JP4446654B2 - Antifogging agent and method for forming antifogging film - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、浴室用、洗面所用等の防曇鏡、車両用等の防曇窓ガラスあるいは防曇鏡、建築用の防曇窓ガラス、冷蔵、冷凍ショーケース用ガラス等各種の用途に用いることが可能な可視光透過性、防曇性、防曇持続特性、耐摩耗性、耐水性に優れた防曇性被膜を得るための防曇剤及び防曇性被膜の形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガラスやプラスチック等の透明基材は、基材を挟んで内面と外面の温湿度の差により、一方の表面が露点以下になった場合、又は、基材に対して急激な温湿度変化が起こった場合(沸騰水蒸気が基材に接触した場合、低温部から高温多湿の環境に移った場合等)に雰囲気中の水分が水滴として付着し、基材表面は結露する。その結果、結露した水滴により光の散乱が起こる。いわゆる「曇り」が発生することで、視界が妨げられ、一般的な窓ガラス、自動車や航空機のフロントガラス、眼鏡、サングラス等では、安全性が著しく損なわれる。
【0003】
ガラスやプラスチック等の透明基材の「曇り」の発生を防止するためには、従来より、(1)基材表面に界面活性剤を塗布して水に対する接触角を小さくすることにより水滴を水膜状にする方法(例えば特許文献1参照)、(2)基材表面を光触媒によって親水化させ水滴を水膜状にする方法(例えば特許文献2参照)、(3)基材表面を熱源等で加熱することにより、露点温度以上に保つ方法(例えば特許文献3参照)、(4)基材表面に、硬化性樹脂と親水性樹脂、さらに、界面活性剤等を混合した溶液を塗布し、加熱、又は、紫外線、もしくは、電子線により硬化させて水に対する接触角を小さくさせることにより水滴を水膜状にする方法(特許文献4乃至特許文献7)、(5)基材表面の水に対する接触角を大きくすることにより水滴をはじき落とす方法等が考えられてきた。
【0004】
しかし、(1)の方法は、初期の防曇性は優れているものの、水との接触により界面活性剤が流出し、防曇効果が短命であるという欠点がある。(2)の方法は、無機物による膜であることから耐摩耗性に利点があるが、防曇性発現には紫外光が必要であり、全ての環境で防曇性が発現するわけではない。(3)の方法は、一般的にコストが高く、基材が温まるまでに時間がかかり防曇性発現に時間を要することや熱割れ等の問題がある。(4)の方法は、(1)と同様に膜から界面活性剤の流出によりに、防曇性が経時的に劣化することや耐摩耗性や耐水性に問題がある。(5)の方法は、防曇性を発現させるほどの接触角を大きくできる物質はない。以上のように現状では十分な防曇性、防曇持続性、各種耐久性等を満足する防曇性被膜は得られていない。
【0005】
特に現在までに得られている防曇性被膜は、耐摩耗性、耐水性が十分ではなく、そのために初期の防曇性は良かったとしても、経時的に防曇性が劣化する。すなわち、防曇持続性に問題があり、最終利用者に不便さを強いていた。防曇性被膜の耐摩耗性、耐水性を改善する試みとして、従来、無機元素の酸化物及び親水性ポリマー、あるいは、無機元素の酸化物及び吸水性ポリマーを有する防曇剤及び/又は防曇性被膜が検討されてきた。
【0006】
特許文献8では、膜の親水性を向上させる界面活性剤を分散させた酸化物膜が被覆された防曇性被膜が開示されている。しかし、界面活性剤は膜中に担持されているだけなので、防曇性の初期性能を保持できない。特許文献9では、アルコキシ基含有アクリル共重合体とテトラアルキルケイ素を有する防曇剤が開示され、防曇剤が被覆される基材として、ガラス等が開示されている。しかし、該防曇剤は、ガラスへの密着性が良好ではない。又、アクリル共重合体自体の防曇性がそれ程高くないことに加えて、テトラアルキルケイ素は疎水性を有するので、該防曇剤による防曇性被膜は、防曇性の効果が小さい。
【0007】
特許文献10ではシリル化されたポリビニルアルコールと導電性金属酸化物微粒子を有する防曇剤が開示され、シリル化されたポリビニルアルコールの親水性と導電性金属微粒子に導電性による汚染物質付着低減による耐久性が向上した防曇性被膜が開示されている。しかし、該防曇処理剤は、実質ポリビニルアルコールによる防曇性被膜であり、又、微粒子によって多少の耐摩耗性が向上するが、防曇性、耐摩耗性、及び耐水性は十分ではなく、長期耐久性に問題がある。
【0008】
特許文献11では、水酸基を含有するポリマー、アルミナ、水酸化アルミニウム、アルミナ水和物等のアルミニウム含有架橋剤、及び水酸基及び/又はシロキサン基を含有する界面活性剤を有する防曇処理剤より得られた防曇処理基材が開示されている。しかし、該防曇剤に用いられているポリマーとアルミニウムは共有結合等の強固な化学結合を生じにくく、ポリマーとアルミニウムが点在した状態となり、耐摩耗性はあまり向上しない。又、何らかの化学結合によってポリマー網を形成していたとしてもその結合力は弱く、簡単に加水分解を起こしやすいもので、耐水性は期待できない。さらに、界面活性剤もポリマー網との結合力が弱いので、界面活性剤の流出も起こり得る。
【0009】
【特許文献1】
特開昭58−217578号公報
【特許文献2】
特許第2924502号公報
【特許文献3】
特開昭62−292109号公報
【特許文献4】
特開平11−228808号公報
【特許文献5】
特開平11−152356号公報
【特許文献6】
米国特許5877254号明細書
【特許文献7】
特開平04−211461号公報
【特許文献8】
特開平11−100234号公報
【特許文献9】
特開平6−145453号公報
【特許文献10】
特開2001−172545号公報
【特許文献11】
特開平9−151368号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように防曇性の向上と耐久性の向上は相反するものであり、両方の向上は困難なものである。本発明は、上記ことを鑑み、防曇性、防曇性の持続性、耐摩耗性、可視光透過率に優れる防曇性被膜を形成できる防曇剤及び防曇性被膜の形成方法を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記課題を鑑み無機元素化合物の耐摩耗性等の高耐久性の利点と界面活性剤の優れた親水性を活かすべく鋭意検討してなされたものである。すなわち本発明の防曇剤は、ハロゲン基含有ケイ素化合物を有する塗布剤A、好適には、クロロ基含有ケイ素化合物を有する塗布剤A、及び水酸基、アミノ基、メルカプト基の群から選ばれる少なくとも1種のハロゲン基に反応活性な官能基を含有する界面活性剤を有する塗布剤Bとからなり、好適には塗布剤Bはポリオールを有し、塗布剤Aはケイ素アルコキシド、アルミニウムアルコキシド、チタンアルコキシド、ジルコニウムアルコキシド、ニオブアルコキシド、亜鉛アルコキシド、タンタルアルコキシドの群から選ばれる少なくとも1種の無機元素アルコキシドを有することを特徴とする。
【0012】
又、本発明は、前記塗布剤A及び塗布剤Bに加え、ポリイソシアネートを有する塗布剤Cとからなることを特徴とする防曇剤である。好適には、本発明の防曇剤はシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化亜鉛、酸化ニオブ、酸化タンタルの群から選ばれる少なくとも1種の微粒子を有する。さらに、前記ハロゲン基含有ケイ素化合物にハロゲン基が少なくとも1個、アルコキシ基が少なくとも1個含有していることが好ましい。
