以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
[実施形態1]
図1は本発明の半導体装置、すなわち、レベルシフタ回路101実現する実施形態1の模式図であり、図2はその具体的な回路図である。
レベルシフタ回路101は、図1に示すように、第1のレベルシフタ回路を構成するフィードバック型レベルシフタ回路11と第2のレベルシフタ回路を構成する非フィードバック型レベルシフタ回路21で構成される。フィードバック型レベルシフタ回路11の反転出力信号端子OUTXに非フィードバック型レベルシフタ回路21の入力信号端子INが接続され、フィードバック型レベルシフタ回路11のフィードバック信号端子FBXに非フィードバック型レベルシフタ回路21の出力信号端子OUTが接続される。
図2を用いて第1のレベルシフタ回路と第2のレベルシフタ回路の構成を説明する。
第1のレベルシフタ回路を構成するフィードバック型レベルシフタ回路11は以下を構成する。低振幅の信号を入力する入力信号端子INにコンデンサC11、C12が接続され、コンデンサC11の他端にPチャネル型トランジスタP21が接続され、コンデンサC12の他端にNチャネル型トランジスタN21が接続される。トランジスタP21のソースに高位側電位VHの供給線が接続され、トランジスタN21のソースに低位側電位VLの供給線が接続される。そして、トランジスタP21とトランジスタN21のドレインは共通接続され反転出力信号端子OUTXに接続される。反転出力信号端子OUTXは後述する駆動回路301,302に接続される。
コンデンサC11の他端には、第1のオフセット回路が接続される。第1のオフセット回路は、Pチャネル型トランジスタP23とNチャネル型トランジスタN23、Nチャネル型トランジスタN22から構成される。トランジスタP23とトランジスタN23は直列接続され、各々のゲートがコンデンサC11の他端に接続される。トランジスタP23のソースに高位側電位VHの供給線が接続され、トランジスタN23のソースに低位側電位VLの供給線が接続される。そして、トランジスタP23とトランジスタN23のドレインは共通接続され、トランジスタP23とトランジスタN23のゲートにも共通接続される。さらに、トランジスタN22のドレインに接続される。トランジスタN22のソースに低位側電位VLの供給線が接続される。
また、コンデンサC12の他端には、第2のオフセット回路が接続される。第2のオフセット回路は、Pチャネル型トランジスタP24とNチャネル型トランジスタN24、Pチャネル型トランジスタP22から構成される。トランジスタP24とトランジスタN24は直列接続され、各々のゲートがコンデンサC12の他端に接続される。トランジスタP24のソースに高位側電位VHの供給線が接続され、トランジスタN24のソースに低位側電位VLの供給線が接続される。そして、トランジスタP24とトランジスタN24のドレインは共通接続され、トランジスタP24とトランジスタN24のゲートにも共通接続される。さらに、トランジスタP22のドレインに接続される。トランジスタP22のソースに高位側電位VHの供給線が接続される。
そして、トランジスタN22とトランジスタP22の各々のゲートは共通接続され、フィードバック信号端子FBXに接続される。
第2のレベルシフタ回路を構成する非フィードバック型レベルシフタ回路21は以下を構成する。フィードバック型レベルシフタ回路11の出力信号端子OUTからの信号を入力する入力信号端子INに2段のインバータ回路が接続される。すなわち入力信号端子INに直接接続される第1のインバータ回路は、Pチャネル型トランジスタP31とNチャネル型トランジスタN31で構成される相補型トランジスタで構成され、トランジスタP31のソースに高位側電位VHの供給線が接続され、トランジスタN31のソースに低位側電位VLの供給線が接続される。
第2のインバータ回路は、Pチャネル型トランジスタP32とNチャネル型トランジスタN32で構成される相補型トランジスタで構成され、トランジスタP32のソースに高位側電位VHの供給線が接続され、トランジスタN32のソースに低位側電位VLの供給線が接続される。
そして、第1のインバータ回路を構成する相補型トランジスタのドレインと第2のインバータ回路を構成する相補型トランジスタのゲートが接続される。第2のインバータ回路を構成する相補型トランジスタのドレインには出力信号端子OUTが接続され、この出力信号端子OUTはフィードバック型レベルシフタ回路11eのフィードバック端子信号FBXに接続される。
次に、レベルシフタ回路101の動作を、図3で示す本実施形態1の第2レベルシフタ回路のないフィードバック型レベルシフタ回路を対比例として対比しながら説明する。
まず図2のフィードバック型レベルシフタ回路11において入力信号端子INをLOW(電位VLとする)、出力信号端子OUTX及び反転フィードバック信号端子FBXをHIGH(電位VHとする)の状態を初期状態として想定する。するとトランジスタN22はON、トランジスタP22はOFFであり、従ってノードAの電位は中間電位より下がり、ノードBの電位は中間電位にほぼ等しい。ここで中間電位とはトランジスタN22(あるいはトランジスタP22)が完全にOFFした状態でのトランジスタN23とトランジスタP23(あるいはトランジスタN24とトランジスタP24)によってノードA(あるいはノードB)に与えられる電位であり、トランジスタN23とトランジスタP23(あるいはN24とP24)が完全に対称な特性である場合は(VH+VL)÷2で与えられる。
