JP4402752B2 - Immune enhancer - Google Patents
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Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、抗原に由来する免疫反応を効果的に増強する免疫増強製剤に関する。
本発明における免疫増強製剤は、主としてヒトの医薬あるいは獣医薬分野におけるヒト及びヒト以外の哺乳動物、及び鳥類の疾患の予防あるいは治療を目的としたワクチン製剤として用いられる。さらに本発明は、免疫増強製剤を動物に投与して免疫し、産生される抗体を取得することにより抗体を製造する方法に関する。
【０００２】
【従来の技術】
現在、一般に用いられているワクチンを大別すると、弱毒生（生菌）ワクチンと不活化（死菌）ワクチンに分けられる。弱毒生ワクチンには、一般に良好な免疫反応が得られる長所がある反面、毒性復帰や副作用など安全性に不安がある短所がある。また、不活化ワクチンは弱毒生ワクチンに比べて安全である反面、単回の投与では十分な免疫効果が得られない短所がある。実際、不活化ワクチンを用いた予防接種では、十分な効果を得るために２〜３週間の間隔を開けて２〜３回投与することが行われている。
【０００３】
一方、最近では分子生物学的手法の進歩によって、疾患の予防あるいは治療に有効で、かつ疾患に特異的な抗原が同定され、同定された抗原を模倣し、化学的技術あるいは組み換えＤＮＡ技術によって合成した抗原（コンポーネントワクチン）の製造も可能となっている。このように合成された抗原は、純度、安定性、特異性、安全性の点で従来のワクチン抗原に比べて優れているが、一般に抗原性が低いことが実用上の最大の課題となっている。従って、抗原性の低い抗原に対して効果的に免疫反応を増強する方法が、ヒト医学及び獣医学上強く望まれている。
【０００４】
加えて、不活化ワクチン及びコンポーネントワクチンでは、疾患の予防あるいは治療に有効な免疫反応を得るには、２〜３週間さらに好ましくは４週間以上の間隔を開けて２〜３回投与する必要がある。これに対しては、１回の投与で十分に効果が得られるワクチン（シングルショットワクチン）がヒト医学及び獣医学上強く望まれている。獣医学上の主な利点として１）時間の削減、２）コストの軽減、３）コンプライアンスの向上が挙げられる。ヒト医学上も、上記３つの利点が重要であるが、特に投与期間を遵守した複数回の投与が困難である発展途上国における伝染病の撲滅運動においてコンプライアンスの向上は重要である。
【０００５】
不活化ワクチン及びコンポーネントワクチンにみられる弱い抗原性の問題は、実験レベルではアジュバントを用いることによって克服できるが、実用的には副作用等の様々な問題を抱えている。人工的な物質を用いるアジュバントには2つの方法がある。一つは抗原をオイルまたはリピッドの粒子の表面に分散させる方法であり、もう一つは沈殿物に吸着させる方法である。鉱物油はいくつかの獣医用ワクチンや軍用インフルエンザワクチンに用いられたが、重篤な出血性病変や遷延性肉芽種が発生し、ヒト用ワクチンに常用することは当局から認可されなくなっている。フロイントの完全アジュバント及び不完全アジュバントは、過去40年間もっとも広く動物実験に使われてきた。これらは十分に免疫反応を誘導するが、注入部位における肉芽腫形成、癒着及び発熱など他の毒性を助長するため、ヒトまたは獣医学上の使用はさけられている。アルム（水酸化アルミニウムまたはリン酸アルミニウム）は、現在ヒトへの投与が唯一許可されているアジュバントであり、広く使用されている。しかし、接種部位に肉芽腫を形成する他、有効性にばらつきがある欠点を有している。例えば水酸化アルミニウムは、細菌のトキソイドに使えばいかなるアイソタイプの抗体であれ十分なアジュバント効果を発揮するが、Ｂ型肝炎ウイルスに対するワクチンあるいはインフルエンザウイルスなどでは良い結果は得られていない。
【０００６】
人工的な物質を用いる上記のアジュバントに対して、生体内に存在する免疫賦活効果を有するサイトカインをアジュバントとして利用する方法がある。実際、免疫賦活効果を有するサイトカイン（例えばIL-1、IL-2、IFN-γ、IFN-α、GM-CSF、IL-12等）を使用することによって、抗原に対する免疫反応が増強されることが報告あるいは開示されており、これらは例えばRong Linらによって総説にまとめられている(Clinical Infection Diseases, 21, 1439-1449, 1995年)。しかしながら、サイトカインを溶液状態でアジュバントとして利用する場合、先の人工的なアジュバントの場合に比べて副作用が少ない反面、十分な抗体産生効果を得るには複数回投与する必要がある。これは溶液状態で接種された抗原とサイトカインが接種後直ちに体内に拡散し、抗原に対する特異的な免疫機構を活性化しないためと考えられる。また、サイトカインで全身的に免疫賦活を行うには、大量なサイトカインの投与が必要であり、この場合には重篤な副作用が誘導される可能性がある。従って副作用を生じずに効果的なサイトカインのアジュバントとして使用する方法が望まれている。
【０００７】
不活化ワクチン及びコンポーネントワクチンにみられる弱い抗原性の問題を克服するもう一つのアプローチとしては、担体からの抗原の遅延放出が挙げられる。抗原を遅延放出させる考え方は、アルムで得られるアジュバント効果がアルムに対する抗原の非特異的な吸着とアルムからの持続的な脱離に由来するとの考えに由来する。アルムと同様の効果を有する物質を求めてこれまで種々の担体を用いて試みられてきた（例えば、Hongkee Sahら、J. Pharm. Pharmacol., 48, 32-36, 1996））が、実用化に至った例は見られない。
また、抗原を投与してから充分な免疫効果が得られるまでの期間もまた、疾患の予防あるいは治療の観点から極めて重要である。しかしながら、免疫が活性化されるまでの期間を短縮する試みは、これまで行われてこなかった。
【０００８】
【発明が解決しようとする課題】
以上の点に鑑み、本発明は以下のことを目的としてなされたものである。
（１）生体親和性材料からなる担体から、抗原、または抗原と免疫賦活、免疫刺激もしくは免疫調節作用を有する物質とを遅延放出する免疫増強製剤を提供する。
（２）生体親和性材料からなる担体から、抗原を誘導する物質、または抗原を誘導する物質と免疫賦活、免疫刺激もしくは免疫調節作用を有する物質とを遅延放出する免疫増強製剤を提供する。
（３）（１）と（２）によって提供された製剤によって、副作用を生じないで抗原に由来する免疫反応を増強する方法を提供する。
（４）（１）と（２）によって提供された製剤によって、抗原に由来する免疫反応が活性化されるまでの期間を短縮する方法を提供する。
（５）（１）と（２）によって提供された製剤によって、抗原に由来する免疫の維持期間を長くする方法を提供する。
（６）（１）と（２）によって提供された製剤によって、当該製剤周囲を免疫反応の場とした免疫増強方法を提供する。
（７）（１）と（２）によって提供された製剤を用いた、ヒト用またはヒト以外の哺乳動物もしくは鳥用ワクチンを提供する。
（８）（１）と（２）によって提供された製剤を用いた、ヒト用またはヒト以外の哺乳動物もしくは鳥用シングルショットワクチンを提供する。
【０００９】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、抗原を徐放させ得る製剤を種々検討した結果、抗原を生体親和性材料からなる担体に担持させて生体に投与すると、抗原に由来する免疫反応が増強されることを見いだした。さらに本発明者らは、免疫賦活、免疫刺激又は免疫調節のいずれかの作用を有する物質（以下、併せて「免疫調節物質」という）を抗原と同時に生体親和性材料からなる担体に担持させて生体に投与することにより、免疫反応が早期に、且つ一層増強されることを見いだして本発明を完成した。
【００１０】
以下に本発明の詳細を説明する。
ｉ） 本発明の原理的説明
液性免疫を例に説明する。典型的な免疫応答において２度目の抗原刺激後の抗体産生は、最初の抗原刺激後の抗体産生と比較すると、より早く起こり、より高い抗体価がより長く維持される。抗体産生までに要する時間の相違は、大まかに言って最初の抗原刺激では抗体産生までに、
（１）抗原提示細胞による抗原のT細胞への提示とT細胞の活性化、
（２）活性化されたT細胞によるB細胞の活性化、
（３）樹状細胞による抗原のリンパ節への運搬、
（４）リンパ節でのB細胞の増殖と抗体産生細胞への分化
の一連の段階が必要であるのに対して、２度目の抗原刺激では抗体産生細胞がすでに十分に準備されていることに由来する。また、抗体価の高さ及び維持期間の長さの相違は、通常の溶液状態による免疫刺激では、最初の免疫刺激において投与された抗原は投与後直ちに全身に拡散し、分解、代謝、排泄され、抗体産生細胞が準備されてきた時には殆ど体内から消失しており、抗体産生細胞を再び刺激するに至らないことに由来する。すなわち、疾病の予防あるいは治療上重要である、抗体価をより高く、より長く維持するためには、最初の抗原刺激によって産生された抗体産生細胞が、再び抗原によって刺激を受ける必要がある。
【００１１】
一方、より早期の抗体産生もまた疾病の予防あるいは治療上重要であるが、最初の抗原刺激による抗体産生細胞の産生を効率的に行うことは、抗体のより早期の産生に重要である。抗体産生細胞の産生を効率的に行うには、（１）抗原と抗原提示細胞が接触する機会を高める（抗原の投与部位に抗原提示細胞を集積させる）、及び／または（２）リンパ節でのＢ細胞の活性化、抗体産生細胞への分化を増強する必要がある。
【００１２】
これらの点に着目し、本発明では抗原を生体親和性材料からなる担体に安定に保持させ、持続的に放出させて体内の抗原量を維持し、産生された抗体産生細胞を抗原により再度刺激することによってより高い抗体価をより長く維持することを実現した。特に、免疫増強製剤を投与した局所では抗原の濃度が高く維持されることが推定されるが、この局所的な抗原の高濃度状態は平衡反応である抗原と抗体産生細胞との反応を促進させると共に、免疫担当細胞を投与局所に集積させる。従って局所的な抗原の濃度を高く維持することが、本発明の最も重要な原理として挙げられる。
【００１３】
さらに本発明では生体親和性材料からなる担体に、抗原と免疫調節物質（例えば、サイトカイン）とを同時に担持させ、持続的に放出させて、
（１）抗原投与部位への免疫担当細胞の集積とそれに伴うT細胞への抗原提示の活性化と
（２）免疫増強製剤の投与部位を担当するリンパ節（樹状細胞が抗原を運搬し、抗原産生細胞が産生されるリンパ節）への選択的かつ持続的なサイトカインの流入により、リンパ節でのＢ細胞の活性化と抗体産生細胞への分化
を増強し、より早期の、効果的な抗体産生を実現した。従って本発明における免疫増強製剤の特徴は、溶液状態で抗原、及び抗原とサイトカインを投与した場合に誘導される全身的な免疫賦活機構と異なり、抗原、及び抗原とサイトカインを徐放することによって製剤周囲に免疫賦活の場を形成することにある。
【００１４】
以上の点において本発明の原理上の特徴は以下のようにまとめることができる。
（１）抗原もしくは抗原を誘導する物質（以下、併せて「抗原物質」という）、または抗原物質と免疫調節物質とを持続的に放出する。
（２）投与局所の抗原物質、または抗原物質と免疫調節物質の濃度を高く保つ。
これらの原理上の特徴は、免疫増強製剤を構成する担体が担持する抗原物質、または抗原物質と免疫調節物質を生体内で安定に保持かつ徐放することによって満たされる。免疫増強製剤が生体内に投与されることから、担体は生体親和性に優れた生体親和性材料であることも当然の条件となる。従って上記の製剤的な特徴を満たす生体親和性材料を担体として用いる場合においては、いかなる生体親和性材料を用いた場合であっても、当該の免疫増強製剤によって免疫増強効果が得られることは、本発明の原理と全く矛盾しない。また、本発明では、免疫担当細胞を継続的に抗原で刺激をすることにより、またはＴ細胞およびＢ細胞に対して能動的に活性化を促すことによって、免疫を賦活化させることから、本発明は液性免疫に限らず、粘膜免疫および細胞性免疫をも活性化することができる。
【００１５】
ii）本発明の効果
抗原にアビジンを、免疫調節物質であるサイトカインにＩＬ−１βを用いた抗体産生増強効果を例に、以下に本発明による効果を説明する。
ア）抗原、及び抗原とサイトカインの持続的な放出
図１に示したように、本発明の免疫増強製剤は抗原（アビジン）とサイトカイン（ ＩＬ−１β）を７日以上にわたって持続的に放出した。
イ）抗体産生の増強
本発明の免疫増強製剤による抗体産生の増強効果は、マウス及びヒツジに対する免疫刺激実験で明らかに示された。マウスに剤形を変えてアビジンを投与し、投与７、１４、２１、３５、８３日後の血中の抗アビジン抗体価をＥＬＩＳＡ法により測定した（図２）。マウスにアビジン１００μｇを従来の方法で投与、すなわちアビジンをリン酸緩衝液に溶解した溶液状態で投与した場合と、同量のアビジンを担持した免疫増強製剤（実施例７で調製）を投与した場合、同量のアビジンとＩＬ−１βを同時に担持した免疫増強製剤（実施例８で調製）を投与した場合とを比較した。投与３５日後では、アビジンを担持した免疫増強製剤を投与したマウスの血中抗体価は、アビジン溶液を投与したマウスで得られた抗体価の約２５倍に達した。この結果は、抗原を本発明の免疫増強製剤化することによって抗原に対する抗体産生が増強されたことを示している。さらにアビジンとIL-1βを担持した免疫増強製剤を投与したマウスの抗体価は、アビジン溶液を投与した場合に比べて実に約４５０倍に達した。この結果は、抗原を免疫賦活効果を有するサイトカインと同時に本発明の免疫増強製剤化することによって、抗原に対する抗体産生がさらに増強されることを示している。
【００１６】
抗原と免疫賦活サイトカインを同時に担持した免疫増強製剤による抗体産生効果はヒツジに対する免疫刺激実験でより顕著に見られた（図３）。ヒツジに剤形を変えてアビジンを投与し、投与７、１４、２１、３５日後の血中の抗アビジン抗体価をＥＬＩＳＡ法により測定した。アビジンをヒツジに従来の投与方法で溶液状態で１００μｇ投与しても、抗アビジン抗体は産生されなかった。このマウスとヒツジでの抗体産生の差はマウスとヒツジの体重差に依存すると考えられる。このことは、アビジンは１００μｇの投与でヒツジで抗体が産生されるのに十分な抗原性を有していないことを示している。これに対してアビジンとＩＬ−１βを同時に担持した免疫増強製剤（実施例８で調製）を投与した場合には、投与１４日後に高い抗体産生が見られた。この結果は本発明の免疫増強製剤が、抗体を産生するには不十分な抗原性しか有しない抗原に対し、抗体産生を増強する効果を有することを顕著に示している。一方、アビジンとＩＬ−１βを従来の方法で同時に溶液状態で投与しても、抗体産生は見られなかった。この結果は免疫増強製剤で得られた抗体産生増強効果が製剤からの抗原、及び抗原とサイトカインの持続的放出に依存することを示している。以上のことは、本発明の免疫増強製剤は、十分な抗体価を得るには複数回の投与が必要である従来の投与方法に比べて、一回の投与で十分な抗体価が得られることを示している。
【００１７】
ウ）抗体産生までの期間の短縮
本発明の免疫増強製剤の重要な効果である抗体産生までの期間の短縮は、従来の方法で抗原溶液を投与しても抗体の産生が見られなかったヒツジを用いた免疫刺激実験でよりも、従来の方法で抗原溶液を投与した場合にもある程度の抗体産生が見られたマウスにおける免疫刺激実験で端的に確認できた。図２のグラフで明らかなように、従来の方法でアビジンを溶液状態で投与した場合、投与後１４日目以降に抗アビジン抗体量が増加したのに比べて、免疫増強製剤（アビジンのみあるいはアビジンとＩＬ−１βを担持）を投与した場合には、投与後７日目以降抗体量が急激に増加した。従って抗体産生までの期間が、約１週間短縮された。また、アビジンを溶液状態で投与したマウスで得られた抗体価が、アビジンのみを担持した免疫増強製剤の投与１４日後に得られた抗体価に到達したのは投与８３日後であった。また、アビジンとＩＬ−１βを担持した免疫増強製剤の投与１４日後に得られた抗体価には、投与８３日後でも到達しなかった。このことから、免疫増強製剤は抗体産生期間を６９日以上短縮したと言える。
【００１８】
エ）免疫増強製剤投与部位局所の免疫反応
本発明の原理的説明の項で述べたように、本発明の免疫増強製剤で得られる効果には、製剤を投与した部位局所での免疫反応が重要な役割を果たしていると考えられる。このことは、免疫刺激実験で使用したヒツジの製剤投与部位の組織像から容易に推察された（図４、５）。組織像から、免疫増強製剤周囲に免疫担当細胞が浸潤していることがわかる。ここで言う免疫担当細胞とは、好中球、ＣＤ４陽性Ｔ細胞、γδＴＣＲ陽性Ｔ細胞、ＭＨＣII陽性細胞、マクロファージ等である。
【００１９】
これらの免疫担当細胞の集積は、アビジン（及びＩＬ−１β）を溶液状態で投与した場合には見られなかった。これは溶液状態で接種されたアビジンとＩＬ−１βが接種後直ちに体内に拡散し、免疫担当細胞を局所に誘導しないためであると考えられる。また、これらの免疫担当細胞の集積は、 ＩＬ−１βを担持した免疫増強製剤においてより顕著であった。これらの知見は免疫増強製剤からの持続的な放出により、製剤周囲に抗原、あるいは抗原とサイトカインの高濃度状態を形成し、これにより免疫担当細胞が製剤周囲に集積し抗体産生を増強するとの考えを支持している。
一方、免疫担当細胞の集積はある種の炎症反応であるが、得られた免疫反応は浮腫などを伴わず、炎症反応は自己消失した。
【００２０】
iii）免疫増強製剤
本発明においては、基本的には、生体親和性材料からなる担体に抗原、または抗原を誘導する物質を担持させた製剤であって、所望によりさらに免疫調節物質、あるいはその他の添加物を含んでなる製剤を免疫増強製剤と呼ぶ。
本発明の免疫増強製剤によって増強される「免疫反応」とは、本製剤に含有された抗原または誘導される抗原に由来する免疫反応を指す。賦活化される免疫反応は、液性免疫、粘膜免疫、細胞性免疫のいずれか、あるいはそれらの組み合わせであり得る。
【００２１】
「抗原」としては、抗原に由来する免疫反応を誘導し得るものであれば特に制限はないが、一般にこの抗原に由来する免疫反応がヒトあるいはヒト以外の哺乳動物、鳥類の疾病を予防および／または治療効果を有するものが選択される。例えば、ワクチンハンドブック（国立予防衛生研究所学友会編、丸善、1994年）及びRemington's Pharmaceutical Sciences 14th Edition（Mack Publishing Co.、1995年）の75章、Immunizing Agents、p1426-p1441あるいはPhysician's Desk Reference, 46th Edition（米国食品医薬品局(Food and Drug Administration)認可、1992年）の208-209頁に記載されているトキソイド、ワクチン及び生ワクチン自体あるいはこれから得られる物質が挙げられるがこれに限定されるものではない。
【００２２】
具体的には、
（１）ウイルス、マイコプラズマ、細菌、寄生体、毒素、腫瘍細胞などを例えば遺伝子組み換え（毒性あるいは病原性に関与する遺伝子を改変）、継続的な培養（自己改変による弱毒あるいは非病原性株の出現）、ホルマリン処理、β-プロピオラクトン処理、放射線照射、超音波照射、酵素処理、加熱などの方法を用いて弱毒化、無毒化あるいは非病原性化したもの、
（２）ウイルス、マイコプラズマ、細菌、寄生体、毒素、腫瘍細胞などから、例えば化学的あるいは酵素的な分解、物理的な破砕、カラム精製、抽出、ろ過するなどして得られる、例えば膜表面タンパク質、核内タンパク質などのタンパク質、プロテオグリカン、ポリペプチド、ペプチド、膜構成成分、
