JP4376563B2 - Control device for internal combustion engine - Google Patents
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、内燃機関の制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
正確な空燃比制御を実現するためには吸入空気量を正確に把握することが必要である。吸入空気量を検出するために機関吸気系にエアフローメータを配置することが一般的であるが、エアフローメータは応答遅れを有するために、機関定常時において比較的正確な吸入空気量を検出することはできても、機関過渡時においては不正確な吸入空気量しか検出することができない。
【0003】
機関過渡時においても比較的正確な吸入空気量を把握するために、機関吸気系をモデル化して吸入空気量を逐次計算することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
吸入空気量を算出するためには、スロットル弁の開口面積により変化するスロットル弁通過空気量を算出しなければならない。スロットル弁通過空気量は、絞りの式を使用して、スロットル弁の下流側圧力と上流側圧力との比を変数とする関数とスロットル弁の開口面積を変数とする関数との積の形の計算式によって表される。しかしながら、スロットル弁の開口面積を変数とする関数において、スロットル弁の開口形状等が考慮されていないために、この計算式を使用して実機に対して正確なスロットル弁通過空気量を算出することは困難である。
【0005】
ところで、吸入空気量は、スロットル弁の下流側圧力に応じて変化するものであり、実機に適合させた下流側圧力の一次式により近似することができる。機関定常時において吸入空気量とスロットル弁通過空気量とは等しくなるために、現在のスロットル弁の開口面積(又は開度)と、これに対する定常時の下流側圧力(現在のスロットル弁開度に対して収束した場合の下流側圧力)とに基づき前述の計算式により算出される定常時のスロットル弁通過空気量は、この定常下流側圧力に基づき前述の一次式により算出される定常吸入空気量と等しいとすることができる。この関係を使用して、前述の計算式におけるスロットル弁の開口面積を変数とする関数は、定常下流側圧力に基づき算出された定常吸入空気量と、下流側圧力と上流側圧力との比を変数とする前述の関数において下流側圧力を定常下流側圧力とした関数との比によって置換することができ、ここで、定常下流側圧力を現在のスロットル弁開度に対する実機の適合値を使用すれば、定常吸入空気量を算出するのに使用される一次式も実機に適合しているために、スロットル弁通過空気量を正確に算出することができる。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−41095号公報
【特許文献2】
特開2001−130039号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
前述の従来技術において、スロットル弁通過空気量を算出するのに使用される定常下流側圧力と定常吸入空気量を算出する一次式を特定するための係数及び定数とは、バルブタイミング等を含めた現在の機関状態毎に変化させており、そのためには、これらを実機に対して機関状態毎の適合値として設定しておかなければならず、この設定作業のために多大な工数が必要となっている。
【0008】
従って、本発明の目的は、吸入空気量を推定するために、スロットル弁通過空気量が、スロットル弁の下流側圧力と上流側圧力との比を変数とする第一関数と、現在のスロットル弁の開口面積又は開度に対するスロットル弁の定常下流側圧力に基づき一次式により算出される定常吸入空気量と第一関数において下流側圧力を定常下流側圧力とした第二関数との比との積を使用して算出される内燃機関の制御装置において、スロットル弁通過空気量の算出に際して必要な実機に対する機関状態毎の適合値を減少することにより、適合値を設定するための作業工数を低減することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明による請求項1に記載の内燃機関の制御装置は、スロットル弁モデルにより現在のスロットル弁通過空気量を逐次的に算出すると共に、吸気弁モデル及び吸気管モデルにより気筒内へ供給される現在の吸入空気量を逐次的に算出する内燃機関の制御装置であって、
前記吸気弁モデルは、気筒内へ供給される吸入空気量がスロットル弁下流側圧力を変数とする一次式で表され、前記一次式の係数及び定数は、前記スロットル弁下流側圧力に基づき前記吸入空気量を算出する際に前記吸入空気量に影響する機関状態毎に設定され、
前記スロットル弁モデルは、現在のスロットル弁通過空気量を、スロットル弁下流側圧力に対するスロットル弁上流側圧力の比を変数とする関数と、スロットル弁の開口面積又は開度を変数とするスロットル弁の流量係数を含むもう一つの関数との積により表される式であって、
いずれの前記機関状態においても、任意のスロットル弁の開口面積又は開度に対する定常時の定常スロットル弁下流側圧力に基づき前記スロットル弁モデルにより算出される前記定常時の定常スロットル弁通過空気量が、前記定常時の定常スロットル弁下流側圧力に基づき前記吸気弁モデルにより算出される定常時の定常吸入空気量に等しいことに基づき、前記もう一つの関数を、前記関数において前記定常スロットル弁下流側圧力に対するスロットル弁上流側圧力の比を変数として代入した値と、前記吸気弁モデルから算出される前記定常吸入空気量とを使用して置換した式により算出する内燃機関の制御装置において、
現在のスロットル弁通過空気量は、前記スロットル弁モデルを使用して、前記関数において前記関数の前記比として現在のスロットル弁上流側圧力に対する現在のスロットル弁の開口面積又は開度における現在のスロットル弁下流側圧力の比を代入して算出される値と、
前記関数において前記関数の前記比として現在のスロットル弁上流側圧力に対する現在のスロットル弁の開口面積又は開度における定常時の定常スロットル弁下流側圧力の比を代入して算出される値、に対する前記一次式において前記スロットル弁下流側圧力として現在のスロットル弁の開口面積又は開度における定常時の定常スロットル弁下流側圧力を代入して算出される定常時の定常吸入空気量の比、との積により算出され、
