JP4449181B2 - Worm gear device - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウォームホイールと、これと噛合するウォームよりなるウォームギヤ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
上述したようなウォームギヤ装置に使用されるウォームには、これと噛合されるウォームホイールとの間のバックラッシュを調整するために、複リードウォームとしたものがある。複リードウォームは円筒状のウォームであって、ウォーム歯部の一方の歯面と他方の歯面の各リードおよび圧力角を異ならせたものであり(図2参照)、標準的なホブで加工した普通のウォームホイールと組み合わせて使用するのが普通である。図2のような形状の場合、複リードウォームよりなるウォームは右に行くにつれて歯厚が減少し、歯溝の幅が増大するようになっているので、ウォームとウォームホイールの間のバックラッシュは、ウォームホイールに対しウォームを右に移動すれば減少し、左に移動すれば増大し、これによりバックラッシュを調整することができる。
【0003】
通常のウォームギヤ装置では主たる動力伝達方向は定まっているので、従来の複リードウォームを用いたウォームギヤ装置では、主たる動力伝達の際に当接する側となる複リードウォームよりなるウォームの一方の歯面のリード角および圧力角をホイール歯部のねじれ角および圧力角と対応する値とし、反対側となる他方のウォーム歯面のリード角および圧力角はウォーム歯面のそれよりも大きくしている。なおここでいう圧力角は、複リードウォームの中心軸線を含む断面における値である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
複リードウォームによるバックラッシュの調整は、ウォームの移動量を小さくしてバックラッシュの調整範囲を広げることが好ましく、そのためには複リードウォームの両歯面のリードの差をなるべく大きくする必要がある。しかしながらそのようにすると動力伝達特性が正方向と逆方向とで異なったものとなり、電動式パワーステアリング装置に使用する場合には、操舵の向きにより操舵トルク特性に違いを生じて操舵に異和感を生じるという問題が生じる。以下にその理由について述べる。
【0005】
先ず図5により、複リードでない普通のウォームを使用したウォームギャ装置の場合の説明をする。ウォームホイール30Aは、それと噛合するウォーム20Aよりも大径でそのウォーム歯部21Aのリード角と同じねじれ角が得られるように交差して配置したホブを半径方向から送り込んでホイール歯部31Aを切削した普通のものである。ウォーム20Aのピッチ円筒面に沿った断面(ピッチ円筒面を平面に展開して示したもの。以下同じ)は、図5に示す通りとなり、この断面におけるホイール歯部31Aのホイール歯面32A,33Aには外向きに緩く突出して湾曲したクラウニングが形成され、またホイール歯部31Aの中心線Qは2つのウォーム歯部21Aの間の歯溝の中心線Pと一致している。従ってウォーム歯部21Aの一方のウォーム歯面22Aとホイール歯面32Aの間の当接位置と、他方のウォーム歯面23Aとホイール歯面33Aの間の当接位置とは、それぞれ符号C3およびC4に示すように、いずれもウォームホイール30Aのホイール歯部31Aの歯すじ方向中央位置となる。また、各ウォーム歯部21Aの間の歯溝の中心線Pとホイール歯部31Aの中心線Qは、ウォームギヤの作動にともない、いずれもウォーム歯部21Aとホイール歯部31Aの噛み合い範囲の中央部Mを通って移動する。
【0006】
次に図6(a) により、ウォームとして複リードウォーム20Bを使用した場合の説明をする。このウォーム20Bのウォーム歯部21Bは、一方のウォーム歯面22Aは図5のものと同一とし、他方のウォーム歯面23Bはリード角および圧力角を一方のウォーム歯面22Aより大とした複リードウォームである。またウォームホイール30Aは上述した普通のものである。この場合は、一方のウォーム歯面22Aは図5のものと同一であるので、一方のウォーム歯面22Aとホイール歯面32Aの間の当接位置は、図5と同じ符号C3で示すようにホイール歯部31Aの歯すじ方向中央位置であるが、他方のウォーム歯面23Bはリード角が図5の他方のウォーム歯面23Aより大きいので、このウォーム歯面23Bとホイール歯面33のA間の当接位置は、符号C5で示すようにホイール歯部31Aの歯すじ方向中央からずれる。また、各ウォーム歯部21Bの間の歯溝の中心線Paの方向は両ウォーム歯面22A,23Bのリード角の差の半分だけ図5の中心線Pの方向からずれ、一方中心線Qの方向は図5のままなので、中心線Paと中心線Qの間には両ウォーム歯面22A,23Bのリード角の差の半分に相当する交差角が生じる。
【0007】
