JP4385576B2 - 物体制御装置、物体制御方法、物体制御プログラムおよびコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents
物体制御装置、物体制御方法、物体制御プログラムおよびコンピュータ読み取り可能な記録媒体 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、脳波データにより物体の動作を制御する物体制御装置、物体制御方法、物体制御プログラムおよびコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
脳波などの生体信号から操作者の意図および意志を読み取り物体の制御を行う手法としては、眼球運動に付随した信号を検出する手法および脳波を用いる手法等が考えられている。眼球運動に付随した信号を検出する手法として、特開2001−228949号公報には、額部分に複数の電極を取り付け、それらの電極から眼球運動に付随した信号を取り出し、その信号に基づき機械の制御を行う発明が記載されている。また、特開平6−95797号公報には、眼球運動や筋肉の収縮に付随した信号に基づきビデオゲーム等のカーソル位置の制御を行う発明が記載されている。また、脳波を用いる手法として、特開平10−244480号公報には、脳波データのスペクトルパワーに基づき操作者の意志を読み取り、ロボットの制御を実施する手法が提案されている。特開平11−203022号公報には筋電信号、眼電信号および脳波のベータ波の組み合わせにより機器の制御を行う発明が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、眼球運動に付随した信号を検出する手法では、実際の眼球運動を伴うので長時間使用すると操作者に疲労が蓄積されるという欠点を持つ。また、脳波を用いる手法では、多数の電極を配置する必要があるという課題を有する。
【0004】
本発明は、上記問題点を解消する為になされたものであり、眼球運動を伴う必要が無くかつ少ない電極数で実現することが可能な脳波データにより物体の動作を制御する物体制御装置、物体制御方法、物体制御プログラムおよびコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る物体制御装置は、被制御物体に設置され、被制御物体の移動方向の画像を取り込む画像取込手段と、画像取込手段により取り込まれた画像を表示する視覚呈示手段と、視覚呈示手段により表示された画像を操作者が視認したときに生じる操作者の脳波データを取得する脳波データ取得手段と、脳波データ取得手段により取得された脳波データに基づいて被制御物体を制御するための制御情報を生成し出力する脳波データ判定手段と、脳波データ判定手段により生成され出力された制御情報に基づき被制御物体の動作を制御する制御手段とを備えることを特徴とする。
また、脳波データ取得手段は、操作者の左後頭部に設けられる第1電極と操作者の右後頭部に設けられる第2電極とを有し、第1電極及び第2電極それぞれにより操作者の後頭部から脳波データを取得することを特徴とする。
さらに、脳波データ判定手段は、操作者が画像の中心に対して左側に注目したときに第1電極より取得される複数の脳波の第1加算平均値、操作者が画像の中心に対して左側に注目したときに第2電極より取得される複数の脳波の第2加算平均値、操作者が画像の中心に対して右側に注目したときに第1電極より取得される複数の脳波の第3加算平均値、及び、操作者が画像の中心に対して右側に注目したときに第2電極より取得される複数の脳波の第4加算平均値、の何れかに基づいて操作者が画像の左側に注目したという事象および画像の右側に注目したという事象それぞれに関連した第1の事象関連的なデータを算出して記憶し、第1加算平均値と第1電極より取得される脳波データとの第1加重平均値、第2加算平均値と第2電極より取得される脳波データとの第2加重平均値、第3加算平均値と第1電極より取得される脳波データとの第3加重平均値、及び、第4加算平均値と第2電極より取得される脳波データとの第4加重平均値、の何れかに基づいて第2の事象関連的なデータを算出し、第1の事象関連的なデータと第2の事象関連的なデータとの比較に基づいて制御情報を作成し出力することを特徴とする。
【0006】
本発明に係る物体制御方法は、被制御物体の移動方向の画像を取り込む画像取込ステップと、画像取込ステップで取り込まれた画像を表示する視覚呈示ステップと、視覚呈示ステップで表示された画像を操作者が視認したときに生じる操作者の脳波データを取得する脳波データ取得ステップと、脳波データ取得ステップで取得された脳波データに基づいて被制御物体を制御するための制御情報を生成し出力する脳波データ判定ステップと、脳波データ判定ステップで生成され出力された制御情報に基づき被制御物体の動作を制御する制御ステップとを備えることを特徴とする。
また、脳波データ取得ステップでは、操作者の左後頭部に設けられた第1電極、及び、前記操作者の右後頭部に設けられた第2電極、それぞれから脳波データを取得することを特徴とする。
さらに、脳波データ判定ステップでは、操作者が画像の中心に対して左側に注目したときに第1電極より取得される複数の脳波の第1加算平均値、操作者が画像の中心に対して左側に注目したときに第2電極より取得される複数の脳波の第2の加算平均値、操作者が画像の中心に対して右側に注目したときに第1電極より取得される複数の脳波の第3加算平均値、及び、操作者が画像の中心に対して右側に注目したときに第2電極より取得される複数の脳波の第4加算平均値、の何れかに基づいて操作者が画像の左側に注目したという事象および画像の右側に注目したという事象それぞれに関連した第1の事象関連的なデータを算出して記憶し、第1加算平均値と第1電極より取得される脳波データとの第1加重平均値、第2加算平均値と第2電極より取得される脳波データとの第2加重平均値、第3加算平均値と第1電極より取得される脳波データとの第3加重平均値、及び、第4加算平均値と第2電極より取得される脳波データとの第4加重平均値、の何れかに基づいて第2の事象関連的なデータを算出し、第1の事象関連的なデータと第2の事象関連的なデータとの比較に基づいて前記制御情報を作成し出力することを特徴とする。
【0007】
本発明に係る物体制御装置または物体制御方法によれば、被制御物体の移動方向の画像が、画像取込手段により(画像取込ステップで)取り込まれ、画像取込手段により(画像取込ステップで)取り込まれた画像が、視覚呈示手段により(視覚呈示ステップで)表示される。次に、視覚呈示手段により(視覚呈示ステップで)表示された画像を操作者が視認したときに生じる操作者の脳波データが、脳波データ取得手段により(脳波データ取得ステップで)取得される。そして、被制御物体を制御するための制御情報が、取得された脳波データに基づき、脳波データ判定手段により(脳波データ判定ステップで)生成され出力され、この制御情報に基づいて制御手段により(制御ステップで)被制御物体の動作が制御される。
特に、脳波データ判定手段により(脳波データ判定ステップで)、第3加算平均値が第3加重平均値より大きく、第4加算平均値が第4加重平均値より小さいときには、操作者が画像の中心に対して左側に注目していると判定され、第1加算平均値が第1加重平均値より小さく、第2加算平均値が第2加重平均値より大きいときには、操作者が画像の中心に対して右側に注目していると判定される。そして、この判定結果に基づいた制御情報が出力される。
【0008】
また、制御情報は、被制御物体の移動方向に関する制御情報であることが好適である。この場合は、脳波データにより被制御物体の移動方向を制御することができる。
【0009】
また、画像取込手段は画像をリアルタイムで取り込み、視覚呈示手段は画像をリアルタイムで表示し、脳波データ取得手段は脳波データをリアルタイムで取得し、脳波データ判定手段は制御情報をリアルタイムで生成し出力し、制御手段はリアルタイムで被制御物体の動作を制御することが好適である。
