径化プラテンローラ10、搬送ローラ対12a,12bおよび反転ローラ対14a,14bを全て回転駆動することにより、マスタ8の先端をマスタ搬送方向X下流端側に送ってやればよい。
上述した動作以外の動作は、実施形態1と同様に行われる。
【0165】
ここで、図10(a)および図12を参照して、マスタ8の搬送力および製版長さを調整するための従来方式および本実施形態2の方式による相違点について補足説明する。
従来方式については、実施形態1において図10(a)を参照して説明したとおりである。しかし、この実施形態2では、図12に示したように、マスタ巻き掛け角θaを大きくした状態でマスタ8の搬送を行い、かつ、巻き掛けローラ対80,81のニップ部で発生する搬送力で小径化プラテンローラ10を従動回転させつつ、かつ、ニップ部中心Ncと巻き掛けローラ対80,81のニップ部との間のマスタ8に常に適度のフロントテンション(ニップ部Nの押圧力に抗して小径化プラテンローラ10を従動回転させる程度の力)を付与した状態で、マスタ8の搬送を行うことにより、いわば必然的に、従来のような問題点を生じることがない。また、マスタ巻き掛け角θaの範囲においては、実施形態1と同様の作用が行われていると考えられる。すなわち、実際にサーマルヘッド11の発熱抵抗体11aでマスタ8が加熱溶融穿孔されている直後の部分では、ニップ中心Ncからマスタ接触境界Mbに向けて小径化プラテンローラ10の外周表面が加熱溶融穿孔直後のマスタ8の部分を前記摩擦力によって実質的に保持しながら移動しているから、その部分の熱収縮を抑えながら冷却作用を効果的に行っているとも考えられる。
【0166】
図18に、実施形態2の変形例2を示す。
この変形例2は、実施形態2と比較して、図18に示すように、マスタ支持部材8cと小径化プラテンローラ10との間のマスタ搬入経路X1側に、マスタ8の搬送力を補充して小径化プラテンローラ10を従動回転させるための巻き掛けローラ対80,81とは別の駆動部材としての上下一対の駆動ローラ93,94と、駆動ローラ93を回転駆動するステッピングモータからなる駆動モータ98とを有することが主に相違する。
駆動ローラ93,94の構造やその外周表面の摩擦係数等は、例えば巻き掛けローラ対80,81と同様になっている。下側の駆動ローラ93が駆動ローラであり、上側の駆動ローラ94が駆動ローラ93に圧接する従動ローラである。
【0167】
駆動ローラ93を回転駆動する駆動ローラ駆動機構は、製版側板対29b側の外側に突出した駆動ローラ軸93aの端部に固設された第2プーリ95と、第2プーリ95近傍の製版側板対29bの外側壁部に固設された駆動モータ98と、駆動モータ98の出力軸に固設された第1プーリ96と、第1プーリ96と第2プーリ95との間に掛け渡されたタイミングベルト97とから主に構成されている。
【0168】
変形例2によれば、マスタ排出経路X2側に配設された駆動部材としての巻き掛けローラ対80,81とは別の、マスタ8の搬送力を得るための駆動部材としての上下一対の駆動ローラ93,94を設けたことにより、マスタ搬入経路X1側で搬送負荷を掛けることなく、マスタ8の搬送力をいわば増加させた形態でニップ部Nに向けてマスタ8を搬送するから、実施形態2よりも確実なマスタ8の搬送力を得ることができると共に、小径化プラテンローラ10を従動回転させるマスタ排出経路X2側でのマスタ8の搬送力を低減することも可能となる。
なお、変形例2は、実施形態1にも適用することができる。
【0169】
マスタ巻き掛け角可変手段76は、これに限らず、例えば、ユニット駆動モータ92とピニオン91との間に一対のウォームギヤを介装することにより、ローラ支持枠体78の変位位置を保持するようにしてもよい。また、例えば、ローラ支持枠体78からラック79を除去すると共に、これを揺動アーム、この揺動アームの一端に設けた偏心カムやこの偏心カムを駆動する一対のウォームギヤを介装したカム駆動モータ等で揺動・昇降可能に構成してもよく、種々の均等な構成が想定されることはいうまでもない。
【0170】
実施形態2や変形例2では、小径化プラテンローラ10を従動回転するためのマスタ8の搬送力を巻き掛けローラ対80,81においてより確実に得るために、巻き掛けローラ対80,81のニップ部に付与される付勢力を調整・制御したり、巻き掛けローラ80の外周面に接触するマスタ8の接触範囲を調整・制御したりすることを行うようにしてもよい。
【0171】
本発明の実施形態は、実施形態2等に限らず、実施形態2等におけるような特性値検出手段群からの各信号に基づいて、製版駆動制御部75Aにより行われる木目の細かいマスタ巻き掛け角θaの可変制御によって得られる前記した利点や後述する効果をそれ程望まなくてもよいのであれば、特性値検出手段としての画像量検出手段48、温度センサ30、湿度センサ31、ヘッド温度センサ32のうちの何れか一つを配設して、前記制御手段がその何れか一つの特性値検出手段からの信号に基づいて、マスタ巻き掛け角θaの可変制御を行うように構成してもよい(第7の技術構成ないし第11の技術構成参照)。
また、特性値検出手段としての、画像量検出手段48、温度センサ30、湿度センサ31、ヘッド温度センサ32のうちの何れか一つを配設して構成したよりも木目の細かいマスタ巻き掛け角θaの可変制御を望むのであれば、前記制御手段は、少なくとも二つ以上の前記特性値検出手段からの各信号に基づいて、マスタ巻き掛け角θaの可変制御を行うように構成してもよい(第11の技術構成参照)。
【0172】
本発明の実施形態は、実施形態2および上述した制御構成等に限らず、より一層木目の細かいマスタ巻き掛け角θaの可変制御を行いたいのであれば、マスタ搬送性等関係要因の特性としてマスタの種類を適用し、その特性値検出手段としてマスタの種類を検出するマスタ種類検出手段を制御構成としてもよい。すなわち、製版駆動制御部75Aの前述した機能に、特性値検出手段としての画像量検出手段48、温度センサ30、湿度センサ31およびヘッド温度センサ32からの各信号に加えて、マスタ種類検出手段としての前記タイマからのマスタの種類に係る信号に基づいて、マスタ巻き掛け角θaを変えるようにマスタ巻き掛け角可変手段76のユニット駆動モータ92を制御する機能を付加したものである。そして、この場合においても、前記タイマを個別に1つだけ配設したり、あるいは前記タイマを含み少なくとも二つ以上の前記特性値検出手段からの各信号に基づいて、マスタ巻き掛け角θaの可変制御を行うように構成してもよい。
【0173】
プラテンローラは、小径化プラテンローラ10を使用することにより得られる前記した利点を望まなくてもよいのであれば、これに限らず、従来の通常のプラテンローラ200等を使用してもよく、この場合には小径化プラテンローラ10における前記利点を除く前述した利点や後述する効果を奏する。
【0174】
マスタ8は、前記した物に限らず、マスタ8の多孔質支持体の厚さを薄くしたマスタであってもよく、例えば本願出願人が提案した特開平11−77949号公報に記載されているような合成繊維ベースマスタ2でもよいし、また合成樹脂フィルムに溶融した樹脂を塗布して合成樹脂フィルムに樹脂膜を一体的に形成したようなマスタも使用することができる。このように、マスタの種類に応じて、押付け力Fの可変制御やマスタ巻き掛け角θaの可変制御を行うことが可能になると、従来の諸問題点を解決して後述する効果を奏するばかりでなく、使用するマスタの種類に応じて、印刷画質の向上を図ったり、マスタ(版)そのもののコストを低減したり、印刷コストをも低減したりすることが可能となることはいうまでもない。
以上述べたとおり、本発明を特定の実施形態やこれらに包含されている実施例等について説明したが、本発明の構成は、上述したものに限定されるものではなく、これらを適宜組み合わせて、あるいは単独で構成してもよく、本発明の範囲内において、その必要性および目的・用途等に応じて種々の実施形態や実施例を構成し得ることは当業者ならば明らかである。
【0175】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、上述したような従来装置の有する諸問題点を解決して新規な製版装置および製版印刷装置を提供することができる。請求項毎の効果を挙げれば以下のとおりである。
