JP4400934B2 - 胸部の疾患の検出に有用な試薬及び方法 - Google Patents

胸部の疾患の検出に有用な試薬及び方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4400934B2
JP4400934B2 JP51093398A JP51093398A JP4400934B2 JP 4400934 B2 JP4400934 B2 JP 4400934B2 JP 51093398 A JP51093398 A JP 51093398A JP 51093398 A JP51093398 A JP 51093398A JP 4400934 B2 JP4400934 B2 JP 4400934B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seq
polypeptide
sequence
polynucleotide
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP51093398A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2000500664A5 (ja
JP2000500664A (ja
Inventor
ビリング−メデル,パトリシア・エー
コーエン,モーリス
コルピツツ,トレイシー・エル
フレツドマン,ポーラ・エヌ
ゴードン,ジユリアン
グラナダス,エドワード・エヌ
ホツジズ,ステイブン・シー
クラス,マイケル・アール
クラトクビル,ジヨン・デイ
ロバーツ−ラツプ,リサ
ラツセル,ジヨン・シー
ストロープ,ステイブン・デイ
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Abbott Laboratories
Original Assignee
Abbott Laboratories
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Priority claimed from US08/912,276 external-priority patent/US6183952B1/en
Application filed by Abbott Laboratories filed Critical Abbott Laboratories
Publication of JP2000500664A publication Critical patent/JP2000500664A/ja
Publication of JP2000500664A5 publication Critical patent/JP2000500664A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4400934B2 publication Critical patent/JP4400934B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07KPEPTIDES
    • C07K14/00Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof
    • C07K14/435Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans
    • C07K14/46Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates
    • C07K14/47Peptides having more than 20 amino acids; Gastrins; Somatostatins; Melanotropins; Derivatives thereof from animals; from humans from vertebrates from mammals
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q1/00Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions
    • C12Q1/68Measuring or testing processes involving enzymes, nucleic acids or microorganisms; Compositions therefor; Processes of preparing such compositions involving nucleic acids
    • C12Q1/6876Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes
    • C12Q1/6883Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes for diseases caused by alterations of genetic material
    • C12Q1/6886Nucleic acid products used in the analysis of nucleic acids, e.g. primers or probes for diseases caused by alterations of genetic material for cancer
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C12BIOCHEMISTRY; BEER; SPIRITS; WINE; VINEGAR; MICROBIOLOGY; ENZYMOLOGY; MUTATION OR GENETIC ENGINEERING
    • C12QMEASURING OR TESTING PROCESSES INVOLVING ENZYMES, NUCLEIC ACIDS OR MICROORGANISMS; COMPOSITIONS OR TEST PAPERS THEREFOR; PROCESSES OF PREPARING SUCH COMPOSITIONS; CONDITION-RESPONSIVE CONTROL IN MICROBIOLOGICAL OR ENZYMOLOGICAL PROCESSES
    • C12Q2600/00Oligonucleotides characterized by their use
    • C12Q2600/136Screening for pharmacological compounds

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Proteomics, Peptides & Aminoacids (AREA)
  • Genetics & Genomics (AREA)
  • Zoology (AREA)
  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • Biophysics (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Wood Science & Technology (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Hospice & Palliative Care (AREA)
  • Toxicology (AREA)
  • Medicinal Chemistry (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Gastroenterology & Hepatology (AREA)
  • Biotechnology (AREA)
  • Microbiology (AREA)
  • Oncology (AREA)
  • Bioinformatics & Cheminformatics (AREA)
  • General Engineering & Computer Science (AREA)
  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)

