JP4456608B2 - 端末における確認応答メッセージの処理 - Google Patents

Description

本発明は、特にＥＧＰＲＳ（強化型ＧＰＲＳ、強化型汎用パケット無線サービス）端末における無線パケットデータベースのデータ伝送および確認応答メッセージの処理に関する。

ＧＰＲＳ（汎用パケット無線サービス）は、ＧＳＭ（世界標準移動体通信）ネットワークのパケット交換データ伝送サービスであり、そのサービスは、従来型の回路交換データ伝送およびショートメッセージサービスのような現行のサービスを補完するものである。ＥＧＰＲＳ（強化型ＧＰＲＳ）は、ＧＰＲＳのさらなる発展形であり、ＥＤＧＥ（ＧＳＭ進化型高速データレート）技術を利用する。ＥＤＧＥは、通常のＧＳＭシステムと比較して、より速いデータ伝送速度を可能にする。

図１は、従来技術から知られているＥＧＰＲＳ通信システムを全般的なレベルで示す。当該システムは、ＥＧＰＲＳ移動局ネットワークのバックボーンネットワーク１０３および当該バックボーンネットワーク１０３に接続されている無線アクセスネットワークＥＲＡＮ（ＥＤＧＥ ＲＡＮ、無線アクセスネットワーク）１０２を備える。無線アクセスネットワーク１０２は、無線アクセスネットワークの１つ以上の基地局（図示せず）を介し、端末１０１に移動局ネットワークへのアクセスを提供する。無線アクセスネットワーク１０１と端末１０２との間には、エアインターフェイス（または無線インターフェイス）がある。

バックボーンネットワーク１０３は、一般に、移動通信ネットワークが端末に固定ネットワークのサービスへの接続を提供できる固定ネットワーク（図示せず）にも接続される。固定ネットワークは、例えば、インターネットまたはサービスプロバイダのイントラネット（オペレータドメインに関連するイントラネット）のようなＩＰ（インターネットプロトコル）ネットワークであってもよい。この接続は、例えばＧｉインターフェイスを介してなされることができる。

無線アクセスネットワーク１０２において、ＢＳＣ（基地局制御装置）要素は端末への無線リソースの配信に関与している。ＰＣＵ（パケットコントロールユニット）要素はＢＳＣに関連して論理的に動作し、その要素はＧＰＲＳ／ＥＧＰＲＳシステムにおいてＲＬＣ（無線リンク制御）プロトコル層との無線インターフェイスを介したパケット交換データ転送の機能性を制御する。ＲＬＣ層によって、確認応答メッセージ（ＡＣＫ／ＮＡＣＫ）などが送信され、それにより送信されたすべてのＲＬＣデータブロックが受信側において確実に受信できるようにすることができる。

ＲＬＣレベルにおいては、ＥＧＰＲＳは、アップリンクのためのＥＧＰＲＳ ＰＡＣＫＥＴ ＵＰＬＩＮＫＡＣＫ／ＮＡＣＫメッセージ、すなわち、端末からネットワークの方向へ発生する、端末により送信されたＲＬＣデータブロックの肯定確認応答（ＡＣＫ）または否定確認応答（ＮＡＣＫ）のためにメッセージが使用されるデータ伝送と定義されている。１つの確認応答メッセージを用いて、通常いくつかのＲＬＣデータブロックを確認応答する。肯定確認応答（ＡＣＫ）により、ネットワークは対応する送信されたデータブロックが無事に受信されたことを端末に通知し、否定確認応答（ＮＡＣＫ）により、ネットワークは対応する送信されたデータブロックが到着していないことを端末に通知し、この場合には端末は問題のデータブロックを再度送信する必要がある。ＥＧＰＲＳ ＰＡＣＫＥＴ ＵＰＬＩＮＫ ＡＣＫ／ＮＡＣＫメッセージについては、３ＧＰＰ（第３世代パートナーシッププロジェクト）標準規格３ＧＰＰ ＴＳ０４．６０ｖ８．２０．０（２００３−０９）においてさらに詳しく定義されている。

前記標準規格３ＧＰＰ ＴＳ０４．６０の１２．３．１段落において、ＥＧＰＲＳ Ａｃｋ／Ｎａｃｋ Ｄｅｓｃｒｉｐｔｉｏｎ情報要素（ＩＥ）は、その要素がＲＬＣデータブロックの集合を肯定的または否定的に確認応答するＲＬＣパラメータを含むと定義されている。情報要素は、無線インターフェイスを介して伝送される信号メッセージまたはデータストリームに含まれることができる情報の集合である。ＥＧＰＲＳ Ａｃｋ／Ｎａｃｋ Ｄｅｓｃｒｉｐｔｉｏｎ情報要素は、Ａｃｋ／ＮａｃｋビットマップおよびＲＬＣデータブロックシーケンス番号（ＢＳＮ）を用いて、どのＲＬＣデータブロックが肯定的および否定的に確認応答されるかを表す。情報要素は、圧縮されたおよび／または圧縮されていないＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップを含んでもよい。ＥＧＰＲＳＡｃｋ／Ｎａｃｋ Ｄｅｓｃｒｉｐｔｉｏｎ情報要素のフィールドを、図２Ａおよび２Ｂに示す。