このため、トランジスタN21はおよそ(VH+VL)÷2をVgsとして与えられたONとOFFの中間の状態(以下、ON−OFF中間状態と称す)となり、トランジスタP21はほぼONとなる。従って抵抗分割により反転出力信号端子OUTXの電位は(VH+VL)÷2で与えられる電位とVHの中間の値になる(VH’とする)。ここで第2のレベルシフタ回路である非フィードバック型レベルシフタ21によってVH’電位は昇圧され反転フィードバック信号端子FBXにはほぼVHの電位が与えられてこの状態で固定される。
一方、図3に示す対比例のレベルシフタ回路102では、反転フィードバック信号端子FBXにVH’の値が入力されて反転出力信号端子OUTXの電位はさらに少し低下するということを繰り返し、やがてある値(VH’’)に落ち着くが完全にVHに等しくはならない(VH’’<VH’<VH)。
次に本実施形態1のレベルシフタ回路101の入力信号端子INの電位がLOW→HIGHに変化した時の挙動を考える。この時、ノードA及びノードBはどちらも容量結合により電位が上がる。入力電位の変動幅(=VC)に対応するようにトランジスタN22、N23、N24、P22、P23、P24のW(チャネル幅)/L(チャネル長)を適当に設定することで、この時のノードAの電位はほぼ中間電位前後、ノードBは中間電位+VC程度になるようにしておくと、トランジスタP21はON−OFF中間状態、トランジスタN21はほぼONとなって、反転出力信号端子OUTXの電位は(VH+VL)÷2とVLの中間の値になる(VL’とする)。以下、前述と逆の流れで図2の構成では反転出力信号端子OUTXはVL’、反転フィードバック信号端子FBXはほぼVLの電位で固定される。
一方、図3の対比例のレベルシフタ回路102では反転出力信号端子OUTX及び反転フィードバック信号端子FBXはVL’’(VL<VL’<VL’’)となる。
次に、具体例として説明する。入力信号が0−3.0Vの1MHzの矩形波であり、VH=9V,VL=0Vの出力比3倍、実施形態1の図2および図3の対比例の各パラメータとしてC11及びC12の容量が1pF、トランジスタN22、N23、N24、P22、P23、P24がチャネル幅5μm、チャネル長8μmであり、トランジスタN21、P21がチャネル幅10μm、チャネル長8μmとした。さらに、実施形態1の図2のトランジスタN31、P31がチャネル幅5μm、チャネル長8μm、トランジスタN32、P32がチャネル幅20μm、チャネル長6μmとした。この具体例の回路シミュレーションした結果を図4および図5を用いて説明する。
まず、トランジスタ特性カーブとしてエキシマレーザーアニール法を用いて低温プロセスで形成した多結晶シリコン薄膜を能動層とする電界効果型トランジスタの実測値である図4のグラフAn(Nチャネル、W(チャネル幅)/L(チャネル長)=10/5)及びグラフAp(Pチャネル、W/L=10/5)をW/Lサイズで規格化して回路中各々のトランジスタの特性カーブと仮定し、回路シミュレーションを行った結果が図5のグラフA1およびA2である。ここで図5のグラフA1は実施形態1の図2の構成でのフィードバック型レベルシフタ回路11eの反転出力信号端子OUTXからの出力値であり、グラフA2は対比例である図3の構成での反転出力信号端子OUTXからの出力値である。このように特性が想定したカーブであればどちらの回路でも当然動作に問題はない。ただし、本実施形態1(図5のグラフA1)のほうが出力信号波形としては矩形波に近く好ましい。
一方、図4のグラフAnとグラフApをともに1.5Vシフトさせた特性であるグラフBnおよびグラフBpをW/Lサイズで規格化して回路中各々のトランジスタの特性カーブと仮定した時のシミュレーション結果が図5のグラフB1(図2の本実施形態1を構成回路図とした時)、B2(図3の対比例を構成回路図とした時)である。このように閾値電位Vthがシフトすると対比例(図5のグラフB2)では正常にレベルシフタ回路として正常に動作していない一方、本実施形態1(図5のグラフB1)では正常に動作している。
このように、実施形態1の構成をとることでトランジスタの閾値電圧Vthのシフトが発生した時に回路が動作するマージンを広く取ることができるのである。単結晶シリコンウェハー上のMOSトランジスタではこのような閾値電圧Vthのシフトは小さいが、多結晶シリコンを用いた薄膜トランジスタ、特にガラス基板上に比較的低温(≦600℃)で形成する低温プロセスで製造した低温ポリシリコンTFTの場合には製品間の閾値電圧Vthのばらつきは1〜2V程度発生するのでこのようなマージンの広さは歩留まりに大きく寄与する。また、低温ポリシリコンTFTでは一般にホットキャリア等による信頼性劣化も単結晶シリコンMOSトランジスタより激しく、製品使用中の閾値電圧Vthの変化も大きいため、信頼性の面でも寄与する。
