JP4420365B2

JP4420365B2 - Ballpoint pen tip

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Publication number: JP4420365B2
Application number: JP2000245463A
Authority: JP
Inventors: 雅夫橋; 拓也岡
Original assignee: Mitsubishi Pencil Co Ltd
Current assignee: Mitsubishi Pencil Co Ltd
Priority date: 2000-08-14
Filing date: 2000-08-14
Publication date: 2010-02-24
Anticipated expiration: 2020-08-14
Also published as: JP2002052884A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ボールペンチップに関し、特に、ボールの直径とインク溝の深さとの関係、ボールの直径とボール受け座の半径との関係、及びインク誘導孔の半径とインク溝の幅との関係につき、所定の条件を満たすように形成することにより、ボールにインクが十分に供給されるようにしつつも、耐久性を向上させたボールペンチップに関するものである。
【０００２】
【従来の技術】
従来のボールペンチップの一例を、図５とともに説明する。
図５に示すボールペンチップ10は、ボール20とホルダー30とを備えている。
前記ボール20は、筆記面にインクを塗布するためのものである。
このボール20は、超硬合金を用いて形成されている。
【０００３】
また、前記ホルダー30は、ボール20を保持するためのものである。
このホルダー30は、ステンレス製の線材を用いて形成されている。
また、このホルダー30は、ボールハウス40、インク誘導孔50、インク溝60、及びカシメ部100などを有している。
前記ボールハウス40は、ボール20を収納するためのものである。
【０００４】
このボールハウス40は、ホルダー30の一方側の端部近辺に設けられている。
また、このボールハウス40は、線材の一方側から他方側へ向けて、線材の軸心に回転軸を一致させたドリルで切削することによって形成されている。
これにより、このボールハウス40は、ボール20の直径よりも内径がわずかに大きい円筒状の側面部70と、インク誘導孔50側へ向けて内径を次第に小さくする円錐状の底面部80とを有することとなっている。
【０００５】
また、前記インク誘導孔50は、ボールハウス40に収納されたボール20にインクを供給するためのものである。
このインク誘導孔50は、ホルダー30の反ボールハウス40側の端部からボールハウス40まで貫通している。
また、このインク誘導孔50は、線材の反ボールハウス40側の端部からボールハウス40側へ向けて、線材の軸心に回転軸を一致させたドリルで切削することによって形成されている。
【０００６】
また、前記インク溝60は、ボールハウス40に収納されたボール20にインクが十分に供給されるようにするためのものである。
このインク溝60は、インク誘導孔50のボールハウス40側の内周面に、インク誘導孔50の中心からみて放射状に設けられている。
また、このインク溝60は、線材のボールハウス40側からインク誘導孔50側へ向けて、ブローチ加工を施すことによって形成されている。
【０００７】
また、前記カシメ部100は、ボールハウス40に収納したボール20が外部に飛び出さないようにするためのものである。
このカシメ部100は、ホルダー30のボールハウス40側の端部に設けられている。
また、このカシメ部100は、ボールハウス40にボール20を収納した後に、線材のボールハウス40側の端部に圧延加工を施すことによって形成されている。
【０００８】
そして、このカシメ部100により、ボール20は、その一部をボールハウス40から突出させつつ、ホルダー30の先端に回転自在に保持されることとなっているのである。
ところで、ボールハウス40の底面部80のうち、ボール20のインク誘導孔50側と当接する部分は、ボール受け座90と呼ばれるが、筆記時には、このボール受け座90に、ボール20が回転しつつ圧接する。また、ボール20は、筆記時には、インク誘導孔50、及びインク溝60からインクを供給される。
【０００９】
このため、ボール受け座90の面積を大きくすれば、ボール受け座90が磨耗しにくくなるので、ボールペンチップ10の耐久性が向上することとなる。
また、インク誘導孔50の直径、インク溝60の深さ、及びインク溝60の幅を大きくすれば、ボール20にインクが十分に供給されるようになり、また、インク溝60にインクが詰まりにくくなるので、描線が薄くなったり、あるいは描線がかすれたりしにくくなるのである。
【００１０】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、インク誘導孔の直径やインク溝の幅を大きくすると、その分ボール受け座の面積が小さくなってしまう。
このため、ボールにインクが十分に供給されるようになり、また、インク溝にインクが詰まりにくくはなるものの、ボール受け座が磨耗しやすくなるので、ボールペンチップの耐久性が低下してしまうのである。
【００１１】
一方、ボール受け座の面積を大きくすると、その分インク誘導孔の直径やインク溝の幅が小さくなってしまう。
このため、ボール受け座が磨耗しにくくはなるものの、ボールへのインクの供給量が低下し、また、インク溝にインクが詰まりやすくなるので、描線がかすれやすくなってしまい、最悪の場合には、筆記不能となってしまうのである。
【００１２】
即ち、ボールにインクが十分に供給されるようにしつつも、耐久性を向上させることは、極めて困難なのである。
このような問題は、金属光沢を呈するインク（いわゆるメタリックインク）や顔料インクを用いたボールペンにおいて顕著にみられる。
これは、メタリックインクや顔料インクが、金属粉末などの非溶解性微粒子を比較的多く含有するものであるところ、この非溶解性微粒子がインク溝に詰まりやすいためである。
【００１３】
そこで、本発明のうち請求項１に記載した発明は、ボールにインクが十分に供給されるようにしつつも、耐久性を向上させたボールペンチップを提供することを目的とする。
また、本発明のうち請求項２に記載した発明は、請求項１に記載した発明の目的に加えて、インク溝にインクが詰まりにくくなるようにしつつも、耐久性をより一層向上させたボールペンチップを提供することを目的とする。
【００１４】
また、本発明のうち請求項３に記載した発明は、請求項１又は２に記載した発明の目的に加えて、インク溝にインクがより詰まりにくくなるようにして、ボールへのインクの供給がより円滑に行われるようにしたボールペンチップを提供することを目的とする。
更に、本発明のうち請求項４に記載した発明は、非溶解性微粒子を含有するインク用のボールペンチップであって、ボールにインクが十分に供給されるようにしつつも、耐久性を向上させたボールペンチップを提供することを目的とする。
【００１５】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、ボール（20）の直径とインク溝（60）の深さとの関係、ボール（20）の直径とボール受け座（90）の半径との関係、及びインク誘導孔（50）の半径とインク溝（60）の幅との関係につき、所定の条件を満たすように形成することにより、ボール（20）へのインクの十分な供給を維持しつつも、耐久性の向上が図れることを見い出し、以下に示す発明を完成させるに至った。
（請求項１）
即ち、本発明のうち請求項１に記載した発明は、ボール（20）と、このボール（20）を保持するためのホルダー（30）とを備え、前記ホルダー（30）は、その一方側の端部近辺に設けた、ボール（20）を収納するためのボールハウス（40）と、その反ボールハウス（40）側の端部からボールハウス（40）まで貫通する、ボール（20）にインクを供給するためのインク誘導孔（50）と、インク誘導孔（50）の少なくともボールハウス（40）側の内周面に、インク誘導孔（50）の中心からみて放射状に設けた、ボール（20）にインクを供給するための複数本のインク溝（60）とを有し、前記ボールハウス（40）は、そのインク誘導孔（50）側に、インク誘導孔（50）側へ向けて内径を次第に小さくする円錐状の底面部（80）を有し、前記底面部（80）は、インク誘導孔（50）の開口部の周囲に、ボール（20）のインク誘導孔（50）側が当接するボール受け座（90）を有するボールペンチップ（10）であって、前記ボール（20）の直径をＡ、前記インク誘導孔（50）のボールハウス（40）側の開口部の半径をＢ、前記ボール受け座（90）の半径をＣ、前記インク誘導孔（50）の中心から前記インク溝（60）の最深部までの距離をＤ、前記インク溝（60）の幅をＥ、としたときに、下記の（式１）、（式２）及び（式３）を満たすことを特徴とする。
（式１）
０．９５≦（２×Ｄ）／Ａ
（式２）
０．５０≦（２×Ｃ）／Ａ≦０．６０
（式３）
０．６０≦Ｅ／（２×Ｂ）≦０．８０
ここで、「ボール（20）」とは、筆記面にインクを塗布するためのものをいう。
【００１６】
このボール（20）は、例えば、超硬合金、ステンレス、焼入鋼、又はセラミックなどを用いて形成することができる。
また、「ホルダー（30）」とは、ボール（20）を保持するためのものをいう。
このホルダー（30）は、例えば、ステンレス、洋白、真鍮、又は黄銅などの金属製の線材を用いて形成することができる。
【００１７】
また、このホルダー（30）は、例えば、ステンレス製のパイプ材を用いて形成することもできる。
また、「ボールハウス（40）」とは、ボール（20）を収納するためのものをいう。
このボールハウス（40）は、ホルダー（30）の一方側の端部近辺に設けられる。
【００１８】
また、このボールハウス（40）は、ホルダー（30）が線材を用いて形成される場合には、例えば、線材の一方側から他方側へ向けて、線材の軸心に回転軸を一致させたドリルで切削することによって形成することができる。
また、このボールハウス（40）は、ホルダー（30）がパイプ材を用いて形成される場合にも、例えば、パイプ材の一方側から他方側へ向けて、パイプ材の軸心に回転軸を一致させたドリルで切削することによって形成することができる。
【００１９】
また、「インク誘導孔（50）」とは、ボールハウス（40）に収納されたボール（20）にインクを供給するためのものをいう。
このインク誘導孔（50）は、ホルダー（30）の反ボールハウス（40）側の端部からボールハウス（40）まで貫通するように設けられる。
また、このインク誘導孔（50）は、ホルダー（30）が線材を用いて形成される場合には、例えば、線材の反ボールハウス（40）側の端部からボールハウス（40）側へ向けて、線材の軸心に回転軸を一致させたドリルで切削することによって形成することができる。
【００２０】
また、ホルダー（30）がパイプ材を用いて形成される場合には、例えば、パイプ材の内腔をそのままインク誘導孔（50）とすることができる。
また、「インク溝（60）」とは、ボールハウス（40）に収納されたボール（20）にインクが十分に供給されるようにするためのものをいう。
このインク溝（60）は、複数本、即ち、２本以上設けられる。
【００２１】
また、このインク溝（60）は、インク誘導孔（50）の少なくともボールハウス（40）側の内周面に、インク誘導孔（50）の中心からみて放射状に設けられる。
従って、このインク溝（60）は、インク誘導孔（50）の内周面のボールハウス（40）側にのみ設けてもよく、また、インク誘導孔（50）の内周面のボールハウス（40）側から反ボールハウス（40）側まで貫通するように設けてもよい。
【００２２】
具体的には、例えば、ホルダー（30）が線材を用いて形成される場合には、インク誘導孔（50）は、ドリルで切削することによって形成されることが多い。また、この場合、インク誘導孔（50）は、反ボールハウス（40）側からボールハウス（40）側へ向けて、内径を順次小さくする階段状に形成されることが多い。そして、この場合、インク溝（60）は、インク誘導孔（50）の最小径部分の内周面に、そのボールハウス（40）側から反ボールハウス（40）側まで貫通するように設けられることが多いのである。
【００２３】