請求項1記載の発明によれば、前記構成により、駆動部材がマスタ搬送機能を、プラテンローラがマスタ押圧機能をそれぞれ分担することとなるから、たとえ強度が低く滑りやすいマスタを使用する場合や、例えば小径化プラテンローラを使用する場合においても、サーマルヘッドへの押圧力を極力抑えることができ、これによりマスタの変形を防止できると共に、マスタの搬送距離を適正に保つことができ、なおかつ、適正な押圧力の下でマスタの搬送を確実に行うことができ、如何なるマスタであってもそれらの特性等に左右されずに製版できるようになる。
また、マスタ巻き掛け角が大きい状態でプラテンローラの外周面に接触しているマスタにはその接触面積に応じた摩擦力によって均一な力が加わることとなり、熱収縮の抑制作用と共に、プラテンローラの回転による冷却作用とが相乗的に働くから、製版時におけるマスタが伸びたり縮んだりすることを抑えて、シワ等の発生も防止できるようになり、ひいては製版時において画像寸法再現性を良くすることが可能となる。
また、マスタ巻き掛け角を大きくした状態でマスタの搬送を行うことにより、必然的に、プラテンローラよりもマスタ搬送方向下流側のマスタもしくは製版されたマスタをサーマルヘッドの発熱抵抗体より遠ざける向きに搬送することとなるから、マスタの熱可塑性樹脂フィルムの加熱溶融部分がサーマルヘッドの発熱抵抗体表面と溶着してスティック等を生じることを抑制できると共に、これによりサーマルヘッドとの摩擦力を極力低減した状態でマスタの搬送距離を適正に確保でき、またマスタもしくは製版されたマスタがサーマルヘッドの蓄熱などの影響を受けて変形してしまうことを防止できる。
加えて、特性値検出手段により検出された少なくともマスタ搬送性等関係要因の特性値の大小・高低等に応じて、押付け力を自動的に変えることができるから、少なくとも製版時におけるマスタ搬送性等を確実に得ることができ、これによりマスタの搬送距離を適正に保つと共に、画像寸法再現性を良くすることができる。
【0176】
請求項2記載の発明によれば、前記構成により、請求項1記載の発明の効果に加えて、マスタの搬送力は駆動部材とプラテンローラとの間で得られるというような簡単な構成によって確保されるため、サーマルヘッドへの押圧力を極力抑えることができて、マスタの変形をより確実に防止できると共に、例えば小径化プラテンローラを使用した際のマスタ搬送方向への小径化プラテンローラ中央部を凸とした弓形状の撓み変形を抑制できるから、サーマルヘッドの主走査方向の如何なる位置においても発熱抵抗体を、サーマルヘッドと小径化プラテンローラとのニップ部に対して外れることなく配置することができ、これにより押圧力不足による穿孔不良を含む製版画像不良を無くして良好な画像を得ることができる。
【0177】
請求項3記載の発明によれば、前記構成により、マスタに対する駆動部材の摩擦係数がプラテンローラのそれよりも小さいときにはマスタを搬送することが困難となるから、請求項1または2記載の発明の効果におけるマスタの確実な搬送性を得られる。
請求項4記載の発明によれば、前記構成により、請求項1,2または3記載の発明の効果に加えて、駆動部材を簡単な構成で実現できる。
【0179】
請求項5記載の発明によれば、前記構成により、その湿度の高低に応じて、請求項1ないし4の何れか一つに記載の発明の効果を奏する。
請求項6記載の発明によれば、前記構成により、製版画像量の多少に応じて、請求項1ないし4の何れか一つに記載の発明の効果を奏する。
請求項7記載の発明によれば、前記構成により、その温度の高低に応じて、請求項1ないし4の何れか一つに記載の発明の効果を奏する。
請求項8記載の発明によれば、前記構成により、サーマルヘッドの温度の高低に応じて、請求項1ないし4の何れか一つに記載の発明の効果を奏する。
請求項9記載の発明によれば、前記構成により、マスタ搬送性等関係要因の特性値の大小・高低等に応じて、より木目細かに対応できるようになって、請求項1ないし8の何れか一つに記載の発明の効果を奏する。
【0180】
請求項10記載の発明によれば、前記構成により、請求項1ないし9の何れか一つに記載の発明の効果に加えて、プラテンローラのマスタ搬入経路側で搬送負荷を掛けることなく、マスタの搬送力をいわば増加させた形態でサーマルヘッドとプラテンローラとのニップ部に向けてマスタを搬送できるから、請求項1記載の発明の効果よりも確実なマスタの搬送力を得ることができると共に、例えばプラテンローラを従動回転させるマスタ排出経路側でのマスタの搬送力を低減することも可能となる。
【0181】
請求項11記載の発明によれば、前記構成により、請求項1ないし10の何れか一つに記載の発明の効果に加えて、材料の節減およびコストダウンを図ることができる。
【0182】
請求項12記載の発明によれば、前記構成により、版胴へのマスタ巻装時において巻装シワ等の発生を防止して、画像寸法再現性を良くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1を示す製版印刷装置および製版装置の概略的な正面図である。
【図2】(a)は、図1における製版装置の要部を破断して示す拡大正面図であり、(b)は、小径化プラテンローラ、マスタおよび駆動ローラの位置関係等を説明するための模式的な正面図である。
【図3】図1における製版装置の押付け力可変手段の要部を示す斜視図である。
【図4】図1の製版印刷装置の主として製版装置周りの制御構成を示すブロック図である。
【図5】操作パネルの要部の平面図である。
【図6】図1の製版装置の動作を表す要部の正面図である。
【図7】サーマルヘッドの温度を検出するヘッド温度センサの配置箇所を示すサーマルヘッドの正面図である。
【図8】サーマルヘッドの温度と押付け力との、サーマルヘッドの温度とマスタ巻き掛け角とのそれぞれの関係を説明するグラフである。
【図9】製版動作の要部を表すフローチャートである。
【図10】(a)は、従来の製版装置における要部の動作を説明する概略的な正面図であり、(b)は、図1の製版装置における要部の動作を説明する概略的な正面図である。
【図11】実施形態1の変形例1の製版装置の要部を示す概略的な正面図である。
【図12】本発明の実施形態2を示す製版装置の要部の概略的な正面図である。
【図13】図12における製版装置のマスタ巻き掛け角可変手段周りの一部断面正面図である。
【図14】図13におけるマスタ巻き掛け角可変手段の一部を破断して示す斜視図である。
【図15】図12における主として製版装置周りの制御構成を示すブロック図である。
【図16】実施形態2におけるマスタ巻き掛け角とマスタ離れ角との関係を説明するための説明図である。
【図17】実施形態2においてマスタ離れ角の好ましい範囲を説明するための説明図である。
【図18】実施形態2の変形例2の製版装置の要部を示す概略的な正面図である。
【図19】(a)は、従来の製版装置における小径化プラテンローラの問題点を説明するための概略的な平面図であり、(b)は、従来の製版装置における小径化プラテンローラおよびサーマルヘッド周りの構造を説明する概略的な正面図である。
【図20】従来の製版装置における小径化プラテンローラの図19に示したのとは別の問題点を説明するための概略的な側面図である。
【図21】図20に示した問題点の対策例を説明するための概略的な側面図である。
【符号の説明】
1 版胴
2 インキ供給手段を構成するインキローラ
8 マスタ
8c マスタ貯容手段としてのマスタ支持部材
10 小径化プラテンローラ
10a プラテンローラ軸
10b 弾性体層
10c プラテンローラの軸中心
11 サーマルヘッド
12a,12b搬送ローラ対
30 温度検出手段としての温度センサ
31 湿度検出手段としての湿度センサ
32 サーマルヘッド温度検出手段としてのヘッド温度センサ
40 操作パネル
48 画像量検出手段
50 押付け力可変手段
56 カム駆動モータ
65 駆動部材としての駆動ローラ
68,86 駆動手段としての駆動モータ
75,75A 制御手段としての製版駆動制御部
76 マスタ巻き掛け角可変手段
77 変位ユニット
80,81 駆動部材としての巻き掛けローラ対
92 ユニット駆動手段としてのユニット駆動モータ
93,94 別の駆動部材としての駆動ローラ
99,99A 製版装置
100 製版印刷装置
200 従来のプラテンローラ
F 押付け力
Mb マスタ接触境界
N ニップ部
Nc ニップ部中心
θa マスタ巻き掛け角
θb マスタ離れ角
X マスタ搬送方向[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a plate making apparatus and a plate making printing apparatus.
