JP4412648B2 - 土壌侵食防止工法 - Google Patents

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本発明は、土壌の侵食防止工法に関し、さらに詳しくは地肌が露出した法面、圃場または山地斜面等が降雨(或いは風雨)等によって侵食を受けて、土砂が河川や海に流出するのを防止するための土壌侵食防止工法に関する。
工事や営農活動等により露出した土壌では、風雨に晒されたときに該土壌表面に水の流れが発生し、水を含んで軟弱化した土壌粒子が剥離、運搬され土壌侵食が発生して河川や海に流出する。
従来、工事等による造成裸地地表面における被覆対策としては、マット・シート保護工法(例えば特許文献1参照)、アスファルト乳剤等の吹付けによる保護工法(例えば特許文献2参照)、或るいは種子吹付けによる植生導入工法(例えば特許文献3参照)等が公知である。
他方、従来の営農圃場等における土壌侵食防止の手段としては、ススキ、稲藁、マルチングシート等によるマルチング工法が採用されている。営農におけるこれらのマルチングは、冬場の土壌温度保持、冬夏の乾燥防止、雑草生育防止、野菜に対する降雨時の葉の土壌汚染防止等を主体として使用されるものである。マルチングを施すことで、ある程度の土壌流出防止効果が得られることは、これまで経験的に判っている。そこで営農圃場における土壌侵食防止の目的で上記工法が補助的に行われているものである。
特開平10−60901号公報(段落番号0002) 特開平6−116561号公報(段落番号0002) 特開平8−256590号公報(段落番号0011)
しかしながら、上記マット・シート保護工法及びアスファルト乳剤吹付け工法は、いずれも高コストであることや、資材の劣化等による維持管理のコスト、労力がかかるという問題があった。
また山地崩壊斜面、法面などの緑化、即ち植生導入工法は、マットシート保護工法及びアスファルト乳剤吹付け工法と同様にコストが高く、しかも植物が発芽して繁茂するまでに一定の期間が必要であるから、土壌の侵食防止効果を発揮するまでに時間がかかるという欠点があり、短期間に効果を発揮出来ないという問題があった。さらには、該植生導入工法において用いる植物種子に帰化植物種子を用いる場合には、生態系の撹乱を起こさないか否かの調査又は検討が必要であり、利便性に欠けていた。
上記アスファルト乳剤等による吹付け工法や種子吹付けによる植生導入工法等を利用することが考えられるが、吹付け工法は、地表面を固化してしまい作物の生育を阻害するため、農地には利用できない。また種子吹付けによる植生導入工法も、作物の生育を阻害する等の悪影響を与えるために使用できないという問題があった。
他方、営農圃場等における土壌侵食防止の手段として用いられるマルチング工法は、コスト的に高価であり、施工を行う農家の労働負荷が大きいといった欠点がある。またススキ等は必ずしも地表面に密着するとは限らず、地表面との間に隙間が出来やすい。隙間ができると、降雨時にマルチングの下を水が流れることになり、土壌侵食が発生してしまう。
本発明は、上記課題に鑑み成されたものであり、生態系や作物に悪影響を与えず農地にも利用可能であって、材料が安価で施工に労力がかからず、施工後の維持管理も容易である土壌防止工法を提供することを目的とする。
本発明は、
(1)土壌に糖質を含有する廃棄物である有機質基材を添加し、前記土壌中に生存する菌糸を形成することのできる微生物の菌糸形成を促進させて土壌表面及び/又は土壌表層に前記菌糸を繁殖させ、土壌粒子をネット状に絡み合う菌糸に緊縛させることにより土壌流出を防止することを特徴とする地肌が露出した、法面、圃場、山地斜面、若しくは休耕地または、工事により露出した土壌における土壌侵食防止工法、
(2)上記有機質基材に含有される有機物の添加量が、土壌の単位表面積当り200g/m以上1000g/m以下になるように前記有機質基材を土壌に添加することを特徴とする上記(1)に記載の土壌侵食防止工法、
(3)土壌を構成する土砂を採取し、前記土砂に上記有機質基材を混合して有機質基材含有土砂を生成し、前記有機質基材含有土砂を前記土壌に客土する工程を含むことを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の土壌侵食防止工法、
