JP4444018B2 - マイクロリアクタ - Google Patents

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本発明は、複数の流体を混合するためのマイクロリアクタに関し、特に、合流路内に変形および/または動作が可能な障害物を備え、混合特性のアクティブな制御を可能とするマイクロリアクタに関する。
近年、ダイオキシン等の環境ホルモンの検出や、免疫診断など微少物質の高速分析、あるいは燃料電池など携帯可能な化学反応チップとして、マイクロリアクタが注目されている。マイクロリアクタは、幅1ミリオーダー以下の微小な複数の流路に反応させたい物質を注入し、合流路で混合させるものである。このとき微小な流路を通る流体は層流を形成することから、複数の流体における界面の拡散を通じて反応を進行させることにより、反応の制御性を上げることができる。但し、反応を高速化するためには複数の流体を混合させなければならず、層流を乱流に変換する手段が必要となる。また、流体の供給量が流路のサイズに対して少量である場合にも一定以上の良好な混合効率が確保されることも所望されている。
そのような従来のマイクロリアクタの一つとして、たとえば特許文献1には、流路に柱状の障害物を備えることにより複数の流体を混合する化学又は生化学反応器が提案されている。また、特許文献2には、流路を分離合流させることにより混合効率を高めたマイクロリアクタが提案されている。また、特許文献3には、流路内に供給した試料液体に該試料液体とは非相溶性で非磁性流体からなる駆動液体を接触させ、該駆動液体を移動させることで試料液体を送液するようにしたことを特徴とするマイクロ流体デバイスの送液方法が提案されている。
たとえば特許文献1〜3に提案されているマイクロリアクタにおいては、流路の分離合流も含め、いずれも流路の壁面の全部または一部に凹凸を持たせることで、流路内部を流れる流体に乱流を生じさせ、複数の流体を混合している。
実際の分析や合成においては、複数の流体の混合特性を任意に変更することにより、該複数の流体の混合の程度や反応生成物の量等が種々の状況に応じて所望される範囲内に容易に制御されることが望ましい。しかしながら従来のマイクロリアクタでは、乱流を生じさせる壁面の全部または一部に設けられる凹凸は固定されており、形状を容易に変更できないため、混合特性を状況に応じて変化させることは困難であるという問題があった。
特表2003−526359号公報 特開2003−1077号公報 特開2004−61320号公報
本発明は上記の課題を解決し、合流路内に変形および/または動作が可能な障害物を備えることにより、混合特性を任意の範囲内に随時制御することを可能とするマイクロリアクタを提供することを目的とする。
本発明は、複数の流路と該複数の流路が合流した合流路とを有し、合流路内に変形および/または動作が可能な障害物を備え、障害物を変形および/または動作させることにより合流路に乱流を発生させるマイクロリアクタに関する。
障害物の変形および/または動作は外部から制御されることが好ましい。また該障害物の変形は障害物と流体との相互作用により生じ、かつ障害物の変形量が該障害物の代表長さの1%以上となるように設定されることが好ましい。ここで代表長さとは障害物の最長方向のサイズを指す。
本発明においては、障害物の動作によって、合流路に対する障害物の傾きが変化することが好ましい。また、障害物が往復運動することも好ましい。これに合流路に生じる乱流のサイズをより大きくすることができる。
本発明においては、全部または一部が磁性体で形成され、外部から与えられる磁場によって動作が制御される障害物もまた好ましく使用される。
本発明によれば、複数の流路と該複数の流路が合流した合流路とを有するマイクロリアクタの該合流路内に、変形および/または動作が可能な障害物を設けることにより、複雑なシステムを構築することなくマイクロリアクタの混合特性を任意かつ容易に設定することができる。特に、流体の流れ方向に対する障害物の角度を適宜変化させることによって良好な混合特性を容易に得ることができる。
本発明のマイクロリアクタは、複数の流路が合流した合流路内に変形および/動作が可能な障害物を設けることを特徴とする。変形および/動作が可能な障害物を設けることにより、障害物の端点から生じる乱流のサイズを、合流路内の流体が形成する流れの向きに対してなす障害物の角度に応じて自在に変化させることができる。乱流とは、時間的、空間的に不規則な変動、すなわち乱れを含む流れを指す。本発明のマイクロリアクタにおいて、複数の流路を通過する流体は層流を形成し、合流路において該層流が乱流に遷移する。層流から乱流への遷移のし易さは一般にレイノルズ数Rで与えられる。ここで、
