以下に、図面を参照しつつ、本発明の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品および構成要素には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがってそれらについての詳細な説明は繰返さない。
図1は、本実施の形態にかかるネットワークシステムの構成の具体例を示す図である。
図1を参照して、本実施の形態にかかるネットワークシステムでは、データ送信装置の一例としてのMFP(Multi Function Peripherals)101が、PC(Personal Computer)などの端末装置102a,102b(これらを代表させてPC102と称する)とネ
ットワーク103により接続されている。
本実施の形態にかかるネットワークシステムでは、具体的に文書データを扱うものとする。ユーザはMFP101へログインし、MFP101内の文書データをPC102に送信することができる。
図2は、図1に示されたMFP101のハードウェア構成の具体例を示すブロック図である。
図2を参照して、MFP101は、装置全体を制御するCPU(Central Processing Unit)10と、原稿から画像データを読取るイメージリーダ部30と、用紙上に画像を印刷するプリンタ部35と、図示されない拡張スロットに挿入し、MFP101をネットワーク103や電話回線に接続したり、近距離の無線通信を行なったりするための拡張カードであるNIC(Network Interface Card)15と、HD(Hard Disc)などから構成されて、ジョブデータやCPU10で実行されるプログラムなどを記憶するための記憶部20と、ユーザとのインタフェースであるパネル25と、消耗品の残量などを検出するセンサ部40とを含んで構成される。
図3は、図1に示されたPC102のハードウェア構成の具体例を示すブロック図である。
図3を参照して、PC102は、装置全体を制御するCPU601と、ディスプレイ605と、ネットワーク103に接続したり外部と通信を行なったりするためのLAN(Local Area Network)カード607(またはモデムカード)と、キーボードやマウスなどにより構成される入力装置609と、フレキシブルディスクドライブ(FDD:Flexible Disk Drive)611と、CD−ROM(Compact Disc-Read Only Memory)ドライブ613と、ハードディスクドライブ(HDD:Hard Disc Drive)615と、RAM(Random Access Memory)617と、ROM(Read Only Memory)619とを含んで構成される。
フレキシブルディスクドライブ611によりフレキシブルディスクFに記録されたプログラムなどのデータを読取ることが可能であり、CD−ROMドライブ613によりCD−ROM613aに記録されたプログラムなどのデータを読取ることが可能である。
さらに、ハードディスクドライブ615には送信履歴記憶部621が含まれ(あるいはハードディスクドライブ615に関連付けられて送信履歴記憶部621が存在し)、後述する送信履歴を記憶する。
図4は、図1に示されたMFP101の機能構成を示すブロック図である。図4に示される各機能は、MFP101においてユーザがデータを送信する宛先の設定操作を補助する機能を実現するためのものであって、図2のCPU10が記憶部20に記憶されるプログラムを読出して実行することによって発揮される。
図4を参照して、MFP101は、ユーザのログイン情報を入力するログイン情報入力部201と、ログインしたユーザを識別するユーザ識別部205と、文書データの送信先である宛先を入力する宛先入力部202と、ユーザによって設定された宛先が複数か否かを判断する宛先判断部206と、記憶部20の所定領域であって、アドレス帳や各ユーザの送信履歴などのデータを蓄積する送信履歴記憶部204と、記憶部20の所定領域であって、1つのキー操作で1以上の宛先を設定するためのワンタッチキーに対応した宛先群を記憶するワンタッチキー登録部200と、記憶部20の所定領域であって、送信された文書データを記憶する送信文書記憶部203と、文書データの属性を判断する文書属性判断部207と、設定された宛先を含む宛先グループを検索する宛先検索部208と、検索された宛先をユーザに提示する宛先提示部209とを含んで構成される。さらに、送信文書記憶部203には、先頭ページ記憶部2031と文書属性記憶部2032とが含まれる。あるいは、送信文書記憶部203に関連付けられて、先頭ページ記憶部2031と文書属性記憶部2032とが存在する。
ログイン情報入力部201は、パネル25またはネットワーク103を介してPC102で行なわれたユーザのログイン操作に基づいて、ログイン情報をユーザ識別部205に入力する。ログイン情報としては、ユーザ個人を特定する情報(ID、パスワード、指紋などの生体情報等)や、ユーザの所属するグループ(部、課など)等を特定する情報(ID、パスワード等)が具体的に挙げられる。
ユーザ識別部205は、ログイン情報入力部201から入力されたログイン情報に基づいて、ユーザを識別する。具体的には、ログイン情報入力部201から入力されたログイン情報からMFP101において当該ユーザを識別できる固有の識別情報を抽出(または変換)する処理、あるいは図示しない対応テーブルを参照して、ログイン情報に対応した識別情報を取得する処理、などが実行される。さらにこのとき、MFP101の使用が許可されたユーザであるか否かの認証が行なわれてもよい。そして、ログインしたユーザの識別情報を、宛先検索部208に入力する。
宛先入力部202は、パネル25またはネットワーク103を介してPC102で行なわれたユーザの宛先設定操作に基づいて、宛先を示す情報を宛先判断部206に入力する。