図２Ａは、圧縮された、および圧縮されていないＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップを含むＥＧＰＲＳＡｃｋ／Ｎａｃｋ Ｄｅｓｃｒｉｐｔｉｏｎ情報要素を示す。情報要素の別のフィールドについて、以下に簡潔に説明する。
・ Ｌｉｎｄ（長さ指示子、１ビット）は、情報要素がＬＥＮＧＴＨフィールドを含んでいるか否かを示す。ＬＥＮＧＴＨフィールドがない場合、情報要素は問題のメッセージの最後の部分を埋める。
・ Ｌ（ＬＥＮＧＴＨ、８ビット）、これは情報要素の値部分の長さを示す。標準規格では、ＬＥＮＧＴＨフィールドの変化の許容範囲を１５〜２５５と定義している。
・ ＦＡＩ（ＦＩＮＡＬ＿ＡＣＫ＿ＩＮＤＩＣＡＴＩＯＮ、１ビット）は、テンポラリーブロックフロー（ＴＢＦ）全体が肯定的に確認応答されているか否かを示す。ＴＢＦ全体が肯定的に確認応答されている場合、以下のフィールドＳＳＮ、ＣＲＢＢおよびＵＲＢＢは情報を含まず、無視される。
・ ＢＯＷ（ＢＥＧＩＮＮＩＮＧ＿ＯＦ＿ＷＩＮＤＯＷ、１ビット）は、Ａｃｋ／Ｎａｃｋビットマップがウィンドウの開始点から始まるか否かを示す。
・ ＥＯＷ（ＥＮＤ＿ＯＦ＿ＷＩＮＤＯＷ、１ビット）は、Ａｃｋ／Ｎａｃｋビットマップが受信ウィンドウの終点を含むか否かを示す。
・ ＳＳＮ（ＳＴＡＲＴＩＮＧ＿ＳＥＱＵＥＮＣＥ＿ＮＵＭＢＥＲ、１１ビット）は、Ａｃｋ／Ｎａｃｋビットマップの第１のＲＬＣデータブロックシーケンス番号（ＢＳＮ）を示す。
・ Ｃｉｎｄ（圧縮されたＢＭ指示子、１ビット）は、情報要素が圧縮されたＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップを含むか否かを示す。
・ Ｌｃ（ＣＯＭＰＲＥＳＳＥＤ＿ＢＩＴＭＡＰ＿ＬＥＮＧＴＨ、７ビット）は、圧縮されたＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップの長さを示す。
・ ＣＢＳＣＣ（ＣＯＭＰＲＥＳＳＥＤ＿ＢＩＴＭＡＰ＿ＳＴＡＲＴＩＮＧ＿ＣＯＬＯＲ＿ＣＯＤＥ、１ビット）は、圧縮されたＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップがどのように解釈されるかを示す。
・ ＣＲＢＢ（ＣＯＭＰＲＥＳＳＥＤ＿ＲＥＣＥＩＶＥ＿ＢＬＯＣＫ＿ＢＩＴＭＡＰ、Ｌｃビット）は、圧縮されたＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップを含む。
・ ＵＲＢＢ（ＵＮＣＯＭＰＲＥＳＳＥＤ＿ＲＥＣＥＩＶＥ＿ＢＬＯＣＫ＿ＢＩＴＭＡＰ、Ｌｕビット）は、圧縮されていないＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップを含む。ＵＲＢＢフィールドの長さＬｕは、式Ｌｕ＝Ｌ−Ｌｃ−２３を用いて算定される。

図２Ｂは、圧縮されたＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップを含まないＡｃｋ／Ｎａｃｋ Ｄｅｓｃｒｉｐｔｉｏｎ情報要素を示す。この情報要素は、その他の点では図２Ａの情報要素と同等であるが、ここではＣｉｎｄフィールドは情報要素が圧縮されたＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップを含まないことを示しており、この場合Ｌｃ、ＣＢＳＣＣおよびＣＲＢＢフィールドがなく、ＵＲＢＢフィールドの長さＬｕは式Ｌｕ＝Ｌ−１５を用いて算定される。

図２Ｃは、Ｌｉｎｄ＝０、すなわち情報要素が、前記情報要素が存在しているＲＬＣメッセージの残りを埋める、Ａｃｋ／Ｎａｃｋ Ｄｅｓｃｒｉｐｔｉｏｎ情報要素を示す。この情報要素は、その他の点では圧縮されたＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップを含まない図２Ｂの情報要素と同等であるが、ここでＬｉｎｄフィールドは、情報要素がＬフィールドを含まないことを示す。