図6(b) は、一方のウォーム歯面22Aのリード角は図6(a) のものと同じとし、他方のウォーム歯面23Cのリード角は図6(a) のウォーム歯面23Bより大きくすることにより両歯面22A,23Cのリード角の差を大きくしたウォーム歯部21Cを有する複リードのウォーム20Cを使用したものを示している。この場合は、一方のウォーム歯面22Aとホイール歯面32Aの間の当接位置は符号C3で示すようにホイール歯部31Aの歯すじ方向中央位置のままであるが、他方のウォーム歯面23Cとホイール歯面33Aの当接位置の歯すじ方向中央からのずれは大きくなり、符号C6で示すように、他方のウォーム歯面23Cは歯すじ方向末端の角部において他方のホイール歯面33Aに当たるようになり、また各ウォーム歯部21Cの間の歯溝の中心線Pbとホイール歯部の中心線Qとの間の交差角も大きくなる。このようにウォーム歯面23Cがホイール歯面33Aの角部に当たった状態あるいはこれに接近した状態では、その部分の当たりは、符号C3で示すように歯すじ方向中央で緩く湾曲した一方のホイール歯面32Aに当たる一方のウォーム歯面22Aとは当たり具合が異なったものとなり、従って他方の歯面23Cおよび歯面33Aの間と一方の歯面22Aおよび歯面32Aの間とでは摩擦特性が異なったものとなり、滑りを伴う動力伝達特性が正方向と逆方向とで異なったものとなる。
【0008】
パワーアシスト部を備えた電動式パワーステアリング装置(例えば図1参照)では、ハンドルを一方向に切り込んでいるときのアシスト力の伝達は一方のウォーム歯面とホイール歯面の間で行われ、逆方向に切り込んでいるときのアシスト力の伝達は他方のウォーム歯面と他方のホイール歯面の間で行われる。しかしながら上述のように、ウォームとウォームホイールの間の滑りを伴う動力伝達特性が正方向と逆方向とで異なると、右向きに切り込む場合と左向きに切り込む場合とで操舵トルク特性が異なったものとなり、操舵に異和感を生じるという問題がある。
【0009】
上述のように、複リードウォームを用いた電動式パワーステアリング装置においては、一方ではバックラッシュの調整範囲を広げるために複リードウォームの両歯面のリードの差を増大する必要があり、他方では操舵の向きの違いによる異和感の発生を防止するために両歯面のリードの差の増大に制限がある。このようにウォームギヤ装置の動力伝達特性が正方向と逆方向とで異なることにより生じる問題は、電動式パワーステアリング装置の場合に限らず、正逆両方向において同じように動力伝達をする必要があるウォームギヤ装置では常に存在する。本発明はウォームギヤ装置において動力伝達特性が正方向と逆方向とで異なることなく、しかもバックラッシュの調整範囲を広げ、さらに製造コストを低下させることを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
このために、請求項1の発明によるウォームギヤ装置は、ウォームホイールと、このウォームホイールのホイール歯部と噛合するウォーム歯部を有するウォームとからなり、ウォームは複リードウォームとしてなるウォームギヤ装置において、ウォームホイールははすば平歯車とし、ウォーム歯部とホイール歯部の噛み合い範囲の中央部におけるウォーム歯部の一方の歯面のリード角は中央部におけるホイール歯部のねじれ角よりも所定量だけ小とし、中央部におけるウォーム歯部の他方の歯面のリード角は中央部におけるホイール歯部のねじれ角よりも所定量だけ大とすることにより、中央部におけるウォーム歯部の間の歯溝の中心線とホイール歯部の中心線とが一致するようにウォーム歯部およびホイール歯部を配置したことを特徴とするものである。ウォーム歯部とホイール歯部の噛み合い範囲の中央部におけるウォーム歯部の一方及び他方の歯面のリード角を上述のようにして、中央部におけるウォーム歯部の間の歯溝の中心線とホイール歯部の中心線とが一致するようにウォーム歯部およびホイール歯部を配置することにより、一方のウォーム歯面とホイール歯面との間の当接位置と、他方のウォーム歯面とホイール歯面との間の当接位置は、いずれもホイール歯部の歯すじ方向中央位置からほゞ同じ距離だけずれた位置となる。そして両ウォーム歯面のリード角の差が大きくなるにつれて、ホイール歯部の歯すじ方向中央位置に対する一方および他方の各当接位置のずれはほゞ同様に増大し、各ウォーム歯面はほゞ同時にそれぞれ歯すじ方向末端の角部において各ホイール歯面に当たるようになる。この際の両ウォーム歯面のリード角の差は、ウォームホイールがはすば平歯車でない普通のものであれば、一方のウォーム歯面はホイール歯部の歯すじ方向中央位置で一方のホイール歯面と当接し、他方のウォーム歯面だけが歯すじ方向末端の角部において他方のホイール歯面と当接するようになる従来技術の場合の約2倍となる。しかしながら本発明ではウォームホイールをはすば平歯車としており、これによりホイール歯面に形成されるクラウニングが増大するので、各ホイール歯面に対する各ウォーム歯面の当接位置が各ホイール歯面の歯すじ方向末端に達するときの両ウォーム歯面のリード角の差はさらに増大して、はすば平歯車でない普通のウォームホイールを用いた従来技術の場合に比して2倍を超える値となる。
請求項1の発明によるウォームギヤ装置は、請求項2に記載のように、ウォーム歯部とホイール歯部の噛み合い範囲の中央部におけるウォーム歯部の一方の歯面のリード角は中央部におけるホイール歯部のねじれ角よりも所定量だけ小とし、同じ中央部におけるウォーム歯部の他方の歯面のリード角は中央部におけるホイール歯部のねじれ角よりも所定量だけ大とするのに加え、ウォームの中心軸線とウォームホイールの中心軸線の交差角度を調整することにより、中央部におけるウォーム歯部の間の歯溝の中心線とホイール歯部の中心線とが一致するようにウォーム歯部およびホイール歯部を配置してもよい。このようにしても請求項1の発明と同様、一方のウォーム歯面とホイール歯面の間の当接位置と、他方のウォーム歯面とホイール歯面の間の当接位置は、いずれもホイール歯部の歯すじ方向中央位置からほゞ同じ距離だけずれた位置となり、この当接位置が各ホイール歯面の歯すじ方向末端に達するときの両ウォーム歯面のリード角の差は、はすば平歯車でない普通のウォームホイールを用いた従来技術の場合に比して2倍を超える値となる。