(4)土壌表面に上記有機質基材を散布し、次いで前記土壌表面を鋤き込むことによって前記有機質基材と土壌表面の土砂とを混合させる工程を含むことを特徴とする上記(1)又は(2)に記載の土壌侵食防止工法、
(5)上記有機質基材に含有される有機物又は上記有機質基材である有機物がバガス、パインアップルの果実部分の残渣、または廃糖蜜のいずれか1種あるいは2種以上の組合せであることを特徴とする上記(1)から(4)のいずれか1つに記載の土壌侵食防止工法、
を要旨とするものである。
本発明の土壌侵食防止工法によれば、土壌に本発明に用いられる有機質基材が添加されることにより該土壌に生息する微生物が形成する菌糸(以下、単に「菌糸」という)の形成、繁殖が活発となる。そして有機質基材添加後、短期間で土壌表面及び/又は土壌表層に、ネット状に絡み合う菌糸が形成される。その結果、降雨等により土壌が水を含んで軟弱化しても土壌粒子が上記ネット状に絡み合う菌糸に緊縛されて、土壌流出が防止されるものである。
本発明の土壌侵食防止工法は、土壌に有機質基材を添加することによって、土壌表面及び/又は土壌表層において形成される菌糸の繁殖を促進することにより土壌の侵食を防止するものである。従って従来のアスファルト吹付け工法のように有害な化学物質を使用しないために、生態系の作物に悪影響を与える虞がない。更に本発明では、上記菌糸が土壌表面を固化するものではなく、また作物より背が高くなることで日照阻害による作物の生育不良の原因となることもないので、農地にも適用可能である。
本発明による上記菌糸の繁殖は、一般的な植物の成長速度よりもはるかに早いため、実施より早期に侵食防止効果を得ることができる。従って土壌侵食防止用の植物、或いは圃場における農作物が土壌侵食効果を発揮するまでの土壌侵食を被りやすい期間において、本発明の工法を用いれば、効果的に土壌侵食を防止することができる。
本発明の工法の実施において、有機質基材を土壌に添加するという作業はきわめて容易であり、通常の営農作業又は工業作業の範囲内で実施可能である。また、本発明に用いる有機質基材は、材料費用も安価である。従って、本発明の工法は労力及びコストの面でも優れている。
以下、本発明を実施するための最良の形態を詳細に説明する。
本発明に用いられる糖質を含有する廃棄物である有機質基材とは、糖質を含有する廃棄物である有機物を少なくとも1種類含有する基材のことを意味する。即ち、上記有機質基材は有機物のみからなる基材であってもよいし、有機物と無機物の組合せによって形成される基材でもよい。また上記有機物としては、1種類の有機物であってもよいし、2種類以上の有機物を組み合わせてなるものであってもよい。本発明における有機質基材に含まれる有機物、又は有機質基材である有機物としては、バガス、パインアップルの残渣、廃糖蜜、糖蜜等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。上記バガスとは、さとうきびを用いた製糖過程において発生する廃棄物であり、パインアップルの残渣とは、パインアップルから果汁を搾り取る過程において発生する果実部分の残渣又は圃場においてパインアップルの株の植え替えの際に発生する古株の切裁物であり、廃糖蜜とは、さとうきびを絞り、砂糖の結晶を分離した後に残る残渣である。従って、本発明において特にバガス、パインアップルの残渣又は廃糖蜜等の廃棄物を上記有機質基材に含有される有機物として利用する場合は、廃棄物のリサイクルの観点からも好ましい。
通常、バガス、パインアップルの果実部分の残渣、又は廃糖蜜には、糖質が残存している。従って、特にこれらバガス等を有機質基材における有機物として土壌に添加したときに、菌糸の形成促進に寄与する因子の1つとして、上記バガス等に残存する糖が関与しているということが考えられる。
上記有機質基材は、液状、粉末状、ビース状、チップ状又はゲル状等の任意の状態で用いることができる。例えば本発明における有機質基材として用いることのできるバガスやパインアップルの残渣等は、細かく粉砕し、約1mm以上約5mm以下の直径のチップとして用いることができるが、これに制限されるものではない。
