JP4415518B2 - 送信機および無線送信システム - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、情報を送信する送信機および、複数の送信機から送信される情報を1つの受信機で受信する無線送信システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
今日、配線の不可能な場所にセンサを設け、このセンサによる計測情報を無線で送信し、一方において、この送信された情報を受信するテレメータが普及している。
例えば、自動車等の開発車両の走行テスト等において、車両の構成部材、例えばサスペンション周りの構成部材に、温度センサや振動センサと、テレメータ送信機とを取り付け、車両走行中の温度や振動のデータを計測情報としてテレメータ送信機から送信機毎に定めた周波数の電磁波に載せて一定周期で発信させ、一方において、車両室内に据えつけたテレメータ受信機で電波情報を受信して、車両走行中の温度や振動のデータを取得し、走行中の車両の計測を行っている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、温度や振動等の計測すべき計測点が多い場合、数十箇所にもなり、計測点ごとに、計測情報を搬送する電磁波を数十の周波数帯域に分けて送信機に搬送する周波数を定めなければならない。しかも、この周波数帯域に分けられた各チャンネルの周波数毎に受信する受信機を送信機に対応して用いなければならない。そのため、すべての送信機の計測情報を受信する受信機は非常に大きくなり、取り扱いも煩雑になる。
また、テレメータ送信機自体も比較的大きいため、細かな構成部材への取り付けが制約されるといった問題があった。
また、送信周波数の近接した送信機が2つある場合、強い電波を発生する送信機が受信機に受信され、電波の弱い送信機の電波情報は受信されない。そのため、一定周期で発信される送信機からの電波情報が計測されないといった問題があった。
【0004】
また、このような問題は、種々のセンサを使って計測する計測分野に限られず、部外者の侵入を阻止するセキュリティーの分野やプラントの監視の分野等、複数の送信機を用いて情報を送信しつつ受信機で受信して情報を取得する送信システムを用いる幅広い分野で生じる問題である。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題点を解決すべく、複数の送信機を用いて情報を送信する際、送信機からの送信情報を確実に受信し、しかも送信システムを容易に構築できる送信機およびこの送信機を用いて無線送信システムを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、対応するセンサと共に車両のタイヤ内部に設置され且つ前記車両に配置された受信機に向けて電波を用いて断続的に情報を送信する送信機であって、
送信用アンテナと、
対応するセンサにより計測されたセンサ計測情報を含む送信情報を送信するための送信指示信号を断続的に発生し、この送信指示信号に応じて、前記送信情報の送信信号を生成する送信制御部と、
前記送信指示信号をトリガー信号として乱数を発生する乱数発生部と、
前記送信指示信号の発生の度に前記乱数発生部で発生された乱数の値に応じて所定の周波数の帯域内で設定された周波数の搬送波信号を生成する搬送波信号生成部と、
前記搬送波信号に前記送信信号を含ませて前記送信用アンテナに供給する高周波信号を生成する高周波信号生成部と
を有することを特徴とする送信機を提供する。
【0007】
ここで、前記送信情報は、送信機の保有する送信機識別情報を含むのが好ましい。
【0008】
また、本発明は、電波を用いて断続的に情報を送信する複数の送信機と、これらの送信機から送信された送信情報を受信する1つの受信機とからなる無線送信システムであって、
前記複数の送信機の各々が、それぞれ対応するセンサと共に車両のタイヤ内部に設置され、
送信用アンテナと、
対応するセンサにより計測されたセンサ計測情報を含む送信情報を送信するために送信指示信号を断続的に発生し、この送信指示信号に応じて、前記送信情報の送信信号を生成する送信制御部と、
前記送信指示信号をトリガー信号として乱数を発生する乱数発生部と、
前記送信指示信号の発生の度に前記乱数発生部で発生された乱数の値に応じて所定の周波数の帯域内で設定された周波数の搬送波信号を生成する搬送波信号生成部と、
