JP4378877B2 - Hydraulic control valve and fuel injection valve - Google Patents

Hydraulic control valve and fuel injection valve Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、圧電または磁歪アクチュエータを用いた油圧制御弁、およびこの油圧制御弁を内蔵する内燃機関の燃料噴射弁に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ディーゼルエンジンのコモンレール式燃料噴射システムでは、各気筒に共通のコモンレール(蓄圧室)を設けて、高圧ポンプから圧送される高圧燃料を蓄圧し、所定の噴射時期に各気筒に燃料を噴射している。その燃料噴射弁に、近年、応答性の良好な圧電アクチュエータを駆動源とし、油圧を介して弁体を駆動する油圧制御弁を用いることが提案されている。かかる油圧制御弁は、例えば、圧電アクチュエータの伸縮に伴って変位する大径ピストンと小径ピストンの間に作動油を充填した変位拡大室を備え、大径ピストンの変位を変位拡大室および小径ピストンにより拡大して弁体に伝達する。
【0003】
弁体は、コモンレールに連通する高圧ポートとドレーン通路に連通する低圧ポートのいずれか一方を選択的に閉鎖し、燃料噴射弁のノズルニードルの背圧を制御する。すなわち、弁体が低圧ポートを開いて高圧ポートを閉じると、ノズルニードルに背圧を与える制御室の圧力が低下し、ノズルニードルが上昇して噴孔から燃料が噴射される。一方、弁体が高圧ポートを開いて低圧ポートを閉じると、制御室の圧力が再び上昇してノズルニードルが下降し、燃料噴射が停止される。
【0004】
ところで、コモンレール式燃料噴射システムでは、エンジンの運転状態に応じた燃料噴射を行うために、燃料噴射圧力(コモンレール圧力)と燃料噴射率(単位時間当たりの燃料噴射量)の制御性を向上させることが重要である。コモンレール圧力については、通常、高圧供給ポンプからコモンレールへの圧送量によって調整され、急な減圧要求に対してはコモンレールに設けた減圧弁によって対応しているが、専用の減圧弁を設けず、油圧制御弁を介して減圧制御を行うことが検討されている。これは、ノズルニードルが閉弁を保持した状態で、油圧制御弁の弁体を低圧ポートと高圧ポートの中間のリフト位置(ハーフリフト)までリフトさせ、コモンレールの燃料をドレーン通路へ逃がすことにより可能になる。また、燃料噴射率についても、弁体をハーフリフト可能とすることによって、制御室の圧力の制御が容易になるので、少量の燃料噴射等を精度よく行い、燃料噴射弁の性能向上が期待できる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の燃料噴射弁では、高圧ポートの燃料圧を受けている弁体を低圧ポートからリフトさせるために大きなエネルギーを必要とし、しかも弁体が一旦リフトすると、燃料圧がリフト方向にも作用することから、弁体をハーフリフト位置に安定して制御することは、極めて難しい。従って、現状では、上記構成の油圧制御弁を適用した燃料噴射弁においてハーフリフト制御を行うことは困難であった。
【0006】
本発明の目的は、圧電アクチュエータを用いた油圧制御弁において、安定したハーフリフト制御を可能にし、燃料噴射弁の噴射率制御やコモンレールの減圧制御の制御性を向上させることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の油圧制御弁は、圧電または磁歪アクチュエータの変位を油圧に変換し、該油圧を増減させることによって弁体を駆動して、該弁体により高圧通路に連通する高圧ポートと低圧通路に連通する低圧ポートのいずれか一方を選択的に閉鎖するものである。この油圧制御弁は、上記アクチュエータにエネルギーを供給した時に上記低圧ポートを開いて上記高圧ポートを閉じ、該エネルギーを放出した時に上記高圧ポートを開いて上記低圧ポートを閉じる構成としてあり、かつ上記低圧ポートを開く時に必要なエネルギーよりも、上記高圧ポートを閉じる時に必要なエネルギーを大きくしたことを特徴とする。
【0008】
上記構成において、上記アクチュエータに、上記弁体が上記低圧ポートを開くのに必要なエネルギーを供給すると、上記弁体がリフトして高圧ポート方向へ移動を開始する。ところが、このエネルギーは、上記高圧ポートを閉じる時に必要なエネルギーよりも小さいため、上記弁体は上記高圧ポートを閉じることはできない。つまり、上記アクチュエータに供給するエネルギーを、上記高圧ポートを閉じる時に必要なエネルギーより低い適正値に設定すれば、上記弁体を上記低圧ポートと上記高圧ポートの間に保持するハーフリフトが可能となり、上記アクチュエータへのエネルギーの供給量または印加電圧にて、ハーフリフトのリフト量が安定して制御できる。
【0009】
請求項1において、上記油圧制御弁は、具体的には、上記アクチュエータの変位によって油圧を増減させる油圧室と、該油圧室の油圧を受けて上記弁体を駆動するピストン部材を有する。そして、上記低圧ポートのシート面積をSL (mm2 )、上記高圧ポートのシート面積をSH (mm2 )、上記油圧室の容積をV(mm3 )、上記油圧室内の作動油の体積弾性率をγ(Kg/mm2 )、上記ピストン部材の受圧面積をs(mm2 )、上記弁体が上記低圧シートから上記高圧シートに移動するためのリフト量をL(mm)、上記高圧通路の圧力をP(Kg/mm2 )とした時に、下記式
H ・P・L+1/2・(SH ・P/s)2 ・V/γ
>1/2・(SL ・P/s)2 ・V/γ
の関係にあるように、各部材を構成する。
【0010】
上記油圧制御弁において、上記高圧ポートを閉鎖するために必要なエネルギーは、SH ・P・L+1/2・(SH ・P/s)2 ・V/γで表される。一方、上記低圧ポートを開放するために必要なエネルギーは、1/2・(SL ・P/s)2 ・V/γとなる。従って、SH ・P・L+1/2・(SH ・P/s)2 ・V/γ>1/2・(SL ・P/s)2 ・V/γが成立するように、上記油圧制御弁を構成すれば、上記効果が確実に得られる。
【0011】
請求項のように、具体的には、上記アクチュエータに、上記弁体が上記低圧ポートを開く時に必要なエネルギー以上であり、上記高圧ポートを閉じる時に必要なエネルギーよりも小さいエネルギーを供給することにより、上記弁体をハーフリフト位置に制御することができる。
【0012】
請求項の発明は、請求項1または2記載の油圧制御弁を備える燃料噴射弁であり、上記弁体の駆動によってノズルニードルに作用する油圧を制御することにより燃料噴射の開始および停止を制御する。上記油圧制御弁を適用することによって、ハーフリフトによる燃料噴射率制御、コモンレール圧力の減圧制御が容易になり、高性能の燃料噴射弁が実現できる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施の形態を図面に従って説明する。図1は、本発明を適用した油圧制御弁1を備える燃料噴射弁Vの構成を示す図で、例えば、ディーゼルエンジンのコモンレール噴射システムに好適に使用される。燃料噴射弁Vは、ノズルボディB1の先端に設けた噴孔11をノズルニードル12の上下動により開閉して、燃料の噴射を開始ないし停止する。噴孔11は、ノズルニードル12が上端位置にある時に開となり、高圧通路3に続く燃料溜まり31と導通して燃料が供給される一方、ノズルニードル12が下端位置にある時は閉となり、燃料溜まり31との導通が遮断されて燃料の供給が停止される。ノズルニードル12の下端位置は、ノズルニードル12が着座するノズルシート13によって決定され、上端位置はノズルボディB1上方のオリフィスプレートP1によって決定される。
