JP4427278B2 - 航空機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、航空機、及び、航空機の再層流化確認計算機に関し、特に、遷音速領域で飛行する航空機、及び、航空機の再層流化確認計算機に関する。
【0002】
【従来の技術】
航空機の多様な性能のうち1つの重要な機能は、揚力制御である。揚力の制御は、機体翼部位に付属して配置されている操舵部分の角度制御に対応している。操舵部分は、フラップその他の呼び名で呼ばれている。実機の翼又は風洞試験用モデルの翼は、本体部分と本体に対して回転的に変位する可動部分とから構成されている。水平航行中の翼の上面側と下面側には、亜音速、遷音速、超音速の空気が流れる。マッハ数は、ある点の流れの速度とその点の音速の比として定義される。亜音速流れの一様流のマッハ数は、慣用的に0.3〜0.8で定義される。遷音速流れは、流れのマッハ数が1に近く、流れ場に超音速領域と亜音速領域が混在する流れとして定義され、慣用的には一様流のマッハ数が0.8〜1.3である。超音速のマッハ数は、慣用的に1.3以上として定義される。
【0003】
翼表面の近傍領域には、薄い層流境界層又は乱流境界層が形成される。層流境界層又は乱流境界層の下流側で衝撃波が発生し、衝撃波の後方領域には流れが剥離する剥離領域が発生する現象の存在が知られている。圧力が急激に変化する剥離領域の生成は、揚力の変化を導く。翼の上面側の剥離領域の生成は揚力を負方向に変化させ、翼の下面側の剥離領域の生成は揚力を正方向に変化させる。剥離領域のこのようなダイナミックな圧力変化は、揚力制御を不安定化することが知られている。
【0004】
再層流化現象は、流れの加速、吸い込み、吹き出し、磁場、成層、曲がり、加熱により発生する。再層流化現象の成因は、一般的には、内的作用(粘性に起因する消散)と外的作用に大別される。翼面の流れは、翼と気体(空気)との間の相対速度は、翼前縁のよどみ点では零であるが、翼面の中流域では亜音速に到達する。このような流れ場では、流れは急加速を受ける。大きい圧力勾配を与えて流れを加速させるシミュレーションでは、流れ場の乱れが減少して層流の特徴が現れる。このような再層流化現象は、多くの実験により観測されている。
【0005】
揚力制御技術として、層流を制御する技術は後掲特許文献1で知られている。揚力制御を安定化する技術として、翼表面の流れを層流から乱流に遷移させる揚力安定化装置は一般的に周知である。このような装置は、翼前縁領域に配置されている。亜音速流れと超音速流れでは、乱流が準層流に逆遷移する現象が知られている。流れが層流から乱流に遷移し更にその乱流が再び準層流に逆遷移する現象は公知であるが、このような公知の現象が翼の後縁側で起こることは知られていない。
【0006】
上流側の層流が中流側で乱流化し更に中流側の乱流が下流側で再度層流化する現象が遷音速領域で起こるかどうかを予測することは、非線形現象を扱う流体力学の分野では困難である。特に、気流が急膨張加速する可動部分の前縁より後流側で再層流化現象が遷音速領域で起きるかどうかを予測することは、更に困難である。
【0007】
図18(a),(b)は、公知の再層流化現象の生成メカニズムを示している。再層流化現象の生成メカニズムは、後掲非特許文献1に示されるように詳しく研究されている。図18(a)は、平面壁の壁面近傍の流れの境界層の外縁の流速分布を示している。気流の相対速度は、翼の前縁で零であるがより下流側でより速くなる。境界層外縁速度は中流領域で急峻に増大する。図18(b)の縦軸は、境界層の厚みを示している。加速の初期段階に対応する乱流発達領域Iでは、壁近傍の乱流は運動量の大きな増加をもたらす急峻な加速に反応しきれず、流体の粘性剪断応力の増大に起因して壁面の剪断応力は急増する。
【0008】
更に加速が続く逆遷移領域IIでは、乱流の散逸率が生成率を上まわって、乱流のレイノルズ応力が減衰し始める。順圧力勾配が続けば、レイノルズ応力に対応して生成率/散逸率の比が更に減少し、このような比の減少が自己発展的に繰り返される。順圧力勾配が更に長く続けば、再層流化領域IIIで、乱流の生成が止み上流側に移流される乱流は散逸されて、流れは準層流(quasi-laminar, laminarescent, laminar-like)状態に遷移する。順圧力勾配(加速)領域の終端を含む再遷移領域IVでは、平均速度分布と乱流構造の干渉が再び活性化される流れは、圧力勾配がない領域の特性を取り戻す。
