JP4376932B2 - 芝生用凍結防止剤及び芝生用凍結防止剤の使用方法 - Google Patents

芝生用凍結防止剤及び芝生用凍結防止剤の使用方法 Download PDF

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Description

本発明は、芝の生育に悪影響をほとんど与えない芝生用凍結防止剤に関するものである。適用対象は競馬場、競技場、ゴルフ場、公園の芝生等である。
競馬は冬季の芝馬場においても開催される。しかし、芝馬場のベースであるノシバは冬期に休眠し、褐色になるため、寒地型芝草をオーバーシードすることにより、冬期においても芝馬場を緑に保っている。
芝馬場は厳寒期に凍結し、馬の走行に適さなくなる。また、競馬中に事故を生じさせる可能性があり、凍結した芝馬場を競馬に用いることは危険である。
そこで、厳寒期には寒冷紗を敷設し凍結を防いできた。しかし、寒冷紗によって凍結を防げない場合は、市販の凍結防止剤を散布することにより芝馬場の凍結を防いでいるが、オーバーシードされた寒地型芝草とベースのノシバが枯死するため、枯死した芝草を修復するには、多大な労力と経費を要した。
このため、凍結防止効果があり、しかも、オーバーシードされた寒地型芝草とベースのノシバの生育およびノシバの春先の回復に悪影響がほとんどない芝生用凍結防止剤の開発が望まれていた。
凍結防止の原理は水溶性物質である塩化物、硫酸塩、酢酸塩、カルボン酸塩、水溶性多価アルコール、水溶性高分子、有機酸などを散布し凝固点降下させることである。これらは主に路面の融雪・融氷用の凍結防止剤として用いられ、市販されている。
特開2004−352854号公報のフェノール類とアルカリ金属及びアルカリ土類金属から選択された一種または二種以上の金属のカルボン酸塩とを含む凍結防止剤を記載している。
特開2005−023167号公報の酢酸カルシウムと酢酸カリウムとグリセリンを含む凍結防止剤を記載している。
特開2005−179655号公報の複数の塩化物とマグネシウム塩の水和物との混合し、粒子化する凍結防止剤を記載している。
特開2005−290252号公報の水酸化マグネシウム系の凍結防止剤を記載している。
特開2006−008535号公報の酢酸ナトリウムと酢酸マグネシウムの復塩の凍結防止剤を記載している。
上記の凍結防止剤は、主に路面の融雪・融氷用に開発されたもので、凍結防止や融解効果があるが、それらの散布によって植物の生育に致命的な悪影響を及ぼし、植物が枯死することがあり、芝生用凍結防止剤として使用することはできなかった。
凝固点降下を引き起こす物質として、水溶性アルコールであるソルビトール、ペンタエリシリトール、アラビトール、エチレングリコールやジエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリンおよび、水溶性無機物質である硫酸アンモニウム、尿素、塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウムなどが知られている。
ソルビトール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン などの水溶性アルコールは、凍結防止効果は高い。電気伝導度をほとんど高めることはないが、単体で用いると植物の生育に対し悪影響を与える。
硫酸アンモニウムや尿素は約0.4%の濃度の水溶液が液肥として植物の葉に散布され、植物の生育促進用として用いられている。しかし、この濃度では凍結防止効果はほとんどない。2〜3%以上と高濃度のものを生育期に与えると植物の生育に悪影響を及ぼすことが知られている。