発明の簡潔な説明

ここで、ＥＧＰＲＳ標準規格は、Ｌｉｎｄ＝０であるＡｃｋ／Ｎａｃｋ Ｄｅｓｃｒｉｐｔｉｏｎ情報要素が端末においてどのように処理されるべきであるかを明らかには指定していないことが分かるが、これは前記情報要素がＬフィールドを含まない、すなわちＬが特定されていないためである。しかしながら、Ｌの値は圧縮されていないビットマップの長さの算定において使用される。したがって、圧縮されていないビットマップの長さの算定は、端末において不特定モードをもたらす場合がある。

可能な実装において、端末は、Ｌｉｎｄ＝０、すなわち確認応答メッセージがＬフィールドを有さない場合は、Ｌ＝０となり得る。端末に関連する仕様は、Ｌ＝０であるこれらの確認応答メッセージを端末がどのように処理するべきか示していない（端末の仕様では、L＝１５〜２５５である）。原理上、端末はＬ＝０であるメッセージを通常のやり方で処理することができる。そして、Ｌｕの算定式が負の数を算出し、これが端末におけるエラーモードを、したがって例えば端末のリセットをもたらす場合がある。あるいは端末は、そのような確認応答メッセージを完全に拒否してもよいが、これは伝送ウィンドウが埋められ端末がネットワークから確認応答メッセージを受信しない場合にアップリンクデータ伝送の失速をもたらす場合がある。

また、標準規格によればＬ＜１５は原理上無効な値であるが、ネットワーク実装によりこれらの値が使用されることになる可能性がある。これは、必然的に上記に提示したような問題を引き起こす。

本発明の目的は、これらの問題を解決または少なくとも緩和する方法を実現することである。

本発明の基本概念は、問題の確認応答メッセージ内の長さフィールドＬが、前記端末から見て特定されていない場合には、場合により前記情報要素に含まれる圧縮されていないＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップを無視することである。

本発明の一実施形態によると、Ｌｉｎｄ＝０である状況を、圧縮されていないＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップの長さＬｕが０である状況であると、すなわち、確認応答メッセージが圧縮されていないＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップを持っていない状況であると、自動的に解釈することができる。本発明の別の実施形態において、、Ｌｕの算定式が負の値のＬｕをもたらすであろう状況を、確認応答メッセージが圧縮されていないＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップを有さない状況であると、自動的に解釈することができる。すなわち、端末は、ＥＧＰＲＳ Ａｃｋ／Ｎａｃｋ Ｄｅｓｃｒｉｐｔｉｏｎ情報要素においてＬ＜１５である場合、圧縮されていないＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップを完全に無視するよう制御される。その結果、Ｌｕの値を算定する必要がない。これに対して、Ｌの値が１５以上であってもＬｕの算定式が負の値をもたらす場合、圧縮されていないＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップは完全に無視されることができる。端末は、圧縮されたＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップが、問題のＥＧＰＲＳ Ａｃｋ／Ｎａｃｋ Ｄｅｓｃｒｉｐｔｉｏｎ情報要素に含まれる場合は、それを通常のやり方で処理するように制御され、そうでない場合は情報要素が提供するＳＳＮフィールドのみを監視しＢＳＮ＞ＳＳＮ−１であるＲＬＣデータブロックが否定的に確認応答されると自動的にみなすよう制御されることができる。

本発明の第１の側面にしたがって、端末におけるパケットデータ伝送に関連する確認応答メッセージを処理するための方法が実装され、前記確認応答メッセージは、前記端末から送信された１つ以上のデータブロックに対して肯定的または否定的に確認応答し、前記確認応答メッセージは、確認応答に関連する情報要素を含み、前記要素は、条件付きで、前記情報要素の値部分の長さを示す長さフィールドＬと、場合により、圧縮されていない可変長のＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップを含み、そのビットマップ長Ｌｕは、所定の算定式を用いてＬの値から算定されることができ、前記方法は、前記情報要素を含む確認応答メッセージを、前記端末が接続されたデータ伝送ネットワークから受信するステップと、前記長さフィールドＬが前記端末から見て特定されていない場合には、場合により前記情報要素に含まれる圧縮されていないＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップを自動的に無視するステップを含む。

上述のように、長さフィールドＬは、例えば確認応答メッセージが長さフィールドＬを全く含まない場合や、Ｌ＜１５および／または前記算定式がＬの値から圧縮されていないＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップ長さＬｕとして負の値を算定する場合は、前記端末から見て特定されていないとみなされることができる。

本発明の第２の側面にしたがって、請求項１１に記載の端末が実装される。

本発明による端末は、無線伝送経路を介してＥＧＰＲＳネットワークのようなパケット交換ネットワークと通信を行うことができるいかなるデバイスであってもよい。そのようなデバイスは、例えば移動局、ラップトップコンピュータ、パームデバイス、スマートフォン、もしくは通信モジュールまたは同等のものを装備するその他の電子デバイスであってもよい。問題の通信モジュールは前記デバイスに一部統合されてもよく、または前記デバイスは分離した通信モジュールと機能的に通信を行ってもよい。