図6は電気光学装置に一例としてアクティブマトリクス基板200を用いた透過型液晶表示装置(LCD)の構成例である。画素部に画素電極や薄膜トランジスタでなる画素用のスイッチング素子を含む透明基板でなるアクティブマトリクス基板200と、コモン電極(対向電極)401を有する透明基板でなる対向基板402との間に電気光学物質としての液晶層403、例えばTN液晶層が挟持されている。そして、一対のアクティブマトリクス基板200と対向基板402の外側表面には液晶層403に対してクロスニコル状に配置された偏光板404、405がそれぞれ配置され、液晶パネルを構成している。液晶パネルの下側に面光源としての照明装置、すなわちバックライト406が配置されている。アクティブマトリクス基板200は対向基板402から張り出す張り出し部407が設けられ、その張り出し部407には複数の実装端子(図示しない)が設けられている。複数の実装端子は、FPC(可撓性基板)408を介して外部駆動回路用IC409を実装した回路基板410に電気的に接続される。図8では外部駆動回路用IC409は、2個のICで構成されているが、1個もしくは3個以上でもよい。外部駆動回路用IC409は低耐圧プロセスで製造されたCMOS−ICであり、3.0Vの振幅の駆動タイミング信号を複数出力する。液晶表示装置は透過型の他に、反射型、透過と反射を兼用した半透過型の液晶表示装置がある。
図7は本実施形態1のレベルシフタ回路を用いたVGA解像度の透過型駆動回路内蔵式液晶表示装置(LCD)用アクティブマトリクス基板200である。無アルカリガラスよりなる絶縁基板200上に走査線駆動回路301及びデータ線駆動回路302が形成される。表示領域204には、走査線駆動回路301から延設された480本の走査線201とデータ線駆動回路302から延設された1920本のデータ線202が互いに交差して配設される。アクティブマトリクス基板200の張り出し部には複数の実装端子303が設けられ、実装端子303は配線304を介して走査線駆動回路301またはデータ線駆動回路302に接続される。走査線駆動回路301及びデータ線駆動回路302と実装端子601との間にはそれぞれレベルシフタ回路101が設けられている。また、コモン電位入力信号端子305から配設されたコモン電位配線306は表示領域204、走査線駆動回路301、データ線駆動回路302を囲むように配設されている。コモン電位配線306は対向基板の4つの角部に対応する位置に上下導通部307が設けられ、コモン電位入力信号端子305から対向基板のコモン電極(対向電極)にコモン電位を供給している。
図8は図7の204で示される表示領域のアクティブマトリクス回路部分を拡大した図であって、走査線201及びデータ線202の各交点に対応して画素スイッチとして薄膜トランジスタ205が配置され、薄膜トランジスタ205のドレイン電極に画素電極206が電気的に接続される。データ線202と各画素電極206間のインピーダンスを走査線201の駆動電位に従って変化させることで各画素電極206の電位を書き込み・保持する。また、コモン電位配線305に接続された容量線203が配設され、画素電位との間に蓄積容量を形成している。
ここで図7の走査線駆動回路301およびデータ線駆動回路302、図8の画素スイッチ205はいずれもエキシマレーザーアニール法にて低温形成された厚さ50ないし100nm程度の多結晶シリコン薄膜を能動層としたコプレーナー型薄膜トランジスタで構成される。また、多結晶シリコン薄膜形成後にボロンおよびリンイオンを適当なマスクパターン上から打ち込むことによってnチャネル型トランジスタとpチャネル型トランジスタを形成し、走査線駆動回路301およびデータ線駆動回路302は相補型トランジスタの回路構成をとっている。一方、画素スイッチ205は全てnチャネル型トランジスタによって構成される。
この構成により、外部駆動回路用IC409から出力された複数の3.0Vの振幅の駆動タイミング信号はFPC408を介して複数の実装端子303に入力され、複数の配線304を通じて複数のレベルシフタ回路101に入力される。ここで入力信号はレベルシフタ回路101にて3.0Vの振幅信号から9.0Vの振幅信号に昇圧され、走査線駆動回路301及びデータ線駆動回路302に入力される。また、コモン電極電位入力信号端子305も同様に外部駆動回路用IC409よりDC(直流)又はAC(交流)の電位を与えられ、コモン電位配線306及び上下導通部307を通じて対向基板402上に形成されたコモン電極401に電位が供給される。各画素電極206及びコモン電極401間に印加された電位差に応じてTN液晶層403の配向が変化し、その状態によってクロスニコル状に配置された偏光板404と405を通じたバックライト406の光を遮断あるいは透過することでディスプレイとして機能する。
本実施形態1では図7のレベルシフタ回路101に図2の回路構成を使用する。これによって回路の閾値電位Vthのシフトに対するマージンが1つのレベルシフタ回路で構成する従来技術より広く、動作不良を起こしにくくなる。
次に、実施形態1の変形例としてレベルシフタ回路103を図9に示す。
図2ではレベルシフタ回路101の出力を第1のレベルシフタ回路11の反転出力信号端子OUTXからとっているのに対し、図9の変形例では第2のレベルシフタ回路21の出力信号端子OUTに接続している。その他、実施形態1と同じ構成である。これによりレベルシフタ回路102からの出力比はより大きくなるが、出力遅延を大きくすることができる。なお、図2に示す実施形態1のレベルシフタ回路101と図9に示す変形例のレベルシフタ回路103のどちらを採用するかは他回路とのマッチングで決めればよい。
[実施形態2]