このように、これら水溶性アルコールや水溶性無機物質の凝固点降下作用は高いが、凍結防止が可能となる高濃度の水溶液を芝生に適用すると芝の生育に致命的な悪影響を与えるので、芝用凍結防止剤として用いることはできなかった。
競馬を開催する一部の芝馬場の地温は最低で−10℃になることがある。この条件下で、芝馬場の凍結防止効果があり、しかも、ベースのノシバとオーバーシードされた寒地型芝草の生育に悪影響がほとんどない凍結防止剤を開発することである。
発明者らは植物生育に対する悪影響を避けつつ凍結防止効果がある凍結防止剤を見出すため、上記水溶性アルコールと水溶性無機物質の配合を種々変え試験したところ、単体で用いると植物生育に悪影響を与える水溶性アルコールと水溶性無機物質はある特定の割合で組み合わせると、散布直後および春季の生育期での植物生育に対する悪影響が少なくしかも凝固点降下作用があることを発見した。ここで、本発明の凍結防止効果は地温ー10℃条件下で植栽基盤が凍結しないことを指す。
本発明は、ソルビトール4〜6重量%と硫酸アンモニウム4〜6重量%を含有したことを特徴とする芝生用凍結防止剤をその解決手段とするものである。
本発明の第2発明は、エチレングリコールを1〜5重量%、尿素を5〜9重量%の範囲内で含有し、尿素をエチレングリコールより多く含有したことを特徴とする芝生用凍結防止剤をその解決手段とするものである。
本発明の第3発明は、エチレングリコール4〜6重量%と硫酸アンモニウム4〜6重量%を含有したことを特徴とする芝生用凍結防止剤をその解決手段とするものである。
本発明の第4発明は、プロピレングリコールを1〜5重量%、尿素を5〜9重量%含有し、尿素をプロピレングリコールより多く含有したことを特徴とする芝生用凍結防止剤をその解決手段とするものである。
本発明の第5発明は、第1〜4発明においていずれか一項記載の芝生凍結防止剤の薬剤含有量の合計が5〜12%であることを特徴とする芝生凍結防止剤。
本発明の第6発明は、第1〜5発明のいずれか一項記載の芝生凍結防止剤で地面散布量が2L/m2〜4L/m2であることを特徴とする芝生凍結防止剤の使用方法
本発明であるソルビトールと硫酸アンモニウムとの混合物、エチレングリコールと尿素との混合物、エチレングリコールと硫酸アンモニウムとの混合物、プロピレングリコールと尿素との混合物はノシバ、寒地型芝草の生育に対しほとんど悪影響を及ぼさず、しかも、凍結防止効果が高い。したがって、芝生用凍結防止剤として有効である。本発明の芝生用凍結防止剤は競馬場だけではなく、競技場、ゴルフ場、公園の芝生に適用できる。
第1発明は、ソルビトール4〜6重量%と硫酸アンモニウム4〜6重量%を含有したことを特徴とする芝生用凍結防止剤である。
本発明が対象とする芝生はベースである暖地型芝草に、寒地型芝草をオーバーシードした芝生、暖地型芝草のみの芝生、寒地型芝草のみの芝生である。暖地型芝草としてノシバ、コウライシバ、ティフトンがあり、寒地型芝草としてペレニアルライグラス、イタリアンライグラス、ドライアン、ワセフドウ、ハナミワセ、グリーンストーンなどがあるが、これらに限定するものではない。
本発明に使用されるソルビトールはグルコースを還元してアルデヒド基をヒドロキシ基に変換して得られた糖アルコールの一種である。食品添加物として使用している。炭素数が6個であるため、植物の炭素源として利用できる。
本発明に使用されている硫酸アンモニウムは肥料として用いられているが、大量に使用すると、植物の生育を抑制し、枯死を引き起こす。しかし、凍結防止剤は厳寒期の芝がほとんど栄養生長していない時期に使用されるので、大量に施用しても芝の生育にほとんど悪影響を与えないことを発明者らは見出した。
ソルビトールと硫酸アンモニウムの合計濃度が12%以上になると、凍結防止効果はあるが、植物生育に障害があり、枯死を引き起こす。または、それらの合計濃度が8%以下になると、凍結防止効果がなくなった。