【0013】
本発明は、前記防曇剤を塗布し硬化してなる防曇性被膜であり、防曇性被膜は、(a)基材を用意する工程、
(b)前記塗布剤Aと前記塗布剤Bとを混合する工程、
(c)混合された塗布剤を基材表面に塗布する工程、
(d)室温又は250℃までの熱処理温度で基材表面に被覆された膜を硬化させる工程とによって形成される。又は、
(a)基材を用意する工程、
(b)前記塗布剤Aと前記塗布剤Bとを混合した後、前記塗布剤Cを混合する工程、
(c)混合された塗布剤を基材表面に塗布する工程、
(d)室温又は250℃までの熱処理温度で基材表面に被覆された膜を硬化させる工程とによって形成される。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明の防曇剤は、基材に防曇性被膜を形成するための防曇剤であって、ハロゲン基含有ケイ素化合物を有する塗布剤A、及び水酸基、アミノ基、メルカプト基の群から選ばれる少なくとも1種のハロゲン基に反応活性な官能基を含有する界面活性剤を有する塗布剤Bとからなる。界面活性剤は主として、防曇処理剤の親水性を向上させる。一方、ケイ素化合物は主として、防曇処理剤の耐摩耗性等の耐久性を向上させ、本発明の防曇剤から形成される防曇性被膜のマトリックス成分となる。塗布剤Aと塗布剤Bを混合することによって、ケイ素化合物のハロゲン基と界面活性剤のハロゲン基に反応活性な官能基とが反応する。反応過程中に前記ハロゲン基が脱離しハロゲン基に反応活性な官能基中の水素と反応し、界面活性剤とケイ素化合物は化学的に結合する。従って、本防曇剤から形成された防曇性被膜は、界面活性剤の親水性を存分に利用できるので、優れた防曇性を発現し、防曇性の持続性、耐摩耗性、耐水性、可視光透過率に優れたものになる。
【0015】
前記ハロゲン基含有ケイ素化合物には、テトラクロロシラン、メチルトリクロロシラン、モノメトキシトリクロロシラン、モノエトキシトリクロロシラン、ジメトキシジクロロシラン、ジエトキシジクロロシラン、モノクロロトリメトキシシラン、モノクロロトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、テトラフルオロシラン、メチルトリフルオロシラン、モノメトキシトリフルオロシラン、モノエトキシトリフルオロシラン、ジメトキシジフルオロシラン、ジエトキシジフルオロシラン、モノフルオロトリメトキシシラン、モノフルオロトリエトキシシラン、γ−フルオロプロピルトリメトキシシラン、テトラブロモシラン、メチルトリブロモシラン、モノメトキシトリブロモシラン、モノエトキシトリブロモシラン、ジメトキシジブロモシラン、ジエトキシジブロモシラン、モノブロモトリメトキシシラン、モノブロモトリエトキシシラン、γ−ブロモプロピルトリメトキシシラン、テトラアイオディックシラン、メチルトリアイオディックシラン、モノメトキシトリアイオディックシラン、モノエトキシトリアイオディックシラン、ジメトキシジアイオディックシラン、ジエトキシジアイオディックシラン、モノアイオディックトリメトキシシラン、モノアイオディックトリエトキシシラン、γ−アイオディックプロピルトリメトキシシラン等を採用でき、さらには、有機系のハロゲン化合物とケイ素系化合物とを予め反応させて用いることも可能である。
【0016】
中でも、ハロゲン基含有ケイ素化合物には、反応性と経済性の観点からクロロ基含有ケイ素化合物が好ましく、テトラクロロシラン、メチルトリクロロシラン、モノメトキシトリクロロシラン、モノエトキシトリクロロシラン、ジメトキシジクロロシラン、ジエトキシジクロロシラン、モノクロロトリメトキシシラン、モノクロロトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等を好適に採用できる。
【0017】
又、ハロゲン基含有ケイ素化合物には、少なくとも1個のハロゲン基、及び少なくとも1個のアルコキシ基を含有することが好ましい。特にモノメトキシトリクロロシラン、モノエトキシトリクロロシラン、ジメトキシジクロロシラン、ジエトキシジクロロシラン、モノクロロトリメトキシシラン、モノクロロトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン等を用いると、本発明の防曇剤から形成される防曇性被膜の基材との密着性が良くなる効果や、他の添加しうるポリオール、無機元素アルコキシドとの架橋性が向上し、形成される防曇性被膜の耐摩耗性がより向上するので好ましい。
【0018】
前記界面活性剤には、陽イオン性界面活性剤、陰イオン性界面活性剤、非イオン性界面活性剤、両性イオン界面活性剤等を採用でき、側鎖及び/又は鎖末端にハロゲン基と反応活性を有する水酸基、アミノ基、メルカプト基を含有する。そのような界面活性剤として、アミドジモニウム系(例えば、リシノレアミドプロピルエチルジモニウムエトサルファート)、ベタイン系、アミノプロピル4級アンモニウム塩系(例えば、エチル硫酸ラノリン脂肪酸アミノプロピルエチルジメチルアンモニウム)等を採用できる。
【0019】
ハロゲン基含有ケイ素化合物と界面活性剤の比は、重量比で、95:5〜20:80であることが好ましい。ハロゲン基含有ケイ素化合物が少ない上記範囲外では、形成される防曇性被膜の強度や耐摩耗性が小さく耐久性に劣る傾向にある。一方、界面活性剤が少ない上記範囲外では、形成される防曇性被膜の表面親水性が小さく、満足な防曇性を得にくい。
【0020】
塗布剤Aには、ケイ素アルコキシド、アルミニウムアルコキシド、チタンアルコキシド、ジルコニウムアルコキシド、ニオブアルコキシド、亜鉛アルコキシド、タンタルアルコキシドの群から選ばれる少なくとも1種の無機元素アルコキシドを添加することができる。無機元素アルコキシドを塗布剤に加えることによって、形成される防曇性被膜にシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化ニオブ、酸化亜鉛、酸化タンタル等を網目架橋に加えることができ、防曇性被膜の耐摩耗性、耐水性等の耐久性を向上させることができる。前記物性の向上のために無機元素アルコキシドの添加量は、ハロゲン基含有ケイ素化合物に対して、重量比で5/95以上であることが好ましいが、90/10以下であることが好ましい。90/10の添加量を超えると、形成される防曇性被膜の表面親水性が小さくなり、満足な防曇性を得にくい。
【0021】
前記塗布剤Bには、ポリオールを添加することができる。前記ポリオールとしては、一般的に用いられているポリオールを使用することができ、例えば、ポリプロピレングリコール系、ポリエチレングリコール系等の親水性や吸水性を示すポリオールが好ましい。ポリオールを添加することにより、形成される防曇性被膜の親水性が向上する。又は、形成される防曇性被膜に吸水性能を付与することができ、防曇性の向上、特に氷点下における防曇性が優れたものが得られる。これらポリオールの水酸基と前記ハロゲン基含有ケイ素化合物のハロゲン基とが反応する。あるいは、アルコキシ基の分解反応時に、ポリオールの水酸基と前記ケイ素化合物、又は、無機元素アルコキシドのアルコキシ基とが反応することによって、ポリオールは防曇性被膜を形成している網目架橋に加わることができる。その際前記反応過程で生じた酸(例えば、クロロ基の場合には塩酸)塩酸が網目架橋形成を促進させる触媒の役割をする。前記親水性の向上、吸水性能の付与のためにポリオールの添加量は、界面活性剤に対して、重量比で25/75以上であることが好ましいが、80/20以下であることが好ましい。80/20の添加量を超えると、形成される防曇性被膜の防曇性及び強度や耐摩耗性が低くなり、形成される防曇性被膜の性能低下につながる。