本発明の第３の側面にしたがって、請求項１３に記載のシステムが実装される。

本発明の第４の側面にしたがって、請求項１５に記載のコンピュータプログラムが実装される。

従属請求項は、本発明の有益な実施形態にかかわる。本発明の一側面に関連する従属請求項の内容は、本発明の他の側面にも適用することができる。

本発明を用いて、端末は、以前は特定されていなかった状況において有効なやり方でＥＧＰＲＳ Ａｃｋ／Ｎａｃｋ Ｄｅｓｃｒｉｐｔｉｏｎ情報要素（ＥＧＰＲＳ ＵＰＬＩＮＫＡＣＫ／ＮＡＣＫメッセージ）を処理するように制御されることができる。本発明の実施形態によると、特に、Ａｃｋ／Ｎａｃｋビットマップの、不要で安全でなく、かつ特定されていない処理を避けることが可能である。したがって、ネットワーク側に問題または異常な活動がある場合でも、安定したデータ伝送を提供する可能性を向上させることができる。

詳細な説明

添付の図面を参照しながら、例を用いて本発明をさらに詳しく説明する。明確にするため、以下、特にＥＧＰＲＳ技術を用いて本発明を説明するが、本発明はこの技術のみに限定されるものではない。本発明は、任意の無線パケットデータベースの伝送技術とともに利用されるよう適用でき、ここで確認応答メッセージは、端末によって送信されたデータブロックに対する応答として、ネットワークからデータ伝送ネットワークに接続された端末へ送信され、問題の確認応答メッセージは条件付きで、その確認応答に関連する情報要素の値部分の長さを示す長さフィールドＬと、場合により圧縮されていない可変長のＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップを含み、そのビットマップ長Ｌｕは、所定の算定式および／または圧縮された可変長のＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップを用いてＬの値から算定されることができる。

図３は、本発明の実施形態による方法を示す流れ図である。ステップ３００において、端末はネットワークにより送信された確認応答メッセージを受信し、このメッセージは場合により、確認応答に関連する情報要素の値部分の長さを示す長さフィールドＬ、問題の確認応答メッセージにおいて確認応答された第１のデータブロックシーケンス番号ＢＳＮを示すシーケンス番号ＳＳＮ、また場合により圧縮された可変長のＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップおよび／または圧縮されていない可変長のＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップを含む。確認応答メッセージが圧縮されたＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップを含む場合、その長さは確認応答メッセージ内において明白に表されている。圧縮されていないＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップの長さＬｕに関しては、確認応答メッセージが長さフィールドＬを含んでいる場合、従来技術との関連で上述した所定の算定式を用いてＬの値から算定されることができる。

ステップ３１０において、第一に確認応答メッセージが長さフィールドＬを含むか否かが調べられる。図２Ａ〜２Ｃに記載の情報要素におけるＬｉｎｄフィールドの値が１である場合、確認応答メッセージは長さフィールドＬを含む。次いで、Ｌの値を調査するため、ステップ３０１へ進む。Ｌｉｎｄ＝０である場合、確認応答メッセージはＬフィールドを有さず、確認応答メッセージの処理は後に詳しく紹介するステップ３０７へ進む。

ステップ３０１において、第一に問題の確認応答メッセージにおいてＬ＜１５であるか否かが調べられる。Ｌが１５より大きい場合、ステップ３０２へ進み、確認応答メッセージに圧縮されたＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップが含まれているか否かが調べられる。圧縮されたＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップがない場合、すなわち図２Ａ〜２Ｃに記載の情報要素においてＣｉｎｄ＝０である場合、確認応答メッセージはステップ３０３において通常のやり方で処理されるであろう。この文脈において、通常のやり方での処理とは３ＧＰＰ標準規格ＴＳ０４．６０に記載の処理を意味する。

ステップ３０２において、確認応答メッセージに圧縮されたＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップが含まれていることが検出された場合、すなわち図２Ａおよび２Ｂに記載の情報要素においてＣｉｎｄ＝１である場合、ステップ３０４へ進み、上述の算定式が圧縮されていないＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップ長さＬｕに対して負の値を算定するか否かが調べられる。Ｌｕの値が正であれば、ステップ３０５へ進み、通常のやり方で確認応答メッセージを処理する。

ステップ３０４においてＬｕが負であることが検出された場合、確認応答メッセージに含まれる、考えられる圧縮されていないＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップは自動的に無視される。実際には、Ｌｕの値はその結果０であるとされる。しかしながら、ステップ３０２で見られる圧縮されたＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップは、ステップ３０５において通常のやり方で処理される（ここでも、通常のやり方での処理とは３ＧＰＰ標準規格ＴＳ０４．６０ｖ８．２０．０（２００３−０９）に記載の処理を意味する）。この後、ＢＮＳ＞ＥＳＮ＿Ｃ（ＥＳＮ＿Ｃは圧縮されたビットマップにおいて最後に確認応答されたデータブロックのシーケンス番号である）であるデータブロックが、ステップ３０６において否定的に確認応答されると推測される。

