JP4401642B2 - Rolling bearings for automotive cooling fans - Google Patents

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JP4401642B2 JP2002323915A JP2002323915A JP4401642B2 JP 4401642 B2 JP4401642 B2 JP 4401642B2 JP 2002323915 A JP2002323915 A JP 2002323915A JP 2002323915 A JP2002323915 A JP 2002323915A JP 4401642 B2 JP4401642 B2 JP 4401642B2
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urea
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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車用エンジンのラジエータに通風するための冷却ファンである電動ファンモータやファンカップリングの軸受に使用され、200℃近い高温から−40℃程度の低温までの広い温度範囲で使用でき、優れた高温焼付き寿命、錆び止め性能を有する自動車の冷却ファン用転がり軸受に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車は小型軽量化や、さらには居住空間拡大の要望により、エンジンルーム空間の減少を余儀なくされ、電装部品・エンジン補機の小型軽量化がより一層進められている。加えて、静粛性向上の要望によりエンジンルームの密閉化が進み、エンジンルーム内の高温化が促進されるため、上記各部品は高温に耐えることも必要となっている。また、上記各部品はエンジンルームの下部に取り付けられていることが多いため、走行中、雨水などがかかりやすく、この箇所の転がり軸受に使用されているグリースには、他の箇所に使用されるグリースよりも、錆び止め性能に優れたグリースが必要とされる。
【0003】
上記のようなエンジンルーム内の高温化に伴い、例えば電動ファンモータの軸受では、従来130〜150℃の軸受温度で使用されてきたが、180〜200℃の高温下にも耐え得るような軸受が必要とされてきている。従来の150℃以下の軸受では、例えば特許第1,982,669号公報に示されているように、合成油系潤滑油にウレア系化合物を配合させたグリースを封入することで対応してきた。しかし、このグリースも、160℃以上の高温下では早期に焼付きを生じるため、耐熱性のより高いグリースが必要とされる。
【0004】
耐熱性の向上のために、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を増ちょう剤に配合し、パーフルオロポリエーテル油を基油としたフッ素系グリースを封入することにより、160℃以上の環境下でも使用可能な軸受となることが知られている。しかし、このフッ素系グリースは、一般的な合成油系グリースに配合されている防錆剤を添加することが難しく、錆び止め性能に劣る傾向がある。固体の防錆剤を分散させて配合する方法も考えられるが、固体の防錆剤を配合すると音響性能が著しく低下する。更に、フッ素系グリースは、合成油系グリースに比べて5〜20倍程度高価であるという問題もある。
【0005】
また、特開平11−181465号公報に示されているように、ウレア系グリースにフッ素油を配合して耐熱性を向上させたグリース組成物も知られている。しかし、基油が鉱油あるいは合成油であることから、フッ素油との親和性が無く、離油が大きく、特に電動ファンモータ等のような高速で回転する部品の軸受には不適である。更に、特開平07−268370号公報に示されているように、水素添加された鉱油または合成油と、フルオロポリエーテル油を基油とするグリースも知られているが、増ちょう剤の量が3〜20質量%と少ないため、離油やせん断安定性に劣るという問題を抱えている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のように、自動車用エンジンのラジエータに通風するための冷却ファンである電動ファンモータやファンカップリングの軸受では、設置環境がより高温になることに伴い、焼付き寿命が低下する傾向にあるため、この寿命を確保すべく、グリースの耐熱性を更に向上させる必要がある。また、走行中、雨水等がかかりやすい軸受に使用されているため、使用するグリースには、他の箇所に使用されるグリースよりも、錆び止め性能に優れたることが同時に要求される。更には、低温時にエンジンを起動させる際に発生する異音の発生を防止するため、低温時における流動性も必要となってくる。しかし、このような電動ファンモータやファンカップリング用軸受における要求は、上記のように、従来のグリースを封入した軸受では満たすことができない。
【0007】
本発明は、上記のような事情に鑑みてなされたものであり、高温焼付き寿命、防錆性及び低温流動性を兼ね備え、かつ比較的安価な自動車の冷却ファン用転がり軸受を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、自動車の冷却ファンに使用される転がり軸受であって、内輪と外輪との間に複数の転動体を転動自在に保持し、グリースを封入してなる転がり軸受において、前記グリースが、それぞれ増ちょう剤含有量が8〜35質量%である金属コンプレックス石けん系グリース及びウレア系グリースの少なくとも一方と、パーフルオロポリエーテル油を基油とし、増ちょう剤としてポリテトラフルオロエチレンを15〜42.5質量%含有するフッ素系グリースとを、質量比で、金属コンプレックス石けん系及びウレア系グリースの少なくとも一方:フッ素系グリース=40〜70:60〜30の割合で、かつ増ちょう剤の総量が228質量%となるように混合したグリース組成物であることを特徴とする自動車の冷却ファン用転がり軸受(以下、単に転がり軸受ともいう)を提供する。
【0009】