前記搬送波信号に前記送信信号を含ませて前記送信用アンテナに供給する高周波信号を生成する高周波信号生成部とを有し、
前記受信機は、前記車両に配置され、
前記所定の周波数の帯域で前記高周波信号を一括して受信する受信用アンテナと、
この受信用アンテナで受信した受信信号を増幅する広帯域増幅部と、
この広帯域増幅部で増幅された前記受信信号から、この受信信号に含まれる前記高周波信号のゲインが最大になるように、同調信号を用いて前記高周波信号を取り出し、取り出された前記高周波信号を検波して前記送信信号を取り出す信号処理部とを有することを特徴とする無線送信システムを提供する。
【0009】
ここで、前記送信情報は、各送信機の保有する送信機識別情報を含むのが好ましい。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の送信機および無線送信システムについて、添付の図面に示される好適実施例を基に詳細に説明する。
【0011】
図1は、本発明の無線送信システムを実施する温度計測に用いる送信システム10の概略を示している。
【0012】
送信システム10は、温度センサS1〜Sn(n≧2の自然数、例えばn=100)各々が接続された複数の送信機T1〜Tnと1つの受信機Rとから構成され、温度センサS1〜Snで計測された温度データを、電波を用いて送信機T1〜Tnで送信し、一方、送信された情報を受信機Rで受信して、送信機T1〜Tn毎に整理して、温度センサS1〜Snで計測された時系列データD1 (i)、D2 (i)、・・・、Dn (i)を出力するシステムである。ここで、送信機T1〜Tnは、いずれも同一の構成を有し、例えば、315MHzを中心とする±10MHzの範囲の周波数の電波を放射する送信機である。以降では、代表として、送信機T1について説明する。
【0013】
図2は、送信機T1 (以降では、送信機の符号T1を20とする)の構成を示している。
送信機20は、増幅回路22、送信制御部24、ランダム信号発振回路26、基準信号発振回路28、混合器(ミキサ)30、変調回路32、および送信用アンテナ34を有して構成される。
【0014】
送信機20は、例えば、直径25mmの円形状のGa−As基板等のチップ上に、公知のIC設計技術、モノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)技術を用いて作製されて各部位がIC化されており、重量も例えば5gと非常に軽く仕上げられている。
【0015】
温度センサS1は、送信機20のチップの裏面に張り付けられ、増幅回路22に接続されている。温度センサS1で計測されたデータは、電圧信号として増幅回路22に送られる。なお、温度センサS1 は、例えば、縦横の寸法が4mm×8mmで、高さが0.3mmの半導体温度センサが用いられる。また、抵抗素子型温度センサであってもよい。
【0016】
増幅回路22は、温度センサS1から送られた電圧信号を増幅する部位で、公知の増幅回路で構成される。
送信制御部24は、送信信号生成部24aおよび乱数発生回路24bを有し、さらに、図示されないCPU(中央処理ユニット)を有して構成される。送信制御部24は、また送信機20の各構成部位の駆動タイミングを調整する。例えば、送信機20を一定間隔、例えば10秒間隔で駆動状態として送信信号を送信するための送信指示信号を生成し、各部位に供給する。
送信信号生成部24aは、自ら所定間隔で生成する送信指示信号に応じて、温度センサS1 から送られ増幅回路22で増幅された電圧信号の、温度センサS1 について予め設定されている基準温度の電圧からの電圧ずれ量を求め、送信信号生成部24aに記憶されている送信機器識別情報を加えて送信情報の送信信号を生成する部位である。すなわち、送信信号生成部24aで生成される送信信号は、送信機識別情報、例えば、0と1からなる6ビットの情報が加えられたものである。このような送信信号は変調回路32に送られる。
【0017】
乱数発生回路24bは、送信信号生成部24aから送られてきた送信指示信号に応じて、所定の範囲で乱数を発生させ、この乱数の値をランダム信号発振回路26に送る部位である。
【0018】