【0014】
ノズルボディB1は、バルブ駆動装置1のハウジングHの下端にオリフィスプレートP1、P2を介して配設され、筒状のノズルホルダB2にて油密に固定される。高圧通路3は、燃料溜まり31から上方へ延び、オリフィスプレートP1、P2およびハウジングH内を経て外部のコモンレール(図略)に連通している。ハウジングH内には、また、外部の燃料タンク(図略)に連通する燃料戻し用の低圧通路としてのドレーン通路2が形成されている。ノズルニードル12の上端部とオリフィスプレートP1の間には、制御室4が形成され、ノズルニードル12は、制御室4内に配したスプリング41のばね力と制御室4の油圧によって常に閉方向(下方)へ付勢されている。
【0015】
制御室4の油圧は、油圧制御弁1の一部をなす3方弁5によって制御される。3方弁5は、ハウジングHの下端に形成した略円錐形の弁室51と略球形の弁体52からなり、弁室51はオリフィスプレートP1、P2を貫通する通路とその下端に設けたメインオリフィス42を介して制御室4と常に連通している。弁室51は、低圧ポートであるドレーンポート21と高圧ポート32の2つのポートを有し、弁室51内の弁体52が上方または下方に移動して上記2つのポートの一方を選択的に閉塞すると、他方が開放されて制御室4と導通する。ドレーンポート21は弁室51上方に設けたスピル室22を介してドレーン通路2に連通し、オリフィスプレートP2を上下に貫通する高圧ポート32は、オリフィスプレートP2下端面に径方向に設けた溝33を介して高圧通路3に連通している。
【0016】
よって、弁体52がドレーンポート21を開いて高圧ポート32を閉じると、制御室4の燃料が弁室51からドレーンポート21を経て流出する。これにより、制御室4の圧力が低下してノズルニードル12の開弁圧以下となると、ノズルニードル12がノズルシート13から離れて燃料が噴射される。一方、弁体52が高圧ポート32を開いてドレーンポート21を閉じると、高圧ポート32から流入する燃料で制御室4の圧力が上昇し、ノズルニードル12が下降してノズルシート13に着座する。
【0017】
なお、制御室4は、高圧ポート32の下端に連通させてオリフィスプレートP1に設けたサブオリフィス43によって、3方弁5を介さずに高圧通路3と常に連通している。このサブオリフィス43は、高圧通路3からサブオリフィス43を経て制御室4に燃料を流入させることによって、噴射開始時には制御室4の圧力低下を緩和してノズルニードル12を緩やかに開弁させ、噴射終了時には圧力上昇を促進してノズルニードル12を迅速に閉弁させる作用がある。
【0018】
ここで、ドレーンポート21の弁室51への開口部は、円錐形状のドレーンシート53を形成しており、高圧ポート32の弁室51への開口部は、フラット形状の高圧シート54を形成している。このように一方をフラット形状とするのは、弁体52の軸ずれを許容するためである。弁体52は、いずれかのシート53、54に着座することにより対応するポートを閉塞するが、弁室51の圧力は常にドレーンポート21の圧力より高いため、弁体52はドレーンシート53に着座しているのが常態である。高圧シート54への着座力は、油圧制御弁1の小径ピストン18によって与えられる。次に、油圧制御弁1の詳細について説明する。
【0019】
油圧制御弁1は、ハウジングHの上端部内に収容される圧電アクチュエータ14を駆動源として有している。圧電アクチュエータ14の変位は、その下端に接して一体に設けたピエゾピストン15に伝達され、さらに大径ピストン17および油圧室である変位拡大室6を介してピストン部材である小径ピストン18に伝達される。圧電アクチュエータ14は公知の構成で、PZT等の圧電体を積層してなり、外部からエネルギーを供給することによって伸長し、注入されたエネルギーを放出することによって収縮して、ピエゾピストン15を駆動する。ピエゾピストン15は、ピエゾシリンダH1内に摺動自在に配設され、細径のロッド16によって大径ピストン17に連結されている。大径ピストン17および小径ピストン18は、シリンダ形成部材H2に同軸的に形成した大径シリンダH3、小径シリンダH4内にそれぞれ摺動自在に配設され、ロッド16は大径ピストン17の上面より上方に延びて、ピエゾピストン15の下面に圧入固定される。
【0020】
ピエゾピストン15下方の、ロッド16周りに形成される空間は、ドレーン通路2に連通する油溜まり室7となしてあり、スプリング71が収容されてピエゾピストン15を上方に付勢している。同時に、ピエゾピストン15と一体に連結される大径ピストン17もスプリング71によって上方に付勢される。これにより、ピエゾピストン15および大径ピストン17は、圧電アクチュエータ14の伸縮に応じて一体に上下動する。なお、ピエゾピストン15の外周には、油溜まり室62内の作動油が圧電アクチュエータ14を汚染するのを防止するためにOリング73が設けられる。また、油溜まり室7をドレーン通路2に連通させるための通路は、ハウジングH側壁から径方向に油溜まり室7に貫通穴を形成した後、盲栓74で閉鎖することにより形成される。
【0021】
シリンダ形成部材H2は、小径ピストン18の上部に縮径部を有し、小径ピストン18の上方への移動を規制するストッパ61を形成している。大小シリンダH3、H4は、この縮径部を介して連通しており、縮径部と小径ピストン18の間に形成される油圧室A、および大径ピストン17との間に形成される油圧室Bによって変位拡大室6が形成される。変位拡大室6は、圧電アクチュエータ14の変位を油圧変換し、大小ピストン17、18の径差に応じて増幅して(例えば、大径ピストン17の変位の2〜3倍)、小径ピストン18に伝達する。小径ピストン18の下端部は、シリンダ形成部材H2の下方に形成されるスピル室22内に位置し、細径の先端部がドレーンポート21内に挿通されて弁体52に当接している。
【0022】
大径ピストン18内には、軸方向に通路72が設けられ、通路72の上端はロッド16の基端部内に延びてT字形に分岐し、油溜まり室7に開口している。通路72の下端は、大径ピストン18の下端面に開口し、大径ピストン18の下端に装着した逆止弁8を介して変位拡大室6に連通するようになっている。逆止弁8は、変位拡大室6の燃料がリーク等により減少した時に、油溜まり室7から変位拡大室6へ燃料を補充するためのもので、通路72の下端開口を閉鎖するフラット弁81と、フラット弁81を上方に付勢する皿バネ82からなる。これらフラット弁81と皿バネ82は、大径ピストン18の下端部外周に圧入固定される有底筒状のホルダ83内に収納保持される。ホルダ83底面には貫通穴85が設けられ、ホルダ83内空間と変位拡大室6の間で燃料は自由に流通する。
【0023】
フラット弁81は、円盤状の薄板(厚さ:0.1〜0.2mm)の上下2箇所を平行に切り欠いたもので、中心にピンホール84(直径:0.02〜0.5mm)を設けている。このピンホール84により、燃料噴射中に通電回路に異常が発生しても変位拡大室6の燃料を油溜まり室7へリークさせることができるため、燃料噴射を停止することができる。また、燃料噴射弁Vの組み立て後に、ピンホール84を介して変位拡大室6を容易に真空にし、燃料を充填することができるので、空気が残って不具合を生じることがない。
【0024】