図10は、レベルシフタ回路を走査線駆動回路301に適用した具体的な構成例である。走査線駆動回路301は、複数段の転送回路からなるシフトレジスタ310を有し、クロック信号線312、スタートパルス信号線313、反転クロック信号線314が、実施形態1やその変形例で示したレベルシフタ回路101(102)を介して接続される。シフトレジスタ310の出力信号端子311にはNAND回路315が接続され、順次レベルシフタ回路316、3段のインバータ回路で構成されるバッファ回路317が接続され、走査線201に接続される。
この構成により、レベルシフタ回路101によって増幅されたクロック信号、反転クロック信号、スタートパルス信号がシフトレジスタ310を駆動し、クロックが切り替わるたびにシフトレジスタ310の出力信号端子311を順にパルスが転送されていく。シフトレジスタ310の出力信号端子311のn番目とn+1番目に転送されたパルスはNAND回路315入力され、特定の走査線201のみが特定のタイミングで選択される。ここで走査線201を駆動する電圧は12Vであり、NAND回路315からの出力信号は9Vであるのでレベルシフタ回路316で12V信号にさらに昇圧する。この走査線駆動回路301に用いられるレベルシフタ回路316は、図11及び図12に示す回路構成を採用する。
図11は模式図を示す図である。その構成は、第1のレベルシフタ回路を構成するフィードバック型レベルシフタ回路12と一対の第2のレベルシフタ回路を構成する非フィードバック型レベルシフタ回路22a、22bで構成される。この構成により、フィードバック型レベルシフタ回路12の出力信号は非フィードバック型レベルシフタ回路22aを介して、フィードバック型レベルシフタ回路12のフィードバック信号端子FBに入力され、フィードバック型レベルシフタ回路12の反転出力信号は非フィードバック型レベルシフタ回路22bを介して、フィードバック型レベルシフタ回路12の反転フィードバック信号端子FBXに入力される。この構成は、図2の構成および図1の模式図と本質的に同じ構造をしていることが見てとれる。
図12は具体的な回路構成を示す。第1のレベルシフタ回路を構成するフィードバック型レベルシフタ回路12は、直列接続された一つのNチャネル型トランジスタと2つのPチャネル型トランジスタ(N41、P42、P43)(N44、P45、P46)が一対に形成され、一対のNチャネル型トランジスタN41、N44のソースに低位側電位VLの供給線が接続され、一対のPチャネル型トランジスタP43、P46のソースに高位側電位VHの供給線が接続される。入力信号端子INは、Nチャネル型トランジスタN41とPチャネル型トランジスタN42のゲートに接続され、反転入力信号端子INXは、Nチャネル型トランジスタN44とPチャネル型トランジスタP45のゲートに接続される。Nチャネル型トランジスタN41とPチャネル型トランジスタP42のドレインはフィードバック型レベルシフタ回路12の反転出力信号端子OUTXに接続され、Nチャネル型トランジスタN44とPチャネル型トランジスタP45のドレインは出力信号端子OUTに接続される。Pチャネル型トランジスタP43のゲートにはフィードバック信号端子FBが接続され、Pチャネル型トランジスタP46のゲートには反転フィードバック信号端子FBXが接続される。
反転出力信号端子OUTXは、バッファ回路317を介して走査線201に接続されると共に、非フィードバック型レベルシフタ回路22bの入力信号端子に接続される。この非フィードバック型レベルシフタ回路22bは実施形態1と同様の2段のインバータ回路で構成されてなり、非フィードバック型レベルシフタ回路22bの出力信号端子はフィードバック型レベルシフタ回路12の反転フィードバック信号端子FBXに接続される。
出力信号端子OUTは、非フィードバック型レベルシフタ回路22aの入力信号端子に接続される。この非フィードバック型レベルシフタ回路22aは2段のインバータ回路で構成されてなり、非フィードバック型レベルシフタ回路22aの出力信号端子はフィードバック型レベルシフタ回路12のフィードバック信号端子FBに接続される。
このような構成により閾値電位Vthのマージンは大きくなる。
[実施形態3]
図13(a)〜(f)は本発明のレベルシフタ回路の他の例である。以下のレベルシフタ回路は、実施形態1の実装端子303と走査線駆動回路301との間のレベルシフタ回路や、実施形態2のシフトレジスタ310と走査線201との間のレベルシフタ回路に適用できる。
回路14〜17はフィードバック型レベルシフタ回路であり、回路23a、23b、24、25a、25b、26は非フィードバック型レベルシフタ回路である。
図13(a)に示すレベルシフタ回路104は、図11で示すレベルシフタ回路312と類似し、相違点を説明する。フィードバック型レベルシフタ回路14の出力信号OUTは非フィードバック型レベルシフタ回路23bを介して反転フィードバック信号端子FBXに入力され、フィードバック型レベルシフタ回路14の反転出力信号OUXは非フィードバック型レベルシフタ回路23aを介してフィードバック信号端子FBに入力される。この場合、図11で示すレベルシフタ回路316では非フィードバック型レベルシフタ回路22a、非フィードバック型レベルシフタ回路22bが入力波形と同位相で信号を出力する回路なのに対し、図13(a)のレベルシフタ回路104では非フィードバック型レベルシフタ回路23a、非フィードバック型レベルシフタ回路23bが入力波形と逆位相で信号を出力する回路であるため、接続をかえている。