【0022】
又、本発明の防曇剤は、塗布剤A及び塗布剤Bに加え、ポリイソシアネートを有する塗布剤Cとからなる防曇剤とすることができる。ポリイソシアネートを加えることによって、ポリイソシアネート中のイソシアネート基が、界面活性剤中の水酸基、アミノ基、メルカプト基等と反応し、防曇性被膜を形成している網目架橋に加わることができる。結果として、防曇性被膜の強度が上昇する。さらに、塗布剤Bがポリオールを有している場合、ポリイソシアネートはポリオールとも反応するので、ポリウレタンの網目架橋が生じ、防曇性被膜はポリウレタン由来の弾性が生じ、耐摩耗性が向上する。
【0023】
そのようなポリイソシアネートとしては、一般にウレタン樹脂等に用いられるポリイソシアネートであれば特に限定されるものではないが、例えば、ヘキサメチレンジイソシアネートを多量体にしたビュウレットタイプあるいはヌレートタイプのポリイソシアネートがより好ましい。これらのポリイソシアネートは、より優れた防曇性、膜強度、耐摩耗性を供する。ポリイソシアネート量は、ポリイソシアネート中のイソシアネート基の数が、界面活性剤中及びポリオール中の水酸基、及びアミノ基、並びにメルカプト基の数に対して化学量論の0.5倍以上2倍以下、好ましくは、0.8倍以上1.5倍以下となるように調整することが好ましい。前記範囲内とすることによって、防曇性被膜の強度の上昇、耐摩耗性の向上に特に奏効する。
【0024】
これらの塗布剤A、及び塗布剤B、並びに塗布剤Cの少なくといずれか、又は、混合後に生じる防曇剤にシリカ、アルミナ、チタニア、ジルコニア、酸化亜鉛、酸化ニオブ、酸化タンタルの群から選ばれる少なくとも1種の微粒子を添加することができる。微粒子を添加することにより、形成される防曇性被膜の耐摩耗性がより向上するので好ましい。耐摩耗性のより一層の向上のために添加量は、防曇剤のハロゲン基含有ケイ素化合物、界面活性剤、ポリオール、無機元素アルコキシド、ポリイソシアネートの総量に対し、重量比で5/95以上であることが好ましいが、40/60以下であることが好ましい。40/60の添加量を超えると、形成される防曇性被膜の防曇性被膜の表面親水性が小さくなり、満足な防曇性を得にくい。
【0025】
本発明の防曇剤は、防曇性能を要する、例えば、メガネ・カメラ等のレンズ、窓ガラス、車両用ガラス、ヘルメットのシールド、水中眼鏡等の物品、または浴室内で使用する鏡等の特に透明性が要求される物品等に適用可能であり、透明性や反射性を有する基材へ被覆し、防曇性被膜として応用することが好ましい。本発明の防曇剤から形成される防曇性被膜は、該被膜のマトリックス成分となるハロゲン基含有ケイ素化合物と共有結合を介して界面活性剤が固定され、該界面活性剤が溶出することなく長期にわたって防曇性を発現させる機能を維持することができ、且つ耐摩耗性等の耐久性に優れたものになる。
【0026】
前記基材としては、代表的なものとしてはガラスがあげられる。そのガラスは自動車用ならびに建築用、産業用ガラス等に通常用いられている板ガラスであり、フロート法、デュープレックス法、ロールアウト法等による板ガラスであって、製法は特に問わない。
【0027】
ガラス種としては、クリアをはじめグリーン、ブロンズ等の各種着色ガラスやUV、IRカットガラス、電磁遮蔽ガラス等の各種機能性ガラス、網入りガラス、低膨張ガラス、ゼロ膨張ガラス等防火ガラスに供し得るガラス、強化ガラスやそれに類するガラス、合わせガラスのほか複層ガラス等、銀引き法、あるいは真空成膜法により作製された鏡、さらには平板、曲げ板等各種ガラス製品を使用できる。板厚としては1.0mm以上10mm以下が好ましく、自動車用としては1.0mm以上5.0mm以下が好ましい。基材への防曇剤の被覆は、基材の片面だけであってもよいし、両面に行ってもよい。又、防曇剤の被覆は基材面の全面でも一部分であってもよい。
【0028】
加えて、基材は、ガラスに限定されるものではなく、光透過性や光反射性を有するポリエチレンテレフタレート等の樹脂フィルム、ポリカーボネート等の樹脂、金属、セラミックス等も、防曇剤の乾燥硬化時に変形しないものであれば使用することができる。
【0029】
本発明の防曇性被膜の形成方法は、次の工程により、基材表面に防曇性被膜を被覆することができる。
(a)基材を用意する工程、
(b)前記塗布剤Aと前記塗布剤Bとを混合する工程、
(c)混合された塗布剤を基材表面に塗布する工程、
(d)室温又は250℃までの熱処理温度で基材表面に被覆された膜を硬化させる工程
とによって防曇性被膜を形成する。又は、
(a)基材を用意する工程、
(b)前記塗布剤Aと前記塗布剤Bとを混合した後、前記塗布剤Cを混合する工程、
(c)混合された塗布剤を基材表面に塗布する工程、
(d)室温又は250℃までの熱処理温度で基材表面に被覆された膜を硬化させる工程
とによって防曇性被膜を形成する。
【0030】
基材表面に防曇剤を塗布する手段としては、ディップコート、フローコート、スピンコート、ロールコート、バーコート、スプレーコート、スクリーン印刷、フレキソ印刷等の公知手段が採用できる。又、塗布剤A、及び塗布剤B、並びに塗布剤C、又は防曇剤は、溶媒を有することができる。前記溶媒としては、トルエン、キシレン、ジメチルホルムアミド、2−メトキシエチルアセタート、2−エトキシエチルアセタート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセタート等、又はこれらの混合溶媒を使用することできる。
【0031】
基材に防曇剤を塗布後、室温又は250℃までの熱処理温度、好ましくは120℃〜250℃の熱処理温度で用いる原料の分解温度を考慮して温度を適宜選択し、約20分〜60分程度加熱することにより、防曇剤の溶媒の殆どが飛散すると同時に防曇剤の硬化反応が促進され膜が形成される。熱処理温度が250℃を超えると、有機成分の炭化が起こり始めるので好ましくない。又、アルコキシドを含有するハロゲン基含有ケイ素化合物、無機元素アルコキシドを用いた場合には、熱処理によって、ハロゲン基含有ケイ素化合物、無機元素アルコキシドの重合が促進され高強度の膜が作製可能となる。
【0032】
防曇性被膜の膜厚は、熱処理後において0.1μm以上30μm以下の膜厚とするのが望ましく、0.1μm未満であると耐久性が劣る傾向にあり、他方30μmを越えると外観品質において光学歪みが発生する恐れが生じる。
【0033】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。但し、本発明は、かかる実施例に限定されるものでない。なお、得られた防曇性被膜については、下記に示す方法により品質評価を行った。
【0034】
(1)繰り返し防曇性
“眼鏡用くもり止め剤試験法”(JIS S 4030)に基づき、43℃に設定した温水の水蒸気中に評価用サンプルを3分間保持した時の曇り具合と、保持後に常温(23℃、63%RH)中に取り出したときの呼気による曇り具合を目視で観察し、この操作を10サイクル行った。外観に異常がなく曇りが発生せず、目視判断によるサンプルの可視光透過性に問題がないものを合格(○)とし、曇りが発生したものを不合格(×)とした。
【0035】
(2)冷温防曇性
