JP4435967B2 - 外科用縫合器具および縫合切断器具 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、肺、食道、胃、十二指腸および小腸・大腸などの体内器官や生体組織の縫合に使用する外科用縫合装置に関し、特に、複数個のステープルからなるステープル列を、生体組織に貫通、縫合するために使用される外科用縫合装置に関する。さらに本発明は、複数個のステープルからなるステープル列を、圧縮された生体組織に貫通縫合し、それと同時に該生体組織を切断するために使用される外科用縫合切断装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、従来の縫合糸に代えて外科用ステープルを使用する外科手術が増加している。これは、外科用ステープルを使用すると、縫合糸を使用する場合に必要とされる複雑な操作を簡単にすることができ、従って縫合操作に要する時間を大幅に削減することができるので、患者を麻酔状態におかなければならない時間を大きく短縮できるからである。このため、種々の外科手術に対して、多くの型の外科用ステープラーが開発されてきた。
【0003】
かかる外科用ステープラーは、初期には、繰り返し・多目的に使用する装置であり、外科用ステープルも手で一回に一個ずつ装置に装填していた。しかし、この種のステープラーは、一般に構造が複雑で高価であり、重く、嵩張って、外科用ステープルを装填するのにも、また使用後に洗浄・殺菌するのにも手間がかかった。このため、外科用ステープラーの改良の流れは、予め殺菌されたシングルユースのステープル装填ユニットやステープルカートリッジを装着できるものへと向かった。米国特許第3,275,211号、同第3,315,863号および第3,589,589号は、このような交換可能なステープルカートリッジを具備する外科用ステープラーを開示している。
【0004】
また、かかる外科用ステープラーにおいて、ステープルカートリッジとアンビルの間に挟んだ生体組織に適用するタイプのステープラーが知られている。かかる外科用ステープラーは、例えば米国特許第3,275,211号にあるような金属製ステープルでもよいし、米国特許第4,402,445号にあるように、非金属製の樹脂材料でつくったものでもよい。金属製ステープルの場合は、ステープルの脚は、組織を貫通し、通常アンビルによって組織に固着するように折り曲げられる。一方、非金属製ステープラーの場合は、各ステープラーは、装着前においては、装置のステープラー把持部に設けられるステープラー部と装置のアンビルに設けられる保持部の二つの部分からなっている。ステープラー部の脚は、組織を貫通して保持部と組み合い、ステープラーを組織に固着させる。ほとんどの外科用ステープルは、生物学的に不活性で、体内に恒久的にとどまるが、生物学的に吸収可能な金属製ステープルも知られている。一方、非金属製の樹脂材料でつくった外科用ステープラーは、生物学的に吸収可能にも、また吸収不能にも形成することができる。
【0005】
また、費用の観点からも、分解、洗浄、再組立て、殺菌など多くの作業を削減することができ、しかも外科手術の効率を損うことのないシングルユースの外科用ステープラーに対する関心が高まっていた。例えば米国特許第4,354,628号、同第4,383,634号および同第4,527,724号には、シングルユースの外科用ステープラーが開示されている。
さらに、直線状に一列に配置された複数個のステープル、または交互配置された複数列の多数のステープルを、圧縮された生体組織に貫通縫合するために使用される外科用ステープラーも知られており、食道、胃、十二指腸、小腸、大腸における病変、患部の切除あるいは組織や器官の閉塞のために、あるいは吻合術において、さらに胸部や腹部の形成処置における器官閉塞のために一般に使用されている。
【0006】
この種のよく知られた肺および腸の外科用ステープラー、および1983年7月7日に公開されたフロイント氏らによるPCT出願第WO83/02247号明細書に記載されている同様のステープラーは、ステープルを満たしたステープルカートリッジまたはステープルカートリッジから、圧縮された生体組織へとステープルを打ち込むように構成されている。これらのステープラーは、アンビルを有する顎部と、通常取り外し可能なステープルカートリッジを含むステープルカートリッジと、レバーとを有している。
【0007】
かかるステープラーは、1つのレバーと、通常隣接して位置決めピン穴が形成されている自由端と支持端を有する顎部と、位置決めピン貫通路を有するステープルカートリッジまたはステープルカートリッジを取り外し自在に収納するためのカートリッジアセンブリと、位置決めピンとを有する。この位置決めピンは、ステープルカートリッジ内の貫通通路を通ってアンビル顎部内の位置決め穴へと伸び、位置決め位置に達する。そして使用後には位置決め貫通通路と位置決め穴から離れた解除位置すなわち非係合位置に移動可能とすることができ、この場合にはステープルカートリッジを取り外し、カートリッジを取り替えることが可能となる。
【0008】
かかる外科用ステープラーにおいて、カートリッジアセンブリは一方向に移動可能であり、アンビルは、上記一方向に対してほぼ直交するアンビル面を有する。位置決めピンがステープルカートリッジ内の貫通通路を通じてアンビル顎部内の位置決め穴へと伸びているとき(すなわち位置決めピンが位置決め位置にあるとき)、アンビル面は、未使用のステープルを収納するステープルカートリッジ面と対向する。カートリッジアセンブリは、ステープルカートリッジとアンビル面が互いに接近している閉位置すなわちステープリングポジションと、閉位置よりも互いに間隔が開いている解放位置との間で移動可能である。
【0009】
