JP4426032B2 - 緑内障診断装置及び緑内障診断用記録媒体 - Google Patents

緑内障診断装置及び緑内障診断用記録媒体 Download PDF

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    • A61B3/10Objective types, i.e. instruments for examining the eyes independent of the patients' perceptions or reactions
    • A61B3/14Arrangements specially adapted for eye photography
    • A61B3/145Arrangements specially adapted for eye photography by video means

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、緑内障の早期診断に用いるのに好適の緑内障診断装置及び緑内障診断用記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
医用眼科の分野では、緑内障は視神経繊維束欠損によって引き起こされる病気であるといわれており、従来から、この緑内障の診断のために、カラー撮影用の眼底カメラを用いてカラー眼底像を撮影することが行われている。
【0003】
これは、視神経繊維束が緑色の光(G成分の光)、青色の光(B成分の光)を反射する割合が高いという性質、ことにG成分の光を反射する割合が高いことから、G成分のみ、又はB成分のみで画像を表示した場合に、その視神経繊維束欠損が存在する眼底領域(眼底部位)の明るさはその眼底領域に正常な視神経繊維束が存在していたとする明るさに較べて暗く写るので、そのG成分のみ、又はB成分のみで表示された眼底像を周辺部位と較べて見て暗い部分が存在すれば、その暗い部分が視神経繊維束の欠損領域であるのではないかと診断できるからである。そのG成分、B成分の反射光量は視神経繊維束が厚ければ厚いほど多い。赤色の光(R成分の光)は視神経繊維束によって反射される割合が少なくその視神経繊維束よりも奥に存在する眼底組織によって反射される割合が高いという性質を有する。
【0004】
このことについて、「The Spectral Reflectance of the Nerve Fiber Layer of the Macaque Retina」という論文(2393頁−2402頁:Investigative Ophthalmology and Visual Science,Vol.30,No.11,November 1989」を参考にしつつ説明する。
【0005】
図7は眼底像を模式的に示した図であり、この図7において、領域A〜C、Gは視神経繊維束が正常に存在する領域、D〜Fは意図的に視神経繊維束を除去した領域である。この領域A〜Gにそれぞれ異なる波長の光を照射して、各領域A〜Gからの領域毎の全反射光量を受光し、波長をパラメータとして各領域毎の全反射率をグラフ化して示したものが図8である。
【0006】
この図8において、左端は青色の光による反射率を示し、右端は赤色の光による反射率を示し、中間が緑色の光による反射率を示している。この図から明らかなように赤色の光による反射率がこれよりも波長の短い波長の光による反射率よりも大きい。
【0007】
また、視神経繊維束のみの反射率を領域A、B、Cについてグラフ化して示したものが図9である。この図9から領域Aから領域Cに向かうに伴って、反射率が低くなることが読み取れる。これは、視神経繊維が乳頭部分に集まってその乳頭部分の膜厚が厚くなっているところは視神経繊維の密度が高くなるため反射率が高く、乳頭部分から遠ざかるに伴って膜厚が薄くなり視神経繊維の密度が低くなっているからと解され、視神経繊維の膜厚と反射率との間に相関関係があることが読み取れる。
【0008】
ところで、その緑内障はこれが進行すると失明に至ることから、その緑内障の早期発見が急務であるとされているが、眼底の各部位によって視神経繊維束の厚さが異なるため、健康な患者の眼底を撮影して、G成分、B成分で表示された眼底像を見た場合でも濃淡が生じ、視神経繊維束欠損領域が存在するか否かを一見して判断することは困難である。
【0009】
