JP4410995B2 - アーク溶接方法 - Google Patents

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Description

本発明は、少なくとも1つの溶接パラメータ値を変更することによって調整可能な、溶接作業で使用されるアーク溶接装置を制御する方法であって、溶接作業に関連する溶接工程の理論モデルを用いて該少なくとも1つの溶接パラメータ値を決定するステップと、溶接装置を調整するための該少なくとも1つの溶接パラメータ値を使用することにより溶接装置の操作と溶接作業に関連のある溶接工程を制御するステップとを備える方法、および、アーク溶接方法をシミュレートする方法であって、溶接工程を表す理論モデルにデータを入力するステップと、理論モデルと入力データを使用して溶接工程の少なくとも1つの溶接パラメータ値を決定するステップとを備える方法、および、アーク溶接作業から得られた溶接の品質を予測する方法であって、溶接作業に関連のある溶接工程を表す理論モデルへデータを入力するステップと、理論モデルと入力データを使用して溶接工程の少なくとも1つの溶接パラメータに関係のある少なくとも1つの溶接特性を決定するステップとを備える方法に関する。
本発明はまた、少なくとも1つの溶接パラメータを変更させることによって調整可能な、溶接作業で使用されるアーク溶接装置と、アーク溶接装置の作業を制御する構造(該制御構造は、溶接工程の理論モデルを使用して該少なくとも1つの溶接パラメータ値を決定できる手段と、溶接装置を調整するために該少なくとも1つの溶接パラメータを用いて溶接装置の操作とこれに関連する溶接工程を制御できる部材とを含む)とを備えた装置に関係する。
さらに、本発明は、特許請求の範囲に記載の方法とコンピュータプログラム製品の使用に関する。
ワークピースをアーク溶接によって接続する場合、溶接された継手の品質は、アーク溶接作業中に設定されたパラメータに強く依存する。これらの溶接パラメータの例としては、溶接電流、供給電圧、シールドガスの種類、シールドガスの流速、溶接速度、トーチ角度、突出(ワイヤ)長さ、ワイヤ送り速度、および、ワイヤとワークピースのその他の特性、例えば寸法や材料等が挙げられる。これらの溶接パラメータは、溶接工程で複雑に互いに影響しあい、溶接のジオメトリまたは種類、溶接作業から得られる溶接治金および機械強度に影響する。より正確には、溶接継手の品質は、溶接中の金属移行形態に強く依存する。換言すれば、溶接中に金属がワイヤチップ(例えば陽極)からワークピース(例えば陰極)へ移行する方法は、溶接継手の最終特性と品質に非常に強く影響する。
当然のことながら、所望の溶接を得るためにパラメータを調整できるように、異なる組み合わせの調整可能なパラメータがどのように溶接継手の特性に影響するかを知る必要性がある。異なるパラメータの影響についての知識に基づいて金属移行の形態を予測する方法が試みられている。しかし、従来技術では、金属移行の形態は、主として経験的な方法を通じて決定されてきた。金属移行形態は、アーク溶接の熟練技術者により、溶接工程で発生するノイズを通じて特定され得る。溶接作業終了後に溶接継手を検査することによって、溶接作業中に表れる金属移行形態に関するヒントが見つかる場合もある。このように、現在、ロボットアーク溶接で使用される重要な溶接工程のパラメータの設定は、溶接任務と溶接条件ごとに、試行錯誤によって実験的に見出されているが、いずれも時間とお金がかかる。例えば、望んでいない金属移行形態を招くパラメータを使用した場合には、溶接継手の品質が劣り、ワークピースが損傷することがある。
溶接パラメータが溶接工程、特にアークに及ぼす一般的な影響と、使用された溶接パラメータと溶接継手との関係に関する知識が不足しているのは、アーク、またはアークの近傍、およびワイヤとワークピースに近いアーク領域の近くを測定することが困難だからである。その結果、残念ながら、アークパラメータの直接測定に基づいた、アーク溶接装置を制御するための制御システムの設計は、非常に困難である。ある組み合わせの溶接パラメータでの溶接作業の結果とこれに関係する溶接工程の特性の予測が困難であり、且つ一連のワークピースが比例的に小さいため、溶接技術工による手作業のほうが費用効率が高い。このため、現在世界中で実施されているアーク溶接の用例において自動化またはロボットアーク溶接はほとんど使用されていないのが実情である。
本発明の第一の目的は、アーク溶接装置を制御する方法を提供することであり、該方法によると、溶接工程の測定や溶接前の繰り返しの溶接実験をする必要なく決定された少なくとも1つの溶接パラメータを調整することによって、溶接作業中に溶接装置を制御できる。
本発明によると、上記第一の目的は、冒頭で説明した方法を提供することにより得られ、該方法は、
−理論モデルにおいて、溶接工程を少なくとも2つの独立の区分(そのうち少なくとも1つの区分は、アークまたはその一部分を示す)に分割するステップ、
−該少なくとも2つの溶接工程区分の各々とこれらに関連する一または複数の溶接パラメータをモデル要素で表すステップ、
−モデル要素とモデル電源を電気回路モデルに配置するステップ、および
−該少なくとも1つの溶接パラメータに関連する少なくとも1つの電気回路モデルパラメータを電気回路モデルから計算するステップ、
を備える。
上記方法によると、溶接電流または供給電圧、ワイヤ送り速度、ワイヤ長さ等の少なくとも1つの溶接パラメータ値を決定でき、この溶接パラメータ値を使用して、現在の状況に従ってアーク溶接装置を制御し、所望の特性を有する溶接を得ることができる。
本発明の第二の目的は、対応する実際の溶接工程の測定や溶接実験を繰り返す必要なくアーク溶接工程をシミュレートする方法を提供することである。
本発明によると、上記第二の目的は、上記で説明した方法を提供することにより得られ、該方法は、
−理論モデルにおいて、溶接工程を少なくとも2つの独立の区分(そのうち少なくとも1つの区分は、アークまたはその一部分を示す)に分割するステップ、
−該少なくとも2つの溶接工程区分の各々とこれらに関連する1または複数の溶接パラメータをモデル要素で表すステップ、
−モデル要素とモデル電源を電気回路モデルに配置するステップ、および
−該少なくとも1つの溶接パラメータに関連する少なくとも1つの電気回路モデルパラメータを電気回路モデルから計算するステップ、
を備える。
該シミュレーション方法により、他の溶接パラメータの任意の組み合わせについて、少なくとも1つの溶接パラメータ値および/または現在の金属の移行形態を得ることができる。そして、例えば、このシミュレーション方法は、現実の溶接工程の理解と設計および異なるアーク溶接作業におけるアーク溶接装置の溶接パラメータの初期設定に用いることができる。
本発明の第三の目的は、溶接実験を繰り返す必要なく、アーク溶接作業から得られる溶接の品質を予測する方法を提供することである。
本発明によると、上記第三の目的は、上記で説明した方法を提供することにより得られ、該方法は、
−理論モデルにおいて、溶接工程を少なくとも2つの独立の区分(そのうち少なくとも1つの区分は、アークまたはその一部分を示す)に分割するステップ、
−該少なくとも2つの溶接工程区分の各々とこれらに関連する一または複数の溶接パラメータをモデル要素で表すステップ、
−モデル要素とモデル電源を電気回路モデルに配置するステップ、および
−該少なくとも1つの溶接パラメータと該少なくとも1つの溶接特性に関連する少なくとも1つの電気回路モデルパラメータを電気回路モデルから計算するステップ、
を備える。
上記の方法によると、所望の品質を得るために必要な1または複数の溶接パラメータを決定することにより、アーク溶接作業から得られる溶接の1または複数の機械特性を予測し、この情報を実際のアーク溶接作業に使用できる。該方法を使用して、任意の組み合わせの溶接パラメータにおける溶接特性を予測し、および溶接の特定の機械特性を得るために必要な1または複数の溶接パラメータを決定することができる。
本発明の好適な実施形態によると、上記方法の1または複数は、
−溶接工程のアーク−ワイヤの相互作用領域区分が電気回路モデルにおいて上記モデル要素の1つによって独立的に表されるように溶接工程を分割するステップを備える。該方法および最適な物理モデルにより、重要な情報が得られる。なぜなら、上記少なくとも1つの溶接パラメータ値を決定する際に、陽極近くの領域に亘る電圧降下およびアークから陽極への熱流束等、溶接工程における重要な要素を考慮できるからである。溶接工程のアーク−ワイヤの相互作用領域では、粒子の密度や温度等の様々な数量の急勾配が表れ、該領域での電圧降下は非常に高い。従って、この領域は溶接工程の特性に大きく影響する。
本発明の他の実施形態によると、上記方法の1または複数は、
−溶接工程のアーク−ワークピースの相互作用領域区分が電気回路モデルにおいて上記モデル要素の1つによって独立的に表されるように溶接工程を分割するステップを備える。該方法および最適な物理モデルにより、重要な情報が得られる。なぜなら、上記少なくとも1つの溶接パラメータ値を決定する際に、陰極近くの領域に亘る電圧降下およびアークから陰極への熱流束等、溶接工程における重要な要素を考慮できるからである。溶接工程のアーク−ワークピースの相互作用領域では、粒子の密度や温度等の様々な数量の急勾配が表れ、該領域での電圧降下は非常に高い。従って、この領域は溶接工程の特性に大きく影響する。
本発明の更なる好適な実施形態によると、上記方法の1または複数は、
−溶接工程のアーク領域区分が電気回路モデルにおいて上記モデル要素の1つによって独立的に表されるように溶接工程を分割するステップ