R=ρLU/η=LU/ν
(L:流れの中にある物体の代表長さ、U:速度、ρ:密度、η:粘性率、ν(=η/ρ):動粘性率)
である。
本発明は、変形および/または動作が可能な障害物を合流路内に設けることにより乱流を生じさせることを特徴とする。層流から乱流への遷移は複数の流体の混合特性の向上という結果によって確かめられるが、たとえばマイクロリアクタ内部における流体の挙動についてのシミュレーション計算によって確認でき、上記のレイノルズ数がたとえば約2000以上である場合、マイクロリアクタの合流路内には乱流が発生すると考えることができる。
混合特性は乱流のサイズによって左右されるため、障害物と流体の流れ方向とのなす角度と混合特性との関係をあらかじめ校正測定しておくことにより、マイクロリアクタが所望の混合特性を有するように随時調整することができる。
本発明に用いられる変形可能な障害物を得る方法としては、該障害物を、たとえば形状記憶合金、バイメタル、導電性ポリマー、圧電素子、静電アクチュエータ等により形成する方法が好ましく挙げられる。
形状記憶合金としては、Au−Cd合金,Ti−Ni合金,Cu−Al−Ni合金等が好ましく使用でき、合流路内の設定温度等の混合条件に応じ、所望の温度で形状記憶特性が得られる合金を適宜選択すれば良い。
バイメタルは熱膨張率の異なる2種類の金属板を貼り合わせたものであり、温度が上昇すると熱膨張率の小さな金属のほうに曲がる特性を有する。このようなバイメタルとしては、たとえば、黄銅、鉄、ニッケル、クロム合金等の膨張係数が比較的大きい金属と、ニッケル銅等の膨張係数が比較的小さい金属とを貼り合わせたもの等が好ましく使用できる。
圧電素子としては、電極となる金属板を圧電セラミックスで挟んだバイモルフ型ピエゾ素子等を好適に使用でき、電極に電圧を印加することでピエゾ素子の屈曲を制御できる。
静電アクチュエータとしては、たとえば図10に示すような装置が好適に採用され得る。図10は、本発明において使用される障害物としての静電アクチュエータを示す図である。図10に示す障害物は、支持部1000、変形部1001、電極部1002からなり、変形部1001と電極部1002との間に電圧を印加することにより、静電気力で変形部1001を曲げることができる。
本発明においては、障害物の変形および/または動作を外部から制御できることが好ましい。たとえば形状記憶合金やバイメタル等からなる障害物を使用する場合、合流路内の障害物に熱を伝達することによって障害物を変形させるため、合流路の内壁面における障害物の固定部に発熱体を用い、外部から障害物の温度を電気的に制御できる加熱機構を設ける方法等が好ましく採用され得る。加熱機構は、固定部に対して外部から熱を伝導させる機構としても構わないし、固定部のみならず複数の流体を反応させる合流路全体を周囲から加熱する方式としても構わない。また流体を反応させるための所望の条件によって、必要な場合には複数の加熱機構を兼用することも可能である。
本発明においては、障害物自体が変形しない材料で形成される場合でも、障害物をたとえば外部からの制御により動作させ、障害物の傾きを比較的高速で変更することにより、合流路内の流体の混合効率を高めることができる。このとき、障害物を往復運動させることが特に好ましい。往復運動により、合流路内に逆向きの乱流が交互に発生するため、流体の混合効率を高めることができる。
本発明に使用される障害物は、上記のように外部からの制御により変形および/または動作をさせても良いが、流体との相互作用により変形する障害物が形成されることもまた好ましい。この場合、外部から特別なエネルギーを与えることなく障害物を変形させることができるため、システムが簡略化されるという利点を有する。流体との相互作用により変形する障害物の変形量は、該障害物の代表長さの1%以上とされることが好ましい。この場合、合流路内に十分なサイズの乱流を発生させ、複数の流体の混合効率が良好となる。
流体との相互作用により変形が生じる障害物は、たとえば、薄膜や剛性の低い膜を形成し得る材料によって形成することができる。このような材料としては、PP(ポリプロピレン)膜、PE(ポリエチレン)フィルム、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素系樹脂膜、等が好ましく例示される。
本発明において変形可能な障害物が使用される場合、障害物の変形量が、該障害物の代表長さの1%以上となるように設定されることが好ましい。この場合、混合特性の向上が容易であるとともに、比較的広い範囲で混合特性を任意に変化させることが可能である。