【0009】
このように、ある条件のもとでは、乱流は逆遷移して再層流化(準層流化)し、更に、乱流化する。下流側の衝撃波と剥離の生成原因である再層流化現象の回避が揚力安定のために重要であることが、理論的には考えられる。非特許文献1は、数値解析と過去の実験データとの一致性によれば、再層流化の指標として加速度パラメータKが適正であることを示している。非特許文献1は、流れ場の再層流化に関して、下記のような層流再生化の現象的知見を得ている。
(1)レイノルズ剪断応力、乱れ強さの成分、主流方向渦度の乱れの減少は、流路幅の縮小率が大きいほどに顕著である。
(2)加速度パラメータKを乱れ強さの減少と再層流化の指標とすることは適正であり、実験で示される加速度パラメータKの値としては、3.6×(10のマイナス6乗)が適正である。
(3)壁面近傍では、流路幅の縮小率、流れの加速率に関わらずに、縮小区間で両方の項(主流方向の乱流応力の輸送方程式に現れる主方向レイノルズ応力の第1項と第2項)の増減はバランスして、乱れ強さは維持される。
(4)流れの加速(順圧力勾配)は、主流方向成分以外の成分に再配分されるエネルギー供給を制御する効果を有し、主流方向成分の様子に関わらずに、主流方向成分以外の乱れ強さは流路幅の全体で縮小する。
【0010】
再層流化現象を更に詳しく研究しシミュレーションと実験との対応を明確にするためには、乱流の生成メカニズムを数値計算により確認することが重要である。そのような数学的技術は、非特許文献2で知られている。
【0011】
遷音速領域で再層流化現象が生じることを確認する確認技術の提供が望まれる。遷音速領域で再層流化現象が存在する場合には、その再層流化現象を抑止する技術の確立が求められる。
【0012】
【特許文献1】
特許第3012864号
【非特許文献1】
太田貴士,三谷裕,梶島岳夫,「壁面乱流の加速による再層流化に関する研究」,第14回数値流体力学シンポジウム,中央大学理工学部(東京),2000年12月21日(木)〜23日(土)
【非特許文献2】
Ugo Piomelli, Alberto Scotti, and Elias Balaras, "Large-Eddy Simulations of Turbulent Flows, from Desktop to Supercomputer", J.M.L.M. Palma et al.(Eds.): VECPAR 2000, LNCS 1981, pp. 551-577. 2001
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、遷音速領域で再層流化現象が生じることを確認する航空機、及び、航空機の再層流化確認計算機を提供することにある。
本発明の他の課題は、その確認を数学的に又は実験的に実行する航空機、及び、航空機の再層流化確認計算機を提供することにある。
本発明の更に他の課題は、その確認を数値的に明確に実行する航空機、及び、航空機の再層流化確認計算機を提供することにある。
本発明の更に他の課題は、遷音速領域で再層流化現象が存在すればその再層流化現象を抑止する技術を確立する航空機、及び、航空機の再層流化確認計算機を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
その課題を解決するための手段が、下記のように表現される。その表現中に現れる技術的事項には、括弧()つきで、番号、記号等が添記されている。その番号、記号等は、本発明の実施の複数の形態又は複数の実施例のうちの少なくとも1つの実施の形態又は複数の実施例を構成する技術的事項、特に、その実施の形態又は実施例に対応する図面に表現されている技術的事項に付せられている参照番号、参照記号等に一致している。このような参照番号、参照記号は、請求項記載の技術的事項と実施の形態又は実施例の技術的事項との対応・橋渡しを明確にしている。このような対応・橋渡しは、請求項記載の技術的事項が実施の形態又は実施例の技術的事項に限定されて解釈されることを意味しない。