[0002]
[Prior art]
Conventionally, stencil printing using a digital thermal stencil printing apparatus is known as a simpler printing method. This is because a thermal head with many fine heating resistors, also called heating elements, lined up in the main scanning direction is pressed against the platen roller via a heat-sensitive master (hereinafter simply referred to as “master”) to generate heat from the thermal head. By energizing the resistor in pulses and transporting the master with a platen roller while generating heat, the master is automatically transported after heating and melting perforation and plate making based on image information, and the porous cylindrical plate cylinder It automatically wraps around the outer peripheral surface, continuously presses the printing paper against the master by pressing means such as a press roller, supplies ink by an ink supply member provided inside the plate cylinder, and opens the plate cylinder A print image is formed by passing ink from the perforated portion of the portion and the master and transferring it to the printing paper.
The platen roller used in such a conventional stencil printing apparatus usually has both a master pressing function for pressing the master against the thermal head and a master transport function for sandwiching and transporting the master between the thermal head. is doing. Therefore, the master is transported between the thermal head and the platen roller having the master pressing function and the master transport function as the platen roller is driven to rotate. Recently, in order to reduce the number of members, reduce the material, and reduce the cost, a platen roller having a reduced diameter, in which the outer diameter of the platen roller is reduced, has begun to be used.
[0003]
On the other hand, the master used in the stencil printing apparatus as described above includes a very thin thermoplastic resin film such as polyester and an ink-permeable porous support (hereinafter sometimes referred to as “base”) as Japanese paper or It has a laminate structure in which synthetic fibers or a mixture of Japanese paper and synthetic fibers are bonded together via an adhesive layer, etc., and ink that has exuded from the fiber portion of the base and the perforated portion of the thermoplastic resin film is printed Transfer to paper and stencil printing is performed.
For this reason, the ink used in the base of the master is intricately entangled and hardened, or where the thick fiber crosses the perforated portion of the thermoplastic resin film. There is a problem that the image quality deteriorates due to an image defect phenomenon such as a fiber pattern in which the fiber pattern appears in the solid part, or the characters or fine lines are faded or cut off without transferring to the printing paper. It was. Therefore, it is possible to reduce the thickness of the base of Japanese paper or the like that is the basis of the fiber mesh, or to perform printing using a master consisting essentially of a thermoplastic resin film from which the base itself has been removed. Attempts have been made to reduce eyes. The thickness of a conventional master is usually about 40-50 μm, whereas in the case of a master consisting essentially of a thermoplastic resin film, the thickness is extremely thin, about 1-7 μm. It has become. Here, the master substantially consisting only of the thermoplastic resin film means that the master is composed of only the thermoplastic resin film, the thermoplastic resin film containing a trace component such as an antistatic agent, It includes one formed by forming one or more thin film layers such as an overcoat layer on at least one of both main surfaces, that is, the front surface or the back surface of the thermoplastic resin film.
[0004]
Also, in recent years, it is not as much as a master (thickness of about 1 to 7 μm) consisting essentially of a thermoplastic resin film (hereinafter sometimes simply referred to as “film”). For the purpose of considering protection and the like, the synthetic master is thinner than the conventional master (thickness is about 40 to 50 μm) (thickness is about 10 to 30 μm), and a thin synthetic fiber is 100 %, Or a master obtained by blending fine synthetic fibers with natural fibers (hereinafter sometimes referred to as “synthetic fiber base master”). This synthetic fiber base master has a lower stiffness (strength) and weakness than a master whose base is made of natural fibers (for example, Japanese Patent Laid-Open Nos. 11-77949 and 11-91227). reference).
[0005]
When the friction coefficient μ on the base surface side of the master and the smoothness on the film surface side are compared between a synthetic fiber base master and a master whose base is made of natural fibers, the friction coefficient μ on the base surface side of the master made of natural fibers is 1 In this case, the coefficient of friction μ on the base surface side of the synthetic fiber base master is about 0.8, which is lower than that of the master made of natural fibers. Further, the smoothness of the master on the film surface side varies depending on the thickness of the fibers forming the base. That is, for example, when the base is a master made of natural fibers, the thickness of the fibers is thicker than the thickness of the synthetic fiber yarn of the synthetic fiber base master, so that the base surface is uneven and the film is pasted thereon. The smoothness of the fiber is smaller than that of a uniform synthetic fiber base master having a small fiber thickness. Therefore, the smoothness of the synthetic fiber base master on the film surface side is higher and more slippery than that of the master whose base is made of natural fibers.
As described above, a master with a thin base, a master from which the base itself is removed, a synthetic fiber base master, and the like have characteristics that are low in strength and easy to slip and have high heat shrinkability. When a master or the like having such characteristics is used, the contact area of the master film side surface with the platen roller becomes large, and if the frictional force is large, the master cannot be normally conveyed by the platen roller. A problem called “stick” is likely to occur. Here, “stick” refers to a phenomenon in which the master film sticks to the surface of the heating resistor of the thermal head.
[0006]
When the heat generating resistor of the thermal head is heated according to the image signal, and the film portion of the master is melted and punched by the Joule heat, the master made by plate making is conveyed while being sandwiched between the platen roller and the thermal head. This is because when the frictional force on the master film side surface is large, the melted film portion of the master is likely to be welded to the surface of the thermal head and cannot be normally conveyed by the platen roller.
[0007]
When the stick is generated, as a result, a deterioration of image reproducibility called “plate making shrinkage” occurs. The reason is that when the melt-pierced master is welded to the surface of the thermal head, the transport load increases, and when a long distance is transported in this state, the transport distance of the master is shortened accordingly.
[0008]
In the main scanning direction, the greater the number of melt punches at one time, that is, the higher the printing rate in one line, the greater the transport load and the greater the plate making shrinkage. Further, there is a relation that the larger the number of melt punches in the master conveyance direction (sub-scanning direction), the larger the amount of shrinkage (absolute amount: shrinkage of one line × number of lines) of the entire image.
As a conventional countermeasure against the problem of plate making shrinkage, a sufficient effective nip width is secured by increasing the pressing force by the pressing means or by increasing the diameter of the platen roller, and the frictional force between the master and the platen roller is increased. Techniques such as enlarging are known.
As another countermeasure, it may be effective to shift the position of the heating resistor of the thermal head to the master discharge side with respect to the effective nip width. That is, the transport distance of the master after punching is extremely shortened so that there is no room for stick generation.
[0009]
However, it can be said that the method of increasing the pressing force by the pressing means or increasing the diameter of the platen roller goes against the downsizing that is a market demand.
In the method of shifting the heating resistor to the master discharge side, the position of the heating resistor and the nip width is ensured with high accuracy, and the distance that the master after being punched is sandwiched between the platen rollers is punched. In a small diameter platen roller (having a diameter of about 16 mm or less), which must satisfy the condition that it is shorter than the distance that the master is sandwiched between the platen rollers before, and the effective nip width is inevitably narrow. Is a very difficult method in practice.