【0010】
また、画像取込ステップでは画像をリアルタイムで取り込み、視覚呈示ステップでは画像をリアルタイムで表示し、脳波データ取得ステップでは脳波データをリアルタイムで取得し、脳波データ判定ステップでは制御情報をリアルタイムで生成し出力し、制御ステップではリアルタイムで被制御物体の動作を制御することが好適である。
【0011】
また、脳波データ判定手段は、操作者が視覚呈示手段により表示された画像の中心に対して左側に注目したときの脳波パターンおよび画像の中心に対して右側に注目したときの脳波パターンを記憶しており、それぞれの脳波パターンと脳波データとの比較を行い、その比較結果に基づいた制御情報を出力することが好適である。
【0012】
また、脳波データ判定ステップでは、操作者が視覚呈示ステップにより表示された画像の中心に対して左側に注目したときの脳波パターンおよび画像の中心に対して右側に注目したときの脳波パターンと脳波データとを比較し、その比較結果に基づいた制御情報を出力することが好適である。
【0013】
この場合は、脳波パターンと脳波データとの比較により、脳波データが画像の中心に対して左側に注目したときの脳波パターンと一致するときには操作者は左側に注目していると判定され、脳波データが画像の中心に対して右側に注目したときの脳波パターンと一致するときには操作者は右側に注目していると判定される。そして、この判定結果に基づいた制御情報が出力される。
【0019】
また、脳波データ判定手段は、第1加算平均値と第1加重平均値との差の絶対値と、第2加算平均値と第2加重平均値との差の絶対値と、を加算した第1判定データを算出し、第3加算平均値と第3加重平均値との差の絶対値と、第4加算平均値と第4加重平均値との差の絶対値と、を加算した第2判定データを算出し、第1判定データと第2判定データとの比較に基づいて制御情報を作成し出力することが好適である。
【0020】
また、脳波データ判定ステップでは、第1加算平均値と第1加重平均値との差の絶対値と、第2加算平均値と第2加重平均値との差の絶対値と、を加算した第1判定データを算出し、第3加算平均値と第3加重平均値との差の絶対値と、第4加算平均値と第4加重平均値との差の絶対値と、を加算した第2判定データを算出し、第1判定データと第2判定データとの比較に基づいて制御情報を作成し出力することが好適である。
【0021】
この場合、第1判定データが第2判定データより小さいときには操作者が画像の左側に注目していると判定され、第1判定データが第2判定データより大きいときには操作者が画像の右側に注目していると判定される。そして、この判定結果に基づいた制御情報が出力される。
【0022】
また、脳波データ判定手段は、第2加算平均値と第2加重平均値との差の絶対値と、第3加算平均値と第3加重平均値との差の絶対値と、の比較に基づいて制御情報を作成し出力することが好適である。
【0023】
また、脳波データ判定ステップでは、第2加算平均値と第2加重平均値との差の絶対値と、第3加算平均値と第3加重平均値との差の絶対値と、の比較に基づいて制御情報を作成し出力することが好適である。
【0024】
この場合、第2加算平均値と第2加重平均値との差の絶対値が第3加算平均値と第3加重平均値との差の絶対値より小さいときには操作者が画像の左側を注目していると判定され、第2加算平均値と第2加重平均値との差の絶対値が第3加算平均値と第3加重平均値との差の絶対値より大きいときには操作者が画像の右側を注目していると判定される。そして、この判定結果に基づいた制御情報が出力される。
【0025】
また、脳波データ判定手段は、第1、第3加算平均値より成る第1の事象関連的なデータと第1、第3加重平均値より成る第2の事象関連的なデータとから成る第1判定データ群、第2、第4加算平均値より成る第1の事象関連的なデータと第2、第4加重平均値より成る第2の事象関連的なデータとから成る第2判定データ群、の何れかのデータ群において第1の事象関連的なデータと第2の事象関連的なデータとの比較に基づいて制御情報を作成し出力することが好適である。
【0026】
また、脳波データ判定ステップでは、第1、第3加算平均値より成る第1の事象関連的なデータと第1、第3加重平均値より成る第2の事象関連的なデータとから成る第1判定データ群、第2、第4加算平均値より成る第1の事象関連的なデータと前記第2、第4加重平均値より成る第2の事象関連的なデータとから成る第2判定データ群、の何れかのデータ群において第1の事象関連的なデータと第2の事象関連的なデータとの比較に基づいて前記制御情報を作成し出力することが好適である。
【0027】
この場合、第1判定データ群において、第3加算平均値が第3加重平均値より大きいときには、操作者が画像の中心に対して左側に注目していると判定され、第1加算平均値が第1加重平均値より小さいときには、操作者が画像の中心に対して右側に注目していると判定される。第2判定データ群において、第4加算平均値が第4加重平均値より小さいときには、操作者が画像の中心に対して左側に注目していると判定され、第2加算平均値が第2加重平均値より大きいときには、操作者が画像の中心に対して右側に注目していると判定される。そして、何れかの判定結果に基づいた制御情報が出力される。
【0028】
また、脳波データ判定手段は、第1の事象関連的なデータにおける特徴的な部分についての第1の事象関連的なデータと第2の事象関連的なデータとの差に基づいて制御情報を作成し出力することが好適である。
【0029】
また、脳波データ判定ステップでは、第1の事象関連的なデータにおける特徴的な部分についての第1の事象関連的なデータと第2の事象関連的なデータとの差に基づいて制御情報を作成し出力することが好適である。
【0030】
この場合は、第1の事象関連的なデータにおける特徴的な部分において、第1の事象関連的なデータと第2の事象関連的なデータとの差に基づいて操作者が画像の中心に対して左側に注目しているか右側に注目しているかが判定される。そして、この判定結果に基づいた制御情報が出力される。
【0031】
また、脳波データ判定手段は、第1の事象関連的なデータにおいて、画像を注目開始後約100msで生じる極大陽性電位をP11とし、画像を注目開始後約150〜200msで生じる極大陰性電位をN11とし、第2の事象関連的なデータにおいて、画像を注目開始後約100msで生じる極大陽性電位をP12とし、画像を注目開始後約150〜200msで生じる極大陰性電位をN12とし、P11とP12との電位差およびN11とN12との電位差に基づいた制御情報を出力することが好適である。
【0032】
また、脳波データ判定ステップでは、第1の事象関連的なデータにおいて、画像を注目開始後約100msで生じる極大陽性電位をP11とし、画像を注目開始後約150〜200msで生じる極大陰性電位をN11とし、第2の事象関連的なデータにおいて、画像を注目開始後約100msで生じる極大陽性電位をP12とし、画像を注目開始後約150〜200msで生じる極大陰性電位をN12とし、P11とP12との電位差およびN11とN12との電位差に基づいた制御情報を出力する、ことが好適である。
【0033】
この場合は、第1加算平均値と第1加重平均値及び第2加算平均値と第2加重平均値、それぞれにおいてP11とP12との電位差及びN11とN12との電位差が小さいときに画像の中心に対して左側に注目していると判定され、第3加算平均値と第3加重平均値及び第4加算平均値と第4加重平均値、それぞれにおいてP11とP12との電位差及びN11とN12との電位差が小さいときに画像の中心に対して右側に注目していると判定される。そして、この判定結果に基づいた制御情報が出力される。
【0034】
