JP4406170B2 - フィルタ装置に使用するためのフィルタ要素 - Google Patents
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Description
本発明はフィルタ装置に使用するためのフィルタ要素に関する。
【0002】
さらに詳しくは、本発明は、中央開口が設けられ、フィルタを形成するようなタイプの要素と共に組み立てられるように設計されたフィルタ要素に関する。当該フィルタは他のフィルタと関連づけられるのに適しており、これによって、内側にケースを置いてフィルタカートリッジを作製するためのフィルタブロックを構成している。
【0003】
一般に、フィルタ要素は、それぞれ2つの面を有しており、そのうちの一方はフィルタの内側であり、他方はフィルタの外側であり、さらに前記中央開口の外形を規定している内側リムと、スクリーンをもつ周辺の外側リムとを有し、該スクリーンは前記内側および外側の面と平行なリムのあいだに設けられてなる。当該フィルタ要素のそれぞれの面は、前記内側および外側リムのあいだのレジスタ(register)内に延びる放射状のリブを有し、前記内側および外側の面に扇形領域を形成している。
【0004】
そのうえさらに、当該要素の一つの内側の面上で各リブは他の要素の内側の面上で対向リブと接触してセルを構成する。当該セルは第1に各要素の外側の面の各領域内の内側リムおよび開口を通って外側まで形成された流入路を経由し、第2に各要素の内側の面の各領域の外側リムを通って形成された吐出路を経由して供給され、当該要素の一つの各吐出路は他の要素の通路と共にレジスタ内に設けられ、その結果吐出オリフィスを形成する。
【0005】
これらのフィルタ要素は、一般的に供給ダクトを形成するために中央開口を有している。該供給ダクトはフィルタの軸上に設けられており、濾過するための流体は内側リムを通って形成された流入路を経由してフィルタ内に入り込み、外側リムを通って形成された吐出路を経由して出ていくか、またはその逆も成り立つ。
【0006】
該フィルタカートリッジは、使用の際、少なくとも1つのフィルタと濾過されるべき流体を分配するための分配器とからなり、該分配器はダクトの内側の軸上に回転自在に設けられている。該分配器には、各フィルタ要素の外側の面に設けられた少なくとも2つの扇形領域を周期的に分離し、かつ該領域の内側リムを通って作られた通路によって該2つの領域だけとこの瞬間に連通するための分割チャンバが設けられている。
【0007】
異なる態様において、当該フィルタ装置は、さらに前記分配器とフィルタとのあいだに同軸状に設けられた封止および案内シースを備えている。当該シースは、その円筒状の壁に複数のオリフィスを有しており、その結果当該オリフィスは、フィルタブロックを形成している少なくとも1つのフィルタの流入路と対向するように設けられる。
【0008】
よって、すでに濾過された流体の一部は、吐出オリフィスを経由してバックフローとして、分離された扇形領域内に導かれ、その結果、スクリーンの部分が逆洗によって洗浄され得る。
【0009】
その結果、分離された領域が浄化されるべき流体の能動的な濾過に寄与しない領域であることが観察されなければならない。
【0010】
知られたフィルタ要素は、一般的に内側および外側の面毎に8つの扇形領域を有しているので、2つの領域の所定の瞬間における連続した閉塞のあいだ、当該フィルタの濾過能力は約75%である。
【0011】
そのうえ、フィルタ要素のそれぞれの扇形領域は、前記内側および外側リムのあいだに延びる放射状のフレームと、2つの連続した放射状のリブとして横に延びる同心状の環状補強材とを含んでいる。よって、当該フィルタの濾過能力は、所望の目的に反してこの補強材によってマスクされたスクリーンのためにさらに減少する。
【0012】
そのうえ、知られたフィルタ要素は、金属製であり、より一般的にはアルミニウム製であるので、スクリーンと放射状リブ、内側および外側リム、そして放射状の環状補強材とのあいだに削り屑(swarf)を存在させる。そのような削り屑を有することの主な欠点は、スクリーンの部分におけるメッシュが閉塞され、これによって濾過能力が低下することである。
【0013】