[0010]
As described above, a platen roller having a reduced diameter is used as a platen roller, and a master having low strength and slipperiness and high heat shrinkability has been used as a master. It has become necessary to transport the master thus obtained by a platen roller having a reduced diameter.
[0011]
[Problems to be solved by the invention]
However, since there are two types of functions of the platen roller, a master pressing function and a master transport function, when it is desired to obtain functions that are contradictory to each other in control, it is impossible to control to satisfy both functions as described later. There is sex.
For example, when the plate making length (master plate making dimension) is shortened by a stick or the like caused by insufficient friction between the platen roller and the master, and an appropriate conveyance distance cannot be sent, or when a small-diameter platen roller is used. Is carrying the master by increasing the pressing force and increasing the frictional force between the platen roller and the master.
On the other hand, a master having a low strength, slippery and high heat shrinkability as described above is deformed when the pressing force is too high (the deformation of a punched portion formed by heating and melting with a thermal head). ) And the strength is greatly reduced, the master elongation and film shrinkage tend to be non-uniform, which causes wrinkles during master making and when the master is wound around a plate cylinder. There is also a problem that winding wrinkles are likely to occur due to the deformation of.
[0012]
In other words, it is difficult for the platen roller with a reduced diameter to secure a suitable nip portion (ground contact area) between the platen roller and the thermal head with a weak master pressing force, and as a result, it becomes difficult to secure the conveyance force of the master. ing.
[0013]
In this way, when using a low-strength master and using a reduced-diameter platen roller, etc., "master pressing with a strong force to ensure the master's transport force" and "master deformation prevention It becomes difficult to satisfy the two required functions of “master pressing with weak force”.
[0014]
In addition, the master made between the platen roller and the thermal head is in a state where the strength of the portion is lowered, but in the case where the master of that portion is subsequently transported in a state of approaching the thermal head. If the plate making is continued at the beginning, it will be easy to produce sticks, or the film part of the pre-made master will be easily deformed due to the heat storage of the thermal head etc. There is also a point.
[0015]
Further, when the reduced-diameter platen roller is used, the following problems also occur, so that description will be made with reference to the plate making apparatus shown in FIG. That is, as shown in FIG. 19B, the plate making apparatus includes a
On the surface of the
A
[0016]
Each of the
The diameter-reduced
[0017]
If the smoothness on the film surface side of the
[0018]
By adopting the reduced-
On the other hand, the positional accuracy of the heating element resistor of the
[0019]
However, in the configuration using the reduced-
That is, as exaggeratedly shown in the plan view of FIG. 19A, the reduced-
[0020]
Further, as shown in an exaggerated manner in FIG. 20, the reduced-
20 and 21,
[0021]
When the bending in the pressing direction of the platen roller shown in FIG. 20 occurs, the effective nip width at the central portion is narrower than the effective nip width at both ends of the reduced-
Conventionally, for example, as shown in FIG. 21, a
Incidentally, in view of the points to be improved in the conventional countermeasure against bending in the pressing direction of the platen roller shown in FIG. 21, FIG. 1 of Japanese Patent Application No. 10-182406 filed on June 29, 1998 by the present applicant. The technique shown in FIG. 3 and the like is effective.
[0022]
Each of the above problems becomes apparent in the case of the
[0023]
Therefore, since the present invention has limited configurations that can satisfy the master pressing function and the master conveying function of the platen roller, the platen roller is separated from both functions, and the platen roller gives priority to the master pressing function, The master transport function employs a configuration in which the platen roller is driven to rotate by providing a drive member downstream of the platen roller in the master transport direction, thereby providing a novel plate making apparatus and the plate making apparatus that can solve the above-described problems. To provide a prepress printing apparatus equipped withmainObjective.
[0024]
mainOrigination of claimsMysteriousThe purpose is as follows.
The object of the present invention is to provide a drive member that is provided downstream of the platen roller in the master transport direction and that rotates the platen roller via the master, and a drive unit that drives the drive member. In addition, the master is transported in a state where the master wrapping angle for winding the master around the platen roller is larger than the nip portion between the platen roller and the thermal head in the master transport direction, and the master transport function is used as a drive member. By assigning the master pressing function to each platen roller, the pressing force to the thermal head can be suppressed as much as possible even when using a low-strength and slippery master, for example, when using a reduced-diameter platen roller. This can prevent the deformation of the master and keep the transport distance of the master properly. Can, yet, it is possible to reliably perform transfer of the master under the appropriate pressing force, be any master is to enable plate making without being influenced by their characteristics.In addition, a pressing force variable means for changing the pressing force of the driving member against the platen roller, and a characteristic value detecting means for detecting a characteristic value of a factor related to at least master transportability during plate making, etc. And a control means for controlling the pressing force variable means so as to change the pressing force based on a signal from the characteristic value detecting means, so that at least the characteristics of the related factors such as the master transportability detected by the characteristic value detecting means The pressing force can be automatically changed according to the magnitude, height, etc. of the value, and at least master transportability at the time of plate making can be reliably obtained, thereby maintaining the master transport distance properly, It is to improve the image size reproducibility.
[0028]
ContractClaim12The object of the present invention is to claim 1 to11A master-winding apparatus comprising: a plate-making apparatus that obtains the object of the invention described in any one of the above, and comprising a plate-making printing apparatus that winds a master made by the plate-making apparatus around the plate cylinder. It is to prevent the occurrence of winding wrinkles and improve the image size reproducibility.
[0029]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above-described object, the present invention is characterized in that the invention according to each claim adopts the following configuration.
The invention described in claim 1 is a plate making apparatus comprising a thermal head that heats and makes a master having a thermoplastic resin film according to image information, and a driven and rotatable platen roller that presses the master against the thermal head. A drive member that is provided downstream of the platen roller in the master conveying direction and that rotates the platen roller via the master; and a drive unit that drives the drive member; and the platen roller, the thermal head, The master is transported in a state where the master winding angle for winding the master around the platen roller is increased downstream of the nip portion in the master transport direction.The pressing force of the driving member against the platen roller is variable, the pressing force variable means for changing the pressing force, and at least characteristic values of factors related to master transportability and the like that affect master transportability at the time of plate making. Characteristic value detecting means for detecting, and control means for controlling the pressing force varying means so as to change the pressing force based on a signal from the characteristic value detecting means.It is characterized by that.
Here, as a specific example of the driving means, a stepping motor as used in the embodiment described later is preferable from the viewpoint that the speed control of the driving member is performed stably and easily, but such an advantage is not desired. However, the present invention is not limited to this, and a control DC motor or the like may be used.
The “master winding angle” in claim 1 or the like refers to a half line connecting the center of the nip portion between the thermal head and the platen roller and the axis center of the platen roller, as viewed from the axial direction of the platen roller, and the axis of the platen roller. When viewed from the direction, it refers to an angle formed by a master contact boundary where the master is in contact with the outer peripheral surface of the platen roller on the downstream side in the master conveyance direction from the center of the nip portion and a half line connecting the axis center of the platen roller.
“At least factors related to master transportability that affect master transportability at the time of plate making” include not only master transportability related factors that affect master transportability, but also the master transportability related factors that affect master transportability. This means that it includes a master expansion / contraction factor that affects the expansion / contraction of the platemaking dimensions. “Master transportability” refers to the transport performance of the master, and is a broad general term including the transport power of the master.
[0030]
According to a second aspect of the present invention, in the plate making apparatus according to the first aspect, the driving member is disposed in contact with the platen roller via a master, and is generated between the driving member and the platen roller. It is characterized in that the master is transported with a transporting force.
[0031]
According to a third aspect of the present invention, in the plate making apparatus according to the first or second aspect, a friction coefficient of the driving member with respect to the master is larger than that of the platen roller.