【0015】
本発明による航空機は、遷音速で飛行する機体(15)と、機体(15)の表面領域に生成される乱流境界層の下流側に機体(15)に支持されて配置され乱流境界層を再励起する渦励起構造(27)とから構成されている。遷音速で飛行する場合に、乱流は再層流化することがあることが本発明者により数値計算で確認された。再層流化しない場合に渦励起構造(27)を付加することは、機体(15)の抵抗を増加させることになって好ましくない。抵抗の増大を犠牲にして、再層流化を回避し衝撃波の発生を回避することにより、揚力の不安定化又は揚力の低減を回避することの利益が大きい。後述されるように、再層流化の生起と不生起の判定は、加速度パラメータを判定指標として数値化することにより容易に確認され得る。その確認は、風洞実験の精度向上と実験の効率化に有効である。
【0016】
渦励起構造又は再励起構造(27)は、翼(15)の可動部分(16)の上流側領域(L)に配置される。翼(15)の固定部分(15)可動部分(16)の境界領域(L)で乱流境界層を再励起することは、再層流化を有効に抑制することができる。
【0017】
渦励起構造(27)は、機体(15)の平滑な表面より下流側に形成される非平滑面を有する。流れを平滑面から非平滑面に誘導することは、渦(乱流境界層)の再励起を促進する。渦励起構造(27)は、機体(15,16)の平滑な表面(26)に対して出没し表面(26)に対して可動的である可動体(34,37,38)を形成する。水平飛行時には、平滑面(26)から突起する抵抗体がなく、抵抗の増大を招かない。
【0018】
渦励起構造(27)は、翼の可動部分(16)と、翼の固定部分(15)と、可動部分(16)と固定部分(15)との相対的回転運動に連動して可動部分(16)に対して出没する出没体(34,37,38)とから形成される。このような連動性は、揚力の増大に対応して適正である渦励起を実現することができる。出没体(37,38)は、可動部分(16)の上面側と下面側で出没することが好ましい。
【0019】
本発明による航空機の再層流化確認計算機は、微分的に変化する(増加する)多変数(x,y、更にはt)を設定する変数設定器と、変数と粘性係数とで記述されるNS方程式(ナビア・ストークスの方程式)を解くNS方程式計算器(1)と、NS方程式から加速度パラメータを計算する加速度計算器(2)と、加速度計算器(2)により求められる加速度パラメータと設定値との大小を比較する比較器(5)と、粘性係数を変更する係数設定器(4)とから構成される。係数設定器(4)は、加速度パラメータ(K)と設定値(Ks)との大小関係に対応して粘性係数(μ)を変更し、係数設定器(4)から出力される粘性係数はNS方程式に再設定される。
【0020】
再層流化の生起と不生起の判定は、加速度パラメータを判定指標として数値化することにより容易に確認され得る。その確認は、風洞実験の精度向上と実験の効率化に有効である。加速度パラメータを判定指標とすることは、計算器の計算量を格段に削減する。
【0021】
粘性係数はμで表される。μは、μ=μl+μtで表される。ここで、μlは層流分相当粘性係数を示し、μtは乱流分相当粘性係数を示す。このように粘性係数を2つの係数に1次結合で分解することは、流体の渦粘性現象を正しく把握することができ、且つ、再層流化を確認する計算の計算量を格段に削減することができる。係数設定器(4)は、μtを変更する。μ=μ+Δμにより粘性係数を変更し、ここで、Δμ=Δμtであるから、粘性係数の変化の計算が容易である。
【0022】
NS方程式は、式:∂tq+∂xE+∂yF=(1/Re)(∂xR+∂yS)で表される。ここで、xは流れ方向の座標を示し、yは流れの厚み方向の座標を示し、qとEとFとRとSは、それぞれに、粘性係数μと流れのx方向微分と流れのy方向微分から選択される1変数又は多変数で表されるベクトル量であり、Reは粘性係数μで表されるレイノルズ数であり、粘性係数μは式のΔμ=Δμtにより可変的である。この式の値を求めることにより、既述の加速度パラメータが計算され得る。