また、例えば、ホルダー（30）がパイプ材を用いて形成される場合には、パイプ材の内腔がそのままインク誘導孔（50）として用いられることが多い。そして、この場合、インク溝（60）は、インク誘導孔（50）のボールハウス（40）側から反ボールハウス（40）側まで貫通するようには設けられず、インク誘導孔（50）の内周面のボールハウス（40）側にのみ設けられることが多いのである。
【００２４】
そして、このインク溝（60）は、例えば、線材又はパイプ材のボールハウス（40）側からインク誘導孔（50）側へ向けて、ブローチ加工を施すことによって形成することができる。
また、「底面部（80）」とは、ボールハウス（40）の内周面のうち、インク誘導孔（50）側に位置し、インク誘導孔（50）側へ向けて内径を次第に小さくする円錐状の部分をいう。
【００２５】
具体的には、例えば、ホルダー（30）が線材又はパイプ材を用いて形成される場合には、ボールハウス（40）は、ドリルで切削することによって形成されることが多い。そして、この場合、ボールハウス（40）は、ボール（20）の直径よりも内径がわずかに大きい円筒状の側面部（70）と、インク誘導孔（50）側へ向けて内径を次第に小さくする円錐状の底面部（80）とを有することとなるのである。
【００２６】
また、「ボール受け座（90）」とは、ボールハウス（40）の底面部（80）のうち、ボール（20）のインク誘導孔（50）側と当接する部分をいう。
具体的には、例えば、ボールハウス（40）の底面部（80）がインク誘導孔（50）側へ向けて内径を次第に小さくする円錐状に形成される場合には、ボールハウス（40）に収納されるボール（20）は、そのインク誘導孔（50）側を、ボールハウス（40）の底面部（80）のうち、インク誘導孔（50）の開口部の周囲に当接させることとなる。従って、この場合には、ボールハウス（40）の底面部（80）のうち、インク誘導孔（50）の開口部の周囲が、ボール受け座（90）となるのである。
【００２７】
なお、インク誘導孔（50）のボールハウス（40）側の開口部の半径をＢ、ボール受け座（90）の半径をＣとすると、Ｂ≦Ｃの関係が成り立つ。
ここで、Ｂ＜Ｃとなる場合とは、主として、タタキ加工を行うことにより、ボール受け座（90）の表面を、ボール（20）の曲率とほぼ同一の曲率を有する凹球面状に形成する場合を意味する。
【００２８】
即ち、ボールハウス（40）の底面部（80）に、先端がボール（20）とほぼ同一形状の半球形をした押圧工具を押し当てたり、あるいはボールハウス（40）にボール（20）を収納した後に、ハンマーでボール（20）をボールハウス（40）の底面部（80）側へ向けて押圧したりすることにより、ボール受け座（90）を硬化させるとともに、ボール（20）とボール受け座（90）とを馴染ませることがある。このような加工は、タタキ加工と呼ばれるが、このタタキ加工が行われると、ボール受け座（90）は、ボール（20）の曲率とほぼ同一の曲率を有する凹球面状に形成されることとなるのである。
【００２９】
また、Ｂ＝Ｃとなる場合とは、タタキ加工を行わずに、ボール（20）のインク誘導孔（50）側を、ボールハウス（40）の底面部（80）のうち、インク誘導孔（50）の開口部側の縁辺に当接させる場合を意味する。
即ち、この場合は、ボールハウス（40）の底面部（80）のうち、インク誘導孔（50）の開口部側の縁辺が、ボール受け座（90）ということになる。
【００３０】
更に、このボールペンチップ（10）は、
ボール（20）の直径をＡ、
インク誘導孔（50）のボールハウス（40）側の開口部の半径をＢ、
ボール受け座（90）の半径をＣ、
インク誘導孔（50）の中心からインク溝（60）の最深部までの距離をＤ、
インク溝（60）の幅をＥ、
としたときに、
０．９５≦（２×Ｄ）／Ａ（式１）、
０．５０≦（２×Ｃ）／Ａ≦０．６０（式２）、
０．６０≦Ｅ／（２×Ｂ）≦０．８０（式３）、
を満たすように形成されている。
【００３１】
即ち、インク誘導孔（50）の中心からインク溝（60）の最深部までの距離の２倍は、ボール（20）の直径に対して９５％以上となるように形成されている。
また、ボール受け座（90）の直径は、ボール（20）の直径に対して５０％以上６０％以下となるように形成されている。
また、インク溝（60）の幅は、インク誘導孔（50）のボールハウス（40）側の開口部の直径に対して６０％以上８０％以下となるように形成されているのである。
【００３２】
そして、上記（式１）、（式２）及び（式３）を満たすようにボールペンチップ（10）を形成することにより、ボール（20）にインクが十分に供給されるようにしつつも、耐久性を向上させることができるのである。
なお、０．９５＞（２×Ｄ）／Ａにすると、即ち、インク誘導孔（50）の中心からインク溝（60）の最深部までの距離の２倍を、ボール（20）の直径に対して９５％未満にすると、インク溝（60）の加工はしやすくなるものの、ボール（20）へのインクの供給量が低下し、また、インク溝（60）にインクが詰まりやすくなってしまう。このため、描線がかすれやすくなり、最悪の場合には、筆記不能となってしまうのである。
【００３３】
また、０．５０＞（２×Ｃ）／Ａにすると、即ち、ボール受け座（90）の直径を、ボール（20）の直径に対して５０％未満にすると、ボール（20）にインクが十分に供給されるようにすることはできるものの、ボール受け座（90）が磨耗しやすくなってしまう。このため、使用開始から比較的早い時期に、ボール（20）の引っ掛かりが感じられたり、あるいはボール（20）の回転が重く感じられたりするなどの不具合が生じてしまうこととなるのである。
【００３４】
一方、（２×Ｃ）／Ａ＞０．６０にすると、即ち、ボール受け座（90）の直径を、ボール（20）の直径に対して６０％超にすると、ボール受け座（90）が磨耗しにくくはなるものの、ボール（20）へのインクの供給量が低下してしまう。このため、描線が薄くなったり、あるいは描線がかすれやすくなってしまうのである。
【００３５】
また、０．６０＞Ｅ／（２×Ｂ）にすると、即ち、インク溝（60）の幅を、インク誘導孔（50）のボールハウス（40）側の開口部の直径に対して６０％未満にすると、ボール受け座（90）が磨耗しにくくなり、また、インク溝（60）の加工もしやすくなるものの、ボール（20）へのインクの供給量が低下し、また、インク溝（60）にインクが詰まりやすくなってしまう。このため、描線がかすれやすくなり、最悪の場合には、筆記不能となってしまうのである。
【００３６】
一方、Ｅ／（２×Ｂ）＞０．８０にすると、即ち、インク溝（60）の幅を、インク誘導孔（50）のボールハウス（40）側の開口部の直径に対して８０％超にすると、ボール（20）へのインクの供給量を増加させることができ、また、インク溝（60）にインクが詰まりにくくなるようにすることはできるものの、ボール受け座（90）が磨耗しやすくなってしまう。このため、使用開始から比較的早い時期に、ボール（20）の引っ掛かりが感じられたり、あるいはボール（20）の回転が重く感じられたりするなどの不具合が生じてしまうこととなるのである。
（請求項２）
また、本発明のうち請求項２に記載した発明は、請求項１に記載した発明の構成に加えて、インク溝（60）の本数が、２本又は３本であることを特徴とする。
【００３７】
このように、請求項１に記載した条件に加えて、インク溝（60）の本数を２本又は３本とすることにより、インク溝（60）にインクが詰まりにくくなるようにしつつも、耐久性をより一層向上させることができるのである。
なお、請求項１に記載した条件を満たしつつ、インク溝（60）の本数を４本、あるいは５本とすることも、技術的には可能である。
【００３８】
即ち、各インク溝（60）の幅を比較的広く形成し、かつ、インク溝（60）の総本数を増やせば、インク溝（60）にインクが詰まりにくくなるようにしつつも、ボール（20）へのインクの供給量を増加させることができるのである。
ただ、請求項１に記載した条件に加えて、インク溝（60）の本数を４本、あるいは５本とすると、一方で、ボール受け座（90）の面積が小さくなり、ボール受け座（90）が磨耗しやすくなってしまうこととなる。このため、使用開始から比較的早い時期に、ボール（20）の引っ掛かりが感じられたり、あるいはボール（20）の回転が重く感じられたりするなどの不具合が生じてしまうこととなる。
【００３９】
そこで、上述したように、インク溝（60）の本数を一定本数以下に制限する必要があるのである。
（請求項３）
また、本発明のうち請求項３に記載した発明は、請求項１又は２に記載した発明の構成に加えて、インク溝（60）のボールハウス（40）側の端部から反ボールハウス（40）側の端部までの長さをＦ、としたときに、下記の（式４）を満たすことを特徴とする。
（式４）
Ｆ／Ａ≦０．５０
ここで、Ｆ／Ａ＞０．５０でも使用可能ではあるが、Ｆ／Ａ≦０．５０を満たすように形成することにより、即ち、インク溝（60）のボールハウス（40）側の端部から反ボールハウス（40）側の端部までの長さを、ボール（20）の直径に対して５０％以下にすることにより、インク溝（60）の長さが比較的短くなるので、インク溝（60）にインクが詰まりにくくなるのである。
【００４０】
なお、Ｆ／Ａ＞０．５０にすると、即ち、インク溝（60）のボールハウス（40）側の端部から反ボールハウス（40）側の端部までの長さを、ボール（20）の直径に対して５０％超にすると、インク溝（60）の長さが比較的長くなることにより、インク溝（60）にインクが詰まりやすくなってしまうのである。
（請求項４）
更に、本発明のうち請求項４に記載した発明は、非溶解性微粒子を含有するインク用のボールペンチップ（10）であって、直径が２．０ｍｍ以下のボール（20）と、このボール（20）を保持するためのホルダー（30）とを備え、前記ホルダー（30）は、その一方側の端部近辺に設けた、ボール（20）を収納するためのボールハウス（40）と、その反ボールハウス（40）側の端部からボールハウス（40）まで貫通する、ボール（20）にインクを供給するためのインク誘導孔（50）と、インク誘導孔（50）の少なくともボールハウス（40）側の内周面に、インク誘導孔（50）の中心からみて放射状に設けた、ボール（20）にインクを供給するための複数本のインク溝（60）とを有し、前記ボールハウス（40）は、そのインク誘導孔（50）側に、インク誘導孔（50）側へ向けて内径を次第に小さくする円錐状の底面部（80）を有し、前記底面部（80）は、インク誘導孔（50）の開口部の周囲に、ボール（20）のインク誘導孔（50）側が当接するボール受け座（90）を有し、前記ボール（20）の直径をＡ、前記インク誘導孔（50）のボールハウス（40）側の開口部の半径をＢ、前記ボール受け座（90）の半径をＣ、前記インク誘導孔（50）の中心から前記インク溝（60）の最深部までの距離をＤ、前記インク溝（60）の幅をＥ、としたときに、下記の（式５）、（式６）及び（式７）を満たすことを特徴とする。
（式５）
０．９５≦（２×Ｄ）／Ａ
（式６）
０．５０≦（２×Ｃ）／Ａ≦０．６０
（式７）
０．６０≦Ｅ／（２×Ｂ）≦０．８０
ここで、「非溶解性微粒子」とは、インクのビヒクルに溶解しない微粒子をいい、具体的には、例えば、メタリックインクにおけるアルミニウム粉末や、あるいは顔料インクにおける顔料の微粒子などをいう。
【００４１】
即ち、「非溶解性微粒子を含有するインク」とは、具体的には、例えば、メタリックインクや、あるいは顔料インクなどをいう。
この非溶解性微粒子を含有するインクは、インク溝（60）などを比較的詰まらせやすいのである。
また、「直径が２．０ｍｍ以下のボール（20）を備えたボールペンチップ（10）」とは、通常のボールペンチップ（10）を意味し、例えば、ボール（20）の直径が１０．０ｍｍであるような、通常ではないボールペンチップ（10）を含まない趣旨である。
【００４２】
そして、このように、非溶解性微粒子を含有するインク用のボールペンチップ（10）においても、インク誘導孔（50）の中心からインク溝（60）の最深部までの距離の２倍を、ボール（20）の直径に対して９５％以上とし、また、ボール受け座（90）の直径を、ボール（20）の直径に対して５０％以上６０％以下とし、また、インク溝（60）の幅を、インク誘導孔（50）のボールハウス（40）側の開口部の直径に対して６０％以上８０％以下とすることにより、ボール（20）にインクが十分に供給されるようにしつつも、耐久性を向上させることができるのである。
【００４３】
なお、上記（式５）、（式６）及び（式７）の範囲外とした場合に生じ得る不都合は、請求項１に示したものと同様である。