ソルビトールは低分子化合物であるので、芝に吸収され炭素源として利用される。また、硫酸アンモニウムは芝の窒素源として利用される。しかし、芝生用凍結防止剤の散布時期は冬期であるため、芝はほとんど吸収できないので、植栽基盤に残留する。残留した硫酸アンモニウムは春になり芝が生育し始めると芝の栄養源として吸収される。
発明者らは、ソルビトールと硫酸アンモニウムとの混合物を芝生の植栽基盤に散布することによって、芝の生育に悪影響はほとんどなく、凍結防止効果を発揮させることを発見した。
第2発明は、エチレングリコールを1〜5重量%、尿素を5〜9重量%の範囲内で含有し、尿素をエチレングリコールより多く含有したことを特徴とする芝生用凍結防止剤である。
本発明に使用されているエチレングリコールは、不凍液、乾燥防止剤、医薬品として使用している。炭素が2個の低分子アルコールであるため、植物の炭素源として吸収されやすい。
芝生用凍結防止剤に使用されているエチレングリコールの使用量は1〜5重量%の範囲で、2〜3重量%が好ましい。
本発明に使用されている尿素は植物成育の必須成分であり、大量に使用すると、植物の生育を抑制し、枯死を引き起こす。尿素の使用量は5〜9重量%の範囲で、好ましくは、7〜8重量%である。
エチレングリコールと尿素との重量比は0.11〜1、好ましくは約0.25〜0.43である。
発明者らは、エチレングリコールと尿素との混合物を芝生の植栽基盤に散布することによって、芝の生育に悪影響はほとんどなく、凍結防止効果を発揮させることを発見した。
第3発明は、エチレングリコール5重量%と硫酸アンモニウム5重量%を含有したことを特徴とする芝生用凍結防止剤である。
本発明に使用されている硫酸アンモニウムは植物成育の必須成分であり、大量に使用すると、植物の生育を抑制し、枯死を引き起こす。
発明者らは、エチレングリコールと硫酸アンモニウムとの混合物を芝生の植栽基盤に散布することによって、芝の生育に悪影響はほとんどなく、凍結防止効果を発揮させることを発見した。
第4発明は、プロピレングリコールを1〜5重量%、尿素を5〜9重量%含有し、尿素をプロピレングリコールより多く含有したことを特徴とする芝生用凍結防止剤である。
本発明のプロピレングリコールは、冷却液、食品加工、化粧品、湿潤剤、医薬品として使用している。炭素数が3個と低分子化合物であるため、植物の炭素源として利用しやすい。
芝生用凍結防止剤に使用されているプロピレングリコールの使用量は1〜5重量%の範囲で、2〜3重量%が好ましい。
本発明に使用されている尿素は植物成育の必須成分であり、大量に使用すると、植物の生育を抑制し、枯死を引き起こす。尿素の使用量は5〜9重量%の範囲で、好ましくは、7〜8重量%である。
プロピレングリコールと尿素との重量比は0.11〜1、好ましくは約0.25〜0.43である。
発明者らは、プロピレングリコールと尿素との混合物を芝生の植栽基盤に散布することによって、芝の生育に悪影響はほとんどなく、凍結防止効果を発揮させることを発見した。
第5発明は、第1〜4発明においていずれか一項記載の芝生凍結防止剤の薬剤含有量の合計が5〜12%であることを特徴とする芝生凍結防止剤。
芝生用凍結防止剤の薬剤含有量の合計は5%以下になると、芝の生育に悪影響がないが、凍結防止効果を発揮できない。一方、芝生用凍結防止剤の薬剤含有量の合計が12%を超過すると、凍結防止効果を発揮できるが、芝の生育に悪影響を与え、枯死を引き起こす。
したがって、薬剤含有量の合計が5〜12%の範囲内で、好ましくは8〜10%である。
第6発明は、第1〜5発明のいずれか一項記載の芝生凍結防止剤で地面散布量が2L/m2〜4L/m2であることを特徴とする芝生凍結防止剤の使用方法