Description

発明の背景
本発明は、一般には、特定の割合の胸部腫瘍において過剰発現するウテログロビン族の新規構成要素であるタンパク質に関する。さらに、本発明は、胸部の疾患を検出するための試薬及び方法にも関する。特には、本発明は、ポリヌクレオチド配列及びそれらによってコードされるポリペプチド配列のような試薬及びこれらの配列を利用する方法に関する。これらのポリヌクレオチド及びポリペプチド配列は、乳ガンのような胸部の疾患又は状態の検出、診断、段階付け、監視、予後判定、予防もしくは治療、又は素因の決定に有用である。
乳ガンは合衆国において女性に生じるガンの最も一般的な形態である。合衆国における乳ガンの発生は、1997年には180,200事例が診断され、43,900事例の乳ガン関連の死亡が生じているものと見積られる(米国ガン協会の統計)。全世界的には、乳ガンの発生は1985年の700,000件から1990年には900,000件に増大している。G.N.Hortobagyi et al.,CA Cancer J Clin 45:199−226(1995)。
乳ガンのような胸部の疾患又は状態の検出、診断、段階付け、監視、予後判定、予防もしくは治療、又は素因の決定に用いられる手順は、患者の成り行きに極めて重要なものである。例えば、早期乳ガンと診断された患者は、遠隔転移した乳ガンがあると診断された患者の約20%の生存率と比較して90%を上回る相対的な5年生存率を示す(米国ガン協会の統計)。現在、早期乳ガンの最良の初期指標は胸部の身体検査及び乳房X線撮影(マンモグラフィー)である。J.R.Harris et al.In:Cancer:Principles and Practice of OncologyFourth Edition,pp.1264−1332,Philadelphia,PA:J/B.Lippincott Co.(1993)。乳房X線撮影は胸部腫瘍が身体検査で検出可能となる前にそれを検出することができるが、制限がある。例えば、その予測値は観察者の技術及び乳房X線撮影像の質に依存する。加えて、乳房X線撮影像の80ないし93%は偽陽性であり、乳ガンを患う女性の10ないし15%の乳房X線撮影像は偽陰性を示す。C.J.Wright et al.,Lancet 346:29−32(1995)。早期乳ガンを検出するためのより高感度で特異的な新規診断方法が明らかに必要である。
乳ガン患者は、最初の治療の後及び補助剤治療の間に、その治療に対する応答を決定し、かつ持続もしくは再発した疾患又は早期遠隔転移を検出するため、念入りに監視される。現在の乳ガンを監視するための診断手順には、乳房X線撮影、骨シンチグラフィー、胸部X線撮影像、肝機能試験及び血清マーカーの試験が含まれる。患者の監視に最も一般的に用いられる血清腫瘍マーカーはガン胎児抗原(CEA)及びCA15−3である。CEAの限界には、転移疾患を患う女性の約40%において血清水準の上昇がないというものが含まれる。加えて、補助剤治療の間のCEAの上昇は再発には関係せずに臨床上重要ではない他の因子に関係する可能性がある。また、CA15−3もかなりの数の進行性の疾患を患う患者において陰性であり、したがって転移を予測できない可能性がある。CEA及びCA15−3の両者は非悪性、良性状態において上昇することがあり、これが偽陽性の結果を生じる。したがって、ガンの再発の検出においてより高感度で特異的な乳ガン関連マーカーを見出すことは臨床上有用である。J.R.Harrisら、前出、M.K.Schwartz,In:Cancer;Principles and Practice of Oncology,Vol.1,Fourth Edition,pp.531−542,Philadelphia,PA:J/B.Lippincott Co.(1993)。
乳ガンの管理における他の重要な工程は患者の疾患の段階を決定することである。これは、段階の決定が潜在的な診断値を含み、最適の治療を設計するための基準を提供するためである。現在では、乳ガンの病理学的段階付けが臨床的段階付けよりも好ましい。これは、前者によってより正確な予後が得られるためである。J.R.Harrisら、前出。他方、臨床的段階付けは、それが少なくとも病理学的段階付けと同程度に正確である場合、病理学的評価のために組織を得るのに侵襲的な手順に依存しないため好ましい。乳ガンの段階付けは、浸潤の異なる段階を識別することが可能な血清又は尿中の新しいマーカーを検出することにより改善することができる。このようなマーカーは、胸部の原発腫瘍に由来するが血液、骨髄又はリンパ節には存在しない細胞によって発現されるmRNA又はタンパク質であればよく、このような遠隔器官への転移の高感度の指標として役立つ。例えば、胸部上皮細胞に関連付けられる特定のタンパク質抗原又はmRNAが、それぞれ免疫組織学的技術及びRT−PCRにより、転移の疑いのある乳ガン患者の骨髄、リンパ節及び血液中で検出されている。K.Pantel et al.,Onkologie 18:394−401(1995)。
また、このような手順には、免疫学的方法によって検出可能な、最小の侵襲的手順によって得られる血液、血漿、血清又は尿のような試験試料中の様々な疾患マーカーの出現に基づく検定も含まれ得る。このような手順により、外科医が患者を、その患者にとって低コストで、胸部の疾患について管理する助けとなる情報が得られる。前立腺特異的抗原(PSA)及びヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)のようなマーカーが存在し、これらはそれぞれ前立腺ガン及び精巣ガンについての患者のスクリーニングに臨床的に用いられる。例えば、PSAは通常精巣によって精液に高い水準で分泌されるが、正常の精巣を有する男性の血液中に存在する水準は非常に低い。血清中のPSA水準の上昇は無症候性の男性の精巣ガンもしくは疾患の早期検出に用いられる。例えば、G.H.Hanks et al.,In:Cancer:Principles and Practice of Oncology,Vol.1,Fouth Edition,pp.1073−1113,Philadelphia,PA:J.B.Lippincott Co.(1993);M.K.Schwartz et al.,In:Cancer:Principles and Practice of Oncology,Vol.1,Fourth Edition,pp.531−542,Philadelphia,PA:J.B.Lippincott Co.(1993)を参照のこと。同様に、通常は胸部において発現するが胸部の疾患の結果として身体の不適切な区画における量の上昇が見出される新規マーカーを用いることにより、胸部の疾患の管理を改善することができる。その一例は、胸部組織でのみ検出された、ウテログロビン群のタンパク質の構成要素であるママグロビンである。ママグロビンは、示差表示を用いて、正常胸部組織に対して幾つかの胸部腫瘍において過剰発現することも見出されている。M.A.Watson et al.,Cancer Res. 56:860−865(1996)。
さらに、早期乳ガンの生物学的挙動を予測し得る新規マーカーも有意義なものである。患者の生命を脅かす、もしくは脅かすであろう早期乳ガンは、脅威ではない、もしくは脅威とはならないであろうものよりも臨床上重要である。G.E.Hanks、前出。このようなマーカーは、組織学的に陰性のリンパ節を有するどの患者がガンを再発するのかを予測し、また、管性カルチノーマのどの症例が原位置で浸潤性乳ガンに発達するのかを予測するのに必要である。より正確な診断マーカーにより、積極的に治療しない場合には進行し、かつ転移するであろう胸部に位置する早期ガンを臨床医が正確に識別するのを可能にする。加えて、患者体内に攻撃的なガンのマーカーが存在しないということにより、患者に高価で利益にならない治療を施さずに済ませることができる。J.R.Harrisら、前出。E.R.Frykberg et al.,Cancer 74:350−361(1994)。
したがって、胸部の疾患又は状態の検出、診断、段階付け、監視、予後判定、予防もしくは治療、又は素因の決定に有用な特定の方法及び試薬を提供することには利点がある。このような方法は、ガンを含む胸部に関連付けられる疾患及び状態において過剰発現する遺伝子の産生物について試験試料を検定することを含む。また、このような方法は、ガンを含む胸部に関連付けられる疾患及び状態によって改変されている遺伝子の産生物について試験試料を検定することを含んでいてもよい。さらに、このような方法は、身体の様々な組織及び区画の中での分布がガンを含む胸部関連疾患又は状態によって改変されている遺伝子の産生物について試験試料を検定することを含んでいてもよい。このような方法は、試験試料中のmRNAからcDNAを作製し、必要であればその遺伝子もしくはそれらの断片に対応するcDNAの一部を増幅し、かつそのcDNA産生物をガンを含む疾患もしくは状態の存在の指標として検出し、又は遺伝子配列を含むmRNAの翻訳産生物を疾患の存在の指標として検出することを包含する。有用な試薬には、生検組織、血液又は他の試験試料から抽出されたmRNAの逆転写酵素−ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)、PCR、もしくはハイブリダイゼーション検定のような診断法において用いることができるポリヌクレオチド(1種もしくは複数)もしくはそれらの断片(1種もしくは複数);又はこれらのタンパク質に対する抗体が含まれる。このような検定は、遺伝子の産生物(1種もしくは複数)について試料を検定し、かつその産生物(1種もしくは複数)を胸部の疾患の指標として検出する方法を含む。ガンを含む胸部の疾患及び状態の薬物治療又は遺伝子治療はこれらの同定された遺伝子配列もしくはそれらの発現タンパク質に基づいて行うことが可能であり、あらゆる特定の治療の効力を監視することができる。さらに、ガンのような早期段階の胸部疾患を検出することが可能な、利用可能な代替非外科的診断法が存在することには利点がある。
発明の要約
本発明は、試験試料中の標的BU101ポリヌクレオチドの検出方法であって、該試験試料を少なくとも1種のBU101−特異的ポリヌクレオチドと接触させ、かつ該試験試料中の標的BU101ポリヌクレオチドの存在を検出することを包含する方法を提供する。このBU101−特異的ポリヌクレオチドは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4及びそれらの断片もしくは相補物からなる群より選択されるポリヌクレオチドとの少なくとも50%の同一性を有する。また、このBU101−特異的ポリヌクレオチドは、この方法を実施する前に固相に付着させてもよい。
また、本発明は、試験試料中のBU101 mRNAの検出方法であって、cDNAを生成するために少なくとも1つのプライマーを用いて逆転写(RT)を行い、そのようにして得られたcDNAをBU101オリゴヌクレオチドをセンス及びアンチセンスプライマーとして用いて増幅してBU101単位アンプリコンを得、かつBU101単位アンプリコンの存在を試験試料中のBU101 mRNAの存在の指標として検出することを包含し、該BU101オリゴヌクレオチドが配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4及びそれらの断片もしくは相補物からなる群より選択される配列との少なくとも50%の同一性を有する方法も提供する。増幅はポリメラーゼ連鎖反応によって行うことができる。また、この方法を行う前、増幅の前又は検出の前に、試験試料を固相と反応させることもできる。この反応は直接的な反応であっても間接的な反応であってもよい。さらに、検出工程は、測定可能な信号を生成することが可能である検出可能な標識を用いることを包含していてもよい。この検出可能な標識は固相に付着させることができる。
さらに、本発明は、標的BU101ポリヌクレオチドを含むことが疑われる試験試料中の標的BU101ポリヌクレオチドの検出方法であって、(a)試験試料を少なくとも1種のセンスプライマーとしてのBU101オリゴヌクレオチド及び少なくとも1種のアンチセンスプライマーとしてのBU101オリゴヌクレオチドと接触させ、これを増幅して第1段階反応生成物を得、(b)該第1段階反応生成物を少なくとも1種の他のBU101オリゴヌクレオチドと接触させて第2段階反応生成物を得、ただし、該他のBU101オリゴヌクレオチドは工程(a)において用いられるBU101オリゴヌクレオチドに対して3’に位置し、かつ第1段階反応生成物に対して相補的であり、及び(c)該第2段階反応生成物を試験試料中の標的BU101ポリヌクレオチドの存在の指標として検出することを包含する方法を提供する。この方法において試薬として選択されるBU101オリゴヌクレオチドは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4及びそれらの断片もしくは相補物からなる群より選択される配列との少なくとも50%の同一性を有する。増幅はポリメラーゼ連鎖反応によって行うことができる。この方法を実施する前、又は増幅の前、又は検出の前に、試験試料を固相と直接もしくは間接的に反応させることができる。また、検出工程は、測定可能な信号を生成することが可能である検出可能な標識を用いることを包含していてもよく、さらに、この検出可能な標識を固相に付着させることも可能である。また、試験試料中の標的BU101ポリヌクレオチドを検出するのに有用な試験キットであって、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4及びそれらの断片もしくは相補物からなる群より選択される少なくとも1種のBU101−特異的ポリヌクレオチドを収容する容器を含む試験キットも提供される。これらの試験キットは、試験試料(例えば、血液、尿、唾液及び便)を集めるのに有用な用具を備える容器をさらに含む。このような用具には、血液を収集して安定化するためのランセット及び吸取紙もしくは布;唾液を収集して安定化するためのスワブ;並びに尿もしくは便試料を収集して安定化するためのカップが含まれる。紙、布、スワブ、カップのような収集素材は、任意に、試料の変性又は不可逆的な吸着を回避するように処理することができる。また、これらの収集素材は、検体の完全性の維持を助けるため、保存剤、安定化剤又は抗菌剤で処理し、もしくはそれらを含んでいてもよい。
本発明は、BU101遺伝子に由来する精製ポリヌクレオチド又はそれらの断片を提供する。この精製ポリヌクレオチドはBU101遺伝子の核酸又はそれらの相補物と選択的にハイブリダイズすることが可能である。このポリヌクレオチドは、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4及びそれらの断片もしくは相補物からなる群より選択されるポリヌクレオチドとの少なくとも60%の同一性を有する。さらに、この精製ポリヌクレオチドは、組換え及び/又は合成技術により生成させることが可能である。精製組換えポリヌクレオチドは組換えベクター内に含まれていてもよい。本発明は、さらに、このベクターが形質移入された宿主細胞を包含する。
さらに、本発明は、BU101に由来する開放読取り枠(open reading frame)を含む核酸配列を有する組換え発現系を提供する。この核酸配列は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4及びそれらの断片もしくは相補物からなる群より選択される配列との少なくとも50%の同一性を有する。この核酸配列は所望の宿主に適合する制御配列に作動可能に連結される。また、この組換え発現系が形質移入された(transfected)細胞も提供される。
また、本発明はBU101によってコードされるポリペプチドも提供する。このポリペプチドは組換え技術によって生成させて純粋な形態で得、又は合成技術によって生成させることが可能である。このポリペプチドは、配列番号15−23からなる群より選択されるアミノ酸配列との少なくとも60%の同一性を有し、又は配列番号15の断片のアミノ酸配列と90%同一であるアミノ酸配列を含む。
また、少なくとも1つのBU101エピトープに特異的に結合する抗体も提供される。この抗体はポリクローナル抗体であってもモノクローナル抗体であってもよい。エピトープは配列番号15−23及びそれらの断片からなる群より選択されるアミノ酸配列に由来するものである。試験試料中のBU101抗原又は抗−BU101抗体の存在を決定するための検定キットも含まれる。一態様において、この検定キットは、配列番号15−23及びそれらの断片からなる群より選択されるアミノ酸配列との少なくとも50%の同一性を有するBU101ポリペプチドの少なくとも1種を収容する容器を含む。さらに、この試験キットは試験試料(例えば、血液、尿、唾液及び便)を集めるのに有用な用具を備える容器を含んでいてもよい。このような用具には、血液を収集して安定化するためのランセット及び吸取紙もしくは布;唾液を収集して安定化するためのスワブ;並びに尿もしくは便試料を収集して安定化するためのカップが含まれる。紙、布、スワブ、カップのような収集素材は、任意に、試料の変性又は不可逆的な吸着を回避するように処理することができる。また、これらの収集素材は、検体の完全性の維持を助けるため、保存剤、安定化剤又は抗菌剤で処理されていてもよい。これらのポリペプチドを固相に付着させることも可能である。
試験試料中のBU101抗原又は抗−BU101抗体の存在を決定するための別の検定キットは、BU101がコードするエピトープを少なくとも1つ有するBU101抗原に特異的に結合する抗体を収容する容器を含む。このBU101抗原は、配列番号15−23及びそれらの断片からなる群より選択されるBU101がコードする抗原の配列との少なくとも約60%の配列類似性を有する。これらの試験キットは、試験試料(例えば、血液、尿、唾液及び便)を集めるのに有用な用具を備える容器をさらに含んでいてもよい。このような用具には、血液を収集して安定化するためのランセット及び吸取紙もしくは布;唾液を収集して安定化するためのスワブ;尿もしくは便試料を収集して安定化するためのカップが含まれる。紙、布、スワブ、カップのような収集素材は、任意に、試料の変性又は不可逆的な吸着を回避するように処理することができる。また、これらの収集素材は、検体の完全性の維持を助けるため、保存剤、安定化剤又は抗菌剤で処理し、もしくはそれらを含んでいてもよい。この抗体を固相に付着させることも可能である。
発現ベクターが形質移入されている宿主細胞をインキュベートすることを包含する、BU101の少なくとも1つのエピトープを有するポリペプチドの生成方法が提供される。このベクターは、配列番号15−23及びそれらの断片からなる群より選択されるBU101アミノ酸配列との少なくとも50%の同一性を有するアミノ酸配列を含むポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を有する。
BU101抗原を含むことが疑われる試験試料中のBU101抗原の検出方法も提供される。この方法は、試験試料をBU101抗原のエピトープの少なくとも1つと特異的に結合する抗体又はそれらの断片と抗体/抗原複合体の形成に十分な時間及び条件下で接触させ、かつ抗体を含むそのような複合体の存在を試験試料中のBU101抗原の存在の指標として検出することを包含する。この抗体は固相に付着させることが可能であり、モノクローナル抗体又はポリクローナル抗体のいずれであってもよい。さらに、この抗体は、配列番号15−23及びそれらの断片からなる群より選択されるBU101抗原の少なくとも1つと特異的に結合する。
BU101抗原に特異的に結合する抗体を含むことが疑われる試験試料中にこれらの抗体を検出する別の方法が提供される。この方法は、試験試料を少なくとも1つのBU101エピトープを有するポリペプチドと接触させることを包含し、該BU101エピトープはBU101ポリペプチドによってコードされるアミノ酸配列との少なくとも50%の同一性を有するアミノ酸配列又はそれらの断片を含む。接触は、抗原/抗体複合体の形成を可能にするのに十分な時間及び条件下で行われる。この方法は、さらに、このポリペプチドを含む複合体を検出することを包含する。このポリペプチドは固相に付着させてもよい。さらに、このペプチドは、配列番号15−23及びそれらの断片からなる群より選択されるアミノ酸配列との少なくとも50%の同一性を有する組換えタンパク質又は合成ペプチドであってもよい。
本発明は、BU101抗原の少なくとも1つのエピトープ又はそれらの断片をコードするBU101核酸配列を形質移入した細胞を提供する。この核酸配列は配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4及びそれらの断片もしくは相補物からなる群より選択される。
BU101抗原に対する抗体の生成方法も提供され、この方法は個体に単離された免疫原性ポリペプチド又はそれらの断片を投与することを包含し、該単離された免疫原性ポリペプチドは少なくとも1つのBU101エピトープを免疫応答を生成するに十分な量を含む。この単離された免疫原性ポリペプチドは、配列番号15−23及びそれらの断片からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む。
BU101抗原に特異的に結合する抗体を生成させるための別の方法が開示され、この方法は、配列番号15−23及びそれらの断片からなる群より選択されるアミノ酸配列から誘導されるBU101エピトープの少なくとも1つをコードする核酸配列を含むプラスミドを哺乳類動物に投与することを包含する。
また、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4及びそれらの断片もしくは相補物からなる群より選択されるポリヌクレオチドとの少なくとも60%の同一性を有する、少なくとも約10−12ヌクレオチドのBU101ポリヌクレオチドを含む物質の組成物も提供される。このBU101ポリヌクレオチドは少なくとも1つのBU101エピトープを含むアミノ酸配列をコードする。本発明によって提供される物質の別の組成物は、少なくとも1つの約8−10アミノ酸のBU101エピトープを有するポリペプチドを含む。このポリペプチドは、配列番号15−23からなる群より選択されるアミノ酸配列との少なくとも60%の同一性を有し、又は配列番号15の断片のアミノ酸配列との90%の同一性を有するアミノ酸配列を含む。また、配列番号15との少なくとも60%の同一性を有するBU101ポリペプチドをコードする遺伝子もしくはそれらの断片、及び配列番号4との少なくとも60%の同一性を有するDNAを含む遺伝子もしくはそれらの断片も提供される。
【図面の簡単な説明】
図1は、クローン603148(配列番号1)、604290(配列番号2)、及びそれらから誘導される共通配列(配列番号3)のヌクレオチド整列化を示し、
図2は、重複するクローン603148(配列番号1)及び604290(配列番号2)のヌクレオチド整列化からの共通ヌクレオチド配列(配列番号3)の形成を表すコンティグ地図を示し、
図3Aは様々な組織抽出物に由来するRNAのエチジウムブロマイド染色アガロースゲルの走査を表し、図3BはBU101放射標識プローブを用いる様々な組織抽出物に由来するRNAのノーザンブロットを示し、
図4は、BU101−特異的初回刺激PCR増幅産生物の染色アガロースゲルの走査を表し、
図5は、BU101.8抗血清を用いる異なる組織タンパク質抽出物のウェスタンブロットのフィルムを表すものである。
発明の詳細な説明
本発明は、配列番号15との少なくとも約60%の同一性を有するBU101ポリペプチドをコードする遺伝子又はそれらの断片を提供する。さらに、本発明は、配列番号4との少なくとも約60%の同一性を有するDNAを含むBU101遺伝子又はそれらの断片も包含する。
本発明は、BU101と呼ばれる胸部組織遺伝子の産生物について試験試料を検定する方法であって、試験試料中のmRNAからcDNAを作製し、該cDNAを胸部組織遺伝子BU101の存在の指標として検出することを包含する方法を提供する。この方法は、その遺伝子又はそれらの断片に対応するBU101に由来するmRNAの一部の1以上を増幅する増幅工程を包含していてもよい。また、BU101の翻訳産生物を検出する方法も提供される。ここに提供される方法によって検定することができる試料には、組織、細胞、体液及び分泌物が含まれる。また、本発明は、これらの方法の実施に有用な、オリゴヌクレオチドプライマー及びポリペプチドのような試薬も提供する。
ここに開示される核酸配列のタンパク質は、RNAの逆転写又はcDNAの増幅用のプライマーとして、又は試験試料中の特定のmRNA配列の存在を決定するためのプローブとして有用である。診断免疫検定における標準もしくは試薬として、薬学的スクリーニング検定の標的として、及び/又は様々な治療の構成要素もしくは標的部位として有用なコードされたポリペプチド配列の生成を可能にする核酸配列も開示される。これらのポリペプチド配列内に含まれるエピトープの少なくとも1つに対するモノクローナル及びポリクローナル抗体は、BU101に関連付けられる疾患又は状態、とりわけ乳ガンの診断試験及びスクリーニングに加えて、治療剤の送達剤として有用である。これらの核酸配列から誘導されるプローブ又はPCRプライマーを用いて、関心のある遺伝子の他の部分の配列を単離することができる。これは、関心のあるmRNA又はcDNAのさらなるプローブを、対応するコードされたポリペプチド配列に加えて、確立することを可能にする。これらのさらなる分子は、ここに開示されるようにBU101によって特徴づけられる、乳ガンのような胸部の疾患及び状態の検出、診断、段階付け、監視、予後判定、予防もしくは治療、又は素因の決定において有用である。
アミノ酸配列の「類似性」を決定する技術は当該技術分野において公知である。一般には、「類似性」は2つ以上のポリペプチドのアミノ酸の比較についての適切な場所での的確なアミノ酸を意味し、この場合アミノ酸は同一であるか、又は類似の化学的及び/又は物理的特性、例えば電荷もしくは疎水性を有する。したがって、比較したポリペプチドの間でいわゆる「類似パーセント」を決定することができる。核酸及びアミノ酸配列の同一性を決定するための技術も当該技術分野において公知であり、これには(通常、cDNA中間体による)その遺伝子に対するmRNAのヌクレオチド配列の決定及びそれらによってコードされるアミノ酸配列の決定、並びにこれと第2のアミノ酸配列との比較が含まれる。一般には、「同一性」は、それぞれ2つのポリヌクレオチド又はポリペプチド配列での的確なヌクレオチドとヌクレオチドとの、又はアミノ酸とアミノ酸との一致を指す。2つ以上のポリヌクレオチド配列をそれらの「同一性パーセント」を決定することにより比較することができる。同様に、2つ以上のアミノ酸配列をそれらの「同一性パーセント」を決定することにより比較することができる。ウィスコンシン・シークエンス・アナリシス・パッケージ(Wisconsin Sequence Analysis Package)バージョン8(ジェネティクス・コンピュータ・グループ(Genetics Computer Group)、マディスン、WIから入手可能)において利用可能なプログラム、例えばGAPプログラム、は2つのポリヌクレオチドの間の同一性並びに2つのポリペプチド配列の間の同一性及び類似性の両者をそれぞれ算出することが可能である。
ここに説明される組成物及び方法は特定のマーカーを胸部組織の疾患又は状態を示すものとして同定することを可能にし、そこから得られる情報は、BU101に関連付けられる疾患又は状態、とりわけ乳ガンの検出、診断、段階付け、監視、予後判定、予防もしくは治療、又は決定における助けとなる。試験方法には、例えば、ここに提供される配列(1つもしくは複数)を用い、かつ核酸増幅法、例えばポリメラーゼ連鎖反応(PCR)、リガーゼ連鎖反応(LCR)、及びハイブリダイゼーションを用いてもよいプローブ検定が含まれる。加えて、ここに提供されるヌクレオチド配列は、そこから免疫原性エピトープを見出すことができる開放読取り枠を含む。このエピトープはBU101に関連付けられる疾患状況又は状態に独自のものであると信じられている。また、BU101遺伝子によってコードされるポリヌクレオチド又はポリペプチドはマーカーとして有用であるとも考えられている。このマーカーは、乳ガンのような疾患において増加し、乳ガンのような疾患において変化し、又は正常なタンパク質として存在するが不適切な身体の区画に出現する。このエピトープの独自性は、(i)BU101遺伝子によってコードされるタンパク質及びポリペプチドに対する抗体とのその免疫学的反応性及び特異性、並びに(ii)他のあらゆる組織マーカーとのその非反応性によって決定され得る。免疫学的反応性を決定する方法は公知であり、これには、例えば、ラジオイムノ検定(RIA)、酵素結合免疫測定法(ELISA)、赤血球凝集(HA)、蛍光偏光免疫検定(FPIA)、化学発光免疫検定(CLIA)等が含まれるがこれらに限定されるものではない。適切な方法の幾つかの例がここに説明されている。
他に断らない限り、以下の用語は以下の意味を有する。
指定される配列「から誘導される」又は「に特異的な」ポリヌクレオチドは、その指定されるヌクレオチド配列の一領域に対応する、すなわち同一であるかもしくは相補的な、少なくとも約6ヌクレオチド、好ましくは少なくとも約8ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも約10−12ヌクレオチド、さらに好ましくは少なくとも約15−20ヌクレオチドの連続配列を含むポリヌクレオチド配列を指す。この配列は、当該技術分野において公知の技術によって決定される特定のポリヌクレオチド配列に独特の配列に対して相補的であっても同一であってもよい。例えば、データバンク内の配列との比較を指定される配列の独自性を決定する方法として用いることができる。配列を誘導することが可能な領域には非翻訳及び/又は非転写領域の他に特異的エピトープをコードする領域が含まれるが、これらに限定されるものではない。
誘導されるポリヌクレオチドは必ずしも研究中で関心のあるヌクレオチド配列から物理的に誘導される必要はないが、そのポリペプチドが誘導される領域(1つもしくは複数)の塩基の配列から得られる情報に基づくあらゆる方法で生成することが可能であり、これには化学合成、複製、逆転写又は転写が含まれるがこれらに限定されるものではない。それそのものは、元のポリヌクレオチドのセンス又はアンチセンス方向のいずれをも表し得る。加えて、指定される配列に対応する領域の組み合わせを当該技術分野において公知の方法で目的とする用途に合致するように改変することができる。
特定のポリヌクレオチドの「断片」は、その特定のヌクレオチド配列の一領域に対応する、すなわち同一であるかもしくは相補的な、少なくとも約6ヌクレオチド、好ましくは少なくとも約8ヌクレオチド、より好ましくは少なくとも約10−12ヌクレオチド、さらに好ましくは少なくとも約15−20ヌクレオチドの連続配列を含むポリヌクレオチド配列を指す。
「プライマー」という用語は標的ヌクレオチド配列に相補的である特定のオリゴヌクレオチド配列を意味し、標的ヌクレオチド配列へのハイブリダイズに用いられる。プライマーは、DNAポリメラーゼ、RNAポリメラーゼ又は逆転写酵素のいずれかによって触媒されるヌクレオチドの重合の開始点として役立つ。
「プローブ」という用語は、相補配列を有する、試料中に存在する特定のポリヌクレオチドの識別に用いることが可能な定義された核酸セグメント(又はヌクレオチド類似セグメント、例えば、以下に定義されるPNA)を意味する。
「〜によってコードされる」はポリペプチド配列をコードする核酸配列を指し、このポリペプチド配列又はそれらの一部はその核酸配列によってコードされるポリペプチドに由来する少なくとも3ないし5個のアミノ酸、より好ましくは少なくとも8ないし10個のアミノ酸、さらに好ましくは少なくとも15ないし20個のアミノ酸を有するアミノ酸配列を含む。また、その配列によってコードされるポリペプチドで免疫学的に識別可能なポリペプチド配列も包含される。したがって、「ポリペプチド」、「タンパク質」又は「アミノ酸」配列は、BU101アミノ酸配列との少なくとも約50%の同一性、好ましくは約60%の同一性、より好ましくは約75−85%の同一性、さらに好ましくは約90−95%以上の同一性を有する。さらに、BU101「ポリペプチド」、「タンパク質」又は「アミノ酸」配列は、BU101のポリペプチドもしくはアミノ酸配列との少なくとも約60%の類似性、好ましくは少なくとも約75%の類似性、より好ましくは約85%の類似性、より好ましくは約95%以上の類似性を有し得る。このアミノ酸配列は配列番号15−23及びそれらの断片からなる群より選択することができる。
「組換えポリペプチド」、「組換えタンパク質」、又は「組換え技術によって生成したポリペプチド」は、ここでは交換可能に用いることができるが、その起源又は操作によって、本来それが会合するポリペプチドの全てもしくはその一部と会合せず、及び/又は本来それが連結するもの以外のポリペプチドに連結するポリペプチドを示す。組換えの、又はコードされるポリペプチドもしくはタンパク質は、必ずしも指定される核酸配列から翻訳される必要はない。これは、化学合成又は組換え発現系の発現を含むあらゆる方法で生成させることもできる。
ここで用いられる「合成ペプチド」という用語は、ルーチン処理技術者に公知の方法によって化学的に合成することが可能な、あらゆる長さのアミノ酸の重合体形態を意味する。これらの合成ペプチドは様々な用途において有用である。
ここで用いられる「ポリヌクレオチド」という用語は、あらゆる長さのヌクレオチド、リボヌクレオチド又はデオキシリボヌクレオチドのいずれかの重合体形態を意味する。この用語はこの分子の一次構造のみを指す。したがって、この用語は、二本鎖及び一本鎖RNAに加えて、二本鎖及び一本鎖DNAを含む。また、これは、ポリヌクレオチドの修飾、例えばメチル化もしくはキャップ形成、及び非修飾形態も含む。「ポリヌクレオチド」、「オリゴマー」、「オリゴヌクレオチド」及び「オリゴ」という用語はここでは交換可能に用いられる。
「cDNAに対応する配列」は、指定されたDNA中の配列と同一又は相補的なポリヌクレオチド配列を含む配列を意味する。cDNAとの同一性又は相補性の程度(すなわち「パーセント」)は、約50%以上、好ましくは少なくとも約60−70%以上、より好ましくは少なくとも約90%以上である。同定されたcDNAに対応する配列は少なくとも約50ヌクレオチドの長さ、好ましくは少なくとも約60ヌクレオチドの長さ、より好ましくは少なくとも約70ヌクレオチドの長さである。関心のある遺伝子もしくは遺伝子断片とcDNAとの対応は当該技術分野において公知の方法によって決定することができ、これには、例えば、配列決定された物質と既述のcDNAとの直接比較、又はハイブリダイゼーション及び一本鎖ヌクレアーゼでの消化、続く消化された断片のサイズ決定が含まれる。
「精製ポリヌクレオチド」は本質的に遊離である関心のあるポリヌクレオチド又はそれらの断片を指し、例えば、そのポリヌクレオチドが自然に会合する、約50%未満、好ましくは約70%未満、より好ましくは約90%未満のタンパク質を含むものである。関心のあるポリヌクレオチドを精製するための技術は当該技術分野において公知であり、これには、例えば、ポリヌクレオチドを含む細胞カオトロピック剤での破壊並びにイオン交換クロマトグラフィー、親和性クロマトグラフィー及び密度での沈降によるポリヌクレオチド(1種もしくは複数)及びタンパク質の分離が含まれる。
「精製ポリペプチド」又は「精製タンパク質」は本質的に遊離である関心のあるポリペプチド又はそれらの断片を意味し、例えば、その関心のあるポリペプチドが自然に会合する、約50%未満、好ましくは約70未満、より好ましくは約90%未満の細胞成分を含むものである。関心のあるポリペプチドを精製するための方法は当該技術分野において公知である。
「単離された」という用語は、その物質がその本来の環境(例えば、それが自然に生じる場合には自然環境)から取り除かれていることを意味する。例えば、生存する動物の体内に存在する天然のポリヌクレオチド又はポリペプチドは単離されていないが、自然系において共存する物質の幾つかもしくは全てから分離されている同じポリヌクレオチドもしくはDNA又はポリペプチドは単離されている。このようなポリヌクレオチドはベクターの一部であってもよく、及び/又はこのようなポリヌクレオチドもしくはポリペプチドは組成物の一部であってもよく、このベクター又は組成物はその当たり前の環境の一部ではないので依然として単離されている。
「ポリペプチド」及び「タンパク質」はここでは交換可能に用いられ、共有結合及び/又は非共有結合によって連結するアミノ酸の少なくとも1つの分子鎖を示す。この用語は特定の長さの生成物を指すものではない。したがって、ペプチド、オリゴペプチド及びタンパク質はこのポリペプチドの定義に含まれる。この用語は、ポリペプチドの翻訳後修飾、例えば、グリコシル化、アセチル化、リン酸化等を含む。加えて、タンパク質断片、類似体、変異もしくは変種タンパク質、融合タンパク質等がこのポリペプチドの意味に含まれる。
特定のポリペプチドの「断片」は、その特定のポリペプチドから誘導される少なくとも約5個のアミノ酸、より好ましくは少なくとも約8−10個のアミノ酸、さらに好ましくは少なくとも約15−20個のアミノ酸を含むアミノ酸配列を指す。
単細胞の実体として培養される微生物もしくは高等真核細胞系を示す「組換え宿主細胞」、「宿主細胞」、「細胞」、「細胞系」、「細胞培養物」及び他のそのような用語は、組換えベクター又は他の移行DNAのレシピエントとして用いることが可能であり、又は用いられている細胞を指し、これには形質移入されている元の細胞の最初の子孫が含まれる。
ここで用いられる場合、「レプリコン」は、細胞内でのヌクレオチド複製の自律性単位として挙動するあらゆる遺伝的要素、例えばプラスミド、染色体又はウイルスを意味する。
「ベクター」は、別のポリヌクレオチドセグメントが、このセグメントの複製及び/又は発現が生じるように結合しているレプリコンである。
「制御配列」という用語は、それにライゲートされているコーディング配列を発現させるのに必要なポリヌクレオチド配列を指す。このような制御配列の性質は宿主生物に応じて異なる。原核生物においては、このような制御配列は一般にはプロモーター、リボソーム結合部位及びターミネーターを含み、真核生物においては、このような制御配列は一般にはプロモーター、ターミネーター及び、ある場合には、エンハンサーを含む。したがって、「制御配列」という用語は、最低でもその存在が発現に必要な全ての構成要素を含むことが意図されており、その存在が有利であるさらなる構成要素、例えばリーダー配列、を含んでいてもよい。
「作動可能に連結する」は、既述の構成要素が、それらが意図する様式で機能することが可能な関係にある状況を指す。したがって、例えば、コーディング配列に「作動可能に連結する」制御配列は、この制御配列に適合する条件下でコーディング配列の発現が達成されるような様式でライゲートされている。
「開放読取り枠」もしくは「ORF」という用語は、ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列の一領域を指す。この領域はコーディング配列の一部を表すことも、全コーディング配列を表すこともある。
「コーディング配列」は、適切な調節配列の制御の下に置かれたときにmRNAに転写され、かつポリペプチドに翻訳されるポリヌクレオチド配列である。コーディング配列の境界は5’−末端の翻訳開始コドン及び3’−末端の翻訳終止コドンによって決定される。コーディング配列にはmRNA、cDNA及び組換えポリヌクレオチド配列が含まれ得るが、これらに限定されるものではない。
「〜で/として免疫学的に識別可能な」という用語は、指定されるポリペプチド(1種もしくは複数)にも同様に存在し、かつそれに独特のエピトープ(1種もしくは複数)及びポリペプチド(1種もしくは複数)の存在を指す。免疫学的同一性は抗体の結合及び/又は結合における競合によって決定することができる。これらの技術はルーチン処理技術者に公知であり、ここにも説明されている。また、エピトープの独自性は、そのエピトープをコードするポリヌクレオチド配列についての既知のデータバンク、例えばジーンバンク(GenBank)、のコンピュータ検索、及び他の既知のタンパク質とのアミノ酸配列の比較によっても決定することができる。
ここで用いられる場合、「エピトープ」はポリペプチドもしくはタンパク質の抗原決定基を意味する。おそらく、エピトープは3個のアミノ酸をそのエピトープに特有の空間的立体配座で含むことが可能である。一般には、エピトープは少なくとも5個のそのようなアミノ酸からなり、より一般的には、少なくとも8ないし10個のアミノ酸からなる。空間的立体配座を調べる方法は当該技術分野において公知であり、これには、例えば、X線結晶学及び二次元核磁気共鳴が含まれる。
「立体配座的エピトープ」は免疫学的に認識可能な構造をとる特定の並置状態のアミノ酸を含んでなるエピトープであり、これらのアミノ酸は同じポリペプチド上に連続的もしくは非連続的順序で存在し、又は異なるポリペプチド上に存在する。
ポリペプチドは、そのペプチドに含まれる特定のエピトープの抗体認識によりそれが抗体に結合する場合、抗体と「免疫学的に反応性」である。免疫学的反応性は抗体の結合により、とりわけ抗体結合の動力学により、及び/又は競合体(1種もしくは複数)、抗体が指向するエピトープを含む既知のポリペプチド(1種もしくは複数)を用いる結合における競合により決定することができる。ポリペプチドが抗体と免疫学的に反応性であるかどうかを決定するための方法は当該技術分野において公知である。
ここで使用する場合、「関心のあるエピトープを含む免疫原性ポリペプチド」という用語は、目的の天然に生じるポリペプチドまたはその断片、並びに他の手段、例えば化学的合成、または組換え体生物中のポリペプチドの発現により調製されるポリペプチドを意味する。
「形質移入」という用語は、その導入に使用される方法に関係なく、真核または原核宿主細胞に外因性ポリヌクレオチドを導入することを示す。「形質移入」という用語は、そのポリペプチドの安定でそして一過性の導入の両方を示し、そしてポリヌクレオチドの直接取込み、形質転換、形質導入およびf−交配を包含する。いったん宿主細胞に導入されると、外因性ポリヌクレオチドは、非組込みレプリコン、例えばプラスミドとして維持することができるか、またはあるいは宿主ゲノムに組込まれてよい。
「処理」は、予防および/または治療を示す。
ここで使用される場合に「個体」の語は、脊椎動物、特に哺乳類の仲間を示し、そして限定されるものではないが、家畜、競技用動物、霊長類およびヒトが挙げられる。さらに詳細には、この語は、ヒトを示す。
ここで使用される場合に「センス鎖」または「プラス鎖」(あるいは「+」)は、そのポリペプチドをコードする配列を含む核酸を表す。「アンチセンス鎖」または「マイナス鎖」(あるいは「−」)という用語は、「プラス」鎖のものに相補的な配列を含有する核酸を表す。
「試験試料」という用語は、分析物の源(関心のある抗体または関心のある抗原のような)である個々の本体の成分を示す。これらの成分は、当分野でよく知られている。試験試料は、一般に標的配列を含むことが予損される任意のものである。試験試料は、個体から標本を得、そして必要であれば、含まれる任意の細胞を分断し、その結果標的核酸を放出するような当業界でよく知られている方法論を用いて調製できる。これらの試験試料としては、ここで記載される本発明の方法によって試験できる生物学的試料が挙げられ、そして全血、血清、血漿、髄液、痰、気管支洗浄液、気管支吸引液、尿、リンパ液および呼吸器、腸および尿生殖器管の種々の外部分泌物、涙、唾液、乳、白血球細胞、骨髄腫等のようなヒトおよび動物体液;細胞培養上清のような生物学的流体;固定されていてよい組織標本;そして固定されていてよい細胞標本を包含する。
「精製産物」は、その生成物が正常に結合する細胞構成員から、そして関心ある試料に存在しうる他の型の細胞から単離された産物の標品を示す。
「PNA」は、ここで記載される検定のような手段で利用して標的の存在を測定できる「ペプチド核酸類似体」を表す。「MA」は、ここで記載される検定のような手段を利用して標的の存在を測定できる「モルフォリン類似体」を表す。例えば、米国特許第5,378,841号参照。PNAsは、RNA標的またはDNAに向けられた中性的に負荷された一部分である。例えば本発明のDNAプローブの代わりに検定で使用されるPNAプローブは、DNAプローブが使用される場合に達成できない利点を提供する。これらの利点としては、製造性、大規模標識、再生性、安定性、イオン強度での変化に対する不感受性、およびDNAまたはRNAを利用する方法に存在する酵素的分解に対する耐性が挙げられる。これらのPNAsは、蛍光、放射性ヌクレオチド、化学発光性化合物等のようなシグナル発生化合物で標識され(に付着され)うる。したがって、PNAsまたはMAsのような他の核酸類似体は、DNAまたはRNAの代わりに検定法に使用することができる。DNAプローブを利用する検定はここに記載されているが、検定試薬に必要であれば、または必要な場合にPNAsまたはMAsがRNAまたはDNAを適切な変化に置きかえることは通常どおりの従事者の範囲内にある。
ここで使用される場合に「分析物」は、試験試料に存在しうる検出されるべき物質である。分析物は、天然に生じる特異的結合構成員(抗体のような)が存在するか、または特異的結合構成員が調製されうるいかなる物質であってもよい。したがって、分析物は、検定で1つまたはそれ以上の特異的結合の構成員に結合できる物質である。「分析物」は、任意の抗原性物質、ハプテン、抗体およびそれらの組合せをも包含する。特異的結合対の構成員として、分析物は、ビタミンB12の測定のための特異的結合対の構成員として内性因子タンパク質を使用すること、葉酸を測定するために葉酸結合タンパク質を使用すること、または炭化水素を測定するための特異的結合対の構成員としてレクチンを使用することのように天然に生じる特異的結合の相手(対)によって検出されうる。分析物としては、タンパク質、ポリペプチド、アミノ酸、ヌクレオチド標的等が挙げられる。
ここで使用される場合に「胸部の疾病」または「胸部疾病」または「胸部の症状」は、胸部のすべての疾病または症状を示し、そして限定されないが、非定型増殖症、線維腺腫、嚢胞性胸部疾病、およびガンが挙げられる。
ここで使用される場合に「胸部ガン」は、胸部の全ての悪性疾病を示し、そしてそれに限定されないが、上皮腺管ガン、上皮内小葉ガン、浸潤腺管ガン、髄様ガン、管状ガン腫、粘液性ガン腫、浸潤性小葉ガン、浸潤性コメドガンおよび炎症性ガン腫が挙げられる。
「発現配列タグ」または「EST」は、ベクター内に挿入することによって組織から抽出されたmRNAの逆転写によって行われたcDNA挿入物の部分配列を示す。