一般的なステープラーのステープルカートリッジは、ステープルを打ち込むべき組織に近接した位置に位置決めされる。このときアンビル・顎部はその組織に接近しており、位置決めピンは位置決め位置へ移動している。ステープラーの第1のレバーを動かすと、ステープルアセンブリはアンビルに向けて移動してステープルカートリッジをステープルを打ち込む閉位置に位置させる。そして、第2のレバーを動かすと、ステープルが生体組織に打ち込まれる。
【0010】
外科手術においては、とりわけ縫合されるべき組織の適切な止血を確実に行うために、クランプ力が組織を高圧縮するような結果を招いてしまう場合がある。しかし通常の外科用ステープラーでは、クランプ力の度合は外科手術の各場合においてさまざまに調整されるが、そのようなクランプ力は挟持される組織に、何らかのの外傷を与える場合がある。
【0011】
クランプ力が非常に強い場合、係合位置決めピンを持たない従来の外科用ステープラーでは、アンビル部とステープルカートリッジが互いに横方向にずれ、即ちアンビル部がステープラーの長軸に対して横方向にずれ、もしくはアンビル部のずれ方向と逆の横方向にステープルカートリッジがずれて、ステープリングに失敗する場合がある。更に生体組織を保持したときやステープルを打ち込むときにアンビル部が変形したり、逃げてしまうのを防ぐ必要がある。
【0012】
ステープルを打ち込む前、例えばアンビルとステープルカートリッジとの間で組織を縫合する前に、位置決め位置に位置決めピンを動かすことによって、ステープルカートリッジ内のステープルとアンビル面相互の位置決めをすれば、ステープリングの失敗が防止され、打ち込まれるステープルをより正確に意図する位置に打ち込むことができる。さらに、位置決めピンを位置決め位置へ動かすことによって、意図する組織上でカートリッジアッセンブリがクランプされるときにアンビルとステープルカートリッジの間から組織が抜け出ることを防止することができる。
【0013】
従来のステープラーは、位置決めピンが位置決め位置に位置決めされていない状態で、アンビルとステープルカートリッジの間でステープルを打ち込む場合、すなわち組織を縫合する場合もあるので、この場合にはさらに様々な問題に直面する。従来のステープラーの位置決めピンが係合されているかどうかを判断することは、特に手術中には、困難である。また、不注意により、位置決めピンを位置決め位置へ動かしそこなうこともありうる。またアンビルとステープルカートリッジの間で組織を縫合する前に、位置決めピンが位置決め位置へ動かなければ、縫合されるべき組織がアンビルとステープルカートリッジの間から抜け出ることがあり、これは不完全な縫合術と他の好ましくない結果を招くことになる。さらに、ステープルが打ち込まれる前に、位置決めピンが位置決め位置へ動かなければ、ステープルは良好に縫合されないことがある。
従来のステープラーはまた、カートリッジ内のステープルが使用されてしまっているか見分けるのが困難であるので、様々な問題が発生する。同じ患者に対して何回もステープリングする必要がある外科手術において、ステープルが打ち込まれた後の空のカートリッジがステープラーの中に不注意で残っていたり、使用後のカートリッジが、発射しようとするステープラーに不注意に装填されされたままになっていることもありうる。ステープラーに未使用の適切なステープルカートリッジ以外のステープルカートリッジが装填されたままであり、そのステープラーが縫合すべき組織にステープリング操作されれば、ステープラーによる圧縮力は組織を害し、不必要な外傷を与えることになる。
かかる場合にはステープリングしようと意図する生体組織に、(1)使用後の不適切なステープルカートリッジを有するステープラーでステープリング操作を実施すること、あるいは(2)空のステープルカートリッジを有するステープラーでステープリング操作を実施すること、(3)その後に未使用の適切なステープラーを再準備すること、(4)意図する生体組織にステープラーを再度近付けること、(5)ステープルを再度発射すること、これらの一連の操作が外科手術中の貴重な時間を浪費することになる。
さらに、縫合部位の近傍を切開するために、外科医がメスを使うような処置においてステープラーが使用される場合がある。このような処置において、誤って使用後のステープラーカートリッジを用いた場合には、処置を受けている患者に対して無駄な出血と、不適切な止血による組織損傷をもたらす可能性がある。従来の切断具を有した手術機器として、エチコン社の販売する「プロキシメイト」リニアカッター55のようなリニアカッターがあった。これは片側2列ずつ、合計4列の互い違いの組織をナイフで切り離す機能を持った機器である。即ち、直線的(リニア)な縫合と切り離しを同時に行うものであるが、作動させるためにはアンビルハーフにあるファイアリングノブを直線的にスライドさせなくてはならなかった。縫合・切断されるべき生体組織を保持しながらファイアリングノブを作動させることは、特に胃の縫合・切除の場合のように、約120mmという長い部位の手術では両手を用いなくてはならず、両手を使用することから縫合・切除作業でブレが生じてしまうような問題があり、従って片手でのワンアクションにより容易に縫合・切除ができる機器の出現が求められていた。
【0014】
ステープルの空打ちを防止するための、外科用ステープラーカートリッジの安全装置が米国特許第4,863,088号明細書、第4,955,959号明細書および米国特許出願第07/629,597号明細書に記載されている。それらのステープラーにおける打ち込み機構は連続的にステープルを組織内へと打ち込んで閉じる。各ステープルは次から次へと連続して組織を閉じるので、ステープルを打ち込むのに要する力は、全てのステープルが同時に組織内で閉じられるステープラーを打ち込むのに要する力よりも一般的に小さい。
【0015】