図13(b)に示すレベルシフタ回路105は、図11で示すレベルシフタ回路312と類似し、相違点を説明する。この例は、図11の一対の非フィードバック型レベルシフタ回路を1つの非フィードバック型レベルシフタ24として構成したものである。
図13(c)に示すレベルシフタ回路106は、図11で示すレベルシフタ回路312と類似し、相違点を説明する。フィードバック型レベルシフタ回路15は、反転入力信号端子を設けておらず、入力信号端子INに入力される入力信号をフィードバック型レベルシフタ15で出力信号OUTと反転出力信号OUTXを出力する。
図13(d)に示すレベルシフタ回路107は、図13(c)で示すレベルシフタ回路106と類似し、相違点を説明する。フィードバック型レベルシフタ回路15の出力信号OUTは非フィードバック型レベルシフタ回路25bを介して反転フィードバック信号端子FBXに入力され、フィードバック型レベルシフタ回路15の反転出力信号OUTXは非フィードバック型レベルシフタ回路23aを介してフィードバック信号端子FBに入力される。
図13(e)に示すレベルシフタ回路108は、図1で示すレベルシフタ回路101と類似し、相違点を説明する。フィードバック型レベルシフタ回路16の出力は、図1では反転出力信号を出力していたが、出力信号OUTを出力する。
図13(f)に示すレベルシフタ回路109は、図13(e)で示すレベルシフタ回路108と類似し、相違点を説明する。フィードバック型レベルシフタ回路17の入力端子は、入力信号端子INと反転入力信号端子INXが設けられている。
このように入力信号端子と出力信号端子の極性が適合するような組合せであれば、従来提案されてきたどのようなレベルシフタ回路同士をつなぎ合わせても良い。
図14は、図13に示す各レベルシフタ回路における非フィードバック型レベルシフタ回路に適用できる他の例を示すものである。
図14(a)に示す非フィードバック型レベルシフタ回路31は、2レベル出力インバータ回路32とインバータ回路33から構成される。2レベル出力インバータ回路32は、入力信号端子INの入力信号により低位側電位VLと高位側電位VHの2レベルを発生し、その出力信号によりPチャネル型トランジスタ及びNチャネル型トランジスタを駆動し、インバータ回路33の低位側電位VLと高位側電位VHの一方が出力される。
図14(b)に示す非フィードバック型レベルシフタ回路41は、図2と同じ構成であり、2段のインバータ回路42、43で構成される。
図14(c)に示す非フィードバック型レベルシフタ回路51は、図14(b)の変形例であり、1段目及び2段目のNチャネル型トランジスタN51、N52のゲートに高位側電位VHに接続され、2段目のNチャネル型トランジスタN52のソースに入力信号端子INが接続される。
図14(d)に示す非フィードバック型レベルシフタ回路61は、第1段として直列接続されたNチャネル型トランジスタN61とPチャネル型トランジスタP61が設けられ、Pチャネル型トランジスタP61のゲートに入力信号端子INが接続され、ソースに高位側電位VHが接続される。Nチャネル型トランジスタN61のソースには反転入力信号端子INXが接続され、ゲートはNチャネル型及びPチャネル型トランジスタN61、P61のドレインに接続される。
また、第2段として直列接続されたNチャネル型トランジスタN62とPチャネル型トランジスP62が設けられ、反転入力信号端子INXはNチャネル型トランジスタN62のソースに接続される。Nチャネル型及びPチャネル型トランジスタN62、P62のゲートは共通接続され、かつNチャネル型及びPチャネル型トランジスタN62、P62のドレインに共通接続される。Pチャネル型トランジスタP62のソースには高位側電位VHが接続される。
また、第3段として直列接続されたNチャネル型トランジスタN63とPチャネル型トランジスタP63が設けられている。Nチャネル型トランジスタN63のゲートは第1段のNチャネル型トランジスタN61とPチャネル型トランジスタP61のドレインに接続され、ソースは入力信号端子INに接続される。Pチャネル型トランジスタP63のゲートは第2段のNチャネル型トランジスタN62とPチャネル型トランジスタP62のドレインに接続され、ソースには高位側電位VHが接続される。
図14(e)に示す非フィードバック型レベルシフタ回路71は、3段のインバータ回路72、73、74を接続し、反転出力信号OUTXを出力するものである。
[実施形態4]
図15のレベルシフタ回路110は、図2のフィードバック型レベルシフタ回路11に図14(a)の非フィードバック型レベルシフタ回路31を組み合わせた例である。このレベルシフタ回路110は、実施形態1の実装端子303と走査線駆動回路301との間のレベルシフタ回路や、実施形態2のシフトレジスタ310と走査線201との間のレベルシフタ回路に適用できることもちろんである。
このような実施形態1乃至4のレベルシフタ回路を用いた液晶表示装置によれば、レベルシフタ回路を構成するトランジスタのVth変動に対する動作マージンが従来例より広いため、歩留まりが良好で信頼性が高いというメリットを有する。このため、携帯電話、PDA、カーナビ、液晶テレビ、液晶モニター、デジタルカメラ、ビデオカメラなどの電子機器に搭載して使用すると周辺回路内蔵のため信頼性が高く外形が小さくできる上によりコストが安く製造できる。