上記構成の燃料噴射弁の作動を説明する。弁体52をフルリフトさせる通常の燃料噴射制御時には、燃料噴射の開始に当たり、圧電アクチュエータ14にドレーンポート21を開としかつ高圧ポート32を閉とするために十分な電圧(例えば100〜150V)が印加される。圧電アクチュエータ14は電圧に比例した変位(例えば40μm)を生じて、ピエゾピストン15、大径ピストン17を同じ変位量だけ下方に移動させ、変位拡大室6の油圧を上昇させる。この変位拡大室6の油圧上昇により小径ピストン18が下降し、弁体52をドレーンシート53から押し下げてリフトさせ、高圧シート54に着座させる。この時、弁体52のリフトは、圧電アクチュエータ14の変位に対しておおよそ大径ピストン17と小径ピストン18の面積比(例えば2倍)だけ拡大される。
【0025】
弁体52のリフトに伴ってドレーンポート21が開き、次いで高圧ポート32が閉じるために、弁室51の圧力が低下する。弁室51と連通する制御室4の圧力が低下し、ノズルニードル12に上向きに作用する燃料溜まり31の油圧力が、制御室4の油圧力およびスプリング41のバネ力に勝ると、ノズルニードル12がノズルシート13からリフトし、燃料の噴射が開始される。
【0026】
燃料噴射の停止に当たっては、圧電アクチュエータ14の電荷を放出させることによってその電圧をゼロにする。この間に、圧電アクチュエータ14は、電圧印加時の変位量だけ収縮して元の長さに戻り、ピエゾピストン15がスプリング71に付勢されて上昇する。ロッド16によりピエゾピストン15と連結されている大径ピストン17もピエゾピストン15とともに上昇し、変位拡大室6の油圧を低下させる。変位拡大室6の油圧低下により小径ピストン18は、弁体52を高圧ポート32の高圧に逆らって高圧シート54に押し付ける力を失い、弁体52とともに上昇する。
【0027】
弁体52が再びドレーンシート53に着座し、そのリフト位置が初期状態に戻ると、高圧ポート32が開き、次いで、ドレーンポート21が閉じるために、弁室51および制御室4の圧力が回復する。制御室4の圧力が上昇し、ノズルニードル12に下向きに作用する力が、燃料溜まり31の油圧力に勝ると、ノズルニードル12が降下して再びノズルシート13に着座し、燃料噴射を停止する。
【0028】
次に、油圧制御弁1の弁体52をハーフリフトさせる場合について説明する。本発明では、ドレーンポート21を開とするために圧電アクチュエータ14に必要なエネルギーEが、高圧ポート32を閉とするために圧電アクチュエータ14に必要なエネルギーE´よりも小さくなるように、各部材を設計する。そして、圧電アクチュエータ14に供給するエネルギーを、ドレーンポート21を開とするために圧電アクチュエータ14に必要なエネルギーE以上で、高圧ポート32を閉とするために圧電アクチュエータ14に必要なエネルギーE´よりも小さい範囲で適宜設定すれば、弁体52をドレーンポート21と高圧ポート32の中間のハーフリフト位置に保持することが可能となる。
【0029】
図2は、上記燃料噴射弁Vの構成を模式的に示す図で、圧電アクチュエータ14の変位を弁体52に伝達するための主な構成部材として、大径ピストン17、変位拡大室6、小径ピストン18が図示してある。ここで、弁体52によって開閉されるドレーンポート21のシート面積をSL (mm2 )、高圧ポート32のシート面積をSH (mm2 )、直径をdH (mm)、変位拡大室6の容積をV(mm3 )、ドレーンポート21開の時の作動圧をp(Kg/mm2 )、高圧ポート32閉の作動圧をp´(Kg/mm2 )、変位拡大室6内の作動油の体積弾性率をγ(Kg/mm2 )、小径ピストン18の受圧面積をs(mm2 )、直径をds (mm)、大径ピストン17の受圧面積をS(mm2 )、弁体52がドレーンシート53から高圧シート54に移動するためのリフト量をL(mm)、高圧通路3の圧力(=コモンレールの圧力)をP(Kg/mm2 )、圧電アクチュエータ14の変位をδとする。この時、ドレーンポート21を開とするための力Fは、下記式(1)で表される。
(1)F=SL ・P=s・p=s・γ・(S・δ/V)
また、この時、圧電アクチュエータ14に必要なエネルギーEは下記式(2)のようになる。
(2)E=1/2・δ・S・p
=1/2・(V・SL ・P/s・γ・S)・S・(SL ・P/s)
=1/2・(SL ・P/s)2 ・V/γ
【0030】
一方、高圧ポート32を閉とするための力F´は、下記式(3)で表される 。
(3)F´=SH ・P=s・p´=s・γ・(S・δ´/V)
また、この時、圧電アクチュエータ14に必要なエネルギーE´は下記式(4)のようになる。
(4)E´=p´・s・L+1/2・δ´・S・p´
=SH ・P・L+1/2・(SH ・P/s)2 ・V/γ
ここで、式(4)中、SH ・P・Lは弁体52の仕事量、1/2・(SH ・P/s)2 ・V/γは圧力上昇仕事量を表す。
【0031】
これら式(1)〜(4)から、E´>Eを満足するための、SL 、SH 、V、s、Lの関係は、下記式(5)のようになる。
(5)SH ・P・L+1/2・(SH ・P/s)2 ・V/γ
>1/2・(SL ・P/s)2 ・V/γ
従って、式(5)が成立するようにこれらSL 、SH 、V、s、Lの各値を設定すれば、ドレーンポート21を開とするためのエネルギーEより高圧ポート32を閉とするためのエネルギーE´が大きくなるので、ハーフリフト制御が容易にできる。
【0032】
以下に、具体的な実施例を示す。例えば、高圧シート54の直径dH =0.5mm、コモンレールの圧力P=2000Kg/cm2 =20Kg/mm2 、弁体52のリフト量L=0.03mm、小径ピストン18の直径ds =5mm、変位拡大室6の容積V=5mm3 、体積弾性率γ=100Kg/mm2 とした時の、ドレーンシート53の直径dL を求める。
高圧ポート32のシート面積SH 、小径ピストン18の受圧面積sは、それぞれ次の式から算出される。
H =π/4・dH 2 =π×(0.5)2 /4=0.196(mm2
s=π/4・ds 2 =π×52 /4=19.6(mm2
そこで、式(5)にこれら値を代入すると、
0.196×20×0.03+1/2・(0.196×20/19.6)2
・100/5>1/2・(SL ・×20/19.6)2 ・100/5
となる。これより、ドレーンポート21のシート面積SL 、さらにドレーンシート53の直径dL は以下のように表される。
0.118×0.001>0.026・SL 2
L <√(0.119/0.026)=2.14(mm2
L <√(4×2.14/π)=1.65(mm)
【0033】
以上より、ドレーンシート53の直径dL が1.65(mm)より小さくなるように設定すれば、式(5)が成立する。そして、ドレーンポート21を開とするためのエネルギーE以上で、高圧ポート32を閉とするためのエネルギーE´より小さくなるように、圧電アクチュエータ14への印加電圧を設定すれば、高圧ポート32が閉鎖されることがないので、弁体52を確実にハーフリフト位置に保持できる。よって、ハーフリフト制御を利用した燃料噴射弁の噴射率制御やコモンレールの減圧制御が可能になり、コンパクトで高性能な燃料噴射弁が実現される。
【0034】
上記実施の形態では、圧電アクチュエータを用いたが、これに限るものではなく、同様に通電により変位を発生する磁歪素子を用いた磁歪アクチュエータを用いてもよい。また、制御弁として3方弁を用いる必要はなく、2方弁等、他の方式でノズルニードルを開閉させる構成でもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態における燃料噴射弁の全体構成を示す断面図である。
【図2】第1の実施の形態における燃料噴射弁の概略構成を示す模式的な図である。
【符号の説明】
H ハウジング
B1 バルブボディ
1 油圧制御弁
11 噴孔
12 ノズルニードル