ここで、いわゆる「ライフタイム」は、送信されたデータブロックがその間否定的に確認応答されることができないように設定されていることに留意しなくてはならない。これは、たった今送信されたデータブロックが否定的に確認応答されることを防止する。上述の、ＢＮＳ＞ＥＳＮ＿Ｃであり、かつライフタイムが終了したそれらのデータブロックが、否定的に確認応答される（ライフタイムが終了していない場合、データブロックは否定的に確認応答されることができない）。

ステップ３１０においてＬフィールドがないことを検出した場合、またはステップ３０１においてＬが１５未満であることを検出した場合、確認応答メッセージに含まれる、考えられる圧縮されていないＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップは自動的に無視される。実際には、上述の算定式を用いてＬｕの長さを算定する必要なく、Ｌｕの値は０であると推測されることができる、すなわち、端末での計算を減じることができる。次いで、確認応答メッセージの処理は、確認応答メッセージが圧縮されたＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップを含むか否かを調べるステップ３０７へ続く。圧縮されたＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップがない場合、すなわち図２Ａ〜２Ｃに記載の情報要素においてＣｉｎｄ＝０である場合、ＢＮＳ＞ＳＳＮ−１であるデータブロックは否定的に確認応答されると推測される。すなわち、問題の確認応答メッセージ内において確認応答されるすべてのデータブロックは、否定的に確認応答されると推測される。ここでも、ライフタイムが終了したデータブロックだけが、否定的に確認応答される。

ステップ３０７において確認応答メッセージが圧縮されたＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップを含むことが検出された場合、ステップ３０５、さらにステップ３０６へ進み、圧縮されたＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップは通常のやり方で処理され、次いでＢＮＳ＞ＥＳＮ＿Ｃであるデータブロックが上述のように否定的に確認応答されると推測される。

この文脈において、図２Ａ〜２Ｃに示すＦＡＩ（ＦＩＮＡＬ＿ＡＣＫ＿ＩＮＤＩＣＡＴＩＯＮ）ビットが処理された確認応答メッセージの中のものとして設定されている場合、現在の（Ｒ９９）ＥＧＰＲＳ実装において端末により送信されたすべてのデータブロックが否定的に確認応答されると推測され、端末とネットワークとの間のデータ伝送が終了することに留意すべきである。すなわち、この状況においては、ＳＳＮフィールドおよび考えられるＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップは情報を含まず、無視されると推測される。したがって、本発明による確認応答メッセージの処理は、確認応答メッセージ内においてＦＡＩ＝１である場合、不要となることができる。

しかしながら、ＲＥＬ４によるＥＧＰＲＳ実装において、ＦＡＩ＝１であるがＳＳＮフィールドおよび考えられるＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップは自動的に無視されない。端末がＦＡＩ＝１である確認応答メッセージを受信しても、端末から送信されたすべてのデータブロックが自動的に否定的に確認応答されると推測されるわけではなく、ＳＳＮフィールドおよび考えられるＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップも読み込まれる。ビットマップがデータブロックのいくつかを否定的に確認応答すると、ＦＡＩ＝１がデータ伝送通信の終了を直接的に引き起こさない場合、これらは端末から再度送信される。

さらに、この文脈において、本発明がその処理に関連する確認応答メッセージは、データブロック確認応答に関連する情報要素に加えてその他のデータも含むことができることに留意すべきである。確認応答メッセージは、例えば、再セグメント化のような無線リンク機能を制御するその他の情報要素、または確認応答に関連する情報要素に加えてその他のデータを含むことができる一般的ＲＬＣレベルの制御メッセージであってよい。

さらに図３を参照して、提示した流れ図は１つの考えられる実装を図示しただけのものであり、提示したステップの順序を自由に変更することができるか、または提示したステップの一部のみを実際の実装に含むことができることを理解すべきである。例えば、ステップ３００、３１０、３０１、３０３、および３０８のみが含まれる実装が可能である。その結果、Ｌ＜１５またはＬフィールドがない場合には、ＢＮＳ＞ＳＳＮ−１であるデータブロックは否定的に確認応答されると推測され、そうでない場合には確認応答メッセージは通常のやり方で処理される。

図４は、本発明が適用されるシステムを、プロトコルスタックレベルで示す。この図は、端末４１０およびＥＧＰＲＳネットワークのいくつかのネットワーク要素における本発明の観点から最も適切なプロトコル層を提示する。