宛先判断部206は、宛先入力部202から入力された宛先を示す情報に基づいて、設定された宛先が複数であるか否かを判断し、複数であると判断された場合に、宛先検索部208に、宛先を示す情報と共に宛先検索要求信号を入力する。
文書属性判断部207は、必要に応じて、送信する文書データの属性を判断し、属性を示す情報を宛先検索部208に入力する。また、送信された文書データの属性を判断し、属性を示す情報を送信文書記憶部203に入力する。ここで判断される属性は、文書データに付随しているファイル名、データ種類、データサイズ、バージョン情報、作成者や管理者に関する情報、作成時に関する情報、およびアクセス管理に関する情報などや、文書データを解析して得られるデータ内容などが含まれる。
ワンタッチキー登録部200は、ワンタッチキー(ワンタッチキー1,ワンタッチキー2,…)ごとに、当該ワンタッチキーに対応付けられた1つあるいは複数の宛先を記憶する。または、ワンタッチキーに、ログインしたユーザごとに1つあるいは複数の宛先が対応付けられて記憶されていてもよい。その場合、ワンタッチキー登録部200は、ワンタッチキーごとに、当該ワンタッチキーに対応付けられた1つあるいは複数の宛先とユーザの識別情報とを記憶する。
送信文書記憶部203は、当該MFP101において送信された文書データを記憶する。また、既送信、未送信に関わらずにイメージリーダ部30で読取られた文書データを記憶してもよい。また、NIC15を介してPC102などの他の装置から送信された文書データを記憶してもよい。また、送信結果(正常送信、エラー送信)に関わらずに送信指示の対象となった文書データを記憶してもよい。
さらに、送信文書記憶部203に記憶された文書データのうち文書の先頭ページに相当する文書データが先頭ページ記憶部2031に記憶され、文書属性判断部207から入力された送信された文書データの属性を示す情報が文書属性記憶部2032に記憶される。
宛先検索部208は、宛先判断部206から入力された宛先検索要求信号にしたがって、ユーザ識別部205から入力されたログインしたユーザの識別情報(あるいはユーザの所属するグループの識別情報)、宛先判断部206から入力された宛先を示す情報、および必要に応じて文書属性判断部207から入力された送信する文書データの属性を示す情報に基づいて、ワンタッチキー登録部200、送信履歴記憶部204、および必要に応じて文書属性記憶部2032を検索し、1つあるいは複数の宛先からなる宛先グループの候補を1以上抽出する。抽出された宛先グループの候補に関する情報は、宛先提示部209に入力される。
宛先提示部209は、宛先検索部208から入力された宛先グループの候補に関する情報に基づいて、パネル25またはNIC15を介したPC102のディスプレイ605に、所定の順番で候補である宛先グループを選択可能にユーザに提示するために表示させる処理を行なう。その際、宛先提示部209は、必要に応じて、送信履歴記憶部204を参照し、先頭ページ記憶部2031に記憶されている文書データを取得して処理に用いる。また、この処理は、パネル25またはネットワーク103を介してPC102で行なわれたユーザの指示操作に基づいた指示信号にしたがって進められてもよい。
図5は、MFP101内に記憶される送信履歴の具体例を示す図であって、図4の送信履歴記憶部204に記憶される送信履歴の具体例を示す図である。
図5を参照して、送信履歴としては、具体的に、文書データを送信したユーザや所定のグループの識別情報(ユーザ名等)と、当該文書データを特定する情報(データ名等)やデータの属性(図、テキスト等)と、当該文書データの送信先である1つあるいは複数の宛先と、当該文書データのうち文書の先頭ページに相当する文書データの先頭ページ記憶部2031での保存場所と、送信時に関する情報(送信日時等)とが対応付けられて記憶される。さらに、図5に示された例においては、送信結果(正常送信、送信エラー)に関わらずに送信履歴記憶部204に送信指示の対象となった文書データが記憶され、その場合、さらに、送信結果(正常送信、送信エラー)も対応付けられて記憶される。
なお、ネットワーク103を介してPC102から文書データを送信するための指示操作がなされてMFP101で文書データの送信が実行された場合、図5の送信履歴はPC102の送信履歴記憶部621に記憶される。または、MFP101の送信履歴記憶部204とPC102の送信履歴記憶部621との両方に記憶されてもよい。
図6および図7は、本実施の形態にかかるMFP101での宛先設定補助処理を含む文書データ送信処理を示すフローチャートである。図6および図7のフローチャートに示される処理は、図2のCPU10が記憶部20に記憶されるプログラムを読出して実行し、図4に示される各部を機能させることで実現される。
図6を参照して、当該処理は、図2のパネル25、またはNIC15を介したPC102によるユーザのログイン操作によってスタートする(ステップS1101)。
続いて、図2のパネル25、またはNIC15を介したPC102でユーザがMFP101から文書データを送信するために宛先を設定する操作を行なうと、図4の宛先入力部202において、入力された宛先を受付ける(ステップS1102)。
宛先判断部206は、宛先入力部202から入力された、ステップS1102で入力された宛先を示す情報に基づいて、入力された宛先が複数であるか否かを判断する(ステップS1103)。ここでの判断方法としては、第1の宛先入力の後に第2の宛先が入力される(第2の宛先の入力が完了する)と宛先が複数であると判断する方法(方法1)、第1の宛先入力の後に第2の宛先の第1文字目が入力されると宛先が複数であると判断する方法(方法2)、および第1の宛先入力の後に第1の宛先と第2の宛先との区切りであるカンマが入力されると宛先が複数であると判断する方法(方法3)がある。宛先判断部206においていずれの方法を採用してどの時点で宛先が複数であると判断させるかは、ユーザが任意に設定可能であるものとする。なお、ステップS1103における複数の宛先が設定されたか否かを判断する処理(複数設定判断処理)については後述する。