凍結防止剤の散布方法は、芝生面散布と地面散布とがある。ここで、芝生面散布はじょうろ等を用いて植物の茎葉と地面の両方に散布する方法で、地面散布は植物の葉は濡らさずに、芝生の植栽基盤に直接滴下するように散布する方法である。
芝生用凍結防止剤の濃度がかなり高いので、芝生面散布は植物地上部と凍結防止剤が接触し、葉に対する悪影響を及ぼし、枯死を引き起こす。しかも地面到達量が減少するため、凍結防止効果も低下する。一方、地面散布は植物の地上部に接触しないため、植物地上部の生育に対する悪影響が少なく、凍結防止効果も十分に発揮できるので、地面散布が好ましい。
また、芝生用凍結防止剤の散布量は多くすると、凍結防止効果が高いが、植物生育に悪影響がある。また、少なくすると、凍結防止効果を十分に発揮できない。m2当たり2L〜4Lの散布量が好ましい。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれらにより限定されるものではない。
ソルビトール5重量%と硫酸アンモニウム5重量%を含有した10%溶液を作成し、芝生用凍結防止剤を得た。
エチレングリコール5重量%と尿素5重量%を含有した10%溶液を作成し、芝生用凍結防止剤を得た。
エチレングリコール5重量%と硫酸アンモニウム5重量%を含有した10%溶液を作成し、芝生用凍結防止剤を得た。
プロピレングリコール5重量%と尿素5重量%を含有した10%溶液を作成し、芝生用凍結防止剤を得た。
比較例
実施例1〜4に対応する異なる合計濃度の凍結防止剤を作成し、比較例とした。比較例の濃度と配合方法を表1に示す。
各種合計濃度の凍結防止剤の凍結防止効果を評価するために、凍結実験を行った。異なる合計濃度の凍結防止剤を20mlずつ試験管に加え、−10℃の恒温冷凍室に8時間に放置し、凍結状況を調べた。その結果を表2に示す。ここで、凍結しない場合には○、凍結した場合には×とした。
表2に示したように、実施例1〜4の芝生用凍結防止剤と比較例1〜4の15%の凍結防止剤は凍結しなかったが、比較例1〜4の3%の凍結防止剤は凍結した。一方、比較例5、11、12の3%、10%、15%の凍結防止剤は凍結した。比較例7、8、9、10の10%、15%の凍結防止剤は凍結しなかったが、3%の凍結防止剤は凍結した。比較例6の3%、10%、15%の凍結防止剤は凍結しなかった。合計濃度が高いほど凍結防止効果があることがわかった。また、同様濃度の場合に実施例の2種類の薬品を混合することによって相乗効果が現れた。実施例の芝生用凍結防止剤の凍結防止効果は比較例12の市販凍結防止剤よりも良好であった。
また、各混合比と各合計濃度の凍結防止剤の凍結防止効果を評価するために、凍結実験を行った。各混合比と各合計濃度の凍結防止剤を20mlずつ試験管に加え、−10℃の恒温冷凍室に8時間に放置し、凍結状況を調べた。その結果を表3〜6に示す。ここで、凍結しない場合には○、凍結した場合には×とした。ソルビトールと硫酸アンモニウムの混合比と合計濃度を変えたものを比較例14とした。それらの凍結防止効果を表3に示す。
表3に示したように、実施例1の芝生用凍結防止剤と比較例7の凍結防止剤は凍結しなかった。ほかの混合比と合計濃度が10%以下の凍結防止剤は凍結した。―10℃条件下で、実施例1の凍結効果があることがわかった。
実施例2に基づき、エチレングリコールと尿素の混合比と合計濃度を変えて、表4に示した実施例5の凍結防止剤を作成した。また、それらの混合比と合計濃度を変えたものを比較例15とした。それらの凍結防止効果を表4に示す。ここで、凍結しない場合には○、凍結した場合には×とした。
表4に示したように、実施例2、実施例5の芝生用凍結防止剤と比較例8、10の凍結防止剤は凍結しなかった。ほかの混合比と合計濃度が10%以下の比較例15の凍結防止剤は凍結した。このことから、―10℃条件下で、エチレングリコール1〜5重量%と尿素5〜9重量%とを混合し、計10重量%の凍結防止剤の凍結効果があることがわかった。