4℃に設定した冷蔵庫内に評価用サンプルを30分間保持した後、常温(23℃、63%RH)中に取り出したときの外観、曇り具合、呼気による曇り具合を目視で観察し、この操作を10サイクル行った。外観に異常がなく曇りが発生せず、目視判断によるサンプルの可視光透過性に問題がないものを合格(○)とし、曇りが発生したものを不合格(×)とした。
【0036】
(3)耐摩耗性
JIS R 3221記載の耐摩耗性試験方法に基づき、評価用サンプルを摩耗ホイールCSー10F、荷重2.45Nでテーバー式摩耗試験を行い、ヘーズ値(曇価)を評価した。評価は、初期のヘーズ値H0と、100回後のヘーズ値H100と、200回後のヘーズ値H200がH0≦H100≦H200で、初期と200回後のヘーズ値変化量△H(△H=H200−H0)が△H≦10%である場合を合格(○)とし、H100>H200または△H>10%のものを不合格(×)とした。
【0037】
(4)耐水性
室温(23±2℃)に保持した水中に評価サンプルを1時間浸漬し、浸漬後に外観に異常がなく、爪による払拭で剥離しないものを合格(○)とし、曇りが発生したものを不合格(×)とした。
【0038】
参考例1
γ−クロロプロピルトリメトキシシラン0.8gを溶媒ジメチルホルムアミド7gに混合して得た塗布剤Aと、リシノレアミドプロピルエチルジモニウムエトスルファート(界面活性剤)2.2gを溶媒ジメチルホルムアミド6gに混合して得た塗布剤Bとを混合して防曇剤をバーコート法により、予め洗浄したガラスサイズ200mm×200mm×2mm(厚さ)のフロートガラス表面に塗布し、熱処理温度、180℃で、30分保持し被覆された膜を硬化させ防曇性被膜付きガラス基材を得た。得られた防曇性被膜付きガラス基材は、0.3μmの膜厚を有し、表1に示すように繰り返し防曇性、冷温防曇性、耐テーバー摩耗性、耐水性の全ての品質において優れたものであることが確認された。
【0039】
【表1】
【0040】
実施例2
γ−クロロプロピルトリメトキシシラン2.5gを、溶媒ジメチルホルムアミド6gに混合して得た塗布剤Aと、リシノレアミドプロピルエチルジモニウムエトスルファート(界面活性剤)1.2g、及び3官能ポリエチレングリコール(分子量200)1.6g、並びにポリエチレングリコール(PEG1000)0.3gを、溶媒ジメチルホルムアミド6gに混合して得た塗布剤Bとを混合して、防曇剤を得た以外は、参考例1と同様の操作で防曇性被膜付きガラス基材を得た。得られた防曇性被膜付きガラス基材は、3μmの膜厚を有し、表1に示すように参考例1と同様に全ての品質において優れた性能を示した。
【0041】
参考例3
γ−クロロプロピルトリメトキシシラン1g、テトラエトキシシラン1.5gを、溶媒6gに混合して得た塗布剤Aと、リシノレアミドプロピルエチルジモニウムエトスルファート(界面活性剤)1.2gを混合して得た塗布剤Bとを混合して、防曇剤を得た以外は、参考例1と同様の操作で防曇性被膜付きガラス基材を得た。得られた防曇性被膜付きガラス基材は、18μmの膜厚を有し、表1に示すように参考例1と同様に全ての品質において優れた性能を示した。
【0042】
実施例4
γ−クロロプロピルトリメトキシシラン1gを、溶媒ジメチルホルムアミド6gに混合して得た塗布剤A、リシノレアミドプロピルエチルジモニウムエトスルファート(界面活性剤)1.2g、及び3官能ポリエチレングリコール(分子量200)1.6g、並びにポリエチレングリコール(PEG1000)0.3gを、溶媒ジメチルホルムアミド6gに混合して得た塗布剤B、ポリイソシアネート(24A−100:旭化成製)5gの塗布剤Cについて、前記塗布剤A及び塗布剤Bを混合後、前記混合物に塗布剤Cを混合して得た防曇剤を得た以外は、参考例1と同様の操作で防曇性被膜付きガラス基材を得た。得られた防曇性被膜付きガラス基材は、膜厚17μmの膜厚を有し、表1に示すように繰り返し防曇性、冷温防曇性、耐テーバー摩耗性、耐水性の全ての品質において優れたものであることが確認された。
【0043】
実施例5
塗布剤Bの界面活性剤を1.2g、ポリエチレングリコール(PEG1000)を0g、塗布剤Cのポリイソシアネートを5gとし、塗布剤A、及び塗布剤B、並びに塗布剤Cの混合物にコロイダルシリカ(商品名「NPC−ST」;固形分20%、日産化学製)を2g混合して防曇剤を得た以外は、実施例4と同様の操作で10μmの膜厚を有する防曇性被膜付きガラス基材を得た。得られた防曇性被膜付きガラス基材は、表1に示すように参考例1と同様に全ての品質において優れた性能を示した。
【0044】
実施例6
ハロゲン基含有ケイ素化合物の原料としてメチルトリクロロシランを用い、基材に被覆された膜の熱処理温度を150℃とし、50分保持した以外は、実施例2と同様の操作で防曇性被膜付きガラス基材を得た。得られた防曇性被膜付きガラス基材は、8μmの膜厚を有し、表1に示すように実施例4と同様に全ての品質において優れた性能を示した。
【0045】
比較例1
γ−クロロプロピルトリメトキシシラン0.1g、リシノレアミドプロピルエチルジモニウムエトスルファート(界面活性剤)0.9gとした以外は、参考例1と同様の操作で防曇性被膜付きガラス基材を得た。得られた防曇性被膜付きガラス基材は、繰り返し防曇性、冷温防曇性、耐摩耗性、耐水性が不合格であった。
【0046】
比較例2
ハロゲン基含有ケイ素化合物の代わりに、ポリイソシアネートを用いた以外は、参考例1と同様とした。得られた防曇性被膜付きガラスは、20μmの膜厚を有し、表1に示すように、繰り返し防曇性、冷温防曇性において優れた防曇性を有したものの、耐摩耗性、耐水性が不合格であった。
【0047】
比較例3
界面活性剤の代わりにポリカーボネートポリオールを用いた以外は、実施例2と同様とした。得られた防曇性被膜付きガラスは、20μmの膜厚を有し、表1に示すように、繰り返し防曇性、冷温防曇性、耐摩耗性が不合格であった。
【0048】
比較例4
テトラエトキシシラン9gとした以外は、実施例3と同様の操作で防曇性被膜付きガラス基材を得た。得られた防曇性被膜付きガラス基材は、繰り返し防曇性、冷温防曇性が不合格であった。
【0049】
【発明の効果】
本発明の防曇性剤及び防曇性被膜は、界面活性剤をケイ素系化合物のマトリックスに固定し被膜表面を親水性にすることで長期にわたって優れた防曇性を発現できる。又、マトリックスとしてケイ素系化合物を用いているので、耐摩耗性、耐水性を有する。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention is used for various applications such as antifogging mirrors for bathrooms, toilets, etc., antifogging window glass or antifogging mirrors for vehicles, antifogging window glass for buildings, refrigeration, frozen showcase glass, etc. The present invention relates to an antifogging agent and a method for forming an antifogging coating for obtaining an antifogging coating excellent in visible light permeability, antifogging properties, antifogging sustaining properties, abrasion resistance, and water resistance.