ステップS1103での処理の結果、ステップS1102で設定された宛先が1つであると判断された場合、すなわちユーザが第1の宛先設定後に文書データを送信するための指示操作を行なった場合(ステップS1104で「送信」)、ステップS1105以降の処理がステップS1110までスキップされて、指示された文書データが第1の宛先に対して送信される(ステップS1110)。
ステップS1103の処理の結果、ステップS1102で設定された宛先が複数であると判断された場合(ステップS1104で「複数設定」)、宛先検索部208は設定された複数の宛先を含む宛先グループを検索する(ステップS1105)。
ステップS1105の検索では、検索範囲が図5のような送信履歴である場合、さらに検索範囲を送信結果が正常送信である履歴に絞込んで正常送信した履歴から検索してもよい。または、文書属性判断部207において判断された送信する文書データの属性と送信履歴に含まれる文書データの属性とを比較して、属性の近い履歴に絞込んで属性の近い履歴から検索してもよい。たとえば、ある文書のVer.2の文書データを送信する際、送信履歴のうち、当該文書のVer.1の文書データの送信履歴に絞込んで検索してもよい。または、ある文書データをある宛先グループに送信した後に送信すべき宛先が抜けていたことが発覚し、前記宛先グループとは別に抜けていた宛先に対して追加で文書データを送信した場合、抜けていた宛先を前記宛先グループに含めた送信履歴から検索することが好ましい。または、検索範囲とする送信履歴は、MFP101の送信履歴記憶部204に記憶される送信履歴、PC102の送信履歴記憶部621に記憶される送信履歴、またはそれらの両方であってもよい。
なお、ステップS1105の検索処理については後述する。
ステップS1105の処理の結果、設定された複数の宛先を含む宛先グループが抽出された場合(ステップS1106でYES)、宛先提示部209は、ステップS1105で抽出された宛先グループの候補を、パネル25、またはNIC15を介したPC102のディスプレイ605に表示するための処理を行なう(ステップS1107)。
この状態で、パネル25またはNIC15を介したPC102から、アドレス帳などからさらに宛先を設定する操作、パネル25またはPC102のディスプレイ605に表示された宛先グループの候補の中から選択して送信を指示する操作などのユーザの指示操作を受付ける(ステップS1108)。
ステップS1108での指示操作が、宛先を編集する操作であって(ステップS1109で「宛先編集」)、宛先をさらに設定して追加する操作である場合、あるいは、パネル25またはPC102のディスプレイ605に表示された宛先グループの候補の中から所望の宛先グループが選択され、さらにその宛先グループに対して宛先を追加する操作である場合には(ステップS1109−1で「追加」)、処理がステップS1105に戻されて、ステップS1105からの設定された複数の宛先を含む宛先グループを検索する処理が繰返される(ステップS1105〜S1107)。
ステップS1109−1では、ステップS1103で宛先が複数であるか否かを判断する方法と同様の方法(たとえば方法1〜方法3等)で、宛先判断部206において宛先が追加されたか否かが判断される。具体的には、パネル25またはPC102のディスプレイ605に表示されているステップS1102で設定された宛先に対して、またはステップS1107で表示された宛先グループの中から選択された所望の宛先グループに対して、次の宛先が入力された場合、またはその後にカンマが入力されるなどさらに宛先を追加する意思を示すユーザ操作がなされた場合に、ステップS1109で宛先判断部206において宛先が追加されたと判断される。
ステップS1108での指示操作が、宛先を編集する操作であって(ステップS1109で「宛先編集」)、設定された宛先を削除する操作である場合(ステップS1109−1で「削除」)、処理がステップS1103に戻されて、ステップS1103からの処理が繰返される。
ステップS1108での指示操作が、パネル25またはPC102のディスプレイ605に表示された宛先グループの候補の中から所望の宛先グループが選択され、当該宛先グループに対して文書データの送信を指示する操作である場合(ステップS1109で「送信指示」)、図7を参照して、CPU10は選択された宛先グループに含まれる各宛先に対して、NIC15を介して対象の文書データを送信するための処理を行なう(ステップS1110)。
ステップS1105の処理の結果、設定された複数の宛先を含む宛先グループが抽出されなかった場合は(ステップS1106でNO)、上記ステップS1108と同様にユーザの指示操作を受付け(ステップS1108−1)、ステップS1108での指示操作が文書データの送信を指示する操作である場合には(ステップS1109−2で「送信指示」)、CPU10は設定された各宛先に対して対象の文書データを送信するための処理を行なう(ステップS1110)。また、宛先を編集する操作であって(ステップS1109−2で「宛先編集」)、宛先をさらに設定して追加する操作である場合(ステップS1109−3で「追加」)、すでに上記ステップS1105で、上記追加前に設定された複数の宛先を含む宛先グループが抽出されていないので上記ステップS1105の宛先グループ検索処理を繰返すことなく、追加された宛先をそのまま設定し、さらなるユーザ指示操作を受付ける(ステップS1108−1)。
一方、ステップS1108−1での指示操作が、宛先を編集する操作であって(ステップS1109−2で「宛先編集」)、設定された宛先を削除する操作である場合(ステップS1109−3で「削除」)、削除された残りの宛先を含む宛先グループは抽出される可能性があるので処理がステップS1103に戻されて、再度、ステップS1103からの処理が繰返される。