本発明の転がり軸受では、封入するグリース組成物が、フッ素系グリースを所定量配合したことにより、優れた高温耐久性を維持でき、またグリースの基油粘度を低く抑えることができ、低温流動性にも優れている。また、グリース組成物に金属コンプレックス石けん系グリースやウレア系グリースを所定量配合したことにより、これらのグリースにおける基油の鉱油あるいは合成油の作用によって、様々な防錆剤を添加できるため、優れた防錆性を維持できる。更に、金属コンプレックス石けん系グリースやウレア系グリースは安価であることから、グリース組成物全体として、フッ素系グリース単独の場合に比べて安価となる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の転がり軸受に関して詳細に説明する。
【0011】
本発明において、転がり軸受の構造自体は制限されるものではなく、例えば図1に断面図として示される玉軸受1を例示することができる。この玉軸受1は、内輪10と外輪11との間に、保持器12を介して複数の転動体である玉13を転動自在に保持し、更に、内輪10と外輪11と玉13とで形成される軸受空間Sにグリース組成物(図示せず)を充填し、シール部材14により封止して構成されている。
【0012】
本発明で用いるグリース組成物は、金属コンプレックス石けん系グリース、あるいはウレア系グリース、あるいはこれら両グリースと、フッ素系グリースとを一定の割合で混合したものである。以下に、これらグリースの詳細を説明する。
【0013】
[金属コンプレックス石けん系グリース、ウレア系グリース]
金属コンプレックス石けん系グリースあるいはウレア系グリースとしては、従来の金属コンプレックス石けん系グリースあるいはウレア系グリースを適宜用いることができる。この金属コンプレックス石けん系あるいはウレア系グリースとしては、グリース組成物の低温流動性不足による低温起動時の異音発生や、高温で油膜が形成され難いために起こる焼付きを避けるために、基油の40℃における動粘度が、好ましくは10〜400mm2/sec、より好ましくは20〜250mm2/sec、さらに好ましくは40〜150mm2/secであるものが望ましい。
【0014】
また、基油の種類は、防錆剤等の添加剤を容易に含有することができる点から、鉱油系、合成油系の潤滑油等が好適であると言える。鉱油系潤滑油としては、鉱油を、減圧蒸留、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、硫酸洗浄、白土精製、水素化精製等を適宜組み合わせて精製したものが好ましい。合成油系潤滑油としては、炭化水素系油、芳香族系油、エステル系油、エーテル系油等が挙げられる。炭化水素系油としては、ノルマルパラフィン、イソパラフィン、ポリブテン、ポリイソブチレン、1−デセンオリゴマー、1−デセンとエチレンコオリゴマーなどのポリ−α−オレフィンまたはこれらの水素化物等が挙げられる。芳香族系油としては、モノアルキルベンゼン、ジアルキルベンゼンなどのアルキルベンゼン、あるいはモノアルキルナフタレン、ジアルキルナフタレン、ポリアルキルナフタレン等のアルキルナフタレン等が挙げられる。エステル系油としては、ジブチルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート、ジオクチルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、ジトリデシルグルタレート、メチル・アセチルシノレートなどのジエステル油、あるいはトリオクチルトリメリテート、トリデシルトリメリテート、テトラオクチルピロメリテート等の芳香族エステル油、更にはトリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネート、ペンタエリスリトール−2−エチルヘキサノエート、ペンタエリスリトールベラルゴネート等のポリオールエステル油、更にはまた、多価アルコールと二塩基酸・一塩基酸の混合脂肪酸とのオリゴエステルであるコンプレックスエステル油等が挙げられる。エーテル系油としては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコールモノエーテル、ポリプロピレングリコールモノエーテル等のポリグリコール、あるいはモノアルキルトリフェニルエーテル、アルキルジフェニルエーテル、ジアルキルジフェニルエーテル、ペンタフェニルエーテル、テトラフェニルエーテル、モノアルキルテトラフェニルエーテル、ジアルキルテトラフェニルエーテル等のフェニルエーテル油等が挙げられる。これらの基油は、単独または混合物として用いることができ、一般に上述した好ましい動粘度に調整される。これら基油の中でも、フッ素系グリースの基油であるパーフルオロポリエーテル油と比較的親和性の高い、エーテル系油及びエステル系油が好ましく用いられる。
【0015】
金属コンプレックス石けん系グリースの増ちょう剤としては、Li、Na、Ba、Ca等から選択される金属コンプレックス石けん、またはこれらの混合物が挙げられる。ウレア系グリースの増ちょう剤としては、ジウレア化合物、トリウレア化合物、テトラウレア化合物、ポリウレア化合物、またはこれらの混合物が挙げられる。これらの増ちょう剤は、単独または混合物として用いることができる。
【0016】
また、金属コンプレックス石けん系あるいはウレア系グリースの増ちょう剤量は、何れも8〜35質量%、好ましくは10〜30質量%の範囲である。
【0017】
上記した金属コンプレックス石けん系あるいはウレア系グリースは、必要に応じて、その何れか一方のみを用いることもできるし、両グリースを併用することもできる。得られるグリース組成物の耐熱性、音響性を考慮すると、ウレア系グリースを用いることが望ましい。また、両グリースを併用する場合、金属コンプレックス石けん系グリースとウレア系グリースとの配合割合は、必要に応じて任意に適宜設定することができる。
【0018】
[フッ素系グリース]
一方、フッ素系グリースとしては、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)を増ちょう剤とし、パーフルオロポリエーテル油(PFPE)を基油としたフッ素系グリースを用いることができる。また、このフッ素系グリースは、低温流動性不足による低温起動時の異音発生や、高温で油膜が形成され難いために起こる焼付きを避けるために、PFPEの40℃における動粘度が、好ましくは20〜400mm2/sec、より好ましくは30〜200mm2/secであることが望ましい。