（３）ウイルス、マイコプラズマ、細菌、寄生体、腫瘍細胞などからウイルス、マイコプラズマ、細菌、寄生体、毒素、腫瘍細胞などに対する特異的な免疫を誘導する抗原の遺伝子を取り出し、同定し、当該遺伝子をプラスミドのような適当なベクターに組み込み、大腸菌、酵母、動物細胞で発現させることによって得られるペプチドやタンパク質で構成されるサブユニットワクチン、当該抗原と同じあるいはそれ以上に高い特異的な免疫原性を有するように配列された合成ペプチドなどを挙げることができるがこれらに限定されるものではない。ここで腫瘍細胞に対する特異的な免疫を誘導する抗原とは、MAGE-1、MAGE-3、BAGEなどのいわゆる癌退縮抗原や、Tyrosinase、Mart-1、gp100、gp75などの組織特異抗原や、p15、Mucl、CEA、HPV E6，E7、HPR2/neuなどを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【００２３】
より具体的な「抗原」として、以下のような疾患の予防あるいは治療に有効な免疫反応を誘導し得る抗原が挙げられるが、これに限定されるものではない：コレラ、百日咳、ペスト、腸チフス、髄膜炎、肺炎、らい病、りん病、赤痢、ポリオ、グラム陰性敗血症、大腸菌敗血症、狂犬病、ジフテリア、ボツリヌス、破傷風、小児麻痺、インフルエンザ、日本脳炎、風疹、麻疹、黄熱病、耳舌腺炎、Ａ型肝炎、Ｂ型肝炎、Ｃ型肝炎、水痘／帯状疱疹、マラリア、結核、カンジタ、虫歯、後天性免疫不全症候群、癌（腫瘍）、オーエスキー病、乳房炎、炭疸病、ブルセラ病、マルタ熱、チーズ様リンパ節炎、腸毒血症、腸炎、伝染性壊死性肝炎、悪性浮腫、気腫症、レプトスピラ症、scabby mouse、ビブリオ病、丹毒、腺疫、ボルデテラ性気管支炎、ジステンパー、全白血球減少症、気管支炎、ヒツジハエうじ症、ウイルス性下痢症、ピメレア(Pimelea)中毒。さらに、以下のようなウイルス、マイコプラズマ、細菌、寄生体の感染及び病態の発症の予防、及び発症した疾患の治療に有効な免疫反応を誘導し得る抗原が挙げられるが、これに限定されるものではない：グループB髄膜炎菌、グループＢ連鎖状球菌、緑膿菌、黄色ブドウ球菌、表皮ブドウ球菌、サルモネラ菌、クロストリディウム属に属する細菌、アデノウイルス、コロナウイルス、ＲＳウイルス、ヒト免疫欠損ウイルスIおよびII、単純ヘルペスI及びII、ＣＭＶ、ＥＢＶ、トラコーマクラミジア、パルボウイルス、パラインフルエンザウイルス、カリシウイルス。
本発明における「抗原」には、疾病の予防あるいは治療に用いられるだけでなく、動物産業で産業上の理由で用いられる抗原も含まれる。例えばこれらの抗原は、ワクチンズ・イン・アグリカルチャー、イミュノロジカル・アプリケーションズ・トゥー・アニマル・ヘルス・アンド・プロダクション（Vaccines in Agriculture, Immunological Applications to Animal Health and Production(P. R. Woodら編集、CSIRO、1994年)）の71-160頁に記載の抗原を挙げることができるが、これに限定されるものではない。動物産業の産業上の理由で用いられる抗原としては、以下に挙げる抗原が含まれるが、これに限定されるものではない。１）家畜の繁殖に利用される抗原；インヒビン関連ペプチド、放出ホルモン（黄体形成ホルモン放出ホルモン、性腺刺激ホルモン放出ホルモン等）に対する免疫反応を誘導し得る抗原：２）家畜の成長及び代謝を調節するのに利用される抗原；成長ホルモン関連因子、インシュリン様成長因子-1、成長ホルモン、ステロイドホルモン、性ステロイドホルモン、含脂肪細胞の原形質膜抗原、肥満脂質、コルチゾール、腺副腎皮質刺激ホルモン、腺副腎皮質刺激ホルモン受容体、β−アドレナリン受容体、腺下垂体ホルモン（プロラクチン、ACTH、STH、TSH、LH、FSH等）に対する免疫反応を誘導し得る抗原：３）家畜の飼育環境を調節するのに利用される抗原；植物随伴毒素、低分子量天然毒物に対する免疫反応を誘導し得る抗原。
また、本発明における「抗原」とは、抗原に対する特異的な免疫反応を誘導し得るものに限定されるものではなく、抗原に対して非特異的な免疫を誘導し得るものも含まれる。ここで抗原に対して非特異的な免疫を誘導し得る抗原とは、例えばブドウ球菌由来の腸管毒素ＳＥ(staphylococcal enterotoxins)やＴＳＳＴ−１(toxic shock syndrome toxin-1)、脱落皮毒素ＥＴ(exofoliative dermatitis toxin)、宮城県獣医師会会報、第50巻3号、133-137、1997に記載の溶レン菌菌体の細胞膜に由来するＣＡＰ(cell-membrane associated protein)、Ｔ−１２やＮＹ−５溶レン菌由来のＳＰＭ(Streptococcus pyogenes-mitogen)等の細菌由来抗原であるスーパー抗原が挙げられるが、これに限定されるものではない。
【００２４】
「抗原を誘導する物質」とは、生体内で上記のような抗原の産生を誘導する物質であって、例えばウイルス、マイコプラズマ、細菌、寄生体、毒素、腫瘍細胞などに対する特異的な免疫を誘導し得る抗原の遺伝子配列をコードする核酸が生体内で当該の抗原を産生するように組み込まれたプラスミドやウイルスを挙げることができる。
組み込まれる核酸としては、上記のような抗原となり得る物質をコードする核酸を挙げることができ、例えば以下のようなタンパク質をコードする核酸を挙げることができる。インフルエンザウイルスのＨＡやＮＡ、あるいはＮＰの各タンパク質、Ｃ型肝炎ウイルスのＥ２やＮＳ１タンパク質、Ｂ型肝炎ウイルスのＨＢｓ抗原タンパク質、Ａ型肝炎ウイルスのカプシドタンパク質であるＶＰ１やＶＰ３、あるいはカプシド様タンパク質、デングウイルスのＥｇｐタンパク質、ＲＳウイルスのＦあるいはＧタンパク質、狂犬病ウイルスの構造タンパク質であるＧやＮタンパク質、ヘルペスウイルスのｇＤタンパク質、日本脳炎ウイルスのＥ１あるいはｐｒｅ−Ｍタンパク質，ロタウイルスの外殻糖タンパク質ＶＰ７や外殻タンパク質ＶＰ４、ヒト免疫不全ウイルスのｐｇ１２０やｇｐ１６０タンパク質、Leishmania majorの主要表面抗原タンパク質、マラリアのスポロゾイドの主要表面抗原（circum sporozoite protein）タンパク質、トキソプラズマの５４−ｋｄやＣＳタンパク質、虫歯の原因となるStreptococcus mutansの菌体表面タンパク質ＰＡｃ。また、MAGE-1、MAGE-3、またはBAGEなどの癌退縮抗原や、Tyrosinase、Mart-1、gp100、gp75などの組織特異抗原、p15、Muc1、CEA、HPV E6，E7、HER2/neuなどをコードする核酸および「Immunization with DNA」：Journal of Immunological Methods、176巻、1994年、145〜152頁に記載の核酸を挙げることができるが、これに限定されるものではない。このような核酸を組み込むプラスミドやウイルスは、病原性がないものである限り特に制限はないが、例えばウイルスとしては、アデノウイルス、アデノ関連ウイルス、ワクシニアウイルス、レトロウイルス、ＨＩＶウイルス、ヘルペスウイルスなどの通常のベクターとして用いられるものが挙げられる。
【００２５】
抗原物質は、例えば化学的技術、組み換えＤＮＡ技術、細胞培養技術または発酵技術によって得ることができる。本発明においては、どのような方法によって得られたものを用いてもよいが、本発明製剤は前記のような効果を有するので、従来の投与方法（例えば溶液状態、懸濁液状態での注射的な投与）では一般に効率よく免疫反応が誘導されにくい組み換えＤＮＡ技術によって得られた抗原性が低い抗原に対して、特に適している。
【００２６】
特異的な免疫を誘導する抗原物質は、修飾・改変などを行うことなく、そのまま免疫増強製剤に含有させてもよいが、さらに抗原性を高めそして／または安定性を高める目的で、例えば、（１）抗原よりも分子量の大きなタンパク質（例えばβ-ガラクトシダーゼやコアタンパク質など）と共有結合であるいは非共有結合で結合させるか、（２）適当な糖鎖を付加するか、（３）リポソームに封じ込めるか、または（４）ウイルスとリポソームの膜融合型リポソームや（５）Ｂ３０ＭＤＰ(6-O-(2-tetradecylhexadecanoyl)-N-acetylmuramyl-L-alanyl-D-isoglutamine)を用いて得られる膜粒子（ビロゾーム）に含有させてもよい。
【００２７】
「免疫調節物質（免疫賦活、免疫刺激または免疫増強の作用を有する物質）」としては、特に制限はないが、例えばサイトカイン、ケモカイン、成長因子、免疫賦活ペプチド、免疫賦活ＤＮＡ配列、アルム、フロイントの完全アジュバント、不完全アジュバント、イスコム、サポニン、ポリオキシプロピレンとポリオキシエチレンの共重合体、ＣＲＬ−１００５（Vaxcel社）、ＱＳ−２１（Cambridge Biotech社）、ヘキサデシルアミン、ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロマイド、アブリジン、細胞壁骨格成分、コレラトキシン、リポ多糖体内毒素、ウォーターリードリポソームおよびサイトカインを含有したリポソーム等のリポソーム、1,25-ジヒドロキシビタミン-Ｄ3、およびカルボキシルビニールポリマーにアルギニンと塩化ナトリウムを加えてゲル化したものなどが挙げられる。サイトカインとしては、ＩＦＮ−α、ＩＦＮ−β、ＩＦＮ-γ、 ＩＬ−１α、 ＩＬ−１β、ＩＬ−２、 ＩＬ−３、 ＩＬ−４、 ＩＬ−５、 ＩＬ−６、 ＩＬ−８、ＴＮＦ−α、ＴＮＦ−β、ＧＭ−ＣＳＦなどが挙げられるがこれらに限定されるものではない。特に免疫増強製剤の投与部位に免疫担当細胞を集積させ、抗体産生の増強を希望する場合においては、 ＩＬ−１β及びＩＬ−２が望ましい。
また、具体的な免疫調節物質としては、例えば以下に挙げる物質の一あるいはそれ以上の群から選択されるが、これに限定されるものではない： リン酸アルミニウムゲル(例えばAdju-Phos)、β-グルカン(例えばAlgal Glucan )、γ-イヌリン／アルム複合体(例えばAlgammulin )、水酸化アルミニウムゲル(例えばAlhydrogel)、スクアラン、Tween 80、プルロニックL121からなるエマルジョン(例えばAntigen Formulation )、アブリジン (N,N-ジオクタデシル-N',N'-ビス(2-ハイドロオキシエチル)プロパンジアミン、登録商標、VIDO, Canada)、BAY R1005 (N-(2-デオキシ-2-L-ロイシルアミノ-β-D-グルコピラノシル)-N-オクタデシル-ドデカノイルアミド ハイドロアセテート)、カルシトリオール(Calcitriol 、1α,25-ジヒドロキシビタミンD3)、リン酸カルシウムゲル、コレラホロトキシン (CT)、コレラトキシンBサブユニット (CTB)、CRL1005 (Vaxcel Corporation, USA)、臭化ジエチルジオクタデシルアンモニウムブロマイド (DDA)、ジハイドロエピアンドロステロン(DHEA )、ジミリストイルホスファチジルコリン (DMPC)、 ジミリストイルホスファチジルグリセロール(DMPG)、デオキシコール酸ナトリウム塩(DOC)/アルム複合体、γ-イヌリン、ゲルブアジュバント (N-アセチルグルコサミニル-(β1-4)-N-アセチルムラミル-L-アラニル-D-グルタミン(GMDP)と塩化ジメチルジオクタデシルアンモニウム(DDA)と亜鉛／L-プロリン塩複合体の混合物、GMDP、1-(2-メチルプロピル)-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-4-アミン(Imiquimod )、ImmTher (登録商標、Immuno Therapeutica, Inc., USA)、ISCOM(s) (登録商標、ISCOTEC AB, Sweden)、Iscoprep 7.0.3 (登録商標、ISCOTEC AB, Sweden)、ロキソリビン (7-アリル-8-オキソグアノシン)、LT-OA (LT経口アジュバント、大腸菌の不安定な腸毒素プロトキシン)、MF59 (ポリソルベート80とスパン85及びスクアレンからなるエマルジョン)、MONTANIDE ISA 51 (登録商標、SEPPIC, France)、MONTANIDE ISA 720 (登録商標、SEPPIC, France)、MPL (登録商標、Ribi ImmunoChem Research, Inc., USA)、N-アセチル-L-アラニル-D-イソグルタミニル-L-アラニン-2-(1,2-ジパルミトイル-sn-グリセロ-3-(ヒドロキシ-ホスホリルオキシ))エチルアミド一ナトリウム塩 (MTP-PE）、MTP-PEリポソーム (MTP-PE抗原提示リポソーム)、ムラメチド (NAc-Mur-L-Ala-D-Gln-OCH3)、ムラパルミチン (NAc-Mur-L-Thr-D-isoGln-sn-グリセロールジパルミトイル)、D-ムラパルミチン (NAc-Mur-D-Ala-D-isoGln-sn-ジグリセロールジパルミトイル)、NAGO (ニュウラミナーゼとガラクトースオキシダーゼの混合物)、非極性界面活性小胞 (コレステロールとモノパルミトイル-rac-グリセラル及びリン酸ジセチルの混合物)、プルラン (β-グルカン)、PLGA (乳酸とグリコール酸の共重合体)、PGA (ポリグリコール酸)、PLA (ポリ乳酸)、プルロニックL121、PMMA (ポリメチルメタクリレート)、PODDS (登録商標、アクリル化アミノ酸)、Poly rAとPoly rUの複合体、ポリホスファジン、ポリソルベート80、リン脂質タンパクとカルシウムの複合体(例えばProtein Cochleates )、QS-21 (Stimulon、登録商標、Cambridge Biotech Corporation, USA)、クィルＡ(Quil A 、Quillajaサポニン)、高タンパク吸着性水酸化アルミニウムゲル(例えばRehydragel HPA )、低粘度水酸化アルミニウムゲル(例えばRehydragel LV )、4-アミノ-α,α-ジメチル-2-エトキシメチル-1H-イミダゾ[4,5-c]キノリン-1-エタノール (S-28463)、SAF-1 (スレオニルムラミルジペプチドとプルロニックL121とポリソルベート80及びスクアランの混合物)、IL-1βの163-171ペプチド (Sclavo Peptide)、センダイプロテオリポソーム、脂質センダイマトリックス、スパン85 (アラセル85、ソルビタントリオレート)、スペコール(Specol 、鉱物油とシクロパラフィン、スパン85及びTween 85の混合物)、スクアラン、スクアレン、ステアリルチロシン、N-アセチルグルコサミニル-N-アセチルムラミル-L-Ala-D-isoGlu-L-Ala-ジパルミトキシプロピルアミド(Theramide )、スレオニルムラミルジペプチド(Termurtide、登録商標、Syntex, USA)、ティーワイ・パーティクルズ（Ty particles）、ウォーターリードリポソーム(Water Reed Liposomes 、リピドAを吸着した水酸化アルミニウムを含有したリポソーム)。
【００２８】
本発明の免疫増強製剤に含有される抗原物質及び免疫調節物質の量は、製剤に含有される時の生体親和性材料及び添加剤との混合比や製剤の大きさによっていかようにも調節することができる。本発明製剤により投与する抗原物質の量は、従来の投与方法（例えば溶液状態、懸濁液状態での注射的な投与）で用いられる量と同程度であってもよいが、本発明製剤は前記のような優れた免疫増強効果を有するので、従来法による投与量以下の投与量で十分に免疫を誘導することができ、抗原物質の種類や本発明製剤の剤形あるいは抗原物質と同時に投与する免疫調節物質の種類や量により、適宜投与量を調節することができる。
【００２９】
本発明の免疫増強製剤の担体は、抗原物質を担体内に分散または包含して担持する。また、当該担体は抗原（および免疫調節物質）を持続的に放出する。本発明の免疫増強製剤の担体は、以下の適当な生体親和性材料から形成される。
「生体親和性材料」としては、生体親和性に優れ、抗原物質及び免疫調節物質を生体内で安定に保持かつ徐放できるものが好ましい。生体親和性材料は、例えばコラーゲン、ゼラチン、フィブリン、アルブミン、ヒアルロン酸、ヘパリン、コンドロイチン硫酸、キチン、キトサン、アルギン酸、ペクチン、アガロース、アラビアゴム；グリコール酸、乳酸、アミノ酸の重合体及びこれらの二種類以上の共重合体；ハイドロキシアパタイト、ポリメタクリル酸メチル、ポリジメチルシロキサン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル及びポリエチレンからなる群の中から任意に選ぶことができる。これらの生体親和性材料は単独で、または二以上の混合物として用いることができる。
生体親和性材料は、免疫増強製剤の調製工程において抗原物質と免疫調節物質を変性及び／または失活させないことを条件に、さらに希望する効果により生体内分解性あるいは生体内非分解性の条件から選択される。
【００３０】
特に好ましい生体内分解性の生体親和性材料としてはコラーゲンが挙げられ、このコラーゲンに上記他の生体親和性材料を混合することもまた望ましい。コラーゲンとしては本発明の目的にかなう限りはいかなるものも使用できる。例えば、動植物から得られる酸可溶性コラーゲン、塩可溶性コラーゲン、アルカリ可溶性コラーゲンおよびこれらのコラーゲンから得られるアテロコラーゲン、側鎖を修飾したコラーゲン、架橋したコラーゲン、あるいは遺伝子工学的手法により製造されるコラーゲン類、特にはアテロコラーゲンおよびこれらのコラーゲンから得られる側鎖を修飾したコラーゲン、架橋したコラーゲン等を用いることができる。側鎖を修飾したコラーゲンとしては、例えばサクシニル化、メチル化あるいはミリスチル化したコラーゲン等を挙げることができる。架橋したコラーゲンとしては、例えばグルタルアルデヒド、ヘキサメチレンジイソシアナートまたはポリエポキシ化合物等で処理したコラーゲン等を挙げることができる（フレグランス・ジャーナル、１２巻、1989年、104-109頁、特公平 7-59522号公報）。
【００３１】
特に好ましい生体内非分解性の生体親和性材料としてはポリジメチルシロキサンが挙げられ、このポリジメチルシロキサンに上記他の生体親和性材料を混合することもまた望ましい。ポリジメチルシロキサンとしては特に制限はないが、成形性が容易などの点から例えばサイラスティック（登録商標）メディカルグレード ETR エラストマー Q7-4750、ダウコーニング（登録商標）MDX-4-4210 メディカルグレード エラストマー等のシリコーンが特に好ましい。
【００３２】
また、抗原物質または免疫調節物質を安定化しそして／または放出を制御するためあるいは、免疫増強製剤を免疫担当細胞に貪食されやすくして免疫効果を高めるため、必要に応じて製剤的添加剤を添加することができる。製剤的添加剤としては、例えばアルブミン、グリシン、グリシン以外のアミノ酸、ポリアミノ酸、ゼラチン、コンドロイチン硫酸、塩化ナトリウム、マンナン、グルコマンナン、タンニン酸、クエン酸ナトリウム、マンニトール等が挙げられるが、これに限定されるものではない。
コラーゲンに他の生体親和性材料または添加剤を混合する場合には、製剤中のコラーゲンの含量は１０ｗ／ｗ％以上がよく、好ましくは３０ｗ／ｗ％以上の範囲が挙げられ、特に好ましくは７０ｗ／ｗ％以上の範囲が挙げられる。またシリコーンに他の生体親和性材料または添加剤を混合する場合には、製剤中のシリコーンの含量は１０ｗ／ｗ％以上がよく、好ましくは５０ｗ／ｗ％以上の範囲が挙げられ、特に好ましくは７０ｗ／ｗ％以上の範囲が挙げられる。
【００３３】
本発明にかかる免疫増強製剤の形状は、特に制限はなく、溶液状、懸濁液状、ゲル状、フィルム状、スポンジ状、棒状または微粒子状等が挙げられる。好ましい形状は、より効率良く免疫応答を誘導できるように選択される。好ましい形状として棒状が挙げられる。より好ましいものとして、公開特許公報平成７年第１８７９９４号に記載された製剤の形状、例えば
（ａ）均一に分散した抗原、または抗原を誘導する物質を含有する非崩壊性の生体親和性材料の内層、および
（ｂ）該内層の周囲を包む、水を通さない、内層の膨潤を制御し得る生体親和性材料の外層
からなり、内層の両端または片端が外部環境に直接接触するように開放している棒状の製剤が挙げられる。上記の内層に用いる生体親和性材料と外層に用いる生体親和性材料とは、同一でも異なっていてもよい。
