JP4395273B2 - engine - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は内燃機関、特に模型飛行機等においてエンジンに燃料を供給する燃料供給機構を備えたエンジンに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の模型飛行機に使用されるエンジンでは、エンジンの燃焼室に燃料を供給する燃料供給機構では、キャブレーターで燃料の混合を調整して給気通路より混合燃料をシリンダーに送るものが一般的であり、燃料の量はキャブレーターのニードルバルブで調整がなされている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この従来のキャブレーターでは、アイドリングの低速回転から回転数を急に上げるとき、大量の空気が吸入されるのに対して燃料の供給が追いつかず空燃比のバランスがくずれ、エンジン回転にむらが生ずること、飛行中遠心力でキャブレーターに適正な燃料が供給されないでエンジンの運転に不調を生ずることなどが問題となっていた。
また、燃料噴射を給気バルブから離れた位置で噴射する場合にはその途中で気化して周りから熱を奪うため混合気が膨張し体積効率が悪化し、また燃焼室に入った際、既に気化しているため、燃焼室の冷却も望めない。ギヤーポンプ等を使用した際の連続的な噴射ではバルブがしまっている時にも燃料が噴射され、閉じているバルブの上に燃料が溜まってしまうことになり、バルブを開いて溜まった燃料が燃焼室に入った時、気化が悪くなってしまうという問題があった。また、ギヤーポンプ、プランジャ等を使用した場合、回転数に応じて供給してしまい、高回転になればなるほど供給圧力が高くなる傾向になるという問題がある。
この問題点を解消するために、本出願人の出願にかかる特願2000−58331のエンジンの燃料供給装置では、内燃機関のエンジンの給気側プッシュロッドに関連して吸排用バルブを備えた燃料ポンプを備え、給気側のカムフォロアーをポンプのプランジャーに見立てて燃料ポンプとして利用し、プッシュロッドとカムフォロアーの昇降により燃料ポンプの燃料を吸排させ給気ポートに備えた燃料噴射装置に燃料を供給するものを提案した。この出願では、燃料ポンプの燃料ポンプ室をプッシュロッドカバーの下部とクランクケースの筒状部で構成され、カムフォロアーをピストン部材(プランジャー)としてポンプを構成している。エンジンは、オーバーヒート、高速運転直後のアイドリングなどにおける過熱、夏季等において外気温度が高くなることなどが原因で過熱が生じて、ケーシング、クランクケースの温度が上昇することがある。カムフォロアーをピストンとして燃料ポンプとする構成の場合、エンジン本体、クランク室からくる熱が燃料ポンプのカムフォロアーに伝わりやすく、燃料ポンプの温度が或る程度以上高くなると、燃料の沸騰が始まり、蒸気が発生して燃料の供給が蒸気で閉塞され燃料ポンプ中に蒸気が発生して燃料が供給されない、所謂、ベーパーロックを生じて、燃料噴射装置に正常に燃料が送られないことが生じるという問題がある。ちなみに、燃料としてメチルアルコールを使用する場合、60℃程度で燃料の沸騰が始まる。
【0004】
この発明はこのような問題を解決するもので、プッシュロッドカバー内をピストン部材で空気室と燃料ポンプ室に区分して燃料ポンプの作用で燃料供給を行い、また、燃料ポンプのベーパーロックの防止を図り、エンジンのレスポンスの向上、燃料気化時の燃焼室の効果的な冷却が可能なエンジンを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1のエンジンは、クランクシャフトの回動により給気カムおよび給気用プッシュロッドを介してシリンダーの給気バルブを開閉するタイプのエンジンであって、該エンジン1は、シリンダー2と、クランクケース3と、シリンダーヘッド4と、給気ポート6、給気ポートに設けられた燃料噴射装置45と、前記クランクケース3の筒状部10と前記シリンダーヘッド4間に設けられた筒状のプッシュロッドカバー11と、給気カムと接触する給気用カムフォロアー14と、給気用プッシュロッド12と、該プッシュロッドカバー11を利用する燃料ポンプ20とを備え、該燃料ポンプ20は、前記プッシュロッドカバー11内の上部に形成された燃料ポンプ室21と、該プッシュロッドカバー内を前記燃料ポンプ室21と該燃料ポンプ室への伝熱を抑制するための下部に形成された空気室22とに区分するとともに該プッシュロッドカバー内に摺動可能に収納され、かつ前記給気用プッシュロッド12の動きにより前記燃料ポンプ室内部を加圧状態および減圧状態とするピストン部材23と、前記燃料ポンプ室21と連通する燃料吸入孔24および燃料排出孔26と、該燃料ポンプ室内が減圧状態となったときに前記燃料吸入孔24を開放するための吸入孔用バルブ25と、前記燃料ポンプ室内が加圧状態となったときに前記排出孔26を開放するための排出孔用バルブ27とを備え、さらに、前記燃料ポンプの燃料吸入孔24と燃料供給源とを接続する燃料導入管28と、前記料ポンプの燃料排出孔26と前記燃料噴射装置45とを接続する燃料供給管29とを備え、
前記給気用プッシュロッド12は、前記クランクケース3の筒状部10および前記プッシュロッドカバー11の前記空気室22により形成される空間内に収納され、下端部が前記給気カム13と接触するカムフォロア14に当接され、上端部が前記ピストン部材23に当接もしくは固定された給気用プッシュロッド下部側部材16と、下部側が前記燃料ポンプ室内に収納されかつ下端部が前記ピストン部材23に当接もしくは固定され、かつ、上部側が前記プッシュロッドカバー11より突出しかつ上端部が前記給気バルブの開閉用部材9に当接された給気用プッシュロッド上部側部材15とを備えていることを要旨とする。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載のエンジンの前記給気用プッシュロッド下部側部材16は、低熱伝導性材料により形成されている。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載のエンジンの前記燃料ポンプ室21は、前記給気用プッシュロッド12とほぼ液密状態に摺接する摺接部21aが位置するプッシュロッドカバー11の上端内面と、前記ピストン部材23の上面と、前記プッシュロッドカバー11の上端内面と前記ピストン部材の上面間に位置するプッシュロッドカバー11の内側面により、実質的に燃料の外部への流出ならびに前記空気室への流入がないようにほぼ液密状態に形成されているものである。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載のエンジンの前記ピストン部材23は、上端側に閉塞面23aを有し、下端側が開口した筒状体23bである。
【0012】
請求項5の発明は、請求項1ないし4のいずれかに記載のエンジンの前記プッシュロッドカバー11は、外周部に放熱フイン17を備えているものである。
【0013】
請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかに記載のエンジンの前記プッシュロッドカバーと、前記クランクケースの筒状部およびシリンダーヘッドとの接続部に低熱伝導性材料により形成された伝熱阻害部材18が設けられている。
【0014】
請求項7の発明は、請求項1ないし6のいずれかに記載のエンジンの前記ピストン部材は、低熱伝導性材料により形成されている。
【0019】
この請求項1の発明の構成による作用は、プッシュロッドカバー内をピストン部材で区分して空気室で燃料ポンプ室への伝熱を抑制して燃料ポンプ室でベーパーロックを生じないようにする。プッシュロッドカバー内で給気カムの回動でカムフォロアーを介して給気バルブ用プッシュロッドを上昇するとともに燃料ポンプのピストン部材を上昇し、該ピストン部材の上昇による燃料の加圧時に排出孔のバルブが開放されて燃料が燃料噴射装置の噴射ノズルに送られ、その給気バルブ用プッシュロッドの上昇で給気バルブを同期して開いて給気孔を通じて燃料がシリンダーの燃焼室に噴射される。次に、カムがさらに回動され、給気バルブは閉じられるとともに給気バルブ用プッシュロッドが下降されるとともにピストン部材が降下され、その降下による燃料ポンプの減圧で燃料ポンプの排出孔のバルブが閉じられ、かつ燃料の吸引力で吸入孔のバルブが開放されて燃料供給源よりポンプ内に所要量の燃料が吸引貯留される。
このエンジンによれば、エンジン本体、クランクケース等が温度上昇しても空気室で燃料ポンプ室への伝熱を抑制して燃料ポンプの温度上昇を防いで、燃料ポンプ若しくは燃料供給管におけるベーパーロックの発生をなくし、正常に燃料を供給できる。また、エンジンのレスポンスの向上、燃料気化時の燃焼室の効果的な冷却ができる。
【0020】
そして、前記給気用プッシュロッドは、前記空気室と燃料ポンプ室とに対応するように、給気用プッシュロッド下部側部材と給気用プッシュロッド上部側部材とをプッシュロッドカバー内に上下に連続的に備えてカムの回転により給気用プッシュロッド下部側部材と給気用プッシュロッド上部側部材を昇降して給気バルブの開閉を行うと共に、給気用プッシュロッドの昇降によりピストン部材を昇降して上部の燃料ポンプの燃料を加圧状態、又は減圧状態として吸排を行う。
給気用プッシュロッドを給気用プッシュロッド下部側部材と給気用プッシュロッド上部側部材とに分けたので、その下部側部材と上部側部材を同じ又は別の材質とでき、また、ピストン部材をプッシュロッドと別体するので、製作が容易にでき、又ピストン部材を下部又は上部プッシュロッドと一体に備える場合でも製作がし易い。
【0021】
この請求項2の発明の構成による作用は、前記給気用プッシュロッド下部側部材は、低熱伝導性材料により形成されているので、クランクケース、カムフォロアーから燃料ポンプ室への伝熱を抑制して燃料ポンプの温度上昇を防いで、燃料ポンプ若しくは燃料供給管におけるベーパーロックの発生をなくし、正常に燃料を供給できる。
【0023】
この請求項3の発明の構成による作用は、前記燃料ポンプ室は、前記給気用プッシュロッドがプッシュロッドカバーの上部の摺接部にほぼ液密状態に摺接させ、前記ピストン部材がプッシュロッドカバーに液密状態に昇降可能に備えられているので、実質的に燃料ポンプ室より燃料の外部への流出ならびに前記空気室への流入がない。
【0025】
この請求項4の発明の構成による作用は、前記ピストン部材は、上端側に閉塞面を有し、下端側が開口した筒状体として、内部を空気室の一部として、空気によりピストン部材への伝熱の抑制を図り、かつプッシュロッドカバーとの接触面積を大きくして、液密状態をほぼ保ち、燃料が漏れるのを防止する。また、空気が燃料ポンプに入らないようにする。
【0026】
この請求項5の発明の構成による作用は、前記プッシュロッドカバーは、外周部に放熱フインを備えることにより、クランクケース等からプッシュロッドカバーに伝わる熱を放熱して、内部の燃料ポンプ等の温度上昇を防ぎ、ベーパーロックの発生をなくすことができる。
