JP4451720B2 - 自動二輪車用ヘッドランプ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、夜間の走行におけるコーナリング時にも広い前方視野が得られる自動二輪車用のヘッドランプ装置に関する。
従来の自動二輪車のヘッドランプは車体に固定されているために、車体がバンクすると、これに合わせてヘッドランプの光軸も傾斜するので、夜間の走行においてコーナリングするとき、ライダーの目線が向く進行方向の内側へのヘッドライトの配光が減少し、進行方向前方の視野が狭くなる。
すなわち、自動二輪車が直進走行するとき、搭乗したライダーからの前方視を示す図7(a)のように、ヘッドランプの照射範囲(配光)Aは水平線Hに平行な左右方向に広がった照射範囲となるが、例えば図7(b)のように、自動二輪車がカーブした車線50に沿って矢印Pで示す左側に進行方向を変えるとき、車体を左側にバンクさせてコーナリングするので、ヘッドランプの照射範囲Aが直進の場合に比べて左下がりに傾斜する。その結果、ライダーの目線が向く旋回方向の内側(同図に破線の円で囲む部分B)、つまり進行先となるエリアへのヘッドランプの照射範囲Aが少なくなり、進行方向前方の視野が狭くなる。
そこで、従来では、バンク角検知手段により検知された車体のバンク角に基づき、回転制御手段が駆動機を制御して、ヘッドランプ本体のレンズとバルブのような発光体とを含むユニットをそれらの中心軸の回りに、バンクした方向と逆方向にバンク角の大きさに応じた角度だけ回転させるようにしたヘッドランプ装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。このヘッドランプ装置では、夜間走行時のコーナリング時に、ライダーの目線が向く旋回方向の内側へのヘッドランプの配光が多くなり、広い視野を確保できる。
特開2001−347977号公報
前記ヘッドランプ装置では、レンズおよび発光体をバンク角に応じた回転角度になるようにフィードバック制御するために、レンズおよび発光体の回転角度を検出する必要がある。特許文献1のヘッドランプ装置では、レンズおよび発光体の回転駆動源の駆動モータの回転量または回転角度をエンコーダにより検出しており、検出した回転角度に基づいてレンズおよび発光体の回転角度を算出している。
しかしながら、前記エンコーダやステッピングモータなどは、絶対角度が不明であることから、自動二輪車のイグニッション・スイッチをオンすることで電気系統がオンされたときに、レンズおよび発光体を、回転の機械的限界位置まで一旦回転させたのちに、この限界位置から予め求められている所定の回転角度だけ反対方向に回転させることにより、回転の原点位置に位置決めするようにしている。そのため、余分な動作を伴うことから、ヘッドランプを原点位置に位置決め状態とするまでに時間がかかるだけでなく、限界位置に当接して回転停止するときに衝突音が発生する。一方、ポテンショメータなどの角度センサは、絶対角度が検出できることから、イグニッション・スイッチのオン時に、上述のような余分な動作を行うことなく回転の原点位置に位置決めできる利点があるが、サイズが大きいために配置が難しく、しかも高価である。
本発明は、前記従来の課題に鑑みてなされたもので、小型で安価な構成としながらも、ヘッドランプを回転の原点位置に迅速、かつ、正確に位置決めすることができる自動二輪車用ヘッドランプ装置を提供することを目的とするものである。
前記目的を達成するために、本発明の第1構成に係る自動二輪車用ヘッドランプ装置は、車体の前方を照射する発光体と、前記発光体による照射範囲を回転によって変更する配光調整機構と、前記配光調整機構を制御して前記照射範囲を調整する配光制御手段とを備え、前記配光調整機構が、前記回転を行う駆動機と、被検知体と、前記回転の原点位置で前記被検知体を検出するセンサとを有し、前記配光制御手段は、前記被検知体の回転方向の両端の検知に基づき前記原点位置を算出する原点算出手段を有している