【0011】
また、請求項3の発明によるウォームギヤ装置は、ウォームホイールと、このウォームホイールのホイール歯部と噛合するウォーム歯部を有するウォームとからなり、ウォームは複リードウォームとしてなるウォームギヤ装置において、ウォームホイールははすば平歯車とし、ウォームの中心軸線とウォームホイールの中心軸線の交差角度を調整することにより、ウォーム歯部とホイール歯部の噛み合い範囲の中央部におけるウォーム歯部の間の歯溝の中心線とホイール歯部の中心線とが一致するようにウォーム歯部およびホイール歯部を配置したことを特徴とするものである。この請求項3の発明も、請求項1の発明と同様、一方のウォーム歯面とホイール歯面の間の当接位置と、他方のウォーム歯面とホイール歯面の間の当接位置は、いずれもホイール歯部の歯すじ方向中央位置からほゞ同じ距離だけずれた位置となり、この当接位置が各ホイール歯面の歯すじ方向末端に達するときの両ウォーム歯面のリード角の差は、はすば平歯車でない普通のウォームホイールを用いた従来技術の場合に比して2倍を超える値となる。
【0012】
前各項の発明のウォームギヤ装置は、ウォームホイールをステアリングシャフトに連結し、ウォームを電動モータで回転駆動してステアリングシャフトにアシスト力を与える電動パワーステアリングのパワーアシスト部を構成するのに使用することが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下に、図1〜図3により、本発明によるウォームギヤ装置を電動式パワーステアリング装置に適用した第1の実施の形態の説明をする。この電動式パワーステアリング装置のパワーアシスト部は、図1に示すように、操舵ハンドルにより回転されるステアリングシャフト18に連結されたウォームホイール30と、このウォームホイール30のホイール歯部31と噛合するウォーム歯部21を有する円筒状のウォーム20と、このウォーム20を回転駆動する電動モータ16からなり、これらはステアリングコラムに固定されたハウジング10により支持されている。このウォーム20とウォームホイール30が本発明のウォームギヤ装置を構成している。ウォーム20の中心軸線O1とウォームホイール30の中心軸線O2の交差角はこの実施の形態では直角としたが、必ずしもこれに限るものではない。この電動式パワーステアリング装置の制御装置は、ステアリングシャフト18に設けたトルクセンサにより検出した操舵トルクに基づいて電動モータ16を作動させ、ウォーム20とウォームホイール30を介してステアリングシャフト18にアシスト力を与える。ウォーム20とウォームホイール30の歯部21,31の噛み合い範囲の中央部Mは、通常は後述するように、両中心軸線O1,O2と直交する線L上で歯部21,31の歯丈の中央付近である。
【0014】
ウォーム20は、その両端部がボールベアリング11を介してハウジング10に軸承され、ウォーム20の先端部20aは、電動モータ16の出力軸に摺動自在にスプライン結合されている。ウォーム20の先端部20a側となる軸部に係止したスナップリング13と一方のボールベアリング11の内輪との間には1対の異形の皿ばね12からなる弾性部材12が介装され、またウォーム20の他端側となる軸部の先端に形成したねじ部20bには他方のボールベアリング11の内輪と当接するナット14が螺合されている。ねじ部20bの先端に形成した二面取り部20cによりウォーム20の回転を阻止した状態で、ナット14をねじ込めば弾性部材12が撓められてウォーム20は右方に移動し、ナット14を戻せば弾性部材12の撓みが復元してウォーム20は左方に移動し、これにより軸線方向位置が調整される。ウォーム20は、図2に示すようにウォーム歯部21の両側のウォーム歯面22,23のリード角が異なる2条の複リードウォームで、ウォーム歯部21の歯厚は右側に行くにつれて小さくなり、歯溝24の幅は右側に行くにつれて大きくなるようになっている。したがってウォーム20とウォームホイール30の間のバックラッシュは、ナット14をねじ込んでウォーム20を右に移動すれば減少し、ナット14を緩めて左に移動すれば増大する。
【0015】
この種のウォームギヤ装置では、組立時にあるいはある程度使用して噛合部に摩耗やなじみが生じた場合にウォーム20とウォームホイール30の間のバックラッシュを調整する必要があるが、このバックラッシュは上述のようにしてウォーム20を移動することにより、きわめて容易に調整することができる。また弾性部材12を圧縮するようにステアリングシャフト18に加わる衝撃的トルクは、弾性部材12により緩衝することができる。
【0016】
この実施の形態のウォームホイール30は普通のはすば平歯車であり、ウォーム20との噛み合い範囲の中央部Mにおけるねじれ角はβ0 である。このウォームホイール30は、ウォーム20の中心軸線O1を含む断面(すなわち図2の紙面)上における各ホイール歯部31の断面形状がホイール歯部31の中心線(例えば図2の線L参照)に対し対称であり、冷間型鍛造、焼結、合成樹脂インジェクションなどにより型成形したものでもよいし、標準的なホブにより切削したものでもよい。
【0017】
また複リードウォーム20は、両ウォーム歯面22,23のリード角の差をβd とした場合、ウォームホイール30のねじれ角β0 に対して、一方のウォーム歯面22のリード角β1 はβd/2 だけ小さくし、他方のウォーム歯面23のリード角β2 はβd/2 だけ大きくしている。各リード角β1,β2およびねじれ角β0 は、ウォームホイール30の歯部21,31の噛み合い範囲の中央部Mにおける値をとればよい。