なお、本明細書中、「非崩壊性］とは、水に接触しても直ちに溶解、分解などによって消失することがなく、初期の形状を所望の時間保ち得ることを意味する。生分解性のものとしてはポリ乳酸グリコール酸共重合体などのポリエステル、ポリアミノ酸、また非生分解性のものとしてはシリコーン、エチレンビニル酢酸共重合体、ポリビニルアルコールなどが挙げられる。
望ましくは、棒状の生体親和性の担体は、ポリジメチルシロキサン由来の材料で構成される。
例えば、棒状の形状では抗原物質（及び免疫調節物質）が長期間にわたって持続的に放出され、微粒子状の形状ではマクロファージなどの免疫担当細胞に貪食される。微粒子の場合には微粒子の直径は望ましくは０．１μｍ〜１００μｍ、さらには０．５μｍ〜５０μｍであることが望ましいがこれに限定されるものではない。
本発明にかかる免疫増強製剤の投与方法は、特に制限はなく、注射的投与、経口投与、鼻腔と／あるいは肺内部への投与、圧縮空気を用いた射入、切開部位への留置などが挙げられる。好ましい投与方法は、より効率良く免疫応答を誘導することを目的に、免疫増強製剤の形状により選択され、例えば棒状の場合、注射的投与あるいは切開部位への留置が望ましく、微粒子の場合には切開部位に直接留置しても良いが、特公平3-72046に記載されているように注射用溶媒に懸濁して懸濁液状で注射的投与しても良く、さらにHelios Gene Gun System (BIO-RAD社）あるいはProc.Natl.Acad.Sci.USA、93、6291-6296(1996)に記載されている粉末射出装置などを用いて、圧縮空気を用いた射入により投与しても良いがこれに限定されるものではない。ここで注射用溶媒としては、微粒子を容易に均一に分散でき、投与するまでの間微粒子を崩壊させず、かつ抗原物質及び免疫調節物質を微粒子内に安定に保持すること、更に溶媒自身に毒性がなく、かつ微粒子を当該溶媒に分散することによって毒性が誘起されないことを条件に、担体、抗原物質及び免疫調節物質の性質に依存して選択される限りはいかなるものも使用できる。例えば以下のような溶媒が挙げられるが、これに限定されるものではない：蒸留水、生理的食塩水、リン酸緩衝液、大豆油、ゴマ油、ラッカセイ油、綿実油、ＭＣＴ（中鎖脂肪酸トリグリセリド）、オリーブ油、トウモロコシ油、ひまし油、シリコーンオイル、ＰＥＧ（ポリエチレングリコール）、ＰＧ（プロピレングリコール）、スクワラン、スクワレンなどあるいはリポソームの調製に用いられている脂肪酸類、例えばＤＯＴＭＡ、ＤＯＰＥ、ＤＯＧＳ。
【００３４】
生体内分解性の溶液状、懸濁液状およびゲル状の免疫増強製剤の製造方法としては、例えば、
(1)必要に応じて添加剤を添加した溶液状またはゲル状の担体に抗原物質（及び免疫調節物質）の粉末、溶液、懸濁液またはゲルを混合する方法、
(2)必要に応じて添加剤を添加した粉末状の担体に、抗原物質（及び免疫調節物質）の溶液、懸濁液またはゲルを添加し、混合する方法、
(3)必要に応じて添加剤を添加したスポンジ状担体に、抗原物質（及び免疫調節物質）の溶液、懸濁液またはゲルを添加し、練合する方法を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
【００３５】
生体内分解性の固体状の免疫増強製剤の製造方法としては、例えば、藤岡らの方法（特公平7-59522号）があるがこれらに限定されるものではない。この他、
（１）必要に応じて添加剤を添加した溶液状またはゲル状の担体に、抗原物質（及び免疫調節物質）の粉末、溶液、懸濁液またはゲルを混合し、乾燥する方法、
（２）必要に応じて添加剤を添加した粉末状の担体に、抗原物質（及び免疫調節物質）の溶液、懸濁液またはゲルを混合し、乾燥する方法、
（３）必要に応じて添加剤を添加したスポンジ状の担体に、抗原物質（及び免疫調節物質）の溶液、懸濁液またはゲルを浸透させ、乾燥する方法、
（４）必要に応じて添加剤を添加したスポンジ状の担体に、抗原物質（及び免疫調節物質）の溶液、懸濁液またはゲルを浸透させ、そのまま乾燥するか、または必要に応じて水等を加えた後、練合し、乾燥する方法、
（５）（１）〜（４）の方法で得られる固形物を粉砕し、圧縮成形する方法、
（６）必要に応じて添加剤を添加した粉末状の担体と抗原物質（及び免疫調節物質）の粉末を混合し、圧縮成形する方法などを挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
【００３６】
生体内分解性の微粒子状の免疫増強製剤の製造方法としては、例えば、
（１）抗原物質（および免疫調節物質）、担体、さらに必要に応じて添加剤を添加した溶液を噴霧乾燥する方法、
（２）抗原物質（および免疫調節物質）、担体、さらに必要に応じて添加剤を添加した溶液を凍結乾燥し、得られたスポンジを粉砕する方法、
（３）抗原物質（および免疫調節物質）、担体、さらに必要に応じて添加剤を添加した溶液を担体が溶解しない溶液中に滴下、撹拌し得られた微粒子を乾燥する方法を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
なお、乾燥方法、乾燥時の温度および湿度、混合方法、混合時の温度および湿度、圧縮成形の方法、圧縮成形時の温度、湿度、圧縮圧力、担体溶液および抗原物質（および免疫調節物質）溶液の溶液粘度、担体と抗原物質（および免疫調節物質）との混合溶液の粘度、ｐＨについては通常の方法と同様に行うことができる。
【００３７】
生体内非分解性の固体状の免疫増強製剤の製造方法としては、例えば
（１）必要に応じて添加剤を添加した担体モノマーに抗原物質（及び免疫調節物質）の溶液、懸濁液またはゲルを混合し、硬化剤を加え、任意の型に充填もしくは押し出しにより成形し硬化させる方法、
（２）必要に応じて添加剤を添加した粉末状の担体に抗原物質（及び免疫調節物質）の溶液、懸濁液またはゲルを混合し乾燥する方法、
（３）必要に応じて添加剤を添加した粉末状の担体に抗原物質（及び免疫調節物質）の粉末、溶液、懸濁液またはゲルを混合し、任意の型に充填して圧縮成形もしくは押し出しにより成形する方法、
（４）必要に応じてスポンジ状の担体に抗原物質（及び免疫調節物質）の溶液、懸濁液またはゲルを混合し乾燥する方法、
（５）必要に応じて添加剤を添加したスポンジ状の担体に抗原物質（及び免疫調節物質）の粉末、溶液、懸濁液またはゲルを混合し、任意の型に充填して圧縮成形もしくは押し出しにより成形する方法、
（６）（１）、（３）及び（５）の方法で抗原物質（及び免疫調節物質）を含有する棒状の内層を作成し、次いでその側面を抗原物質（及び免疫調節物質）を含有しない外層素材で被覆する方法、
（７）ノズルを用いて内層と外層を同時に押し出し、成形する方法
を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。なお、乾燥方法、乾燥時の温度及び湿度、混合方法、混合時の温度及び湿度、圧縮成形の方法、圧縮成形時の温度、湿度、圧縮圧力、担体溶液及び抗原物質（及び免疫調節物質）溶液の溶液粘度、担体と抗原物質（及び免疫調節物質）の混合溶液の粘度、pHについては通常の方法と同様に行うことができる。
【００３８】
本発明に関わる免疫増強製剤の使用方法は、例えば（１）疾病の予防あるいは治療を目的としたヒト用あるいはヒト以外の哺乳動物及び鳥用ワクチン製剤、
（２）抗体の製造を目的として動物に投与する免疫製剤として使用する方法を挙げることができるが、これに限定されるものではない。本製剤を用いた抗体の製造方法は、抗体を産生させる動物に抗原を投与するのに本製剤を用いる以外は、現在一般に行われている方法と何ら変わるところはない。
【００３９】
本発明に関わる免疫増強製剤は、使用の目的に応じて投与部位を選択することができる。例えば、一般的なワクチンとして使用する場合は皮下、筋肉内等に投与することができる。また、本発明の原理的説明で述べたように、本発明の免疫増強製剤は投与された部位を担当するリンパ節あるいは投与部位の免疫反応を特異的に活性化することができることから、目的に応じて標的臓器に直接投与することができる。例えば、腫瘍由来の抗原とサイトカインを担持した免疫増強製剤を腫瘍細胞局所あるいは腫瘍を手術的に除去した部位に直接投与し、腫瘍に対する免疫反応を活性化することができる。さらには、腫瘍部位局所への免疫増強製剤の直接投与は、腫瘍部位局所を担当するリンパ節を介する全身リンパ系への腫瘍細胞の転移を抑制する効果が期待される。
【００４０】
【実施例】
（１）免疫増強製剤の作成
実施例１
アビジン（ベーリンガーマンハイム社）5.0mg/mlを含む水溶液10mlと、グリシン（ナカライテスク株式会社）100mg/mlを含む水溶液3mlをアテロコラーゲン液（株式会社 高研：2％アテロコラーゲン含有）134gと混合することで、溶液状の免疫増強製剤を作成した。
【００４１】
実施例２
ヒツジIL-1β（A.E.Andrewsら、Vaccine, 12, 14-22, 1994の方法に従って調製） 5.0mg/mlを含む水溶液1.7mlと、アビジン5.0mg/mlを含む水溶液8.6mlと、グリシン 100mg/mlを含む水溶液1.5mlをアテロコラーゲン液142gと混合することで、溶液状の免疫増強製剤を作成した。
【００４２】
実施例３
実施例１で調製した溶液状の免疫増強製剤を凍結乾燥することにより、スポンジ状の免疫増強製剤を得た。
実施例４
実施例２で調製した溶液状の免疫増強製剤を凍結乾燥することにより、スポンジ状の免疫増強製剤を得た。
【００４３】
実施例５
実施例３で調製したスポンジ状の免疫増強製剤に7gの蒸留水を加え、一晩放置し練合することでゲル状の免疫増強製剤を得た。
【００４４】
実施例６
実施例４で調製したスポンジ状の免疫増強製剤に7gの蒸留水を加え、一晩放置し練合することでゲル状の免疫増強製剤を得た。
【００４５】
実施例７
実施例５で調製したゲル状の免疫増強製剤を棒状に押し出し、これを乾燥させることによって棒状の免疫増強製剤を得た。
【００４６】
実施例８
実施例６で調製したゲル状の免疫増強製剤を棒状に押し出し、これを乾燥させることによって棒状の免疫増強製剤を得た。
【００４７】
実施例９
アビジン1mg/ml水溶液11.1gとヒト血清アルブミン（ＨＳＡ）81mg/ml水溶液12.2gを混合し凍結乾燥する。凍結乾燥ケーキを粉砕、篩過して20μm以下の粉末を得る。一方、サイラスティック（登録商標、ダウコーニング社）メディカルグレード ETR エラストマー Q7-4750Ａ成分0.7gと同Ｂ成分0.7gを混合する。混合後速やかに上記粉末0.6gを練合する。これを直径1.9mmの孔から圧力をかけて押し出し、室温で静置して硬化させる。これを切断して免疫増強製剤を得る。
【００４８】
実施例１０
アビジン1mg/ml水溶液11.1gとIL-1β2mg/ml水溶液61μl、ヒト血清アルブミン（ＨＳＡ）81mg/ml水溶液12.2gを混合し凍結乾燥する。凍結乾燥ケーキを粉砕、篩過して20μm以下の粉末を得る。一方、サイラスティック（登録商標）メディカルグレード ETR エラストマー Q7-4750Ａ成分0.7gと同Ｂ成分0.7gを混合する。混合後速やかに上記粉末0.6gを練合する。これを直径1.9mmの孔から圧力をかけて押し出し、室温で静置して硬化させる。これを切断して免疫増強製剤を得る。
【００４９】
実施例１１
実施例９で硬化させたものをサイラスティック メディカルグレード ETR エラストマー Q7-4750Ａ成分とＢ成分の各10％トルエン分散液を1:1の比で混合したものに浸漬後、乾燥し、0.2mm厚の外層を施す。これを切断し、免疫増強製剤を得る。
【００５０】
実施例１２
実施例１０で硬化させたものをサイラスティック メディカルグレード ETR エラストマー Q7-4750Ａ成分とＢ成分の各10％トルエン分散液を1:1の比で混合したものに浸漬後、乾燥し、0.2mm厚の外層を施す。これを切断し、免疫増強製剤を得る。
【００５１】
実施例１３
アビジン1mg/ml水溶液11.1gとヒト血清アルブミン（ＨＳＡ）81mg/ml水溶液12.2gを混合し凍結乾燥する。凍結乾燥ケーキを粉砕、篩過して20μm以下の粉末を得る。一方、信越シリコーン（登録商標、信越化学株式会社）ＫＥ６８（主剤）1.372gと信越シリコーン（登録商標、信越化学株式会社）Ｃａｔ-ＲＣ（硬化剤）28mgを混合する。混合後速やかに上記粉末0.6gを練合する。これを直径1.9mmの孔から圧力をかけて押し出し、室温で静置して硬化させる。これを切断して免疫増強製剤を得る。
【００５２】
実施例１４
アビジン1mg/ml水溶液11.1gとIL-1β2mg/ml水溶液61μl、ヒト血清アルブミン（ＨＳＡ）81mg/ml水溶液12.2gを混合し凍結乾燥する。凍結乾燥ケーキを粉砕、篩過して20μm以下の粉末を得る。一方、信越シリコーンＫＥ６８（主剤）1.372gと信越シリコーンＣａｔ-ＲＣ（硬化剤）28mgを混合する。混合後速やかに上記粉末0.6gを練合する。これを直径1.9mmの孔から圧力をかけて押し出し、室温で静置して硬化させる。これを切断して免疫増強製剤を得る。
【００５３】
実施例１５
実施例１３で硬化させたものを信越シリコーン（登録商標）ＫＥ６８（主剤）と信越シリコーンＣａｔ-ＲＣ（硬化剤）の各10％トルエン分散液を98:2の比で混合したものに浸漬後、乾燥し、0.2mm厚の外層を施す。これを切断し、免疫増強製剤を得る。
【００５４】
実施例１６
実施例１４で硬化させたものを信越シリコーン（登録商標）ＫＥ６８（主剤）と信越シリコーンＣａｔ-ＲＣ（硬化剤）の各10％トルエン分散液を98:2の比で混合したものに浸漬後、乾燥し、0.2mm厚の外層を施す。これを切断し、免疫増強製剤を得る。
【００５５】
実施例１７
アビジン5mg/ml水溶液0.578gとクエン酸ナトリウム100mg/ml水溶液13.0g、マンニトール100mg/ml水溶液13.0gを混合し、凍結乾燥した。凍結乾燥ケーキを窒素雰囲気下で粉砕して粉末を得た。一方、サイラスティック（登録商標）メディカルグレードＥＴＲエラストマーQ7-4750Ａ成分1.05gと同Ｂ成分1.05gを混合した。混合後、速やかに上記粉末0.90gを練合した。これをシリンジに充填し、直径1.6mmの孔から圧力をかけて押し出し、25℃で3日間静置して硬化させた。これを切断して免疫増強製剤を得た。
【００５６】
実施例１８
アビジン5mg/ml水溶液2.89gとクエン酸ナトリウム100mg/ml水溶液6.42g、マンニトール100mg/ml水溶液6.42gを混合し、凍結乾燥した。凍結乾燥ケーキを窒素雰囲気下で粉砕して粉末を得た。一方、サイラスティック（登録商標）メディカルグレードＥＴＲエラストマーQ7-4750Ａ成分0.93gと同Ｂ成分0.93gを混合した。混合後、速やかに上記粉末0.80gを練合した。これをシリンジに充填し、直径1.6mmの孔から圧力をかけて押し出し、25℃で3日間静置して硬化させた。これを切断して免疫増強製剤を得た。
【００５７】
実施例１９
実施例１８と同様にして、アビジン、クエン酸ナトリウム、マンニトール及びサイラスティックからなる練合物をシリンジに充填した。一方、サイラスティック（登録商標）メディカルグレードＥＴＲエラストマーQ7-4750Ａ成分50gと同Ｂ成分50gを混合し、別のシリンジに充填した。各充填物を、薬物含有サイラスティックが内側、サイラスティックのみが外側になるように同心円状に配置された外側ノズルの内径1.9mm、内側ノズルの内径1.6mmのノズルより圧力をかけて押し出し、37℃で5日間静置して硬化させた。これを切断して免疫増強製剤を得た。
【００５８】
実施例２０
アビジン5mg/ml水溶液0.30gとクエン酸ナトリウム100mg/ml水溶液4.34g、マンニトール100mg/ml水溶液8.67gを混合し、凍結乾燥した。凍結乾燥ケーキを窒素雰囲気下で粉砕して粉末を得た。一方、サイラスティック（登録商標）メディカルグレードＥＴＲエラストマーQ7-4750Ａ成分0.93gと同Ｂ成分0.93gを混合した。混合後、速やかに上記粉末0.80gを練合した。これをシリンジに充填し、直径1.6mmの孔から圧力をかけて押し出し、25℃で3日間静置して硬化させた。これを切断して免疫増強製剤を得た。
【００５９】
実施例２１
実施例２０と同様にして、アビジン、クエン酸ナトリウム、マンニトール及びサイラスティックからなる練合物をシリンジに充填した。一方、サイラスティック（登録商標）メディカルグレードＥＴＲエラストマーQ7-4750Ａ成分50gと同Ｂ成分50gを混合し、別のシリンジに充填した。各充填物を、薬物含有サイラスティックが内側、サイラスティックのみが外側になるように同心円状に配置された外側ノズルの内径1.9mm、内側ノズルの内径1.6mmのノズルより圧力をかけて押し出し、37℃で5日間静置して硬化させた。これを切断して免疫増強製剤を得た。
【００６０】
実施例２２
アビジン5mg/ml水溶液0.45gとIL-1β2mg/ml水溶液3.15g、クエン酸ナトリウム250mg/ml水溶液1.92g、マンニトール150mg/ml水溶液6.19gを混合し、凍結乾燥した。凍結乾燥ケーキを窒素雰囲気下で粉砕して粉末を得た。一方、サイラスティック（登録商標）メディカルグレードＥＴＲエラストマーQ7-4750Ａ成分1.05gと同Ｂ成分1.05gを混合した。混合後、速やかに上記粉末0.90gを練合した。これをシリンジに充填し、直径1.6mmの孔から圧力をかけて押し出し、37℃で5日間静置して硬化させた。これを切断して免疫増強製剤を得た。
【００６１】
実施例２３
実施例２２と同様にして、アビジン、IL-1β、クエン酸ナトリウム、マンニトール及びサイラスティックからなる練合物をシリンジに充填した。一方、サイラスティック（登録商標）メディカルグレードＥＴＲエラストマーQ7-4750Ａ成分50gと同Ｂ成分50gを混合し、別のシリンジに充填した。各充填物を、薬物含有サイラスティックが内側、サイラスティックのみが外側になるように同心円状に配置された外側ノズルの内径1.9mm、内側ノズルの内径1.6mmのノズルより圧力をかけて押し出し、25℃で3日間静置して硬化させた。これを切断して免疫増強製剤を得た。
【００６２】
（２）放出試験
試験例１
実施例７で作成した免疫増強製剤10mgを、0.5％ウシ血清アルブミン、0.01％アジ化ナトリウムを含有したリン酸緩衝液(pH 7.4)5ml中に入れて静置し、放出されるアビジンをELISAにより測定し、累積放出率を求めた。結果を図１に示した。免疫増強製剤は7日以上にわたってアビジンを持続的に放出した。
【００６３】
試験例２
実施例８で作成した免疫増強製剤10mgを、0.5％ウシ血清アルブミン、0.01％アジ化ナトリウムを含有したリン酸緩衝液(pH 7.4)5ml中に入れて静置し、放出されるアビジン及びIL-1βをELISAにより測定し、累積放出率を求めた。結果を図１に示した。免疫増強製剤は7日以上にわたってアビジン及びIL-1βを持続的に放出した。
【００６４】
（３）抗体産生実験
試験例３
２グループのBalb/Cマウス(雌、各グループ５匹)にそれぞれ実施例７で作成した免疫増強製剤(アビジンを１００μg含有)、実施例８で作成した免疫増強製剤(アビジンを１００μg、IL-1βを２０μg含有)を皮下注射した。投与７、１４、２１、３５、８３日後に血液サンプルを採取した。それぞれのグループの５匹のマウスから得られた等量の血清中の抗アビジン抗体価をELISA法により測定した。抗体価を50%中点希釈倍率として表し、結果を図２に示した。実施例７で作成した免疫増強製剤を投与したマウスの投与３５日後における血中抗体価は、比較例１で得られた抗体価の約２５倍に達した。実施例８で作成した免疫増強製剤を投与したマウスの投与３５日後における抗体価は、比較例１で得られた抗体価の約４５０倍に達した。
【００６５】
比較例１
５匹のBalb/Cマウスに１００μgのアビジンを溶解したＰＢＳ溶液を皮下注射した。投与７、１４、２１、３５、８３日後に血液サンプルを採取した。５匹のマウスから得られた等量の血清中の抗アビジン抗体価をELISA法により測定した。抗体価を50%中点希釈倍率として表し、結果を図２に示した。
【００６６】
試験例４
５頭のヒツジ(メリノ種、雌雄混合)に実施例８で作成した免疫増強製剤(アビジンを１００μg、IL-1βを２０μg含有)を皮下注射した。投与７、１４、２１、３５日後に血液サンプルを採取した。５頭のヒツジから得られた等量の血清中の抗アビジン抗体価をELISA法により測定した。抗体価を50%中点希釈倍率として表し、結果を図３に示した。図３から明らかなように、投与１４日後に抗アビジン抗体の産生が見られた。