端末４１０は、無線インターフェイス４００（物理層）、ＭＡＣ（メディアアクセス制御）層４０１、ＲＬＣ（無線リンク制御）層４０２および上位プロトコル層４０３を備える。上位プロトコル層は、とりわけＴＣＰ／ＩＰ（伝送制御プロトコル／インターネットプロトコル）層およびアプリケーション層であってよい。インターフェイス上で、端末は無線アクセスネットワークのＢＴＳ（無線基地局）４１１への物理層接続を有し、そのＢＴＳは、同様にＡｂｉｓインターフェイス上でＢＳＣ（基地局制御装置）要素４１２への物理層（レイヤ１）（固定）接続を有する。ＢＳＣ要素はさらにＢＳＣとの接続において論理的に動作するＰＣＵ（パケットコントロールユニット）要素４１３への物理層接続を有する。ＰＣＵ要素は、ＢＳＣ要素の統合された部分であってよく、または別の適合するネットワーク要素に位置してもよい。

ＰＣＵ要素４１３はＭＡＣおよびＲＬＣプロトコル層４０４および４０５を備え、端末へのＭＡＣおよびＲＬＣレベル接続を有する。ＰＣＵ要素はＥＧＰＲＳシステムにおいてＲＬＣプロトコル層との無線インターフェイス上でのパケット交換データ転送の機能性を制御する。本発明による方法は、端末とＰＣＵ要素との間の、特にＲＬＣ層確認応答メッセージにかかわるＲＬＣレベルのトラフィックにおいて実質的に実装される。本発明の実施形態は、例えば端末内のＭＡＣ層がネットワークから確認応答メッセージを受信し、そのメッセージがＬｉｎｄ＝０であり、したがってＬフィールドを含まないように実装されることができる。ＭＡＣ層は、確認応答メッセージをＲＬＣ層へ伝える前にＬフィールドを確認応答メッセージに添付し、Ｌフィールドの値を０に設定する。このようにして、ＭＡＣ−ＲＬＣインターフェイスにおけるデータ伝送は、確認応答メッセージがネットワークから受信される形態にかかわらず、標準的な形態で保存されることができる。ＲＬＣ層による確認応答メッセージの処理は、したがって、圧縮されていないＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップの長さＬｕ＝０であると推測する、すなわち、Ｌｉｎｄ＝０かつＬ＝０の場合、または単にＬ＝０の場合、圧縮されていないＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップを無視するように構成されることができる。後者の場合、ＲＬＣ層はＬｉｎｄフィールドを調査する必要なく確認応答メッセージを処理することができる。

ＰＣＵ要素４１３は、さらにＳＧＳＮ（サービングＧＰＲＳサポートノード）要素およびそれを経由して無線ネットワークの他のコンポーネント、さらに他のネットワーク（図示せず）と接続している。

図５は、本発明の実施形態によるデバイス５０の簡略化したブロック図を示し、そのデバイスは、移動局、ラップトップコンピュータ、パームデバイス、スマートフォン、またはその他の電子デバイス等、任意のデバイスであってよく、無線伝送経路上でデータ伝送ネットワークと、パケットデータベースのデータ伝送通信を行ってよい。

端末５０は、処理装置５１ならびに処理装置に接続された無線周波数部分（ＲＦ）５２およびユーザーインターフェイス（ＵＩ）５３を備える。無線周波数部分５２は、無線伝送経路上でデータ伝送を実装するためのエアインターフェイスを提供する。ユーザーインターフェイスは、例えば、ディスプレイおよびキーボード、ならびに問題のデバイスを用いて使用できる、考えられる別の制御デバイス（図示されていない）を備えることができる。本発明は、実際のユーザーインターフェイスを有さないデバイスにおいて利用することもできる。

制御装置５１は、プロセッサ（図示されていない）、メモリ５４および前記プロセッサ内で実行されるメモリに格納されたコンピュータプログラム５５を備える。プロセッサは、コンピュータプログラム５５にしたがって、確認応答メッセージを処理するように端末を制御し、これが前記端末から送信された１つ以上のデータブロックを肯定的または否定的に確認応答する。確認応答メッセージは、確認応答に関連する情報要素を含み、この要素は条件付きで、確認応答に関連する情報要素の値部分の長さを示す長さフィールドＬと、場合により、圧縮されていない可変長のＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップを含み、その長さは所定の算定式を用いてＬの値から算定されることができる。端末がネットワークから確認応答メッセージを受信すると、前記長さフィールドLが端末から見て特定されていない場合、場合により確認応答メッセージに含まれる圧縮されていないＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップを自動的に無視するよう制御される。さらに端末５０は、前記情報要素が長さフィールドＬを含まない（３１０）場合、前記確認応答メッセージにおいてＬ＜１５である場合、または前記算定式が圧縮されていないＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップ長さとして負の値を算定する場合、圧縮されていないＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップを自動的に無視するよう制御されることができる。