【0027】
この請求項6の発明の構成による作用は、前記プッシュロッドカバーと、前記クランクケースの筒状部およびシリンダーヘッドとの接続部に低熱伝導性材料により形成された伝熱阻害部材が設けられているので、クランクケースおよびシリンダーヘッドからの熱を遮断してプッシュロッドカバーに熱が伝わらないようにして、燃料ポンプにおけるベーパーロックをなくすことができる。
【0028】
この請求項7の発明の構成による作用は、前記ピストン部材は、低熱伝導性材料により形成すると、給気用プッシュロッドから伝わる熱を抑制して燃料ポンプにおけるベーパーロックをなくすことができる。
【0029】
前記ピストン部材は、前記給気用プッシュロッドが作動し前記給気バルブが開くとき、前記燃料ポンプ室内を加圧状態とすることにより燃料ポンプ室の燃料排出孔のリードバルブを開放し、また、燃料吸入孔のリードバルブを閉鎖する。
【0033】
【発明の実施の形態】
この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1はこの発明のエンジンを示す縦断面図、図2は燃料ポンプの加圧状態における要部断面図、図3は同減圧状態における要部断面図、図4は別の実施例を示す縦断面図、図5はクランクケースに空気を導入するタイプのエンジンを示す縦断面図、図6は燃料制御レギュレータを示す断面図である。
【0034】
この発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
本発明のエンジンを図1ないし図5を用いて説明する。
なお、この実施例のエンジンは、本発明のエンジンを4サイクルエンジンの模型用エンジンに利用したものである。
本発明のエンジンは、クランクシャフトの回動によりカムが回転し、カムにより給気用プッシュロッドおよび排気用プッシュロッドが動き、シリンダーの給気バルブおよび排気バルブを開閉するタイプのエンジンである。
この発明のエンジン1は、シリンダー2、クランクケース3、シリンダーヘッド4、ヘッドカバー5、給気ポート6、給気バルブ7、バネ42、給気バルブの開閉用部材9、そのクランクケースの筒状部10とシリンダーヘッド4との間にプッシュロッドカバー11を備え、クランクシャフトの回動により給気カムおよび給気用プッシュロッドを介してシリンダーの給気バルブを開閉するタイプのエンジンである。
【0035】
この発明のエンジン1は、上記エンジンであって、シリンダー2と、シリンダーヘッド4と、クランクケース3と、給気ポート6、給気ポート6に設けられた燃料噴射装置45と、前記クランクケース3の筒状部10と前記シリンダーヘッド4間に設けられた筒状のプッシュロッドカバー11と、給気カムと接触する給気用カムフォロアー14と、給気用プッシュロッド12と、該プッシュロッドカバー11を利用する燃料ポンプ20とを備え、該燃料ポンプ20は、前記プッシュロッドカバー11内の上部に形成された燃料ポンプ室21と、該プッシュロッドカバー11内を前記燃料ポンプ室21と該燃料ポンプ室への伝熱を抑制するための下部に形成された空気室22とに区分するとともに該プッシュロッドカバー11内に摺動可能に収納され、かつ前記給気用プッシュロッド12の動きにより前記燃料ポンプ室21の内部を加圧状態および減圧状態とするピストン部材23と、前記燃料ポンプ室21と連通する燃料吸入孔24および燃料排出孔26と、該燃料ポンプ室21内が減圧状態となったときに前記燃料吸入孔24を開放するための吸入孔用バルブ25と、前記燃料ポンプ室21内が加圧状態となったときに前記排出孔26を開放するための排出孔用バルブ27とを備え、さらに、前記燃料ポンプ20の燃料吸入孔24と燃料供給源とを接続する燃料導入管28と、前記燃料ポンプ20の燃料排出孔26と前記燃料噴射装置45とを接続する燃料供給管29とを備える。
【0036】
エンジン1はアルミ製等の金属製である。前記筒状のプッシュロッドカバー(筒状部材)11は長尺で、エンジン本体と同じくアルミ製等の金属製であり、クランクケース3の筒状部10とシリンダーヘッド4との間に備えられている。このプッシュロッドカバー11の下部の前記筒状部10にはカムに接するカムフォロアー14が備えられている。プッシュロッドカバー11内には、プッシュロッド12と共動するピストン部材23が昇降自由に備えられて、前記カムフォロアー14とピストン部材23との間に空気室22と、該プッシュロッドカバー11の上端内面とピストン部材23との間に液密状態の燃料ポンプ室21とが連続的に構成されている。プッシュロッドカバー11には少なくとも下部に空気室22を設けて燃料ポンプ室へに伝熱を抑制できるようにすることが必要である。
実施形態のカムフォロアー14は、ピストン型で、ピストンを逆さにしたもので、下端側にカム13の当接する閉塞面14aを有し、上部に筒状部10内に摺動可能に備えられる上端を開口した筒状体14b、すなわち、円筒のスカート部を有し、その内底面にプッシュロッドの下端を当接する凹部14cが形成される。カムフォロアー14の昇降ストロークは給気カム13により決められる。該カムフォロアー14の筒状体のスカート部は長くして、筒状部10との接触面積を大きくして、ほとんど空気が漏れないようにする。このカムフォロアー14と筒状部10との間からクランクケースに空気が僅かに漏れたり、クランクケースより僅かに空気が入ることはピストン部材の昇降に影響しない。
【0037】
なお、実施例では、プッシュロッドカバー内部を上記のように空気室と燃料ポンプ室に2分した構成としたが、これに限定されるものではなく、燃料ポンプ室をプッシュロッドカバーの中間部に備えることもできる。すなわち、プッシュロッドカバーのピストン部材より下部に空気室を設け、そのピストン部材より上部に燃料ポンプ室を設け、さらに燃料ポンプ室の上部から上端部までの間に空気室を設けることもできる。
【0038】
前記プッシュロッドカバー11には、外周部に放熱フイン17が設けられているものである。放熱フイン17はプッシュロッドカバーの燃料ポンプ室側の外周面に一定間隔を置いて複数一体形成されている。放熱フイン17は放熱に適した長さ、厚み、間隔とするのが好ましい。この放熱フインを設けることによりプッシュロッドカバーに伝わる熱を放熱させて燃料ポンプにおけるベーパーロックを防止するのに役立てることができる。模型飛行機の場合、クランクシャフトの軸にはプロペラが備えられ、プロペラの回転による風がプッシュロッドカバーの上部に当たるので、放熱フインはプッシュロッドカバーの上部の燃料ポンプの外周に設けるのが効果的である。実施例では、プッシュロッドカバーの燃料ポンプ室の下部から空気室の上部付近まで放熱フインが設けられている。
【0039】
前記プッシュロッドカバー11と前記クランクケース3の筒状部10との接続部に低熱伝導性材料等により形成された伝熱阻害部材18が設けられる。前記プッシュロッドカバーとクランクケースの筒状部およびシリンダーヘッドとの接続部に伝熱阻害部材18として、例えば合成樹脂製、セラミック製等のインシュレータ18が設けられている。このインシュレータ18を接続部に介在されることで、プッシュロッドカバーに伝わる熱を放熱させて燃料ポンプにおけるベーパーロックを防止するのに役立てることができる。
【0040】
前記給気用プッシュロッド12は、前記クランクケース3の筒状部10および前記プッシュロッドカバー11の前記空気室22により形成される空間内に収納され、下端部が前記給気カム13と接触するカムフォロア14に当接され、上端部が前記ピストン部材23に当接もしくは固定された給気用プッシュロッド下部側部材16と、下部側が前記燃料ポンプ室21内に収納されかつ下端部が前記ピストン部材23に当接もしくは固定され、かつ、上部側が前記プッシュロッドカバー11より突出しかつ上端部が前記給気バルブの開閉用部材9に当接された給気用プッシュロッド上部側部材15とを備えている。その下部側部材と上部側部材を同じ又は別の材質とできる。前記下部側部材と上部側部材はロッカーアームのバネ圧によりカムフォロアー、ピストン部材、ロッカーアームと当接される。
【0041】
前記給気用プッシュロッド12は、前記プッシュロッドカバー11の上部の摺接部21aにほぼ液密状態に摺接させ、前記ピストン部材23がプッシュロッドカバー11に液密状態に昇降可能に備えられ、その下端部が前記給気カム13と接触するカムフォロア14に当接して備えられ、その上端部が該プッシュロッドカバー11より突出して前記給気バルブ7の開閉用部材9の直下に臨ませて当接されいる。前記プッシュロッド12はロッカーアームのバネ圧によりカムフォロアー、ピストン部材、ロッカーアームと当接される。
【0042】
前記給気用プッシュロッド下部側部材16は、低熱伝導性材料により形成され、カムから燃料ポンプ室に伝わる熱を抑制するようにするのが好ましい。実施形態では、カムフォロア、プッシュロッドはスチール製としたが、空気室と燃料ポンプ室を区分するピストン部材はセラミック等の低熱伝導性材料で作成してカムより、カムフォロア、プッシュロッドに伝わる熱をピストン部材で抑制、遮断して燃料ポンプ室に熱が伝わらないようにするのが好ましい。また、前記給気用プッシュロッド上部側部材15は、スチール製でも、低熱伝導性材料製でもよい。なお、プッシュロッド12で燃料ポンプ20のピストン部材を加圧するので、カムによるプッシュロッドの上昇動作が少し重くなるが、実際上はカムの駆動力が大きいので特に調整の必要はない。若し、燃料ポンプでピストン部材の動きが重くなり、調整が必要とすれば、プッシュロッドの慣性力が大きくなるので、給気バルブ7の開閉用部材9の給気バルブのバネ圧を少し強く調整することで解決できる。
【0043】
図1乃至図4に示す実施形態では、前記プッシュロッド12はスチール製で、上部プッシュロッド12Aと、下部プッシュロッド12Bとに2分割されている。
下部プッシュロッド12Bは、クランクケース3の筒状部10に摺動可能に備えられたカムフォロアー14とプッシュロッドカバー11に液密状態に摺動可能に備えられたピストン部材23との間に備えられ、給気カム13の回動によりカムフォロアー14でプッシュロッド12Bとピストン部材23が共動して上昇可能に備えられる。
上部プッシュロッド12Aは、プッシュロッドカバー11に摺動可能に備えられたピストン部材23と上部の給気バルブの開閉用部材9、例えばロッカーアームとの間に備えられ、ピストン部材23の上昇により上部プッシュロッド12Aで開閉用部材9が押し上げられる。
プッシュロッドを2分割した理由は、空気室と燃料ポンプ室に備え易くすること、ピストン部材23をプッシュロッドの中間部付近に一体に形成することは製作上手間がかかるので、2分割して上下のプッシュロッド間に別体のピストン部材を備えるか、或いは上下何れかのプッシュロッドの端部にピストン部材を一体に形成するようにして、簡単に製作可能とするためである。図1乃至図3に示す実施例は、下部プッシュロッドとピストン部材を別体とした場合であり、図4に示す実施例は、下部プッシュロッドの上端にピストン部材を一体に形成した場合である。ピストン部材を下部又は上部プッシュロッドと一体に備える場合でも製作がし易い。