【0023】
計算Δμ=Δμtは、NS方程式の解が収束するまで繰り返されることは重要である。μtは加速度パラメータによる判定に応じて変更され流れ場が安定するまで計算される。
【0024】
【発明の実施の形態】
図に対応して、本発明による航空機の再層流化確認計算機は、圧縮性粘性流計算器が粘性係数可変設定器とともに設けられている。その圧縮性粘性流計算器1は、図1に示されるように、NS方程式により速度・密度・粘性係数分布を計算し、速度・密度・粘性係数分布を出力する。圧縮性粘性流計算器1は、加速度計算器2に接続している。速度・密度・粘性係数分布は、加速度計算器2に入力する。加速度計算器2は、速度・密度・粘性係数分布から加速度パラメータKを計算し、加速度パラメータ信号3を出力する。粘性係数可変設定器4は、変化値の加算又は減算により増大又は減少する乱流渦粘性μtを設定する。粘性係数可変設定器4が出力するその乱流渦粘性μtは、圧縮性粘性流計算器1に入力される。
【0025】
圧縮性粘性流計算器1は、再層流化判定器5に接続している。計算により求められた加速度パラメータKは、再層流化判定器5に入力する。再層流化判定器5には、再層流化判定値が設定されている。再層流化判定値として、設定加速度パラメータKsが特に用いられる。再層流化判定のために加速度パラメータKが用いられることは、判定の確定度の高精度化の点で重要である。再層流化判定器5は、加速度パラメータKと再層流化判定値Ksとの大小関係を比較する。
K>=Ks 又は
K<Ks
【0026】
再層流化判定器5は、KがKsを大きい方向に越えるか小さい方向に越えるかを判定することにより再層流化が起きているかどうかを判定する。再層流化判定器5は、流れに再層流化が起きている場合には、再層流化信号6を出力する。再層流化信号6は、粘性係数可変設定器4に入力される。再層流化信号6を受ける粘性係数可変設定器4は、再層流化信号6の存在に対応して、乱流渦粘性μtを変更する。
【0027】
圧縮性粘性流計算器1には、図2に示される流れモデルが設定される。流れモデルとして、z軸方向に流れ(流速)が変化しない2次元モデル、特に、平板モデルが採択されている。このような単純なモデルは、本発明の有用性を失わない。その平板モデルは、zx平面を形成する平板7で形成されている。zx平面の一方側の空間領域のy=0の近傍でzx平面に沿う薄い厚みの層流8がx軸正方向に導入される。2次元モデルである本モデルでは、xy平面上で数値解析が実行される。3次元モデルに移行することは、数学的には困難ではない。xがある位置で、超音速の気流は急激に膨張加速する。
【0028】
x=xjのx−y平面の上で、速度分布が例示されている。ある値の高さ位置の点Pjの速度v(xj,y)は、矢vjで表されている。ある値の高さ位置の点Pkの速度v(xk,y)は、矢vkで表されている。収束せずにダイナミックである期間では、それらの速度は、v(t,xj,y)で表される。あるzx平面上の速度vが一様流の速度に近い設定値に等しいxy位置点の集合は、境界層(境界層面)9として定義される。境界層の定義は、研究者又は研究課題により変更され得る。
【0029】
圧縮性粘性流計算器1のハード上に、x軸とy軸が設定される。そのx軸の上には、適正個数の離散点xj(j=1〜n)が採択される。そのy軸の上には、他の適正個数の離散点yk(k=1〜m)が採択される。時間軸ti(i=1〜s)には、更に他の適正個数の離散的時系列点が採択される。ΔxとΔyとΔtのそれぞれの適正値は、前掲非特許文献2で詳細に述べられている。本発明の課題の解決は、座標系の次元数が既述の通りに2で可能である。圧縮性粘性流の計算のためには、次式(1)で示される周知のナビア・ストークスの方程式(NS方程式)が用いられる。
【数1】
【0030】
ここで、∂xRはRのxに関する偏微分値を示し、Reはレイノルズ数を示し、qとEとFとRとSは、下記式(2),(3),(4),(5),(6)で表される。
【数2】
これらの式で、ρは密度を示し、uとvはそれぞれにx方向とy方向の速度を示し、pは圧力を示し、eは全エネルギーを示し、aは音速を示し、τは剪断力を示し、Prはプラントル数を示し、γは比熱比を示している。これらの式で、τxx、τxy、τyy、R4、S4は、それぞれに下記式(7),(8),(9),(10),(11)で定義されている。