ショウ氏らの米国特許第4,527,724号明細書には、「プロキシメイト」という商品名でニュージャージー州サマーヴィルのエチコン・インコーポレイテッドによって販売されている外科用ステープラーと同様の外科用ステープラーが記載されている。そのステープラーはロックアウト装置を有し、該ロックアウト装置は、位置決めピンおよび保持ピンが作用位置へ移動しない場合には、ステープラーが組織を挟持するための調整ノブの回動を阻止する。しかし、このロックアウト装置が作用するのは、使用者が位置決めピンおよび保持ピンを作用位置に移動させるまでである。一旦使用者が位置決めピンおよび保持ピンを作用位置へ移動させると、ロックアウト装置は元に戻らないように形成されている。このように、ロックアウト装置の働きを解除するためには、使用者はただピンを作用位置へ動かし、そして作用位置から離せばよい。しかし、このステープラーには、ステープラーが組織を挟持するときに、その作用位置を保持するためのピンなどの装置はない。
【0016】
さらに2つのレバーを有する外科用ステープラーも知られており、その例が、米国特許第5,307,976号および同第5,452,836号明細書に記載されている。これらは、本体および該本体から下がったところに把持用ハンドルを有する外科用ステープラーである。このクランピングレバーおよび発射トリガは同様に本体から下がり、そして作動するために本体に旋回可能に取り付けられる。始めに外科医は自分の手の平でハンドグリップを握り、そして指を伸ばしてクランピングレバーを掴み、そして引くことができるように配置されている。レバーを引くと、クランピングレバーはハンドグリップハンドルに向かって反時計回りに旋回する。そのようになると、発射トリガは本体の下側約45゜の元の位置から、クランピングレバーの初期位置であった中間位まで旋回する。したがって、外科医はいったん完全にクランピングレバーを引き、そしてクランピングレバーがハンドルに隣接する位置に達する。次に外科医は発射トリガを掴み、そして発射トリガを引けるようになる。発射トリガを引くと、ステープルが発射され、生体組織の縫合が完了する。しかしかかる装置において、生体組織をワンタッチで縫合すると同時に切断することは考慮されていない。また位置決めピンを顎部にロックすることは考慮されていない。
【0017】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】
本発明によると、ハンドルを有する本体と; ロックピンと; アンビルを有する顎部とステープルカートリッジからなる縫合具と; ロックピンと連動し、かつステープルカートリッジを顎部に対して位置決めする第1レバーと; 縫合操作を実施するための第2レバーとを有する外科用縫合器具であって、第1レバーは、ステープルカートリッジを初期の解放位置から、中間ロック位置、そして最終ロック位置まで順次移動固定するように設定され、第1レバーを解放位置から該中間ロック位置まで移動するとき、ロックピンは顎部のピンロックバーに係止固定されてアンビルをステープルカートリッジに対して位置決めし、かつステープルカートリッジはアンビルとの間で生体組織を仮挟持する位置まで移動することを特徴とする、外科用縫合器具が提供される。
【0018】
さらに本発明によれば、ハンドルを有する本体と;ロックピンと;切断具と;アンビルを有する顎部とステープルカートリッジからなる縫合具と;ロックピンと連動し、かつステープルカートリッジを顎部に対して位置決めする第1レバーと; 縫合操作と同時に切断操作をワンタッチで実施するための第2レバーとを有し、切断部の両側に1列又は2以上の列のステープル縫合を施し、その両縫合部組織の間を切断する外科用縫合切断器具であって、第1レバーは、ステープルカートリッジを初期の解放位置から、中間ロック位置、そして最終ロック位置に順次移動固定するように設定され、第1レバーを解放位置から該中間ロック位置まで移動するとき、ロックピンは顎部のピンロックバーに係止固定されてアンビルをステープルカートリッジに対して位置決めし、かつステープルカートリッジはアンビルとの間で組織を仮挟持する位置まで移動することを特徴とする、外科用縫合切断器具が提供される。
本発明の外科用縫合器具は、ハンドルを有する本体をその構成要素としている。該ハンドルは手術者が本発明外科用縫合切断器具を操作するために保持するときに使用される。該本体には本発明器具の主要なメカニズムが収納されており、さらに第1レバー及び第2レバーの回転軸が存在する。
【0019】
本発明の外科用縫合器具は、縫合しようとする生体組織をステープルカートリッジとアンビル面の間に挟持したとき、生体組織の抜け落ちを防止し、かつステープルとアンビル面のずれを防止したり、アンビル面の変形を防止するためのロックピンを有する。
本発明の外科用縫合器具は、アンビルを有する顎部とステープルカートリッジからなる縫合具を有する。アンビルのアンビル面はステープルカートリッジ面と正対し、アンビル面にはステープルが発射されたときに対応するステープルを折り曲げて生体組織を縫合するための凹部が形成されている。凹部はステープルカートリッジが保持するステープルの全てに対応している。顎部はアンビルを保持すると共に、ロックピンを収容し係止するためのロックピン穴、ロックピン穴の底部に延びる、ロックピンを係止固定して、生体組織の抜け落ちを防止し、かつステープル面とアンビル面のずれや不整合を防止するためのピンロックバーを有する。またさらにロックピンの係止を解除するためのロックピン解除ボタンを設けることができる。顎部は、本体との接続部分である基部と、端部を有し、基部には該ロックピン解除ボタンを設けることができ、端部にはロックピン穴が設けられている。ロックピンは1つのバーで形成することもできるが、2本またはそれ以上のバーで形成してもよい。
【0020】
ステープルカートリッジは、第1レバーと連動しているステープルアセンブリにセットされるが、本発明外科用縫合器具を1回使用のみのシングルユースとする場合には、ステープルカートリッジはステープルアセンブリと一体とすることができる。ステープルカートリッジを着脱自在とする場合には、本発明外科用縫合器具はステープルカートリッジを交換することにより複数回の使用が可能となる。ステープルカートリッジには縫合するためのステープルが収納されている。ステープルカートリッジ面におけるステープルは、一列または二列以上配置され、各列は複数個のステープルから構成されている。各ステープルの方向およびステープル列の方向はそれぞれ独立に、縫合する生体組織の性格により、ステープルカートリッジ面の長さ方向と平行の向きでも斜めでも、直角にしても、あるいはこれらを組合せて組み立てても良い。