13 ノズルシート
14 圧電アクチュエータ
15 ピエゾピストン
16 ロッド
17 大径ピストン
18 小径ピストン(ピストン部材)
2 ドレーン通路(低圧通路)
21 ドレーンポート
22 スピル室
3 高圧通路
31 燃料溜まり
32 高圧ポート
4 制御室
5 3方弁
51 弁室
52 弁体
53 ドレーンシート
54 高圧シート
6 変位拡大室(油圧室)
7 油溜まり室
71 スプリング
72 通路
8 逆止弁
81 フラット弁
82 皿バネ
83 逆止弁ホルダ
84 ピンホール
85 貫通穴
[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a hydraulic control valve using a piezoelectric or magnetostrictive actuator, and a fuel injection valve for an internal combustion engine incorporating the hydraulic control valve.
[0002]
[Prior art]
In a common rail fuel injection system of a diesel engine, a common rail (accumulation chamber) is provided in each cylinder, the high pressure fuel pumped from a high pressure pump is accumulated, and the fuel is injected into each cylinder at a predetermined injection timing. . In recent years, it has been proposed to use a hydraulic control valve that drives a valve body via hydraulic pressure using a piezoelectric actuator with good response as a drive source for the fuel injection valve. Such a hydraulic control valve includes, for example, a displacement expansion chamber filled with hydraulic oil between a large-diameter piston and a small-diameter piston that are displaced as the piezoelectric actuator expands and contracts, and the displacement of the large-diameter piston is detected by the displacement expansion chamber and the small-diameter piston. Enlarging and transmitting to the disc.
[0003]
The valve body selectively closes one of the high pressure port communicating with the common rail and the low pressure port communicating with the drain passage to control the back pressure of the nozzle needle of the fuel injection valve. That is, when the valve body opens the low pressure port and closes the high pressure port, the pressure in the control chamber that applies the back pressure to the nozzle needle decreases, the nozzle needle rises, and fuel is injected from the injection hole. On the other hand, when the valve body opens the high pressure port and closes the low pressure port, the pressure in the control chamber rises again, the nozzle needle descends, and fuel injection is stopped.
[0004]
By the way, in the common rail fuel injection system, in order to perform fuel injection according to the operating state of the engine, the controllability of fuel injection pressure (common rail pressure) and fuel injection rate (fuel injection amount per unit time) should be improved. is important. The common rail pressure is usually adjusted by the pumping amount from the high-pressure supply pump to the common rail, and sudden pressure reduction requests are handled by the pressure reducing valve provided on the common rail. It has been studied to perform pressure reduction control through a control valve. This is possible by lifting the valve body of the hydraulic control valve to the lift position (half lift) between the low pressure port and the high pressure port and letting the common rail fuel escape to the drain passage with the nozzle needle held closed. become. In addition, regarding the fuel injection rate, the pressure in the control chamber can be easily controlled by enabling the valve body to be half lifted, so that a small amount of fuel injection can be performed with high accuracy and an improvement in fuel injection valve performance can be expected. .