【００４４】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るボールペンチップの実施の形態を、図示例と共に説明する。
図１及び図２は、ボールペンチップ10の要部断面図、図３は、ボール20を取り除いた状態における図１のＩ−Ｉ線断面図、図４は、底面部80、インク誘導孔50、インク溝60及びボール受け座90の概念図である。
【００４５】
本実施の形態に係るボールペンチップ10は、ボール20と、このボール20を保持するためのホルダー30とを備えている。
前記ホルダー30は、その一方側の端部近辺に設けた、ボール20を収納するためのボールハウス40と、その反ボールハウス40側の端部からボールハウス40まで貫通する、ボール20にインクを供給するためのインク誘導孔50と、インク誘導孔50の少なくともボールハウス40側の内周面に、インク誘導孔50の中心からみて放射状に設けた、ボール20にインクを供給するための複数本のインク溝60とを有している。
【００４６】
また、前記ボールハウス40は、そのインク誘導孔50側に、インク誘導孔50側へ向けて内径を次第に小さくする円錐状の底面部80を有している。
また、前記底面部80は、インク誘導孔50の開口部の周囲に、ボール20のインク誘導孔50側が当接するボール受け座90を有している。
そして、このボールペンチップ10は、
ボール20の直径をＡ、
インク誘導孔50のボールハウス40側の開口部の半径をＢ、
ボール受け座90の半径をＣ、
インク誘導孔50の中心から前記インク溝60の最深部までの距離をＤ、
インク溝60の幅をＥ、
インク溝60のボールハウス40側の端部から反ボールハウス40側の端部までの長さをＦ、
としたときに、
０．９５≦（２×Ｄ）／Ａ（式１）、
０．５０≦（２×Ｃ）／Ａ≦０．６０（式２）、
０．６０≦Ｅ／（２×Ｂ）≦０．８０（式３）、
Ｆ／Ａ≦０．５０（式４）、
を満たすように形成され、これにより、ボール20にインクが十分に供給されるようにしつつも、耐久性を向上させるようにしているものである。
【００４７】
以下、更に、本実施の形態に係るボールペンチップ10について詳述する。
（ボール20）
前記ボール20は、筆記面にインクを塗布するためのものである。
このボール20は、超硬合金、ステンレス、焼入鋼、又はセラミックなどを用いて形成されている。
（ホルダー30）
前記ホルダー30は、ボール20を保持するためのものである。
【００４８】
図１に示すホルダー30は、ステンレス製の線材を用いて形成されている。
また、このホルダー30は、図１及び図３に示すように、ボール20を収納するためのボールハウス40と、ボールハウス40に収納されたボール20にインクを供給するためのインク誘導孔50と、ボールハウス40に収納されたボール20にインクが十分に供給されるようにするための３本のインク溝60と、ボールハウス40に収納したボール20が外部に飛び出さないようにするためのカシメ部100とを有している。
【００４９】
前記ボールハウス40は、ホルダー30の一方側の端部近辺に設けられている。
また、このボールハウス40は、ボール20の直径よりも内径がわずかに大きい円筒状の側面部70と、そのインク誘導孔50側に位置し、インク誘導孔50側へ向けて内径を次第に小さくする円錐状の底面部80とを有している。
そして、このボールハウス40は、線材の一方側から他方側へ向けて、線材の軸心に回転軸を一致させたドリルで切削することによって形成されている。
【００５０】
また、前記底面部80は、インク誘導孔50の開口部の周囲に、ボール20のインク誘導孔50側が当接するボール受け座90を有している。
また、前記ボール受け座90は、その表面を、ボール20の曲率とほぼ同一の曲率を有する凹球面状に形成されている。
そして、このボール受け座90は、ボールハウス40にボール20を収納した後に、ハンマーでボール20をボールハウス40側へ向けて押圧することによって形成されている。
【００５１】
また、前記インク誘導孔50は、ホルダー30の反ボールハウス40側の端部からボールハウス40まで貫通している。
また、このインク誘導孔50は、反ボールハウス40側からボールハウス40側へ向けて、内径を順次小さくする階段状に形成されている。
そして、このインク誘導孔50は、線材の反ボールハウス40側の端部からボールハウス40側へ向けて、線材の軸心に回転軸を一致させたドリルで切削することによって形成されている。
【００５２】
また、前記インク溝60は、インク誘導孔50の最小径部分の内周面に、インク誘導孔50の中心からみて放射状に設けられている。
また、このインク誘導孔50は、インク誘導孔50の最小径部分の内周面に、そのボールハウス40側から反ボールハウス40側まで貫通するように設けられている。
そして、このインク誘導孔50は、線材のボールハウス40側から反ボールハウス40側へ向けて、ブローチ加工を施すことによって形成されている。
【００５３】
また、前記カシメ部100は、ホルダー30のボールハウス40側の端部に設けられている。
また、このカシメ部100は、その最小径部分の内径を、ボール20の直径よりも小さく形成されている。
そして、このカシメ部100は、ボールハウス40にボール20を収納した後に、線材のボールハウス40側の端部に圧延加工を施すことによって形成されている。
【００５４】
なお、図４（１）中の黒塗り部分は、ボールハウス40の底面部80を、図４（２）中の黒塗り部分は、インク誘導孔50のボールハウス40側の開口部を、図４（３）中の黒塗り部分は、インク溝60のボールハウス40側の開口部を、図４（４）中の黒塗り部分は、ボール受け座90を、それぞれ概念的に示したものである。
また、インク溝60の本数は、３本に限定されるものではなく、例えば、２本とすることもできる。
【００５５】
また、ホルダー30は、ステンレス製の線材を用いて形成される場合に限られず、例えば、ステンレス製のパイプ材を用いて形成することもできる。
以下、パイプ材を用いて形成したホルダー30の一例を、図２とともに説明する。
図２に示すホルダー30は、図１に示すホルダー30と同様に、ボールハウス40、インク誘導孔50、インク溝60、及びカシメ部100を有している。
【００５６】
前記ボールハウス40は、ホルダー30の一方側の端部近辺に設けられている。
このボールハウス40は、パイプ材の一方側から他方側へ向けて、パイプ材の軸心に回転軸を一致させたドリルで切削することによって形成されている。
また、前記インク誘導孔50は、ホルダー30の反ボールハウス40側の端部からボールハウス40まで貫通している。
【００５７】
また、このインク誘導孔50は、反ボールハウス40側からボールハウス40側まで内径が等しい円孔状に形成されている。
このインク誘導孔50は、パイプ材の内腔をそのまま用いている。
また、前記インク溝60は、インク誘導孔50の内周面のうち、ボールハウス40側の端部近辺にのみ設けられている。
【００５８】
このインク溝60は、パイプ材のボールハウス40側から反ボールハウス40側へ向けて、ブローチ加工を施すことによって形成されている。
また、前記カシメ部100は、ホルダー30のボールハウス40側の端部に設けられている。
このカシメ部100は、ボールハウス40にボール20を収納した後に、パイプ材のボールハウス40側の端部に圧延加工を施すことによって形成されている。
（ボールペンチップ10）
前記ボールペンチップ10は、
ボール20の直径をＡ、
インク誘導孔50のボールハウス40側の開口部の半径をＢ、
ボール受け座90の半径をＣ、
インク誘導孔50の中心から前記インク溝60の最深部までの距離をＤ、
インク溝60の幅をＥ、
インク溝60のボールハウス40側の端部から反ボールハウス40側の端部までの長さをＦ、
としたときに、
０．９５≦（２×Ｄ）／Ａ（式１）、
０．５０≦（２×Ｃ）／Ａ≦０．６０（式２）、
０．６０≦Ｅ／（２×Ｂ）≦０．８０（式３）、
Ｆ／Ａ≦０．５０（式４）、
を満たすように形成されている。
【００５９】
即ち、インク誘導孔50の中心からインク溝60の最深部までの距離の２倍は、ボール20の直径に対して９５％以上となるように形成されている。
また、ボール受け座90の直径は、ボール20の直径に対して５０％以上６０％以下となるように形成されている。
また、インク溝60の幅は、インク誘導孔50のボールハウス40側の開口部の直径に対して６０％以上８０％以下となるように形成されている。
【００６０】
更に、インク溝60のボールハウス40側の端部から反ボールハウス40側の端部までの長さは、ボール20の直径に対して５０％以下となるように形成されている。
そして、上記（式１）、（式２）及び（式３）を満たすように形成することにより、ボール20にインクが十分に供給されるようにしつつも、耐久性を向上させることができるのである。
【００６１】
また、上記（式４）を満たすように形成することにより、インク溝60にインクが詰まりにくくなるようにすることができるのである。
なお、０．９５＞（２×Ｄ）／Ａにすると、即ち、インク誘導孔50の中心からインク溝60の最深部までの距離の２倍を、ボール20の直径に対して９５％未満にすると、インク溝60の加工はしやすくなるものの、ボール20へのインクの供給量が低下し、また、インク溝60にインクが詰まりやすくなってしまう。このため、描線がかすれやすくなり、最悪の場合には、筆記不能となってしまうのである。
【００６２】
また、０．５０＞（２×Ｃ）／Ａにすると、即ち、ボール受け座90の直径を、ボール20の直径に対して５０％未満にすると、ボール20にインクが十分に供給されるようにすることはできるものの、ボール受け座90が磨耗しやすくなってしまう。このため、使用開始から比較的早い時期に、ボール20の引っ掛かりが感じられたり、あるいはボール20の回転が重く感じられたりするなどの不具合が生じてしまうこととなるのである。
【００６３】
一方、（２×Ｃ）／Ａ＞０．６０にすると、即ち、ボール受け座90の直径を、ボール20の直径に対して６０％超にすると、ボール受け座90が磨耗しにくくはなるものの、ボール20へのインクの供給量が低下してしまう。このため、描線が薄くなったり、あるいは描線がかすれやすくなってしまうのである。
また、０．６０＞Ｅ／（２×Ｂ）にすると、即ち、インク溝60の幅を、インク誘導孔50のボールハウス40側の開口部の直径に対して６０％未満にすると、ボール受け座90が磨耗しにくくなり、また、インク溝60の加工もしやすくなるものの、ボール20へのインクの供給量が低下し、また、インク溝60にインクが詰まりやすくなってしまう。このため、描線がかすれやすくなり、最悪の場合には、筆記不能となってしまうのである。
【００６４】
一方、Ｅ／（２×Ｂ）＞０．８０にすると、即ち、インク溝60の幅を、インク誘導孔50のボールハウス40側の開口部の直径に対して８０％超にすると、ボール20へのインクの供給量を増加させることができ、また、インク溝60にインクが詰まりにくくなるようにすることはできるものの、ボール受け座90が磨耗しやすくなってしまう。このため、使用開始から比較的早い時期に、ボール20の引っ掛かりが感じられたり、あるいはボール20の回転が重く感じられたりするなどの不具合が生じてしまうこととなるのである。
【００６５】
また、Ｆ／Ａ≦０．５０にすることが望ましいが、Ｆ／Ａ＞０．５０にすると、即ち、インク溝60のボールハウス40側の端部から反ボールハウス40側の端部までの長さを、ボール20の直径に対して５０％超にすると、使用可能ではあるものの、インク溝60の長さが比較的長くなることにより、インク溝60にインクが詰まりやすくなってしまうのである。
【００６６】
【実施例】
以下、実施例及び比較例により、本発明を更に詳しく説明する。
下記の表１に、実施例１から実施例２７までの各ボールペンチップ10の構成を、下記の表２に、比較例１から比較例３７までの各ボールペンチップ10の構成を、それぞれ示す。
【００６７】
なお、すべての実施例及び比較例について、ボール20の材質は超硬合金とし、ホルダー30の材料はステンレス製の線材とし、インク溝60の本数は３本とした。
また、表１及び表２中、
「Ａ」は「ボール20の直径」を、
「Ｂ」は「インク誘導孔50のボールハウス40側の開口部の半径」を、
「Ｃ」は「ボール受け座90の半径」を、
「Ｄ」は「インク誘導孔50の中心からインク溝60の最深部までの距離」を、
「Ｅ」は「インク溝60の幅」を、
「Ｆ」は「インク溝60のボールハウス40側の端部から反ボールハウス40側の端部までの長さ」を、
それぞれ示す。
【００６８】
また、Ａ、Ｂ、Ｃ、Ｄ、Ｅ、及びＦの単位は、いずれもミリ・メートル（ｍｍ）である。
【００６９】
【表１】