そのうえさらに、当該削り屑は分離し、浄化された流体内に運ばれて、フィルタの下流に設けられた機械的な部材にとくに有害な影響を及ぼしかねない。
【0014】
そのうえ、知られたフィルタ要素と共に用いられるスクリーン自体が金属製、通常はステンレス鋼製であり、メッシュの寸法を制限し、結果的に濾過の細かさを制限する。
【0015】
知られたフィルタは比較的重く、スクリーン上で成形されることによる製造は800℃のオーダーの高温が要求される。これはエネルギー消費量を大きくし、コストが比較的高くなる。最後に、そのような要素の構造は、面状ではなくたとえば円錐状の要素を作製するのに適している。
【0016】
ゆえに、本発明の目的は如上の技術的課題を解決し得るフィルタ要素を提案することである。
【0017】
本発明は、それぞの内側の面および外側の面が少なくとも16もの扇形領域を備え、各領域がスクリーンの自由な部分によって形成されており、当該要素の全領域に対するスクリーンの自由な領域の割合は55%〜68%の範囲にあるとの事実によってこの目的を達成するものである。
【0018】
他の特徴によれば、各吐出路は補強スタッドを含んでおり、その先端は他の要素の補強スタッドと接触する。
【0019】
さらに他の特徴によれば、各内側および外側の面は4つの対向リブを備えており、対をなして直径方向に対向しており、該リブは、部分的に円筒状であり、前記外側リムに固着された膨らみ部を有している。
【0020】
さらに他の特徴によれば、フィルタ要素はポリアミドなどの熱可塑性の材料から製造される。
【0021】
さらに他の特徴によれば、スクリーンはポリアミドまたはポリエステルなどの材料から20μm未満のメッシュサイズで製造される。
【0022】
さらに他の特徴によれば、スクリーンはステンレス鋼から製造される。
【0023】
他の特徴によれば、フィルタ要素はディスクの形体である。
【0024】
他の変形において、フィルタ要素は円錐形状である。
【0025】
スクリーンが逆洗されているあいだ、本発明のフィルタ要素は、サービスに供しない扇形領域の数を少なくすることができる。換言すれば、与えられた空間の大きさにおいて濾過効率を従前より良好にしたフィルタを提供することができる。すなわち、従来のフィルタ要素によって処理される容積より大きい流体の容積を浄化または処理することができる。
【0026】
濾過効率のかかる増加は、2つの連続した放射状リブのあいだに設けられたスクリーンの表面が放射状または環状の補強材をもたないとの事実によってさらに改善される。
【0027】
本発明は、つぎの説明と添付図面とを読めばよりよく理解されるであろうし、副次的な特徴およびその利点が明らかになるであろう。
【0028】
図1は本発明のフィルタ要素の内面の正面図である。
【0029】
図2は該フィルタ要素の外面の正面図である。
【0030】
図3は図1のIII−III線断面図であり、互いに組み立てられた二つのフィルタを示しており、それぞれのフィルタは2つのフィルタ要素から構成されている。
【0031】
本発明のフィルタ要素1は図1および2に示されており、該図は、それぞれ、フィルタ要素1の内面2および内面3を示している。
【0032】
よって、本実施例においてディスクの形体をとっているフィルタ要素1は、2つの横断面、すなわち外側の面2および内側の面3によって軸方向に定義される。
【0033】
また、フィルタ要素1は周辺の外側リム4および中央開口16によって半径方向に定義され、該開口の外形は内側リム5によって定義され、浄化されるべき流体の回転分配器は、フィルタ要素がフィルタブロック(図示されていない)に設けられたのち該内側リムと摺動しつつ接触する。
【0034】
スクリーン6は外側の面3および内側の面4のあいだ、かつ外側リム4および内側リム5のあいだに、スクリーン6が内側の面2および外側の面3に平行になるように設けられる。
【0035】
また、フィルタ要素1の内側の面2は放射状のリブ72を有しており、該リブは規則的に離間されて、内側および外側リム5および4を相互に連結し、扇形領域21を形成する。スクリーン6は自由なフィルタ面を与える。この面はなんら補強部材によって閉塞されない。
【0036】