[0002]
[Prior art]
Transparent substrates such as glass and plastic have a sudden temperature change with respect to the substrate when one surface falls below the dew point due to the difference in temperature and humidity between the inner and outer surfaces of the substrate. When the water vapor comes into contact with the base material (for example, when it moves from a low temperature part to a high temperature and high humidity environment), moisture in the atmosphere adheres as water droplets, and the surface of the base material is condensed. As a result, light scattering occurs due to condensed water droplets. The occurrence of so-called “cloudiness” hinders the field of view, and safety is significantly impaired in general window glass, windshields of automobiles and aircraft, glasses, sunglasses, and the like.
[0003]
In order to prevent the occurrence of “clouding” of a transparent substrate such as glass or plastic, conventionally, (1) applying a surfactant to the surface of the substrate to reduce the contact angle with water, A method for forming a film (see, for example, Patent Document 1), (2) A method for hydrophilizing the surface of a substrate with a photocatalyst to form water droplets in a water film (for example, see Patent Document 2), (3) A surface of the substrate for a heat source, etc. (4) A solution in which a curable resin and a hydrophilic resin, and a surfactant are mixed is applied to the surface of the substrate. A method of making water droplets into a water film by heating or curing with ultraviolet rays or electron beams to reduce the contact angle with water (Patent Documents 4 to 7), (5) Water on the substrate surface Water by increasing the contact angle How to drop repel or the like it has been considered.
[0004]
However, although the method (1) is excellent in the initial antifogging property, there is a drawback that the surfactant flows out by contact with water and the antifogging effect is short-lived. The method (2) is advantageous in abrasion resistance because it is a film made of an inorganic material, but ultraviolet light is necessary for the development of antifogging properties, and antifogging properties are not exhibited in all environments. The method (3) is generally high in cost, and it takes time until the base material is warmed, and it takes time to develop antifogging properties and there are problems such as thermal cracking. The method (4) has a problem in that the antifogging property deteriorates with time due to the outflow of the surfactant from the film as in (1), and there is a problem in wear resistance and water resistance. In the method (5), there is no substance that can increase the contact angle to the extent that the antifogging property is exhibited. As described above, at present, an antifogging film satisfying sufficient antifogging property, antifogging durability, various durability and the like has not been obtained.
[0005]
In particular, the antifogging coatings obtained up to now are not sufficient in abrasion resistance and water resistance, and therefore the antifogging property deteriorates with time even if the initial antifogging property is good. In other words, there is a problem with anti-fogging sustainability, which inconveniences the end user. As an attempt to improve the abrasion resistance and water resistance of antifogging coatings,ConventionalAntifogging agents and / or antifogging films having inorganic element oxides and hydrophilic polymers, or inorganic element oxides and water-absorbing polymers have been studied.
[0006]
Patent Document 8 discloses an antifogging film in which an oxide film in which a surfactant that improves the hydrophilicity of the film is dispersed is coated. However, since the surfactant is only supported in the film, the initial antifogging performance cannot be maintained. In Patent Document 9, an antifogging agent having an alkoxy group-containing acrylic copolymer and tetraalkylsilicon is disclosed, and glass or the like is disclosed as a substrate on which the antifogging agent is coated. However, the antifogging agent does not have good adhesion to glass. Further, in addition to the antifogging property of the acrylic copolymer itself being not so high, tetraalkylsilicon has a hydrophobic property, so that the antifogging film made of the antifogging agent has a small antifogging effect.
[0007]
Patent Document 10 discloses an antifogging agent having silylated polyvinyl alcohol and conductive metal oxide fine particles. The hydrophilicity of silylated polyvinyl alcohol and durability by reducing the adhesion of pollutants to the conductive metal fine particles due to conductivity. An anti-fogging coating with improved properties is disclosed. However, the anti-fogging treatment agent is a substantially anti-fogging film made of polyvinyl alcohol, and the wear resistance is slightly improved by the fine particles, but the anti-fogging property, wear resistance, and water resistance are not sufficient, There is a problem with long-term durability.
[0008]
In Patent Document 11, obtained from a polymer containing a hydroxyl group, an aluminum-containing cross-linking agent such as alumina, aluminum hydroxide, and alumina hydrate, and an antifogging treatment agent having a surfactant containing a hydroxyl group and / or a siloxane group. An anti-fogging treated substrate is disclosed. However, the polymer and aluminum used in the antifogging agent are unlikely to form a strong chemical bond such as a covalent bond, and the polymer and aluminum are scattered, so that the wear resistance is not improved so much. Further, even if a polymer network is formed by some kind of chemical bond, the bond strength is weak, it is easy to cause hydrolysis, and water resistance cannot be expected. Furthermore, since the surfactant also has a weak binding force with the polymer network, the surfactant may flow out.
[0009]
[Patent Document 1]
JP 58-217578 A
[Patent Document 2]
Japanese Patent No. 2924502
[Patent Document 3]
JP 62-292109 A
[Patent Document 4]
JP-A-11-228808
[Patent Document 5]
JP-A-11-152356
[Patent Document 6]
US Pat. No. 5,877,254
[Patent Document 7]
Japanese Patent Laid-Open No. 04-211461
[Patent Document 8]
Japanese Patent Laid-Open No. 11-100284
[Patent Document 9]
JP-A-6-145453
[Patent Document 10]
JP 2001-172545 A
[Patent Document 11]
JP-A-9-151368
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
As described above, the improvement in anti-fogging property and the improvement in durability are contradictory, and it is difficult to improve both. In view of the above, the present invention provides an antifogging agent capable of forming an antifogging film having excellent antifogging properties, antifogging durability, abrasion resistance, and visible light transmittance, and a method for forming an antifogging film. The task is to do.
[0011]
[Means for Solving the Problems]
In view of the above-mentioned problems, the present invention has been made by intensive studies to make use of the advantages of high durability such as wear resistance of inorganic element compounds and the excellent hydrophilicity of surfactants. That is, the antifogging agent of the present invention is at least one selected from the group consisting of coating agent A having a halogen group-containing silicon compound, preferably coating agent A having a chloro group-containing silicon compound, and a hydroxyl group, an amino group, and a mercapto group. A coating agent B having a surfactant containing a functional group reactive to a halogen group, preferably the coating agent B has a polyol, and the coating agent A is a silicon alkoxide, an aluminum alkoxide, a titanium alkoxide, It has at least one inorganic element alkoxide selected from the group consisting of zirconium alkoxide, niobium alkoxide, zinc alkoxide, and tantalum alkoxide.
[0012]
Further, the present invention is an antifogging agent comprising the coating agent C having a polyisocyanate in addition to the coating agent A and the coating agent B. Preferably, the antifogging agent of the present invention has at least one fine particle selected from the group consisting of silica, alumina, titania, zirconia, zinc oxide, niobium oxide and tantalum oxide. Furthermore, it is preferable that the halogen group-containing silicon compound contains at least one halogen group and at least one alkoxy group.
[0013]
The present invention is an antifogging film formed by applying and curing the antifogging agent, and the antifogging film comprises: (a) a step of preparing a substrate;
(B) a step of mixing the coating agent A and the coating agent B;
(C) The process of apply | coating the mixed coating agent to the base-material surface,
(D) The film coated on the substrate surface is cured at room temperature or a heat treatment temperature up to 250 ° C.Depending on the processIt is formed. Or
(A) preparing a substrate;
(B) the step of mixing the coating agent C after mixing the coating agent A and the coating agent B;
(C) The process of apply | coating the mixed coating agent to the base-material surface,
(D) The film coated on the substrate surface is cured at room temperature or a heat treatment temperature up to 250 ° C.Depending on the processIt is formed.