ランダム信号発振回路26は、送信信号生成部24aから送られてきた送信指示信号によって駆動を開始するとともに、送られてきた乱数の値に応じて発振周波数fa を変えて、一定時間同一周波数で発振する回路である。ランダム信号発振回路26で発振周波数fa は、例えば、±100kHzの変動幅で変動する。基準信号発振回路28は、送信信号生成部24aから送られてきた送信指示信号によって駆動を開始し、一定時間同一周波数f0 、例えば315MHzで発振して基準信号を生成する回路である。
混合器30は、ランダム信号発振回路26の発振周波数fa を持った信号を、基準信号発振回路28の発振周波数f0 を持った基準信号に加算して、所定の周波数の帯域内でランダムに選択された周波数f0 +fa を持った搬送波信号を生成する。
ランダム信号発振回路26、基準信号発振回路28および混合器30は、搬送波信号生成部31を形成する。
【0019】
変調回路32は、混合器30で生成された周波数f0 +fa を持った搬送波信号を送信信号24aで生成された送信信号に応じて周波数変調方式で変調し、増幅する部位であり、本発明の高周波信号生成部に該当し、増幅された高周波信号は送信用アンテナ34に供給される。
【0020】
このような送信機20の各部位には、送信機20に内蔵される電源、例えば、出力電圧3Vのコイン型電池やボタン電池から電力が供給されている。この電源は、厚みが0.4mm程度の小型のシート状電池であってもよい。
送信機20は、上述したように、直径25mmの円形状のチップ上に細かく設計されているので、送信機20に必要な電圧は、従来のテレメータに比べて小さくて済み消費電力も小さいため、例えば3Vであれば、小型のシート状電池であっても、略3年間電源を供給することができる。従って、送信機20は、電源が供給される限り、発生した乱数に応じて所定の周波数の帯域内でランダムに選択された周波数で断続的に高周波信号を発生する。
なお、本実施例の送信機20で生成される送信情報は、送信信号生成部24aに記憶されている送信機器識別情報を含むものであるが、送信機器識別情報を送信情報に含ませる替わりに、予め温度センサS1 から出力される温度データにセンサ識別情報を含ませて、受信機Rがどの温度センサの送信情報か識別できるようにしてもよい。
送信機20は、以上のように構成される。
【0021】
また、本実施例は、温度センサで計測される温度情報を送信機を介して受信機に送信するシステムであるが、本発明では上記実施例に限定されるわけではなく、センサとして、例えば、圧力センサ、あるいはCCD撮像素子やCMOS型撮像素子等の画像データを取得する撮像素子であってもよく、あるいは音声データを取得する小型マイク等の音響変換素子であってもよい。すなわち、送信機から受信機に送信される情報は、温度や圧力や画像や音声のデータ等いずれであってもよい。
【0022】
図3には、受信機R(以降では、受信機の符号Rを40とする)の構成を示している。
受信機40は、受信用アンテナ42、広帯域増幅回路44、信号処理部46、および出力部48とを有して構成される。
受信用アンテナ42は、送信機T1〜Tnから送信された高周波信号を受信信号として受信する。
広帯域増幅回路44は、送信機T1〜Tnが送信の度にランダムに周波数を設定して高周波信号を送信する周波数の変動範囲内、例えば315MHzに対して±10MHzの範囲内において、平坦な利得を得る低雑音増幅器で、受信用アンテナ42で受信した高周波信号を増幅する。広帯域増幅回路44は、例えば、負帰還形、抵抗整合形等の増幅器であり、トランジスタ等の能動素子の入出力インピーダンスを周波数に依存しない所定の抵抗値にすることにより、広帯域化されている。
【0023】
信号処理部46は、周波数変換器46a、スイープ発振回路46b、CPU(中央処理ユニット)46c、検波回路46dおよびメモリ46eを有する。
周波数変換器46aは、広帯域増幅回路44で増幅された受信信号とスイープ発振回路46bから発振される振幅一定の同調信号を乗算することによって、受信信号に含まれる高周波信号の周波数と同調信号の周波数との差周波数の信号を生成して、高周波信号の周波数を所定の周波数に変換し、変換された高周波信号に対して帯域通過フィルタを用いて、変換された高周波信号のみを取り出す部位である。スイープ発振回路46bで生成される同調信号の周波数は一旦発振周波数が設定されると高周波信号を受信する期間一定にロックされる。
【0024】
スイープ発振回路46bは、同調信号の発振周波数を高周波側から低周波側にスイープする発振回路であり、周波数変換器46aから得られた差周波数の信号のゲインが最大となるようにCPU46cから供給される制御信号に応じて、同調信号の発振周波数を固定するように構成される。