【0044】
図に示すプッシュロッドは、2分割した場合を示したが、プッシュロッドは1本で、そのプッシュロッドの略中央にピストン部材を一体に形成して燃料ポンプを構成することもできる。前記したようにプッシュロッドの中間に設けることは製作上手間がかかるが、このようにした場合はプッシュロッドの下端は前記クランクケースの筒状部に摺動可能に備えたカムフォロアーの内部に嵌合され、上端はロッカーアームに直接当接される。ピストン部材の構成は、前記と同様に閉塞面を上部とし、筒状体(スカート部)を下部としてプッシュロッドに形成される。
【0045】
前記ピストン部材23は、上端側に閉塞面23aを有し、下端側が開口した筒状体23bである。
前記ピストン部材23は、低熱伝導性材料により形成されている。
前記ピストン部材23は、前記給気用プッシュロッド12が作動し前記給気バルブ7が開くとき、前記燃料ポンプ室21内を加圧状態とするものである。
【0046】
前記ピストン部材23は、スチール製、セラミック製等で、筒状体(スカート部)23bが長く設けられ、下端が開口されている。実施形態ではピストン部材23はカムフォロアーと同じ構造で、上下を反対として、使用してある。すなわち、ピストン部材23は、上端側に閉塞面とし、下部の円筒状スカート部を長く設け、スカート部の長さで燃料ポンプ室の燃料が漏れないような液密状態を保つ。また、空気室の空気がこのピストン部材より上方に入らないようにする。ただ、ピストン部材をシリンダーに堅く嵌合すると、ピストン部材の昇降動作に支障が生じるので、液密状態を保ち、軽く昇降動作できるように備えられる。空気室には空気が入っていいるので、空気圧の作用でも燃料の漏れを無くすことができる。たとえ、燃料が空気室側に極く僅か漏れることがあっても、問題となることはない。ピストン部材には内部にカムフォロアーと同様にプッシュロッドの上端を嵌合しうる凹部が設けられている。カムフォロアー、プッシュロッドを通じて熱が伝わるので、ピストン部材を低熱伝導性材料、断熱性のある材質、例えばセラミックで成形するのが好ましい。
【0047】
前記空気室22は、ピストン部材23と前記カムフォロアー14と、プッシュロッドカバー11の内側面より構成されている。そして、このピストン部材23とカムフォロアー14との間に下部プッシュロッド12Bが備えられている。カムフォロアー14とピストン部材23は筒状体側を対向させて備え、カムフォロアー14の内部から、ピストン部材23の内部までが空気室22とされ、空気で熱を遮断して燃料ポンプの燃料がベーパーロックを生じないようにする。カムフォロアー14、ピストン部材23は空気室内部に空気があるも関係なく昇降動作できる。この空気室22の空気圧はクランクケース3と通じているので、クランクケース3の内圧と略同じである。カムフォロアー14とプッシュロッドとピストン部材23とが略一体的に昇降されるので、空気室全体が上下することになり、カムフォロアー14と、ピストン部材23との間に形成された空気室22はカムフォロアー14とピストン部材23が略共動して昇降されるので、空気室22の容積は変化することはない。
【0048】
前記燃料ポンプ室21は、前記給気用プッシュロッド12とほぼ液密状態に摺接する摺接部21aが位置するプッシュロッドカバーの上端内面と、前記ピストン部材23の上面と、前記プッシュロッドカバー11の上端内面と前記ピストン部材23の上面間に位置するプッシュロッドカバー11の内側面により、実質的に燃料の外部への流出ならびに前記空気室への流入がないようにほぼ液密状態に形成されているものである。
【0049】
前記燃料ポンプ室21は、プッシュロッドカバー11に摺動可能に備えたピストン部材23と上端内面との間に液密状態に形成され、該燃料ポンプ室内が減圧状態となったときに前記燃料吸入孔24を内側に開放するための吸入孔用バルブ25と、前記燃料ポンプ室内が加圧状態となったときに前記排出孔26を外側に開放するための排出孔用バルブ27とを備えて構成される。
燃料ポンプ室21は空気室22の上部に設けることで、クランクケースの熱が伝わりにくくでき、また、プッシュロッドカバーの上部ほどクランク軸に備えるプロペラの回転による風が当たり冷却できるメリットもある。
【0050】
吸入孔用バルブ25は、前記燃料ポンプ室21内が減圧状態となったときに前記燃料吸入孔24を内側に開放する吸入孔リードバルブであり、前記排出孔用バルブ27は、前記燃料ポンプ室内が加圧状態となったときに前記排出孔を開放する排出孔リードバルブである。
【0051】
燃料ポンプ室21は、上部一側に前記燃料吸入孔24を内側に開放するための吸入孔リードバルブ25と、前記燃料ポンプ室内が加圧状態となったときに前記排出孔26を外側に開放するための排出孔リードバルブ27とが並設して備えられ、その燃料吸入孔より下方にピストン部材23を所定ストローク昇降できるように備える。燃料ポンプ室21の容積はピストン部材23の昇降により変化する。燃料ポンプ室の容積はピストン部材が下限位置で最大の容積となり、上限位置で最小の容積となる。このピストン部材23の昇降ストロークで、一度に燃料ポンプ20に吸引しうる量と、燃料ポンプから排出される量が決まる。燃料の吸引量と排出量はほぼ同じである。燃料ポンプ室21とピストン部材23間から燃料が漏れないようにする。また、燃料ポンプ室21の上部にはプッシュロッド12の摺接部21aとして、上方に伸びる筒部が設けられ、その内径がプッシュロッドの外径と略同じとされ、かつ筒部を長くしてプッシュロッドとの接触面積を大きくしてプッシュロッドと摺接部間より燃料が漏れないようにして燃料ポンプ室を液密状態に保つ。また、ピストン部材側、上部摺接部21aの筒部の漏れは完全には防げないが、僅かに漏れることはあっても燃料ポンプに支障はない。
【0052】
28は前記燃料ポンプ20の燃料吸入孔24と燃料供給源とを接続する燃料導入管、29は前記燃料ポンプ20の燃料排出孔26と前記燃料噴射装置45とを接続する燃料供給管である。燃料吸入孔24と燃料排出孔26には管接続具が備えられている。燃料供給源の燃料タンク(図示せず)にはガソリン、メチルアルコール等の燃料が貯留されている。
【0053】
前記構造の燃料ポンプ20の作用を説明すると、ピストン部材23が上昇されると、燃料ポンプ室の容積が段々狭くなり、加圧状態(押圧状態)となって、燃料ポンプの内圧が高くなり、吸入孔のリードバルブはその加圧で自動的に閉じられ、同時に排出孔26のリードバルブ27は自動的に外側に押されて開放され、燃料が排出孔26を通じて燃料供給管29へ押し出される。
ピストン部材が下降されると、減圧状態(吸引状態)となり、燃料ポンプの容積が段々広くなり、燃料ポンプの内圧が下がり、吸入孔24のリードバルブ25が自動的に内側に吸引されて開放され、同時に排出孔のリードバルブが閉じられ、燃料供給源の燃料タンクより所要量の燃料が吸入孔24を通じて吸引されて燃料ポンプに貯留される。
【0054】
このエンジンでは、シリンダー2の上部の給気ポート6には、給気バルブ7を指向するように、給気バルブ7の斜め上方に燃料噴射装置45が設置されている。燃料噴射装置45は、本体46と噴射ノズル47を備える。燃料噴射装置45は、シリンダーヘッド4の給気ポート6に、燃料噴射ノズル47が給気バルブ7を指向するように斜めに設置されている。燃料噴射装置45には、上述した燃料ポンプ20の燃料排出孔26と燃料供給管29により接続されており、クランクシャフト32の回動による給気カム13の回転により燃料ポンプ20の燃料ポンプ室21内に吸入(貯留)された燃料がピストン部材23による加圧で排出孔26、燃料供給管29を通じて燃料噴射装置45より間歇的に噴射可能となっている。なお、このエンジンでは、燃料ポンプ室21内、燃料噴射装置と燃料ポンプ20の燃料排出孔を接続する管内および燃料供給源と燃料ポンプの燃料吸入孔を接続する管内が、空気を実質的に含まず燃料が充填された状態において使用される。
【0055】
この実施例のエンジンでは、クランクシャフトの回動により給気カム13が給気用プッシュロッド12を押し上げる時(上昇時)、燃料ポンプ20内は加圧(陽圧)状態となり、排出孔26のバルブ27が開き、燃料ポンプ20内に吸引(貯留)している燃料をその排出孔26より排出し、燃料噴射装置45の噴射ノズル47に送る。また、給気用プッシュロッド12の下部と上部のプッシュロッドが押し上げられた時給気バルブ7が開き、上述のように送られた燃料は、給気孔8を通じて燃料噴射装置45によりシリンダーの燃焼室に噴射される。給気カムがさらに回転し、給気用プッシュロッドが下がり始めた時、給気バルブ7は閉じ、燃料ポンプ20内は減圧状態となり、燃料ポンプ20の排出孔26のバルブ27は閉塞し、吸入孔24のバルブ25が開き、燃料供給源よりポンプ20内に燃料が流入する。給気用プッシュロッド12が下に下がり、実質的に動かない間は、燃料ポンプ内は加圧も減圧もされていない状態となり、燃料ポンプには燃料の流入も送出もない状態となる。従って、この実施例のエンジンでは、給気用プッシュロッドの昇降運動による給気バルブの開閉に伴い、給気用プッシュロッドの昇降運動と連動する燃料ポンプの作用により燃料が燃料噴射ノズルより間歇的に噴射されるので、エンジンのレスポンスの向上、燃料気化時の燃焼室の効果的な冷却ができる。また、プッシュロッドカバー内のプッシュロッドに燃料ポンプのピストン部分を構成するので、エンジン特に、燃料供給装置部分を簡潔な構成とすることができる。
【0056】
エンジン1は、シリンダー2の内部にピストン30、コンロッド31、クランクシャフト32、シリンダー2の上面に設けられた給気ポート6および排気ポート(図示せず)を備えている。また、給気ポート6の給気孔8には、開閉手段により開閉可能となっている給気バルブ7が備えられている。排気ポートの排気孔には、排気弁、排気管(ともに図示せず)が設けられている。
【0057】
給気バルブ7と排気バルブの駆動機構について説明する。この実施例のエンジン1では、給気バルブ7および排気バルブの駆動機構は、クランクシャフト32、クランクシャフト32に設けられた歯車伝導機構34により回転が減速して伝導されるカムシャフト33に設けられた給気カム13および排気カム、給気カム13により昇降駆動する給気用プッシュロッド12、排気カムにより昇降駆動する排気用プッシュロッド、給気バルブ7、給気バルブを開閉するためのものでありかつ給気用プッシュロッドにより駆動する給気用ロッカーアーム(言い換えれば、給気バルブ用ロッカーアーム)9、排気バルブ、排気バルブを開閉するためのものであり排気用プッシュロッドにより駆動する排気用ロッカーアームを備えている。この実施例のエンジンでは、歯車伝導機構34として、クランクシャフト32の駆動歯車35と、この駆動歯車35と交差状に噛み合うカムシャフト33の被動歯車36により構成されている。そして、この歯車伝導機構34により、例えば、クランクシャフト32の回転数の1/2が、カムシャフト33に伝導され、クランクシャフト32の2回転でカムシャフト33が1回転する。このカムシャフト33に給気カム13と排気カムが位相差をもって取付けられている。