【数3】
【0031】
式(7),(8)のuxとvy(x,yは下付き添字)は、速度u,vのx,yに関する微分を示している。式(5),(6),(7),(8),(9),(10),(11)に現れる粘性係数μは、下記式(12)で表される。
【数4】
ここで、μlは層流分相当粘性係数を示し、μtは乱流分相当粘性係数を示している。乱流を扱う場合に特別に導入されるμtは、乱流渦粘性と呼ばれている。粘性係数は、このように、層流分相当粘性係数μlと乱流分相当粘性係数μtの1次結合で表され得る。μlの”l”はlaminarの簡易表現添字 であり、μtの”t”はturbulentの簡易表現添字である。
【0032】
圧縮性粘性流計算器1が計算する加速度パラメータKは、図2に示される自由流れ(境界層の縁)の速度Uと粘性係数μとにより次式により定義される。Kは、位置座標点(xj,yk,t)の近傍領域の速度Uと近傍領域内の速度変化dU/dxj(空間的加速度)と動粘性係数ν(ν=μ/ρ、μ:粘性係数、ρ:密度)とで表される加速度指標であり、下記式で定義される。
K=(ν/U2)(dU/dxj)・・・(13)
乱流領域より下流側の領域[xj]で判定される場合には、
K>=Ks:乱流・・・(14−1)
K<Ks:準層流(14−2)
として判定される。加速度パラメータKの初期値の取り方によれば、式14−1,2の不等号の向きは逆向きにつけられ得る。
【0033】
圧縮性粘性流計算器1は、時刻を初期化し(t=0)、ある時刻tiで、2次元空間座標点(xj,yk)の全てで、膨大な数の式の集まりである式(1)で示されるNS方程式を計算し、各点で、それぞれのベクトルq,E,F,R,Sを求め、これらから速度u,vを求める。その計算の仕方とコンピュータ構成は、既述の非特許文献2で紹介されている簡易計算手法のRANS(レイノルズ平均NS方程式)が用いられる。再層流化の存否を確認するためには、計算技術はRANSで十分である。
【0034】
粘性係数可変設定器4は、再層流化信号6が存在すれば(再層流化信号6を受信すれば)、下記式により乱流渦粘性μtを変更する。
μtj=μtj−1+Δμt...(14)
ここで、jはコンピュータ上の時系列番号を示す。Δμtは、正又は負である。粘性係数可変設定器4は、乱流渦粘性を1ステップ分のΔμtだけ変化させる。
【0035】
図3は、本発明による航空機の再層流化確認計算方法の実施の形態を示している。圧縮性粘性流計算器1は、ステップS1で圧縮性粘性流計算の実行を開始する。圧縮性粘性流計算器1は、乱流渦粘性μtの初期値に基づいて、2次元平面の全離散点(xj,yk)のΔq、E、F、R、Sを密度ρ、速度(u,v)、全エネルギーe、粘性係数μの変数の関数式として求め、式(1)により、速度(u,v)、密度ρ、粘性係数μを計算により求め、ある時系列点の速度・密度・粘性係数分布を求める。圧縮性粘性流計算器1は、その速度・密度・粘性係数分布に基づいて、式(13)により加速度パラメータKを求める。
【0036】
再層流化判定器5は、ステップS2で、再層流化判定値Ksと加速度パラメータKの大小関係を比較することにより、流れが再層流化か乱流維持(非再層流化)であるかを判定する。その判定が再層流化であれば、粘性係数可変設定器4は式(14)により、乱流渦粘性μtを変化させる。その新しい乱流渦粘性μtに基づいて、圧縮性粘性流計算器1は、収束判定のためのダイナミックな計算を実行する。時間的1ステップ分のΔtにより、t=t+Δtに設定し、時系列点t+Δtの速度分布を求める。この時間的ステップを繰り返して流れが収束せず、且つ、流れが再層流化を継続していれば、更に乱流渦粘性μtを変更する。再層流化の流れが収束すれば、圧縮性粘性流計算器1はその時刻以降の計算を行わない。この場合には、本モデルはある乱流渦粘性μtで安定的に再層流化することが判断される。収束した流れに対して加速度パラメータKによる判定で再層流化が起きない場合には、本流れ場には再層流化現象が生じないことが判断される。
【0037】