【００６７】
比較例２
５頭のヒツジ(メリノ種、雌雄混合)に１００μgのアビジンを溶解したＰＢＳ溶液を皮下注射した。投与７、１４、２１、３５日後に血液サンプルを採取した。５頭のヒツジから得られた等量の血清中の抗アビジン抗体価をELISA法により測定した。抗体価を50%中点希釈倍率として表し、結果を図３に示した。図３が示す通り、投与後３５日間にわたって抗アビジン抗体の産生は見られなかった。
【００６８】
比較例３
５頭のヒツジ(メリノ種、雌雄混合)に１００μgのアビジンと２０μgのIL-1βを溶解したＰＢＳ溶液を皮下注射した。投与７、１４、２１、３５日後に血液サンプルを採取した。５匹のヒツジから得られた等量の血清中の抗アビジン抗体価をELISA法により測定した。抗体価を50%中点希釈倍率として表し、結果を図３に示した。図３から明らかなように、投与後３５日間にわたって抗アビジン抗体の産生は見られなかった。
【００６９】
（４）組織学的解析
実施例７で作成した免疫増強製剤(アビジンを１００μg含有)、実施例８で作成した免疫増強製剤(アビジンを１００μg、IL-1βを２０μg含有)をそれぞれヒツジの左わき腹の異なる場所３カ所に皮下注射した。投与７２時間後、ヒツジを屠殺し皮膚生検サンプルを採取した。生検サンプルを固定後、凍結切片を作成し、浸潤細胞表面のＣＤ４５を染色した。組織像を図４及び図５に示した。得られた組織像は、免疫増強製剤によって免疫増強製剤の周囲に白血球の浸潤が誘導されたことを示している。
【００７０】
試験例５
アビジン10μgを含有するように切断した実施例１７と、アビジン100μgを含有するように切断した実施例１８，１９の免疫増強製剤を、それぞれ、0.3% Tween20及び0.01%アジ化ナトリウムを含有したリン酸緩衝液(pH 7.4)2ml中に入れて静置し、放出されるアビジンをELISAにより測定し、累積放出率を求めた。結果を図６に示した。製剤の形を選択することでアビジンの放出挙動を制御することが出来た。すなわち、マトリックス型の製剤（実施例１７、１８）は一次的な放出挙動を示し、同心円形の製剤（実施例１９）はゼロ次的な放出挙動を示した。これらの製剤は少なくとも３０日にわたってアビジンを持続的に放出した。
【００７１】
試験例６
アビジン5μgを含有するように切断した実施例２０，２１の免疫増強製剤と、アビジン5μgおよびIL-1β5μgを含有するように切断した実施例２２，２３の免疫増強製剤を、それぞれ、0.3% Tween20及び0.01%アジ化ナトリウムを含有したリン酸緩衝液(pH 7.4)2ml中に入れて静置し、放出されるアビジンおよびIL-1βをELISAにより測定し、累積放出率を求めた。結果を図７に示した。試験例５と同様、製剤の形を選択することで、アビジンおよびIL-1βの放出挙動を制御することが出来た。これらの免疫増強製剤は少なくとも15日にわたってアビジンおよびIL-1βを持続的に放出した。
【００７２】
試験例７
３グループのBalb/Cマウス（雄、各グループ６匹）にそれぞれ実施例１７で作製した免疫増強剤（アビジンを10μg含有）、実施例１８で作製した免疫増強剤（アビジン100μg含有）及び実施例１９で作製した免疫増強剤（アビジン100μg含有）を皮下投与した。投与14,28,42日後に血液サンプルを採取した。それぞれのグループの６匹のマウスから得られた等量の血清中の抗アビジン抗体価をELISA法により測定した。抗体価を50%中点希釈倍率として表し、結果を図８に示した。実施例１７で作製した免疫増強剤を投与したマウスの投与14日後における血中抗体価は、製剤中のアビジン量が比較例４の１０分の１であるにもかかわらず、比較例４で得られた抗体価の約180倍に達した。実施例１８及び１９で作製した免疫増強剤を投与したマウスの投与14日後における血中抗体価は、それぞれ比較例４で得られた抗体価の約250倍及び約190倍に達した。また、実施例１７、１８及び１９で作製した免疫増強剤を投与したマウスの血中抗体価は、投与後6週間に亘って比較例４で得られた抗体価を上回った。
【００７３】
比較例４
Balb/Cマウス（雄、６匹）に100μgのアビジンを溶解したPBS溶液を皮下注射した。投与14、28、42日後に血液サンプルを採取した。６匹のマウスから得られた等量の血清中の抗アビジン抗体価をELISA法により測定した。抗体価を50%中点希釈倍率として表し、結果を図８に示した。
【００７４】
試験例８
４グループのBalb/Cマウス（雄、各グループ６匹）にそれぞれ実施例２０で作製した免疫増強剤（アビジン5μg含有）、実施例２１で作製した免疫増強剤（アビジン5μg含有）、実施例２２で作製した免疫増強剤（アビジン5μg，IL-1β5μg含有）、実施例２３で作製した免疫増強剤（アビジン5μg，IL-1β5μg含有）を皮下投与した。投与14、28、42日後に血液サンプルを採取した。それぞれのグループの６匹のマウスから得られた等量の血清中の抗アビジン抗体価をELISA法により測定した。抗体価を50%中点希釈倍率として表し、結果を図９に示した。実施例２０、２１、２２、２３で作製した免疫増強剤を投与したマウスでは、投与14日後から血中に抗アビジン抗体が検出されたにも関わらず、免疫増強製剤と等量のアビジンを投与した比較例５では、試験期間中抗アビジン抗体価は検出感度以下であった。実施例20、22、23の免疫増強製剤を投与したマウスの血中抗体価は、投与後28日間に亘って比較例６で得られた抗体価を上回り、実施例22及び23の免疫増強製剤を投与したマウスの血中抗体価は、試験期間中を通して比較例５で得られた抗体価を大きく上回った。
【００７５】
比較例５
Balb/Cマウス（雄、６匹）に5μgのアビジンを溶解したPBS溶液を皮下注射した。投与14、28、42日後に血液サンプルを採取した。６匹のマウスから得られた等量の血清中の抗アビジン抗体価をELISA法により測定した。抗体価を50%中点希釈倍率として表し、結果を図９に示した。
【００７６】
比較例６
Balb/Cマウス（雄、６匹）に5μgのアビジンを溶解した0.26重量%のアルムを含むPBS溶液を皮下注射した。投与14、28、42日後に血液サンプルを採取した。６匹のマウスから得られた等量の血清中の抗アビジン抗体価をELISA法により測定した。抗体価を50%中点希釈倍率として表し、結果を図９に示した。
【００７７】
試験例９
シリコーンを担体として用いた免疫増強製剤を実施例２０及び２２と同様の手順で調製した。これらを以下マトリックス型免疫増強製剤と表す。マトリックス型免疫増強製剤の組成を表１に示した。また、別途シリコーンを担体として用いた被覆された免疫増強製剤を実施例２１及び２３と同様の手順で調製した。これらを以下同心円型免疫増強製剤と表す。各免疫増強製剤の組成を表１に示した。
【００７８】
【表１】
ヒツジにシリコーンを担体として用いた免疫増強製剤及び対照製剤（グループ１０、１１、１２）を皮下投与し、２８日後に１００μgのアビジンを含有するＰＢＳ溶液を投与した。
シリコーンを担体として用いた免疫増強製剤の免疫増強効果
ヒツジは７頭づつ１２のグループに分配した。表１に従って各製剤をヒツジに皮下投与した。初回免疫の２８日後に１００μgのアビジンを投与し、二次免疫を施した。結果を表２に示した。
【００８０】
【表２】
各グループにおいて、７頭のヒツジから得られた血清を等量混合した血清を段階希釈し、血清中の抗アビジン抗体価をELISA法により測定した。
IL-1βを含有しない場合、マトリックス型免疫増強製剤では全ての投与グループにおいて、溶液投与グループに比べて高い免疫効果が得られたが、その免疫効果はアルムを含有した溶液投与グループの免疫効果に比べて低かった。マトリックス型免疫増強製剤及び溶液製剤において、アジュバントとしてIL-1βを添加することによって抗体応答は増強された。IL-1βを含有するマトリックス型免疫増強製剤のいくつかではアルムを含有した溶液投与グループの免疫効果に比べて高い免疫効果がみられた。また、マトリックス型免疫増強製剤においては、抗原投与量が低いほど高い抗体応答が得られる傾向が見られた。
同心円型免疫増強製剤では、抗体価及び免疫応答の維持期間でマトリックス型免疫増強製剤よりも優れた結果が得られた。
シリコーンを担体として用いた免疫増強製剤の生体親和性
ヒツジは７頭づつ８つのグループに分配した。表３に従って、各免疫増強製剤をヒツジに皮下投与した。
【００８２】
【表３】
各グループにつき、２頭のヒツジで白血球数と体温を測定した。
組織学的解析のため、製剤投与部位の組織を採取した。
投与２日後（ヒツジ２頭）
投与４週間後（ヒツジ２頭）
投与８週間後（ヒツジ２頭）
投与２日後、すべての免疫増強製剤の投与部位で弱い浮腫が観察された。この反応は、 IL-1βを含有した免疫増強製剤でより顕著であった。
投与４週間及び８週間後、免疫増強製剤周囲の組織は正常であった。免疫増強製剤は肉眼的な所見では、カプセル化されず、組織に癒着せず、容易に動かすことが可能であった。有害な組織反応は見られなかった。
【００８４】
全身反応
体温と白血球数測定を実施した。
得られた結果を、シリコーンのみの製剤については図１０ａとｂに、 IL-1βのみを含有した免疫増強製剤については図１１ａとｂに、アビジンと IL-1βを含有した免疫増強製剤については図１２ａとｂに示した。
IL-1βを含有しないすべての免疫増強製剤では、体温あるいは白血球数について有害な影響は誘起されなかった。
IL-1βのみを含有した免疫増強製剤では、IL-1βを溶液で投与した場合に比べて軽度の一過性の体温上昇がヒツジで見られた。このヒツジでの体温上昇は１℃で、２４時間で平常レベルに戻った。一方、白血球数は平常レベルの４倍まで上昇したが、２４時間後には再び平常レベルに戻った。
アビジンを免疫増強製剤に含有した場合、 免疫増強製剤から放出されたIL-1βに由来する白血球数及び体温の変化の過酷性と持続性の双方が減弱された。
これらの結果は、シリコーンを担体として用いた免疫増強製剤は体温及び白血球数に長期間の影響を与えず、一過性のこれらの値の変動は軽微であり、シリコーン自身に由来する反応ではなく、 IL-1βを含有したことによることを示している。
【００８５】
投与部位の免疫組織学的解析
免疫組織学的解析の結果は、シリコーン免疫増強製剤のタイプによって変わらず、 IL-1βの含有の有無のみが異なった結果を与えた。
１． IL-1βを含有した免疫増強製剤
２日後： IL-1βを含有した免疫増強製剤を投与したすべての動物では、投与部位からその周囲の組織にかけて広範囲に細胞（主として好中球）の集積が見られた。Ｔ及びＢ細胞マーカーに対する染色で染色された細胞は、主として表皮部分に存在し、僅かに表皮の低層部分に分散していた。
４週後：観察された免疫担当細胞は、主として好中球であった。２日後に比べて主要組織適合性複合体（MHC） Class I及びII陽性細胞の増加が確認された。免疫増強製剤を取り巻く層に僅かにCD4、CD8、γδ、CD1陽性細胞が存在し、組織間に分散していた。CD45R陽性細胞もまた、表皮にかけて分散していた。
８週後：免疫担当細胞は主として免疫増強製剤を取り巻く層に存在し、組織は４週後に比べてより通常に近い様相を呈した。LCA陽性細胞が免疫増強製剤を取り巻き、如何なるリンパ球マーカーにも陰性である免疫増強製剤を取り巻く細胞層が存在した。これらの細胞は線維芽細胞であると思われた。パラフィン切片をマッソントリクローム染色したところ、免疫増強製剤を取り巻く薄い層が濃く染色され、これらがコラーゲンであることが分かった。この結果は、免疫増強製剤のカプセル化が始まっていることを示している。免疫増強製剤周囲のLCA陽性の細胞層中にはMHC Class I及びII陽性細胞もまた見られたが、これらの細胞は４週後のように組織間に分散していなかった。 また、CD4、僅かなCD8、γδ、CD1とCD45R陽性細胞の分散が見られた。
２．IL-1βを含有しない免疫増強製剤
２日後： IL-1βを含有しない免疫増強製剤を投与した動物から採取した組織標本は、正常な皮膚の様相を呈していた。細胞の集積、浮腫は見られなかった。表皮中の細胞に僅かにリンパ球表面マーカーで染色される細胞が存在した。
４週後：投与部位周囲に線維芽細胞が見られた。更に同心円型の免疫増強製剤では、製剤の開口部でLCA陽性細胞が見られた。これらの細胞は、主としてMHC Class I陽性の細胞であり、Class II及びCD4陽性の細胞は僅かであった。
８週後：免疫増強製剤周囲に線維芽細胞が見られた。また、リンパ球表面マーカーで染色される細胞は殆どなかった。
これらの結果は、シリコーンを担体として用いた免疫増強製剤がヒツジの皮下投与においてよく許容され、投与８週間後の時点で当該免疫製剤の使用を制限するような有害な反応は見られなかったことを示している。
【００８６】
試験例１０
コラーゲンを担体として用いた免疫増強製剤を実施例７と８と同様な方法で調製し、試験例９と同様の実験を行った。免疫増強製剤の組成を表４に示し、得られた結果を表５に示した。
【００８７】
【表４】
【表５】
コラーゲンを担体として用いた免疫増強製剤に IL-1β を含有させることによって、 IL-1β を含有しない時に比べてアビジンに対する抗体応答を増強できた。実験で使用した最も高濃度の二段階のIL-1β濃度で最も高い免疫応答が得られたが、IL-1β の最適な投与量を統計学的に確立することはできなかった。
コラーゲンを担体として用いた免疫増強製剤の免疫増強効果について、表６に従って溶液投与と比較した。
【００９０】
【表６】
表中に特に示した場合以外は、すべての製剤を皮下投与し、１００μgのアビジンを含有するＰＢＳ溶液により二次免疫を施した。二次免疫の２８日後、羊毛が生えていない内腿部分に１μgのアビジンを含有するＰＢＳ溶液を皮内投与することによって、遅延型過敏症反応の誘導を測定した。投与２４時間、４８時間後のアビジンを投与した部位での浮腫及び紅斑の発症を調べた。結果を各々、表７と８に示した。
【００９２】
【表７】
【表８】
コラーゲンを担体として用いた免疫増強製剤は、強い遅延型過敏症反応を誘起しなかった。一方、溶液製剤では、弱い遅延型過敏症反応が観察された。
また、すべてのグループで、即時型過敏症反応は観察されなかった。
【００９５】
試験例１１
表９に示した免疫増強製剤を用いて、試験例９及び試験例１０と同様にして単回投与による免疫効果を測定した。得られた結果を表１０と表１１および１２に示した。
【００９６】
【表９】
【表１０】
【表１１】
【表１２】
単回投与時、コラーゲンあるいはシリコーンを担体として用いた免疫増強製剤は、強い遅延型過敏症反応を誘起しなかった。一方、溶液製剤では、弱い遅延型過敏症反応が観察された。また、すべてのグループで、即時型過敏症反応は観察されなかった。
総体的に、同心円型免疫増強製剤が最も高い抗体価を誘導し、免疫応答を最も維持する点において、単回投与による免疫に最も有効な製剤であった。同心円型免疫増強製剤の免疫効果は、 IL-1β の含有の有無に依存した。また、同心円型免疫増強製剤は、遅延型過敏症反応を誘起しなかった。
IL-1β を含有した免疫増強製剤を投与した動物では、効果的な免疫記憶反応が誘導された。このことは一次免疫で誘導された抗体の抗体価が低下した一次免疫の６９日後に実施された二次免疫に対する良好な免疫反応で明らかである。
また、これらの実験で得られた血清サンプルについて、抗体のタイプ分類を実施した。結果、すべての投与群でIgM抗体が投与１４日後の時点のみで低いレベルで検出されたのに対して、実験期間中を通して高いレベルのIgG抗体が血清中に存在していた。このことはただ一度の抗原投与で、抗体のタイプ変換(isotype switching)が有効に起こったことを示している。
【０１０１】
試験例１２
免疫増強製剤の免疫増強効果は、モデル抗原であるアビジンだけでなく、表１３に示した実施に感染予防効果がある一連の抗原でも確認された。
【０１０２】
【表１３】
【表１４】
結果を表１４に示した。
破傷風及びノビー（novyi)のトキソイドを用いた両方の実験において、同心円型免疫増強製剤はアルムを含有した製剤及びアルムとIL-1βを含有した製剤の双方に比べて明らかに優れた免疫増強効果を示した。コラーゲンを担体として用いた免疫増強製剤は、アルムを含有した製剤と同等の免疫増強効果を示した。一方、ノビーのトキソイドを用いた実験においては、同心円型免疫増強製剤は一次免疫のみで、アルムを含有した製剤に比べて２倍以上の抗体価を誘導した。
【０１０５】
試験例１３
シリコーンを担体として用いた免疫増強製剤に於ける免疫増強効果の、抗原（アビジン）及びサイトカイン（IL-1β）の投与量依存性を調べた。実験に使用した製剤の組成及びシリコーンを担体として用いた免疫増強製剤のタイプを表１５に示した。抗体価を１４日毎に測定した。得られた結果を表１６に示した。
【０１０６】
【表１５】
【表１６】
これらの結果は、同心円型免疫増強製剤によって抗体が高い抗体価でかつ持続的に誘導されたことを示している。 最も持続的な免疫反応は、IL-1βと抗原の投与量が最も高い免疫増強製剤で得られた。７０日後の時点では、 IL-1βを含有した免疫増強製剤は、溶液状態でのアルムを含有した製剤に比べて明らかに高い抗体価を維持した。
コラーゲンあるいはシリコーンを担体とした免疫増強製剤は、ワクチンの剤形として有用であった。抗原の免疫原性及びサイトカインの生物活性は、免疫増強製剤への製剤化によって損なわれなかった。
コラーゲンあるいはシリコーンを担体とした免疫増強製剤は、固有のアジュバント活性を示した。適当な濃度で IL-1β を免疫増強製剤に含有させた場合、免疫増強製剤で得られた抗体応答は、アルムアジュバントを用いて誘導されるものよりも高かった。
IL-1β をアジュバントとして含有した同心円型免疫増強製剤は、本実験で使用した他のいかなる免疫方法に比べても顕著に高い免疫応答を誘導した。更に、誘導された免疫応答を他の免疫方法に比べてより長期間維持した。
コラーゲンあるいはシリコーンを担体とした免疫増強製剤の投与によって、全身及び投与局所での副作用症状は見られなかった。この結果は、これらの製剤は安全なワクチン剤形として使用できることを示している。
ここに示した本発明の意図から離れることなしに、種々の応用および／または変更ができるが、それらはすべて本発明の技術的範囲内であることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【図１】 試験例１及び試験例２における免疫増強製剤からのアビジンとIL-1βの累積放出率の経時変化を示すグラフである。
【図２】 マウスにおける抗アビジン抗体価の推移を示すグラフである。
【図３】 ヒツジにおける抗アビジン抗体価の推移を示すグラフである。
【図４】 実施例７における免疫増強製剤をヒツジに投与した部位の組織像を示す顕微鏡写真である。
【図５】 実施例８における免疫増強製剤をヒツジに投与した部位の組織像を示す顕微鏡写真である。
【図６】 試験例５における免疫増強製剤からのアビジンの累積放出率の経時変化を示すグラフである。
【図７】 試験例６における免疫増強製剤からのアビジンとIL-1βの累積放出率の経時変化を示すグラフである。
【図８】 試験例７におけるマウスにおける抗アビジン抗体の推移を示すグラフである。
【図９】 試験例８におけるマウスにおける抗アビジン抗体の推移を示すグラフである。
【図１０】 試験例９におけるヒツジにＩＬ−１β、アビジンを含有しないシリコーンのみの製剤を投与した後の体温および白血球数の経時変化を示すグラフである。
【図１１】 試験例９におけるヒツジにＩＬ−１β ５０μｇを含有するマトリックス型免疫増強製剤を投与した後の体温および白血球数の経時変化を示すグラフである。
【図１２】 試験例９におけるヒツジにＩＬ−１β ５０μｇとアビジン５００μｇを含有するマトリックス型免疫増強製剤を投与した後の体温および白血球数の経時変化を示すグラフである。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an immune enhancing preparation that effectively enhances an immune reaction derived from an antigen.