[0032]
According to a fourth aspect of the present invention, in the plate making apparatus according to the first, second, or third aspect, the drive member is a rotatable roller.The
[0034]
Claim5The described invention is claimed.1, 2, 3 or 4In the plate making apparatus, the characteristic value of the factor related to the master transportability and the like is at least one of the humidity inside and outside the plate making apparatus main body, and the characteristic value detecting means is configured to use the at least one humidity. It is characterized by comprising humidity detecting means for detecting.
[0035]
Claim6The described invention is claimed.1, 2, 3 or 4In the plate making apparatus described above, the characteristic value of the related factor such as the master transportability is a plate making image amount formed on the master, and the characteristic value detecting unit includes an image amount detecting unit for detecting the plate making image amount. It is characterized by.
[0036]
Claim7The described invention is claimed.1, 2, 3 or 4In the plate making apparatus described above, the characteristic value of the related factor such as master transportability is at least one of the internal and external temperatures of the plate making apparatus main body, and the characteristic value detecting unit is configured to output the at least one temperature. It is characterized by comprising temperature detecting means for detecting
[0037]
Claim8The described invention is claimed.1, 2, 3 or 4In the plate making apparatus described above, the characteristic value of the related factor such as master transportability is the temperature of the thermal head, and the characteristic value detection means includes thermal head temperature detection means for detecting the temperature of the thermal head. Features.
[0038]
Claim9The described invention is claimed.1Or8In the plate making apparatus according to any one of the above, the control means controls the pressing force variable means so as to change the pressing force based on each signal from at least two or more characteristic value detection means. It is characterized by that.
[0039]
Claim10The invention described in claim 1 to claim 19The plate making apparatus according to any one of the above, characterized by having a driving member provided on the upstream side in the master transport direction with respect to the platen roller and different from the driving member for driven rotation of the platen roller. To do.
[0040]
Claim11The invention described in claim 1 to claim 110In the plate making apparatus according to any one of the above, the platen roller is a reduced-diameter platen roller whose outer diameter is reduced.
[0041]
Claim12The invention described in claim 1 to claim 111Described in any one ofMade ofA printing drum having a printing plate and winding a master made by the plate making device; and an ink supply means for supplying ink to the master on the printing drum, and printing paper on the master on the printing drum To print on printing paper by pressingIt is a plate-making printing device.
[0053]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, embodiments of the present invention including examples will be described with reference to the drawings (hereinafter simply referred to as “embodiments”). In the above-described conventional example and each embodiment, members, components, and the like having the same function and shape are denoted by the same reference numerals, and description thereof is omitted. In the drawing, members and components that are configured as a pair and do not need to be specifically distinguished and described are described by appropriately describing one of them in order to simplify the description. In order to simplify the drawings and the description, even members and components that are to be represented in the drawings may be omitted as appropriate without needing to be specifically described. In the drawing, when the rotation direction of each roller is represented, the case of driving rotation is represented by a solid line arrow, and the case of driven rotation is represented by a virtual line.
(Embodiment 1)
A first embodiment (hereinafter referred to as “Embodiment 1”) will be described with reference to FIGS. In FIG. 1,
As shown in FIGS. 1 to 5, the
[0054]
In addition to the characteristic configuration described above, the
[0055]
Here, as shown in FIG. 2B, the master winding angle θa is the nip portion center Nc between the
[0056]
Thus, in the first embodiment, since the
[0057]
Note that the conventional
[0058]
The
Both end sides of the master support member 8c are attached to plate making side plate pairs 29a and 29b shown only in FIG. 2 arranged on the left and right sides along the master transport direction X in the
[0059]
The
[0060]
The back tension applying means for applying an appropriate back tension to the
[0061]
The
[0062]
The
The pressing force on the reduced-
[0063]
The reduced-
The diameter-reduced
[0064]
The specification of the diameter-reduced
The friction coefficient μ of the outer peripheral surface of the silicone rubber layer of the reduced-
[0065]
As shown in FIGS. 2 and 3, the driving
[0066]
FIG. 3 shows a driving roller driving mechanism that rotationally drives the driving
The front end of the pulley shaft 62a in FIG. 3 is guided by a
[0067]
The
[0068]
The
The rotation transmission means of the drive roller drive mechanism is not limited to that shown in FIG. 3, but may be, for example, a gear or a combination of this and a belt. When a gear is used as the rotation transmitting means, it may be designed with an involute tooth profile that can compensate for the amount of movement of the
[0069]
As shown in FIG. 2A, the
[0070]
Here, for convenience of explanation, the pressing force varying means 50 will be explained before explaining the detailed specifications of the
As shown in FIGS. 2 and 3, the pressing force varying means 50 has one end that can always contact each
[0071]
Hereinafter, the pair of left and right
Each
[0072]
As shown in FIG. 2, the home position of the
The
[0073]
Here, the detailed operation of the pressing force varying means 50 will be described. When the
[0074]
By the above-described operation, for example, when a predetermined number of forward drive pulses are input to the
[0075]
According to the first embodiment, the configuration shown in FIGS. 1 to 3 provides the following advantages. That is, first, the conveying force of the
Secondly, the outer peripheral surface of the reduced-
Thirdly, since the driving
[0076]
The pressing force varying means 50 is not limited to this. For example, the
[0077]
The
The specification setting of the driving
[0078]
The hardness (Hs) of the elastic body layer 65b of the
[0079]
The friction coefficient μ of the outer peripheral surface of the elastic body layer 65b (silicone rubber layer) of the driving
[0080]
As described above, the
[0081]
As shown in FIG. 1, the front
[0082]
Each of the outer peripheral portions of the pair of conveying
The front tension of a preset size is applied to the
[0083]
On the downstream side in the master transport direction X adjacent to the pair of
[0084]
On the downstream side in the master conveyance direction X adjacent to the cutter 13, a
The
[0085]
The opening /
[0086]
On the back side (right side in FIG. 6) of the
[0087]
The opening /
[0088]
Above the suction port of the
[0089]
On the downstream side in the master transport direction X adjacent to the
The reversing roller 14a is connected to the
[0090]
The reversing roller pair 14a, 14b is set to rotate at a peripheral speed (conveyance speed) faster than the peripheral speed (conveyance speed) of the reduced-
Instead of the reverse roller electromagnetic clutch 34, a stepping motor independent of the
On the downstream side in the master conveyance direction X adjacent to the pair of reverse rollers 14 a and 14 b, a guide plate 15 for guiding the
[0091]
The
In this embodiment, the
[0092]
Here, a supplementary explanation will be given of the characteristics / characteristic values of the related factors such as master transportability. As characteristics / characteristic values of factors related to master transportability and the like, at least the following five can be empirically listed as main ones. That is, the first characteristic value of factors related to master transportability and the like is the amount of plate-making image formed on the master, the second is the temperature inside the plate-making apparatus body, and the third is the humidity inside the plate-making apparatus body. Yes, the fourth is the temperature of the
[0093]
As the image amount detection means for detecting the plate-making image amount formed on the
In FIG. 4, it can be said that the image
That is, the plate making
[0094]
FIG. 7 shows a specific example of the
[0095]
On the left side of the plate-making
[0096]
The plate cylinder 1 is rotatably supported by a side plate (not shown), and the rotational driving force of the electric motor is transmitted by a drive transmission means such as a gear (not shown) to synchronize with the plate cylinder 1 in the figure. The
The ink in the
[0097]
A portion of the plate cylinder 1 on the outer peripheral surface of the non-opening portion includes a ferromagnetic stage 6 provided along one bus bar of the plate cylinder 1 and clamper shafts provided on both side ends of the stage 6. And a clamper 7 having a rubber magnet that is pivotably attached to the flat portion of the stage 6 and can be opened and closed. The clamper 7 is opened and closed at a predetermined position by an opening / closing device (not shown). The plate cylinder 1 is stopped in a state in which the clamper 7 is positioned substantially on the right side indicated by a virtual line in FIG. The plate cylinder 1 is configured as a plate cylinder unit integrally formed with the ink pack or the like, and is detachable in the axial direction of the ink pipe 5 with respect to the main body frame of the plate-making
[0098]
In the vicinity of the lower part of the outer peripheral surface of the plate cylinder 1 facing the
[0099]
In the lower right of the plate cylinder 1 in FIG. 1, a paper feed tray (not shown) that can be moved up and down by loading printing paper (not shown), a separation paper feeding member that separates and feeds the printing paper one by one, A sheet feeding device is provided that includes a pair of
On the left side of the plate cylinder 1 in FIG. 1, a plate removal device (not shown) for separating the used
[0100]
A detailed configuration of the
The
[0101]
Next, a control configuration for mainly controlling the plate-making
The plate making
[0102]
The CPU of the plate-making drive control unit 75 (hereinafter, sometimes simply referred to as “plate-making
The plate making
[0103]
In the first embodiment, the plate making
[0104]
Secondly, the plate making
[0105]
Thirdly, the plate-making
[0106]
In the ROM in the plate making
[0107]
Based on the on / off signal from the
[0108]
Next, the operation will be described with reference to FIGS.