本発明の外科用縫合器具は、ロックピンと連動し、かつステープルカートリッジを顎部に対して位置決めする第1レバーを有する。第1レバーはその回転軸を本体に有し、ステープルカートリッジを初期の解放位置から、中間ロック位置、そして最終ロック位置に順次移動固定するように設定されており、第1レバーを解放位置から該中間ロック位置まで移動する間に、ロックピンは顎部のピンロックバーに係止固定されて、ステープルカートリッジをアンビルに対して位置決めし、かつステープルカートリッジはアンビルとの間で組織を仮挟持する位置まで移動する。
【0021】
第1レバーはわずかにハンドルと反対方向に付勢されている。そして解放位置にあるとき、本体内にある回転軸から本体長さ方向と概ね直角方向に延びている。手術者は片手でハンドルを保持しつつ指を第1レバーに掛けて第1レバーを操作する。解放位置において第1レバーはハンドル方向へのみ移動可能である。そして解放位置から中間ロック位置に仮ロックされるまでの間では第1レバーをいずれの方向へも移動することができる。これにより手術者はアンビルとステープルカートリッジの間に挟持されている生体組織の位置、方向を自由に変えることができ、最適縫合部位を特定することが可能となる。手術者が最適縫合部位を特定したとき、手術者は第1レバーを中間ロック位置にロックする。この段階で手術者はさらに縫合部位が最適であることを詳細にチェックすることができる。もしさらに最適部位があると判断した場合には、ロック解放ボタンを押すことにより中間ロックから解放することができる。中間ロック部位が最適であると判断した場合には、手術者は第1レバーをさらにハンドル方向へ移動させ、最終ロック位置にロックする。第1レバーが最終ロック位置で固定されたとき、ステープルカートリッジはアンビルとの間に縫合する生体組織を完全に挟持する距離まで接近固定される。このステープルカートリッジとアンビル間の距離は、縫合する生体組織の厚さによって適宜調整され、厚い内蔵組織などで約2.5〜4mm、薄い組織で約0.5〜1mmであり、従って通常は0.5mm〜4mm、好ましくは1〜2.5mmの範囲である。
【0022】
第1レバーが解放位置にあるとき、ロックピンの先端はステープルカートリッジ内に収納されている。そして第1レバーを仮ロック位置に向かって移動するにつれてロックピン先端はステープルカートリッジから顎部に向かって移動する。そして第1レバーが仮ロックされたとき、ロックピンはピンロックバーに係止固定される。この係止固定の状態は、仮ロックから最終ロックの状態まで保持され、挟持された生体組織の反発力によりアンビル先端部がねじれたりしてアンビル面とステープルカートリッジ面の間で不整合が生じるのを防止する。即ち、第1レバーを仮ロック位置から最終ロック位置に移動する工程において、アンビルにかかる生体組織からの反発力に対して、アンビルがステープルカートリッジ面と常に平行となるように、常時ロックピンは係止されている。
本発明の外科用縫合器具は、縫合操作をワンタッチで実施するための第2レバーを有する。第2レバーは、ステープルカートリッジが解放位置にあるとき、ハンドルから第1レバーよりさらに遠く離れており、手術者は第2レバーを操作することができない位置にあり、また第2レバーにいかなる力を加えても何も操作することはできない。この状態および位置は第1レバーが仮ロック位置に仮ロックされるまで保持される。
そして初期位置にある第2レバーは、第1レバーが該中間ロック位置まで移動し、さらに最終ロック位置への移動を開始すると、最終ロック位置までのある段階から、概ね第1レバーの解放位置と等しい第2レバーの操作開始位置に向かう移動を開始する。この段階は、第1レバーが最終ロック位置にロックされた時に第2レバーが操作開始位置にセットされるならば任意であり、第1レバーの最終ロック位置への移動開始時でも良い。そして第1レバーが最終ロック位置に固定されることにより、はじめて第2レバーはステープルアセンブリと連動し、縫合操作が可能となる。
第2レバーは、作動開始位置と終了位置の2つの位置をとることができ、両者の中間位置で停止させることはできない。この作動開始位置から終了位置までのワンタッチの動作により、アンビル面とステープルカートリッジの間に挟持されている生体組織に対し、ステープルが発射され、ステープルの足がアンビル面の凹部で屈曲されて生体組織を縫合する。これにより生体組織の縫合が完了する。
【0023】
縫合された生体組織はまだアンビル面とステープルカートリッジの間に挟持された状態である。そこでレバーロック解除ボタンを押すと、2つのレバーが解放され、ステープルカートリッジも解放位置方向に解放される。このとき、ロックピンも同時に解放しても良く、この段階ではロックピンを解放せず、レバーロック解除ボタンと独立に、ピンロック解放ボタンを押すことにより、ロックピンの係止が外れ、ロックピンを解放するようにしてもよい。ロックピンの解放を、レバーロック解除ボタンと独立させることにより、両作用を連動させる必要がないので構造をシンプルにすることが可能となり、またロックピンをロックしたままレバーを解放することができるので使用済みであることを明することができるので不用意な使用済みステープルカートリッジによる空打ちを防止することができる。
ロックピンを解放すると、ロックピン先端部はステープルアセンブリ内に収納される。これによって生体組織はアンビルおよびステープルカートリッジから自由になり、生体組織から外科用縫合器具を外すことができる。