また、脳波データ判定手段は、第1の事象関連的なデータにおいて、画像を注目開始後約100msで生じる極大陽性電位をP11とし、画像を注目開始後約150〜200msで生じる極大陰性電位をN11とし、第2の事象関連的なデータにおいて、画像を注目開始後約100msで生じる極大陽性電位をP12とし、画像を注目開始後約150〜200msで生じる極大陰性電位をN12とし、画像を注目開始後P11が生じるまでの時間と画像を注目開始後P12が生じるまでの時間との時間差、および、画像を注目開始後N11が生じるまでの時間と画像を注目開始後N12が生じるまでの時間との時間差に基づいた制御情報を出力することが好適である。
【0035】
また、脳波データ判定ステップでは、第1の事象関連的なデータにおいて、画像を注目開始後約100msで生じる極大陽性電位をP11とし、画像を注目開始後約150〜200msで生じる極大陰性電位をN11とし、第2の事象関連的なデータにおいて、画像を注目開始後約100msで生じる極大陽性電位をP12とし、画像を注目開始後約150〜200msで生じる極大陰性電位をN12とし、画像を注目開始後P11が生じるまでの時間と画像を注目開始後P12が生じるまでの時間との時間差、および、画像を注目開始後N11が生じるまでの時間と画像を注目開始後N12が生じるまでの時間との時間差に基づいた制御情報を出力することが好適である。
【0036】
この場合は、第1加算平均値と第1加重平均値及び第2加算平均値と第2加重平均値、それぞれにおいて画像を注目開始後P11が生じるまでの時間とP12が生じるまでの時間との時間差、及び、画像を注目開始後N11が生じるまでの時間とN12が生じるまでの時間との時間差が小さいときに画像の中心に対して左側に注目していると判定され、第3加算平均値と第3加重平均値及び第4加算平均値と第4加重平均値、それぞれにおいて画像を注目開始後P11が生じるまでの時間とP12が生じるまでの時間との時間差、及び、画像を注目開始後N11が生じるまでの時間とN12が生じるまでの時間との時間差が小さいときに画像の中心に対して右側に注目していると判定される。そして、この判定結果に基づいた制御情報が出力される。
【0037】
また、脳波データ判定手段は、画像の中心に対して左側を注目したときに取得される脳波に基づく第1の事象関連的なデータと画像の中心に対して右側を注目したときに取得される脳波に基づく第1の事象関連的なデータとの差が閾値以下であったときに、視覚呈示手段により表示される画像の特徴を調整し、調整された画像の中心に対して左側を注目したときに取得される脳波、及び、調整された画像の中心に対して右側を注目したときに取得される脳波、それぞれに基づいて再度前記第1の事象関連的なデータを算出することが好適である。
【0038】
また、脳波データ判定ステップでは、画像の中心に対して左側を注目したときに取得される脳波に基づく第1の事象関連的なデータと画像の中心に対して右側を注目したときに取得される脳波に基づく第1の事象関連的なデータとの差が閾値以下であったときに、視覚呈示ステップで表示される画像の特徴を調整し、調整された画像の中心に対して左側を注目したときに取得される脳波、及び、調整された画像の中心に対して右側を注目したときに取得される脳波、それぞれに基づいて再度前記第1の事象関連的なデータを算出することが好適である。
【0039】
また、脳波データ判定手段は、脳波データに基づく被制御物体の移動方向の判定ができなかった場合には、現状の移動方向を維持する制御情報を出力することが好適である。
【0040】
また、脳波データ判定ステップでは、脳波データに基づく被制御物体の移動方向の判定ができなかった場合には、現状の移動方向を維持する制御情報を出力する、ことが好適である。
【0041】
この場合は、進行方向が画像の中心に表示されており、操作者は画像の中心を注目していると判定される。
【0042】
本発明に係る物体制御プログラムは、上記いずれかの物体制御方法をコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0043】
本発明に係るコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、上記の物体制御プログラムを記録していることを特徴とする。
【0044】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照して本発明の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0045】
まず、本実施形態に係る物体制御装置1について説明する。図1は、本実施形態に係る物体制御装置1の全体構成を示すブロック図である。物体制御装置1は、被制御物体11、画像取込手段12、視覚呈示手段13、脳波データ取得手段14、脳波データ判定手段15、及び、制御手段16を備えている。
【0046】
画像取込手段12は、被制御物体11に設置され、被制御物体11の移動方向の画像を取り込むものであり、例えば、カメラ等が好適に用いられる。
【0047】
視覚呈示手段13は、画像取込手段12により取り込まれた画像を表示するものであり、例えば、CRTディスプレイやLCDディスプレイ等が好適に用いられる。
【0048】
脳波データ取得手段14は、操作者の左後頭部に設けられた第1電極100と操作者の右後頭部に設けられた第2電極101とを有し、視覚呈示手段13により表示された画像を操作者が視認したときに生じる操作者の脳波データをそれぞれの電極から取得する。
【0049】
脳波データ判定手段15は、脳波データ取得手段14により取得された脳波データに基づいて被制御物体11を制御するための制御情報を生成し出力する。
【0050】
制御手段16は、脳波データ判定手段15により生成され出力された制御情報に基づき被制御物体11の動作を制御する。
【0051】
次に本実施形態に係る物体制御装置1の動作について説明するとともに、物体制御方法についても説明する。
【0052】
本実施形態に係る物体制御装置1または物体制御方法によれば、被制御物体11の移動方向の画像が画像取込手段12により取り込まれ、画像取込手段12により取り込まれた画像が視覚呈示手段13により表示される。次に、視覚呈示手段13により表示された画像を操作者が視認したときに生じる操作者の脳波データが脳波データ取得手段14により取得される。そして、被制御物体11を制御するための制御情報が取得された脳波データに基づき脳波データ判定手段15により生成され出力され、この制御情報に基づいて制御手段16により被制御物体11の動作が制御される。
【0053】
図2は、本実施形態に係る物体制御方法の全体処理を示す流れ図である。図2のステップS100では、被制御物体11の移動方向の画像が画像取込手段12により取り込まれ、ステップS101では、ステップS100で取り込まれた画像が視覚呈示手段13により表示され、ステップS102では、ステップS101で表示された画像を操作者が視認したときに生じる操作者の脳波データが脳波データ取得手段14により取得され、ステップS103では、ステップS102で取得された脳波データに基づいて被制御物体11を制御するための制御情報が脳波データ判定手段15により生成され出力される。そして、ステップ104では、ステップS103で出力された制御情報に基づいて被制御物体11の動作が制御手段16により制御される。
【0054】
本実施形態に係る物体制御装置1において、制御情報は、被制御物体11の移動方向に関する制御情報である。この場合は、脳波データにより被制御物体11の移動方向を制御することができる。
【0055】
本実施形態に係る物体制御装置1に含まれる画像取込手段12は(ステップS100では)画像をリアルタイムで取り込み、視覚呈示手段13は(ステップS101では)画像をリアルタイムで表示し、脳波データ取得手段14は(ステップS102では)脳波データをリアルタイムで取得し、脳波データ判定手段15は(ステップS103では)制御情報をリアルタイムで生成し出力し、制御手段16は(ステップS104では)リアルタイムで被制御物体11の動作を制御する。この場合は、被制御物体11の動作をリアルタイムで制御する事ができる。