【0018】
また各ウォーム歯面22,23の圧力角α1,α2は、各ウォーム歯面22,23の法線方向のピッチが互いに等しく、かつ各ホイール歯面32,33の法線ピッチと等しくなるように、すなわち
ただし d:ウォーム20の中心軸線O1を中心として噛み合い範囲の中央部Mを含む円筒面の半径
n:ウォーム20の条数
となるように定める。これらの各圧力角α1,α2、各法線ピッチは、ウォーム20の中心軸線O1を含む断面上における値である。
【0019】
このようなウォーム20とウォームホイール30を噛合させた状態では、図2に示すように、一方のウォーム歯面22とホイール歯面32については、ウォーム20側の第1ピッチ線Lp1とウォームホイール30側の第1ピッチ円Cp1とはウォーム20とウォームホイール30の両中心軸線O1,O2と直交する線L上において転がり接触をし、この両歯面22,32の当接点(本当の当接点は図2の断面から歯すじ方向にずれた位置にあり(図3参照)、図2の断面ではわずかの隙間がある)は作用線La1に沿って移動する。同様に、他方のウォーム歯面23と他方のホイール歯面33については、ウォーム20側の第2ピッチ線Lp2とウォームホイール30側の第2ピッチ円Cp2とが線L上において転がり接触をし、この両歯面23,33の当接点は作用線La2に沿って移動する。第1ピッチ円Cp1と第1ピッチ線Lp1との間の転がり接触点と、第2ピッチ円Cp2と第2ピッチ線Lp2との間の転がり接触点は、一致はしないが互いに接近しており、噛み合い範囲の中央部Mは線L上でこの両接触点を含むものである。この実施の形態では、中央部Mは歯丈の中央付近にあるが、歯形を転移するなどにより各ピッチ円Cp1,Cp2、ピッチ線Lp1,Lp2の位置を移動させればそれにともなって移動する。
【0020】
図3は、図2に示すこのような各歯面22,32,23,33の当接点を通るA−A線に沿った断面であり、ウォーム20の中心軸線O1を中心としてウォーム歯部21とホイール歯部31の噛み合い範囲の中央部Mを含む円筒面に沿った断面を示している。なお、この場合の円筒面は複数になるが、図3は各円筒面に沿った断面を平面に展開してつないで示したものである。ウォームホイール30ははすば平歯車であるので、図3に示すホイール歯面32.33の断面に形成されるクラウニングは、ホブを半径方向から送り込んで切削した従来技術のウォームホイール30Aに比して大となり、各歯面32,33の断面の湾曲の程度は大きく(したがって曲率半径は小さく)なる。噛み合い範囲の中央部Mにおけるホイール歯部31の中心線Qの方向は、図5および図6に示す従来技術の場合と同じである。
ウォーム20は、前述のように、一方のウォーム歯面22のリード角β1 はウォームホイール30のねじれ角β0 に比してβd/2 だけ小さくし、他方のウォーム歯面23のリード角β2 はねじれ角β0 に比してβd/2 だけ大きくしている。これにより、図3に示すように、中央部Mにおけるウォーム歯部21の間の歯溝24の中心線Pとホイール歯部31の中心線Qとが一致し、また一方のウォーム歯面22とホイール歯面32の間の当接位置と、他方のウォーム歯面23とホイール歯面33の間の当接位置は、それぞれ符号C1および符号C2に示すように、ホイール歯部31の歯すじ方向中央位置からほゞ同じ距離だけずれた位置となる。
【0021】
そして両ウォーム歯面22,23のリード角の差が大きくなるにつれて、ホイール歯部31の歯すじ方向中央位置に対する各当接位置C1および当接位置C2のずれはほゞ同様に増大し、ほゞ同時にホイール歯部31の歯すじ方向末端の角部に達する。この際の両ウォーム歯面22,23のリード角の差は、ウォームホイール30がはすば平歯車でない普通のもの(図6(b) に示す従来技術と同一のもの)であれば、図6(b) に示すように、一方のウォーム歯面22Aはホイール歯部31Aの歯すじ方向中央位置でウォームホイール30Aの一方のホイール歯面32Aと当接し、他方のウォーム歯面23Cだけが歯すじ方向末端の角部において他方のホイール歯面33Aと当接するようになる従来技術の場合の約2倍となる。
【0022】
しかしながらこの実施の形態ではウォームホイール30をはすば平歯車としており、これによりホイール歯面32,33に形成されるクラウニングが増大するので、各ホイール歯面32,33に対する各ウォーム歯面22,23の当接位置が各ホイール歯面32,33の歯すじ方向末端に達するときの両ウォーム歯面22,23のリード角の差はさらに増大して、図6(b) に示すようなはすば平歯車でない普通のウォームホイール30Aを用いた従来技術の場合に比して2倍を超える値となる。そしてそれまでの間は、各当接位置C1,C2における当たり具合は同一であり、従って滑りを伴う動力伝達特性も正方向と逆方向とで同一となり、図1に示すような電動式パワーステアリング装置に適用した場合は、ハンドルを右向きに切り込む場合と左向きに切り込む場合とで操舵トルク特性が異なったものとなることはない。
【0023】
このようにこの実施の形態によれば、両ウォーム歯面22,23のリード角の差が従来技術の2倍を越える値になるまでは電動式パワーステアリング装置の左右の操舵特性が異なることはないので、操舵の向きの違いによる操舵の異和感を生じることなく、両ウォーム歯面22,23のリード角の差を増大させてバックラッシュの調整範囲が広げることができる。なお、各ウォーム歯面22,23とホイール歯面32,33の当接位置がいずれもホイール歯面32,33の末端の角部に達した後は、当接位置の面圧が上昇して不安定な摩擦特性となり、また摩耗も増大するので実用に適しない。