【００７０】
【表２】

【００７１】
（ボールペンチップ10の評価）
上記実施例１から実施例２７まで、及び比較例１から比較例３７までの各ボールペンチップ10について、「インクの供給量の安定性」及び「ボール受け座90の耐磨耗性」の評価を行った。
評価にあたり、まず、上記各ボールペンチップ10及び非溶解性微粒子を含有するインク（具体的には、顔料インク）を用いて、ボールペンを製造するとともに、各ボールペンについて筆記試験を行った。
【００７２】
筆記試験は、ＩＳＯ規格１４１４５−１に準拠した筆記試験機（具体的には、三菱鉛筆株式会社製のミニテック筆記試験機）を用い、筆記速度：４．５ｍ／分、筆記角度：６０°、筆記負荷：１００ｇ、筆記距離：４００ｍの条件で「らせん筆記」することにより行った。
また、筆記試験紙には、ＩＳＯ規格１４１４５−１に準拠したものを用いた。
【００７３】
ここで、「インクの供給量の安定性」については、０〜１００ｍ筆記時のインクの消費量Ｖと、３００〜４００ｍ筆記時のインクの消費量Ｗとをそれぞれ測定して、（Ｖ−Ｗ）／Ｖの値、即ち、消費量の減少率を求め、この消費量の減少率を評価の指標とした。
また、「ボール受け座90の耐磨耗性」については、筆記試験前におけるホルダー30からのボール20の突出寸法Ｘと、筆記試験後（４００ｍ筆記後）におけるホルダー30からのボール20の突出寸法Ｙとをそれぞれ測定して、Ｘ−Ｙの値、即ち、筆記試験の前後におけるボール20の突出寸法の差を求め、このボール20の突出寸法の差を評価の指標とした。
【００７４】
ここで、インクの消費量の減少率が０．３０を上回ると、描線が薄くなったり、あるいは描線がかすれたりするなどの不具合が生じる。
また、筆記試験の前後におけるボール20の突出寸法の差が２０μｍを上回ると、ボール20の引っ掛かり感が感じられたり、あるいはボール20の回転が重く感じられたりするなどの不具合が生じる。
【００７５】
従って、「インクの供給量の安定性」と「ボール受け座90の耐磨耗性」との両立性については、下記の基準で判断することにより、「○」「△」「×」の３段階で評価した。そして、この評価を、ボールペンチップ10の「総合評価」とした。
（イ）インクの消費量の減少率が０．３０以下であり、かつ、筆記試験の前後におけるボール20の突出寸法の差が２０μｍ以下であるもの → 総合評価「○」
（ロ）インクの消費量の減少率が０．３０以下であるが、筆記試験の前後におけるボール20の突出寸法の差が２０μｍを超えるもの、又は、インクの消費量の減少率が０．３０を超えるが、筆記試験の前後におけるボール20の突出寸法の差が２０μｍ以下のもの → 総合評価「△」
（ハ）インクの消費量の減少率が０．３０を超え、かつ、筆記試験の前後におけるボール20の突出寸法の差が２０μｍを超えるもの → 総合評価「×」
下記の表３ないし表６に、上記各ボールペンチップ10についての「２Ｄ／Ａ」の値、「２Ｃ／Ａ」の値、「Ｅ／２Ｂ」の値、「Ｆ／Ａ」の値、「（Ｖ−Ｗ）／Ｖ」の値、「Ｘ−Ｙ」の値、及び「総合評価」をそれぞれ示す。
【００７６】
【表３】

【００７７】
【表４】

【００７８】
【表５】

【００７９】
【表６】

【００８０】
このように、実施例１から実施例２７までのボールペンチップ10については、いずれも「総合評価」が「○」であった。
即ち、少なくとも実施例１から実施例２７までに示したようにボールペンチップ10を形成すれば、「インクの供給量の安定性」と「ボール受け座90の耐磨耗性」とを両立させることができるのである。
【００８１】
一方、比較例１から比較例３７までのボールペンチップ10については、「総合評価」が「○」のものが１４例、「総合評価」が「△」のものが１３例、「総合評価」が「×」のものが１０例であった。
即ち、比較例１から比較例３７までに示したようにボールペンチップ10を形成すると、必ずしも「インクの供給量の安定性」と「ボール受け座90の耐磨耗性」とを両立させることができなくなってしまうのである。
【００８２】
更に、「２Ｄ／Ａ」、「２Ｃ／Ａ」及び「Ｅ／２Ｂ」の限界数値についての実験を行ったところ、少なくとも「２Ｄ／Ａ」の値を０．９５以上とし、かつ、「２Ｃ／Ａ」の値を０．５０以上０．６０以下とし、かつ、「Ｅ／２Ｂ」の値を０．６０以上０．８０以下とすれば、「インクの供給量の安定性」と「ボール受け座90の耐磨耗性」との両立を図れることが確認された。
【００８３】
また、「２Ｄ／Ａ」の値が０．９５未満では、ボール20へのインクの供給量が低下してしまい、また、インク溝60にインクが詰まりやすくなってしまうことから、描線がかすれやすくなり、最悪の場合には、筆記不能となってしまうことが確認された。
また、「２Ｃ／Ａ」の値が０．５０未満では、ボール20にインクが十分に供給されるようにすることはできるものの、ボール受け座90が磨耗しやすくなることから、使用開始から比較的早い時期に、ボール20の引っ掛かりが感じられたり、あるいはボール20の回転が重く感じられたりするなどの不具合が生じてしまうことが確認された。
【００８４】
また、「２Ｃ／Ａ」の値が０．６０を超えるようでは、ボール受け座90が磨耗しにくくはなるものの、ボール20へのインクの供給量が低下してしまうことから、描線がかすれやすくなってしまうことが確認された。
また、「Ｅ／２Ｂ」の値が０．６０未満では、ボール受け座90が磨耗しにくくなり、また、インク溝60の加工もしやすくなるものの、ボール20へのインクの供給量が低下してしまい、また、インク溝60にインクが詰まりやすくなってしまうことから、描線がかすれやすくなり、最悪の場合には、筆記不能となってしまうことが確認された。
【００８５】
また、「Ｅ／２Ｂ」の値が０．８０を超えるようでは、ボール20へのインクの供給量を増加させることができ、また、インク溝60にインクが詰まりにくくなるようにすることはできるものの、ボール受け座90が磨耗しやすくなるため、使用開始から比較的早い時期に、ボール20の引っ掛かりが感じられたり、あるいはボール20の回転が重く感じられたりするなどの不具合を生じてしまうことが確認された。
【００８６】
また、「Ｆ／Ａ」の限界数値についての実験を行ったところ、少なくとも「Ｆ／Ａ」の値を０．５０以下とすれば、インク溝60にインクが詰まりにくくなることが確認された。
また、「Ｆ／Ａ」の値が０．５０を超えるようでは、インク溝60の長さが比較的長くなることにより、インク溝60にインクが詰まりやすくなってしまうことが確認された。
【００８７】
また、「インクの供給量の安定性」の評価の指標としてインクの消費量の減少率を求め、このインクの消費量の減少率が０．３０を上回るものについては、描線が薄くなったり、あるいは描線がかすれたりするなどの不具合が生じることから、ボールペンチップ10としては好ましくないとの評価をすることとした。ただ、このインクの消費量の減少率を望ましくは０．２５以下、更には０．２０以下にすると、描線のかすれなどの不具合を更に減少させることができるのである。
【００８８】
また、「ボール受け座90の耐磨耗性」の評価の指標として筆記試験の前後におけるボール20の突出寸法の差を求め、このボール20の突出寸法の差が２０μｍを上回るものについては、ボール20の引っ掛かりが感じられたり、あるいはボール20の回転が重く感じられたりするなどの不具合が生じることから、ボールペンチップ10としては好ましくないとの評価をすることとした。ただ、このボール20の突出寸法の差を望ましくは１６μｍ以下、更には１２μｍ以下にすると、ボール20の引っ掛かり感などの不具合を更に減少させることができるのである。
【００８９】
また、上記実施例及び比較例に使用した顔料インクとは異なる他の顔料インクを使用してボールペンを形成し、各ボールペンについて筆記試験を行ったところ、上述した結果と同様の結果が得られた。
即ち、「２Ｄ／Ａ」の値を０．９５以上とし、かつ、「２Ｃ／Ａ」の値を０．５０以上０．６０以下とし、かつ、「Ｅ／２Ｂ」の値を０．６０以上０．８０以下とするようにボールペンチップ10を形成すれば、特定の顔料インクに限られずに、「インクの供給量の安定性」と「ボール受け座90の耐磨耗性」とを両立させることができるのである。
【００９０】
また、ステンレス製のパイプ材を用いてホルダー30を形成したボールペンチップ10についても、上記実施例及び比較例と同様の試験を行ったところ、上述した結果を同様の結果が得られた。
即ち、線材を用いてホルダー30を形成したボールペンチップ10のみならず、パイプ材を用いてホルダー30を形成したボールペンチップ10についても、「２Ｄ／Ａ」の値を０．９５以上とし、かつ、「２Ｃ／Ａ」の値を０．５０以上０．６０以下とし、かつ、「Ｅ／２Ｂ」の値を０．６０以上０．８０以下とすれば、「インクの供給量の安定性」と「ボール受け座90の耐磨耗性」とを両立させることができるのである。
【００９１】
なお、本発明は、上記実施例に限定されるものではない。
【００９２】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項１に記載した発明によれば、ボールにインクが十分に供給されるようにしつつも、耐久性を向上させたボールペンチップを提供することができるのである。
また、請求項２に記載した発明によれば、インク溝にインクが詰まりにくくなるようにしつつも、耐久性をより一層向上させたボールペンチップを提供することができるのである。
【００９３】
また、請求項３に記載した発明によれば、インク溝にインクがより一層詰まりにくくなるようにしたボールペンチップを提供することができるのである。
更に、請求項４に記載した発明によれば、非溶解性微粒子を含有するインクを用いても、ボールにインクが十分に供給され、かつ、耐久性にも優れるボールペンチップを提供することができるのである。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明に係るボールペンチップの要部断面図。
【図２】本発明に係るボールペンチップの要部断面図。
【図３】ボールを取り除いた状態における図１のＩ−Ｉ線断面図。
【図４】ボールハウスの底面部（１）、インク誘導孔のボールハウス側の開口部（２）、インク溝のボールハウス側の開口部（３）、及びボール受け座（４）を示す概念図。
【図５】従来のボールペンチップの要部断面図。
【符号の説明】
１０ボールペンチップ
２０ボール
３０ホルダー
４０ボールハウス
５０インク誘導孔
６０インク溝
７０側面部
８０底面部
９０ボール受け座
１００カシメ部
Ａボールの直径
Ｂインク誘導孔のボールハウス側の開口部の半径
Ｃボール受け座の半径
Ｄインク誘導孔の中心からインク溝の最深部までの距離
Ｅインク溝の幅
Ｆインク溝のボールハウス側の端部から反ボールハウス側の端部までの長さ[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a ballpoint pen tip, and more particularly, to the relationship between the diameter of the ball and the depth of the ink groove, the relationship between the diameter of the ball and the radius of the ball receiving seat, and the relationship between the radius of the ink guide hole and the width of the ink groove. The present invention relates to a ballpoint pen tip that is formed so as to satisfy a predetermined condition so that the ink can be sufficiently supplied to the ball and the durability is improved.
