JP4391027B2

JP4391027B2 - Monofilament, method for producing the same, and fishing line

Info

Publication number: JP4391027B2
Application number: JP2001024206A
Authority: JP
Inventors: 智橋本; 勝佐藤; 靖浩多田; 雅之日野; 慎吾今村; 健夫高橋
Original assignee: Kureha Corp
Current assignee: Kureha Corp
Priority date: 2001-01-31
Filing date: 2001-01-31
Publication date: 2009-12-24
Anticipated expiration: 2021-01-31
Also published as: JP2002227029A

Description

【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、モノフィラメント、その製造方法、及び釣り糸に関する。
【０００２】
【従来の技術】
ポリフッ化ビニリデン（以下、「ＰＶＤＦ」という）系モノフィラメントは、種々の優れた特性を有しており、特に以下のような観点から、釣り糸、特にハリスに代表されるテグス用途に好んで用いられてきた。すなわち、ＰＶＤＦ系モノフィラメントは、強靱性、耐衝撃性、耐摩擦性、感度(魚信探知性)、及び耐光性等に優れると共に、高比重（１．７９）であるため水中に沈み易く、しかも水の屈折率（１．３３）に近い屈折率（１．４２）を有しているため水中での表面反射が少なくて透明で見え難く、更に、吸水性が殆ど無いためそれらの種々の特性を水中でも長時間維持することができる。
【０００３】
また、その用途はテグスに限られず、高耐衝撃性、高耐摩擦性、高比重、高感度等を生かし、ルアー用ライン、投げ釣り用道糸、船釣り用胴付き糸、等にも使用されてきている。このようなルアー用ラインや道糸用途には、一般に、視認性が求められるが、最近の釣り糸の高強度化且つ細径化と相俟って、釣り人からは更なる視認性の向上が熱望されている。この要求に応えるべく、最近では、ＰＶＤＦ系モノフィラメントの染色による着色が試みられている（例えば、特開平７−２５２７２２号公報参照）。
【０００４】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、ＰＶＤＦ系モノフィラメントは、元来その染色が非常に困難なことから、染色したものは、色調が薄く不鮮明な傾向にある。また、本発明者の知見によれば、濃色化を図るべく、染色の際の熱処理温度を高め、及び／叉は、処理時間を長くすると、引張強度等の初期物性が抵下してしまい、釣り糸として成立し難いという不都合があった。つまり、釣り糸としての成立性及び視認性の両方を十分に満足する釣り糸は、これまで得られていなかった。
【０００５】
また、濃色化が可能な原着法、つまり、使用する合成樹脂自体を押出前に予め染料、顔料、ピグメントレジンカラー等の着色剤で着色し、これを押出・紡糸してモノフィラメントを得るという方法をＰＶＤＦに適用すると、ＰＶＤＦに好適な押出加工温度、及び、溶融時に微量発生するフッ酸で殆どの着色剤が変色叉は分解してしまう傾向にある。さらに、変色・分解に耐え得るごく一部の顔料を用いた場合には、染色後の色調が不鮮明であった。しかも、そのような耐性の高い顔料は、粒径が割と大きく、釣り糸として最も重要な物性の一つである結節強度を低下させてしまうといった問題があった。
【０００６】
またさらに、染料等で着色できたとしても、ＰＶＤＦ系モノフィラメントから成る糸自体は実質的に透明であるため、透けて見難く、視認性という点では満足のいくものは達成されていなかった。すなわち、染色後のＰＶＤＦ系モノフィラメントは、通常、透明な着色体であり、特に釣り糸のような細径の糸とした場合に視認性を十分に改善することは困難であった。
【０００７】
そこで、本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、ＰＶＤＦ系モノフィラメントの優れた諸特性を維持しつつ、視認性を十分に向上できるモノフィラメント及びその製造方法、並びに、釣り糸を提供することを目的とする。
【０００８】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明者は鋭意研究を重ね、ＰＶＤＦ系樹脂に他のポリマーをブレンドすることにより、染料等を用いずにモノフィラメント自体の不透明化を試みたところ、以下に示す知見を得た。
【０００９】
一般に、ＰＶＤＦ系モノフィラメントの強度特性、柔軟性、押出成形性、更には透明性等の諸物性を高めるために、種々のポリマーをブレンドする方法は、公知である（例えば、特開昭６２−２６８８１１号公報、特開平２０００−１７５１８号公報、本出願人による特公昭５１−３２６６７号公報、特許第２５６６８７１号公報等参照）。しかし、代表的なポリマーブレンド手法の一つであるポリメチルメタクリレート（ＰＭＭＡ）をブレンドする方法では、少量の添加では不透明化が生じ難い。これは、ＰＭＭＡとＰＶＤＦとの相溶性が非常に良好であり、且つ、ＰＭＭＡ自体も透光性に優れるためと考えられる。また、ポリエチレンをＰＶＤＦにブレンドした場合には、僅量の添加で不透明化するが、ＰＶＤＦとの相溶性に劣るため、モノフィラメントに吐出斑が生じたり、糸切れが起こってしまい、釣り糸として成り立ち難いという不都合がある。
【００１０】
そして、本発明者は、このような知見に基づいて更に研究を進め、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明によるモノフィラメントは、（１）ＰＶＤＦ系樹脂と、（２）ポリオレフィン−アクリル系共重合樹脂とを含有し、ポリオレフィン−アクリル系共重合樹脂に含まれるアクリル系成分がメチルメタクリレートを含み、アクリル系成分の単量体との共重合成分がエチレンである、ことを特徴とする。
【００１１】
このような構成のモノフィラメンは、ＰＶＤＦ系樹脂に他のポリマーが添加された言わばポリマーブレンド体である。そして、添加されたポリオレフィン−アクリル系共重合樹脂におけるアクリル系成分は、ＰＶＤＦ系樹脂に対して良好な相溶性を有する一方、ポリオレフィン成分は、ＰＶＤＦ系樹脂に対する非相溶性を有する。よって、ポリオレフィン−アクリル系共重合樹脂は、アクリル系成分の寄与によりＰＶＤＦ系樹脂中に十分に分散叉は溶解され、分離叉は析出等の発生が抑制される。それと共に、ポリオレフィン成分の寄与によって、ＰＶＤＦ系樹脂とポリオレフィン−アクリル系共重合樹脂とを含む樹脂組成物に不透明性叉は半透明性が付与される。
【００１２】
また、ポリオレフィン−アクリル系共重合樹脂に含まれるアクリル系成分が、（メタ）アクリル酸エステル類叉は（メタ）アクリル酸エステル類由来のものであると好ましい。なお、本発明において上記（）で囲まれた「メタ」の意味は、アクリル酸叉はその誘導体、及び、メタクリル酸叉はその誘導体の両方を記載する必要があるときに、記載を簡潔にするため便宜上一般的に使用されている記載方法であり、本明細書においても採用したものである。
【００１３】
このようにすれば、ポリオレフィン−アクリル系共重合樹脂のＰＶＤＦ系樹脂との相溶性を一層向上できることに加え、そのアクリル成分の寄与により、後述する染料等の着色剤との相溶性が高められ、その染料等の発色性や耐久性が向上される。また、紡糸・延伸により得られるモノフィラメントの表面平滑性を高めて耐摩擦性を向上させ得ると共に、結晶構造の制御により結節強度等の機械的特性の向上を図ることができる。
【００１４】
さらに、（メタ）アクリル酸エステル類は、特に制限されるものではないが、上記の利点を得易く、且つ、取扱性及び工業上の利用性に特に優れる観点から、ポリオレフィン−アクリル系共重合樹脂に含まれるアクリル系樹脂成分がメチル（メタ）アクリレートであるとより好適である。
【００１５】
他方、アクリル系成分の単量体との共重合成分がエチレン、つまりポリオレフィン−アクリル系共重合樹脂におけるポリオレフィン成分がポリメチレン（ポリエチレン）であると好適である。ＰＶＤＦ系樹脂にポリオレフィン−アクリル系共重合樹脂を添加すると、そのポリオレフィン成分の寄与により、前述したモノフィラメントの不透明化のみならず、後述する染料等の着色剤との相溶性が高められ、その染料等の発色性や耐久性が向上され得る。また、製造の際に、溶融時の流動性が高められ、これによりモノフィラメント表面の平滑性を向上し得る。特に、エチレンのような低級の炭化水素をアクリル系成分の共重合成分として用いると、モノフィラメントの不透明化及び表面の平滑化を達成し易い傾向にあると共に、耐摩擦性の向上が見込め、更に汎用性等に優れる利点がある。
【００１６】
さらに、ポリオレフィン−アクリル系共重合樹脂におけるアクリル系成分の含有割合が好ましくは５〜７５質量％、より好ましくは１０〜７０質量％、特に好ましくは１５〜６０質量％であると好適である。
【００１７】
この含有割合が、５質量％未満であると、ポリオレフィン−アクリル系共重合樹脂とＰＶＤＦ系樹脂との相溶性が過度に低下してしまうと共に、ポリオレフィン−アクリル系共重合樹脂の含有量によっては、モノフィラメントの吐出斑や糸切れが生じ易くなるおそれがある。一方、この含有割合が７５質量％を超えると、ポリオレフィン−アクリル系共重合樹脂とＰＶＤＦ系樹脂との相溶性が過度に高まってしまう傾向にあり、ポリオレフィン−アクリル系共重合樹脂の含有量によっては、モノフィラメントの不透明化叉は半透明化が十分に発現されないことがある。
【００１８】
またさらに、ＰＶＤＦ系樹脂１００質量部に対するポリオレフィン−アクリル系共重合樹脂の含有割合が好ましくは０．５〜１０質量部、より好ましくは、０．７〜８質量部、更に好ましくは１〜５質量部であることが望ましい。この含有割合が、０．５質量部未満であると、モノフィラメントの高視認化が得られ難くなる傾向にあり、１０質量部を超えると、ＰＶＤＦ系樹脂の諸特性（諸物性）、特に結節強度といった機械的特性の維持が困難となる傾向にある。
【００１９】
さらにまた、本発明のモノフィラメントは、ポリオレフィン樹脂を更に含有して成るものであっても好ましい。このようにポリオレフィン樹脂が添加されれば、モノフィラメントの不透明化効果が顕著に向上すると共に、紡糸時にノズル壁面と樹脂との摩擦抵抗が減少して流動性が高められ、これにより、メルトフラクチャーの発生を防止できる。その結果、モノフィラメントの表面平滑性の向上と共に、紡糸速度のアップによる生産性の向上を図り得る。
【００２０】