【0024】
またこの実施の形態ではウォームホイール30として普通のはすば平歯車を使用しており、冷間型鍛造、焼結、合成樹脂インジェクションなどによる型成形が可能であるので、ウォームギヤ装置の製造コストを低下させることができる。
【0025】
次に図4により第2の実施の形態の説明をする。上述した第1の実施の形態では、一方のウォーム歯面22のリード角β1 をウォームホイール30のホイール歯部31のねじれ角β0 より小さく、他方のウォーム歯面23のリード角β2 をねじれ角β0 より大きくしているが、第2の実施の形態では、ウォーム20は図6(b) で説明したような両歯面22A,23Cのリード角の差を大きくした普通の複リードのウォーム20Cを使用している。ウォームホイール30は、第1の実施の形態と同じ普通のはすば平歯車である。図6(b) では、ウォーム20Cの中心軸線O1とウォームホイール30の中心軸線O2とは直交しており、一方のウォーム歯面22Aとホイール歯面32の間の当接位置は符号C3で示すようにホイール歯部31の歯すじ方向中央位置であり、他方のウォーム歯面23Cとホイール歯面33の当接位置は符号C6で示すようにホイール歯部31の歯すじ方向末端の角部である。
【0026】
しかしこの第2の実施の形態では、図4に示すように、ウォーム20Cの中心軸線O1はウォームホイール30の中心軸線O2と直交していた位置Nから、各ウォーム歯面22A,23Cのリード角の差βd の半分だけ半時計回転方向に回転させている。これにより図6(b) のウォーム歯部21Cもリード角の差βd の半分だけ半時計回転方向に回転されて、中央部Mにおけるウォーム歯部21の間の歯溝24の中心線Pとホイール歯部31の中心線Qとが一致し、一方のウォーム歯面22Aとホイール歯面32の間の当接位置はホイール歯部31の歯すじ方向中央位置から離れ、他方のウォーム歯面23Cとホイール歯面33の間の当接位置はホイール歯部31の歯すじ方向中央位置に近づき、それぞれの当接位置は図3の符号C1および符号C2で示すようなホイール歯部31の歯すじ方向中央位置からほゞ同じ距離だけずれた位置となる。
【0027】
この第2の実施の形態でも、両ウォーム歯面22,23のリード角の差が大きくなるにつれて、ウォーム歯面22,23の各当接位置はほゞ同様にホイール歯部31の歯すじ方向末端の角部に近づき、ほゞ同時にこの角部に達する。そしてこの角部に達した際の両ウォーム歯面22,23のリード角の差は、第1の実施の形態の場合と同様、図6(b) に示す従来技術の場合の2倍を超える値となる。従ってウォーム歯部21とホイール歯部31の間の一方の当接位置と他方の当接位置における摩擦特性が異なったものとなって動力伝達方向が正方向と逆方向とで動力伝達特性が異なったものとなるまでの両ウォーム歯面22,23のリード角の差も同様に増大し、これを電動式パワーステアリング装置に使用すれば、操舵の向きの違いによる異和感を生じることなくバックラッシュの調整範囲を広げることができる。
【0028】
上述した各実施の形態においては、噛み合い範囲の中央部Mにおけるウォーム歯部21の間の歯溝24の中心線Pと、ホイール歯部31の中心線Qとが正確に一致するようにしているが、この中心線Pと中心線Qとはほゞ一致させるだけでもよく、それによっても操舵の向きの違いによる異和感を生じることなくバックラッシュの調整範囲を広げることができる。また上述した各実施の形態では2条のウォームにつき説明したが、本発明は1条または3条以上の多条のウォームにも適用可能である。
【0029】
また本発明は、第1の実施の形態のやり方で先ず中心線Pと中心線Qとを近づけ、次に第2の実施の形態のやり方で中心線Pと中心線Qとを一致させるようにして実施することも可能である。
【0030】
【発明の効果】
上述のように本発明によれば、両ウォーム歯面のリード角の差が従来技術の場合に比して2倍を超える値となるまではホイール歯面に対するウォーム歯面の当接位置はホイール歯部の歯すじ方向末端に達することはなく、それまでは各当接位置における当たり具合は同一であり、動力伝達特性が正方向と逆方向とで異なることはないので、動力伝達特性が正方向と逆方向とで異なるという問題を生じることなしにバックラッシュの調整範囲を広げることができる。またウォームホイールは、はすば平歯車としたことにより型成形可能となり、これによりウォームギヤ装置の製造コストを低下させることができる。
【0031】
またこのようなウォームギヤ装置により電動パワーステアリングのパワーアシスト部を構成したものによれば、両ウォーム歯面のリード角の差が従来技術の2倍を超える値となるまでは電動式パワーステアリング装置の左右の操舵特性が異なることがないので、操舵の向きの違いによる操舵の異和感を生じることなく、バックラッシュの調整範囲を広げることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明によるウォームギヤ装置の第1の実施形態を採用した電動式パワーステアリング装置のパワーアシスト部の要部を示す断面図である。
【図2】 図1に示すウォームギヤ装置の要部を示す断面図である。
【図3】 図2のA−A線に沿った部分拡大断面図である。
【図4】 本発明によるウォームギヤ装置の第2の実施形態を示す図である。