そこで、その視神経繊維束が、乳頭からほぼ放射状に出ているという性質を利用して、眼底像上でその乳頭を中心にして放射方向に半径の異なる二つの同心円を描いて、第1の円を起点にして第2の円まで半径方向に沿ってG成分、B成分の画像データを積分(和分)するという画像処理を行って、視神経繊維束欠損領域に起因するわずかな反射光量の変化を積分によって大きな変化に置換して眼底像を再表示し、この画像処理によって得られた眼底像に基づいて視神経繊維束欠損領域が眼底に存在しているか否かを診断する診断技術が提案されている。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、眼底を照明するときには照明むらがあり、この照明むらがあると、視神経繊維束が存在する眼底領域でも暗く写って濃淡が生じることがあり、視神経繊維束が存在する眼底領域と視神経繊維束が欠損している眼底領域との区別をつけにくく、ことに、緑内障の進行初期には、視神経繊維束の欠損が少ないことから、この照明むらが存在すると、その患者が緑内障になりかけているのか否かの診断が困難である。
【0011】
本発明は、上記の事情に鑑みて為されたもので、その目的とするところは、眼底の照明むらに起因する緑内障早期診断の困難性を極力解消することのできる緑内障診断装置を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の緑内障診断装置は、カラー撮影用の眼底カメラで撮影された眼底像の各部位について、G成分の反射光強度に相当するG成分画像データ又はB成分の反射光強度に相当するB成分画像データを、R成分の反射光強度に相当するR成分画像データを用いて除算することによって得られた反射光強度比データに基づいて、緑内障の診断を行うことを特徴とする。
【0017】
請求項2に記載の緑内障診断装置は、緑内障の診断を行うために、カラー撮影用の眼底カメラで撮像された眼底像の各部位について、G成分の反射光強度に相当するG成分画像データ又はB成分の反射光強度に相当するB成分画像データを、R成分の反射光強度に相当するR成分画像データを用いて除算して反射光強度比を演算する演算手段を有することを特徴とする。
【0018】
請求項1又は請求項2に記載の緑内障診断装置によれば、眼底の各部位毎の画像データを眼底の各部位毎の反射強度比(反射率比相当)に置換して、画像データを構築することにしたので、照明むらによる影響を除去することができる。
特に、G成分又はB成分を反射する割合がR成分に較べて高いという視神経繊維束の反射率特性に着目して、G成分の反射光強度に相当するG成分画像データ又はB成分の反射光強度に相当するB成分画像データを、視神経繊維束の欠損による影響を受けることの少ないR成分の反射光強度に相当するR成分画像データを用いて除算して反射光強度比を求めることにしたので、照明むらによる影響をより一層除去することができる。
【0019】
請求項3に記載の緑内障診断装置は、前記眼底カメラで撮影された眼底像が白色光照明によって得られた画像であることを特徴とする。
【0020】
請求項3に記載の緑内障診断装置によれば、演算処理の簡略化を図ることができる。
【0021】
請求項4に記載の緑内障診断装置は、前記眼底像の各部位の面積がCCDの各画素の面積相当であることを特徴とする。
【0022】
請求項4に記載の緑内障診断装置によれば、各画素毎に緻密に視神経繊維束の欠損領域を判断できる。
【0023】
請求項5に記載の緑内障診断装置は、前記眼底像の血管部分を除去する画像処理を行って緑内障の診断を行うことを特徴とする。
【0024】
請求項5に記載の緑内障診断装置によれば、眼底像の血管部分を除去して緑内障の診断を行うことができるので、画像表示した場合にその診断が容易である。
【0025】
請求項6に記載の緑内障診断装置は、乳頭を中心にして放射方向に半径の異なる二つの同心円を描いて、第1の円を起点に第2の円まで半径方向に沿って反射光強度比データを積分するという画像処理を行うことを特徴とする。
【0026】
請求項6に記載の緑内障診断装置によれば、視神経繊維束欠損領域に起因するわずかな反射光量の変化を積分によって大きな変化に置換して表示できる。
【0028】
請求項7に記載の緑内障診断用記録媒体は、カラー撮影用の眼底カメラで撮像された眼底像の各部位について、G成分の反射光強度に相当するG成分画像データ又はB成分の反射光強度に相当するB成分画像データを、R成分の反射光強度に相当するR成分画像データを用いて除算して反射光強度比を演算するプログラムが記録されていることを特徴とする
【0029】
【発明の実施の形態】
図1は本発明の緑内障診断装置に用いる眼底カメラQの一例を示し、この図1において、1はベース、2は架台、3は装置本体、4はジョイスティック、5はTVカメラ、6は顎受け、7は額当てであり、これらの構成は公知である。
【0030】
この眼底カメラでは、患者の顎を顎受け6に乗せ、額当て7に額を当てて、例えば、内部固視灯により所定方向を固視させて、撮影スイッチ8を操作すると、被検眼の眼底が照明されて、眼底像がTVカメラ5によって撮像される。