また、外側の面3は放射状のリブ73を有している。該リブは規則的に離間され、内側の面2の放射状のリブ72と共にレジスタ内に延びているため、内側および外側リム5および4を相互に連結して、前記扇形領域21と共にレジスタ内で扇形領域31を形成する。
【0037】
レジスタ内の放射状リブ72および73の全厚さは、フィルタ要素1の全厚さと等しい。
【0038】
図1において見られるように、内側の面2の各扇形領域21の外側リム4上に、浄化された流体を分配し、外部に通じるための吐出路10が設けられている。また、各吐出路10はスタッド11を有しており、その先端は前記放射状のリブ72および内側リム5と共通の面にある。
【0039】
同じように図2において、外側の面3の各扇形領域の内側リム5上に、濾過されるべき流体のための流入路9が設けられている。
【0040】
内側の面2には、外側の面3上に存在する扇形領域31と同じ数の扇形領域21が存在し、これらの扇形領域21および31の数が16であり、かつレジスタ内に存在することが観察されるであろう。そのうえ、少なくとも4つのリブ72および73の内側の面2および外側の面3上には、外側リム4に固着された部分円筒状の膨らみ部13が設けられている。これらの膨らみ部13を有しているリブ72および73は、図1から分かるように、本来互いにレジスタ内に設けられ、2つの離間したリブ72の膨らみ部13には、貫通するボア20を有する小さな管状の突出部19が設けられている。
【0041】
2つの同一のフィルタ要素1は、内面同士が組み立てられ、各突出部19は、突出部19をもたない他のフィルタ要素1の2つのリブ72の膨らみ部13に形成された相補的なボア14内に係合するように設計されている。
【0042】
他の有利な特徴によれば、フィルタ要素1はポリアミドなどの合成樹脂材料を成形することによって製造され、これによってより柔軟にし、スクリーン6のメッシュ内の開口になんらかの削り屑を形成することを回避し、当該フィルタ要素の濾過効率を改善し得るようにしている。
【0043】
そのうえ、この材料はポリアミドまたはポリエステルから製造されたスクリーンを使用できるようにしている。このようなスクリーンは20μm未満のメッシュサイズを有しており、これによって濾過の細かさをさらに改善できるようにしている。
【0044】
それぞれ2つのフィルタ要素1から構成された2つのフィルタからなるフィルタブロックの動作を図3を参照しつつ以下に説明する。
【0045】
2つのフィルタ要素1は、互いに対向して設けられた内側の面2同士組み立てられ、一つの要素の突出部19は、他の要素のボア14内に半径方向に干渉させて挿入されている。
【0046】
当該要素のうちの1つの内側の面の各リブ72は、他の要素の内側の面2上で対向しているリブ72と漏れないように接触しており、その結果スクリーン6と相俟ってセルを定義している。
【0047】
当該セルは、互いに接触しているフィルタのフィルタ要素1の内側リム5によって内側リムにおいて漏れないようにされ、当該要素のうちの1つの吐出路10は、互いに吐出オリフィス18を形成するように他の要素の吐出路10と対向して設けられている。
【0048】
吐出路18の半径方向の幅が周辺の外側リム4において比較的大きいため、補強スタッド11が、複数のフィルタの近傍で2つの外側の面3の外側リム4同士のあいだで漏れないような接触を維持し、かつ各吐出オリフィス18の断面を一定に維持すべく機能している。
【0049】
図3に示されているように、2つのフィルタは第1に種々の扇形領域21および31と関連し、第2に当該要素の膨らみ部13と関連するように近接されている。
【0050】
よって、不純物を運搬している濾過されるべき流体は、種々のフィルタ要素1の中央開口16によって形成された供給ダクト内に引き込まれ、流入路9を介して種々のフィルタ要素1の外側の面3の扇形領域31に運搬される(矢印F)。
【0051】
外側の面3に隣接して位置づけられた流体は、スクリーン6を通過することによってのみ逃げることができる。なっぜなら、外側の面3の外周のリム4が漏れないように接触しており、これによって流体が直接逃げることを防止ているしているからである。
【0052】
それゆえ、流体は不純物が除去されたスクリーン6を通過し、吐出オリフィス18を介してフィルタから出る前にセル17を通過する。