上記粉末状、或いは粒径の小さいチップ状の有機質基材は、さらに生分解性のコーティング剤で包理されていてもよい。上記生分解性のコーティング剤としては、例えばゼラチン、種々の多糖体等が挙げられる。有機質基材をコーティング剤により包理し粒剤の形態とすることにより、該有機質基材の土壌表面及び/又は土壌表層に対する付着性を向上させることが可能である。
本発明に用いられる有機質基材を土壌に添加する方法としては、目的の土壌表面に適量の有機質基材を単に散布する方法がある。かかる方法は、非常に簡易に実施することができるため、広大な面積に添加する場合や一定期間をあけて継続的に添加する場合等には特に適している。
また本発明に用いられる有機質基材を土壌に添加する別な方法としては、上記有機質基材を土壌に散布した後に、該土壌表面を鋤き込むことにより土壌中に有機質基材を混合せしめる方法がある。土壌の鋤き込みは、比較的面積の狭い土壌における実施であれば、スコップや鍬を用いて土壌を掘り起こすことにより行うことができ、面積の大きい土壌における実施であれば、耕運機を用いて土壌表面を鋤き込むことができる。本発明の工法において土壌表面を鋤き込む深さは、土壌環境等から適宜決定することができるが、好ましくは地表から約5cm以上約20cm以下である。有機質基材添加後、菌糸の繁殖前に降雨等の影響を受けると有機質基材が土壌とともに流出してしまう虞があるが、上記混合する方法により有機質基材を土壌に添加することによって、菌糸の繁殖前においても、有機質基材の流出量を低減することができるという点で好ましい。また土壌表面だけでなく土壌表層の菌糸の繁殖も効果的に促進することができる。
またさらなる有機質基材の添加方法としては、予め土壌を構成する土砂を採取し、採取された土砂に有機質基材を混合して有機質基材含有土砂を生成し、該有機質基材含有土砂を土壌に客土することもできる。客土される有機質基材含有土砂の量は、土壌環境等から適宜決定することができるが、侵食防止が必要な土壌の表面において約5cm以上約20cm以下の高さの層になるように客土されることが好ましい。斜面等では、有機質基材を添加後、有機質基材と土壌とを混合することが困難な場合があり、また添加した有機質基材と土壌表面との固着が良好でない場合がある。上記有機質基材含有土砂を客土する方法によれば、斜面等に対する有機質基材の添加、混合を容易に行うことができる。
加えて、上記有機質基材含有土砂の湿度及び温度などを調整して一定期間養生し、該土砂中に含まれる微生物であって、本発明の有機質基材の添加により菌糸の形成が促進される微生物を適切な菌数に増殖せしめた後、土壌に客土してもよい。かかる方法では予め、菌糸形成能を有する微生物の菌数を調整できるので、客土後、菌糸を早期に繁殖させることができ、より早期に土壌侵食防止効果を得ることが可能である。従って、土壌と有機質基材の固着が良好でない傾斜地や、降雨の多い時期における実施では特に好ましい。
尚、有機質基材の上記散布は、動力散布機を用いて散布する方法が一般的かつ簡易であるが、これに制限されるものではない。
上記いずれかの添加方法により有機質基材を土壌に添加した後に、土壌に適量の水分を散水してもよい。特に土壌が乾燥している場合において適度に湿度を与えることにより菌糸の形成がより促進されるため好ましい。
また有機質基材を土壌に添加した後に、土壌表面を適度な固さまで踏圧してもよい。踏圧は、人力によって足裏面で踏み固める方法であってもよいし、或いは用具や機械を用いてローラーやタイヤ表面によって土壌表面を踏み固めてもよい。有機質基材を散布した直後は、該基材と土壌表面との結着が悪い場合がある。また散布された該基材を混合するために攪拌された土壌表面または客土された土壌表面は、一般的に土壌がやわらかくなっている。かかる場合において菌糸が繁殖する前に風雨の影響を受けると土壌表面の流出とともに有機質基材が流出してしまう虞があるが、土壌表面を踏圧することによって該土壌表面が固くなり、有機質基材の流出を防止或いは低減することができる点で好ましい。