【0056】
また、本実施形態に係る物体制御装置1に含まれる脳波データ判定手段15は、操作者が視覚呈示手段13により表示された画像の中心に対して左側に注目したときの脳波パターンおよび画像の中心に対して右側に注目したときの脳波パターンを記憶しており、それぞれの脳波パターンと脳波データとの比較を行い、その比較結果に基づいた制御情報を出力する。
【0057】
この場合は、脳波パターンと脳波データとの比較により、脳波データが画像の中心に対して左側に注目したときの脳波パターンと一致するときには操作者は左側に注目していると判定され、脳波データが画像の中心に対して右側に注目したときの脳波パターンと一致するときには操作者は右側に注目していると判定される。そして、この判定結果に基づいた制御情報が出力される。
【0058】
図3は、本実施形態に係る物体制御装置1に含まれる電極の位置を示す図である。第1電極100は、操作者の左後頭部に設けられ、第2電極101は、操作者の右後頭部に設けられる。また、脳波データ取得手段14は、第1電極100及び第2電極101それぞれにより操作者の後頭部から脳波データを取得する。この場合は、1対の電極によって操作者の脳波データを取得し、この脳波データに基づいて被制御物体11の動作を制御することが可能である。
【0059】
図4は、本実施形態に係る物体制御方法に含まれる脳波データ取得処理、及び、脳波データ判定処理の概要を示す流れ図である。まず、ステップS200では、第1の事象関連的データが既に算出済みか否かが判断される。ここで、まだ第1の事象関連的なデータの算出が終了していない時には、ステップS201で操作者の脳波を脳波データ取得手段14により取得し、ステップS202でステップS201で取得した脳波に基づいて脳波データ判定手段15により第1の事象関連的なデータの算出を行う。一方、既に第1の事象関連的なデータの算出が既に終っている場合には、ステップS203に処理が移る。
【0060】
ステップS201では、操作者が画像の中心に対して左側に注目したときに第1電極100、及び、第2電極101、それぞれから複数の脳波を脳波データ取得手段14により取得し、操作者が画像の中心に対して右側に注目したときに第1電極100、及び、第2電極101、それぞれから複数の脳波を脳波データ取得手段14により取得する。
【0061】
次に、ステップS202では、操作者が画像の中心に対して左側に注目したときに第1電極100より取得された複数の脳波の第1加算平均値、操作者が画像の中心に対して左側に注目したときに第2電極101より取得された複数の脳波の第2の加算平均値、操作者が画像の中心に対して右側に注目したときに第1電極100より取得された複数の脳波の第3加算平均値、及び、操作者が画像の中心に対して右側に注目したときに第2電極101より取得された複数の脳波の第4加算平均値、の何れかに基づいて操作者が画像の左側に注目したという事象および画像の右側に注目したという事象それぞれに関連した第1の事象関連的なデータを脳波データ判定手段16により算出して記憶する。
【0062】
さらに、ステップS203では、第1電極100、及び、第2電極101それぞれから脳波データを脳波データ取得手段14により取得する。
【0063】
ステップS204では、第1加算平均値と第1電極100より取得された脳波データとの第1加重平均値、第2加算平均値と第2電極101より取得される脳波データとの第2加重平均値、第3加算平均値と第1電極100より取得される脳波データとの第3加重平均値、及び、第4加算平均値と第2電極101より取得される脳波データとの第4加重平均値、の何れかに基づいて第2の事象関連的なデータを脳波データ判定手段16により算出する。
【0064】
ステップS205では、ステップS202で算出した第1の事象関連的なデータとステップS205で算出した第2の事象関連的なデータとの比較に基づいて制御情報を脳波データ判定手段16により作成する。
【0065】
そして、ステップS206では、ステップS205で作成された制御情報を制御手段16へ出力する。
【0066】
さらに、各処理ステップそれぞれについて詳細に説明する。まず、ステップS201での脳波の取得処理について説明する。ステップS201では、(1)画像の中心に注目点が表示された画像を呈示する。(2)画像の中心の左側または右側にフリッカーを点滅させ(約500ms)、操作者をそちら側に注目させる。そして、フリッカーを点滅させている間第1電極100、及び、第2電極101、それぞれより脳波を取得する。(3)画像の中心に対して左側及び右側それぞれの向きに注目した場合の脳波がそれぞれ50データ以上取得されるまで上記(1)及び(2)の処理を繰り返し行うことにより脳波の取得を行う。ここで、50データ以上という数字は脳波を加算平均することによって作成する第1の事象関連的なデータを得るために必要な値であり、取得する脳波の数は大きい方が安定した第1の事象関連的なデータを取得することができる。脳波取得中、操作者は、フリッカーを注目し続ける必要がある。フリッカーを点滅させる場所は、中心点に対して左側または右側に位置していればどこに存在してもよい。また、フリッカーの輝度は、画像の中心に対して左側または右側の方向に自然と注目される程度であれば変動してもよい。
【0067】
以上の様に、第1電極100及び第2電極101それぞれより画像の中心に対して左側に注目した場合の脳波、及び、右側に注目した場合の脳波をそれぞれ50データ以上取得する。そして、操作者が画像の中心に対して左側に注目したときに第1電極100より取得される複数の脳波をL_O1_i(i=0、1、2、・・・、49)、操作者が画像の中心に対して左側に注目したときに第2電極101より取得される複数の脳波をL_O2_i(i=0、1、2、・・・、49)、操作者が画像の中心に対して右側に注目したときに第1電極100より取得される複数の脳波をR_O1_j(j=0、1、2、・・・、49)、及び、操作者が画像の中心に対して右側に注目したときに第2電極101より取得される複数の脳波をR_O2_j(j=0、1、2、・・・、49)とする。例えば、L_O2_30は、左側に注目した場合の第2電極101より取得される第31番目の脳波を意味する。なお脳波を取得する際、筋電位などのアーチファクトが含まれる試行は取り除くことが好ましい。
【0068】
ステップS202では、第1の事象関連的なデータを作成する。次に、この第1の事象関連的なデータの作成方法を説明する。まず、L_O1_i、L_O2_i、R_O1_j、及び、R_O2_jそれぞれを次式により加算平均し、操作者が画像の中心に対して左側に注目したときに第1電極100より取得された複数の脳波の第1加算平均値L_O1、操作者が画像の中心に対して左側に注目したときに第2電極101より取得された複数の脳波の第2の加算平均値L_O2、操作者が画像の中心に対して右側に注目したときに第1電極100より取得された複数の脳波の第3加算平均値R_O1、及び、操作者が画像の中心に対して右側に注目したときに第2電極101より取得された複数の脳波の加算平均値R_O2、をそれぞれ算出し、これらの加算平均値の何れかに基づいて操作者が画像の左側に注目したという事象、及び、画像の右側に注目したという事象、それぞれに関連した第1の事象関連的なデータを算出する。
【0069】
【数1】
ここで、脳波データ判定手段15は、画像の中心に対して左側を注目したときに取得される脳波に基づく第1の事象関連的なデータと画像の中心に対して右側を注目したときに取得される脳波に基づく第1の事象関連的なデータとの差異が閾値以下であったときに、視覚呈示手段13により表示される画像のフリッカーの輝度や点滅周期等を調整し、脳波データ判定手段15は、調整された画像の中心に対して左側を注目したときに取得される脳波、及び、調整された画像の中心に対して左側を注目したときに取得される脳波、それぞれに基づいて再度前記第1の事象関連的なデータを算出する。
【0070】