この自動二輪車用ヘッドランプ装置によれば、センサが被検知体を検出していない場合には、駆動機の駆動により配光調整機構を左右いずれかの方向に回転させて、センサが被検知体を検出した時点で回転停止させるだけで、配光調整機構を回転の原点位置に位置決めすることができる。その後は、配光制御手段が回転の原点位置を基準とした相対角度に基づき配光調整機構の回転角度を制御できる。したがって、このヘッドランプ装置では、駆動機として、絶対角度が不明なステッピングモータやエンコーダを用いる場合であっても、従来のようにレンズおよび発光体を回転の機械的限界位置まで一旦回転させたのちに所定の回転角度だけ反対方向に回転させて原点位置を決めるのと比較して、配光調整機構を回転の原点位置に迅速、かつ、正確に位置決めすることができ、また、角度センサを用いる場合と比較して、小型化およびコストダウンを実現できる。さらに、エンジンの始動時に配光調整機構を左右いずれかの方向に回転させて、配光調整機構と一体回転する被検知体の一端をセンサで検知した時点から他端を検知するまでの回転角度を求めて、その回転角度の1/2を求める簡単な演算により、配光調整機構の回転の原点位置を示す角度データを正確に算出することができる。しかも、この構成では、センサにより被検知体の両端を検出すればよいだけであるから、センサとして、被検知体上のワンポイントを正確に検出する高精度なものを用いる必要がなく、近接センサや光電センサのようなオン/オフ型の安価なものでよいので、コストの低減を図ることができる。また、被検知体は比較的幅広の形状とできるので、製作が容易で、取付け状態も安定する。
本発明の好ましい実施形態では、前記駆動機がステッピングモータであり、さらに、前記被検知体の回転方向の一端の検知と前記原点位置とに基づいて前記駆動機の脱調を検出する脱調検出手段を有している。この構成によれば、ステッピングモータは、入力パルス数に比例した回転角度に正確に回転制御できることから、オープンループの位置決め制御が可能であり、フィードバック制御系が不要であるので、一層のコスト低減を図ることができる。但し、ステッピングモータは、ステップ数が入力パルスと1対1の関係で駆動できる負荷トルクの範囲を超えたパルス入力に対して脱調(スリップ)することがある。これに対し、この脱調の発生は、配光調整機構を回転の原点位置に戻す動作を行うときに、被検知体の一端を検知した時点から原点位置に戻った時点までのステッピングモータの入力パルスのカウント値と、演算により予め算出した原点位置データとしてのパルス値とを比較して、一致するか否かにより、容易、かつ正確に判別することができる。脱調の発生を判別した場合には、原点位置のずれ量を補正することにより、脱調を自動的に補償することができる。
本発明の第2構成に係る自動二輪車用ヘッドランプ装置は、車体の前方を照射する発光体と、前記発光体による照射範囲を回転によって変更する配光調整機構と、前記配光調整機構を制御して前記照射範囲を調整する配光制御手段とを備え、前記配光調整機構は、前記回転を行う駆動機と、被検知体と、前記回転の原点位置で前記被検知体を検出するセンサとを有し、前記配光制御手段は、イグニッション・スイッチがオンされると、前記照射範囲を後方から見て左回転させて前記センサに前記被検知体を検出させる原点算出手段を有している。
本発明の第3構成に係る自動二輪車用ヘッドランプ装置は、車体の前方を照射する発光体と、前記発光体による照射範囲を回転によって変更する配光調整機構と、前記配光調整機構を制御して前記照射範囲を調整する配光制御手段とを備え、前記配光調整機構は、前記回転を行う駆動機と、被検知体と、前記回転の原点位置で前記被検知体を検出するセンサとを有し、前記配光制御手段は、イグニッション・スイッチがオン時に、前記照射範囲を所定時間一方向に角変位させても前記被検知体を検出しない場合に、前記照射範囲を他方向に角変位させて前記センサに前記被検知体を検出させる原点算出手段を有している。
本発明の第4構成に係る自動二輪車用ヘッドランプ装置は、車体の前方を照射する発光体と、前記発光体による照射範囲を回転によって変更する配光調整機構と、前記配光調整機構を制御して前記照射範囲を調整する配光制御手段とを備え、前記配光調整機構は、前記回転を行う駆動機と、前記駆動機に噛み合って駆動される従動ギヤを有し回転して前記照射範囲を変更する回転ベースと、該回転ベースに設けられた被検知体と、前記回転の原点位置で前記被検知体を検出するセンサとを有している。