以上、本発明を図示する一例としてＥＧＰＲＧ技術使用し本発明を説明したが、本発明はこの例のみに限定されるものではない。当業者には、その他いかなる適用できるネットワーク技術の中においても本発明を利用できることがよく知られている。本発明の実装および利用可能性は、添付の特許請求の範囲によってのみ限定される。したがって、特許請求の範囲によって定義される本発明の異なる実装の代替、また同等の実装は、本発明の範囲内である。

一般的レベルのＥＧＰＲＳ通信システムを示す。 図２Ａは、圧縮された、および圧縮されていないＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップを含むＥＧＰＲＳＡｃｋ／Ｎａｃｋ Ｄｅｓｃｒｉｐｔｉｏｎ情報要素を示す。図２Ｂは、圧縮されたＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップを含まないＥＧＰＲＳＡｃｋ／Ｎａｃｋ Ｄｅｓｃｒｉｐｔｉｏｎ情報要素を示す。図２Ｃは、Ｌフィールドを含まないＥＧＰＲＳＡｃｋ／Ｎａｃｋ Ｄｅｓｃｒｉｐｔｉｏｎ情報要素を示す。 本発明の実施形態による方法を示す流れ図である。 本発明が適用されるシステムを、プロトコルスタックレベルで示す。 本発明の実施形態によるデバイスの簡略化したブロック図を示す。

Claims (18)