を備える。該方法および、特に、
−溶接工程のアークカラム領域区分の物理モデルからの計算を通じて得られた情報によって、アーク領域区分を示す該モデル要素を決定するステップ、
を備える実施形態により、アーク平均温度、ワイヤ近くの温度、ワークピース近くの温度、アーク半径、およびアーク電流−電圧特性等の重要な情報を得ることができ、該少なくとも1つの溶接パラメータ値を決定する際に、アーク領域に表れるシールドガスの熱物理特性を考慮に入れることもできる。本発明の更なる好適な実施形態によると、上記方法の1または複数は、
−溶接工程のアーク−ワイヤ相互作用領域区分および/またはアーク−ワークピース相互作用領域の物理モデルからの計算を通じて得られた情報によって、アーク領域区分を表す該モデル要素を決定するステップ、
を備え、該少なくとも1つの溶接パラメータ値を決定する際に、陽極/陰極近くの領域に亘る電圧降下およびアークから陽極/陰極への熱流束等、溶接工程における重要な要素を考慮に入れることができるので、重要な情報を得ることができる。溶接工程のアーク−ワイヤ相互作用領域とアーク−ワークピースの相互作用領域では、粒子の密度や温度等の様々な数量の急勾配が表れ、該領域での電圧降下は非常に高い。従って、この領域は溶接工程の特性に大きく影響する。
本発明の更なる好適な実施形態によると、上記方法の1または複数は、
−アーク空間における拡張から独立した少なくとも1つの等式によってアークを説明する上記物理モデルによってアーク領域区分を表すモデル要素を決定するステップ、
を備える。該方法および、特に、
−時間にのみ依存する少なくとも1つの等式によってアークを説明する物理モデルによってアーク領域区分を表すモデル要素を決定するステップ、
を備える実施形態によって、モデル要素と少なくとも1つの溶接パラメータ値を、即時に且つ比例的に短い計算時間で決定できる。これにより、該方法を、例えば稼動中のアーク溶接装置を制御するために使用するのに最適化できる。
本発明の更なる好適な実施形態によると、上記方法の1または複数は、
−溶接工程のアークカラム領域区分が電気回路モデルにおいて上記モデル要素の1つによって独立的に表されるように溶接工程を分割するステップ、
を備える。該方法と最適な物理モデルとによって、アーク平均温度、ワイヤ近くの温度、ワークピース近くの温度、アーク半径およびアーク電流−電圧特性等の重要な情報が得られ、該少なくとも1つの溶接パラメータを決定する際に、アークカラム領域に表れるシールドガスの熱物理特性を考慮に入れることもできる。
本発明の更なる好適な実施形態によると、上記方法の1または複数は、
−溶接工程のワイヤ区分が電気回路モデルにおいて該モデル要素の1つによって独立的に表されるように溶接工程を分割するステップ、
を備える。該方法と最適な物理モデルとによって、金属移行形態、浸漬頻度(dipping frequency)等の重要な情報が得られ、上記少なくとも1つの溶接パラメータ値を決定する際に、ワイヤの材質を考慮に入れることもできる。
本発明の更なる好適な実施形態によると、1または複数の上記方法は、
−溶接工程のワークピース区分が電気回路モデルにおいて該モデル要素の1つによって独立的に表されるように溶接工程を分割するステップ、
を備える。該方法と最適な物理モデルとによって、溶接継手のプロファイル、浸透プロファイル等の品質特徴に関する重要な情報が得られ、該少なくとも1つの溶接パラメータの値を決定する際に、ワークピースの材質を考慮に入れることもできる。
本発明の第四の目的は、溶接工程の測定や溶接前に溶接実験を繰り返す必要なく決定された少なくとも1つの溶接パラメータを調整することによって、溶接作業中に溶接装置を制御するための構造を有する装置を提供することである。
本発明によると、第四の目的は、冒頭に記載した装置を提供することにより得られ、制御構造に含まれる手段は、溶接工程の異なる区分に対応している少なくとも2つの独立した区分(少なくとも1つの区分はアークまたはその一部分を表わす)を有する上記理論モデルを使用することができ、各モデル区分はモデル要素によって表わされ、モデル要素はモデル電源とともに電気回路モデルに含まれ、そして、制御構造に含まれる手段は、電気回路モデルから、少なくとも1つの溶接パラメータに関係する少なくとも1つの電気回路モデルパラメータを該部材による制御のために計算できる。このように、本発明の手段により、現状下で溶接工程を最適化するために少なくとも1つの溶接パラメータ値(溶接電流または供給電圧、ワイヤ送り速度、ワイヤ拡張等)をどのように設定するかを決定することができ、且つ、所望の特性を有する溶接が得られるように現状に従って溶接装置を調整するために、上記部材によりこの溶接パラメータ値を使用できる。
本発明の好適な実施形態によると、上記手段は、電気回路モデルにおいて上記モデル要素の1つによって独立的に表される溶接工程のアーク−ワイヤ相互作用領域区分を有する上記理論モデルを使用できる。該装置と最適な物理モデルとによって、該少なくとも1つの溶接パラメータ値を決定する際に、陽極近くの領域に亘る電圧降下およびアークから陽極への熱流束等、溶接工程における重要な要素を考慮に入れることができるので、重要な情報を得ることができる。溶接工程のアーク−ワイヤ相互作用領域では、粒子の密度や温度等の様々な数量の急勾配が表れ、この領域での電圧降下は高い。従って、この領域は溶接工程の特性に大きく影響する。
本発明の好適な実施形態によると、上記手段は、電気回路モデルにおいて該モデル要素の1つによって独立的に表される溶接工程のアーク−ワークピース相互作用領域区分を有する上記熱物理モデルの使用に適応している。該装置と最適な物理モデルとによって、該少なくとも1つの溶接パラメータ値を決定する際に、陰極近くの領域に亘る電圧降下およびアークから陰極への熱流束等、溶接工程における重要な要素を考慮に入れることができるので、重要な情報を得ることができる。溶接工程のアーク−ワークピース相互作用領域では、粒子の密度や温度等の様々な数量の急勾配が表れ、この領域での電圧降下は高い。従って、この領域は溶接工程の特性に大きく影響する。
本発明の更なる好適な実施形態によると、上記手段は、電気回路モデルにおいて該モデル要素の1つによって独立的に表される溶接工程のアーク領域区分を有する理論モデルを使用することができる。そのような装置と、特に、アーク領域区分を表す該モデル要素を決定するときに使用されることとなる溶接工程のアークカラム領域区分の物理モデルからの計算を通じて得られた情報を有する該理論モデルを使用することができる本発明の実施態様とによって、アーク平均手段、ワイヤ近くの温度、ワークピース近くの温度、アーク半径およびアーク電流電圧特性等の重要情報が得られ、また、該少なくとも1つの溶接パラメータを決定する際に、アーク領域に表れるシールドガスの熱物理特性も考慮に入れることもできる。本発明の更なる好適な実施形態によると、該手段は、アーク領域区分を表す該モデル要素を決定する際に使用されることとなる溶接工程のワークピース相互作用領域区分および/またはアーク−ワイヤ相互作用領域区分の物理モデルからの計算を通じて得られた情報を有する該理論モデルを使用することができる。そして、該少なくとも1つの溶接パラメータ値を決定する際に、陽極/陰極近くの領域に亘る電圧降下およびアークから陽極/陰極への熱流束等、溶接工程における重要な要素を考慮に入れることができるので、重要な情報が得られる。溶接工程のアーク−ワイヤ相互作用領域とアーク−ワークピースの相互作用領域では、粒子の密度や温度等の異なる数量の急勾配が表れ、この領域での電圧降下は非常に高い。従って、これらの領域は溶接工程の特性に大きく影響する。
上記手段が、アーク空間の拡張から独立した少なくとも1つの等式によってアークを説明する物理モデルによって決定されたモデル要素を使用することができる本発明のさらなる好適な実施形態、および、特に、上記手段が、時間にのみ依存する少なくとも1つの等式によってアークを説明する物理モデルによって決定されたモデル要素を使用することができる本発明の実施形態によって、モデル要素と少なくとも1つの溶接パラメータ値を、即時に且つ比例的に短い計算時間で決定できる。これにより、該方法を、例えば稼動中のアーク溶接装置を制御するために使用するのに最適化できる。
本発明の更なる好適な実施形態によると、該手段は、電気回路モデルにおいて該モデル要素の1つによって独立的に表される溶接工程のアークカラム領域区分を有する該理論モデルを使用することができる。該装置と最適な物理モデルとによって、アーク平均温度、ワイヤ近くの温度、ワークピース近くの温度、アーク半径、およびアーク電流−電圧特性等の重要な情報を得ることができ、該少なくとも1つの溶接パラメータ値を決定する際に、アーク領域に表れるシールドガスの熱物理特性を考慮に入れることもできる。
本発明の更なる好適な実施形態によると、該手段は、該モデル要素の1つによって独立的に表される溶接工程のワイヤ区分を有する該理論モデルを使用できる。該装置と最適な物理モデルによって、金属移行形態、浸漬頻度(dipping frequency)等の重要な情報が得られ、上記少なくとも1つの溶接パラメータの値を決定する際に、ワイヤの材質を考慮に入れることもできる。
本発明の更なる好適な実施形態によると、該手段は、該モデル要素の1つによって独立的に表される溶接工程のワークピース区分を有する該理論モデルを使用できる。該方法と最適な物理モデルとによって、溶接継手のプロファイル、浸透プロファイル等の品質特徴に関する重要な情報が得られ、該少なくとも1つの溶接パラメータの値を決定する際に、ワークピースの材質を考慮に入れることもできる。