【0031】
そのTVカメラ5は例えば緑内障診断装置としてのパーソナルコンピュータ9に接続され、眼底像はこのパーソナルコンピュータ9のフレームメモリに記憶される。このパーソナルコンピュータ9のフレームメモリに眼底像を記憶する代わりに、ハードディスク、磁気ディスク、フロッピーディスク、光磁気ディスクに記録保存しても良い。
【0032】
そのパーソナルコンピュータ9には画像表示モニター10が接続され、マウス、キーボード等の操作手段により、記憶保存されている眼底像FBが画面11に表示される。
【0033】
図2はその図1に示す眼底カメラによって撮像された眼底像FBの一例を示している。ここでは、この眼底像はG成分のみで表示されているものとする。この眼底像FBを撮影するもととなった患者の眼底には、視神経繊維束の欠損があり、患者は緑内障進行初期の状態にあるものとし、かつ、視神経繊維束の欠損がG成分のみを用いての画像表示では、照明むらの影響を受けて濃淡の区別が難しく、視神経繊維束の欠損領域が認識できない程度のものであるとする。従って、この図2では、視神経繊維束の欠損領域は示されていない。なお、その図2において、FCは視神経乳頭、FDは黄斑部、FEは血管を示している。
【0034】
ところで、視神経繊維束が欠損すると、その分だけ、G成分又はB成分の反射率は低下するはずである。というのは、視神経繊維束はG成分又はB成分を反射する割合がR成分に較べて高いからである。
【0035】
そこで、眼底の各部位について、G成分、B成分の反射率を求めることが考えられる。しかしながら、眼底各部位について、反射率そのものを求めることは実質的に不可能である。
【0036】
というのは、周知のように、反射率は一般に反射光の光量を入射光の光量で除算することによって定義されるが、眼底各部位についての入射光の光量を測定すること自体が難しいうえに、照明むらがあるので眼底各部位についての入射光量を一様として取り扱うことができないからである。
【0037】
そこで、眼底各部位について、反射率比相当(反射光強度比)という概念を考える。以下、この反射率比相当の概念について説明する。
【0038】
いま、R成分、G成分、B成分について、眼底のある任意の部位への入射光の光量(入射光強度)をそれぞれ記号Ir、Ig、Ibで示し、その任意の部位の反射率を記号Rr、Rg、Rbで示し、その任意の部位からの反射光の光量(反射光強度)をIrr、Irg、Irbで示すことにすると、R成分、G成分、B成分について、以下に示す関係式が成り立っている。
Irr=Ir×Rr(R成分についての反射光の光量を示す式)…(1)
Irg=Ig×Rg(G成分についての反射光の光量を示す式)…(2)
Irb=Ib×Rb(B成分についての反射光の光量を示す式)…(3)
ここで、R成分、G成分、B成分の反射光の光量Irr、Irg、Irbは眼底像FBをカラー撮影することによって、眼底各部位毎に画像データとして求められている測定量、すなわち、各成分についての画像濃度データに対応している。
【0039】
そこで、以下に説明するG成分についての反射率比相当(反射光強度比)R1という概念を、G成分の反射光の光量Irgを各成分の反射光の光量の総和を用いて除算することによって定義する。
R1=Irg/(Irr+Irg+Irb) …(4)
同様に、B成分についての反射率比相当(反射光強度比)R2という概念、R成分についての反射率比(反射光強度比)R3という概念を定義する。
R2=Irb/(Irr+Irg+Irb) …(5)
R3=Irr/(Irr+Irg+Irb) …(6)
(4)式は(1)式ないし(3)式を用いて、以下の式に変形できる。
R1=(Ig×Rg)/(Ir×Rr+Ig×Rg+Ib×Rb)
=Rg/(a×Rr+Rg+b×Rb) …(7)
ここで、係数a、係数bは以下に示す式によって定義される。
a=Ir/Ig(G成分の入射光量に対するR成分の入射光量の比)
b=Ib/Ig(G成分の入射光量に対するB成分の入射光量の比)
R2=(Ib×Rb)/(Ir×Rr+Ig×Rg+Ib×Rb)
=Rb/(c×Rr+d×Rg+Rb) …(8)
ここで、係数c、係数dは以下に示す式によって定義される。
c=Ir/Ib(B成分の入射光量に対するR成分の入射光量の比)
d=Ig/Ib(B成分の入射光量に対するG成分の入射光量の比)
R3=(Ir×Rr)/(Ir×Rr+Ig×Rg+Ib×Rb)
=Rr/(Rr+e×Rg+f×Rb) …(9)
ここで、係数e、係数fは以下に示す式によって定義される。
e=Ig/Ir(R成分の入射光量に対するG成分の入射光量の比)
f=Ib/Ir(R成分の入射光量に対するB成分の入射光量の比)