本発明においては、全部または一部が磁性体で形成された障害物を使用することも好ましい。この場合、該障害物の動作は外部から与える磁場によって制御されることができるため、外部から流路内部の障害物への信号伝達機構または信号伝達部分を設けることが不要であり、システムの簡素化が図れる。また障害物を合流路の内壁面に固定しない方法も採用できるため、マイクロリアクタの製造が容易であり、信頼性の点にも優れる。
本発明に係るマイクロリアクタの好ましい態様につき、以下に図を参照しながら説明する。図1は、本発明に係るマイクロリアクタの一例を示す図である。図1は2つの流体を注入して1つの反応生成物を得るマイクロリアクタを示している。一方、図9は、本発明に係るマイクロリアクタの別の例を示す図である。図9は3つの流体を注入して1つの反応生成物を得るマイクロリアクタを示している。図1に示すマイクロリアクタの構成において、マイクロリアクタ101には、混合される物質の流体を外部から導入するための第1の流入口102と第2の流入口103とが設けられ、各々の流入口から第1の流路104、および第2の流路105が伸び、反応部106で合流している。反応部106を経た合流路107は流出口108につながり、該流出口108から反応生成物が外部に取り出される。また、図9に示すマクロリアクタの構成において、マクロリアクタ901には、混合される物質の流体を外部から導入するための第1の流入口902、第2の流入口903、第3の流入口904が設けられ、各々の流入口から第1の流路905、第2の流路906、第3の流路907が伸び、反応部908で合流している。反応部908を経た合流路909は流出口910につながり、該流出口910から反応生成物が外部に取り出される。
本発明のマイクロリアクタは複数の流体の流入口を有するが、図1および図9のような構成に限定されず、注入される流体の種類(数)が2つ以上であれば良い。すなわち本発明においては、種々の用途において必要な反応に応じた複数本の流入口を任意に設けることができる。以下に、図1に示すマイクロリアクタを例に、反応部106における本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<実施の形態1>
図2は、実施の形態1における反応部106付近の構成を示す図である。障害物202は固定部201で壁面に固定されている。また障害物202は、形状記憶合金、バイメタル、導電性ポリマー、圧電素子、静電アクチュエータ等の、外部から変形させることが可能な材質により形成されることができる。
導電性ポリマーからなる障害物を用いる場合、固定部201の両端(図2において、たとえば紙面の手前側と奥側)に電圧を印加することで、障害物202に電流を流し、屈曲を起こさせることができる。例えば、ICPFと呼ばれるパーフルオロスルフォン酸(PFS)膜上に白金(Pt)を両側からメッキした接合体からなる障害物を用いる場合には、両側の白金層を電極とすればよい。このとき、イオンの可動性を保持する目的でポリマー(高分子材料)膜には水分を存在させる方が好ましい。よって、導電性ポリマーからなる障害物は混合する流体が水溶液であるような場合に特に好適である。
第1の流路104および第2の流路105から注入された流体は、合流後も層流として流れるが、障害物202を変形させ、例えばその変形が、図2の上方(図2において点線で示される方向)あるいは下方(図2において一点鎖線で示される方向)に屈曲するように設定される場合、第1の流路104あるいは第2の流路105のいずれかから注入された流体の流路の幅は狭められ、障害物202の下流端付近で流体の流速が高まるため、障害物202の後方に乱流(図2において点線あるいは一点鎖線の矢印で示される)が発生する。この乱流により、第1の流路104あるいは第2の流路105から注入された流体は合流路内で混合されることとなる。
本発明において混合される複数の流体の混合特性は、注入速度が一定の場合、障害物202の屈曲(変形)の程度で変化する。そこで、障害物の変形量と混合特性との関係をあらかじめ定量化しておくことが望ましい。この場合、障害物の変形量を制御することにより、所望の混合特性を容易に得ることができる。
混合特性の測定方法としては従来公知の方法を採用することができる。ここでは、測定方法の一例として、完全混合槽列モデルによる方法を示しておく。このモデルに従うと、槽の数をN個とし、時刻Tを平均滞留時間Tmで規格化した規格化時刻τ(≡T/Tm)の関数として表した滞留時間分布E(τ)は次に示す数式(I)のように表される。