【0058】
シリンダー2の給気バルブ7を開閉する開閉手段は、シリンダー2の上部に設けられたシリンダーヘッド4のヘッドカバー5内に配置されかつ支軸41により回動可能に軸支された給気バルブ7を開閉するための開閉部材であるロッカーアーム9と、ロッカーアーム9の一端側に設けられたプッシュロッド12との当接部、ロッカーアーム9の他端側に設けられた給気孔8を開閉する給気バルブ7との当接部、ロッカーアーム9の他端側を上方に押し上げ、給気バルブ7を常時閉止状態とするためのバネ42を備えている。このエンジン1では、クランクシャフト32が回転すると、給気カム13も回転し、給気カムの回転と連動して給気用プッシュロッド12およびロッカーアーム9が動くようになっている。具体的には、カムシャフト33の給気カム13とロッカーアーム9間に設けられた給気用プッシュロッド12は、クランクシャフト32の回動による給気カム13の回転により、昇降動作し、ロッカーアーム9を作動させて給気バルブ7を開閉する。排気バルブも給気バルブと同様に、カムシャフトの回転により排気カム、排気用プッシュロッド、排気バルブ用ロッカーアームを介して開閉される。前記給気用又は排気用プッシュロッドには上部のシリンダーヘッドと下部のクランクケース間にプッシュロッドカバーが設けられている。なお、排気バルブの開閉機構は図示していない。
【0059】
図1乃至4において、本発明のエンジンを4サイクルエンジンに応用した実施例のエンジンの燃料供給機構について説明する。
エンジン1は、クランクシャフトの回動によりカムが回転し、カムにより給気用プッシュロッドおよび排気用プッシュロッドが動き、シリンダーの給気バルブおよび排気バルブを開閉し、給気ポート6に送気管38が接続され、送気管38には、空気の給気量を調整するためのスロットル39を内部に備えたキャブレター40が設けられているタイプのエンジンである。
このタイプのエンジンにおいて、筒状プッシュロッドカバー11が給気バルブ側の上部部分、バネ42、ロッカーアーム9および上部のプッシュロッド12Aの上部部分を被包するシリンダーヘッド4とヘッドカバー5と、クランクケース3の側部に一体形成された筒状部10と、シリンダーヘッド4に上端部が伝熱阻害部材の筒状体18を介在して固定され、また、クランクケース3の筒状部10に下端部が伝熱阻害部材の筒状体18を介在して固定されている。この伝熱阻害部材を接続部に介在されることで、プッシュロッドカバーに伝わる熱を遮断して燃料ポンプにおけるベーパーロックを防止することができる。筒状部10とプッシュロッドカバー11との間に設ける伝熱阻害部材とするインシュレータ18bは熱が伝わらないような長さの合成樹脂製筒状体で、上部にプッシュロッドカバーを嵌合しうる内径の嵌合孔を有し、かつ下部の内径はプッシュロッドカバーの内径と同じで、外径はクランクケースの筒状部の上端部に形成した環状の嵌合孔に嵌合しうる径とし、クランクケースの筒状部10にインシュレータ18bを嵌合し、インシュレータ18bの嵌合孔にプッシュロッドカバー11を嵌合する。また、プッシュロッドカバー11とシリンダーヘッド4との間に設けるインシュレータ18aは、同じく熱が伝わらない合成樹脂製筒状体で、外径をシリンダーヘッド4の貫通孔に嵌合する径とし、かつその内周下部にプッシュロッドカバーの上端の筒部を嵌合しうる嵌合孔を設け、シリンダーヘッドにインシュレータ18aを固定し、インシュレータ18aにプッシュロッドカバーの上端の筒部を嵌合固定するものである。
【0060】
カムフォロア14は、プッシュロッドカバー11の下部内、具体的には、クランクケース3の筒状部10の内部に摺動可能に備えられている。このカムフォロア14とピストン部材23との間に空気室22が構成される。このピストン部材23とプッシュロッドカバー11の上部との間に燃料ポンプ室21が構成されている。そして、ロッカーアームのバネ圧により、プッシュロッド12の下端は、給気カム13に接触して筒状部10内を昇降するカムフォロア14に当接されており、また、プッシュロッド12の上端はシリンダーヘッド4の摺接部の筒部を通り、ヘッドカバー5内のロッカーアーム9の一端に当接されている。
また、筒状プッシュロッドカバー11の内部は上部の摺接部とピストン部材23で燃料を吸入、排出する燃料ポンプ室21が形成されている。プッシュロッド12は、摺接部21aの筒部にほぼ液密状態で接触するとともにほぼ液密状態において摺動する。具体的には、下部プッシュロッド12Bが空気室22のカムフォロア14とピストン部材23とに当接して中心に備えられ、かつ上部プッシュロッド12Aがピストン部材23とヘッドカバー5内のロッカーアーム9とに当接して中心に備えられ、カムの回転でカムフォロア14が筒状部10内に沿って、上方へ上昇すると下部プッシュロッド12Bが上昇して、それとともにピストン部材23が上昇して燃料ポンプ室内を加圧状態とし、また、下降時に燃料ポンプ内を減圧状態とする。ピストン部材の上昇で上部プッシュロッド12Bが上昇してロッカーアームの一端をバネに抗して押し上げ、給気バルブ7を開く。
【0061】
実施例では、下部のプッシュロッド12Bは下部のカムフォロアー14の内底面に設けた凹部14aと、中間のピストン部材23の円筒体であるスカート部内の上面の凹部23aとに当接されて、カムフォロアー、ピストン部材と共動可能に備えられている。カムフォロアー14とピストン部材23の凹部は擂り鉢型でプッシュロッド12Bの上下端がずれないように凹部の中心に挿入当接されている。プッシュロッド12の上下端は、ピストン部材23、カムフォロア14の凹部の円弧部に合致するように円弧形状となっている。
また、上部のプッシュロッド12Aは中間のピストン部材23の上面の閉塞面23aに下端が当接され、燃料ポンプ室21の上部摺接部21aの筒部に挿通され、プッシュロットカバー内に突出されて、ロッカーアームの一側に臨ませ、上部プッシュロッドはピストン部材とロッカーアームに当接状態を保って、上下に昇降される。すなわち、給気カム13の回転時に大径部による押し上げ力とロッカーアームのバネ圧で、下部プッシュロッド12Bとカムフォロアー14、ピストン部材23は当接状態を保って上昇され、ピストン部材23と上部プッシュロッド12Aでロッカーアーム9を押し上げ(図2参照)、カムが回転してその大径部を越して小径部に移行すると上部のロッカーアームのバネによる復元力で下降する力がかかるので、上部プッシュロッドでピストン部材が押し下げられ、下部プッシュロッド12Bとカムフォロアー14、ピストン部材23は当接状態を保って、下方へ降下される(図3参照)。
【0062】
この実施例のエンジンの燃料供給機構は、給気用プッシュロッド12Aが燃料ポンプ室21に液密状態で摺動可能備えられ、この燃料ポンプ室21内を液密状態にて摺動する上部給気用プッシュロッド12Aを当接するピストン部材23と、前記筒状部材内面および前記ピストン部材により形成される燃料ポンプ室21と連通するように筒状部材に設けられた燃料吸入孔24と燃料排出孔26と、燃料ポンプ室21内が減圧状態となったときに燃料吸入孔24を開放するための吸入孔リードバルブ25と、燃料ポンプ室21内が加圧状態となったときに排出孔26を開放するための排出孔リードバルブ27とを備えている。
そして、燃料ポンプ20は、燃料ポンプ室21が減圧状態となったとき(言い換えれば、下部プッシュロッド12Bの下降時、すなわちピストン部材23の下降時)に開き、吸入孔24からの燃料供給を可能とする吸入孔リードバルブ25と、燃料ポンプ室21が加圧状態となったとき(言い換えれば、下部プッシュロッド12Bの上昇時、すなわちピストン部材23の上昇時)に開き、排出孔26からの燃料の排出を可能とする排出孔リードバルブ27を備えている。
吸入孔24の内側には、リードバルブ25が内側に開く(言い換えれば、減圧時に開く)ように備えられている。また、排出孔26の内側には、リードバルブ27が外側に開く(言い換えれば、加圧時に開く)ように設けられている。このため、燃料ポンプ室21のピストン部材23の昇降動作により、吸入孔のリードバルブ25と排出孔のリードバルブ27が交互に開閉する。
【0063】
燃料ポンプ20の吸入孔と排出孔に備えるリードバルブを具体的に説明する。前記燃料吸入孔24は、燃料吸引口24aとバルブ室24bが燃料ポンプ室21と連通口24cで連通して設けられ、該バルブ室24bに減圧時内側に開放される吸入孔リードバルブ25が備えられている。また、燃料排出孔26は、燃料排出口26aとバルブ室26bが燃料ポンプ室と連通口26cで連通して設けられ、該バルブ室26bに加圧時外側に開放される排出孔リードバルブ27が備えられている。
燃料ポンプ吸引孔24の吸引孔リードバルブ25は、吸引孔のバルブ室24bの吸引口24a側に内側に開放可能に備えられる。また、排出孔リードバルブ27は排出孔のバルブ室26bの排出口と対向する連通口26c側に外側に開放可能に備えられる。
さらに、燃料ポンプ20の吸入孔24は、燃料供給源の燃料タンク(図示せず)と燃料導入管28を介して接続されており、排出孔26は燃料噴射装置45と燃料供給管29を介して接続されている。吸入孔24および排出孔26には、燃料導入管と燃料供給管の管接続具が取り付けられている。
具体的には、給気カム13の回動によりカムフォロア14、ピストン部材23が下降するとき、その吸引力により排出側リードバルブ27は閉じ、吸入側リードバルブ25が開き、燃料タンクより燃料導入管28を通じて燃料を燃料ポンプ20は吸入する。また、給気カム13の回動によりカムフォロア14、ピストン部材23が上昇するとき、燃料が加圧されることにより燃料の押圧力により吸入側リードバルブ25は閉じ、排出側リードバルブ27が開き、燃料ポンプ室内に貯留している燃料は燃料供給管29を通じて燃料噴射装置45に送られる。燃料ポンプの吸入孔、排出孔にはバルブとして、リードバルブを設けた場合を説明したが、これに限られるものではない。例えば、バネで付勢されたバルブを備え、ポンプに吸排作用により開閉しうるようにしたものでもよい。
【0064】
図1乃至図4に示す本発明のエンジンにおける燃料供給の作用を説明する。図1は、エンジンの給気バルブ7が閉止し、燃料噴射ノズル47から燃料は噴射されていない状態、つまり、給気カム13が横向きの位置で、燃料ポンプ20のリードバルブ25、27が閉じられている状態を示す。この状態において、燃料ポンプ20には燃料(図示せず)が吸入されている。図2に示すように、クランクシャフト32が回動すると、歯車伝導機構34を介してカムシャフト33が回動し、給気カム13も回転し、大径部の側面がカムフォロア14を上昇させる。カムフォロア14の上昇により、下部プッシュロッド12Bとピストン部材23が上昇する。ピストン部材の上昇で燃料ポンプが加圧され、吸入孔のリードバルブ25が閉じられ、排出孔のリードバルブ27が開き、燃料供給管29を通じて燃料噴射装置45へ燃料が供給される。同時に上昇したピストン部材23で上部プッシュロッド12Aは、ロッカーアーム9をバネ42に抗して押し上げる。ロッカーアーム9の他端は押し下げられて、給気バルブ7を押し、給気孔8が開き始めるとともに燃料ポンプ室内の排出孔26のリードバルブ27が開き、燃料ポンプ室の燃料を燃料噴射装置45の噴射ノズル47より噴射して、開いた給気孔を通じて給気とともにシリンダー内に燃料が吸入される。