図1に示されるように、流れが収束する場合には、収束判定器12は収束信号14を出力する。速度・密度・全エネルギー分布信号11は、収束判定器12に入力される。収束した流れの速度分布は、速度分布(マッハ数分布)表示画面13に表示される。
【0038】
図4は、圧縮性粘性流計算器1に設定される翼構造と速度分布の計算結果を示している。速度域としては、遷音速域が採択されている。翼構造は、実機の翼の後方部分20に一致している。収束信号14は、翼本体部分(固定部分)15と固定部分15に対して水平軸のまわりに傾動する可動部分(フラップ)16とから構成されている。図4は、第1乱流渦粘性μtにより渦流が物理的に特徴づけられる流れ場の計算結果を示している。この流れ場には、可動部分16の前縁17から後方に傾斜して立ち上がる領域線より前方に現れる膨張扇18と呼ばれる速度分布領域と、可動部分16の表面に沿う乱流境界層19とが現れている。この流れ場には、従来の研究により予測されてきた通りに、再層流化現象は現れていない。
【0039】
図5は、圧縮性粘性流計算器1に設定される翼構造と速度分布の他の計算結果を示している。速度域としては、遷音速域が採択されている。翼構造は、図4の翼構造に同じである。図5は、第2乱流渦粘性μtにより渦流が物理的に特徴づけられる流れ場の計算結果を示している。この流れ場には、可動部分16の前縁17から後方に傾斜して立ち上がる領域線より前方に現れる膨張扇18と呼ばれる速度分布領域と、可動部分16の表面の前方領域に沿う再層流化層21と、可動部分16の表面の後方領域に沿い流れが剥離する剥離領域22とが現れている。この流れ場には、従来の研究では予測されていなかった再層流化現象が現れている。
【0040】
可動部分16の後縁で衝撃波23が生成される点は、図4と図5の流れ場で同じであるが、図5の流れ場で、再層流化層21の後端から他の衝撃波24が後方に向かって立ち上がっている点は、図4の流れ場と様子が異なっている。図5の流れ場に現れる衝撃波24は図4の流れ場では現れず、図5の流れ場に現れる剥離領域22は図4の流れ場では現れない。このような新衝撃波24の後方に現れる剥離領域22では圧力が上昇して、翼は後縁を下げる向きのモーメントを受け、機体揚力に顕著な影響を与え、特には、揚力の低減を招く。
【0041】
乱流渦粘性μtを計算機の中で変更することは、実機の機体特に実機の翼の周面の形状を変更することに等価である。揚力低減を回避するためには、翼の周面の形状を変更することにより、再層流化を阻止することが望まれる。
【0042】
図6は、本発明による航空機の翼周面形状変更の実施の形態を示している。固定部分15の固定周面25と可動部分16の可動周面26の境界を示す境界線Lで、固定周面25と可動周面26はダイナミックに交差する。固定周面25と可動周面26は平行ではなく、固定周面25と可動周面26の間には有効傾斜角度(180度でない角度)が存在する。実機では、固定周面25は可動周面26より前方側に位置している。実施の本形態では、可動周面26の前縁領域に形成される乱流生成器(局所的な渦励起構造)27は、後方に向かって先鋭であり可動周面26より上面側に突出する楔形状の複数の楔状突起28で構成されている。複数の楔状突起28は、前後方向に概ね直交する方向(横方向)に可動部分16の上面側に(水平飛行中で定義される鉛直方向上側に)配列されている。隣り合う楔状突起28の間に流れる気流は、楔状突起28の前面で攪乱により乱流化される。
【0043】
図7は、本発明による航空機の翼周面形状変更の実施の他の形態を示している。実施の本形態と実施の図6の形態との相違点は、楔状突起28の前後方向の向きと楔状突起28’の前後方向の向きが互いに反対になっていることのみである。実施の本形態の楔状突起28’は、その先鋭点又は先鋭線は前方側に位置づけられている。
【0044】
図8は、本発明による航空機の翼周面形状変更の実施の更に他の形態を示している。実施の本形態では、渦励起構造27として、実施の図6の形態の楔状突起28に替えられて円柱体29が用いられている。円柱体29の中心線は、可動周面26に対して垂直に向いてつけられている。
【0045】