「転写像」は、ライブラリーにESTsの定量的分配を示す表またはリストを示し、そしてそのライブラリーができた組織内で活性な遺伝子を表す。
本発明は、特異的結合構成員を利用する検定を提供する。ここで使用される場合に「特異的結合構成員」は、特異的結合対の構成員である。すなわち、化学的または物理的手段により、それらの分子の1つが特異的に第二の分子に結合している2つの異なる分子である。したがって、共通の免疫検定の抗原および抗体特異的結合対に加えて、他の特異的結合対としては、ビオチンおよびアビジン、炭化水素およびレクチン、相補的ヌクレオチド配列、イフェクターおよびレセプター分子、補因子および酵素、酵素阻害剤および酵素等が挙げられる。さらに、特異的結合対は、元の特異的結合構成員、例えば分析物類似体に類似する構成員を包含できる。免疫反応性特異的結合構成員としては、抗原、抗原断片、抗体および抗体断片、組換え体DNA分子によって形成されたものを含めてモノクローナルおよびポリクローナルさらにそれらの複合体が挙げられる。
ここで使用される場合に「ハプテン」という用語は、抗体に結合する能力はあるが、担体タンパク質に結合されない限り抗体形成を誘発する能力のない部分的抗原または非タンパク質結合構成員を示す。
ここで使用される場合に「捕捉試薬」という用語は、サンドイッチ検定におけるような分析物に、拮抗的分析におけるような指標試薬または分析物に、あるいは間接検定におけるような、それ自体分析物に特異的な補助的特異的結合構成員のいずれかに特異的な未標識の特異的結合構成員を示す。捕捉試薬は、検定の実行前または検定の実行中固相材料に直接または間接的に結合されて、その結果試験試料から固定化複合体を分離することが可能になる。
ここで使用される場合に「特異的結合構成員」は、特異的結合対の構成員を意味する。すなわち、化学的または物理的手段を通して分子の1つが、第二の分子に特異的に結合する2つの異なる分子である。
「指標試薬」は、外的性手段によって検出でき、そして特異的結合構成員に結合した(「付着した」)測定可能なシグナルを発生する能力があり、そして発生する「シグナル発生化合物」(「標識」)を包含する。特異的結合対の抗体構成員であることに加えて、指標試薬も、ビオチンまたは抗ビオチン、アビジンまたはビオチン、炭化水素またはレクチンのようなハプテン−抗ハプテン系、相補的ヌクレオチド配列、エフェクターまたはレセプター分子、酵素補因子および酵素、酵素阻害剤または酵素等を含めて全ての特異的結合対の構成員であることもできる。免疫反応性特異的結合構成員は、抗体、抗原、またはサンドイッチ法でのように関心のあるポリペプチドに、拮抗的検定でのように捕捉試薬に、または直接検定でのように補助的特異的結合構成員のいずれかに結合する能力のある抗体/抗原複合体でありうる。プローブおよびプローブ検定を記述する場合に、「レポーター分子」という用語が使用できる。レポーター分子は、ここで上に記載されるとおりカルバゾールまたはアダマンタンのような特異的結合対の特異的結合構成員に結合したシグナル発生化合物を包含する。
種々の予測される「シグナル発生化合物類」(標識)としては、クロマゲン、酵素のような触媒、フルオレシンおよびロダミンのような蛍光化合物、ジオキセタン、アクリジニウム、フェナントリジウムおよびルミノールのような化学蛍光化合物、放射活性元素および直接可視標識が挙げられる。酵素の例としては、アルカリ性ホスファターゼ、西洋ワサビペルオキシダーゼ、ベータ−ガラクトシダーゼ等が挙げられる。特定の標識を選択することは、重要ではないが、それ自身でまたは1つあるいはそれ以上の追加の物質と結合してシグナルを生じる能力がなければばらない。
「固相」(「固形支持体」)は、当業者に知られており、そして反応トレイのウェルの壁、試験管、ポリスチレンビーズ、磁性または非磁性ビーズ、ニトロセルロース・ストリップ、膜、ラテックス粒子、ヒツジ(または他の動物)の赤血球細胞およびデュラサイツ(Duracytes)▲R▼(ビルビン酸アルデヒドおよびホルムアルデヒトによって「固定化」された赤血球細胞、イリノイ(IL)、アボットー・パーク(Abbott Park)のアボット・ラボラトリーズ(Abbott Laboratories)から入手可能)およびその他のような微細粒子を包含する。「固相」は、重要ではなく、そして当業者によって選択できる。したがって、ラテックス粒子、微細粒子、磁性または非磁性ビーズ、膜、プラスチック試験管、マイクロタイターウエルの壁、ガラスまたはシリコンチップ、ヒツジ(または他の動物)の赤血球細胞およびデュラサイツ(Duracytes)▲R▼は、全て適切な例である。固相上にペプチドを固定化する適切な方法としては、イオン性、疎水性、共有結合相互作用等が挙げられる。ここで使用される場合に「固相」は、不溶性であるかまたは連続反応によって不溶性になりうる全ての材料を示す。固相は、捕捉試薬を引付けそして固定化する固有の能力から選択できる。代りに、固相は、捕捉試薬を引付けそして固定化する能力を有する追加のレセプターを保持することができる。追加のレセプターとしては、捕捉試薬それ自身、または捕捉試薬に結合した負荷物質に関して反対に負荷される負荷物質を挙げることができる。さらに別の代替としては、レセプター分子は、その固相に固定化(付着)され、そして特異的結合反応を通して捕捉試薬を固定化する能力を有する全ての特異的結合構成員であってもよい。レセプター分子は、検定の実行前、または検定の実行中に捕捉試薬を固相材料に間接的に結合させることを可能にする。得られた固相は、プラスチック、誘導化プラスチック、磁性または非磁性金属、試験管のガラスまたはシリコン表面、マイクロタイターウエル、シート、ビーズ、微細粒子、チップ、ヒツジ(または他の適切な動物)の赤血球細胞、デュラサイツ(Duracytes)▲R▼そして当業者に知られた他の形状でありうる。
固相も、検出抗体によって接触させるのに十分な多孔性、および抗原を結合するのに適切な表面親和性を示す適切な全ての多孔質材料を包含できることが予測され、そして本発明の範囲内にある。微細多孔性構造が、一般に好まれるが、水和状態にあるゲル構造を示す材料も、同様に使用することができる。このような有用な固形支持体としては、限定されるものではないが、ニトロセルロースおよびナイロンが挙げられる。ここに記載されるこのような多孔性固形支持体は、約0.01〜0.5mm、好ましくは約0.1mmの厚みのシートの形態であるのが好ましいことが予測される。孔のサイズは、広範な限定の範囲で変化でき、そして約0.025〜15ミクロン、特に約0.15〜15ミクロンであることが好ましい。このような支持体の表面は、その支持体に対する抗原または抗体の共有結合を起こす化学的方法によって活性化されうる。しかし、抗原または抗体の不可逆結合が、一般に、ほとんど理解されていない疎水性力によって多孔性材料に吸収されることによって得られる。他の適切な固形支持体は、当業界で公知である。
試薬
本発明は、関心のある胸部組織から誘導され、そしてBU101と称されるポリヌクレオチド配列、その結果コードされたポリペプチドおよびこれらのポリペプチドに特異的な抗体のような試薬を提供する。本発明は、開示されたポリヌクレオチドから誘導されるオリゴヌクレオチド断片、これらのポリヌクレオチドに相補的な核酸配列のような試薬も提供する。本発明のポリヌクレオチド、ポリペプチドまたは抗体は、ガンのような胸部の疾病および症状を検出し、診断し、探り、監視し、予知し、予防しまたは治療すること、または素因を決定するのにいたる情報を提供するのに使用することができる。ここに開示される配列は、検定に、または特異的プロフィールの遺伝子転写活性のを生み出すために使用できる独特のポリヌクレオチドを表す。このような検定は、欧州特許番号0373203B1号および国際公開番号WO95/11995に開示されてる。
選択されたBU101誘導ポリヌクレオチドは、正常なまたは変質遺伝子発現を検出するために、ここに記載の方法で使用することができる。このような方法は、BU101ポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチド、断片またはそれらの誘導体、またはそれに相補的な核酸配列を使用することができる。
ここに開示されるポリヌクレオチド、それらの相補的配列またはいずれかの断片は、そこに関連した胸部組織疾病および症状に関連する遺伝子、核酸、cDNAsまたはmRNAsを検出、増幅または定量する検定に使用することができる。それらは、BU101ポリペプチドの全部または部分的コーディング領域を同定するのにも使用することができる。さらにそれらは、検定用のキットの形態で個々の容器で提供すること、または個々の組成物として提供することもできる。検定用のキットで提供される場合、緩衝液のような他の適切な試薬、抱合体等が包含されうる。
ポリヌクレオチドは、RNAまたはDNAの形態であってよい。DNA、cDNA、ゲノムDNA、核酸類似体および合成DNAの形態のポリヌクレオチドは、本発明の範囲内にある。そのDNAは、二本鎖であってもまたは一本鎖であってもよいが、一本鎖になった場合、コーディング(センス)鎖または非コーディング(アンチセンス)鎖でありうる。ポリペプチドをコードするコーディング配列は、ここに提供されるコーディング配列と同一であってもよいか、またはコーディング配列が、遺伝子コードの重複性または縮重の結果として、ここに提供されるDNAと同じポリペプチドをコードする別のコーディング配列であってもよい。
このポリヌクレオチドは、そのポリペプチドのコーディング配列のみ、またそのポリペプチドのコーディング配列およびリーダーまたはセクレタリー(分泌)配列またはプロタンパク質配列のような追加のコーディング配列、またはそのポリペプチドのコーディング配列(および任意に追加のコーディング配列)およびそのポリペプチドのコーディング配列の非コーディング配列5’および/または3’のような非コーディング配列を包含することもできる。
さらに、本発明は、ポリヌクレオチド欠失、置換または付加のような改変を含む変異体ポリヌクレオチド、およびその変異体ポリヌクレオチド配列から生じる全てのポリペプチド改変を包含する。本発明のポリヌクレオチドは、ここに供されるコーディング配列の天然に生じる対立変異体であるコーディング配列を有することもできる。
さらに、そのポリペプチドのコーディング配列は、宿主細胞、例えばその細胞からポリペプチドの移行を制御する分泌配列として機能するリーダー配列からポリペプチドを発現および分泌する助けになるポリヌクレオチド配列と同じ読取り枠で融合できる。リーダー配列を有するポリペプチドは、前駆体タンパク質であり、そしてその宿主細胞によって切断されたリーダー配列を有していて、そのポリペプチドを形成することができる。そのポリヌクレオチドは、そのタンパク質および追加の5’アミノ酸残基であるプロタンパク質をコードすることもできる。プロ配列(prosequence)を示すタンパク質は、プロタンパク質であり、そしてある場合には、タンパク質の不活性形態であることができる。いったんプロ配列が切断されると、活性タンパク質が残る。したがって、本発明のポリヌクレオチドは、タンパク質を、またはプロ配列を有するタンパク質を、またはプロ配列(リーダー配列)およびプロ配列の両方を有するタンパク質をコードしてよい。
本発明のポリヌクレオチドは、本発明のポリペプチドを精製させるマーカー配列に対する枠に融合されたコーディング配列を有することもできる。そのマーカー配列は、細菌宿主の場合にそのマーカーに融合したポリペプチドを精製することを提供するpQE−9ベクターによって供給されるヘキサ−ヒスチジン・タグであってよく、または例えば、そのマーカー配列は、哺乳類宿主、例えばCOS−7細胞株が使用される場合に、ヘマグルタチン(HA)タグであってよい。HAタグは、インフルエンザ・ヘマグルタチニン・タンパク質から誘導されるエピトープに対応する。例えば、アイ.ウイルソンらのセル(Cell)、37:767(1984)参照。
そのポリヌクレオチドと配列の間に少なくとも50%、好ましくは少なくとも70%そしてさらに好ましくは少なくとも90%の相同性がある場合には、ポリヌクレオチドは、ここに供された配列にハイブリダイズすると考えられるとが予測される。
本発明は、少なくとも一部のポリペプチドが、ここに供されたポリヌクレオチドから選択されたBU101ポリヌクレオチドによってコードされる精製BU101ポリペプチドを用いることによって産生される抗体をも提供する。これらの抗体は、試験試料でBU101抗原を検出するためにここで供された方法で使用することができる。試験試料中のBU101抗原の存在は、胸部疾病または症状の存在を示すものである。抗体も、治療の目的、例えば変質または異常発現に関連した条件でのBU101ポリペプチドの活性を中和する際に使用することもできる。
本発明は、さらにここに供されるとおり推定アミノ酸配列を有するBU101ポリペプチド、並びにそのようなポリペプチドの断片、類似体および誘導体に関する。本発明のポリペプチドは、組換え体ポリペプチド、天然の精製ポリペプチドまたは合成ポリペプチドであってよい。BU101ポリペプチドの断片、誘導体または類似体は、1つまたはそれ以上のアミノ酸残基が、保存または非保存アミノ酸残基(好ましくは保存アミノ酸残基)で置換されているものであってよく、そしてこのような置換アミノ酸残基は、遺伝子コードによってコードされたものであってもまたはなくともよく、あるいは、1つまたはそれ以上のアミノ酸残基が置換基を包含するものであってよく、あるいは、そのポリペプチドが、ポリペプチドの半減期を増加する化合物(例えば、ポリエチレングリコール)のような別の化合物に融合しているものであってもよく、あるいは、その追加のアミノ酸が、リーダーまたは分泌配列、またはそのポリペプチドの精製に使用される配列あるいはプロタンパク質配列のようなポリペプチドに融合しているものでもよい。このような断片、誘導体および類似体は、本発明の範囲内にある。本発明のポリペプチドおよびポリヌクレオチドは、好ましくは単離形態で提供され、そして精製されるのが好ましい。
したがって、本発明のポリペプチドは、天然に生じるポリペプチドのものと同じであるか、または1つまたはそれ以上のアミノ酸置換のため、小さな変更によって異なるアミノ酸配列を有することができる。その変更は、典型的には約1〜5のアミノ酸(ここで、置換アミノ酸は、同様の構造または化学的特性を示す。)の範囲にある「保存的変化」であってよく、例えば、ロイシンをイソロイシンに置換すること、またはスレオニンをセリンに置換することである。対照的に、変更としては、非保存的変化、例えばグリシンをトリプトファンに置換することを挙げることができる。同様の小さな変更としては、アミノ酸の欠失または挿入あるいは両方を包含する。いずれのそしてどのくらいのアミノ酸残基が生物学上または免疫学上の活性を変化させることなく置換、挿入または欠失されるかを決定する基準は、当業界でよく知られるコンピュータ・プログラム、例えばディーエヌエイスター(DNASTAR)ソフトウェア(ウイスコンシン(WI)、マディソン(Madison)のディーエヌエイスター.インク.(DNASTAR Inc.))を用いて見出すことができる。
本発明のポリヌクレオチド配列により構築されたプローブは、様々な型の分析を供する種々の検定法に使用することができる。例えば、このようなプローブは、蛍光原位置(in situ)ハイブリダイゼーション(FISH)技術で使用して染色体分析を行うことができ、そして染色体拡散から目視可能であるか、またはPCR発生および/または対立特異的オリゴヌクレオチドプローブ、対立特異的増幅を用いて、あるいは直接シーケンシグによって検出可能な欠失またはトランスロケーションのような染色体中のガン特異的構造変質を同定するのに使用することができる。プローブは、放射性同位体、直接的にまたは間接的に検出可能なハプテン、または蛍光分子で標識することもでき、そして組織標本または細胞中のポリヌクレオチドを包含する遺伝子のmRNA発現を評価するためにin situハイブリダイゼーション研究に利用することもできる。
本発明は、ここに供されるポリヌクレオチドおよびポリペプチドを産生するための教示をも提供する。
プローブ検定
ここで提供される配列は、試験試料中の核酸を検出するための検定に使用することができるプローブを産生するのに使用することができる。プローブは、目的のポリヌクレオチドの保存ヌクレオチド領域から、または目的のポリヌクレオチドの非保存ヌクレオチド領域から設計できる。検定で最適化するためのこのようなプローブの設計は、通常の技術者の技術の範囲内である。一般に、核酸プローブは、最大の特異性が望まれる場合、非保存または特徴的な領域から発生され、そして核酸プローブは、様々な構成員の多遺伝子ファミリーに密接に関連するか、またはマウスおよびヒトのような種に関連するヌクレオチド領域を検定する場合には保存領域から発生される。
ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は、核酸またはそれらの混合物に含まれる所望の核酸配列(標的)を増幅する技術である。PCRでは、標的核酸の相補鎖にハイブリダイズするために過剰に一対のプライマーが使用される。それらのプライマーは、鋳型として標的核酸を用いてポリメラーゼにより各々伸長される。伸長産物は、それら自身標的配列になり、そして元の標的鎖から分離される。その後、新たなプライマーはポリメラーゼによってハイブリダイズし、そして伸長され、そしてそのサイクルは、繰返されて標的配列分子の数を幾何級数的に増加させる。PCRは、米国特許第4,683,195号および第4,683,202号に開示されている。
リガーゼ連鎖反応(LCR)は、核酸増幅の代替法である。LCRで、プローブ対が使用され、それは、2つの一次(第一および第二)および2つの二次(第三および第四)プローブを包含し、その全てが標的に過剰なモル数で使用される。第一プローブは、標的鎖の第一のセグメントにハイブリダイスし、そして第二プローブは、標的鎖の第二のセグメントにハイブリダイスし、そして第一および第二セグメントは、隣接し、そのためその一次プローブは、5’リン酸−3’水酸基の関係で互いに接しており、そしてそのためにリガーゼが、その2つのプローブを融合産物に共有結合的に融合またはライゲート(結合)できる。さらに、第三(二次)プローブは、第一プローブの一部にハイブリダイズでき、そして第四(二次)プローブは、同様の隣接状態で第二プローブの一部にハイブリダイズできる。もちろん、標的は当初は二本鎖である場合、二次プローブは、第一の例に相補的な標的にハイブリダイズもする。いったん一次プローブのライゲート鎖が標的鎖から分離されると、それは、ライゲートして相補的二次ライゲート産物を形成できる第三および第四プローブとハイブリダイズする。ライゲート産物が標的またはその相補物のいずれかと機能的に同等であることを認識することは重要である。ハイブリダイゼーションおよびライゲーションの反復サイクルによって、標的配列の増幅が達成される。この技術は、1989年6月16日に発行されたケイ.バックマン(K.Backman)による欧州特許 A−320308号に、そして1991年7月31日に発行されたケイ.バックマンらによる欧州特許出願 A−439182号にいっそう完全に記載されている。
mRNAsの増幅について、ポリメラーゼ連鎖反応によって行われるmRNAをcDNAに逆転写すること(RT−PCR)、米国特許第5,322,770号に記載のとおり両方の段階に単一の酵素を使用すること、またはアール.エム.マーシャル(R.L.Marshall)らのピーシーアール・メソッズ・アンド・アプリケーションズ(PCR Methods and Applications)4:80−84(1994)に記載されるとおり、非対称ギャップリガーゼ連鎖反応によって行われるmRNAをcDNAに逆転写すること(RT−AGLCR)は、本発明の範囲内にある。
ここで利用できる他の公知の増幅法としては、限定されるのもではないが、ジェイ.シー.ガテリ(J.C.Guatelli)らのピーエヌエイエス ユーエスエイ(PNAS USA)87:1874−1878(1990)に記載され、そしてジェイ.コンプトン(J.Compton)のネーチャー(Nature)350(第6313):91−92(1991)によって記載されるいわゆる「NASBA」または「3SR」技術;公開された欧州特許出願(EPA)第4544610号に記載されているQ−ベータ増幅;鎖置換増幅(ジー.ティー.ワーカー(G.T.Walker)らのクリン.ケム.(Clin.Chem.)42:9−13(1996)および欧州特許出願(EPA)第684315号に記載されている);および国際公開第WO93/22461号に記載のとおりの標的媒介性増幅が挙げられる。
BU101の検出は、当業界で現在よく知られているそれらの検出方法並びに後に展開できる検出攻略法を含めた任意の適切な検出方法を用いて達成することができる。例えば、カスケイ(Caskey)らの米国特許第5,582,989号、ゲルファンド(Gelfand)らの米国特許第5,210,015号参照。このような検出法の例としては、標的増幅方法並びにシグナル増幅技術が挙げられる。現在公知の検出方法の例としては、PCR、LCR、NASBA、SDA、RCRおよびTMAに該当する核酸増幅技術が挙げられる。例えば、カスケイ(Caskey)らの米国特許第5,582,989号、ゲルファンド(Gelfand)らの米国特許第5,210,015号参照。検出は、スニットマン(Snitman)らの米国特許第5,273,882号に記載されるもののようなシグナル増幅を用いても達成できる。標的またはシグナルの増幅が現時点で好まれる一方で、増幅を必要としない超感受性検出方法がここに利用できることが予測され、本発明の範囲内にある。
増幅および非増幅の両方の検出は、様々な異種起源および同種起源の検出フォーマットを用いて(組合せて)行うことができる。異種起源の検出フォーマットの例は、スニットマン(Snitman)らの米国特許第5,273,882号、アルバレラ(Albarella)らの欧州特許第84114441.9号、ウルデア(Urdea)らの米国特許第5,124,246号、ウルマン(Ullman)らの米国特許第5,185,243号およびクリルスキー(Kourilsky)らの米国特許第4,581,333号に開示される。同種起源の検出フォーマットの例は、カスケイ(Caskey)らの米国特許第5,582,989号、ゲルファンド(Gelfand)らの米国特許第5,210,015号に開示される。ハイブリダイゼーション検定で多部位プローブの使用も予想され、本発明の範囲内であり、そしてそれはBU101の感受性および増幅を改善するのに使用する。例えば、カスケイ(Caskey)らの米国特許第5,582,989号、ゲルファンド(Gelfand)らの米国特許第5,210,015号参照。
1つの態様で、本発明は、一般に標的ポリヌクレオチド配列を含むことが推測される試験試料を、増幅プライマーおよびアンプリコン配列の内部領域にハイブリダイズできる検出プローブを包含する増幅反応試薬に接触する段階を包含する。ここで供される方法によって使用されるプローブおよびプライマーは、捕捉および検出標識で標識され、ここで、プローブは、1つの型の標識で標識され、そしてプライマーは、別の型の標識で標識されている。さらに、プライマーおよびプローブは、プローブ配列がプライマー配列より低い融解温度を有するように選択される。増幅試薬、検出試薬および試験試料が増幅条件下におかれ、それによって、標的配列の存在下で、標的配列のコピー(アンプリコン)が産生される。通常の場合には、プライマーが標的配列およびその相補鎖を増幅するために提供されるので、そのアンプリコンは二本鎖である。その後、二本鎖アンプリコンが、熱的に変性されて一本鎖アプリコン構成員を産生する。一本鎖アンプリコン構成員の形成については、混合物を冷却して、プローブと一本鎖アンプリコン構成員の間の複合体を形成させる。
一本鎖アプリコン配列およびプローブ配列を冷却する場合に、プローブ配列は、一本鎖アンプリコン構成員を優先的に結合する。プローブ配列が一般にプライマー配列より短いものに選択され、したがってプライマーより低い融解温度を示したこの発見が、客観的に示される。したがって、そのプライマーによって産生されたアンプリコンの融解温度は、そのプローブより高い溶解温度も有する。つまり、その構成員を冷却する場合、二本鎖アンプリコンの再形成が予測される。しかし先に示されたとおり、これは実状ではない。プローブが一本鎖アンプリコン構成員を優先的に結合することが分かる。さらに、プローブ/一本鎖アンプリコン結合のこの優先性は、プライマー配列がプローブより超過して添加される場合でさえ存在する。
プローブ/一本鎖アンプリコン構成員ハイブリッドが形成された後、それらは検出される。標準異種起源検定・フォーマットは、プライマーおよびプローブ上に存在する検出標識および捕捉標識を用いてハイブリッドを検出するのに適している。そのハイブリッドは、捕捉標識によって固相試薬に結合でき、そして検出標識によって検出できる。検出標識が直接的に検出できる場合には、固相上のハイブリッドの存在が、その標識に検出可能なシグナルを産生させ、そして必要であれば、シグナルを検出することによって検出できる。標識が直接的に検出可能でない場合には、捕捉されたハイブリッドは、一般に間接的に検出可能な標識に付着した結合構成員を包含する抱合体に接触できる。抱合体は、その複合体に結合し、そして復合体に存在する抱合体は、直接的に検出可能な標識で検出することができる。したがって、固相試薬上のハイブリッドの存在は、測定できる。当業者は、未ハイブリダイズ化アンプリコンまたはプローブ並びに未結合抱合体を洗い流すために洗浄段階が使用できることを認識する。
その標的配列は、一本鎖として記載されているが、標的配列が実際には、二本鎖であるが、増幅プライマー配列とのハイブリダイゼーション前にその相補物から単に分離されている場合を包含することも予測される。PCRがこの方法に使用される場合には、標的配列の末端は通常知られている。LCRまたはそれらの改変法が好ましい方法に使用される場合には、全標的配列は、通常公知である。代表的には、標的配列は、例えばRNAまたはDNAのような核酸配列である。
ここで提供される方法は、特にPCRおよびギャップLCR(GLCR)での熱サイクル反応混合物を含めた十分に知られた増幅反応に使用することができる。増幅反応では、一般にその標的配列が通常、より大きな核酸配列の小さな領域である、標的核酸配列のコピーを繰返して生成するプライマーが使用される。プライマーはそれら自身、標的配列の領域に相補的である核酸配列である。増幅条件下で、これらのプライマーは、標的配列の相補的領域にハイブリダイズまたは結合する。標的配列のコピーは、一般にポリメラーゼまたはリガーゼ活性で酵素を利用するプライマー伸長および/またはライゲーションを行い、別々にまたは組合せてヌクレオチドを、ハイブリダイズしたプライマーに加えるおよび/または隣接プローブにライゲートすることによって生成される。単量体または実効オリゴマーとしてプライマーまたはプローブに加えられたヌクレオチドは、標的配列に相補的でもある。いったんプライマーまたはプローブが十分に伸長および/またはライゲートされたら、それらは、例えば反応混合物を、相補的核酸鎖が分離するものである「融解温度」まで加熱することによって、標的配列から分離される。したがって、その標的配列に相補的な配列が形成される。
その後、新規増幅サイクルが発生し、任意の二本鎖配列を分離し、そしてプライマーまたはプローブにそれぞれの標的をハイブリダイズさせ、ハイブリダイズしたプライマーまたはプローブを伸長および/またはライゲーションし、そして再分離することによって、さらに多くの標的配列を増幅する。増幅サイクルによって生成された相補的配列は、プライマー伸長、または多くの標的配列をさらに増幅する2つのプライマーのギャップを埋めるための鋳型として働くことができる。一般に、反応混合物は、20と100回の間で反復され、さらに特には、反応混合物は、25と50回の間で反復される。サイクルの数は、通常の従事者によって決定することができる。この方法で、標的配列およびその相補的配列の複数のコピーが産生される。したがって、プライマーは、それが増幅条件下で存在する場合に標的配列の増幅を開始させる。
一般に、標的鎖およびその相補物の一部に相補的な2つのプライマーがPCRに使用される。LCRについては、そのうち2つは標的配列に相補性があり、そしてそのうちの2つは、標的の相補物に同様に相補性であるその4つのプローブが一般に使用される。プライマーのセットと先に記載した酵素に加えて、核酸増幅反応混合物は、十分に知られている他の試薬を包含してもよく、そしてそれには限定されないが、マンガン、マグネシウム、塩類、ニコチンアミド アデニンジヌクレオチド(NAD)のような酵素補因子類;例えばデオキシアデニントリプトファン、デオキシグアニントリプトファン、デオキシシトシントリプトファンおよびデオキシチミントリプトファンのようなデオキシヌクレオチドトリプトファン類(dNTPs)が挙げられる。
増幅プライマーが、標的配列の増幅を開始させる一方で、検出(またはハイブリダイゼーション)プローブは、増幅には関連しない。検出プローブは、一般に例えば、国際公開番号WO92/20702号に開示されたペプチド核酸;米国特許第5,185,444号、第5,034,506号および第5,142,047号に記載されるモルホリノ類似体のような核酸配列または未負荷核酸類似体等である。プローブに担持される標識の型によって、プローブは、増幅反応によって生成されたアンプリコンを捕捉または検出するのに使用される。プローブは、標的配列の増幅には関与せず、したがって、追加のdNTPsがプローブに加えられない点で、「非伸長性」とされうる。それら自身でそしてそれら自身のうち、類似体は、通常非伸長性であり、そして核酸プローブは、水酸基がもはや拡張に参与できないようにプローブの3’末端を修飾することによって非伸長性にさせることができる。例えば、そのプローブの3’末端は、捕捉または検出標識で官能化してその結果水酸基を消費するかあるいは保護することができる。あるいは、3′水酸基は、単に切断するか、置換するかまたは修飾することができる。1993年4月18日に出願された米国特許出願連番第07/049,061号には、プローブを非伸長性にさせるのに使用できる修飾法が記載されている。
プライマーのプローブに対する比は、重要ではない。したがって、プローブまたはプライマーのいずれかが、過剰に反応混合物に加えられ、それによって一方の濃度が他方の濃度より大きくなる。あるいは、プライマーおよびプローブは、等しい濃度で使用することができる。しかし、プライマーは、プローブを超過して反応混合物に加えられることが好ましい。したがって、例えば5:1および20:1のプライマー対プローブ比が好まれる。
プライマーおよびプローブの長さは変化できる一方で、プローブ配列は、プライマー配列より低い融解温度を示すように選択される。それで、プライマー配列は、一般にプローブ配列より長い。特に、プライマー配列は、20と50ヌクレオチド長の範囲、さらに特に20と30ヌクレオチド長の間の範囲にある。典型的なプローブは、10と25ヌクレオチド長の間の範囲にある。
プライマーおよびプローブを合成する種々の方法が当業界でよく知られている。同様に、標識をプライマーまたはプローブに付着させる方法も当業界でよく知られている。例えば、従来のヌクレオチドホスホルアミダイト化学およびアプライド・バイオシステムズ,インク.(Applied Biosystems,Inc.)(カリフォルニア(CA)、フォースター・シティー(Foster City))、デュポン(Dupont)(デラウエア(DE)、ウイルミントン(Wilmington))またはミリゲン(Milligen)(マサチューセッツ(MA)、ベッドフォード(Bedford))から入手できる装置を用いて、所望の核酸プライマーまたはプローブを合成するのは通常のことである。本発明のプライマーまたはプローブのようなオリゴヌクレオチドを標識するのに多くの方法が記載された。エンゾ・バイオケミカル[(Enzo Biochemical)、ニューヨーク(NY)、ニューヨーク(New York)]およびクロンテック[(Clontech)、カリフォルニア(CA)、パロ・アルト(Palo Alto)]の両方に、プローブ標識技術が記載され市販されている。例えば、3’−アミン−ON CPGTM(カリフォルニア、パロ・アルトのクロンテック)を用いて、一次アミンを3′オリゴ末端に付着させることができる。同様に、アミノモディファイヤー(Aminomodifier)II▲R▼(クロンテック)を用いて、一次アミンを5′オリゴ末端を付着させることができる。従来の活性化および結合化学を用いて、アミンを種々のハプテンと反応させることができる。さらに、同時係続出願中の1990年12月11日出願の米国特許出願連番第625,566号、および1990年12月20日出願の米国特許出願連番第630,908号では、それぞれ、それらの5’および3’末端でプローブを標識する方法が教示されている。1992年6月25日に発行された国際公開番号WO92/10505号および1992年7月9日に発行された国際公開番号WO92/11388号では、それぞれ、それらの5’および3’末端でプローブを標識する方法が教示されている。オリゴヌクレオチドを標識する1つの公知方法によって、標識ホスホルアミダイト試薬を調製し、そしてその合成の間にオリゴヌクレオチドに標識を付けるのに使用する。例えばエヌ.ティー.トン(N.T.Thoung)らのテト.レターズ(Tet.Letters)29(46):5905−5908(1988)、またはジェイ.エス.コーエン(J.S.Cohen)らの発行米国特許出願連番第07/246,688号(エヌティーアイエス・オーダー(NTIS ORDER)番号PAT−APPL−7−246,688))(1989)参照。プローブは、それらの3′および5′末端で標識されるのが好ましい。
捕捉標識をプライマーまたはプローブに付着させ、そして固相試薬の特異的結合構成員と結合対を形成する特異的結合構成員でありうる。プライマーまたはプローブそれ自身が捕捉標識として働くことが分かる。例えば、固相試薬の結合構成員が核酸配列であれば、それが、プライマーまたはプローブの相補的部分を結合するように選択し、その結果固相にプライマーまたはプローブを固定化することができる。プローブが、それ自身結合構成員として働く場合には、当業者は、そのプローブが、一本鎖アンプリコン構成員に相補的ではない配列または「尾部」を含有することを認識する。プライマーそれ自身が、捕捉標識として働く場合には、そのプローブがそのプライマー配列に十分に相補的ではないように選択されるので、少なくとも一部のプライマーは、固相上の核酸とハイブリダイズすることから免れる。
一般に、プローブ/一本鎖アンプリコン構成員複合体は、異種起源の免疫検定を行うのに一般に使用される技術を用いて検出することができる。好ましくは、この態様では、市販のアボット(Abbott)LCx▲R▼装置(イリノイ(IL)、アボット・パーク(Abbott Park)のアボット・ラボラトリーズ(Abbott Labortories)によって、使用されるプロトコールによって検出が行われる。
ここに開示されるプライマーおよびプローブは、その中で、試験試料が一対のプライマーと接触している典型的なPCR検定に有用であり、増幅が行われ、ハイブリダイゼーションプローブを加え、そして検出を行う。
本発明によって提供される別の方法は、その中で少なくとも1つのポリヌクレオチドがここに記載されるとおりBU101分子である複数のポリヌクレオチドと試験試料を接触させ、その複数のポリヌクレオチドと試験試料をハイブリダイズし、そしてハイブリダイゼーション複合体を検出することを包含する。ハイブリダイゼーション複合体を同定し、定量して、胸部ガンのような胸部組織疾病を示しているプロフィールを収集する。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を含めた当業界でよく知られた手段によってDNA産物の逆転写および増幅をすることによって、発現RNA配列をさらに検出することができ。
医薬スクリーニングおよび遺伝子治療
本発明は、胸部組織疾病または症状、特に胸部ガンに関連したポリヌクレオチドの異常な発現に関連した症状を示す患者に、本発明のポリヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドのようなアンチセンスBU101誘導分子を導入する遺伝子治療法を使用することを包含する。アンチセンスRNAおよびDNA断片およびリボザイムを含めたこれらの分子は、BU101−mRNAの翻訳を阻害するように設計され、そしてBU101ポリヌクレオチドの変質および異常な発現に関連した症状の治療に治療的に使用することができる。
あるいは、上に記載されたオリゴヌクレオチドは、アンチセンスRNAまたはDNAが上述の方法でBU101ポリペプチドの産生を阻害するためにin vivoで発現できるような当業界で公知の手段によって細胞に分配されうる。したがって、BU101ポリヌクレオチドに対するアンチセンス構築物は、BU101転写の作用を逆行し、そして胸部ガンのような胸部組織の疾病症状を治療するのに使用できる。これらのアンチセンス構築物は、腫瘍転移を治療するのに使用することもできる。
本発明は、BU101ポリペプチド(1つまたは複数)に対する特異的結合の複数の化合物、またはそれらの全ての断片をスクリーニングして、BU101ポリペプチドを特異的に結合する少なくとも1つの化合物を同定する方法をも提供する。このような方法は、少なくとも1つの化合物を提供し、結合させるのに十分な回数適切な条件下でBU101ポリペプチドを各化合物と混合し、そして各化合物に結合するBU101ポリペプチドを検出する段階を包含する。
このような試験に使用されるポリペプチドまたはペプチド断片は、溶液中で遊離しているか、固形支持体に付着されているか、細胞表面に運ばれるか、または細胞間に配置されているかのいずれかであってよい。医薬スクリーニングの一つの方法は、ポリペプチドまたはペプチド断片を発現できる組換え体核酸に安定に形質移入された原核または真核宿主細胞を利用する。医薬を、拮抗結合検定でこのような形質移入細胞に対してスクリーニングをすることができる。例えば、ポリペプチドおよび試験されるべき薬剤の間の複合体の形成を、生存可能または固定された細胞のいずれかで測定することができる。
したがって、本発明は、BU101に関連した疾病を治療するのに使用することができる医薬または任意の他の薬剤をスクリーニングする方法を提供する。これらの方法は、医薬をポリペプチドまたはそれらの断片と接触させ、そしてその薬剤とポリペプチドとの間の複合体の存在またはポリペプチドと細胞の間の複合体の存在について検定することを包含する。拮抗結合検定では、ポリペプチドは、典型的に標識される。適切なインキュベーションの後、遊離(未複合化)ポリペプチドまたはそれらの断片を結合形態で存在するものから分離され、そして遊離または未複合化標識の量は、ポリペプチドに結合するかまたはポリペプチド/細胞複合体を干渉する特定の医薬の効力を測定するのに使用される。
本発明は、ポリペプチドまたはその断片に結合する試験医薬と、特異的に競合するポリペプチドを結合する能力のある抗体を中和する、拮抗的医薬スクリーニング検定を使用することも包含する。この手順により、抗体は、ここで提供されるとおりのBU101ポリペプチドと1つまたはそれ以上の抗原決定基を共有する試験試料中の任意のポリペプチドの存在を検出するのに使用することができる。
医薬スクリーニングのための別の技術は、ここに開示されるBU101の少なくとも1つのポリペプチドに適切な結合親和性を示す化合物についての高流量スクリーニングを提供する。つまり、多量の様々な小さなペプチド試験化合物が、プラスチック製ピンまたはいくつかの他の表面のような固相で合成される。ペプチド試験化合物をポリペプチドと反応させ、洗浄する。固相に結合して得られたポリペプチドは、当業界でよく知られた方法によって検出される。精製ポリペプチドを、ここに記載の医薬スクリーニング技術に使用するプレート上に直接に被覆することもできる。さらに、非中和抗体は、ポリペプチドを捕捉し、そして固形支持体上にそれを固定するのに使用することができる。例えば、1984年9月13日に発行された欧州特許第84/03564号参照。
合理的医薬設計の目標は、構造的に類似な関心のある生物学的に活性なポリペプチドおよび作動薬、拮抗薬、またはそれらが相互作用する阻害剤を含めた小さな分子のものを製造することである。このような構造的類似体は、より活性で安定な形態のポリペプチドであるかまたはin vivo(生体内)でポリペプチドの機能を増進するかまたは干渉する医薬を設計するのに使用することができる。ジェイ.ホジソン(J.Hodgson)のバイオ/テクノロジー(Bio/Technology)9:19−21(1991)。
例えば、1つのアプローチとして、三次元構造のポリペプチドまたはポリペプチド阻害剤複合体は、x線結晶構造解析により、コンピュータモデル化により、または最も一般的にはその2つのアプローチの組合せにより測定される。そのポリペプチドの形状および負荷の両方は、その分子の構造を明らかにすることおよび活性部位(1つまたは複数)を決定するために確認されなければならない。たまに、ポリペプチドの構造に関して有用な情報は、同種起源のタンパク質の構造に基づいたモデル化によって得ることができる。両方の場合に、関連の構造上の情報は、類似のポリペプチド様分子を設計するかまたは有効な阻害剤を同定するのに使用される。
合理的医薬設計の有用な例としては、エス.ブラクストン(S.Braxton)らのバイオケミストリー(Biochemistry)31:7796−7801(1992)によって示されるとおり活性または安定性を改善した分子、またはエス.ビー.ピー.アサウダ(S.B.P.Athauda)らのジェイ.バイオケム.(J.Biochem.)トーキョウ(Tokyo)113:(6):742−746(1993)によって示されるとおりの天然のペプチドの阻害剤、作動薬、または拮抗薬として作用する分子が挙げられる。
以前に記載されたような検定によって選択された標的特異的抗体を単離し、そしてその後それの結晶構造を決定することも可能である。原理的には、このアプローチは、連続医薬設計が基礎とされる薬作用発生団を生じる。さらに、機能性で薬学上活性な抗体に対する抗イデオタイプの抗体(「抗−ids」)を生成することによって、全体的にタンパク質結晶構造解析を回避することも可能である。鏡像の鏡像として、抗−idの結合部位は、元のレセプターの類似体である。その後、抗−idは、化学的にまたは生物学的に製造されたペプチドの層から得られるペプチドを同定および単離するのに使用することができる。その後、単離ペプチドは、薬作用発生団(すなわち、プロトタイプの医薬用薬)として作用することができる。
十分な量の本発明の組換え体ポリペプチドを入手することができて、X線結晶構造解析のような解析的研究を行うことができる。さらに、ここに提供される核酸配列から誘導できるポリペプチドアミノ酸配列の知識は、x線結晶構造解析の代わりに、または加えてコンピュータモデル化技術を使用するものに対する指針を提供する。
BU101ポリペプチド(例えば、抗−BU101抗体)に特異的な抗体は、さらにポリペプチドに結合させることによって、ポリペプチドの生物学的作用を阻害するのに使用できる。この方法では、抗体は、治療で、例えば胸部ガンおよびその転移を含めた胸部組織疾病を治療するために使用することができる。
さらに、このような抗体は、試験試料中のBU101ポリペプチドの存在または不存在を検出することができ、そしてしたがって、胸部組織疾病または症状、特に胸部ガンを診断するための診断用マーカーとして有用である。このような抗体は、胸部ガンのような胸部組織疾病または症状についての診断用マーカーとしても機能できる。本発明は、本発明のポリペプチドの拮抗薬および阻害剤にも向けられる。拮抗薬および阻害剤は、そのポリペプチドの機能を阻害または打消すものである。したがって、例えば、拮抗薬は、本発明のポリペプチドに結合し、そしてその機能を阻害または打消すことができる。例えば、拮抗剤は、BU101ポリペプチドを結合することによってBU101ポリペプチドの活性を打消すポリペプチドに対する抗体であってもよいか、またはある場合には、拮抗剤は、オリゴヌクレオチドであってもよい。小さな分子阻害剤の例としては、それに限定されるものではないが、小ペプチドまたはペプチド様分子が挙げられる。
拮抗剤および阻害剤は、それに限定されるものではないが、生理学的食塩水、平衡生理学的食塩水、デキストロース、水、グリセロール、エタノールおよびそれらの組合せを含めた製薬上許容しうる担体を有する組成物として使用できる。BU101ポリペプチド阻害剤の投与は系統的であるのが好ましい。本発明は、そのようなポリペプチドの作用を阻害する抗体も提供する。
アンチセンス技術は、三重らせん形成またはアンチセンスDNAまたはRNAを通して遺伝子発現を減少させるのに使用することができ、その両方の方法は、DNAまたはRNAにポリヌクレオチドを結合することに基づいている。例えば、本発明のポリペプチドをコードするそのポリペプチド配列の5’コーディング部分は、長さ10〜40塩基対のアンチセンスRNAオリゴヌクレオチドを設計するのに使用される。DNAオリゴヌクレオチドは、転写に関与した遺伝子の領域に相補的に設計されて、その結果BU101ポリペプチドの転写および産生を防ぐ。三重らせんとしては、例えばリー(Lee)らのヌク.アシッズ・レス(Nuc.Acids Res.)6:3073(1979);コーニー(Cooney)らのサイエンス(Science)241:456(1988);およびデルバン(Dervan)らのサイエンス(Science)251:1360(1991)参照。アンチセンスRNAオリゴヌクレオチドは、in vivoでmRNAにハイブリダイズし、そしてmRNA分子をBU101ポリペプチドに翻訳するのを遮断する。アンチセンスについては、例えばオカノ(Okano)のジェイ.ニューロケム.(J.Neurochem.)56:560(1991);および「オリゴデオキシヌクレオチド・アズ・アンチセンス・インヒビターズ・オブ・ジーン・エクスプレッション(Oligodeoxynucleotides as Antisense Inhibitors of Gene Expression)」、シーアールシー・プレス(CRC Press)、ボカ・ラトン(Boca Raton)、エフエルエイ(Fla)(1988)参照。分子を核酸溶解切断に対して耐性にさせる人工的なヌクレオチド間の結合を含むように改変された場合、アンチセンスオリゴヌクレオチドは、より有効に作用する。このような人工的ヌクレオチド間結合としては、それに限定されるものではないが、メチルホスホネート、ホスホロチオエートおよびポスホロアミデートヌクレオチド間結合が挙げられる。