【0019】
また、PFPEとしては、特に限定されず、一般にフッ素系グリースに用いられているものを適宜用いることができる。これらの基油は、単独または混合物として用いることができる。
【0020】
PTFEは球形、多面体(立方体や直方体)や極端には針状でも構わない。これらのPTFEは、単独または混合物として用いることができる。
【0021】
また、PTFEの含有量は、15〜42.5質量%、好ましくは15〜35質量%の範囲である。
【0022】
[グリース組成物の組成]
本発明で使用するグリース組成物は、上記した金属コンプレックス石けん系グリース及びウレア系グリースの少なくとも一方と、フッ素系グリースとを、質量比にて、金属コンプレックス石けん及びウレア系グリースの少なくとも一方:フッ素系グリース=40〜0:60〜0の割合で混合したものである。60質量%を超えてフッ素系グリースを配合すると、金属コンプレックス石けん、ウレア系グリースが少なすぎ、その中に基油として含まれる鉱油や合成油の配合率が少なくなるため、防錆剤を有効量添加できず、十分な防錆性を得ることができなくなる。しかも、フッ素系グリースが多くなるため、グリース組成物の原料コストがフッ素系グリース並に高価となってしまう。一方、フッ素系グリースが0質量%未満であると、グリース組成物に十分な耐熱性を付与できず、軸受の焼付き寿命が短くなる。
【0023】
また、グリース組成物中の増ちょう剤の総量、即ち金属石けん、ウレア化合物及びPTFEの総量を228質量%にする。グリース組成物中の増ちょう剤総量が2質量%未満であると、離油が大きいこと、せん断安定性に劣ることなどから、グリース漏れが発生し、焼付き寿命が短くなる。また、28質量%を超えると、グリース組成物の流動性が大きくなり、軸受内外輪と転動体との転走面にグリースが入り込まなくなるため、焼付き寿命や、低温性に問題が出てくる。
【0024】
[グリース組成物のちょう度]
また、グリース組成物のちょう度は、金属コンプレックス石けん系グリース及びウレア系グリースの少なくとも一方と、フッ素系グリースとを混合した際、混合後にNLGI No.0〜3となることがより望ましい。
【0025】
[添加剤]
上記グリース組成物には、その性能を一層高めるため、必要に応じて、従来からグリースに用いられている公知の一般的な添加剤を含有させることができる。添加剤は、基油の溶解性から、金属コンプレックス系グリースやウレア系グリースに添加される。添加剤としては、例えば、ベントン、シリカゲル等のゲル化剤;アミン系、フェノール系、イオウ系、ジチオリン酸亜鉛等の酸化防止剤;塩素系、イオウ系、リン系、ジチオリン酸亜鉛、有機モリブテン等の極圧剤;脂肪酸、動植物油等の油性剤;石油スルフォネート、ジノニルナフタレンスルフォネート、ソルビタンエステル等の防錆剤;ベンゾトリアゾール、亜硝酸ソーダ等の金属不活性剤;ポリメタクリレート、ポリイソブチレン、ポリスチレン等の粘度指数向上剤等が挙げられ、これらを単独または2種以上組み合わせて添加することができる。中でも、本発明の転がり軸受の主たる用途である、高温で、水がかかるような部位での使用を考慮すると、酸化防止剤や防錆剤の添加が好ましい。また、これら添加剤の添加量は、本発明の所期の目的を達成できれば特に限定されるものではないが、20質量%以下含有させることができる。
【0026】
[グリース組成物の製法]
グリース組成物の構成成分である金属コンプレックス石けん系グリース、ウレア系グリースの調製方法には特に制約はなく、何れも基油中で増ちょう剤を反応させることにより得られる。添加剤を配合する場合は、添加剤を添加した後、ニーダやロールミル等の攪拌、混練手段で十分に攪拌、混練し、均一に分散させる必要がある。この攪拌、混練に際し、加熱するのも有効である。
【0027】
また、フッ素系グリースの調製方法にも特に制約はなく、パーフルオロポリエーテル油に、PTFE粉末を混合し、三段ロールミル等によって混練することにより得られる。
【0028】
そして、金属コンプレックス石けん系及びウレア系グリースの少なくとも一方と、フッ素系グリースとを、所定の割合で配合し、ニーダやロールミル等の攪拌、混練手段で十分に攪拌、混練し、相互に均一に分散させることにより、グリース組成物が得られる。この処理を行うときは、加熱するのも有効である。
【0029】
【実施例】
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明を更に具体的に説明するが、本発明はこれにより何ら限定されるものではない。
【0030】
[実施例1〜、比較例1〜11
表1及び表2に示す組成のウレア系グリース、金属コンプレックス石けん系グリース、フッ素系グリースをそれぞれ調製した。尚、ウレア系グリースは、ジイソシアネートを混合した基油とアミンを混合した基油とを反応させ、攪拌加熱して得られた半固体状物に、予め基油に溶解したアミン系酸化防止剤を加えて十分攪拌を行って調製した。その際、ジイソシアネート及びアミンの量を、表2に示すような増ちょう剤量となるように調整した。また、金属コンプレックス石けん系グリースについては、12ヒドロキシステアリン酸と水酸化リチウムとのけん化反応(一次けん化反応)後に、二塩基酸と水酸化リチウムを加えてけん化反応(二次けん化反応)させ、けん化反応終了後に、グリースを180℃まで加熱し、基油を加えて室温まで冷却し、三段ロールミルによる混練を行って調製した。また、フッ素系グリースについては、PFPEに、30質量%または22質量%のPTFE粉末を十分に混合し、三段ロールミルによる混練を行って調製した。
【0031】
【表1】

Figure 0004401642
【0032】
【表2】
Figure 0004401642
【0033】
そして、金属(Li)コンプレックス石けん系グリースと、PTFE30質量%のフッ素系グリースとを、表1に示す質量比にて混合し、その後ロールミルを通すことによって各試験用グリース組成物を得た。尚、得られた各試験用グリース組成物のちょう度は、何れもNLGI No.2程度であった。そして、得られた各試験用グリース組成物を試験軸受に封入し、下記に示す焼付き試験及び防錆試験を行った。結果を図2に示した。尚、図2において、●印プロットが焼付き試験結果であり、△印プロットが防錆試験結果である。