[0014]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
The antifogging agent of the present invention is an antifogging agent for forming an antifogging film on a substrate, and is selected from the group consisting of a coating agent A having a halogen group-containing silicon compound, and a hydroxyl group, amino group, and mercapto group. And coating agent B having a surfactant containing a functional group reactive to at least one halogen group. The surfactant mainly improves the hydrophilicity of the antifogging treatment agent. On the other hand, the silicon compound mainly improves the durability such as abrasion resistance of the antifogging treatment agent and becomes a matrix component of the antifogging film formed from the antifogging agent of the present invention. By mixing the coating agent A and the coating agent B, the halogen group of the silicon compound and the reactive functional group react with the halogen group of the surfactant. During the reaction process, the halogen group is eliminated and reacts with hydrogen in a functional group reactive to the halogen group, and the surfactant and the silicon compound are chemically bonded. Therefore, the anti-fogging film formed from the present anti-fogging agent can fully utilize the hydrophilicity of the surfactant, so that it exhibits excellent anti-fogging properties, anti-fogging durability, wear resistance, Excellent water resistance and visible light transmittance.
[0015]
Examples of the halogen group-containing silicon compound include tetrachlorosilane, methyltrichlorosilane, monomethoxytrichlorosilane, monoethoxytrichlorosilane, dimethoxydichlorosilane, diethoxydichlorosilane, monochlorotrimethoxysilane, monochlorotriethoxysilane, γ-chloropropyltri Methoxysilane, tetrafluorosilane, methyltrifluorosilane, monomethoxytrifluorosilane, monoethoxytrifluorosilane, dimethoxydifluorosilane, diethoxydifluorosilane, monofluorotrimethoxysilane, monofluorotriethoxysilane, γ-fluoropropyltri Methoxysilane, tetrabromosilane, methyltribromosilane, monomethoxytribromosilane, monoethoxytribromosilane, di Methoxydibromosilane, diethoxydibromosilane, monobromotrimethoxysilane, monobromotriethoxysilane, γ-bromopropyltrimethoxysilane, tetraiodic silane, methyltriiodic silane, monomethoxytriiodic silane, monoethoxytria Iodic silane, dimethoxydiaiodic silane, diethoxydiaiodic silane, mono-iodic trimethoxysilane, mono-iodic triethoxysilane, γ-iodic propyltrimethoxysilane, etc. can be adopted. It is also possible to react a halogen compound and a silicon-based compound in advance.
[0016]
Among them, the halogen group-containing silicon compound is preferably a chloro group-containing silicon compound from the viewpoint of reactivity and economy. Tetrachlorosilane, methyltrichlorosilane, monomethoxytrichlorosilane, monoethoxytrichlorosilane, dimethoxydichlorosilane, diethoxydi Chlorosilane, monochlorotrimethoxysilane, monochlorotriethoxysilane, γ-chloropropyltrimethoxysilane and the like can be suitably employed.
[0017]
The halogen group-containing silicon compound preferably contains at least one halogen group and at least one alkoxy group. In particular, when monomethoxytrichlorosilane, monoethoxytrichlorosilane, dimethoxydichlorosilane, diethoxydichlorosilane, monochlorotrimethoxysilane, monochlorotriethoxysilane, γ-chloropropyltrimethoxysilane or the like is used, the antifogging agent of the present invention is formed. The effect of improving the adhesion of the antifogging film to the base material and the crosslinkability with other additive polyols and inorganic element alkoxides are improved, and the antifogging film formed has more wear resistance. Since it improves, it is preferable.
[0018]
As the surfactant, a cationic surfactant, an anionic surfactant, a nonionic surfactant, an amphoteric surfactant, etc. can be adopted, and it reacts with a halogen group at the side chain and / or chain end. Contains an active hydroxyl group, amino group, and mercapto group. Examples of such surfactants include amidodimonium compounds (for example, ricinoleamidopropylethyldimonium etosulphate), betaines, and aminopropyl quaternary ammonium salts (for example, ethyl sulfate lanolin fatty acid aminopropylethyldimethylammonium). Etc. can be adopted.
[0019]
The weight ratio of the halogen group-containing silicon compound and the surfactant is preferably 95: 5 to 20:80. Outside the above range where the halogen group-containing silicon compound is small, the strength and abrasion resistance of the formed antifogging coating are small and the durability tends to be poor. On the other hand, outside the above range with a small amount of surfactant, the surface anti-fogging film formed has a low surface hydrophilicity, and it is difficult to obtain satisfactory anti-fogging properties.
[0020]
In the coating agent A, at least one inorganic element alkoxide selected from the group of silicon alkoxide, aluminum alkoxide, titanium alkoxide, zirconium alkoxide, niobium alkoxide, zinc alkoxide, and tantalum alkoxide can be added. By adding an inorganic element alkoxide to the coating agent, silica, alumina, titania, zirconia, niobium oxide, zinc oxide, tantalum oxide, etc. can be added to the network bridge to the antifogging film to be formed. Durability such as wear resistance and water resistance can be improved. In order to improve the physical properties, the addition amount of the inorganic element alkoxide is preferably 5/95 or more by weight ratio with respect to the halogen group-containing silicon compound, but is preferably 90/10 or less. When the addition amount of 90/10 is exceeded, the surface hydrophilicity of the formed antifogging film becomes small and it is difficult to obtain satisfactory antifogging properties.
[0021]
A polyol can be added to the coating agent B. As the polyol, a commonly used polyol can be used, and for example, a polyol exhibiting hydrophilicity and water absorption such as polypropylene glycol and polyethylene glycol is preferable. By adding the polyol, the hydrophilicity of the formed antifogging film is improved. Alternatively, water-absorbing performance can be imparted to the formed anti-fogging film, and an anti-fogging property, particularly an anti-fogging property below freezing point can be obtained. The hydroxyl groups of these polyols react with the halogen groups of the halogen group-containing silicon compound. Alternatively, during the decomposition reaction of the alkoxy group, the hydroxyl group of the polyol reacts with the silicon compound or the alkoxy group of the inorganic element alkoxide, so that the polyol can participate in network crosslinking forming an antifogging film. . At that time, an acid (for example, hydrochloric acid in the case of a chloro group) hydrochloric acid generated in the reaction process serves as a catalyst for promoting network crosslink formation. In order to improve hydrophilicity and impart water absorption performance, the amount of polyol added is preferably 25/75 or more, more preferably 80/20 or less, by weight with respect to the surfactant. When the added amount exceeds 80/20, the antifogging property, strength and abrasion resistance of the antifogging coating formed are lowered, leading to a decrease in the performance of the antifogging coating formed.
[0022]
Moreover, the antifogging agent of this invention can be used as the antifogging agent which consists of the coating agent C which has polyisocyanate in addition to the coating agent A and the coating agent B. By adding the polyisocyanate, the isocyanate group in the polyisocyanate reacts with a hydroxyl group, an amino group, a mercapto group, or the like in the surfactant, and can participate in network crosslinking forming an antifogging film. As a result, the strength of the antifogging coating increases. Further, when the coating agent B has a polyol, the polyisocyanate also reacts with the polyol, so that network cross-linking of the polyurethane occurs, the antifogging film has elasticity derived from the polyurethane, and wear resistance is improved.