Figure 0004444018
図3は、完全混合槽列モデルによる規格化時刻と滞留時間分布との関係を示す図である。完全混合槽列モデルにおいては、Nが混合特性を示すパラメータとなる。
実際の測定においては、トレーサーとして、たとえば図1における流出口108でその濃度Cが測定可能な検証用の流体、もしくはパーティクルを、時刻T=0に第1の流入口102または第2の103から瞬間的に注入(インパルス入力)し、流出口108から排出されるトレーサー濃度Cを連続的に計測する。この結果から、数式(I)の規格化時刻τを用いて、数式(II)によりEp(τ)を計算する。
Figure 0004444018
得られたEp(τ)の値を図3にプロットし、混合特性のパラメータNを求める。Nの値が1に近い程、混合率が高く、良好な混合特性を有することを示している。
<実施の形態2>
図4は、実施の形態2における反応部106付近の構成を示す図である。接続部401で壁面に接続された障害物402が設けられ、該障害物402は、合流路107に対する傾きを接続部401で制御される。接続部401は、例えば紙面に対して垂直方向に設けられる軸とされることができ、外部からアクチュエータやモータで回転させることにより、障害物402の傾きを変更できる。
障害物402の合流路107に対する傾きを変化させることで、合流路107内に乱流を生じさせ、2つの流体を混合させる点は実施の形態1と同様であり、混合特性も実施の形態1と同様の方法により決定できる。
<実施の形態3>
図5は、実施の形態3における反応部106付近の構成を示す図である。実施の形態2と同様に、障害物502は接続部501で壁面に接続されており、該障害物502は、合流路107に対する傾きを接続部501で制御できるようになっている。接続部501は、例えば紙面に対して垂直方向に設けられる軸とされることができ、外部からアクチュエータやモータで回転させることにより、障害物502の傾きを変更できる。
実施の形態3においては、接続部501は、障害物502の上流端ではなく、障害物502の中間部に接続されている。これにより、第1の流路104および第2の流路105の両方から注入され、障害物502の上流側に達した2つの流体は、障害物502の上方に導かれる。障害物502の下流端から流体が高速で流出する際、後方に形成される渦によって2つの流体は攪拌されるため、より効率良く混合が進む。なお混合特性は実施の形態1と同様の方法で決定できる。
<実施の形態4>
図6は、実施の形態4における反応部106付近の構成を示す図である。障害物602は磁性体で形成され、もしくはその一部に磁性体を含んでおり、壁面に固定もしくは接続されることなく、例えば外部からの磁場によって制御されることができる。
本実施の形態においては、固定部もしくは接続部を無くすことでマイクロリアクタの製造工程を簡略化することができる。また、障害物602の合流路107内での位置の選択および変更が容易であり、流れ方向および/または上下方向に自在に移動させることにより、任意の混合特性を得ることができる。さらに、障害物の傾きを変える制御の中心点等も任意に調整することができる。なお混合特性は実施の形態1と同様の方法で決定できる。
<実施の形態5>
図7は、実施の形態5における反応部106付近の構成を示す図である。障害物702は、実施の形態1〜4のいずれの形態でも構わないが、ここでは、代表的に実施の形態4の障害物を示している。本実施の形態では、合流路107に対する障害物702の傾きを変更する方法として、上下の往復運動を連続的または間欠的に行った場合を示している。障害物702を往復運動させることにより、障害物702の上方および下方の双方により大きな乱流サイズの渦を形成させることができ、効率的な混合が可能となる。また、障害物702の往復運動の速度(周波数)や傾きの大きさ(振幅)等を変更することで、様々な混合特性を得ることができる。なお混合特性は実施の形態1と同様の方法で決定できる。
<実施の形態6>
図8は、実施の形態6における反応部106付近の構成を示す図である。固定部801に固定された障害物802は、薄膜または剛性の低い材質で形成され、2つの流体の層流の僅かの圧力の違いから、旗が靡くように自発的に変形し、後方にカルマン渦を形成する。
このような材質を用いることで、外部からの制御によって障害物802を変形または動作させる必要がなくなるため、システムを単純化できるという利点を有する。なお混合特性は実施の形態1と同様の方法で決定できる。
<混合特性のシミュレーション>