【0034】
また、ウレア系グリースと、フッ素系グリースとを表2に示す質量比にて混合し、その後ロールミルを通すことによって各試験用グリース組成物を得た。尚、得られた各試験用グリース組成物のちょう度はNLGI No.1〜3であった。そして、得られた各試験用グリース組成物を試験軸受に封入し、下記に示す焼付き試験及びグリース漏れ試験を行った。結果を図3に示した。尚、図3において、●印プロットが焼付き試験結果であり、△印プロットがグリース漏れ試験結果である。
【0035】
(焼付き試験)
内径φ8mm、外径φ22mm、幅7mmの鉄シールド板付き深溝玉軸受に、各グリース組成物を空間容積の50%を占めるように封入し、内輪回転速度3000min-1、軸受温度180℃、アキシアル荷重59Nの条件で軸受を連続回転させた。焼付きが生じて軸受外輪温度が190℃以上に上昇したときに試験を終了し、1000時間以上を合格とした。試験は、同一の軸受につき4例行った。
【0036】
(防錆試験)
内径φ17mm、外径φ47mm、幅14mmのゴムシール付き深溝玉軸受に、各グリース組成物を空間容積の50%を占めるように封入し、1800min-1で30秒間慣らし回転した。その後、この玉軸受内に、0.5質量%塩水を0.5cc注水し、再び1800min-1で30秒間慣らし回転した。次いで、この玉軸受を80℃、100%RHに保持した恒湿恒温槽内に48時間放置した後分解し、軸受軌道面の錆状況を肉眼で観察した。この防錆試験の錆評価点と錆状況は、以下に示す通りである。
#7:錆なし
#6:しみ錆(しみ状の微少錆)
#5:点錆(φ0.3mm以下)
#4:小錆(φ1.0mm以下)
#3:中錆(φ5.0mm以下)
#2:大錆(φ10.0mm以下)
#1:極大錆(ほぼ全面に錆発生)
尚、#7〜5を良好とし、#4〜1を不良とした。
【0037】
(グリース漏れ試験)
内径φ17mm、外径φ40mm、幅12mmのゴムシール付き深溝玉軸受に、各グリース組成物を軸受空間容積の35%を占めるように封入し、内輪回転速度14500min-1、軸受外輪温度180℃、アキシアル荷重200Nの条件で軸受を20時間回転させ、試験終了時までに漏洩したグリースの質量を測定した。試験は、同一の軸受につき4例行い、漏れ量が10質量%以下を合格とした。
【0038】
図2及び図3に示すように、フッ素系グリースの混合比が30〜60質量%の範囲にあり、かつ増ちょう剤総量が228質量%の範囲にあるグリース組成物を封入することにより、焼付き寿命を改善できることが判る。また、図2からは錆びの発生を抑えることができ、図3からはグリース漏れを抑えることができることが判る。
【0039】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、フッ素系グリースの高温焼付き寿命と合成油系グリースの防錆性、低温流動性を兼ね備え、かつ比較的安価なグリースの封入された自動車の冷却ファン用転がり軸受が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の転がり軸受の一実施形態である玉軸受を示す断面図である。
【図2】実施例及び比較例における焼付き試験および防錆試験の結果を示すグラフである。
【図3】実施例及び比較例における焼付き試験およびグリース漏れ試験の結果を示すグラフである。
【符号の説明】
1 玉軸受
10 内輪
11 外輪
12 保持器
13 玉
14 シール部材[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention is used for an electric fan motor and bearings of the fan coupling is a cooling fan for ventilating the radiator automotive engines, used in a wide temperature range from nearly 200 ° C. elevated temperature until a low temperature of about -40 ℃ The present invention relates to a rolling bearing for a cooling fan of an automobile having excellent high-temperature seizure life and rust prevention performance.
[0002]
[Prior art]
Due to the demand for smaller and lighter automobiles and further expansion of living space, the engine room space has been inevitably reduced, and electric parts and engine accessories have been further reduced in size and weight. In addition, due to the demand for quietness improvement, the engine room is sealed and the temperature inside the engine room is increased. Therefore, each of the above components must also withstand high temperatures. In addition, since the above parts are often attached to the lower part of the engine room, they are likely to be exposed to rainwater during traveling, and the grease used for the rolling bearings at this location is used at other locations. There is a need for grease with better rust prevention performance than grease.