組換え体技術
本発明は、宿主細胞および本発明のBU101ポリヌクレオチドを包含する発現ベクターおよびそれらがコードするポリペプチド(1つまたは複数)の製造方法を提供する。このような方法は、BU101ポリヌクレオチドの発現に適切な条件下で宿主細胞を培養し、その細胞培養物からBU101ポリペプチドを回収することを包含する。
本発明は、本発明のBU101ポリヌクレオチドを含むベクター、本発明のベクターで遺伝子工学的に加工された宿主細胞、および組換え体技術によって本発明のポリペプチドを産生することも提供する。
宿主細胞は、クローニングベクターまたは発現ベクターであってよい本発明のベクターで遺伝子工学的に加工(形質移入、形質導入または形質転換)される。ベクターは、プラスミド、ウイルス粒子、ファージ等の形態であってよい。遺伝子工学的に加工された宿主細胞は、プロモーターを活性化するのに、形質移入された細胞を選択するのに、またはBU101遺伝子(1つまたは複数)を増幅するのに適切なように修飾された従来の栄養培地で培養できる。温度、pH等のような培養条件は、発現のために選択された宿主細胞で先に使用されたものであり、そして通常に習練した者に明らかである。
本発明のポヌクレオチドは、組換え体技術によるポリペプチドを産生するのに使用できる。したがって、ポリヌクレオチド配列は、様々な発現ビヒクル(伝播体)のうちのいずれか1つ、特にポリペプチドを発現するためのベクターまたはプラスミドに包含されうる。このようなベクターとしては、染色体、非染色体および合成DNA配列、例えばSV40の誘導体;細菌プラスミド;ファージDNA;酵母プラスミド;プラスミドおよびファージDNAの組合せから誘導されるベクター;ワクシニアウイルス、アデノウイルス、鶏痘ウイルスおよび仮性狂犬病のようなウイルス性DNAが挙げられる。しかし、他の全てのプラスミドまたはベクターは、それが宿主中で複製可能で生存可能である限り使用してもよい。
適切なDNA配列は、さまざまな手段によってベクターに挿入できる。一般にDNA配列は、当業界で公知の手段によって適切な制限エンドヌクレアーゼ部位に挿入される。このような手段および他のものは、当業者の範囲内であると思われる。発現ベクター中のDNA配列は、mRNA合成を指示する適切な発現制御配列(1つまたは複数)(プロモーター)に操作的に結合される。そのようなプロモーターの代表的な例としては、それに限定されるものではないが、LTRまたはSV40プロモーター、イー.コリ(E.coli)lacまたはtrp、ファージラムダPサブLプロモーターおよび原核または真核細胞またはそれらのウイルス中で発現の遺伝子を制御することが知られる他のプロモーターが挙げられる。発現ベクターは、翻訳開始のためのリボゾーム結合部位および転写終結も含む。ベクターは、発現を増幅するのに適切な配列も包含できる。さらに、発現ベクターは、真核細胞培養についてのジヒドロホレート還元酵素またはネオマイシン耐性のような、またはイー.コリ(E.coli)中のテトラサイクリンまたはアンピシリン耐性のような形質導入宿主細胞を選択するための表現型形質を供する遺伝子を含むのが好ましい。
上で記載されるとおりの適切なDNA配列並びに適切なプロモーターまたは制御配列を含むベクターは、宿主にタンパク質を発現させために適切な宿主を形質移入するのに使用することができる。適切な宿主の代表的な例としては、イー.コリ(E.coli)、サルモネラ・トフィムリウム(Salmonella typhimurium)、ストレプトマイセス・エスピー(Streptomyces sp.)のような細菌細胞;酵母のような真菌細胞;ドロソフィリア(Drosophila)およびSf9のような昆虫細胞、CHO、COSまたはボウエス・メラノーマ(Bowes melanoma)のような動物細胞;植物細胞等が挙げられる。適切な宿主の選択は、ここに提供された教示から当業者の範囲内にあると思われる。
さらに詳細には、本発明は、上で広範に記載されたとおり1つまたはそれ以上の配列を含む組換え体構築物を包含もする。構築物は、本発明の配列がそのなかに順方向または逆方向に挿入されているプラスミドまたは細菌ベクターのようなベクターを包含する。この実施態様の好ましい側面では、構築物は、さらに例えばその配列に操作可能に結合されたプロモーターを含めた制御配列を包含する。多数の適切なベクターおよびプロモーターが当業者に公知であり、そして市販で入手可能である。以下のベクターは、実施例の方法によって提供される。細菌:pINCY(カリフォルニア(CA)、パロ・アルト(Palo Alto)のインサイト・ファーマシューティカルズ(Incyte Pharmaceuticals))、pSPORT1(メリーランド(MD)、ガイザスバーグ(Gaithersburg)のライフ・テクノロジーズ(Life Technologies))、pQE70、pQE60、pQE−9(キアデン(Qiagen))、pBs、ファージスクリプト、psiX174、pブルースクリプト(pBluescript)SK、pBsKS、pNH8a、pNH16a、pNH18a、pNH46a(ストラタジーン(Stratagene));pTrc99A、pKK223−3、pKK233−3、pDR540、pRIT5(ファルマシア(Pharmacia));真核細胞:pWLneo、pSV2cat、pOG44、pXT1、pSG(ストラタジーン(Stratagene))、pSVK3、pBPV、pMSG、pSVL(ファルマシア(Pharmacia))。しかし、他のすべてのプラスミドまたはベクターは、複製可能で、そして宿主において成育可能である限り、使用できる。
プラスミドpINCY(メリーランド(MD)、ガイザスバーグ(Gaithersburg)のライフ・テクノロジーズ(Life Technologies)から入手可能)は、一般にポリリンカー(多クローニング部位)に2つの改変を示す以外はプラスミドpSPORT1と同一である。これらの改変は、(1)それがHindIII制限部位を欠くこと、および(2)そのEcoRI制限部位が別の位置にあることである。pINCYは、pSPORT1を、HindIIIおよびEcoRIの両方で切断し、そしてポリリンカーの抽出断片を合成DNA断片(配列番号5および配列番号6)に置換することによってpSPORT1から作製される。この置換は、当業者に知られたいずれの方法によってなされてもよい。例えば、2つのヌクレオチド配列、配列番号5および配列番号6は、5’末端リン酸で合成的に生成され、一緒に混合され、そしてその後、HindIIIおよびEcoRIで切断されたpSPORT1プラスミドにスタッガー末端ライゲーションを実施するための標準条件下でライゲートされる。その後、適切な宿主細胞(イー.コリDH5∝細胞のような)は、ライゲートしたDNAで形質移入され、そして組換え体クローンがアンピシリン耐性について選択される。その後プラスミドDNAは、個々のクローンから作製され、そして適当な方向で挿入配列の存在を確認するために、制限酵素分析またはDNA配列決定にかけられる。当業者に公知の他のクローニング法も使用できる。
プロモーター領域は、CAT(クロラムフェニコールトランスフェラーゼ)ベクターまたは選択性マーカーを有する他のベクターを用いて任意の所望の遺伝子から選択することができる。2つの適切なベクターは、pKK232−8およびpCM7である。特に名の知られた細菌プロモーターとしては、lacI、lacZ、T3、SP6、T7、gpt、ラムダPサブR、PサブLおよびtrpが挙げられる。真核細胞プロモーターとしては、サイトメガロウイルス(CMV)即時前半、単純性疱疹ウイルス(HSV)チミジンキナーゼ、前半および後半SV40、レトロウイルスから得られるLTRsおよびマウスのメタロチオナイン−Iが挙げられる。適切なベクターおよびプロモーターの選択は、十分当業界での通常の技術のレベル範囲内にある。
別の実施態様では、本発明は、上述の構築物を含有する宿主細胞を提供する。宿主細胞は、哺乳類細胞のような高度の真核細胞、または酵母細胞のような低級の真核細胞でありうるか、または宿主は、細菌細胞のような原核細胞でありうる。縮主細胞に構築物を導入するのは、リン酸カルシウム形質移入、DEAE−デキストラン媒介性形質移入または電気穿孔法によって影響される[エル.デイビス(L.Davis)らの「ベーシック・メソッド・イン・モレキュラール・バイオロジー(Basic Methods in Molecular Biology)」2版、コネチカット(CT)、イースト・ノーワーク(East Norwalk)のアプレイトン・アンド・ラング,パラマウント・パブリッシング(Appleton and Lang,Paramount Publishing)(1994)]。
宿主細胞中の構築物は、組換え体配列によってコードされた遺伝子産物を産生する従来の方法で使用できる。あるいは、本発明のポリペプチドは、従来のペプチド合成機によって合成的に生成できる。
組換え体タンパク質は、適切なプロモーターの制御下で哺乳類細胞、酵母、細菌または他の細胞で発現されうる。細胞不含の翻訳系は、本発明のDNA構築物から誘導されたRNAsを用いてこのようなタンパク質を産生するのに使用することもできる。原核細胞および真核細胞宿主を使用するための適切なクローニングおよび発現ベクターは、サンブルック(Sambrook)らのモレキュラー・クローニング:ア・ラボラトリー・マニュアル(Molecular Cloning:A Laboratory Manual)、2版、(ニューヨーク(N.Y.)のコールド・スプリング・ハーバー(Cold Spring Harbor)、1989)によって記載されている。
高度真核生物によって本発明のポリペプチド(1つまたは複数)をコードするDNAを転写するのは、ベクターにエンハンサー配列を挿入することによって増進される。エンハンサーは、その転写を増すプロモーター上で作用する通常約10〜300bpのDNAのシス作用要素である。例としては、複製起点の後半部分(bp100〜270)上のSV40エンハンサー、シトメガロウイルス初期プロモーターエンハンサー、複製起点の後半部位上のポリオマー・エンハンサーおよびアデノウイルス・エンハンサーが挙げられる。
一般に、組換え体発現ベクターとしては、複製の起点および宿主細胞の形質移入をさせる選択性マーカー、例えばイー.コリ(E.coli)のアンピシリン耐性遺伝子およびエス.セレビジアエ(S.cerevisiae)TRP1遺伝子、および下流の構造配列の転写を指示する高度に発現された遺伝子から誘導されるプロモーターが挙げられる。このようなプロモーターは、中でも、3−ホスホグリセレートキナーゼ(PGK)、アルファ因子、酸ホスファターゼ、または熱ショックタンパク質のような解糖酵素をコードするオペロンから誘導することができる。異種起源の構造配列は、翻訳開始および終止配列、および好ましくは翻訳タンパク質の分泌を周縁空隙または細胞外媒体に向ける能力のあるリーダー配列を有する適切な層で組立てられる。任意に、異種起源の配列は、所望の特性、例えば発現組換え体産物の安定性または簡潔化された精製を付与するN末端同定ペプチドを含めた融合タンパク質をコードすることができる。
細菌用途の有用な発現ベクターは、機能性プロモーターを有する操作可能な読取り相に適切な翻訳開始および終止シグナルを一緒に有する所望のタンパク質をコードする構造DNA配列を挿入することによって構築される。ベクターは、1つまたはそれ以上の表現型選択性マーカーおよびそのベクターの保守を確実にするため、複製の起点を包含し、所望により宿主に増幅を提供する。形質移入のための適切な真核細胞宿主としては、イー.コリ(E.coli)、バシルス・サブチリス(Bacillus subtilis)、サルモネラ・トフィムリウム(Salmonella typhimurium)、およびシュードモナス(Pseudomonas)、ストレプトマイセス(Streptomyces)およびスタフィロコッカス(Staphylococcus)属の範囲内の種々の種が挙げられるが、その他のものも通常の選択として使用できる。
細菌用途のための有用な発現ベクターは、よく知られたクローニングベクターpBR322(ATCC37017)の遺伝子エレメントを含むプラスミドから誘導される選択性マーカーおよび複製の細菌起点を包含する。他のベクターは、それに限定されるものではないが、PKK223−3(スウェーデン(Sweden)、アップサラ(Uppsala)のファルマシア・ファイン・ケミカルズ(Pharmacia Fine Chemicals))およびGEM1(ウイスコンシン(WI)、マディソン(Madison)のプロメガ・バイオテック(Promega Biotec))が挙げられる。これらのpBR322「骨格」画分は、適切なプロモーターおよび発現されるべき構造配列と組み合わされる。
適切な宿主を形質導入し、宿主を適切な細胞密度に成育した後、選択性プロモーターは、適切な手段によって抑制を解除され(例えば、温度変化または科学的導入)、そして細胞は、さらなる期間、培養される。一般に、細胞は、遠心分離によって回収され、機械的または化学的手段によって分断され、そして得られた粗抽出物は、さらなる精製を残した。タンパク質の発現に使用された微生物細胞は、凍結融解サイクル、超音波処理、物理的分断、または細胞溶解剤の使用を含めた任意の従来の方法によって分断でき、このような方法は、通常の熟練者に公知である。
様々な哺乳類細胞培養系も、組換え体タンパク質を発現するのに使用できる。哺乳類発現系の例としては、グルズマン(Gluzman)のセル(Cell)23:175(1981)によって記載されたサルの腎臓繊維芽細胞のCOS−7ライン、およびC127、HEK−293、3T3、CHO、HeLaおよびBHK細胞株のような互換ベクターを発現する能力のある他の細胞株が挙げられる。哺乳類の発現ベクターは、複製の起点、適切なプロモーターおよびエンハンサーを包含し、そして任意の必要なリボゾーム結合部位、ポリアデニル化部位、スプライス供与体および受容体(アクセプター)部位、転写末端配列および5’フランキング非転写配列も包含する。例えばSV40起点、初期プロモーター、エンハンサー、スプライスおよびポリアデニル化部位などSV40ウイルスゲノムから誘導されるDNA配列は、要求される非転写遺伝子エレメントを提供するのに使用できる。代表的で有用なベクターとしては、pRc/CMVおよびpcDNA3(カリフォルニア(CA)サンディエゴ(San Diego)のインビトロゲン(Invitrogen)から入手可能)が挙げられる。
BU101ポリペプチドは、親和性クロマトグラフィ、硫酸アンモニウムまたはエタノール沈降法、酸抽出、アニオンまたはカチオン交換クロマトグラフィ、ホスホセルロースクロマトグラフィ、疎水性相互作用クロマトグラフィ、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィまたはレクチンクロマトグラフィを含めた公知方法により組換え体細胞培養物から回収し精製される。精製中に存在するカルシウムイオンは低濃度(約0.1−5mM)を示すことが好ましい(プライス(Price)らのジェイ.バイオル.ケム.(J.Biol.Chem.)244:917(1969))。タンパク質再折畳み段階は、必要な場合、そのポリペプチドの配座を完成するのに使用できる。最後に、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)は、最終精製段階に使用できる。
したがって、本発明のポリペプチドは、高発現細胞株から発現される天然に精製される産物、または化学的合成手段の産物、または原核細胞または真核細胞宿主(例えば、培養中の細菌、酵母、高次元植物、昆虫および哺乳類細胞)から組換え体技術によって製造された産物であってもよい。組換え体生成手段に使用される宿主によって、本発明のポリペプチドは、哺乳類または他の真核細胞で解糖できるか、または非解糖もできる。本発明のポリペプチドは、開始メチオニンアミノ酸残基を包含してもよい。
出発プラスミドは、出版された公知手段によって入手可能なプラスミドから構築できる。さらに、記載されたものと同等のプラスミドは当業界で公知であり、通常の習熟者には明らかである。
以下は、cDNAクローンの単離および分析の一般的手順である。ここに開示される特定の実施形態では、mRNAは、胸部組織から単離され、そしてcDNAライブラリーを作製するのに使用された。胸部組織は、外科的切除によってタンパク質から得られ、そして病理学者により腫瘍または非腫瘍に分類された。
胸部組織ライブラリーのランダム単離から得られるcDNA挿入物が部分的に配列決定され、実施例で設定されたとおりに詳細に分析された。そして配列番号1および配列番号2として配列表に開示される。これらの挿入物の共通配列は、配列番号3として表される。これらのポリヌクレオチドは、特定の遺伝子についての制御配列を連結するか、または連結していない総ての開放読取り枠を含有することもできるか、または目的の遺伝子のほんの一部をコードすることができる。これは、多くの遺伝子が、長さで数百そして時には数千塩基であり、そして現在の技術では、ベクターの限界、最初の鎖の逆転写が不完全であること、または第二の鎖の複製が不完全であることのためそれらを完全にクローン化することができないためと考えられる。追加のヌクレオチド配列を含む隣接の二次クローンは、当業者に公知の様々な方法を用いて得ることができる。
DNA配列決定の方法は、当分野でよく知られている。従来の酵素的方法では、関心のあるDNA鋳型にアニールされたオリゴヌクレオチドプライマーからDNA鎖を伸長するために、DNAポリメラーゼ、クレノー断片、シーケナーゼ(オハイオ(OH)、クリーブランド(Cleveland)のユーエス・バイオケミカル・コープ(US Biochemical Corp))またはTaqポリメラーゼが使用される。方法は、一本鎖および二本鎖鋳型の両方を使用するのに開発された。鎖終端反応産物は、尿素/ポリアクリルアミドゲルで電気穿孔し、そしてオートラジオグラフィ(放射性ヌクレオチド標識前駆体について)により、または蛍光(蛍光標識前駆体について)のいずれかにより検出することができる。機械反応標品での最近の改善、蛍光検出法を用いた配列決定および分析は、アプライド・バイオシステム(Applied Biosystems)377DNAシーケンサーズ(カリフォルニア(CA)、フォスター・シティー(Foster City)のアプライド・バイオシステム(Applied Biosystems))のような機械を用いて1日当たりに測定できる配列の数を拡大させた。
読取り枠のヌクレオチド配列は、数種のタイプの分析物によって確認することができる。最初に、コード配列内に含まれる読取り枠は、開始コドンATGおよび停止コドンTGA、TAAまたはTAGの存在について分析することができる。特徴的には、1つの読取り枠は、主要部のcDNA配列を通して連続するのに対して、他の読取り枠は、多くの停止コドンを含む傾向にある。このような場合に、読取り枠の測定は、直線前向きである。他の多くの別の場合には、さらなる分析が必要とされる。
アルゴリズムは、推定コドントリプレットで個々のヌクレオチド塩基の発生を分析するのに作製された。例えば、ジェイ.ダブリュ.フィケット(J.W.Fickett)のヌク.アシッズ・レス(Nuc Acids Res)10:5303(1982)参照。特定の生物(細菌、植物および動物)のためのコーディングDNAは、第三コドンの位置でのピリミジンについての目立った優先性のように特定のトリプレット周期性の範囲で特定のヌクレオチドを含有する傾向にある。これらの優先性は、DNAの示された収縮のコーディング潜在力(および枠)を測定するのに使用できる広範に入手できるソフトウエアに組込まれた。開始/停止コドン情報と組み合わされたアルゴリズム誘導の情報は、高度の確実性で適当な枠を測定するのに使用できる。すなわち、それは、適切な発現ベクターに正しい読取り枠中の配列を十分にコーディングさせる。
ここで開示された核酸配列を、十分に確立された組換え体DNA技術の手順によって、種々の他のポリヌクレオチド配列および目的のベクターに合せることができる。サンブルック(Sambrook)らの前出参照。関心のあるベクターとしては、プラスミド、コスミド、ファージ誘導体、ファージミドのようなクローニングベクター、並びに配列決定、複製および発現ベクター等が挙げられる。一般に、このようなベクターは、少なくとも1つの生物に複製機能の起点、都合のよい制限エンドヌクレアーゼ消化部位および特定の宿主細胞に適切な選択的マーカーを含む。ベクターは、当業者に公知の種々の手段によって、その後所望のDNA、RNAまたはポリペプチドを産生する宿主細胞に移転できる。
場合によっては、配列決定またはランダム逆転写誤差は、適切な開放読取り枠または制御エレメントの存在を隠す。このような場合に、ポリペプチドを発現させる試みをし、そして標準ペプチドマッピングおよび配列決定技術によってアミノ酸配列を決定することによって、正しい読取り枠を決定することが可能である。エフ.エム.オースベル(F.M.Ausubel)らのカレント・プロトコールズ・イン・モレキュラー・バイオロジー(Current Protocols in Molecular Biology)、ニューヨーク(NY)、ニューヨーク(New York)のジョン・ウイリー・アンド・サンズ(John Wiley & Sons)、(1989)。さらに、実際の読取り枠の提示ヌクレオチド配列は、全ての3つの潜在的読取り枠を含むベクターで宿主細胞を形質移入することによって測定してもよい。正確な読取り枠でのヌクレオチド配列を有するこれらの細胞のみが、その推定長のペプチドを生成する。
ここに提供されるヌクレオチド配列は、現在の技術の現状の自動化法によって調製され、そしてそのようなものは、未同定のヌクレオチドを含む。これらは、本発明を実行したい当業者に問題を提示しない。サンブルック(Sambrook)らの(前出)またはその最新版に記載された標準組換え技術を使用する数種の方法は、失っている配列情報を完了するのに使用できる。ここで記載されるとおり、全長の配列を得るのに使用される同じ技術は、ヌクレオチド配列を得るのに使用してもよい。
特定のcDNAの発現は、cDNAを適切な発現ベクターにサブクローニングし、そしてこのベクターを適切な発現宿主に形質移入することによって達成される。胸部組織cDNAライブラリーを発生させるために使用されるクローニングベクターは、特定のcDNAのmRNAを転写するのに使用でき、そしてベータ−ガラクトシダーゼについてのプロモーター、アミノ末端metおよびベータ−ガラクトシダーゼの連続7つのアミノ酸残基を含む。これらの8つの残基に直に続くのは、人工的プライミングおよび転写に有用な、遺伝子工学的に製造されたバクテリオファージプロモーター、並びにEcoRIを含めた多くの特徴的なクローニングのための制限部位である。ベクターは、イー.コリの適切な宿主株に形質移入されることができる。
標準法を用いたイソプロピルチオガラクトシド(IPTG)を有する単離細菌株の導入は、ベータ−ガラクトシダーゼの最初の7つの残基、約15残基のリンカーおよびcDNA内にコードされるペプチドを含む融合タンパク質を生成する。cDNAクローン挿入物が基本的にランダム法によって生成されるので、包含されるcDNAが、適当な翻訳についての正しい枠に収まる機会は3つに1つである。cDNAが適当な読取り枠にない場合には、正しい枠は、in vitro突然変異誘発、エキソヌルレアーゼIIIまたはヤエナリのヌクレアーゼを用いた消化、またはオリゴヌクレオチド・リンカー封入を含めたよく知られた方法による適切な数の塩基の欠失または挿入によって得ることができる。
cDNAは、特定の宿主でタンパク質を発現させるのに有用であることが知られている他のベクターに折返し輸送することができる。標的cDNAの両末端で伸張物にハイブリダイズするのに十分なクローニング部位およびDNAのセグメントを含んでいるオリゴヌクレオチド・プライマーは、標準法によって化学的に合成することができる。その後これらのプライマーは、PCRによって所望の遺伝子セグメントを増幅するのに使用できる。得られる新たな遺伝子セグメントは、標準条件下で適切な制限酵素で消化し、ゲル電気穿孔法によって単離できる。あるいは、同様の遺伝子セグメントは、適切な制限酵素でcDNAを消化し、失った遺伝子に化学的に合成したオリゴヌクレオチドを満たすことによって生成できる。1つ以上の遺伝子から得られたコーディング配列のセグメントは、互いにライゲートし、そして組換え体配列の発現を最適化する適切なベクターでクローンすることができる。
このようなキメラ分子として適切な発現宿主としては、それに限定されるものではないが、チャイニーズハムスターの卵巣(CHO)およびヒト胚体腎臓(HEK)293細胞のような哺乳類細胞、Sf9細胞のような昆虫細胞、サッカロマイセス・セレビジアエ(Saccharomyces cerevisiae)のような酵母細胞およびイー.コリ(E.coli)のような細菌が挙げられる。これらの細胞系の各々について、有用な発現ベクターとしては、細菌で増殖させる複製の起点、および細菌で選択させるベータ−ラクタマーゼ抗生物質耐性遺伝子のような選択性マーカーも挙げることができる。さらに、そのベクターとしては、形質移入された真核宿主細胞で選択させるネオマイシンホスホトランスフェラーゼ遺伝子のような第二の選択性マーカーを挙げることもできる。目的の配列がポリAを欠く場合には、真核発現宿主で使用するためのベクターは、追加の3’ポリA尾部を必要とする可能性がある。
さらに、ベクターは、遺伝子発現を増すプロモーターまたはエンハンサーを含有してもよい。このようなプロモーターは、宿主特異的であり、そしてそれに限定されるものではないが、CHO細胞についてはMMTV、SV40、またはメタロチオニンプロモーター;細菌宿主についてはtrp、lac、tacまたはT7プロモーター;または酵母についてはアルファ因子、アルコールオキシダーゼまたはPGHプロモーターが挙げられる。ニワトリ肉腫ウイルス(RSV)エンハンサーのような転写エンハンサーを有するか、または有しないアデノウイルスベクターは、哺乳類細胞株でタンパク質発現を操作するのに使用できる。いったん組換え体細胞の同種起源の培養物が得られると、大量の組換えで産生されたタンパク質が、調整培地から回収され、そして当分野で公知のクロマトグラフィ法を用いて分析できる。大量の選択タンパク質を生成する代替法は、哺乳類胚を形質移入すること、およびトランスジェニック(形質転換)ウシ、ヤギ、ヒツジなどによって産生された乳から得られる組換え体タンパク質を回収することを包含する。ポリペプチドおよび密接に関連した分子は、タンパク質精製を促進するためにこのような方法で組換え的に発現されてもよい。1つのアプローチは、ヒトポリペプチドに天然には存在しない1つまたはそれ以上の追加のポリペプチド・ドメインを含むキメラタンパク質を発現することを包含する。このような精製促進ドメインとしては、それに限定されるものではないが、固定化金属で精製させるヒシチジン−トリプトファンドメインのような金属キレート・ペプチド、固定化免疫グロブリンで精製させるプロテインAドメインおよびFLAGS伸張/親和性精製系(ワシントン(WA)、シアトル(Seattle)のイムネックス・コープ(Immunex Corp))で活用されたドメインが挙げられる。インビトロゲン(Invitrogen)(カリフォルニア(CA)サンディエゴ(San Diego))から得られるポリペプチド配列と精製ドメインとの間のファクター(Factor)XAまたはエンテロキナーゼのような切断リンカー配列の封入は、そのポリペプチドを回収するのに有用でありうる。
免疫検定
断片、誘導体およびそれらの類似体を含めたBU101ポリペプチドまたはそのようなポリペプチドを発現する細胞は、胸部組織に対する抗体を検出するための種々の検定で活用できる。その多くはここに記載されている。それらは、抗体を産生する免疫原として使用できる。これらの抗体は、例えばポリクローナルまたはモノクローナル抗体、キメラ、一本鎖および人体抗体、並びにFab断片、またはFab発現ライブラリーの産物であってよい。当分野で公知の種々の手順が、このような抗体および断片を産生するのに使用できる。
例えば、本発明の配列を包含するポリペプチドに対して生成された抗体は、動物のポリペプチドを直接注入することによって、またはマウス、ウサギ、ヤギまたはヒトのような動物にそのポリペプチドを投与することによって得ることができる。マウス、ウサギまたはヤギが好ましい。そのポリペプチドは、配列番号第5−23、それらの断片から構成される群から選択される。そのように得られた抗体は、その後ポリペプチド自身を結合する。この方法で、ポリペプチドの断片のみをコードする配列でさえ、天然のポリペプチドを結合する抗体を産生するのに使用できる。このような抗体は、その後、ポリペプチドを含有すると推測される組織のような試験試料からポリペプチドを単離するのに使用できる。モノクローナル抗体を調製するのに、継代細胞株培養によって産生された抗体を提供する全ての技術が使用できる。例としては、コーラー(Kohler)およびミルスタイン(Milstein)のネーチャー(Nature)256:495−497(1975)によって記載されたとおりのハイブリドーマ技術、トリオマ技術、コーラー(Kohler)らのイムノ.ツデイ(Immun.Today)4:72(1983)によって記載されたとおりのヒトB−細胞ハイブリドーマ技術、およびコールらの「モノクローナル・アンチボディーズ・アンド・キャンサー・セラピー(Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy)」、ニューヨーク(NY)、ニューヨーク(New York)のアラン・エル.リス・インク(Alan R.Liss,Inc)、77−96頁(1985)に記載されたとおりヒトモノクローナル抗体を産生するEBV−ハイブリドーマ技術が挙げられる。一本鎖抗体を産生することが記載された技術は、本発明の免疫性ポリペプチド産物に対する一本鎖抗体を産生するのに適合できる。例えば米国特許第4,946,778号参照。
「サンドイッチ」免疫検定およびプローブ検定を含めた種々の検定フォーマットは、本発明の抗体を活用するできる。例えば、本発明の抗体またはそれらの断片は、もしあれば、試験試料中のBU101抗原の存在を測定する種々の検定系に使用できる。例えば、第一の検定フォーマットで、固相に被覆されたポリクローナルまたはモノクローナル抗体またはそれらの断片、またはこれらの抗体の組合せは、試験試料で被覆されて、第一の混合物を形成する。この第一の混合物は、一回そして抗原/抗体複合体を形成するのに十分な条件下で培養される。その後、それにシグナル発生化合物が付着したモノクローナルまたはポリクローナル抗体またはそれらの断片、またはこれらの抗体の組合せを包含する指標試薬は、抗原/抗体複合体に接触して、第二の混合物を形成する。その後この第二の混合物を、一度そして抗体/抗原/抗体複合体を形成するのに十分な条件下で培養する。試験試料中にそして固相に捕捉されたBU101の存在は、もしあれば、シグナル発生化合物によって発生された測定可能なシグナルを検出することによって測定される。試験試料に存在するBU101抗原の量は、発生されたシグナルに比例する。
代替的検定フォーマットでは、混合物は、(1)ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体、またはBU101抗原に特異的に結合するそれらの断片、または固形支持体に結合したそのような抗体の組合せ、(2)試験試料、および(3)モノクローナル抗体、ポリクローナル抗体、またはそれにシグナル発生化合物が付着した異なるBU101抗原(またはこれらの抗体の組合せ)に特異的に結合するそれらの断片を包含する指標試薬を接触させることによって形成される。この混合物を一度そして抗体/抗原/抗体複合体を形成するのに十分な条件下で培養する。もしあれば、試験試料に存在し、そして固相に捕捉されたBU101抗原の存在は、シグナル発生化合物によって発生された測定可能なシグナルを検出することによって測定される。試験試料に存在するBU101抗原の量は、発生されたシグナルに比例する。
別の検定フォーマットでは、本発明の1つまたは少なくとも2つのモノクローナル抗体の組合せは、BU101抗原に対する抗体を検出するための拮抗プローブとして使用することができる。例えば、ここに開示される組換え体抗原のようなBU101ポリペプチドは単独または組合せで、固相に被覆される。BU101抗原に対する抗体を含有すると推測される試験試料は、その後、一度そして試験試料および固相に結合した指標試薬、または固相に結合した指標試薬のいずれかの抗原/抗体複合体を形成するのに十分な条件下で、シグナル発生化合物および本発明の少なくとも1つのモノクローナル抗体を包含する指標試薬と一緒に培養される。固相にモノクローナル抗体を結合させる際の減退は、定量的に測定できる。
さらに別の検出法では、本発明のモノクローナルまたはポリクローナル抗体の各々は、免疫組織化学分析によって、組織画分中並びに細胞中のBU101を検出する際に使用できる。これらの抗体が直接的に(例えば、蛍光、コロイド金、セイヨウワサビペルオキシダーゼ、アルカリ性ホスファターゼなどで)標識されているか、または疾病の組織病理学を追跡する(ここに例示されたとおり種々の標識で)二次的に標識された抗−種抗体を用いることによって標識されている細胞化学的分析も本発明の範囲内にある。
さらに、これらのモノクローナル抗体は、CNBr−活性化セファロース(Sepharose)に類似するマトリックスに結合でき、そして組換え体および天然BU101タンパク質を精製するためのように細胞培養物または生物学的組織から特定のBU101ポリペプチドの親和性精製に使用できる。
本発明のモノクローナル抗体は、治療用途または同様の実施のキメラ抗体を発生させるのに使用することもできる。
モノクローナル抗体またはそれらの断片は、BU101抗原を検出するために個々に提供することができる。ここに提供されるモノクローナル抗体の組合せ(およびそれらの断片)は、他のBU101領域に特異的に結合する抗体と一緒に、少なくとも1つの本発明のBU101抗体の混合物あるいは「カクテル」中の成分として合せて使用してもよい。各々の抗体は、別の結合特異性を示す。したがって、このカクテルは、ここに開示されたBU101ポリペプチドに向けられた本発明のモノクローナル抗体およびBU101抗体の他の抗原決定基に特異的な他のモノクローナル抗体または他の関連のタンパク質を包含できる。
その検定フォーマットに使用できるポリクローナル抗体またはそれらの断片は、検定に追加的に使用されるBU101ポリペプチドまたは他のBU101ポリペプチドに特異的に結合する。使用されるポリクローナル抗体は、BU101ポリペプチドを結合するヒト、ヤギ、ウサギまたはヒツジポリクローナル抗体のような哺乳類起源のものであるのが好ましい。最も好ましくは、ポリクローナル抗体は、ウサギ起源のものである。その検定に使用されるポリクローナル抗体は、単独で、またはポリクローナル抗体のカクテルのいずれかとして使用できる。その検定フォーマットに使用されるカクテルは、BU101ポリペプチドに対して異なる結合特異性を示すモノクローナル抗体またはポリクローナル抗体のいずれかから構成されるので、乳ガンのような胸部の疾病および症状を検出し、診断し、探り、追跡し、予知し、予防しまたは治療すること、または素因を決定するのに有用である。
合成ペプチドまたは精製ペプチドを使用することによって、と同様に組換え体抗原を使用することによって、BU101抗原は、検定で検出でき、そのペプチドがBU101のアミノ酸配列を包含することが予測され、本発明の範囲内にある。このようなポリペプチドのアミノ酸配列は、配列番号15−23およびそれらの断片から構成される群から選択される。BU101の様々なエピトープを同定する様々な合成、組換え体または精製ペプチドは、乳ガンのような胸部の疾病および症状を検出し、診断し、探り、追跡し、予知し、予防しまたは治療すること、または素因を決定するために検定に組合せて使用することができることも本発明の範囲内にある。この場合、これらのペプチドの全てが、1つの固相上に被覆できる。または、各々別のペプチドは、別の固相上に被覆してもよく、このような微細粒子は、そして混ぜ合わせて後に検定に使用できるペプチドの混合物を形成する。さらに、様々な抗原からエピトープを定義する複数のペプチドが、乳ガンのような胸部の疾病および症状を検出し、診断し、探り、追跡し、予知し、予防しまたは治療すること、または素因を決定するのに使用してもよいことが予測される。固相に被覆した、または検出可能な標識で標識したペプチドは、さらに限定された量の抗体について患者試料に存在するもの(もしあれば)と競合させられる。合成、組換え体または精製ペプチドを抗体(または抗体類)に結合する際の減退は、患者試料中のBU101抗原の存在を示す。BU101抗原の存在は、患者における胸部組織疾病、特に乳ガンの存在を指示する。様々な検定フォーマットが当業者に知られており、多くが以下に説明される。
別の検定フォーマットで、抗−BU101抗体および/またはBU101抗原の存在は、以下のとおり、同時検定で検出できる。試験試料は、第一分析物の捕捉試薬(ここで、その捕捉試薬は、固相に付着した第一の分析物に特異的な第一の結合構成員を包含している)および第二分析物の捕捉試薬(ここで、その捕捉試薬は、第二の固相に付着した第二の分析物に特異的な第一の結合構成員を包含している)で同時に被覆され、その結果混合物を形成する。この混合物は、一度、そして捕捉試薬/第一の分析物および捕捉試薬/第二の分析物複合体を形成するのに十分な条件で培養される。これらのそのような形成複合体は、その後シグナル発生化合物で標識された第一の分析物に特異的な結合対の構成員を包含する指標試薬、およびシグナル発生化合物で標識された第二の分析物に特異的な結合対の構成員を包含する指標試薬と接触されて第二の混合物を形成する。この第二の混合物は、一度そして捕捉試薬/第一分析物/指標試薬複合体および捕捉試薬/第二分析物/指標試薬複合体を形成するのに十分な条件下で培養される。1つまたはそれ以上の分析物の存在が、試験試料中の1つまたはそれ以上の分析物の存在の指標として、いずれかまたは両方の固相に形成された複合体と接触した発生されたシグナルを検出することによって測定される。この検定フォーマットで、ここで開示された発現系から誘導された組換え体抗原は、ここで開示された発現系から誘導されたタンパク質から産生されるモノクローナル抗体と同様に利用できる。例えば、この検定系で、BU101抗原は、第一の分析物でありうる。このような検定系は、欧州特許公開第0473065号にさらに詳細に記載される。
さらに別の検定フォーマットでは、ここに開示されたポリペプチドは、試験試料中のBU101抗原に対する抗体の存在を検出するのに利用できる。例えば、試験試料を、組換え体タンパク質または合成ペプチドのような少なくとも1つのポリペプチドを付着している固相で培養する。そのポリペプチドは、配列番号5−23およびそれらの断片から構成される群から選択される。これらは、一度そして抗原/抗体複合体を形成するのに十分な条件下で反応させた。培養後、その抗原/抗体複合体が検出される。標識試薬は、選択された検定系によって、検出を促進するのに使用できる。別の検定フォーマットで、試験試料は、ここで記載されたとおりに産生された組換え体タンパク質を付着させた固相で被覆され、そしてそのタンパク質に特異的なモノクローナルまたはポリクローナル抗体と接触させる。ここで、抗体は、好ましくは指標試薬で標識されている。一度そして抗原/抗体複合体を形成するのに十分な条件下で培養させた後、この固相を、遊離相から分離し、そして標識は、BU101抗原に対する抗体の存在の指標として固体または遊離相で検出される。ここに開示される組換え体抗体を利用する他の検定フォーマットが予測される。これらは、試験試料を、第一の源から得られた少なくとも1つの抗原を付着させた固相と接触させ、一度そして抗原/抗体複合体を形成するのに十分な条件下で固相および試験試料を培養し、そしてその後固相を、第一の源と異なる第二の源から誘導された標識抗原と接触させることを包含する。例えば、イー.コリのような第一の源から誘導された組換え体タンパク質は、固相上で捕捉抗原として使用され、試験試料は、したがって作製された固相に添加され、そして標準の培養および所望によりまたは必要により洗浄段階後、別の源(例えば、非イー.コリ)から誘導された組換え体タンパク質は、連続して検出される指標試薬の一部として利用される。同様に、固相上の組換え体抗原と指標層上の合成ペプチドの組合せも可能である。別の第二の源から得られるBU101に特異的な抗原を利用するすべての検定が意図される。したがって、組換え体抗原の様々な組合せ並びに合成ペプチド、精製タンパク質等の使用は、本発明の範囲内にある。これおよび他の検定は、米国特許第5,254,458号に記載される。
種々の他の固相を利用する他の実施形態も意図され、そして本発明の範囲内にある。例えば、負に荷電されたポリマーで固定化できる反応複合体を固定化するイオン性捕捉手段を本発明によって使用して、第一の液相免疫化学反応に影響を与えることができる。固定化免疫複合体を、負に荷電されたポリ−アニオン/免疫複合体と先に処理された正に荷電された多孔性マトリックスとの間のイオン性相互作用により反応混合物の残りから分離し、そして欧州特許庁公報0273,115号で記載されるとおり、化学蛍光シグナル測定に記載されるものを含めて先に記載された種々のシグナル発生系を用いて検出する。
さらに、本発明の方法は、固相が微細粒子(磁性または非磁性)を包含する自動化または半自動化系を含めた微細粒子技術を利用する系に使用するのに適合できる。このような系としては、例えばそれぞれ公表された欧州特許庁出願第EP0425633号およびEP0424634号で記載されているものが挙げられる。
免疫検定について走査型プローブ顕微鏡(SPM)を使用することは、本発明のモノクローナル抗体が簡単に適合できる技術でもある。走査型プローブ顕微鏡で、特に原子顕微鏡で、捕捉相、例えば本発明の少なくとも1つのモノクローナル抗体は、固相に付着され、そして走査型プローブ顕微鏡は、固相の表面に存在しうる抗原/抗体複合体を検出するのに利用される。走査型トンネル顕微鏡を使用すると、抗原/抗体複合体を検出する多くの免疫検定系で正常に利用される標識の必要性が排除される。特異的結合反応を監視するSPMを使用するのは多くの方法で生じることができる。一つの実施形態では、特異的結合相手(本発明のモノクローナル抗体である分析物特異的物質)の1つの構成員が走査するのに適切な表面に付着される。分析物特異的物質の付着は、プラスチックまたは金属表面の固相を包含する試験片に吸収させ、当業者に公知の方法を行うことによってもよい。または、その試験片が誘導化プラスチック、金属、シリコンまたはガラスの固相を包含する試験片に、特異的結合の相手(分析物特異的物質)を共有結合的に付着させることを利用してもよい。共有結合的付着方法は、当業者に知れれており、そして試験片に特異的結合相手を不可逆的に結合する種々の手段を包含する。試験片がシリコンまたはガラスである場合、表面は、活性化してから後に、特異的結合相手を付着しなければならない。さらに、高分子電解質相互作用は、技術および化学を用いて試験片の表面に特異的結合相手を固定化するのに使用できる。付着の好ましい方法は、共有結合的手段による。特異的結合構成員の付着後、表面は、さらに非特異的結合を最小にする血清、タンパク質または他の遮断剤のような材料で処理できる。表面は、製造の側で、または検定目的に適切性を立証するのに使用する点のいずれかで走査されてもよい。走査方法は、試験片の特異的結合特性を変質することは予測されない。
本発明は、固相を使用するための優先性を開示する一方で、本発明の抗体、タンパク質およびペプチドのような試薬が非固相検定系に利用できることが意図される。これらの検定系は、当業者に公知であり、そして本発明の範囲内にあると考えられる。
検定に使用される試薬は、バイアルまたはビンのような1つまたはそれ以上の容器と一緒の試験キットの形態で、プローブ、プライマー、モノクローナル抗体またはモノクローナル抗体のカクテル、または検定に使用されたポリペプチド(例えば、リコンビナント的に、合成的に製造されまたは精製された)のような別々の試薬を含有する各々の容器で提供できることを意図する。ポリペプチドは、配列番号15−23およびそれらの断片から構成される群から選択される。当業者に公知の緩衝液、対照などのような他の成分は、このような試験キットに包含される。入手しやすい体液、例えば血液、尿、唾液および便を包含する試験試料を収集するための手段を有する試験キットを提供することを意図する。収集に有用なこのような道具(「収集材料」)としては、血液を収集し安定化するためのランセットおよび吸収紙または布;唾液を収集しそして安定化するための綿棒;尿または便試料を収集しそして安定化するためのカップが挙げられる。収集材料、紙、布、綿棒、カップ等は、所望により、試料の変性または不可逆吸収を避けるために処理されてもよい。収集材料は、標本の完全性を維持する助けとなるために保存剤、安定化剤または抗微生物剤で処理するかまたは含んでいてよい。手術または穿針生検によって得られた試験標本の収集、安定化および保存用に設計された試験キッドも有用である。全キットは、別々に提供でき、その一方は、標本の収集および輸送のための構成要素で、もう一方は、標本の分析のための構成要素である2つの構成要素で形成されることが意図される。例えば、収集構成要素は、開放的市場で提供できる一方で、分析用の構成要素は、分析物の存在、不存在または量を測定するために、研究員のようなものに提供できる。さらに、試験標本の収集、安定化および保存のためのキットは、訓練されていない者によって使用するのにも適合でき、そして試験試料を分析する実験室に順次輸送して自宅で使用するために開放的市場で入手可能にしてもよい。
イー.コリ細菌(クローン603148)は、ブタペスト条約の名の下に10/7/96にメリーランド20852、ロックビル、パークロウン・ドライブ12301のアメリカン・タイプ・カルチャー・コレクション(American Type Culture Collection)(A.T.C.C.)に寄託されており、そして寄託の日付から30年間、または寄託の最後の請求から5年、または米国特許の有効な期間、いずれか長いものの間維持される。ここに記載される寄託および他のいかなる寄託材料は、便宜的にのみ提供され、そしてここに提供された示唆からみて、本発明を実施することは必要とされない。寄託材料の全てのcDNA配列は、ここに資料によって組込まれる。クローン603148は、受付ATCC寄託番号98185であった。
本発明は、ここに実施例によって記載され、それは本発明の範囲を例示するのを意図するものであって、これに限定されない。
実施例
実施例1:胸部組織のライブラリーBU101遺伝子特異的クローンの同定
A.発現配列タグ類(ESTs)または転写像のライブラリー比較