[0005]
[Problems to be solved by the invention]
However, the conventional fuel injection valve requires a large amount of energy to lift the valve body receiving the fuel pressure of the high pressure port from the low pressure port, and once the valve body is lifted, the fuel pressure also acts in the lift direction. Therefore, it is extremely difficult to stably control the valve body to the half lift position. Therefore, at present, it is difficult to perform the half lift control in the fuel injection valve to which the hydraulic control valve having the above configuration is applied.
[0006]
An object of the present invention is to enable stable half lift control in a hydraulic control valve using a piezoelectric actuator, and to improve the controllability of fuel injection valve injection rate control and common rail decompression control.
[0007]
[Means for Solving the Problems]
The hydraulic control valve according to claim 1 converts the displacement of the piezoelectric or magnetostrictive actuator into hydraulic pressure, drives the valve body by increasing or decreasing the hydraulic pressure, and connects the high pressure port and low pressure passage communicating with the high pressure passage by the valve body. One of the low-pressure ports that communicate with each other is selectively closed. The hydraulic control valve is configured to open the low-pressure port and close the high-pressure port when energy is supplied to the actuator, and to open the high-pressure port and close the low-pressure port when the energy is released. The energy required to close the high-pressure port is larger than the energy required to open the port.
[0008]
In the above configuration, when the valve body supplies energy necessary for the valve body to open the low pressure port, the valve body lifts and starts moving toward the high pressure port. However, since this energy is smaller than the energy required when closing the high pressure port, the valve body cannot close the high pressure port. That is, if the energy supplied to the actuator is set to an appropriate value lower than the energy required when closing the high pressure port, a half lift that holds the valve body between the low pressure port and the high pressure port becomes possible. The lift amount of the half lift can be stably controlled by the energy supply amount or the applied voltage to the actuator.
[0009]
In claim 1, the hydraulic control valve is specifically includes a hydraulic chamber to increase or decrease the hydraulic pressure by the displacement of the actuator, the piston member for driving the valve body by receiving the hydraulic pressure of the hydraulic chamber. The seat area of the low pressure port is S L (mm 2 ), the seat area of the high pressure port is S H (mm 2 ), the volume of the hydraulic chamber is V (mm 3 ), and the volume of hydraulic oil in the hydraulic chamber The elastic modulus is γ (Kg / mm 2 ), the pressure receiving area of the piston member is s (mm 2 ), the lift amount for moving the valve body from the low pressure seat to the high pressure seat is L (mm), and the high pressure When the pressure in the passage is defined as P (Kg / mm 2 ), the following formula S H · P · L + 1/2 · (S H · P / s) 2 · V / γ
> 1/2 ・ (S L・ P / s) 2・ V / γ
Each member is configured so as to satisfy the following relationship.
[0010]
In the hydraulic control valve, the energy required to close the high pressure port is expressed as S H · P · L + 1/2 · (S H · P / s) 2 · V / γ. On the other hand, the energy required to open the low-pressure port is 1/2 · (S L · P / s) 2 · V / γ. Accordingly, the hydraulic pressure is set so that S H · P · L + 1/2 · (S H · P / s) 2 · V / γ> 1/2 · (S L · P / s) 2 · V / γ holds. If the control valve is configured, the above-described effect can be reliably obtained.
[0011]
Specifically, as in claim 2, the actuator is supplied with energy that is greater than or equal to the energy required when the valve element opens the low pressure port and less than the energy required when the high pressure port is closed. Thus, the valve body can be controlled to the half lift position.
[0012]
A third aspect of the present invention is a fuel injection valve comprising the hydraulic control valve according to the first or second aspect , wherein the start and stop of fuel injection are controlled by controlling the hydraulic pressure acting on the nozzle needle by driving the valve body. To do. By applying the hydraulic control valve, the fuel injection rate control by half lift and the common rail pressure depressurization control are facilitated, and a high-performance fuel injection valve can be realized.
[0013]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
Hereinafter, an embodiment of the present invention will be described with reference to the drawings. FIG. 1 is a diagram showing a configuration of a fuel injection valve V including a hydraulic control valve 1 to which the present invention is applied. For example, the fuel injection valve V is suitably used in a common rail injection system of a diesel engine. The fuel injection valve V opens and closes the nozzle hole 11 provided at the tip of the nozzle body B1 by the vertical movement of the nozzle needle 12 to start or stop fuel injection. The nozzle hole 11 is opened when the nozzle needle 12 is at the upper end position, is connected to the fuel reservoir 31 following the high-pressure passage 3, and is supplied with fuel. On the other hand, when the nozzle needle 12 is at the lower end position, the nozzle hole 12 is closed. The connection with the reservoir 31 is cut off, and the fuel supply is stopped. The lower end position of the nozzle needle 12 is determined by the nozzle sheet 13 on which the nozzle needle 12 is seated, and the upper end position is determined by the orifice plate P1 above the nozzle body B1.
[0014]
The nozzle body B1 is disposed at the lower end of the housing H of the valve drive device 1 via orifice plates P1 and P2, and is oil-tightly fixed by a cylindrical nozzle holder B2. The high-pressure passage 3 extends upward from the fuel reservoir 31 and communicates with the external common rail (not shown) through the orifice plates P1 and P2 and the housing H. In the housing H, a drain passage 2 is formed as a low-pressure passage for returning fuel that communicates with an external fuel tank (not shown). A control chamber 4 is formed between the upper end of the nozzle needle 12 and the orifice plate P1, and the nozzle needle 12 is always closed in the closing direction (by the spring force of the spring 41 disposed in the control chamber 4 and the hydraulic pressure of the control chamber 4). (Downward).
[0015]
The hydraulic pressure in the control chamber 4 is controlled by a three-way valve 5 that forms part of the hydraulic control valve 1. The three-way valve 5 is composed of a substantially conical valve chamber 51 formed at the lower end of the housing H and a substantially spherical valve body 52. The valve chamber 51 has a passage passing through the orifice plates P1 and P2 and a main provided at the lower end thereof. The control chamber 4 is always in communication with the orifice 42. The valve chamber 51 has two ports, a low-pressure port, a drain port 21 and a high-pressure port 32. The valve body 52 in the valve chamber 51 moves upward or downward to selectively select one of the two ports. When closed, the other is opened and connected to the control room 4. The drain port 21 communicates with the drain passage 2 via the spill chamber 22 provided above the valve chamber 51, and the high-pressure port 32 penetrating the orifice plate P2 vertically is a groove 33 provided in the lower end surface of the orifice plate P2 in the radial direction. It communicates with the high-pressure passage 3 via
[0016]
Therefore, when the valve body 52 opens the drain port 21 and closes the high pressure port 32, the fuel in the control chamber 4 flows out from the valve chamber 51 through the drain port 21. As a result, when the pressure in the control chamber 4 decreases and becomes equal to or lower than the valve opening pressure of the nozzle needle 12, the nozzle needle 12 moves away from the nozzle seat 13 and fuel is injected. On the other hand, when the valve body 52 opens the high pressure port 32 and closes the drain port 21, the pressure in the control chamber 4 is increased by the fuel flowing in from the high pressure port 32, and the nozzle needle 12 is lowered and seated on the nozzle seat 13.