実施例3に基づき、エチレングリコールと硫酸アンモニウムの混合比と合計濃度を変えたものを比較例16とした。それらの凍結防止効果を表5に示す。ここで、凍結しない場合には○、凍結した場合には×とした。
表5に示したように、実施例3の芝生用凍結防止剤と比較例8の凍結防止剤は凍結しなかった。ほかの混合比と合計濃度が10%以下の比較例16の凍結防止剤は凍結した。このことから、―10℃条件下で、エチレングリコール5重量%と硫酸アンモニウム5重量%とを混合し、計10重量%の凍結防止剤の凍結効果があることがわかった。
実施例4に基づき、プロピレングリコールと尿素の混合比と合計濃度を変えて、表7に示した実施例6の凍結防止剤を作成した。また、それらの混合比と合計濃度を変えたものを比較例17とした。それらの凍結防止効果を表6に示す。ここで、凍結しない場合には○、凍結した場合には×とした。
表6に示したように、実施例4、実施例7の芝生用凍結防止剤と比較例9、10の凍結防止剤は凍結しなかった。ほかの混合比と合計濃度が10%以下の比較例17の凍結防止剤は凍結した。このことから、―10℃条件下で、プロピレングリコール1〜5重量%と尿素5〜9重量%とを混合し、計10重量%の凍結防止剤の凍結効果があることがわかった。
芝生用凍結防止剤が芝の生育に対する影響を明らかするために、現場での散布実験を行い、芝生用凍結防止剤の散布によるノシバと寒地型芝草の生育に対する影響と凍結防止効果及び春先でのノシバの回復状況と寒地型芝草の生育に対する影響を調査した。試験処理は、実施例1〜4の芝生用凍結防止剤、比較例5〜11の凍結防止剤、対照として比較例12の市販の凍結防止剤と比較例13の水であった。
供試芝生はベースのノシバに、寒地型芝草(グリーンストーン)をオーバーシードした芝生であり、各処理区の面積は0.25m2であった。各種凍結防止剤の濃度は3%、5%、10%で、各処理区の散布量は1、2、4、6L/m2の4段階で、散布方法は芝生面散布、地面散布の2種類であった。散布後一定期間でノシバと寒地型芝草の生育を調査し、評価した。凍結防止剤の散布日は2006年10月16日であり、全試験期間は2006年10月16日から2007年5月22日であった。芝の評価基準は、◎をノシバ、寒地型芝草生育良好、○をノシバ、寒地型芝草生育正常、△をノシバ良好、寒地型芝草枯死、×をノシバ、寒地型芝草枯死とした。
芝用凍結防止剤(濃度が10%)が芝の生育に対する影響を表7に示す。表7に示したように、芝用凍結防止剤散布後2ケ月(2006.12.27)の芝の生育状況からみると、芝生用凍結防止剤の散布方法によって芝の生育に対する影響が異なり、地面散布は芝生面散布よりも芝の生育に対する影響がなかった。この結果から、実施例の芝生用凍結防止剤は比較例よりも芝の生育が良好で、芝の生育に対する悪影響はほとんどなかった。
芝生用凍結防止剤の散布方法からみると、芝生面散布2L/m2では、実施例1、2、4の芝生用凍結防止剤と比較例5の凍結防止剤は芝の生育に対する影響がなかったが、他の比較例の凍結防止剤は芝の生育に対する悪影響があり、寒地型芝草が枯死した。芝生面散布4L/m2では、実施例と比較例の凍結防止剤とも、芝の生育に対する悪影響があり、寒地型芝草が枯死した。実施例2の芝生用凍結防止剤はノシバ、寒地型芝草とも枯死した。地面散布2L/m2では、実施例1〜4の芝生用凍結防止剤、比較例5、6、11の凍結防止剤は芝の生育に対する影響がなかったが、他の比較例の凍結防止剤は芝の生育に対する悪影響があり、寒地型芝草が枯死した。地面散布4L/m2では、実施例1〜4の芝生用凍結防止剤、比較例5、11の凍結防止剤は芝の生育に対する影響がなかったが、他の比較例の凍結防止剤は芝の生育に対する悪影響があり、寒地型芝草が枯死した。この結果から、地面散布は芝生面散布よりも芝の生育に対する影響がほとんどないことが認められた。