[0003]
Along with the high temperature in the engine room as described above, for example, a bearing for an electric fan motor has been conventionally used at a bearing temperature of 130 to 150 ° C. However, the bearing can withstand a high temperature of 180 to 200 ° C. Has been needed. Conventional bearings of 150 ° C. or lower have been dealt with by enclosing grease containing a urea-based compound in a synthetic oil-based lubricating oil as disclosed in, for example, Japanese Patent No. 1,982,669. However, since this grease also seizes early at a high temperature of 160 ° C. or higher, a grease having higher heat resistance is required.
[0004]
In order to improve heat resistance, for example, polytetrafluoroethylene (PTFE) is blended with a thickener and sealed with fluorine-based grease based on perfluoropolyether oil. However, it is known that the bearing can be used. However, it is difficult to add a rust preventive agent blended in a general synthetic oil-based grease, and this fluorine-based grease tends to be inferior in rust prevention performance. A method of dispersing and blending a solid rust preventive agent is also conceivable, but if a solid rust preventive agent is blended, the acoustic performance is significantly reduced. Furthermore, there is a problem that the fluorine-based grease is about 5 to 20 times more expensive than the synthetic oil-based grease.
[0005]
In addition, as disclosed in JP-A-11-181465, a grease composition in which a fluorine-based grease is blended with a urea grease to improve heat resistance is also known. However, since the base oil is mineral oil or synthetic oil, it has no affinity with fluorine oil, has a large oil separation, and is particularly unsuitable for bearings for parts that rotate at high speed such as an electric fan motor. Furthermore, as shown in Japanese Patent Application Laid-Open No. 07-268370, grease based on hydrogenated mineral oil or synthetic oil and fluoropolyether oil is also known. Since there are few 3-20 mass%, it has the problem that it is inferior to oil separation or shear stability.
[0006]
[Problems to be solved by the invention]
As described above, in electric fan motors and fan coupling bearings that are cooling fans for ventilating the radiator of an automobile engine, the seizure life tends to decrease as the installation environment becomes higher. Therefore, it is necessary to further improve the heat resistance of the grease in order to ensure this life. In addition, since it is used for bearings that are susceptible to rainwater and the like during traveling, the grease to be used is required to be superior in rust prevention performance to grease used in other locations. Furthermore, fluidity at low temperatures is also required to prevent the generation of abnormal noise that occurs when starting the engine at low temperatures. However, the requirements for such electric fan motors and fan coupling bearings cannot be satisfied by conventional bearings filled with grease as described above.
[0007]
The present invention has been made in view of the circumstances as described above, and provides a rolling bearing for a cooling fan of an automobile that has high-temperature seizure life, rust prevention properties and low-temperature fluidity, and is relatively inexpensive. It is the purpose.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
In order to achieve the above object, the present invention is a rolling bearing used for a cooling fan of an automobile, wherein a plurality of rolling elements are rotatably held between an inner ring and an outer ring, and grease is enclosed. In the rolling bearing as described above, the grease is based on at least one of a metal complex soap-based grease and a urea-based grease each having a thickener content of 8-35% by mass, and a perfluoropolyether oil as a base oil. And a fluorine-based grease containing 15 to 42.5% by mass of polytetrafluoroethylene as a mass ratio, at least one of a metal complex soap-based grease and a urea-based grease: a ratio of fluorine-based grease = 40-70: 60-30 characterized in that in, and a mixed grease composition as the total amount of the thickener is 2 4-28 wt% Dynamic vehicle cooling fan rolling bearing (hereinafter, simply referred to as a rolling bearing) it provides.
[0009]
In the rolling bearing of the present invention, the grease composition to be sealed can maintain excellent high-temperature durability by blending a predetermined amount of fluorine-based grease, and can keep the base oil viscosity of the grease low, and low-temperature fluidity Also excellent. In addition, by adding a predetermined amount of metal complex soap-based grease or urea-based grease to the grease composition, various antirust agents can be added by the action of the base oil mineral oil or synthetic oil in these greases. Rust prevention can be maintained. Furthermore, since the metal complex soap-based grease and urea-based grease are inexpensive, the entire grease composition is less expensive than the case of using a fluorine-based grease alone.
[0010]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, the rolling bearing of the present invention will be described in detail.
[0011]
In the present invention, the structure itself of the rolling bearing is not limited, and for example, a ball bearing 1 shown as a cross-sectional view in FIG. 1 can be exemplified. The ball bearing 1 holds a ball 13 as a plurality of rolling elements between an inner ring 10 and an outer ring 11 via a cage 12 so that the ball 13 can roll. Further, the inner ring 10, the outer ring 11, and the ball 13 The formed bearing space S is filled with a grease composition (not shown) and sealed with a seal member 14.
[0012]
The grease composition used in the present invention is a metal complex soap-based grease, urea-based grease, or a mixture of both of these greases and a fluorine-based grease at a certain ratio. Details of these greases will be described below.
[0013]
[Metal complex soap-based grease, urea-based grease]
As the metal complex soap-based grease or urea-based grease, conventional metal complex soap-based grease or urea-based grease can be appropriately used. This metal complex soap-based or urea-based grease contains base oils to avoid abnormal noise at low temperature startup due to insufficient low temperature fluidity of the grease composition and seizure that occurs because an oil film is difficult to form at high temperatures. The kinematic viscosity at 40 ° C. is preferably 10 to 400 mm 2 / sec, more preferably 20 to 250 mm 2 / sec, and still more preferably 40 to 150 mm 2 / sec.