なお、ピンロック解除ボタンを操作しながら、解放位置にある第1レバーを中間ロック位置まで移動することにより、ロックピンをアンビル側に係止することなく生体組織を縫合することができるようにしてもよい。このようにすることにより、腸管にアンビル部を挿入して使用することができるようになり、手術における用途を広げることができ、またいちいちピンのロックを外す必要がなくなり、手術を迅速に進められる場合がある。
【0024】
次に本発明の外科用縫合切断器具においては、切断具をさらに有する他は基本的に前記外科用縫合器具と同様に構成されている。従って、本発明の外科用縫合切断器具は、ハンドルを有する本体からなり、さらにロックピンを有する。
本発明の外科用縫合切断器具の切断具は、切断するための刃を有し、刃の形状は、直線状、曲線状、V字形状など切断する生体組織に応じて任意であるが、通常は切断時の生体組織の横ずれを少なくするために直線状が好ましい。また切断時の刃は、生体組織の偏りを防止するために、アンビル面とほぼ平行となり、アンビル面に対しほぼ直角に、即ちステープルカートリッジの移動方向と平行に移動して生体組織を切断する。
【0025】
本発明の外科用縫合切断器具は、アンビルを有する顎部とステープルカートリッジからなる縫合具を有する。アンビルのアンビル面はステープルカートリッジ面と対向し、さらにアンビル面には生体組織を切断後の切断具の刃を収納する切断具収納溝が切断具の形状に対応した形状で設けられている。かかる溝を設けることにより、生体組織の切断が完全に行われ、切断の失敗が防止される。
ステープルカートリッジ面の中央部にはその長さ方向に切断具用貫通路が設けられている。ステープルカートリッジ面におけるステープルは、切断具用貫通路の両側に一列または二列以上配置され、各列は複数個のステープルからなっている。各ステープルの方向およびステープル列の方向は、縫合切断する生体組織の性格により、切断具貫通路と平行の向きでも斜めでも、あるいは直角でも良い。
【0026】
本発明の外科用縫合切断器具は、前記縫合器具と同様の第1レバーを有し、最適縫合切断部位を選択、特定することが可能となる。手術者が最適縫合切断部位を特定したとき、手術者は第1レバーを中間ロック位置にロックする。この段階で手術者はさらに縫合切断部位が最適であることを詳細にチェックすることができる。もしさらに最適部位があると判断した場合には、ロック解放ボタンを押すことにより中間ロックから解放することができる。中間ロック部位が最適であると判断した場合には、手術者は第1レバーをさらにハンドル方向へ移動させ、最終ロック位置にロックする。
【0027】
本発明の外科用縫合切断器具は、縫合操作と同時に切断操作をワンタッチで実施するための第2レバーを有する。第2レバーは、最初、ハンドルから遠位の初期位置にあり、手術者は第2レバーを操作することはできない。そして初期位置にある第2レバーは、第1レバーが該中間ロック位置まで移動し、さらに最終ロック位置への移動を開始すると、最終ロック位置までのある段階から第2レバーの操作開始位置に向かう移動を開始する。この段階は、第1レバーが最終ロック位置にロックされた時に第2レバーが操作開始位置にセットされるならば、第1レバーの最終ロック位置への移動開始時でも良く、任意である。第2レバーは、第1レバーが最終ロック位置に固定されることにより、はじめてステープルアセンブリと連動し、縫合操作と切断操作が可能となる。第2レバーを該操作開始位置から起動位置に移動すると、ステープリングが行われ、アンビル面とステープルカートリッジの間に挟持されている生体組織に対し、ステープルが発射され、ステープルの足がアンビル面の凹部で屈曲されて生体組織を縫合し、その直後に切断具がステープルカートリッジ中央部の切断具貫通路を通って本体方向から打ち出され、切断具が起動して2つのステープル縫合部の間の生体組織を切断し、切断刃はアンビル面の切断刃収納溝に達する。これにより、生体組織の縫合切断が完了する。ここに本発明の外科用縫合切断器具において、該切断具の組織切断刃の移動方向は、ステープルカートリッジの移動方向と平行である。かかる構成の採用により、生体組織を変形させたりして無用な負荷をかけることなく縫合・切除をすることができ、生体組織のワンタッチ縫合切断を可能としている。
【0028】
縫合切断された生体組織はまだアンビル面とステープルカートリッジの間に挟持された状態である。そこでレバーロック解除ボタンを押すと、2つのレバーが解放され、ステープルカートリッジも解放位置方向に解放される。このとき、ロックピンも同時に解放しても良く、この段階ではロックピンを解放せず、レバーロック解除ボタンと独立に、さらにピンロック解放ボタンを押すことにより、ロックピンの係止が外れ、ロックピンを解放するようにしてもよい。ロックピンの係止が外れてロックピンが解放されると、ロックピン先端部はステープルアセンブリ内に収納される。これによって生体組織はアンビルおよびステープルカートリッジから自由になり、生体組織を傷つけることなく外科用縫合切断器具から外すことができる。なお切断具については、シングルユースの場合、レバーロック解除ボタンで解放してもよいが、切断刃による事故を防止するため、ロックしたままにすることができる。他方繰り返し使用する場合には、レバーロック解除ボタンによりステープルカートリッジと共に切断刃を解放してもよく、また独立に切断刃解放ボタンを設けてもよい。この場合、切断刃に付着した血液などの体液や生体組織片による汚染防止のため、ステープルカートリッジと同様に切断刃は交換可能とする必要がある。
【0029】
【発明の実施の形態】
次に図面を参照しつつ本発明をさらに詳細に説明する。本発明外科用縫合切断器具の1実施例を図1から図7までに示す。
図1は本発明外科用縫合切断器具の正面図である。本発明外科用縫合切断器具は、ケース1,ハンドル2,解除ボタン30,第1レバー10,第2レバー50,縫合具70,顎部90を観察することができる。第1レバー10は、ステープルカートリッジ71を初期の解放位置から、中間ロック位置、そして最終ロック位置に順次移動固定するように設定され、第1レバー10を解放位置から該中間ロック位置まで移動するとき、ロックピンは顎部90のピンロックバーに係止固定されてアンビル91をステープルカートリッジに対して位置決めし、かつステープルカートリッジはアンビル91との間で組織を仮挟持する位置まで移動する。