[0002]
[Prior art]
An example of a conventional ballpoint pen tip will be described with reference to FIG.
A ballpoint pen tip 10 shown in FIG. 5 includes a ball 20 and a holder 30.
The ball 20 is for applying ink to the writing surface.
The ball 20 is formed using a cemented carbide.
[0003]
The holder 30 is for holding the ball 20.
The holder 30 is formed using a stainless steel wire.
The holder 30 includes a ball house 40, an ink guide hole 50, an ink groove 60, a caulking portion 100, and the like.
The ball house 40 is for storing the ball 20.
[0004]
The ball house 40 is provided in the vicinity of one end of the holder 30.
Further, the ball house 40 is formed by cutting from one side of the wire to the other side with a drill whose rotational axis is aligned with the axis of the wire.
Thus, the ball house 40 has a cylindrical side surface portion 70 having an inner diameter slightly larger than the diameter of the ball 20 and a conical bottom surface portion 80 that gradually decreases the inner diameter toward the ink guide hole 50 side. It is supposed to be.
[0005]
The ink guide hole 50 is for supplying ink to the ball 20 accommodated in the ball house 40.
The ink guide hole 50 penetrates from the end of the holder 30 on the side opposite to the ball house 40 to the ball house 40.
The ink guide hole 50 is formed by cutting from the end of the wire rod on the side opposite to the ball house 40 toward the ball house 40 with a drill whose rotational axis coincides with the axis of the wire rod.
[0006]
Further, the ink groove 60 is used to sufficiently supply ink to the ball 20 accommodated in the ball house 40.
The ink grooves 60 are provided radially on the inner peripheral surface of the ink guide hole 50 on the ball house 40 side as viewed from the center of the ink guide hole 50.
Further, the ink groove 60 is formed by performing broaching from the ball house 40 side of the wire toward the ink guide hole 50 side.
[0007]
The caulking portion 100 is for preventing the ball 20 stored in the ball house 40 from jumping out.
The crimping portion 100 is provided at the end of the holder 30 on the ball house 40 side.
The crimping portion 100 is formed by rolling the end of the wire rod on the ball house 40 side after the ball 20 is stored in the ball house 40.
[0008]
The caulking portion 100 allows the ball 20 to be rotatably held at the tip of the holder 30 while a part of the ball 20 protrudes from the ball house 40.
By the way, the portion of the bottom surface portion 80 of the ball house 40 that is in contact with the ink guide hole 50 side of the ball 20 is called a ball receiving seat 90, but the ball 20 is rotating on the ball receiving seat 90 during writing. Press contact. In addition, the ball 20 is supplied with ink from the ink guide hole 50 and the ink groove 60 during writing.
[0009]
For this reason, if the area of the ball receiving seat 90 is increased, the ball receiving seat 90 is less likely to be worn, so that the durability of the ballpoint pen tip 10 is improved.
Further, if the diameter of the ink guide hole 50, the depth of the ink groove 60, and the width of the ink groove 60 are increased, the ink can be sufficiently supplied to the ball 20, and the ink groove 60 is clogged with ink. Since it becomes difficult, the drawn line becomes thin or the drawn line becomes difficult to fade.
[0010]
[Problems to be solved by the invention]
However, when the diameter of the ink guide hole and the width of the ink groove are increased, the area of the ball receiving seat is reduced accordingly.
For this reason, the ink is sufficiently supplied to the ball, and the ink groove is less likely to be clogged, but the ball seat is likely to be worn out, so that the durability of the ballpoint pen tip is reduced. is there.
[0011]
On the other hand, when the area of the ball seat is increased, the diameter of the ink guide hole and the width of the ink groove are reduced accordingly.
For this reason, although the ball seat is less likely to be worn, the amount of ink supplied to the ball is reduced, and the ink groove is likely to be clogged with ink. It becomes impossible to write.
[0012]
That is, it is extremely difficult to improve durability while sufficiently supplying ink to the ball.
Such a problem is conspicuous in ballpoint pens that use metallic glossy ink (so-called metallic ink) or pigment ink.
This is because the metallic ink and the pigment ink contain a relatively large amount of non-soluble fine particles such as metal powder, and the non-soluble fine particles tend to clog the ink grooves.
[0013]
SUMMARY OF THE INVENTION An object of the present invention is to provide a ballpoint pen tip having improved durability while sufficiently supplying ink to the ball.
In addition to the object of the invention described in claim 1, the invention described in claim 2 of the present invention is a ballpoint pen that further improves durability while preventing ink from clogging in the ink groove. The purpose is to provide a chip.
[0014]
Further, in the invention described in claim 3 of the present invention, in addition to the object of the invention described in