[0014]
Moreover, it can be said that the type of base oil is preferably a mineral oil-based or synthetic oil-based lubricating oil because it can easily contain an additive such as a rust inhibitor. As the mineral oil-based lubricating oil, one obtained by refining mineral oil by appropriately combining vacuum distillation, solvent removal, solvent extraction, hydrocracking, solvent dewaxing, sulfuric acid washing, clay purification, hydrogenation purification, and the like is preferable. Examples of synthetic oils include hydrocarbon oils, aromatic oils, ester oils, ether oils, and the like. Examples of the hydrocarbon oil include normal paraffin, isoparaffin, polybutene, polyisobutylene, 1-decene oligomer, poly-α-olefin such as 1-decene and ethylene co-oligomer, and hydrides thereof. Examples of the aromatic oil include alkylbenzenes such as monoalkylbenzene and dialkylbenzene, and alkylnaphthalenes such as monoalkylnaphthalene, dialkylnaphthalene and polyalkylnaphthalene. Examples of ester oils include dibutyl sebacate, di-2-ethylhexyl sebacate, dioctyl adipate, diisodecyl adipate, ditridecyl adipate, ditridecyl glutarate, diacetyl oil such as methyl acetyl cinolate, or trioctyl trimellitate, Aromatic ester oils such as tridecyl trimellitate and tetraoctyl pyromellitate, as well as polyols such as trimethylolpropane caprylate, trimethylolpropane pelargonate, pentaerythritol-2-ethylhexanoate, pentaerythritol belargonate Further, ester oils, and complex ester oils that are oligoesters of polyhydric alcohols and mixed fatty acids of dibasic acids and monobasic acids are also exemplified. Examples of ether oils include polyglycols such as polyethylene glycol, polypropylene glycol, polyethylene glycol monoether, and polypropylene glycol monoether, or monoalkyl triphenyl ether, alkyl diphenyl ether, dialkyl diphenyl ether, pentaphenyl ether, tetraphenyl ether, and monoalkyl tetra And phenyl ether oils such as phenyl ether and dialkyl tetraphenyl ether. These base oils can be used alone or as a mixture, and are generally adjusted to the preferred kinematic viscosity described above. Among these base oils, ether oils and ester oils having a relatively high affinity with the perfluoropolyether oil that is the base oil of the fluorine grease are preferably used.
[0015]
Examples of the thickener for the metal complex soap-based grease include a metal complex soap selected from Li, Na, Ba, Ca and the like, or a mixture thereof. Examples of the thickener for the urea-based grease include diurea compounds, triurea compounds, tetraurea compounds, polyurea compounds, and mixtures thereof. These thickeners can be used alone or as a mixture.
[0016]
The amount of the thickener in the metal complex soap or urea grease is 8 to 35% by mass, preferably 10 to 30% by mass.
[0017]
Any one of the above-described metal complex soap-based or urea-based greases may be used as necessary, or both greases may be used in combination. Considering the heat resistance and acoustic properties of the resulting grease composition, it is desirable to use urea grease. When both greases are used in combination, the blending ratio of the metal complex soap-based grease and the urea-based grease can be arbitrarily set as necessary.
[0018]
[Fluorine grease]
On the other hand, as the fluorinated grease, a fluorinated grease using polytetrafluoroethylene (PTFE) as a thickener and perfluoropolyether oil (PFPE) as a base oil can be used. Further, this fluorine-based grease preferably has a kinematic viscosity at 40 ° C. of PFPE in order to avoid generation of abnormal noise at low temperature startup due to insufficient low temperature fluidity and seizure that occurs because an oil film is difficult to form at high temperature. 20~400mm 2 / sec, and particularly preferably in the range of 30 to 200 mm 2 / sec.
[0019]
Moreover, it does not specifically limit as PFPE, The thing generally used for the fluorine-type grease can be used suitably. These base oils can be used alone or as a mixture.
[0020]
PTFE may be spherical, polyhedral (cubic or cuboid), or extremely needle-like. These PTFE can be used individually or as a mixture.
[0021]
The content of PTFE is in the range of 15 to 42.5% by mass, preferably 15 to 35% by mass.
[0022]
[Grease composition]
The grease composition used in the present invention comprises at least one of the above-mentioned metal complex soap-based grease and urea-based grease and the fluorine-based grease in a mass ratio: at least one of the metal complex soap and urea-based grease: Fluorine-based Grease = 40 to 70 : mixed at a ratio of 60 to 30 . When fluorine grease exceeds 60% by mass, the amount of metal complex soap and urea grease is too small, and the blending ratio of mineral oil and synthetic oil contained in the base oil is reduced. It cannot be added and sufficient rust prevention properties cannot be obtained. Moreover, since the amount of fluorine grease increases, the raw material cost of the grease composition becomes as high as that of fluorine grease. On the other hand, if the fluorine-based grease is less than 30 % by mass, sufficient heat resistance cannot be imparted to the grease composition, and the seizure life of the bearing is shortened.
[0023]
Further, the total amount of thickener of the grease composition, i.e. metal soaps, urea compounds and the total amount of PTFE in 2 4-28% by weight. When thickener total grease composition is less than 2 4 wt%, it separated oil is large, and the like poor in shear stability, grease leakage occurs, seizure life is shortened. On the other hand, if it exceeds 28 % by mass, the fluidity of the grease composition will increase and grease will not enter the rolling surfaces of the bearing inner and outer rings and the rolling elements, which will cause problems with seizure life and low temperature properties. .