前記定常スロットル弁下流側圧力は、予め定められた一つの機関状態に対してスロットル弁の開口面積毎又は開度毎に予め求められ、現在のスロットル弁の開口面積又は開度に対して予め求められた前記定常スロットル弁下流側圧力は、現在の機関状態が前記予め定められた一つの機関状態以外の機関状態の時においても、現在のスロットル弁通過空気量を算出するために必要な前記定常スロットル弁下流側圧力としてそのまま使用されると共に、現在のスロットル弁通過空気量を算出するために必要な前記定常吸入空気量を前記予め定められた一つの機関状態に対して係数及び定数が設定された前記一次式により算出するために前記スロットル弁下流側圧力として代入されることを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明による制御装置が取り付けられる内燃機関を示す概略図である。同図において、1は機関本体であり、2は各気筒共通のサージタンクである。3はサージタンク2と各気筒とを連通する吸気枝管であり、4はサージタンク2の上流側の吸気通路である。各吸気枝管3には燃料噴射弁5が配置され、吸気通路4におけるサージタンク2の直上流側にはスロットル弁6が配置されている。ここで、スロットル弁6は、アクセルペダルに連動するものではなく、ステップモータ等の駆動装置によって自由に開度設定可能なものとしたが、アクセルペダルに連動するものでも良い。スロットル弁6には、スロットル弁開度を測定するためのスロットル弁開度センサが取り付けられている。機関本体1において、8は吸気弁であり、9は排気弁であり、10はピストンである。
【0011】
内燃機関1における燃焼空燃比を、例えば、理論空燃比等の所望空燃比にするためには、機関過渡時を含めて気筒内へ流入する吸入空気量を正確に推定することが必要とされる。本実施形態は、機関吸気系をモデル化して計算により吸入空気量を推定するようにしている。
【0012】
先ず、スロットル弁6をモデル化することにより、吸気がスロットル弁6を通過する際のエネルギ保存則、運動量保存則、及び、状態方程式を使用して、今回のスロットル弁通過空気量mt(i)(g/sec)を、次式(1)によって表すことができる。以下の式を含めて、スロットル弁通過空気量等の変数の添え字(i)は今回を示し、(i−1)は前回を示している。
【数1】
【0013】
ここで、μ(i)は流量係数であり、A(i)はスロットル弁6の開口面積(m3)である。もちろん、機関吸気系にアイドルスピードコントロールバルブ(ISC弁)が設けられている時には、A(i)には、ISC弁の開口面積が加えられる。流量係数及びスロットル弁の開口面積は、それぞれがスロットル弁開度TA(i)(度)の関数となっており、図2及び3には、それぞれのスロットル弁開度TAに対するマップが図示されている。Rは気体定数であり、Taはスロットル弁上流側の吸気温度(K)であり、Paはスロットル弁上流側の吸気通路圧力(kPa)(以下、上流側圧力と称する)であり、Pm(i)はスロットル弁下流側の吸気管圧力(kPa)(以下、下流側圧力と称する)である。また、関数Φ(Pm(i)/Pa)は、比熱比κを使用して次式(2)によって表されるものであり、図4にはPm/Paに対するマップが図示されている。
【数2】
【0014】
次いで、吸気弁をモデル化する。気筒内へ供給される吸入空気量mc(i)(g/sec)は、下流側圧力Pm(i)に基づきほぼ線形に変化するものであるために、次式(3)に示す一次式によって表すことができる。
【数3】
【0015】
ここで、Tm(i)はスロットル弁下流側の吸気温度(K)であり、式(3)を特定するための係数及び定数a、b、及びcは、内燃機関毎に適合させて設定される適合値である。ここで、ab−cは気筒内の残留既燃ガス量に相当する値であり、バルブオーバーラップ大きいほど吸気管へ既燃ガスが逆流するために増加する。このように、正確な吸入空気量mcが算出するためには、これらの係数及び定数は、機関状態毎に設定されることが好ましい。すなわち、機関回転数毎だけでなく、内燃機関が可変バルブタンミング機構を有する場合にはバルブオーバーラップ量毎及び吸気弁の最大リフト量毎、また、その他の吸入空気量に影響する制御装置が設けられている場合にはその制御量毎に、a、b及びcの値をマップ化することが好ましい。
【0016】
次いで、吸気管をモデル化する。吸気管内に存在する吸気の質量保存則、エネルギ保存則、及び、状態方程式を使用して、下流側圧力Pmとスロットル弁下流側の吸気温度Tmとの比における時間変化率は次式(4)によって表され、また、下流側圧力Pmの時間変化率は次式(5)によって表される。ここで、Vは、機関吸気系のスロットル弁6下流側における吸気管の容積(m3)であり、具体的には、吸気通路4のスロットル弁6下流側とサージタンク2と吸気枝管3との合計容積である。
【数4】
【0017】
式(4)及び式(5)は離散化され、それぞれ、次式(6)及び(7)が得られ、式(7)によって今回の下流側圧力Pm(i)が得られれば、式(6)によって今回の吸気管内の吸気温度Tm(i)を得ることができ、また、式(1)によって現在のスロットル弁の開口面積A(i)及び現在の流量係数μ(i)に基づき今回のスロットル弁通過空気量mt(i)を得ることができる。さらに、式(3)によって、今回の吸気温度Tm(i)及び今回の下流側圧力Pm(i)に基づき今回の吸入空気量mc(i)を得ることができる。次の計算時期においては、下流側圧力、吸気温度、スロットル弁通過空気量、吸入空気量をそれぞれ前回値として、式(7)により今回の下流側圧力Pm(i)を算出する。これを繰り返して吸入空気量mcを逐次計算する。式(6)及び(7)において、離散時間Δtは、吸入空気量mcを算出する時間間隔とされ、例えば8msである。また、スロットル弁通過空気量mt(i)の算出に使用する今回のスロットル弁の開口面積A(i)及び流量係数μ(i)は、現在のアクセルペダルの踏み込み量に対してスロットル弁の駆動装置(ステップモータ)の応答遅れ等が考慮されて推定される。
【数5】
【0018】
このようにして吸入空気量mcを算出することとなるが、実機に対して正確な吸入空気量を算出するためには、前述の各式が実機に対して各値を正確に算出しなければならない。そのためには、各式を式(3)のように実機に対して適合させることが好ましい。特に、スロットル弁通過空気量mtを算出するための式(1)において、実機のスロットル弁は、開口面積が変化すると同時に開口形状も変化するものであり、この吸気流れの特性を、スロットル弁の開口面積Aと流量係数μとの積によって正確に表すことは困難である。それにより、本実施形態では、式(1)を実機に対して適合させるように変形してスロットル弁通過空気量を算出するようにしている。
【0019】
式(1)において、現在のスロットル弁の開口面積A(i)が暫く持続する定常時を考えれば、下流側吸気圧及びスロットル弁通過空気量は、それぞれ、収束して、定常下流側圧力Pmta及び定常スロットル弁通過空気量mttaとなる。それにより、式(1)に定常下流側圧力Pmta及び定常スロットル弁通過空気量mttaを代入して次式(8)を得ることができ、式(8)を次式(9)のように変形することができる。また、この定常スロットル弁通過空気量mttaは、この定常状態における定常吸入空気量と等しくなるために、下流側圧力に基づく吸入空気量を算出する式(3)を使用すれば、式(9)は、定常下流側圧力Pmtaに基づき次式(10)のように変形することができる。