claim

1 or 2, the supply of ink to the ball is performed so that the ink is less likely to be clogged in the ink groove. An object of the present invention is to provide a ballpoint pen tip that can be performed more smoothly.
Furthermore, the invention described in claim 4 of the present invention is a ball-point pen tip for ink containing non-soluble fine particles, which improves durability while sufficiently supplying ink to the ball. An object is to provide a ballpoint pen tip.
[0015]
[Means for Solving the Problems]
As a result of intensive studies to achieve the above object, the present inventor has found that the relationship between the diameter of the ball (20) and the depth of the ink groove (60), the diameter of the ball (20) and the ball receiving seat (90). By forming the ink guide hole (50) so as to satisfy a predetermined condition with respect to the relationship between the radius of the ink guide hole (50) and the width of the ink groove (60), sufficient ink is supplied to the ball (20). It has been found that durability can be improved while maintaining supply, and the following invention has been completed.
(Claim 1)
That is, the invention described in claim 1 of the present invention includes a ball (20) and a holder (30) for holding the ball (20), and the holder (30) is provided on one side thereof. Ink is applied to the ball house (40) for storing the ball (20) provided near the end and the ball (20) penetrating from the opposite end of the ball house (40) to the ball house (40). An ink guide hole (50) for supplying the ink, and a ball (50) provided radially at least on the inner peripheral surface of the ink guide hole (50) on the ball house (40) side as viewed from the center of the ink guide hole (50). 20) having a plurality of ink grooves (60) for supplying ink, and the ball house (40) is directed toward the ink guide hole (50) and toward the ink guide hole (50). It has a conical bottom portion (80) that gradually decreases the inner diameter, and the bottom portion (80) is made of ink. A ball-point pen tip (10) having a ball seat (90) around the opening of the guide hole (50) that contacts the ink guide hole (50) side of the ball (20), the diameter of the ball (20) A, the radius of the opening on the ball house (40) side of the ink guide hole (50) is B, the radius of the ball seat (90) is C, and the ink groove from the center of the ink guide hole (50) When the distance to the deepest part of (60) is D and the width of the ink groove (60) is E, the following (Expression 1), (Expression 2) and (Expression 3) are satisfied. To do.
(Formula 1)
0.95 ≦ (2 × D) / A
(Formula 2)
0.50 ≦ (2 × C) /A≦0.60
(Formula 3)
0.60 ≦ E / (2 × B) ≦ 0.80
Here, the “ball (20)” is for applying ink to the writing surface.
[0016]
The ball (20) can be formed using, for example, cemented carbide, stainless steel, hardened steel, or ceramic.
The “holder (30)” refers to a holder for holding the ball (20).
This holder (30) can be formed using, for example, a metal wire such as stainless steel, white, brass, or brass.
[0017]
The holder (30) can also be formed using, for example, a stainless steel pipe material.
Further, the “ball house (40)” is for storing the ball (20).
This ball house (40) is provided in the vicinity of one end of the holder (30).
[0018]
In addition, when the holder (30) is formed using a wire rod, for example, the ball house (40) has the rotation axis aligned with the axis of the wire rod from one side to the other side of the wire rod, for example. It can be formed by cutting with a drill.
Also, when the holder (30) is formed using a pipe material, the ball house (40) has, for example, a rotating shaft at the axis of the pipe material from one side of the pipe material to the other side. It can be formed by cutting with a matched drill.
[0019]
Further, the “ink guide hole (50)” is for supplying ink to the ball (20) housed in the ball house (40).
The ink guide hole (50) is provided so as to penetrate from the end of the holder (30) on the side opposite to the ball house (40) to the ball house (40).
In addition, when the holder (30) is formed using a wire rod, the ink guide hole (50) is, for example, directed from the end of the wire rod on the side opposite to the ball house (40) to the ball house (40) side. Then, it can be formed by cutting with a drill whose rotational axis coincides with the axis of the wire.
[0020]
Further, when the holder (30) is formed using a pipe material, for example, the lumen of the pipe material can be used as the ink guide hole (50) as it is.
Further, the “ink groove (60)” is for ensuring that ink is sufficiently supplied to the ball (20) accommodated in the ball house (40).
The ink groove (60) is provided in plural, that is, two or more.
[0021]
The ink grooves (60) are provided radially at least on the inner peripheral surface of the ink guide hole (50) on the ball house (40) side as viewed from the center of the ink guide hole (50).
Therefore, the ink groove (60) may be provided only on the inner surface of the ink guide hole (50) on the ball house (40) side, and the ink groove (60) may be provided on the inner surface of the ink guide hole (50). It may be provided so as to penetrate from the 40) side to the opposite ball house (40) side.
[0022]
Specifically, for example, when the holder (30) is formed using a wire, the ink guide hole (50) is often formed by cutting with a drill. Further, in this case, the ink guide hole (50) is often formed in a stepped shape in which the inner diameter is gradually decreased from the anti-ball house (40) side toward the ball house (40) side. In this case, the ink groove (60) is provided on the inner peripheral surface of the smallest diameter portion of the ink guide hole (50) so as to penetrate from the ball house (40) side to the counter ball house (40) side. There are many cases.
[0023]
For example, when the holder (30) is formed using a pipe material, the lumen of the pipe material is often used as the ink guide hole (50) as it is. In this case, the ink groove (60) is not provided so as to penetrate from the ball house (40) side of the ink guide hole (50) to the anti-ball house (40) side. It is often provided only on the inner side of the ball house (40).
[0024]
The ink groove (60) can be formed, for example, by performing broaching from the ball house (40) side of the wire or pipe material toward the ink guide hole (50).
The “bottom surface part (80)” is located on the ink guide hole (50) side of the inner peripheral surface of the ball house (40), and the inner diameter gradually decreases toward the ink guide hole (50). Conical part.
[0025]
Specifically, for example, when the holder (30) is formed using a wire or pipe material, the ball house (40) is often formed by cutting with a drill. In this case, the ball house (40) has a cylindrical side part (70) whose inner diameter is slightly larger than the diameter of the ball (20) and the inner diameter gradually decreasing toward the ink guide hole (50). It has a conical bottom part (80).
[0026]
Further, the “ball receiving seat (90)” refers to a portion of the bottom surface portion (80) of the ball house (40) that contacts the ink guide hole (50) side of the ball (20).
Specifically, for example, when the bottom surface portion (80) of the ball house (40) is formed in a conical shape with an inner diameter gradually decreasing toward the ink guide hole (50), the ball house (40) The accommodated ball (20) has its ink guide hole (50) side abutted around the opening of the ink guide hole (50) in the bottom surface (80) of the ball house (40). Become. Therefore, in this case, the periphery of the opening portion of the ink guide hole (50) in the bottom surface portion (80) of the ball house (40) is the ball receiving seat (90).
[0027]
If the radius of the opening on the ball house (40) side of the ink guide hole (50) is B and the radius of the ball receiving seat (90) is C, the relationship of B ≦ C is established.
Here, when B <C, the surface of the ball seat (90) is formed in a concave spherical shape having substantially the same curvature as the curvature of the ball (20), mainly by performing a tacking process. Means the case.
[0028]
In other words, the ball house (40) is pressed against the bottom surface (80) of a hemispherical pressing tool whose tip is almost the same shape as the ball (20), or the ball (20) is stored in the ball house (40). After that, the ball receiving seat (90) is hardened by pressing the ball (20) toward the bottom surface (80) side of the ball house (40) with a hammer, and the ball (20) and the ball receiver It may become familiar with the seat (90). Such a process is called a tapping process. When this tapping process is performed, the ball seat (90) is formed in a concave spherical shape having a curvature substantially the same as the curvature of the ball (20). It becomes.
[0029]
In the case of B = C, the ink guide hole (50) side of the ball (20) is moved to the ink guide hole (80) of the bottom surface part (80) of the ball house (40) without performing the tapping process. 50) means the case of contacting the edge on the opening side.
That is, in this case, the edge on the opening side of the ink guide hole (50) in the bottom surface portion (80) of the ball house (40) is the ball receiving seat (90).
[0030]
Furthermore, this ball-point pen tip (10)
The diameter of the ball (20) is A,
The radius of the opening on the ball house (40) side of the ink guide hole (50) is B,
The radius of the ball seat (90) is C,
The distance from the center of the ink guide hole (50) to the deepest part of the ink groove (60) is D,
The width of the ink groove (60) is E,
And when
0.95 ≦ (2 × D) / A (Formula 1),
0.50 ≦ (2 × C) /A≦0.60 (Formula 2),
0.60 ≦ E / (2 × B) ≦ 0.80 (Formula 3),
It is formed to satisfy.
[0031]
That is, the distance from the center of the ink guide hole (50) to the deepest part of the ink groove (60) is formed to be 95% or more with respect to the diameter of the ball (20).
The diameter of the ball receiving seat (90) is 50% or more and 60% or less with respect to the diameter of the ball (20).
Further, the width of the ink groove (60) is formed to be 60% or more and 80% or less with respect to the diameter of the opening on the ball house (40) side of the ink guide hole (50).
[0032]
Then, by forming the ballpoint pen tip (10) so as to satisfy the above (Formula 1), (Formula 2) and (Formula 3), the ink can be sufficiently supplied to the ball (20), but the durability It is possible to improve the performance.
If 0.95> (2 × D) / A, that is, twice the distance from the center of the ink guide hole (50) to the deepest part of the ink groove (60) is the diameter of the ball (20). On the other hand, if it is less than 95%, the ink groove (60) can be easily processed, but the amount of ink supplied to the ball (20) decreases, and the ink groove (60) is likely to be clogged. . For this reason, a drawn line becomes faint, and in the worst case, writing becomes impossible.
[0033]
If 0.50> (2 × C) / A, that is, if the diameter of the ball seat (90) is less than 50% with respect to the diameter of the ball (20), ink is applied to the ball (20). Although it can be made to supply sufficiently, the ball seat (90) tends to wear out. For this reason, in a relatively early period from the start of use, the ball (20) may be caught, or the ball (20) may be felt to be heavy.
[0034]
On the other hand, when (2 × C) / A> 0.60, that is, when the diameter of the ball seat (90) exceeds 60% with respect to the diameter of the ball (20), the ball seat (90) Although it is difficult to wear, the amount of ink supplied to the ball (20) decreases. For this reason, the drawn line becomes thin, or the drawn line becomes faint.
[0035]
If 0.60> E / (2 × B), that is, the width of the ink groove (60) is 60% of the diameter of the opening on the ball house (40) side of the ink guide hole (50). If it is less than this, the ball seat (90) is less likely to be worn and the ink groove (60) can be easily processed, but the amount of ink supplied to the ball (20) is reduced and the ink groove (60) is reduced. ) Is likely to be clogged with ink. For this reason, a drawn line becomes faint, and in the worst case, writing becomes impossible.
[0036]
On the other hand, if E / (2 × B)> 0.80, that is, the width of the ink groove (60) is 80% of the diameter of the opening on the ball house (40) side of the ink guide hole (50). If it is too high, the amount of ink supplied to the ball (20) can be increased, and the ink groove (60) can be prevented from being clogged with ink, but the ball seat (90) is worn. It becomes easy to do. For this reason, problems such as being caught by the ball (20) or feeling the rotation of the ball (20) heavy occur at a relatively early time from the start of use.
(Claim 2)
The invention described in claim 2 of the present invention is characterized in that, in addition to the configuration of the invention described in claim 1, the number of ink grooves (60) is two or three.
[0037]
In this way, in addition to the conditions described in claim 1, by setting the number of ink grooves (60) to two or three, the ink grooves (60) are less likely to be clogged, but the durability is also improved. The property can be further improved.
It is technically possible to set the number of ink grooves (60) to four or five while satisfying the conditions described in claim 1.
[0038]
That is, if the width of each ink groove (60) is formed relatively wide and the total number of ink grooves (60) is increased, the ink (60) is less likely to be clogged with ink while the ball (20 ) Can be increased.
However, in addition to the conditions described in claim 1, when the number of ink grooves (60) is four or five, the area of the ball receiving seat (90) is reduced, and the ball receiving seat (90 ) Will be easily worn. For this reason, in a relatively early period from the start of use, the ball (20) may be caught, or the rotation of the ball (20) may be felt heavy.
[0039]
Therefore, as described above, it is necessary to limit the number of ink grooves (60) to a certain number or less.
(Claim 3)
In addition to the configuration of the invention described in