また、秋から冬にかけて、凍結防止効果およびノシバと寒地型芝草の生長からみると、実施例の芝生用凍結防止剤は比較例よりも芝の生育に対する悪影響が少なかった。また、地面散布は芝生面散布よりも芝の生育に対する悪影響が少なく、地面散布量2L/m2が最もよいと認められた。
芝生の植栽基盤の凍結状況の評価は長谷川式土壌貫入計を用い、土壌貫入深度(mm)を測定した。芝用凍結防止剤の散布(濃度が10%)が芝生の植栽基盤の凍結状況に及ぼす影響を表8に示す。測定時期の最低気温はー10℃であった。なお、貫入回数は10回で、10回目の貫入深度を表示した。
表8に示したように、芝生面散布2L/m2では、実施例1〜4の芝生用凍結防止剤と比較例6〜10の貫入深度は深く、植栽基盤が凍結しなかった。比較例5、11、12、13の貫入深度は浅く、植栽基盤が凍結した。芝生面散布4L/m2、地面散布2L/m2、地面散布4L/m2も同様の傾向を示し、地面散布のほうが芝生面散布よりもやや良好であった。実施例の芝生用凍結防止剤の凍結防止効果が認められた。
凍結防止効果および冬期の寒地型芝草の生育状況からみると、実施例の芝生用凍結防止剤の凍結防止効果は比較例よりも良好であり、地面散布2L/m2と地面散布4L/m2が効果的であることが認められた。
ノシバは秋から冬へかけての低温で葉緑素が分解し、生育がほとんど休眠状態になり、春に気温が上昇すると生長を再開する。芝用凍結防止剤の散布(濃度が10%)によって、来春にノシバの回復に及ぼす影響を調べた。表9に2007.5.8にノシバと寒地型芝草の生長状況を示す。ここで、芝の評価基準は、◎をノシバ、寒地型芝草生育良好、○をノシバ、寒地型芝草生育正常、△をノシバ良好、寒地型芝草枯死、×をノシバ、寒地型芝草枯死とした。






表9に示したように、芝生面散布2L/m2では、実施例2、3、4の芝生凍結防止剤と比較例11の凍結防止剤は芝の生育に対する影響がなかったが、実施例1の芝生凍結防止剤と他の比較例の凍結防止剤は芝の生育に対する悪影響があり、寒地型芝草が枯死した。比較例9、10の凍結防止剤はノシバ、寒地型芝草とも枯死した。芝生面散布4L/m2では、実施例3の芝生凍結防止剤と比較例11の凍結防止剤は芝の生育に対する影響がなかったが、他の実施例と比較例の凍結防止剤は芝の生育に対する悪影響があり、寒地型芝草が枯死した。実施例2の芝生凍結防止剤と比較例9、10の凍結防止剤はノシバ、寒地型芝草とも枯死した。地面散布2L/m2では、実施例1〜4の芝生凍結防止剤、比較例5、6、11の凍結防止剤は芝の生育に対する影響がなかったが、他の比較例の凍結防止剤は芝の生育に対する悪影響があり、寒地型芝草が枯死した。地面散布4L/m2では、実施例1、3、4の芝生凍結防止剤、比較例11の凍結防止剤は芝の生育に対する影響がなかったが、実施例2の芝生凍結防止剤と他の比較例の凍結防止剤は芝の生育に対する悪影響があり、寒地型芝草が枯死した。比較例9、10の凍結防止剤はノシバ、寒地型芝草とも枯死した。
凍結防止効果および春先のノシバの回復と寒地型芝草の生長からみると、実施例の芝生用凍結防止剤は比較例よりもノシバの回復と寒地型芝草の生育に対する悪影響がほとんどないことが認められた。また、芝生用凍結防止剤の地面散布量が2L/m2は芝の生育に対する悪影響がもっとも少なかった。
以上の結果から、実施例1〜4の芝用凍結防止剤を、ベースのノシバに寒地型芝草をオーバーシードした芝生面に散布しても、ノシバと寒地型芝草とも生育に悪影響がほとんどなく、しかも、凍結防止効果があることが認められた。