本発明はまた、特許請求の範囲に記載のコンピュータプログラム製品に関する。請求項で特定された本発明の方法は、コンピュータプログラムにより影響を受けうるプロセッサからのプログラム指示を通じて実行されるのに適していることは明らかである。
本方法と本装置、コンピュータプログラム製品、および該方法の使用に関する更なる利点および特徴は、以下の説明と特許請求の範囲から明らかになるであろう。
本出願では、「溶接工程」はアーク溶接作業に含まれる主要な区分の一般語として、および、これに関係し、電気アークがワイヤ(陽極)とワークピース(陰極)の間で発生したときに生じる物理過程の一般語として使用される。
図1には、溶接工程が概略的に図示されている。電源1は、ワイヤ2とワークピース3に接続し、ワイヤ2からワークピース3へ材料を移行させるためにワイヤ2とワークピース3の間の空間に発生したアーク4によって閉電気回路を生成する。
溶接工程は、以下の主要な区分に分割できる:ワイヤ区分5、アーク領域区分6、ワークピース区分7である。更に、アーク領域区分6は下位区分、つまりアークワイヤ相互作用領域区分8、アークカラム領域区分9、アークワークピース相互作用区分10に分割できる。である。これら全ての区分は、溶接工程の特性と、電気回路の電圧降下に影響する。
しかし、電極棒領域、つまり溶接工程のアークワイヤ相互作用領域区分8とアークワークピース相互作用領域区分10において、アークの中央区分、つまりアークカラム領域区分9と比べて、電圧降下が非常に高い。図2には、アークに沿ったないしはワイヤ2とワークピース3の間の空間の電圧分布を概略的に示す。電圧は、ワイヤ近傍の領域と、ワークピース近傍の領域で降下が大きいことが示されている。これは、ワイヤ近傍とワークピース近傍の領域が溶接工程において重要な区分であり、溶接作業の結果得られる溶接継手に強い影響を有することを意味する。
さらに、回路のコンジット11と電源1自体の抵抗とインダクタンスを原因とする電圧降下は従来の測定により容易に測定されるのに対して、該空間における電圧分布をアークの直接測定により決定するのは非常に困難である。従って、溶接工程の行動を予測するためにアークの現象を説明する物理モデルが必要となる。しかし、既に記載したように、ワイヤ2とワークピース3はアーク4と強く相互作用し、溶接工程に影響する。従って、溶接工程全体を説明するために、これらの区分の良好な物理モデルも必要である。
本発明の主要な考えは、理論モデルによって少なくとも1つの溶接パラメータ値を得て、該少なくとも1つの溶接パラメータを、アーク溶接装置の操作時および/またはアーク溶接工程のシミュレーション時および/またはアーク溶接作業から得られる溶接の品質予測時に使用することである。これは、溶接工程を理論モデルの区分に分割し、これらの溶接工程の各区分とこれに関係する溶接パラメータを、モデル要素で表すことにより実施される。次に、電気回路モデルから該少なくとも1つの電気回路モデルパラメータを計算するために、該要素はモデル電源とともに電気回路モデルに加えられる。該要素は、抵抗および/または誘導要素であってもよく、純粋なレジスタまたはインダクタ以外の電気要素が該電気回路モデルに含まれてもよい。更に、モデル要素は、直列および/または並列に接続されてよい。
図3には、モデル要素13とモデル電源14を含む電気回路モデル12の実施例が図示されている。この電気回路モデル12では、ワイヤ区分5がレジスタRwにより図示され、ワークピース区分7がレジスタRwpにより図示され、アーク区分6がレジスタRaにより図示されている。これらの抵抗に加えて、実際の溶接回路の電源1自体とケーブル11からの抵抗とインダクタンスに対応するモデル抵抗RoとモデルインダクタンスLoを定義する必要がある。回路モデル抵抗RoとインダクタLoは周知の特性を有しているか、選択されたものであってもよい。以下では簡略化のため、1つの要素(RL)restとして扱う(この要素においてもまた、ワイヤと該ワイヤを保持するノズル間の接触抵抗等、他の抵抗が含まれていてもよい)。
図3に図示された電気回路モデル12は、4つの独立した要素:Rw、Rwp、Ra、(RL)restを具備するが、本発明によると、溶接工程は2またはそれ以上の区分に分割でき、少なくとも2つの独立した区分(そのうち少なくとも1つの区分はアークまたはアークの一部分を示す)が溶接工程に表れる。2つの独立したモデル要素13の場合、回路の全抵抗(アーク領域区分6からの抵抗Raを除く)は、(RL)restに適当に含まれる。当然ながら、解析度が高いほど、つまり溶接工程の異なる区分を表すモデル要素13が多いほど、アーク溶接工程をより正確に説明でき、より多くの溶接パラメータの情報を得ることができ、溶接工程の特性をより多く考慮に入れることができる。
しかし、溶接工程の一区分の下位区分を表している物理モデルを使用することも可能である。例えば、アーク領域区分6は、例えば、アークワイヤ相互作用領域8、アークカラム領域9および/またはアークワークピース相互作用領域10という様々な領域区分の様々な特徴に基づいており、Ra等の1つの共通モデル要素を形成している。このように、溶接工程の区分は、各区分についての独立したモデル要素13を使用することなしに説明できる。更に、モデル要素が計算される場合には溶接工程の他の区分からの入力値を使用することもできる。
キルヒホッフの電圧則を用いることによって、少なくとも1つの電気回路モデルパラメータが電気回路モデル12から計算できる。例えば、電圧供給14と他の要素13が既知である場合、電流を計算できる。その逆も同様であり、ある電流について未知のモデル要素を計算できる。図3のモデル要素Rw、RaおよびRwpと他のモデル要素は、ワイヤ、アークおよびワークピースの1または複数の物理モデルおよびこれらの1または複数の相互作用から計算できる。以下に物理モデルの例を示す。
図4には、本発明およびその用例のいくつかが概略的に図示されている。本発明の装置は、溶接継手を作成するための溶接作業において使用されるアーク溶接装置21を具備する。溶接装置21は適切には、供給電圧、シールドガスの流速、溶接速度、トーチ角度、突出(ワイヤ)長さ、ワイヤ送り速度等の少なくとも1つの溶接パラメータを変更することによって調節できる自動化されたアーク溶接装置またはロボットアーク溶接装置である。更に、本装置は、アーク溶接装置21の作業を制御するための構造22を含む。制御構造22は、溶接工程の理論モデル24を用いて少なくとも1つの溶接パラメータ値を決定することができる手段23(例えば、プロセッサとコンピュータプログラムとこれらに繋がる電気要素/回路)と、溶接装置および該手段と連絡が可能で、溶接装置21を調整するために溶接パラメータ値を示す信号を溶接装置に送ることが可能な部材25(例えば何らかの種類の制御装置)を具備する。調整は、溶接前および/または溶接中に実施されうる。手段23は、理論モデル24を使用できる。該モデルは、溶接工程の各区分に対応する少なくとも2つの独立の区分26、27(このうち少なくとも1つの区分はアークまたはその一部分を示す)を備える。各モデル区分26と27は、モデル要素13によって表される。図3も参照すると、モデル要素13は、モデル電源14とともに電気回路モデル12に含まれている。手段23は、電気回路モデル12から少なくとも1つの電気回路パラメータ13を計算でき、部材25で溶接工程の該少なくとも1つの溶接パラメータを調整することにより溶接装置21を制御するために、該少なくとも1つの溶接パラメータに関連するこのパラメータ値を使用することができる。
図4に図示されたように、手段23は、アーク溶接装置を直接制御する以外の目的のために、アーク溶接装置21と部材25なしで使用できる。従って、このような手段はアーク溶接工程のシミュレーション28のために、および/または、溶接作業により得られる溶接品質29の予測のために使用できる。
更に、該手段23および/または制御構造22は、本書に記載のいずれの方法を実施する時でも使用できる。
図5には、少なくとも1つの溶接パラメータ値を変更することによって調節可能な、溶接作業で使用されるアーク溶接装置を制御する方法に関するブロック図が示されている。該方法は、溶接作業と関連する溶接工程の理論モデルを使用31して、少なくとも1つの溶接パラメータ値を決定するステップ30と、該少なくとも1つの溶接パラメータ値を溶接装置の調節のために使用することにより溶接装置の操作と該操作に関連する溶接工程を制御するステップ32とを備え、ここで該決定ステップは、理論モデルにおいて、溶接工程を少なくとも2つの独立した区分(このうち少なくとも1つの区分は、アークまたはその一部分を表す)に分割するステップ33と、溶接工程の少なくとも2つの区分の各々とこれらに関連する1または複数の溶接パラメータをモデル要素で表すステップ34と、モデル要素とモデル電源を電気回路モデルに配置するステップ35と、該少なくとも1つの溶接パラメータに関連する少なくとも1つの電気回路モデルパラメータを電気回路モデルから計算するステップ36を備える。
図6には、アーク溶接工程をシミュレートする方法が図示されている。該方法は、溶接工程を表す理論モデルへデータを入力するステップ40と、溶接工程をシミュレート43する目的で、理論モデルと入力データを使用42して溶接工程の少なくとも1つの溶接パラメータ値を決定するステップ41とを備え、ここで該決定ステップは、理論モデルにおいて、溶接工程を少なくとも2つの独立した区分に(このうち少なくとも1つの区分は、アークまたはその一部分を表す)分割するステップ44と、該少なくとも2つの区分の各々とこれらに関連する一または複数の溶接パラメータをモデル要素で表すステップ45と、モデル要素とモデル電源を電気回路モデルに配置するステップ46と、該少なくとも1つの溶接パラメータに関連する少なくとも1つの電気回路モデルパラメータを電気回路モデルから計算するステップ47を備える。