図3に示すようにシリンダー内の燃料の吸入行程が終わると、クランクシャフトの回動によりカムが回動し、カムの小径部の側面にカムフォロア14が当接して下降する。給気バルブ7は、バネ42の復元力により閉じられる。プッシュロッド12の下降およびピストン部材23の下降により、排出孔26のリードバルブ27が閉塞され、吸入孔24のリードバルブ25が開き、燃料タンクの燃料が燃料導入管28を通じて燃料ポンプ室21に吸入される。本発明のエンジンでは、このように作用するようになっているので、エンジンのクランクシャフトの回転に応じてカムの回動により燃料ポンプの吸入バルブ、排出バルブを交互に開閉して燃料噴射装置より間歇的に燃料噴射を行うことができる。
【0065】
次に、図5に示す別の実施例のエンジンについて説明する。
この実施例のエンジン51は、クランクシャフトの回動により給気カム、給気用プッシュロッドを介してシリンダーの給気バルブを開閉し、クランクケース53に給気管62を備え、シリンダ52の上部の給気ポート6には、前記クランクケース内部と接続された送気管61を備えたタイプのエンジンである。すなわち、この実施例のエンジンは、クランクケース53に空気が導入されるタイプのエンジンである。なお、このエンジンにおける他の構成、例えば、クランクシャフトの回動によるカムシャフト、歯車伝導機構、カム、プッシュロッド12、ロッカーアームなどの駆動機構、給気バルブ7、排気バルブの開閉機構、燃料ポンプ20、燃料噴射装置45などについては上述したエンジンと同じである。それらの説明については、上述の説明を参照する。
【0066】
このタイプのエンジン51は、 前記クランクケース53は、給気管62を備え、前記給気ポート6は、前記クランクケース内部と接続された送気管61を備え、前記燃料供給管29には、前記クランクケース内圧もしくは前記送気管内圧に対応し、該内圧が高いほど燃料供給量が多くなるように燃料供給量を調整する燃料供給用レギュレータ70が設けられている。このタイプのような空気を導入する形式の4サイクルもしくは2サイクルエンジンの場合には、急加速或いは減速時に、エンジン回転数と燃料の必要量が合わないことが生じる。このため、それを補正するためにクランクケースもしくは送気管の内圧に、燃料ポンプの燃料の供給量を対応(好ましくは、比例)させる必要がある。
【0067】
このエンジン51の燃料供給機構は前記実施形態のものと同じである。このエンジンではその燃料供給機構の燃料ポンプ20と燃料噴射装置45とを接続する燃料供給管29にクランクケース53或いは送気管61の圧力に影響を受ける燃料制御レギュレーター70を設ける。
図6において、燃料供給用レギュレータ70は、内部を燃料流入口73、燃料流出口74および燃料リターン孔75と連通する一次側71aと、前記クランクケース53内もしくは前記送気管61内と連通される二次側71bとに区分するとともに、該二次側の圧力変動により動くダイヤフラム72と、該ダイヤフラムの動きにより、前記燃料リターン孔75の開口度を調整するためのものであり、かつ、前記二次側の圧力が高いほど燃料リターン孔75の開口度を小さくするように調整可能な燃料リターン孔用バルブ76とを備えている。
そして、燃料供給用レギュレータ70は、二次側71bの圧力が一次側71aの圧力より所定値以上高い場合、ダイヤフラム72および燃料リターン孔用バルブ76により、燃料リターン孔75を閉塞するものとなっている(図5と図6は燃料リターン孔をバルブで閉じている状態)。
【0068】
この実施例のエンジン51では、クランクシャフト32の回動による給気用プッシュロッド12の昇降運動により、燃料噴射装置45の燃料の間歇的噴射と給気バルブ7の開閉が同期しており、かつクランクケースもしくは送気管の内圧を用いる燃料制御レギュレーター70により燃料供給量を内圧に対応した制御(好ましくは、比例制御)している。このためこの実施例のエンジン51では、適正な量の燃料を供給することができる。
燃料制御レギュレーター70は、本体71の内部を2つに区画するダイヤフラム72と、このダイヤフラム72により区画された本体の一次側71aに設けられ、燃料ポンプ室21と燃料供給管29で接続される吸入孔73と、このダイヤフラム72により区画された本体の一次側に設けられ、燃料噴射装置45と燃料供給管29で接続される排出孔74と、このダイヤフラム72により区画された本体の一次側に設けられ、燃料ポンプ20の上流(吸入孔24より上流側)と燃料戻し管80で接続される燃料を戻すための燃料リターン孔75と、ダイヤフラム72に設けられ、燃料リターン孔75の開口度を調整する燃料リターン用バルブ76と、ダイヤフラム72により区画された本体の二次側71bに設けられたクランクケース53もしくは送気管61の圧力を伝える圧力孔77とを備えている。80は燃料リターン孔75と燃料ポンプ20の上流の燃料導入管28と接続する燃料戻し管である。
また、レギュレーター70は、燃料リターン孔用バルブ76を燃料リターン孔側に常時付勢するバネ78を備えている。さらに、燃料リターン孔用バルブ76の先端部の先端面は、先端側に向かって縮径するように形成されている。これに対応して、燃料リターン孔75の本体内側開口は、本体内部側(一次側)に向かって拡径するように形成されている。燃料リターン孔75の開口度は、燃料リターン孔の傾斜開口部への燃料リターン孔用バルブ76の先端部の近接度により調整される。
また、この実施例のエンジンでは、圧力孔77はクランクケース53の圧力孔67と接続されている。このため、ダイヤフラムの二次側71bはクランクケース53内の圧力と同じになりダイヤフラム72は二次側の圧力変動により動き、二次側の圧力が高いほど、燃料リターン孔用バルブの先端部は、燃料リターン孔75の開口部に近接し、燃料リターン孔75の開口度を少ないものとする。燃料リターン孔75の開口度が少なくなるほど、燃料の返還量も少なくなる。そして、レギュレータ72の一次側71aが二次側71b(クランクケースの内圧)より所定値以上高くなると、ダイヤフラム72に押されて、燃料リターン孔バルブ76の先端は、燃料リターン孔75に密着し、燃料リターン孔を実質的に閉塞する(図6の状態)。また、レギュレータ70の二次側71bの圧力が低くなると、ダイヤフラムが動き、燃料リターン孔用バルブ76も燃料リターン孔75より離れ、燃料リターン孔75の開口度が高くなる(言い換えれば、燃料変換量が多くなる)。なお、圧力孔77は、送気管61の圧力孔68と接続されていてもよい。
【0069】
燃料リターン用バルブ76を閉塞する方向に押圧するバネ78には、バネ圧を調整する調整手段として、バネを受けるねじ体79が本体71に螺合されている。このねじ体79の凹部にバネ78が収容されており、該バネがダイヤフラムの中央のバルブの基部に常時当接され、ねじ体79の締め加減によりバネ圧を調整可能となっている。具体的には、この実施例のエンジンの場合には、バネ78のバネ圧は、定常時は燃料タンク側(一次側)の圧力をクランクケース側(二次側)より大として、燃料リターン用バルブが開いた状態となるようにセットされる。レギュレーター70の吸入孔、排出孔、リターン孔、圧力孔等には燃料管接続具が取付られている。
このように、この実施例のエンジンに用いるレギュレータでは、ダイヤフラムの一方側にバルブを取付、ダイヤフラムの他方側にバルブの位置を調整するスプリングを備えているので、スプリングの堅さを調整することによって容易に一次室と二次室のバランスの最適位置を決定できる。
本発明のエンジンは、上述した実施例のような4サイクルエンジンに限られるものではなく、内燃機関のクランクケース内に空気を導入する2サイクルエンジン等にも適用することができる。
【0070】
図5および図6を用いて、燃料供給用レギュレーターを備えた本発明のエンジンについてさらに説明する。
クランクケース内に空気を導入する4サイクルエンジンであるこの実施例のエンジン51においても、前述したエンジン1と同様に、給気用プッシュロッド12の動きに同調して、加圧、減圧により燃料ポンプ20の吸入孔24と排出孔26はリードバルブ25およびリードバルブ27により開閉し、燃料ポンプ室内に吸入(貯留)した燃料を燃料噴射装置45より噴射する。この実施例のエンジン51においても、クランクシャフトの回動による給気カム13の回転により、下部と上部の給気用プッシュロッド12A、12Bが押し上げられる時、給気バルブ7が開くとともに燃料ポンプ20内の排出孔26のリードバルブ27も開き、燃料を燃料噴射装置45に送り噴射し、シリンダーの燃焼室に給気とともに吸入させる。そして、カム13がさらに回転し、給気用プッシュロッド12A、12Bが下がり始めると、給気バルブ7が閉じ、燃料ポンプ20の排出孔26のリードバルブ27も閉じ、かつ吸入孔24のリードバルブ25が開き、ポンプ20内に燃料を吸入する。
そして、この実施例のエンジンの燃料供給機構では、燃料ポンプ20をクランクケース53(もしくは送気管)内の圧力に対応する(比例制御可能な)燃料制御レギュレーター70を介して燃料噴射装置45に接続している。このため、クランクシャフトの回動による給気用プッシュロッド12A、12Bの昇降運動により燃料ポンプ20を作用して燃料を吸排する際にクランクケース53に導入された給気圧と燃料ポンプからの燃料の圧力の差に応じて燃料制御レギュレーター70が実質的に比例制御を行い、余分の燃料は燃料ポンプ20の上流に戻し、常時燃料噴射装置45より適正な量の燃料をシリンダーの燃焼室に間歇的に噴射しうるようにしてエンジンのレスポンスの向上、燃料気化時の燃焼室の効果的な冷却ができる。
具体的には、このエンジンでは、燃料供給用レギュレーターにより、常時余分な燃料が燃料ポンプの燃料吸入孔より上流側に戻される状態となっている。そして、エンジンの回転数が急激に上昇した場合には、クランクケース内および送気管内の圧力が上昇し、レギュレータの二次側圧力が高くなると、ダイヤフラムが動き、燃料リターン孔用バルブにより燃料リターン孔の開口度が小さくなり、場合によっては、燃料リターン孔用バルブにより燃料リターン孔が閉塞され、燃料ポンプのピストン部材の動きに起因して送られる燃料の多くの量が燃料噴射装置に送られる。つまり、この燃料供給機構では、エンジンの回転数上昇時、高回転数維持時といった通常の状態より多くの燃料供給が必要な場合に、自動的に燃料供給量を増加することができる。