ここで、ポリオレフィン樹脂の含有割合としては、ＰＶＤＦ系樹脂１００質量部に対して、好ましくは０．１〜１０質量部、より好ましくは０．５〜５質量部であると好適である。この含有割合が上記下限値を下回ると、ポリオレフィン樹脂によって奏される上記効果が発現され難い。これに対し、上記上限値を上回ると、モノフィラメントの結節強度といった機械的特性の低下を招くおそれがある。
【００２１】
一層好ましくは、本発明のモノフィラメントは、染料等の着色剤を更に含有して成るものである。本発明のモノフィラメントは、染料等の着色剤を用いなくとも、上述の如く高視認化が達成されるものであるところ、難染性のＰＶＤＦ系樹脂に比較的染色等によって着色させ易いポリオレフィン−アクリル系共重合樹脂を含むので、着色が簡易であり、しかも着色後の鮮明性が従来に比して格段に高められる。よって、染料等による着色により、更に一層視認性が高められる。
【００２２】
ここで、着色剤の含有割合としては、通常、ＰＶＤＦ系樹脂１００質量部に対して、好ましくは０．００１〜０．５質量部、より好ましくは０．００５〜０．１質量部、特に好ましくは０．０１〜０．０５質量部であると好適である。この着色剤の含有割合が、０．００１質量部未満であると、色調が薄く十分な光輝性及び視認性を得難い傾向にある。一方、この含有割合が０．５質量部を越えると、過度に濃色となり、光の吸収が大きくなり逆に光輝性叉は視率性が低下したり、場合によっては、ＰＶＤＦ系樹脂の諸特性が劣化するおそれがある。
【００２３】
加えて、本発明によるモノフィラメントは、下記式（１）；
Ｆ≧（２５／ｄ）^1/3 … （１）
で表される関係を満たすものであると更に好ましい。式中、Ｆは当該モノフィラメントの結節強度（ＧＰａ）を示し、ｄは当該モノフィラメントの糸径（μｍ）を示す。この結節強度Ｆが、式（１）の右辺に示す（２５／ｄ）^1/3を下回ると、釣り糸としてルアー用ラインや道糸に使用する場合に要求される強靭性を担保し難い傾向となる。さらに、本発明によるモノフィラメントは、白色度Ｗが２９以上であることが好ましい。この白色度Ｗが２９未満であると、不透明感、つまり‘白っぽさ’が不足して透けてしまい、十分な視認性及び光輝性が得られなくなる。
【００２４】
また、本発明によるモノフィラメントの製造方法は、本発明のモノフィラメントを有効に製造するための方法であって、（ａ）ポリフッ化ビニリデン系樹脂にポリオレフィン−アクリル系共重合樹脂を混合添加して樹脂組成物を調製する調製工程と、（ｂ）その樹脂組成物を３００℃以下の押出温度で紡糸する紡糸工程と、（ｃ）紡糸後の樹脂組成物を、１３０〜１８０℃の範囲内の温度で延伸倍率が４〜７倍（多段延伸の場合には、一段目延伸における温度及び倍率を示す。）となるように延伸する延伸工程とを備え、ポリオレフィン−アクリル系共重合樹脂に含まれるアクリル系成分がメチルメタクリレートを含み、アクリル系成分の単量体との共重合成分がエチレンであることを特徴とする。さらに、本発明による釣り糸は、本発明のモノフィラメントから成るものである。
【００２５】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。本発明によるモノフィラメントは、少なくともポリフッ化ビニリデン（ＰＶＤＦ）系樹脂と、ポリオレフィン−アクリル系共重合樹脂とを含む樹脂組成物から成るものである。
【００２６】
このＰＶＤＦ系樹脂としては、好ましくは、フッ化ビニリデン単独重合体、フッ化ビニリデンを構成単位として７０モル％以上を含有する共重合体、更にはこれら共重合体の混合物が挙げられる。フッ化ビニリデンと共重合されるモノマーとしては、四フッ化エチレン、六フッ化プロピレン、三フッ化エチレン、三フッ化塩化エチレン、フッ化ビニル等が例示される。また、これらは単独で、或いは、二種以上混合して用いることができる。さらに、ＰＶＤＦ系樹脂のインヒレント粘度(η_inh)は、好ましくは０．８〜２．０ｄｌ／ｇ、より好ましくは１．０〜１．８ｄｌ／ｇの範囲内の値とされる。
【００２７】
また、本発明のモノフィラメントの主原料であるＰＶＤＦ系樹脂には、その性質を損なわない範囲で、ポリエステル系可塑剤、フタル酸エステル系可塑剤、フラバントロンで代表される核剤、或いはＰＶＤＦ系樹脂との相溶性が良好な他の樹脂成分が混合されてもよい。特に可塑剤としては、繰り返し単位組成が炭素数２〜４のジアルコールと炭素数４〜６のジカルボン酸とのエステルから成り、末端基が炭素数１〜３の一価の酸叉は一価のアルコール残基から成り、分子量が１５００〜４０００のポリエステルが好しく用いられる。
【００２８】
さらに、ポリオレフィン−アクリル系共重合樹脂としては、そのアクリル系成分及びポリオレフィン成分が特に制限されるものではなく、種々のものを用いることができる。具体的には、アクリル系成分として、（メタ）アクリル酸エステル系単量体から得られる重合体、すなわち、（メタ）アクリル酸エステル類叉は（メタ）アクリル酸エステル類由来のものであると好ましい。
【００２９】
（メタ）アクリル酸エステル系単量体としては、メチル（メタ）アクリレート、エチル（メタ）アクリレート、ｎ−プロピル（メタ）アクリレート、ｎ−ブチル（メタ）アクリレート、イソブチル（メタ）アクリレート、ターシャリーブチル（メタ）アクリレート、ｎ−ヘキシル（メタ）アクリレート、２−エチルヘキシル（メタ）アクリレート、ｎ−オクチル（メタ）アクリレート等のアルキル（メタ）アクリレート類、グリシジル（メタ）アクリレート、２−ヒドロシキエチル（メタ）アクリレート、２−ヒドロシキプロピル（メタ）アクリレート、ヒドロキシブチル（メタ）アクリレート、イソボルニル（メタ）アクリレート、メトキシポリエチレン（メタ）アクリレート、フェノキシ（メタ）アクリレート等の変性（メタ）アクリレート類、エチレングリコールジ（メタ）アクリレート、ジエチレングリコールジ（メタ）アクリレート、ポリエチレングリコールジ（メタ）アクリレート、ポリプロピレングリコールジ（メタ）アクリレート、１，３−ブチレングリコールジ（メタ）アクリレート、１，４−ブタンジオールジ（メタ）アクリレート、１，６−ヘキサンジオールジ（メタ）アクリレート、ネオペンチルグリコールジ（メタ）アクリレート、２−ヒドロキシ−１，３−ジ（メタ）アクリレート、２，２−ビス〔４−（メタ）アクリロキシエトキシフェニル〕プロパン、２−ヒドロキシ−１−（メタ）アクリロキシ−３−（メタ）アクリロキシプロパン、トリメチロールプロパントリ（メタ）アクリレート、ペンタエリトリットトリ（メタ）アクリレート、ペンタエリトリットテトラ（メタ）アクリレート等の多官能（メタ）アクリレート類等が挙げられる。これらは単独で叉は複数混合して用いることができ、これらの中では、メチル（メタ）アクリレート、エチル（メタ）アクリレート、グリシジル（メタ）アクリレートが好ましく、更には、メチル（メタ）アクリレートが特に好ましい。
【００３０】
また、アクリル系成分の単量体との共重合性成分としては、好ましくは、炭素数が２〜６である不飽和二重結合を有するものが好ましく、より具体的には、エチレン、プロピレン、ブテン、ブタジエン、イソプレン、ペンテン、メチルペンテン等が挙げられ、これらは単独で叉は二種以上混合して用いられる。これらの中では、特にエチレンが好ましく、つまりポリオレフィン−アクリル系共重合樹脂におけるポリオレフィン成分がポリメチレン（ポリエチレン）であると好適である。、
【００３１】
ここで、ポリオレフィン−アクリル系共重合樹脂におけるアクリル系樹脂成分の含有割合は、好ましくは５〜７５質量％、より好ましくは１０〜７０質量％、特に好ましくは１５〜６０質量％とされる。また、ＰＶＤＦ系樹脂１００質量部に対するポリオレフィン−アクリル系共重合樹脂の含有割合は、好ましくは０．５〜１０質量部、より好ましくは０．７〜８質量部、更に好ましくは１〜５質量部であることが望ましい。
【００３２】
さらに、本発明のモノフィラメントは、その構成成分として、ポリオレフィン樹脂を含んでもよい。このポリオレフィン樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブタジエン、ポリメチルペンテン等のオレフィン類の単独重合体、叉は、それらの共重合体、或いは、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー、エチレン−プロピレン−ジエン類のターポリマー、等を例示できる。これらの中では、ポリエチレン、ポリプロピレンを用いると好ましい。また、ポリオレフィン系樹脂の含有割合とそしては、ＰＶＤＦ系樹脂１００質量部に対し、好ましくは０．１〜１０質量部、より好ましくは０．２〜８質量部、一層好ましくは０．５〜５質量部とされる。
【００３３】
またさらに、本発明のモノフィラメントは、染料、顔料等の着色剤を更に含有することが好ましい。この着色剤としては、一般にＰＶＤＦ系樹脂の着色に用いられている染・顔料を使用可能である。この染顔料としては、ペリレン、キナクリドン、アンスラキノン、縮合アゾ系等の有機染顔料、亜鉛華、酸化チタン、弁柄、酸化クロム、チタンエロー、チタン・コバルト系グリーン等の無機酸化物顔料、黄鉛等の無機クロム酸顔料、カドミウムエロー、カドミウムレッド等の無機硫化物顔料、硫酸バリウム、群青、炭酸カルシウム等の無機塩類顔料を用いることができる。これらの中では、発現される色調、機械的特性の維持等の観点から、ペリレン系染顔料、特にペリレン系蛍光染料が好適である。より具体的には、特開昭５７−１２５２６０号公報、特開昭５８−４０３５９号公報、特開昭６０−２６３６５０号公報、等に開示されているようなペリレン骨格を有する化合物を適宜使用できる。
【００３４】
これらは、市販品として入手可能であり、例えば、ＢＡＳＦジャパン（株）社製の製品名：ルモゲン^TR Ｆイエロー０８３、ルモゲン^TR Ｆオレンジ２４０、ルモゲン^TR Ｆレッド３００等のペリレン系蛍光染料及びこれらと同等品を挙げることができる。また、このような着色剤の含有割合としては、通常、ＰＶＤＦ系樹脂１００質量部に対して、好ましくは０．００１〜０．５質量部、より好ましくは０．００５〜０．１質量部、特に好ましくは０．０１〜０．０５質量部であると好適である。
【００３５】
このような構成を有する本発明のモノフィラメントによれば、ＰＶＤＦ系樹脂に添加されるポリオレフィン−アクリル系共重合樹脂におけるアクリル系成分が、ＰＶＤＦ系樹脂に対して良好な相溶性を有する一方、ポリオレフィン成分が、ＰＶＤＦ系樹脂に対する非相溶性を有する。よって、ポリオレフィン−アクリル系共重合樹脂は、アクリル系成分の寄与によりＰＶＤＦ系樹脂中に十分に分散叉は溶解され、分離叉は析出等の発生が抑制される。それと共に、ポリオレフィン成分の寄与によって、その含有量が僅かであっても、ＰＶＤＦ系樹脂とポリオレフィン−アクリル系共重合樹脂とを含む樹脂組成物に白濁による不透明性叉は半透明性が付与される。