ステップS1110で文書データが送信されると、CPU10においてその送信が正常送信か否かが判断される(ステップS1111)。
ステップS1111で送信がエラー送信であると判断された場合(ステップS1111でNO)、その判断結果(エラー送信)が宛先と共に送信履歴記憶部621に記憶されて(ステップS1116)、一連の処理が終了する。
ステップS1111で送信が正常送信であると判断された場合(ステップS1111でYES)、その判断結果(正常送信)もまた宛先と共に送信履歴記憶部621に記憶される(ステップS1112)。なお、ステップS1116,S1112では、送信の指示操作がPC102からなされたものである場合、つまりログイン情報がPC102から送信された情報である場合、判断結果および宛先はPC102の送信履歴記憶部621に記憶されてもよい。
さらに、ステップS1111で送信が正常送信であると判断された場合(ステップS1111でYES)、文書属性判断部207において送信された文書データの属性を識別する処理が実行される(ステップS1113)。そして、文書属性判断部207において何らかの属性が識別された場合には(ステップS1113でYES)、識別された属性を示す情報が文書属性記憶部2032に記憶され、送信された文書データのうち文書の先頭ページに相当する文書データが先頭ページ記憶部2031に記憶される(ステップS1114)。識別された属性はステップS1112で送信履歴記憶部621に記憶された送信履歴に関連付けられる(ステップS1115)。
以上で一連の処理が終了する。
本実施の形態にかかるMFP101でこのような宛先設定補助処理が実行されることで、文書データの送信先として入力された宛先が複数であると判断されたときに、所定の検索範囲から入力された宛先を含む宛先グループの候補が抽出され、候補中から所望の宛先グループを選択することで前記宛先グループに含まれる入力された宛先以外の宛先も文書データの送信先として設定される。このため、送信先を設定し間違えたり、設定漏れしたり、余計な宛先を設定してしまったりという操作ミスを事前に防止でき、的確に複数の宛先が送信先として設定される。また、候補の中から所望の宛先グループを選択する操作で入力された宛先以外の宛先も送信先として設定されるため、複数の宛先を設定する際のユーザの宛先設定作業を軽減させることができる。
図8は、上記ステップS1103での設定された宛先が複数か否かを判断する処理(複数設定判断処理)の一例を示すフローチャートである。図8を参照して、上記ステップS1102で宛先入力部202において宛先を受付けると処理が開始され(ステップS1301)、CPU10において、宛先判断部206での判断方法として上記いずれの方法がユーザ設定されているかが判断される(ステップS1302)。
上記方法1が採用されている場合(ステップS1302で「方法1」)、第2の宛先が入力されると(ステップS1303で「入力」)、宛先が複数であると判断する(ステップS1306)、第2の宛先が入力される前にユーザから文書データの送信が指示されると(ステップS1303で「送信指示」)、宛先が複数ではないと判断する(ステップS1307)。
上記方法2が採用されている場合(ステップS1302で「方法2」)、第2の宛先の第1文字目が入力されると(ステップS1304で「入力」)、宛先が複数であると判断する(ステップS1306)、第2の宛先の第1文字目が入力される前にユーザから文書データの送信が指示されると(ステップS1304で「送信指示」)、宛先が複数ではないと判断する(ステップS1307)。
上記方法3が採用されている場合(ステップS1302で「方法3」)、第1の宛先入力の後に第1の宛先と第2の宛先との区切りであるカンマが入力されると(ステップS1305で「入力」)、宛先が複数であると判断する(ステップS1306)、カンマが入力される前にユーザから文書データの送信が指示されると(ステップS1305で「送信指示」)、宛先が複数ではないと判断する(ステップS1307)。
以上でステップS1103での複数設定判断処理が終了し、上記ステップS1104に処理が進む。
なお、上記例においては方法1〜3のいずれかの方法を採用して設定された宛先が複数か否かを判断するものとしたが、その他の方法を採用して判断することもできる。たとえば、後述する同報宛先が設定可能な場合、第1の同報宛先が入力されたとき、第1の同報宛先の第1文字目が入力されたとき、および同報宛先を入力するために同報宛先を入力するための設定済CC宛先表示部にカーソルが移動されたときなどユーザが同報宛先を入力する意思を示したとき、などに宛先が複数か否かを判断する方法も挙げられる。そのような場合も同様の処理が実行される。
図9は、ユーザが文書データを送信する宛先を設定する際の画面遷移の一例を示す図であって、ステップS1103で宛先判断部206において方法3を採用して設定された宛先が複数であるか否かを判断すると定められている場合、つまり第1の宛先の後にカンマが入力されたときに設定された宛先が複数であると判断すると定められている場合の画面遷移の具体例を示す図である。図9A〜図9Fに示される宛先設定画面1201〜1206は、MFP101のパネル25、またはMFP101から文書データを送信するためのアプリケーションが実行されたPC102のディスプレイ605に表示され、少なくとも、宛先を設定するための宛先設定ボタン121と、文書データの送信を指示するためのデータ送信ボタン122と、設定された宛先を表示する設定済宛先表示部123とを含んで構成される。
上記ステップS1101でログイン操作がなされて宛先設定補助処理を含む文書データ送信処理が開始されると宛先設定画面が表示される。