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しながら詳述する。図1は本発明の実施形態に係るヘッドランプ装置11を取り付けた自動二輪車1を示す側面図である。自動二輪車1は、車体フレーム2の前端のヘッドパイプ3に軸支されたフロントフォーク4に前車輪5を取り付け、車体フレーム2の中央下部のスイングアームブラケット6に軸支されたスイングアーム7に後車輪8を取り付け、車体フレーム2の中央下部に取り付けたエンジン9で後車輪8を駆動するとともに、フロントフォーク4の上端部に固定したハンドル10で操向するように構成されている。
フロントフォーク4には、ヘッドランプ装置11を構成するヘッドランプ12がブラケット13を介して取り付けられている。ヘッドランプ装置11は、前記ヘッドランプ12とこれの回転制御装置15(図3)とを備えており、図1に示すように、この回転制御装置15の主要部を構成する電子コントロールユニットEが、図1の車体中央のシート43の下部に配置されている
図2(a)に示すように、ヘッドランプ12では、ランプケース21内に設けられた発光体としてのバルブ22の前面に、レンズ23が対向配置され、バルブ22およびレンズ23が、それらの中心軸Cのまわりに回転自在とされている。前記ランプケース21はその前側の環状のリム14に図示しないねじ体により取り付けられ、このリム14に、バルブ22を囲むように配置された碗状のリフレクタ24が、図示しない取付具により取り付けられ、このリフレクタ24に設けられたレンズ支柱25の回転軸26にレンズ23が回転自在に支持されている。リフレクタ24の中心部には、レンズ23と同軸位置となるように回転ベース27が配置されており、この回転ベース27の中心部、すなわち、前記中心軸C上に、バルブ22が発光体ブラケット31を介して取り付けられている。
回転ベース27はその外側の固定ベース28により回転自在に支持されており、この固定ベース28が、ブラケット58を介してリフレクタ24に支持されている。前記回転ベース27とレンズ23の外周部とは、アーム38によって連結されている。こうして、バルブ22およびレンズ23は、ランプケース21、リム14およびリフレクタ24に対して相対回転自在とされている。リクレクタ24の前面部には前面カバー30が装着されている。また、発光体ソケット37には電源コード33が接続されている。
回転ベース27の円盤状の外周部には、図2(b)に示すように、ほぼ180度の角度範囲にわたって、半円弧状の従動ギヤ32が設けられており、他方、図2(a)の固定ベース28の外周部には、回転ベース27を回転させる駆動機18が取り付けられている。この駆動機18として、この実施形態では、ステッピングモータが用いられている。駆動機18の回転は、互いに噛み合う円形の駆動ギヤ34および従動ギヤ32を介して回転ベース27に伝達され、これにより、レンズ23がバルブ22とともに回転駆動される。リフレクタ24、レンズ支柱25、回転軸26、回転ベース27、バルブブラケット31および従動ギヤ32が、ヘッドランプ12の照射範囲を変化させる照射範囲可変機構17を構成している。
さらに、前記回転ベース27の外周部には、図2(b)に示す従動ギヤ32の未形成箇所における周方向中央部に、外方に向け突出する被検出体35が一体形成されている。一方、固定ベース28には、予め定められた原点位置に、前記被検知体35を非接触で検出する原点センサ29が取り付けられている。被検知体35は、ヘッドランプ12の照射範囲可変機構17(図2(a))が回転の原点位置、つまり回転角度が0°に位置した時点で、被検知体35の中央の原点位置35M が原点センサ29に対し近接対向する位置に配置されている。前記原点センサ29としては、被検知体35の右端35R または端35L が近接対向した時点で被検知体35を検出してオンする安価なオン/オフ型のもの、例えば磁気近接センサや光電センサが用いられている。この被検知体35および原点センサ29は、前述の駆動機18および照射範囲可変機構17とともに、ヘッドランプ12の照射範囲を回転によって変更する配光調整機構16を構成する。なお、駆動機18の電源コードまたは信号コード、ならびに前記バルブ22の電源コード33は、ランプケース21に設けた図示しないコード導出孔から外部に導出されている。
前記レンズ23およびバルブ22は、回転角度が0°の状態で、図7(a)に示したように、水平線Hに沿って左右に広がる照射範囲(配光)Aとなる、一般的な照射範囲を有する。その照射範囲は、例えば、図2のバルブ22に光の発散方向を調節する光調節板を設け、レンズ23の前面あるいはレンズ後面に多数のシリンドリカルレンズ素子やフレネルレンズ素子を一体形成することにより付与することができる。