First, a document (not shown) is set on a document placement table provided in a document reading device (not shown). When a
[0109]
Before and after the plate-making image amount detection operation, a pulse frequency (pps) supplied to the
For example, in a low temperature environment where the temperature of the
Therefore, in such a case, the peripheral speed of the
[0110]
Before and after the peripheral speed correction operation of the
[0111]
For example, when the number of heat generating resistors 11a to be heat-driven in the
Therefore, in such a case, the
[0112]
Further, in a low humidity environment where the humidity is low, the frictional force between the driving
In particular, in addition to the environmental conditions, when the environmental temperature is high, the thermal storage of the
[0113]
On the other hand, when the electric motor is driven, the plate cylinder 1 rotates, and a used master (not shown) wound around the plate cylinder 1 is peeled off and discarded by a plate discharging device (not shown). Next, the plate cylinder 1 is stopped at the plate feeding position, and the clamper 7 is opened by an opening / closing device (not shown) to enter a plate feeding standby state. The plate making process is started in parallel with the rotation of the plate cylinder 1 in the plate discharging process.
[0114]
That is, when the
As the
[0115]
A force is applied to the tip portion of the
[0116]
After the delay time set from the on / detection of the
[0117]
In the case of the
[0118]
At this time, the plate-making
[0119]
In step S7 and step S8, not only the display stop mode as described above but also, for example, it may be possible to freely select an ignore mode that ignores this and proceeds to the same operation as in step S6. In this ignore mode, for example, a switch key or the like for switching the operation mode from the display stop mode to the ignore mode may be provided on the
[0120]
In the middle of the plate making operation, the plate making
[0121]
Due to the continuous rotation of the suction fan 18, the
On the other hand, although the description is before and after, the document is conveyed to the document reading unit at the same time when the driven rotation of the small-
[0122]
On the other hand, the plate cylinder 1 rotates and stops until the clamper 7 reaches a plate feeding position which is substantially right side in FIG. When the plate cylinder 1 stops at the plate feeding position, the clamper 7 is opened by the opening / closing device, and the plate feeding standby state is entered. At the same time as the clamper 7 is released, the reverse roller electromagnetic clutch 34 is energized under the command of the plate making
[0123]
After clamping the front end of the
At this time, before the
Then, the rear end of the
[0124]
When the
At this time, the
[0125]
The front end of the stencil-printed printing paper is peeled off from the
[0126]
Thereafter, when the
[0127]
After completion of the plate printing, the operator visually checks the printed matter discharged to the paper discharge tray and determines whether or not the normal printing operation may be performed. If it is OK, the number of prints is set with the
[0128]
Here, with reference to FIG. 10, the difference between the conventional method for adjusting the conveying force and the plate making length of the
For example, in the conventional system as disclosed in JP-A-7-156520 and the like, as shown in FIG. 10A, a torque limiter is provided on the conveying roller 12b in order to adjust the plate making length. A system for controlling the tension (front tension Ff) generated in the
[0129]
However, in the first embodiment, as shown in FIG. 10B, the
In addition to the above-described operation, the outer peripheral surface of the diameter-reduced
[0130]
According to the first embodiment, having the above-described configuration provides the following advantages in addition to the above-described advantages and the effects described below.
According to the first embodiment, based on the signal from the master type detection unit, when the master making operation is different from the master set to be used in advance, the prepressing operation control unit prohibits the plate making operation. Thus, it is possible to prevent problems such as wrinkling of the master that may be caused by performing the plate making operation using a master that is different from the master set to be performed.
In addition, the master type detection means includes a wrinkle detection means for detecting a master wrinkle formed in a predetermined size, a suction storage means for sucking and temporarily storing the master wrinkle, and a signal from the wrinkle detection means Based on the above, it is possible to use the fact that the rigidity (strength) of the master differs depending on the type of the master, for example, by measuring the time when the master swarf is sucked by the suction storage means Therefore, the type of master can be detected with a simple configuration in the configuration of a normal plate making apparatus having suction storage means.
[0131]
FIG. 11 shows a first modification of the first embodiment.
In the first modification, only the arrangement position of the driving
[0132]
According to the first modification, the advantages associated with the larger master wrapping angle θa than that of the first embodiment can be obtained, and, for example, both ends of the reduced-
[0133]
In the first embodiment and the first modification, the front
[0134]
When it is desired to reduce the rotational rubbing resistance or the like in each groove 29c of the
The material of the elastic layer 65b of the driving
[0135]
The embodiment of the present invention is not limited to the first embodiment and the like, and the fine pressing force F of the grain performed by the plate making
Further, the pressing force F can be changed more finely than the configuration in which any one of the image amount detection means 48, the
[0136]
The embodiment of the present invention is not limited to the first embodiment and the control configuration described above, and if it is desired to perform variable control of the pressing force F with finer grain, the type of master as a characteristic of a related factor such as master transportability The master type detection means for detecting the master type as the characteristic value detection means may be used as the control configuration. That is, in addition to the image amount detection means 48 as the characteristic value detection means, the
(Embodiment 2)
The second embodiment will be described with reference to FIGS. In FIG. 12, reference numeral 99A denotes the plate making apparatus of the second embodiment.
Compared with the plate-making
[0137]
In addition to the above-described characteristic configuration, the plate making apparatus 99A has a master winding for winding the
[0138]
In FIG. 12, the symbol θb indicates a master separation angle for transporting the
As described above, also in the second embodiment, the
When the winding
[0139]
Here, with reference to FIG. 16, the relationship between the
In FIG. 16, the master contact boundary Mb is a point C1, and at the master separation angle θb, a point where a half-line extension line connecting the
In FIG. 16, since θ + θb = 180 ° and θ + θa = 180 ° (from the inner angle of the quadrangle O1A1B1C1), it can be seen that the master winding angle θa = master separation angle θb. FIG. 16 exaggerates the state in which the
[0140]
When the winding
[0141]
The master wrapping angle varying means 76 includes a wrapping
[0142]
The displacement unit 77 supports the winding
[0143]
As shown in FIGS. 12 and 14, the winding
The winding
[0144]
Since the material and dimensions of the winding
The hardness (Hs) of the elastic body layer 80b of the winding
[0145]
The materials of the elastic layers 80b and 81b of the winding
[0146]
The winding
[0147]
The
On the other hand, a
[0148]
As shown in FIG. 13, when the
[0149]
The
The output shaft 91a is formed long between the pair of plate making
[0150]
Here, the detailed operation of the master winding angle varying means 76 will be described. When a predetermined number of forward drive pulses or a reverse drive pulse is input to the
With the above operation, for example, when a predetermined number of normal rotation driving pulses is input to the
[0151]
In the second embodiment, from the configuration described above and the operation described later, the characteristic value detection unit group including the image
[0152]
Next, with reference to FIG. 15, a control configuration for mainly controlling the plate making apparatus 99A in the second embodiment will be described.