[実施形態5]
図16は実施形態1の図7のレベルシフタ回路101に代わるレベルシフタ回路111の構成例を示し、アクティブマトリクス基板や液晶表示装置に適用できるものである。
第1のレベルシフタ回路を構成するフィードバック型レベルシフタ回路18は、直列接続されたPチャネル型トランジスタとNチャネル型トランジスタ(P81、N81)(N82、P82)が一対に形成される。一対のPチャネル型トランジスタP81、P82のソースは高位側電位VHの供給線に接続され、一対のNチャネル型トランジスタN81、N82のソースは低側電位VLの供給線に接続される。入力信号端子INは、Pチャネル型トランジスタP82のゲートに接続され、反転入力信号端子INXは、Pチャネル型トランジスタP81のゲートに接続される。Pチャネル型トランジスタP82とNチャネル型トランジスタN82のドレインはフィードバック型レベルシフタ回路18の反転出力信号端子OUTXに接続され、Pチャネル型トランジスタP81とNチャネル型トランジスタN81のドレインは出力信号端子OUTに接続される。Nチャネル型トランジスタN82のゲートにはフィードバック信号端子FBが接続され、Nチャネル型トランジスタN81のゲートには反転フィードバック信号端子FBXが接続される。
反転出力信号端子OUTXは、駆動回路301または302に接続される一方、非フィードバック型レベルシフタ回路81bの入力信号端子に接続される。この非フィードバック型レベルシフタ回路81bは2段のインバータ回路82b、83bで構成され、非フィードバック型レベルシフタ回路81bの出力信号端子はフィードバック型レベルシフタ回路18の反転フィードバック信号端子FBXに接続される。
フィードバック型レベルシフタ回路18の出力信号端子OUTは、駆動回路301または302に接続される一方、非フィードバック型レベルシフタ回路81aの入力信号端子に接続される。この非フィードバック型レベルシフタ回路81aは2段のインバータ回路81a,82bで構成され、非フィードバック型レベルシフタ回路81aの出力信号端子はフィードバック型レベルシフタ回路18のフィードバック信号端子FBに接続される。
この構成により、非フィードバック型レベルシフタ回路81a、81bを挿入することで回路動作の安定化を図ることができる。
ここで本実施形態5のレベルシフタ回路111を具体例として説明する。フィードバック型レベルシフタ回路18及び非フィードバック型レベルシフタ回路81a、81bの全てのトランジスタのチャネル長は6μmとした。フィードバック型レベルシフタ回路18のNチャネル型トランジスタN81、N82のチャネル幅は30μm、フィードバック型レベルシフタ回路18のPチャネル型トランジスタP81、P82のチャネル幅は50μmとした。また、非フィードバック型レベルシフタ回路81a、81bの1段目のインバータ回路82a、82bのNチャネル型トランジスタN91、N93のチャネル幅は5μm、Pチャネル型トランジスタP91、P93のチャネル幅は10μmとした。2段目のインバータ回路83a、83bのNチャネル型トランジスタN92、N94のチャネル幅は10μm、Pチャネル型トランジスタのP92、P94のチャネル幅は15μmとした。
図17は実施形態5のレベルシフタ回路111のシミュレーション結果を示すグラフである。前提とするトランジスタ特性は図4のグラフAn(Nチャネル、W(チャネル幅)/L(チャネル長)=10/5)及びグラフAp(Pチャネル、W/L=10/5)をW/Lサイズで規格化したものである。図17のグラフINは図18で示すフィードバック型レベルシフタ回路11aの入力信号端子INに印加される0〜3Vの矩形波であり、反転入力信号端子INXにはその逆相信号が入力される(図示しない)。図17のグラフOUT3がフィードバック型レベルシフタ回路18の出力信号端子OUTに出力される波形である。ここでフィードバック型レベルシフタ回路18に供給される基準電位はVL=0V、VH=9Vであるが、出力信号はLOW状態が2.8V(=VB)、HIGH状態が8.9V(=VA)の矩形波となっている。これはフィードバック型レベルシフタ回路18で示されるような定常状態でも電流が流れ続けるタイプの回路では一般的な現象であって、パラメータの設定を変えてもVH=VA,VL=VBに完全に一致することはない。このVA〜VBレベルのOUT3信号を非フィードバック型レベルシフタ回路81aで示す第2のレベルシフタ回路で変換した後の信号が図17のグラフOUT4で示す波形であり、ほぼLOW状態が0V(=VL)、HIGH状態が9.0V(=VH)のVH〜VLレベルの矩形波に変換されていることがわかる。このVH〜VLレベルに変換された信号がフィードバック型レベルシフタ回路18のフィードバックFB端子に入力されるため、トランジスタのVthシフトに対する動作マージンは増大する。非フィードバック型レベルシフタ回路81aで示すようなCMOS(相補型)インバータ回路を使った構成の場合、トランジスタのVthシフトに対する動作マージンをより増大させるには、インバータ回路を構成するPチャネル型トランジスタのチャネル幅(以下、WP)をNチャネル型トランジスタのチャネル幅(以下、WN)に比べて大きくとる事が好ましい。