【0030】
まず第1レバーの動作を図2に基いて説明する。手術者は、ハンドル2と第1レバー10を握り、ハンドル方向に第1レバー10を引き寄せる。第1レバー10は、第1レバー回転軸11を中心として最初に中間ロック位置まで移動する。このときリンクアームA12は、その一端にあるリンクシャフトA13によりアンビル方向に回転しながら押され、さらに該リンクアームA12はリンクシャフトB15をアンビル方向に直進させることにより、2枚のプレートからなるインナープレート14をアンビル方向に押す。このインナープレート14を構成する2枚のプレートは、複数の支柱により一定距離に固定されている。
【0031】
インナープレート14の2枚のプレートの間にはリンクアームB19があり、その一端はガイドピン16に回動自在に固定され、その中間部にインナープレート14の長穴17と嵌合する作動ピン18があり、リンクアームB19の他端はロックピンアーム20端に係合している。インナープレート14がアンビル方向に押し出されると、長穴17が作動ピン18を押し、リンクアームB19の先端部をアンビル側へ回転させ、インナープレート14の移動幅よりも大きく移動させる。
【0032】
リンクアームB19の先端部はロックピンアーム20にリンクシャフトC21により係合する。ロックピンアーム20はロックピン22を所定のストローク分押し下げてアンビル内部に設けられたラチェット機構のラチェットピン23と係合し、顎部90に固定される。即ち、ラチェットピン23はコイルバネ等の付勢手段24により図中で上向きに付勢されており、先端部にテーパー面が設けられている。ロックピン22はこのテーパー面に沿ってラチェットピン23を付勢手段24に抗して押し下げ、ラチェットピン通過によりラチェットピン23と嵌合し、顎部90に固定される。
2枚のインナープレート14の先端部の間にはステープルカートリッジ71が装着されており、インナープレート14は、長穴嵌合している2本のガイドピン16,16’に対して移動、押し出し、ステープルカートリッジ71をアンビル面から約10mmの位置まで接近させてアンビル面と平行に保持する。そして図6に示すように、ステープルカートリッジは、その長さ方向中央部に切断操作において切断具が通過する切断具貫通穴81を有すると共にその両側に少なくとも1列または交互に配置された2列以上のステープル列を有している。
中間ロックは、第1レバー10のレバーと反対側の先端部に設けられた第1のラチェット溝32にラチェットレバー31の先端が噛み込み係合することにより、行われる。ラチェットレバー31はその反対側に解除ボタン30を有し、支軸33を中心として付勢された状態で回動する。
【0033】
次に第1レバーを完全ロック位置まで移動するときの動作を図3に基いて説明する。
第1レバー10を中間ロックの位置6からさらに握り込んでハンドル側に移動させると、インナープレート14およびステープルカートリッジ71はさらにアンビル側に移動する。ステープルカートリッジ71が、アンビル91との間に生体組織を完全に挟持する位置、即ち最終ロック位置までアンビルに近づくと、ラチェットレバー31の先端部が第2のラチェット溝34に噛み込み、係合して、ステープルカートリッジ71をその位置に固定する。
第1レバー10が中間ロック位置6から完全ロック位置7に移動するにつれて、センタープレート53のカム山52が第2レバー頂上のカム51から外れ、第1レバー方向に付勢されている第2レバー50は操作開始位置61から起動位置62に移動する。
【0034】
ステープリングおよび切断における動作を図4により説明すると、第2レバー50を動作開始位置62からハンドル側に握り込むと第2レバー50の頂上に配されているカム51がセンタープレート53の端面54に作用し、センタープレート53を2本のガイドピン16,16’に沿ってアンビル側に長穴内を移動させる。センタープレート53の先端部には、カッター55が装着固定され、またセンタープレートの両側面にはステープルプッシャープレートが装着固定されており、まずステープルプッシャープレートがステープルカートリッジ内の全ステープルをアンビル面に対して押し出しステープリングが行われる。そしてセンタープレートに装着されたカッターがステープリング方向と平行に移動して、ステープリングされた生体組織を切断する。
【0035】
次いで、生体組織を縫合切断器具から解放する手順を図5に基いて説明する。
まず、ロックピン解除ボタン95をアンビル91と反対方向に動かすことにより、ラチェットピン23がロックピン22との噛み合い位置から外れ、初期位置に移動可能な状態となる。
次いで解除ボタン30を押すと、第1レバー10の端部のラチェット溝34に係合していたラチェットレバー31の先端部が外れるので、最終ロック位置7にあった第1レバー10は、付勢されているので、レバー操作開始位置5に戻る。第1レバー10がレバー操作開始位置5に戻るとセンタープレート53も初期位置に引き戻されるので、カム51を介してリンクしている第2レバー50も初期位置61に戻る。このときインナープレート14、センタープレート53も初期位置に引き戻される。インナープレート14が初期位置に戻る際には、リンクアームB19の作動ピン18にも作用し、ロックピンを初期位置に引き戻す。以上の操作により、切断された生体組織は縫合切断器具から解放することができる。
【0036】
本発明の主たる態様を以下に示す。