図7には、アーク溶接作業から得られる溶接の品質を予測する方法に関するブロック図が示されている。該方法は、溶接作業と関連する溶接工程を表す理論モデルへデータを入力するステップ50と、理論モデルと入力データを使用52して溶接工程の少なくとも1つの溶接パラメータ値に関連する少なくとも1つの溶接特性を決定するステップ51とを備え、ここで該決定ステップは、理論モデルにおいて、溶接工程を少なくとも2つの独立した区分(このうち少なくとも1つの区分は、アークまたはその一部分を表す)に分割するステップ53と、溶接工程の少なくとも2つの区分の各々とこれらに関連する1または複数の溶接パラメータをモデル要素で表すステップ54と、モデル要素とモデル電源を電気回路モデルに配置するステップ55と、該少なくとも1つの溶接パラメータと該少なくとも1つの溶接特性に関連する少なくとも1つの電気回路モデルパラメータを電気回路モデルから計算するステップ56を備える。
該方法は、異なる目的のために使用できる。例えば、ある組み合わせの溶接パラメータについて溶接作業における金属液滴を予測すること、ある組み合わせの溶接パラメータについてアーク溶接作業における金属移行形態を予測すること、溶接作業における特定の金属移行形態を得るために少なくとも1つの溶接パラメータ値を計算すること、および/または、溶接前に自動アーク溶接装置を調節するために使用されることとなる少なくとも1つの初期設定値を計算すること等を目的として、使用できる。品質予測は、例えば、ある入力(つまり溶接パラメータの組み合わせ)にについて溶接継手の機械特性を予測するために使用でき、また逆に、ある入力(つまり溶接継手の機械特性)について1または複数の溶接パラメータ値を決定するために使用できる。本発明に係る方法と装置の重要な用途は、特定の溶接工程の特徴を予測することと、上記に記載したように、アーク溶接作業中に表れる金属移行形態を予測することである。これにより、ワイヤ送り速度や電流といった特定の溶接パラメータの関数として移行形態を予測し、よって、いわゆるショートアークまたはスプレーアーク形態の間の遷移領域を予測できる。
本方法の異なる実施形態では、溶接工程を分割するステップには、アーク−ワイヤ相互作用領域区分および/またはアーク領域区分および/またはアークカラム領域区分および/またはワイヤ区分および/またはワークピース区分が電気回路モデル12においてモデル要素13の1つによって独立的に表されるように溶接工程を分割することが含まれていてもよい。図3に従って電気回路モデル12を使用する本方法の実施形態では、本方法は、アーク領域区分6、ワイヤ区分5、ワークピース区分7(および(RL)restに対応する区分)のそれぞれが電気回路モデル12においてモデル要素13の1つによって独立的に表されるように溶接工程を分割するステップを備える。
更に、以下により詳細に説明する好適な実施形態では、アーク領域区分を示すモデル要素Raは、アークカラム領域区分9、アーク−ワイヤ相互作用領域区分8およびアーク−ワークピース相互作用領域区分10の物理モデルからの計算を通じて得られた情報によって決定される。
図8、9、10および11には、エネルギー、質量およびモーメントの連立方程式に基づく、下位区分を含む物理モデルの一例が図示されている。図8に図示されたように、ワイヤ、アーク、ワークピース、アーク−ワイヤ相互作用およびアーク−ワークピース相互作用が考慮されている。
図9では、アークカラム60は、平均的な直径61と、ワイヤ63の近くにアーク拡張遷移領域62とを有する円筒形導体である。図10において、溶接工程のアーク−ワイヤ相互作用領域区分は、異なる物理下位区分を通じて当該地帯の特性を説明するために、ワイヤにもっとも近い第一の地帯64(空間電荷地帯)と、アークカラムにもっとも近い第二の地帯65(イオン化地帯)に分割されている。同様に、図11の溶接工程のアーク−ワークピース相互作用領域は、異なる物理下位区分を通じて当該地帯の特性を説明するために、ワークピースにもっとも近い第一の地帯66(空間電荷地帯)と、アークカラムにもっとも近い第二の地帯67(イオン化地帯)に分割されている。以下では、本発明に関して使用しうる物理モデルを詳細に説明する。
物理モデル
アークモデル
上記に説明したように、溶接工程を異なる区分に分割し、アーク領域区分を下位区分、つまりアーク−ワイヤ相互作用領域区分、アークカラム領域区分、およびアーク−ワークピース相互作用領域区分に分割することができる。本章に記載のアークカラムは、ワイヤとワークピースの間の空間の大半を占める。この領域では、温度や圧力等の熱力学的変量の勾配はそれ程高くなく、システムは局所熱平衡状態にある。
ここで提案するアークモデルは、エネルギー、質量およびモーメントの連立方程式に基づく。アーク電流は、溶接工程で重要な役割を果たすローレンツ力を発生する。アークは通常、ワイヤチップの方向に収縮する。これは、ローレンツ力の軸方向の要素を上昇させる。従って、プラズマはワークピースの方向に加速させられる。溶接工程における電磁力は、アークの安定化と、材料のワークピースへの移行の双方にとって重要である。溶接アークの何らかの現象を予測するために、温度幅300−30000ケルビンのシールドガスの熱物理特性が必要である。アーク−ワイヤおよびアーク−ワークピース相互作用により、シールドガスは通常金属蒸気により汚染され、これがアークの物理特性に強く影響する。
ここで提案するアークモデルのための構造を図8に図示している。この構造により、シールドガス、ワイヤ材料及びワークピース材料の影響を考慮することが可能となる。
最新技術では、アークの詳細な二次元シミュレーションが知られている。しかし、そのようなシミュレーションでは、長時間の計算時間が必要となる。よって、アーク溶接工程を制御および監視するためにそのような道具を用いることは困難である。
本書では、代わりに、図8と図9に図示された構造を有する高速アークモデルが提案されている。該モデルは、以下の考慮に基づくものである。
−アークは、局所熱平衡状態にある。
−アークは、均一な温度と平均的な直径を有する円筒形導体とする。
−ワイヤとアークカラムの間のアーク拡張移行地帯が考慮される。
−アークの平均的な温度と直径は、アークのエネルギーバランスとステーンベックの最小原理から得られる。この原理は、アークのパワーロスの最小化に基づく。
−熱物理特性が、独立したモジュールで計算され、アークモデルに連結される。
−アーク−ワイヤ相互作用とアーク−ワークピース相互作用が考慮に入れられる。
本アークのエネルギーバランスは以下の通り。
Figure 0004410995
ここで、Lはアーク長さであり、Iは電気回路、σは電導性を意味する。Aはアークカラムの相互接触領域であり、VanとVcaはそれぞれ、陽極(ワイヤ)領域近くの、および、陰極(ワークピース)近くの電圧降下である。ρはガス密度、hとh0は特定のアークと環境のエンタルピーである。Uradは平均的な放射密度であり、これは全てアーク温度の関数である。vは平均的なガス速度を示す。アーク−陽極QA-Aとアーク−陰極QA-Cは、アーク−陰極およびアーク−陽極相互作用の詳細な物理モデルから得られる。
アンペラの法則と、拡張地帯における非圧縮フローのためのナビ−ストークの等式の積分を使用して、平均速度についての単純な等式を以下のように導くことができる。
Figure 0004410995
ここで、RarcとRwireはそれぞれ、アークカラムとワイヤの半径である。μoは磁場定数である。定数CaとCbは、陽極ワイヤの電流密度プロファイルに依存しており、CFDシミュレーションおよび単純な実験により導かれる。
蒸気の等式は、電力ロスの最小化とともに、アーク平均温度、アーク半径およびアーク電力−電圧特徴等の全ての必要な情報を提供する。
提案されたアークモデルの利点は次のとおりである。
−アークモデルは非常に高速に実行されうるので、本発明を実施するためのソフトウェアの一部として、且つ、例えば、アーク−ワイヤ相互作用のためのモデルと一緒に使用でき、液滴の形成および移動を予測できる。
アーク−ワークピース相互作用モデル
電極棒の近くでは温度と粒子密度が急勾配になる。これは、熱および化学平衡からの逸脱につながる。ワイヤ領域近くとワークピース領域近くの電圧降下は非常に高く、電極材料およびアーク−カラムプラズマ特性に依存することはよく知られている。従って、アーク溶接工程の予測には、電極棒近くの現象の物理特性を考慮に入れることが重要だ。この節では、アークとワークピースの間の相互作用のためのモデルを示す。モデルは以下に基づく。
−ワークピース近くの領域は2つの地帯:イオン化地帯と空間電荷地帯に分割される。
−粒子間の衝突は、空間電荷地帯で無視できる程度である。
−電子と重粒子は、2つの異なる温度を有する2つの流体と考えられる。
−イオンと電子の密度は、イオン化地帯では等しい。
−イオンと電子の密度は、空間電荷地帯では等しくない。
−電子放出機構は、熱場放射である。
−2つの地帯を説明する方程式は、該地帯に亘って積分される。
アーク−ワークピース相互作用領域モデルへの入力は、ワークピース材料と、アークカラム領域におけるプラズマ特性(温度と圧力)である。該モデルの出力は、アーク−ワーク相互作用領域の電圧降下と、電荷粒子に起因するワークピースからアークへの熱流束である。更に、中立粒子に起因する伝導熱流束がある。これらのデータは、アークカラムの広域的なエネルギーバランスに必要とされている。該モデルは、上記のアークモデルと容易に連結できるように適用される。