cDNAクローン挿入物の部分的配列、いわゆる「発現配列タグ」(ESTs)は、胸部腫瘍組織、胸部非腫瘍組織および腫瘍および非腫瘍の両方の多くの他の組織から作製されたcDNAライブラリーから誘導され、そして遺伝子転写像としてデータベース(ライフセク(LIFESEQ)TMデータベース、カリフォルニア(CA)、パロ・アルト(Palo Alto)のインサイト・ファーマシューティカルズ(Incyte Pharmaceuticals)から入手可能)に加えられた。参照:国際公開第WO95/20681号。(転写像は、示された組織ライブラリーで表された各遺伝子についての多数のESTsの列記である。成熟配列の重複するESTs共有領域は、クラスターに分類される。クラスターは、代表的5’ESTからクローン数が付けられる。しばしば、目的のクラスターは、この共通配列を、自動密集化の条件に見合わない他のESTsと比較することによって、拡張されうる。入手可能な全てのクラスターおよび単独ESTsの整列は、共通配列が誘導されるコンティング(conting)を表す。転写像は、その後代表的な一次の胸部組織ライブラリーであるESTクラスターを同定するために評価された。これらの標的クラスターは、その後標的ライブラリーでのそれらの専有度(EST構成員の発生)および背景ライブラリーからの不在性にしたがって等級づけられた。背景発生が低くなって高度に専有するクラスターは、研究優先性が高いことが示された。15ESTsを包含するクラスターは、胸部腫瘍ライブラリーで過剰に発現されると同定されたが、3つの非腫瘍胸部組織ライブラリーで低いレベルで存在した。非胸部組織ライブラリーのいずれにもESTsは発見されなかった。重なるクローン603148および604290に対応する配列番号1および配列番号2は、それぞれさらなる研究について同定された。これらは、BU101コーンティングを形成するのに必要とされ、そしてここで提供されるその共通配列(配列番号3)が誘導される最小数のクローンを示した。
B.共通配列の生成
ヌクレオチド配列(コンティングマップ)を生成し、そしてそれらの共通配列(配列番号3)を生成するために、ESTクローンのヌクレオチド配列603148(配列番号1)および604290(配列番号2)は、シーケンチャーTM(Sequencher)プログラム(ミシガン(MI)、アン・アーバー(Ann Arbor)のジーン・コーズ・コーポレーション(Gene Codes Corporation)から入手可能)に導入された。図1は、これらのクローンのヌクレオチド配列、その結果得られたヌクレオチド共通配列(配列番号3)を示す。図2は、グラフィック画面でのこれらのクローンのBU101遺伝子と得られた共通ヌクレオチド配列(配列番号3)の重なり領域を形成するクローン配列番号1および配列番号2を描くコンティングマップを表す。これに続いて、共通配列(配列番号3)で3つの枠翻訳が行われた。第二の順行枠は、90残基アミノ酸配列をコードする開放読取り枠を有することが分かり、これは配列番号15として表される。配列番号15で描かれた90残基アミノ酸配列は、ソフトウエアおよび当業者に知られた技術を用いて公開配列と比較した。ラットの前立腺ステロイド結合タンパク質(psc1標品)のポリペプチド配列は、配列番号15のBU101ポリペプチドに部分的に均質であることが分かった。このラット前立腺ステロイド結合タンパク質は、パーカー(Parker)らのネーチャー(Nature)298:92−94(1982)に記載されている。
C.共通配列に対応するESTsの発現の特異性
区分B(前出)で生成された共通配列を、ブラスト(BLAST)調査道具を用いて、全ての最新版ライフセク(LIFESEQ)TMデータベース(1997年5月)と比較した。共通配列に対応するESTsは、胸部ライブラリーの45.0%(20の内の9)であり、非胸部ライブラリーの0.8%(375の内の3)であることが分かった。したがって、共通配列またはそれらの断片は、非胸部組織より胸部で56倍多いことが分かった。
実施例2;BU101EST特異的クローンの配列決定
BU101遺伝子コンティングの5’mostESTを包含するクローン603148のDNA配列は、以下の公知方法によって染料終結区分を用いジデオキシ終結区分配列決定を使用して測定された(配列番号4)。(エフ.サンッガー(F.Sanger)らのピーエヌエイエス・ユーエスエイ(PNAS USA)74:5463(1977)。)
pSPORT1ベクター(メリーランド(MD)、カイザースバーグ(Gaithersburg)のライフ・テクノロジーズ)は、挿入物の3’および5’ライゲーション結合にごく隣接する普遍プライミング部位を含有し、およそ300塩基の挿入物が、普遍プライマーを用いて両方の方向に配列決定された。配列番号7および配列番号8[それぞれ、マサチューセッツ(MA)、バーバリ(Beverly)のニュー・イングランド・バイラボズ(New England Biolabs)、カリフォルニア(CA)、フォースター・シティ(Foster City)のアプライド・バイオシステムズ・イング(Applied Biosystems Inc)]。配列決定反応は、ポリアクリルアミド変性ゲルで行われ、そして配列は、アプライド・バイオシステムズ377合成機(カリフォルニア(CA)、フォースター・シティ(Foster City)のアプライド・バイオシステムズ・イング(Applied Biosystems Inc))または他の配列決定装置によって測定された。さらなる配列決定プライマーBU101F1およびBU101R1(それぞれ、配列番号9および配列番号10)が、2つのDNA鎖の配列3’末端に近くに開始配列決定反応によって、測定された配列から設計された。これらのプライマーは、先に記載されたとおり、各DNA鎖からクローン化された挿入物の残りのDNA配列を測定するのに使用された。
実施例3:核酸生成
A.組織からのRNA抽出
総RNAは、固形胸部組織または細胞からおよび非胸部組織単離した。技術(カト(Kato)らのジェイ.バイロル.(J.Virol.)、61:2182−2191(1987)、ウルトラスペック(Ultraspec)TM(テキサス、ヒューストンのバイオテックス・ラボラトリーズ.インク(Biotecx Laboratories,Inc.)、およびTRlzolTM(メリーランド(MD)、カイザースバーグ(Gaithersburg)のライフ・テクノロジーズ.インク.(Life Technologies,Inc.))で知られそして記載され、それに限定されないが、塩化リチウム/尿素技術を含めて、種々の方法が利用された。
ノーザンブロット分析について、組織を、氷上の滅菌円錐管に乗せ、そして10−15量の3M LiCl、6M尿素、5mM EDTA、0.1Mβ―メルカプトエタノール、50mM トリス−HCl(pH7.5)を加えた。氷上で30−50秒間、組織をポリトロン(Polytron)▲R▼ホモジナイザー(ニューヨーク、ウエストベリーのブリンクマン・インストルメント.インク(Brinkman Instruments,Inc.))で均質化した。溶液を15mlプラスチック製遠心管に移し、そして−20℃で一夜放置した。その管を90分間、9000×gで、0−4℃で遠心し、そしてその上清を直に分取した。その後、10mlの3M LiClを添加し、その管を5秒間渦をまかせ、そして45分間11000×gで0−4℃で遠心した。分取し、LiClに再懸濁し、そして遠心を繰返した。最終ペレットを風乾させ、そして2mlの1mM EDTA、0.5%SDS、10mMトリス(pH7.5)に再懸濁させた。その後、20μlのプロテイナーゼK(20mg/ml)を添加し、そしてその溶液を30分間37℃で時折混合しながら培養した。10分の1量(0.22−0.25ml)の3M NaClを添加し、そしてその溶液に渦を巻かせてから、2mlのフェノール/クロロホルム/イソアミルアルコール(PCI)を含んだ別の管に移した。その管に1−3秒間渦を巻かせ、20分間、3000×gで、10℃で遠心した。PCI抽出をさらに2回繰返し、クロロホルム/イソアミルアルコールで2回同様の抽出を行った。最終水溶液を、6mlの100%完全エタノールを含む予め冷却した15mlのコレックスガラス管に移し、その管をパラフィンで覆い、そして−20℃で一夜放置した。その管を30分間10000×gで0−4℃で遠心し、そしてエタノール上清をすぐに分取した。RNAペレットを10mlの75%氷冷エタノールで4回洗浄し、各回に、10分間10000×gで遠心した。最終ペレットを15分間室温で風乾した。RNAを0.5mlの10mMトリス(pH7.6)、1mM EDTAに懸濁させ、そしてその濃度を分光光度計により測定した。RNA試料を定量とり、エタノール沈殿物として−70℃で保存した。
アガロースゲル電気泳動(実施例5参照)によってRNAの質を測定し、そして0.5μg/ml臭化エチジウムで1時間染色した。健全な28S/18SrRNAsを含まないRNA試料をこの研究から除いた。
代わりに、RT−PCR分析については、1mlのウルトラスペック(Ultraspec)RNA試薬を2.0ポリプロピレン製マイクロフュージ管に120mgの微粉組織を加え、ポリトロン(Polytro)▲R▼ホモジナイザー(ニューヨーク、ウエストベリーのブリンクマン・インストルメント.インク)で、50秒間均質化し、そして5分間氷上に放置した。その後、0.2mlのクロロホルムを各試料に加え、15秒間渦を巻かせた。試料をもう5分間氷上で放置し、12000×gで、4℃で15分間遠心した。上部層を収集し、そして別のRNase不含の2.0mlのマイクロフュージ管に移した。同量のイソプロパノールを各試料に添加し、そしてその溶液を10分間氷上に放置した。その試料を12000×gで、4℃で10分間遠心し、そしてその上清を除去した。残りのペレットを冷75%エタノールで2回洗浄し、そして渦を巻かせて再懸濁し、そして7500×gで、4℃で5分間遠心することで再懸濁材料を再度ペレット化した。最終的に、RNAペレットを少なくとも5分間スピードベックで乾燥させ、そしてRNAase不含水で再構成した。
B.血液単核細胞からのRNA抽出
以下のとおりフィコール−ハイパークを用いて遠心することによって患者から得られた単核細胞を血液試料から単離した。10ml量の全血を同量のRPMI培地(メリーランド、カイザースバーグのライフ・テクノロジーズ)と混合した。この混合物を10mlのフィコール−ハイパーク(Ficoll−Hypaque)(ニュージャージー(NJ)、ピスカタウエイ(Piscataway)のファルマシア(Pharmacia))で下に敷きそして30分間200×gで遠心した。単核細胞を含む軟層を除去し、50mlのダルベッコPBS(メリーランド、カイザースバーグのライラ・テクノロジーズ)で希釈し、そして混合物を200×gで10分間遠心した。2回洗浄した後、得られたペレットをダルベッコのPBSに再懸濁して最終量1mlにした。
エヌ.カト(N.Kato)らの前出によって記載されるとおり、RNAを単離した単核細胞から調製した。簡潔には、ペレット化した単核細胞を最終量1mlにし、その後250μLのPBSに再懸濁し、そして2.5mlの3M LiCl、6M尿素、5mM EDTA、0.1M 2−メルカプトエタノール、50mM トリス−HCl(pH7.5)と混合した。得られた混合液を均質化し、そして−20℃で一夜培養した。均質化物を、90分間0−4℃で、ベックマンJ2−21Mローターで8000RPMで回転させた。渦を巻かせてペレットを10mlの3M LiCl中に再懸濁させ、そしてその後45分間0−4℃で、ベックマンJ2−21Mローターで10000RPMで回転させた。その後、懸濁およびペレット段階を繰返した。渦を巻かせながら、ペレットを2mlの1mM EDTA、0.5SDS、10mMトリス(pH7.5)および400μgプロテイナーゼKに再懸濁させ、その後攪拌しながら、37℃で30分間培養した。その後、10分の1量の3M NaClを添加し、溶液を渦巻かせた。フェノール/クロロホルム/イソアミルアルコールと、続いて、クロロホルム/イソアミルアルコールで1回の2サイクルの抽出で、タンパク質を除去した。さらに6mlのエタノールでRNAを沈殿させ、続いて−20℃で一夜培養した。RNAを沈殿させた後、遠心で収集し、そのペレットを4回75%エタノールで洗浄した。ペレットRNAを1mM EDTA、10mM トリス−HCl(pH7.5)に溶解させた。
非胸部組織を負の対照として使用した。ポリアデニル化RNAを単離するために、mRNAをさらにオリゴdTセルローススピンカラム(スウェーデン、アップサラのファルマシアからRediColTM)のような市販のキットを使用して全RNAから精製できる。リボヌクレアーゼ保護検定で分析するために、総またはmRNAを溶解緩衝液(5Mグアニジンチオシアネート、0.1M EDTA、pH7.0)に溶解できる。
C.ポリゾームからのRNA抽出
組織を4℃で生理食塩水中で細かく分割し、そして6mM2−メルカプトエタノールを含有するTK150M(150mM KCl、5mM MgCl、50mM トリス−HCl、pH7.4)溶液中の2.5量の0.8Mしょ糖と混合した。ビー.メシェラー(B.Mechler)、メソッズ・イン・エンチモロジー(Methods in Enzymology)152:241−248(1987)に記載のとおりに、その組織を5ストロークで、100−200rpmでテフロン−ガラスのポーター・ホモジナイザーで均質化し、続いてドンス・ホモジナイザーで6ストロークで均質化した。その後、均質化物を120000×gで、15分間4℃で遠心して、核を沈殿させた。38mlのポリアロマー管中でTK150M中の2mlの上清を6mlの2.5Mしょ糖と混合することによってポリゾームを単離した。2つの追加のしょ糖TK150M溶液を連続して、13mlの2.05Mしょ糖の第一の層、次いで6mlの1.3Mしょ糖の第二の層として、抽出画分に積載した。90000×gで、5時間4℃で、グラジエントを遠心することによってポリゾームを単離した。その後シリコン化パスチュール・ピペットでその画分を1.3Mしょ糖/2.05Mしょ糖界面から取出し、そして同量のTE(10mMトリス−HCl、pH7.4、1mM EDTA)で希釈した。同量の90℃ SDS緩衝液(1% SDS、200mM NaCl、20mM トリス−HCl、pH7.4)を添加し、その溶液を2分間、沸騰水浴上で培養した。次にプロテイナーゼ−K消化(50mg/ml)で、37℃で15分間タンパク質を消化した。3倍同量のフェノール−クロロホルム抽出物でmRNAを精製し、次いで0.1量の2M酢酸ナトリウム(pH5.2)および2量の100%エタノールで−20℃で一夜沈殿させた。12000×gで、10時間4℃で遠心して沈殿RNAを回収した。RNAを乾燥させ、そしてTE(pH7.4)または蒸留水に再懸濁させた。その後、再懸濁RNAをスロット・ブロットハイブリダイゼーション検定に使用して、BU101mRNAの存在を調べることができる(実施例6参照)。
核酸およびタンパク質の質は、使用された製造方法による。各試料は、様々な製造技術に標的分子の単離効果を最大にする必要がある。これらの調製技術は、通常の技術者の技術範囲内である。
実施例4:リボヌクレアーゼ保護検定
A.標識相補的RNA(cRNA)ハイブリダイゼーションプローブおよび非標識センス鎖の合成
両側に反対のSP6およびT7ポリメラーゼプロモーターを配置したBU101遺伝子cDNA配列挿入物(クローン603148)を含むpSPORT1プラスミドは、キアゲン・プラスミド・精製キッド(カリフォルニア、チャッツワースのキアゲン(Qiagen))を用いて精製した。その後、10μgのプラスミドを10U DdeI制限酵素で37℃で1時間で切断した。QIAレップ・キット(カリフォルニア、チャッツワースのキアゲン(Qiagen))を用いて切断プラスミドを精製し、そして供給者の指示によって記載されたとおりに、6.3μM(アルファ32P)UTP(イリノイ、アーリントン・ハイツのアマシャム・ライフ・サイエンシズ,インク(Amersham Life Sciences,Inc.))からリボプローブ▲R▼in vitroトランスクリプションシステム(ウインスコンシン、マディソンのプロメガ・コーポレーション)を用いたSP6プロモーターで標識されたアンチセンス転写の合成のために使用した。センス鎖を生成するために、10μgの精製プラスミドを制限酵素10U XbaIおよび10U NotIで切断し、そしてT7プロモーターから上に転写した。スピン・カラム・クロマトグラフィによって、センスおよびアンチセンス鎖の両方が単離された。260nmでのUV吸光度によって未標識センス鎖を定量した。
B.標的についての標識プローブのハイブリダイゼーション
凍結組織を液体窒素下で粉末に粉砕し、ディレクロプロテクト(DirectProtect)TMリセイトRNase・プロテクション・キット(テキサス、オースティンのアンビオン,インク.(Ambion,Inc.))の構成要素が入手可能なだけ100−500mgを1mlの溶解緩衝液に溶解させた。さらに、組織ホモジナイザーを用いて溶解を完了させた。さらに、正の対照として使用するためにマウス肝溶解物中で公知量のセンス鎖を連続希釈させた。最後に、45μlの溶解組織または希釈センス鎖を直接5μlの溶解用緩衝液中の1×105cpmの放射性で標識されたプローブと混合した。一夜37℃でハイブリダイゼーションを行った。
C.RNase消化
RNaseAおよびRNase T1の溶液を用いて、30分間37℃で、ダイレクト・プロテクトTMプロトコール当たりとしてプローブにハイブリダイズしていないRNAをその反応液から除去し、続いてサルコシルナトリウムの存在下でプロテイナーゼ−K消化によってRNaseを除去した。その後、同量のイソプロパノールを添加することによって、消化から保護したハイブリダイズされた断片を沈殿させ、そして−70℃で3時間放置した。12000×g、20分で沈殿物を遠心により収集した。
D.断片分析
沈殿物を変性ゲル負荷染料(80%ホルムアミド、10mM EDTA(pH8.0)、1mg/mlキシレンシアノール、1mg/mlブロモフェノールブルー)中に溶解させ、熱で変性させ、6%ポリアクリルアミドTBE、8M尿素変性ゲルで電気泳動させた。ゲルを映像化し、STORMTM保存リンオートラジオフラフィ系(カリフォルニア、サニーバルのモレキュラー・ダイナミックス(Molecular Dynamics))を用いて分析した。フェムトグラムズ(fg)で発現された保護断片のバンドの定量は、正の対照センス鎖(セクションB、前出参照)の公知希釈から得られるものと試験試料から得られたピーク領域を比較することによって達成された。さらに、溶解物中のDNAの濃度は、試験試料溶解物中の細胞の数を計算して分析した。結果は、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4およびそれらの断片または構成要素から構成される群から選択される配列に対応するBU101RNA/細胞の分子で、イメージ比スコアー(表1)として発現される。mRNAの高レベルの発現は、BU101mRNA(s)の存在を指示し、これは胸部組織疾患の診断、または乳ガンのような状態を示唆する。
Figure 0004400934
実施例5 ノーザンブロット
アガロースゲル電気泳動と核酸ハイブリダイゼーションを利用したノーザンブロットを用いてRNA複合集団中にある特定の大きさのRNAを同定した。要約すると、総RNA5−10μg(実施例3参照)を40mMモルフィリノプロパンサルフォン酸(MOPS)(pH7.0)、10mM酢酸ナトリウム、1mM EDTA、2.2Mフォルムアルデヒド、50%v/vのフォルムアミドを含む溶液15μl中で15分間、65℃で反応させた。変性RNAを2μlのローディング緩衝液(50%グリセロール、1mMEDTA、0.4%ブロモフェノールブルー、0.4%キシレンシアノール)に混合してから、40mM MOPS(pH7.0)、10mM酢酸ナトリウム、1mM EDTAと2.2M フォルムアルデヒドを含む変性1%アガロースゲルに負荷した。ゲルに60Vの電流を1.5時間通電し電気泳動してから、RNA分解酵素を含まない水で濯いだ。ゲルをRNA分解酵素を含まない0.5μg/mlのエチジウムブロマイド溶液で染色してから、紫外光を照射しリボソームRNAのバンドを可視化した。1.5時間、下方向へのアルカリ毛管転写(Chomczynski,Anal.Biochem,201;134−139,1992)を行い、ゲル中のRNAをナイロン膜(Brightstar−Plus、Ambion、Inc.,Austin.TX)に転写した。フィルターを1XSSCで濯いでからRNAをStratalinker(Stratagene,Inc.,LaJolla,CA)を用いてオートクロスリンキングモードでフィルター上に架橋させ、さらに15分間乾燥した。それからこの膜を前もって加熱しておいたプレハイブリダイゼーション液(5XSSC,50%フォルアミド、5Xデンハルト液、100μg/mlの変性サケ精子DNA)20mlを含むハイブリダイゼーションチューブに入れ、42℃のハイブリダイゼーションオーブン中で少なくとも3時間反応させた。ブロットをプレハイブリダイズする一方で、32Pで標識したランダムプライム化されたプローブをBU101挿入断片(クローン603148をXbaIとNotIで消化して得た)からランダムプライマーDNA標識システム(Life Technologies.Inc.,Gaithersburg、MD)を用いて製造業者の指示に従い生成した。できたプローブの半分を10分間煮沸してから、氷上で急冷しハイブリダイゼーションチューブに加えた。ハイブリダイゼーションは42℃で少なくとも12時間行った。ハイブリダイゼーション液を捨て、フィルターを30mlの3XSSC,0.1%SDSを用いて42℃で15分間洗浄し、それから30mlの3XSSC、0.1%のSDSで42℃、15分間の洗浄を行った。それからフィルターをサランラップで覆い、KodakXAR−Omatフィルムに8−96時間感光させ、その後フィルムを現像、解析した。
図3AとBに、エチジウムブロマイド染色したアガロースゲルによるRNAの定性分析の結果と、胸部組織および非胸部組織から得たRNAにBU101プローブをハイブリダイズさせたそれぞれのノーザンブロットの結果を示す。各パネルの左にRNAの大きさの標準の位置(kb単位)を示した。BU101プローブはレーン1の胸部試料中にのみある0.5kbの位置のバンドにのみハイブリダイズし、レーン3の胸部試料中のRNAもしくはレーン4−10中の7つの非胸部試料(それぞれ結腸、結腸、肺、肺、卵巣、前立腺、及び脾臓)はハイブリダイズしなかった。レーン2は空欄である。
実施例6:ドットブロット/スロットブロット
ドット及びブロット検定は核酸の混合物中の特定核酸配列の存在を素早く見いだす方法である。そのような検定を実施するためには、50μgまでのRNAを50μlの50%フォルムアミド、7%フォルムアルデヒド、1XSSC液に混合し、68℃で15分間反応させ、それから氷上にて冷却する。その後100μlの20XSSCをRNA混合液に加え、真空下に調製済みニトロセルール膜もしくはナイロン膜が装着されたマニフォールド装置にかける。この膜を水の中に浸し、さらに20XSSCに1時間おいてから20XSSCでしめらせておいた2枚のWhatman#3濾紙の上に載せ、スロットブロットもしくはドットブロット真空マニフォールド装置にかける。スロットブロットについては前記実施例4で調製した標識化したプローブを用いて解析した。配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4およびその断片もしくは相補配列よりなるグループから選択される配列に相当するmRNAの検出は、BU101の存在を示しており、乳ガンの様な胸部組織疾患もしくは疾患状態の診断を示唆する。
実施例5ならびに6記載の方法で使用できるその他の方法および緩衝液については詳述しないが、当業者に公知であり、前出J.Sambrookらによっても記載されている。
実施例7:原位置ハイブリダイゼーション
本方法は検出可能な核酸ハイブリダイゼーションプローブを利用して、目的とする特異的な核酸配列の細胞内での存在を直接検出するのに有用である。
組織はパラフォルムアルデヒドもしくはグルタールアルデヒドの様な細胞内RNAを最大限保留する架橋固定剤を用いて調製する。L.Angereら,Methods in Cell Biol.35:37−71(1991)参照。要約すると、組織をその容積の5倍より多くの1%グルタールアルデヒドの50mMリン酸ナトリウム溶液、pH7.5中に4℃で30分間浸ける。溶液を新しいグルタールアルデヒド溶液(1%グルタールアルデヒドの50mMリン酸ナトリウム溶液、pH7.5)に交換してさらに30分固定する。この固定溶液は浸透圧をおよそ0.375%NaClにする。組織を一度等張のNaCl溶液で洗いリン酸を取り除く。
それから固定された組織を次のようにしてパラフィンに包埋する。組織を一連の濃度のエタノール溶液にそれぞれ15分間浸して脱水する:50%(2回)、70%(2回)、85%、90%、それから100%(2回)。次に、組織を室温で20分間、2回キシレンに浸す。それから組織をキシレンとパラフィンの1:1の混合液に20分間60℃に浸す:最後にパラフィンに3回、それぞれ15分間浸す。
ついで標準的なミクロトームを用いて組織を5μmの厚さに切断し、前もって3−アミノプロピルトリエトキシレンの様な組織接着剤で処理しておいたスライド上にのせる。
10分間キシレンに浸してパラフィンを取り除いてから一連のエタノール濃度シリーズに浸して脱水化する:99%2回、95%、85%、70%、50%、30%そして蒸留水に2回浸ける。切片を0.2M HClで10分間前処理してから2μg/mlのプロテネース(Proteinase)Kで37℃で15分間処理し透過性にする。
BU101遺伝子プラスミドから転写した標識されたリボプローブ(実施例4参照)を前もって調製しておいた組織切片にハイブリダイズし3×の標準生理食塩水抽出物と50%フォルムアミド中に56℃で一晩培養させた。過剰のプローブは2×の標準食塩水クエン酸と50%フォルムアミドで洗浄して取り除いた後、これに100μg/mlのRNaseAで37℃で30分間消化した。蛍光プローブは紫外(UV)光を照射し発光させ、顕微鏡により可視化した。細胞質中にある蛍光はBU101mRNAの存在を示す。また、切片はオートラジオグラフィーを用いて観察することもできる。
実施例8:逆転写PCR
A 1段階RT−PCR試験
前記記載の標的配列を当分野で公知の逆転写PCRにより検出するために、標的に特異的なプライマーを設計する。1段階RT−PCRはRTとPCRを1つの反応混合液中で実施する一連の手順である。この手順は50mMの(N,N,−ビス[2ーヒドロキシエチル]グリシン)、pH8.15、81.7mMのKOAc、33.33mMのKOH、0.01mg/mlのウシ血清アルブミン、0.1mMエチレンジアミンテトラ酢酸、0.02mg/mlのNaN3、8%w/vのグリセロール、150μMの各dNTP、0.25μMの各プライマー、5UのrThポリメラーゼ、3.24mMのMn(OAc)2と5μlの標的RNA(実施例3参照)を含む200μlの反応混合液内で行う。RNAとrThポリメラーゼ酵素はMn(OAc)2の存在下では不安定であるため、Mn(OAc)2は標的RNAを加える直前に添加する。cDNA合成と温度サイクルの最適条件は当業者により容易に決定することができる。反応液はPerkin Elmer社のThermal Cycler480を用いて行う。cDNA合成と温度サイクルの最適条件は当業者により容易に決定することができる。有効と考えられる条件の一つは、60ー70℃で15分から45分間のcDNAを合成、94℃、1分;55−70℃、1分;72℃、2分の増幅サイクルを30−45回繰り返すものである。1段階RT−PCRはTaqポリメラーゼとの二重酵素及び手順MMLVもしくはAMV RT酵素の様な逆転写酵素を利用しても実施できる。
B.従来型RT−PCR.K.Q
Huら.,Virology 181:721−726(1991)記載の従来の2段階RT−PCR反応を実施した。要約すると、抽出したmRNA(実施例3参照)0.5μgを1XのPCRII緩衝液(Perkin−Elmer)、5mMのMgCl2、1mMのdNTP、20UのRNasin、2.5μMのランダムヘキサマー、ならびに50UのMMLV(Moloney murine leukemia virus)逆転写酵素(RT)を含む反応混合液20μl中で逆転写した。逆転写はPE−480サーマルサイクラーを用いて室温で10分、その後42℃で60分行い、さらに95℃で5分間培養させてRTを失活させた。PCRはcDNA2μlを用いて最終容量50mlの10mM トリス−HCl(pH8.3)、50mM KCl、2mM MgCl2、200μM dNTP、配列番号11および12記載のセンスおよびアンチセンスプライマーをそれぞれ0.5μMと2.5UのTaqポリメラーゼを含むPRC反応液中で行った。反応液はMJ Research Model PTC−200を用いて以下の様に実施した:増幅サイクル(94℃、20秒:58℃、30秒;72℃、30秒)を40回;最終伸長反応(72℃、10分);そして4℃に放置した。
C.PCR断片の解析
SYBR▲R▼Green I蛍光インターカレイター(Molecular Probes,Eugene、OR)とSTORM画像システムを用いたゲル電気泳動による分子サイズの決定により正しい産物を確認した(図4)。図4は、正常(レーン1−5)ならびに癌化(レーン6−10)胸部組織にはBU101特異的PCR産物を示す201塩基でのDNAバンドを示しているが、正常レーン(レーン1−レーン5)及び(レーン6−10)の両方の胸部組織で見られるが、肺(レーン12−16)あるいは結腸(レーン17−21)組織ではこのバンドは見られない。配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4ならびにそれらの断片もしくは相補性配列からなるグループより選択された配列よりなる産物が検出されることは、BU101mRNA(1つまたは複数)が存在していることを意味しており、乳ガンの様な胸部組織疾患あるいは疾患状態であると診断できることを示唆している。
実施例9:OH−PCR
A.プローブ選択と標識
標的配列をオリゴヌクレオチドハイブリダイゼーションPCRによって検出するために、標的とする配列に特異的なプライマーとプローブを設計する。1992年6月25日公開の国際公開番号WO92/10505ならびに1992年7月9日公開のWO92/11388はそれぞれオリゴヌクレオチドを5’末端および3’末端で標識するための方法を教示している。オリゴヌクレオチドを標識するための既知の方法の一つは、標識−蛍光アミド試薬を調製し、これを用いてオリゴヌクレオチド合成時に標識を付加するものである。例えば、N.T.Thoungら,Tet,Letters 29(46):5905−5908(1988);もしくはJ.S.Cohenら.,公開された米国特許出願第07/246.688(NTISORDER No.PAT−APPL−7−246,688)(1989)を参照のこと。プローブはその3’末端を標識し、それによってPCRに関与することを防ぎ、さらに不要の伸長産物ができることを防ぐことが好ましい。1段階OH−PCRではプローブはTMがプライマーのTMよりも少なくとも15℃より低くなければならない。プライマーとプローブは、検出可能な標識の有無に関わらず当業者公知の標準的な蛍光アミド化学および/または合成後標識法を用いて、特異的結合員として使用される。
B.1段階オリゴハイブリダイゼーションPCR
OH−PCRは50mM(N,N,−ビス[2−ヒドロキシエチル]グリシン)、pH8.15、81.7mMのKOAc、33.33mMのKOH、0.01mg/mlのウシ血清アルブミン、0.1mMエチレンジアミンテトラ酢酸、0.02mg/mlのNaN3、8%w/vのグリセロール、150μMの各dNTP、0.25μMの各プライマー、3.75nMのプローブ、5UのrThポリメラーゼ、3.25mMのMn(0Ac)2と5μl血液当量の標的配列(実施例3参照)を含む200μlの反応液内で行う。RNAとrThポリメラーゼ酵素はMn(OAc)2の存在下では不安定であるため、Mn(OAc)2は標的を加える直前に添加する。反応液はPerkinElmer社のThermal Cycler480中で培養する。cDNA合成と温度サイクルの最適条件は当業者により容易に決定することができる。有効と考えられる条件は、cDNA合成(60℃、30分)、30−45増幅サイクル(94℃、40秒;55℃−70℃、60秒)、オリゴ−ハイブリダイゼーション(97℃、5分;15℃、5分;15℃浸漬)である。正しい反応産物は、PCR産物と内部にハイブリダイズしたプローブの鎖の内の少なくとも一方の鎖を含んでいる。
C.OH−PCR産物解析
増幅反応産物はLCx▲R▼解析システム(Abbott Laboratories,Abbott Park,IL)を用いて検出した。要約すると、正しい反応産物を、抗体で標識した微粒子を用いてPCR産物鎖もしくはハイブリダイゼーションプローブのいずれかで捕捉しうる部位で捕捉し、その複合体をプローブもしくはPCR鎖の検出可能部位のいずれかに結合する検出可能な抗体の結合によって検出する。内側プローブとハイブリダイズしたPCR鎖を含む複合体だけが検出できる。この複合体が検出されることはBU101mRNAの存在を示しており、乳ガンの様な胸部疾患あるいは疾患状態と診断されることを示している。
当業者により使用でき、および/または改変可能な増幅もしくは非増幅BU101由来核酸配列の存在を検出できる、その他の多くの方式があり、ライゲース鎖反応(LCR、Abbott Laboratories,Abbott Park,IL);Q−βレプリカーゼ(Gene−TrakTM、Naperville,Illinois)、分枝鎖反応(Chiron,Emeryville,CA)や鎖置換法(Becton Dickinson,Research Triangle Park,NC)があるが、これらに限定されるものではない。
実施例10:合成ペプチド製造
合成ペプチド、BU101.1−BU101.8(それぞれ配列番号16−23)はBU101(配列番号15)(実施例1参照)の読取り枠について推測されるアミノ酸配列に基づいて調製された。全てのペプチドはSymphony Peptide Synthesizer(Rainin Instrument Co.Emeryville California)を用いて、FMOC化学、標準サイクル、原位置HBTU活性により合成された。開裂と脱保護条件は以下の通りである:2.5mlの切り出し試薬(77.5%v/vトリフルオロ酢酸、15%v/vエタノールジエチオール、2.5%v/v水、5%v/vチオアニソール、1−2%w/vフェノール)を樹脂に加え、室温で2−4時間攪拌した。それから濾過液を除去し、開裂試薬から冷やしたジエチルエーテルとともにペプチドを沈殿させた。それからペプチドを濾過し、水/アセトニトリル/0.1%TFA勾配を用いた逆相調製用HPLCにより精製し、凍結乾燥した。産物は分光測定法で確認した(データ未表示)。
精製したペプチドはグルタールアルデヒドを用いてキーホールかさがき貝ヘモシアニンに結合してから補助剤と混合しウサギに注射した(実施例14参照)
実施例11a:プラスミド577を用いた細胞株でのタンパク質発現
A.BU101発現プラスミドの構築
1995年6月7日出願の米国特許出願第08/478,073号記載のプラスミド577を永久(permanent)細胞株中に分泌抗原の発現用に構築した。このプラスミドは以下のDNAセグメントを含んでいる:(a)β−ラクタマーゼとDNA複製開始点を含むpBR322の2.3Kb断片;(b)HSV−1チミジンキナーゼプロモーターとポリA付加シグナルの制御下にネオマイシン耐性を発現する1.8Kbのカセット;(c)SV−40プロモーターとポリA付加の制御下にシグナルジヒドロ葉酸還元酵素遺伝子を発現する1.9Kbのカセット;(d)Simianウイルス40T−Agプロモーターと転写エンハンサー、ポリA付加シグナルを提供するヘルペスシンプレックス−1(HSV−1)が続くB型肝炎ウイルス表面抗原(HBsAg)エンハンサーIの制御下に、改変されたC型肝炎ウイルス(HCV)E2タンパク質と融合させたウサギ免疫グロブリン重鎖シグナル配列を発現する3.5Kbのカセット;ならびに(e)プラスミド中で機能しないSimianウイルス40遺伝子の後期遺伝子域の残りの0.7Kbの断片である。ベクターのセグメントの全ては分子生物学の当業者に公知の通常の方法で組み立てた。
分泌型のBU101タンパクの発現用プラスミドはプラスミド577中のC型肝炎ウイルスE2タンパクコード配列を、次の方法によって配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4ならびにそれらの断片もしくはその相補性配列からなるグループより選択されたBU101ポリヌクレオチド配列で交換し作製する。プラスミド577をXbaIで消化することでC型肝炎ウイルスE2遺伝子断片を放出させる。得られたプラスミド骨格にはBU101cDNA挿入体をウサギ免疫グロブリン重鎖シグナル配列の下流域に挿入することが可能であり、これによって細胞の分泌経路を利用したタンパク発現ができるようになる。BU101cDNA断片は通常の方法によるPCRを利用して作製する。センスPCRプライマー配列内では、XbaI部位がコートされシグナルプロテアーゼプロセッシングを促進し、分泌を効率的に行わせ、最終産物を培養液中で安定化させるアミノ酸配列Ser−Asn−Glu−Leu(”NEL”)をコードする12ヌクレオチドに連続して存在している。プライマーは、この12ヌクレオチド配列に続いて、BU101遺伝子のアミノ酸をコードする鋳型配列に相補的なヌクレオチドを含んでいる。アンチセンスプライマーには停止コドンの直前位置に次の8アミノ酸をコードする配列が取り込まれている:Asp−Tyr−Lys−Asp−Asp−Asp−Asp−Lys(配列番号24)。該配列中には解析を助けBU101タンパク産物の精製に役立つ認識部位が取り込まれている。認識部位(”FLAG”と命名されている)は市販の抗FLAG M2と命名されたモノクローナル抗体(Eastman Kodak,Co.,New Haven、CT)によって認識され、他の同様の配列とそれに対する抗体と同様に利用することができる。例えばPCEをPrkin−Elmer−Cetusより得たGneAmp試薬を用いて、製造業者の指示に従い実施する。PCRプライマーは最終濃度0.5μMで使用し、PCRは100μlの反応液中でBU101プラスミドの鋳型を用いて、35サイクル(94℃、30秒;55℃、30秒;72℃、90秒)後72℃、10分間の伸長反応を行い実施した。
B.ジヒドロ葉酸還元酵素欠損チャイニーズハムスターオバリー細胞の形質移入
前出のプラスミドをCHO/dhfr細胞(DXB−111、Uriacioら,PNAS77:4451−4466(1980))に形質移入した。これらの細胞はA.T.C.C.,12301Parklawn Drive、ROckville、MD20852より受付番号CRL9096で入手できる。形質移入はP.L.Felgnerら.,PNAS84:7413−7417(1987)記載の陽イオン性リポソーム介在法を用いて行う。特にCHO/dhfr−細胞は10%の胎児ウシ血清、L−グルタミン(1mM)を加えたHamのF−12培地で培養し、フラスコ当たり5−8×105細胞の密度でフラスコに新たに播く。細胞を形質移入のために60から80%の周密状態まで増殖させる。20マイクログラム(20μg)のプラスミドDNAを1.5mlのOpti−MEMI培地に加え、100μlのリポフェクチン試薬(Gibco−BRL;Grand Island,NY)を別のOpti−MEMI培地1.5mlに加える。2つの溶液を混合し、室温で20分間培養させる。培地を細胞から除いてから、5mlのOpti−MEMI培地で3回濯ぐ。それからOpti−MEMI−リポフェクション−プラスミドDNA溶液を細胞にかけた。細胞は37℃で3時間培養させ、その後選別24時間前に一度Opti−MEMI−リポフェクチン−DNA溶液を交換する。
C:選別と増幅
形質移入1日後、細胞を1:3にパッッセージしてからdhfr/G418選択培地(以下「F−12マイナス培地G」という)で培養する。選択培地はハムのF−12にL−グルタミンを添加し、ヒポキサンチン、チミジン、ならびにグリシンを除き(JRH Biosciences.Lenexa,Kansas)これに1ml当たり300μgのG418(Gibco−BRL:Grand Island,NY)を添加したものである。培地容積対面積比は25cm2当たり5mlを維持した。およそ2週後にDHFR/G418細胞を増殖しパッセージさせ、F−12マイナス培地Gで継続して維持する。
形質移入した各BU101cDNA配列はメトトレキセート(MTX)を用いた2段階のDHFR+、G418+細胞の段階的選別を用いて増幅する(R.Schimke、Cell 37:705−713(1984)参照)。細胞を150nMのメトトレキセート(MTX)(Sigma、St Louis,MO)を含むF−12マイナス培地Gで耐性コロニーがあらわれるまでおよそ2週間培養する。さらに150nM濃度に適合した細胞から5μMのMTXで選別をかけて遺伝子増幅を達成する。
D.抗原産生
5μMのMTXを添加したF−12マイナス培地Gを集密単層のすぐ上に5%CO2下、37℃で12−24時間重層する。増殖培地を取り除いてから細胞をダルベッコのリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)(カルシウムとマグネシウム添加)(Gibco−BRL;Grand Island,NY)で3回濯ぎ、残っている培地/血清を取り除く。それから細胞をVASカスタム培地(フェノールレッド抜きのHEPES添加L−グルタミンを加えたVASカスタム培地、JRH Bioscience;Lenexa,KSより入手可能,製品番号52−08678P)で5%CO2下、37℃で1時間培養した。その後産生を目的に、細胞にTフラスコ当たり5mlの割合でVASを重層した。培養7日後に培地を取り除き、そのまま維持し、収穫2、3、ならびに4と共に精製するときまで凍結する。さらに3回7日ごとに収穫するために、単層にVASを重層する。
E.胸部組織遺伝子BU101抗原発現の解析
BU101タンパクを発現している細胞より得たVAS上清の一部を、当業者公知の通常の方法と試薬を用いたSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)(Laemmli 不連続ゲル)もしくは質量分光測定法を利用して解析する。
F.精製
抗FLAGM2モノクローナル抗体をヒドラジン結合を利用してアガロースに共有結合させた親和性マトリックス(Eastman Kodak Co.,New Haven、CT)を用いた免疫アイフィニティークロマトグラフィーを利用してFLAG配列を含むBU101タンパクを精製する。親和性精製する前に、ローラーボトルから集めたVAS培地中に貯めたタンパクをセファデックスG−25(Pharmacia Biotech Inc.,Uppsala,Sweden)カラムを用いて50mM トリス−HCl(pH7.5)、150mM NaCl緩衝液に交換する。この緩衝液中のタンパクを抗FLAG M2抗体親和性カラムにかける。50mM トリス−HCl(pH7.5)、150mM NaCl緩衝液でカラムを洗浄することにより結合しなかったタンパクを溶出する。結合したタンパクは過剰のFLAGペプチドを含む50mM トリス−HCl(pH7.5)、150mM NaClを用いて溶出する。過剰のFLAGペプチドはゲル電気泳動もしくはHPLCにより緩衝作用を持たせたBU101タンパクから取り除くことができる。
本実施例ではプラスミド577を用いてるが、CMVの様なその他の同等の発現系についても、使用する試薬および/または方法を適当に改変することで利用可能であり、当分野の通常の技術の範囲である。
BU101遺伝子のコード域を含む最も大きなクローン化挿入体を(i)タンパク発現および検出に役立つ遺伝子、例えばサイトメガロウイルス(CMV)プロモーターおよび/またはタンパク融合可能配列を含む真核生物発現ベクター、もしくは(ii)スーパーオキサイド−ジスムターゼ(SOD)とCMP−KDO合成酵素(CKS)あるいはその他のタンパク配列の発現に利用できるタンパク融合遺伝子を含む細菌発現系の中にサブクローニングする。SODの融合配列を含むポリペプチドの産生に有用な方法とベクターは1986年10月1日公開のEPO 0196056に記述されており、またこららのCKSの融合配列を含む例については1989年9月13日公開のEPO公開番号0331961に記載されている。この供精製タンパクは、動物の免疫研究に限定されることなく、固相免疫測定法等の様々な技術に利用することができる。
実施例11b:pcDNA3.1/Myc−Hisを用いた細胞株でのタンパク発現A.BU101発現プラスミドの構築
プラスミドpcDNA3.1/Myc−His(カタログ番号V855−20、Invitrogen,Carlsbad,CA)を各種ほ乳動物細胞株による分泌型抗原の発現用に構築しておいた。発現されたタンパク挿入体はmyc−hisペプチドタッグと融合している。myc−hisタッグ(配列番号25)はc−myc発ガンタンパクエピトープとポリヒスチジンより構成されており、抗mycもしくは抗his親和性カラムもしくはメタロプロテイン結合カラムを利用した発現した融合タンパクの精製に有用である。