【数6】
【0020】
こうして、式(1)において計算誤差を発生し易い式(9)の左辺の関数は、式(10)のように置換することができる。式(10)において、定常下流側圧力Pmtaは、実機において現在のスロットル弁の開口面積(又は開度)に対して現在の機関状態に基づき適合させた適合値とし、また、式(10)の分子である定常吸入空気量(a(Pmta−b)+c)は、この定常下流側圧力Pmtaと、実機において現在の機関状態に基づき適合させた係数及び定数(a、b、及びc)とを使用して算出すれば良く、それにより、実機に適合した正確なスロットル弁通過空気量mt(i)を算出することができる。
【0021】
しかしながら、このようにしてスロットル弁通過空気量mt(i)を算出するためには、現在の機関状態に対して吸入空気量を算出するための一次式を特定するための係数及び定数(a、b、及びc)だけでなく、スロットル弁の開口面積に対する定常下流側圧力Pmtaも、機関状態毎にマップ化しておかなければならない。前述したように、機関状態とは、機関回転数だけでなく、バルブオーバーラップ量、最大バルブリフト量、その他の吸入空気量に影響する制御量によっても変化するものであり、実機に適合させてスロットル弁の開口面積に対する定常下流側圧力Pmtaを機関状態毎に設定するのには莫大な工数が必要となってしまう。
【0022】
本実施形態では、この定常下流側圧力Pmtaの設定工数を低減することを意図している。式(9)を参照すると、式(9)の左辺は、スロットル弁の開口面積A(i)及び流量係数μ(i)だけを変数としており、すなわち、機関回転数やバルブオーバーラップ量等の機関状態とは無関係である。言い換えれば、式(9)の左辺は機関状態によっては変化しない。すなわち、式(9)の右辺において、機関状態が変化すれば、同じスロットル弁の開口面積に対する定常スロットル弁通過空気量mttaは変化し、また、同じスロットル弁の開口面積に対する定常下流側圧力Pmtaも変化してこの定常下流側圧力Pmtaと上流側圧力Paとの比を変数とする関数値Φも変化するが、定常スロットル弁通過空気量mttaと関数値Φとの比は、機関状態が変化しても変化しないと言える。
【0023】
こうして、式(10)により式(1)の一部を置換してスロットル弁通過空気量mt(i)を算出する際には、現在の機関状態とは関係なく、任意の機関状態における現在のスロットル弁の開口面積(又は開度)に対する定常下流側圧力Pmtaと、同じ機関状態における吸入空気量を算出するための一次式を使用すれば良い。すなわち、式(1)を次式(11)のように変形してスロットル弁通過空気量mt(i)を算出することができる。式(11)において、現在のスロットル弁の開口面積(又は開度)に対する定常下流側圧力Pmtaは、特定の機関状態におけるものであり、この定常下流側圧力Pmtaに基づき定常吸入空気量を算出するための一次式を特定する係数及び定数(a1、b1、及びc1)は、同じ特定の機関状態におけるものである。
【数7】
【0024】
ところで、燃焼空燃比を正確に制御するためには、燃料噴射を開始する以前に気筒内への正確な吸入空気量を推定して、燃料噴射量を決定しなければならない。しかしながら、正確な吸入空気量を推定するためには、厳密には、吸気弁閉弁時における吸入空気流量を算出しなければならない。すなわち、燃料噴射量を決定する時において、現在の吸入空気量mc(i)ではなく、吸気弁閉弁時における吸入空気量mc(i+n)を算出しなければならない。これは、図1に示すような吸気枝管3に燃料を噴射する内燃機関だけでなく、吸気行程において筒内へ直接燃料を噴射する内燃機関においても同様である。
【0025】
そのためには、現在において、現在のスロットル弁の開口面積A(i)(又は開度)だけでなく、吸気弁閉弁時までの時間Δt毎のスロットル弁の開口面積A(i +1),A(i+2),・・・A(i+n)に基づき、式(11)において定常下流側圧力Pmtaを変化させ、各時間のスロットル弁通過空気量mtを算出することが必要となる。
【0026】
各時間のスロットル弁の開口面積A(又は開度TA)は、現在の時間に対するアクセルペダルの踏み込み変化量に基づき、この踏み込み変化量が吸気弁閉弁時まで持続するとして、各時間のアクセルペダルの踏み込み量を推定し、それぞれの推定踏み込み量に対して、スロットル弁アクチュエータの応答遅れを考慮して決定することが考えられる。この方法は、スロットル弁がアクセルペダルと機械的に連結されている場合にも適用することができる。
【0027】
しかしながら、こうして推定される吸気弁閉弁時におけるスロットル弁の開口面積A(i+n)は、あくまでも予測であり、実際と一致している保証はない。吸気弁閉弁時におけるスロットル弁の開口面積A(i+n)を実際と一致させるために、スロットル弁を遅れ制御するようにしても良い。アクセルペダルの踏み込み量が変化した時に、アクチュエータの応答遅れによって、スロットル弁開度は遅れて変化するが、この遅れ制御は、このスロットル弁の応答遅れを意図的に増大させるものである。
【0028】
例えば、機関過渡時において、燃料噴射量を決定する時における現在のアクセルペダルの踏み込み量に対応するスロットル弁開度が、吸気弁閉弁時に実現されるように、実際の応答遅れ(無駄時間)を考慮してスロットル弁のアクチュエータを制御すれば、現在から吸気弁閉弁時までの時間毎のスロットル弁の開口面積A(i),A(i+1),・・・A(i+n)を正確に把握することができる。さらに具体的に言えば、アクセルペダルの踏み込み量が変化する時には、直ぐにアクチュエータへ作動信号を発するのではなく、燃料噴射量を決定する時から吸気弁閉弁時までの時間から無駄時間を差し引いた時間だけ経過した時にアクチュエータへの作動信号を発するようにするのである。もちろん、現在のアクセルペダルの踏み込み量に対応するスロットル弁開度を、吸気弁閉弁時以降に実現するようにスロットル弁の遅れ制御を実施しても良い。
【0029】
【発明の効果】
本発明による請求項1に記載の内燃機関の制御装置によれば、スロットル弁モデルにより現在のスロットル弁通過空気量を逐次的に算出すると共に、吸気弁モデル及び吸気管モデルにより気筒内へ供給される現在の吸入空気量を逐次的に算出する内燃機関の制御装置であって、
前記吸気弁モデルは、気筒内へ供給される吸入空気量がスロットル弁下流側圧力を変数とする一次式で表され、前記一次式の係数及び定数は、前記スロットル弁下流側圧力に基づき前記吸入空気量を算出する際に前記吸入空気量に影響する機関状態毎に設定され、