The control configuration of the second embodiment is different from that of the first embodiment in that a plate making
[0153]
In the second embodiment, the plate making
First, the plate-making
[0154]
Secondly, the plate making
[0155]
Thirdly, the plate-making
[0156]
In the ROM in the plate making
[0157]
The operation of the second embodiment will be described with a focus on differences from the first embodiment.
As in the first embodiment, a plate making start signal is generated and input to the plate making
[0158]
Before and after the detection operation of the plate-making image amount, the pulse frequency (pps) supplied to the
For example, in a low temperature environment where the temperature of the plate making apparatus 99A detected by the
Therefore, also in the second embodiment, by performing the above-described control, a stable transport distance of the
[0159]
Before and after the circumferential speed correction operation of the winding
[0160]
For example, the plate making
[0161]
In particular, in addition to the above environment, when the environmental temperature is high, the
[0162]
Contrary to the above, in a low temperature / low humidity environment where the temperature and humidity are low and the frictional force between the
[0163]
During the plate making operation, the plate making
[0164]
Here, when the master wrapping angle θa is increased by displacing the
Contrary to the above, when the master winding angle θa is reduced by displacing the
Operations other than those described above are performed in the same manner as in the first embodiment.
[0165]
Here, with reference to FIG. 10A and FIG. 12, the difference between the conventional method for adjusting the conveyance force and the plate making length of the
The conventional method is as described with reference to FIG. 10A in the first embodiment. However, in the second embodiment, as shown in FIG. 12, the
[0166]
FIG. 18 shows a second modification of the second embodiment.
As compared with the second embodiment, the second modified example replenishes the conveying force of the
The structure of the driving
[0167]
The driving roller driving mechanism for rotating the driving
[0168]
According to the second modification, a pair of upper and lower drives as drive members for obtaining the conveying force of the
[0169]
The master wrapping angle varying means 76 is not limited to this, and for example, a pair of worm gears are interposed between the
[0170]
In the second embodiment and the second modification, the nip of the winding
[0171]
The embodiment of the present invention is not limited to the second embodiment and the like, but a fine master winding angle performed by the plate making
Further, the master wrap angle which is finer than that formed by arranging any one of the image
[0172]
The embodiment of the present invention is not limited to the control configuration described in the second embodiment and the above-described control configuration. If it is desired to perform variable control of the master wrapping angle θa with finer grain, the master transportability and other related factor characteristics can be used. The master type detecting means for detecting the master type as the characteristic value detecting means may be used as the control configuration. That is, in addition to the above-described functions of the plate making
[0173]
The platen roller is not limited to this as long as the above-described advantages obtained by using the reduced-
[0174]
The
As described above, the present invention has been described with respect to specific embodiments and examples included therein, but the configuration of the present invention is not limited to the above-described configuration, Alternatively, it may be configured independently, and it is apparent to those skilled in the art that various embodiments and examples can be configured within the scope of the present invention in accordance with the necessity, purpose and application.
[0175]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, it is possible to provide a novel plate making apparatus and plate making printing apparatus by solving the problems of the conventional apparatus as described above. The effects for each claim are as follows.
According to invention of Claim 1,With the above configuration,Since the drive member is responsible for the master transport function and the platen roller is responsible for the master pressing function, the thermal head can be used even when a low-strength, slippery master is used, or when a small-diameter platen roller is used. The pressing force can be suppressed as much as possible, which can prevent the deformation of the master, keep the master transport distance properly, and reliably carry the master under the proper pressing force. Therefore, any master can make a plate without being influenced by its characteristics.
In addition, a uniform force is applied to the master that is in contact with the outer peripheral surface of the platen roller in a state where the master winding angle is large, due to the frictional force according to the contact area. Since the cooling effect by rotation works synergistically, the master can be prevented from stretching or shrinking during plate making, and wrinkles can be prevented from occurring, which in turn improves image dimension reproducibility during plate making. Is possible.
In addition, by transporting the master with the master wrapping angle increased, the master or the master made downstream of the platen roller in the master transport direction is necessarily moved away from the heating resistor of the thermal head. Since it will be transported, it can prevent the heated and melted part of the master thermoplastic resin film from welding with the surface of the thermal resistor of the thermal head to produce sticks, etc., and this reduces the frictional force with the thermal head as much as possible. In this state, the transport distance of the master can be properly secured, and the master or the master made by plate making can be prevented from being deformed by the influence of heat storage of the thermal head.
In addition, the pressing force can be automatically changed according to at least the characteristic value of the related factor detected by the characteristic value detection means, such as master transportability, so at least master transportability during plate making, etc. Can be reliably obtained, whereby the master transport distance can be properly maintained and the image dimension reproducibility can be improved.
[0176]
According to invention of
[0177]
According to invention of
According to invention of
[0179]
Claim5According to the described invention,With the above configuration,Depending on the level of humidity, the claimAny one of 1 to 4The effects of the described invention are exhibited.
Claim6According to the described invention,With the above configuration,Depending on the amount of prepress image, claimsAny one of 1 to 4The effects of the described invention are exhibited.
Claim7According to the described invention,With the above configuration,Depending on the temperature level, the claimAny one of 1 to 4The effects of the described invention are exhibited.
Claim8According to the described invention,With the above configuration,Claims depending on the temperature of the thermal headAny one of 1 to 4The effects of the described invention are exhibited.
Claim9According to the described invention,With the above configuration,According to the characteristics of the factors related to master transportability, etc.1Or8The effect of the invention described in any one of the above is achieved.
[0180]
Claim10According to the described invention,With the above configuration,Claim 1 to9In addition to the effect of the invention described in any one of the above, the nip portion between the thermal head and the platen roller in a form in which the conveying force of the master is increased without applying a conveying load on the master loading path side of the platen roller. Since the master can be transported toward the surface, it is possible to obtain a master transport force that is more reliable than the effect of the first aspect of the invention, and to reduce the master transport force on the master discharge path side that rotates the platen roller, for example. It can also be reduced.
[0181]
Claim11According to the described invention,With the above configuration,Claim 1 to10In addition to the effects of the invention described in any one of the above, it is possible to save materials and reduce costs.
[0182]
Claim12According to the described invention,With the above configuration,It is possible to improve the image size reproducibility by preventing the occurrence of winding wrinkles and the like during the master winding around the plate cylinder.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic front view of a plate making printing apparatus and a plate making apparatus showing Embodiment 1 of the present invention.
FIG. 2A is an enlarged front view showing a main part of the plate making apparatus in FIG. 1 in a cutaway manner, and FIG. 2B is a view for explaining the positional relationship among a reduced-diameter platen roller, a master and a driving roller. It is a typical front view.
3 is a perspective view showing a main part of a pressing force varying means of the plate making apparatus in FIG. 1. FIG.
4 is a block diagram showing a control configuration mainly around the plate making apparatus of the plate making printing apparatus of FIG. 1; FIG.
FIG. 5 is a plan view of a main part of the operation panel.
6 is a front view of the main part showing the operation of the plate making apparatus of FIG. 1. FIG.
FIG. 7 is a front view of the thermal head showing the location of the head temperature sensor that detects the temperature of the thermal head.
FIG. 8 is a graph illustrating the relationship between the temperature of the thermal head and the pressing force, and the relationship between the temperature of the thermal head and the master winding angle.
FIG. 9 is a flowchart showing a main part of the plate making operation.
10A is a schematic front view for explaining the operation of the main part of the conventional plate making apparatus, and FIG. 10B is a schematic view for explaining the operation of the main part of the plate making apparatus of FIG. It is a front view.
FIG. 11 is a schematic front view showing a main part of a plate making apparatus according to a first modification of the first embodiment.
FIG. 12 is a schematic front view of a main part of a plate making
13 is a partial cross-sectional front view around the master wrapping angle varying means of the plate making apparatus in FIG. 12. FIG.