宛先設定ボタン121を押下するとアドレス帳が表示され、ユーザはその中から文書データの送信先とする宛先を選択することができる。選択された宛先は、設定済宛先表示部123に表示される。その状態でデータ送信ボタン122を押下すると、設定済宛先表示部123に表示された宛先に対して、文書データが送信される。
宛先設定画面において文書データの送信先として複数の宛先を設定するために設定済宛先表示部123に第1の宛先「宛先A」が入力された後にカンマ「,」が入力されると(図9Aの宛先設定画面1201)、上記ステップS1103で宛先判断部206において宛先が複数設定されるものと判断される。
宛先が複数設定されると判断された場合には(上記ステップS1104でYES)、上記ステップS1105で宛先検索部208において宛先Aを含む宛先グループが検索されて、上記ステップS1107で、抽出された宛先グループの候補に応じた選択可能なボタン124a〜124cが表示される(図9Bの宛先設定画面1202)。なお、このとき、候補として抽出される宛先グループは宛先として「宛先A」を含んでいればよく、ボタン124bに示されるように、「宛先A」が宛先の先頭にない宛先グループであっても候補として抽出される。
宛先設定画面1202において1つの宛先グループである「宛先B,宛先C,宛先A」からなる宛先グループが選択されると、選択された宛先グループを構成する各宛先が文書データの送信先として設定されて、設定済宛先表示部123に当該宛先グループを構成する宛先B,宛先C,宛先Aが表示される(図9Cの宛先設定画面1203)。
上記ステップS1108において、宛先設定画面1203の入力欄123に表示された宛先B,宛先C,宛先Aに続けて、さらに宛先を入力するためにカンマ「,」が入力されると(図9Dの宛先設定画面1204)、上記ステップS1109で宛先判断部206において宛先がさらに追加されるものと判断されて、上記ステップS1105で宛先検索部208において、現在選択されている宛先B,宛先C,宛先Aを含む宛先グループが検索され、上記ステップS1107で抽出された宛先グループの候補に応じた選択可能なボタン125a〜125cが表示される(図9Eの宛先設定画面1205)。なお、このとき、候補として抽出される宛先グループは宛先として「宛先B」と「宛先C」と「宛先A」とを含んでいればよく、ボタン125aに示されるように、宛先の順が「宛先B」,「宛先C」,「宛先A」でない宛先グループであっても候補として抽出される。
宛先設定画面1205において1つの宛先グループである「宛先B,宛先C,宛先A」からなる宛先グループが選択されると、選択された宛先グループが文書の送信先として設定される(図9Fの宛先設定画面1206)。
図10は、ユーザが文書データを送信する宛先を設定する際の画面遷移の一例を示す図であって、ステップS1103で宛先判断部206において方法2を採用して設定された宛先が複数であるか否かを判断すると定められている場合、つまり第1の宛先の後に第2の宛先の第1文字目が入力されたときに設定された宛先が複数であると判断すると定められている場合の画面遷移の具体例を示す図である。図10A〜図10Cに示される宛先設定画面1401〜1403は、MFP101のパネル25、またはMFP101から文書データを送信するためのアプリケーションが実行されたPC102のディスプレイ605に表示され、少なくとも、宛先設定ボタン141と、データ送信ボタン142と、設定済宛先表示部143とを含んで構成される。
宛先設定画面において文書データの送信先として設定済宛先表示部123に第1の宛先「abc@co.jp」が入力された後に、第2の宛先の第1文字目「e」が入力されると(図10Aの宛先設定画面1401)、上記ステップS1103で宛先判断部206において宛先が複数設定されるものと判断される。
宛先が複数設定されると判断された場合には(上記ステップS1104でYES)、上記ステップS1105で宛先検索部208において第1の宛先「abc@co.jp」と、第1文字目が「e」である宛先とを含む宛先グループが検索されて、上記ステップS1107で、抽出された宛先グループの候補に応じた選択可能なボタン144a〜144cが表示される(図10Bの宛先設定画面1402)。このときも、候補として抽出される宛先グループは宛先として「abc@co.jp」と第1文字目が「e」である宛先とを含んでいればよく、ボタン144cに示されるように、宛先の順が「abc@co.jp」,第1文字目が「e」である宛先でない宛先グループであっても候補として抽出される。
宛先設定画面1402において、「oza@co.jp」と「ef@co.jp,abc@co.jp」とからなる宛先グループが選択されると、選択された宛先グループが、登録されている順で文書の送信先として設定される(図10Cの宛先設定画面1403)。
本実施の形態にかかるMFP101でこのような複数設定判断処理が実行されることで、ユーザが2つ目の宛先を入力した段階、または2つ目の宛先を入力する意思を示した段階(2つ目の宛先の第1文字目を入力した段階、2つ目の宛先を入力するために1つ目の宛先の入力の後にカンマを入力した段階)で設定される宛先が複数であることが判断されるので、ユーザ操作が開始してから早い段階で宛先設定補助処理が開始される。そのため、ユーザ操作がまだ少ない段階で宛先グループの候補を表示させることができ、ユーザの宛先設定作業を軽減させることができる。
図11は、上記ステップS1105での宛先グループを検索する処理(宛先グループ検索処理)の一例を示すフローチャートである。図11を参照して、上記ステップS1103の複数設定判断処理の結果、設定された宛先が複数である場合に処理が開始され(ステップS1501)、宛先検索部208において、宛先入力部202で入力された宛先を読込む(ステップS1502)。