1.ハンドルを有する本体と;ロックピンと;アンビルを有する顎部とステープルカートリッジからなる縫合具と;ロックピンと連動し、かつステープルカートリッジを顎部に対して位置決めする第1レバーと;縫合操作を実施するための第2レバーとを有する外科用縫合器具であって、第1レバーは、ステープルカートリッジを初期の解放位置から、中間ロック位置、そして最終ロック位置まで順次移動固定するように設定され、第1レバーを解放位置から該中間ロック位置まで移動するとき、ロックピンは顎部のピンロックバーに係止固定されてアンビルをステープルカートリッジに対して位置決めし、かつステープルカートリッジはアンビルとの間で生体組織を仮挟持する位置まで移動することを特徴とする、外科用縫合器具。
2.第1レバーが該中間ロック位置まで移動後、さらに最終ロック位置への移動を開始すると共に、初期位置にある第2レバーが操作開始位置に向かって移動することを特徴とする前記1に記載の外科用縫合器具。3.第1レバーが最終ロック位置で固定されたとき、ステープルカートリッジがアンビルから1.0〜2.5mmの、組織を完全に挟持する位置まで接近固定され、かつ第2レバーが操作開始位置に配置されることを特徴とする前記1または2に記載の外科用縫合器具。4.第1レバーを中間ロック位置(組織を仮挟持する位置)から最終ロック位置に移動する工程において、アンビルにかかる生体組織からの反発力に対して、アンビルがステープルカートリッジ面と常に平行となるように常時係止されていることを特徴とする前記1から3までのいずれか1に記載の外科用縫合器具。5.第2レバーを該操作開始位置から起動位置に移動すると、ステープリングが行われることを特徴とする前記1から4までのいずれか1に記載の外科用縫合器具。6.ピンロックを独立して解除できるピンロック解除ボタンを有する前記1から5までのいずれか1に記載の外科用縫合器具。7.ピンロック解除ボタンを操作しながら、解放位置にある第1レバーを中間ロック位置まで移動することにより、ロックピンをアンビル側に係止することなく生体組織を縫合することができる前記6に記載の外科用縫合器具。
【0037】
11.ハンドルを有する本体と;ロックピンと;切断具と;アンビルを有する顎部とステープルカートリッジからなる縫合具と;ロックピンと連動し、かつステープルカートリッジを顎部に対して位置決めする第1レバーと;縫合操作と同時に切断操作をワンタッチで実施するための第2レバーとを有し、切断部の両側に1列又は2以上の列のステープル縫合を施し、その両縫合部組織の間を切断する外科用縫合切断器具であって、第1レバーは、ステープルカートリッジを初期の解放位置から、中間ロック位置、そして最終ロック位置まで順次移動固定するように設定され、第1レバーを解放位置から該中間ロック位置まで移動するとき、ロックピンは顎部のピンロックバーに係止固定されてアンビルをステープルカートリッジに対して位置決めし、かつステープルカートリッジはアンビルとの間で生体組織を仮挟持する位置まで移動することを特徴とする、外科用縫合切断器具。
12.第1レバーが該中間ロック位置まで移動後、さらに最終ロック位置への移動を開始すると共に、初期位置の第2レバーが操作開始位置に向かって移動することを特徴とする前記11に記載の外科用縫合切断器具。13.第1レバーが最終ロック位置で固定されたとき、ステープルカートリッジがアンビルから1.0〜2.5mmの、組織を完全に挟持する位置まで接近固定され、かつ第2レバーが操作開始位置に配置されることを特徴とする前記11または12に記載の外科用縫合切断器具。14.第1レバーを中間ロック位置(組織を仮挟持する位置)から最終ロック位置に移動する工程において、アンビルにかかる生体組織からの反発力に対して、アンビルがステープルカートリッジ面と常に平行となるように常時係止されていることを特徴とする前記11から13までのいずれか1に記載の外科用縫合器具。15.第2レバーを該操作開始位置から起動位置に移動すると、ステープリングが行われ、その直後に切断具が起動して組織切断が行われることを特徴とする前記11から14までのいずれか1に記載の外科用縫合切断器具。16.該切断具の組織切断刃の移動方向が、ステープルカートリッジの移動方向と平行であることを特徴とする前記15に記載の外科用縫合切断器具。17.ピンロックを独立して解除できるピンロック解除ボタンを有する前記11から16までのいずれか1に記載の外科用縫合切断器具。18.ピンロック解除ボタンを操作しながら、解放位置にある第1レバーを中間ロック位置まで移動することにより、ロックピンをアンビル側に係止することなく生体組織の縫合及び切断をすることができる前記17に記載の外科用縫合切断器具。
【0038】
21.アンビルを有する顎部とステープルカートリッジからなる縫合具と;生体組織を切断するための切断具と;ステープルカートリッジを顎部に対して位置決めする第1レバーと;縫合操作と切断操作を同時に実施するための第2レバーとを有する外科用縫合切断器具であって、該切断具の組織切断動作方向が、ステープリング方向と平行である外科用縫合切断器具。
22.ステープルカートリッジが、その長さ方向中央部に切断操作において切断具が通過する切断具貫通穴を有すると共にその両側に少なくとも1列または交互に配置された2列以上のステープル列を有し;アンビル面に切断具収納溝を有することを特徴とする前記21に記載の外科用縫合切断器具。
なお本発明の範囲は、本明細書に述べられた記載のみに限定されるべきではなく、特許請求の範囲に述べられた記載あるいはそれと等価な記載によってのみ解釈されなければならない。
【0039】
【発明の効果】
ロックピンを顎部のラチェットピンに係止、ロックして生体組織のアンビル面からのはみ出しを防止すると共に、ステープル面とアンビル面とのずれの発生を確実に防止する。さらに生体組織をワンタッチで、縫合と同時に切断することを可能とする。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の1実施例に係る外科用縫合切断器具の解放位置における正面図である。
【図2】 図1の外科用縫合切断器具が中間仮ロック位置にあるときの正面図である。
【図3】 図1の外科用縫合切断器具が、仮ロック位置から最終ロック位置まで移動する途中及びロックされたときの正面図である。