The immunopotentiating preparation in the present invention is mainly used as a vaccine preparation for the purpose of preventing or treating human and non-human mammals and avian diseases in the field of human medicine or veterinary medicine. Furthermore, the present invention relates to a method for producing an antibody by immunizing an animal by administering an immunopotentiating preparation to obtain the produced antibody.
[0002]
[Prior art]
Currently, generally used vaccines are roughly classified into live attenuated (live) vaccines and inactivated (dead) vaccines. Live attenuated vaccines generally have the advantage that a good immune response can be obtained, but on the other hand, there are disadvantages that are anxious about safety, such as reversion of toxicity and side effects. Inactivated vaccines are safer than live attenuated vaccines, but have the disadvantage that sufficient immune effects cannot be obtained with a single administration. In fact, in vaccination using an inactivated vaccine, administration is performed 2 to 3 times at intervals of 2 to 3 weeks in order to obtain a sufficient effect.
[0003]
On the other hand, recent advances in molecular biological techniques have identified antigens that are effective in the prevention or treatment of diseases and that are specific to the disease, mimicked the identified antigens, and synthesized by chemical techniques or recombinant DNA techniques. The production of such antigens (component vaccines) is also possible. Antigens synthesized in this way are superior to conventional vaccine antigens in terms of purity, stability, specificity, and safety, but in general, low antigenicity is the biggest practical issue. Yes. Therefore, a method for effectively enhancing an immune response to an antigen having low antigenicity is strongly desired in human medicine and veterinary medicine.
[0004]
In addition, inactivated vaccines and component vaccines need to be administered 2-3 times at intervals of 2-3 weeks, more preferably at least 4 weeks, in order to obtain an effective immune response for the prevention or treatment of disease. . On the other hand, a vaccine (single shot vaccine) that is sufficiently effective by a single administration is strongly desired in human medicine and veterinary medicine. Major veterinary benefits include 1) reduced time, 2) reduced costs, and 3) improved compliance. In human medicine, the above three advantages are important, but improvement of compliance is important especially in the eradication of infectious diseases in developing countries where it is difficult to administer multiple doses in compliance with the administration period.
[0005]
The weak antigenicity problem seen in inactivated vaccines and component vaccines can be overcome by using an adjuvant at the experimental level, but practically has various problems such as side effects. There are two methods of adjuvant using artificial substances. One is a method in which an antigen is dispersed on the surface of oil or lipid particles, and the other is a method in which the antigen is adsorbed on a precipitate. Mineral oil has been used in several veterinary and military influenza vaccines, but severe hemorrhagic lesions and persistent granulation species have occurred and is no longer approved by the authorities for regular use in human vaccines. Freund's complete and incomplete adjuvants have been most widely used in animal experiments for the past 40 years. Although they induce an immune response well, they are avoided for human or veterinary use because they promote other toxicities such as granuloma formation, adhesions and fever at the site of injection. Alum (aluminum hydroxide or aluminum phosphate) is the only adjuvant currently approved for human administration and is widely used. However, in addition to the formation of granulomas at the site of inoculation, there are disadvantages that vary in effectiveness. For example, aluminum hydroxide exerts a sufficient adjuvant effect with any isotype of antibody when used as a bacterial toxoid, but good results have not been obtained with vaccines against hepatitis B virus or influenza virus.
[0006]
In contrast to the above-mentioned adjuvant using an artificial substance, there is a method in which a cytokine having an immunostimulatory effect existing in a living body is used as an adjuvant. In fact, the use of cytokines with immunostimulatory effects (eg IL-1, IL-2, IFN-γ, IFN-α, GM-CSF, IL-12, etc.) enhances the immune response to antigens Have been reported or disclosed, for example, in a review by Rong Lin et al. (Clinical Infection Diseases, 21, 1439-1449, 1995). However, when cytokine is used as an adjuvant in a solution state, side effects are fewer than in the case of the artificial adjuvant described above, but it is necessary to administer multiple times to obtain a sufficient antibody production effect. This is thought to be because antigens and cytokines inoculated in solution diffuse into the body immediately after inoculation and do not activate specific immune mechanisms against the antigens. In addition, in order to systemically immunostimulate with cytokines, it is necessary to administer a large amount of cytokines, and in this case, serious side effects may be induced. Therefore, a method for use as an effective cytokine adjuvant without causing side effects is desired.
[0007]
Another approach to overcome the weak antigenic problems found in inactivated and component vaccines includes delayed release of the antigen from the carrier. The idea of delayed release of the antigen is derived from the idea that the adjuvant effect obtained with alum is derived from non-specific adsorption of the antigen to alum and sustained desorption from alum. In the past, attempts have been made using various carriers in search of substances having the same effect as alum (for example, Hongkee Sah et al., J. Pharm. Pharmacol., 48, 32-36, 1996)). No example has been found.
In addition, the period from the administration of the antigen until a sufficient immune effect is obtained is also extremely important from the viewpoint of disease prevention or treatment. However, no attempt has been made to shorten the period until immunity is activated.
[0008]
[Problems to be solved by the invention]
In view of the above, the present invention has been made for the following purposes.
(1) Provided is an immunopotentiating preparation that delays release of an antigen or an antigen and a substance having immunostimulation, immunostimulation or immunomodulation action from a carrier composed of a biocompatible material.
(2) Provided is an immunopotentiating preparation that delays and releases a substance that induces an antigen or a substance that induces an antigen and a substance that has an immunostimulatory, immunostimulatory or immunomodulating action from a carrier made of a biocompatible material.
(3) Provided is a method for enhancing an immune reaction derived from an antigen without causing side effects by the preparation provided by (1) and (2).
(4) The preparation provided by (1) and (2) provides a method for shortening the period until an immune reaction derived from an antigen is activated.
(5) The preparation provided by (1) and (2) provides a method for prolonging the maintenance period of immunity derived from an antigen.
(6) Provided is a method for enhancing immunity by using the formulation provided by (1) and (2) as a field of immune reaction around the formulation.
(7) To provide a vaccine for humans or non-human mammals or birds using the preparations provided by (1) and (2).
(8) To provide a single shot vaccine for humans or non-human mammals or birds using the preparations provided by (1) and (2).
[0009]
[Means for Solving the Problems]
As a result of studying various preparations capable of sustained release of an antigen, the present inventors have found that when an antigen is supported on a carrier made of a biocompatible material and administered to a living body, an immune reaction derived from the antigen is enhanced. It was. Furthermore, the present inventors have a substance having any action of immunostimulation, immunostimulation or immunoregulation (hereinafter also referred to as “immunomodulating substance”) supported on a carrier made of a biocompatible material simultaneously with an antigen. The present invention was completed by finding that the immune response was enhanced early and further by administration to a living body.
[0010]
Details of the present invention will be described below.
i) Principle description of the invention
An example of humoral immunity will be described. In a typical immune response, antibody production after the second antigen stimulation occurs earlier and higher antibody titers are maintained longer compared to antibody production after the first antigen stimulation. The difference in the time required for antibody production can be roughly divided by the first antigen stimulation until antibody production.
(1) Presentation of antigen to T cells by antigen presenting cells and activation of T cells,
(2) B cell activation by activated T cells,
(3) Transport of antigen to lymph nodes by dendritic cells,
(4) Proliferation of B cells in lymph nodes and differentiation into antibody-producing cells
This is because the antibody-producing cells are already sufficiently prepared in the second antigen stimulation. Also, the difference in the high antibody titer and the length of the maintenance period is that in normal immune stimulation, the antigen administered in the first immune stimulation diffuses throughout the body immediately after administration, and is decomposed, metabolized and excreted. When antibody-producing cells have been prepared, they have almost disappeared from the body and do not lead to stimulation of antibody-producing cells again. That is, in order to maintain a higher antibody titer, which is important in preventing or treating diseases, the antibody-producing cells produced by the initial antigen stimulation need to be stimulated again by the antigen.
[0011]
On the other hand, early antibody production is also important for prevention or treatment of disease, but efficient production of antibody-producing cells by initial antigen stimulation is important for earlier production of antibodies. In order to efficiently produce antibody-producing cells, (1) increase the chance of contact between antigen and antigen-presenting cells (accumulate antigen-presenting cells at the site of administration of antigen) and / or (2) in lymph nodes It is necessary to enhance the activation of B cells and differentiation into antibody-producing cells.
[0012]
Focusing on these points, in the present invention, the antigen is stably held on a carrier made of a biocompatible material, and is continuously released to maintain the amount of antigen in the body, and the produced antibody-producing cells are stimulated again by the antigen. By doing so, it was possible to maintain a higher antibody titer for a longer time. In particular, it is presumed that the concentration of the antigen is maintained high in the area where the immunopotentiating agent is administered, but this high concentration state of the antigen promotes the reaction between the antigen and the antibody-producing cell, which is an equilibrium reaction. At the same time, immunocompetent cells are accumulated at the administration site. Therefore, maintaining a high local antigen concentration is cited as the most important principle of the present invention.
[0013]
Furthermore, in the present invention, a carrier made of a biocompatible material is simultaneously loaded with an antigen and an immunomodulator (for example, cytokine), and is released continuously,
(1) Accumulation of immunocompetent cells at the antigen administration site and activation of antigen presentation to T cells
(2) Selective and continuous influx of cytokines into the lymph nodes responsible for the site of administration of the immunopotentiating agent (the lymph nodes where dendritic cells carry antigen and produce antigen-producing cells). Activation of B cells and differentiation into antibody-producing cells
To achieve early and effective antibody production. Therefore, the immunopotentiating preparation according to the present invention is characterized by a sustained release of the antigen, and the antigen and the cytokine, unlike the systemic immune activation mechanism induced when the antigen and the antigen and the cytokine are administered in a solution state. It is to form a field of immunostimulation around.
[0014]
In the above points, the principle features of the present invention can be summarized as follows.
(1) Continuously release an antigen or an antigen-inducing substance (hereinafter also referred to as “antigen substance”), or an antigen substance and an immunomodulator.
(2) Maintain a high concentration of the antigen substance at the administration site, or antigen substance and immunomodulator.
These principle characteristics are satisfied by stably holding and gradually releasing the antigen substance carried by the carrier constituting the immunopotentiating agent, or the antigen substance and the immunomodulator in vivo. Since the immunopotentiating preparation is administered in vivo, it is a natural condition that the carrier is a biocompatible material having excellent biocompatibility. Therefore, in the case where a biocompatible material satisfying the above-mentioned pharmaceutical characteristics is used as a carrier, an immunopotentiating effect can be obtained by the immunopotentiating formulation, regardless of the use of any biocompatible material. There is no contradiction with the principle of the present invention. Further, in the present invention, immunity is activated by continuously stimulating immunocompetent cells with an antigen or by actively activating T cells and B cells. Can activate not only humoral immunity but also mucosal immunity and cellular immunity.
[0015]
ii) Effects of the present invention
The effects of the present invention will be described below by taking as an example the effect of enhancing antibody production using avidin as an antigen and IL-1β as a cytokine as an immunomodulator.
A) Sustained release of antigen and antigen and cytokine
As shown in FIG. 1, the immunopotentiating preparation of the present invention released the antigen (avidin) and cytokine (IL-1β) continuously over 7 days or more.
B) Enhancement of antibody production
The effect of enhancing antibody production by the immunopotentiating preparation of the present invention was clearly shown in immunostimulation experiments on mice and sheep. Avidin was administered to mice in different dosage forms, and the anti-avidin antibody titer in the blood 7, 14, 21, 35, and 83 days after administration was measured by ELISA (FIG. 2). When 100 μg of avidin is administered to a mouse by the conventional method, that is, when administered in the form of a solution in which avidin is dissolved in a phosphate buffer, an immune enhancing preparation (prepared in Example 7) carrying the same amount of avidin is administered The comparison was made with the administration of an immunopotentiating preparation (prepared in Example 8) carrying the same amounts of avidin and IL-1β simultaneously. 35 days after administration, the antibody titer in the blood of the mouse administered with the immunopotentiating drug carrying avidin reached about 25 times the antibody titer obtained in the mouse administered with the avidin solution. This result shows that antibody production against the antigen was enhanced by making the antigen an immunopotentiating preparation of the present invention. Furthermore, the antibody titer of the mice administered with the immunopotentiating drug carrying avidin and IL-1β reached about 450 times as compared with the case where the avidin solution was administered. This result shows that the antibody production against the antigen is further enhanced by preparing the antigen with the immunopotentiating preparation of the present invention simultaneously with the cytokine having an immunostimulatory effect.
[0016]
The antibody production effect by the immunopotentiating preparation simultaneously carrying the antigen and the immunostimulatory cytokine was more prominently seen in the immune stimulation experiment on sheep (FIG. 3). Avidin was administered to sheep after changing the dosage form, and the anti-avidin antibody titer in the blood 7, 14, 21, and 35 days after administration was measured by ELISA. Even when 100 μg of avidin was administered to sheep in the solution state by the conventional administration method, no anti-avidin antibody was produced. This difference in antibody production between mice and sheep is thought to depend on the difference in body weight between mice and sheep. This indicates that avidin does not have sufficient antigenicity to produce antibodies in sheep at a dose of 100 μg. In contrast, when an immunopotentiating preparation (prepared in Example 8) carrying avidin and IL-1β at the same time was administered, high antibody production was observed 14 days after administration. This result remarkably shows that the immunopotentiating preparation of the present invention has an effect of enhancing antibody production against an antigen having insufficient antigenicity to produce an antibody. On the other hand, no antibody production was observed when avidin and IL-1β were simultaneously administered in the solution state by a conventional method. This result shows that the antibody production enhancing effect obtained with the immunopotentiating preparation depends on the antigen and the sustained release of the antigen and cytokine from the preparation. From the above, the immunopotentiating preparation of the present invention can provide a sufficient antibody titer in a single administration compared to the conventional administration method, which requires multiple administrations to obtain a sufficient antibody titer. Is shown.
[0017]
C) Shortening the time to antibody production
The shortening of the period until antibody production, which is an important effect of the immunopotentiating preparation of the present invention, is more than that in immunostimulation experiments using sheep in which antibody production was not observed even when the antigen solution was administered by the conventional method. This was confirmed by an immunostimulation experiment in mice in which a certain amount of antibody production was observed even when the antigen solution was administered by the conventional method. As is apparent from the graph of FIG. 2, when avidin was administered in the solution state by the conventional method, the amount of anti-avidin antibody increased from the 14th day after administration, compared with an immunopotentiating preparation (avidin alone or avidin). And IL-1β loaded), the amount of antibody increased rapidly after 7 days. Therefore, the period until antibody production was shortened by about one week. In addition, it was 83 days after the administration that the antibody titer obtained in the mice administered with avidin in the solution state reached the antibody titer obtained 14 days after administration of the immunopotentiating preparation carrying only avidin. In addition, the antibody titer obtained 14 days after administration of the immunopotentiating drug carrying avidin and IL-1β did not reach even 83 days after administration. From this, it can be said that the immunopotentiating preparation shortened the antibody production period by 69 days or more.