[0024]
[Consistency of grease composition]
Further, the consistency of the grease composition is more preferably NLGI No. 0 to 3 after mixing when at least one of a metal complex soap-based grease and a urea-based grease is mixed with a fluorine-based grease.
[0025]
[Additive]
In order to further enhance the performance of the grease composition, known general additives conventionally used in grease can be included as necessary. Additives are added to metal complex greases and urea greases due to the solubility of the base oil. Examples of additives include gelling agents such as Benton and silica gel; antioxidants such as amines, phenols, sulfurs, and zinc dithiophosphates; chlorines, sulfurs, phosphoruss, zinc dithiophosphates, organic molybdenum, etc. Extreme pressure agent; fatty acid, oil and vegetable oils, etc .; petroleum sulfonate, dinonyl naphthalene sulfonate, sorbitan ester and other rust preventives; benzotriazole, sodium nitrite and other metal deactivators; polymethacrylate, polyisobutylene Viscosity index improvers such as polystyrene can be used, and these can be added alone or in combination of two or more. Among these, addition of an antioxidant or a rust inhibitor is preferable in consideration of use at a site where water is applied at a high temperature, which is the main application of the rolling bearing of the present invention. Further, the amount of these additives added is not particularly limited as long as the intended purpose of the present invention can be achieved, but it can be contained in an amount of 20% by mass or less.
[0026]
[Grease composition manufacturing method]
There are no particular restrictions on the method for preparing the metal complex soap-based grease and urea-based grease, which are constituents of the grease composition, and both can be obtained by reacting a thickener in the base oil. In the case of blending the additive, it is necessary to add the additive, and then sufficiently stir and knead with a stirring and kneading means such as a kneader or a roll mill to uniformly disperse. It is also effective to heat at the time of stirring and kneading.
[0027]
Moreover, there is no restriction | limiting in particular also in the preparation method of a fluorine-type grease, It obtains by mixing PTFE powder with perfluoropolyether oil, and knead | mixing with a three-stage roll mill etc.
[0028]
Then, at least one of metal complex soap and urea grease and fluorine-based grease are blended at a predetermined ratio, and sufficiently stirred and kneaded by kneading and kneading means such as a kneader and a roll mill, and uniformly dispersed. By doing so, a grease composition is obtained. When this treatment is performed, heating is also effective.
[0029]
【Example】
EXAMPLES Hereinafter, although an Example and a comparative example are given and this invention is demonstrated further more concretely, this invention is not limited at all by this.
[0030]
[Examples 1 to 5 and Comparative Examples 1 to 11 ]
Urea grease, metal complex soap grease and fluorine grease having the compositions shown in Table 1 and Table 2 were prepared. In addition, urea-based grease is prepared by reacting a base oil mixed with diisocyanate and a base oil mixed with amine, and stirring and heating the semi-solid product obtained by pre-dissolving amine-based antioxidant in the base oil. In addition, it was prepared with sufficient stirring. At that time, the amounts of diisocyanate and amine were adjusted to be thickener amounts as shown in Table 2. For metal complex soap grease, saponification reaction (secondary saponification reaction) is performed by adding dibasic acid and lithium hydroxide after saponification reaction (primary saponification reaction) of 12 hydroxystearic acid and lithium hydroxide. After completion of the reaction, the grease was heated to 180 ° C., added with base oil, cooled to room temperature, and kneaded with a three-stage roll mill. The fluorine-based grease was prepared by sufficiently mixing 30% by mass or 22% by mass of PTFE powder with PFPE and kneading with a three-stage roll mill.
[0031]
[Table 1]
Figure 0004401642
[0032]
[Table 2]
Figure 0004401642
[0033]
And each grease composition for a test was obtained by mixing a metal (Li) complex soap-type grease and PTFE 30 mass% fluorine-type grease by the mass ratio shown in Table 1, and letting a roll mill pass after that. In addition, the consistency of each obtained grease composition for test was about NLGI No. 2. Then, each of the obtained grease compositions for test was enclosed in a test bearing, and the seizure test and the rust prevention test described below were performed. The results are shown in FIG. In FIG. 2, the ● mark plot is the seizure test result, and the Δ mark plot is the rust prevention test result.
[0034]
Further, urea grease and fluorine grease were mixed at a mass ratio shown in Table 2, and then passed through a roll mill to obtain a grease composition for each test. In addition, the consistency of the obtained grease composition for test was NLGI No. 1 to 3. Then, each of the obtained grease compositions for test was enclosed in a test bearing, and the seizure test and the grease leak test described below were performed. The results are shown in FIG. In FIG. 3, the ● mark plot is the seizure test result, and the Δ mark plot is the grease leakage test result.
[0035]
(Seizure test)
Each grease composition is enclosed in a deep groove ball bearing with an inner shield of φ8mm, outer diameter of φ22mm, and width of 7mm with an iron shield plate to occupy 50% of the space volume, the inner ring rotational speed is 3000min- 1 , bearing temperature is 180 ℃, and axial load The bearing was continuously rotated under the condition of 59N. When seizure occurred and the bearing outer ring temperature rose to 190 ° C. or higher, the test was terminated, and 1000 hours or longer was passed. The test was performed on four cases for the same bearing.