[0017]
The control chamber 4 is always in communication with the high-pressure passage 3 without passing through the three-way valve 5 by the sub-orifice 43 provided in the orifice plate P 1 in communication with the lower end of the high-pressure port 32. The sub-orifice 43 causes fuel to flow into the control chamber 4 from the high-pressure passage 3 through the sub-orifice 43, thereby relaxing the pressure drop in the control chamber 4 at the start of injection and gradually opening the nozzle needle 12 to inject At the end, the pressure increase is promoted and the nozzle needle 12 is quickly closed.
[0018]
Here, the opening to the valve chamber 51 of the drain port 21 forms a conical drain seat 53, and the opening to the valve chamber 51 of the high pressure port 32 forms a flat high pressure sheet 54. ing. The reason why one side is made flat is to allow the axial displacement of the valve body 52. The valve body 52 closes the corresponding port by sitting on one of the seats 53, 54, but the pressure of the valve chamber 51 is always higher than the pressure of the drain port 21, so the valve body 52 is seated on the drain seat 53. It is a normal condition. The seating force on the high pressure seat 54 is given by the small diameter piston 18 of the hydraulic control valve 1. Next, details of the hydraulic control valve 1 will be described.
[0019]
The hydraulic control valve 1 has a piezoelectric actuator 14 housed in the upper end portion of the housing H as a drive source. The displacement of the piezoelectric actuator 14 is transmitted to the piezo piston 15 integrally provided in contact with the lower end thereof, and further transmitted to the small diameter piston 18 which is a piston member via the large diameter piston 17 and the displacement expansion chamber 6 which is a hydraulic chamber. The The piezoelectric actuator 14 has a known configuration and is formed by laminating piezoelectric materials such as PZT. The piezoelectric actuator 14 extends by supplying energy from the outside, and contracts by releasing the injected energy to drive the piezo piston 15. . The piezo piston 15 is slidably disposed in the piezo cylinder H 1 and is connected to the large-diameter piston 17 by a small-diameter rod 16. The large-diameter piston 17 and the small-diameter piston 18 are slidably disposed in the large-diameter cylinder H3 and the small-diameter cylinder H4 formed coaxially with the cylinder forming member H2, and the rod 16 is located above the upper surface of the large-diameter piston 17. And is press-fitted and fixed to the lower surface of the piezo piston 15.
[0020]
A space formed around the rod 16 below the piezo piston 15 is an oil reservoir chamber 7 communicating with the drain passage 2, and a spring 71 is accommodated to urge the piezo piston 15 upward. At the same time, the large-diameter piston 17 connected integrally with the piezo piston 15 is also urged upward by the spring 71. As a result, the piezo piston 15 and the large-diameter piston 17 move up and down integrally according to the expansion and contraction of the piezoelectric actuator 14. An O-ring 73 is provided on the outer periphery of the piezo piston 15 in order to prevent the hydraulic oil in the oil reservoir chamber 62 from contaminating the piezoelectric actuator 14. The passage for communicating the oil sump chamber 7 with the drain passage 2 is formed by forming a through hole in the oil sump chamber 7 in the radial direction from the side wall of the housing H and then closing with the blind plug 74.
[0021]
The cylinder forming member H <b> 2 has a reduced diameter portion at the upper part of the small diameter piston 18, and forms a stopper 61 that restricts the upward movement of the small diameter piston 18. The large and small cylinders H3 and H4 communicate with each other through the reduced diameter portion, and a hydraulic chamber A formed between the reduced diameter portion and the small diameter piston 18 and a hydraulic chamber formed between the large diameter piston 17. The displacement expansion chamber 6 is formed by B. The displacement expansion chamber 6 hydraulically converts the displacement of the piezoelectric actuator 14 and amplifies it according to the difference in diameter between the large and small pistons 17 and 18 (for example, 2 to 3 times the displacement of the large diameter piston 17). introduce. The lower end portion of the small-diameter piston 18 is located in a spill chamber 22 formed below the cylinder forming member H2, and a small-diameter tip portion is inserted into the drain port 21 and abuts against the valve body 52.
[0022]
A passage 72 is provided in the large-diameter piston 18 in the axial direction, and the upper end of the passage 72 extends into the base end portion of the rod 16 and branches into a T shape and opens into the oil reservoir 7. The lower end of the passage 72 opens at the lower end surface of the large-diameter piston 18 and communicates with the displacement expansion chamber 6 via a check valve 8 attached to the lower end of the large-diameter piston 18. The check valve 8 is for replenishing fuel from the oil sump chamber 7 to the displacement expansion chamber 6 when the fuel in the displacement expansion chamber 6 decreases due to leakage or the like, and is a flat valve 81 that closes the lower end opening of the passage 72. And a disc spring 82 for urging the flat valve 81 upward. The flat valve 81 and the disc spring 82 are housed and held in a bottomed cylindrical holder 83 that is press-fitted and fixed to the outer periphery of the lower end of the large-diameter piston 18. A through hole 85 is provided on the bottom surface of the holder 83, and the fuel flows freely between the space inside the holder 83 and the displacement expansion chamber 6.
[0023]
The flat valve 81 is a disk-like thin plate (thickness: 0.1 to 0.2 mm) with two upper and lower portions cut in parallel, and a pinhole 84 (diameter: 0.02 to 0.5 mm) in the center. Is provided. By this pinhole 84, even if an abnormality occurs in the energizing circuit during fuel injection, the fuel in the displacement expansion chamber 6 can be leaked to the oil sump chamber 7, so that the fuel injection can be stopped. In addition, after the fuel injection valve V is assembled, the displacement expansion chamber 6 can be easily evacuated and filled with fuel through the pinhole 84, so that air does not remain and no trouble occurs.