前記スロットル弁モデルは、現在のスロットル弁通過空気量を、スロットル弁下流側圧力に対するスロットル弁上流側圧力の比を変数とする関数と、スロットル弁の開口面積又は開度を変数とするスロットル弁の流量係数を含むもう一つの関数との積により表される式であって、
いずれの前記機関状態においても、任意のスロットル弁の開口面積又は開度に対する定常時の定常スロットル弁下流側圧力に基づき前記スロットル弁モデルにより算出される前記定常時の定常スロットル弁通過空気量が、前記定常時の定常スロットル弁下流側圧力に基づき前記吸気弁モデルにより算出される定常時の定常吸入空気量に等しいことに基づき、前記もう一つの関数を、前記関数において前記定常スロットル弁下流側圧力に対するスロットル弁上流側圧力の比を変数として代入した値と、前記吸気弁モデルから算出される前記定常吸入空気量とを使用して置換した式により算出する内燃機関の制御装置において、
現在のスロットル弁通過空気量は、前記スロットル弁モデルを使用して、前記関数において前記関数の前記比として現在のスロットル弁上流側圧力に対する現在のスロットル弁の開口面積又は開度における現在のスロットル弁下流側圧力の比を代入して算出される値と、
前記関数において前記関数の前記比として現在のスロットル弁上流側圧力に対する現在のスロットル弁の開口面積又は開度における定常時の定常スロットル弁下流側圧力の比を代入して算出される値、に対する前記一次式において前記スロットル弁下流側圧力として現在のスロットル弁の開口面積又は開度における定常時の定常スロットル弁下流側圧力を代入して算出される定常時の定常吸入空気量の比、との積により算出され、
前記定常スロットル弁下流側圧力は、予め定められた一つの機関状態に対してスロットル弁の開口面積毎又は開度毎に予め求められ、現在のスロットル弁の開口面積又は開度に対して予め求められた前記定常スロットル弁下流側圧力は、現在の機関状態が前記予め定められた一つの機関状態以外の機関状態の時においても、現在のスロットル弁通過空気量を算出するために必要な前記定常スロットル弁下流側圧力としてそのまま使用されると共に、現在のスロットル弁通過空気量を算出するために必要な前記定常吸入空気量を前記予め定められた一つの機関状態に対して係数及び定数が設定された前記一次式により算出するために前記スロットル弁下流側圧力として代入されるようになっている。
それにより、定常下流側圧力を実機に対して機関状態毎に適合させる必要はなく、この適合値を設定するための設定作業の工数を低減することができる。ここで、予め定められた機関状態は、任意の機関状態として良く、例えば、機関状態を表す一つの因子である機関回転数に関して、現在の機関状態の機関回転数が、予め定められた機関状態の機関回転数より高くなっても低くなっても良い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による吸入空気量推定装置が取り付けられる内燃機関の概略図である。
【図2】スロットル弁開度TAと流量係数μとの関係を示すマップである。
【図3】スロットル弁開度TAとスロットル弁の開口面積Aとの関係を示すマップである。
【図4】吸気管圧力Pmと大気圧Paとの比と、関数Φとの関係を示すマップである。
【符号の説明】
1…機関本体
2…サージタンク
3…吸気枝管
4…吸気通路
6…スロットル弁[0001]
BACKGROUND OF THE INVENTION
The present invention relates to a control device for an internal combustion engine.
[0002]
[Prior art]
In order to realize accurate air-fuel ratio control, it is necessary to accurately grasp the intake air amount. In order to detect the intake air amount, it is common to install an air flow meter in the engine intake system. However, since the air flow meter has a response delay, a relatively accurate intake air amount can be detected when the engine is stationary. However, only an incorrect intake air amount can be detected during engine transition.
[0003]
In order to grasp a relatively accurate intake air amount even during engine transition, it has been proposed to model the engine intake system and sequentially calculate the intake air amount (see, for example, Patent Document 1).
[0004]
In order to calculate the intake air amount, it is necessary to calculate the throttle valve passing air amount that varies depending on the opening area of the throttle valve. The amount of air passing through the throttle valve is expressed by the product of the function having the variable of the ratio of the downstream pressure and the upstream pressure of the throttle valve and the function having the variable opening area of the throttle valve, using the throttle equation. Expressed by the formula. However, in the function with the opening area of the throttle valve as a variable, the opening shape of the throttle valve is not taken into account. It is difficult.