1. 端末におけるパケットデータ伝送に関連する確認応答メッセージを処理するための方法であって、
   前記端末から送信された１つ以上のデータブロックに対して肯定的または否定的に確認応答する確認応答メッセージを受信すること、ただし、前記確認応答メッセージは、前記確認応答に関連する情報要素を含み、前記情報要素は、条件付きで前記情報要素の値部分の長さを示す長さフィールドＬを含むと共に、圧縮されていないＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップを含み、そのビットマップ長Ｌｕは、所定の算定式を用いてＬの値から算定されることができる、前記受信することと；
   前記長さフィールドＬの値が１５未満であるか、前記長さフィールドＬが前記情報要素に含まれていないために前記端末から見て特定されていない場合には、前記圧縮されていないＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップを自動的に無視するが、前記情報要素に含まれる圧縮されたＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップについては通常のやり方で処理すること；
   を含む、方法。
2. 前記算定式が、Ｌの値から、前記圧縮されていないＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップの長さＬｕとして負の数を算出した場合に、前記圧縮されていないＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップが自動的に無視される、請求項１に記載の方法。
3. 前記情報要素が、確認応答される第１のデータブロックのブロックシーケンス番号ＢＳＮを示すシーケンス番号フィールドＳＳＮをさらに含み、前記方法において、圧縮されていないＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップを無視するステップが、
   まだ否定的に確認応答されることができないデータブロックを除き、ＢＳＮ＞ＳＳＮ−１であるデータブロックが自動的に否定的に確認応答されたとみなすことにより実行される、請求項の１または２いずれか１項に記載の方法。
4. 前記圧縮されていないＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップを無視するステップが、その長さＬｕが０であると推測することにより実行される、請求項１から３のいずれか１項に記載の方法。
5. 前記情報要素が長さフィールドＬを含まない、または前記情報要素においてＬ＜１５である場合、直ちにＬｕはゼロであると推測される、請求項４に記載の方法。
6. 前記データブロックが、ブロックシーケンス番号ＢＳＮで示され、前記情報要素が、圧縮されたＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップを含み、前記方法において、前記圧縮されていないＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップを無視するステップが、
   ＢＳＮ＞ＥＳＮ＿Ｃ（式中ＥＳＮ＿Ｃは前記圧縮されたビットマップにおいて確認応答された最終データブロックのシーケンス番号である）であるデータブロックが否定的に確認応答されると自動的にみなすことにより実行される、請求項１から５のいずれかに記載の方法。
7. 前記端末がＥＧＰＲＳ（強化型汎用パケット無線サービス）端末である、請求項１から６のいずれか１項に記載の方法。
8. データ伝送ネットワークと無線パケットデータベースデータ伝送通信を行うよう構成される端末であって、
   データブロックを前記データ伝送ネットワークへ送信するための送信装置と、
   前記データ伝送ネットワークから確認応答メッセージを受信するための受信装置であって、前記確認応答メッセージは、前記端末から送信された１つ以上のデータブロックに対して肯定的または否定的に確認応答し、前記確認応答メッセージは、前記確認応答に関連する情報要素を含み、前記情報要素は、条件付きで、前記情報要素の値部分の長さを示す長さフィールドＬを含むと共に、圧縮されていないＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップを含み、そのビットマップ長Ｌｕは、所定の算定式を用いてＬの値から算定されることができる、受信装置と、
   前記情報要素を含む確認応答メッセージを処理するための処理装置と、を備え、前記処理装置は、前記長さフィールドLの値が１５未満であるか、前記長さフィールドLが前記情報要素に含まれていないために前記端末から見て特定されていない場合には、前記圧縮されていないＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップを自動的に無視するが、前記情報要素に含まれる圧縮されたＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップについては通常のやり方で処理するように構成される、
   端末。
9. 前記処理装置は、前記算定式が、前記Ｌの値から、前記圧縮されていないＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップの長さＬｕとして負の数を算出する場合に、前記圧縮されていないＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップを自動的に無視するように構成される、請求項８のいずれかに記載の端末。
10. 前記情報要素が、確認応答される第１のデータブロックのブロックシーケンス番号ＢＳＮを示すシーケンス番号フィールドＳＳＮをさらに含み、前記処理装置が、まだ否定的に確認応答されることができないデータブロックを除き、ＢＳＮ＞ＳＳＮ−１であるデータブロックが自動的に否定的に確認応答されるとみなすことにより、前記圧縮されていないＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップを無視するよう構成される、請求項８または９のいずれか１項に記載の端末。
11. 前記処理装置が、その長さＬｕが０であると推測することにより、前記圧縮されていないＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップを無視するよう構成される、請求項８から１０のいずれか１項に記載の端末。
12. 前記情報要素が長さフィールドＬを含まない、または前記情報要素においてＬ＜１５である場合、前記処理装置が、直ちにＬｕが０であると推測するよう構成される、請求項１１に記載の端末。
13. 前記データブロックが、ブロックシーケンス番号ＢＳＮで示され、前記情報要素が、圧縮されたＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップを含み、前記処理装置が、ＢＳＮ＞ＥＳＮ＿Ｃ（式中ＥＳＮ＿Ｃは前記圧縮されたビットマップにおいて確認応答された最終データブロックのシーケンス番号である）であるデータブロックが否定的に確認応答されると自動的にみなすことにより、圧縮されていないＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップを無視するよう構成される、請求項８から１１に記載の端末。
14. 前記端末が、移動局、ラップトップコンピュータ、パームデバイス、スマートフォン、もしくは通信モジュールまたは同等のものを装備するその他の電子デバイスである、請求項８から１３のいずれかに記載の端末。
15. データ伝送システムであって、少なくとも１つの端末と、少なくとも１つのネットワーク要素とを含み、前記端末およびネットワーク要素が無線パケットデータベースデータ伝送接続を介して互いに通信を行うように配置され、
    前記端末は、データブロックを前記データ伝送ネットワークに送信するための送信装置を備え、
    前記ネットワーク要素は、前記端末へ確認応答メッセージを送信するための送信装置を備え、前記確認応答メッセージは、前記端末から送信された１つ以上のデータブロックに対して肯定的または否定的に確認応答し、前記確認応答メッセージは、確認応答に関連する情報要素を含み、前記情報要素は、条件付きで、前記情報要素の値部分の長さを示す長さフィールドＬを含むと共に、圧縮されていない可変長のＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップを含み、そのビットマップ長Ｌｕは、所定の算定式を用いてＬの値から算定されることができ、
    前記端末は、前記情報要素を含む確認応答メッセージを受信するための受信装置と、前記情報要素を含む前記確認応答メッセージを処理する処理装置とをさらに備え、
    前記端末における前記処理装置は、前記長さフィールドＬの値が１５未満であるか、前記長さフィールドLが前記情報要素に含まれていないために前記端末から見て特定されていない場合には、前記圧縮されていないＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップを自動的に無視するが、前記情報要素に含まれる圧縮されたＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップについては通常のやり方で処理するように構成される、
    データ伝送システム。
16. 前記ネットワーク要素が、ＰＣＵ（パケットコントロールユニット）またはその他の関連するネットワーク要素であり、前記ネットワーク要素と前記端末との間の前記無線パケットデータベースデータ伝送を制御する、請求項１５に記載のデータ伝送システム。
17. 端末においてパケットデータ伝送に関連する確認応答メッセージを処理するためのルーチンを提供するコンピュータプログラムであって、
    前記端末から送信された１つ以上のデータブロックに対して肯定的または否定的に確認応答する前記確認応答メッセージを前記端末に受信させ、ただし、前記確認応答メッセージは、確認応答に関連する情報要素を含み、前記情報要素は、条件付きで前記情報要素の値部分の長さを示す長さフィールドＬを含むと共に、圧縮されていないＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップを含み、そのＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップ長Ｌｕは、所定の算定式を用いてＬの値から算定されることができ、
    前記長さフィールドＬの値が１５未満であるか、前記長さフィールドLが前記情報要素に含まれていないために前記端末から見て特定されていない場合には、前記圧縮されていないＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップを自動的に無視するが、前記情報要素に含まれる圧縮されたＡｃｋ／Ｎａｃｋビットマップについては通常のやり方で処理するように前記端末を制御する、
    ように構成される、コンピュータプログラム。
18. 請求項１７に記載のコンピュータプログラムを格納する記憶媒体。

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