図1に示した電子コントロールユニットEは、従来から自動二輪車1に搭載されている電気系統制御用のものに、制御プログラムの一部を変更または追加することにより、新たな制御手段を付加して、回転制御装置15を構成している。すなわち、図3に示すように、前記電子コントロールユニットEには、原点算出手段39、更新手段40、脱調検出手段41、回転異常検出手段44および駆動制御手段42の各機能が新たに付加されて、配光制御手段20が構成されている。駆動制御手段42は、後述のバンク角に基づき配光調整機構16の駆動機18を回転制御して照射範囲可変機構17を回転させ、バンクした方向と逆方向にバルブ22およびレンズ23をバンク角の大きさに応じた角度だけ回転させるように制御する。
回転制御装置15に設けたバンク角検知手段19は、自動二輪車1(図1)の車体のバンク角、つまり車体の鉛直線に対する左右方向の傾斜角度を検知する手段であって、ジャイロ51で検出された車体の上下軸心回りの回転角速度と、速度計52で検出された車速とから求めたバンク角を、加速度計53で検出された車体の左右方向の加速度に基づき修正して、車体バンク角を算出する。このバンク角検知手段19については、本件出願人が先に提案した特願2003−063082号において詳細に説明されている。
また、上述のように原点算出手段39、更新手段40、脱調検出手段41、回転異常検出手段44および駆動制御手段42からなる配光制御手段20を設けたのに伴って、回転制御装置15には、駆動制御手段42から駆動機18に供給する駆動パルスをその正負に応じて加算または減算して駆動パルスの積算カウント値を算出する積算パルスカウンタ45と、原点算出手段39が算出した原点位置データを記憶する第1メモリ47Aと、後述する脱調検出のために図2(b)に示した被検知体35の原点位置35M から右端35R または左端35L までの範囲に相当する回転角度だけ回転させるのに要する図3の駆動機18への駆動パルスのパルス数を記憶する第2メモリ47Bと、原点算出手段39の指令に基づき所定時間の計時を行うタイマ回路48とが設けられている。
次に、前記自動二輪車用ヘッドランプ装置11の動作について、図4のフローチャートを参照しながら説明する。イグニッション・スイッチがオンされると、図4のフローチャートに示す制御処理が実行されて、図3の配光調整機構16に含まれた照射範囲可変機構17が回転の原点位置に位置決めされる。すなわち、この実施形態では、配光調整機構16の回転駆動源である駆動機18として、絶対角度が不明なステッピングモータが用いられていることから、先ず、照射範囲可変機構17、したがってバルブ22およびレンズ23を回転の原点位置に位置決めする制御処理が行われ、その位置を基準として、ステッピングモータ18を左右いずれかの方向に向けバンク角に対応する所要の角度だけ回転させるように制御する。
配光制御手段20の原点算出手段39は、イグニッション・スイッチがオンされるのを監視し(図4のステップS1)、オンされたと判別した時点で、原点センサ29が被検知体35を検出してオン状態になっているか否かを、原点センサ29からの検出信号の入力の有無に基づき判別する(ステップS2)。自動二輪車1では、停車してイグニッション・スイッチがオフされるときに、ヘッドランプ12が回転の原点位置またはその近傍に位置して原点センサ29がオン状態になっていることが多いので、ステップS2では原点センサ29がオン状態になっているのが一般的である。
そして、原点センサ29がオンであると判別されると、原点算出手段39は、駆動制御手段42に対し、駆動機18を後方から見て左回転させる制御を開始するよう指令し(ステップS3)、そののち、原点センサ29がオン状態からオフ状態に移行するのを監視する(ステップS4)。