ここで、白色光による照明の場合には、R、G、Bの各成分についての入射光の光量は等しいと仮定できるから、係数aないし係数fは等しく、色むらが存在しない限り「1」とみなすことができる。また、白色光による照明でない場合でも、照明光源が同じであると仮定すれば、その比は一定である。
【0040】
この反射率比相当R1、R2、R3は入射光の照明むらによる影響を受けない数値である。というのは、たとえ、照明むらが存在して眼底各部位毎の照明光の光量が相違していたとしても、眼底の各部位毎に入射光の光量を除算することによって、その照明むらの影響が除去されているからである。
【0041】
従って、上記(7)式ないし(9)式の演算を行うプログラムを作成し、パーソナルコンピュータ9の演算手段としての処理回路に組み込んで、各眼底部位毎に反射率比相当R1、R2、R3の演算を実行させ、眼底画像を構築することにすれば、照明むらが存在する場合であっても、その影響を除去して眼底像を表示できることになる。
【0042】
すなわち、カラー撮影用の眼底カメラで撮影された眼底像の各部位について、G成分の反射光強度に相当するG成分画像濃度データ又はB成分の反射光強度に相当するB成分画像濃度データを、G成分画像濃度データとB成分画像濃度データとR成分の反射光強度に相当するR成分画像濃度データとの総和を用いて除算すれば、反射光強度比データを得ることができる。その眼底像FBの各部位の面積はCCDの各画素の面積相当であることが望ましい。
【0043】
図3はその演算処理を行って得られた眼底像の模式図を示すもので、視神経繊維束の欠損が存在する欠損部位FFが斜線で示されている。
【0044】
また、図4に示すように、乳頭FCの中心O1を中心にして放射方向に半径の異なる二つの同心円C1、C2を描いてこの同心円C1、C2で囲まれている領域内で半径方向に沿って第1の円C1を起点にしかつ第2の円C2を終点にし、反射光強度比データを積分処理する操作を乳頭FCを巡る方向に行ってこの積分処理結果をグラフ化して表示するようにしても良い。図5はこのような処理を行って得られたグラフである。
【0045】
視神経繊維束の膜厚が厚い箇所はその反射光強度比データ値が大きいのでその積分値が大きく、膜厚の薄い箇所はその反射光強度比データ値が小さくなるのでその積分値も小さい。その図5において、数字「0」は耳側を示し、数字「4」は鼻側を示し、数字「0」ないし数字「7」は図5に示す眼底像上において、右回りに45度ずつ回転させて積分処理を行った方向を示し、これを横軸Z方向としている。また、符号X1〜X5は血管部分を示し、血管部分X1〜X5は反射強度が低いため、その反射光強度比データ値は小さい。とくに、符号X1、X3で示す血管部分は太い血管が存在するので、その反射光強度比データ値の落ち込みが大きい。
【0046】
このように血管部分が存在するグラフのままでは、視神経繊維束の欠落があるか否か判断を迅速かつ容易に行うことが困難であるので、フィルターによる血管部分除去処理を行う。これには、ガボールフィルターを用いる。このガボールフィルター(Gabor又はDOGフィルター)の一般式は以下の通りである。
DOG{σe、σi}=[1/2π]-1/2{σe・exp(−x/2σe2
−σi・exp(−x/2σi2
ここで、σe、σiは正規分布の分散を示し、σe<σiである。
このDOGフィルターを用いて、各Z位置毎に反射光強度比とGFフィルターとの積をとるという画像処理をZ方向に行うと、図6に示すように、血管部分が除去された膜厚相当グラフG1が得られる。この図6に健康な人の一般的な眼底繊維束の標準膜厚に相当する膜厚相当グラフG2を表示させることにすれば、健康な人の眼底繊維束の膜厚の変化グラフと患者の眼底繊維束の膜厚の変化グラフとを見較べることができて欠損の存在を知ることができる。その膜厚相当グラフG2は年齢、人種等に応じて選択できるようにデータベースに記憶させておくのが望ましい。
【0047】
以上、発明の実施の形態では、眼底各部位毎に、R、G、B各成分についての反射光の光量を、反射光の全光量によって除算することによって、各R、G、B各成分についての反射率の比を求めることにしたが、緑内障の患者でもR成分についての反射率は健康な人の反射率とほとんど差異はないと考えられる。
【0048】
というのは、視神経繊維束の欠損によって影響を受けるのはG成分、B成分の光であり、R成分の光はほとんど影響を受けないからである。このR成分で除算することが望ましいことは、図8に示すグラフからも裏付けられる。すなわち、眼底繊維束が存在する領域A〜C、Gと眼底繊維束が存在しない領域C〜FとでR成分の光による反射率の変化はほとんど見受けられないが、G成分、R成分の光による反射率は眼底繊維束が存在しない領域C〜Fとで反射率の差異が明らかに見受けられるからである。