次に、ステップS203では、第1電極100及び第2電極101それぞれから脳波データNOW_O1、NOW_O2をそれぞれ500ms間取得する。この間、操作者は、頭を画像に対して水平に配置して表示された画像中の目標に注目する。脳波データを取得する間は頭や体を動かしたり瞬きをしてはならない。
【0071】
次に、ステップS204について説明する。このステップS204では新たに取得した脳波データに基づき第2の事象関連的なデータを算出する。以下、第2の事象関連的データの算出について説明する。第1加算平均値L_O1と第1電極より取得される脳波データNOW_O1との第1加重平均値NOW_L_O1、第2加算平均値L_O2と第2電極より取得される脳波データNOW_O2との第2加重平均値NOW_L_O2、第3加算平均値R_O1と第1電極より取得される脳波データNOW_O1との第3加重平均値NOW_R_O1、第4加算平均値R_O2と第2電極より取得される脳波データNOW_O2との第4加重平均値NOW_R_O2、それぞれを次式により算出し、これらの加重平均値の何れかに基づいて第2の事象関連的なデータを算出する。
【0072】
【数2】
ステップS205では、第1の事象関連的なデータと第2の事象関連的なデータとの差に基づいて操作者の注目している方向を判定する。この場合は、第1の事象関連的なデータと第2の事象関連的なデータとの差に基づいて操作者が画像の中心に対して左側に注目しているかまたは画像の中心に対して右側に注目しているかを判定することができる。例えば、第3加算平均値R_O1が第3加重平均値NOW_R_O1より大きいとき、又は、第4加算平均値R_O2が第4加重平均値NOW_R_O2より小さいときは操作者が画像の中心に対して左側に注目していると脳波データ判定手段15において判定される。また、第1加算平均値L_O1が第1加重平均値NOW_L_O1より小さいとき、又は、第2加算平均値L_O2が第2加重平均値NOW_L_O2より大きいときは操作者が画像の中心に対して右側に注目していると脳波データ判定手段15において判定される。そして、この判定結果に基づいた制御情報がステップS206で制御手段16へ出力される。
【0073】
また、ステップS205では、第1加算平均値L_O1と第1加重平均値NOW_L_O1との差の絶対値と、第2加算平均値L_O2と第2加重平均値NOW_L_O2との差の絶対値と、を加算した第1判定データJUD_Lを次式により算出し、第3加算平均値R_O1と第3加重平均値NOW_R_O1との差の絶対値と、第4加算平均値R_O2と第4加重平均値NOW_R_O2との差の絶対値と、を加算した第2判定データJUD_Rを次式により算出し、第1判定データJUD_Lと第2判定データJUD_Rとの比較に基づいて操作者の注目している方向を判定することができる。
【0074】
【数3】
この場合は、第1判定データJUD_Lが第2判定データJUD_Rより小さいときには操作者が画像の中心に対して左側に注目していると脳波データ判定手段15において判定される。また、第1判定データJUD_Lが第2判定データJUD_Rより大きいときには操作者が画像の中心に対して右側に注目していると脳波データ判定手段15において判定される。そして、この判定結果に基づいた制御情報がステップS206で制御手段16へ出力される。
【0075】
さらに、ステップS205では、片側の電極のみを用いて操作者の注目している方向を判定することもできる。この場合は、第1、第3加算平均値より成る第1の事象関連的なデータと第1、第3加重平均値より成る第2の事象関連的なデータとから成る第1判定データ群、第2、第4加算平均値より成る第1の事象関連的なデータと前記第2、第4加重平均値より成る第2の事象関連的なデータとから成る第2判定データ群、の何れかのデータ群において第1の事象関連的なデータと第2の事象関連的なデータとの比較に基づいて操作者の注目している方向を判定する。具体的には、第1判定データ群において、第3加算平均値R_O1が第3加重平均値NOW_R_O1より大きいときには、操作者が画像の中心に対して左側に注目していると脳波データ判定手段15において判定され、第1加算平均値L_O1が第1加重平均値NOW_L_O1より小さいときには、操作者が画像の中心に対して右側に注目していると判定される。一方、第2判定データ群において、第4加算平均値R_O2が第4加重平均値NOW_R_O2より小さいときには、操作者が画像の中心に対して左側に注目していると脳波データ判定手段15において判定され、第2加算平均値L_O2が第2加重平均値NOW_L_O2より大きいときには、操作者が画像の中心に対して右側に注目していると判定される。そして、何れかの判定結果に基づいた制御情報がステップS206で制御手段16へ出力される。
ステップS205では、注目していると予想される方向の反対側の電極のみで判定を行う手法も考えられる。この場合、脳波データ判定手段は、第2加算平均値と第2加重平均値との差の絶対値|L_O2−NOW_L_O2|と、第3加算平均値と第3加重平均値との差の絶対値|R_O1−NOW_R_O1|と、の比較に基づいて操作者の注目している方向を判定する。具体的には、第2加算平均値と第2加重平均値との差の絶対値|L_O2−NOW_L_O2|が第3加算平均値と第3加重平均値との差の絶対値|R_O1−NOW_R_O1|より小さいときには操作者が画像の中心に対して左側に注目していると脳波データ判定手段15において判定され、第2加算平均値と第2加重平均値との差の絶対値|L_O2−NOW_L_O2|が第3加算平均値と第3加重平均値との差の絶対値|R_O1−NOW_R_O1|より大きいときには操作者が画像の中心に対して右側に注目していると脳波データ判定手段15において判定される。そして、この判定結果に基づいた制御情報がステップS206で制御手段16へ出力される。
【0076】
一方、ステップS205では、第1の事象関連的なデータにおける特徴的な部分についての第1の事象関連的なデータと第2の事象関連的なデータとの差に基づいて操作者が画像の中心に対して左側に注目しているかまたは画像の中心に対して右側に注目しているかを判定することができる。
【0077】
ここで、第1電極100から取得された画像の中心に対して左側に注目した場合、及び、右側に注目した場合、それぞれに得られる脳波の波形を比較すると、図5に示されるように、P11(フリッカー呈示後約100ms程度で生じる陽性の電位であり、以下この電位を「極大陽性電位」という)及びN11(フリッカー呈示後150ms〜200ms程度で生じる陰性の電位であり、以下この電位を「極大陰性電位」という)において差が生じる。具体的には画像の中心に対し右側に注目した方が左側に注目したときより極大値が大きいP11及びN11が得られる。
【0078】
また、第2電極101から取得された画像の中心に対して左側に注目した場合、及び、右側に注目した場合、それぞれに得られる脳波の波形を比較すると、図6に示されるように、P12(フリッカー呈示後約100ms程度で生じる陽性の電位であり、以下この電位を「極大陽性電位」という)及びN12(フリッカー呈示後150ms〜200ms程度で生じる陰性の電位であり、以下この電位を「極大陰性電位」という)において差が生じる。具体的には画像の中心に対し左側に注目した方が右側に注目したときより極大値が大きいP12及びN12が得られる。
【0079】
P11、P12、N11、及び、N12、それぞれで差が発生するかどうかは知覚的負荷(注意の向けやすさ)に依存する。差が生じる場合は、与えられた課題が注意を向けやすい場合であり、差が生じない場合は与えられた課題が注意を向けにくい課題であることを意味する。この事実は、後頭部の左側および右側において注目した側とは反対の領域(左側なら右後頭部、右側なら左後頭部)が強く活動することを意味する。
【0080】