[0018]
D) Local immune response to the site of administration of immunopotentiating agents
As described in the section of the principle explanation of the present invention, it is considered that the immune reaction at the site where the preparation is administered plays an important role in the effect obtained by the immunopotentiating preparation of the present invention. This was easily inferred from the histological image of the administration site of the sheep used in the immunostimulation experiment (FIGS. 4 and 5). From the histology, it can be seen that immunocompetent cells infiltrate around the immunopotentiating preparation. The immunocompetent cells mentioned here are neutrophils, CD4 positive T cells, γδ TCR positive T cells, MHCII positive cells, macrophages and the like.
[0019]
Accumulation of these immunocompetent cells was not seen when avidin (and IL-1β) was administered in solution. This is considered to be because avidin and IL-1β inoculated in a solution state diffuse into the body immediately after inoculation and do not induce immunocompetent cells locally. In addition, accumulation of these immunocompetent cells was more prominent in the immunopotentiating preparation carrying IL-1β. These findings suggest that sustained release from immune-enhanced preparations forms a high concentration of antigen or antigen and cytokine around the preparation, which causes immunocompetent cells to accumulate around the preparation and enhance antibody production. Support.
On the other hand, the accumulation of immunocompetent cells is a kind of inflammatory reaction, but the obtained immune reaction was not accompanied by edema, and the inflammatory reaction disappeared by itself.
[0020]
iii) Immunopotentiating preparation
In the present invention, basically, a preparation in which an antigen or a substance that induces an antigen is supported on a carrier made of a biocompatible material, and if desired, further contains an immunomodulator or other additives. This formulation is called an immune enhancement formulation.
The “immune response” enhanced by the immune enhancing preparation of the present invention refers to an immune reaction derived from an antigen contained in the preparation or an induced antigen. The immune response to be activated can be any of humoral immunity, mucosal immunity, cellular immunity, or a combination thereof.
[0021]
The “antigen” is not particularly limited as long as it can induce an immune reaction derived from the antigen. In general, the immune reaction derived from this antigen prevents and / or prevents diseases of humans, mammals other than humans, and birds. Alternatively, one having a therapeutic effect is selected. For example, vaccine handbook (National Institute of Preventive Health, edited by Maruzen, 1994) and Remington's Pharmaceutical Sciences 14th Edition (Mack Publishing Co., 1995), chapter 75, Immunizing Agents, p1426-p1441 or Physician's Desk Reference, 46th Editions (US Food and Drug Administration authorization, 1992), toxoids, vaccines and live vaccines as described on pages 208-209, or substances obtained therefrom, but are not limited thereto Absent.
[0022]
In particular,
(1) Virus, mycoplasma, bacteria, parasites, toxins, tumor cells, etc., for example, genetic recombination (modification of genes involved in toxicity or pathogenicity), continuous culture (appearance of attenuated or non-pathogenic strains by self-modification) ), Attenuated, detoxified or non-pathogenic using methods such as formalin treatment, β-propiolactone treatment, irradiation, ultrasonic irradiation, enzyme treatment, heating,
(2) Proteins obtained from viruses, mycoplasma, bacteria, parasites, toxins, tumor cells, etc. by, for example, chemical or enzymatic degradation, physical disruption, column purification, extraction, filtration, etc. , Proteins such as nuclear proteins, proteoglycans, polypeptides, peptides, membrane components,
(3) Extracting and identifying the gene of an antigen that induces specific immunity against viruses, mycoplasma, bacteria, parasites, toxins, tumor cells, etc. from viruses, mycoplasmas, bacteria, parasites, tumor cells, etc. Subunit vaccine composed of peptides and proteins obtained by expression in Escherichia coli, yeast, or animal cells by incorporating it into an appropriate vector such as a plasmid, and a specific immunogenicity that is the same or higher than the antigen. Examples thereof include, but are not limited to, synthetic peptides arranged to have. Here, antigens that induce specific immunity against tumor cells include so-called cancer regression antigens such as MAGE-1, MAGE-3, and BAGE, tissue-specific antigens such as Tyrosinase, Mart-1, gp100, and gp75, and p15 , Mucl, CEA, HPV E6, E7, HPR2 / neu and the like, but are not limited thereto.
[0023]
More specific “antigen” includes, but is not limited to, an antigen capable of inducing an immune response effective for the prevention or treatment of the following diseases: cholera, pertussis, plague, typhoid, Meningitis, Pneumonia, Leprosy, Phosphorus, Shigellosis, Polio, Gram-negative sepsis, Escherichia coli sepsis, Rabies, Diphtheria, Botulinum, Tetanus, Pediatric paralysis, Influenza, Japanese encephalitis, Rubella, measles, Yellow fever, Otognenditis , Hepatitis A, hepatitis B, hepatitis C, chickenpox / zoster, malaria, tuberculosis, candita, caries, acquired immune deficiency syndrome, cancer (tumor), Aujeszky's disease, mastitis, anthrax, brucellosis, Malta fever, cheese-like lymphadenitis, enterotoxemia, enteritis, infectious necrotic hepatitis, malignant edema, emphysema, leptospirosis, scabby mouse, vibrio disease, erysipelas, strangles, Bordetella bronchitis, Sutenpa, all leucopenia, bronchitis, Hitsujihae maggots disease, viral diarrhea, Pimerea (Pimelea) poisoning. Furthermore, antigens that can induce an immune response effective for the prevention of the onset of infection and pathological conditions of viruses, mycoplasmas, bacteria, parasites, and the treatment of the diseases that have developed include, but are not limited to: Not: Group B meningococcus, group B streptococci, Pseudomonas aeruginosa, Staphylococcus aureus, Staphylococcus epidermidis, Salmonella, bacteria belonging to the genus Clostridium, adenovirus, coronavirus, RS virus, human immunity Defective viruses I and II, herpes simplex I and II, CMV, EBV, trachoma chlamydia, parvovirus, parainfluenza virus, calicivirus.
The “antigen” in the present invention includes not only an antigen used for the prevention or treatment of diseases but also an antigen used for industrial reasons in the animal industry. For example, these antigens can be found in Vaccines in Agriculture, Immunological Applications to Animal Health and Production (edited by PR Wood et al., CSIRO, 1994). The antigen described on pages 71-160 of)) can be mentioned, but is not limited thereto. Antigens used for industrial reasons in the animal industry include, but are not limited to, the antigens listed below. 1) Antigens used for breeding livestock; antigens that can induce immune responses to inhibin-related peptides, release hormones (luteinizing hormone-releasing hormone, gonadotropin-releasing hormone, etc.): 2) regulate the growth and metabolism of livestock Antigen used for growth hormone-related factor, insulin-like growth factor-1, growth hormone, steroid hormone, sex steroid hormone, adipocyte plasma membrane antigen, obesity lipid, cortisol, gland adrenocorticotropic hormone, gland Antigens that can induce an immune response to adrenocorticotropic hormone receptors, β-adrenergic receptors, and pituitary hormones (prolactin, ACTH, STH, TSH, LH, FSH, etc.): 3) Regulate livestock rearing environment Antigens that can induce immune responses against plant-associated toxins and low molecular weight natural toxins.
In addition, the “antigen” in the present invention is not limited to those capable of inducing a specific immune response to the antigen, but includes those capable of inducing nonspecific immunity to the antigen. Examples of antigens that can induce non-specific immunity against antigens include, for example, staphylococcal enterotoxin SE (staphylococcal enterotoxins), TSST-1 (toxic shock syndrome toxin-1), decoction toxin ET (exofoliative) dermatitis toxin), Miyagi Prefecture Veterinary Medical Association Bulletin, Vol. 50, No. 3, 133-137, 1997, CAP (cell-membrane associated protein) derived from the cell membrane of Bacillus subtilis cells, T-12 and NY- Examples include, but are not limited to, a superantigen which is a bacterial antigen such as SPM (Streptococcus pyogenes-mitogen) derived from 5 lytic bacteria.
[0024]
“Antigen-inducing substance” is a substance that induces the production of antigens as described above in vivo, and induces specific immunity against viruses, mycoplasma, bacteria, parasites, toxins, tumor cells, etc. Examples thereof include plasmids and viruses in which a nucleic acid encoding a gene sequence of a possible antigen is incorporated so as to produce the antigen in vivo.
Examples of the nucleic acid to be incorporated include a nucleic acid encoding a substance that can be an antigen as described above, and examples thereof include a nucleic acid encoding the following protein. HA, NA or NP proteins of influenza virus, E2 or NS1 protein of hepatitis C virus, HBs antigen protein of hepatitis B virus, VP1 or VP3 which is capsid protein of hepatitis A virus, or capsid-like protein, Dengue virus Egp protein, RS virus F or G protein, rabies virus structural protein G or N protein, herpesvirus gD protein, Japanese encephalitis virus E1 or pre-M protein, rotavirus outer glycoprotein VP7 And outer shell protein VP4, human immunodeficiency virus pg120 and gp160 proteins, Leishmania major major surface antigen protein, malaria sporozoite major surface antigen protein (circum sporozoite protein) protein Cell surface protein PAc of Streptococcus mutans which is a 54-kd or CS protein, the cause of tooth decay Toxoplasma. In addition, cancer regression antigens such as MAGE-1, MAGE-3, or BAGE, tissue specific antigens such as Tyrosinase, Mart-1, gp100, gp75, p15, Muc1, CEA, HPV E6, E7, HER2 / neu, etc. Examples of the nucleic acid to be encoded and “Immunization with DNA” include, but are not limited to, the nucleic acids described in Journal of Immunological Methods, 176, 1994, pages 145-152. A plasmid or virus incorporating such a nucleic acid is not particularly limited as long as it has no pathogenicity. Examples of viruses include adenovirus, adeno-associated virus, vaccinia virus, retrovirus, HIV virus, herpes virus and the like. What is used as a normal vector is mentioned.
[0025]
Antigenic substances can be obtained, for example, by chemical techniques, recombinant DNA techniques, cell culture techniques or fermentation techniques. In the present invention, a product obtained by any method may be used, but since the preparation of the present invention has the effects as described above, conventional administration methods (for example, injection in a solution state or a suspension state) Is particularly suitable for antigens with low antigenicity obtained by recombinant DNA techniques that are generally less likely to induce an immune response efficiently.
[0026]
The antigenic substance that induces specific immunity may be contained in the immunopotentiating preparation as it is without modification or alteration. For the purpose of further enhancing antigenicity and / or stability, for example, ( 1) Covalently or non-covalently bound to a protein having a molecular weight larger than that of the antigen (for example, β-galactosidase or core protein), (2) Appropriate sugar chain added, or (3) Encapsulated in liposomes Or (4) Membrane particles obtained by using membrane-fused liposomes of virus and liposomes and (5) B30MDP (6-O- (2-tetradecylhexadecanoyl) -N-acetylmuramyl-L-alanyl-D-isoglutamine) Virosome) may be contained.
[0027]
“Immunomodulating substances (substances having immunostimulating, immune stimulating or immune enhancing action)” are not particularly limited, but for example, cytokines, chemokines, growth factors, immunostimulating peptides, immunostimulating DNA sequences, alums, and Freund's Complete adjuvant, incomplete adjuvant, iscom, saponin, copolymer of polyoxypropylene and polyoxyethylene, CRL-1005 (Vaxcel), QS-21 (Cambridge Biotech), hexadecylamine, dimethyldioctadecylammonium bromide, Lipids such as ablidine, cell wall skeleton components, cholera toxin, lipopolysaccharide endotoxin, water-read liposomes and liposomes containing cytokines, 1,25-dihydroxyvitamin-DThree, And those obtained by adding arginine and sodium chloride to a carboxyl vinyl polymer to form a gel. As cytokines, IFN-α, IFN-β, IFN-γ, IL-1α, IL-1β, IL-2, IL-3, IL-4, IL-5, IL-6, IL-8, TNF- Examples thereof include, but are not limited to, α, TNF-β, and GM-CSF. In particular, IL-1β and IL-2 are desirable when immunocompetent cells are accumulated at the site of administration of the immunopotentiating agent to enhance antibody production.
In addition, specific immunomodulating substances are selected from, for example, one or more of the following substances, but are not limited thereto: aluminum phosphate gel (for example, Adju-Phos), β -Glucan (eg Algal Glucan), γ-inulin / alum complex (eg Algammulin), aluminum hydroxide gel (eg Alhydrogel), squalane, Tween 80, pluronic L121 emulsion (eg Antigen Formulation), abridine (N, N -Dioctadecyl-N ', N'-bis (2-hydroxyethyl) propanediamine, registered trademark, VIDO, Canada), BAY R1005 (N- (2-deoxy-2-L-leucylamino-β-D-glucopyranosyl) ) -N-octadecyl-dodecanoylamide hydroacetate), calcitriol (Calcitriol, 1α, 25-dihydroxyvitamin D3), calcium phosphate gel, cholera holotoxin (CT), cholera Xin B subunit (CTB), CRL1005 (Vaxcel Corporation, USA), diethyl dioctadecyl ammonium bromide bromide (DDA), dihydroepiandrosterone (DHEA), dimyristoylphosphatidylcholine (DMPC), dimyristoylphosphatidylglycerol (DMPG) , Deoxycholate sodium salt (DOC) / alum complex, γ-inulin, gelbu adjuvant (N-acetylglucosaminyl- (β1-4) -N-acetylmuramyl-L-alanyl-D-glutamine (GMDP) GMDP, 1- (2-methylpropyl) -1H-imidazo [4,5-c] quinolin-4-amine (Imiquimod), a mixture of dimethyldioctadecylammonium chloride (DDA) and zinc / L-proline salt complex , ImmmTher (registered trademark, Immuno Therapeutica, Inc., USA), ISCOM (s) (registered trademark, ISCOTEC AB, Sweden), Iscoprep 7.0.3 (registered trademark, ISCOTEC AB, Sweden), loxoribine (7-allyl-8 -Oxoguanosine) LT-OA (LT oral adjuvant, E. coli unstable enterotoxin protoxin), MF59 (emulsion consisting of polysorbate 80 and span 85 and squalene), MONTANIDE ISA 51 (registered trademark, SEPPIC, France), MOTANIDE ISA 720 (registered) Trademark, SEPPIC, France), MPL (registered trademark, Ribi ImmunoChem Research, Inc., USA), N-acetyl-L-alanyl-D-isoglutaminyl-L-alanine-2- (1,2-dipalmitoyl-sn- Glycero-3- (hydroxy-phosphoryloxy)) ethylamide monosodium salt (MTP-PE), MTP-PE liposome (MTP-PE antigen-presenting liposome), muramethide (NAc-Mur-L-Ala-D-Gln-OCH3) , Murapalmitin (NAc-Mur-L-Thr-D-isoGln-sn-glycerol dipalmitoyl), D-murapalmitin (NAc-Mur-D-Ala-D-isoGln-sn-diglycerol dipalmitoyl), NAGO ( Neuuraminase and galactose oxidase mixture), nonpolar surfactant vesicles (with cholesterol) Mixture of nopalmitoyl-rac-glyceryl and dicetyl phosphate), pullulan (β-glucan), PLGA (copolymer of lactic acid and glycolic acid), PGA (polyglycolic acid), PLA (polylactic acid), Pluronic L121, PMMA (Polymethyl methacrylate), PODDS (registered trademark, acrylated amino acid), poly rA and poly rU complex, polyphosphadine, polysorbate 80, phospholipid protein and calcium complex (e.g. Protein Cochleates), QS-21 (Stimulon, Registered trademark, Cambridge Biotech Corporation, USA), Quil A (Quil A, Quillaja saponin), high protein adsorptive aluminum hydroxide gel (eg Rehydragel HPA), low viscosity aluminum hydroxide gel (eg Rehydragel LV), 4-amino- α, α-Dimethyl-2-ethoxymethyl-1H-imidazo [4,5-c] quinoline-1-ethanol (S-28463), SAF-1 (threonyl muramyl dipeptide and pluronic L121 Rubate 80 and a mixture of squalane), IL-1β 163-171 peptide (Sclavo Peptide), Sendai Proteoliposome, Lipid Sendai Matrix, Span 85 (Aracel 85, sorbitan trioleate), Specol (Specol, mineral oil and cycloparaffin, Span 85 and a mixture of Tween 85), squalane, squalene, stearyl tyrosine, N-acetylglucosaminyl-N-acetylmuramyl-L-Ala-D-isoGlu-L-Ala-dipalmitoxypropylamide (Theramide), Threonyl muramyl dipeptide (Termurtide, registered trademark, Syntex, USA), Ty particles, Water Reed Liposomes (Liposome containing aluminum hydroxide adsorbed with lipid A).
[0028]
The amount of the antigenic substance and the immunomodulating substance contained in the immunopotentiating preparation of the present invention is controlled by the mixing ratio with the biocompatible material and additives and the size of the preparation when contained in the preparation. be able to. The amount of the antigenic substance administered by the preparation of the present invention may be the same as that used in conventional administration methods (for example, injection administration in a solution state or suspension state). Since it has an excellent immunity enhancing effect as described above, immunity can be sufficiently induced at a dose below the conventional dose, and administered simultaneously with the type of antigenic substance, the dosage form of the preparation of the present invention, or the antigenic substance. The dosage can be appropriately adjusted depending on the type and amount of the immunomodulating substance.
[0029]
The carrier of the immunopotentiating preparation of the present invention carries the antigenic substance dispersed or included in the carrier. The carrier also releases the antigen (and immunomodulator) continuously. The carrier of the immunopotentiating preparation of the present invention is formed from the following appropriate biocompatible materials.
The “biocompatible material” is preferably a material that is excellent in biocompatibility and can stably hold and slowly release an antigenic substance and an immunomodulating substance in vivo. Biocompatible materials include, for example, collagen, gelatin, fibrin, albumin, hyaluronic acid, heparin, chondroitin sulfate, chitin, chitosan, alginic acid, pectin, agarose, gum arabic; glycolic acid, lactic acid, amino acid polymer, and these two types It can be arbitrarily selected from the group consisting of the above copolymers: hydroxyapatite, polymethyl methacrylate, polydimethylsiloxane, polytetrafluoroethylene, polypropylene, polyvinyl chloride and polyethylene. These biocompatible materials can be used alone or as a mixture of two or more.
The biocompatible material can be used in the preparation process of the immunopotentiating agent, on the condition that the antigenic substance and the immunomodulating substance are not denatured and / or inactivated, and further from the condition of biodegradability or non-biodegradability depending on the desired effect Selected.
[0030]
Particularly preferred biodegradable biocompatible materials include collagen, and it is also desirable to mix the other biocompatible materials with the collagen. Any collagen can be used as long as it meets the object of the present invention. For example, acid-soluble collagen obtained from animals and plants, salt-soluble collagen, alkali-soluble collagen and atelocollagen obtained from these collagens, side chain modified collagen, cross-linked collagen, or collagen produced by genetic engineering techniques, especially Can use atelocollagen, collagen with modified side chains obtained from these collagens, cross-linked collagen, and the like. Examples of collagen with modified side chains include succinylated, methylated or myristylated collagen. Examples of the cross-linked collagen include collagen treated with glutaraldehyde, hexamethylene diisocyanate or polyepoxy compound, etc. (Fragrance Journal, Vol. 12, 1989, pages 104-109, JP-B-7- 59522).