本発明の工法は、圃場等において農作物等の苗が一定に生長するまでの期間等、短期間の土壌侵食防止効果を期待する場合であれば、一度の実施により対応することが可能である。一方、長期に土壌侵食防止効果を得るためには、一定の期間を置いて2回以上同じ土地において繰り返し本発明を実施することができる。具体的には、例えば1ヶ月〜6ヶ月おきに本発明を同じ土地において実施することができるが、実施間の間隔は上記期間に限定されず、菌糸の繁殖状況や土壌環境、気温、湿度等を勘案して適宜決定することができる。また繰り返し本発明を実施する場合には、種々の実施条件を統一してもよいし、実施毎に有機質基材の成分、添加量又は添加方法等を変更してもよい。本発明は、低コストかつ容易な作業により実施することができるので、所望の期間中繰り返し本工法を実施することにより土壌侵食防止効果を持続することが容易である。
本発明の有機質基材の土壌への添加量は、土壌の性質、気温及び湿度等を勘案して適宜決定することができる。一般的には、有機質基材に含まれる有機物の添加量が、該有機物の乾燥重量において土壌の単位面積当り200g/m以上1000g/m以下になるように、上記有機質基材を添加することが好ましく、280g/m以上600g/m以下であることがさらに好ましい。上記有機物の添加量が、200g/m以上であれば、菌糸の繁殖前に有機質基材が多少、土壌とともに流出してしまった場合でも菌糸形成の促進及び繁殖の効果を得られることができ、また1000g/m以下にすることにより、経済的に不利益なく菌糸の形成を促進させ、繁殖させることができる。
本発明において記載される土壌中に生存する菌糸を形成することのできる微生物とは、本発明の有機質基材が土壌に添加されることによって、菌糸形成が促進される微生物を意とする。各土壌において生息する菌糸を形成することのできる種々の微生物と気温、平均降雨量、及び土質等とを勘案して、添加する有機質基材の種類、量、及び添加方法などを選択することが可能である。上記微生物の具体例としては、動植物に対し病原性のない子嚢菌類、接合菌類、又は卵菌類等が挙げられるがこれに限定されるものではない。本発明において、微生物の種類にかかわらず、有機質基材を土壌に添付することによって、土壌表面及び/又は土壌表層に、土壌粒子を緊縛することが可能なネット状に絡み合う菌糸が形成されることが重要である。
本発明の土壌侵食防止工法は、種々の法面、傾斜地等の土壌において使用することができる。特に土壌表面が大気に露出した土壌では、基材の添加が容易であり、本発明の工法を効果的に使用することができる。
以下、本発明にかかる実施例及び比較例について説明するが、本発明は以下に示す実施例により何ら制限されるものではない。また実施例及び比較例の土壌流出量及び土壌表面に形成された菌糸の繁殖状態に関する観察についても併せて説明する。尚、本実施例において用いたバガスの重量は、いずれも表乾状態において測定した。
実施例1
土壌侵食防止効果を観察するために、赤土砂が広く分布する休耕地において、図1(a)及び(b)に示す観察用枠1を設置した。観察用枠1は、縦1m、横1m、地表からの高さ約30cm、地表からの深さ約40cmの木枠2と、木枠2内から流出する土砂を導くための排水路4と、上記木枠2内から流出した土砂を収集するための収集用バケツ3とを設けて形成した。次いで木枠2内に、観察用枠1外の土壌を採集して木枠2内にGLから高さ約20cmまで客土して試験土壌を形成した。尚、本明細書においてGLは、グランドレベルを示す。
次いで、上記試験土壌の表面に有機質基材としてバガス285gを略均一に散布した。続いて試験土壌表面から深さ約5cmあたりまでの土壌をスコップにより掘り起こして攪拌し上記バガスと土壌とを混合した。これにより厚み約5cmの有機質基材添加層5とバガスが混合されていない厚み約15cmの赤土層6とを形成した。上記攪拌後に、有機質基材添加層5の表面を踏圧し土壌硬度が3〜6mm(晴天時)になるまで締め固めた。尚、本実施例及び比較例において土壌硬度を測定する際には、山中式土壌硬度計を用いた。
実施例2
有機質基材としてバガス285g及び肥料140gを散布したこと以外は、実施例1と同様に有機質基材添加層5及び赤土層6を形成した。尚、上記肥料には、「くみあい配合肥料パイン2号」(保証成分含量としてアンモニア性窒素:12.0%、く溶解性りん酸:6.0%、内水溶性りん酸:2.0%、水溶性加里:12.0%含有)を用い、該肥料の重量は圃場において使用される通常の状態で測定した。
実施例3
有機質基材としてバガス475gを散布したこと以外は、実施例1と同様に有機質基材添加層5及び赤土層6を形成した。
比較例1