図9は、本発明による航空機の翼周面形状変更の実施の更に他の形態を示している。実施の本形態と実施の図8の形態との相違点は、円柱体29の中心線と円柱体29’の中心線とが互いに直交していることのみである。円柱体29’の中心線は前後方向に向いてつけられている。
【0046】
図10は、本発明による航空機の翼周面形状変更の実施の更に他の形態を示している。実施の本形態では、渦励起構造27として、実施の図6〜図9の形態の乱流生成器28,28’,29,29’に替えられて、長い円柱体31が用いられている。単一の円柱体31は、横方向に長く延びている。円柱体31は、円柱体29と同様に、前方先鋭縁と後方先鋭縁を有している。前方先鋭縁と後方先鋭縁を有する点では、円柱に替えられて楕円体柱又は楕円体(長軸直交断面と短軸直交断面で断面形状が楕円)が用いられる。
【0047】
図11は、本発明による航空機の翼周面形状変更の実施の更に他の形態を示している。実施の本形態では、可動周面26の前縁領域に形成される乱流生成器27は、複数の半楕円体状の穴(ディンプル)32で構成されている。複数の穴32は、横方向に配列されている。穴32は、後方に向かって先鋭であり、且つ、前方に向かって先鋭である。
【0048】
図12は、本発明による航空機の翼周面形状変更の実施の更に他の形態を示している。実施の本形態では、可動周面26の前縁領域に形成される乱流生成器27は、複数の薄い矩形状板33で構成されている。複数の矩形状板33は、横方向に配列されている。気流は隣り合う矩形状板33の間で剥離、圧縮、膨張の作用を受けて、前方から流れ込む渦を励起する。
【0049】
図13は、本発明による航空機の翼周面形状変更の実施の更に他の形態を示している。実施の本形態では、固定周面25の後縁形状が凹凸波状凸体34に形成され、可動周面26の前縁に凹凸波状凸体34が出没自在である凹凸波状凹体35に形成されている。可動部分16の舵角が零である場合には、凹凸波状凸体34は凹凸波状凹体35に埋没し、凹凸波状凸体34は固定周面25に対して突起的にならず、その渦励起効果はない。可動部分16の舵角が零でない場合には、凹凸波状凸体34は凹凸波状凹体35に対して相対的に突起し、凹凸波状凸体34に渦励起効果が生じる。水平飛行中(巡航中)に凹凸波状凹体35に埋没する凹凸波状凸体34は、抵抗増加原因にならない。
【0050】
図14は、本発明による航空機の翼周面形状変更の実施の更に他の形態を示している。実施の本形態は、舵角変更に対応して流れ壁面の形状を変更する点で、実施の図13の形態に同じである。実施の本形態では、渦励起体36が可動部分16の固定部分15に対する回転変位に対応して可動周面26から突出する。その突出量はその回転変位量に対応する。実施の本形態の励起用突起は、直方体状に形成されている。
【0051】
図6〜図14に示される渦励起用凹凸体28,28’,29,29’,31,32,33,34,35,36は、固定周面25の片面又は可動周面26の片面に配置されている。そのような渦励起用凹凸体は、図15に示されるように、固定部分15の両面又は可動部分16の両面に配置されることが可能である。図16に示される渦励起構造27では、固定部分15の片面の後端領域に多数の渦励起体が2列に配置され、更に、可動部分16の同じ側の片面の前端領域に多数の渦励起体が4列に配置される。ディンプルが可動周面26の全面に形成されることはあり得る。このように、可動翼面又は可動翼面近傍の固定翼面に平滑面と非平滑面とを流れ方向に交互に配列することにより、乱流境界層の下流側に渦を再励起する非平滑面を形成することにより、乱流境界層の下流側に再層流化を発生させないことが可能である。
【0052】