【図5】 複リードでない普通のウォームを用いた従来技術の図2に相当する部分断面図である。
【図6】 複リードウォームを用いた従来技術の図2に相当する部分断面図である。
【符号の説明】
15…電動モータ、18…ステアリングシャフト、20…ウォーム、21…ウォーム歯部、22,23…ウォーム歯面、24…歯溝、30…ウォームホイール、31…ホイール歯部、M…噛み合い範囲の中央部、O1…ウォームの中心軸線、O2…ウォームホイールの中心軸線、P…ウォームの歯溝の中心線、Q…ホイール歯部の中心線。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a worm gear device including a worm wheel and a worm meshing with the worm wheel.
[0002]
[Prior art]
Some worms used in the worm gear device as described above have a multi-lead worm in order to adjust the backlash between the worm wheel and the worm wheel engaged therewith. The multi-lead worm is a cylindrical worm that has different lead and pressure angles on one tooth surface and the other tooth surface of the worm tooth part (see Fig. 2) and is processed with a standard hob. It is usually used in combination with an ordinary worm wheel. In the case of the shape as shown in FIG. 2, the worm made of a multi-lead worm has a tooth thickness that decreases toward the right and increases the width of the tooth gap. If the worm is moved to the right with respect to the worm wheel, it decreases, and if it moves to the left, it increases, thereby making it possible to adjust the backlash.
[0003]
In a normal worm gear device, the main power transmission direction is fixed, so in a conventional worm gear device using a multi-lead worm, one tooth surface of a worm consisting of a multi-lead worm that comes into contact with the main power transmission. The lead angle and pressure angle are set to values corresponding to the twist angle and pressure angle of the wheel teeth, and the lead angle and pressure angle of the other worm tooth surface on the opposite side are made larger than those of the worm tooth surface. Here, the pressure angle is a value in a cross section including the central axis of the multiple lead worm.
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
When adjusting the backlash by using a multiple lead worm, it is preferable to reduce the amount of movement of the worm to widen the adjustment range of the backlash. . However, if this is done, the power transmission characteristics will be different in the forward and reverse directions, and when used in an electric power steering system, the steering torque characteristics will differ depending on the steering direction, resulting in discomfort in steering. The problem arises. The reason is described below.