実施例1と同様に、観察用枠1外の土壌を採集して木枠2内にGLから高さ約20cmまで客土して試験土壌を形成した。比較例1では、上記試験土壌に何ら有機質基材を添加することなく赤土層からなる裸地の状態で、実施例1と同様に踏圧し該裸地を締め固めて比較例とした。
評価1
実施例1〜3及び比較例1を同日に形成して観察を開始し、150日間にわたり土砂流出量の観測を行った。期間中、計7回、収集用バケツ3に溜まった流出土砂の回収を行った。回収後、その都度、回収された土砂を100℃、24時間乾燥し、乾燥重量を計測した。また最終的に上記流出した土砂の各計測量を加算することによって土砂流出総量の計測を行った。加えて比較例1における裸地の土壌流出量を100%として、実施例1〜3の比較例1に対する土砂流出量比(%)を算出した。土砂流出総量及び土砂流出総量比の結果を表1に示した。また各回収における上記土砂流出量比を対数表にプロットしたグラフを図2として示した。
評価2
上記観測期間中、観測開始から7日目、14日目、28日目において、実施例1〜3の有機質基材添加層5の表面及び比較例1の裸地表面における任意の3箇所において、土壌サンプルの採取を行った。採集されたサンプルを直接、実体顕微鏡にて200倍の倍率で観察し、菌糸の繁殖状況を評価した。菌糸繁殖観察の評価は、菌糸がネット状に形成されていたサンプルを○、菌糸がわずかに形成されていたサンプルを△、菌糸が確認されなかったサンプルを×として表1に示した。
Figure 0004412648
表1及び図2に示すとおり、いずれの実施例も比較例に比べて観測期間中の土砂流出量が約半分以下に低減していた。また表1に示す菌糸観察により、実施例から採取されたサンプルはいずれも観測開始から7日目には菌糸の形成が確認され、14日目及び28日目において良好にネット状の菌糸が形成されていることが確認された。一方、比較例1では、7日目の観察においては菌糸の形成が全く確認されず、14日目及び28日目においてわずかに菌糸の形成が確認された。これより、本発明の工法を実施することにより、土壌表面にネット状の菌糸を良好に繁殖させることができることが確認された。また顕微鏡観察において、ネット状に形成された菌糸に絡み合うように連結する土壌粒子が確認された(データ示さず)。
実施例1〜3及び比較例1に用いる観察用枠を示すものであり、(a)は平面図であり、(b)は(a)のX−Y線における断面図である。 実施例1〜3と比較例1との土砂流出量を比較し、比較例1の土砂流出量を100%として、実施例1〜3の土砂流出量比(%)をプロットした対数表である。
符号の説明
1 観察用枠
4 有機質基材添加層
5 赤土層

Claims (5)

  1. 土壌に糖質を含有する廃棄物である有機質基材を添加し、前記土壌中に生存する菌糸を形成することのできる微生物の菌糸形成を促進させて土壌表面及び/又は土壌表層に前記菌糸を繁殖させ、土壌粒子をネット状に絡み合う菌糸に緊縛させることにより土壌流出を防止することを特徴とする地肌が露出した、法面、圃場、山地斜面、若しくは休耕地または、工事により露出した土壌における土壌侵食防止工法。
  2. 前記有機質基材に含有される有機物の添加量が、土壌の単位表面積当り200g/m以上1000g/m以下になるように前記有機質基材を土壌に添加することを特徴とする請求項1に記載の土壌侵食防止工法。
  3. 土壌を構成する土砂を採取し、前記土砂に前記有機質基材を混合して有機質基材含有土砂を生成し、前記有機質基材含有土砂を前記土壌に客土する工程を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の土壌侵食防止工法。
  4. 土壌表面に前記有機質基材を散布し、次いで前記土壌表面を鋤き込むことによって前記有機質基材と土壌表面の土砂とを混合させる工程を含むことを特徴とする請求項1又は2に記載の土壌侵食防止工法。
  5. 前記有機質基材に含有される有機物又は前記有機質基材である有機物がバガス、パインアップルの果実部分の残渣、または廃糖蜜のいずれか1種あるいは2種以上の組合せであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の土壌侵食防止工法。
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