つまり、このエンジンに設けられている燃料供給用レギュレータは、エンジンの定常時では、燃料ポンプ20側がクランクケース側の圧力と同じもしくは高く、リターン用バルブ76は開放状態となっており、燃料の一部はリターン孔75を通じて戻りうる状態となっている。このため、燃料ポンプのピストン部材の動きに起因して送られる燃料の全量が燃料噴射装置に送られず、余分な燃料は、リターン孔75より燃料戻し管80を通じて燃料ポンプ20の上流側の燃料導入管28に戻される。そして、この状態で、エンジンのスロットルを開いて、例えば、急加速すると空気が大量に給気されて空気圧が高くなる。その空気量に対応した必要量の燃料を供給するために、レギュレータの二次側は、クランクケースもしくは送気管と接続されている。給気量が増加することにより、クランクケースおよび送気管の内圧が上昇し、これにより、燃料制御レギュレーター70の二次側の圧力が高くなるとダイヤフラム72が一次側へ押圧され、バネ78の作用と相まって燃料リターン用バルブ76を押圧して燃料リターン孔75の開口度を小さくする。燃料リターン孔75の開口度の減少に従って、燃料ポンプのピストン部材の動きで送られる燃料のうち、燃料リターン孔より返還される量が少なくなり、多くの量の燃料が燃料噴射装置に送られる。このため、大量の給気量に対応した燃料の量を噴射混合でき、高回転に適した燃焼をさせることができる。
またエンジンのスロットルを戻して減速すると、クランクケース側および送気管側の内圧(空気圧)が下がり、同時に、ダイヤフラム72の二次側にかかる圧力も下がり、一次側の圧力が上回ると、ダイヤフラム72が二次側へバネ78に抗して押圧されレギュレーターのリターン用バルブ76がリターン孔75より離反し、燃料リターン孔の開口度が高くなり、燃料リターン孔を通じて返還される燃料の量が多くなり、やがて、通常状態に復帰する。レギュレーターがないと回転数は高いままでスロットルバルブを閉じてしまい空気が入らない状態にかかわらず燃料が送られることになり、給気ポートに燃料が溜まる恐れがある。しかし、この実施形態では、余分の燃料が燃料ポンプ20の上流に戻される通常状態に自動的に復帰するので、給気ポートに燃料が溜まらないようにでき、適正な燃料供給を行うことができる。
【0071】
この実施例のエンジン51は、エンジンの下部に位置するクランクケース53とシリンダー52の上部の給気ポート6とを接続する送気管61を備えている。また、クランクケース53には、スロットル64を内部に備えたキャブレター63を有する給気管62が設けられている。給気管62による給気量は、スロットル64で調整可能となっている。また、クランクケース53の給気管62の接続部には、クランクケース53の給気管62を開閉するリードバルブ65が設けられている。また、クランクケース53の送気管61の開口部には、送気管61の入り口を開閉するリードバルブ66が設けられている。
ピストン30が上昇する時、クランクケース53内は減圧状態となるため、給気管62のリードバルブ65が開き、送気管61のリードバルブ66は閉じ、給気管62よりクランクケース53内に空気が流入する。そして、ピストン30が下降する時(吸入行程時)には、クランクケース53内が加圧状態となるため、リードバルブ65は閉じ、送気管61の入り口のリードバルブ66が開き、クランクケース53の空気が送気管61を通じて送られる。送気管61より送られた空気は、開いた給気バルブ7を通じてシリンダーの燃焼室に供給され、燃料噴射装置45の燃料噴射ノズル47から噴射される燃料と混合される(吸入行程)。燃料空気混合物は、圧縮行程で圧縮され、膨張行程で点火爆発し、排気行程で排気される。
クランクケース53に圧力孔67を備えるか、若しくは送気管61に圧力孔68を備える。圧力孔67はクランクケース53の底部に設けられている。圧力孔67は、クランクケースの圧力信号を得るために用いられる。送気管61に設けられた圧力孔68は、送気管の圧力信号を得るために用いられる。燃料制御レギュレーター70はクランクケースもしくは送気管のいずれかの圧力を感受可能となっている。
【0072】
この発明はこの形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲で、様々な形態を実施しうるものである。上記は模型用の小型のエンジンの場合を説明したが、これに限られるものではなく、ゴーカートのエンジン等各種エンジンに適用することができる。エンジンのケーシング、シリンダーヘッド、ヘッドカバー、プッシュロッドカバー、プッシュロッドの材質は上記のものに限られるものではない。
【0073】
【発明の効果】
この発明のエンジンによれば、エンジンのレスポンスの向上、燃料気化時の燃焼室の効果的な冷却ができる。また、エンジン本体、クランクケース等が温度上昇しても空気室で燃料ポンプ室への伝熱を抑制して燃料ポンプの温度上昇を防いで、燃料ポンプ若しくは燃料供給管におけるベーパーロックの発生をなくし、正常に燃料を供給できる。
【0074】
この発明のエンジンによれば、給気用プッシュロッドを給気用プッシュロッド下部側部材と給気用プッシュロッド上部側部材とに分けたので、その下部側部材と上部側部材を同じ又は別の材質とでき、また、ピストン部材をプッシュロッドと別体するので、製作が容易にでき、又ピストン部材を下部又は上部プッシュロッドと一体に備える場合でも製作がし易い。
【0075】
この発明のエンジンによれば、給気用プッシュロッド下部側部材は、低熱伝導性材料により形成されているので、クランクケース、カムフォロアーから燃料ポンプ室への伝熱を抑制して燃料ポンプの温度上昇を防いで、燃料ポンプ若しくは燃料供給管におけるベーパーロックの発生をなくし、正常に燃料を供給できる。
【0077】
この発明のエンジンによれば、前記燃料ポンプ室は、前記給気用プッシュロッドがプッシュロッドカバーの上部の摺接部にほぼ液密状態に摺接させ、前記ピストン部材がプッシュロッドカバーに液密状態に昇降可能に備えられているので、実質的に燃料ポンプ室より燃料ポンプ室より燃料供給管に燃料を供給でき、燃料の外部への流出ならびに前記空気室への流入がない。
【0078】
この発明のエンジンによれば、吸入孔リードバルブは、前記燃料ポンプ室内が減圧状態となったときに前記燃料吸入孔を内側に開放でき、また排出孔リードバルブは、前記燃料ポンプ室内が加圧状態となったときに前記排出孔を開放できる。
【0079】
この発明のエンジンによれば、ピストン部材を筒状体として内部を空気室の一部として、空気によりピストン部材への伝熱の抑制を図り、かつプッシュロッドカバーとの接触面積を大きくして、液密状態をほぼ保ち、燃料が漏れるのを防止する。また、空気が燃料ポンプに入らないようにする。
【0080】
この発明のエンジンによれば、前記プッシュロッドカバーは、外周部に放熱フインを備えることにより、クランクケース等からプッシュロッドカバーに伝わる熱を放熱して、内部の燃料ポンプ等の温度上昇を防ぎ、ベーパーロックの発生をなくすことができる。
【0081】
この発明のエンジンによれば、前記プッシュロッドカバーと、前記クランクケースの筒状部およびシリンダーヘッドとの接続部に伝熱阻害部材が設けられているので、クランクケースおよびシリンダーヘッドからプッシュロッドカバーへ伝わる熱を抑制、遮断して、燃料ポンプにおけるベーパーロックをなくすことができる。
【0082】
この発明のエンジンによれば、前記ピストンを低熱伝導性材料により形成することにより給気用プッシュロッドから伝わる熱を遮断して燃料ポンプにおけるベーパーロックをなくすことができる。
【0083】
この発明のエンジンによれば、前記ピストン部材は、給気用プッシュロッドが作動して給気バルブが開くとき、燃料ポンプ室内を加圧状態として燃料ポンプ室の燃料排出孔のリードバルブを開放し、また、燃料吸入孔のリードバルブを閉鎖できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のエンジンを示す縦断面図である。
【図2】 燃料ポンプの加圧状態における要部断面図である。
【図3】同減圧状態における要部断面図である。
【図4】別の実施例を示す縦断面図である。
【図5】クランクケースに空気を導入するタイプのエンジンを示す縦断面図である。
【図6】燃料制御レギュレータを示す断面図である。この発明の燃料供給装置を備えたエンジンの断面図である。
【符号の説明】
1 エンジン
2 シリンダー
3 クランクケース
4 シリンダーヘッド
6 給気ポート
7 給気バルブ
9 開閉用部材(ロッカーアーム)
10 筒状部
11 プッシュロッドカバー
12 給気用プッシュロッド
12A 上部プッシュロッド
12B 下部プッシュロッド
13 給気カム
14 カムフォロア
15 上部側部材
16 下部側部材
20 燃料ポンプ
21 燃料ポンプ室
22 空気室
23 ピストン部材
24 燃料吸入孔
25 吸入孔用バルブ
26 燃料排出孔
27 排出孔用バルブ
28 燃料導入管
29 燃料供給管
32 クランクシャフト
38 送気管
45 燃料噴射装置
47 燃料噴射ノズル
53 クランクケース
61 送気管
67 圧力孔
68 圧力孔
70 燃料制御レギュレーター
72 ダイヤフラム
73 吸入孔
74 排出孔
75 燃料リターン孔
76 リターン用バルブ
77 圧力孔[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to an internal combustion engine, particularly an engine equipped with a fuel supply mechanism for supplying fuel to the engine in a model airplane or the like.
[0002]
[Prior art]
In an engine used for a conventional model airplane, a fuel supply mechanism that supplies fuel to the combustion chamber of the engine generally uses a carburetor to adjust the fuel mixture and send the mixed fuel to the cylinder from the air supply passage. The amount of fuel is adjusted with the carburetor needle valve.
[0003]
[Problems to be solved by the invention]
In this conventional carburetor, when the rotational speed is suddenly increased from the idling low speed, a large amount of air is inhaled, but the fuel supply cannot catch up and the balance of the air-fuel ratio is lost, resulting in uneven engine rotation. However, there has been a problem in that the engine is not operating properly due to the centrifugal force being not supplied to the carburetor during the flight.