【００３６】
したがって、モノフィラメントに吐出斑や糸切れが生ずることを十分に防止でき、ＰＶＤＦ系モノフィラメントの優れた諸特性（諸物性）を維持しつつ、白濁不透明化叉は半透明化による視認性の向上を図ることができる。換言すれば、未だかつて想到されていなかったポリマーブレンドによるモノフィラメントの高視認化が可能であり、染料等の着色剤による着色を行わずとも、釣り糸等に要求される高視認性を達成することができる。
【００３７】
また、ポリオレフィン−アクリル系共重合樹脂に含まれるアクリル系成分として、（メタ）アクリル酸エステル類叉は（メタ）アクリル酸エステル類由来のものを用いた場合には、そのアクリル成分の寄与により、染料等の着色剤との相溶性が高められ、その染料等の発色性や耐久性が向上される。また、紡糸・延伸により得られるモノフィラメントの表面平滑性を高めて耐摩擦性を向上させ得ると共に、結晶構造の制御により結節強度等の機械的特性の向上を図ることができる。さらに、アクリル系樹脂成分がメチル（メタ）アクリレートであると、上記の効果が奏され易く、且つ、取扱性及び工業上の利用性に特に優れる利点がある。
【００３８】
またさらに、ＰＶＤＦ系樹脂に添加されたポリオレフィン−アクリル系共重合樹脂のポリオレフィン成分の寄与により、モノフィラメントの不透明化のみならず、着色剤との相溶性が高められ、その染料等の発色性や耐久性が向上され得る。また、製造の際に、溶融時の流動性が高められ、これによりモノフィラメント表面の平滑性を向上し得る。
【００３９】
特に、アクリル系成分の単量体との共重合成分がエチレン（ポリオレフィン−アクリル系共重合樹脂におけるポリオレフィン成分がポリメチレン（ポリエチレン））であると、モノフィラメントの不透明化及び表面の平滑化を達成し易い傾向にあると共に、耐摩擦性の向上が見込め、更に汎用性、反応性、取扱性、等に優れる利点がある。
【００４０】
さらにまた、ポリオレフィン−アクリル系共重合樹脂におけるアクリル系成分の含有割合を５質量％以上とすれば、ポリオレフィン−アクリル系共重合樹脂とＰＶＤＦ系樹脂との相溶性が過度に低下してしまうことを防止でき、モノフィラメントの吐出斑や糸切れを抑制できる。また、この含有割合を７５質量％以下とすれば、ポリオレフィン−アクリル系共重合樹脂とＰＶＤＦ系樹脂との相溶性が過度に高まることを抑えることができ、モノフィラメントの白濁不透明化をより確実に発現させることが可能となる。
【００４１】
また、ＰＶＤＦ系樹脂１００質量部に対するポリオレフィン−アクリル系共重合樹脂の含有割合を０．５質量部以上とすれば、モノフィラメントの高視認化を十分に達成できる一方、この含有割合を１０質量部以下とすれば、ＰＶＤＦ系樹脂の優れた諸特性（諸物性）を十分に維持できる。
【００４２】
さらに、ポリオレフィン樹脂を更に含有する場合には、モノフィラメントの不透明化効果が顕著に向上すると共に、紡糸時にノズル壁面と樹脂との摩擦抵抗が減少して流動性が高められ、これにより、メルトフラクチャーの発生を防止できる。その結果、モノフィラメントの表面平滑性の向上と共に、紡糸速度のアップによる生産性の向上が可能となる。このポリオレフィン樹脂の含有割合が、上述した好適範囲の下限値（０．１質量部）以上であれば、ポリオレフィン樹脂によって奏される上記効果を得易くなる。これに対し、上述した好適範囲の上限値（１０質量部）以下とすれば、モノフィラメントの引張強度といった機械特性の低下を十分に抑制できる。
【００４３】
また、本発明のモノフィラメントは、上述の如く、染料等の着色剤を用いなくても高視認化を達成できるものであるが、難染性のＰＶＤＦ系樹脂に、染色等によって比較的着色させ易いポリオレフィン−アクリル系共重合樹脂が配合されるので、着色が簡便となり、しかも着色後の鮮明性が従来に比して格段に高められる。よって、染料等の着色剤による着色を施すことにより、更に一層視認性が高められる。
【００４４】
しかも、配色の異なる多種製品を取り揃えることが可能となり、需要者の趣味性により一層訴えることが、また、商品選択の幅を拡大し得る。特に、着色剤として、ペリレン系染料のよな蛍光染料を用いれば、より鮮やかなモノフィラメントを得ることができ、その視認性を更に一層高めることができる。よって、戸外、特に、海、河川、湖沼等の自然の環境下で用いられる釣り糸とした場合に、風景や景色からの識別を格別に容易ならしめることができる。
【００４５】
さらに、着色剤の含有割合をＰＶＤＦ系樹脂１００質量部に対して０．００１質量部以上とすれば、色調を十分に濃くすることができ、良好な光輝性及び視認性を発現させ易くなる。一方、この含有割合を０．５質量部以下とすれな、過度に濃色となることを抑えることができ、光の吸収が増大することに起因する光輝性叉は視率性の低下を防止できると共に、ＰＶＤＦ系樹脂の優れた諸特性の劣化を抑制できる。
【００４６】
以下、本発明のモノフィラメントを製造する方法の一例について説明する。まず、ＰＶＤＦ系樹脂、ポリオレフィン−アクリル系共重合樹脂、等の前出の各構成成分を含む樹脂組成物を調整する（調製工程）。このとき、各構成成分を単に混合してもよく、粉体状のドライブレンド物としてもよく、更にはペレットブレンドやマスターバッチ化するといった方法等を適宜使用できる。その際の調製手順としては、公知の方法を用いることが可能である。
【００４７】
このとき、上述した本発明による効果を阻害しない範囲内で、紫外線吸収剤、光安定剤、熱安定剤、酸化防止剤、等の各種添加剤を添加してもよい。また、着色剤、特にペリレン系染料を含む場合には、ステアリン酸カルシウム（Ｃａ−Ｓｔ）、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸鉛等の金属石鹸類を用いると好適である。こうすれば、溶融紡糸時の溶融体の紡糸性を向上させ、モノフィラメント表面のスラブの発生を効果的に抑制できる。これらの中では、ステアリン酸カルシウムが特に好ましい。このような金属石鹸類の添加量は、ＰＶＤＦ系樹脂１００質量部に対して、好ましくは０．００１〜０．１質量部、更には０．００５〜０．０５質量部程度であることが望ましい。
【００４８】
また、ペリレン系蛍光染料等の着色剤、その他の添加剤、金属石鹸類等を樹脂組成物の構成成分として添加配合する場合には、他の構成素材としての樹脂、又は、その他の樹脂で希釈したいわゆるマスターバッチを調製しておき、これを所定量配合してもよい。
【００４９】
次に、得られた樹脂組成物、例えば、粉状体又はペレットを押出機に投入し、押出設定温度を３００℃以下、好ましくは２１０〜２９０℃で押出し、３０〜８０℃の水中等で急冷する（紡糸工程）。次いで、冷却したものを、１３０〜１８０℃のグリセリン等の熱媒中で４〜７倍に延伸する（延伸工程）。この場合の延伸は、一段延伸でも多段延伸でもよく、延伸を二段階以上で行うときには、一段目の延伸を１３０〜１８０℃の範囲内の温度で且つ倍率が４〜７倍となるようにすると好ましい。その後、例えば７０〜９８℃の温水中で２〜１２％の緩和処理を行う。
【００５０】
なお、溶融樹脂組成物の押出機における滞留時間は、適宜設定可能であるが、好ましくは６０分以内、更に好ましくは１０〜４０分とすることが望ましい。押出機での滞留時間が６０分を越えると、組成にもよるが、樹脂組成物の分解が始まることがある。特に、着色剤としてのペリレン系染料を添加した場合には、染料の分解が起こり易くなり、紡糸したモノフィラメントが変色したり、その表面に発泡等が発生することがあるので好ましくない。また、濃色化を図るべく染料の添加量を多くした場合、ペリレン系染料の分解が促進される傾向が認められる。これは、樹脂への染料の分散性叉は相溶性が低下することが一要因と推定される。さらに、モノフィラメントの糸径は、特に制限はないが、通常５０μｍ〜２．５ｍｍ程度とされる。
【００５１】
このような製造方法によれば、本発明のモノフィラメントを有効に製造することが可能である。また、本発明のモノフィラメントとして、下記式（１）；
Ｆ≧（２５／ｄ）^1/3 … （１）
で表される関係を十分に満たす機械特性を有するものを確実に得ることが可能となる。ここで、式中、Ｆはモノフィラメントの結節強度（ＧＰａ）を示し、ｄはモノフィラメントの糸径（μｍ）を示す。この結節強度Ｆが、式（１）の右辺に示す（２５／ｄ）^1/3以上であれば、釣り糸としてルアー用ラインや道糸に使用する場合に十分な強靭性が発現される。
【００５２】
殊に、ＰＶＤＦ系樹脂を主成分とするモノフィラメントは、釣り糸として糸径が細くなる程、結節強度の高さが重要視され、逆に太くなる程、十分な結節強度が達成され難い傾向にある。これに対し、本発明のモノフィラメントの製造方法によって得た本発明のモノフィラメントは、上記式（１）で表される関係を満たすので、釣り糸として極めて適したものとなる。しかも、前述したように、着色剤を用いずとも、ポリオレフィン−アクリル系共重合樹脂の作用による白濁不透明化叉は半透明化が達成され、これより、釣り糸としての視認性が向上される。更に着色剤を用いた場合には、その分散性叉は相溶性に優れるので、発色性や光輝性が高められ、視認性を更に向上することが可能となる。
【００５３】
【実施例】
以下、本発明に係る具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下に示す各処方における「部」は、全て「質量部」を意味するものとする。
【００５４】
〈使用原料〉
[ＰＶＤＦ樹脂]
▲１▼ＫＦ＃１３００（呉羽化学工業（株）製、融点１７４℃、η_inh＝１．３）[エチレン−アクリル系共重合樹脂]
▲２▼アクリフトＷＫ３０７（住友化学工業（株）製、エチレン−メチルメタクリレート（ＥＭＭＡ）系、アクリル含有量２５％）
▲３▼モディパーＡ４２００（日本油脂(株)製、エチレン−グリシジルメタクリレート−グラフト−ポリメチルメタクリレート（ＥＧＭＡ-ｇ-ＰＭＭＡ）、アクリル含有量４０．５％）
▲４▼モディパーＡ５２００（日本油脂(株)製、エチレン−エチルアクリレート−グラフト−ポリメチルメタクリレート（ＥＥＡ-ｇ-ＰＭＭＡ）、アクリル含有量４４％）
[ポリエチレン樹脂]
▲５▼ジェイレクスＨＤ２０１０ＨＦ（日本ポリオレフィン（株）製、高密度ポリエチレン（ＨＤＰＥ））
[アクリル樹脂]
▲６▼アクリペットＶＨ（三菱レイヨン（株）製、ＰＭＭＡ）
[着色染顔料]
▲７▼ルモゲンＦイエロー０８３（ＢＡＳＦジャパン（株）製、ベリレン系蛍光染料）
【００５５】
〈使用原料のメルトフローレート測定〉
参考として、上記各使用原料のメルトフローレートの商品カタログ記載値を測定条件及び準拠規格と併せて表１に示す。
【００５６】
【表１】