本発明のマイクロリアクタは、変形および/または動作が可能な障害物を備えることにより混合特性が幅広い範囲内で任意に制御され、たとえば混合特性が10%以上変化することができる。以下に一例として実施の形態4のマイクロリアクタにおける混合特性のシミュレーション評価について示す。図6に示す構成の反応部を有するマイクロリアクタにおける混合特性Nを、前述の完全混合槽列モデルに従って評価した。図11は、実施の形態4に係るマイクロリアクタにおける混合特性Nのシミュレーション結果を示す図である。横軸は、流体の流れ方向に対する障害物の角度θ(°)であり、縦軸は、混合特性Nである。混合特性Nが1に近いほど良好な混合特性であることを示す。図11から明らかなように、障害物の角度を変化させることによって混合特性Nを幅広く制御することができ、たとえばθ=0°の場合の混合特性N(約48)と比べて、θ=90°の場合の混合特性N(約4)は約10倍以上向上していることが分かる。
なお、実施の形態1〜6においては、簡単のため、合流路内に1つの障害物を備える例について説明したが、同様の形態および/または動作機構を有する障害物を複数設けたり、形態および/または動作機構の異なる障害物を複数組み合わせて用いても良い。また、本発明において使用される障害物と、従来公知の障害物とを組み合わせて用いることもできる。所望される混合特性に応じて障害物の選択および組み合わせを適宜行なうことにより、混合効率を効果的に向上させることができる。このような組み合わせとして、たとえば薄膜からなる障害物を用いる場合、合流路に複数の薄膜を並列に配置することで、あたかも吹流しのような乱流を生じさせ、混合効率を著しく向上させることができる。
本発明のマイクロリアクタは、撹拌等、混合によって反応効率を向上させることが所望される化学合成、化学分析等の用途に対して適用可能である。具体的には、たとえば、ダイオキシン等の環境ホルモンの検出、免疫診断等の微少物質の高速分析、燃料電池等の携帯可能な化学反応チップ、生体外蛋白質合成等の有機合成、等の用途が挙げられる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した説明でなく特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内のすべての変更が含まれることが意図される。
本発明によれば、複数の流路と該複数の流路が合流した合流路とを有するマイクロリアクタの合流路内に、変形および/または動作が可能な障害物を設けることにより、複雑なシステムを構築することなくマイクロリアクタの混合特性を任意かつ容易に設定することができる。これにより、反応速度を任意に制御可能で、所望の反応生成物がより効率良く得られるマイクロリアクタの提供が可能となる。
本発明に係るマイクロリアクタの一例を示す図である。 実施の形態1における反応部106付近の構成を示す図である。 完全混合槽列モデルによる規格化時刻と滞留時間分布との関係を示す図である。 実施の形態2における反応部106付近の構成を示す図である。 実施の形態3における反応部106付近の構成を示す図である。 実施の形態4における反応部106付近の構成を示す図である。 実施の形態5における反応部106付近の構成を示す図である。 実施の形態6における反応部106付近の構成を示す図である。 本発明に係るマイクロリアクタの別の例を示す図である。 本発明において使用される障害物としての静電アクチュエータを示す図である。 実施の形態4に係るマイクロリアクタにおける混合特性Nのシミュレーション結果を示す図である。
符号の説明
101,901 マイクロリアクタ、102,902 第1の流入口、103,903 第2の流入口、104,905 第1の流路、105,906 第2の流路、106,908 反応部、107,909 合流路、108,910 流出口、201,801 固定部、401,501 接続部、202,402,502,602,702,802 障害物、904 第3の流入口、907 第3の流路、1000 支持部、1001 変形部、1002 電極部。

Claims (2)

  1. 複数の流路と前記複数の流路が合流した合流路とを有し、前記合流路内に変形が可能な障害物を備え、前記障害物を変形させることにより前記合流路に乱流を発生させるマイクロリアクタであって、
    前記変形が障害物と流体との相互作用により生じ、かつ前記障害物の変形量が前記障害物の代表長さの1%以上となるように設定される、マイクロリアクタ。
  2. 前記障害物の変形が外部から制御される、請求項1に記載のマイクロリアクタ。
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