[0005]
By the way, the intake air amount changes according to the downstream pressure of the throttle valve, and can be approximated by a linear expression of the downstream pressure adapted to the actual machine. Since the amount of intake air and the amount of air passing through the throttle valve are equal when the engine is stationary, the current throttle valve opening area (or opening) and the downstream pressure relative to this (the current throttle valve opening) The steady-state throttle valve passing air amount calculated by the above-described calculation formula based on the downstream pressure when converged with respect to the steady-state intake air amount calculated by the above-described primary formula based on the steady downstream pressure Can be equal. Using this relationship, the function with the opening area of the throttle valve in the above formula as a variable is the ratio of the steady intake air amount calculated based on the steady downstream pressure and the downstream pressure to the upstream pressure. The above-mentioned function as a variable can be replaced by the ratio of the downstream pressure to the function with the steady downstream pressure, where the steady downstream pressure is used as the actual throttle valve opening value. For example, since the primary expression used to calculate the steady intake air amount is also compatible with the actual machine, the throttle valve passing air amount can be accurately calculated.
[0006]
[Patent Document 1]
Japanese Patent Laid-Open No. 2001-41095 [Patent Document 2]
JP-A-2001-130039 [0007]
[Problems to be solved by the invention]
In the above-described prior art, the constant downstream pressure used for calculating the throttle valve passing air amount and the coefficient and constant for specifying the primary expression for calculating the steady intake air amount include valve timing and the like. For this purpose, it must be set as an appropriate value for each engine state for the actual machine, and a large amount of man-hours are required for this setting work. ing.
[0008]
Accordingly, an object of the present invention is to estimate the intake air amount by using a first function in which a throttle valve passing air amount is a variable of a ratio of a downstream pressure and an upstream pressure of the throttle valve, and a current throttle valve. The product of the steady intake air amount calculated by the linear expression based on the steady downstream pressure of the throttle valve with respect to the opening area or opening of the valve and the ratio of the second function with the downstream pressure as the steady downstream pressure in the first function In the control device for an internal combustion engine calculated using the engine, the number of work steps for setting the adaptive value is reduced by reducing the adaptive value for each engine state with respect to the actual machine necessary for calculating the throttle valve passing air amount That is.
[0009]
[Means for Solving the Problems]
According to a first aspect of the present invention, there is provided a control device for an internal combustion engine that sequentially calculates a current throttle valve passing air amount by a throttle valve model and is supplied into a cylinder by an intake valve model and an intake pipe model. A control device for an internal combustion engine that sequentially calculates the intake air amount of
In the intake valve model, the amount of intake air supplied into the cylinder is expressed by a linear expression in which the downstream pressure of the throttle valve is a variable, and the coefficient and constant of the linear expression are based on the downstream pressure of the throttle valve. It is set for each engine condition that affects the intake air amount when calculating the air amount,
In the throttle valve model, the current amount of air passing through the throttle valve is a function of the ratio of the throttle valve upstream pressure to the throttle valve downstream pressure as a variable, and the throttle valve opening area or opening is a variable of the throttle valve. An expression represented by the product of another function including the flow coefficient,
In any engine state, the steady-state steady-state throttle valve passage air amount calculated by the throttle-valve model based on the steady-state steady-state throttle valve downstream pressure with respect to the opening area or opening of an arbitrary throttle valve is Based on the steady-state steady intake air amount calculated by the intake valve model based on the steady-state steady throttle valve downstream pressure, the another function is expressed as the steady-state throttle valve downstream pressure in the function. In a control device for an internal combustion engine that calculates a value obtained by substituting the ratio of the pressure upstream of the throttle valve as a variable and the steady intake air amount calculated from the intake valve model ,
The current throttle valve passing air amount is obtained by using the throttle valve model, and the current throttle valve at the current throttle valve opening area or opening relative to the current throttle valve upstream pressure as the ratio of the function in the function. A value calculated by substituting the ratio of the downstream pressure,
In the function, the value calculated by substituting the ratio of the current throttle valve opening area or the steady-state steady throttle valve downstream pressure in the current throttle valve opening area to the current throttle valve upstream pressure as the ratio of the function The product of the ratio of the steady intake air amount at the steady state calculated by substituting the steady throttle valve downstream pressure at the steady state at the current throttle valve opening area or opening as the throttle valve downstream pressure in the primary equation Calculated by
The downstream pressure of the steady throttle valve is determined in advance for each opening area or opening of the throttle valve for one predetermined engine state, and is determined in advance for the opening area or opening of the current throttle valve. The steady-state throttle valve downstream pressure obtained is the steady-state pressure required for calculating the current amount of air passing through the throttle valve even when the current engine state is an engine state other than the predetermined one engine state. While being used as it is as the downstream pressure of the throttle valve, the constant intake air amount necessary for calculating the current throttle valve passage air amount is set with a coefficient and a constant for the one predetermined engine state. Further, it is substituted for the downstream pressure of the throttle valve in order to calculate the linear expression .
[0010]
DETAILED DESCRIPTION OF THE INVENTION
FIG. 1 is a schematic diagram showing an internal combustion engine to which a control device according to the present invention is attached. In the figure, 1 is an engine body, and 2 is a surge tank common to each cylinder. An
[0011]
In order to set the combustion air-fuel ratio in the
[0012]
First, by modeling the throttle valve 6, using the energy conservation law, the momentum conservation law, and the state equation when intake air passes through the throttle valve 6, the current throttle valve passage air amount mt (i) (G / sec) can be expressed by the following equation (1). Including the following expression, the subscript (i) of the variable such as the throttle valve passing air amount indicates the current time, and (i-1) indicates the previous time.
[Expression 1]
[0013]
Here, μ (i) is a flow coefficient, and A (i) is an opening area (m 3 ) of the throttle valve 6. Of course, when an idle speed control valve (ISC valve) is provided in the engine intake system, the opening area of the ISC valve is added to A (i) . Each of the flow coefficient and the opening area of the throttle valve is a function of the throttle valve opening TA (i) (degree), and FIGS. 2 and 3 show maps for the respective throttle valve openings TA. Yes. R is a gas constant, Ta is an intake air temperature (K) upstream of the throttle valve, Pa is an intake passage pressure (kPa) upstream of the throttle valve (hereinafter referred to as upstream pressure), and Pm (i ) Is the intake pipe pressure (kPa) downstream of the throttle valve (hereinafter referred to as downstream pressure). The function Φ (Pm (i) / Pa) is expressed by the following equation (2) using the specific heat ratio κ, and FIG. 4 shows a map for Pm / Pa.