【００５７】
〈測定試験１：全光線透過率〉
一本のモノフィラメントを長さ約４０ｍｍに切り揃え、且つ、幅が２０ｍｍ以上となるように横一列に隙間無く並べ、その両端を、中央に１７ｍｍ四方の角孔を穿設した台紙にテープで固定して測定試料とした。この測定試料を、日本電色工業社製の濁度計（曇り度計）ＮＤＨ２０００にセットし、不透明性の指標として全光線透過率を測定した。
【００５８】
〈測定試験２：明度Ｌ^*〉
一本のモノフィラメントを長さ約４０ｍｍに切り揃え、且つ、幅が２０ｍｍ以上となるように横一列に隙間無く並べ、その両端を、中央に１７ｍｍ四方の角孔を穿設した台紙にテープで固定して測定試料とした。この測定試料を、日本電色工業社製の分光式色差計ＳＥ−２０００にセットし、黒板をバックに反射にて明度Ｌ^*を測定した。
【００５９】
〈測定試験３：白色度Ｗ〉
一本のモノフィラメントを長さ約４０ｍｍに切り揃え、且つ、幅が２０ｍｍ以上となるように横一列に隙間無く並べ、その両端を、中央に１７ｍｍ四方の角孔を穿設した台紙にテープで固定して測定試料とした。この測定試料を、日本電色工業社製の分光式色差計ＳＥ−２０００にセットし、黒板をバックに反射にて白色度Ｗを測定した。
【００６０】
〈測定試験４：結節強度、直線強度〉
一本のモノフィラメントの中央部に結節点を一箇所設け、これを測定試料とした。この測定試料を、東洋精機製作所社製のストログラフＲII型引張試験機にセットし、２３℃、６５ＲＨ％の室内で、試長３００ｍｍ、引張速度３００ｍｍ／分、測定数ｎ＝５にて、結節強度を測定した。また、結節点を設けなかったこと以外は同様にして直線強度を測定した。
【００６１】
〈測定試験５：電子顕微鏡観察〉
モノフィラメントを径方向（直径方向）に切断し、その切片の断面を日立製作所社製Ｓ−８００型日立走査電子顕微鏡を用い、加速電圧３．０ｋＶ、倍率１万倍にて、ポリマーの分散状況を観察した。
【００６２】
〈実施例１〉
ＰＶＤＦ系樹脂原料として、上記▲１▼のＰＶＤＦ樹脂（商品グレード：ＫＦ＃１３００）を用いた。このＰＶＤＦ樹脂１００部に対し、上記▲２▼のＥＭＭＡ樹脂（商品名：アクリフトＷＫ３０７）を２部ペレットブレンドした。この組成物をφ３５ｍｍの押出機（孔径φ０．８ｍｍ×１２ホールノズル）を使用し、押出温度２１０〜２９０℃、押出機ギアポンプの回転数４．１ｒｐｍ、クエンチ温度５５℃（水冷）条件で紡糸した。この際、押出吐出の不良、及びノズルホール間での吐出斑等は発生せず、良好な未延伸糸が得られた。
【００６３】
その後、この未延伸糸を１６５℃のグリセリン浴中で５．７倍に延伸し、次いで、８５℃の温水中で５％緩和熱処理し、直径０．１７ｍｍのモノフィラメントを得た。このモノフィラメントは、白色不透明で、明度及び白色度の高いものであった。
【００６４】
〈実施例２〉
上記▲２▼のＥＭＭＡ樹脂（商品名：アクリフトＷＫ３０７）を１部用い、ペレットブレンドの段階で、更に着色剤として上記▲７▼のペリレン系蛍光染料（商品名：ルモゲンＦイエロー０８３）を０．０２部ブレンドしたこと以外は、実施例１と同様にしてモノフィラメントを得た。このとき、紡糸においては、押出吐出の不良、及びノズルホール間での吐出斑等は発生せず、良好な未延伸糸が得られた。また、得られたモノフィラメントは、半透明で明度及び白色度が高く、光輝なパステル調のレモンイエロー色を呈していた。
【００６５】
〈実施例３〉
ブレンドの段階で、着色剤として上記▲７▼のペリレン系蛍光染料（商品名：ルモゲンＦイエロー０８３）を０．０２部更にブレンドしたこと以外は、実施例１と同様にしてモノフィラメントを得た。このとき、紡糸においては、押出吐出の不良、及びノズルホール間での吐出斑等は発生せず、良好な未延伸糸が得られた。また、得られたモノフィラメントは、不透明で明度及び白色度が高く、光輝なパステル調のレモンイエロー色を呈していた。
【００６６】
〈実施例４〉
上記▲２▼のＥＭＭＡ樹脂の代りに、上記▲３▼のＥＧＭＡ-ｇ-ＰＭＭＡ樹脂（商品名：モディパーＡ４２００）を１部用い、ブレンドの段階で、更に着色剤として上記▲７▼のペリレン系蛍光染料（商品名：ルモゲンＦイエロー０８３）を０．０２部ブレンドしたこと以外は、実施例１と同様にしてモノフィラメントを得た。このとき、紡糸においては、押出吐出の不良、及びノズルホール間での吐出斑等は発生せず、良好な未延伸糸が得られた。また、得られたモノフィラメントは、半透明で明度及び白色度が高く、光輝なパステル調のレモンイエロー色を呈していた。
【００６７】
〈実施例５〉
上記▲２▼のＥＭＭＡ樹脂の代りに、上記▲３▼のＥＧＭＡ-ｇ-ＰＭＭＡ樹脂（商品名：モディパーＡ４２００）を１．５部用いたこと以外は実施例４と同様にして組成物を得た。この組成物をφ３５ｍｍの押出機（孔径φ０．８ｍｍ×３０ホールノズル）を使用し、押出温度２２５〜２８５℃、押出機ギアポンプの回転数５．５ｒｐｍ、クエンチ温度４５℃（水冷）条件で紡糸した。この際、押出吐出の不良、及びノズルホール間での吐出斑等は発生せず、良好な未延伸糸が得られた。その後、この未延伸糸を１６５℃のグリセリン浴中で５．６倍に延伸した後、８５℃の温水中で５％緩和熱処理し、直径０．１３ｍｍのモノフィラメントを得た。このモノフィラメントは、半透明で明度及び白色度が高く、光輝なパステル調のレモンイエロー色を呈していた。
【００６８】
〈実施例６〉
ギアポンプの回転数を８．０ｒｐｍとし、延伸倍率を５．７倍としたこと以外は実施例５と同様にして直径０．１７ｍｍのモノフィラメントを得た。このモノフィラメントは、半透明で明度及び白色度が高く、光輝なパステル調のレモンイエロー色を呈していた。
【００６９】
〈実施例７〉
上記▲３▼のＥＧＭＡ-ｇ-ＰＭＭＡ樹脂の代りに、上記▲４▼のＥＥＡ-ｇ-ＰＭＭＡ樹脂（商品名：モディパーＡ５２００）を１．５部用いたこと以外は、実施例５と同様にしてモノフィラメントを得た。このモノフィラメントは、半透明で明度及び白色度が高く、光輝なパステル調のレモンイエロー色を呈していた。
【００７０】
〈実施例８〉
上記▲３▼のＥＧＭＡ-ｇ-ＰＭＭＡ樹脂の代りに、上記▲４▼のＥＥＡ-ｇ-ＰＭＭＡ樹脂（商品名：モディパーＡ５２００）を５部用いたこと以外は実施例６と同様にしてモノフィラメントを得た。このモノフィラメントは、不透明で明度及び白色度が高く、光輝なパステル調のレモンイエロー色を呈していた。
【００７１】
〈実施例９〉
上記▲３▼のＥＧＭＡ-ｇ-ＰＭＭＡ樹脂の代りに、上記▲４▼のＥＥＡ-ｇ-ＰＭＭＡ樹脂（商品名：モディパーＡ５２００）を１部用い、ブレンドの段階で、更にポリオレフィン樹脂としての上記▲５▼のＨＤＰＥ樹脂（商品名：ジェイレクスＨＤ２０１０ＨＦ）を２部添加したこと以外は実施例６と同様にしてモノフィラメントを得た。このモノフィラメントは、不透明で明度及び白色度が高く、パステル調のレモンイエロー色を呈していた。
【００７２】
〈実施例１０〉
上記▲３▼のＥＧＭＡ-ｇ-ＰＭＭＡ樹脂の代りに、上記▲４▼のＥＥＡ-ｇ-ＰＭＭＡ樹脂（商品名：モディパーＡ５２００）を１．５部用い、ブレンドの段階で、更にポリオレフィン樹脂としての上記▲５▼のＨＤＰＥ樹脂（商品名：ジェイレクスＨＤ２０１０ＨＦ）を１．５部添加したこと以外は実施例６と同様にしてモノフィラメントを得た。このモノフィラメントは、不透明で明度及び白色度が高く、パステル調のレモンイエロー色を呈していた。
【００７３】
〈比較例１〉
上記▲２▼のＥＭＭＡ樹脂をブレンドせずに上記▲１▼のＰＶＤＦ樹脂のみで紡糸したこと以外は、実施例１と同様にしてモノフィラメントを得た。このモノフィラメントは、無色透明で明度及び白色度の低いものであった。
【００７４】
〈比較例２〉
上記▲１▼のＰＶＤＦ樹脂に、着色剤として上記▲７▼のペリレン系蛍光染料（商品名：ルモゲンＦイエロー０８３）を０．０２部をブレンドしたこと以外は比較例１に同様にしてモノラィラメントを得た。このモノフィラメントは、黄色透明で明度及び白色度の低いものであった。
【００７５】
〈比較例３〉
上記▲１▼のＰＶＤＦ樹脂に、ポリオレフィン樹脂としての上記▲５▼のＨＤＰＥ樹脂（商品名：ジェイレクスＨＤ２０１０ＨＦ）を２部ブレンドしたこと以外は比較例１と同様にしてモノラィラメントを得た。この際、紡糸において吐出斑が生じ、ノズルホース間で太さ斑が３０％に達した。これは、ＰＶＤＦ樹脂とＨＤＰＥ樹脂との相溶性が極めて低いため、ノズルのダイス内で分離し、吐出斑となったためであると考えられる。
【００７６】
〈比較例４〉
上記▲５▼のＨＤＰＥ樹脂（商品名：ジェイレクスＨＤ２０１０ＨＦ）を１部ブレンドし、ホールノズルとして孔径φ０．８ｍｍ×３０のものを用いたこと以外は、比較例３と同様にして紡糸した。この際、紡糸において吐出斑がひどく、ノズルホース間で太さ斑が１００％を超えてしまった。これは、ノズルホール数が多いため、ホール間斑が増大したためと考えられる。なお、得られた未延伸糸の延伸は困難であり、モノフィラメントを得ることはできなかった。
【００７７】
〈比較例５〉
上記▲５▼のＨＤＰＥ樹脂の代りに、上記▲６▼のＰＭＭＡ樹脂（商品名：アクリペットＶＨ）を２部ブレンドしたこと以外は比較例１と同様にしてモノラィラメントを得た。このモノフィラメントは、無色透明で明度及び白色度の低いものであった。これは、ＰＶＤＦ樹脂とＰＭＭＡ樹脂との相溶性が高いため、十分な相溶化が生じて透明になったものと考えられる。
【００７８】
〈試験評価〉
前述の測定試験１〜５に記載の方法を用いて全光線透過率、明度、白色度、結節強度、直線強度、更に分散粒子径を測定した。その結果を、糸径、色調、視認性、及び紡糸性の結果と併せて表２に示す。また、各実施例及び各比較例における処方をまとめて表３に示す。なお、視認性に関しては、不透明であったものを「◎」とし、半透明であったものを「○」とし、透明であったものを「×」とした。表に示す如く、実施例で得た本発明によるモノフィラメントは、十分な結節強度を有しつつ、紡糸性に優れると共に、比較例で得た従来のものに比して、視認性が格段に向上されることが確認され、併せて、実施例のモノフィラメントは、釣り糸として極めて有用なものであることが判明した。
【００７９】
【表２】