提案されたアーク−ワークピース相互作用モデルの利点は以下のとおりである。
−該モデルは、アークカラムモデルおよび/またはアーク−ワイヤ相互作用領域モデルと連結でき、アークのより完全な説明を可能とする。
−該モデルは、溶接の品質に影響する重要な要素であるワークピースへ向かう熱流束を正確に予測できる。
−該モデルは、ワークピースからの金属蒸気の比率を予測する。
−該モデルは非常に高速に実施される。これにより、例えば、アーク溶接作業を制御するためにモデルを使用する場合には、溶接作業を減速する必要がない。
−該モデルは、ワークピース材料の特性、例えば仕事関数および熱導性等を明瞭に考慮する。
ワークピース材料がアーク溶接工程に与える影響を例証するために、以下にその物理の概要を提示する。
プラズマからワークピースへのエネルギー束は、以下の式により与えられる。
Figure 0004410995
e、JemおよびJiは、プラズマ後方拡散電子の電流密度、放出電子の電流密度およびイオン電流密度をそれぞれ示す。Tw、TeおよびTiは、陰極壁、電子およびイオンの温度を示す。φcとEiは、空間電荷地帯の電圧降下とガスのイオン化エネルギーである。Φeffは有効な仕事関数であり、これは金属内部の電子の平均エネルギーと、金属の直ぐ外側の放出電子の平均エネルギーの間の差として定義される。qvapは、蒸化により運び去られたエネルギー束である。
イオン化地帯のエネルギーバランスは、図12において図示されたように要約できる。この図は、電子ガスにより受け取られた、全力密度の一部、ジュール効果が、弾力または非弾力衝突によって重粒子へ移行させられることを示す。エネルギーのそれ以外の部分は、放射と冷壁への熱流により損失する。
イオン化地帯の上記の調査によると、電気エネルギーの主要な損失はイオン化が原因である。これらの結果に基づくと、弾性衝突によるエネルギー損失は無視することができる。エネルギーバランスは、該地帯に亘って積分により単純化される。
Figure 0004410995
左側の第一項は、空間電荷地帯において加速させられた放出電子によってイオン化地帯にもたらされた電子の流束である。左側の第二項は、イオン化地帯の内側の電子に亘る電界の働きを表す。右側の第一項は、イオン化地帯を去り空間電荷地帯へ向かう電子により持ち出されたエネルギー束である。eJiEは、イオン化に起因する電子エネルギーの損失である。最後に、右側の最後の項は、イオン化地帯を去りアークカラム地帯へ向かう電子により持ち出されたエネルギー束である。
陰極領域の行動を予測できるためには、電流密度Je、JemおよびJiが必要とされる。これらの電流密度は、空間電荷地帯における粒子の詳細な動力学により得られる。
イオン電流密度と後方拡散した電子の電流密度が以下の式で与えられる。
Figure 0004410995
Figure 0004410995
熱イオン場放射の機構によると、放出された電子電流密度は、リチャードソン−ダッシュマンの方程式にショトキーの訂正を加えて、以下のように与えられる。
Figure 0004410995
上記の式では、hとmeは、それぞれプランクの定数と電子質量である。有効な仕事関数は、以下の式に従い電界に接続されている。
Figure 0004410995
Φ0、εおよびEcは、陰極壁における、ワークピース材料の仕事関数、誘電定数および電界強度である。
空間電荷地帯の端での電子およびイオン密度は、以下の式で近値で計算できる。
Figure 0004410995
ここで
Figure 0004410995
i0とkrは、平衡の限界の頂点におけるイオン−中立拡散係数と組み換え率である。
表された一組の等式は閉じられており、アーク溶接工程における陰極領域の特性またはアーク−ワークピース相互作用領域の特性を予測するために容易に解くことができる。
アーク−ワイヤ相互作用領域モデル
この節では、アークとワイヤ(陽極領域)の間の相互作用のためのモデルを示す。該モデルは以下に基づく。
−ワイヤ近くの領域は2つの地帯:イオン化地帯と空間電荷地帯に分割される。
−粒子間の衝突は、空間電荷地帯で無視できる程度である。
−電子と重粒子は、2つの異なる温度を有する2つの流体と考えられる。
−陽極領域を通じて、電子の温度は一定に維持される。
−イオン化地帯における電圧降下は無視できる程度である。
−ワイヤからの電子放出はないとする。
アーク−ワイヤ相互作用領域モデルへの入力は、ワイヤ材料と、アークカラム領域でのプラズマの特性(例えば温度と圧力)である。該モデルの出力は、アーク−ワイヤ相互作用領域に亘る電圧降下と、電荷粒子に起因するアークからワイヤへの熱流束である。これらのデータは、アークカラムの広域的なエネルギーバランスにおいて必要とされている。該モデルは、上記のアークモデルと容易に連動できるように適用される。
提案されたアーク−ワイヤ相互作用モデルの利点は以下のとおりである。
−該モデルは、アークカラムモデルおよび/またはアーク−ワークピース相互作用領域モデルと連結でき、アークのより完全な説明を可能とする。
−該モデルは、溶接工程を説明するのに重要な要素であるワイヤへ向かう熱流束を正確に予測できる。
−該モデルは、非常に高速で実施される。これにより、例えば、アーク溶接作業を制御するためにモデルを使用した場合には、溶接作業を減速する必要がない。
−該モデルは、ワイヤ材料の特性、例えば仕事関数等を明瞭に考慮する。
プラズマからワイヤへの全エネルギー束は、電荷粒子、熱伝導および放射に起因するアークからの損失から、ワイヤチップ表面の放射と蒸気化に利用される熱力量を減じて得られる。
Figure 0004410995
電荷粒子のエネルギー束については、電子のみが考慮される。これは、アーク−ワイヤ相互作用領域のイオン電流密度流束が、電子電流密度流束と比べて低いためである。
Figure 0004410995
電子の熱エネルギー、電界での加速の結果発生する電子の動的エネルギー、および、ワイヤ表面(接続自由)の位相の変形後の電子の潜在的エネルギーに起因するエネルギー束がある。Jeは電子の電流密度であり、Teはアーク−ワイヤ相互作用領域における電子温度である。電子温度は、アークモデルにより提供された平均アーク芯温度として計測される。Φはワイヤ表面の公称仕事関数であり(既知)、Vanは陽極領域に亘る電圧降下であり、これは主として空間電荷地帯での電圧降下からなる。
Figure 0004410995
ここで、Jeは動力学から得られる。
Figure 0004410995
ここで、neは陽極領域における電子密度であり、最新の等式、熱力学的平衡法則とアークの熱力学特性(温度、圧力)を用いて計算される。
アーク−ワイヤ相互作用領域に亘る電圧降下を得るために、イオン電流密度jiが考慮される。以下の関係は動力学から計算される。
Figure 0004410995
ここで、niはイオン化地帯のイオン密度であり、これは電子密度neと等価である。全電流密度jを知っている場合、
Figure 0004410995
アーク−ワイヤ相互作用領域における電圧降下が得られる。
アークからの熱伝導は、イオンに作用する陽極領域での温度の勾配と、アーク−ワイヤ相互作用領域の電子とイオンの動的エネルギーに起因する熱流束の結果生じる。
Figure 0004410995
ここで、ViとVeはそれぞれ、イオンと電子の速度であり、熱力学的平衡において動力学により与えられる。
アークからの放射力は、ワイヤチップ表面に到達するアークにより全体的に放射された力の分数である。
Figure 0004410995
ここで、εeffはアークの有効な放射係数であり、これは、シリンダと仮定すると、ワイヤの方向に向くシリンダ表面の分数と、アークカラムの放射係数を掛けることから推定できる。
ワイヤチップ表面の蒸発に起因するエネルギー束は、蒸発率とワイヤ材料の潜熱の積から得られる。
Figure 0004410995
ここで、蒸発率はアークカラム圧力とワイヤチップ表面温度の関数として表すことができる。
Figure 0004410995
ワイヤチップ表面からの放射に起因するエネルギー束は以下の式で与えられる。
Figure 0004410995
唯一未知の事項が、ワイヤチップ表面温度Tansである。この温度は、ワイヤモデルから得ることができる。単純な推定は、ワイヤ材料の溶解温度に等しいとすることである。
上記の一組の等式は閉じられており、アーク溶接工程における陽極領域の特性またはアーク−ワイヤ相互作用領域の特性を予測するために解くことができる。
ワイヤモデル
アーク溶接工程では、アークからワイヤへ熱が移行するために、ワイヤチップに液滴が急激に発生する。ここを離れアークを伝ってワークピースへ移行した液滴は、溶接の体積変形や機械特性の変化の原因となる。以下では、液滴からワークピースへの、質量、熱およびモーメントの移行を予想するためのモデルを提案する。
ワイヤチップの溶解金属の形状は、時間依存性の力、例えば、重力、惰性、表面張力、電磁力、アーク圧力の影響、ガス流による粘性抵抗等により影響される。液滴の形成メカニズムに関係する熱物理現象に関する広範な説明は、計算ドメインにおける層流とプラズマの局所熱平衡状態の条件におけるプラズマ−電子相互作用の詳細な分析に基づく二次元コンピュータツールにより正確に形成されうる。しかし、これらの作業に必要な計算は時間がかかり、溶接作業において溶接品質を制御および/または監視するために使用されることとなるユーザインターフェースソフトウェアにおいては受け入れられない。