上述のように駆動機18の左回転に伴って図2(a)の照射範囲可変機構17の回転ベース27が左回転し、図2(b)に示す回転ベース27の被検知体35の右端35R が原点センサ29から外れて原点センサ29がオフ状態に移行すると、その時点での現在位置PL (図3の積算パルスカウンタ45がカウントしたパルスカウント値)を検知する(ステップS5)。ついで、原点算出手段39が、駆動制御手段42に対し、駆動機18を一旦停止させたのちに、正転用駆動パルスを供給して右回転させるよう指令する(ステップS6)。この右回転が開始されて原点センサ29が再びオン状態となったのち、図2(b)の被検知体35の左端35L が原点センサ29から外れて原点センサ29がオフ状態に移行するのを監視し(ステップS7)、原点センサ29のオフ状態への移行であると判別した時点で、そのときの現在位置PR (パルスカウント値)を検知し(ステップS8)、駆動制御手段42に対し、駆動機18を回転停止させるよう指令する(ステップS9)。前記両カウント数PL ,PR は、第1メモリ47Aに記憶されている前回の原点位置からのパルス数である。
原点算出手段39は、ステップS5,S8で求めた現在位置PL 、PR のパルスカウント値の和を2で除算する簡単な演算を行うことにより、ヘッドランプ12の回転の原点位置を示す原点位置データを算出する(ステップS10)。つぎに、更新手段40は、算出した原点位置データを第1メモリ47Aに書き込むことにより登録する(ステップS11)。
上述のように、原点センサ29は、被検知体35の左右両端35L ,35R を検出すればよいだけであるから、被検知体上のワンポイントを正確に検出する高精度なものを用いる必要がなく、磁気近接センサや光電センサのようなオン/オフ型の安価なもので十分である。これにより、このヘッドランプ装置11では、生産コストの低減を図ることができる。
他方、被検知体35の位置が原点付近から大きく外れているために図4のステップS2で原点センサ29がオフ状態であると判別された場合には、図3の原点センサ29を一旦オン状態とする制御が行われる。すなわち、原点算出手段39は、駆動機18を左回転させると同時にタイマ回路48に所定時間の計時を指令し(ステップS13)、原点センサ29のオン状態への移行の判別(ステップS14)と、タイマ回路48が所定時間を計時し終えてタイムオーバーとなったか否か、つまり、回転し過ぎているか否かの判別(ステップS15)とを行う。原点センサ29がオン状態へ移行した場合には、ステップS2にリターンして上述と同様の制御処理を実行する。
一方、タイムオーバーであると判別した場合には、被検知体35が左回転側には存在しないと見なして、駆動制御手段42に対し駆動機18の回転を右回転に変更するよう指令し(ステップS16)、原点センサ29がオン状態へ移行したと判別したとき(ステップS17)、ステップS2にリターンして、上述と同様の制御処理を実行する。これにより、原点センサ29をオン状態とするに際して、照射範囲可変機構17を原点位置とは反対の回転方向に回し過ぎるのを防止でき、原点センサ29を迅速にオン状態に移行させることができる。
上述のようにして照射範囲可変機構17の原点位置が求められたならば、配光制御手段20の駆動制御手段42が、車体がバンクしていない直進走行時には照射範囲可変機構17を原点位置に戻すように駆動パルスを出力して駆動機18を回転制御する。駆動制御手段42は、車体がバンクしたとき、バンク角検知手段19から入力されるバンク角に基づく数の駆動パルスを出力して配光調整機構16の駆動機18を回転制御し、バンクした方向と逆方向に照射範囲可変機構17をバンク角の大きさに応じた角度だけ回転させて、バルブ22およびレンズ23を同じ角度だけ回転させるように制御する。照射範囲可変機構17を原点位置に戻すときには、積算パルスカウンタ45のパルスカウント値が原点位置のカウント値になるまで駆動機18に正(正転用)または負(逆転用)の駆動パルスを供給する。
このように配光制御手段20がバルブ22およびレンズ23をバンク角の大きさに応じて回転制御することにより、例えば、夜間走行中の自動二輪車1(図1)が左側にコーナリングするときに、レンズ23およびバルブ22が車体のバンクした方向と逆方向に回動されて、照射範囲(配光)Aがバンク角よりも若干大きい角度だけ逆方向に回動されることになる。このとき、駆動制御手段42は、駆動機18の回転量がバンク角の大きさに応じた値に達した時点で、これに応答して駆動機18を停止させる。これにより、バンクした方向と逆方向に、車体バンク角の大きさに応じた角度だけ照射範囲Aが回転する。