【0049】
従って、G成分又はB成分の反射光の光量をR成分の反射光の光量で除算することによって、眼底各部位について、G成分又はB成分の反射率の比を求めることによって、照明むらの影響を除去できる。より、一般的には、短い波長の光の反射強度に相当する画像データをより長い波長の光の反射強度に相当する画像データで除算した反射光強度比データに基づいて、緑内障の診断を行うこととすれば良い。
【0050】
このようにすれば、更に、演算プログラムを簡略化でき、演算処理速度も向上させることができる。
【0051】
以上の説明では、照明光の分光についてのみ説明したが、眼底全体の分光反射率をR(λ)、光源の分光強度分布をI0(λ)、CCDのR成分、G成分、B成分の分光感度をDR(λ)、DG(λ)、DB(λ)とすると、CCDから得られるR成分、G成分、B成分の画像信号SR、SG、SB以下の式で表される。
【0052】
R=KR∫DR(λ)・R(λ)・I0(λ)dλ
G=KG∫DG(λ)・R(λ)・I0(λ)dλ
B=KB∫DB(λ)・R(λ)・I0(λ)dλ
ここで、λは光の波長、KR、KG、KBは各成分に関する比例定数であり、積分は波長の下限値(短波長)から波長の上限値(長波長)に向かって行う。
【0053】
そして、この画像信号SR、SG、SBを用いて反射強度比データを求めれば、より一層正確に視神経繊維束の膜厚と反射強度比データとの相関を向上させることができる。
【0054】
【発明の効果】
本発明に係わる緑内障診断装置によれば、眼底の照明むらに起因する緑内障早期診断の困難性を極力解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 眼底像の撮影に用いる眼底カメラの一例を示す外観図である。
【図2】 画像処理前の眼底像の一例を示す模式図である。
【図3】 画像処理後の眼底像の一例を示す模式図である。
【図4】 反射光強度比データの放射方向への積分処理の説明に使用する眼底像の模式図である。
【図5】 反射光強度比データの積分処理結果をグラフ化して表示した図である。
【図6】 血管部分に相当する画像部位を除去して反射光強度比データの積分処理結果をグラフ化して表示した図である。
【図7】 眼底像を模式的に示す図である。
【図8】 図7に示す眼底像の各領域からの反射率を波長を横軸にとって示したグラフである。
【図9】 図7に示す眼底像の領域A〜Cについて、視神経繊維束のみの反射率を波長を横軸にとって示したグラフである。
【符号の説明】
9 パーソナルコンピュータ(演算手段)
Q 眼底カメラ
FB 眼底像

Claims (7)

  1. カラー撮影用の眼底カメラで撮影された眼底像の各部位について、G成分の反射光強度に相当するG成分画像データ又はB成分の反射光強度に相当するB成分画像データを、R成分の反射光強度に相当するR成分画像データを用いて除算することによって得られた反射光強度比データに基づいて、緑内障の診断を行うことを特徴とする緑内障診断装置。
  2. 緑内障の診断を行うために、カラー撮影用の眼底カメラで撮像された眼底像の各部位について、G成分の反射光強度に相当するG成分画像データ又はB成分の反射光強度に相当するB成分画像データを、R成分の反射光強度に相当するR成分画像データを用いて除算して反射光強度比を演算する演算手段を有することを特徴とする緑内障診断装置。
  3. 前記眼底カメラで撮影された眼底像が白色光照明によって得られた画像であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の緑内障診断装置。
  4. 前記眼底像の各部位の面積がCCDの各画素の面積相当であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の緑内障診断装置。
  5. 前記眼底像の血管部分を除去する画像処理を行って緑内障診断を行うことを特徴とする請求項2に記載の緑内障診断装置。
  6. 乳頭を中心にして放射方向に半径の異なる二つの同心円を描いて、第1の円を起点に第2の円まで半径方向に沿って反射光強度比データを積分するという画像処理を行うことを特徴とする請求項2に記載の緑内障診断装置。
  7. カラー撮影用の眼底カメラで撮像された眼底像の各部位について、G成分の反射光強度に相当するG成分画像データ又はB成分の反射光強度に相当するB成分画像データを、R成分の反射光強度に相当するR成分画像データを用いて除算して反射光強度比を演算する演算プログラムが記録されている緑内障診断用記録媒体。
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