claim

1 or 2, the invention described in claim 3 of the present invention includes an anti-ball house (from the end on the ball house (40) side of the ink groove (60). 40) When the length to the end on the side is F, the following (Equation 4) is satisfied.
(Formula 4)
F / A ≦ 0.50
Here, although F / A> 0.50 can be used, it is formed so as to satisfy F / A ≦ 0.50, that is, the end of the ink groove (60) on the ball house (40) side. The length of the ink groove (60) is made relatively short by making the length from the end of the ball house (40) side to the end of the ball ball (40) 50% or less with respect to the diameter of the ball (20). The ink is less likely to clog the groove (60).
[0040]
If F / A> 0.50, that is, the length from the end of the ink groove (60) on the ball house (40) side to the end on the opposite ball house (40) side is the ball (20). If the diameter exceeds 50%, the length of the ink groove (60) becomes relatively long, so that the ink groove (60) is likely to be clogged with ink.
(Claim 4)
Furthermore, the invention described in claim 4 of the present invention is a ball-point pen tip (10) for ink containing non-soluble fine particles, the ball (20) having a diameter of 2.0 mm or less, and this ball ( 20) and a holder (30) for holding a ball house (40) for storing the ball (20) provided near one end of the holder (30), and the holder (30) An ink guide hole (50) for supplying ink to the ball (20) penetrating from the end on the side opposite to the ball house (40) to the ball house (40), and at least the ball house ( 40) a plurality of ink grooves (60) for supplying ink to the ball (20) provided radially on the inner peripheral surface of the ink guide hole (50) on the inner peripheral surface of the ink guide hole (50); The house (40) has an ink guide hole (5) on the ink guide hole (50) side. 0) has a conical bottom portion (80) whose inner diameter is gradually reduced toward the side, and the bottom portion (80) is arranged around the opening of the ink guide hole (50) and the ink of the ball (20). A ball seat (90) with which the guide hole (50) side abuts is provided, the diameter of the ball (20) is A, the radius of the opening of the ink guide hole (50) on the ball house (40) side is B, The radius of the ball seat (90) is C, the distance from the center of the ink guide hole (50) to the deepest part of the ink groove (60) is D, and the width of the ink groove (60) is E. Sometimes, the following (formula 5), (formula 6) and (formula 7) are satisfied.
(Formula 5)
0.95 ≦ (2 × D) / A
(Formula 6)
0.50 ≦ (2 × C) /A≦0.60
(Formula 7)
0.60 ≦ E / (2 × B) ≦ 0.80
Here, “non-soluble fine particles” refer to fine particles that do not dissolve in the ink vehicle, and specifically, for example, aluminum powder in metallic ink or pigment fine particles in pigment ink.
[0041]
That is, the “ink containing non-soluble fine particles” specifically refers to, for example, metallic ink or pigment ink.
The ink containing the insoluble fine particles is relatively easy to clog the ink groove (60) and the like.
The “ballpoint tip (10) provided with a ball (20) having a diameter of 2.0 mm or less” means a normal ballpoint tip (10). For example, the diameter of the ball (20) is 10.0 mm. It does not include an unusual ballpoint pen tip (10).
[0042]
Thus, in the ballpoint pen tip (10) for ink containing insoluble fine particles, twice the distance from the center of the ink guide hole (50) to the deepest part of the ink groove (60) 95% or more with respect to the diameter of (20), and the diameter of the ball seat (90) is 50% to 60% with respect to the diameter of the ball (20). While the width is 60% or more and 80% or less with respect to the diameter of the opening on the ball house (40) side of the ink guide hole (50), the ink can be sufficiently supplied to the ball (20). However, durability can be improved.
[0043]
Note that the inconvenience that may occur when the values are outside the range of the above (formula 5), (formula 6), and (formula 7) is the same as that shown in claim 1.
[0044]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
DESCRIPTION OF THE PREFERRED EMBODIMENTS Embodiments of a ballpoint pen tip according to the present invention will be described below together with illustrated examples.
1 and 2 are cross-sectional views of the main part of the ballpoint pen tip 10, FIG. 3 is a cross-sectional view taken along the line II of FIG. 1 with the ball 20 removed, and FIG. 3 is a conceptual diagram of an ink groove 60 and a ball receiving seat 90. FIG.
[0045]
The ballpoint pen tip 10 according to the present embodiment includes a ball 20 and a holder 30 for holding the ball 20.
The holder 30 is provided with a ball house 40 for storing the ball 20 provided in the vicinity of the end on one side thereof, and the ball 20 penetrating from the end on the side opposite to the ball house 40 to the ball house 40. Ink guide holes 50 for supply, and a plurality of ink guide holes 50 for supplying ink to the balls 20 provided radially at least on the inner peripheral surface of the ink guide hole 50 on the ball house 40 side as viewed from the center of the ink guide holes 50 And an ink groove 60.
[0046]
Further, the ball house 40 has a conical bottom 80 on the ink guide hole 50 side, the inner diameter of which gradually decreases toward the ink guide hole 50 side.
Further, the bottom surface portion 80 has a ball receiving seat 90 around the opening portion of the ink guide hole 50 with which the ink guide hole 50 side of the ball 20 abuts.
And this ball-point pen tip 10
The diameter of the ball 20 is A,
The radius of the opening on the ball house 40 side of the ink guide hole 50 is B,
The radius of the ball seat 90 is C,
The distance from the center of the ink guide hole 50 to the deepest part of the ink groove 60 is D,
The width of the ink groove 60 is E,
The length from the end of the ink groove 60 on the ball house 40 side to the end of the anti-ball house 40 side is F,
And when
0.95 ≦ (2 × D) / A (Formula 1),
0.50 ≦ (2 × C) /A≦0.60 (Formula 2),
0.60 ≦ E / (2 × B) ≦ 0.80 (Formula 3),
F / A ≦ 0.50 (Formula 4),
Thus, the ink can be sufficiently supplied to the ball 20 and the durability can be improved.
[0047]
Hereinafter, the ball-point pen tip 10 according to the present embodiment will be described in detail.
(Ball 20)
The ball 20 is for applying ink to the writing surface.
The ball 20 is formed using cemented carbide, stainless steel, hardened steel, ceramic, or the like.
(Holder 30)
The holder 30 is for holding the ball 20.
[0048]
The holder 30 shown in FIG. 1 is formed using a stainless steel wire.
As shown in FIGS. 1 and 3, the holder 30 includes a ball house 40 for storing the ball 20, and an ink guide hole 50 for supplying ink to the ball 20 stored in the ball house 40. Three ink grooves 60 for ensuring that ink is sufficiently supplied to the ball 20 stored in the ball house 40, and for preventing the ball 20 stored in the ball house 40 from jumping outside. And a caulking portion 100.
[0049]
The ball house 40 is provided in the vicinity of one end of the holder 30.
The ball house 40 is positioned on the side of the ink guide hole 50 with the cylindrical side surface 70 having an inner diameter slightly larger than the diameter of the ball 20, and the inner diameter gradually decreases toward the ink guide hole 50. And a conical bottom portion 80.
The ball house 40 is formed by cutting from one side of the wire to the other side with a drill whose rotational axis is aligned with the axis of the wire.
[0050]
Further, the bottom surface portion 80 has a ball receiving seat 90 around the opening portion of the ink guide hole 50 with which the ink guide hole 50 side of the ball 20 abuts.
The surface of the ball receiving seat 90 is formed in a concave spherical shape having a curvature substantially the same as the curvature of the ball 20.
The ball seat 90 is formed by storing the ball 20 in the ball house 40 and then pressing the ball 20 toward the ball house 40 with a hammer.
[0051]
The ink guide hole 50 penetrates from the end of the holder 30 on the side opposite to the ball house 40 to the ball house 40.
Further, the ink guide hole 50 is formed in a staircase shape in which the inner diameter is gradually reduced from the opposite ball house 40 side to the ball house 40 side.
The ink guide hole 50 is formed by cutting from the end of the wire on the side opposite to the ball house 40 toward the ball house 40 with a drill whose rotational axis coincides with the axis of the wire.
[0052]
The ink grooves 60 are provided radially on the inner peripheral surface of the minimum diameter portion of the ink guide hole 50 as viewed from the center of the ink guide hole 50.
The ink guide hole 50 is provided on the inner peripheral surface of the smallest diameter portion of the ink guide hole 50 so as to penetrate from the ball house 40 side to the counter ball house 40 side.
The ink guide hole 50 is formed by performing broaching from the ball house 40 side of the wire toward the anti-ball house 40 side.
[0053]
The caulking portion 100 is provided at an end portion of the holder 30 on the ball house 40 side.
Further, the caulking portion 100 is formed so that the inner diameter of the minimum diameter portion is smaller than the diameter of the ball 20.
The caulking portion 100 is formed by rolling the end of the wire rod on the ball house 40 side after the balls 20 are stored in the ball house 40.
[0054]
4 (1) shows the bottom portion 80 of the ball house 40, and the black portion in FIG. 4 (2) shows the opening of the ink guide hole 50 on the ball house 40 side. 4 (3) is a blackened portion conceptually showing an opening of the ink groove 60 on the ball house 40 side, and a blackened portion in FIG. 4 (4) is a ball receiving seat 90 conceptually. is there.
Further, the number of ink grooves 60 is not limited to three, and may be two, for example.
[0055]
Further, the holder 30 is not limited to being formed using a stainless steel wire, and may be formed using, for example, a stainless steel pipe material.
Hereinafter, an example of the holder 30 formed using a pipe material will be described with reference to FIG.
The holder 30 shown in FIG. 2 has a ball house 40, ink guide holes 50, ink grooves 60, and a caulking portion 100, similarly to the holder 30 shown in FIG.
[0056]
The ball house 40 is provided in the vicinity of one end of the holder 30.
The ball house 40 is formed by cutting from one side of the pipe material to the other side with a drill whose rotational axis is aligned with the axis of the pipe material.
Further, the ink guide hole 50 penetrates from the end of the holder 30 on the side opposite to the ball house 40 to the ball house 40.
[0057]
Further, the ink guide hole 50 is formed in a circular hole shape having the same inner diameter from the anti-ball house 40 side to the ball house 40 side.
The ink guide hole 50 uses the lumen of the pipe material as it is.
The ink groove 60 is provided only on the inner peripheral surface of the ink guide hole 50 in the vicinity of the end on the ball house 40 side.
[0058]
The ink groove 60 is formed by broaching the pipe material from the ball house 40 side to the anti-ball house 40 side.
The caulking portion 100 is provided at the end of the holder 30 on the ball house 40 side.
The caulking portion 100 is formed by rolling the end of the pipe material on the ball house 40 side after the balls 20 are stored in the ball house 40.
(Ballpoint pen tip 10)
The ballpoint pen tip 10 is
The diameter of the ball 20 is A,
The radius of the opening on the ball house 40 side of the ink guide hole 50 is B,
The radius of the ball seat 90 is C,
The distance from the center of the ink guide hole 50 to the deepest part of the ink groove 60 is D,
The width of the ink groove 60 is E,
The length from the end of the ink groove 60 on the ball house 40 side to the end of the anti-ball house 40 side is F,
And when
0.95 ≦ (2 × D) / A (Formula 1),
0.50 ≦ (2 × C) /A≦0.60 (Formula 2),
0.60 ≦ E / (2 × B) ≦ 0.80 (Formula 3),
F / A ≦ 0.50 (Formula 4),
It is formed to satisfy.
[0059]
That is, the distance from the center of the ink guide hole 50 to the deepest portion of the ink groove 60 is formed to be 95% or more with respect to the diameter of the ball 20.
Further, the diameter of the ball receiving seat 90 is formed to be 50% or more and 60% or less with respect to the diameter of the ball 20.
Further, the width of the ink groove 60 is formed to be 60% or more and 80% or less with respect to the diameter of the opening portion of the ink guide hole 50 on the ball house 40 side.
[0060]
Further, the length of the ink groove 60 from the end on the ball house 40 side to the end on the anti-ball house 40 side is formed to be 50% or less with respect to the diameter of the ball 20.
And, by forming so as to satisfy the above (Formula 1), (Formula 2) and (Formula 3), the durability can be improved while the ink is sufficiently supplied to the ball 20. is there.
[0061]
In addition, by forming so as to satisfy the above (Formula 4), it is possible to make the ink groove 60 less likely to be clogged with ink.
If 0.95> (2 × D) / A, that is, the distance from the center of the ink guide hole 50 to the deepest portion of the ink groove 60 is less than 95% of the diameter of the ball 20. Then, although it becomes easy to process the ink groove 60, the amount of ink supplied to the ball 20 is reduced, and the ink groove 60 is easily clogged. For this reason, a drawn line becomes faint, and in the worst case, writing becomes impossible.
[0062]
Further, when 0.50> (2 × C) / A, that is, when the diameter of the ball receiving seat 90 is less than 50% with respect to the diameter of the ball 20, ink is sufficiently supplied to the ball 20. However, the ball seat 90 is easily worn. For this reason, in a relatively early period from the start of use, the ball 20 may be caught, or the ball 20 may be felt to be heavy.
[0063]
On the other hand, if (2 × C) / A> 0.60, that is, if the diameter of the ball seat 90 exceeds 60% with respect to the diameter of the ball 20, the ball seat 90 is less likely to be worn. As a result, the amount of ink supplied to the ball 20 decreases. For this reason, the drawn line becomes thin, or the drawn line becomes faint.
If 0.60> E / (2 × B), that is, if the width of the ink groove 60 is less than 60% of the diameter of the opening of the ink guide hole 50 on the ball house 40 side, Although the seat 90 is not easily worn and the ink groove 60 is easily processed, the amount of ink supplied to the ball 20 is reduced, and the ink groove 60 is easily clogged. For this reason, a drawn line becomes faint, and in the worst case, writing becomes impossible.
[0064]
On the other hand, if E / (2 × B)> 0.80, that is, if the width of the ink groove 60 exceeds 80% of the diameter of the ink guide hole 50 on the ball house 40 side, the ball 20 Although the amount of ink supplied to the ink groove 60 can be increased and the ink groove 60 can be prevented from being clogged with ink, the ball seat 90 is likely to be worn. For this reason, in a relatively early period from the start of use, the ball 20 may be caught, or the ball 20 may be felt to be heavy.
[0065]
Further, it is desirable to satisfy F / A ≦ 0.50, but when F / A> 0.50, that is, from the end of the ink groove 60 on the ball house 40 side to the end of the anti-ball house 40 side. If the length exceeds 50% of the diameter of the ball 20, it can be used, but the ink groove 60 becomes relatively clogged, so that the ink groove 60 is likely to be clogged with ink. .
[0066]
【Example】
Hereinafter, the present invention will be described in more detail with reference to Examples and Comparative Examples.
Table 1 below shows the configuration of each ballpoint pen tip 10 from Example 1 to Example 27, and Table 2 below shows the configuration of each ballpoint pen tip 10 from Comparative Example 1 to Comparative Example 37.
[0067]
In all the examples and comparative examples, the material of the ball 20 was a cemented carbide, the material of the holder 30 was a stainless steel wire, and the number of ink grooves 60 was three.
In Tables 1 and 2,
“A” means “the diameter of the ball 20”,
“B” is the “radius of the opening of the ink guide hole 50 on the ball house 40 side”,
“C” means “the radius of the ball seat 90”,
“D” is the “distance from the center of the ink guide hole 50 to the deepest part of the ink groove 60”.
“E” means “width of ink groove 60”,
“F” is “the length from the end of the ink groove 60 on the ball house 40 side to the end of the anti-ball house 40 side”.
Each is shown.
[0068]
The units of A, B, C, D, E, and F are all millimeters (mm).
[0069]
[Table 1]

[0070]
[Table 2]