[0024]
The operation of the fuel injection valve having the above configuration will be described. During normal fuel injection control for full lift of the valve body 52, a sufficient voltage (for example, 100 to 150 V) is applied to the piezoelectric actuator 14 to open the drain port 21 and close the high pressure port 32 at the start of fuel injection. Is done. The piezoelectric actuator 14 generates a displacement (for example, 40 μm) proportional to the voltage, moves the piezo piston 15 and the large-diameter piston 17 downward by the same displacement amount, and increases the hydraulic pressure in the displacement expansion chamber 6. The small-diameter piston 18 descends due to the hydraulic pressure increase in the displacement expansion chamber 6, and the valve body 52 is pushed down from the drain seat 53 to be lifted and seated on the high-pressure seat 54. At this time, the lift of the valve body 52 is expanded by the area ratio (for example, twice) of the large diameter piston 17 and the small diameter piston 18 with respect to the displacement of the piezoelectric actuator 14.
[0025]
As the valve body 52 is lifted, the drain port 21 opens and then the high-pressure port 32 closes, so the pressure in the valve chamber 51 decreases. When the pressure of the control chamber 4 communicating with the valve chamber 51 decreases and the oil pressure of the fuel reservoir 31 acting upward on the nozzle needle 12 exceeds the oil pressure of the control chamber 4 and the spring force of the spring 41, the nozzle needle 12 Lifts from the nozzle sheet 13 and fuel injection is started.
[0026]
In stopping the fuel injection, the voltage of the piezoelectric actuator 14 is made zero by releasing the electric charge of the piezoelectric actuator 14. During this time, the piezoelectric actuator 14 contracts by the amount of displacement at the time of voltage application and returns to its original length, and the piezo piston 15 is urged by the spring 71 and rises. The large-diameter piston 17 connected to the piezo piston 15 by the rod 16 is also lifted together with the piezo piston 15 to lower the hydraulic pressure in the displacement expansion chamber 6. The small-diameter piston 18 loses the force that presses the valve body 52 against the high pressure of the high-pressure port 32 due to a decrease in hydraulic pressure in the displacement expansion chamber 6, and ascends together with the valve body 52.
[0027]
When the valve body 52 is seated on the drain seat 53 again and the lift position returns to the initial state, the high pressure port 32 is opened, and then the drain port 21 is closed, so that the pressure in the valve chamber 51 and the control chamber 4 is restored. . When the pressure in the control chamber 4 rises and the force acting downward on the nozzle needle 12 exceeds the oil pressure in the fuel reservoir 31, the nozzle needle 12 descends and seats on the nozzle seat 13 again to stop fuel injection. .
[0028]
Next, a case where the valve body 52 of the hydraulic control valve 1 is half lifted will be described. In the present invention, each member is set such that the energy E required for the piezoelectric actuator 14 to open the drain port 21 is smaller than the energy E ′ required for the piezoelectric actuator 14 to close the high-pressure port 32. To design. The energy supplied to the piezoelectric actuator 14 is equal to or higher than the energy E required for the piezoelectric actuator 14 to open the drain port 21 and from the energy E ′ required for the piezoelectric actuator 14 to close the high-pressure port 32. If appropriately set within a small range, the valve body 52 can be held at the half lift position between the drain port 21 and the high pressure port 32.
[0029]
FIG. 2 is a diagram schematically showing the configuration of the fuel injection valve V. As main components for transmitting the displacement of the piezoelectric actuator 14 to the valve body 52, the large-diameter piston 17, the displacement expansion chamber 6, the small-diameter Piston 18 is shown. Here, the seat area of the drain port 21 opened and closed by the valve body 52 is S L (mm 2 ), the seat area of the high-pressure port 32 is S H (mm 2 ), the diameter is d H (mm), and the displacement expansion chamber 6 V (mm 3 ), the operating pressure when the drain port 21 is opened is p (Kg / mm 2 ), the operating pressure when the high pressure port 32 is closed is p ′ (Kg / mm 2 ), The volume elastic modulus of the hydraulic oil is γ (Kg / mm 2 ), the pressure receiving area of the small diameter piston 18 is s (mm 2 ), the diameter is d s (mm), the pressure receiving area of the large diameter piston 17 is S (mm 2 ), The lift amount for the valve body 52 to move from the drain seat 53 to the high pressure seat 54 is L (mm), the pressure of the high pressure passage 3 (= common rail pressure) is P (Kg / mm 2 ), and the displacement of the piezoelectric actuator 14 is Let δ. At this time, the force F for opening the drain port 21 is expressed by the following formula (1).
(1) F = S L · P = s · p = s · γ · (S · δ / V)
At this time, the energy E required for the piezoelectric actuator 14 is represented by the following formula (2).
(2) E = 1/2 · δ · S · p
= 1/2 · (V · S L · P / s · γ · S) · S · (S L · P / s)
= 1/2 ・ (S L・ P / s) 2・ V / γ
[0030]
On the other hand, the force F ′ for closing the high-pressure port 32 is expressed by the following formula (3).
(3) F ′ = S H · P = s · p ′ = s · γ · (S · δ ′ / V)
At this time, the energy E ′ required for the piezoelectric actuator 14 is expressed by the following formula (4).
(4) E ′ = p ′ · s · L + 1/2 · δ ′ · S · p ′
= SH・ P ・ L + 1/2 ・ ( SH・ P / s) 2・ V / γ
In Equation (4), S H · P · L represents the work amount of the valve body 52, and 1/2 · (S H · P / s) 2 · V / γ represents the work of increasing pressure.
[0031]
From these formulas (1) to (4), the relationship among S L , S H , V, s, and L for satisfying E ′> E is expressed by the following formula (5).
(5) SH * P * L + 1/2 * ( SH * P / s) 2 * V / γ
> 1/2 ・ (S L・ P / s) 2・ V / γ
Therefore, if these values of S L , S H , V, s, and L are set so that Expression (5) is established, the high pressure port 32 is closed from the energy E for opening the drain port 21. Therefore, half lift control can be easily performed.
[0032]
Specific examples are shown below. For example, the diameter d H of the high-pressure seat 54 = 0.5 mm, the pressure P of the common rail P = 2000 Kg / cm 2 = 20 Kg / mm 2 , the lift amount L of the valve body 52 = 0.03 mm, and the diameter d s of the small diameter piston 18 = 5 mm The diameter d L of the drain sheet 53 when the volume V of the displacement expansion chamber 6 is 5 mm 3 and the volume modulus of elasticity γ is 100 Kg / mm 2 is obtained.
The seat area S H of the high pressure port 32 and the pressure receiving area s of the small diameter piston 18 are calculated from the following equations, respectively.