[Expression 2]
[0014]
Next, the intake valve is modeled. Since the intake air amount mc (i) (g / sec) supplied into the cylinder changes substantially linearly based on the downstream pressure Pm (i) , the linear expression shown in the following equation (3) Can be represented.
[Equation 3]
[0015]
Here, Tm (i) is the intake air temperature (K) on the downstream side of the throttle valve, and the coefficients and constants a, b, and c for specifying the equation (3) are set to suit each internal combustion engine. It is a conforming value. Here, ab-c is a value corresponding to the amount of residual burned gas in the cylinder, and increases as the valve overlap increases so that the burned gas flows back to the intake pipe. Thus, in order to calculate an accurate intake air amount mc, these coefficients and constants are preferably set for each engine state. That is, not only for each engine speed, but also when the internal combustion engine has a variable valve tamming mechanism, there are control devices that affect the valve overlap amount, the maximum lift amount of the intake valve, and other intake air amounts. When provided, it is preferable to map the values of a, b, and c for each control amount.
[0016]
Next, the intake pipe is modeled. Using the intake mass conservation law, the energy conservation law, and the equation of state existing in the intake pipe, the rate of time change in the ratio between the downstream pressure Pm and the intake air temperature Tm downstream of the throttle valve is expressed by the following equation (4): The time change rate of the downstream pressure Pm is expressed by the following equation (5). Here, V is the volume (m 3 ) of the intake pipe on the downstream side of the throttle valve 6 in the engine intake system. Specifically, the downstream side of the throttle valve 6 in the intake passage 4, the
[Expression 4]
[0017]
Equations (4) and (5) are discretized to obtain the following equations (6) and (7), respectively, and if the current downstream pressure Pm (i) is obtained by equation (7), 6) to obtain the current intake air temperature Tm (i) in the intake pipe, and based on the current throttle valve opening area A (i) and the current flow coefficient μ (i) according to equation (1). The throttle valve passage air amount mt (i) can be obtained. Further, the current intake air amount mc (i) can be obtained based on the current intake temperature Tm (i) and the current downstream pressure Pm (i ) by the expression (3). At the next calculation time, the downstream pressure Pm (i) of this time is calculated by the equation (7), with the downstream pressure, the intake air temperature, the throttle valve passing air amount, and the intake air amount as previous values. By repeating this, the intake air amount mc is sequentially calculated. In the equations (6) and (7), the discrete time Δt is a time interval for calculating the intake air amount mc, for example, 8 ms. In addition, the throttle valve opening area A (i) and the flow coefficient μ (i) used for calculating the throttle valve passing air amount mt (i) are determined by the throttle valve drive relative to the current depression amount of the accelerator pedal. It is estimated in consideration of the response delay of the device (step motor).
[Equation 5]
[0018]
In this way, the intake air amount mc is calculated. In order to calculate an accurate intake air amount for the actual machine, the above-described equations must be calculated for the actual machine. Don't be. For this purpose, it is preferable to adapt each equation to the actual machine as in equation (3). In particular, in the equation (1) for calculating the throttle valve passing air amount mt, the actual throttle valve changes its opening shape at the same time as the opening area changes. It is difficult to accurately represent the product by the product of the opening area A and the flow coefficient μ. Thereby, in the present embodiment, the throttle valve passing air amount is calculated by modifying Equation (1) so as to be adapted to the actual machine.
[0019]
In the equation (1), considering the steady state in which the current throttle valve opening area A (i) lasts for a while, the downstream intake pressure and the throttle valve passing air amount converge, and the steady downstream pressure Pmta. And the steady throttle valve passing air amount mtta. Accordingly, the following expression (8) can be obtained by substituting the steady downstream pressure Pmta and the steady throttle valve passing air amount mtta into the expression (1), and the expression (8) is transformed into the following expression (9). can do. Since the steady throttle valve passing air amount mtta is equal to the steady intake air amount in the steady state, the equation (9) can be obtained by using the equation (3) for calculating the intake air amount based on the downstream pressure. Can be transformed as shown in the following equation (10) based on the steady downstream pressure Pmta.
[Formula 6]
[0020]
In this way, the function on the left side of Equation (9) that easily generates a calculation error in Equation (1) can be replaced as in Equation (10). In the equation (10), the steady downstream pressure Pmta is a value adapted to the current throttle valve opening area (or opening) based on the current engine state in the actual machine, and the equation (10) The steady intake air amount (a (Pmta−b) + c), which is a numerator, is obtained by calculating the steady downstream pressure Pmta and the coefficients and constants (a, b, and c) that are adapted based on the current engine state in the actual machine. It is sufficient to calculate the amount of air passing through the throttle valve mt (i), which is suitable for the actual machine.
[0021]
However, in order to calculate the throttle valve passage air amount mt (i) in this way, a coefficient and a constant (a, In addition to b and c), the steady downstream pressure Pmta relative to the opening area of the throttle valve must be mapped for each engine state. As described above, the engine state changes not only by the engine speed but also by the valve overlap amount, the maximum valve lift amount, and other control amounts that affect the intake air amount. In order to set the steady downstream pressure Pmta relative to the opening area of the throttle valve for each engine state, enormous man-hours are required.
[0022]
In the present embodiment, it is intended to reduce the setting man-hour of the steady downstream pressure Pmta. Referring to Equation (9), the left side of Equation (9) uses only the throttle valve opening area A (i) and the flow coefficient μ (i) as variables, that is, the engine speed, valve overlap amount, etc. It has nothing to do with engine status. In other words, the left side of Equation (9) does not change depending on the engine state. That is, on the right side of Equation (9), if the engine state changes, the steady throttle valve passage air amount mtta for the same throttle valve opening area changes, and the steady downstream pressure Pmta for the same throttle valve opening area also changes. As a result, the function value Φ whose variable is the ratio between the steady downstream pressure Pmta and the upstream pressure Pa also changes, but the ratio between the steady throttle valve passage air amount mtta and the function value Φ changes the engine state. It can be said that it does not change.