この問題への簡単な対処方法として、蒸発、ワイヤからの金属移行、アーク電流によるワイヤにおけるオーム加熱およびプラズマからの電流移行の結果により左右されるワイヤの一次元エネルギーバランスを考慮することができる。
ワイヤ表面からワイヤチップへの蒸発と、
Figure 0004410995
ワイヤチップから離れた液滴の形状での金属移行が原因での熱損失と、
Figure 0004410995
アーク電流によるワイヤにおける加熱と、
Figure 0004410995
ワイヤチップでプラズマから液滴へ移行した熱に起因して、
突出ワイヤの総体積に亘る積分値のための熱移行過程が以下のように定義されるとき、
Figure 0004410995
準定常状態の形態で、ワイヤの総エネルギーバランスは以下のように説明される。
Figure 0004410995
上記の関係では、Vwは突出ワイヤの総体積であり、Sはワイヤの全外側表面であり、Sc=πr2は、z=0(T=300K)でのワイヤの端のワイヤの断面面積であり、rはその半径である。数量Cp、kおよびρはそれぞれ、特定の熱、局所ワイヤ温度でのワイヤ材料の熱導性と密度である。Tmeanは分離時の平均的な液滴温度であり、V0はワイヤ送り速度である。ワイヤチップにおけるg.s-1における蒸発率は、qev=Peva/4(maba/3)0.5と示される。Pevとmaはそれぞれ蒸気圧力とワイヤの原子質量であり、kbはボルツマン定数であり、Taはワイヤ表面の温度である。他の記号は以下のとおりである:Lはワイヤ材料の蒸発の潜熱、eは初期電荷、jiはプラズマからのイオン電流密度、jeはプラズマからの電子電流密度、総電流密度はjで示され;Tpはワイヤの前面温度であり、Φはワイヤ表面の公称仕事関数であり;σは電導性を示し、Viはプラズマガスの第一のイオン化電位であり、Vsはワイヤ領域のシースに亘る電圧降下である。
この近似では、プラズマから中性粒子を通る従来の熱伝導、ワイヤ端と黒体放射を通る伝導は、これらの効果がEV、Em、Eoh,Eeと比べて小さいことを理論的に示すことができるので、無視される。
プラズマからワイヤへ移行した熱は、以下のように表すことができる。
Figure 0004410995
時間依存的なエネルギー保存方程式を小さな時間ステップで解くことにより
Figure 0004410995
(ここで、Fは熱入力Saに関する項である)プラズマから、ワイヤの温度プロファイルを得ることができる。したがって、ワイヤチップの溶解長さを時間関数として推定しうる。
溶解ワイヤが、ある組み合わせの溶接パラメータについて重要な長さLcritに到達したときに、液滴の形態での金属移行が発生する。液滴の体積の推測は、各時間ステップでのワイヤチップの溶解金属まわりの表面張力、電磁力、重力、アーク圧力および粘性抵抗力の単純化した式を使用して、ワイヤ領域の動的処理から推定されうる。
時間t=0の時の電極の当初の形状は、ワイヤチップで溶解液体の約0.1cmの厚い層により覆われたワイヤの直径と等しい直径を有する円筒形状と考えることができる。当初の条件は、無変形の円筒形状の移動し続けるワイヤとともに作動しているアークに対応することである。
ワイヤモデルに必要な入力は、アーク電流、ワイヤ送り速度、ワイヤ直径、当初の電極棒の間の分離した距離、トーチ角度とアークの特徴である。後者は、アークモデルからの出力により該モデルへ供給されてよい。
出力は、分離頻度、分離した溶解金属の液滴の体積、液滴の平均温度、および、分離時のアークカラムの軸で液滴により支持された加速を含む。この結果は、ガスアーク溶接工程のための継手の補強を評価するための情報とワークピースのジオメトリを提供するであろう。同じく該モデルから利用可能になるのは、ワイヤの突出長さと抵抗であり、これによって、以下に記載の単純化モデル以上に正確にアーク長さを計算できる。
第一ステップとして、ワイヤのための単純化したモデルが使用された。アーク長さは、ワイヤ送り速度Wfrとワイヤ溶解率の間のバランスから得られ、
Figure 0004410995
ここで、τは、熱入力の変化からアーク長さの変化を遅らせた時間定数である。突出ワイヤの抵抗Ranは、定数突出温度を想定して計算され、
Figure 0004410995
ここで、ζはワイヤの電気抵抗であり、Awはワイヤの断面面積であり、Dはノズルとワークピースの間の距離である。Lは、該モデルの出力であるアーク長さである。
パワー入力は、突出ワイヤのオーム加熱と、アークからワイヤへのエネルギー移行の双方を考慮する。ワイヤ溶解率は、パワー入力を、ユニット長さδHあたりのワイヤエンタルピーと関連付けることにより得られる。後者は、陽極における電子吸収に起因するエネルギー放出と、電子により運ばれた熱エネルギーを説明する。
Figure 0004410995
ここで、Φanは陽極材料の仕事関数であり、kBはボルツマン定数である。Teは電子温度であり、eは電子電荷である。
ワークピースモデル
複数の可変的工程の区分として、自動化されたアーク溶接は、いわゆる間接溶接パラメータ(IWPs)により定義されうる。該パラメータは、直接溶接パラメータ(DWPs)の得られる組み合わせを有する一組の材料パラメータ(MPs)に作用する。IWPは、あるMPについて適切に選択されなければならない。DWPsは、最適な溶接ビード幅、浸透および外観等の指定により明瞭に決定される。
アーク溶接の制御に関し考慮するべき基本的な問題は、制御対象の決定と、該工程における動作を制御するためにアクセス可能なパラメータの決定である。図13と図14を参照。
提案されたソフトウェアで実行されることとなる品質制御機能性は、以下のものからなってよい。
−工程安定性監視、つまり、例えば、アーク電圧または電流強度等の測定および予測された平均IWPsに基づくタイムドメイン統計分析による高速トラッキング。これは、妨害入力(ガン−トゥ−ワークピース距離における異常、不十分なシールドガス被覆等)を検出できる。有利には、視覚センサと音探知が使用できる。
−MPsとIWPsに基づく高速高度物理モデルからの工程パラメータ設定による溶接継手の機械特性とジオメトリ(DWPs)の品質保証。該モデルは、溶接池の現象(アーク効力、液滴、ガスおよび不純物の拡散等)および微細構造基準(微細位相、残余圧力、転位等)からの詳細なアーク−ワークピース相互作用を含んでよい。
1つのワークピースモデルが図17に図示されている。実際、溶接特性のモデル化は、継手の特定のジオメトリのために訓練されたニューラルネットワークに基づく場合が多い。ニューラルネットワークは、パラメータ化された非線形回帰モデルである。図14を参照。それらは、物理モデルが確立困難であるかまたは不在のときに、複雑な複数の可変的なシステムの処理のために適応した解決を提供できる。また、ニューラルネットワークを使用するプログラムは、アークからのモーメント移動、質量、熱、および液滴のワークピースへの落下を含まなくてはならない。実際、これらの数量は、溶接の全体的なジオメトリとその固有の品質に著しい結果を有する場合がある。ニューラルネットワークの精緻化に重要な要素は、入力パラメータの特徴的な大きさの重量(図15のWj (i))の制御である。この作業では、入力関数としてネットワークの最適の記述が得られるまで、重量が体系的に変化される場合、該ネットワークが既知の出力の組み合わせから予備的に訓練されていることが必要となる。ワークピースをモデル化する他の可能性のなかで、ニューラルネットワークプログラムは、アーク溶接ロボットにより特定の条件下(軟鋼、ガスシーリング、ワイヤ速度、ワイヤ送り速度、プレート厚さ等)で得られた重力継手(gravity joints)において訓練されうる。
GWA溶接工程中の溶接の固化は、図16に図示したように、溶接池での熱移行条件に拠る。溶解メカニズムと得られた溶接の特性は、分析的にモデル化するのは複雑である。ニューラルネットワークは、ワークピースのモデルの適当な代替となることができる。
溶接の形状と機械特性は、液滴、水蒸気、アーク圧力、分子汚染により積極的に影響を受けた溶接池における溶解金属の流れを誘導する、電磁力、表面張力、浮力により強く影響を受けうる。これらの現象の分析的なモデルによる溶接品質の正確且つ十分な予測は提供が困難であり得る。というのは、これには、境界システムを動かすための適切な計算方法を含む最適な計算ルーチンと詳細なコンピュータ化が要求されるためである。
ニューラルネットワークは、強力なパラメータ化された非線形回帰モデルである。該モデルには、モデル化されることとなるシステムに関する基本的な知識は必要ない。それらは、一般的に一連の重量化された変数(入力パラメータXi)として表現でき、
Figure 0004410995
非線形回帰移行関数(隠れた変数)の独立変数を形成する。
例:
Figure 0004410995
ある1つの隠れたユニットモデル(hj=h,y=w(2)H+θ(2)出力パラメータ)は、十分に可撓性があるわけではないため、複数の非線形回帰移行関数(出力パラメータy)を結合することにより、非線形性をさらに導入できる。
Figure 0004410995
上記の方程式により、ニューラルネットワークは、ほぼ自由に非線形関係を捉えることができる。ニューラルネットワークが複雑性を操作する能力は、回帰移行関数の数、つまり、隠されたレイヤの数と非常に関係している。ニューラルネットワークの精緻化に重要な要素は、入力数量の特徴的な大きさの重量(Wi (j))の制御である。この作業においては、入力関数としてネットワークの最適の記述が得られるまで、重量が体系的に変更される場合、該ネットワークが周知の出力の組み合わせから予め訓練されていることが必要である。過剰適合の問題を回避するために、多数の手続きを開発できる。場合によっては、ありえそうな重量の組み合わせの分配を考慮する(特異な分配を用いるのではなく)ことによって、適合の不明確さを定義するためにエラー推測を計算することもできる。