分泌可能なBU101タンパクの発現用プラスミドはクローン603148より得たBU101ポリヌクレオチド配列をpcDNA3.1/Myc−Hisベクターに挿入して構築された。BU101発現プラスミドを構築する前に、BU101cDNA配列をまずpCR▲R▼−平滑ベクター内にクローン化する。BU101cDNA断片はStratagne社より得たStratagene試薬を用い、製造業者の指示に従いPCRにより生成した。PCRプラマーは最終濃度0.5μMで使用した。pfuポリメラーゼ(Stragagene.LaJolla,CA)を5U用いたPCRを、BU101プラスミドを鋳型とし50μlの反応液中で30サイクル(94℃、1分:65℃、1.5分;72℃、3分)行い、続いて72℃、8分の伸長を行った。(センスPCRプライマー配列。配列番号13はBU101遺伝子挿入体のすぐ上流にあるpSPORTベクターの配列に同じヌクレオチドより成る。配列番号14のアンチセンスプライマーは5’NotI制限配列と3’−most、枠内停止コドンの直上流に挿入されたBU101cDNAの3’末端に相補的な配列を含いんでいる)。得られた平滑端PCR産物5マイクロリッター(5μl)を直鎖状にしたpCR▲R▼−平滑ベクター(Invitrogen,Carlsbad,CA)25ng内に連結し、ベクターの致死ccdB遺伝子を破壊した。得られた連結ベクターをOne ShotTM形質転換キット(Invitrogen,Carlsbad,CA)を用い、製造業者の指示に従いTOP10大腸菌(Invitrogen,Carlsbad,CA)内に形質転換した。形質転換細胞をLB−Kanブロス(50μg/mlカナマイシン)選択プレート上で37℃で増殖させた。形質転換後に、破壊されたccdB遺伝子をもったプラスミドを含む細胞だけが増殖する(Grant,S.G.N.,PNAS 87;4645−4649(1990))。形質転換されたコロニーを選び出し、3mlのLB−Kanブロス内で、37℃で増殖させた。プラスミドDNAをQIAprep(Qiagen Inc.,Santa Clarita,CA)を製造業者の指示に従い単離した。DNAをEcoRIとNotI制限酵素を用いて消化し、BU101挿入断片を放出した。この断片を1%のSeakem▲R▼LEアガロース(FMC,Rockland、ME)/0.5μg/mlエチジウムブロマイド/TEゲルで電気泳動し、紫外光照射により可視化後、取り出し、製造業者の指示に従いQIAquickTM(Qiagen Inc.,Samta Clarita,CA)を用いて精製した。
pcDNA3.1/Myc−HisプラスミドDNAをプラスミドDNAのポリリンカー域内の切断部位を有するEcoRIとNotIで消化して、直鎖状にした。前出BU101精製断片をCMVプロモーター下流に上記プラスミドDNA骨格を連結し、DH5alphaTM細胞(GibcoBRL、Gaithersburg,Md)内に製造業者の指示に従い形質転換した。要約すると、10ngのBU101挿入体を含むpcDNA3.1/Myc−Hisを50μlの反応能を持つDNAalpfa細胞に加え、成分をゆっくりと混合した。この混合液を氷上で30分間反応させてから、37℃の温度ショックを20秒間加え、さらに2分間氷上に置いた。0.95mlのLB培地を加えてから混合液を37℃で1時間225rpmで攪拌しながら培養した。その後、形質転換した細胞を100mmLB/Amp(50μg/mlアンピシリン)プレート上に播いて、37℃で増殖させた。コロニーを採取し3mlのLB/アンピシリンブロス中で増殖させた。プラスミドDNAはQIAprepキットで精製した。挿入体の存在は制限酵素消化とゲル分析により確認した(J.Sambrookら.,前出)B.ヒト胚腎臓細胞293細胞の形質移入
前出Aに記載したBU101発現プラスミドをLB/アンピシリン寒天上に播かれたDH5alpha細胞内に形質転換し、上記10mlのLB/アンピシリンブロス内で増殖した。プラスミドはQIAfilterTMMaxiキット(Qiagen,Chatsworth,CA)を用いて精製し、HEK293細胞内に形質移入した(F.L.Grahamら.,J.Gen.Vir.36:59−72(1977))。これらの細胞はA.T.C.C.,12301 Parklawn Drive、Rockville,MD20852より受付番号CRL1573で入手できる。形質移入はP.Hawley−Nelsonら.,Focus 15.73(1993)記載の陽イオン性リポフェクタミン介在法を用いて行った。HEK293細胞を10%のウシ胎児血清(FBS)、L−グルタミン(2mM)を添加されたDMEM培地10ml中で培養し、プレート当たり9×106細胞の密度で100mm径の培養プレートに播いた。細胞は形質移入するために37℃で70%から80%の間の集密度まで増殖させた。プラスミドDNA8マイクログラム(8μg)を800μlのOpti−MEMI▲R▼培地(Gibco−BRL、Grand Island,NY)に加え、48μlから96μlのリポフェクタミンTM試薬(Gibco−BRL、Grand Island,NY)を別の800μlのDMEM無血清培地に加える。この二つの液を混合し室温で15−30分間培養させる。細胞から培地を取り除いてから10mlの無血清DMEMで一度洗浄する。Opti−MEMIリポフェクタミンプラスミドDNA液を6.4mlの無血清DMEMで希釈してから細胞上に重層する。細胞を5時間37℃で培養してから、8mlの20%FBS添加DMEMをさらに加える。18ー24時間後、古い培地を吸引してから、細胞の上に5mlの新鮮な5%FBSを添加したDMEMを重層した。形質移入後72時間目に上清と細胞抽出物についてBU101遺伝子活性を調べた。
C.胸部組織遺伝子BU101抗原発現の解析
前出培養上清を凍結チューブに移し、氷上に保管した。HEK293細胞を10mlの冷やしたダルベッコのPBS液で2回洗浄し、1.5mlのCAT溶解緩衝液(Boehringer Mannheim,Indianapolis,IN)を加えてから室温で30分間培養させて溶解し集めた。溶解物を1.7mlのポリプロピレン製の微量遠心管に移し1000×gで10分間遠心分離した。上清を新しい冷凍チューブに移しから氷上に保管した。細胞の上清の一部とBU101タンパクを発現している細胞の溶解物の一部をとって、BU101組み替体タンパクの存在を解析した。アリコートは当業者公知の通常の方法と試薬を用いたSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS−PAGE)にかけることができる(J.Sambrookら.,前出)。これらのゲルをニトロセルロースやニトランといった固形媒体上にブロットし、抗mycエピトープあるいは抗ヒスチジンモノクローナル抗体(Invitrogen,Carlsbad,CA)あるいは抗BU101ポリクロナール血清(実施例14参照)を用いたウエスタンブロット法を実施することでBU101タンパクのバンドを可視化できる。あるいは、発現されたBU101組換え体タンパクは質量分光測定法でも解析できる(実施例12参照)。
D.精製
myc−his配列を含むBU101組換え体タンパクは、ポリヒスチジン残基に特異的に結合するニッケル結合アガロース樹脂を利用したXpress▲R▼親和性クロマトグラフィーシステム(Invitrongen,Carlsbad,CA)により精製した。前記により調製した10×100mmプレートから上清を集め、ニッケル結合カラムを通過させた。50mM トリス−HCl(pH7.5)/150mM NaCl緩衝液でカラムを洗浄して非結合タンパクを溶出し、myc−his融合タンパクだけを残した。それから過剰のイミダゾールあるいはヒスチジンもしくは低pH緩衝液を用いてカラムから結合したBU101組み換え体タンパクを溶出した。また、組換え体タンパクは、ヒドラジンもしくはその他の結合剤によりアガロース樹脂に結合させた抗mycもしくは抗ヒスチジンモノクローナル抗体にタンパクのmyc−his配列を結合させてからそれぞれ過剰のmycエピトープあるいはヒツチジンを用いて溶出しても精製できる。
精製された組み換え体タンパクはN−ヒドロキシサクシンイミド活性化セファロースカラム(Pharmacia Biotech,Piscataway,NJ)のような固相に、製造業者の指示に従い操作することで共有結合させることができる。BU101組換え体タンパクが共有結合したこれらのカラムを用いてウサギやマウス血清から抗BU101抗体を精製することができる(実施例13および14参照)。
E.BU101発現タンパクを用いたマイクロタイタープレートのコーティング
前出の様にして100mmプレートから得た上清を適当な容量のPBSで希釈する。それから得られた混合液をReactiBindingTM金属キレートマイクロタイタープレート(Pierce,Rockford,IL)の各ウエルに100μlづつ加え、揺すりながら室温で培養させ、それから各ウエルを0.05%Tween20を含むPBS200μlで3回洗浄した。調製されたマイクロタイタープレートは、BU101抗体の有無についてポリクローナル抗血清のスクリーニングに利用できる(実施例17参照)。
本実施例ではpcDNA3.1/myc−Hisを用いているが、試薬および/または方法に適当な改良を加えることで他の同等の発現系も利用できることは当業者に公知であり、当業者の通常の技術の範囲である。BU101遺伝子のコード域を含む最も大きなクローン化挿入体を(i)タンパク発現および検出に役立つ遺伝子、例えばサイトメガロウイルス(CMV)プロモーターおよび/またはタンパク融合可能配列を含む真核生物発現ベクター、もしくは(ii)スーパーオキサイド−ジスムターゼ(SOD)とCMP−KDO合成酵素(CKS)あるいはその他のタンパク配列の発現に利用できるタンパク融合遺伝子を含む細菌発現系の中にサブクローニングする。SODの融合配列を含むポリペプチドの産生に有用な方法とベクターは1986年10月1日公開のEPO 0196056に教示されており、またこららのCKSの融合配列を含む例については1989年9月13日公開のEPO公開番号0331961に記載されている。この供精製タンパクは、これらに限定されることはないが、動物の免疫研究、固相免疫測定法等の様々な技術に利用することができる。
実施例12:胸部組織タンパクの化学分析
A.MSを使用したのトリプシン消化ペプチド断片の分析
乳ガンの様な胸部疾患を有する患者より得た血清ならびに胸部疾患を持たない患者の血清、乳ガンの様な胸部疾患を有する患者の胸部組織もしくは細胞の抽出物、胸部疾患を有しない患者から得た胸部組織もしくは細胞の抽出物ならびに患者の非疾患器官もしくはその他の疾患器官より得た組織もしくは細胞の抽出物を通常のポリアクリルアミドゲルで電気泳動し、クマシーブルーで染色した。未知のポリペプチドを含むと思われるゲル部分を切り出し、ゲル内で還元し、アセトアミド化後トリプシン消化を行った。P.Jenoら,Anal.Bio.224:451−455(1995)とJ.Rosenfeldら、Anal.Bio203:173−179(1992)。ゲル切片を100mM NH4HCO3とアセトニトリルで洗浄する。収縮したゲルを消化緩衝液(50mMのNH4HCO3,5mMCaCl2と12.5μg/mlトリプシン)中に4℃、45分放置して膨潤させる。上清を吸引し、かわりに5から10μlのトリプシンを除いた消化緩衝液を加え37℃で一晩培養させる。5%の蟻酸とアセトニトリルを3回交換しながらペプチドを抽出し、蒸発して乾燥させる。ペプチドを吸引型ガスクロマトグラフィーの毛管チューブの先端に装着したおよそ0.1μlのPOROS R2吸着剤(Perseptive Biosystems,Framingham,Massachusetts)で捕捉してから、10μlの5%蟻酸で溶解し、毛管に通す。吸着されたペプチドを水で洗浄してから5%の蟻酸を含む60%メタノール液で溶出する。溶出液を直接APIIII質量分光測定法(Perkin−Elmer Sciex、Thornhill,Ontario,Canada)のスプレー型毛管にかけて、ナノ−エレクトロスプレー質量分光測定法を用いて解析した。M.Wilmら.,Int.J.Mass Spectrom,.Ion Process136:167−180(1994)およびM.Wilmら.,Anal.Chem,66:1−8(1994)。トリプシン消化ペプチドのマスは最初の4極子より得た質量分光測定法により決定した。ペプチドが予想されたマスはさらにMS/MSモードを用いて解析し、ペプチドのアミノ酸配列を分析した。
B.LC/MSを用いたペプチド断片分析
過形成性疾患組織に発見されたmRNA配列より推測されるポリペプチドの有無についても液体クロマトグラフィー/タンデム質量分光測定法(LC/MS/MS)を用いて確認できる。D.Hessら.,METHODS、A Companion to Mehtods in Enzymology6:227−238(1994)。患者より得た血清試料あるいは癌抽出物をSDSで変性し、ジチオスレイトール(1.5mg/ml)で90℃、30分間処理して還元してからヨードアセトアミド(4mg/ml)を25℃で15分間作用させてアリキル化する。アクリルアミド電気泳動後ポリペプチドを陽イオン性膜上に電気ブロットし、クマシーブルーで染色する。染色後、膜を洗浄し、未知ポリペプチドを含んでいると考えられる部分を切り出し、細断する。膜を500μlの微量遠心管に入れてから10から20μlのタンパク分解消化緩衝液(0.1M NaCl、10%アセトニトリル、2mM CaCl2、および5μg/mlのトリプシンを含む100mM トリス−HCl、pH8.2)(Sigma,St.Louis,MO)に浸した。37℃で15時間処理した後、3μlの飽和尿素と1μlの100μg/mlのトリプシンを加えさらに37℃で5時間培養する。3μlの10%トリフルオロ酢酸を加え消化混合液を酸性化してから遠心分離し上清と膜を分離する。上清を微小孔逆相HPLCカラムに直接かけて、アセトニトリル勾配をつけた0.05%トリフルオロ酢酸液を用いて溶出する。試料の容積調整が必要な場合にはストリームスプリッターを通してから溶出液をエレクトロスプレー質量分光測定に直接注入する。データは実施例12のAに記載の方法に従い解析する。
実施例13:遺伝子免疫化の手順
A.試験管内抗原発現
遺伝子免疫化法は適当な発現ベクターを接種した後に試験管内で抗原を直接発現させることでタンパク精製段階を省略する方法である。またこの方法による抗原産生ではタンパクがほ乳組織内で作られることから、正確なタンパクの折り畳みとグリコシレーションが可能になる。本法は、CMVプロモーターを含むプラスミド内への遺伝子挿入、プラスミドの増殖、精製、ならびに動物の筋肉組織内へのプラスミドDNAの注入を利用するものである。好ましい動物にはマウスとウサギがある。例についてはH.Davisら.,Human Molecular Genetics2:1847−1851(1993)を参照。1回あるいは2回のブースター免疫化後、動物から採血、あるいは腹水を集めるか、あるいは動物の脾臓を集めてハイブリドーマを作製する。
B.プラスミド調製と精製
BU101cDNA挿入体を実施例11記載のBU101ベクターよりEcoRIとNotI制限酵素で消化して放出した。消化したプラスミド断片を1%Seakem KE アガロース/0.5μg/mlエチジウムブロマイド/TEゲル上に電気泳動し、バンドを紫外光照射して可視化した。挿入断片をゲルから切り出し、前出のQIAquick法を利用して精製した。断片をEcoRI/NotIで消化したpcDNA3.1ベクター(Invitorogen,Carlsbad,CA)に連結し前出の方法によりDH5alpha細胞内に形質転換した。プラスミドDNAはQIAprepカラムを用いて細菌溶解物から精製した。用いた全ての技術は分子生物分野当業者にとって一般的なものである。
C.免疫化の手順
麻酔をかけた動物の筋肉内に0.1−100μgのPBSで希釈した精製プラスミドもしくはその他のDNA取り込みエンハンサー(カルジオトキシン、25%ショ糖)を投与して免疫化した。例についてはH.Davisら.、Human Gene Therapy4;733−740(1993);ならびにP.W.Wolffら、Biotechniques11:474−485(1991)。1回または2回のブースター注射を一ヶ月の間隔をあけて行った。
D.抗血清の試験と使用
動物から採血し、得られた血清について既知の遺伝子配列(実施例16参照)を基に合成したペプチドを用いて、ウエスタンブロットあるいはEIA法といった当業者公知の方法を利用して抗体試験を実施した。本法で作製された抗血清は実施例15から18記載の様なELISAあるいはウエスタンブロット法による患者組織中、あるいは細胞抽出物、もしくは患者血清中の抗原検出に利用できる。
実施例14:BU101に対する抗体の作製
A.ポリクローナル抗血清の作製.BU101に対する抗血清はBU101共通配列(配列番号3)の推定アミノ酸配列に由来する配列を有するペプチドをウサギに注射して調製した。ペプチドの合成(配列番号16−23)は実施例10に記載した。免疫原として用いたペプチドは、以下述べる方法によりキャリアーであるキーホールカサガイヘモシアニン(KLH)(配列番号16−22)に結合するか、あるいは未結合のまま(KLHのようなキャリアーには結合しない(配列番号21、配列番号22、配列番号23)ままで免疫原として利用した。
1.ペプチド結合.ペプチドはマレイミドで活性化したカサガイヘモシアニン(KLH、Imjectとして市販されておりPierce Chemical Company、Rockford,ILより入手できる)。Imject▲R▼にはヘモシアニン1モル当たりおよそ250モルの反応性マレイミド基が含まれている。活性化されたKLHはリン酸で緩衝化された生理食塩水)PBS,pH8.4)中に約7.7mg/mlの濃度で溶解されている。ペプチドはペプチド配列中のシステインで結合されているか、合成ペプチドに前もって加えられたシステインに結合されていて、結合部位を提供している。ペプチドはジメチルスルフォキサイド(DMSO、Sigma Chemical Company、St.Louis,MO)に溶解し、KLH結合反応性マレイミド1モル当たりペプチド1.5モルのモル比で活性化KLHと反応させた。ペプチド(配列番号16−22)の結合方法は以下に記載する。これらの方法における試薬量、時間、条件を該ペプチド結合に最適化する様に変更しうることは当業者に公知である。
以下記載の結合反応は約0.77μmoleの反応マレイミド基を含むKLHペプチド結合体(「結合ペプチド」)3mgを獲得することを前提としたものである。このペプチド結合体量はウサギでポリクローナル抗体を作るための1回の初回注射と4回のブースター注射に利用できる量である。要約すると各ペプチド(配列番号16−22)をDMSO中に1.16μmole/100μlDMSO濃度に溶解する。百マイクロリッター(100μl)のDMSO液を上記の方法で調製した活性化KLH液380μlに加え、そしてPBS(pH8.4)を加えて合計量を500μlとする。この反応液を室温で攪拌しながら一晩培養させる。反応の強さは反応液中の非反応チオールの量を測定することで決めた。チオールの出発濃度と最終濃度の差は活性化KLHに結合したペプチドの濃度と考えられる。残ったチオールの量はエルマン試薬(5,5’−ジチオビス(2−ニトロ安息香酸)、Pierce Chemical Company、Rockford,IL)を用いて測定した。システインの標準物質を塩酸システイン(Pierce Chemical Company、Rockford,IL)35mgを10mlのPBS(pH7.2)に溶解し保存液を作製してから所望濃度まで希釈し0,0.1,0.5,2,5ならびに20mMの濃度に調整した。チオール濃度の分光光学的測定は、PBS(pH8.4)200μlをImmulon2▲R▼マイクロウエルプレート(Dynex Technologies,Chantilly,VA)の各ウエルに加え、行った。次いで標準液あるいは反応混合液10μlを各ウエルに加える。最後に1mg/mlの濃度のEllmanの試薬PBS(pH8.4)溶液を各ウエルに20μlづつ加える。ウエルを室温で10分間培養させる、そして全てのウエルの吸光度をマイクロプレート測定器(BioRadモデル3550、BioRad,Richmond,CA)を用いて415nmで測定した。標準物質の吸光度から標準曲線を作製し、反応混合液のチオール濃度を標準曲線から決定した。遊離型チオール濃度が減少することは、結合反応が成功したことを示している。さらに、マレイミド活性型KLHを添加する前と反応終了前にペプチド溶液中の遊離型チオールを計算することで、各ペプチド×KLH結合体のKLHのペプチド/モルのモルの置換比が計算することができる。いずれの場合も反応は完了し、調製済みのペプチド結合それぞれについておよそ250ペプチド/KLH分子の比率で置換していた。PBS(pH7.2)に対して室温6時間透析し未反応のペプチドを取り除いた。結合体をすぐに使用しない場合には、2−8℃に保存した;あるいは−20℃以下の温度で保存した。
2.動物への免疫 体重2kg以上の雌のニュージーランドウサギを用いてポリクローナル抗血清を作製した。通常は、一匹のウサギを用いて非結合型あるいは結合型ペプチド(BU101−BU101.8、前記記載の方法で調製する)で免疫した。最初の免疫の1週間前に、動物から血液の5から10mlを採取して非免疫採血前試料とした。
非結合型もしくは結合型ペプチド、BU101.1−BU101.8(配列番号16−23)について、2mg/ml濃度のペプチドPBS液(pH7.2)2mlに0.5mlの完全フレンド補助剤(CFA)(Difco,Detroit,MI)を加え乳化して初回免疫原を調製した。該免疫原を動物の複数箇所に皮下、腹膜内、および/または筋肉から投与した。初回免疫から4週後に、ブースター免疫を投与した。ブースター免疫の免疫原には、ペプチドを0.5mlの不完全フレンド補助剤(IFA)(Difco、Detroit,MI)0.5mlで1m,g/mlの濃度に希釈した事以外は初回免疫に使用したものと同一である非結合型、あるいは結合型ペプチドの乳化液0.5mlを使用した。それからまた皮下、腹腔内、ならびに筋肉内注射によりブースターを複数箇所に投与した。ブースター免疫後2週目に動物より採血(5ml)し、得られた血清について上記ペプチドに対する免疫反応性を調べた。このブースターおよび採血スケジュールを適当な力価が得られるまで4週間隔で繰り返した。抗血清の力価あるいは濃度は以下示す実施例17記載のマイクロタイターEIAにより決定した。さらに、見かけ上の親和値[Kd(app)]を抗血清のいくつかについて決定した(実施例17参照)。ブースの力価と見かけ上の親和値の測定には、完全長のBU101.8ペプチド(配列番号23)抗原として用いた。1:500以上の抗体力価を示したものをその後の利用と解析に適したものを判定した。
B.モノクローナル抗体の作製
1.免疫化手順.
マウスでモノクローナル抗体作製に使用する非結合型あるいは結合型ペプチドの量をウサギにポリクローナル抗体を作製するときに利用した量の1/9であること以外は、上記記載の方法と同様にして調製免疫原を用いてマウスを免疫化する。即ち、初回免疫原は非結合型もしくは結合型ペプチド100μgを含む0.1mlのCFA乳化剤より構成される;一方ブースター免疫に使用した免疫原は非結合型あるいは結合型ペプチド50μgを0.1ml中に含むIFA液である。モノクローナル抗体の作製のためのハイブリドーマを通常の方法を用いて調製しスクリーニングした。モノクローナル抗体開発に使用した方法はKohlerとMilstein、Nature256:494(1975)とJ.G.R.Hurrel,編集.,Monoclonal Hybridoma Antibodies:Techniques and Applications、CRC Press,Inc.,Boca Raton,FL(1982)に詳細記載されている公知方法に従った。KohlerとMilstein法を基礎とした別のモノクローナル抗体作製法にはL.T.Timmsら.,Virology176:604−619(1990)がある。
免疫計画は初回免疫と追加のブースター免疫から構成される。初回免疫に使用した初回免疫原は50μlのCFAで前もって乳化した非結合型あるいは結合型ペプチド100μgを含むPBS(pH7.2)50μlである。ブースター免疫は初回免疫後およそ2週間目と4週間目に50μlのCFAで前もって乳化した非結合型あるいは結合型ペプチド50μgを含むPBS(pH7.2)50μlを用いて行った。本免疫原の総量100μlはそれぞれのマウスに腹腔内ならびに筋肉内投与された。個々のマウスについてその免疫反応を、実施例17記載のマイクロタイタープレート酵素免疫検定(EIA)を用いて3回目の免疫後およそ4週目に調べた。3回目の免疫後およそ15週目に、非結合型あるいは結合型ペプチド50μgを含むPBS液(pH7.2)をマウス静脈内、脾臓内、あるいは腹腔内に投与した。
静脈内ブースト後3日目に脾臓細胞を例えばSp2/0−1g14ミエローマ細胞(Milstein Laboratories,England)にポリエチレングリコール(PEG)法を利用して融合する。融合体を10%のウシ胎児血清(FCS)を含むイソコバの改良型ダルベッコ培地(IMDM)に1%のヒポキサンチン、アミノプテリンとチミジン(HAT)を加えた培地内で増殖する。実施例17に従いマイクロタイタープレートEIAを用いて粗培養体をスクリーニングする。免疫原に使用したペプチドに反応しその他のペプチド(例えば、免疫原に利用しなかったBU101ペプチド)に対しては反応しないクローンを最終増殖を目的に選択した。この様にして得たクローンを増殖させ、小分けしてから、10%FCSと10%ジメチルスルフォキサイドを含むIMDM中に凍結した。
2.モノクローナル抗体を含む腹水の作製
上記記載の如く調製した凍結ハイブリドーマ細胞を融解してから増幅培地内に置いた。各種ハイブリドーマ細胞を経腹膜的にプリスタン処理したマウスに接種した。当該マウスより腹水を取り、集め、0.2μのフィルターで濾過してから免疫グロブリンクラスG(IgG)分析を行い、精製に必要なプロテインAの量を求めた。
3.腹水からのモノクローナル抗体の精製
要約すると、濾過して融解した腹水に頭領のタンパク質Aセファローズ結合緩衝液(1.5Mグリシン、3.0M NaCl、pH8.9)を混合してから0.2μのフィルターに通した。プトテインAカラムの容積は腹水中に存在するIgG量より決定した。溶出液をPBS(pH7.2)に対して2−8℃で一晩透析した。透析したモノクローナル抗体を滅菌的に濾過してから小分けした。精製モノクローナル抗体の免疫反応性は実施例17のEIAマイクロタイタープレート法を用い、免疫原に使用したペプチドへの抗体の特異的結合能を調べた。精製モノクローナル抗体の特性は免疫原に使用していないBU101ペプタイドの様な無関係なペプチドに対する結合性を欠いているかを調べ確認した。この様にして調製し、特性解析した精製抗BU101モノクローナル抗体は短期の場合には2−8℃で、長期の場合には−80℃に保管した。
4.モノクローナル抗体の更なる特性化
上記により調製したモノクローナル抗体のイソタイプとサブタイプは、市販のキット(Amersham,Inc.,Arlington Heights,IL)を用いて決めることができる。モノクローナル抗体の一部を2−8℃に連続保管し、一定時間毎に光学密度(OD)を測定することでモノクローナル抗体の安定性試験も実施できる。
C.免疫原への組換えタンパクの応用
本発明の範囲には、上記により調製した組換えタンパクを、必要な当業者公知の試薬と方法の変更を行いポリクローナル抗体ならびにモノクローナル抗体作製の免疫原に利用することも含まれている。
実施例15:BU101ペプチドに特異的に結合する血清抗体の精製
実施例13および/または14に記載の方法で得た免疫血清は実施例10記載の方法で調製した固定化した合成ペプチド、もしくは実施例11記載の方法で調整した組み換えタンパクを用いて親和性精製される。粗血清を希釈しプロテインAカラム(Affi−Gelタンパク質A、Bio−Rad、Hercules,CA)にかけて抗血清のIgG分画を得る。緩衝液(結合緩衝液、製造業者より供給)を用いて溶出することで免疫グロブリン以外のほとんど全てのタンパクが除去される。0.1Mの緩衝作用を持たせたグリシン(pH3)で溶出することで実質的にアルブミンやその他の血清タンパクを含まない免疫グロブリンが調製できる。
免疫親和性クロマトグラフィーを行い、より特異的抗原結合性をもった抗体の分画を調製する。抗血清作製に使用したペプチドをクロマトグラフィー樹脂に固定化し、そのエピトープに対し特異的な抗体を樹脂上に吸着する。非結合性の成分を洗い流した後に、特異抗体を0.1Mのグリシン緩衝液(pH2.3)で溶出する。免疫活性を保存するために抗体分画を1.0Mのトリス緩衝液(pH8.0)を用いてすぐに中和する。クロマトグラフィー樹脂はペプチドに存在する活性基の種類の応じて選択する。ペプチドにアミノ基がある場合には、Afi−Gel10あるいはAffi−Gel15の様な樹脂を使用する(Bio−Rad,Hercules,CA)。ペプチド上のカルボキシル基を利用した結合を望む場合には、Affi−Gel102が利用できる(Bio−Rad,Hercules,CA)。ペプチドに遊離型のスルフヒドリル基がある場合にはAffi−Gel501(Bio−Rad,Hercules,CA)やSulfoLinkTM(Pierce,Rockford,IL)の様な有機水銀系樹脂が利用できる。樹脂に固定化するペプチドの両はNano OrangeTM(Molecular Probes,Eugene、OR)を利用して決定できる。
あるいは、前記記載の当業者公知の通常の方法を利用して脾臓を集め、これを利用してモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマの作製に利用することもできる。
実施例16:組織試料のウエスタンブロット
組織試料を0.1Mのトリス−HCl(pH7.5)、15%(w/v)グリセロール、0.2mMのEDTA、10mMの1,4−ジチオスレイトール、10μg/mlのロイペプチンならびに10mMのフェニルメチルスルフォニルフロライド中で均質化し、タンパク抽出物を調製した(Kainら.,Biotechniques17;982(1994))。均質化後、試料を4℃で5分間遠心分離して上清と破壊カスとわけた。タンパク質の定量化のため、3−10μlの上清を1.5mlのビシンクロニック酸試薬(Sigma.St.Louis,MO)に加え、562nmの吸光度を測定した。
SDS−PAGEを行う場合には、試料を所望の濃度にTricine緩衝液(Novex,SanDiego、CA)で調製し、等量の2×Tricine試料緩衝液(Novex,SanDiego、CA)と混合してからサーマルサイクラー中で5分間100℃に加熱した。それから試料を電気泳動用Novex10−20%Precast Tricine Gelにかけた。電気泳動後試料をゲルからNovex トリス−グリシントランスファー緩衝液中のニトロセルロース膜に移す。その後、Western LightsPlusもしくはWestern Lights(Tropix,Bedford,MA)化学発光検出キットの形で提供される試薬と方法に従い、膜に特異的抗ペプチド抗体を作用させた。化学発光するバンドは現像した膜をHyperfilm ECL(Amersham、Arlington Heights,IL)に感光させて可視化した。
図5にはBU101.8抗血清(実施例14参照)を用いて組織タンパク抽出物パネル(CloneTech、Palo Alto,CA)について行ったウエスタンブロットの結果を示す。図5の各レーンには異なる組織タンパク抽出物が示されている(1、胃;2、ブランク;3、心臓;4,胎盤;5、脾臓;6、脳;7、腎臓;8、胸部腫瘍;9、肺;10肝臓;11卵巣;12、マーカー)。タンパク分子量マーカー(レーン12)より6.5kDとしたバンド(矢印)は胸部組織抽出物中にのみ検出され(レーン8)、その他の組織抽出物には見られなかった。その他のウエスタンブロットでは(データ未表示)、9例の乳ガン組織タンパク抽出物中5例と6例の正常胸部組織タンパク抽出物中1例に6.5kDのバンドが観察された。
競合実験は次の点を除いて上記と同様にして実施した;一次抗体(抗ペプチドポリクローナル抗血清)をニトロセルロースフィルターに作用させる前に、様々な濃度のペプチド免疫原のと室温で30分間前培養させた。ウエスタンブロットは上記と同様にして続けた。6.5kDのバンドへの抗体の結合は100nMのBU101.3ペプチド濃度で阻害された。
フィルム上のバンドを可視化した後、膜上にあるバンドについても5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルリン酸(BCIP)の様な発色基質を加え、発色させることで直接目で確認することができる。この発色液には100mMのNaCl、5mMのMgCl2ならびに100mMのトリス−HCl、pH9.5を含む液に0.016%のBCIPが含まれている。フィルターを上記液中、室温でバンドが所望の強さに発色するまで培養させる。分子量は前もって染色しておいた分子量マーカー(Novex、SanDiego、CA)あるいはビオチン化分子量マーカー(Tropix,Bedford,MA)の移動度に基づいて決定する。
実施例17;EIAマイクロタイタープレート検定
実施例14記載の方法でウサギより得た抗血清の免疫反応性はマイクロタイタープレートEIA法により決定した(表2)。要約すると、実施例10記載の如く調製した合成ペプチドBU101.1−BU101.8を最終濃度が2mg/mlになるように炭酸緩衝液(50mM、pH9.6)に溶解した。ついでペプチドもしくはタンパク液100μlをImmulon▲R▼2マイクロタイタープレート(Dynex Technologies,Chantilly,VA)の各ウエルに加えた。プレートを室温で一晩培養させてから、脱イオン水で4回洗浄した。各ウエルに125μlのSuperblock▲R▼(Pierce Chemical Company、Rockford,IL)を加えてウエルをブロックしてから速やかにこの液を捨てた。このブロッキング操作を3回繰り返した。前記に従い調製した免疫ウサギより得た抗血清を0.05%のTween20(モノラウリル酸ポリオキシエチレンエーテル)(Sigma Chemical Company,St.Louis,MO)と0.05%ナトリウムアジドを含むPBSに溶解したタンパク阻害剤(例えば3%のSuperblock▲R▼液)で1:500,1:2500.1:12,500,1:62,500ならびに1:312,500に希釈してからコーティングしたマイクロタイタープレートの各ウエルに加えた。0.05%のTween20と0.05%ナトリウムアジドを含むリン酸緩衝生理食塩水に溶解した3%のSuperblock▲R▼液で1:2000に希釈したアルカリフォスファターゼ標識ヤギ抗ウサギIgG(Southern Biotech,Birmingham,AL)100μlを各ウエルに加えた。ついで、各ウエルを脱イオン水で4回洗浄した。その後で各ウエルにパラニトロフェニルリン酸基質(Kirkegaard and Perry Laboratories,Gaithersburg,MD)100μlを加えた。ウエルを室温で30分間反応させた。各ウエルの405nmの吸光度を読み取った。405nmの吸光度が免疫していない血清(陰性対照)の入ったウエルの吸光度よりも高い値を示したものを陽性と判定した。陽性反応は検出可能な抗BU101抗体が存在することを示している。抗ペプチド抗血清の力価を前記の抗血清希釈率より計算し、A405nm=0.5ODを示す希釈率として規定した。
力価に加えて見かけ上の親和性[Kd(app)]もいくつかの抗ペプチド抗血清について決定した(表2)。EIAマイクロタイタープレート試験の結果を用いてミカエルス−メンテンの式(V.Van Heyningen,Methods in Enzymology、Vol.121,p472(1986)ならびに、さらに詳細はX Qiu、ら.,Journal of Immunology、Vol.156,p.3350(1996)に記載)を模式して見かけ上の解離定数(Kd)を求めた:
Figure 0004400934
式中の[Ag−Ab]は抗原抗体複合体濃度であり、[Ag−Ab]maxは最高複合体濃度を示し、[Ab]は抗体濃度を、Kdは解離定数を示す。カーブフィットを行う時は、[Ag−Ab]はそのAb濃度におけるOD405nmの値からバックグランド値を引いた値で代用した。Kdならびに[Ag−Ab]maxに対応する[OD405nmmaxは適合パラメータとして扱った。カーブフィットはソフトウエアープログラムオリジン(Origin)を用いて行った。
Figure 0004400934
実施例18:固相粒子のコーティング
A.BU101抗原に特異的に結合する抗体による固相微粒子のコーティング
BU101に特異的に結合する親和性精製抗体(実施例15参照)で、ポリスチレン、カルボキシル化ポリスチレン、ポリメチルアクリル酸製微粒子もしくは0.1から20μmの範囲で同等の直径を有する微粒子をコートする。微粒子は受動的あるいは能動的にコートしても良い。コーティング方法の一つはEDAC(1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカフボジイミド塩酸(Aldrich Chemical Co.,Milwaukee,WI)により活性化したカルボキシル化ラッテクス微粒子にBU101に対して特異的に結合する抗体を以下のようにして結合させるものである。要約すると、洗浄したカルボキシル化ラテックス微粒子(Bangs Laboratories,Carmel,INもしくはSerodyn,Indianapolis,INより入手可能)の最終濃度0.375%の固相縣濁液を適当な容器の中で50mMのMES緩衝液、pH4.0と親和性精製した抗BU101抗体(実施例14参照)150mg/lを含む液中と混合しm15分間反応させる。EDAC結合剤を最終濃度5.5μg/mlに成るように混合液に加え、室温で2.5時間混合した。
それから微粒子を8倍容積のTween20/リン酸ナトリウム洗浄緩衝液(pH7.2)を用いて、0.2μmのMicrogon Filtrationモジュールを利用したタンジェンシャルフロー(tangential flow)濾過により洗浄した。洗浄した微粒子は、必要となるまで、希釈した表面活性剤とブロッキング剤として作用する無関係なタンパクを加えた適当な緩衝液中に保存する。
B.1/4インチビーズのコーティング
BU101抗原に特異的に結合する抗体はまた当該分野公知の通常の方法(Snitmanら、米国特許出願第5,273,882号)によって1/4インチのポリスチレン製ビーズ表面に結合させることができ、競合結合あるいはEIAサンドイッチ検定に利用できる。
まずポリスチレンビーズを15秒間pH8.0のNaHCO3緩衝液中で超音波処理して洗浄する。それからビーズを脱イオン水で全てのゴミが除かれるまで洗浄する。ついでビーズを10mM炭酸緩衝液、pH8から9.5の抗体溶液に浸す。抗体が高い親和性を有するモノクローナル抗体の場合には抗体液を1μg/mlまで希釈することが、あるいは親和性精製していないポリクローナル抗体の場合にはおよそ500μg/mlまで濃縮することができる。ビーズは室温で少なくとも12時間コーティングしてから脱イオン水で洗浄する。ビーズは空気乾燥もしくは湿潤状態(PBS、pH7.4)である。ビーズはさらにタンパク安定剤(ショ糖)や非特異的結合阻止剤としてタンパク阻害剤(無関係のタンパク、カーネーションスキムミルクやSuperblock▲R▼等の様な)を被覆することができる。
実施例19:微粒子酵素免疫検定(MEIA)
通常の抗原競合EIAもしくは抗体サンドイッチEIAと微粒子固相を利用する(MEIA)ことで患者試験試料中のBU101抗原を検出する。本試験はIMx▲R▼アナライザー(Abbott Laboratories,Abbott Park,IL)の様な自動分析装置を利用して実施できる。
A.抗体サンドイッチEIA
要約すると、BU101抗原が含まれると思われる試料を抗BU101抗体コート微粒子(実施例17記載の方法で調製)存在下に反応させて抗原/抗体複合体を形成させる。それから微粒子を洗浄してから、シグナル形成成分(例えばアルカリフォスファターゼあるいは西洋ワサビペルオキシダーゼの様な酵素)と標識した抗体からなる指示薬を抗原/抗体複合体もしくは微粒子に加えて反応させる。微粒子を洗浄後、シグナル形成成分と反応して測定可能なシグナルを発生する基質(例えば、4−メチルウンベリフェリルリン酸(MUP)あるいはOPD/ペルオキシド)を加えて結合した抗体/抗原/抗体複合体を検出する。陰性コントロールに比べて試験試料のシグナルが高いか否かによりBU101抗原の存在を検出する。試験試料中にBU101抗原が存在することは、乳ガンのような胸部疾患もしくは疾患状態にあることを示している。
B.競合結合検定
競合結合試験では標識ペプチドを抗ペプチド抗体をコートした微粒子に作用させた時に測定可能なシグナルを発生させるペプチドもしくはタンパクを利用する。本試験はIMx▲R▼分析器(Abbott Laboratories,Abbott Park,IL)を利用して実施できる。標識されたペプチドをBU101抗原の存在が疑われる試験試料存在下にBU101抗体コート微粒子(実施例17記載の方法で調製)に加え、標識BU101抗原(あるいは標識タンパク)/結合抗体複合体および/または患者BU101抗原/結合抗体複合体の形成に十分な時間と条件下に培養せる。試験試料中のBU101抗原は標識BU101ペプチド(あるいはBU101タンパク)と微粒子上の結合部位を巡って競合する。試験試料中のBU101抗原とBU101ペプチドあるいはBU101タンパクは抗体の結合部位について競合することから、試験では試験試料中のBU101抗原により標識ペプチドと微粒子上にコートされた抗体との結合を低下させることになる。シグナルの低下(対照に比べ)することは試験試料中にBU101が存在することを示している。BU101抗原が存在することは、乳ガンのような胸部疾患もしくは疾患状態にあることを示している。
以上に示し、述べてきたBU101ポリヌクレオチドとそれにコードされたタンパクは胸部疾患、特に乳ガンのマーカーとして有用である。血液、血漿、あるいは血清の様な試験試料中での本マーカーの存在を基礎とした試験は安価且つ非侵襲的に癌診断に役立つ診断情報を医師に提供し、治療プロトコール選択を助け、あるいは選択された治療法の効果のモニタリングに役立つ。本マーカーは、抗原が疾患組織に由来することから血液、尿あるいは糞便の様な容易に採取可能な体液中に存在すると考えられ、免疫的方法により検出可能と考えられる。本マーカーは疾患状態で増加し、疾患状態に伴って変化し、あるいは不適切な本体部中に現れる胸部の正常タンパクの一つと考えられる。
配列表
配列番号1
配列の長さ:237
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列
Figure 0004400934
配列番号2
配列の長さ:230
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列
Figure 0004400934
配列番号3
配列の長さ:494
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列
Figure 0004400934
配列番号4
配列の長さ:482
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列
Figure 0004400934
配列番号5
配列の長さ:68
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列
Figure 0004400934
配列番号6
配列の長さ:68
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列
Figure 0004400934
配列番号7
配列の長さ:24
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列
Figure 0004400934
配列番号8
配列の長さ:18
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列
Figure 0004400934
配列番号9
配列の長さ:19
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列
Figure 0004400934
配列番号10
配列の長さ:20
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列
Figure 0004400934
配列番号11
配列の長さ:19
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列
Figure 0004400934
配列番号12
配列の長さ:20
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列
Figure 0004400934
配列番号13
配列の長さ:20
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列
Figure 0004400934
配列番号14
配列の長さ:30
配列の型:核酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列
Figure 0004400934
配列番号15
配列の長さ:90
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列
Figure 0004400934
配列番号16
配列の長さ:15
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列
Figure 0004400934
配列番号17
配列の長さ:16
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列
Figure 0004400934
配列番号18
配列の長さ:16
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列
Figure 0004400934
配列番号19
配列の長さ:15
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列
Figure 0004400934
配列番号20
配列の長さ:16
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列
Figure 0004400934
配列番号21
配列の長さ:22
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列
Figure 0004400934
配列番号22
配列の長さ:45
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列
Figure 0004400934
配列番号23
配列の長さ:69
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列
Figure 0004400934
配列幡号24
配列の長さ:8
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列
Figure 0004400934
配列番号25
配列の長さ:21
配列の型:アミノ酸
鎖の数:一本鎖
トポロジー:直鎖状
配列
Figure 0004400934