【0053】
各フィルタ要素が外側の面3毎および内側の面2毎に16の扇形領域を有しているので、対をなした扇形領域21が濾過されるべき流体の分配の分割チャンバ(図示されていない)によって所定の瞬間に連続して覆われ、2つのフィルタの中央開口において同軸状に回転するように設けられたとき、それぞのフィルタの濾過能力は約87.5%である。
【0054】
もともと、図3に示されたフィルタブロックは、2つのフィルタ要素1からなる1つのフィルタによって構成されることができ、これらのフィルタ要素は、扇形領域31が2つのハーフチャンバを形成するようにケース内に設けられた外側の面3を有する。同様に、フィルタ要素1は外側の面3に平行な内側の面2と共に円錐台形状であり得る。
【0055】
本発明は記載された実施例に限定されることはなく、むしろその範囲または精神を超えることなく適用され得るすべての変形を含むものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のフィルタ要素の内面の正面図である。
【図2】 該フィルタ要素の外面の正面図である。
【図3】 図1のIII−III線断面図であり、互いに組み立てられた二つのフィルタを示しており、それぞれのフィルタは2つのフィルタ要素から構成されている。
Claims (7)
- 2つの同一のフィルタ要素からなるフィルタであって、
当該2つの同一のフィルタ要素には、それぞれ中央開口(16)が設けられ、
当該2つの同一のフィルタ要素は、一方がフィルタの内側で他方がフィルタの外側の2つの面と、前記内側の面(2)および外側の面(3)に平行な、中央開口(16)の外形を形成している内側リム(5)および周辺の外側リム(4)と、当該リムのあいだに設けられたスクリーン(6)とを有し、当該2つの面が、それぞれ少なくとも16カ所の扇形領域(21、31)を備え、かつ当該領域がスクリーン(6)の全面によって形成されており、
当該フィルタ要素の各面が前記外側および内側リム(4、5)のあいだのレジスタ内に延びる放射状のリブ(72、73)を有して内側の面(2)および外側の面(3)上に扇形領域(21、31)を形成し、
当該2つのフィルタ要素のうちの1つのフィルタ要素の内側の面(2)の各リブ(72)が他の1つのフィルタ要素の内側の面(2)の対向リブ(72)と接触することができて、各フィルタ要素の外側の面(3)のそれぞれの扇形領域(31)の内側リム(5)を貫いて形成され、外部に通じる流入路(9)をまず経由し、つぎに各フィルタ要素の内側の面(2)のそれぞれの扇形領域(21)の外側リム(4)を貫いて形成された吐出路(10)を経由して供給され、
当該2つのフィルタ要素のうちの1つのフィルタ要素の各吐出路(10)が他の1つのフィルタ要素の吐出路(10)と共にレジスタ内に設けられ、互いに吐出オリフィス(18)を形成し、
前記1つのフィルタ要素が、それぞれの吐出路(10)が補強スタッド(11)を含み、その先端が他の1つのフィルタ要素の補強スタッド(11)と接触してなり、前記1つのフィルタ要素(1)の全領域に対するスクリーン(6)の全面の比が55%〜68%の範囲であることを特徴とするフィルタ。 - それぞれの内側の面(2)およびフィルタ要素のそれぞれの外側の面(3)が少なくとも4つの対向するリブを備え、該リブのそれぞれが少なくとも部分円筒であり、外側リム(4)に固着されてなることを特徴とする請求項1記載のフィルタ。
- ポリアミドなどの熱可塑性の材料から製造されてなることを特徴とする請求項1または2記載のフィルタ。
- 前記スクリーン(6)がポリアミドまたはポリエステルなどの材料から20μmのメッシュサイズで製造されてなることを特徴とする請求項1、2または3記載のフィルタ。
- 前記スクリーン(6)がステンレス鋼から製造されてなることを特徴とする請求項1、2、3または4記載のフィルタ。
- ディスクの形をとってなることを特徴とする請求項1、2、3、4または5記載のフィルタ。
- 円錐形状であることを特徴とする請求項1、2、3、4、5または6記載のフィルタ。
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