ニューラルネットワークは、熱および質量の移行の溶接ジオメトリへの影響をモデル化するために、アーク溶接エンドユーザソフトウェアの部分として製造されてもよい。しかし、すでに上記で述べたように、多くの実験パラメータがアーク溶接工程に影響できる(例えば、ワイヤ特性、シールドガス特性、電源、ワイヤ送り速度、溶接速度、電極突出長さ等。図を参照)。わずか3レベルのバリエーションでのわずか10パラメータの体系的調査では、310、つまり、約59.103の組み合わせを探せる可能性が生じることとなる。理論的なアークに関する知識は、アーク電流、溶接速度および材料特性が主として、ワークピースへの熱および質量の移行の原因であることを示唆する。GMAW工程は、それぞれ、電気回路、ワイヤ(陽極)、アーク、ワイヤとアークの間の相互作用(つまり液滴形成)、アークとワークピースの間の相互作用、およびワークピーク自体(陰極)のための独立した相互依存的なモジュールに分解されうる。ワークピースのニューラルネットワークモデルを作成するために製造されるべき溶接の量は、様々なモジュールに関するモデル結果と、テストされたモジュール機能に特有の数個の関連した実験的テストケースとを連続的に比較(その他の側面で、他のモジュールの重要なパラメータは固定されている)することにより、合理的な少数量へ減少できる。この目的において、実験に使用されることとなる溶接器具のインターン抵抗、インダクタンスおよび抵抗は、事前に測定されなければならず、溶接中の工程信号(例えば、アーク電流および電圧、ワイヤ送りシステムからの符号化信号等)の記録は、取得装置により実行されなくてはならない。電気回路のためのモジュールの検証は、測定されたアーク電流および電圧と、異なる溶接モード(ショートアーク、スプレー、ラピッドアーク)の場合の異なるワイヤ送り速度と供給電圧におけるこれらの数量の予測値とを比較することにより達成できる(その他の側面で、他の全てのパラメータはモデルと実験の間で一定且つ同一に維持される)。質量移行モード(つまり落液滴)のシミュレーションのためのワイヤモデルの検証は、同様の方法で、複数の寸法のワイヤ直径から平均質量移行を更に測定することにより達成できる。アークモデルの検証は、異なるシールドガスとワイヤ直径について供給電圧と突出長さを変更することにより達成できる(他の全てのパラメータは一定に維持される)。各モデルの調整は、各モジュールの検証の間ステップごとに実施されなくてはならない。結局、ワークピースへの質量および熱の移行の完全な影響をモデル化するために行われる実験は、単純に、トーチおよびプッシュ/ドラッグ角度、溶接速度、プレート厚さ、プレート材料および継手の構成の影響に関係する(その他全ての側面は、以前に検証された他のルーチンで取り込まれているはずである)。ソフトウェアの最大適用可能性のために、実験は、目的とするソフトウェアの市場に応じて、例えば重力構成その他の水平−垂直構成からなる様々な継手(たとえばオーバーラップ、T継手)において実行されるべきである。
アーク依存モデルから、ワークピースのニューラルネットワークモデルへの入力として、電極棒とイオンの温度分布、ワークピース表面での種と蒸発率の両方に起因する電流強度は、検証されたモデルにより確立された事前に計算されたマトリクスからアクセス可能である。移行する液滴の質量、熱および速度もまた、ワイヤに関する検証されたモデルにより得られた予測からのニューラルネットワークの入力として参照される。
ニューラルネットワークの出力は、ジオメトリまたは機械的特性のいずれかにより定義された溶接品質を決定すべきである。ソフトウェアの完成バージョンは、ありうる全ての側面の品質を含むこととなる。品質が溶接形状と関連ある場合、出力は、溶接ジオメトリの寸法からなる。予測された溶接ジオメトリのスケッチが表示されるか、または、標準EN−25817による寸法がエンドユーザのインタフェースに表示されるであろう。品質が機械特性と関連ある場合、出力は例えば、産出強さ、最高張力強さ、シャルビー強度および硬度脆化等の予測値からなるであろう。
アーク溶接工程の該略図。 アーク溶接作業時のワイヤとワークピースの間の空間の電圧分布の概略図。 アーク溶接工程を示す電気回路モデルの図。 本発明の装置と本発明の適用の該略図。 本発明の方法のブロック図。 本発明の他の方法のブロック図。 本発明の他の方法のブロック図。 アークの物理モデルの該略図。 物理モデルで定義されたアークのジオメトリの図。 アーク溶接工程のアーク−ワイヤ相互作用領域の物理モデルの図。 アーク溶接工程のアーク−ワークピース相互作用領域の物理モデルの図。 イオン化地帯のエネルギーバランスの図。 異なる種類の溶接パラメータ。 ガス金属アーク溶接により製造された水平−垂直すみ肉継手のワークピースモデル化のための概略定義図。 非線形回帰モデルの一例。 ワークピースの分析モデル。 ワークピースの分析モデル。

Claims (35)

  1. 少なくとも1つの溶接パラメータ値を変更することによって調節可能な、溶接作業で使用されるアーク溶接装置を制御する方法であって、
    −溶接作業に関連する溶接工程の理論モデルを使用(31)して、前記少なくとも1つの溶接パラメータ値を決定するステップ(30)と、
    −該少なくとも1つの溶接パラメータ値を溶接装置の調整のために使用することによって、溶接装置の操作と該操作に関連する溶接工程を制御するステップ(32)
    を備え、前記決定ステップが、
    −理論モデルにおいて、溶接工程を少なくともワイヤ区分(5)、アーク領域区分(6)及びワークピース区分(7)を含む複数の独立の区分に分割するステップ(33)、
    −該複数の溶接工程区分の各々とこれらに関連する一または複数の溶接パラメータをモデル要素で表すステップ(34)、
    −モデル要素とモデル電源を電気回路モデルに配置するステップ(35)、および
    −前記少なくとも1つの溶接パラメータに関連する少なくとも1つの電気回路モデルパラメータ値を電気回路モデルから計算するステップ(36)、
    を備え、
    前記ワークピース区分(7)を表すモデル要素としてニューラルネットワークが使用されることを特徴とする、アーク溶接装置の制御方法。
  2. アーク溶接工程をシミュレートする方法であって、
    −溶接工程を表す理論モデルへデータを入力するステップ(40)と、
    −溶接工程をシミュレート(43)する目的で、前記理論モデルと前記入力データを使用(42)して、溶接工程の少なくとも1つの溶接パラメータ値を決定するステップ(41)
    を備え、該決定ステップが、
    −理論モデルにおいて、溶接工程を少なくともワイヤ区分(5)、アーク領域区分(6)及びワークピース区分(7)を含む複数の独立の区分に分割するステップ(44)、
    −該複数の溶接工程区分の各々とこれらに関連する一または複数の溶接パラメータをモデル要素で表すステップ(45)、
    −モデル要素とモデル電源を電気回路モデルに配置するステップ(46)、および
    −前記少なくとも1つの溶接パラメータに関連する少なくとも1つの電気回路モデルパラメータ値を電気回路モデルから計算するステップ(47)、
    を備え、
    前記ワークピース区分(7)を表すモデル要素としてニューラルネットワークが使用されることを特徴とする、アーク溶接工程をシミュレートする方法。
  3. アーク溶接作業から得られる溶接の品質を予測する方法であって、
    −該溶接作業と関連する溶接工程を表す理論モデルへデータを入力するステップ(50)と、
    −前記理論モデルと前記入力データを使用して、溶接工程の少なくとも1つの溶接パラメータに関連する少なくとも1つの溶接特性を決定するステップ(51)
    を備え、該決定ステップが、
    −理論モデルにおいて、溶接工程を少なくともワイヤ区分(5)、アーク領域区分(6)及びワークピース区分(7)を含む複数の独立の区分に分割するステップ(53)、
    −該複数の溶接工程区分の各々とこれらに関連する一または複数の溶接パラメータをモデル要素で表すステップ(54)、
    −モデル要素とモデル電源を電気回路モデルに配置するステップ(55)、および
    −前記少なくとも1つの溶接パラメータと前記少なくとも1つの溶接特性に関連する少なくとも1つの電気回路モデルパラメータ値を電気回路モデルから計算するステップ(56)、
    を備え、
    前記ワークピース区分(7)を表すモデル要素としてニューラルネットワークが使用されることを特徴とする、溶接の品質を測定する方法。
  4. −溶接工程のアーク−ワイヤ相互作用領域区分(8)が電気回路モデル(12)において上記モデル要素(13)の1つによって独立的に表されるように溶接工程を分割するステップ、
    を備えることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
  5. −溶接工程のアーク−ワークピース相互作用領域区分(10)が電気回路モデル(12)において上記モデル要素(13)の1つによって独立的に表されるように溶接工程を分割するステップ、
    を備えることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか1項に記載の方法。