Claims (31)

  1. 配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4及びそれらの相補体から成る群より選択される配列から成るポリヌクレオチドを含む試験試料中の標的ポリヌクレオチドの存在を検出する方法であって、
    (a)該試験試料を少なくとも1種の特異的ポリヌクレオチド又はそれらの相補物と接触させ、及び、
    (b)該試験試料中の該標的ポリヌクレオチドの存在を検出することを包含し、
    該特異的ポリヌクレオチドは配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4及びそれらの相補体からなる群より選択されるものである前記方法。
  2. 前記標的ポリヌクレオチドを工程(a)を実施する前に固相に付着させる請求の範囲第1項の方法。
  3. 配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4及びそれらの相補体から成る群より選択される核酸配列を含む試験試料中のmRNAの検出方法であって、
    (a)cDNAを生成するために少なくとも1つのプライマーを用いて逆転写を行い、
    (b)工程(a)から得られたcDNAを、オリゴヌクレオチドをセンス及びアンチセンスプライマーとして用いて増幅してアンプリコンを得、及び、
    (c)試験試料中の該アンプリコンの存在を検出することを包含し、
    工程(a)及び(b)で用いられるオリゴヌクレオチドが配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4及びそれらの相補体からなる群より選択されるものである前記方法。
  4. 前記試験試料を工程(a)、(b)又は(c)のうちの1つを実施する前に固相と反応させる、請求の範囲第3項の方法。
  5. 前記検出工程が測定可能な信号を生成することができる検出可能な標識を用いることを包含する、請求の範囲第3項の方法。
  6. 配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4及びそれらの相補体から成る群より選択される配列から成るポリヌクレオチドを含む標的ポリヌクレオチドを含むことが疑われる試験試料中の該標的を検出する方法であって、
    (a)該試験試料をセンスプライマーとしての第1オリゴヌクレオチド及びアンチセンスプライマーとして第2オリゴヌクレオチドと接触させ、これを増幅して第1段階反応生成物を得、
    (b)該第1段階反応生成物を第3オリゴヌクレオチドと接触させて第2段階反応生成物を得、ただし、該第3オリゴヌクレオチドは工程(a)において用いられる第1および第2オリゴヌクレオチドに対して3’に位置し、かつ該第1段階反応生成物に対して相補的であり、及び、
    (c)該第2段階反応生成物を標的ポリヌクレオチドの存在の指標として検出することを包含し、
    工程(a)及び(b)において用いられるオリゴヌクレオチドは配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4及びそれらの相補体からなる群より選択されるものである前記方法。
  7. 前記試験試料を工程(a)、(b)又は(c)のうちの1つを実施する前に固相と反応させる、請求の範囲第6項の方法。
  8. 前記検出工程が測定可能な信号を生成することができる検出可能な標識を用いることを包含する、請求の範囲第6項の方法。
  9. 前記検出可能な標識を固相と反応させる、請求の範囲第8項の方法。
  10. 配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4及びそれらの相補体から成る群より選択される配列から成るポリヌクレオチドを含む試験試料中のポリヌクレオチドを検出するのに有用な試験キットであって、配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4及びそれらの相補体からなる群より選択される配列から成るポリヌクレオチドの少なくとも1種を収容する容器を含む試験キット。
  11. 配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4及びそれらの相補体からなる群より選択される配列から成る精製ポリヌクレオチド。
  12. 前記ポリヌクレオチドが組換え技術によって生成される、請求の範囲第11項の精製ポリヌクレオチド。
  13. 前記ポリヌクレオチドが合成技術によって生成される、請求の範囲第11項の精製ポリヌクレオチド。
  14. 制御配列に作動可能に連結するオープンリーディング枠を含む核酸配列を包含する組換え発現系であって、該核酸配列は配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4及びそれらの相補体からなる群より選択される配列から成る組換え発現系。
  15. 請求の範囲第14項の組換え発現系でトランスフェクトされている細胞。
  16. 配列番号16−23からなる群より選択されるアミノ酸配列から成るポリペプチド。
  17. 前記ポリペプチドが組換え技術によって生成される、請求の範囲第16項のポリペプチド。
  18. 前記ポリペプチドが合成技術によって生成される、請求の範囲第16項のポリペプチド。
  19. 試験試料中の配列番号16−23から成る群より選択されるアミノ酸配列を含む抗原又は抗体の存在を決定するための検定キットであって、当該抗体は当該抗原に特異的に結合するものであり、配列番号16−23からなる群より選択されるアミノ酸配列から成るポリペプチドを収容する容器を含む検定キット。
  20. 前記ポリペプチドが固相に付着する、請求の範囲第19項の検定キット。
  21. 特定ポリペプチドをコードするポリヌクレオチド配列を含む発現ベクターでトランスフェクトされている宿主細胞をインキュベートすることを含んでなる、ポリペプチドの生成方法であって、該特定ポリペプチドは配列番号16−23からなる群より選択されるアミノ酸配列を含む方法。
  22. 配列番号16−23から成る群より選択されるアミノ酸配列を含む抗原に特異的な抗体を含むことが疑われる試験試料中で該抗体を検出する方法であって、当該抗体は当該抗原に特異的に結合するものであり、
    (a)該試験試料をポリペプチドと接触させ、ここで該ポリペプチドは配列番号16−23からなる群より選択されるアミノ酸配列から成るエピトープを少なくとも1つ含み、さらに該接触は抗原/抗体複合体の形成を可能にするのに十分な時間及び条件下で行われ、及び、
    (b)該複合体を検出する、
    ことを包含する方法。
  23. 前記ポリペプチドが固相に付着している、請求の範囲第22項の方法。
  24. 少なくとも1つのエピトープをコードする核酸配列でトランスフェクトされた細胞であって、該核酸配列は配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4及びそれらの相補体からなる群より選択される細胞。
  25. 非ヒト個体に単離された免疫原性ポリペプチド又はそれらの断片を免疫応答を誘発するのに十分な量投与することを包含する、抗原に特異的に結合する抗体の生成方法であって、該免疫原性ポリペプチドは配列番号16−23からなる群より選択される配列から成る方法。
  26. 抗原に特異的に結合する抗体の生成方法であって、16−23からなる群より選択されるアミノ酸配列から成るポリペプチドをコードする配列を含むプラスミドを非ヒト哺乳類動物に投与することを含む前記方法。
  27. 胸部組織疾患または状態の検出または診断のためのポリヌクレオチドを含む物質の組成物であって、該ポリヌクレオチドが配列番号1、配列番号2、配列番号3、配列番号4及びそれらの相補体からなる群より選択される配列から成る組成物。
  28. 胸部組織疾患または状態の検出または診断のためのポリペプチドを含んでなる物質の組成物であって、該ポリペプチドが配列番号16−23からなる群より選択される配列を有する組成物。
  29. 前記試料の収集に有用な用具を備える容器をさらに含む請求の範囲第10項の試験キットであって、該用具がランセット、吸取紙、布、スワブ及びカップからなる群より選択される試験キット。
  30. 前記試料の収集に有用な用具を備える容器をさらに含む請求の範囲第19項の検定キットであって、該用具がランセット、吸取紙、布、スワブ及びカップからなる群より選択される検定キット。
  31. 配列番号4のヌクレオチド配列から成るDNAから成る遺伝子。
JP51093398A 1996-08-19 1997-08-19 胸部の疾患の検出に有用な試薬及び方法 Expired - Fee Related JP4400934B2 (ja)