よって、ステップS205では、第1の事象関連的なデータにおいて、画像を注目開始後約100msで生じる極大陽性電位をP11とし、画像を注目開始後約150〜200msで生じる極大陰性電位をN11とし、第2の事象関連的なデータにおいて、画像を注目開始後約100msで生じる極大陽性電位をP12とし、画像を注目開始後約150〜200msで生じる極大陰性電位をN12とし、P11とP12との電位差およびN11とN12との電位差に基づいて操作者の注目している方向を判定することができる。
【0081】
この場合、第1加算平均値L_O1と第1加重平均値NOW_L_O1、及び、第2加算平均値L_O2と第2加重平均値NOW_L_O2、それぞれにおいてP11とP12との電位差及びN11とN12との電位差が小さいときに画像の中心に対して左側に注目していると脳波データ判定手段15において判定され、第3加算平均値R_O1と第3加重平均値NOW_R_O1および第4加算平均値R_O2と第4加重平均値NOW_R_O2、それぞれにおいてP11とP12との電位差及びN11とN12との電位差が小さいときに画像の中心に対して右側に注目していると脳波データ判定手段15において判定される。そして、この判定結果に基づいた制御情報がステップS206で制御手段16へ出力される。
【0082】
また、ステップS205では、第1の事象関連的なデータにおいて、画像を注目開始後約100msで生じる極大陽性電位をP11とし、画像を注目開始後約150〜200msで生じる極大陰性電位をN11とし、第2の事象関連的なデータにおいて、画像を注目開始後約100msで生じる極大陽性電位をP12とし、画像を注目開始後約150〜200msで生じる極大陰性電位をN12とし、画像を注目開始後P11が生じるまでの時間と画像を注目開始後P12が生じるまでの時間との時間差、および、画像を注目開始後N11が生じるまでの時間と画像を注目開始後N12が生じるまでの時間との時間差に基づいて操作者の注目している方向を判定することができる。
【0083】
この場合、第1加算平均値L_O1と第1加重平均値NOW_L_O1および第2加算平均値L_O2と第2加重平均値NOW_L_O2、それぞれにおいて画像を注目開始後P11が生じるまでの時間と画像を注目開始後P12が生じるまでの時間との時間差、および、画像を注目開始後N11が生じるまでの時間と画像を注目開始後N12が生じるまでの時間との時間差が小さいときに画像の中心に対して左側に注目していると脳波データ判定手段15において判定され、第3加算平均値R_O1と第3加重平均値NOW_R_O1および第4加算平均値R_O2と第4加重平均値NOW_R_O2、それぞれにおいて画像を注目開始後P11が生じるまでの時間と画像を注目開始後P12が生じるまでの時間との時間差、および、画像を注目開始後N11が生じるまでの時間と画像を注目開始後N12が生じるまでの時間との時間差が小さいときに画像の中心に対して右側に注目していると脳波データ判定手段15において判定される。そして、この判定結果に基づいた制御情報がステップS206で制御手段16へ出力される。
【0084】
図8は、本実施形態に係る物体制御装置に含まれる制御手段16を示す図である。制御手段16は、信号入力手段400、偏差算出手段401、DAコンバータ402、モータ駆動手段403、モータ404およびロータリーエンコーダ405を備え、閉ループ制御の構成をとっている。偏差算出手段401では、脳波データ判定手段15より出力された左右いずれにステアリングを駆動するかを示す制御信号と、モータ404に取り付けられたロータリーエンコーダ405からのモータ位置情報との差を算出し、この差に応じた駆動方向制御信号を主力する。この駆動方向制御信号はDAコンバータ402によりディジタルデータからアナログデータに変換され、モータ駆動手段403に出力される。モータ駆動手段403は駆動方向制御信号に応じた駆動電流をモータ404に出力することによりモータ404を駆動する。
図7は、本実施形態に係る物体制御装置における被制御物体11を示す図である。被制御物体11の前輪に制御手段16を取り付けることにより、被制御物体11の前輪を目標物の方向に駆動することが可能となる。さらにモータ301を回転させ続ければ後輪は等速で回り続けるので、目標に対して被制御物体11を近づけることができる。
【0085】
視覚呈示手段13により表示される画像に対して、進行方向が画像の中心付近にある場合は、進行方向の変更を行う必要がない。進行方向が画像の中心に対して左右いずれかにずれた場合、進行方向を変更する制御を行えば、被制御物体11を目標に近づけるように制御することができる。従って、脳波データ判定手段15は、脳波データに基づく被制御物体11の移動方向の判定ができなかった場合には、現状の進行方向を維持する制御情報を出力することが好ましい。この場合は、進行方向が画像の中心に表示されており、操作者は画像の中心を注目していると判定されるためである。
【0086】
以上、本実施形態に係る前輪の制御方法について説明したが、後輪に関しては回転するか、停止するかの制御が出来ればよいので、瞬き等を利用することによって、後輪モータの動作の切り替えが可能となる。
【0087】
次に、本実施形態に係る物体制御方法をコンピュータ2に実行させるための物体制御プログラム502、及び当該物体制御プログラム502を記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体500(以下、単に記録媒体という)について説明する。
【0088】
ここで、記録媒体とは、コンピュータのハードウェア資源に備えられている読み取り装置に対して、プログラムの記述内容に応じて、磁気、光、電気等のエネルギーの変化状態を引き起こして、それに対応する信号の形式で、読み取り装置にプログラムの記述内容を伝達できるものである。かかる記録媒体としては、例えば、磁気ディスク、光ディスク、CD−ROM、コンピュータに内蔵されるメモリなどが該当する。
【0089】
図9は、本発明の実施形態に係る記録媒体500の構成図である。記録媒体500は、図9に示すように、プログラムを記録するプログラム領域501を備えている。このプログラム領域501には、物体制御プログラム502が記録されている。
【0090】
この物体制御プログラム502は、前述した物体制御を実行するプログラムであって、図9に示すように、処理を統括するメインモジュール502aと、画像を表示させる視覚呈示モジュール502bと、表示された画像を操作者が視認したときに生じる操作者の脳波データを取得する脳波データ取得モジュール502cと、取得された操作者の脳波データに基づいて被制御物体11を制御するための動作方向を判定する脳波データ判定モジュール502dと、動作方向に応じた制御情報を算出する制御モジュール502eと、制御情報を出力する出力モジュール502fとを備えて構成される。
【0091】
図10は、上記記録媒体500に記録された物体制御プログラム502を実行するためのコンピュータ2のシステム構成図である。コンピュータ2は、物体制御プログラム502の実行等を制御するCPU20と、記録媒体500に記録された物体制御プログラム502を読み取り可能な読み取り装置22と、メモリ(RAM)21と、ディスプレイ等より成る視覚呈示手段13と、画像取込手段12と、制御手段16と、脳波データ取得手段14と、を備えている。ここで、記録媒体500が読み取り装置22に挿入されると、記録媒体500に記録された情報が読み取り装置22からアクセス可能となり、図9に示す記録媒体500のプログラム領域501に記録された物体制御プログラム502が、コンピュータ2によって実行可能となる。
【0092】
上記読み取り装置22としては、記録媒体500に対応して、フレキシブルディスクドライブ装置、CD−ROMドライブ装置、あるいは磁気テープドライブ装置などが用いられる。