In addition, when fuel injection is performed at a position away from the air supply valve, the air-fuel mixture is vaporized and heat is taken away from the surroundings, so that the air-fuel mixture expands and volume efficiency deteriorates. Because it is vaporized, the combustion chamber cannot be cooled. In continuous injection when a gear pump or the like is used, fuel is injected even when the valve is closed, and fuel accumulates on the valve that is closed. When entering, there was a problem that vaporization worsened. Further, when a gear pump, a plunger, or the like is used, there is a problem that the supply pressure tends to be higher as the rotation speed is higher and the rotation speed is higher.
In order to solve this problem, in the fuel supply device for an engine of Japanese Patent Application No. 2000-58331 according to the application of the present applicant, a fuel provided with an intake / exhaust valve in relation to the supply side push rod of the engine of the internal combustion engine. The pump is equipped with a cam follower on the supply side as a plunger of the pump and used as a fuel pump, and the fuel is pumped up and down by the push rod and cam follower, and fuel is supplied to the fuel injection device provided in the supply port. Suggested what to supply. In this application, the fuel pump chamber of the fuel pump is constituted by the lower part of the push rod cover and the cylindrical part of the crankcase, and the cam follower is used as a piston member (plunger) to constitute the pump. The engine may be overheated due to overheating, overheating during idling immediately after high-speed operation, or due to an increase in the outside air temperature in summer, etc., and the temperature of the casing and crankcase may increase. In the case of a fuel pump with a cam follower as a piston, the heat coming from the engine body and crank chamber is easily transferred to the cam follower of the fuel pump, and when the temperature of the fuel pump rises to a certain level or more, the fuel starts to boil and steam The fuel supply is blocked by steam and the steam is generated in the fuel pump and the fuel is not supplied, so-called vapor lock occurs, and the fuel is not normally sent to the fuel injection device. There is. Incidentally, when methyl alcohol is used as the fuel, boiling of the fuel starts at about 60 ° C.
[0004]
The present invention solves such a problem. The inside of the push rod cover is divided into an air chamber and a fuel pump chamber by a piston member to supply fuel by the action of the fuel pump, and also prevents vapor lock of the fuel pump. Therefore, an object of the present invention is to provide an engine capable of improving the response of the engine and effectively cooling the combustion chamber during fuel vaporization.
[0005]
[Solving the problemformeans】
The engine according to the first aspect of the present invention is an engine of a type that opens and closes an air supply valve of a cylinder via an air supply cam and an air supply push rod by rotation of a crankshaft. A
The air
[0007]
Claim2The invention of claim1The air supply push rod
[0009]
Claim3The invention of claim 1Or 2The
[0011]
Claim4The invention of claim 1 to claim
[0012]
Claim5The invention of claim 1 to claim 14The
[0013]
Claim6The invention of claim 1 to claim 15The push rod cover of the engine according to any one of,The cylindrical part of the crankcaseAnd cylinder headThe heat
[0014]
Claim7The invention of claim 1 to claim 16The piston member of the engine according to any one of the above is made of a low thermal conductivity material.
[0019]
According to the first aspect of the present invention, the inside of the push rod cover is divided by the piston member to suppress heat transfer to the fuel pump chamber in the air chamber so that no vapor lock occurs in the fuel pump chamber. The supply valve push rod is lifted through the cam follower by the rotation of the supply cam within the push rod cover, and the piston member of the fuel pump is lifted. The valve is opened and the fuel is sent to the injection nozzle of the fuel injection device. When the supply valve push rod is raised, the supply valve is opened synchronously, and the fuel is injected into the combustion chamber of the cylinder through the supply hole. Next, the cam is further rotated, the air supply valve is closed, the air supply valve push rod is lowered, and the piston member is lowered. The valve is closed and the valve of the suction hole is opened by the suction force of the fuel, and a required amount of fuel is sucked and stored in the pump from the fuel supply source.
According to this engine, even if the temperature of the engine body, crankcase, etc. rises, the heat transfer to the fuel pump chamber is suppressed in the air chamber to prevent the fuel pump temperature from rising, and the vapor lock in the fuel pump or fuel supply pipe is prevented. The fuel can be supplied normally. In addition, the engine response can be improved and the combustion chamber can be effectively cooled during fuel vaporization.
[0020]
AndThe air supply push rod is configured such that the air supply push rod lower side member and the air supply push rod upper side member are continuously moved up and down in the push rod cover so as to correspond to the air chamber and the fuel pump chamber. In response to the rotation of the cam, the air supply push rod lower side member and the air supply push rod upper side member are raised and lowered to open and close the air supply valve, and the air supply push rod is raised and lowered to raise and lower the piston member. The fuel in the upper fuel pump is sucked and discharged while being pressurized or depressurized.
Since the air supply push rod is divided into the air supply push rod lower side member and the air supply push rod upper side member, the lower side member and the upper side member can be made of the same or different materials, and the piston member Since it is separated from the push rod, it can be manufactured easily, and even when the piston member is provided integrally with the lower or upper push rod, it is easy to manufacture.
[0021]
This claim2Since the air supply push rod lower side member is formed of a low heat conductive material, the heat pump can suppress the heat transfer from the crankcase and the cam follower to the fuel pump chamber. The temperature rise is prevented, the occurrence of vapor lock in the fuel pump or fuel supply pipe is eliminated, and fuel can be supplied normally.
[0023]
This claim3In the fuel pump chamber, the air supply push rod is brought into sliding contact with the sliding contact portion of the upper portion of the push rod cover in a substantially liquid-tight state, and the piston member is liquid-tight with the push rod cover. Since the fuel pump chamber can be moved up and down, there is substantially no outflow of fuel from the fuel pump chamber and inflow into the air chamber.
[0025]
This claim4The operation of the invention is that the piston member has a closed surface on the upper end side and is a cylindrical body having an open lower end side, the inside is a part of the air chamber, and the heat transfer to the piston member is suppressed by air. In addition, the contact area with the push rod cover is increased to maintain a liquid-tight state and prevent fuel from leaking. Also, keep air out of the fuel pump.
[0026]
This claim5The action of the configuration of the invention is that the push rod cover is provided with a heat radiating fin on the outer peripheral portion, thereby radiating heat transmitted from the crankcase or the like to the push rod cover, thereby preventing an internal fuel pump or the like from rising in temperature, The occurrence of vapor lock can be eliminated.
[0027]
This claim6The action of the structure of the invention is the push rod coverAnd beforeThe cylindrical part of the crankcaseAnd cylinder headA heat transfer inhibiting member made of a low thermal conductivity material is provided at the connection with the crankcaseandThe vapor lock in the fuel pump can be eliminated by blocking the heat from the cylinder head so that the heat is not transmitted to the push rod cover.
[0028]
This claim7When the piston member is formed of a low thermal conductivity material, the heat transmitted from the air supply push rod can be suppressed and the vapor lock in the fuel pump can be eliminated.
[0029]
SaidThe piston member opens the lead valve of the fuel discharge hole of the fuel pump chamber by bringing the fuel pump chamber into a pressurized state when the air supply push rod is actuated and the air supply valve is opened. Close the suction hole reed valve.
[0033]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
An embodiment of the present invention will be described with reference to the drawings. FIG. 1 is a longitudinal sectional view showing an engine of the present invention, FIG. 2 is a sectional view of an essential part in a pressurized state of a fuel pump, FIG. FIG. 5 is a longitudinal sectional view showing an engine of a type that introduces air into a crankcase, and FIG. 6 is a sectional view showing a fuel control regulator.
[0034]
An embodiment of the present invention will be described with reference to the drawings.
The engine of the present invention will be described with reference to FIGS.
In addition, the engine of this Example uses the engine of this invention for the engine for models of a 4-cycle engine.
The engine of the present invention is a type of engine in which a cam is rotated by rotation of a crankshaft, an air supply push rod and an exhaust push rod are moved by the cam, and an intake valve and an exhaust valve of a cylinder are opened and closed.
The engine 1 of the present invention includes a
[0035]
The engine 1 of the present invention is the engine described above, and includes a
[0036]
The engine 1 is made of metal such as aluminum. The cylindrical push rod cover (cylindrical member) 11 is long and is made of metal such as aluminum like the engine body, and is provided between the
The
[0037]
In the embodiment, the inside of the push rod cover is divided into the air chamber and the fuel pump chamber as described above. However, the present invention is not limited to this, and the fuel pump chamber is provided at the intermediate portion of the push rod cover. It can also be provided. That is, an air chamber can be provided below the piston member of the push rod cover, a fuel pump chamber can be provided above the piston member, and an air chamber can be provided between the upper part and the upper end of the fuel pump chamber.
[0038]
The
[0039]
A connection portion between the
[0040]
The air
[0041]
The air
[0042]
The air supply push rod
[0043]
In the embodiment shown in FIGS. 1 to 4, the
The
The
The reason why the push rod is divided into two is that it is easy to prepare in the air chamber and the fuel pump chamber, and forming the
[0044]
Although the push rod shown in the figure shows a case where the push rod is divided into two, the number of the push rod is one, and a fuel pump can be configured by integrally forming a piston member substantially at the center of the push rod. As described above, it is troublesome to manufacture in the middle of the push rod. However, in this case, the lower end of the push rod is fitted inside the cam follower provided to be slidable on the cylindrical portion of the crankcase. The upper end is brought into direct contact with the rocker arm. The structure of the piston member is formed in the push rod in the same manner as described above, with the closed surface as the upper part and the cylindrical body (skirt part) as the lower part.
[0045]
The
The
The
[0046]
The
[0047]
The
[0048]
The
[0049]
The
By providing the
[0050]
The
[0051]
The
[0052]
[0053]
The operation of the
When the piston member is lowered, the pressure is reduced (suction state), the volume of the fuel pump gradually increases, the internal pressure of the fuel pump decreases, and the
[0054]
In this engine, a
[0055]
In the engine of this embodiment, when the
[0056]
The engine 1 includes a
[0057]
A drive mechanism for the
[0058]
The opening / closing means for opening and closing the
[0059]
1 to 4, an engine fuel supply mechanism of an embodiment in which the engine of the present invention is applied to a four-cycle engine will be described.
In the engine 1, the cam is rotated by the rotation of the crankshaft, the supply push rod and the exhaust push rod are moved by the cam, the cylinder supply valve and the exhaust valve are opened and closed, and the
In this type of engine, the cylindrical
[0060]
The
In addition, a
[0061]
In the embodiment, the
Further, the
[0062]
In the fuel supply mechanism of the engine of this embodiment, an air
The
Inside the
[0063]
The reed valve provided in the suction hole and the discharge hole of the
The suction
Further, the
Specifically, when the
[0064]
The operation of fuel supply in the engine of the present invention shown in FIGS. 1 to 4 will be described. FIG. 1 shows a state in which the
As shown in FIG. 3, when the intake stroke of the fuel in the cylinder is completed, the cam is rotated by the rotation of the crankshaft, and the
[0065]
Next, an engine according to another embodiment shown in FIG. 5 will be described.