  6. −溶接工程のアーク−ワイヤ相互作用領域区分(8)が電気回路モデル(12)において上記モデル要素(13)の1つによって独立的に表されるように溶接工程を分割するステップ、および/または、
    −溶接工程のアーク−ワークピース相互作用領域区分(10)が電気回路モデル(12)において上記モデル要素(13)の1つによって独立的に表されるように溶接工程を分割するステップ、
    を備えることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
  7. −溶接工程のアークカラム領域区分(9)の物理モデルからの計算を通じて得られた情報によって、アーク領域区分(6)を表すモデル要素を決定するステップ、
    を備えることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれかに記載の方法。
  8. −溶接工程のアーク−ワイヤ相互作用領域区分(8)の物理モデルからの計算を通じて得られた情報によって、アーク領域区分(6)を表すモデル要素を決定するステップ、
    を備えることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
  9. −溶接工程のアーク−ワイヤ相互作用領域区分(8)を、ワイヤにもっとも近い第一の地帯(64)と、アークカラム領域区分(9)にもっとも近い第二の地帯(65)に分割し、異なる物理下位区分を通じて当該地帯の特性を説明するステップ、
    を備えることを特徴とする、請求項8に記載の方法。
  10. −溶接工程のアーク−ワークピース相互作用領域区分(10)の物理モデルからの計算を通じて得られた情報によって、アーク領域区分(6)を表すモデル要素を決定するステップ、
    を備えることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
  11. −溶接工程のアーク−ワークピース相互作用領域区分(10)を、ワークピースにもっとも近い第一の地帯(66)と、アークカラム領域区分(9)にもっとも近い第二の地帯(67)に分割し、異なる物理下位区分を通じて当該地帯の特性を説明するステップ、
    を備えることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
  12. −アーク空間における拡張から独立した少なくとも1つの等式によってアークを説明する物理モデルによってアーク領域区分(6)を表すモデル要素を決定するステップ、
    を備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
  13. −時間にのみ依存する少なくとも1つの等式によってアークを説明する物理モデルによってアーク領域区分(6)を表すモデル要素を決定するステップ、
    を備えることを特徴とする、請求項12に記載の方法。
  14. −溶接工程のアークカラム領域区分(9)が電気回路モデル(12)において上記モデル要素(13)の1つによって独立的に表されるように溶接工程を分割するステップ、
    を備えることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
  15. 少なくとも1つの溶接パラメータ値を変更することによって調節可能な、溶接作業で使用されるアーク溶接装置(21)と、アーク溶接装置の作業を制御するための構造(22)とを備える装置であって、該制御構造は、溶接工程の理論モデル(24)を使用して少なくとも1つの溶接パラメータ値を決定できる手段(23)と、溶接装置を調整するために該少なくとも1つの溶接パラメータ値を用いて溶接装置の作業とこれに関連する溶接工程を制御できる部材(25)を含み、
    該手段(23)は、溶接工程のワイヤ区分(5)、アーク領域区分(6)及びワークピース区分(7)を少なくとも含む複数の異なる区分に対応する複数の独立のモデル区分(26,27)を有する理論モデル(24)を使用することができ、各モデル区分はモデル要素(13)によって表わされ、モデル要素はモデル電源(14)とともに電気回路モデル(12)に含まれ、前記手段(23)は、電気回路モデルから、少なくとも1つの溶接パラメータに関係する少なくとも1つの電気回路モデルパラメータ値を前記部材(25)による制御のために計算でき、前記ワークピース区分(7)に対応するモデル要素としてニューラルネットワークが使用されることを特徴とする装置。
  16. 前記手段(23)が、電気回路モデル(12)においてモデル要素(13)の1つによって独立的に表される溶接工程のアーク−ワイヤ相互作用領域区分(8)を有する理論モデル(24)を使用できることを特徴とする、請求項15に記載の装置。
  17. 前記手段(23)が、電気回路モデル(12)においてモデル要素(13)の1つによって独立的に表される溶接工程のアーク−ワークピース相互作用領域区分(10)を有する理論モデル(24)を使用できることを特徴とする、請求項15に記載の装置。
  18. 前記手段(23)が、電気回路モデル(12)においてモデル要素(13)の1つによって独立的に表される溶接工程のアーク−ワイヤ相互作用領域区分(8)、および/または、電気回路モデル(12)においてモデル要素(13)の1つによって独立的に表される溶接工程のアーク−ワークピース相互作用領域区分(10)を有する理論モデル(24)を使用できることを特徴とする、請求項15に記載の装置。
  19. 前記手段(23)が、アーク領域区分(6)を表すモデル要素(13)を決定する際に使用されることとなる溶接工程のアークカラム領域区分(9)の物理モデルからの計算を通じて得られた情報を有する理論モデル(24)を使用できることを特徴とする、請求項15に記載の装置。
  20. 前記手段(23)が、アーク領域区分(6)を表すモデル要素(13)を決定する際に使用されることとなる溶接工程のアーク−ワイヤ相互作用領域区分(8)の物理モデルからの計算を通じて得られた情報を有する理論モデル(24)を使用できることを特徴とする、請求項15に記載の装置。
  21. 前記手段(23)が、異なる物理下位区分を通じてそれらの地帯の特性を説明するために、ワイヤにもっとも近い第一の地帯(64)と、アークカラム領域区分(9)にもっとも近い第二の地帯(65)に分割された溶接工程のアーク−ワイヤ相互作用領域区分(8)を有する理論モデル(24)を使用できることを特徴とする、請求項20に記載の装置。
  22. 前記手段(23)が、アーク領域区分(6)を表すモデル要素(13)を決定する際に使用されることとなる溶接工程のアーク−ワークピース相互作用領域区分(10)の物理モデルからの計算を通じて得られた情報を有する理論モデル(24)を使用できることを特徴とする、請求項15に記載の装置。
  23. 前記手段(23)が、異なる物理下位区分を通じてそれらの地帯の特性を説明するために、ワークピースにもっとも近い第一の地帯(66)と、アークカラム領域区分(9)にもっとも近い第二の地帯(67)に分割された溶接工程のアーク−ワークピース相互作用領域区分(10)を有する理論モデル(24)を使用できることを特徴とする、請求項22に記載の装置。
  24. 前記手段(23)が、アーク空間の拡張から独立した少なくとも1つの等式によってアーク領域区分(6)を説明する物理モデルによって決定されたモデル要素を使用できることを特徴とする、請求項15に記載の装置。
  25. 前記手段(23)が、時間にのみ依存する少なくとも1つの等式によってアーク領域区分(6)を説明する物理モデルによって決定されたモデル要素を使用できることを特徴とする、請求項24に記載の装置。
  26. 前記手段(23)が、電気回路モデル(12)においてモデル要素(13)の1つによって独立的に表される溶接工程のアークカラム領域区分(9)を有する理論モデル(24)を使用できることを特徴とする、請求項15に記載の装置。
  27. ある一組の溶接パラメータに関するアーク溶接作業での金属液滴の形成を予測するために、請求項2ないし14のいずれか1項に記載の方法を使用する方法。
  28. ある一組の溶接パラメータに関するアーク溶接作業での金属移行形態を予測するために、請求項2ないし14のいずれか1項に記載の方法を使用する方法。
  29. 溶接作業において特定の金属移行形態を得るために必要な少なくとも1つの溶接パラメータ値を計算するために、請求項1ないし14のいずれか1項に記載の方法を使用する方法。
  30. 自動アーク溶接装置を溶接前に調整するために使用されることとなる少なくとも1つの初期設定値を計算するために、請求項1ないし14のいずれか1項に記載の方法を使用する方法。
  31. 請求項1ないし14のいずれか1項に記載の方法を実施するためのコンピュータプログラム。
  32. 請求項1ないし14のいずれか1項に記載の方法のステップをプロセッサに実行させることができるコード手段および/またはソフトウェアコード部分を備える、コンピュータプログラム。
  33. 請求項15ないし26のいずれか1項に記載の装置を操作するためのコンピュータプログラム。
  34. 少なくともその一部がインターネット等のネットワークを通じて提供される、請求項31ないし33のいずれか1項に記載のコンピュータプログラム。
  35. 請求項31ないし34のいずれか1項に記載のコンピュータプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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