【0093】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したとおり、本発明によれば、眼球運動を伴う必要が無くかつ少ない電極数で実現することが可能な脳波データにより物体の動作を制御する物体制御装置、物体制御方法、物体制御プログラムおよびコンピュータ読み取り可能な記録媒体を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態に係る物体制御装置の全体構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態に係る物体制御方法の全体処理を示す流れ図である。
【図3】本実施形態に係る物体制御装置に含まれる電極の位置を示す図である。
【図4】本実施形態に係る物体制御方法に含まれる脳波取込処理、及び、脳波データ判定処理の概要を示す流れ図である。
【図5】本実施形態に係る物体制御装置に含まれる第1電極より取得された脳波に基づく第1の事象関連的なデータを示す図である。
【図6】本実施形態に係る物体制御装置に含まれる第2電極より取得された脳波に基づく第1の事象関連的なデータを示す図である。
【図7】本実施形態に係る物体制御装置における被制御物体を示す図である。
【図8】本実施形態に係る物体制御装置に含まれる制御手段を示す図である。
【図9】本実施形態に係る記録媒体の構成図である。
【図10】本実施形態に係るコンピュータのシステム構成図である。
【符号の説明】
1…物体制御装置、11…被制御物体、12…画像取込手段、13…視覚呈示手段、14…脳波データ取得手段、15…脳波データ判定手段、16…制御手段、100…第1電極、101…第2電極、P11、P12…極大陽性電位、N11、N12…極大陰性電位。
Claims (26)
- 被制御物体に設置され、前記被制御物体の移動方向の画像を取り込む画像取込手段と、
前記画像取込手段により取り込まれた画像を表示する視覚呈示手段と、
前記視覚呈示手段により表示された前記画像を操作者が視認したときに生じる前記操作者の脳波データを取得する脳波データ取得手段と、
前記脳波データ取得手段により取得された前記脳波データに基づいて前記被制御物体を制御するための制御情報を生成し出力する脳波データ判定手段と、
前記脳波データ判定手段により生成され出力された前記制御情報に基づき前記被制御物体の動作を制御する制御手段と、
を備え、
前記脳波データ取得手段は、前記操作者の左後頭部に設けられる第1電極と前記操作者の右後頭部に設けられる第2電極とを有し、前記第1電極及び前記第2電極それぞれにより前記操作者の後頭部から前記脳波データを取得し、
前記脳波データ判定手段は、
前記操作者が画像の中心に対して左側に注目したときに前記第1電極より取得される複数の脳波の第1加算平均値、前記操作者が前記画像の中心に対して左側に注目したときに前記第2電極より取得される複数の脳波の第2加算平均値、前記操作者が前記画像の中心に対して右側に注目したときに前記第1電極より取得される複数の脳波の第3加算平均値、及び、前記操作者が前記画像の中心に対して右側に注目したときに前記第2電極より取得される複数の脳波の第4加算平均値、の何れかに基づいて前記操作者が前記画像の左側に注目したという事象および前記画像の右側に注目したという事象それぞれに関連した第1の事象関連的なデータを算出して記憶し、
前記第1加算平均値と前記第1電極より取得される脳波データとの第1加重平均値、前記第2加算平均値と前記第2電極より取得される脳波データとの第2加重平均値、前記第3加算平均値と前記第1電極より取得される脳波データとの第3加重平均値、及び、前記第4加算平均値と前記第2電極より取得される脳波データとの第4加重平均値、の何れかに基づいて第2の事象関連的なデータを算出し、
前記第1の事象関連的なデータと前記第2の事象関連的なデータとの比較に基づいて前記制御情報を作成し出力する、
ことを特徴とする物体制御装置。 - 前記制御情報は、前記被制御物体の移動方向に関する制御情報である、ことを特徴とする請求項1に記載の物体制御装置。
- 前記画像取込手段は前記画像をリアルタイムで取り込み、
前記視覚呈示手段は前記画像をリアルタイムで表示し、
前記脳波データ取得手段は前記脳波データをリアルタイムで取得し、
前記脳波データ判定手段は前記制御情報をリアルタイムで生成し出力し、
前記制御手段は前記被制御物体の動作をリアルタイムで制御する、
ことを特徴とする請求項1に記載の物体制御装置。 - 前記脳波データ判定手段は、前記操作者が前記視覚呈示手段により表示された画像の中心に対して左側に注目したときの脳波パターンおよび画像の中心に対して右側に注目したときの脳波パターンを記憶しており、
それぞれの前記脳波パターンと前記脳波データとの比較を行い、その比較結果に基づいた前記制御情報を出力する、ことを特徴とする請求項1に記載の物体制御装置。 - 前記脳波データ判定手段は、
前記第1加算平均値と前記第1加重平均値との差の絶対値と、前記第2加算平均値と前記第2加重平均値との差の絶対値と、を加算した第1判定データを算出し、
前記第3加算平均値と前記第3加重平均値との差の絶対値と、前記第4加算平均値と前記第4加重平均値との差の絶対値と、を加算した第2判定データを算出し、
前記第1判定データと前記第2判定データとの比較に基づいて前記制御情報を作成し出力する、ことを特徴とする請求項1に記載の物体制御装置。 - 前記脳波データ判定手段は、
前記第2加算平均値と前記第2加重平均値との差の絶対値と、前記第3加算平均値と前記第3加重平均値との差の絶対値と、の比較に基づいて前記制御情報を作成し出力する、ことを特徴とする請求項1に記載の物体制御装置。 - 前記脳波データ判定手段は、
前記第1、第3加算平均値より成る第1の事象関連的なデータと前記第1、第3加重平均値より成る第2の事象関連的なデータとから成る第1判定データ群、前記第2、第4加算平均値より成る第1の事象関連的なデータと前記第2、第4加重平均値より成る第2の事象関連的なデータとから成る第2判定データ群、の何れかのデータ群において前記第1の事象関連的なデータと前記第2の事象関連的なデータとの比較に基づいて前記制御情報を作成し出力する、ことを特徴とする請求項1に記載の物体制御装置。 - 前記脳波データ判定手段は、
前記第1の事象関連的なデータにおける特徴的な部分についての前記第1の事象関連的なデータと前記第2の事象関連的なデータとの差に基づいて前記制御情報を作成し出力する、ことを特徴とする請求項1に記載の物体制御装置。 - 前記脳波データ判定手段は、
前記第1の事象関連的なデータにおいて、前記画像を注目開始後約100msで生じる極大陽性電位をP11とし、前記画像を注目開始後約150〜200msで生じる極大陰性電位をN11とし、
前記第2の事象関連的なデータにおいて、前記画像を注目開始後約100msで生じる極大陽性電位をP12とし、前記画像を注目開始後約150〜200msで生じる極大陰性電位をN12とし、
前記P11と前記P12との電位差および前記N11と前記N12との電位差に基づいた前記制御情報を出力する、ことを特徴とする請求項1に記載の物体制御装置。 - 前記脳波データ判定手段は、
前記第1の事象関連的なデータにおいて、前記画像を注目開始後約100msで生じる極大陽性電位をP11とし、前記画像を注目開始後約150〜200msで生じる極大陰性電位をN11とし、
前記第2の事象関連的なデータにおいて、前記画像を注目開始後約100msで生じる極大陽性電位をP12とし、前記画像を注目開始後約150〜200msで生じる極大陰性電位をN12とし、
前記画像を注目開始後P11が生じるまでの時間と前記画像を注目開始後P12が生じるまでの時間との時間差、および、前記画像を注目開始後N11が生じるまでの時間と前記画像を注目開始後N12が生じるまでの時間との時間差に基づいた前記制御情報を出力する、ことを特徴とする請求項1に記載の物体制御装置。 - 前記脳波データ判定手段は、