図18は、インバータ回路のWNとWPの比による動作の違いを示すグラフである。図18はCMOS型インバータ回路の入力電圧を横軸、出力電圧を縦軸にとったグラフであって、いずれもインバータ回路に繋ぐ電源はVH=9V,VL=0Vである。ここでWP=WNで示したグラフはWNとWPが同じ値(例えばWN=WP=10μm)のときの値である。一方、WP>WNはWNがWPより小さい場合(例えばWN=5μm、WP=10μm)、WN>WPはWPがWNより小さい場合(例えばWN=5μm、WP=10μm)のそれぞれのグラフである。一見してわかるようにWP÷WNの比が大きいほど右、すなわちインバータ回路の動作電圧が上がる方向へと出力グラフはシフトしていく。
図18のVL(IN)、VH(IN)で示した縦の点線が第1のレベルシフタ回路からの入力電位(それぞれ、HIGH電位時とLOW電位時に対応)である。各グラフとの交点が実施形態6の第2のレベルシフタ回路である非フィードバック型レベルシフタ回路81a、81bのトランジスタN91とトランジスタP91あるいはトランジスタN93とトランジスタP93で構成される入力段のインバータ回路82a、82bからの出力(図16のA、Bで示されるノードの電位)となる。ここからA点、B点のノードの電位振幅をVH−VLに近づけるためにはWPを大きくとることが必要であることが理解できよう。ただし、実際にはWP:WNはデザイン最小ルール、回路面積、駆動能力バランスなどの観点からあまり大きな比にすることはできず、1.5〜4程度が好ましい。ここではWN=5μm(トランジスタN91、トランジスタN93のチャネル幅)、WP=10μm(トランジスタP91、トランジスタP93のチャネル幅)と設定した。なお、チャネル長はいずれも6μmである。
以上が実施形態5のトランジスタN91、P91あるいはトランジスタN93、P93で構成される入力段のインバータ回路82a、82bのNチャネル型トランジスタとPチャネル型トランジスタ比の最適化に関する説明である。しかしながら、WP:WNの比が前述のとおり有限であるため、実際には図16のA、Bで示されるノードの電位振幅は完全にVL〜VHレベルにならず、VA〜VBレベルとの中間を示す。従って、後段のインバータ回路83a、83b(トランジスタN92とトランジスタP92、トランジスタN94とトランジスタP94で構成されるインバータ回路)も同様にWP>WNとする方が良い。インバータ回路が2段以上ある場合はその他のインバータ回路についても同様である。また、後段のインバータ回路ほど入力電位はVH,VLに近づいていくのでWP÷WNの比を後段ほど1に近づけることが好ましい。図16のフィードバック型レベルシフタ回路18のフィードバック信号端子FBを変動する際のRISE/FALLの駆動能力のバランスから考えても合理的である。また、フィードバック型レベルシフタ回路18のフィードバック信号端子FBを十分な能力で駆動するためにはトランジスタN92とトランジスタP92あるいはトランジスタN94とトランジスタP94のW/L比はある程度大きくとる必要もある。これらの観点から、本実施形態5では図16のトランジスタN92とトランジスタN94のチャネル幅を10μm、トランジスタP92とトランジスタP94のチャネル幅を15μmと設定した。そして、チャネル長はいずれも6μmである。
なお、本実施形態5では信頼性を考慮して各トランジスタN91、N93、P91、P93のチャネル長を変えずにチャネル幅を変えたが、チャネル幅でなくチャネル長を変更しても良い。この場合、Pチャネル型トランジスタのチャネル長=LP、Nチャネル型トランジスタのチャネル長=LNとするとLP<LNにする必要がある。また、チャネル幅とチャネル長を同時に変えても良い。この場合、WP÷LP>WN÷LNとする必要がある。
このように、第1のレベルシフタ回路であるフィードバック型レベルシフタ回路からの出力信号の振幅中心が(VH+VL)÷2より高い位置にあることが好ましい。すなわち第1のレベルシフタ回路からの出力信号のLOWレベルをVA、HIGHレベルをVB、第2のレベルシフタ回路である非フィードバック型レベルシフタ回路の基準電位最大値をVH、最小値をVLとしたとき、VH−VA<VL−VBであった場合は第2のレベルシフタを構成する各インバータはPチャネル型トランジスタのW/L比がNチャネル型にトランジスタのW/Lに比べて大きくなるように構成することが好ましいのである。
一方、本実施形態5とは逆にVH−VA>VL−VBの場合はPチャネル型トランジスタのW/L比がNチャネル型にトランジスタのW/Lに比べて小さくなるようにするべきであることは図18等から容易に導き出せる。
このように、第2のレベルシフタ回路の入力部にCMOS型インバータ回路を用いると波形の非対称性の修正が容易であるという利点を持つ。また、出力部にCMOS型インバータ回路を用いるとフィードバック信号端子FBに入力する信号の駆動能力を容易に大きくでき、かつレベルシフタ回路内の他の回路から出力された波形の電位が基準電位に対し非対称的であっても容易に修正できる。本実施形態5では入力部と出力部のインバータ回路のみで第2のインバータ回路を構成しているが、間にさらにインバータ回路をはさんでもよいし、別の形式のレベルシフタ回路をはさんでもよい。