[0031]
Particularly preferred non-biodegradable biocompatible materials include polydimethylsiloxane, and it is also desirable to mix the other biocompatible materials with the polydimethylsiloxane. There are no particular restrictions on the polydimethylsiloxane, but from the viewpoint of ease of moldability, for example, Silastic (registered trademark) Medical Grade ETR Elastomer Q7-4750, Dow Corning (registered trademark) MDX-4-4210 Medical Grade Elastomer, etc. Silicone is particularly preferred.
[0032]
Addition of pharmaceutical additives as necessary to stabilize and / or control release of antigenic substances or immunomodulators, or to enhance immune effects by making immunity-enhancing preparations easily phagocytosed by immunocompetent cells can do. Examples of pharmaceutical additives include albumin, glycine, amino acids other than glycine, polyamino acids, gelatin, chondroitin sulfate, sodium chloride, mannan, glucomannan, tannic acid, sodium citrate, mannitol, and the like. Is not to be done.
When other biocompatible materials or additives are mixed with collagen, the content of collagen in the preparation is preferably 10 w / w% or more, preferably 30 w / w% or more, and particularly preferably 70 w / w. / W% or more of the range. When other biocompatible materials or additives are mixed with silicone, the silicone content in the preparation may be 10 w / w% or more, preferably 50 w / w% or more, and particularly preferably The range of 70 w / w% or more is mentioned.
[0033]
The shape of the immunopotentiating preparation according to the present invention is not particularly limited, and examples thereof include solution, suspension, gel, film, sponge, rod, and fine particle. Preferred shapes are selected so that an immune response can be induced more efficiently. A rod shape is mentioned as a preferable shape. More preferably, the shape of the preparation described in Published Patent Publication No. 1995/187994, for example,
(A) an inner layer of a non-disintegrating biocompatible material containing a uniformly dispersed antigen or a substance that induces the antigen; and
(B) an outer layer of a biocompatible material that wraps around the inner layer, impervious to water, and can control swelling of the inner layer
And a rod-shaped preparation that is open so that both ends or one end of the inner layer are in direct contact with the external environment. The biocompatible material used for the inner layer and the biocompatible material used for the outer layer may be the same or different.
In the present specification, “non-degradable” means that even if it is in contact with water, it does not immediately disappear due to dissolution, decomposition, etc., and the initial shape can be maintained for a desired time. Examples thereof include polyesters such as polylactic acid glycolic acid copolymer, polyamino acids, and examples of non-biodegradable materials include silicone, ethylene vinyl acetate copolymer, polyvinyl alcohol and the like.
Desirably, the rod-like biocompatible carrier is made of a material derived from polydimethylsiloxane.
For example, antigenic substances (and immunomodulating substances) are continuously released over a long period of time in a rod-like shape, and are phagocytosed by immunocompetent cells such as macrophages in a particulate shape. In the case of fine particles, the diameter of the fine particles is desirably 0.1 μm to 100 μm, and more desirably 0.5 μm to 50 μm, but is not limited thereto.
The administration method of the immunopotentiating preparation according to the present invention is not particularly limited, and examples thereof include injection administration, oral administration, administration into the nasal cavity and / or lungs, injection using compressed air, and placement at the incision site. It is done. The preferred administration method is selected according to the shape of the immunopotentiating agent for the purpose of inducing an immune response more efficiently. Although it may be placed directly at the site, it may be suspended in an injectable solvent and administered as a suspension as described in Japanese Patent Publication No. 3-72046. Furthermore, Helios Gene Gun System (BIO-RAD ) Or Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 93, 6291-6296 (1996), etc., and may be administered by injection using compressed air. It is not limited. Here, as an injection solvent, the fine particles can be easily and uniformly dispersed, the fine particles are not disintegrated until administration, the antigenic substance and the immunomodulating substance are stably held in the fine particles, and further toxic to the solvent itself. Any substance can be used as long as it is selected depending on the properties of the carrier, the antigenic substance and the immunomodulating substance, provided that no toxicity is induced by dispersing the microparticles in the solvent. Examples of the solvent include, but are not limited to, distilled water, physiological saline, phosphate buffer, soybean oil, sesame oil, peanut oil, cottonseed oil, MCT (medium chain fatty acid triglyceride). , Olive oil, corn oil, castor oil, silicone oil, PEG (polyethylene glycol), PG (propylene glycol), squalane, squalene, etc. or fatty acids used in the preparation of liposomes, such as DOTMA, DOPE, DOGS.
[0034]
Examples of methods for producing biodegradable solution-form, suspension-form and gel-form immunopotentiating preparations include, for example,
(1) A method of mixing a powder, solution, suspension or gel of an antigenic substance (and immunomodulating substance) with a solution-like or gel-like carrier to which additives are added as necessary,
(2) A method of adding and mixing a solution, suspension or gel of an antigenic substance (and immunomodulating substance) to a powdered carrier to which additives are added as necessary,
(3) A solution, suspension or gel of an antigenic substance (and immunomodulating substance) is added to a sponge-like carrier to which additives are added as necessary, and kneading can be mentioned. It is not limited.
[0035]
Examples of a method for producing a biodegradable solid immune enhancing preparation include, but are not limited to, the method of Fujioka et al. (Japanese Patent Publication No. 7-59522). In addition,
(1) A method in which a powder, solution, suspension or gel of an antigenic substance (and an immunomodulating substance) is mixed with a solution-like or gel-like carrier to which additives are added as necessary, and dried.
(2) A method in which a solution, suspension or gel of an antigenic substance (and immunomodulating substance) is mixed with a powdered carrier to which additives are added as necessary, and dried.
(3) A method in which a solution, suspension or gel of an antigenic substance (and an immunomodulating substance) is infiltrated into a sponge-like carrier to which an additive is added as necessary, followed by drying,
(4) A solution, suspension or gel of the antigenic substance (and immunomodulating substance) is infiltrated into a sponge-like carrier to which additives are added as necessary, and dried as it is, or water or the like as necessary After adding, kneading and drying,
(5) A method of pulverizing and compression-molding the solid obtained by the methods (1) to (4),
(6) Examples include, but are not limited to, a method in which a powdery carrier to which an additive is added as necessary and a powder of an antigenic substance (and an immunomodulating substance) are mixed and compression-molded. .
[0036]
As a method for producing a biodegradable particulate immunopotentiating preparation, for example,
(1) A method of spray drying an antigenic substance (and immunomodulating substance), a carrier, and a solution to which additives are added as necessary,
(2) A method of freeze-drying a solution to which an antigenic substance (and immunomodulating substance), a carrier, and, if necessary, additives are added, and pulverizing the resulting sponge,
(3) A method in which a solution obtained by adding an antigenic substance (and immunomodulating substance), a carrier, and, if necessary, an additive to a solution in which the carrier is not dissolved is dropped and stirred, and the resulting fine particles are dried. However, it is not limited to these.
Drying method, drying temperature and humidity, mixing method, mixing temperature and humidity, compression molding method, compression molding temperature, humidity, compression pressure, carrier solution and antigenic substance (and immunomodulating substance) solution The solution viscosity, the viscosity of the mixed solution of the carrier and the antigenic substance (and the immunomodulating substance), and pH can be performed in the same manner as in the usual method.
[0037]
As a method for producing a non-degradable solid immune enhancing preparation in vivo, for example,
(1) A solution, suspension, or gel of an antigenic substance (and immunomodulating substance) is mixed with a carrier monomer to which an additive is added as necessary, a curing agent is added, and it is molded by filling or extruding into an arbitrary mold. A curing method,
(2) A method in which a solution, suspension or gel of an antigenic substance (and immunomodulating substance) is mixed with a powdered carrier to which additives are added as necessary, and dried
(3) The powder, solution, suspension, or gel of the antigenic substance (and immunomodulating substance) is mixed with the powdered carrier with additives as necessary, and filled into any mold, and then compression molded or extruded. By the molding method,
(4) A method of mixing and drying a solution, suspension or gel of an antigenic substance (and immunomodulating substance) in a sponge-like carrier as necessary,
(5) Antigen substance (and immunomodulator) powder, solution, suspension, or gel is mixed with a sponge-like carrier to which additives are added as necessary, and filled into an arbitrary mold for compression molding or extrusion. By the molding method,
(6) A rod-shaped inner layer containing the antigenic substance (and immunomodulating substance) is prepared by the methods of (1), (3) and (5), and then the side thereof does not contain the antigenic substance (and immunomodulating substance) Coating with outer layer material,
(7) A method of extruding and molding the inner and outer layers simultaneously using a nozzle
However, it is not limited to these. Drying method, drying temperature and humidity, mixing method, mixing temperature and humidity, compression molding method, compression molding temperature, humidity, compression pressure, carrier solution and antigenic substance (and immunomodulating substance) solution The solution viscosity, the viscosity of the mixed solution of carrier and antigenic substance (and immunomodulating substance), and pH can be carried out in the same manner as in the usual method.
[0038]
The method of using the immunopotentiating preparation according to the present invention includes, for example, (1) vaccine preparations for human or non-human mammals and birds for the purpose of preventing or treating diseases,
(2) Although it can mention the method of using as an immunological preparation administered to an animal for the purpose of manufacture of an antibody, it is not limited to this. The method for producing an antibody using this preparation is not different from the method generally used at present, except that this preparation is used to administer an antigen to an animal producing an antibody.
[0039]
The administration site | part can be selected according to the objective of use for the immunopotentiating preparation concerning this invention. For example, when used as a general vaccine, it can be administered subcutaneously or intramuscularly. In addition, as described in the principle explanation of the present invention, the immunopotentiating preparation of the present invention can specifically activate the immune response of the lymph node responsible for the administration site or the administration site. Accordingly, it can be administered directly to the target organ. For example, an immune enhancing preparation carrying a tumor-derived antigen and cytokine can be directly administered to a tumor cell site or a site where the tumor has been surgically removed to activate an immune response against the tumor. Furthermore, direct administration of the immunopotentiating preparation to the tumor site is expected to suppress the tumor cell metastasis to the systemic lymph system via the lymph node in charge of the tumor site.
[0040]
【Example】
(1) Preparation of immune enhancement products
Example 1
By mixing 10 ml of an aqueous solution containing 5.0 mg / ml of avidin (Boehringer Mannheim) and 3 ml of an aqueous solution containing 100 mg / ml of glycine (Nacalai Tesque Co., Ltd.) with 134 g of atelocollagen solution (Koken Co., Ltd .: 2% atelocollagen) A solution-like immune enhancement preparation was prepared.
[0041]
Example 2
Sheep IL-1β (prepared according to the method of AEAndrews et al., Vaccine, 12, 14-22, 1994) 1.7 ml of an aqueous solution containing 5.0 mg / ml, 8.6 ml of an aqueous solution containing 5.0 mg / ml avidin, and 100 mg / ml glycine A solution-like immunopotentiating preparation was prepared by mixing 1.5 ml of an aqueous solution containing 1 ml with 142 g of atelocollagen solution.
[0042]
Example 3
The solution-like immune enhancement preparation prepared in Example 1 was freeze-dried to obtain a sponge-like immune enhancement preparation.
Example 4
The solution-like immune enhancement preparation prepared in Example 2 was freeze-dried to obtain a sponge-like immune enhancement preparation.
[0043]
Example 5
7 g of distilled water was added to the sponge-like immunopotentiating preparation prepared in Example 3, and the mixture was allowed to stand overnight and kneaded to obtain a gel-like immunopotentiating preparation.
[0044]
Example 6
7 g of distilled water was added to the sponge-like immune enhancing preparation prepared in Example 4, and the mixture was allowed to stand overnight and kneaded to obtain a gel-like immune enhancing preparation.
[0045]
Example 7
The gel-like immune enhancement preparation prepared in Example 5 was extruded into a rod shape and dried to obtain a rod-shaped immune enhancement formulation.
[0046]
Example 8
The gel-like immune enhancement preparation prepared in Example 6 was extruded into a rod shape and dried to obtain a rod-shaped immune enhancement formulation.
[0047]
Example 9
Avidin 1 mg / ml aqueous solution 11.1 g and human serum albumin (HSA) 81 mg / ml aqueous solution 12.2 g are mixed and lyophilized. The freeze-dried cake is pulverized and sieved to obtain a powder of 20 μm or less. On the other hand, Silastic (registered trademark, Dow Corning) Medical Grade ETR Elastomer Q7-4750A component 0.7g and B component 0.7g are mixed. Immediately after mixing, 0.6 g of the above powder is kneaded. This is extruded through a hole having a diameter of 1.9 mm under pressure, and allowed to stand at room temperature for curing. This is cut to obtain an immune enhancing preparation.
[0048]
Example 10
Avidin 1 mg / ml aqueous solution 11.1 g, IL-
[0049]
Example 11
The material cured in Example 9 is immersed in a mixture of 10% toluene dispersion of silastic medical grade ETR elastomer Q7-4750 A component and B component in a ratio of 1: 1, dried, and 0.2 mm thick Apply outer layer. This is cleaved to obtain an immunopotentiating preparation.
[0050]
Example 12
The material cured in Example 10 is immersed in a mixture of 10% toluene dispersion of silastic medical grade ETR elastomer Q7-4750 A component and B component in a ratio of 1: 1, dried, and 0.2 mm thick Apply outer layer. This is cleaved to obtain an immunopotentiating preparation.
[0051]
Example 13
Avidin 1 mg / ml aqueous solution 11.1 g and human serum albumin (HSA) 81 mg / ml aqueous solution 12.2 g are mixed and lyophilized. The freeze-dried cake is pulverized and sieved to obtain a powder of 20 μm or less. Meanwhile, Shin-Etsu Silicone (registered trademark, Shin-Etsu Chemical Co., Ltd.) KE68 (main agent) 1.372 g and Shin-Etsu Silicone (registered trademark, Shin-Etsu Chemical Co., Ltd.) Cat-RC (curing agent) 28 mg are mixed. Immediately after mixing, 0.6 g of the above powder is kneaded. This is extruded through a hole having a diameter of 1.9 mm under pressure, and allowed to stand at room temperature for curing. This is cut to obtain an immune enhancing preparation.
[0052]
Example 14
Avidin 1 mg / ml aqueous solution 11.1 g, IL-
[0053]
Example 15
After immersing what was cured in Example 13 in a mixture of 10% toluene dispersion of Shin-Etsu Silicone (registered trademark) KE68 (main agent) and Shin-Etsu Silicone Cat-RC (curing agent) in a ratio of 98: 2, Dry and apply a 0.2mm thick outer layer. This is cleaved to obtain an immunopotentiating preparation.
[0054]
Example 16
After immersing the material cured in Example 14 in a mixture of Shin-Etsu Silicone (registered trademark) KE68 (main agent) and Shin-Etsu Silicone Cat-RC (curing agent) 10% toluene in a ratio of 98: 2, Dry and apply a 0.2mm thick outer layer. This is cleaved to obtain an immunopotentiating preparation.
[0055]
Example 17
[0056]
Example 18
[0057]
Example 19
In the same manner as in Example 18, a kneaded mixture consisting of avidin, sodium citrate, mannitol and silastic was filled into a syringe. On the other hand, 50 g of Silastic (registered trademark) medical grade ETR elastomer Q7-4750A component and 50 g of the same component B were mixed and filled in another syringe. Each filling was extruded by applying pressure from a nozzle having an inner diameter of 1.9 mm of the outer nozzle and an inner diameter of 1.6 mm of the inner nozzle arranged concentrically so that the drug-containing silastic is on the inside and only the silastic is on the outside, 37 It was allowed to stand for 5 days to cure. This was cut to obtain an immunopotentiating preparation.
[0058]
Example 20
[0059]
Example 21
In the same manner as in Example 20, a syringe was filled with a kneaded mixture consisting of avidin, sodium citrate, mannitol and silastic. On the other hand, 50 g of Silastic (registered trademark) medical grade ETR elastomer Q7-4750A component and 50 g of the same component B were mixed and filled in another syringe. Each filling was extruded by applying pressure from a nozzle having an inner diameter of 1.9 mm of the outer nozzle and an inner diameter of 1.6 mm of the inner nozzle arranged concentrically so that the drug-containing silastic is on the inside and only the silastic is on the outside, 37 It was allowed to stand for 5 days to cure. This was cut to obtain an immunopotentiating preparation.
[0060]
Example 22
[0061]
Example 23
In the same manner as in Example 22, a kneaded mixture consisting of avidin, IL-1β, sodium citrate, mannitol and silastic was filled into a syringe. On the other hand, 50 g of Silastic (registered trademark) medical grade ETR elastomer Q7-4750A component and 50 g of the same component B were mixed and filled in another syringe. Each filling was extruded by applying pressure from a nozzle having an inner diameter of 1.9 mm of the outer nozzle and an inner diameter of 1.6 mm of the inner nozzle arranged concentrically so that the drug-containing silastic is on the inside and only the silastic is on the outside, 25 It was allowed to stand at 3 ° C. for 3 days to cure. This was cut to obtain an immunopotentiating preparation.
[0062]
(2) Release test
Test example 1
10 mg of the immunopotentiating preparation prepared in Example 7 was placed in 5 ml of a phosphate buffer solution (pH 7.4) containing 0.5% bovine serum albumin and 0.01% sodium azide, and released avidin was detected by ELISA. Measurements were made to determine the cumulative release rate. The results are shown in FIG. The immunopotentiating formulation released avidin continuously over 7 days.
[0063]
Test example 2
10 mg of the immunopotentiating preparation prepared in Example 8 was placed in 5 ml of a phosphate buffer solution (pH 7.4) containing 0.5% bovine serum albumin and 0.01% sodium azide, and released, avidin and IL- 1β was measured by ELISA to determine the cumulative release rate. The results are shown in FIG. The immune enhancement formulation sustainedly released avidin and IL-1β over 7 days.
[0064]
(3) Antibody production experiment
Test example 3
Two groups of Balb / C mice (female, 5 mice in each group) were prepared with the immunopotentiating preparation prepared in Example 7 (containing 100 μg of avidin) and the immunopotentiating preparation prepared in Example 8 (100 μg of avidin, IL-1β Of 20 μg) was injected subcutaneously. Blood samples were collected 7, 14, 21, 35, and 83 days after administration. Anti-avidin antibody titers in equal amounts of serum obtained from 5 mice in each group were measured by ELISA. The antibody titer was expressed as a 50% midpoint dilution factor, and the results are shown in FIG. The antibody titer in the blood 35 days after administration of the mice administered with the immunopotentiating preparation prepared in Example 7 reached about 25 times the antibody titer obtained in Comparative Example 1. The antibody titer 35 days after administration of the mice administered with the immunopotentiating preparation prepared in Example 8 reached about 450 times the antibody titer obtained in Comparative Example 1.
[0065]
Comparative Example 1
Five Balb / C mice were injected subcutaneously with a PBS solution in which 100 μg of avidin was dissolved. Blood samples were collected 7, 14, 21, 35, and 83 days after administration. Anti-avidin antibody titers in equal amounts of serum obtained from 5 mice were measured by ELISA. The antibody titer was expressed as a 50% midpoint dilution factor, and the results are shown in FIG.
[0066]
Test example 4
Five sheep (merino species, male and female mixed) were subcutaneously injected with the immunopotentiating preparation prepared in Example 8 (containing 100 μg of avidin and 20 μg of IL-1β). Blood samples were collected at 7, 14, 21, 35 days after administration. Anti-avidin antibody titers in equal amounts of serum obtained from 5 sheep were measured by ELISA. The antibody titer was expressed as a 50% midpoint dilution factor, and the results are shown in FIG. As apparent from FIG. 3, the production of anti-avidin antibody was observed 14 days after administration.
[0067]
Comparative Example 2
Five sheep (merino species, male and female mixed) were subcutaneously injected with a PBS solution in which 100 μg of avidin was dissolved. Blood samples were collected at 7, 14, 21, 35 days after administration. Anti-avidin antibody titers in equal amounts of serum obtained from 5 sheep were measured by ELISA. The antibody titer was expressed as a 50% midpoint dilution factor, and the results are shown in FIG. As shown in FIG. 3, no anti-avidin antibody production was observed for 35 days after administration.