図17は、本発明による航空機の実施の更に他の形態を示している。可動部分16は、固定部分15に回転自在に支持されている。可動部分16は、任意の回転角度位置で固定部分15に対して固定され得る。渦励起構造27は、可動部分16に案内されて上側の可動周面26に対して出没する上側出没体37と可動部分16に案内されて下側の可動周面26に対して出没する下側出没体38とから構成されている。上側出没体37と下側出没体38との間には、カム39が介設されている。図17(a)は、舵角が零である状態を示している。可動部分16が固定部分15に対して第1方向(時計方向)に回転すれば、同図(b)に示されるように、偏心カム39が第1方向に回転し、偏心カム39の回転に連動して上側出没体37が上側の可動周面26から突出する。可動部分16が固定部分15に対して第2方向(反時計方向)に回転すれば、同図(c)に示されるように、偏心カム39が第2方向に回転し、偏心カム39の回転に連動して下側出没体38が下側の可動周面26から突出する。可動部分16の回転角度と偏心カム39の回転角度とに関数関係(例示:ギアの歯数比)を与えることにより、可動部分16の回転角度(舵角)と上下の出没体37,38の出没量に関数関係を与えることができる。このような関数関係は、舵角に対して適正に再層流化の程度を制御することができる。そのような制御は、既述の機械的制御に限られず電子的制御により可能である。
【0053】
【発明の効果】
本発明による航空機、及び、航空機の再層流化確認計算機は、渦の再励起により再層流化を抑制することにより、遷音速領域で揚力の不安定化を抑制し、特には、揚力の低下を有効に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明による航空機の再層流化確認計算機の実施の形態を示す正面図である。
【図2】図2は、座標系設定を示す断面図である。
【図3】図3は、本発明による航空機の再層流化確認計算方法の実施の形態を示すフロー図である。
【図4】図4は、流れ場を示す断面図である。
【図5】図5は、他の流れ場を示す断面図である。
【図6】図6は、本発明による航空機の実施の形態を示す斜軸投影図である。
【図7】図7は、本発明による航空機の実施の他の形態を示す斜軸投影図である。
【図8】図8は、本発明による航空機の実施の更に他の形態を示す斜軸投影図である。
【図9】図9は、本発明による航空機の実施の更に他の形態を示す斜軸投影図である。
【図10】図10は、本発明による航空機の実施の更に他の形態を示す斜軸投影図である。
【図11】図11は、本発明による航空機の実施の更に他の形態を示す斜軸投影図である。
【図12】図12は、本発明による航空機の実施の更に他の形態を示す斜軸投影図である。
【図13】図13は、本発明による航空機の実施の更に他の形態を示す斜軸投影図である。
【図14】図14は、本発明による航空機の実施の更に他の形態を示す斜軸投影図である。
【図15】図15は、本発明による航空機の実施の更に他の形態を示す斜軸投影図である。
【図16】図16は、本発明による航空機の実施の更に他の形態を示す斜軸投影図である。
【図17】図17(a),(b),(c)は、本発明による航空機の実施の更に他の形態を示す斜軸投影図である。
【図18】図18(a),(b)は、再層流化現象の存在をそれぞれに示すグラフである。
【符号の説明】
1…計算器
4…係数設定器
5…比較器
15…機体(翼)
16…機体(可動部分)
26…表面
27…渦励起構造
34…可動体
37…可動体(出没体)
38…可動体(出没体)
L…固定/可動部分境界線
Claims (2)
- 機体と、
前記機体の表面領域に生成される乱流境界層の下流側に前記機体に支持されて配置され前記乱流境界層を再励起する渦励起構造とを具備し、
前記機体は遷音速で飛行し、
前記機体の翼は、
翼本体部分と、
前記翼本体部分に回転自在に支持されたフラップと
を備え、
前記渦励起構造は、前記フラップに案内される出没体を備え
前記翼の周面は、
前記翼本体部分の固定周面と、
前記フラップの可動周面と
を備え、
前記出没体は、前記フラップの前記翼本体部分に対する回転に連動して前記可動周面から突出する
航空機。 - 前記出没体は、
第1出没体と、
第2出没体と
を備え、
前記可動周面は、
上側可動周面と、
下側可動周面と
を備え、
前記第1出没体は、前記フラップの前記翼本体部分に対する第1方向の回転に連動して前記上側可動周面から突出し、
前記第2出没体は、前記フラップの前記翼本体部分に対する前記第1方向の反対の第2方向の回転に連動して前記下側可動周面から突出する
請求項1の航空機。
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