【００８０】
【表３】

【００８１】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のモノフィラメント及び釣り糸は、構成成分としてＰＶＤＦ系樹脂とポリオレフィン−アクリル系共重合樹脂とを含むので、ＰＶＤＦ系モノフィラメントの優れた諸特性を維持しつつ、視認性を十分に向上することができる。また、本発明のモノフィラメントの製造方法によれば、ＰＶＤＦ系モノフィラメントの優れた諸特性を有し且つ視認性が十分に向上されたモノフィラメント及び釣り糸を得ることが可能となる。[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a monofilament, a manufacturing method thereof, and a fishing line.
[0002]
[Prior art]
Polyvinylidene fluoride (hereinafter referred to as “PVDF”) monofilaments have various excellent properties, and have been favorably used for fishing lines, especially for the tegs typified by Harris, from the following viewpoints. It was. That is, PVDF monofilaments are excellent in toughness, impact resistance, friction resistance, sensitivity (Fishin detectability), light resistance, etc., and have a high specific gravity (1.79), so they can easily sink in water. Since it has a refractive index (1.42) close to the refractive index of water (1.33), it has little surface reflection in water and is difficult to see transparently. Can be maintained in water for a long time.
[0003]
In addition, its use is not limited to Tegs, and it is also used for lure lines, throwing fishing line, ship fishing trunk thread, etc. taking advantage of high impact resistance, high friction resistance, high specific gravity, high sensitivity, etc. Has been. Visibility is generally required for such lure lines and road line applications, but coupled with recent increases in fishing line strength and diameter, further improvements in visibility from anglers. It is eager. In order to meet this demand, recently, coloring by staining of PVDF monofilament has been attempted (for example, see JP-A-7-252722).
[0004]
[Problems to be solved by the invention]
However, since the PVDF monofilament is originally very difficult to dye, the dyed one tends to be thin and unclear. Further, according to the knowledge of the present inventor, if the heat treatment temperature at the time of dyeing is increased and / or the treatment time is lengthened in order to darken the color, initial physical properties such as tensile strength are reduced. There was an inconvenience that it was difficult to establish as a fishing line. That is, a fishing line that sufficiently satisfies both the feasibility and visibility as a fishing line has not been obtained so far.
[0005]
In addition, it is possible to obtain a monofilament by an original deposition method capable of darkening, that is, a synthetic resin to be used is pre-colored with a colorant such as a dye, a pigment, or a pigment resin color before extrusion, and then extruded and spun. When the method is applied to PVDF, most of the colorant tends to be discolored or decomposed at an extrusion processing temperature suitable for PVDF and a small amount of hydrofluoric acid generated at the time of melting. Furthermore, when only a small amount of pigment that can withstand discoloration / decomposition was used, the color tone after dyeing was unclear. Moreover, such highly resistant pigments have a problem that the particle size is relatively large and the knot strength, which is one of the most important physical properties of fishing lines, is reduced.
[0006]
Furthermore, even if it can be colored with a dye or the like, the yarn itself made of PVDF monofilament is substantially transparent, so that it is difficult to see through and satisfactory in terms of visibility has not been achieved. That is, the PVDF monofilament after dyeing is usually a transparent colored body, and it has been difficult to sufficiently improve the visibility particularly when it is a thin thread such as a fishing line.
[0007]
Therefore, the present invention has been made in view of such circumstances, and provides a monofilament that can sufficiently improve the visibility while maintaining the excellent characteristics of the PVDF monofilament, a method for manufacturing the monofilament, and a fishing line. For the purpose.
[0008]
[Means for Solving the Problems]
In order to solve the above-mentioned problems, the present inventor conducted extensive research and tried to make the monofilament itself opaque without using a dye or the like by blending another polymer with the PVDF resin. Got.
[0009]
In general, methods for blending various polymers are known in order to improve the physical properties of PVDF monofilaments such as strength properties, flexibility, extrusion moldability, and transparency (see, for example, JP-A-62-268811). No., JP-A-2000-17518, Japanese Patent Publication No. 51-32667, Japanese Patent No. 2566871, etc. by the present applicant). However, in a method of blending polymethylmethacrylate (PMMA), which is one of typical polymer blending techniques, it is difficult to cause opacity when added in a small amount. This is presumably because the compatibility between PMMA and PVDF is very good, and PMMA itself is also excellent in translucency. In addition, when polyethylene is blended with PVDF, it becomes opaque when added in a small amount, but because it is incompatible with PVDF, it is difficult to form a fishing line due to ejection spots on the monofilament or thread breakage. There is an inconvenience.
[0010]
And this inventor further advanced research based on such knowledge, and came to complete this invention. That is, the monofilament according to the present invention contains (1) a PVDF resin and (2) a polyolefin-acrylic copolymer resin. The acrylic component contained in the polyolefin-acrylic copolymer resin contains methyl methacrylate, and the copolymer component with the acrylic component monomer is ethylene. It is characterized by that.
[0011]
The monofilament having such a structure is a polymer blend in which another polymer is added to the PVDF resin. The acrylic component in the added polyolefin-acrylic copolymer resin has good compatibility with the PVDF resin, while the polyolefin component has incompatibility with the PVDF resin. Therefore, the polyolefin-acrylic copolymer resin is sufficiently dispersed or dissolved in the PVDF resin due to the contribution of the acrylic component, and the occurrence of separation or precipitation is suppressed. At the same time, due to the contribution of the polyolefin component, opacity or translucency is imparted to the resin composition containing the PVDF resin and the polyolefin-acrylic copolymer resin.
[0012]
The acrylic component contained in the polyolefin-acrylic copolymer resin is preferably derived from (meth) acrylic acid esters or (meth) acrylic acid esters. In the present invention, the meaning of “meta” enclosed in the parentheses is simplified when it is necessary to describe both acrylic acid or its derivatives and methacrylic acid or its derivatives. Therefore, it is a description method generally used for the sake of convenience, and is also adopted in this specification.
[0013]
In this way, in addition to being able to further improve the compatibility of the polyolefin-acrylic copolymer resin with the PVDF resin, due to the contribution of the acrylic component, the compatibility with colorants such as dyes described later is enhanced, The coloring property and durability of the dye are improved. Further, the surface smoothness of the monofilament obtained by spinning / drawing can be improved to improve the friction resistance, and the mechanical properties such as knot strength can be improved by controlling the crystal structure.
[0014]
Further, (meth) acrylic acid esters are not particularly limited, but from the viewpoint of easily obtaining the above-mentioned advantages and particularly excellent in handling properties and industrial applicability, polyolefin-acrylic copolymer resins. It is more preferable that the acrylic resin component contained in is methyl (meth) acrylate.
[0015]
On the other hand, the copolymer component with the acrylic component monomer is preferably ethylene, that is, the polyolefin component in the polyolefin-acrylic copolymer resin is polymethylene (polyethylene). When a polyolefin-acrylic copolymer resin is added to the PVDF resin, due to the contribution of the polyolefin component, not only the above-described monofilament opacification, but also the compatibility with a colorant such as a dye described later is improved, the dye etc. The color developability and durability can be improved. In addition, during production, the fluidity at the time of melting can be improved, and thereby the smoothness of the monofilament surface can be improved. In particular, when a lower hydrocarbon such as ethylene is used as a copolymer component of an acrylic component, it tends to easily achieve monofilament opacification and surface smoothing, and can be expected to improve friction resistance. There is an advantage of excellent properties.
[0016]
Furthermore, the content of the acrylic component in the polyolefin-acrylic copolymer resin is preferably 5 to 75% by mass, more preferably 10 to 70% by mass, and particularly preferably 15 to 60% by mass.
[0017]
When the content ratio is less than 5% by mass, the compatibility between the polyolefin-acrylic copolymer resin and the PVDF resin is excessively lowered, and depending on the content of the polyolefin-acrylic copolymer resin, There is a risk that monofilament discharge spots and thread breakage are likely to occur. On the other hand, when the content ratio exceeds 75% by mass, the compatibility between the polyolefin-acrylic copolymer resin and the PVDF resin tends to be excessively increased. Depending on the content of the polyolefin-acrylic copolymer resin, In some cases, the opaqueness or translucency of the monofilament is not sufficiently exhibited.
[0018]
Furthermore, the content ratio of the polyolefin-acrylic copolymer resin to 100 parts by mass of the PVDF resin is preferably 0.5 to 10 parts by mass, more preferably 0.7 to 8 parts by mass, and further preferably 1 to 5 parts by mass. Part is desirable. If this content is less than 0.5 parts by mass, it tends to be difficult to achieve high visibility of monofilaments. If it exceeds 10 parts by mass, various properties (physical properties) of the PVDF-based resin, in particular, knot strength. Such mechanical characteristics tend to be difficult to maintain.
[0019]
Furthermore, it is preferable that the monofilament of the present invention further comprises a polyolefin resin. If polyolefin resin is added in this way, the opacification effect of the monofilament is remarkably improved, and the frictional resistance between the nozzle wall surface and the resin is reduced during spinning, thereby improving the fluidity, thereby generating melt fracture. Can be prevented. As a result, the surface smoothness of the monofilament can be improved and the productivity can be improved by increasing the spinning speed.
[0020]
Here, the content ratio of the polyolefin resin is preferably 0.1 to 10 parts by mass, and more preferably 0.5 to 5 parts by mass with respect to 100 parts by mass of the PVDF resin. When this content ratio is less than the lower limit, it is difficult to exhibit the above-described effect produced by the polyolefin resin. On the other hand, when the upper limit is exceeded, there is a risk that mechanical properties such as the knot strength of the monofilament will be lowered.
[0021]
More preferably, the monofilament of the present invention further comprises a colorant such as a dye. The monofilament of the present invention can achieve high visibility as described above without using a colorant such as a dye. A polyolefin-acrylic that is relatively easily colored by dyeing or the like on a hardly dyeable PVDF resin. Since it contains a system copolymer resin, it is easy to color, and the sharpness after coloring is significantly improved as compared with the prior art. Therefore, the visibility is further enhanced by coloring with a dye or the like.
[0022]
Here, the content ratio of the colorant is usually preferably 0.001 to 0.5 parts by mass, more preferably 0.005 to 0.1 parts by mass, particularly preferably 100 parts by mass of the PVDF resin. Is preferably 0.01 to 0.05 parts by mass. When the content of the colorant is less than 0.001 part by mass, the color tone is thin and sufficient glitter and visibility tend to be difficult to obtain. On the other hand, when the content ratio exceeds 0.5 parts by mass, the color becomes excessively dark, the light absorption increases, and on the contrary, the glitter or the visibility decreases. The characteristics may deteriorate.
[0023]
In addition, the monofilament according to the present invention has the following formula (1):
F ≧ (25 / d) ^1/3 (1)
It is more preferable that the relationship represented by In the formula, F represents the knot strength (GPa) of the monofilament, and d represents the yarn diameter (μm) of the monofilament. This nodule strength F is shown on the right side of equation (1) (25 / d) ^1/3 If it is less than 1, it tends to be difficult to ensure the toughness required when used as a fishing line for luer lines or road lines. Furthermore, the monofilament according to the present invention preferably has a whiteness W of 29 or more. When the whiteness W is less than 29, the opacity, that is, the “whiteness” is insufficient and the transparency is not obtained, and sufficient visibility and brightness cannot be obtained.
[0024]
The method for producing a monofilament according to the present invention is a method for effectively producing the monofilament of the present invention, and (a) a resin composition obtained by mixing and adding a polyolefin-acrylic copolymer resin to a polyvinylidene fluoride resin. A preparation step for preparing a product, (b) a spinning step for spinning the resin composition at an extrusion temperature of 300 ° C. or less, and (c) a resin composition after spinning at a temperature in the range of 130 to 180 ° C. A stretching step of stretching so that the stretching ratio is 4 to 7 times (in the case of multi-stage stretching, the temperature and magnification in the first-stage stretching are shown). The acrylic component contained in the polyolefin-acrylic copolymer resin contains methyl methacrylate, and the copolymer component with the acrylic component monomer is ethylene. It is characterized by that. Furthermore, the fishing line according to the present invention comprises the monofilament of the present invention.
[0025]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, preferred embodiments of the present invention will be described in detail. The monofilament according to the present invention is composed of a resin composition containing at least a polyvinylidene fluoride (PVDF) resin and a polyolefin-acrylic copolymer resin.
[0026]
The PVDF resin preferably includes a vinylidene fluoride homopolymer, a copolymer containing 70 mol% or more of vinylidene fluoride as a structural unit, and a mixture of these copolymers. Examples of the monomer copolymerized with vinylidene fluoride include ethylene tetrafluoride, hexafluoropropylene, ethylene trifluoride, ethylene trifluoride chloride, and vinyl fluoride. Moreover, these can be used individually or in mixture of 2 or more types. Furthermore, the inherent viscosity of the PVDF resin (η _inh ) Is preferably a value within the range of 0.8 to 2.0 dl / g, more preferably 1.0 to 1.8 dl / g.
[0027]
In addition, the PVDF resin that is the main raw material of the monofilament of the present invention includes a polyester plasticizer, a phthalate ester plasticizer, a nucleating agent represented by a flavantron, or a PVDF resin as long as its properties are not impaired. Other resin components having good compatibility with may be mixed. In particular, as a plasticizer, the repeating unit composition is an ester of a dialcohol having 2 to 4 carbon atoms and a dicarboxylic acid having 4 to 6 carbon atoms, and the terminal group is a monovalent acid or monovalent having 1 to 3 carbon atoms. Polyester having a molecular weight of 1500 to 4000 is preferably used.
[0028]
Furthermore, as the polyolefin-acrylic copolymer resin, the acrylic component and the polyolefin component are not particularly limited, and various types can be used. Specifically, as an acrylic component, a polymer obtained from a (meth) acrylic acid ester monomer, that is, (meth) acrylic acid ester or (meth) acrylic acid ester preferable.
[0029]