[0023]
Such a polyisocyanate is not particularly limited as long as it is a polyisocyanate generally used for urethane resins and the like. For example, a burette type or nurate type polyisocyanate in which hexamethylene diisocyanate is a multimer is more preferable. preferable. These polyisocyanates provide better antifogging properties, film strength, and abrasion resistance. The amount of the polyisocyanate is such that the number of isocyanate groups in the polyisocyanate is 0.5 to 2 times the stoichiometry with respect to the number of hydroxyl groups, amino groups, and mercapto groups in the surfactant and polyol. Preferably, it is preferable to adjust so that it may be 0.8 times or more and 1.5 times or less. By being within the above range, the antifogging film is particularly effective in increasing the strength and improving the wear resistance.
[0024]
At least one of these coating agent A, coating agent B, and coating agent C, or the anti-fogging agent generated after mixing is selected from the group of silica, alumina, titania, zirconia, zinc oxide, niobium oxide, and tantalum oxide. At least one kind of fine particles can be added. The addition of fine particles is preferable because the anti-fogging coating formed has more improved wear resistance. In order to further improve the wear resistance, the addition amount is 5/95 or more by weight ratio with respect to the total amount of the antifogging agent halogen group-containing silicon compound, surfactant, polyol, inorganic element alkoxide, and polyisocyanate. Although it is preferable, it is preferable that it is 40/60 or less. When the addition amount exceeds 40/60, the hydrophilicity of the surface of the antifogging coating film formed becomes small, and it is difficult to obtain satisfactory antifogging properties.
[0025]
The antifogging agent of the present invention requires antifogging performance, for example, lenses such as glasses / cameras, window glass, vehicle glass, helmet shields, articles such as underwater glasses, or mirrors used in bathrooms. It can be applied to articles and the like that require transparency, and is preferably applied to a substrate having transparency and reflectivity and applied as an antifogging film. The anti-fogging coating formed from the anti-fogging agent of the present invention has a surfactant fixed through a covalent bond with a halogen group-containing silicon compound that is a matrix component of the coating, and the surfactant does not elute. The function of developing antifogging properties over a long period of time can be maintained, and the durability such as wear resistance is excellent.
[0026]
A typical example of the substrate is glass. The glass is a plate glass usually used for automobiles, architectural and industrial glasses, and is a plate glass by a float method, a duplex method, a roll-out method, etc., and the manufacturing method is not particularly limited.
[0027]
As glass types, it can be used for various colored glasses such as clear, green and bronze, various functional glasses such as UV, IR cut glass and electromagnetic shielding glass, netted glass, low expansion glass, zero expansion glass and fireproof glass. Various glass products such as glass, tempered glass or similar glass, laminated glass, multilayer glass, mirrors produced by the silvering method or vacuum film forming method, flat plates, bent plates and the like can be used. The plate thickness is preferably 1.0 mm or greater and 10 mm or less, and for automobiles is preferably 1.0 mm or greater and 5.0 mm or less. The substrate may be coated with the antifogging agent only on one side or on both sides. Further, the coating of the antifogging agent may be the whole surface or a part of the substrate surface.
[0028]
In addition, the base material is not limited to glass, but a resin film such as polyethylene terephthalate having light transmissivity and light reflectivity, resin such as polycarbonate, metal, ceramics, etc. can be used at the time of drying and curing the antifogging agent. Anything that does not deform can be used.
[0029]
The formation method of the antifogging film of this invention can coat | cover an antifogging film on the base-material surface by the following process.
(A) preparing a substrate;
(B) a step of mixing the coating agent A and the coating agent B;
(C) The process of apply | coating the mixed coating agent to the base-material surface,
(D) A step of curing the film coated on the substrate surface at room temperature or a heat treatment temperature up to 250 ° C.
And by anti-fogging coatingTheForm. Or
(A) preparing a substrate;
(B) the step of mixing the coating agent C after mixing the coating agent A and the coating agent B;
(C) The process of apply | coating the mixed coating agent to the base-material surface,
(D) Curing the film coated on the substrate surface at room temperature or at a heat treatment temperature up to 250 ° C.Process
And by anti-fogging coatingTheForm.
[0030]
As means for applying the antifogging agent to the substrate surface, known means such as dip coating, flow coating, spin coating, roll coating, bar coating, spray coating, screen printing, flexographic printing, etc. can be employed. Moreover, the coating agent A, the coating agent B, the coating agent C, or the antifogging agent can have a solvent. As the solvent, toluene, xylene, dimethylformamide, 2-methoxyethyl acetate, 2-ethoxyethyl acetate, diethylene glycol monoethyl ether acetate, or a mixed solvent thereof can be used.
[0031]
After applying the antifogging agent to the substrate, the temperature is appropriately selected in consideration of the decomposition temperature of the raw material used at room temperature or a heat treatment temperature up to 250 ° C., preferably a heat treatment temperature of 120 ° C. to 250 ° C., about 20 minutes to 60 minutes By heating for about minutes, most of the solvent of the antifogging agent is scattered, and at the same time, the curing reaction of the antifogging agent is promoted to form a film. When the heat treatment temperature exceeds 250 ° C., carbonization of the organic component starts to occur, which is not preferable. In addition, when a halogen group-containing silicon compound and an inorganic element alkoxide containing alkoxide are used, polymerization of the halogen group-containing silicon compound and inorganic element alkoxide is accelerated by heat treatment, and a high-strength film can be produced.
[0032]
The film thickness of the antifogging film is desirably 0.1 μm or more and 30 μm or less after the heat treatment, and if it is less than 0.1 μm, the durability tends to be inferior. There is a risk of optical distortion.
[0033]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described specifically by way of examples. However, the present invention is not limited to such examples. In addition, about the obtained anti-fogging film, quality evaluation was performed by the method shown below.
[0034]
(1) Repeated anti-fogging property
Based on “Testing method for anti-fogging agent for spectacles” (JIS S 4030), the cloudiness when the sample for evaluation was held for 3 minutes in steam of hot water set at 43 ° C., and the room temperature (23 ° C., 63% after holding) The cloudiness due to exhalation when taken out during (RH) was visually observed, and this operation was performed for 10 cycles. A sample having no appearance abnormality and no cloudiness and having no problem with the visible light transmittance of the sample as judged by visual judgment was evaluated as acceptable (O), and a sample with fogging was determined as unacceptable (X).
[0035]
(2) Cold / antifogging properties
After holding the sample for evaluation in a refrigerator set at 4 ° C. for 30 minutes, visually observe the appearance, cloudiness, and cloudiness due to exhalation when taken out at room temperature (23 ° C., 63% RH). For 10 cycles. A sample having no appearance abnormality and no cloudiness and having no problem with the visible light transmittance of the sample as judged by visual judgment was evaluated as acceptable (O), and a sample with fogging was determined as unacceptable (X).
[0036]
(3) Abrasion resistance
Based on the abrasion resistance test method described in JIS R 3221, the sample for evaluation was subjected to a Taber type abrasion test with an abrasion wheel CS-10F and a load of 2.45 N, and the haze value (cloudiness value) was evaluated. In the evaluation, the initial haze value H0, the haze value H100 after 100 times, and the haze value H200 after 200 times are H0 ≦ H100 ≦ H200, and the haze value change amount ΔH (ΔH = H200−H0) was ΔH ≦ 10%, which was accepted (◯), and H100> H200 or ΔH> 10% was rejected (×).
[0037]
(4) Water resistance
Immerse the evaluation sample in water kept at room temperature (23 ± 2 ° C) for 1 hour. After immersion, the sample that does not have any abnormal appearance and does not peel off by wiping with a nail is accepted (◯). (X).