これにより、自動二輪車1が例えば図6に示すように、カーブした車線50に沿って矢印Pで示す左側に進行方向を変えるとき、ヘッドランプ装置11の照射範囲Aは、図7(a)に示す直進時の水平線Hに沿った左右に延びた状態から、図6のように若干左上がりに傾斜した状態となる。その結果、ライダーの目線が向く旋回方向の内側(同図に破線の円で囲む部分B)への配光が図7(b)に示す従来例の場合に比べてはるかに多くなり、それだけ視野が広くなる。なお、照射範囲Aの形状によっては、バンクした方向と逆方向ではなく同一方向に、車体バンク角の大きさに応じた角度だけ照射範囲Aを回転させて、ライダーの目線が向く旋回方向の内側への配光を増大させることもある。
図3の駆動機18として用いているステッピングモータは、入力パルス数に比例した回転角に正確に回転制御できることから、オープンループの位置決め制御が可能であり、フィードバック制御系が不要であるので、構成の簡素化に伴って生産コストの低減を図ることができる。他方、ステッピングモータは、ステップ数が入力パルスと1対1の関係で駆動できる負荷トルクの範囲を超えたパルス入力に対して脱調する場合がある。そこで、このヘッドランプ装置11では、前記脱調が発生したか否かを、配光制御手段20に設けた脱調検出手段41により監視するようになっている。
つぎに、脱調の発生の有無を検出する制御処理について、図5のフローチャートを参照しながら説明する。なお、図5のフローチャートは、脱調の発生の有無を検出して、この脱調を自動補正し、さらに、モータの回転停止のような回転異常をも検出する一連の制御処理の流れを示したもので、脱調検出手段41、駆動制御手段42および回転異常検出手段44が実行する制御を合わせて示している。
例えば、旋回走行時に照射範囲可変機構17が回転されたのち、直進走行に移行したことで、照射範囲可変機構17が駆動機18によって原点位置に向けて回転され始める(図5のステップS21)。この原点位置に向けた駆動機18の回転は、駆動パルス数が原点位置のパルスカウント値に近づいて行くことを判別することで検出できる。
脱調検出手段41は、駆動機18が原点位置に向け回転しているときに、原点センサ29が、図2(b)の被検知体35の右端35R または左端35L を検出して、オフ状態からオン状態に移行するのを監視し(ステップS22)、原点センサ29のオン状態への移行であると判別したときに、その時点での積算パルスカウンタ45のパルスカウント値を抽出することで現在位置PE を割り出す(ステップS23)。続いて、脱調検出手段41は、前記オン状態への移行であると判別した時点から、駆動制御手段42が駆動機18に対し供給する駆動パルスの供給数を計数する処理を開始する(ステップS24)。
一方、駆動制御手段42は、積算パルスカウンタ45のカウント値が図4のステップS10で求めた原点位置のパルスカウント値になったか否かを監視し(ステップS25)、原点位置になったと判別した時点で駆動パルスの出力を停止して駆動機18を回転停止させ(ステップS26)、脱調検出手段41が駆動パルスの計数動作を停止して,その時点での現在位置PO を検知する(ステップS27)。第2メモリ47Bには被検知体35の両端35R ,35L 位置のパルス数の差の1/2が予め設定値として記憶されており、脱調検出手段41は、第2メモリ47Bから設定値(差)を示すパルス数(カウント値)を読み出して、この読み出した設定値(パルス値)と脱調検出手段41が計数した駆動パルスの供給数|PE −PO |とが一致するか否かの判別を行う(ステップS28)。一致した場合には、脱調が発生していないと判別して、一連の制御処理を終了する。
一方、一致しなかった場合 脱調検出手段41は、脱調の発生であると判別し、原点算出手段39に対し、|PE −PO |と設定値との差の分だけ原点位置のデータを修正するよう指令する(ステップS29)。これにより、脱調が発生しても、これを検出して自動的に補正することができる。
一方、回転異常検出手段44は、ステップS22において、原点センサ29のオフ状態からオン状態への移行を監視しているときに、積算パルスカウンタ45のパルスカウント値が原点位置のカウント値になったか否かを判別し(ステップS31)、原点センサ29がオン状態へ移行する前に積算パルスカウンタ45のカウント値が原点位置のカウント値になったと判別したときに、警報ランプ(図示せず)を点灯してライダーにヘッドランプ装置11に回転停止のような回転異常が発生したことを警報する(ステップS32)。