【0025】
CPU46cは、周波数変換器46aから送られた差周波数の信号に基づいて、差周波数の信号のゲインが最大となるように発振周波数を制御する制御信号をスイープ発振回路46bに送ると共に、検波回路46dにゲインが最大となった差周波数の信号を送る部位であり、演算処理ユニットによって構成される。
CPU46cは、例えば、CPU46cに形成された分周器と位相比較器を用いて高周波信号に同調させる公知の周波数シンセサイザ方式を用いてスイープ発振回路46bの発振周波数を制御する。
検波回路46dは、CPU46cから送られた差周波数の信号から、温度センサS1 〜Snで計測された電圧の電圧変化量の情報を持った送信信号を抽出する部位であり、抽出された送信信号はCPU46cに戻される。
またCPU46cは、検波回路46dで検波され抽出された送信信号から、送信機識別情報と、温度センサS1 〜Snで計測された電圧の電圧変化量の送信情報(温度送信情報)とに分離するとともに、送信機20のセリアル番号等、送信機を特定できる識別番号や符号等が、送信機識別情報に対応して記録されているメモリ46eから、送信機識別情報に対応した識別番号や符号が呼び出されて、取得された温度送信情報がどの送信機から送信されたものであるか判読する部位である。判読された識別番号や符号と温度送信情報は、出力部48に送られる。
【0026】
出力部48には、予め温度計測の前に、温度センサS1〜Snの零点調整やキャリブレーション(較正)が行われて、基準温度の出力電圧と計測温度の電圧との差分である電圧変化量の情報から、温度センサS1〜Snが実際に計測した温度を求めることができるように、基準温度の出力電圧や参照テーブルが作成されている。出力部48は、送られたきた温度送信情報から、この参照テーブルを用いて実際に計測した温度の値を求め、この温度の値を、送信機の識別番号ごとに、温度データとして整理し、出力データを取得する部位である。
【0027】
このような受信機40によって、複数個、例えば100個の送信機から断続的に送られて来る高周波信号に基づいて温度データを取得することができる。このような受信機40は、例えば30m程度離れた複数の送信機から送信される電波を受信する。
受信機40は、以上のように構成される。
【0028】
このような送信システム10では、温度センサS1〜Snが送信機T1〜Tnと接続され、所定の温度で零点調整やキャリブレーションが行われ、その結果、受信機40の出力部48に、基準温度の出力電圧(基準電圧)が記録され、各温度センサS1〜Snの出力電圧の基準電圧からの電圧変化量とその時の温度の、基準温度からの温度差とを対応付けた参照テーブルが作成される。
【0029】
その後、温度センサS1〜Snは、送信機T1〜Tnとともに、温度計測点に固定される。その際、すでに、送信機T1〜Tnからランダムな周波数の搬送波信号によって受信機Rに向けて断続的に高周波信号が送信される。
【0030】
すなわち、送信機20の送信信号生成部24aにおいて所定時間間隔で生成される送信指示信号が乱数発生回路24b、ランダム信号発振回路26および基準信号発振回路28に送られる。
乱数発生回路24bでは、送られてきた送信指示信号をトリガー信号として乱数を発生させ、この乱数の値がランダム信号信号発振回路26に送られる。 一方、ランダム信号発振回路26では、送られて来た送信指示信号をトリガー信号として駆動を開始し、乱数発生回路24bから送られてきた乱数の値に応じて発振周波数fa が設定されて、発振が行われる。
【0031】
一方、基準信号発振回路28では、送られて来た送信指示信号をトリガー信号として駆動を開始し、予め定められた発振周波数f0 を持った基準信号の発振が行われる。
混合器30では、ランダム信号発振回路26から発振された信号が、基準信号発振回路28から発振された振周波数f0 、例えば315MHzを持った基準信号に加算され、所定の周波数の帯域内でランダムに選択された周波数f0 +fa を持った搬送波信号が生成される。生成された搬送波信号が変調回路32に送られる。
一方、送信信号生成部24aでは、温度センサS1から送られてくる温度の出力電圧から、基準温度の出力電圧を差し引いた差分電圧が作られ、この差分電圧が温度送信情報とされ、さらに、送信信号生成部24aに記憶されている送信機識別情報が呼び出されて、温度送信情報の先頭部分にヘッダ情報として付加されて送信信号が生成される。ヘッダ情報の付加された送信信号は変調回路32に送られる。