続いて、ユーザ識別部205からログインしたユーザや当該ユーザの属するグループ(部や課など)の識別情報を取得し(ステップS1503)、MFP101の送信履歴記憶部204より、送信者がそのユーザ(またはそのユーザの属するグループ)で、送信結果が正常送信である送信履歴を読出して検索範囲1とする(ステップS1504)。
続いて、ステップS1053で取得した識別情報よりそのユーザ(またはそのユーザの属するグループ)に関連付けられているPC102にアクセスし、PC102の送信履歴記憶部621より、送信結果が正常送信である送信履歴を読出して検索範囲2とする(ステップS1505)。
続いて、ワンタッチキー登録部200にワンタッチキーに対応付けられた宛先が登録されている場合(ステップS1506でYES)、登録されている宛先を読出して検索範囲3とする(ステップS1507)。
次に、ステップS1502で読込んだユーザ設定された宛先を検索キー1とする(ステップS1508)。
続いて、文書属性判断部207において送信する文書データの属性が識別可能な場合には(ステップS1509でYES)、文書属性判断部207において識別された文書属性を取得して検索キー2とする(ステップS1510)。なお、検索キー2については、文書属性判断部207において識別された文書属性そのものに限定されず、識別された文書属性と関連あるものも含めてもよい。
そして、検索範囲1,2,3に対して検索キー1,2を用いて検索し、該当する宛先グループを抽出する(ステップS1511)。なお、検索キー1として、入力された複数の宛先が用られる場合、ステップS1511では、その入力順によらないでそれら複数の宛先が含まれる宛先グループが抽出される。
以上でステップS1105での宛先グループ検索処理が終了し、その検索結果に応じて上記ステップS1107またはステップS1108に処理が進む。
なお、上記例においては、検索範囲1,2,3に対して検索キー1,2を用いて検索するものとしたが、上記検索範囲1,2,3のいずれか1つまたは2つを検索としてもよい。また、上記検索範囲1,2,3の順を優先順位とし、優先順位の高い検索範囲から宛先グループが抽出されなかった場合に、次の順位の検索範囲に対する検索が実行されてもよい。また、上記具体例以外の範囲が検索範囲として設定されてもよい。検索キー1,2についても同様である。
本実施の形態にかかるMFP101でこのような宛先グループ検索処理が実行されることで、ログイン情報に基づいた送信履歴やワンタッチキー登録など、ユーザが送信先として設定する可能性が高い範囲から宛先グループの候補が抽出されるので、選択の可能性の高い宛先グループの候補を表示させることができる。また、検索キーとして入力された宛先や送信する文書データの属性を用いて検索するので、選択の可能性の高い宛先グループの候補を表示させることができる。そのため、ユーザの宛先設定作業を軽減させることができる。
図12は、上記ステップS1107での宛先グループの候補表示処理の一例を示すフローチャートである。図12を参照して、上記ステップS1105での宛先グループ検索処理の結果、該当する宛先グループの候補が抽出された場合に処理が開始される(ステップS1701)。
ステップS1105の宛先グループ検索処理によって、ワンタッチキー登録部200に登録されている宛先の中から宛先グループの候補が抽出された場合、つまり、上記検索範囲3から抽出された宛先グループの候補がある場合(ステップS1702でYES)、宛先提示部209は、ワンタッチキー登録部200においてその宛先グループの候補に対応付けられているワンタッチキーをMFP101のパネル25、またはMFP101から文書データを送信するためのアプリケーションが実行されたPC102のディスプレイ605に表示する処理を行なう(ステップS1703)。
さらに、他の検索範囲からも宛先グループの候補が抽出された場合、つまり、上記検索範囲2(MFP101の送信履歴記憶部204)および/または上記検索範囲3(PC102の送信履歴記憶部621)から抽出された宛先グループの候補がある場合(ステップS1704でYES)、宛先グループの候補が、送信する文書データの文書属性を検索キー(上記検索キー2)として抽出された送信履歴に対応付けられたものであって(ステップS1705でYES)、その送信履歴に先頭ページが対応付けられて先頭ページ記憶部2031に記憶されている場合(ステップS1706でYES)、宛先提示部209は、抽出された送信履歴に対応付けられている宛先グループとその送信履歴に対応付けられている先頭ページのプレビューとをMFP101のパネル25、またはMFP101から文書データを送信するためのアプリケーションが実行されたPC102のディスプレイ605に表示する処理を行なう(ステップS1707)。その送信履歴に先頭ページが対応付けられていない場合には(ステップS1706でNO)、宛先提示部209は、抽出された送信履歴に対応付けられている宛先グループをMFP101のパネル25、またはMFP101から文書データを送信するためのアプリケーションが実行されたPC102のディスプレイ605に表示する処理を行なう(ステップS1708)。
ステップS1105の宛先グループ検索処理によって上記検索範囲2および/または上記検索範囲3から抽出された宛先グループが1つの場合には(ステップS1709でNO)、宛先提示部209は、抽出された宛先グループをMFP101のパネル25、またはMFP101から文書データを送信するためのアプリケーションが実行されたPC102のディスプレイ605に表示する処理を行ない(ステップS1711)、複数の宛先グループが抽出された場合には(ステップS1709でYES)、その送信履歴の新しい順に並べ替えて、最新の送信履歴の宛先グループから順にMFP101のパネル25、またはMFP101から文書データを送信するためのアプリケーションが実行されたPC102のディスプレイ605に表示する処理を行なう(ステップS1710)。
以上でステップS1107での宛先グループの候補表示処理が終了し、ステップS1108のユーザからの指示操作を待機する。