[0036]
(Rust prevention test)
Each grease composition was sealed in a deep groove ball bearing with a rubber seal having an inner diameter of 17 mm, an outer diameter of 47 mm, and a width of 14 mm so as to occupy 50% of the space volume, and rotated for 1 second at 1800 min -1 for 30 seconds. Thereafter, 0.5 cc of salt water was injected into this ball bearing in an amount of 0.5 cc, and then conditioned and rotated again at 1800 min −1 for 30 seconds. Next, the ball bearing was left to stand for 48 hours in a constant temperature and humidity chamber maintained at 80 ° C. and 100% RH, and then decomposed, and the rust condition of the bearing raceway surface was observed with the naked eye. The rust evaluation points and rust status of this rust prevention test are as shown below.
# 7: No rust # 6: Stain rust (stain-like minute rust)
# 5: Spot rust (φ0.3mm or less)
# 4: Small rust (φ1.0mm or less)
# 3: Medium rust (φ5.0mm or less)
# 2: Large rust (φ10.0mm or less)
# 1: Maximum rust (Rust occurs on almost the entire surface)
In addition, # 7-5 was made favorable and # 4-1 was made bad.
[0037]
(Grease leak test)
Internal diameter 17 mm, an outer diameter [phi] 40 mm, the rubber seal deep groove ball bearing of width 12 mm, each grease composition sealed so as to occupy 35% of the bearing space volume, the inner ring rotation speed 14500Min -1, bearing outer ring temperature 180 ° C., axial load The bearing was rotated for 20 hours under the condition of 200 N, and the mass of grease leaked by the end of the test was measured. The test was conducted 4 times for the same bearing, and the amount of leakage was 10% by mass or less.
[0038]
As shown in FIGS. 2 and 3, the mixing ratio of the fluorine-based grease is in the range of 30 to 60 wt%, and the thickener total encapsulates the grease composition in the range of 2 4-28 wt% It can be seen that the seizure life can be improved. Moreover, it can be seen from FIG. 2 that the occurrence of rust can be suppressed, and that grease leakage can be suppressed from FIG.
[0039]
【The invention's effect】
As described above, according to the present invention, a high-temperature seizure life of a fluorine-based grease, an antirust property and low-temperature fluidity of a synthetic oil-based grease, and a relatively inexpensive grease-enclosed automotive cooling fan use rolling bearing Ru is provided.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing a ball bearing which is an embodiment of a rolling bearing of the present invention.
FIG. 2 is a graph showing the results of a seizure test and a rust prevention test in Examples and Comparative Examples.
FIG. 3 is a graph showing the results of a seizure test and a grease leak test in Examples and Comparative Examples.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF SYMBOLS 1 Ball bearing 10 Inner ring 11 Outer ring 12 Cage 13 Ball 14 Seal member

Claims (5)

自動車の冷却ファンに使用される転がり軸受であって、内輪と外輪との間に複数の転動体を転動自在に保持し、グリースを封入してなる転がり軸受において、
前記グリースが、それぞれ増ちょう剤含有量が8〜35質量%である金属コンプレックス石けん系グリース及びウレア系グリースの少なくとも一方と、パーフルオロポリエーテル油を基油とし、増ちょう剤としてポリテトラフルオロエチレンを15〜42.5質量%含有するフッ素系グリースとを、質量比で、金属コンプレックス石けん系及びウレア系グリースの少なくとも一方:フッ素系グリース=40〜70:60〜30の割合で、かつ増ちょう剤の総量が228質量%となるように混合したグリース組成物であることを特徴とする自動車の冷却ファン用転がり軸受。
A rolling bearing used for a cooling fan of an automobile, in which a plurality of rolling elements are rotatably held between an inner ring and an outer ring, and grease is enclosed,
The grease is based on at least one of a metal complex soap-based grease and a urea-based grease each having a thickener content of 8-35% by mass, and a perfluoropolyether oil as a base oil, and polytetrafluoroethylene as a thickener. And a fluorine-based grease containing 15 to 42.5% by mass of at least one of a metal complex soap-based grease and a urea-based grease: fluorine-based grease = 40-70: 60-30, and increased. A rolling bearing for a cooling fan of an automobile, which is a grease composition mixed so that the total amount of the agent is 2 4 to 28 % by mass.
電動ファンモータ用であることを特徴とする請求項1記載の自動車の冷却ファン用転がり軸受。  2. A rolling bearing for a cooling fan of an automobile according to claim 1, wherein the rolling bearing is for an electric fan motor. 金属コンプレックス石けん系グリースの増ちょう剤が、リチウムコンプレクス石けんであることを特徴とする請求項1記載の冷却ファン用転がり軸受。  The rolling bearing for a cooling fan according to claim 1, wherein the thickener of the metal complex soap grease is lithium complex soap. ウレア系グリースの増ちょう剤が、ジウレア化合物であることを特徴とする請求項1記載の冷却ファン用転がり軸受。  The rolling bearing for a cooling fan according to claim 1, wherein the thickener of the urea grease is a diurea compound. 金属コンプレックス石けん系グリース及びウレア系グリースの基油動粘度が、10〜400mm/s(40℃)であることを特徴とする請求項1記載の冷却ファン用転がり軸受。The rolling bearing for a cooling fan according to claim 1, wherein the base oil kinematic viscosity of the metal complex soap-based grease and the urea-based grease is 10 to 400 mm 2 / s (40 ° C).
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