[0071]
(Evaluation of ballpoint pen tip 10)
For each ballpoint pen tip 10 from Example 1 to Example 27 and Comparative Example 1 to Comparative Example 37, the evaluation of “stability of ink supply amount” and “abrasion resistance of the ball seat 90” was evaluated. went.
In the evaluation, first, a ball-point pen was manufactured by using the above-described ball-point pen tip 10 and an ink (specifically, pigment ink) containing insoluble fine particles, and a writing test was performed on each ball-point pen.
[0072]
The writing test uses a writing tester (specifically, a mini-tech writing tester manufactured by Mitsubishi Pencil Co., Ltd.) compliant with ISO standard 14145-1, writing speed: 4.5 m / min, writing angle: 60 °. The writing load was 100 g and the writing distance was 400 m.
Moreover, what was based on ISO standard 14145-1 was used for the writing test paper.
[0073]
Here, for “stability of ink supply amount”, the ink consumption V at the time of writing from 0 to 100 m and the ink consumption W at the time of writing from 300 to 400 m were respectively measured, and (V−W ) / V value, that is, a reduction rate of consumption, and this reduction rate of consumption was used as an evaluation index.
As for “abrasion resistance of the ball seat 90”, the protrusion dimension X of the ball 20 from the holder 30 before the writing test and the protrusion dimension of the ball 20 from the holder 30 after the writing test (after 400 m writing). Each of Y was measured, and the value of XY, that is, the difference in the protruding dimension of the ball 20 before and after the writing test was obtained, and the difference in the protruding dimension of the ball 20 was used as an evaluation index.
[0074]
Here, when the ink consumption reduction rate exceeds 0.30, problems such as thin lines or faint lines occur.
Further, if the difference in the projecting dimension of the ball 20 before and after the writing test exceeds 20 μm, problems such as a feeling of catching the ball 20 or a feeling of heavy rotation of the ball 20 occur.
[0075]
Accordingly, the compatibility between the “stability of the ink supply amount” and the “wear resistance of the ball seat 90” is determined based on the following criteria. Rated by stage. This evaluation was designated as “overall evaluation” of the ballpoint pen tip 10.
(B) The ink consumption reduction rate is 0.30 or less, and the difference in the protruding dimension of the ball 20 before and after the writing test is 20 μm or less → Overall evaluation “◯”
(B) The ink consumption reduction rate is 0.30 or less, but the difference in protrusion size of the ball 20 before and after the writing test exceeds 20 μm, or the ink consumption reduction rate is 0.30. The difference in protrusion size of the ball 20 before and after the writing test is 20 μm or less → Overall evaluation “△”
(C) The ink consumption reduction rate exceeds 0.30, and the difference in protrusion dimension of the ball 20 before and after the writing test exceeds 20 μm → Overall evaluation “×”
Tables 3 to 6 below show the values of “2D / A”, “2C / A”, “E / 2B”, “F / A”, “( The value of “V−W) / V”, the value of “XY”, and “overall evaluation” are shown.
[0076]
[Table 3]

[0077]
[Table 4]

[0078]
[Table 5]

[0079]
[Table 6]

[0080]
Thus, for the ballpoint pen tips 10 from Example 1 to Example 27, the “overall evaluation” was “◯”.
That is, if the ballpoint pen tip 10 is formed at least as shown in the first to the twenty-seventh embodiments, both “stability of ink supply amount” and “abrasion resistance of the ball receiving seat 90” can be achieved. Can do it.
[0081]
On the other hand, with respect to the ballpoint pen tip 10 from Comparative Example 1 to Comparative Example 37, “Comprehensive Evaluation” is 14 cases with “◯”, “Comprehensive Evaluation” is 13 cases with “△”, and “Comprehensive Evaluation” is There were 10 cases of “x”.
That is, when the ballpoint pen tip 10 is formed as shown in the comparative examples 1 to 37, it is not necessarily possible to achieve both “stability of ink supply amount” and “wear resistance of the ball receiving seat 90”. It will not be possible.
[0082]
Further, when experiments were conducted on the limit values of “2D / A”, “2C / A”, and “E / 2B”, at least the value of “2D / A” was set to 0.95 or more, and “2C / A” If the value of “A” is 0.50 or more and 0.60 or less and the value of “E / 2B” is 0.60 or more and 0.80 or less, “stability of ink supply amount” and “ball receiving” It was confirmed that it was possible to achieve both “wear resistance of the seat 90”.
[0083]
On the other hand, if the value of “2D / A” is less than 0.95, the amount of ink supplied to the ball 20 is reduced, and the ink grooves 60 are likely to be clogged. In the worst case, it was confirmed that writing was impossible.
Also, if the value of “2C / A” is less than 0.50, the ink can be sufficiently supplied to the ball 20, but the ball receiving seat 90 is likely to be worn out. It was confirmed that problems such as the catch of the ball 20 being felt at an early stage or the rotation of the ball 20 being felt to be heavy occurred.
[0084]
Further, if the value of “2C / A” exceeds 0.60, the ball seat 90 is not easily worn, but the amount of ink supplied to the ball 20 is reduced, so that the drawn line is easily blurred. It was confirmed that it would become.
If the value of “E / 2B” is less than 0.60, the ball seat 90 is not easily worn and the ink groove 60 is easily processed, but the amount of ink supplied to the ball 20 is reduced. In addition, the ink groove 60 is likely to be clogged with ink, so that it is easy to blur the drawn lines, and in the worst case, it is confirmed that writing is impossible.
[0085]
If the value of “E / 2B” exceeds 0.80, the amount of ink supplied to the ball 20 can be increased, and the ink groove 60 can be prevented from being clogged with ink. However, since the ball seat 90 is likely to wear out, problems such as being caught by the ball 20 or feeling the rotation of the ball 20 heavy at a relatively early time from the start of use may occur. Was confirmed.
[0086]
Further, an experiment on the limit value of “F / A” was performed, and it was confirmed that at least the value of “F / A” was 0.50 or less, the ink groove 60 was less likely to be clogged with ink.
Further, it was confirmed that when the value of “F / A” exceeds 0.50, the ink groove 60 is likely to be clogged because the length of the ink groove 60 is relatively long.
[0087]
In addition, a reduction rate of the ink consumption is obtained as an index for evaluating the “stability of the ink supply amount”, and for the ink consumption reduction rate exceeding 0.30, the drawn line becomes thin, Alternatively, the ball-point pen tip 10 is evaluated to be unfavorable because of problems such as faint lines. However, if the ink consumption reduction rate is desirably 0.25 or less, more preferably 0.20 or less, problems such as blurring of drawn lines can be further reduced.
[0088]
In addition, as an index of evaluation of “wear resistance of the ball seat 90”, a difference in the protruding dimension of the ball 20 before and after the writing test is obtained, and when the difference in protruding dimension of the ball 20 exceeds 20 μm, the ball The ball-point pen tip 10 was evaluated as unpreferable because of problems such as 20 catches or the rotation of the ball 20 felt heavy. However, when the difference in the projecting dimension of the ball 20 is desirably 16 μm or less, and further 12 μm or less, problems such as a catching feeling of the ball 20 can be further reduced.
[0089]
In addition, when a ballpoint pen was formed using another pigment ink different from the pigment ink used in the above Examples and Comparative Examples, and a writing test was performed on each ballpoint pen, the same result as described above was obtained. .
That is, the value of “2D / A” is 0.95 or more, the value of “2C / A” is 0.50 or more and 0.60 or less, and the value of “E / 2B” is 0.60 or more. If the ballpoint pen tip 10 is formed so as to be 0.80 or less, it is possible to achieve both “stability of ink supply” and “abrasion resistance of the ball receiving seat 90” without being limited to specific pigment inks. It can be done.
[0090]
Further, the ball pen tip 10 in which the holder 30 was formed using a stainless steel pipe material was tested in the same manner as in the above examples and comparative examples. As a result, the same results as those described above were obtained.
That is, not only the ball-point pen tip 10 in which the holder 30 is formed using a wire material but also the ball-point pen tip 10 in which the holder 30 is formed using a pipe material, the value of “2D / A” is 0.95 or more, and If the value of “2C / A” is 0.50 or more and 0.60 or less and the value of “E / 2B” is 0.60 or more and 0.80 or less, “stability of ink supply amount” is obtained. It is possible to achieve both “wear resistance of the ball seat 90”.
[0091]
In addition, this invention is not limited to the said Example.
[0092]
【The invention's effect】
As described above, according to the first aspect of the present invention, it is possible to provide a ball-point pen tip having improved durability while sufficiently supplying ink to the ball.
According to the second aspect of the present invention, it is possible to provide a ball-point pen tip having further improved durability while preventing ink from being clogged in the ink groove.
[0093]
According to the third aspect of the present invention, it is possible to provide a ball-point pen tip in which ink is more difficult to be clogged in the ink groove.
Furthermore, according to the invention described in claim 4, it is possible to provide a ball-point pen tip that is sufficiently supplied with ink and excellent in durability even when ink containing non-soluble fine particles is used. It is.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view of a main part of a ballpoint pen tip according to the present invention.
FIG. 2 is a cross-sectional view of a main part of a ballpoint pen tip according to the present invention.
3 is a cross-sectional view taken along the line II of FIG. 1 with the ball removed.
FIG. 4 is a conceptual view showing a bottom surface portion (1) of the ball house, an opening portion (2) of the ink guide hole on the ball house side, an opening portion (3) of the ink groove on the ball house side, and a ball receiving seat (4). Figure.
FIG. 5 is a cross-sectional view of a main part of a conventional ballpoint pen tip.
[Explanation of symbols]
10 Ballpoint pen tip
20 balls
30 holder
40 ball house
50 Ink guide hole
60 Ink groove
70 Side
80 Bottom part
90 ball seat
100 crimping section
A Ball diameter
B Radius of the opening on the ball house side of the ink guide hole
C Ball seat radius
D Distance from the center of the ink guide hole to the deepest part of the ink groove
E Ink groove width
F Length from the end of the ink groove on the ball house side to the end on the anti-ball house side

Claims

A ball and a holder for holding the ball,
The holder is provided in the vicinity of an end portion on one side thereof for storing a ball, and an ink guide for supplying ink to the ball penetrating from the end portion on the side opposite to the ball house to the ball house. A hole and a plurality of ink grooves for supplying ink to the ball provided radially on the inner peripheral surface of the ink guide hole at least on the ball house side as viewed from the center of the ink guide hole;
The ball house has, on the ink guide hole side, a conical bottom portion that gradually decreases the inner diameter toward the ink guide hole side,
The bottom surface portion is a ballpoint pen tip having a ball receiving seat with which the ink guide hole side of the ball contacts around the opening of the ink guide hole,
A diameter of the ball is A,
The radius of the opening on the ball house side of the ink guide hole is B,
The radius of the ball seat is C,
D, the distance from the center of the ink guide hole to the deepest part of the ink groove
The width of the ink groove is E,
A ballpoint pen tip satisfying the following (Formula 1), (Formula 2) and (Formula 3).
(Formula 1)
0.95 ≦ (2 × D) / A
(Formula 2)
0.50 ≦ (2 × C) /A≦0.60
(Formula 3)
0.60 ≦ E / (2 × B) ≦ 0.80

2. The ballpoint pen tip according to claim 1, wherein the number of ink grooves is two or three.

3. The ballpoint pen according to claim 1, wherein when the length from the end of the ink groove on the ball house side to the end on the side opposite to the ball house is F, the following (Equation 4) is satisfied. Chip.
(Formula 4)
F / A ≦ 0.50

A ballpoint pen tip for ink containing non-soluble fine particles,
A ball having a diameter of 2.0 mm or less and a holder for holding the ball;
The holder is provided in the vicinity of an end portion on one side thereof for storing a ball, and an ink guide for supplying ink to the ball penetrating from the end portion on the side opposite to the ball house to the ball house. A hole and a plurality of ink grooves for supplying ink to the ball provided radially on the inner peripheral surface of the ink guide hole at least on the ball house side as viewed from the center of the ink guide hole;
The ball house has, on the ink guide hole side, a conical bottom portion that gradually decreases the inner diameter toward the ink guide hole side,
The bottom surface portion has a ball receiving seat with which the ink guide hole side of the ball contacts around the opening of the ink guide hole,
A diameter of the ball is A,
The radius of the opening on the ball house side of the ink guide hole is B,
The radius of the ball seat is C,
D, the distance from the center of the ink guide hole to the deepest part of the ink groove
The width of the ink groove is E,
A ballpoint pen tip satisfying the following (Formula 5), (Formula 6) and (Formula 7).
(Formula 5)
0.95 ≦ (2 × D) / A
(Formula 6)
0.50 ≦ (2 × C) /A≦0.60
(Formula 7)
0.60 ≦ E / (2 × B) ≦ 0.80