この実施形態5では第1のレベルシフタ回路は0〜3V信号を2.8〜8.9V信号に昇圧しているので出力比は約2.0倍である。第2のレベルシフタ回路は2.8〜8.9V信号を最大で0〜9.0V信号に昇圧するので出力比は1.5未満である。このように第2のレベルシフタ回路の出力比は第1のレベルシフタ回路に比べて小さくすることが好ましい。一般的に出力比が小さいほどレベルシフタ回路の動作は速く、本実施形態5のシミュレーション結果によると第1のレベルシフタ回路である図16のフィードバック型レベルシフタ回路18の動作遅延は40〜100ナノ秒程度なのに対し、第2のレベルシフタ回路である非フィードバック型レベルシフタ回路81a、81bの動作遅延は20ナノ秒未満である。
従って、第1のレベルシフタ回路の入力信号が変動して、出力信号が変動するまでの第1の動作と、第2のレベルシフタ回路から出力されるフィードバック信号端子FBへの電位が変動し、第1のレベルシフタ回路の動作が安定するまでの第2の動作までの中間状態にあるタイムラグが短くなり、波形が崩れない。具体的には、第1動作は、図16のフィードバック型レベルシフタ回路18の入力信号端子INの入力信号が変動して、フィードバック型レベルシフタ回路18の出力信号端子OUTの出力信号、反転出力信号端子OUTXの出力信号が変動するまでの動作である。第2の動作は、非フィードバック型レベルシフタ回路81a、81bの出力信号端子の電位が変動し、フィードバック型レベルシフタ回路18の動作が安定するまで動作である。
また、第2のレベルシフタ回路の動作遅延を短縮するためにはフィードバック端子FBを駆動するに十分なだけの駆動能力以上に第2のレベルシフタ回路の駆動能力を高めない方がよい。具体的には図16の各トランジスタN92、P92、N94、P94のチャネル幅を大きくとりすぎると非フィードバック型レベルシフタ回路81a、81bも動作遅延が大きくなりすぎてしまう。そのため、フィードバック型レベルシフタ回路18の駆動能力、及び非フィードバック型レベルシフタ回路81a、81bの各トランジスタN91、P91、N93、P93のチャネル幅・チャネル長、フィードバック型レベルシフタ回路18のフィードバック信号端子FB、反転フィードバック信号端子FBXの容量、すなわちトランジスタN81、トランジスタN82のチャネル幅・チャネル長とのバランスをとることが重要である。特に、容量はトランジスタN81のゲート容量が占める。
[実施形態6]
図19及び図20は実施形態1における図7のレベルシフタ回路101に代わるレベルシフタ回路112の回路構成図を示し、アクティブマトリクス基板や液晶表示装置に適用できるものである。
本実施形態6では前述した実施形態1乃至6と異なり第2のレベルシフタ回路にもフィードバック型のレベルシフタ回路を用いる点で相違する。
図19にレベルシフタ回路112の模式図を示す。第2のレベルシフタ回路を構成するフィードバック型レベルシフタ回路12bは、当該フィードバック型レベルシフタ回路12bの出力信号端子OUTを第1及び第2のレベルシフタ回路のフィードバック型レベルシフタ回路12a、12bのフィードバック信号端子FBに接続している。また、第2のレベルシフタ回路を構成するフィードバック型レベルシフタ回路12bの反転出力信号端子OUTXを第1及び第2のレベルシフタ回路のフィードバック型レベルシフタ回路12a、12bの反転フィードバック信号端子FBXに接続している。
図20にその具体的な回路構成図を示す。第1レベルシフタ回路12aは図12の第1レベルシフタ回路12と同じ構成である。第2レベルシフタ回路12bは、図16で示す第1レベルシフタ回路18の構成と同じであるので、詳細な説明は省略する。この実施形態6では第2のレベルシフタ回路もフィードバック型レベルシフタ回路であるため、非常に大きな出力比を得やすいという特徴がある。本実施形態6のような構成でも第2のレベルシフタ回路の動作が十分速いことが必要となるので、第1のレベルシフタ回路に比べて高速動作するような回路構成としている。このような構成により、入力振幅≦3V、VH−VL≧10Vのように3〜4倍以上の出力比を得ることができる。
[電子機器の実施形態]
以下、本発明に係る電子機器を実施形態を挙げて説明する。なお、この実施形態は本発明の一例を示すものであり、本発明はこの実施形態に限定されるものではない。
図21は、本発明に係る電子機器の一実施形態を示している。ここに示す電子機器は、液晶表示装置781と、これを制御する制御回路780とを有する。制御回路780は、表示情報処理回路785、電源回路786、タイミングジェネレータ787及び表示情報出力源788によって構成される。そして、液晶表示装置781は液晶パネル782、照明装置784及び駆動回路783を有する。
表示情報出力源788は、RAM(Random Access Memory)等といったメモリや、各種ディスク等といったストレージユニットや、デジタル画像信号を同調出力する同調回路等を備え、タイミングジェネレータ787により生成される各種のクロック信号に基づいて、所定フォーマットの画像信号等といった表示情報を表示情報処理回路785に供給する。
次に、表示情報処理回路785は、増幅・反転回路や、ローテーション回路や、ガンマ補正回路や、クランプ回路等といった周知の回路を多数備え、入力した表示情報の処理を実行して、画像信号をクロック信号CLKと共に駆動回路783へ供給する。ここで、駆動回路783は、走査線駆動回路やデータ線駆動回路と共に、検査回路等を総称したものである。また、電源回路786は、上記の各構成要素に所定の電源電圧を供給する。液晶表示装置781は、例えば、図6に示した液晶表示装置を用いて構成できる。