【0032】
変調回路32では、混合器30から送られてきた搬送波信号が送信信号生成部24aから送られてきた送信信号に基づいて周波数変調され、さらに増幅されて送信用アンテナ34に送られる。そして、送信用アンテナ34から、送信信号に基づいて変調された高周波信号が一定時間、例えば30m秒放射される。
【0033】
一方、受信機40では、受信用アンテナ42で受信された受信信号は、広帯域増幅回路44で増幅される。
信号処理部46では、広帯域増幅回路44で増幅された受信信号内に含まれる高周波信号が、スイープ発振回路46bから発振される同調信号をスイープすることによってサーチされ、搬送波信号の周波数に応じて同調信号の周波数が固定される。
こうして設定された同調信号を用いて受信信号は周波数変換され、所定の周波数に変換された高周波信号が帯域通過フィルタを用いて取り出される。さらに、高周波信号は検波回路32で検波されて、高周波信号に含まれる送信信号が取り出される。その際、CPU46cは高周波信号のゲインが最大となるように、スイープ発振回路46bに制御信号を与えてフィードバック制御が行われる。
こうして送信信号が復調され、送信機識別情報および温度送信情報が得られる。得られた送信機器識別情報は送信機識別情報に対応する送信機の特定可能な識別番号や符号がメモリ46eから呼び出される。得られた識別番号や符号と送信情報は、出力部48に送られる。
【0034】
出力部48では、温度センサの基準電圧と計測温度の電圧との差分である電圧変化量の情報(温度送信情報)と、特定された送信機に接続された温度センサの基準温度の出力電圧および参照テーブルとを用いて温度データを求め、この温度データを特定された送信機に接続された温度センサによって計測された温度データとして取得する。
【0035】
このように、複数の送信機T1〜Tnから、例えば1秒間に百程度の送信情報が受信機40によって取得され、受信機40によって、特定された送信機毎の温度データが、図1に示すように、整理されて、送信機に対応した温度センサS1〜Snの計測温度の時系列データD1 (i),D2 (i),D3 (i)・・・が出力データとして出力される。
【0036】
送信システム10では、送信情報を周波数がランダムに選択された搬送波信号で断続的に送信することによって、同一の構成の送信機T1〜Tnの搬送波の周波数を変えることができるので、お互いの電波が干渉して、送信信号のゲインやS/N比が低下することを防止できる。一定の周波数で送信する従来の方式の場合、電波の干渉を防止する点から送信機毎に周波数を設定する必要があり、新たな送信機を送信システム10に追加したり、送信機を取り替えたりする際、搬送波の周波数の設定作業が煩雑となるが、送信システム10の場合、送信機T1〜Tnは同一の構成を持つ送信機で構成されるので、従来のように送信機の周波数を1つ1つセットする必要はなく、同一の送信機を送信システム10に新たに持ち込むことも容易にできる。したがって、複数の送信機と1つの受信機を用いた無線送信システムを容易に築くことができる。
なお、本発明の送信機は、送信指示信号が一定時間間隔毎に断続的に発生して、高周波信号を一定時間間隔毎に送信するものに限られず、送信指示信号がランダムな時間間隔で断続的に発生して高周波信号をランダムな時間間隔で送信するものであってもよい。
【0037】
このよな送信システム10は、例えば、図4に示すように、例えば4輪車両50の各タイヤ(左前輪Lf 、右前輪Rf 、左後輪Lr および右後輪Rr )内部に、送信機T1〜T4および温度センサS1〜S4をタイヤ断面のトレッド内中央部に埋め込みタイヤ内部温度を計測し、送信機T5〜8および圧力センサS5〜S8をタイヤ内面に貼り付けタイヤ内圧を計測し、受信機Rを車両に配置して、車両内で、タイヤの内部温度やタイヤの内圧を常にモニターし管理するタイヤモニタリングシステムに適用することができる。なお、温度センサS1〜S4は、縦横の寸法が4mm×8mmで、高さが0.3mmの半導体型温度センサを用い、この温度センサS1〜S4を、直径25mmの円形状平板の送信機T1〜T4の裏面に貼り付けているので、温度センサと送信機は、小さな円形状チップとなり、タイヤトレッド内部に容易に埋め込むことができる。その際、圧力センサS5〜S8は、小型の半導体型圧力センサを用いるとよい。
【0038】