【図4】 図1の外科用縫合切断器具が、ステープルを発射すると同時に生体組織を切断するときの正面図である。
【図5】 縫合切断後に、図1の外科用縫合切断器具を解放位置に戻す状態の正面図である。
【図6】 顎部側から見たステープルカートリッジの正面図である。
【図7】 本発明の1実施例に係る外科用縫合切断器具の解放位置における平面図である。
【符号の説明】
1・・・ケース、2・・・ハンドル、10・・・第1レバー、11・・・第1レバー回転軸、12・・・リンクアームA、13・・・リンクシャフトA、14・・・インナープレート、15・・・リンクシャフトB、16、16’・・・ガイドピン、17・・・長穴、18・・・作動ピン、19・・・リンクアームB、20・・・ロックピンアーム、21・・・リンクシャフトC、22・・・ロックピン、23・・・ラチェットピン、24・・・付勢手段、30・・・解除ボタン、31・・・ラチェットレバー、32・・・第1のラチェット溝、33・・・支軸、34・・・第2のラチェット溝、50・・・第2レバー、51・・・カム、52・・・カム山、53・・・センタープレート、54・・・センタープレート端面、70・・・縫合具、71・・・ステープルカートリッジ、81・・・切断具貫通穴、90・・・顎部、91・・・アンビル、95・・・ロックピン解除ボタン
Claims (8)
- ハンドルを有する本体と;ロックピンと;切断具と;アンビルを有する顎部とステープルカートリッジからなる縫合具と;ロックピンと連動し、かつステープルカートリッジを顎部に対して位置決めする第1レバーと;縫合操作と同時に切断操作をワンタッチで実施するための第2レバーとを有し、切断部の両側に1列又は2以上の列のステープル縫合を施し、その両縫合部組織の間を切断する外科用縫合切断器具であって、第1レバーは、ステープルカートリッジを初期の解放位置から、中間ロック位置、そして最終ロック位置まで順次移動固定するように設定され、第1レバーを解放位置から該中間ロック位置まで移動するとき、ロックピンは顎部のピンロックバーに係止固定されてアンビルをステープルカートリッジに対して位置決めし、かつステープルカートリッジはアンビルとの間で生体組織を仮挟持する位置まで移動し、
生体組織が縫合切断された後に、前記ステープルカートリッジを解放位置方向に移動させるステープルカートリッジ解放ボタンと、前記ステープルカートリッジ解放ボタンとは独立して操作可能であり、生体組織が縫合切断された後に、前記切断具を解放位置方向に移動させる切断具解放ボタンと、を備え、前記ステープルカートリッジ解放ボタンが操作された場合、前記ステープルカートリッジは解放位置に移動して、縫合切断された生体組織は前記アンビルと前記ステープルカートリッジの間に挟持された状態から解放され、前記切断具は前記アンビルの切断具収納溝に収納されている状態が維持され、前記切断具解放ボタンが操作された場合、前記アンビルの前記切断具収納溝に収納されている状態の前記切断具は、解放位置方向に移動させられることを特徴とする、外科用縫合切断器具。 - 第1レバーが該中間ロック位置まで移動後、さらに最終ロック位置への移動を開始すると共に、初期位置の第2レバーが操作開始位置に向かって移動することを特徴とする請求項11に記載の外科用縫合切断器具。
- 前記ステープルカートリッジ解放ボタンとは独立して操作可能であり、生体組織が縫合切断された後に、前記ロックピンを解放位置方向に移動させるロックピン解放ボタンを備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の外科用縫合切断器具。
- 前記ステープルカートリッジ解放ボタンが操作された場合に、前記ロックピンも解放位置方向に移動させられることを特徴とする請求項1または2に記載の外科用縫合切断器具。
- アンビルを有する顎部とステープルカートリッジからなる縫合具と;生体組織を切断するための切断具と;ステープルカートリッジを顎部に対して位置決めする第1レバーと;縫合操作と切断操作を同時に実施するための第2レバーとを有する外科用縫合切断器具であって、該切断具の組織切断動作方向が、ステープリング方向と平行であり、
生体組織が縫合切断された後に、前記ステープルカートリッジをステープリング方向に対し反対方向に移動させるステープルカートリッジ解放ボタンと、前記ステープルカートリッジ解放ボタンとは独立して操作可能であり、生体組織が縫合切断された後に、前記切断具を切断具の組織切断動作方向に対し反対方向に移動させる切断具解放ボタンと、を備え、前記ステープルカートリッジ解放ボタンが操作された場合、前記ステープルカートリッジは解放位置に移動して、縫合切断された生体組織は前記アンビルと前記ステープルカートリッジの間に挟持された状態から解放され、前記切断具は前記アンビルの切断具収納溝に収納されている状態が維持され、前記切断具解放ボタンが操作された場合、前記アンビルの前記切断具収納溝に収納されている状態の前記切断具は、解放位置方向に移動させられることを特徴とする、外科用縫合切断器具。 - ステープルカートリッジが、その長さ方向中央部に切断操作において切断具が通過する切断具貫通穴を有すると共にその両側に少なくとも1列または交互に配置された2列以上のステープル列を有し;アンビル面に切断具収納溝を有することを特徴とする請求項5に記載の外科用縫合切断器具。
- 前記ステープルカートリッジ解放ボタンとは独立して操作可能であり、生体組織が縫合切断された後に、前記ロックピンを解放位置方向に移動させるロックピン解放ボタンを備えたことを特徴とする請求項5または6に記載の外科用縫合切断器具。
- 前記ステープルカートリッジ解放ボタンが操作された場合に、前記ロックピンが解放位置方向に移動させられることを特徴とする請求項5または6に記載の外科用縫合切断器具。
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