図13は、ユーザが文書データを送信する宛先を設定する際の画面遷移の一例を示す図であって、ステップS1105の宛先グループ検索処理において、ワンタッチキー登録範囲(検索範囲3)、およびMFP101の送信履歴記憶部204(検索範囲2)またはPC102の送信履歴記憶部621(検索範囲3)から複数の宛先グループの候補が抽出された場合の画面遷移の具体例を示す図である。図13A〜図13Dに示される宛先設定画面1601〜1604は、MFP101のパネル25、またはMFP101から文書データを送信するためのアプリケーションが実行されたPC102のディスプレイ605に表示され、少なくとも、宛先設定ボタン161と、データ送信ボタン162と、設定済宛先表示部163とを含んで構成される。
上記ステップS1103で宛先判断部206において方法1を採用して設定された宛先が複数であるか否かを判断すると定められている場合、つまり第1の宛先に続いて第2の宛先が入力されたときに設定された宛先が複数であると判断すると定められている場合、設定済宛先表示部163に第1の宛先「宛先A」に続いて第2の宛先「宛先B」が入力されると(図13Aの宛先設定画面1601)、上記ステップS1103で宛先判断部206において宛先が複数設定されたと判断され、ステップS1105で宛先グループ検索処理が実行される。
ステップS1105の宛先グループ検索処理の結果、ワンタッチキー登録部200に登録されている宛先の中(検索範囲1)から宛先Aおよび宛先Bを含む宛先グループの候補が抽出された場合(上記ステップS1702でYES)、上記ステップS1703では、宛先設定画面に、宛先グループの候補に対応付けられているワンタッチキー1〜3に応じた選択可能なボタン164a〜164cが表示される(図13Bの宛先設定画面1602)。
ユーザは、宛先設定画面1602に表示されたボタン164a〜164cの中から所望の宛先グループが登録されているワンタッチキーを選択する、ボタン164a〜164cのいずれも選択せず(ワンタッチキー1〜3のいずれも選択せず)にアドレス帳などから宛先を追加する、またはその状態でデータ送信ボタン162を押下して文書データの送信を指示するなどの操作ができる。
さらに、ステップS1105の宛先グループ検索処理の結果、MFP101の送信履歴記憶部204(検索範囲2)および/またはPC102の送信履歴記憶部621(検索範囲3)から宛先Aおよび宛先Bを含む宛先グループの候補が抽出され(上記ステップS1705でYES)、その送信履歴に先頭ページが対応付けられて先頭ページ記憶部2031に記憶されている場合(ステップS1706でYES)、上記ステップS1707では、宛先設定画面に、送信履歴に対応付けられている宛先グループに応じた選択可能なボタン165a〜165cがその送信履歴に対応付けられている先頭ページ(文書1〜文書3)のプレビューと共に表示される(図13Cの宛先設定画面1603)。
ユーザは、宛先設定画面1603に表示された先頭ページの文書を参考にして、ボタン165a〜165cの中から所望の宛先グループを選択する、ボタン165a〜165cのいずれも選択せずにアドレス帳などから宛先を追加する、または戻るボタンで図13Bの宛先設定画面1602に戻るなどの操作ができる。
さらに、ステップS1105の宛先グループ検索処理の結果、検索範囲2および/または検索範囲3から宛先Aおよび宛先Bを含む宛先グループの候補が複数抽出された場合(上記ステップS1709でYES)、上記ステップS1710では送信履歴の新しい順に並べ替えられ、宛先設定画面に、送信履歴に対応付けられている宛先グループに応じた選択可能なボタン166a〜166cが最新の送信履歴の宛先グループから順に表示される(図13Dの宛先設定画面1604)。
ユーザは、宛先設定画面1604に送信履歴の新しい順に表示された宛先グループの候補に応じたボタン166a〜166cの中から所望の宛先グループを選択する、ボタン166a〜166cのいずれも選択せずにアドレス帳などから宛先を追加する、またはその状態でデータ送信ボタン162を押下して文書データの送信を指示するなどの操作ができる。
なお、宛先設定画面1602から宛先設定画面1603、宛先設定画面1603から宛先設定画面1604へは、所定時間経過後に自動的に画面が遷移してもよいし、図13C宛先設定画面1603に示されているように、戻るボタンや進むボタンなどを表示して、ユーザ操作にしたがって画面が遷移してもよい。
本実施の形態にかかるMFP101でこのような宛先グループの候補表示処理が実行されることで、ユーザが送信先として設定する可能性が高い順に宛先グループの候補が表示される。また、過去にその宛先グループに対して送信された文書データの一部と共に表示される。このため、ユーザの宛先設定作業を軽減させることができる。
一般に、オフィス間で文書を送信する場合には、宛先の職務階層(社長、部長、課長、…)に応じて上位の階層から順に設定していくことが多い。そのため、複数の宛先を設定することに加えてその設定順を考慮する必要があり、ユーザの負担が大きくなっていた。本実施の形態にかかるMFP101でこのような宛先グループの候補表示処理が実行されることで、抽出された宛先グループの候補の中から所望の宛先を選択して送信先として設定する際に、宛先の順が以前送信したときの宛先の順(履歴の順)で設定される。そのため、ユーザは宛先の順を気にすることなく、思いついた宛先や入力しやすい宛先から入力することができ、ユーザの負担を小さくすることができる。