[0038]
Reference example1
Coating agent A obtained by mixing 0.8 g of γ-chloropropyltrimethoxysilane with 7 g of solvent dimethylformamide, and 2.2 g of ricinoleamidopropylethyldimonium ethosulphate (surfactant) in 6 g of solvent dimethylformamide The coating agent B obtained by mixing was mixed and the antifogging agent was applied to the surface of a float glass having a glass size of 200 mm × 200 mm × 2 mm (thickness) washed in advance by a bar coating method, at a heat treatment temperature of 180 ° C. The coated film was held for 30 minutes and cured to obtain a glass substrate with an antifogging film. The obtained glass substrate with an antifogging film has a film thickness of 0.3 μm, and as shown in Table 1, all the qualities of repeated antifogging properties, anti-fogging properties, cold and antifogging properties, Taber abrasion resistance, and water resistance are obtained. It was confirmed that this was excellent.
[0039]
[Table 1]
[0040]
Example 2
Coating agent A obtained by mixing 2.5 g of γ-chloropropyltrimethoxysilane with 6 g of solvent dimethylformamide, 1.2 g of ricinoleamidopropylethyldimonium ethosulphate (surfactant), and trifunctional polyethylene Except for obtaining an antifogging agent by mixing 1.6 g of glycol (molecular weight 200) and 0.3 g of polyethylene glycol (PEG 1000) with 6 g of the solvent dimethylformamide and mixing with coating agent B.Reference exampleIn the same manner as in No. 1, a glass substrate with an antifogging film was obtained. The obtained glass substrate with an antifogging film has a film thickness of 3 μm, as shown in Table 1.Reference exampleSimilar to 1, it showed excellent performance in all qualities.
[0041]
Reference example3
Coating agent A obtained by mixing 1 g of γ-chloropropyltrimethoxysilane and 1.5 g of tetraethoxysilane in 6 g of solvent and 1.2 g of ricinoleamidopropylethyldimonium ethosulphate (surfactant) Except that the coating agent B obtained was mixed to obtain an antifogging agent.Reference exampleIn the same manner as in No. 1, a glass substrate with an antifogging film was obtained. The obtained glass substrate with an antifogging film has a film thickness of 18 μm, as shown in Table 1.Reference exampleSimilar to 1, it showed excellent performance in all qualities.
[0042]
Example 4
Coating agent A obtained by mixing 1 g of γ-chloropropyltrimethoxysilane with 6 g of solvent dimethylformamide, 1.2 g of ricinoleamidopropylethyldimonium ethosulphate (surfactant), and trifunctional polyethylene glycol (molecular weight) 200) 1.6 g and polyethylene glycol (PEG 1000) 0.3 g in 6 g of solvent dimethylformamide, coating agent B, polyisocyanate (24A-100: manufactured by Asahi Kasei) 5 g of coating agent C Except for obtaining an antifogging agent obtained by mixing agent A and coating agent B and then mixing coating agent C with the mixture,referenceA glass substrate with an antifogging film was obtained in the same manner as in Example 1. The obtained glass substrate with an antifogging film has a film thickness of 17 μm, and as shown in Table 1, all the qualities of repeated antifogging properties, anti-fogging properties, cold and antifogging properties, Taber abrasion resistance, and water resistance are obtained. It was confirmed that this was excellent.
[0043]
Example 5
1.2 g of surfactant for coating agent B, 0 g of polyethylene glycol (PEG 1000), 5 g of polyisocyanate for coating agent C, and a mixture of coating agent A, coating agent B, and coating agent C with colloidal silica (product) Glass with antifogging coating having a film thickness of 10 μm in the same manner as in Example 4 except that 2 g of the name “NPC-ST”; solid content 20%, manufactured by Nissan Chemical Co., Ltd.) was mixed to obtain an antifogging agent. A substrate was obtained. As shown in Table 1, the obtained glass substrate with an antifogging film is shown in Table 1.referenceAs in Example 1, excellent performance was exhibited in all qualities.
[0044]
Example 6
Glass with an antifogging coating is prepared in the same manner as in Example 2 except that methyltrichlorosilane is used as a raw material for the halogen group-containing silicon compound, the heat treatment temperature of the film coated on the substrate is 150 ° C., and is maintained for 50 minutes. A substrate was obtained. The obtained glass substrate with an antifogging film had a film thickness of 8 μm, and as shown in Table 1, showed excellent performance in all qualities as in Example 4.
[0045]
Comparative Example 1
Except for 0.1 g of γ-chloropropyltrimethoxysilane and 0.9 g of ricinoleamidopropylethyldimonium ethosulphate (surfactant),referenceA glass substrate with an antifogging film was obtained in the same manner as in Example 1. The obtained glass substrate with an antifogging film repeatedly failed in antifogging properties, cold / hot antifogging properties, abrasion resistance, and water resistance.
[0046]
Comparative Example 2
Except for using a polyisocyanate instead of a halogen group-containing silicon compound,referenceSame as Example 1. The obtained glass with an antifogging film has a film thickness of 20 μm, and as shown in Table 1, although it had excellent antifogging properties in terms of antifogging properties and anti-fogging properties at cold and warm temperatures, Water resistance was unacceptable.
[0047]
Comparative Example 3
Example 2 was repeated except that polycarbonate polyol was used instead of the surfactant. The obtained glass with an antifogging film had a film thickness of 20 μm, and as shown in Table 1, the antifogging property, the cold / hot antifogging property, and the wear resistance were repeatedly rejected.
[0048]
Comparative Example 4
A glass substrate with an antifogging film was obtained in the same manner as in Example 3 except that 9 g of tetraethoxysilane was used. The obtained glass substrate with an antifogging film was repeatedly unacceptable in terms of antifogging properties and cold / hot antifogging properties.
[0049]
【The invention's effect】
The antifogging agent and antifogging film of the present invention can exhibit excellent antifogging properties over a long period of time by fixing the surfactant to the silicon compound matrix and making the surface of the film hydrophilic. In addition, since a silicon compound is used as the matrix, it has wear resistance and water resistance.
Claims (10)
(a)基材を用意する工程、
(b)前記塗布剤Aと前記塗布剤Bとを混合する工程、
(c)混合された塗布剤を基材表面に塗布する工程、
(d)室温又は250℃までの熱処理温度で基材表面に被覆された膜を硬化させる工程
を有することを特徴とする防曇性被膜の形成方法。 A method for forming an antifogging film using the antifogging agent according to any one of claims 1 to 7,
(A) preparing a substrate;
(B) a step of mixing the coating agent A and the coating agent B;
(C) The process of apply | coating the mixed coating agent to the base-material surface,
(D) A step of curing the film coated on the substrate surface at room temperature or a heat treatment temperature up to 250 ° C.
A method for forming an antifogging film, comprising:
(a)基材を用意する工程、
(b)前記塗布剤Aと前記塗布剤Bとを混合した後、前記塗布剤Cを混合する工程、
(c)混合された塗布剤を基材表面に塗布する工程、
(d)室温又は250℃までの熱処理温度で基材表面に被覆された膜を硬化させる工程
を有することを特徴とする防曇性被膜の形成方法。 A method for forming an antifogging film using the antifogging agent according to claim 8,
(A) preparing a substrate;
(B) the step of mixing the coating agent C after mixing the coating agent A and the coating agent B;
(C) The process of apply | coating the mixed coating agent to the base-material surface,
(D) A step of curing the film coated on the substrate surface at room temperature or a heat treatment temperature up to 250 ° C.
A method for forming an antifogging film, comprising:
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