上記の凍結防止剤(濃度が10%)を用いて、芝生用凍結防止剤の散布量が芝の生育に対する影響を明らかにするために、散布実験を行った。その結果を表10に示す。なお、芝生凍結防止剤の濃度は10%であった。ここで、芝の評価基準は、◎をノシバ、寒地型芝草生育良好、○をノシバ、寒地型芝草生育正常、△をノシバ良好、寒地型芝草枯死、×をノシバ、寒地型芝草枯死とした。






表10に示したように、散布後2ケ月(2006.12.27)の芝の生育状況からみると、地面散布1L/m2では、実施例1〜4の芝生用凍結防止剤、比較例5〜13の凍結防止剤は芝の生育に対する影響がなかった。地面散布2L/m2では、実施例1〜4の芝生用凍結防止剤、比較例5、6、11、13の凍結防止剤は芝の生育に対する影響がなかったが、他の比較例の凍結防止剤は芝の生育に対する悪影響があり、寒地型芝草が枯死した。地面散布4L/m2では、実施例1〜4の芝生用凍結防止剤、比較例5、11の凍結防止剤は芝の生育に対する影響がなかったが、他の比較例の凍結防止剤は芝の生育に対する悪影響があり、寒地型芝草が枯死した。地面散布6L/m2では、実施例1〜4の芝生用凍結防止剤、比較例5〜8の凍結防止剤は芝の生育に対する悪影響があり、寒地型芝草が枯死した。比較例9〜12の凍結防止剤はノシバ、寒地型芝草とも枯死した。
一方、地面散布1L/m2の場合、散布量が少ないため、凍結防止効果がなかった。凍結防止効果と芝の生育状況を総合的に考慮すると、実施例の芝生用凍結防止剤の地面散布2L/m2と地面散布4L/m2は比較例よりも芝の生育に対する悪影響がほとんどないことが認められた。
芝用凍結防止剤の濃度が芝の生育に対する影響を表11に示す。なお、地面散布量が2L/m2であった。ここで芝の評価基準は、◎をノシバ、寒地型芝草生育良好、○をノシバ、寒地型芝草生育正常、△をノシバ良好、寒地型芝草枯死、×をノシバ、寒地型芝草枯死とした。














表11に示したように、散布後2ケ月(2006.12.27)の芝の生育状況からみると、実施例1〜4及び比較例5、6、11の3%と10%の凍結防止剤は芝の生育に対する影響はなかったが、15%になると、芝に対する悪影響があり、寒地型芝草が枯死した。比較例7、8、9、10、12の3%、10%、15%凍結防止剤は芝に対する悪影響があり、寒地型芝草が枯死した。
凍結防止効果と芝の生育状況を総合的に考慮すると、実施例1〜4の凍結防止剤の濃度が10%までは比較例よりも芝の生育に対する悪影響がないことが認められた。
上記の実験結果から、本発明の芝用凍結防止剤は凍結防止効果があり、ノシバと寒地型芝とも生育にほとんど悪影響を与えないことがわかった。

Claims (6)

  1. ソルビトール4〜6重量%と硫酸アンモニウム4〜6重量%を含有したことを特徴とする芝生凍結防止剤。
  2. エチレングリコールを1〜5重量%、尿素を5〜9重量%の範囲で含有し、尿素をエチレングリコールより多く含有したことを特徴とする芝生凍結防止剤。
  3. エチレングリコール4〜6重量%と硫酸アンモニウム4〜6重量%を含有したことを特徴とする芝生凍結防止剤。
  4. プロピレングリコール1〜5重量%、尿素を5〜9重量%含有し、尿素をプロピレングリコールより多く含有したことを特徴とする芝生凍結防止剤。
  5. 請求項1〜4においていずれか一項記載の芝生凍結防止剤の薬剤含有量の合計が5〜12%であることを特徴とする芝生凍結防止剤。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項記載の芝生凍結防止剤で地面散布量が2L/m2〜4L/m2であることを特徴とする芝生凍結防止剤の使用方法
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