(Meth) acrylic acid ester monomers include methyl (meth) acrylate, ethyl (meth) acrylate, n-propyl (meth) acrylate, n-butyl (meth) acrylate, isobutyl (meth) acrylate, and tertiary butyl. Alkyl (meth) acrylates such as (meth) acrylate, n-hexyl (meth) acrylate, 2-ethylhexyl (meth) acrylate, n-octyl (meth) acrylate, glycidyl (meth) acrylate, 2-hydroxyethyl (meth) ) Acrylate, 2-hydroxypropyl (meth) acrylate, hydroxybutyl (meth) acrylate, isobornyl (meth) acrylate, methoxypolyethylene (meth) acrylate, phenoxy (meth) acrylate, etc. , Ethylene glycol di (meth) acrylate, diethylene glycol di (meth) acrylate, polyethylene glycol di (meth) acrylate, polypropylene glycol di (meth) acrylate, 1,3-butylene glycol di (meth) acrylate, 1,4- Butanediol di (meth) acrylate, 1,6-hexanediol di (meth) acrylate, neopentyl glycol di (meth) acrylate, 2-hydroxy-1,3-di (meth) acrylate, 2,2-bis [4 -(Meth) acryloxyethoxyphenyl] propane, 2-hydroxy-1- (meth) acryloxy-3- (meth) acryloxypropane, trimethylolpropane tri (meth) acrylate, pentaerythritol tri (meth) acrylate, penta Litho lit polyfunctional (meth) acrylates of tetra (meth) acrylate and the like. These may be used alone or in combination. Among these, methyl (meth) acrylate, ethyl (meth) acrylate, and glycidyl (meth) acrylate are preferable, and methyl (meth) acrylate is particularly preferable. preferable.
[0030]
The copolymerizable component with the acrylic component monomer is preferably one having an unsaturated double bond having 2 to 6 carbon atoms, more specifically, ethylene, propylene, Examples include butene, butadiene, isoprene, pentene, methylpentene, and the like. These are used alone or in combination of two or more. Among these, ethylene is particularly preferable, that is, the polyolefin component in the polyolefin-acrylic copolymer resin is preferably polymethylene (polyethylene). ,
[0031]
Here, the content ratio of the acrylic resin component in the polyolefin-acrylic copolymer resin is preferably 5 to 75% by mass, more preferably 10 to 70% by mass, and particularly preferably 15 to 60% by mass. The content ratio of the polyolefin-acrylic copolymer resin to 100 parts by mass of the PVDF resin is preferably 0.5 to 10 parts by mass, more preferably 0.7 to 8 parts by mass, and further preferably 1 to 5 parts by mass. It is desirable that
[0032]
Furthermore, the monofilament of the present invention may contain a polyolefin resin as a constituent component. Examples of the polyolefin resin include homopolymers of olefins such as polyethylene, polypropylene, polybutadiene, and polymethylpentene, or copolymers thereof, or ethylene-vinyl acetate copolymer, ionomer, ethylene-propylene-diene. Examples of such terpolymers can be given. Among these, polyethylene and polypropylene are preferably used. Further, the content ratio of the polyolefin resin and preferably 100 to 10 parts by mass of the PVDF resin are preferably 0.1 to 10 parts by mass, more preferably 0.2 to 8 parts by mass, and still more preferably 0.5 to 5 parts by mass. The mass part.
[0033]
Furthermore, the monofilament of the present invention preferably further contains a colorant such as a dye or pigment. As this colorant, dyes and pigments generally used for coloring PVDF resins can be used. Examples of the dyes include organic dyes such as perylene, quinacridone, anthraquinone, and condensed azo, zinc oxide, titanium oxide, petals, chromium oxide, titanium yellow, titanium / cobalt green, and other inorganic oxide pigments. Inorganic chromic acid pigments such as cadmium yellow and cadmium red, and inorganic salt pigments such as barium sulfate, ultramarine and calcium carbonate can be used. Of these, perylene dyes and pigments, particularly perylene fluorescent dyes, are preferable from the viewpoint of maintaining the developed color tone and mechanical properties. More specifically, compounds having a perylene skeleton as disclosed in JP-A-57-125260, JP-A-58-40359, JP-A-60-263650, etc. can be used as appropriate. .
[0034]
These are available as commercial products. For example, product name: Lumogen manufactured by BASF Japan Ltd. ^TR F Yellow 083, Lumogen ^TR F Orange 240, lumogen ^TR And perylene fluorescent dyes such as F Red 300 and the like. Moreover, as a content rate of such a coloring agent, Preferably it is 0.001-0.5 mass part with respect to 100 mass parts of PVDF type-resins, More preferably, 0.005-0.1 mass part, Particularly preferred is 0.01 to 0.05 parts by mass.
[0035]
According to the monofilament of the present invention having such a configuration, while the acrylic component in the polyolefin-acrylic copolymer resin added to the PVDF resin has good compatibility with the PVDF resin, the polyolefin component However, it has incompatibility with PVDF resin. Therefore, the polyolefin-acrylic copolymer resin is sufficiently dispersed or dissolved in the PVDF resin due to the contribution of the acrylic component, and the occurrence of separation or precipitation is suppressed. At the same time, due to the contribution of the polyolefin component, even if its content is small, the opaqueness or translucency due to white turbidity is imparted to the resin composition containing the PVDF resin and the polyolefin-acrylic copolymer resin. .
[0036]
Therefore, it is possible to sufficiently prevent the occurrence of ejection spots and thread breakage in the monofilament, and to improve the visibility by making the cloudy opaque or translucent while maintaining the excellent characteristics (physical properties) of the PVDF monofilament. be able to. In other words, it is possible to achieve high visibility of monofilaments by a polymer blend that has not yet been conceived, and achieve high visibility required for fishing lines and the like without coloring with a colorant such as a dye. it can.
[0037]
Moreover, as an acrylic component contained in the polyolefin-acrylic copolymer resin, when a (meth) acrylic acid ester or a (meth) acrylic acid ester-derived one is used, due to the contribution of the acrylic component, Compatibility with colorants such as dyes is enhanced, and color developability and durability of the dyes and the like are improved. Further, the surface smoothness of the monofilament obtained by spinning / drawing can be improved to improve the friction resistance, and the mechanical properties such as knot strength can be improved by controlling the crystal structure. Furthermore, when the acrylic resin component is methyl (meth) acrylate, the above-described effects are easily achieved, and there are advantages in that it is particularly excellent in handleability and industrial applicability.
[0038]
Furthermore, the contribution of the polyolefin component of the polyolefin-acrylic copolymer resin added to the PVDF resin not only makes the monofilament opaque, but also enhances the compatibility with the colorant. Can be improved. In addition, during production, the fluidity at the time of melting can be improved, and thereby the smoothness of the monofilament surface can be improved.
[0039]
In particular, when the copolymer component with the monomer of the acrylic component is ethylene (polyolefin component in the polyolefin-acrylic copolymer resin is polymethylene (polyethylene)), it is easy to achieve monofilament opacification and surface smoothening. In addition to the tendency, improvement in friction resistance can be expected, and further, there are advantages such as versatility, reactivity, and handleability.
[0040]
Furthermore, if the content of the acrylic component in the polyolefin-acrylic copolymer resin is 5% by mass or more, the compatibility between the polyolefin-acrylic copolymer resin and the PVDF resin is excessively lowered. It is possible to prevent monofilament discharge spots and thread breakage. In addition, when the content ratio is 75% by mass or less, it is possible to suppress an excessive increase in compatibility between the polyolefin-acrylic copolymer resin and the PVDF resin, and to more reliably express the opaqueness of the monofilament. It becomes possible to make it.
[0041]
Moreover, if the content ratio of the polyolefin-acrylic copolymer resin with respect to 100 parts by mass of the PVDF resin is 0.5 parts by mass or more, the monofilament can be sufficiently highly visualized, while the content is 10 parts by mass or less. If so, the various properties (physical properties) of the PVDF resin can be sufficiently maintained.
[0042]
Further, when the polyolefin resin is further contained, the opacification effect of the monofilament is remarkably improved, and the frictional resistance between the nozzle wall surface and the resin is reduced during spinning, thereby improving the fluidity. Occurrence can be prevented. As a result, the surface smoothness of the monofilament can be improved and the productivity can be improved by increasing the spinning speed. If the content ratio of the polyolefin resin is equal to or higher than the lower limit (0.1 part by mass) of the above-described preferable range, the above-described effect exerted by the polyolefin resin is easily obtained. On the other hand, if it is below the upper limit (10 parts by mass) of the preferred range described above, it is possible to sufficiently suppress the deterioration of mechanical properties such as the tensile strength of the monofilament.
[0043]
In addition, as described above, the monofilament of the present invention can achieve high visibility without using a colorant such as a dye, but it is relatively easy to color a hardly dyeable PVDF resin by dyeing or the like. Since the polyolefin-acrylic copolymer resin is blended, the coloring becomes simple, and the sharpness after coloring is remarkably enhanced as compared with the prior art. Therefore, visibility is further enhanced by coloring with a colorant such as a dye.
[0044]
In addition, various products with different color schemes can be prepared, appealing more to the tastes of consumers, and the range of product selection can be expanded. In particular, when a fluorescent dye such as a perylene dye is used as a colorant, a brighter monofilament can be obtained and the visibility can be further enhanced. Therefore, when using fishing lines used outdoors, particularly in natural environments such as the sea, rivers, and lakes, discrimination from landscapes and scenery can be made particularly easy.
[0045]
Furthermore, when the content ratio of the colorant is 0.001 part by mass or more with respect to 100 parts by mass of the PVDF resin, the color tone can be sufficiently darkened, and it becomes easy to express good glitter and visibility. On the other hand, if the content ratio is 0.5 parts by mass or less, it is possible to suppress excessively dark color, and to prevent a decrease in brightness or visibility due to an increase in light absorption. In addition, the deterioration of various excellent properties of the PVDF resin can be suppressed.
[0046]
Hereinafter, an example of the method for producing the monofilament of the present invention will be described. First, a resin composition containing the above-described constituent components such as a PVDF resin and a polyolefin-acrylic copolymer resin is prepared (preparation step). At this time, each component may be simply mixed, or may be a powdery dry blend, and further, a method such as pellet blending or master batching can be used as appropriate. As a preparation procedure at that time, a known method can be used.
[0047]
At this time, various additives such as an ultraviolet absorber, a light stabilizer, a heat stabilizer, and an antioxidant may be added within a range not impairing the effects of the present invention described above. When a colorant, particularly a perylene dye, is included, it is preferable to use metal soaps such as calcium stearate (Ca-St), zinc stearate, magnesium stearate, lead stearate. In this way, the spinnability of the melt during melt spinning can be improved, and the occurrence of slabs on the monofilament surface can be effectively suppressed. Of these, calcium stearate is particularly preferred. The amount of such metal soaps to be added is preferably 0.001 to 0.1 parts by mass, more preferably about 0.005 to 0.05 parts by mass, with respect to 100 parts by mass of the PVDF resin. .
[0048]
In addition, when adding and blending colorants such as perylene fluorescent dyes, other additives, metal soaps, etc. as constituents of the resin composition, dilute with resins as other constituent materials or other resins. A so-called master batch may be prepared, and a predetermined amount thereof may be blended.
[0049]
Next, the obtained resin composition, for example, powder or pellets is charged into an extruder, extruded at an extrusion setting temperature of 300 ° C. or less, preferably 210 to 290 ° C., and rapidly cooled in water at 30 to 80 ° C. (Spinning process). Next, the cooled one is stretched 4 to 7 times in a heat medium such as glycerin at 130 to 180 ° C. (stretching step). The stretching in this case may be single-stage stretching or multi-stage stretching. When stretching is performed in two or more stages, the first stage stretching is performed at a temperature in the range of 130 to 180 ° C. and the magnification is 4 to 7 times. preferable. Thereafter, for example, 2 to 12% relaxation treatment is performed in warm water at 70 to 98 ° C.
[0050]
The residence time of the molten resin composition in the extruder can be set as appropriate, but is preferably within 60 minutes, more preferably 10 to 40 minutes. If the residence time in the extruder exceeds 60 minutes, the resin composition may start to decompose, depending on the composition. In particular, when a perylene dye as a colorant is added, the dye is liable to be decomposed, and the spun monofilament may be discolored or foamed on its surface, which is not preferable. Further, when the amount of the dye added is increased in order to increase the color density, the tendency of the decomposition of the perylene dye to be promoted is recognized. This is presumed to be caused by a decrease in the dispersibility or compatibility of the dye in the resin. Furthermore, the yarn diameter of the monofilament is not particularly limited, but is usually about 50 μm to 2.5 mm.
[0051]
According to such a production method, the monofilament of the present invention can be produced effectively. Moreover, as a monofilament of this invention, following formula (1);
F ≧ (25 / d) ^1/3 (1)
It is possible to reliably obtain a material having mechanical characteristics that sufficiently satisfy the relationship expressed by: Here, in the formula, F represents the knot strength (GPa) of the monofilament, and d represents the yarn diameter (μm) of the monofilament. This nodule strength F is shown on the right side of equation (1) (25 / d) ^1/3 If it is more than it, sufficient toughness will be expressed when using it for a lure line or a road line as a fishing line.
[0052]
In particular, monofilaments mainly composed of PVDF resin tend to have a high knot strength as the diameter of the fishing line becomes thinner, and conversely, as the thickness becomes thicker, sufficient knot strength tends not to be achieved. . On the other hand, since the monofilament of the present invention obtained by the method for producing a monofilament of the present invention satisfies the relationship represented by the above formula (1), it is extremely suitable as a fishing line. In addition, as described above, even without using a colorant, the cloudiness opaqueness or translucency can be achieved by the action of the polyolefin-acrylic copolymer resin, thereby improving the visibility as a fishing line. Further, when a colorant is used, its dispersibility or compatibility is excellent, so that the color developability and glitter are enhanced, and the visibility can be further improved.
[0053]
【Example】
Specific examples according to the present invention will be described below, but the present invention is not limited thereto. In addition, "part" in each prescription shown below shall mean "part by mass".
[0054]
<Raw materials>
[PVDF resin]
(1) KF # 1300 (manufactured by Kureha Chemical Industry Co., Ltd., melting point 174 ° C., η _inh = 1.3) [Ethylene-acrylic copolymer resin]
(2) ACLIFT WK307 (manufactured by Sumitomo Chemical Co., Ltd., ethylene-methyl methacrylate (EMMA), acrylic content 25%)
(3) Modiper A4200 (Nippon Yushi Co., Ltd., ethylene-glycidyl methacrylate-graft-polymethyl methacrylate (EGMA-g-PMMA), acrylic content 40.5%)
(4) Modiper A5200 (manufactured by NOF Corporation, ethylene-ethyl acrylate-graft-polymethyl methacrylate (EEA-g-PMMA), acrylic content 44%)
[Polyethylene resin]
(5) Jyrex HD 2010HF (Nippon Polyolefin Co., Ltd., High Density Polyethylene (HDPE))
[acrylic resin]
(6) Acrypet VH (Mitsubishi Rayon Co., Ltd., PMMA)
[Colored pigments]
(7) Lumogen F Yellow 083 (manufactured by BASF Japan Ltd., berylene fluorescent dye)
[0055]
<Measurement of melt flow rate of raw materials used>
As a reference, Table 1 shows the values described in the product catalog of the melt flow rate of each of the above-mentioned raw materials used together with the measurement conditions and the compliance standards.
[0056]
[Table 1]