以上、本発明の送信機および無線送信システムについて詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各種の改良および変更を行ってもよいのはもちろんである。
【0039】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明は、対応するセンサと共に車両のタイヤ内部に設置された複数の送信機を用いて情報を送信する際、各送信機は乱数発生部で発生された乱数の値に応じて所定の周波数の帯域内で設定された周波数の搬送波信号を用いて送信するので、車両に配置された受信機は、送信機同士の電波の干渉を抑制し、センサにより計測されたセンサ計測情報を含む送信情報を確実に受信することができる。また、送信機の搬送波信号の周波数を個別に設定することを必要とせず、送信システムを容易に構築することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の無線送信システムの一例である温度計測に用いる送信システムの概略の構成を示す図である。
【図2】 本発明の送信機の一例の構成を示すブロック図である。
【図3】 本発明の無線送信システムに用いられる受信機の構成の一例を示すブロック図である。
【図4】 本発明の無線送信システムを適用するタイヤモニタリングシステムを説明する図である
【符号の説明】
10 送信システム
20 送信機
22 増幅回路
24 送信制御部
24a 送信信号生成部
24b 乱数発生回路
26 ランダム信号発振回路
28 基準信号発振回路
30 混合器
31 搬送波信号生成部
32 変調回路
34 送信用アンテナ
40 受信機
42 受信用アンテナ
44 広帯域増幅回路
46 信号処理部
46a 周波数変換器
46b スイープ発振回路
46c CPU
46d 検波回路
46e メモリ
48 出力部
Claims (4)
- 対応するセンサと共に車両のタイヤ内部に設置され且つ前記車両に配置された受信機に向けて電波を用いて断続的に情報を送信する送信機であって、
送信用アンテナと、
対応するセンサにより計測されたセンサ計測情報を含む送信情報を送信するための送信指示信号を断続的に発生し、この送信指示信号に応じて、前記送信情報の送信信号を生成する送信制御部と、
前記送信指示信号をトリガー信号として乱数を発生する乱数発生部と、
前記送信指示信号の発生の度に前記乱数発生部で発生された乱数の値に応じて所定の周波数の帯域内で設定された周波数の搬送波信号を生成する搬送波信号生成部と、
前記搬送波信号に前記送信信号を含ませて前記送信用アンテナに供給する高周波信号を生成する高周波信号生成部と
を有することを特徴とする送信機。 - 前記送信情報は、送信機の保有する送信機識別情報を含むことを特徴とする請求項1に記載の送信機。
- 電波を用いて断続的に情報を送信する複数の送信機と、これらの送信機から送信された送信情報を受信する1つの受信機とからなる無線送信システムであって、
前記複数の送信機の各々が、それぞれ対応するセンサと共に車両のタイヤ内部に設置され、
送信用アンテナと、
対応するセンサにより計測されたセンサ計測情報を含む送信情報を送信するために送信指示信号を断続的に発生し、この送信指示信号に応じて、前記送信情報の送信信号を生成する送信制御部と、
前記送信指示信号をトリガー信号として乱数を発生する乱数発生部と、
前記送信指示信号の発生の度に前記乱数発生部で発生された乱数の値に応じて所定の周波数の帯域内で設定された周波数の搬送波信号を生成する搬送波信号生成部と、
前記搬送波信号に前記送信信号を含ませて前記送信用アンテナに供給する高周波信号を生成する高周波信号生成部とを有し、
前記受信機は、前記車両に配置され、
前記所定の周波数の帯域で前記高周波信号を一括して受信する受信用アンテナと、
この受信用アンテナで受信した受信信号を増幅する広帯域増幅部と、
この広帯域増幅部で増幅された前記受信信号から、この受信信号に含まれる前記高周波信号のゲインが最大になるように、同調信号を用いて前記高周波信号を取り出し、取り出された前記高周波信号を検波して前記送信信号を取り出す信号処理部とを有することを特徴とする無線送信システム。 - 前記送信情報は、各送信機の保有する送信機識別情報を含むことを特徴とする請求項3に記載の無線送信システム。
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