[0023]
Thus, when substituting a part of the equation (1) by the equation (10) to calculate the throttle valve passing air amount mt (i) , the current engine state in an arbitrary engine state is irrespective of the current engine state. A primary expression for calculating the steady downstream pressure Pmta with respect to the opening area (or opening) of the throttle valve and the intake air amount in the same engine state may be used. That is, the throttle valve passing air amount mt (i) can be calculated by transforming the equation (1) into the following equation (11). In Expression (11), the steady downstream pressure Pmta with respect to the current opening area (or opening) of the throttle valve is in a specific engine state, and the steady intake air amount is calculated based on the steady downstream pressure Pmta. The coefficients and constants (a1, b1, and c1) that specify the linear expression for are for the same specific engine conditions.
[Expression 7]
[0024]
By the way, in order to accurately control the combustion air-fuel ratio, it is necessary to estimate the correct intake air amount into the cylinder and determine the fuel injection amount before starting the fuel injection. However, in order to estimate the accurate intake air amount, strictly speaking, the intake air flow rate when the intake valve is closed must be calculated. That is, when determining the fuel injection amount, the intake air amount mc (i + n) when the intake valve is closed must be calculated instead of the current intake air amount mc (i) . This applies not only to the internal combustion engine that injects fuel into the
[0025]
To that end, not only the current throttle valve opening area A (i) (or opening) but also the throttle valve opening area A (i +1) , every time Δt until the intake valve closes, Based on A (i + 2) ,... A (i + n) , it is necessary to calculate the throttle valve passage air amount mt at each time by changing the steady downstream pressure Pmta in the equation (11). .
[0026]
The opening area A (or opening TA) of the throttle valve at each time is based on the amount of change in the depression of the accelerator pedal with respect to the current time, and the amount of change in the depression lasts until the intake valve closes. It is conceivable that the amount of depression of the throttle valve is estimated and the estimated amount of depression is determined in consideration of the response delay of the throttle valve actuator. This method can also be applied when the throttle valve is mechanically connected to the accelerator pedal.
[0027]
However, the estimated opening area A (i + n) of the throttle valve when the intake valve is closed as described above is merely a prediction, and there is no guarantee that it matches the actual situation. In order to make the opening area A (i + n) of the throttle valve coincide with the actual value when the intake valve is closed, the throttle valve may be controlled to be delayed. When the amount of depression of the accelerator pedal changes, the throttle valve opening varies with delay due to the response delay of the actuator. This delay control intentionally increases the response delay of the throttle valve.
[0028]
For example, during engine transition, the actual response delay (dead time) so that the throttle valve opening corresponding to the current depression amount of the accelerator pedal when determining the fuel injection amount is realized when the intake valve is closed. If the throttle valve actuator is controlled in consideration of the above, the throttle valve opening areas A (i) , A (i + 1) ,... A (i + n ) Can be grasped accurately. More specifically, when the amount of depression of the accelerator pedal changes, an operation signal is not immediately sent to the actuator, but the dead time is subtracted from the time from when the fuel injection amount is determined to when the intake valve is closed. An operation signal to the actuator is issued when the time has elapsed. Of course, the throttle valve delay control may be performed so that the throttle valve opening corresponding to the current depression amount of the accelerator pedal is realized after the intake valve is closed.
[0029]
【The invention's effect】
According to the control apparatus for an internal combustion engine according to the first aspect of the present invention, the current throttle valve passing air amount is sequentially calculated by the throttle valve model and supplied into the cylinder by the intake valve model and the intake pipe model. A control device for an internal combustion engine that sequentially calculates a current intake air amount,
In the intake valve model, the amount of intake air supplied into the cylinder is expressed by a linear expression in which the downstream pressure of the throttle valve is a variable, and the coefficient and constant of the linear expression are based on the downstream pressure of the throttle valve. It is set for each engine condition that affects the intake air amount when calculating the air amount,
In the throttle valve model, the current amount of air passing through the throttle valve is a function of the ratio of the throttle valve upstream pressure to the throttle valve downstream pressure as a variable, and the throttle valve opening area or opening is a variable of the throttle valve. An expression represented by the product of another function including the flow coefficient,
In any engine state, the steady-state steady-state throttle valve passage air amount calculated by the throttle-valve model based on the steady-state steady-state throttle valve downstream pressure with respect to the opening area or opening of an arbitrary throttle valve is Based on the steady-state steady intake air amount calculated by the intake valve model based on the steady-state steady throttle valve downstream pressure, the another function is expressed as the steady-state throttle valve downstream pressure in the function. In a control device for an internal combustion engine that calculates a value obtained by substituting the ratio of the pressure upstream of the throttle valve as a variable and the steady intake air amount calculated from the intake valve model,
The current throttle valve passing air amount is obtained by using the throttle valve model, and the current throttle valve at the current throttle valve opening area or opening relative to the current throttle valve upstream pressure as the ratio of the function in the function. A value calculated by substituting the ratio of the downstream pressure,
In the function, the value calculated by substituting the ratio of the current throttle valve opening area or the steady-state steady throttle valve downstream pressure in the current throttle valve opening area to the current throttle valve upstream pressure as the ratio of the function The product of the ratio of the steady intake air amount at the steady state calculated by substituting the steady throttle valve downstream pressure at the steady state at the current throttle valve opening area or opening as the throttle valve downstream pressure in the primary equation Calculated by
The downstream pressure of the steady throttle valve is determined in advance for each opening area or opening of the throttle valve for one predetermined engine state, and is determined in advance for the opening area or opening of the current throttle valve. The steady-state throttle valve downstream pressure obtained is the steady-state pressure required for calculating the current amount of air passing through the throttle valve even when the current engine state is an engine state other than the predetermined one engine state. While being used as it is as the downstream pressure of the throttle valve, the constant intake air amount necessary for calculating the current throttle valve passage air amount is set with a coefficient and a constant for the one predetermined engine state. In order to calculate by the linear equation, the throttle valve downstream pressure is substituted.
Accordingly, it is not necessary to adapt the steady downstream pressure to the actual machine for each engine state, and the number of setting operations for setting the adaptation value can be reduced. Here, the predetermined engine state may be an arbitrary engine state. For example, with respect to the engine speed which is one factor representing the engine state, the engine speed of the current engine state is determined as the predetermined engine state. The engine speed may be higher or lower.