[0057]
<Measurement test 1: total light transmittance>
A single monofilament is trimmed to a length of about 40 mm and arranged in a horizontal row so that the width is 20 mm or more, and both ends are fixed to a mount with a 17 mm square hole in the center. Thus, a measurement sample was obtained. This measurement sample was set in a turbidimeter (cloudiness meter) NDH2000 manufactured by Nippon Denshoku Industries Co., Ltd., and the total light transmittance was measured as an opacity index.
[0058]
<Measurement test 2: Lightness L ^* >
A single monofilament is trimmed to a length of about 40 mm and arranged in a horizontal row so that the width is 20 mm or more, and both ends are fixed to a mount with a 17 mm square hole in the center. Thus, a measurement sample was obtained. This measurement sample was set in a spectroscopic color difference meter SE-2000 manufactured by Nippon Denshoku Industries Co. ^* Was measured.
[0059]
<Measurement test 3: Whiteness W>
A single monofilament is trimmed to a length of about 40 mm and arranged in a horizontal row so that the width is 20 mm or more, and both ends are fixed to a mount with a 17 mm square hole in the center. Thus, a measurement sample was obtained. This measurement sample was set in a spectroscopic color difference meter SE-2000 manufactured by Nippon Denshoku Industries Co., Ltd., and the whiteness W was measured by reflection with the blackboard as the back.
[0060]
<Measurement test 4: Nodule strength, linear strength>
One nodal point was provided in the center of one monofilament, and this was used as a measurement sample. This measurement sample was set in a Strograph RII type tensile tester manufactured by Toyo Seiki Seisakusho Co., Ltd., in a room at 23 ° C. and 65 RH%, with a test length of 300 mm, a tensile speed of 300 mm / min, and a measurement number n = 5. The strength was measured. Further, the linear strength was measured in the same manner except that no knot point was provided.
[0061]
<Measurement test 5: electron microscope observation>
The monofilament was cut in the radial direction (diameter direction), and the section of the section was measured with an S-800 Hitachi scanning electron microscope manufactured by Hitachi, Ltd., with an acceleration voltage of 3.0 kV and a magnification of 10,000 times. Observed.
[0062]
<Example 1>
The PVDF resin (product grade: KF # 1300) of (1) above was used as the PVDF resin material. To 100 parts of this PVDF resin, 2 parts of the EMMA resin (trade name: ACLIFT WK307) of (2) above was pellet-blended. This composition was spun using an extruder having a diameter of 35 mm (hole diameter: 0.8 mm × 12 hole nozzle) under conditions of an extrusion temperature of 210 to 290 ° C., an extruder gear pump rotation speed of 4.1 rpm, and a quench temperature of 55 ° C. (water cooling). . At this time, defective extrusion discharge and discharge spots between the nozzle holes did not occur, and a good undrawn yarn was obtained.
[0063]
Thereafter, this undrawn yarn was drawn 5.7 times in a glycerin bath at 165 ° C., and then subjected to 5% relaxation heat treatment in warm water at 85 ° C. to obtain a monofilament having a diameter of 0.17 mm. This monofilament was white opaque and had high brightness and whiteness.
[0064]
<Example 2>
Using 1 part of the EMMA resin (trade name: ACLIFT WK307) of (2) above, the perylene fluorescent dye (trade name: Lumogen F Yellow 083) of (7) above was further added as a coloring agent at the stage of pellet blending. A monofilament was obtained in the same manner as in Example 1 except that 02 parts were blended. At this time, in spinning, a defect in extrusion discharge and discharge spots between nozzle holes did not occur, and a good undrawn yarn was obtained. Further, the obtained monofilament was translucent, had high brightness and whiteness, and had a bright pastel lemon yellow color.
[0065]
<Example 3>
A monofilament was obtained in the same manner as in Example 1 except that 0.02 part of the perylene fluorescent dye (trade name: Lumogen F Yellow 083) of (7) above was further blended as a colorant at the stage of blending. At this time, in spinning, a defect in extrusion discharge and discharge spots between nozzle holes did not occur, and a good undrawn yarn was obtained. Further, the obtained monofilament was opaque, had high brightness and whiteness, and had a bright pastel lemon yellow color.
[0066]
<Example 4>
In place of the EMMA resin of (2) above, 1 part of the EGMA-g-PMMA resin (trade name: Modiper A4200) of (3) above is used, and at the blending stage, the perylene series of (7) above is further used as a colorant. A monofilament was obtained in the same manner as in Example 1 except that 0.02 part of a fluorescent dye (trade name: Lumogen F Yellow 083) was blended. At this time, in spinning, a defect in extrusion discharge and discharge spots between nozzle holes did not occur, and a good undrawn yarn was obtained. Further, the obtained monofilament was translucent, had high brightness and whiteness, and had a bright pastel lemon yellow color.
[0067]
<Example 5>
A composition was obtained in the same manner as in Example 4 except that 1.5 parts of the EGMA-g-PMMA resin (trade name: Modiper A4200) of (3) was used instead of the EMMA resin of (2). It was. This composition was spun using an extruder having a diameter of 35 mm (hole diameter: 0.8 mm × 30 hole nozzle) under conditions of an extrusion temperature of 225 to 285 ° C., an extruder gear pump speed of 5.5 rpm, and a quench temperature of 45 ° C. (water cooling). . At this time, defective extrusion discharge and discharge spots between the nozzle holes did not occur, and a good undrawn yarn was obtained. Thereafter, the undrawn yarn was drawn 5.6 times in a glycerin bath at 165 ° C. and then subjected to 5% relaxation heat treatment in warm water at 85 ° C. to obtain a monofilament having a diameter of 0.13 mm. This monofilament was translucent, had high brightness and whiteness, and had a bright pastel lemon yellow color.
[0068]
<Example 6>
A monofilament having a diameter of 0.17 mm was obtained in the same manner as in Example 5 except that the rotation speed of the gear pump was 8.0 rpm and the draw ratio was 5.7 times. This monofilament was translucent, had high brightness and whiteness, and had a bright pastel lemon yellow color.
[0069]
<Example 7>
Example 5 was used except that 1.5 parts of EEA-g-PMMA resin (trade name: Modiper A5200) of (4) was used instead of EGMA-g-PMMA resin of (3). To obtain a monofilament. This monofilament was translucent, had high brightness and whiteness, and had a bright pastel lemon yellow color.
[0070]
<Example 8>
A monofilament was prepared in the same manner as in Example 6 except that 5 parts of the EEA-g-PMMA resin (trade name: Modiper A5200) of (4) was used instead of the EGMA-g-PMMA resin of (3). Obtained. This monofilament was opaque, had high brightness and whiteness, and had a bright pastel lemon yellow color.
[0071]
<Example 9>
Instead of the EGMA-g-PMMA resin of (3) above, 1 part of the EEA-g-PMMA resin (trade name: Modiper A5200) of (4) above is used, and at the blending stage, the above-mentioned ▲ A monofilament was obtained in the same manner as in Example 6 except that 2 parts of HDPE resin 5 (trade name: JEREX HD2010HF) was added. This monofilament was opaque, had high lightness and whiteness, and had a pastel lemon yellow color.
[0072]
<Example 10>
In place of the EGMA-g-PMMA resin of (3) above, 1.5 parts of the EEA-g-PMMA resin (trade name: Modiper A5200) of (4) above is used, and at the blending stage, as a polyolefin resin. A monofilament was obtained in the same manner as in Example 6 except that 1.5 parts of the HDPE resin (trade name: JEREX HD2010HF) of (5) above was added. This monofilament was opaque, had high lightness and whiteness, and had a pastel lemon yellow color.
[0073]
<Comparative example 1>
A monofilament was obtained in the same manner as in Example 1 except that the EMMA resin of (2) was not blended and only the PVDF resin of (1) was spun. This monofilament was colorless and transparent and had low brightness and whiteness.
[0074]
<Comparative example 2>
Monofilament as in Comparative Example 1 except that 0.02 part of the perylene fluorescent dye (trade name: Lumogen F Yellow 083) of (7) above was blended with the PVDF resin of (1) above as a colorant. Got. This monofilament was yellow and transparent and had low brightness and whiteness.
[0075]
<Comparative Example 3>
A monofilament was obtained in the same manner as in Comparative Example 1 except that the PVDF resin of (1) was blended with 2 parts of the HDPE resin (trade name: JEREX HD 2010HF) of (5) as a polyolefin resin. At this time, discharge spots were generated in the spinning, and the thickness spots reached 30% between the nozzle hoses. This is considered to be because the compatibility between the PVDF resin and the HDPE resin is extremely low, so that the PVDF resin and the HDPE resin are separated in the nozzle die and become discharge spots.
[0076]
<Comparative example 4>
Spinning was performed in the same manner as in Comparative Example 3 except that one part of the HDPE resin (trade name: JEREX HD 2010HF) of (5) was blended and a hole nozzle having a hole diameter of φ0.8 mm × 30 was used. At this time, the discharge spots were severe in spinning, and the thickness spots exceeded 100% between the nozzle hoses. This is thought to be due to an increase in spot between holes due to the large number of nozzle holes. In addition, it was difficult to draw the obtained undrawn yarn, and a monofilament could not be obtained.
[0077]
<Comparative Example 5>
A monofilament was obtained in the same manner as in Comparative Example 1 except that 2 parts of the PMMA resin (trade name: Acrypet VH) of (6) above was blended instead of the HDPE resin of (5) above. This monofilament was colorless and transparent and had low brightness and whiteness. This is considered to be because the compatibility between the PVDF resin and the PMMA resin is high, and thus sufficient compatibilization occurred and the film became transparent.
[0078]
<Test evaluation>
The total light transmittance, brightness, whiteness, nodule strength, linear strength, and dispersed particle size were measured using the methods described in the above measurement tests 1-5. The results are shown in Table 2 together with the yarn diameter, color tone, visibility, and spinnability results. Table 3 summarizes the prescriptions in each Example and each Comparative Example. Regarding visibility, “opaque” was designated as “◎”, semi-transparent was designated as “◯”, and transparent was designated as “x”. As shown in the table, the monofilament according to the present invention obtained in the examples has sufficient knot strength and excellent spinnability, and the visibility is significantly improved as compared with the conventional one obtained in the comparative example. In addition, the monofilaments of the examples were found to be extremely useful as fishing lines.
[0079]
[Table 2]