なお、前記実施形態では、駆動機18としてステッピングモータを用いる場合を例示して説明したが、駆動機として直流モータを用いて、この直流モータの回転角度をエンコーダで検出する構成にも適用することができる。また、前記実施形態では、照射範囲可変機構17によってバルブ22とレンズ23とを一体に回転させる構成としたが、バルブ22とレンズ23のいずれか一方のみを回転させるだけでもよいし、例えばリフレクタ24に配光性を持たせてある場合には、リフレクタ24のみを回転させるようにしてもよい。
本発明の実施形態に係るヘッドランプ装置を取り付けた自動二輪車の側面図である。 同上のヘッドランプ装置におけるヘッドランプの縦断面図である。 同上のヘッドランプ装置の概略構成を示すブロック図である。 同上のヘッドランプ装置における回転の原点位置に位置決めする制御処理を示すフローチャートである。 同上のヘッドランプ装置における脱調および回転異常を検出する制御処理を示すフローチャートである。 本発明に係るヘッドランプのコーナリング時の照射範囲を示す前方視認図である。 (a)は自動二輪車が直進走行するときのヘッドランプの照射範囲を示す前方視認図、(b)は従来のヘッドランプのコーナリング時の照射範囲を示す前方視認図である。
符号の説明
1 自動二輪車
11 ヘッドランプ装置
12 ヘッドランプ
16 配光調整機構
17 照射範囲可変機構
18 駆動機
20 配光制御手段
22 バルブ(発光体)
29 原点センサ(センサ)
35 被検知体
35M 被検知体の原点位置
35R 被検知体の右端
35L 被検知体の右端
39 原点算出手段
41 脱調検出手段
40 更新手段
44 回転異常検出手段
A 照射範囲

Claims (5)

  1. 車体の前方を照射する発光体と、
    前記発光体による照射範囲を回転によって変更する配光調整機構と、
    前記配光調整機構を制御して前記照射範囲を調整する配光制御手段とを備え、
    前記配光調整機構は、前記回転を行う駆動機と、被検知体と、前記回転の原点位置で前記被検知体を検出するセンサとを有し、
    前記配光制御手段は、前記被検知体の回転方向の両端の検知に基づき前記原点位置を算出する原点算出手段を有している自動二輪車用ヘッドランプ装置。
  2. 請求項1において、前記駆動機はステッピングモータであり、さらに、前記被検知体の回転方向の一端の検知と前記原点位置とに基づいて前記駆動機の脱調を検出する脱調検出手段を有している自動二輪車用ヘッドランプ装置。
  3. 車体の前方を照射する発光体と、
    前記発光体による照射範囲を回転によって変更する配光調整機構と、
    前記配光調整機構を制御して前記照射範囲を調整する配光制御手段とを備え、
    前記配光調整機構は、前記回転を行う駆動機と、被検知体と、前記回転の原点位置で前記被検知体を検出するセンサとを有し、
    前記配光制御手段は、イグニッション・スイッチがオンされると、前記照射範囲を後方から見て左回転させて前記センサに前記被検知体を検出させる原点算出手段を有している自動二輪車用ヘッドランプ装置。
  4. 車体の前方を照射する発光体と、
    前記発光体による照射範囲を回転によって変更する配光調整機構と、
    前記配光調整機構を制御して前記照射範囲を調整する配光制御手段とを備え、
    前記配光調整機構は、前記回転を行う駆動機と、被検知体と、前記回転の原点位置で前記被検知体を検出するセンサとを有し、
    前記配光制御手段は、イグニッション・スイッチがオン時に、前記照射範囲を所定時間一方向に角変位させても前記被検知体を検出しない場合に、前記照射範囲を他方向に角変位させて前記センサに前記被検知体を検出させる原点算出手段を有している自動二輪車用ヘッドランプ装置。
  5. 車体の前方を照射する発光体と、
    前記発光体による照射範囲を回転によって変更する配光調整機構と、
    前記配光調整機構を制御して前記照射範囲を調整する配光制御手段とを備え、
    前記配光調整機構は、前記回転を行う駆動機と、前記駆動機に噛み合って駆動される従動ギヤを有し回転して前記照射範囲を変更する回転ベースと、該回転ベースに設けられた被検知体と、前記回転の原点位置で前記被検知体を検出するセンサとを有する自動二輪車用ヘッドランプ装置。
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