14 is a perspective view showing a part of the master wrapping angle varying means in FIG.
FIG. 15 is a block diagram mainly showing a control configuration around the plate making apparatus in FIG. 12;
FIG. 16 is an explanatory diagram for explaining a relationship between a master winding angle and a master separation angle in the second embodiment.
FIG. 17 is an explanatory diagram for explaining a preferable range of the master separation angle in the second embodiment.
FIG. 18 is a schematic front view showing a main part of a plate making apparatus according to a second modification of the second embodiment.
FIG. 19A is a schematic plan view for explaining a problem of a reduced diameter platen roller in a conventional plate making apparatus, and FIG. 19B is a reduced diameter platen roller and a thermal plate in a conventional plate making apparatus. It is a schematic front view explaining the structure around a head.
FIG. 20 is a schematic side view for explaining another problem of the platen roller having a reduced diameter in the conventional plate making apparatus shown in FIG.
FIG. 21 is a schematic side view for explaining a countermeasure example of the problem shown in FIG. 20;
[Explanation of symbols]
1 plate cylinder
2 Ink roller constituting the ink supply means
8 Master
8c Master support member as master storage means
10 Platen roller with reduced diameter
10a Platen roller shaft
10b Elastic layer
10c Axis center of platen roller
11 Thermal head
12a, 12b conveying roller pair
30 Temperature sensor as temperature detection means
31 Humidity sensor as humidity detection means
32 Head temperature sensor as thermal head temperature detection means
40 Operation panel
48 Image amount detection means
50 Pressing force variable means
56 Cam drive motor
65 Drive roller as drive member
68,86 Drive motor as drive means
75, 75A Plate making drive control section as control means
76 Master winding angle variable means
77 Displacement unit
80, 81 A pair of winding rollers as drive members
92 Unit drive motor as unit drive means
93, 94 Driving roller as another driving member
99,99A plate making equipment
100 Plate-making printing device
200 Conventional platen roller
F Push force
Mb Master contact boundary
N Nip part
Nc Center of nip
θa Master winding angle
θb Master away angle
X Master transport direction
Claims (12)
前記プラテンローラよりもマスタ搬送方向下流側に設けられ、マスタを介して前記プラテンローラを従動回転させる駆動部材と、該駆動部材を駆動する駆動手段とを有し、
前記プラテンローラと前記サーマルヘッドとのニップ部よりも前記マスタ搬送方向下流側で、前記プラテンローラにマスタを巻き付けるマスタ巻き掛け角を大きくした状態でマスタの搬送を行い、
前記プラテンローラに対する前記駆動部材の押付け力が可変であり、
前記押付け力を変える押付け力可変手段と、
少なくとも製版時におけるマスタ搬送性等に影響を与えるマスタ搬送性等関係要因の特性値を検出するための特性値検出手段と、
前記特性値検出手段からの信号に基づいて、前記押付け力を変えるように前記押付け力可変手段を制御する制御手段と、
を具備することを特徴とする製版装置。In a plate making apparatus comprising a thermal head that heats and makes a master having a thermoplastic resin film according to image information, and a driven rotatable platen roller that presses the master against the thermal head,
A driving member that is provided downstream of the platen roller in the master conveying direction and that rotates the platen roller via the master, and a driving unit that drives the driving member;
In the platen roller and the stencil transport direction downstream side of the nip portion between the thermal head, have lines conveying the master while increasing the master winding angle for winding the master to the platen roller,
The pressing force of the driving member against the platen roller is variable,
A pressing force variable means for changing the pressing force;
A characteristic value detecting means for detecting a characteristic value of a factor related to at least master transportability and the like which influences master transportability at the time of plate making;
Control means for controlling the pressing force varying means so as to change the pressing force based on a signal from the characteristic value detecting means;
A plate making apparatus comprising:
前記駆動部材は、マスタを介して前記プラテンローラに当接して配置されており、前記駆動部材と前記プラテンローラとの間で発生する搬送力でマスタの搬送を行うことを特徴とする製版装置。The plate making apparatus according to claim 1,
The plate making apparatus, wherein the driving member is disposed in contact with the platen roller via a master, and conveys the master with a conveying force generated between the driving member and the platen roller.
マスタに対する前記駆動部材の摩擦係数が、前記プラテンローラのそれよりも大きいことを特徴とする製版装置。In the plate making apparatus according to claim 1 or 2,
A plate making apparatus, wherein a friction coefficient of the driving member with respect to a master is larger than that of the platen roller.
前記駆動部材は、回転自在なローラであることを特徴とする製版装置。In the plate making apparatus according to claim 1, 2, or 3,
The plate making apparatus, wherein the driving member is a rotatable roller.
前記マスタ搬送性等関係要因の特性値が、前記製版装置本体の内部および外部の湿度のうちの少なくとも一方の湿度であり、
前記特性値検出手段は、前記少なくとも一方の湿度を検出する湿度検出手段からなることを特徴とする製版装置。In the plate making apparatus according to claim 1, 2, 3, or 4,
The characteristic value of the related factor such as master transportability is the humidity of at least one of the internal and external humidity of the plate making apparatus main body,
The plate making apparatus, wherein the characteristic value detecting means comprises humidity detecting means for detecting the at least one humidity .
前記マスタ搬送性等関係要因の特性値が、マスタに形成される製版画像量であり、
前記特性値検出手段は、前記製版画像量を検出する画像量検出手段からなることを特徴とする製版装置。In the plate making apparatus according to claim 1, 2, 3, or 4 ,
The characteristic value of the related factor such as the master transportability is a plate-making image amount formed on the master,
The plate making apparatus, wherein the characteristic value detecting means comprises image amount detecting means for detecting the plate making image amount .
前記マスタ搬送性等関係要因の特性値が、前記製版装置本体の内部および外部の温度のうちの少なくとも一方の温度であり、
前記特性値検出手段は、前記少なくとも一方の温度を検出する温度検出手段からなることを特徴とする製版装置。In the plate making apparatus according to claim 1, 2, 3, or 4 ,
The characteristic value of the related factor such as master transportability is the temperature of at least one of the internal and external temperatures of the plate making apparatus main body,
The plate making apparatus, wherein the characteristic value detection means comprises temperature detection means for detecting the at least one temperature .
前記マスタ搬送性等関係要因の特性値が、前記サーマルヘッドの温度であり、
前記特性値検出手段は、前記サーマルヘッドの温度を検出するサーマルヘッド温度検出手段からなることを特徴とする製版装置。In the plate making apparatus according to claim 1, 2, 3, or 4 ,
The characteristic value of the related factor such as master transportability is the temperature of the thermal head,
The plate making apparatus, wherein the characteristic value detection means comprises thermal head temperature detection means for detecting the temperature of the thermal head .
前記制御手段は、少なくとも二つ以上の前記特性値検出手段からの各信号に基づいて、前記押付け力を変えるように前記押付け力可変手段を制御することを特徴とする製版装置。The plate making apparatus according to any one of claims 1 to 8 ,
The said control means controls the said pressing force variable means so that the said pressing force may be changed based on each signal from the said 2 or more said characteristic value detection means, The plate-making apparatus characterized by the above-mentioned .
前記プラテンローラよりもマスタ搬送方向上流側に設けられ、該プラテンローラを従動回転させるための前記駆動部材とは別の駆動部材を有することを特徴とする製版装置。The plate making apparatus according to any one of claims 1 to 9 ,
A plate making apparatus , comprising: a drive member provided upstream of the platen roller in the master conveying direction and different from the drive member for drivingly rotating the platen roller .
前記プラテンローラは、その外周径が小径化されている小径化プラテンローラであることを特徴とする製版装置。In the plate making apparatus as described in any one of Claims 1 thru | or 10,
The plate-making apparatus , wherein the platen roller is a reduced-diameter platen roller whose outer diameter is reduced .
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