S H = π / 4 · d H 2 = π × (0.5) 2 /4=0.196 (mm 2 )
s = π / 4 · d s 2 = π × 5 2 /4=19.6 (mm 2 )
Therefore, substituting these values into equation (5) gives
0.196 × 20 × 0.03 + 1/2 · (0.196 × 20 / 19.6) 2
· 100/5> 1/2 · (S L · × 20 / 19.6) 2 · 100/5
It becomes. Accordingly, the sheet area S L of the drain port 21 and the diameter d L of the drain sheet 53 are expressed as follows.
0.118 × 0.001> 0.026 · S L 2
S L <√ (0.119 / 0.026) = 2.14 (mm 2 )
d L <√ (4 × 2.14 / π) = 1.65 (mm)
[0033]
As described above, when the diameter d L of the drain sheet 53 is set to be smaller than 1.65 (mm), Expression (5) is established. Then, if the voltage applied to the piezoelectric actuator 14 is set so that it is equal to or higher than the energy E for opening the drain port 21 and smaller than the energy E ′ for closing the high-pressure port 32, the high-pressure port 32 becomes Since it is not closed, the valve body 52 can be reliably held in the half lift position. Therefore, the injection rate control of the fuel injection valve using the half lift control and the decompression control of the common rail are possible, and a compact and high-performance fuel injection valve is realized.
[0034]
In the above-described embodiment, the piezoelectric actuator is used. However, the present invention is not limited to this, and a magnetostrictive actuator using a magnetostrictive element that generates displacement when energized may be used. Further, it is not necessary to use a three-way valve as the control valve, and a configuration in which the nozzle needle is opened and closed by another method such as a two-way valve may be used.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a cross-sectional view showing an overall configuration of a fuel injection valve according to a first embodiment of the present invention.
FIG. 2 is a schematic diagram showing a schematic configuration of a fuel injection valve in the first embodiment.
[Explanation of symbols]
H Housing B1 Valve body 1 Hydraulic control valve 11 Injection hole 12 Nozzle needle 13 Nozzle seat 14 Piezoelectric actuator 15 Piezo piston 16 Rod 17 Large diameter piston 18 Small diameter piston (piston member)
2 Drain passage (low pressure passage)
21 Drain port 22 Spill chamber 3 High pressure passage 31 Fuel reservoir 32 High pressure port 4 Control chamber 5 Three-way valve 51 Valve chamber 52 Valve body 53 Drain seat 54 High pressure seat 6 Displacement expansion chamber (hydraulic chamber)
7 Oil reservoir 71 Spring 72 Passage 8 Check valve 81 Flat valve 82 Belleville spring 83 Check valve holder 84 Pin hole 85 Through hole

Claims (3)

圧電または磁歪アクチュエータの変位を油圧に変換し、該油圧を増減させることによって弁体を駆動して、該弁体により高圧通路に連通する高圧ポートと低圧通路に連通する低圧ポートのいずれか一方を選択的に閉鎖する油圧制御弁であって、
上記アクチュエータの変位によって油圧を増減させる油圧室と、該油圧室の油圧を受けて上記弁体を駆動するピストン部材を有し、上記低圧ポートのシート面積をS L (mm 2 )、上記高圧ポートのシート面積をS H (mm 2 )、上記油圧室の容積をV(mm 3 )、上記油圧室内の作動油の体積弾性率をγ(Kg/mm 2 )、上記ピストン部材の受圧面積をs(mm 2 )、上記弁体が上記低圧シートから上記高圧シートに移動するためのリフト量をL(mm)、上記高圧通路の圧力をP(Kg/mm 2 )とした時に、下記式
H ・P・L+1/2・(S H ・P/s) 2 ・V/γ
>1/2・(S L ・P/s) 2 ・V/γ
の関係にあり、
上記アクチュエータにエネルギーを供給した時に上記低圧ポートを開いて上記高圧ポートを閉じ、該エネルギーを放出した時に上記高圧ポートを開いて上記低圧ポートを閉じる構成とし、かつ上記低圧ポートを開く時に必要なエネルギーよりも、上記高圧ポートを閉じる時に必要なエネルギーを大きくしたことを特徴とする油圧制御弁。
The displacement of the piezoelectric or magnetostrictive actuator is converted to hydraulic pressure, and the valve body is driven by increasing or decreasing the hydraulic pressure, and either the high pressure port communicating with the high pressure passage or the low pressure port communicating with the low pressure passage is connected by the valve body. A hydraulic control valve that selectively closes,
A hydraulic chamber that increases or decreases the hydraulic pressure by displacement of the actuator; a piston member that receives the hydraulic pressure of the hydraulic chamber to drive the valve body; and a seat area of the low-pressure port is S L (mm 2 ), and the high-pressure port sheet area of the S H (mm 2), volume of V (mm 3) of the hydraulic chamber, the bulk modulus of the hydraulic oil of the hydraulic chamber γ (Kg / mm 2), a pressure receiving area of the piston member s (Mm 2 ), when the lift amount for moving the valve body from the low pressure seat to the high pressure seat is L (mm) and the pressure of the high pressure passage is P (Kg / mm 2 ),
S H · P · L + 1 /2 · (S H · P / s) 2 · V / γ
> 1/2 ・ (S L ・ P / s) 2 ・ V / γ
In relation to
When the energy is supplied to the actuator, the low pressure port is opened to close the high pressure port, and when the energy is released, the high pressure port is opened to close the low pressure port, and the energy required to open the low pressure port A hydraulic control valve characterized in that the energy required for closing the high pressure port is increased.
上記アクチュエータに、上記弁体が上記低圧ポートを開く時に必要なエネルギー以上であり、上記高圧ポートを閉じる時に必要なエネルギーよりも小さいエネルギーを供給して、上記弁体をハーフリフト位置に制御する請求項1記載の油圧制御弁。 The valve body is controlled to a half lift position by supplying the actuator with energy that is greater than energy required when the valve body opens the low pressure port and less than energy required when closing the high pressure port. Item 1. The hydraulic control valve according to Item 1. 請求項1または2記載の油圧制御弁を備え、上記弁体の駆動によってノズルニードルに作用する油圧を制御することにより燃料噴射の開始および停止を制御することを特徴とする燃料噴射弁。A fuel injection valve comprising the hydraulic control valve according to claim 1 or 2, wherein start and stop of fuel injection are controlled by controlling a hydraulic pressure acting on a nozzle needle by driving the valve body.
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