画像の中心に対して左側を注目したときに取得される脳波に基づく前記第1の事象関連的なデータと画像の中心に対して右側を注目したときに取得される脳波に基づく前記第1の事象関連的なデータとの差が閾値以下であったときに、前記視覚呈示手段により表示される画像の特徴を調整し、調整された画像の中心に対して左側を注目したときに取得される脳波、及び、調整された画像の中心に対して右側を注目したときに取得される脳波、それぞれに基づいて再度前記第1の事象関連的なデータを算出する、ことを特徴とする請求項1に記載の物体制御装置。 - 前記脳波データ判定手段は、前記脳波データに基づく前記被制御物体の移動方向の判定ができなかった場合には、現状の移動方向を維持する前記制御情報を出力する、ことを特徴とする請求項2に記載の物体制御装置。
- 前記被制御物体の移動方向の画像を取り込む画像取込ステップと、
前記画像取込ステップで取り込まれた画像を表示する視覚呈示ステップと、
前記視覚呈示ステップで表示された前記画像を操作者が視認したときに生じる前記操作者の脳波データを取得する脳波データ取得ステップと、
前記脳波データ取得ステップで取得された前記脳波データに基づいて前記被制御物体を制御するための制御情報を生成し出力する脳波データ判定ステップと、前記脳波データ判定ステップで生成され出力された前記制御情報に基づき前記被制御物体の動作を制御する制御ステップと、
を備え、
前記脳波データ取得ステップでは、前記操作者の左後頭部に設けられた第1電極、及び、前記操作者の右後頭部に設けられた第2電極、それぞれから前記脳波データを取得し、
前記脳波データ判定ステップでは、
前記操作者が画像の中心に対して左側に注目したときに前記第1電極より取得される複数の脳波の第1加算平均値、前記操作者が前記画像の中心に対して左側に注目したときに前記第2電極より取得される複数の脳波の第2加算平均値、前記操作者が前記画像の中心に対して右側に注目したときに前記第1電極より取得される複数の脳波の第3加算平均値、及び、前記操作者が前記画像の中心に対して右側に注目したときに前記第2電極より取得される複数の脳波の第4加算平均値、の何れかに基づいて前記操作者が前記画像の左側に注目したという事象および前記画像の右側に注目したという事象それぞれに関連した第1の事象関連的なデータを算出して記憶しており、
前記第1加算平均値と前記第1電極より取得される脳波データとの第1加重平均値、前記第2加算平均値と前記第2電極より取得される脳波データとの第2加重平均値、前記第3加算平均値と前記第1電極より取得される脳波データとの第3加重平均値、及び、前記第4加算平均値と前記第2電極より取得される脳波データとの第4加重平均値、の何れかに基づいて第2の事象関連的なデータを算出し、
前記第1の事象関連的なデータと前記第2の事象関連的なデータとの比較に基づいて前記制御情報を作成し出力する、
ことを特徴とする物体制御方法。 - 前記制御情報は、前記被制御物体の移動方向に関する制御情報である、ことを特徴とする請求項13に記載の物体制御方法。
- 前記画像取込ステップでは前記画像をリアルタイムで取り込み、
前記視覚呈示ステップでは前記画像をリアルタイムで表示し、
前記脳波データ取得ステップでは前記脳波データをリアルタイムで取得し、
前記脳波データ判定ステップでは前記制御情報をリアルタイムで生成し出力し、
前記制御ステップでは前記被制御物体の動作をリアルタイムで制御する、
ことを特徴とする請求項13に記載の物体制御方法。 - 前記脳波データ判定ステップでは、
前記操作者が前記視覚呈示ステップにより表示された画像の中心に対して左側に注目したときの脳波パターンおよび画像の中心に対して右側に注目したときの脳波パターンと前記脳波データとを比較し、
その比較結果に基づいた前記制御情報を出力する、
ことを特徴とする請求項13に記載の物体制御方法。 - 前記脳波データ判定ステップでは、
前記第1加算平均値と前記第1加重平均値との差の絶対値と、前記第2加算平均値と前記第2加重平均値との差の絶対値と、を加算した第1判定データを算出し、
前記第3加算平均値と前記第3加重平均値との差の絶対値と、前記第4加算平均値と前記第4加重平均値との差の絶対値と、を加算した第2判定データを算出し、
前記第1判定データと前記第2判定データとの比較に基づいて前記制御情報を作成し出力する、ことを特徴とする請求項13に記載の物体制御方法。 - 前記脳波データ判定ステップでは、
前記第2加算平均値と前記第2加重平均値との差の絶対値と、前記第3加算平均値と前記第3加重平均値との差の絶対値と、の比較に基づいて前記制御情報を作成し出力する、ことを特徴とする請求項13に記載の物体制御方法。 - 前記脳波データ判定ステップでは、
前記第1、第3加算平均値より成る第1の事象関連的なデータと前記第1、第3加重平均値より成る第2の事象関連的なデータとから成る第1判定データ群、前記第2、第4加算平均値より成る第1の事象関連的なデータと前記第2、第4加重平均値より成る第2の事象関連的なデータとから成る第2判定データ群、の何れかのデータ群において前記第1の事象関連的なデータと前記第2の事象関連的なデータとの比較に基づいて前記制御情報を作成し出力する、ことを特徴とする請求項13に記載の物体制御方法。 - 前記脳波データ判定ステップでは、
前記第1の事象関連的なデータにおける特徴的な部分についての前記第1の事象関連的なデータと前記第2の事象関連的なデータとの差に基づいて前記制御情報を作成し出力する、ことを特徴とする請求項13に記載の物体制御方法。 - 前記脳波データ判定ステップでは、
前記第1の事象関連的なデータにおいて、前記画像を注目開始後約100msで生じる極大陽性電位をP11とし、前記画像を注目開始後約150〜200msで生じる極大陰性電位をN11とし、
前記第2の事象関連的なデータにおいて、前記画像を注目開始後約100msで生じる極大陽性電位をP12とし、前記画像を注目開始後約150〜200msで生じる極大陰性電位をN12とし、
前記P11と前記P12との電位差および前記N11と前記N12との電位差に基づいた前記制御情報を出力する、ことを特徴とする請求項13に記載の物体制御方法。 - 前記脳波データ判定ステップでは、
前記第1の事象関連的なデータにおいて、前記画像を注目開始後約100msで生じる極大陽性電位をP11とし、前記画像を注目開始後約150〜200msで生じる極大陰性電位をN11とし、
前記第2の事象関連的なデータにおいて、前記画像を注目開始後約100msで生じる極大陽性電位をP12とし、前記画像を注目開始後約150〜200msで生じる極大陰性電位をN12とし、
前記画像を注目開始後P11が生じるまでの時間と前記画像を注目開始後P12が生じるまでの時間との時間差、および、前記画像を注目開始後N11が生じるまでの時間と前記画像を注目開始後N12が生じるまでの時間との時間差に基づいた前記制御情報を出力する、ことを特徴とする請求項13に記載の物体制御方法。 - 前記脳波データ判定ステップでは、
画像の中心に対して左側を注目したときに取得される脳波に基づく前記第1の事象関連的なデータと画像の中心に対して右側を注目したときに取得される脳波に基づく前記第1の事象関連的なデータとの差が閾値以下であったときに、前記視覚呈示ステップで表示される画像の特徴を調整し、調整された画像の中心に対して左側を注目したときに取得される脳波、及び、調整された画像の中心に対して右側を注目したときに取得される脳波、それぞれに基づいて再度前記第1の事象関連的なデータを算出する、ことを特徴とする請求項13に記載の物体制御方法。 - 前記脳波データ判定ステップでは、前記脳波データに基づく前記被制御物体の移動方向の判定ができなかった場合には、現状の移動方向を維持する前記制御情報を出力する、ことを特徴とする請求項14に記載の物体制御方法。
- 請求項13〜24のいずれか1項に記載の物体制御方法をコンピュータに実行させるための物体制御プログラム。
- 請求項25に記載の物体制御プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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