[0005]
First, the case of a worm gear device using an ordinary worm that is not a multiple lead will be described with reference to FIG. The
[0006]
Next, referring to FIG. 6 (a), a case where the
[0007]
6 (b), the lead angle of one
[0008]
In an electric power steering apparatus equipped with a power assist unit (see, for example, FIG. 1), the assist force is transmitted between one worm tooth surface and the wheel tooth surface when the handle is cut in one direction. Transmission of the assist force when cutting in the direction is performed between the other worm tooth surface and the other wheel tooth surface. However, as described above, when the power transmission characteristic accompanied by the slip between the worm and the worm wheel is different between the forward direction and the reverse direction, the steering torque characteristic is different between the case of cutting to the right and the case of turning to the left. There is a problem that the steering feels strange.
[0009]
As described above, in the electric power steering apparatus using the multiple lead worm, on the one hand, it is necessary to increase the difference between the leads of both tooth surfaces of the multiple lead worm in order to widen the adjustment range of the backlash. In order to prevent the occurrence of a sense of incongruity due to the difference in steering direction, there is a limit to the increase in the difference between the leads on both tooth surfaces. Thus, the problem caused by the difference in the power transmission characteristics of the worm gear device between the forward direction and the reverse direction is not limited to the case of the electric power steering device, and the worm gear that needs to transmit power in both the forward and reverse directions in the same way. Always present in the device. An object of the present invention is to increase the backlash adjustment range without reducing the power transmission characteristics between the forward direction and the reverse direction in the worm gear device, and further reduce the manufacturing cost.
[0010]
[Means for Solving the Problems]
For this,Claim 1A worm gear device according to the invention comprises a worm wheel and a worm having a worm tooth portion meshing with a wheel tooth portion of the worm wheel, wherein the worm is a multi-lead worm, and the worm wheel is a helical spur gear. ,The lead angle of one tooth surface of the worm tooth portion at the center of the meshing range of the worm tooth portion and the wheel tooth portion is set to be smaller by a predetermined amount than the twist angle of the wheel tooth portion at the center portion. By making the lead angle of the other tooth surface a predetermined amount larger than the twist angle of the wheel tooth at the center,The worm tooth portion and the wheel tooth portion are arranged so that the center line of the tooth gap between the worm tooth portions in the central portion coincides with the center line of the wheel tooth portion.The center line of the tooth gap between the worm tooth portion in the center portion and the wheel, with the lead angle of one and the other tooth surface of the worm tooth portion in the center portion of the meshing range of the worm tooth portion and the wheel tooth portion as described above Position the worm teeth and wheel teeth so that the center line of the teeth matches.By arranging, the contact position between one worm tooth surface and the wheel tooth surface and the contact position between the other worm tooth surface and the wheel tooth surface are both in the direction of the teeth of the wheel tooth portion. The position is shifted by about the same distance from the center position. As the lead angle difference between the worm tooth surfaces increases, the deviation of one and the other abutment position with respect to the center position in the tooth line direction of the wheel tooth portion increases in a similar manner. At the same time, each wheel tooth surface comes into contact with each corner at the end of the tooth trace direction. In this case, if the worm wheel is not a helical spur gear, the difference in the lead angle between the two worm tooth surfaces is that one worm tooth surface is located at the center of the tooth direction of the wheel tooth portion. This is about twice as much as in the case of the prior art in which only the other worm tooth surface comes into contact with the other wheel tooth surface at the corner portion at the end of the tooth trace direction. However, in the present invention, the worm wheel is a helical spur gear, which increases the crowning formed on the wheel tooth surface, so that the contact position of each worm tooth surface with respect to each wheel tooth surface is the tooth of each wheel tooth surface. The difference between the lead angles of the worm tooth surfaces when reaching the end of the streak direction is further increased to a value more than double that of the conventional technique using a normal worm wheel that is not a helical spur gear. .
In the worm gear device according to the first aspect of the present invention, as described in the second aspect, the lead angle of one tooth surface of the worm tooth portion in the central portion of the meshing range of the worm tooth portion and the wheel tooth portion is the wheel tooth in the central portion. In addition to making the lead angle of the other tooth surface of the worm tooth portion in the same central portion a predetermined amount larger than the twist angle of the wheel tooth portion in the central portion, By adjusting the crossing angle between the center axis of the worm wheel and the center axis of the worm wheel, the center line of the tooth gap between the worm teeth at the center and the center line of the wheel tooth coincide with each other. A tooth part may be arranged. Even in this manner, as in the first aspect of the invention, the contact position between one worm tooth surface and the wheel tooth surface and the contact position between the other worm tooth surface and the wheel tooth surface are both wheel. The difference between the lead angle of the worm tooth surfaces when the contact position reaches the end of the tooth tooth direction of each wheel tooth surface is approximately the same distance from the center position of the tooth tooth direction of the tooth portion. In other words, the value is more than twice that of the prior art using a normal worm wheel that is not a spur gear.