The
[0066]
In this type of
[0067]
The fuel supply mechanism of the
In FIG. 6, the
The
[0068]
In the
The
The
In the engine of this embodiment, the
[0069]
A
Thus, in the regulator used in the engine of this embodiment, a valve is attached to one side of the diaphragm and a spring for adjusting the position of the valve is provided on the other side of the diaphragm. Therefore, by adjusting the stiffness of the spring, The optimal position of the balance between the primary and secondary rooms can be easily determined.
The engine of the present invention is not limited to the four-cycle engine as in the above-described embodiment, but can be applied to a two-cycle engine that introduces air into the crankcase of an internal combustion engine.
[0070]
The engine of the present invention provided with a fuel supply regulator will be further described with reference to FIGS. 5 and 6.
In the
In the fuel supply mechanism of the engine of this embodiment, the
Specifically, in this engine, the fuel supply regulator is always in a state where excess fuel is always returned to the upstream side from the fuel suction hole of the fuel pump. When the engine speed increases rapidly, the pressure in the crankcase and the air supply pipe rises, and when the secondary pressure of the regulator increases, the diaphragm moves and the fuel return hole valve causes fuel return. The opening degree of the hole is reduced, and in some cases, the fuel return hole is blocked by the fuel return hole valve, and a large amount of fuel sent due to the movement of the piston member of the fuel pump is sent to the fuel injection device. . That is, this fuel supply mechanism can automatically increase the fuel supply amount when more fuel supply is required than in a normal state such as when the engine speed is increased or when the engine speed is maintained.
That is, the fuel supply regulator provided in the engine has the same or higher pressure on the
When the engine throttle is returned and the engine is decelerated, the internal pressure (pneumatic pressure) on the crankcase side and the air supply pipe side decreases, and at the same time, the pressure applied to the secondary side of the
[0071]
The
When the
The
[0072]
The present invention is not limited to this embodiment, and various embodiments can be implemented without departing from the gist of the present invention. Although the above has described the case of a small model engine, the present invention is not limited to this, and can be applied to various engines such as a go-kart engine. The materials of the engine casing, cylinder head, head cover, push rod cover, and push rod are not limited to those described above.
[0073]
【The invention's effect】
According to the engine of the present invention, the response of the engine can be improved and the combustion chamber can be effectively cooled during fuel vaporization. Also, even if the temperature of the engine body, crankcase, etc. rises, the heat transfer to the fuel pump chamber is suppressed in the air chamber to prevent the fuel pump from rising in temperature, and the occurrence of vapor lock in the fuel pump or fuel supply pipe is eliminated. Can supply fuel normally.
[0074]
According to the engine of the present invention, the air supply push rod includes the air supply push rod lower side member and the air supply push rod upper side member.InSince it is divided, the lower side member and the upper side member can be made of the same or different materials, and since the piston member is separated from the push rod, it can be easily manufactured, and the piston member can be made as the lower or upper push rod. It is easy to manufacture even when it is provided as a unit.
[0075]
According to the engine of the present invention, since the air supply push rod lower side member is formed of a low thermal conductivity material, the heat transfer from the crankcase and cam follower to the fuel pump chamber is suppressed, and the temperature of the fuel pump is reduced. It is possible to prevent the rise and eliminate the occurrence of vapor lock in the fuel pump or the fuel supply pipe, thereby supplying the fuel normally.
[0077]
According to the engine of the present invention, the fuel pump chamber has the air supply push rod slidably contacted with the sliding contact portion of the upper portion of the push rod cover in a substantially liquid-tight state, and the piston member is liquid-tight with the push rod cover. Since the fuel pump chamber can be moved up and down, fuel can be substantially supplied from the fuel pump chamber to the fuel supply pipe, and there is no outflow of fuel to the outside and inflow into the air chamber.
[0078]
According to the engine of the present invention, the suction hole reed valve can open the fuel suction hole inward when the pressure inside the fuel pump chamber is reduced, and the discharge hole reed valve pressurizes the fuel pump chamber. When the state is reached, the discharge hole can be opened.
[0079]
According to the engine of the present invention, the piston member is a cylindrical body and the inside is a part of the air chamber, the heat transfer to the piston member is suppressed by air, and the contact area with the push rod cover is increased, Maintains almost liquid-tight state and prevents fuel from leaking. Also, keep air out of the fuel pump.
[0080]
According to the engine of the present invention, the push rod cover is provided with a heat radiating fin on the outer peripheral portion, thereby radiating heat transmitted from the crankcase or the like to the push rod cover, and preventing an internal fuel pump or the like from rising in temperature, The occurrence of vapor lock can be eliminated.
[0081]
According to the engine of the present invention, the push rod coverAnd beforeThe cylindrical part of the crankcaseAnd cylinder headSince the heat transfer inhibiting member is provided at the connection part with the crankcaseandThe heat transmitted from the cylinder head to the push rod cover can be suppressed and cut off, and the vapor lock in the fuel pump can be eliminated.
[0082]
According to the engine of the present invention, by forming the piston from a low thermal conductivity material, it is possible to cut off the heat transmitted from the air supply push rod and eliminate the vapor lock in the fuel pump.
[0083]
According to the engine of the present invention, when the air supply push rod is actuated to open the air supply valve, the piston member pressurizes the fuel pump chamber and opens the fuel discharge hole lead valve of the fuel pump chamber. In addition, the reed valve of the fuel intake hole can be closed.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a longitudinal sectional view showing an engine of the present invention.
FIG. 2 is a cross-sectional view of a main part in a pressurized state of a fuel pump.
FIG. 3 is a cross-sectional view of a main part in the reduced pressure state.
FIG. 4 is a longitudinal sectional view showing another embodiment.
FIG. 5 is a longitudinal sectional view showing an engine of a type that introduces air into a crankcase.
FIG. 6 is a cross-sectional view showing a fuel control regulator. It is sectional drawing of the engine provided with the fuel supply apparatus of this invention.
[Explanation of symbols]
1 engine
2 cylinders
3 Crankcase
4 Cylinder head
6 Air supply port
7 Air supply valve
9 Opening / closing member (rocker arm)
10 cylindrical part
11 Push rod cover
12 Push rod for air supply
12A Upper push rod
12B Lower push rod
13 Air supply cam
14 Cam Follower
15 Upper side member
16 Lower side member
20 Fuel pump
21 Fuel pump room
22 Air chamber
23 Piston member
24 Fuel intake hole
25 Valve for suction hole
26 Fuel discharge hole
27 Valve for discharge hole
28 Fuel introduction pipe
29 Fuel supply pipe
32 Crankshaft
38 Air pipe
45 Fuel injector
47 Fuel injection nozzle
53 Crankcase
61 Air pipe
67 Pressure hole
68 Pressure hole
70 Fuel control regulator
72 Diaphragm
73 Suction hole
74 Discharge hole
75 Fuel return hole
76 Return valve
77 Pressure hole
Claims (7)
該エンジンは、シリンダーと、シリンダーヘッドと、クランクケースと、給気ポート、給気ポートに設けられた燃料噴射装置と、前記クランクケースの筒状部と前記シリンダーヘッド間に設けられた筒状のプッシュロッドカバーと、給気カムと接触する給気用カムフォロアーと、給気用プッシュロッドと、該プッシュロッドカバーを利用する燃料ポンプとを備え、
該燃料ポンプは、前記プッシュロッドカバー内の上部に形成された燃料ポンプ室と、該プッシュロッドカバー内を前記燃料ポンプ室と該燃料ポンプ室への伝熱を抑制するための下部に形成された空気室とに区分するとともに該プッシュロッドカバー内に摺動可能に収納され、かつ前記給気用プッシュロッドの動きにより前記燃料ポンプ室内部を加圧状態および減圧状態とするピストン部材と、前記燃料ポンプ室と連通する燃料吸入孔および燃料排出孔と、該燃料ポンプ室内が減圧状態となったときに前記燃料吸入孔を開放するための吸入孔用バルブと、前記燃料ポンプ室内が加圧状態となったときに前記排出孔を開放するための排出孔用バルブとを備え、さらに、
前記燃料ポンプの燃料吸入孔と燃料供給源とを接続する燃料導入管と、
前記燃料ポンプの燃料排出孔と前記燃料噴射装置とを接続する燃料供給管とを備え、
前記給気用プッシュロッドは、前記クランクケースの筒状部および前記プッシュロッドカバーの前記空気室により形成される空間内に収納され、下端部が前記給気カムと接触するカムフォロアに当接され、上端部が前記ピストン部材に当接もしくは固定された給気用プッシュロッド下部側部材と、下部側が前記燃料ポンプ室内に収納されかつ下端部が前記ピストン部材に当接もしくは固定され、かつ、上部側が前記プッシュロッドカバーより突出しかつ上端部が前記給気バルブの開閉用部材に当接された給気用プッシュロッド上部側部材とを備えていることを特徴とするエンジン。An engine of a type that opens and closes an air supply valve of a cylinder via an air supply cam and an air supply push rod by rotation of a crankshaft,
The engine includes a cylinder, a cylinder head, a crankcase, an air supply port, a fuel injection device provided in the air supply port, a cylindrical portion provided between the cylindrical portion of the crankcase and the cylinder head. A push rod cover, an air supply cam follower that contacts the air supply cam, an air supply push rod, and a fuel pump that uses the push rod cover;
The fuel pump is formed in a fuel pump chamber formed in an upper portion in the push rod cover, and in a lower portion for suppressing heat transfer to the fuel pump chamber and the fuel pump chamber in the push rod cover. A piston member that is divided into an air chamber and is slidably housed in the push rod cover, and that causes the fuel pump chamber to be pressurized and depressurized by movement of the air supply push rod; and the fuel A fuel suction hole and a fuel discharge hole communicating with the pump chamber, a suction hole valve for opening the fuel suction hole when the fuel pump chamber is decompressed, and a pressure state of the fuel pump chamber. A discharge hole valve for opening the discharge hole when it becomes,
A fuel introduction pipe connecting a fuel suction hole of the fuel pump and a fuel supply source;
E Bei a fuel supply pipe for connecting the fuel injector and the fuel discharge hole of the fuel pump,
The air supply push rod is housed in a space formed by the cylindrical portion of the crankcase and the air chamber of the push rod cover, and a lower end portion is brought into contact with a cam follower that contacts the air supply cam, An air supply push rod lower side member whose upper end is in contact with or fixed to the piston member, a lower side is housed in the fuel pump chamber, a lower end is in contact with or fixed to the piston member, and an upper side is An engine having an air supply push rod upper side member protruding from the push rod cover and having an upper end abutting against an opening / closing member of the air supply valve .
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