[0080]
[Table 3]

[0081]
【The invention's effect】
As described above, since the monofilament and fishing line of the present invention contain PVDF resin and polyolefin-acrylic copolymer resin as constituent components, visibility is sufficient while maintaining the excellent characteristics of PVDF monofilament. Can be improved. In addition, according to the method for producing a monofilament of the present invention, it is possible to obtain a monofilament and a fishing line having various characteristics excellent in PVDF monofilament and having sufficiently improved visibility.

Claims

A monofilament comprising a polyvinylidene fluoride resin and a polyolefin-acrylic copolymer resin ,
The acrylic component contained in the polyolefin-acrylic copolymer resin contains methyl methacrylate,
The monofilament whose copolymerization component with the monomer of the said acrylic component is ethylene.

The monofilament according to claim 1, wherein the acrylic component contained in the polyolefin-acrylic copolymer resin is derived from (meth) acrylic acid esters or (meth) acrylic acid esters.

The monofilament according to claim 1 or 2 , wherein the content of the acrylic component in the polyolefin-acrylic copolymer resin is 5 to 75 mass%.

The monofilament according to any one of claims 1 to 3 , wherein a content ratio of the polyolefin-acrylic copolymer resin with respect to 100 parts by mass of the polyvinylidene fluoride resin is 0.5 to 10 parts by mass.

The monofilament according to any one of claims 1 to 4 , further comprising a polyolefin resin.

The monofilament according to any one of claims 1 to 5 , further comprising a colorant.

The monofilament has the following formula (1);
^{F ≧ (25 / d) 1} /3 ... (1)
F: Knot strength (GPa) of the monofilament,
d: Thread diameter (μm) of the monofilament
The monofilament according to any one of claims 1 to 6 , which satisfies the relationship represented by the formula (1) and has a whiteness of 29 or more.

A preparation step of preparing a resin composition by mixing and adding a polyolefin-acrylic copolymer resin to a polyvinylidene fluoride resin;
A spinning step of spinning the resin composition at an extrusion temperature of 300 ° C. or less;
A stretching step of stretching the resin composition after spinning so that the stretching ratio is 4 to 7 times at a temperature within a range of 130 to 180 ° C;
Equipped with a,
The acrylic component contained in the polyolefin-acrylic copolymer resin contains methyl methacrylate, and the copolymer component with the monomer of the acrylic component is ethylene,
Monofilament manufacturing method.

A fishing line comprising the monofilament according to any one of claims 1 to 7 .