[0068]
Comparative Example 3
Five sheep (Merino species, mixed male and female) were subcutaneously injected with a PBS solution in which 100 μg avidin and 20 μg IL-1β were dissolved. Blood samples were collected at 7, 14, 21, 35 days after administration. Anti-avidin antibody titers in an equal amount of serum obtained from 5 sheep were measured by ELISA. The antibody titer was expressed as a 50% midpoint dilution factor, and the results are shown in FIG. As is clear from FIG. 3, no anti-avidin antibody production was observed for 35 days after administration.
[0069]
(4) Histological analysis
The immunopotentiating preparation prepared in Example 7 (containing 100 μg of avidin) and the immunopotentiating preparation prepared in Example 8 (containing 100 μg of avidin and 20 μg of IL-1β) were each subcutaneously applied to three different locations on the left flank of the sheep. Injected. Seventy-two hours after administration, sheep were sacrificed and skin biopsy samples were collected. After fixing the biopsy sample, a frozen section was prepared and CD45 on the surface of infiltrating cells was stained. The tissue images are shown in FIGS. The obtained histological image shows that infiltration of leukocytes was induced around the immunopotentiating preparation by the immunopotentiating preparation.
[0070]
Test Example 5
The immunopotentiating preparations of Example 17 cleaved to contain 10 μg avidin and Examples 18 and 19 cleaved to contain 100 μg avidin were respectively converted to phosphoric acid containing 0.3
[0071]
Test Example 6
The immunopotentiating preparations of Examples 20 and 21 cleaved to contain 5 μg of avidin and the immunopotentiating preparations of Examples 22 and 23 cleaved to contain 5 μg of avidin and 5 μg of IL-1β were respectively added with 0.3% Tween20 and The solution was placed in 2 ml of a phosphate buffer (pH 7.4) containing 0.01% sodium azide and allowed to stand, and released avidin and IL-1β were measured by ELISA to determine the cumulative release rate. The results are shown in FIG. Similar to Test Example 5, the release behavior of avidin and IL-1β could be controlled by selecting the formulation form. These immune enhancement formulations sustainedly released avidin and IL-1β over at least 15 days.
[0072]
Test Example 7
Three groups of Balb / C mice (male, 6 mice in each group), the immune enhancer prepared in Example 17 (containing 10 μg of avidin), the immune enhancer prepared in Example 18 (containing 100 μg of avidin) and Examples 19 was administered subcutaneously (containing 100 μg of avidin). Blood samples were collected 14, 28, and 42 days after administration. Anti-avidin antibody titers in equal amounts of sera obtained from 6 mice in each group were measured by ELISA. Antibody titers were expressed as 50% midpoint dilution and the results are shown in FIG. The antibody titer in blood 14 days after administration of the mice administered with the immunopotentiator prepared in Example 17 was obtained in Comparative Example 4 even though the amount of avidin in the preparation was 1/10 of that in Comparative Example 4. The antibody titer reached about 180 times. The antibody titer in the blood 14 days after administration of the mice administered with the immunopotentiator prepared in Examples 18 and 19 reached about 250 times and about 190 times the antibody titer obtained in Comparative Example 4, respectively. In addition, the antibody titer in blood of the mice administered with the immunopotentiators prepared in Examples 17, 18 and 19 exceeded the antibody titer obtained in Comparative Example 4 over 6 weeks after administration.
[0073]
Comparative Example 4
Balb / C mice (6 males) were subcutaneously injected with a PBS solution in which 100 μg of avidin was dissolved. Blood samples were collected at 14, 28 and 42 days after administration. Anti-avidin antibody titers in equal amounts of serum obtained from 6 mice were measured by ELISA. Antibody titers were expressed as 50% midpoint dilution and the results are shown in FIG.
[0074]
Test Example 8
Four groups of Balb / C mice (male, 6 mice in each group) were prepared with the immunopotentiator prepared in Example 20 (containing 5 μg of avidin), the immunopotentiator prepared in Example 21 (containing 5 μg of avidin), and Example 22, respectively. The immunopotentiator prepared in 1 (containing 5 μg avidin and 5 μg IL-1β) and the immunopotentiator prepared in Example 23 (containing 5 μg avidin and 5 μg IL-1β) were subcutaneously administered. Blood samples were collected at 14, 28 and 42 days after administration. Anti-avidin antibody titers in equal amounts of sera obtained from 6 mice in each group were measured by ELISA. Antibody titers were expressed as 50% midpoint dilution and the results are shown in FIG. In mice administered with the immunopotentiator prepared in Examples 20, 21, 22, and 23, an anti-avidin antibody was detected in the blood from 14 days after administration, but an equivalent amount of avidin was administered to the immunopotentiating preparation. In Comparative Example 5, the anti-avidin antibody titer was below the detection sensitivity during the test period. The antibody titer in the blood of the mice administered with the immunopotentiating preparations of Examples 20, 22, and 23 exceeded the antibody titer obtained in Comparative Example 6 over 28 days after administration, and the immunopotentiating preparations of Examples 22 and 23 The antibody titer in the blood of the mice administered was significantly exceeded the antibody titer obtained in Comparative Example 5 throughout the test period.
[0075]
Comparative Example 5
Balb / C mice (6 males) were subcutaneously injected with a PBS solution in which 5 μg of avidin was dissolved. Blood samples were collected at 14, 28 and 42 days after administration. Anti-avidin antibody titers in equal amounts of serum obtained from 6 mice were measured by ELISA. Antibody titers were expressed as 50% midpoint dilution and the results are shown in FIG.
[0076]
Comparative Example 6
Balb / C mice (6 males) were subcutaneously injected with a PBS solution containing 0.26 wt% alum in which 5 μg avidin was dissolved. Blood samples were collected at 14, 28 and 42 days after administration. Anti-avidin antibody titers in equal amounts of serum obtained from 6 mice were measured by ELISA. Antibody titers were expressed as 50% midpoint dilution and the results are shown in FIG.
[0077]
Test Example 9
An immunopotentiating preparation using silicone as a carrier was prepared in the same manner as in Examples 20 and 22. These are hereinafter referred to as matrix type immune enhancing preparations. Table 1 shows the composition of the matrix type immunopotentiating preparation. Separately, a coated immune enhancing preparation using silicone as a carrier was prepared in the same procedure as in Examples 21 and 23. These are hereinafter referred to as concentric immune enhancing preparations. The composition of each immune enhancing preparation is shown in Table 1.
[0078]
[Table 1]
Immunity enhancing preparations and control preparations (
Immunity enhancement effect of immunoenhancement preparation using silicone as carrier
Sheep were distributed into 12 groups of 7 animals each. Each formulation was administered subcutaneously to sheep according to Table 1. Secondary immunization was performed by administering 100 μg of avidin 28 days after the first immunization. The results are shown in Table 2.
[0080]
[Table 2]
In each group, sera obtained by mixing equal amounts of sera obtained from 7 sheep were serially diluted, and the anti-avidin antibody titer in the sera was measured by ELISA.
In the case of not containing IL-1β, the matrix-type immunopotentiating preparation showed a higher immune effect in all administration groups than in the solution administration group, but the immune effect was similar to that of the solution administration group containing alum. It was low compared. In matrix-type immune enhancing preparations and solution preparations, the antibody response was enhanced by adding IL-1β as an adjuvant. Some of the matrix-type immunopotentiating preparations containing IL-1β showed a higher immune effect than that of the solution administration group containing alum. In addition, in the matrix type immunopotentiating preparation, there was a tendency that a higher antibody response was obtained as the antigen dose was lower.
In the concentric immunopotentiating preparation, results superior to the matrix type immunopotentiating preparation were obtained in the antibody titer and the maintenance period of the immune response.
Biocompatibility of immunopotentiating drug using silicone as carrier
Sheep were divided into 8 groups of 7 animals. According to Table 3, each immune enhancement formulation was administered subcutaneously to sheep.
[0082]
[Table 3]
For each group, leukocyte counts and body temperature were measured in 2 sheep.
For histological analysis, the tissue at the site of drug administration was collected.
2 days after administration (2 sheep)
4 weeks after administration (2 sheep)
8 weeks after administration (2 sheep)
Two days after administration, weak edema was observed at the site of administration of all immunopotentiating preparations. This reaction was more pronounced with the immunopotentiating formulation containing IL-1β.
At 4 and 8 weeks after administration, the tissue surrounding the immunopotentiating preparation was normal. The immunopotentiating preparation was not encapsulated by macroscopic observation, did not adhere to the tissue, and could be moved easily. There were no adverse tissue reactions.
[0084]
Systemic reaction
Body temperature and white blood cell count were measured.
The results obtained are shown in FIGS. 10a and b for the silicone-only preparation, in FIGS. 11a and b for the immune enhancement preparation containing only IL-1β, and for the immune enhancement preparation containing avidin and IL-1β. Shown in 12a and b.
All immune enhancing products that did not contain IL-1β did not induce adverse effects on body temperature or white blood cell count.
In the immunopotentiating preparation containing only IL-1β, a mild transient increase in body temperature was seen in sheep as compared to when IL-1β was administered in solution. The body temperature rise in this sheep was 1 ° C and returned to normal levels in 24 hours. On the other hand, the white blood cell count increased to 4 times the normal level, but returned to the normal level again after 24 hours.
When avidin was included in the immunopotentiating preparation, both the severity and persistence of changes in the white blood cell count and body temperature derived from IL-1β released from the immunopotentiating preparation were attenuated.
These results show that immunopotentiating preparations using silicone as a carrier have no long-term effects on body temperature and white blood cell counts, and the transient fluctuations in these values are minor, not reactions derived from silicone itself. , IL-1β is contained.
[0085]
Immunohistological analysis of administration site
The result of the immunohistological analysis did not change depending on the type of the silicone immune enhancing preparation, and only the presence or absence of IL-1β was different.
1. Immune enhancement preparation containing IL-1β
Two days later: In all the animals administered with the immunopotentiating preparation containing IL-1β, accumulation of cells (mainly neutrophils) was observed extensively from the administration site to the surrounding tissues. Cells stained by staining for the T and B cell markers were mainly present in the epidermis, and were slightly dispersed in the lower part of the epidermis.
4 weeks later: The observed immunocompetent cells were mainly neutrophils. Increased major histocompatibility complex (MHC) Class I and II positive cells were observed compared to 2 days later. Slightly CD4, CD8, γδ, and CD1-positive cells were present in the layer surrounding the immunopotentiating preparation and were dispersed between tissues. CD45R positive cells were also dispersed across the epidermis.
After 8 weeks: Immunocompetent cells were mainly present in the layer surrounding the immunopotentiating preparation, and the tissue appeared more normal than after 4 weeks. There was a cell layer surrounding the immunopotentiating product with LCA positive cells surrounding the immunopotentiating product and negative for any lymphocyte marker. These cells appeared to be fibroblasts. When the paraffin sections were stained with Masson trichrome, the thin layer surrounding the immunopotentiating preparation was deeply stained, indicating that these were collagen. This result indicates that encapsulation of the immunopotentiating product has begun. MHC Class I and II positive cells were also found in the LCA positive cell layer around the immunopotentiating formulation, but these cells were not dispersed between tissues as after 4 weeks. In addition, CD4, slight CD8, γδ, CD1 and CD45R positive cells were dispersed.
2. Immune enhancement preparation not containing IL-1β
Two days later: A tissue specimen collected from an animal administered with an immunopotentiating preparation not containing IL-1β exhibited a normal skin appearance. Cell accumulation and edema were not observed. The cells in the epidermis were slightly stained with lymphocyte surface markers.
4 weeks later: Fibroblasts were observed around the administration site. Furthermore, LCA positive cells were observed at the opening of the concentric immunopotentiating preparation. These cells were mainly MHC Class I positive cells and few Class II and CD4 positive cells.
8 weeks later: Fibroblasts were observed around the immunopotentiating preparation. In addition, few cells were stained with lymphocyte surface markers.
These results indicate that the immunopotentiating preparation using silicone as a carrier is well tolerated in the subcutaneous administration of sheep, and no adverse reaction was observed that restricts the use of the immunological preparation at 8 weeks after administration. Is shown.
[0086]
Test Example 10
An immune enhancing preparation using collagen as a carrier was prepared in the same manner as in Examples 7 and 8, and the same experiment as in Test Example 9 was conducted. The composition of the immunopotentiating preparation is shown in Table 4, and the obtained results are shown in Table 5.
[0087]
[Table 4]
[Table 5]
By including IL-1β in an immunopotentiating preparation using collagen as a carrier, the antibody response to avidin could be enhanced compared to when IL-1β was not included. Although the highest immune response was obtained with the highest concentration of the two levels of IL-1β used in the experiment, the optimal dose of IL-1β could not be statistically established.
The immunopotentiating effect of the immunopotentiating preparation using collagen as a carrier was compared with solution administration according to Table 6.
[0090]
[Table 6]
Except where otherwise indicated in the table, all formulations were administered subcutaneously and secondary immunization was performed with a PBS solution containing 100 μg avidin. 28 days after the second immunization, induction of delayed-type hypersensitivity reaction was measured by intradermal administration of PBS solution containing 1 μg of avidin to the inner thigh area where wool was not growing. The onset of edema and erythema at the site where avidin was administered 24 and 48 hours after administration was examined. The results are shown in Tables 7 and 8, respectively.
[0092]
[Table 7]
[Table 8]
The immunopotentiating preparation using collagen as a carrier did not induce a strong delayed type hypersensitivity reaction. On the other hand, a weak delayed type hypersensitivity reaction was observed in the solution formulation.
In addition, no immediate hypersensitivity reaction was observed in all groups.
[0095]
Test Example 11
Using the immunopotentiating preparation shown in Table 9, the immune effect by a single administration was measured in the same manner as in Test Example 9 and Test Example 10. The obtained results are shown in Table 10 and Tables 11 and 12.
[0096]
[Table 9]
[Table 10]
[Table 11]
[Table 12]
At the time of single administration, the immunopotentiating preparation using collagen or silicone as a carrier did not induce a strong delayed type hypersensitivity reaction. On the other hand, a weak delayed type hypersensitivity reaction was observed in the solution formulation. In addition, no immediate hypersensitivity reaction was observed in all groups.
Overall, the concentric immunopotentiating formulation was the most effective formulation for immunization by a single administration in that it induced the highest antibody titer and most maintained the immune response. The immune effect of the concentric immunopotentiating preparation was dependent on the presence or absence of IL-1β. Moreover, the concentric immune-enhanced preparation did not induce a delayed hypersensitivity reaction.
An effective immune memory response was induced in animals dosed with an immunopotentiating formulation containing IL-1β. This is evident in the good immune response to the secondary immunization performed 69 days after the primary immunization when the antibody titer of the antibody induced by the primary immunization has decreased.
In addition, antibody type classification was performed on the serum samples obtained in these experiments. As a result, IgM antibody was detected at a low level only at the time point 14 days after administration in all the administration groups, whereas a high level of IgG antibody was present in the serum throughout the experimental period. This indicates that isotype switching of antibody occurred effectively with only one administration of antigen.
[0101]
Test Example 12
The immunopotentiating effect of the immunopotentiating preparation was confirmed not only with avidin, which is a model antigen, but also with a series of antigens that have infection-preventing effects in the implementation shown in Table 13.
[0102]
[Table 13]
[Table 14]
The results are shown in Table 14.
In both experiments with tetanus and novyi toxoids, concentric immunopotentiating agents clearly demonstrated superior immunopotentiating effects compared to both alum-containing and alum- and IL-1β-containing formulations. Indicated. The immunopotentiating preparation using collagen as a carrier showed the same immunopotentiating effect as the preparation containing alum. On the other hand, in an experiment using Nobby's toxoid, the concentric immunopotentiating preparation induced only an antibody titer more than twice that of the preparation containing alum by only primary immunization.
[0105]
Test Example 13
The dose-dependence of antigen (avidin) and cytokine (IL-1β) in the immune enhancement effect in an immune enhancement formulation using silicone as a carrier was examined. Table 15 shows the composition of the preparation used in the experiment and the type of immunopotentiating preparation using silicone as a carrier. Antibody titers were measured every 14 days. The obtained results are shown in Table 16.
[0106]
[Table 15]
[Table 16]
These results indicate that the antibody was continuously induced with a high antibody titer by the concentric immunopotentiating preparation. The most sustained immune response was obtained with the immunoenhancing formulation with the highest dose of IL-1β and antigen. At the time point after 70 days, the immunopotentiating preparation containing IL-1β maintained a clearly higher antibody titer than the preparation containing alum in solution.
An immunopotentiating preparation using collagen or silicone as a carrier has been useful as a vaccine dosage form. The immunogenicity of the antigen and the biological activity of the cytokines were not impaired by formulation into an immune enhancement formulation.
An immunopotentiating preparation using collagen or silicone as a carrier showed a unique adjuvant activity. When IL-1β was included in the immunopotentiating formulation at the appropriate concentration, the antibody response obtained with the immunopotentiating formulation was higher than that induced with alum adjuvant.
The concentric immune enhancing preparation containing IL-1β as an adjuvant induced a significantly higher immune response than any other immunization method used in this experiment. Furthermore, the induced immune response was maintained for a longer period compared to other immunization methods.
By administration of an immunopotentiating preparation using collagen or silicone as a carrier, no side effects were observed systemically or locally. This result indicates that these formulations can be used as safe vaccine dosage forms.
Various applications and / or modifications can be made without departing from the spirit of the invention as set forth herein, but it goes without saying that they are all within the scope of the invention.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a graph showing changes over time in the cumulative release rate of avidin and IL-1β from immune enhancement preparations in Test Example 1 and Test Example 2.
FIG. 2 is a graph showing the transition of anti-avidin antibody titer in mice.
FIG. 3 is a graph showing the transition of anti-avidin antibody titer in sheep.
FIG. 4 is a photomicrograph showing a histological image of a site where the immunopotentiating preparation in Example 7 was administered to sheep.
FIG. 5 is a photomicrograph showing a histological image of a site where the immunopotentiating preparation in Example 8 was administered to sheep.
6 is a graph showing a change with time of the cumulative release rate of avidin from the immunopotentiating preparation in Test Example 5. FIG.
7 is a graph showing changes with time in the cumulative release rate of avidin and IL-1β from the immunopotentiating preparation in Test Example 6. FIG.
8 is a graph showing the transition of anti-avidin antibodies in mice in Test Example 7. FIG.
9 is a graph showing the transition of anti-avidin antibodies in mice in Test Example 8. FIG.
10 is a graph showing temporal changes in body temperature and white blood cell count after administration of a silicone-only preparation containing no IL-1β and avidin to sheep in Test Example 9. FIG.
11 is a graph showing changes over time in body temperature and white blood cell count after administration of a matrix-type immunopotentiating preparation containing 50 μg of IL-1β to sheep in Test Example 9. FIG.
12 is a graph showing changes over time in body temperature and white blood cell count after administration of a matrix-type immunopotentiating preparation containing 50 μg IL-1β and 500 μg avidin to sheep in Test Example 9. FIG.
Claims (19)
（ｂ）該内層の周囲を包む、ポリジメチルシロキサンからなる外層
からなり、内層の両端または片端が外部環境に直接接触するように開放している請求項１または７に記載の棒状ワクチン製剤。(A) an inner layer made of polydimethylsiloxane containing a uniformly dispersed antigen or a substance that induces antigen, and (b) an outer layer made of polydimethylsiloxane surrounding the inner layer, The rod-shaped vaccine formulation according to claim 1 or 7, wherein one end is opened so as to be in direct contact with the external environment.
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