図14は、図11の上記ステップS1105での宛先グループ検索処理の変形例を示すフローチャートである。図14を参照して、図11のステップS1501〜S1507が実行されて検索範囲1〜3が設定されると、続いて、宛先判断部206においてステップS1502で読込んだユーザ設定された宛先に同報宛先が設定されているか否かが判断され(ステップS1512)、同報宛先が設定されている場合には(ステップS1512でYES)、ユーザ設定された宛先および同報宛先を検索キー2とする(ステップS1513)。同報宛先が設定されていない場合、つまりTO宛先だけ設定されている場合には(ステップS1512でNO)、上述のように、ステップS1502で読込んだユーザ設定された宛先を検索キー1とする(ステップS1508)。
以降、図11に示された処理と同様の処理が実行される。
図15は、ユーザが文書データを送信する宛先を設定する際の画面遷移の一例を示す図であって、上記変形例に示された宛先グループ検索処理が実行されて宛先グループの候補が抽出された場合の画面遷移の具体例を示す図である。図15A,図15Bに示される宛先設定画面1801,1802は、MFP101のパネル25、またはMFP101から文書データを送信するためのアプリケーションが実行されたPC102のディスプレイ605に表示され、少なくとも、宛先設定ボタン181と、データ送信ボタン182と、設定済TO宛先表示部183と、設定済CC宛先表示部183とを含んで構成される。
宛先設定画面において、文書データの送信先として設定済TO宛先表示部183に第1の宛先「宛先A」が入力され、設定済CC宛先表示部183に第1の同報宛先「宛先B」が入力されると(図15Aの宛先設定画面1801)、上記ステップS1103で宛先判断部206において宛先が複数設定されたと判断される。
このとき、上記ステップS1513ではTO宛先の宛先AおよびCC宛先の宛先Bが検索キー3に設定されてステップS1511で上記検索範囲2(MFP101の送信履歴記憶部204)および/または上記検索範囲3(PC102の送信履歴記憶部621)が検索され、TO宛先に宛先AおよびCC宛先に宛先Bを含む宛先グループの候補が抽出される。上記ステップS1107では、宛先グループの候補に対応付けられた選択可能なボタン186a,186bが選択可能に表示される(図15Bの宛先設定画面1802)。
ユーザは、宛先設定画面1802に表示されたボタン186a,186bの中から所望の宛先グループを選択する、ボタン186a,186bのいずれも選択せずにアドレス帳などから宛先を追加する、またはその状態でデータ送信ボタン182を押下して文書データの送信を指示するなどの操作ができる。
本実施の形態にかかるMFP101で変形例に示されたような宛先グループ検索処理が実行されることで、ユーザが送信先として設定する可能性のより高い宛先グループの候補が抽出される。このため、ユーザの宛先設定作業をより軽減させることができる。
上述の実施の形態においては、データ送信装置としてMFPを例示したが、本発明にかかるデータ送信装置はMFP以外で実現されてもよい。たとえば、ファクシミリ、ネットワーク機能を有するスキャナやプリンタによっても本発明にかかるデータ送信装置を実現することができる。
また、上述の実施の形態においては、送信対象のデータとして文書データを例示したが、本発明にかかるデータ送信装置は文書データを含むすべてのデータを送信対象とする。たとえば、画像データ、音声データ、メールデータ、メールデータに添付されるファイルなどが本発明にかかるデータ送信装置において送信対象となる。そのため、本発明にかかるデータ送信装置は文書データ以外のデータを送信可能な装置で実現されてもよい。たとえば、ネットワーク機能を有するパーソナルコンピュータやPDA(Personal Digital Assistants)、携帯電話、携帯通信端末によっても本発明にかかるデータ送信装置を実現することができる。
さらに、上述のデータ送信装置において実行される宛先設定補助方法を、宛先設定補助プログラムとして提供することもできる。
上述の実施の形態においては、宛先設定補助プログラムを実行させて、文書データを送信する際の、ユーザの宛先の設定を補助する方法を例示したが、本発明にかかる宛先設定補助プログラムを実行させることで、文書データを含むすべてのデータを送信する際の、ユーザの宛先の設定を補助できるものとする。たとえば、方法が本発明にかかる宛先設定補助プログラムを実行させることで、画像データ、音声データ、メールデータ、メールデータに添付されるファイルなどを送信する際の、ユーザの宛先の設定を補助できるものとする。
宛先設定補助プログラムは、コンピュータに付属するフレキシブルディスク、CD−ROM、ROM、RAMおよびメモリカードなどのコンピュータ読取り可能な記録媒体にて記録させて、プログラム製品として提供することもできる。あるいは、コンピュータに内蔵するハードディスクなどの記録媒体にて記録させて提供することもできる。また、ネットワークを介したダウンロードによって提供することもできる。また、メール送受信用のプログラムなどの他のプログラムに組込まれて提供されてもよい。
提供されるプログラム製品は、ハードディスクなどのプログラム格納部にインストールされて実行される。なお、プログラム製品は、プログラム自体と、プログラムが記録された記録媒体とを含む。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
10,601 CPU、15 NIC、20 記憶部、25 パネル、30 イメージリーダ部、35 プリンタ部、40 センサ部、101 MFP、102,102a,102b PC、201 ログイン情報入力部、202 宛先入力部、203 送信文書記憶部、204,621 送信履歴記憶部、205 ユーザ識別部、206 宛先判断部、207 文書属性判断部、605 ディスプレイ、607 LANまたはモデムカード、609 入力装置、611 フレキシブルディスクドライブ、613 CD−ROMドライブ、613a CD−ROM、615 ハードディスクドライブ、617 RAM、619 ROM、621 送信履歴記憶部、2031 先頭ページ記憶部、2032 文書属性記憶部、F フレキシブルディスク。