[0011]
According to a third aspect of the present invention, there is provided a worm gear device comprising a worm wheel and a worm having a worm tooth portion meshing with a wheel tooth portion of the worm wheel, wherein the worm is a multi-lead worm. A helical spur gear,By adjusting the crossing angle between the worm center axis and the worm wheel center axis,The meshing range of the worm teeth and wheel teethThe centerline of the tooth gap between the worm teeth at the center is matched with the centerline of the wheel teethThe worm tooth portion and the wheel tooth portion are arranged. The invention of claim 3 is also claimed in claim 1.As in the case of the present invention, the abutting position between one worm tooth surface and the wheel tooth surface and the abutting position between the other worm tooth surface and the wheel tooth surface are both center positions in the tooth line direction of the wheel tooth portion. The difference between the lead angles of the worm tooth surfaces when the contact position reaches the end of the tooth tooth direction of each wheel tooth surface is a normal worm wheel that is not a helical spur gear. The value is more than twice that of the conventional technique using.
[0012]
The worm gear device of the inventions of the preceding paragraphs is used to configure a power assist portion of an electric power steering device in which a worm wheel is connected to a steering shaft, and the worm is rotationally driven by an electric motor to apply assist force to the steering shaft. Is preferred.
[0013]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
A first embodiment in which the worm gear device according to the present invention is applied to an electric power steering device will be described below with reference to FIGS. As shown in FIG. 1, the power assist unit of the electric power steering apparatus includes a
[0014]
Both ends of the
[0015]
In this type of worm gear device, it is necessary to adjust the backlash between the
[0016]
The
[0017]
In addition, when the lead angle difference between the worm tooth surfaces 22 and 23 is βd, the lead angle β1 of one
[0018]
Further, the pressure angles α1 and α2 of the worm tooth surfaces 22 and 23 are set such that the normal pitches of the worm tooth surfaces 22 and 23 are equal to each other and the normal pitches of the wheel tooth surfaces 32 and 33 are equal to each other. I.e.
Where d: radius of the cylindrical surface including the central portion M of the meshing range centered on the central axis O1 of the
n: Number of
It is determined that These pressure angles α1, α2 and normal pitches are values on the cross section including the central axis O1 of the
[0019]
In a state where the
[0020]
FIG. 3 is a cross section taken along the line AA passing through the contact point of each of the tooth surfaces 22, 32, 23, 33 shown in FIG. 2, and the
As described above, in the
[0021]
As the difference between the lead angles of the worm tooth surfaces 22 and 23 increases, the displacement of each contact position C1 and contact position C2 with respect to the center position in the tooth line direction of the
[0022]
However, in this embodiment, the
[0023]
As described above, according to this embodiment, the left and right steering characteristics of the electric power steering apparatus are different until the difference in the lead angle between the worm tooth surfaces 22 and 23 exceeds the value of the conventional technique. Therefore, the backlash adjustment range can be expanded by increasing the difference between the lead angles of the worm tooth surfaces 22 and 23 without causing a sense of incongruity due to the difference in steering direction. In addition, after the contact position of each
[0024]
Further, in this embodiment, an ordinary helical spur gear is used as the
[0025]
Next, a second embodiment will be described with reference to FIG. In the first embodiment described above, the lead angle β1 of one
[0026]
However, in the second embodiment, as shown in FIG. 4, the lead angle of each
[0027]
Also in the second embodiment, as the lead angle difference between the worm tooth surfaces 22 and 23 increases, the contact positions of the worm tooth surfaces 22 and 23 are substantially the same as the tooth line direction of the
[0028]
In each of the above-described embodiments, the center line P of the
[0029]
In the present invention, the center line P and the center line Q are first brought close to each other in the manner of the first embodiment, and then the center line P and the center line Q are made to coincide with each other in the manner of the second embodiment. It is also possible to implement.
[0030]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, the contact position of the worm tooth surface with respect to the wheel tooth surface is the wheel until the difference between the lead angles of both worm tooth surfaces exceeds twice the value of the prior art. The teeth will not reach the end of the tooth trace direction until then, the contact state at each abutment position is the same, and the power transmission characteristics do not differ between the forward direction and the reverse direction. The backlash adjustment range can be expanded without causing the problem that the direction and the reverse direction are different. Further, since the worm wheel is a helical spur gear, it can be molded, thereby reducing the manufacturing cost of the worm gear device.
[0031]
Further, according to the power assist portion of the electric power steering configured by such a worm gear device, the difference between the lead angles of both worm tooth surfaces exceeds the value of the conventional technology by two times. Since the left and right steering characteristics do not differ, the backlash adjustment range can be widened without causing a sense of incongruity due to the difference in steering direction.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing a main part of a power assist portion of an electric power steering apparatus employing a first embodiment of a worm gear device according to the present invention.
FIG. 2 is a cross-sectional view showing a main part of the worm gear device shown in FIG.
FIG. 3 is a partially enlarged cross-sectional view taken along the line AA in FIG.
FIG. 4 is a view showing a second embodiment of the worm gear device according to the present invention.
FIG. 5 is a partial cross-sectional view corresponding to FIG. 2 of the prior art using an ordinary worm that does not have multiple leads.
FIG. 6 is a partial cross-sectional view corresponding to FIG. 2 of the prior art using a multi-lead worm.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
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