[Brief description of the drawings]
FIG. 1 is a schematic view of an internal combustion engine to which an intake air amount estimation device according to the present invention is attached.
FIG. 2 is a map showing a relationship between a throttle valve opening degree TA and a flow coefficient μ.
FIG. 3 is a map showing a relationship between a throttle valve opening degree TA and an opening area A of the throttle valve.
FIG. 4 is a map showing the relationship between the ratio of the intake pipe pressure Pm and the atmospheric pressure Pa and the function Φ.
[Explanation of symbols]
DESCRIPTION OF
Claims (1)
前記吸気弁モデルは、気筒内へ供給される吸入空気量がスロットル弁下流側圧力を変数とする一次式で表され、前記一次式の係数及び定数は、前記スロットル弁下流側圧力に基づき前記吸入空気量を算出する際に前記吸入空気量に影響する機関状態毎に設定され、
前記スロットル弁モデルは、現在のスロットル弁通過空気量を、スロットル弁下流側圧力に対するスロットル弁上流側圧力の比を変数とする関数と、スロットル弁の開口面積又は開度を変数とするスロットル弁の流量係数を含むもう一つの関数との積により表される式であって、
いずれの前記機関状態においても、任意のスロットル弁の開口面積又は開度に対する定常時の定常スロットル弁下流側圧力に基づき前記スロットル弁モデルにより算出される前記定常時の定常スロットル弁通過空気量が、前記定常時の定常スロットル弁下流側圧力に基づき前記吸気弁モデルにより算出される定常時の定常吸入空気量に等しいことに基づき、前記もう一つの関数を、前記関数において前記定常スロットル弁下流側圧力に対するスロットル弁上流側圧力の比を変数として代入した値と、前記吸気弁モデルから算出される前記定常吸入空気量とを使用して置換した式により算出する内燃機関の制御装置において、
現在のスロットル弁通過空気量は、前記スロットル弁モデルを使用して、前記関数において前記関数の前記比として現在のスロットル弁上流側圧力に対する現在のスロットル弁の開口面積又は開度における現在のスロットル弁下流側圧力の比を代入して算出される値と、
前記関数において前記関数の前記比として現在のスロットル弁上流側圧力に対する現在のスロットル弁の開口面積又は開度における定常時の定常スロットル弁下流側圧力の比を代入して算出される値、に対する前記一次式において前記スロットル弁下流側圧力として現在のスロットル弁の開口面積又は開度における定常時の定常スロットル弁下流側圧力を代入して算出される定常時の定常吸入空気量の比、との積により算出され、
前記定常スロットル弁下流側圧力は、予め定められた一つの機関状態に対してスロットル弁の開口面積毎又は開度毎に予め求められ、現在のスロットル弁の開口面積又は開度に対して予め求められた前記定常スロットル弁下流側圧力は、現在の機関状態が前記予め定められた一つの機関状態以外の機関状態の時においても、現在のスロットル弁通過空気量を算出するために必要な前記定常スロットル弁下流側圧力としてそのまま使用されると共に、現在のスロットル弁通過空気量を算出するために必要な前記定常吸入空気量を前記予め定められた一つの機関状態に対して係数及び定数が設定された前記一次式により算出するために前記スロットル弁下流側圧力として代入されることを特徴とする内燃機関の制御装置。 A control device for an internal combustion engine that sequentially calculates the current amount of air passing through the throttle valve using the throttle valve model and sequentially calculates the current amount of intake air supplied into the cylinder using the intake valve model and the intake pipe model. There,
In the intake valve model, the amount of intake air supplied into the cylinder is expressed by a linear expression in which the downstream pressure of the throttle valve is a variable, and the coefficient and constant of the linear expression are based on the downstream pressure of the throttle valve. It is set for each engine condition that affects the intake air amount when calculating the air amount,
In the throttle valve model, the current amount of air passing through the throttle valve is a function of the ratio of the throttle valve upstream pressure to the throttle valve downstream pressure as a variable, and the throttle valve opening area or opening is a variable of the throttle valve. An expression represented by the product of another function including the flow coefficient,
In any engine state, the steady-state steady-state throttle valve passage air amount calculated by the throttle-valve model based on the steady-state steady-state throttle valve downstream pressure with respect to the opening area or opening of an arbitrary throttle valve is Based on the steady-state steady intake air amount calculated by the intake valve model based on the steady-state steady throttle valve downstream pressure, the another function is expressed as the steady-state throttle valve downstream pressure in the function. In a control device for an internal combustion engine that calculates a value obtained by substituting the ratio of the pressure upstream of the throttle valve as a variable and the steady intake air amount calculated from the intake valve model ,
The current throttle valve passing air amount is obtained by using the throttle valve model, and the current throttle valve at the current throttle valve opening area or opening relative to the current throttle valve upstream pressure as the ratio of the function in the function. A value calculated by substituting the ratio of the downstream pressure,
In the function, the value calculated by substituting the ratio of the current throttle valve opening area or the steady-state steady throttle valve downstream pressure in the current throttle valve opening area to the current throttle valve upstream pressure as the ratio of the function The product of the ratio of the steady intake air amount at the steady state calculated by substituting the steady throttle valve downstream pressure at the steady state at the current throttle valve opening area or opening as the throttle valve downstream pressure in the primary equation Calculated by
The downstream pressure of the steady throttle valve is determined in advance for each opening area or opening of the throttle valve for one predetermined engine state, and is determined in advance for the opening area or opening of the current throttle valve. The steady-state throttle valve downstream pressure obtained is the steady-state pressure required for calculating the current amount of air passing through the throttle valve even when the current engine state is an engine state other than the predetermined one engine state. While being used as it is as the downstream pressure of the throttle valve, the constant intake air amount necessary for calculating the current throttle valve passage air amount is set with a coefficient and a constant for the one predetermined engine state. Further, the control device for an internal combustion engine, which is substituted as the pressure on the downstream side of the throttle valve in order to calculate the linear equation .
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