Applications Claiming Priority (5)

Application Number Priority Date Filing Date Title
US69710596A 1996-08-19 1996-08-19
US08/697,105 1996-08-19
US08/912,276 1997-08-15
US08/912,276 US6183952B1 (en) 1996-08-19 1997-08-15 Reagents and methods useful for detecting diseases of the breast
PCT/US1997/014665 WO1998007857A1 (en) 1996-08-19 1997-08-19 Reagents and methods useful for detecting diseases of the breast

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2000500664A JP2000500664A (ja) 2000-01-25
JP2000500664A5 JP2000500664A5 (ja) 2005-04-07
JP4400934B2 true JP4400934B2 (ja) 2010-01-20

Family

ID=27105934

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP51093398A Expired - Fee Related JP4400934B2 (ja) 1996-08-19 1997-08-19 胸部の疾患の検出に有用な試薬及び方法

Country Status (4)

Country Link
EP (1) EP0870025B1 (ja)
JP (1) JP4400934B2 (ja)
CA (1) CA2232237C (ja)
WO (1) WO1998007857A1 (ja)

Families Citing this family (12)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CA2248136A1 (en) * 1996-03-21 1997-09-25 Human Genome Sciences, Inc. Human endometrial specific steroid-binding factor i, ii and iii
US6174992B1 (en) 1997-03-21 2001-01-16 Human Genome Sciences, Inc. Human endometrial specific steroid-binding factor I, II and III
US6552164B1 (en) 1996-08-19 2003-04-22 Abbott Laboratories Reagents and methods useful for detecting diseases of the breast
US7282207B1 (en) 1996-08-19 2007-10-16 Abbott Laboratories Reagents and methods useful for detecting diseases of the reproductive tissues
US6379671B1 (en) 1996-08-19 2002-04-30 Abbott Laboratories Reagents and methods useful for detecting diseases of the breast
US20020160948A1 (en) * 1998-07-21 2002-10-31 Aprile Pilon Recombinant human uteroglobin in treatment of inflammatory and fibrotic conditions
EP0987943B1 (en) * 1997-06-09 2005-05-11 Smithkline Beecham Corporation Detecting and treating cancer
CA2345285A1 (en) * 1998-10-02 2000-04-13 Diadexus, Inc. A novel method of diagnosing, monitoring, staging, imaging and treating gynecologic cancers
US7014996B1 (en) 1998-10-02 2006-03-21 Diadexus, Inc. Method of diagnosing, monitoring, staging, imaging and treating gynecologic cancers
WO2000020043A1 (en) * 1998-10-05 2000-04-13 Diadexus Llc A novel method of diagnosing, monitoring, staging and treating gynecological and prostatic cancers
WO2000041516A2 (en) * 1999-01-19 2000-07-20 Abbott Laboratories Reagents and methods useful for detecting diseases of the breast
US6642009B2 (en) 1999-05-17 2003-11-04 Cytyc Health Corporation Isolated ductal fluid sample

Also Published As

Publication number Publication date
EP0870025A1 (en) 1998-10-14
JP2000500664A (ja) 2000-01-25
EP0870025B1 (en) 2009-11-18
CA2232237A1 (en) 1998-02-26
CA2232237C (en) 2011-10-18
WO1998007857A1 (en) 1998-02-26

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CA2269634C (en) Reagents and methods useful for detecting diseases of the breast
EP1144449B1 (en) Reagents and methods useful for detecting diseases of the breast
EP1032706A1 (en) Reagents and methods useful for detecting diseases of the breast
JP4400934B2 (ja) 胸部の疾患の検出に有用な試薬及び方法
JP2001521744A (ja) 乳房の疾患の検出に有用な試薬および方法
WO1999002714A1 (en) Reagents and methods useful for detecting diseases of the breast
US6183952B1 (en) Reagents and methods useful for detecting diseases of the breast
WO1999002559A1 (en) Reagents and methods useful for detecting diseases of the breast
US7479537B2 (en) Reagents and methods useful for detecting diseases of the breast
US20060029963A1 (en) Reagents and methods useful for detecting diseases of the breast
CA2293661A1 (en) Reagents and methods useful for detecting diseases of the breast
US20020037503A1 (en) Reagents and methods useful for detecting diseases of the breast
WO1998007753A1 (en) Mammaglobin, antibodies thereto, and their use for detecting diseases of the breast
JP2001522225A (ja) 肺の疾患の検出に有用な試薬及び方法
WO1999022027A1 (en) Reagents and methods useful for detecting diseases of the breast
WO1999031274A2 (en) Reagents and methods useful for detecting diseases of the pancreas
US20030165971A1 (en) Reagents and methods useful for detecting diseases of the breast
EP1012343A1 (en) Reagents and methods useful for detecting diseases of the prostate
US20040072210A1 (en) Reagents and methods useful for detecting diseases of the breast
EP1042506A1 (en) Reagents and methods useful for detecting diseases of the breast
EP1015625A2 (en) Reagents and methods useful for detecting diseases of the prostate, breast and ovary

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040811

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040811

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20070703

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20070927

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20071105

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20071228

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20080226

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20080519

A602 Written permission of extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A602

Effective date: 20080630

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20080826

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20081014

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090210

A911 Transfer to examiner for re-examination before appeal (zenchi)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A911

Effective date: 20090423

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20090512

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20090617

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20091013

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20091027

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121106

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121106

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131106

Year of fee payment: 4

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees